2022年2月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年4月号、発売されました。表紙は『ブレンド・S』。スティーレの皆が勢揃いしてのお出迎え。これは、なにがモチーフなのでしょう。本の帯のようなものがあしらわれてるのですが、これなにかの食品のパッケージですよね。そしてそこには気になるフレーズが見てとれて、「完結まであと3話!」。ああ、『ブレンド・S』もいよいよ佳境。グランドフィナーレに向けて、急展開見せています。

今月は新規ゲストが1本です。

『トイブーケなら飴で叶えて』

サンタクロースにまつわる伝説、「永花のトナカイ」が語りつがれている永花町。観光地として栄えたのも今は昔、すっかりさびれて町も店も、そして永花町に暮らす鈴鹿もどこか寂しそうに元気をなくしてしまっています。

そんな鈴鹿に届いたのクリスマスカード。小さな頃、サンタクロースに送った手紙、その返事がきたというのですね。クリスマスカードを開いたら、キラキラ白い衣装のお嬢さんが現れて、サンタをやってるニコラさん。永花町を、ひいては人々の夢を抱く力を救うべく、鈴鹿の力を求めにきたのですね。

トナカイになってほしいという。魔法で変身してもらう予定だったのかな? だけどニコラは魔法が得意でなく、変身させることができなかった。落ち込むニコラ。そんなニコラに鈴鹿がいうんですよ。魔法が使えなくてもできることがあるはずだと。

ニコラと一緒に、できることに挑戦していこう。ニコラが鈴鹿の人生を変えたように、ニコラの人生を鈴鹿が変える、その意欲がニコラを元気づけるんですね。

と、ここで不思議なぬいぐるみ。空から落ちてきた? おもちゃが町中を闊歩している? ニコラいわく、魔法だという。これはいったい誰の魔法なのか、なんのための魔法? この魔法はなにをもたらそうというのか。

ニコラと鈴鹿、ふたりの出会いで物語がいよいよ動き出しましたよ。ここからどんな展開を見せるのか、期待しながら次回を待とうと思います。

『RPG不動産』

あああ、セレニアから語られた悲しい過去のお話。アリスが生まれてすぐのこと。母を残し、アリスとともに城を脱出することとなったセレニアの、後に知らされた母と、母とともに戦いの最前線に立ったラスティーレのその後。ふたりともに命を落としてしまった。それがセレニアに抜きがたい人間への不信を刻み込むことになったというのですね。

ラスティーレはファーの母ですね。この時、ラスティーレが身籠っていたのがファーなのですね。しかしこの昔語り、まだ終わってはいない。この先に語られることはなんなのか。まださらにつらいこと、悲しいことが続きそうでおそろしい。

この前にセレニアのいっていた、サトナに裏切られたということ、その真相はいよいよこの先にこそあるのでしょう。そしてこれから語られることがサトナに幽閉された琴音とラキラ、ふたりの疑問に対する答となりうるのか。ああ、気になることがたくさんなのですね。

今、たいへんに厳しい状況にある彼女たち。けれど今回は、セレニアとラキラ、皆の和解が成立して、それは本当に希望のもてることだったと思う。アリスの使役するまものたち、いい仕事をしてくれました。

『紡ぐ乙女と大正の月』

今回、最高だったのでは!? 蜂須賀邸に招かれた雪佳。ひとりでは心細いからと紡に助けを求めるのですが、ほんとこの子素直じゃなくて、お姉さんに甘えればいいのにね! といいたいけれど、プライドがそれを許さないのかな? でも、困った時には頼って、照れ隠しにポカポカぶってと、こうした振る舞い見れば見るほど、なんだかんだで紡がこの子の特別であることうかがえて、悪くないなって思うんですね。

さてさて、蜂須賀邸ですよ。初野さん、この人は主要な登場人物、華族令嬢の中では一番の庶民寄りみたいに感じてきたわけですが、なんとまあ、お家ではほんとにほんとのお嬢様でいらっしゃるんだ! 女中に対するお振る舞い、また女中の受け答え、そのやりとりにも典雅な様子うかがえて、また萩印さまというそのお印も、初野嬢に似合って実に素敵でいらっしゃる。

