2009年10月15日木曜日

ラブフェロモンNo.5

 『ラブフェロモンNo.5』の単行本が出ましたよ。実は私、ずっと興味はあったんですけど読んだことなくってですね、というのも、連載しているところが『ケータイまんがタウン』です。ええ、私、いまだに携帯電話持ってませんから、興味があっても確認さえできないっていうね、この情報化時代に取り残されているような状況にあるのです。だから、これが初読となりました。これまで、『まんがタウン』に載る宣伝、そこでの紹介は見てきて、けれどいまいちどんな漫画であるのかつかめずにいたのですが、読んでみて、ああ、こういう漫画なのか。なかなかのシチュエーション。最初は、どうだろう、どうなのかなとおっかなびっくりで読んでいたのが、途中からは、もうこれいいな、素晴しいなと、すっかり虜になってしまいました。

ヒロインは香菜。眼鏡、ショートカットのお嬢さん。この人が転校した先で出会ったのが、人気絶大の生徒会長、かをりさんなのですが、この出会いというのが実にエキセントリック。登校中に軽くぶつかってしまった、そうしたら匂いをかがれて、しかもかなり執拗に! それで、私のモノになりなさいっですからね。なんと、かをりさんは匂いフェチだったのです。普通の人にはわからない。けれどかをりにとって香菜は、とてつもなくいい匂いのするお嬢さん。と、ここから香菜に対するかをりのアタックがはじまって、それはもはやストーキングの域に達しようというほどに猛烈なものでありまして、そして香菜には周囲からの嫉妬が突き刺さる。なんか、不憫だよな。かわいそうにな、というのがこの時点での感想でした。

けれど、ふたりはこの関係にとどまることなく、さらなる先を目指すのでした。香菜に向けられる嫉妬。その急先鋒はかをりの従兄弟、流々であったのですが、かをりの流々に対する態度、それがものすごく効果的に働くのですね。かをりに振り向いてもらいたくて、香菜の匂いを研究させ、自分の匂いを変えてまでアプローチする流々だけど、その匂いが耐えられないと頑として拒否の姿勢を貫くかをり。けれど、その態度は香菜のかをりに対する不信、不安を煽ることとなってという流れ、もう素晴しいと思った。香菜の悩み。そしてかをりの答え。それは、フェティシズムからはじまった恋愛における、ひとつの模範例といっていいものであった。そのように思われて、ああ、確かに愛とはこうしたものであるかも知れません。

最初に好きになったのは声。かをりにとっては匂い、私にとっては眼鏡。けれどいつまでも愛がそうした部分に留まり続けるわけじゃないのです。きっかけは、その人をかたちづくる一部分に過ぎなかったかも知れないけれど、知るほどに深まる、それが愛情なのではないか。私の愛しい部分を持つ彼女。けれどその部分だけが愛しいのではないのです。彼女という総体があってこその部分なんですから。たまたま好きになった人がその部分を持っていたのではなくて、その部分をとっかかりに彼女という総体に触れ、愛が生まれたのです。今や総体を愛する私は、たとえあなたの愛しい部分が変質し失われることがあったとしても、その総体への愛ゆえに、決して離しはしないよと、どんな変化だって受け入れてみせるよと、そうした言葉にはちょっと感動してしまいました。

この漫画は、なんといっても匂いうんぬんを前面に押し出す、そうしたところがエキセントリックで、また今でこそ百合として認知されていますが、ヒロインが女性、ヒロインに恋するのもまた女性という、そうしたところもエキセントリックといっていいのかも知れません。ヒロインそのものといった香菜、そしてなんだかむしろヒーローっぽいかをりさん。けれど、常に香菜が守られ庇護され振り回されるわけでもない、ちょっとした逆転も描かれるところなんかはとても魅力的でたまりません。全体にはコメディといった感触。面白おかしく、軽く、楽しく読めるのだけれど、時にぐっと胸にしみる言葉、展開もあって、ああ、もう、大好きだ。ええ、これはとてもいいです。エキセントリックだなんていったけれど、むしろ描かれる感情こそは王道的であるともいえて、まっすぐに愛情を表現するふたりはなんと輝いてみえることか。ええ、奇をてらったように見えて、描かれる愛は実に丁寧。むしろ、正統派であるというのですね。

あとがきによると、これはケータイコンテンツであったからこそ実現した漫画であるそうでして、そうか、ケータイって素晴しいな。ケータイってのもいいものなんだなと思いました次第です。ケータイでは、紙媒体とはまた違った表現もなされるといいますから、機会があればそちらも読んでみたい。そんな気持ちにさせる漫画でもありました。

  • 岩崎つばさ『ラブフェロモンNo.5』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2009年。
  • 以下続刊

引用

2009年10月14日水曜日

デュープリズム

 デュープリズム』10周年です。このゲームの発売されたのは、1999年10月14日のことでした。まさに、10年前の今日のこと。というわけでもないのですが、『デュープリズム』のプレイを再開しましたよ。いやね、『ガンダム戦記』に疲れてしまいまして、あれ、アイテムとか出なさすぎ。もういやだ、くじけてしまいまして、だからちょっと『デュープリズム』やろう。PlayStation 3を買ったときに、こいつで最初に遊ぶPlayStationのゲームは『デュープリズム』と決めていたのです。それはまさに今この時を置いてほかにない。意気揚々として開始したら、それがなんと10周年の日であったというのですね。素晴しい偶然! 私と『デュープリズム』は運命の糸に繋がれているのですか!? いや、本当、まさか今日がそんな節目の日であろうとは、思いもしませんでした。

思えば、私がこれを買ったのも偶然でした。今はもうない駅前のゲームショップ、店頭に山積みで半額の値付けがされていたのが『デュープリズム』でした。雰囲気のあるイラスト。ゲーム内容はといえば、主人公ふたりで、それぞれ違ったテイストのストーリーを楽しめる。ふーん、どうしようかな。安くなってるし、はずれでもまあいいか。そう思って買ったらこれが大当たり。年末年始の休みにプレイするつもりで買って、まさかそれが今もなおプレイしたいゲームとしてリスト入りしているのですから、ほんと、出会いというのは異なもの味なものだと思います。

主人公はふたり。打撃主体のルウと、魔法攻撃も多彩なミント。シリアスなストーリー、重さを抱えながらも深刻一色にはならないルウ編の絶妙なバランスは、今プレイしてもなお涙と笑いに心がほぐれる思いがするし、ミント編はというと、テンポよく、小気味よく進む話に、ミントの啖呵が効いて、楽しいは、面白いは、癖になるはで、ああ、ルウ編を終えてミント編に進むのが楽しみだ。そんな思いに、今からなんだかわくわくするものを感じています。いや、もうほんと、すごい落差があって、ルウ編はほんと、涙が止まらないほどに引き込まれてしまうものがあるんですけど、その後にミント編のあのノリでしたから、呆気にとられて、ほんとにこれ、同じ世界観のストーリーなのかと思ったほど。でも、プレイしてみればわかるんですが、ルウ編もミント編も、どちらもちゃんと『デュープリズム』なんですね。むしろ、このふたつの違ったテイストが、喧嘩せず、調和するところに、『デュープリズム』というゲームのらしさ。よさ。魅力があるのだと思っています。

PlayStation 2ではじめてプレイしたPlayStationのゲームは『デュープリズム』でした。ポリゴンの補完でしたっけ、それを試してみて、テクスチャの表現がちょっと違っちゃったので、残念に思いながらオフにしたものでした。そして、PlayStation 3では、アップコンバートが使えます。もしかしたら、ポリゴンが木目細かくなる? と期待したのだけれど、そういうものではないということがわかりました。ちょっとがっかり。というか、やっぱり昔のゲームなんだなあ、というのをこれでもかと思い知らされることとなって、なんせPlayStation 3用ゲームからPlayStation時代に逆戻りでしょう。ちょっとギャップがすごかったですね。スムージングも、ちょっとにじんだみたいになる? ブラウン管時代のテレビは、今のテレビと違ってちょっとにじんで表示されるものだから、そうした効果をエミュレートするものなのかな。いや、今、軽く調べてみたら、2D表示にこそ効果大なのかな? ということは、『デュープリズム』後は『Lの季節 -A piece of memories-』か? いや、そのへんはこれから考えます。というか、『Lの季節2 -invisible memories-』、まだクリアしきってない。って、このへんも今日は関係ないですね。先に進みましょう。

久しぶりにプレイして、ああ、やっぱり古いゲームなんだなあと、その見た目にがっかりとした。そんな話でしたけど、でもプレイしはじめると気にならなくなるんですね。引き込まれてしまって、そりゃ画質はいいにこしたことないですよ。けれど、ゲームのよさを決定するのは画質ではないのだと思い知った。今でもなお、このゲームの魅力は生きているんだと、色褪せないものがあるのだと知って、嬉しくなったのでした。久しぶりの『デュープリズム』。細かいところは忘れていて、昔つまったところは今もまたつまるし、昔感動したところは今もまた感動する。ああ、変わらないなあって思いながらプレイして、ああ、私はあとどれくらい、これほどに愛せるゲームに巡り会えるだろうって思って、なんか胸が熱くなりました。

『デュープリズム』。素晴しいゲームです。これに出会えたこと、そのことに感謝したくなる、それほどに好きなゲームであります。

CD

2009年10月13日火曜日

『まんがタイムラブリー』2009年11月号

『まんがタイムラブリー』、11月号が発売です。『まんがホーム』に続き、『ラブリー』でもハロウィンが表紙を飾って、今はもう普通にみなハロウィンを年中行事としてとりおこなったりするんでしょうか。イベント好きな若い人だとか、子供がいるお家なら、ハロウィンも身近だったりするんでしょうね。どうも私のまわりでは、ハロウィンを意識させるようなものっていうのは見当たらなくって、だからこうした漫画でその雰囲気を感じるのが毎年のならいになっています。

うさぎのーと』、秋の写生大会だそうですよ。私は実は苦手でした。うさぎ先生よりかはましだと信じたい。けど、ハニーには負けそう。まあ、写生大会とかあると、授業つぶれるのはよかったなあ。なんて消極的なこといってます。さて、漫画の本編ですが、うさぎ先生はえらい子供じみたところが強調されて、腹ばいとか、うわっ汚れてるとか。でもって極めつけはいえっはー。この人、野に放つと手がつけられないな。でもそうした天真爛漫な暴走が楽しくてよいんですね。でも、私は見習うのは遠慮しておこうと思います。いや、なんとなく。楽しそうでいいんですけれども。

