『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号、一昨日の続きです。
『RPG不動産』
ああ、セレニア絶体絶命!? 異形と化したサトナの触手に捕われていよいよ風前の灯火といったその時、ファーが介入! アリスから聞かされた亜人の街のことをサトナに問うのですが、そこで見せたサトナの表情。またファーを下等と呼ぶその様子、本当に孤児となったファーを育てたサトナと同一人物なの? やっぱりこれは入れ替わりなのでは?
本当に事情も状況もわからない。不穏が続きます。
ファーとアリスを襲うサトナ。ここで発動したファーの謎の力? 一時的にサトナを退けセレニアを救出、脱出をはかるのですが、ファーは再び捕われてしまい、そしてサトナ、再びアリスとセレニアの追跡を開始する。
これ本当にどう決着するのでしょう。投獄されている琴音は、ラキラとともに歌でもって火龍に助けを求め、さあ、いよいよ物語は佳境に向かう? ファーと火龍と、そして逃走する亜人たち。そのすべてが交わるところ、サトナのなそうとしていることは挫かれることになるのでしょうか。しかし、サトナ様、本物はまたどこかに捕われていてとかならいいのになあ。ファーじゃないけど、今のサトナがこれまで描かれてきたサトナと同一人物とはやっぱり思いたくないんですよ。
『mono』
身延どんぶりウォークもいよいよ終わりですよ。必要なスタンプもすべて集めきり、といったところでひとり島田が延長戦。ミニどんぶり食べてる島田を待つ間、手持ち無沙汰で話していたこと、ぎっくり腰の呪いってやつがまさかラストにあんなかたちで回収されようとはまったくの予想外。いやもうやられました。まさかこんな与太話、いやさ横道、枝葉みたいな会話がよ、本編大筋、最後の落ちに関わる伏線? 予言? だなんて思いもしないですよ。
どんぶりウォーク、最後のチェックポイントに向かうルートもまた人を食っていて、まさかの登山道! ロープウェイ使えないんだ! でもここで描かれた情景、山の景色、これがまた素晴しくて、この作者の持ち味、ここぞというところで発揮してきた! ええ、大満足でした。
で、作者の持ち味なんですけど、どっちがメインなんだろう、情景を描いて見せるその手腕なのか、あるいはラストにぎっくり腰で軽トラ搬送される展開、そちらなのか。もうね、おかしい。こんなすっきりしない帰り道とかね、見るだにおかしい。いやもう絶好調だと思いましたよ。
『紡ぐ乙女と大正の月』
おお、今回は女中会だ。大晦日には仕事が少ないからと、放免されている紡。でもやることなくてもてあましてるんだ! そんな紡、夜雨に部屋に呼ばれましてね、いってみたらば年納めの飲み会やってるの!? 夜雨の実家から送られてきたお酒、それが絶品なんだって。それで七緒もぐびぐびやっちゃって、でもって紡の杯にもどんどん注がれてくるっていうのね。
未成年飲酒が法で禁じられるのはこの3ヶ月後ですか。だから合法飲み会! って、後の時代の感覚持ってる紡にはどうにも抵抗あるシチュエーションですよね。でも進められて、断わりきれなくて、そうかあ、飲んじゃったか。どんだけ飲んだの? まさか翌日、二日酔いで学校、拝賀式に出ることになるとかね、さすがにこの時代でもよほどの失態でしたか。というか、紡さん、本当に酷いお顔でいらしてよ!
女中会ではじめてお話しした天辻さん。ああ、なんかこうして関係が広がっていくのいいですね。というか、ここではじめて判明する、紡が警戒されていたという事実! 面白いよねえ。でも成長を評価されたりね、そうしたところも大変よかった。というか、コマが進むにつれてどんどんできあがっていく七緒さんが怖いよ! ほんと、どんだけ飲んでるのか。それから、どんだけ紡に飲ませたのか。翌日の大惨事! ほんと、描くに描けないことになってしまってるじゃないですか。
『ニチアサ以外はやってます!』
いよいよ撮影開始。少ない人数で、あっちこっち役割を分担しながら進めていくのですが、部長はじめ、みんな大活躍だよ! あかねとふたり、学校のシーンでは部長がクラスメートを演じて、そして怪人役はあかねと唯、ふたりでシーンごとに受け持つっていうのね!
そうか、アクションが必要なところではあかねが演じて、ヒーロー登場、あかね演じるヒーローのキックが怪人に炸裂! のシーンでは、唯が中に入る。のはいいんだけど、背丈が全然足りないから、両手に棒を持って着ぐるみの腕と上体を支えてるんだ! もちろん動けない、立ってるのがやっと。怪人の口から漏れるコロシテ…コロシテ…のつぶやきがたまらんおかしさかもしだしていて、こんなん笑ってしまうやん!
かくして撮影終了、クランクアップ。ここからは部長の頑張りどころで、明日までに編集! って、つらいな、タイトすぎる。そんな部長を見守る姉に、そして助けを買って出る苺。この、あっちでこっちで、それぞれ、自分にできることがあれば進んで手を貸し、全力を尽す姿、素晴しかった。どれだけこの動画づくりに賭けてるか、その情熱たるや見事の一言。完成した動画、それがどんな評価を受けるのか、もう楽しみでなりません。
- 『まんがタイムきららキャラット』第18巻第1号(2022年1月号)