『だんつま』、ひなよさんの旦那が大変なことになっています。家事があまりに好きすぎて、それも手間のかかればかかるほどいいという、ちょっとした中毒状態。凝り性なんだ。でも、ちょっと気持ちはわかります。毎日のことでここまで凝れるのは、正直ちょっとした才能だと思うけど、趣味でやっていることっていうのは、どこか際限のないところってありますから。でも、こういう人がうちにいてくれると、きっと私は堕落してしまうと思います。そうか、ひなよさんは堕落した奥さんなんだ。いや、でもほがらかでのびやかなところ、その明るさが堕落なんてことを思わせませんね。

『ただいま独身中』は、メインヒロインの脇をかためるニューヒロイン登場? 営業2課の課長さん。東有希子。この人は結婚しない人? そして20代女子佐藤操。おお、黒髪ショート、これはなんかすごくいいかもって色めき立ったら、なんとそういう趣旨の人。いや、私は大丈夫だよ、ってなにいってんでしょうね、馬鹿みたい。本編のテーマはボーナスからお金の使い道に流れて、欲しいものリスト、ああ確かに欲しいもの数え上げるとぞろぞろといくらでも出てきますが、はたしてそれは本当に欲しいのかっていわれると、ううむと立ち止まることもしばしば。本当に? と聞かれると、本当に! と答えられるものっていうのは、意外に少ない、あるいはほとんどのものはいらないのかも知れません。欲しいものがないっていうのは、幸福なんだと思います。いまある自分で充足できる。それは、やはりしあわせなんだと思います。

『ごめんね、委員長!』、連載になりました。すごく妥当だと思います。今回も甘言に篭絡される委員長。しっかりしているようで、そうでないっぽいところ。可愛いなあとは思うのだけど、やっぱり酷い目に……。基本はこれ、っていうのが見えてきて、委員長まきこみながら、恵理咲と、優里早都ペアが対決する。で、審判はぱん子さん。今回はボールふたつのバスケットボール。背中に背負った委員長でボール運搬するのは、重りで差し引き、トラベリングにはならんのか。でも、圧倒的に有利だよなこれ、と思ったら、委員長はお荷物だから、そうそう有利というわけではないのか。さすがはぱん子さんだ。

のりのいい、いい漫画だと思います。軽く読める、キャラクターも可愛い。続いて、それで面白さが持続するかどうかですが、今の感触ならいけそうだなって思って、だから連載になったこと、すごく喜んでいます。

『縁側ごはん』はおでん。おあずけくらってる姉。そして、姉の支配者的状況が回想から読み取れる。で、ちくわぶなんですが、関東では普通なのですか? 私は、ちくわぶっていうのは話に聞くだけで、見たこともないんじゃないかな? いや、姉にとられてた過去はないですよ? こうした地域差みたいなのもあるから、食べ物ってのは面白いなと思います。

『視界良好』は、風邪の話。でも、眼鏡は氷嚢のかわりにならんなあ。で、成田さん、可愛いと思います。さて、実は私は眼鏡でマスクで通勤しているのですが、いや、喉が弱いので。で、この格好でコンビニも銀行も利用しますが、意外と平気なもんですよ? ただ、眼鏡がくもるのは実際です。冬とかね、帰り道、坂を登ると息があがるでしょう。すると眼鏡がくもって前が見えなくなる。いつか事故になるのではないかと、ひやひやします。

『できる女には秘密がある』。綺麗な人だと思います。ところで思うのですが、こういうだらしのない人は、レンタルDVDとか利用しない方がいいと思います。というわけで、私はレンタルビデオやレンタルCD、利用したことがありません。この漫画は、外面のいい姉と弟、それから弟と弟を好きな二菜、このふたつの関係を軸にしていくんでしょうか。よくできた弟。二菜さんに関してはなんだか応援したい。そしてこの姉さんは、自宅での綺麗じゃない格好、このスタイルもまた可愛くていいと思います。でも、やっぱりレンタルとかは利用しないほうがいいと思うんだ。人には向き不向きというものがあります。

『アイムホームあかり』。この漫画は、温水さんのからまわりを楽しむ漫画であるみたいですね。きっとがんばるにしても、がんばる方向が違う。でも、それでも大家さんはにこやかに答えてくれる。漫画読んでる限りでは、あんまり成就しそうにない関係だけど、そうしたいきつかない小恋愛的状況は、罪がない感じでなんだかいいと思います。

先生はお兄ちゃん。』。まゆ、恋の目覚め。えらいこと可愛いな。見た目は天使に似て、中身はそっけない。そんなまゆが、自覚しない恋に戸惑いを見せて、そして友人Aがさびしさ感じたりして、ああ、兄貴には決して知られるな。この友人の反応。なんか、じんとしますね。決して遠ざかったりはしない。今も側にいるというのに、特別だった自分の場所が、少し違ってしまう。それで感じるさびしさ、せつなさ。ああ、これも青春、なんだと思います。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第11号(2009年11月号)

2009年10月12日月曜日

機動戦士ガンダム戦記

 PlayStation 3の『機動戦士ガンダム戦記』。この連休、ちょいと集中的に進めてみました。とりあえずシナリオはクリアしているので、ネタばれ気にせずいろいろ調べて、効率的に進めるにはどうしたらいいかなど、準備万端で臨んだのですが、いや、これ、効率がいい稼ぎ場所があるといっても、結局は同じところで戦い続けないといけなくってですね、もうそろそろ悟りが開けるんじゃないかというくらいに同じこと繰り返して、疲れました。でも、ガンダム入手したよ! それからゲルググも! で、なんだかもういいかなって気がしてきたような気もするんだ。

物資の購入価格が倍という、傭兵モードでやってるのが悪いのかなあ。ガンダムのサーベルが入手できるミッションを一日やり続けて、取っては売り、取っては売りの繰り返し。それでガンダム入手したら、感動的に楽になりまして、けどビーム飛び交う終盤ミッションはようクリアできませんでした。僚機が弱いままだからだなと思い、また一日中サーベル取っては売りの繰り返しして、ゲルググ入手して高機動型に改修、それからRX-81AS アサルトアーマーも購入して、しかし武装まで揃えるとえらい高いなこいつ。RX-81ASは格闘メインで、攻撃のモーションが独特なこともあって自分で使う分には面白いんだけど、あんまり戦力としては期待しにくい感じ。ということは、また別のを用意した方がよさそうか。うう、正直辛いな。モビルスーツ全機揃えようと思ったら、いったいどれくらいかかるのだろう。レベル200なんていけるんだろうかと思ってたけど、モビルスーツ,アイテムコンプリートを思えばそんなの楽勝ですよ。だって、もう130近くまで上がってるもんな。それよりも、オンラインに繋いで難易度HELLでクリアしないと入手できないアイテムがあって、その中に改修キットが含まれてるっていう状況だから、コンプリートは無理なんじゃないかと諦めてかかっています。

まあ、ぼちぼち続けますけどさ。とりあえずは、DLC、追加のダウンロード機体が鬼のように強いことを祈りたい。それなら、HELLでもなんとか戦えるでしょうしさ。

文句ばっかりいってるみたいですが、それでもむきになるというか、妙な中毒性があるのは確かなんです。ただただプレイして、同じこと繰り返すばかりなのに、とりあえずは嫌になったり、飽きたりはしていません。ちょっと疲れてるだけ。それに、今はもうポイント稼ぎや攻略は諦めて、初期のミッション、ノーマルからアイテムを拾っていこうとしてるところで、しかし、出ないときは全然出ないのね。PLAYSTATION(R)3「機動戦士ガンダム戦記」公式ブログ「オンラインプレイとは、こういうことだ!」(番外編)によれば、アイテム取得条件は「既定ポイント」と「確率」らしいので、全然出ないというのは、入手ポイントが少ないからというのもあるのかも知れません。けど、基本的に私は全滅させないと気がすまないものだから、ポイントが少ないというのは考えにくいようにも思うんだけどなあ。などといっても、出ないものは出ないんだからしかたがない。まあ、ぼちぼち、細々と続けます。オンラインでの協力プレイもまだやったことないので、アイテム入手目的で、いつかはやってみようかなって思っています。

とまあ、今はこんな感じですけど、もし疲れが限界を超えたときには、せっかくのPlayStation 3ですから、『デュープリズム』を高画質で遊んで、リフレッシュをはかりたいと思います。正直、かなり楽しみにしてたりしましてね、ええ、『デュープリズム』大好きなんです。何度クリアしても飽きません。『ガンダム戦記』もこんな風に長く楽しめればいいなって思ってるんですが、とりあえずコンプリートまでが長いのが困りもの。このへん、もうちょっと楽にいけるようにして欲しかったなって思います。

2009年10月11日日曜日

いもうとデイズ

 私は、篠房六郎のために『アフタヌーン』を買っています。それはつまりいいかえれば、『百舌谷さん逆上する』が終われば、購読をとりやめるということにほかならないのですが、けれど『百舌谷さん』しか読まないということもまたないわけで、ええ、全部読んでるわけじゃないけど、気にいって読んでる漫画も結構あるんですね。たとえばそれは『友達100人できるかな』で、そして今日とりあげる漫画『いもうとデイズ』であります。今、気にいってる漫画といったらこのふたつが双璧かなあ、なんて思います。

『いもうとデイズ』は、ホストやってる兄さんが、当然できた妹と同居するという話です。妹は、父親の再婚相手の連れ子。しかもフィリピン人ときたものだ。なかば押し付けられるように託された妹。全然乗り気でなかったのに、それでも無下にできない、そんな兄さんの人のよさがなんだかいいんです。複雑な家庭事情から、ちょっと荒んでしまっていた兄さんですが、妹ディアナと暮らすようになって、だんだんとやわらいでいく。面倒見よく、自分も仕事たいへんなのに、睡眠時間削ってディアナの勉強みてあげたりする。

最初、この漫画がはじまった当初は、可愛い外国人の妹ができました。ほら、可愛いでしょ? というような漫画かと思っていたのに、この勉強のエピソード、学校で孤立しかねないディアナの境遇につらいななんて思っていたら、それを兄さんが少しでもなんとかうまくいうように支えてくれてるように感じられたものだから、もうなんだかじんときちゃってさ、いい漫画だなって思ったんです。

兄さんのホストとしての生活や、それからディアナを取り巻く環境もろもろ、全体にやさしげで、苛烈な現実の厳しさというようなものは克明には描かれないけれど、現実の重さに疲れてしまっているような人には、逆にそうした甘さが嬉しいかも知れません。ホストの兄さんは、ディアナがきたのをきっかけとして、これまで避けてきた近所付き合いをするようになって、交友範囲を広げていったかと思えば、ディアナのクラスメイトの女の子にちょっと惚れられてしまったりとか、そういったところ、ちょっと面白い。実際、この人、不安定な仕事で、しかも成績もそんなによくないときているけれど、人のいいところとか、やさしいところとか、家庭人としてはむしろ当たりだよなって思うんですね。そうした、完全でないところ。けれど、それでもまわりから受け入れられていくところ。いいなって思いながら読んでいます。

ところで、単行本のおまけ漫画。ディアナの想像がちょっとブラックで、いや、この娘のことだからきっと悪気なんてまったくないと思うんだけど、それだけになおさらブラックで、面白かったです。本編ではちょっと見られないかも知れないディアナ、なんだかよりいっそう好きになってしまったのでした。

  • 田中ユキ『いもうとデイズ』第1巻 (アフタヌーンKC) 東京:講談社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2009年11月号

『まんがタイムきらら』11月号、後半です。さて、昨日、前半でツェラーの公式について言及していましたけれど、あの計算、実は自分ではやっていなかったりします。Pythonというプログラミング言語を使って、計算してくれるスクリプトを書いてたんですね。だから、1999年11月11日だとか、2020年1月1日だとかの計算は、それこそ一瞬で片付いていたりしたのでした。今日はそのスクリプトをJavaScriptで書き直してみまして、そしてブラウザ上で計算できるような仕組みも作ってみました。この文章の最後にのせておきますので、是非計算してみてください。

『まいにちアップデート』、ゲストです。これもまた女学生の日常を描いたものであります。いろいろ残念な志信がヒロイン。そして彼女の友人、学年トップの砂絵に、金髪眼鏡オタクのノエリア。おお、これはちょっといいかも。いや、眼鏡だからそういうんじゃない。金髪だからというのも違うよ? この日本語ぺらぺらの外国人ノエリア、彼女の日本に対する知識は漫画で覚えたというのですね。憧れの国、日本。そのいろいろ間違った日本像、現実と漫画とのギャップがちょいちょい取り上げられたりしたら面白いのかもと思ったのでした。そして志信がなんだかマニア向けの世界に足を踏み入れたみたいな展開があって、だからこれは志信のオタク世界に踏み込んでいく、そんな漫画であるのかも知れません。

といったところで、ちょっと期待したいところです。実は絵もちょっと好みだったりします。

『ちりめら』、ああ、やっぱり好きかも。バーン! って、なんだ、先生、可愛いなあ。演劇部の漫画だけど、むしろ演劇以前の状況で遊んじゃってるといったような、そんなところが結構気に入ってましてね、キャラクターの可愛さが大きいのかなあ。稚気溢れる先生、このでたらめな大人、ものすごく嬉しそうに生徒にからんでいく、その表情がたまりません。で、テンション高めの先生に、ちょっとクールな生徒。そういたギャップがいいのかなって思ってるんです。ええ、これはいい感じです。

『境界線上のリンボ』、先生の師匠が登場です。なんか、ふたり、仲が悪い? そう思わせて、そんなこともないところ。そしてフゥと師匠さんが親しくなって、うん、いい雰囲気、ちょっとこういうの好きです。さて、今回はこの漫画における魔法のポジション、それから魔導というものについて、少しはっきりとして、そうかなるほどと思った。こういうのがわかっていくっていうのも、やっぱりいいですね。

『ハッピーホームベーカリー』、ゲストです。パン屋さんの話。家業を継ぎたいアキラと、フランス帰りのユエ。ふたりのパン屋での暮らし、修行や店の手伝いといった、そうしたことを通して描かれる関係が見どころであるようですよ。ユエは、アキラの母、マシバの名前を呼び捨てにしていますが、ということは母の友人なのかな? こうしたところもじきにわかっていくのだろうと思います。

二丁目路地裏探偵奇譚』は、温泉回。最初、アリスがアリスと気付かなくて、なんでかショコラの姉と思ってました。考えたら、アリスが出てこないわけないですよね。でもって、武者の鎧が、どこかで見たような、有り体にいうとガンダムなんですが、こいつがお化け鎧かと思わせて実は、というところ。お決まりの展開、期待にこたえましたといったところ、実にいい展開です。で、アリスはお化けが嫌い、ガーネットはかっこいいのが好き。このへんの反応の違い、面白かったです。

『リコバド』、ゲストです。バドミントン部の話。中学生なのか高校生なのか、必殺技を編み出そうとがんばる、そんなヒロイン、リコの行動はどう見てもあほな男子だなあ。で、あほな男子をおさえて厳しさに徹するキャプテンがあって、このへんは結構ちゃんとした部活ものって感じです。部員のやる気を引き出すためにDVD、レベルの高い試合を見せるというのとか、なんからしくっていいなと、実際こういうの見るとやる気出ますものね。

メロ3』は文化祭であります。クラスでやった占いの館。スズメの才能が如何なく発揮される話、というか、これはなかなかにうまい展開。最後まで仕掛けに気付きませんでした。本当にそういう水晶玉なのかと……。いつもおっとりふわふわのスズメが魔女の装束身につけたらば、なかなかに魅力的、ミステリアスでいい感じ。で、いつもの不良がひどい目にあわされるという、それもまたいい感じ。っていうか、やつら、実は意外といいやつなんじゃ? こんな感じに、悪いばかりじゃない、実は、っていうところが見えてくるのは、すごくいい感じです。で、わかったところを前提にして話が進んでいく。前半のスズメに対する木ノ子の対応とかですね。そうしたところも面白くて、とてもよかったです。

『ねこきっさ』は店内改装する前に、お客さん含めた皆で落書きして遊びましょうという、そういう企画は現実にあっても楽しそうかもなって、いやとんでもないこと書くやつ出そうだからむずかしいかも知れませんけど、だから漫画ならではなのかなあ。強烈な御札あり、ちょっとした誤解あり、提示された状況の中で面白い展開をして、笑わせてくれる。そうしたところ、やっぱりいいなと思います。

ダブルナイト』は、おおう、変態執事の登場だ。いや、この人、本当に酷いな。酷ければ酷いほどに面白い。ほんと、変態執事というのはいいものだと思います。お仕えするお嬢様に対して敬意があるんだかないんだかわからんところとか、ひょうひょうとしてね、いうこと聞くんだか聞かないんだか。面白かったです。

まーぶるインスパイア』は、メインの三人がPCを見にいくのですが、なんとついにるくはが買い食いしませんでした。なんてこった。これはPC購入資金を食い潰す漫画ではなかったのか。で、だんだんに前面に出てきたもうひとつのグループ、三人組。彼女らもショップにやってきて、これはやっぱり彼女らもネトゲに参加してくるのか。それで、メイン三人と関係していくのか。これはちょっと面白そうだなあ。でも、そこまで辿りくまで、すごく時間かかるんだろうなあ。とりあえず次号は、お泊まりであるようです。ネトゲ? それとも想像もつかない展開? 楽しみです。

『からめるマフィン』、最終回です。『からめるマフィン』は私にとっては惜しい漫画であったのかも知れません。休載期間があって、その間にいろいろ忘れてしまって、復帰後、リハビリ気分で読んでいたのですが、以前どんな風に読んでいたのか、なにを感じていたのか、取り戻すことができなかったのです。そして最終回。最終回についても、どう思ったものかわからなくて、こうして関われなかったということがただただ惜しいと思っています。タイトルとかはしっかり覚えていたんですけど、それだけではやっぱり足りないのですね。

『脳内彼女のいる生活』、ゲストです。なんだか久しぶり。妄想の彼女を具現化させている男の話なんですが、これがすごいナンセンスで面白いんです。今回は、脳内彼女、霞子のモデルとなった女性の話であったんですが、おいおい、ちょっと、真面目に話聞いちゃったよ。なんだ、この徒労感というか、もう、ちきしょー、がっかりだよ。このやるせなさが面白さであるのですが、今回はそれが二段に用意されていて、初段は予測したんだけどなあ。すっかりやられました。しかし、主人公の姉。この人、いいな。実に姉らしいキャラクター。ちょっと尊大、実に素敵。OL? 本当にいい感じです。

『日本ちゃん』。まさか続くとは思わなかった……。意外と好評とかいってますけど、まあ、実際そうなんだろうなあ。私もアンケートに、すっかり騙された、けど面白かったとか書いたおぼえあるものなあ。本当のタイトルは『かたつむりちゃん』です。この悪ふざけなんだかよくわからん漫画、この本編のノリがあるから、ニセタイトルなんかも楽しんで受け入れてしまうんだろうな。次回、もし目次に『日本ちゃん』が載ったりしたら、それはそれで快挙だと思う。そうした悪ふざけは大歓迎です。

My Private D☆V。『空の下屋根の中』の作者、双見酔なんですが、水没するセーラー服女子。ええ? いや、これはなんともわからんなあ。いや、でも、なんだかひきつけられる、そんな魅力はあります。自分がどこに魅力を感じたか、それを追求していったら、見えてくるものもあるのかも知れませんね。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号)

引用

  • くるくまつづら「ちりめら」,『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号),117頁。

おまけ:ツェラーの公式をJavaScriptで計算できるようにしてみました

計算結果

2009年10月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2009年11月号

『まんがタイムきらら』11月号が発売です。表紙は『けいおん!』。ガラス? の向こうから指でけいおん! と書いている。そんな雰囲気、構図がちょっと新鮮で、なんだか楽しそうな梓もよければ、ちょこんと座って見ている唯も可愛くて、でもこうして一枚絵ながめてみると、やっぱりアニメとは違うなってあらためて思わされます。私はアニメも好きだけど、やっぱり漫画も好きだなと思う。アニメに比べて漫画の絵は、ちょっとしっとりとして落ち着いている、そんな感じがして好きなんですね。

けいおん!』、公式ガイドブックが出るそうですぜ。って、考えれば当然のようにも思うのだけど、なんで出ないと思い込んでたんだろう。とりあえず、買うことは決定。でも、ちょっと物入り、どこかで緊縮しないといけませんね。

漫画本編はといいますと、ちょっと部活を離れてクラス行事が取り上げられて、そうか、演劇やるんだ。部活離れての話といえば修学旅行とかあったけど、こうした普段の軽音部から離れての彼女らの様子が見られるのはなんだか面白いなって思えて、特に今回は、和やさわ子先生、そしてクラスの子もちょっと関わってきそう、そんな広がり感じさせるところがいいなって思います。しかし、こうしてクラスでのできごと描いて、部活も描いてってすると、物語内時間を遅らせるとかしないことには大変じゃないのかな。今は2誌連載だから大丈夫? いずれにしても、きっちりしっかりちゃんと思う存分描ききってもらえると嬉しいなと思います。

で、ラストの梓。クラス行事、学年行事となると、どうしてもあぶれちゃうんですよね。なんかちょっと可愛そうになってきた……。寂しいなら、コンビを組んで、ブルースしようぜ。おいらのギターで、あんたが唄えよ……。

ゆゆ式』は、おお久しぶりに部活だ。テーマは曜日。そう、サターンは農耕の神さまです。その名前からサタンとよく勘違いされて、ひどい扱いうけたりするサターンです。で、ツェラーの公式ですが、これは始めて知りました。曜日の取得はいつも日付オブジェクトまかせだもんなあ。でも、この公式、KとかJとかがなになのかわからないですね。mはmonth? でもそれじゃKとかJがわかんない。まさかツェラーだからドイツ語由来でJahrとかじゃあるまいな。

ちょっと知らべてみました。Jは西暦の上二桁。Kは下二桁、月がm、日がqだそうです。で、1月と2月は前年の13月14月と扱うの? ややこしいな。ええと、今日は2009年10月9日だから、計算してみると6だから金曜日。1999年11月11日は5だから木曜日。2020年1月1日は4だから水曜日。カレンダーで確認すると、よかったあってました。しかしこういう公式もあるんですね。ちょっと知識が増えました。なんだか、嬉しいです。

『相沢家のえとせとら』、2年間休載してた? タイトルとかはちゃんと覚えてるんだけど、なんか人間関係がどうだったかとか、すっかり忘れてしまっています。ちょっとリハビリっぽく思い出していかないといけないなと思ってます。まあ、こうしたキャラクター把握における問題は常につきまとうものですから、よくわからなくても、よくわからないなりに読んで、面白かったから大丈夫そうな気もします。

三者三葉』。竹園の坊ちゃん、えらい久しぶり。葉子様を前に頑張ってるところは、なんかほほえましい。で、竹園の坊ちゃんが出るってことは山Gも桜も出るってことで、でも今回はこのあたりの活躍は少なかったように思います。まあ、山Gはいつもどおりって感じではありますが。ちょっと以前風のやりとりが、なんだか懐かしく思えました。こういう感じでしたよね。

『涼宿チェックイン!』、ゲスト、旅館の話です。家族経営、ではなさそうですね。小さな宿? 詳しくはわかりませんが、リアリティ感じさせるホテルものという感じではなく、そこで働くお嬢さんたちの関係、仲良さを見て楽しむといったタイプの漫画であります。

こどもすまいる!』、保育園でのおやつ、遊戯、お昼寝、基本的なところを押さえてるなって思っていたら、次号で最終回なんだそうです。今回みたいなスタンダードな話の展開させかた、こういうの好きだったなってあらためて思います。そうかあ、終わっちゃうのか。うん、そのときは、おつかれさまです、この言葉でねぎらいたい。そう思える漫画です。

『天狗ちゃんとあととり娘』、ゲストです。神社の娘蛍がヒロイン。で、天狗がちっちゃい美少女。天狗といって思い浮かぶイメージとはまったく違う、とてつもなくいい子、そんな天狗の娘、氏神さま、ひよと、結構粗雑な蛍と、そして真面目そうな若葉。この三人で、わいわいとやる。引っ込み思案なひよをひっぱって、いろいろやろうよと、そんな雰囲気は結構よかったなって思います。

『PONG PONG PONG!』は、扉のたぬきがえらい可愛いじゃないか。やっぱり、この娘はこの娘で美少女なんだなって思わせてくれて、けれど本編はじまったら、そうした面影は消失する。それがいいんですよ。それがいいんです。

しかし、今回でひとつ状況に一区切りついて、これまでたぬきをめぐっての部内のどたばたがメインだったけれど、これからは外に打って出るというのですね。ちょっと楽しみだわ。祐太のイメージアップははかれるのか。そしてたぬきの成長は!? って思うんだけど、きっとあんまりうまくいかなかったり、下手な手で右往左往させられたりするんだろうな。すごく楽しみです。

で、今回ですが、祐太が素直になって、痒いとかいわれてますが、いや、彼、いいじゃないか。ちょっと勘違い気味の夢見がち。そんな彼が自己啓発セミナーまがいの吊るし上げ、まあ終わりの会状態ですよね、ずたずたに傷ついて、でもただ傷ついてるだけじゃなくて、気付いたところからなおそうとする、そうしたところ、とてもいいじゃないかと思ったんです。で、たぬき、リコの一生懸命に励ましてくれるところがいい。リコが落ち込めば今度は祐太が励まして、そしてあたたかく見守ってくれている真由、すごくいいと思います。実際、真由はすごくいい子だと思う。先輩はあれだけど、まあこの人はこうでないといかん。いいキャラクターが揃ってるなあと思うんですね。

単行本が出ます。どーんと売れてくれよって思います。だって、めちゃくちゃ面白いんだもの。今、楽しみにしている漫画。『PONG PONG PONG!』は、間違いなくそうした漫画に数えられるものになっているんですね。

といったところで、前半終わり。続く!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号)

2009年10月8日木曜日

みそララ

 やっぱり『みそララ』、面白いです。デザイン会社で働く女性を主役にすえて、仕事をするってことをしっかり描いた四コマなんですが、ライターの麦田美苑、デザイナーの米原梨絵、そして営業の粟屋真琴。まだ一人前とはいえない、そんな三人だけど、仕事を通して少しずつ成長していくっていうところがですね、読んでいてなんだかたまらなくなってくるんです。別に感動を押し出したりするところなんてないのに、ギャグやおかしみ、くすぐりなんぞを交えつつ、仕事に取り組む姿、試行錯誤する様子を描く、そんな漫画だというのに、なんでか読んでると涙が出てくる。ああ、『みそララ』面白いなあって、涙ながらに思うんですね。しかし、なんで私はこの漫画で泣いてしまうんでしょう。

第3巻にはいって、なおも強くなる三人の結束? 最初はばらばら、それどころか険悪とさえ感じさせるところさえあった彼女らなのに、お互いの距離を段々に縮めてきて、そして今やもうすっかり仲間。チーム穀物、三人それぞれが影響与えあいながら、発想していくところなんていうのは、本当にいいチームじゃないかって思えてきて、そう、泣けてくるわけですよ。ああ、仕事というのは辛いばかりではない。仕事のなかに人生の楽しみが見出されることもまたあるのだと、彼女ら見てるとそう思う。それで、いいなあって。ほんと、私は自分の人生を生きていないなって、そんなこと思うほどに、彼女らはきらきらと輝いている。いいなあって、自分もこうありたいなあって、思って、うん、がんばろう。そんな気にもなるんです。

第3巻、表紙をはげば米原梨絵の独壇場。バーベキュー回の後日談。というか、翌日談か。酒飲んで、飲まれて、絡んで、そして後悔が押し寄せている様がさらりと軽く描かれているのですが、いや、しかし、なんという素敵さなんだろう。胸がないことを恥じる女性は超キュート、超破壊力だって、兄様が……。いや、別に大人の女性でも、胸が薄いことに引け目を感じることってないと思うんだけどなあ。スレンダーな女性が好きっていう人は少なからずいると思うんだけどな。などといっている私は、やっぱり米原梨絵が大好きです。ダブルエースでもいいじゃないか。撃墜王みたいで素敵よ?

『みそララ』の舞台は、東海地方です。岐阜がモデルになってるみたいですね。近隣の大都市としては名古屋があげられる。そんな土地柄ですから、食文化は味噌メインであるようでして、それはタイトルが『みそララ』だから、ってのは関係ないと思うんですけど、3巻の頭から味噌カツとか出てきて、わお、食べたことないけど美味しいらしいですね。ちょっと味が濃い目なんじゃないかって、薄味好きの私としてはちょっと心配しますが、このへんの話読むと、なんだか名古屋にいって、味噌カツ食べてみたくなります。以前ちょっと別の漫画で名古屋ブームが(個人的に)きたりしていましたが、『みそララ』でまたもや名古屋リバイバルといった感じです。こうした地方都市の魅力をちょっと感じさせたりするところ、わずかに垣間見える地域のよさというのも、『みそララ』の面白さを生みだす要素であったりするんだろうなと思っています。人のよさがあって、その人を取り巻く環境のよさというのもある。それらすべてが感じさせる空気感、それがよい感じであるというのですね。

  • 宮原るり『みそララ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 宮原るり『みそララ』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 宮原るり『みそララ』第3巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月7日水曜日

『まんがタイム』2009年11月号

『まんがタイム』11月号が発売されました。今号の表紙は、ワイン? いや、違うか。秋だから、食欲の秋ということで、ごちそうからレストランといったような発想になっているのかな。しかし、シンプルな植田まさし、手の込んだ宮原るり、どちらもちゃんと手にしているものがワインとわかる。特徴踏まえて描いてあるから、なのでしょうね。同様に、かがみふみをもモンブランとちゃんとわかる。で、メインディッシュ運んでくるのが、東屋めめ。そうか、ひととおり揃ってるんだ。笑顔のフルコースもあながち嘘ではないみたいですよ。

ラディカル・ホスピタル』は、アグレッシブでアヴァンギャルドな赤坂先生の話からはじまって、しかしこういう姿勢は私に欠けているものだなあ、なんて思ったり。私はスタンダード、基本から逸脱しない、できないというたちなんです。だからなにをやってもつまらない。凡庸に留まるのかもな、っていいながら、本当は最先端みたいなものには興味津々だったりもするんです。医者という職業は、新しいことを学び続ける、そんな姿勢が重要だっていいますけれど、最先端を志向する気持ちと、反面、基本を守るという気持ち。そのバランスをとるのは、大切なことだなって思わされました。

といったわけで、今回はどうもそういう意識が私のテーマになるみたいです。

はこいり良品』においても、慣習、伝統を守るか打ち破るかといったことが描かれて、しかしこの商店街もアグレッシブですよね。いろいろとやってみる、チャンスがあれば打って出る、そうした雰囲気は活気として伝わって、楽しそうだなあと思うのですね。商店街はどこも大変だって聞きますが、そうしたなか、この商店街みたいにいろいろとやってみる、そうした活気を持ったところは生き残れたりするのかなあ。いや、ぜひとも生き残ってほしいものだって思います。

すいーとるーむ?』。塩田さんところの受付お嬢さん、なんか魅力的、というか、この漫画ではじめてとなるまともな人なんじゃないかと思われて、だっていろいろと個性的すぎるんだもの、みんな。個性的な人があふれかえると、普通の人がなんかすごいように見えてしまう不思議ってやつでしょうか。ところで部長、普通にチェンソーとかいってますけど、普通に使えるんだろうなあ。この人の奥の深さ、それもまた魅力的で、けどやっぱり普通じゃない人だなあ。こうした人に囲まれてるせいか、楽しそうでいい職場だと思います。

ニッポンのワカ奥さま』。あのワカさんにきらいといわせてしまった一郎さん。しかし、ああしたものを気にする人だったんだ。わりとさばさばとして、割り切って、平気そうだと思ったのに、そうじゃなかったんですね。意外な魅力に触れた思いです。

『わさんぼん』。これこれ、今回のテーマうんぬんを思わせたもの、それは『わさんぼん』だったりしましてね、修行中という叔父さん。おっとりとした美青年っぽい人。いくつか知らんが、ずっと修行中。そして、旦那も勉強中。実際、職人というものはそうなんだろうなって思います。昔からのものを守る、伝えられてきたものを守る、そうした反面、その時代時代の流行り廃りもきちんと受け入れていく。新陳代謝しながら、今に生き続ける。暖簾、看板を守るってことはこういうことなんだろうなと思わせる回でありました。しかし、美青年っぽい叔父さんは、今は昔なのか。おお、時の流れとは残酷です。

天子様が来る!』。私もハンパになるけどあーい、の口です。なんせ、私のレパートリーは別れの歌がほとんどで、生き別れ、死に別れ、なんでもこいよ。というわけで、私に歌わせると、ずーん…、となること請け合い。でも、ちょっと評判よかったりしたのよ? で、「見てみたい」。ああ、これは実際そうだったんだろうなあ。そして、専門家ではあるけれど、それ一本では生きていけない人。そうした人は今もなおこうなんだろうなあ。身につまされます。

『めもり*ON AIR!』、今回の出だしを見て、そうか、私がこの漫画に感じた違和感はこれだったんだ。っていうのは、私はここに書かれているような女子アナウンサー像を共有していません。だから、どこかにピンとこないものがあったのかも知れませんね。私にはこうしたアイドルのようなアナウンサー像はないから、それこそニュースであれなんであれ、伝えるべきことをきちんと伝える、機能としてのアナウンサー像しかなかったから、ちょっとこの雰囲気を掴みにくいのだろうと思いました。でも、いずれ慣れていくのだと思います。

『プチタマ』、すごくシュールで、けれどなんだか趣きの深い回でした。インコちゃん、妖精、というか妖怪扱いされて、しかしこの常人ばなれした行動のもろもろ、そう思われるのもいたしかたないのかも知れません。今回はインコちゃんメインで、ゆるやかに話を作って、それがとても面白かったです。そしてとりわけ、落ちがよかったと思います。とりあえず都市伝説になるなって、そんなところがすごくよかったのですね。

『ふたりぽっぽ』、とてもいいですね。面白いですね。最高だと思います。これまでは、白ぽっぽくる優位であり続けていたのに、今回は黒ぽっぽこばとに優位が生じて、こばとの魅力もさることながら、くるの魅力がよく発揮されて、楽しい、愛らしい、とてもいい。くるはなんか愛を押し売りする子みたいに感じてたけど、そうじゃなくて、寂しがりやが過ぎるんだな。めそ…、って。もう、可愛いなあ。この人は、こばとに対する距離のとり方を覚えたら、きっといい友だちになれそうです。でも今は、全力でかまわれにいっちゃうんだろうなって思って、まあそれでもこばとは見捨てたりしそうにないから、結局はいい関係でありながら、最適な関係にはなり得ないのでしょう。思いは複雑で、繋りはシンプル。ちょっと不思議で、なんだか憎めない。そんなふたりの関係がとても好きです。

Smileすいーつ』は、塔子さんの友人が前にぐっと出てきて、さっぱりとした、そんな雰囲気。ショートの黒髪も素敵、であるのだけど、なんだか深刻な話を出してきて、こういう理想と現実のぶつかりを感じさせるような含み、ちょっとよいですね。でもって、最後にえらいことになってますが、しょっぱなからいいキャラクターだなあ。ちょっと気に入ってしまったので、半レギュラーっぽく定着したりすると嬉しいと思っています。

『ダンボール・レディ』。ええい、これ、えらい面白いな。きっと連載にはならない、それはわかっているけど、もしこれが連載になったら結構いいなんて思ったりしています。ばればれの変身、正義の味方だけどやたら地味、1.25倍で人並みになるっていうんなら、普段からつけときゃいいのに! って、つっこみながら読んで、いやしかし、めちゃくちゃ面白かったです。NHKあたりで、10分の帯アニメとかになってもおかしくなさそうな雰囲気。うん、これはとてもいいと思う。とてもいいです。

『小悪魔ティーチャー』。落ち込みながら戻ってくる葉子を見てつくづく思うのですが、私は黒ベタが好きです。黒髪、黒ドレス、最高だ。エレガントな女性が好きです。もちろん地味な眼鏡も好きです。そんな私には、この漫画はベストマッチかも知れません。

『らいよんパパ』。唯洋一郎の新作です。らいよんって聞くと、MBSのキャラクターを思い出してしまう。漫画の雰囲気は、賭け事しない『まんしゅう』って感じです。ちょいとナンセンス。父親はライオンだけど、他の人は普通に人間という、そんなところもナンセンスな漫画です。

『男子のための人生のルール』。これまでも思ってきたのだけど、女子のなかではマドンナタイプの彼女じゃなくて、眼鏡のあの子のほうがキャラクターもしっかり確立されて、可愛いです。前からも思っていたんだけど、今回ももうえらい可愛いですね。もうとんでもなく可愛いです。

PEACH!!』。カニを前にして、うんちくで攻められる。けど、こうしたうんちくっていうのは、そのものに対する興味をぐっと増さしめて、つまりは期待もぐっと大きくなるから、食べたときに、美味しい! となるのかも知れませんね。ということはつまり、期待に負けないだけのカニじゃないといかんわけか。結構大変ですが、そんなカニを私も食べたいものです。カニは好きなんですけど、あの殻を割ってむいてってのが面倒で、そうしたもろもろをものともさせないほどにおいしいカニが食べたいなあ。でも、今は梨のほうがずっと食べたいです。梨、大好きです。

  • 『まんがタイム』第29巻第11号(2009年11月号)

2009年10月6日火曜日

Apple iPod classic

  なんか、iPodの調子が悪いよのさ。再生開始後一分くらいしたら突然落ちたり、バッテリーの残量はまだ充分あると思っていたのに、突然電力が不足して起動できなくなったり。起動に失敗するのは、どうもバックライトがついた瞬間に、必要な電力を供給できなくなって落ちるからみたい。バッテリーが駄目になりかけているのかなあ。あるいは、コンデンサとかが劣化してるのかな。機械には詳しくないからよくわかんないんだけど、とりあえずこのままだと、そう遠くないうちに使えなくなりそうで、ああ、買い替えかとちょっと残念気分なのです。いやね、買い替えはいいんだけど、あんまりばんばか買い物したくない気分なのですよ。だから、せめてあと一年ほどもちこたえて欲しいって思うんですね。

私の今使ってるiPodは第五世代のホワイトです。前面にポリカーボネートが貼り付けられたその外観は結構気にいっていて、出掛ける際には必ず携帯している、つまり結構ヘビーに使ってるっていってもいいのではないかと思います。使い始めたのが2005年の10月22日だから、ほぼ丸4年たってますね。これは結構もったほうなのかなあ。でも、もう少し使い続けたいなって思います。

AppleがiPodのバッテリー交換プログラムを実施していることは、知っています。6,800円だったかな、それくらいの価格で交換してくれるって聞いて、だからここはバッテリー交換をするっていうのがよいかなって思ったりもするのだけど、ちょっと問題もありましてね、それはディスク容量なんです。私のiPodは60GBモデルです。で、持ち歩いている曲はといいますと、14,065曲、49.20GB。結構、いっぱいいっぱいって感じでしょう? この一万曲を超えるライブラリをシャッフルで聴くのが楽しいんです。思わぬ発見があったりなんかして、だから抜粋ライブラリはいやなんです、というか、これで既に抜粋ライブラリで、どうしても嫌いで聴きたくない曲と、CDドラマなどを抜いてこれです。フルだと、14,320曲、49.85GBですね。フルも抜粋もあんまり違わないなあ。

あと一年は使いたいという根拠は、おそらくあと一年ほどで満杯に近い状態になるんじゃないかなって思っているからで、そうなったらもう新しい曲は入れられない。あるいは、さらなる選別をしなければならない。それはいやだなって思った。だから、そうなったらもっと容量の多いiPodを買おうと思った。現行品だと、iPod classic 160GBですね。iPod classicはそろそろなくなるんじゃないかと心配してる人もあったんですが、なんとか生き残ってくれてよかった。だって、classic以外となるとiPod touch 64GBしか選択肢がないわけで、けど私には当座iPod touchの機能は必要ない。となれば、classicで充分、というか64GB買うくらいなら今のiPodのバッテリーを交換します。classicでなければ不足なんだというべきでしょうね。

iPod classicは結構値段も落ち着いてきているから、そういうところも嬉しいところです。だから、余裕ができたら買ってもいい。でもそれまでに欲しいものもあるかも知れない。いや、貯金もちゃんとしておかないといけない。だから、ここはやっぱりちょっと我慢しておきたいのです。でも、いよいよ使えないとなったら、iPod classic買っちゃうんだろうなあ。

2009年10月5日月曜日

『まんがタウン』2009年11月号

『まんがタウン』11月号が出ましたね。コンビニの棚。なんだか、ちょっとドキドキしながら探して、いつもどおりの表紙を見たときにはなんだかほっとさせられるものがあって、おそらく、そう思った人も多かったんじゃないかなって思うんです。いやね、やっぱりね、ショックだったんです。私はもう長くアニメも見てないし、漫画もそんなに入れ込んで読んでたわけでもないしで、だからわりかし平気なんじゃないかなって思ってたんですけど、でも確定の報が流れたときに、思わず声が出るほど驚いて、愕然として、ああ、確かにその存在を感じていたんだと思わされて、感情が整理されるまでちょっとかかりましたね。でも、こうやってしんみりとした話ばかりするのはよくないことかも知れない、そう思うから、『タウン』がいつもどおりに出たように、私もいつもどおりに書きたい、そう思います。

『ちはるさんの娘』、3号連続の第3回っていうから、これでまたしばらく拝見できなくなるのかな。今回は、担当の梅本くんが愛想尽かされる話、かと思ったら、どうもそうでもなく、ええーっ、こうやって恋愛感情みたいなのを描いていったりするのかな。以前からそういった感じはありましたけど、ちなつさんはずっとバツイチひとりものを貫くものだと思っていたから、なんだか意外な感じです。で、梅本くんは社会人としてはちょっと問題ありのような気もしないでもないけど、この行動力は素直に賞賛したくなる域にあるなって。しかし、仕事に関係することなんだから、不義理なことはしないで、ちゃんと事情話して応援要請すればいいのにさ、と思う私は、嘘つかれるのがどうも好きではないみたいです。

で、ここで次になにか繋がるのかなと思ったら、3号連続の第3回ですから、ああ、これ単発なのか。なんか惜しいなって思ってしまいました。

『70's 愛ライフ』は、あれ? インベーダーゲーム2度目? 印象は以前の方が鮮烈で、それはブーム当時の熱狂、狂乱ぶりが強く表現されていたと思ったからで、いや、しかし実際ものすごかったっていいますね。私はブーム後の生まれだから詳しくは知らないけど、聞くほどに異常としか思えないほどの影響を社会に与えていたっていうのを実感して、ゲームがブームになることはその後も幾度もあるけれど、話に聞くインベーダーブームをしのぐものってちょっとないんじゃないかって思ってしまいます。だって、百円玉が足りなくなるって、なんだそりゃ、ちょっと待てって思います。ほんと、どんだけのブームだったんでしょうね。

光の大社員』は、忍者OLすずなさんがその素顔を明らかにして、しかしこの人、忍者係長に相手にしてもらいたくて仕方ないのかな。しかし目付きの涼しい美人なのだなあ。そして、秘書のちはる君。ヘルメットも似合っていて、いや、この人とてもいいな。

しかし、こうしてキャラクターが可愛いのもさることながら、ギャグの面白さもかなりのもので、その辺に置くなよ!! とか、しまったッ!! つい習慣でコメをッ!! とか、めちゃくちゃ面白かった。あの石原副部長の慌て具合が、実によくって、確かにああいうシチュエーションがあれば、焦る人はありそう。そういう感じが、実にリアリティ感じさせてよかったのでした。

『節約家・カオルさん』の富田さん理論、経済貢献ってやつは、私もたびたび口にしてしまってるなあ。ちょっと反省。いや、不況下において、無闇に支出切り詰めてみんなで苦しくなるよりも、せめて普段どおり、できればちょっと大きな買い物もして、動かせるものは動かしたい。でも、これはやっぱり浪費のいいわけなのかもなあ。なにごともほどほどにしておくのが一番いいんだろうと思います。だから、小清水くんも、それはそれでいいのよ。

ほほかベーカリー』、新人の紹介も終わり、もはや通常営業ですよ。パン屋の営業にはあんまり関係しない話でしたけど。お題は、ももたろう。色々足りなくて、またまたいいかげんで、そのいい加減に話を進めて、いい加減に問題を解消していくのりのよさは、やっぱり最高で、熊のあしらいとか、その絵の雰囲気も含めて最高だったと思います。

『嫁の名はキリコ』が、なんかしんみりとさせる人情話で、この人はなんか古典芸能好きみたいだから、こうした雰囲気を作るのもうまいのかもなあ。いつもの雰囲気とは違って、けれどこういうのもよいなあと思わせるものがありました。いつもいつもこうでは、しめっぽくて重たくって、駄目かも知れないけれど、たまにこうしたものがあると、印象も深く、情に訴えて、よいかもなって思いました。

『よせ☆あげ』の瑠璃華は、人物紹介にも出してもらえてないし、以前はツタンカーメンといわれたかと思えば今回は唐傘。なんという扱い! つくづくおいしいポジションです。実際、この人が今のポジションを獲得してから、面白さも増したと感じられて、といったわけで、随分気にいっているみたいですよ。しかしこの人、なにもできない系のキャラクターかと思わせて、普通に料理ができたり、ちょっとかわりものってだけで、結構ちゃんとした人なんですね。そのギャップはなんだかいい。あの、えっへんってのもいい。ちょっと魅力的だと思ってます。

『みねちゃんぷるー』は、先生の恋模様を少し進展させて、わかばの策略、揺れる先生の思い、そして女子中学生の制服が入ってしまう大人の男。なんだか微妙に混沌としてきてますが、この混沌は次回で解決するのかな? でも解決の前に一波乱ありそうで、ちょっと面白そう。楽しみです。

そして、ここで少し黙祷したく思います。なんといったらいいのかわからない、それはつまりはまだ整理しきれてないってことなのだと思いますが、それでも、言葉にはちょっとならないけれど、哀悼する、そんな思いでいます。

黙祷。

  • 『まんがタウン』第10巻第11号(2009年11月号)

引用

  • ÖYSTER「光の大社員」,『まんがタウン』第10巻第11号(2009年11月号),94頁。

2009年10月4日日曜日

兄妹はじめました!

  これがもしシリアスを志向する漫画であったらば、全然違ったラストがあったりしたのでしょうか。実は最後まで私が怖れていたのは、ラストに葵の結婚式がくるというやつで、そう、相手が茜じゃないの。これもまたお約束といっていい展開でしょう。花嫁が控室で、兄に挨拶するのね。向こうから光が射していたりして、そんなしんみりとして清浄な光景。ああ、これで決定的に関係は変わってしまったんだ。俺はこれまでも兄であって、そしてこれからも兄であり続けるんだなって、そうした感傷が胸に残る、みたいなね、ほらよくあるでしょう? ありがとうお兄ちゃん、私、お兄ちゃんの妹でしあわせだった、みたいなこといわれたりして、とりあえず私は、なんじゃこりゃあ、って叫ぶかどうか迷っているみたいな、そんなラストでなくてよかった。ええ、この漫画に関しては、真面目にそんな風に思っています。

そう思うのは、多分、茜と葵の関係がすごく私をくすぐったからだと思っていて、恋というには微温的で、けれどまったく望みがないわけでもないかもっていう、そんな距離感。見ていて微笑ましく、そしてなんだか茜を応援したくなるような、そういうものだったからなんじゃないかな、って。それで葵がひどいのね。以前にもいってましたけど、兄の恋心に気付いていながらそ知らぬふりして、コントロールしようとしている。おお、なんという悪女。自分の身を守るために、私は妹、あなたは兄って強調して、そう、茜を恋で縛って繋いでしまったのさ! おお、なんという魅力的な関係。って、いや、そこまでは思ってなかったんだけど、葵の自覚的ではないけれど、兄に甘えているところ、好意を向けられることにまんざらでもないところ、それでいて妹であり続けたいと思っているようなところ。

こんなふたりの、兄妹ではあるのだけれど、どことなく曖昧で、なにかのはずみで揺らぐ、そうした可能性に期待しながらも、どこかしらちょっと怖れている。そうした雰囲気に私はとらわれてしまっていたのでした。すごくやさしげで、すごくあたたかで、ちょっとだけ残酷? けれど、仮に葵のシビアさが酷いと感じさせることがあったとしても、その笑顔が帳消しにしてしまう。むしろ、そうした面を見せられることで、兄への距離の近さ、そのままの葵といった感覚が生まれて、だからなおさらこの娘が可愛く感じられたのだろうなあ。で、茜が一途で、甘いお兄ちゃんで、告白に踏み切れない意気地なしで、けれどその全部がすごく茜らしくって、ええ、茜のことも好きだったんです。

ずっと一緒だったふたりには、甘い甘い恋人の時期はないかも知れないけれど、すっかり落ち着いた熟年の夫婦みたいな、そんなカップルになるんだろうか。なったらいいなあ。そう思っていた。だから、あのラストはよかったって思ったのでした。段々に関係が変わっていくかも知れないっていう、そんなラスト。恋が火花となって散るような、そんな激しさはまったくなくて、そして単行本の描き下ろしも、ちょっと関係が変わってきてる、そんな具合で、まさしく恋に変わっていくかもしれない途中、グラデーションの中間の、兄妹としての情と恋がまざりあいながら、ちょっと恋? でもまだ兄妹? 少しくすぐったいかも知れない関係が、やっぱりやさしくって嬉しかった。そして、萌葱が玉砕覚悟で、そしてそれはその後の可能性も匂わせて、そうした少しずつ恋が動き出しているところ、けれどやっぱり燃え上がるような盛り上がりにはしないところ、とてもいいなと思って、ああ、本当によいラストでした。ほんと、この漫画好きだったと、じんわりかみしめるような、そんな余韻がとてもよかったのです。

2009年10月3日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年11月号

『まんがタイムジャンボ』11月号が発売です。表紙はみながそれぞれ楽器を手にしていて、なんと、ジャジャーンボ♪ らしい。ともあれ、朝倉さんがストラトキャスター、みちるはSG、あおいちゃんキーボード、ってさすがにキーボードはわからん。なにか資料見て描いたとしたら、わかる人にはわかったりするんしょうけど、私にはちょいと無理です。で、コミカプういちゃんはモンキータンバリン。これ、教員みちるも持ってますけど、ロックボーカルがモンキータンバリンを持ってたりするのって、レッド・ツェッペリンのロバート・プラントとか、あのへんからの流れなんでしょうか。昔はGSあたりでも使ってましたね。わりとポピュラーな楽器っぽいから、ひとつくらい持っててもいいかななんて思い始めています。

『ダブルパティシエール』は、『パティシエール』時代の人たちが少し出てきまして、また雰囲気も昔のようで、舞台は四ツ葉製菓専門学校。宮本先生は婚約していて、お相手はずいぶんふくよかな人ですが、これは最初からふくよかだったのか、この人と付き合いはじめてからふくよかになったのか。後者のような気がします……。そして今回の見どころは夏井先生のような気がします。思えば私は、こうしたケーキを作るみたいな話が好きだったように思い出して、とりわけ今回のケーキは凝りに凝ったものだったから、自分も見て、ちょっとすごいなと、わくわくするものがありました。

『制服あいどる』、ゲストです。友達に勝手に応募されたオーディションがきっかけとなって、アイドルの道を歩きはじめることとなったメリコのお話。彼女と、常識的な女の子あきら、そしてちょっと現金? 浮世離れしてる? 変わりもののかおり、この三人で、ええと、どうするんだろう。とりあえずこれが出だし。この後どうなるか、それはこの先にわかるだろうと思われて、だから次号にもあるのかな? それを楽しみにするのがよさそうです。

あおいちゃんとヤマトくん』。なんだよ、ふたりともラブラブじゃんか。しかし今回は、太い描線でラフに描かれた茫然香澄さんとか、ラストの白目あおいとか、見ただけで笑いそうになる絵の威力にやられ、他にも正拳突きだのおまえバカだろだの、投げつけられるセーター、都合のいい悟り、面白かった。テンポよく、小気味よく、いいノリで、楽しく読めて、そこに白目あおいがとどめをさす。素晴しいです。本当に面白かったです。

『ちょいのり。』、アンコールゲストです。人気があったのかな。実際、面白かったと思います。ちょっとあぶなげな新米ドライバーちよ姉さんと、彼女をサポートするいのりちゃん。このふたりもよかったのだけど、今回はそこに教習所時代の仲間なのかな? 友人の姉妹が加わって、この四人のやりとり、なかなかに悪くないです。素直じゃないのか、意固地なのか、妹あゆむと、やけに素直あるいは気弱ないのりが、今後親しくなっていったりするんだろうか。そこに、新米ドライバーお姉さんふたりはどう関係するんだろう。そうしたところ、すごく興味をひいて、この先にも面白そうなことがたくさんありそうだと思わせてくれるのですね。

Boy’sたいむ』に関しては、もう素直になっちゃえよ置島、そうとしかいえない感じで、いや本当、とてもお似合いのふたりだと思います。ひろむが女子っていうのがおしいところだよなあ。しかし、寮長のがんばりがふいになる。寮長の愛情はいつも空回り。けれど、この漫画に関しては、みなのそうした空回りっぷりが楽しいのかも知れません。なにかあっても、元の黙阿弥。変化しつつも、変わらないという、そうしたところがいいのかも知れません。

『パドラーズハイ』。前号に引き続きゲストです。ラフティング部を作って、みんなで川を下ろう。まずは部員を探しますというところからはじまって、川遊び大好きって感じの娘がひとり、そしてなんかちょっと騙され気味に入ってきた娘さんひとり、総勢四人で川くだりをする。そうした展開がパドラーズ・ハイにてクライマックスに達するというあたり、とてもきれいな流れにのれているという感じがして、読んでいる私も楽しかったです。とりあえず今回読んで、ラフティングって面白そうだなと思わせた作者の勝ちだと思います。ええ、きっと私にはきつい遊び、スポーツだと思いますけど、けれどやれば絶対楽しいと思う、そんな気がしたんですね。魅力的な漫画であると思います。

『中2限定!?ガールズトーク』。女子校教員の兄と年の離れた妹。妹をはじめとする中学生に振り回される先生の様子、先生のことが好きな生徒もいたりして、けれど思いが通じることはちょっとなさそうだったりして、こうした恋愛模様も含め、楽しそうな雰囲気にあふれています。とりあえず、酷い妹は気にいりました。いや、別に酷い女性が好きってわけじゃないです。

『太陽くんの受難』。おおう、この人、『先生のたまご』の人か。気付いてなかったよ。『先生のたまご』の人と気付いたのは、美人双子姉妹、特にその妹弓月の雰囲気からで、とりあえずこの姉妹に関しては間違いなさそう、きっと好きになれるキャラクターという感じがひしひしとしております。だから、多分、この漫画はいけます。きっと気にいるに違いない。そんな予感がしています。

『みちるダイナマイト!』。新連載です。昼間は大学で経済を教え、そしてライブとなればゴスパンクロックのギターボーカルとして大活躍。本当は気弱なのに、過激強気なアピールを強いられる、そんなヒロインの様子を楽しめばよいのかな。ちょっとエロまじり、けどそればかりじゃないって雰囲気はとてもいいと思います。ヒロインがなんのかんのいって前向きなところ。それがいいんだろうなって思っています。

ごちゃまぜMy Sister』。お兄ちゃん、36番は松坂さんのことすっかりお見通しだ。そうした関係はすごくいい。そして、純に関しても悲願達成? 今回は36番優位で運んだ回。よかったじゃん、36番、と思ったら、結局そううまくは運ばないという、この典型がいいのですね。しかし松坂さんは魔女の衣装がお似合いで、素敵であらせられました。

『アトリエB』、絵の勉強をしにアメリカからやってきたヒロイン、ベルの日本語がよくわからないことにはっするいろいろを楽しもうという漫画であります。とりあえずベルは、気を抜くとアメリカ人ということを忘れてしまいそう。そういう無国籍的な雰囲気はちょっとおかしくていいです。

『恋する猫は爪を隠さず』。生徒会長の都古先輩に恋する少年、常葉くんがストーカーチックに愛を振り撒いて、殴られたり冷遇されたりする漫画です。しかし彼は常にポジティブで、ほんと困ったやつだな。けどそうした彼を可愛いと思えたらきっとこの漫画への評価は違ってくる。ちょっと危うい、けれど一途な彼の恋愛。その迷惑と純粋の狭間。その境界線の揺らぎを楽しむのが面白そうです。

なのはなフラワーズ』。運命の赤い糸。私の運命の相手は、多分まだ生まれてないか、あるいは死んじゃったかどっちかだと思うのですが、さて、運命の糸は誰に繋がっているのだろう。今回は、ギター弾き語りしてる里穂がメイン。これまでこの漫画を読んできて、一番世間擦れしている、一番たくましそう、そんな印象のあった彼女の意外な一面が明らかとなって、いやあ、思いもしなかったことが、思いもしなかったタッチで描かれたから、効きましたよ。切ないねえ。本当、胸がぎゅっとなった。好きになるっていうのは、難しい。理屈じゃない。相手が自分のことを好きになってくれるだろうか。それはきっともっと難しい。好きになってくれたとしても、その愛はいつまで続くのだろう。心変わり、状況の変化。愛は難しい。好きになるということは難しい。好きでい続けることは難しい。ただでさえ難しいというのに、彼女においてはさらに!

けれど、こうしたままならないことに向き合おうとする、怖れながら、不安におののきながら、なんとか真っ直ぐに立とうと気持ちをふりしぼる。そうした姿はとても素敵だと思わせるものがあって、そうか、『なのはなフラワーズ』のヒロインたちが魅力的なのは、皆がそうした気持ちを抱いているからなのか、そんなことを思わせる回。心に沁みるものがありました。

ただいま勉強中』。来年のバレンタインは日曜日ですか。すまん、私の人生にはバレンタイン関係ない。ともあれ、教師に恋する美術部員、初音のちっとも素直でなくて、けれどその表情態度には素直さが見えるというアンバランスさは、不安定ゆえに美しいと感じられて、ええいああ、とてつもなく魅力的だ。この漫画は、シリアスに傾きそうになっても、シリアスに落ちることはないのだけど、そうした真面目とおかしみのアップダウンの中に、この人の心も揺れて、恋に揉まれて、揺れに揺れて、なんという鮮烈さ。素敵すぎ。素晴しい。振り向いて、眼鏡ごしに投げられる視線は、凛々しさにまじる期待、甘い予感に、かたくなさもふわりと溶けて、ああ今まさに咲かんとする花だ。健気にして可憐な花。あまりに魅力的すぎる青春のスナップショットに、私の心臓は止まりそうです。

『コミカプ』、まだまだ波乱は続いて、勝負に出たチーちゃんを取り巻く状況はなおも悪く、しかし昔は編集部というフィルターを通して届いたものが、今は悪意も好意も直接到達するっていうんだから辛いよなあ。そして編集者との対話、なんというんだろう、これがリアルなのかどうかは私にはわからないけれど、現実味のようなものは感じられて、ああ、怖ろしいね。でもこうした怖ろしさに直面して、超えているのだろうなあ、皆。すさまじい、そう思う私はきっと甘いのだろう、そう思います。

『ちょー!えど幕末伝』は勝海舟が登場して、これ、幕末の事件や人物を可愛いキャラクター使って面白おかしく描く漫画かと思っていたら、意外とシリアスな要素も呑んでたりするのかもなあ。なんて気になって、ちょっとはらはらひやひやしながらも、その感覚を楽しんでいます。落としどころは開国、となれば上さまはお逃げになるのか? どうなるのかはわからないけれど、幕末の動乱、面白くも、シリアス含みに描かれるのなら、それはすごく興味深いです。

『子うさぎ月暦』。サフォークさんは相変わらずですが、そうか、そういう不文律ってあるのね……。私も彼と一緒に秋を見送ることにしますよ……。世話焼かれるの苦手なんですよ。コンパとかで、女の子が取り分けてくれようとしたりするの、すべて断わりますからね。合宿とかあったら、むしろ率先してご飯作ってる。そっかあ。

スコーン食べるふたり、あの絵はとてもよいですね。ドメスティックとかいう表現もいいですね。そして深くて暗い川。ああ、私はきっとサフォーク同様単身岸に暮らす身なのだな。と思ってしまえば、それはそれで悪くないものだとも思う。ともあれ、身につまされる話。その当事者感がたまりませんね。

『俺の部屋にはウサギが居る』。なんだかわがまま利己的なウサギだけど、そのウサギを住まわせて飄々としているこの主人公は意外と大物なのかも知れませんね。意外と悪かった住環境。問題ではあるけれど、結構気にしない主人公。吹っ飛んだ屋根。まあいいかですますとかね、大物だわ。ナンセンスな漫画だけど、そのナンセンスさはウサギ半分、主人公半分なんでしょうね。今回は、完全に主人公がウサギに勝ってしまっていた回でした。

『アイスボーイズ!』は相変らずの雰囲気で、けれどそれに馴染んできたのか面白かったです。しかし、カーリングするはずの話なのに、一向にカーリングするまでに至らない。やっても野良カーリングだものなあ。弱小部の真面目になりきらないダッチロールぶりが面白いのだと思います。

ひかるファンファーレ』はスランプの話。いや、しかし、自分の調子が悪いのか楽器の調子が悪いのか、それは大きな問題で、特に学校の楽器ってコンディションが悪いことも多いから。でも、楽器のせいにしたら上達しないような気もするし、でもコンディションの悪い楽器で練習しても上達しないような気もするし。悶々としながら練習したりして、これは非常に精神衛生によろしくない。だから、まだよくわからない初心者の間こそ、ちゃんと管理された楽器が必要なんですよね。で、ひかるは結衣、亮子の故郷におもむいて、心機一転気分転換をはかる。で、この漫画の舞台って秋田なの? いや、故郷が秋田ってだけで、学校がどこかはわからんか。ともあれ、結衣も亮子も秋田美人。特に最近は絵も洗練されて、可愛さにも磨きがかかっているように思われます。

だまされて巫女』、次回最終回です。そうか、終わってしまうのか。今回は、ブラザー同好会の面々が出てくるのだけど、晴風のその誤解は教義上問題になるような気がします。さて、教会を継ごうという兄さんが出てきて、その純粋さに打たれる晴風。おお、神社の娘としての共感か! それはお父さん、おじいちゃんにとってはすごくいい話ではなくって!? と思うのだけど、ふたりはもうどうしようもないなあ。娘可愛さに道を誤りそうです。

ところで、教会を継ぐというの、昔、学生時分、お父上が牧師をなさっているというお嬢さんがいたの思い出しました。で、なんて聞いた時だったのかな、お家が教会なの? って聞いたんだったかな。牧師は、教会に派遣されるとかそういうことを教えてもらって、そうかあ、教会を所有してるわけじゃないんだとかいったのかな、そうしたら、教会は信徒のものですよって、やんわりたしなめられたんですね。ああ、信仰のある人って違うなって、その人がちょっと眩しかった。

ところで、こないだから先輩に住職がいただとか、後輩にお寺の娘さんがいただとかいってましたが、今回はキリスト教。宗教的にバラエティに富んだ環境だったんだなってあらためて驚いています。神社関係者いなかったかな、って思ったら、教員に神社の息子がいました。本人も神職だそうです。おおう。山伏がいないのが惜しい。余談でした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第11号(2009年11月号)

2009年10月2日金曜日

『まんがホーム』2009年11月号

『まんがホーム』、2009年11月号が発売されました。10月にはいって、もう日本においても定番のイベントといってもいいのでしょうか、表紙にはハロウィンを思わせる絵があふれて、そして『ホーム』恒例のアンケートは、「もしも魔法が使えたら…?」というテーマであります。魔法か。そうさなあ、私がもし魔法を使えるなら、ラカニトが欲しい。Wizardryの窒息の呪文。夏になって、虫が飛ぶようになると、殺虫剤なんてもんじゃなく、ラカニトでやつらを一網打尽にしてやりたい、なんて思うのですね。というような物騒な話はさすがに誰もしませんで、ということは、つまり私は荒んじゃってるってことなのかなあ。がっかりです。

恋愛ラボ』、なんとこれは驚く展開。いや、いつかくるだろうと思ってたんですけど、ここでくるのかー。ここ数ヶ月、じりじりと追い詰められてきたように見えたリコ師匠ですが、ああ、ついに、ああついに。一度は勇気を振り絞ったんだけどなあ。それでまさか、思わぬ伏兵とでもいったらいいか、この時をじっと伏せて待ってたんだろうなとしか思えないどんでん返しに、読んでいる私もやられました。しかし、それで辛い思いするのは誰なのか。自ら追い込まれた彼女なのか、無邪気に追い込んでしまった彼女なのか。おそらくはふたりともに辛い思いをするのでしょうね。

『おきばりやす』。こないだ、『おこしやす』が最終回を迎えましたが、それで今度新しく始まったのが、『おきばりやす』でありますか。京都の舞妓さんの話。なんかえらい気張ったお嬢さんと、えらいおぼこいお嬢さんと、ふたりでがんばる舞妓修行なのでしょうか。ついぞ知らぬ世界の話、ちょっと面白そうだなあという気持ちがします。

『あかるい夫婦計画』は、やっぱり影田くんが他人とは思われなくて、野生動物だったら命がけ!! って、いや、本当にそう思います。自分もそもそも頑健ではないし、となるとこうして弱ることもしばしば。野生だったら、きっと淘汰されてたろうなあって。ほんと、人間、しかも現代人でよかったと思ってますよ。

『紫乃先生美録』、やっぱりなんかいいなと思って、美人小説家がヒロイン。ちょっと打算がある。で、内と外でキャラクター使い分けるみたいなところもあって、私は内で弟に対し酷いことしてる、そんな紫乃先生が好きです。眼鏡だからじゃないよ? でも、やっぱり頭のまとめ髪、お団子が見えないと男の子っぽくなって、それは素直にキュートだと思います。しかし、今回の、身内にエッセイストがいると、なに書かれるんだかわかりゃしないという話。これは姉と弟ものっぽく、被害者は和泉みたいになってますけど、実際のところはというと、親姉弟から友人知人にいたるまで、こうした目にはあうっていいますね。で、距離を追かれたりする。でも、家族は逃げられないから、最後まで被害にあい続けるのは、やっぱり和泉なんだろうなって、そんな気がします。

『おしのびっつ!』、おっと連載? ゲストの時もよかったけど、今回はそれ以上によい感じでした。忍者であることを隠したい妹ですが、その発想の逐一に忍者が染み付いているっていうネタの連続にはやられました。面白いです。悪くないと思います。

『横浜物語』。恋人? と別れてひとりっきりの新居で、隣人のオッパイを覗いたっていう漫画。申し訳ないのですが、すごくコメントしづらい。とりあえずは、よくわからないです。ちょっと期待しにくいです。こいずみまりが嫌いってことはないんだけどなあ……。

次、いこう。次。

『レンゲリンネ』。あれ? 眼鏡は? って、読み切り連載ってそういうことか。ええい、今回は美少女大好き守護霊の話です。妙に独占欲の強い、そんな守護霊はなんだかわけありに見せて、実はそうじゃない? いや、それははぐらかしただけなのか。憑いた相手は小学生。その子の負担とならないようにしたのだろうか。いろいろ含ませてはっきりとしない。宙ぶらりんにサスペンドされたかのような感情。それがこの作者の面白さだなって思って、さて私ならこれをどう読むのだろう。そうした問い掛けを自分にしたくなる、そんな終わり方を見せて、これは正直、好みです。

『3×ROOM』、女三人の同居もの。ここまではいいのだけど、なんだか不穏な終わり方を見せて、これは正直、好みじゃないです。

『東京!』、東京周辺の土地に関連付けられた登場人物が集う学校もの。『ホーム』8月号でゲストだった漫画ですね。これ、土地勘があるともっと面白かったりするのかな。わりと悪くはない感じ。擬人化土地もの。擬人化等の話ではないって秋葉原正親はいいますが、まあ擬人化ものっぽい感じはどうしてもするわけで、っていうか、彼のこれはつっこみを入れながらつっこみ待ちってやつなんだと思うんですが、どうなんでしょう。この先、土地の雰囲気を感じさせつつ、話が広がっていったらいいなと思っています。巣鴨行きまでの流れとか結構よいと思ったんですね。そんな感じで、キャラクターの個性が根付いていったらすごくよさそうです。

『ちまさんちの小箱』。これはいいウクレレ。いや、たまに指板がブリッジまで貫通してるようなの描かれたりしますんで……。ピクニックでの出来事、意外とロマンチストなとり子さんと、隠れロマンチストの雪宮、ふたりの距離、近そうで、くっつくほどに近いわけでなく、けど決して遠くないっていうの、微笑ましくってすごくいいです。で、みんなで楽器持ち寄って、適当に演奏。すごく楽しそう。雪宮くん、オカリナいいじゃないか。素敵です。でも今回私は、ウクレレお姉さんに釘付けです。

『ふぁみにゅ?』が最終回でした。そうかあ。このところ、話に動きがあったし、大家さんの謎も明かされたしで、終わりが近かったりするのかなと覚悟してたから、そんなにショックではないけれど、けどちょっと急な感じもして、やっぱり残念だ! 好きでした。はじまったころは、なんかよくわからん漫画だなって思いましたけど、実際、なんで家族ごっこなんだろうって思ったものでしたけど、それが読んでいるうちにだんだん好きになってきて、最近では本当、すごく好きで、で、前回、家族ごっこの意味が明らかになって、評価ががつんがつんと上がった。これはよいわ。最終回も、ちょっと切なく、けれど基本には明るさを保って、そのちょっと感動、そしてほのぼのという塩梅、とてもよかったです。後日譚もあって、なんてこった、きいろ君やるじゃないか。これまでのきいろ君の紆余曲折、それがあるから、本当にやったじゃんって気持ちになって、それは若菜、すみれのふたりに関しても同様。がんばりがあって、それが報われたんだなあ。語られなかった一年が、そうした努力を思い起こさせて、とてもいい読後感を残してくれました。

この人は、この漫画がはじめてづくしだったみたいですが、フレッシュで、個性的で、とてもいい漫画を描かれて、もし別の漫画で再開できるなら、それはすごく嬉しいこと。どこかで連載を持たれたりしないものかな。ちょっと切望する思いです。

  • 『まんがホーム』第23巻第11号(2009年11月号)

引用

  • 井上トモコ「あかるい夫婦計画」,『まんがホーム』第23巻第11号(2009年11月号),67頁。

2009年10月1日木曜日

THE TIMERS

 やっと買ったよ。THE TIMERS。ずっと前のことですけど、iTunes Storeで使えるフリーソングコードを貰ったことがありまして、その時に一体なにをダウンロードしようかなってすごく迷って、聴きたい曲は沢山あるんだ。けど、聴くならアルバムで聴きたい。オールド・タイプ・リスナーであることを実感させた歌というのがいくつかあったのですね。それは例えば『デイ・ドリーム・ビリーバー』。The MonkeesのDaydream Believerに日本語歌詞をつけたものなのですが、これが素晴しい。ずっと聴きたくて、CD欲しかったんだけど、先にもいったように、私はオールド・タイプ・リスナー。アルバムでないといやだ。そう思っていた。そのアルバムをようやく買ったというのですね。

実際、これを買おうという機会はいくらでもあったんです。それこそ、2006年の時点で、買ってしまえばよかった。けれど、なぜか買わずに今まできてしまって、それこそ今年の5月に大きな機会があったじゃないか。でも、あの時はショックの方が大きすぎて、今このタイミングで買いたくないって思ったんですね。THE TIMERSはゼリー、トッピ、ボビー、パー、四人のバンド。でも、皆知ってる、ゼリーは忌野清志郎だって。けど本人たちが、彼らはよく似た友達なんだっていってますから、皆、そのように諒解してる。ファンも心得てるんですね。

このアルバムを買うつもりになったのは、『デイ・ドリーム・ビリーバー』を自分でも歌ってみようと思ったからです。とても切ない歌。ずっと夢を見て安心してた。安心してた。けれど、もう今は彼女はどこにもいない。この彼女というのは恋人のことだと思ってたんだけど、なんか話に聴けばお母様のことなんだそうですってね。なにかこの方は複雑な家庭事情のもと育ったのだそうですけど、彼を生んだお母様と、育てたお母様とふたりあって、この歌に歌われているのは育てのお母様、彼を生んだ女性の姉であるのでしょうか。あの、有名な、息子が音楽に熱中していて心配だって新聞の悩み相談に手紙を出したというお母様。もういないって。そういう喪失を抱えた歌だっていうのですね。知るほどに切ない。けれど、この歌の伝えようとするものは深く、それこそ普遍性を獲得するほどに豊かで、だから忌野清志郎の情感を引き受けながらも、多くの人がまるで自分の身にあったことのように引き付けて聴くこともできる、そのようなものになってしまっているんじゃないかと思っています。

そして、THE TIMERS。メッセージ性の強い、そんな歌がたんまり入っている。その歌の数々は、刺激的で、訴える力はなみはずれたものがあって、そんな中に叙情のかたまりのような『デイ・ドリーム・ビリーバー』が歌われる。その幅の広さ。諧謔ににやりとして、辛辣さにうならされ、そして切なさに涙が出そうになる。これは、並大抵ではない。そう思わされるアルバム。しかし、どんなに過激で鮮烈であっても、底には叙情詩情が流れていて、そしてそれは人という存在に対する優しさであるのかもって思われるのですね。だから、私はやっぱり曲単体ではなく、アルバムで買ってよかったと思うんです。一曲だけでは、こうしたことは気付かずに終わったろうと思うんですね。けれど、こうして知るほどに切なさは強くなって — 。今はまだしかたないですよね。そう思います。

引用

  • ZERRY『デイ・ドリーム・ビリーバー