いやもう、普段、親しみを感じていた初野様のこうしたご様子に、すっかり心動かされた次第です。

蜂須賀邸には古い本がたくさんある、初野がそういっていたの、それにしても尋常でない量では!? 和綴じは平に積まれてて、漱石などの洋装本は立てて並べられている、その違いなども見どころでしょうか。鎌倉時代の写本、当時のもしかしたら初版本など、蔵書が立派であれば立派であるほど、これらの辿る運命を思うとつらくなる。実際、こうした立派だったコレクションはいくらもあったんでしょうね。

しかし、今回の書庫探訪。まさかの春画が出てきたりして、それ見て大慌てする初野ですよ。そこまで取り乱される!? ああ、そうでした、この子は紡のこと天女だと思ってましたね。汚れなき天人に下賎の書物を見せるわけにはいかないと必死だったんだろうなあ。と思ったらあらぬ疑いかけられて、初野様も大変だ! いやもう、このくだり、実に面白かったです。

そしてこの後のお茶の情景。梓印さま、八重子にいたく気にいられている雪佳が実によくて、年少の子に甘えられるのは新鮮な体験なのかも知れませんね。そしてバレンタインの話題を受けてのキャラメル、素直な八重子の笑顔を受けて笑みを見せる雪佳がまた素晴しかったのですね。

今回は、元気、健啖、やんちゃでお転婆、親しみやすい初野嬢の文武両道の側面を知ることができて、いやもう最高だったと思います。そして紡の失敗! ええ、ええ、これね、たった一言、一条家のご令嬢につきそいます旨いい残しておけば怒られずにすんだのでは? こうした要領の悪さ。これこそが紡という人の愛嬌だとも思ったのでした。

2022年2月27日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号、一昨日の続きです。

『最果てのともだち』

林間学校がいいきっかけになったといっていいのでしょうか。将来に向けての展望が開けつつあるアサヒです。キヨたちのいる世界から人の世界へも目を向けようと思うようになって、これ自体はアサヒにとってとてもいいことだと思う。ところが、アサヒが自分と一緒にいてくれる時間が減っていることを面白く思っていないキヨ。この子がどんどん不穏な様子を見せるようになってきてるんですね。

救いとなるのは先生の存在でしょうか。この人は少なくともアサヒの将来を案じてくれている。人の世界での暮らしについても考えてくれている。でもキヨはそうではない。ひとり窓の外を見つめていたキヨのあの目。さらには、変わりたいといったアサヒに向けたあの目。ああ、怖ろしい。これ、どうなるのだろう。どんな展開を見せ、どんな終焉に至るのだろう。どんどん不安になっていくんですね。

そして今回、キヨをひとりにはしないと、アサヒがキヨと交わした指切り。ああ、ここで不安は頂点に達しましたね。これはまずいのではないか? むしろ呪いに似たなにかになってしまうのではないか? 不安な気持ちにさせられて、ああ、キヨはこうした悪霊じみたなにかになって欲しくはなかった。おそらくはこれがキヨの本質なのでしょうね。でもアサヒがつらかった時に助けとなってくれたのは、他ならぬキヨだった。それだけに、いずれキヨも救われて欲しい。そう願ってしまうのですね。

『ねことちよ』

ちよからの呼び出しを受けたまきとふみ。いったいなんだろう。訪ねてみればお庭にどうぞという。なんと、庭に天幕かけて、テーブル出して、ねこカフェなんての作っていたんですね。

いらっしゃいませとふたりを出迎えるねこに、うまくあわせてくれるふみ。まったくあわせようとしないまき。まきのこれは天然なの? ねこのやりたいこと、いいたいこと、それを汲もうとしてくれるふみに対し、まきはあまりにいつもどおり。あなた、そこそこお姉さんなんだから、そのへんうまいことあしらってあげなさいな、なんて思うのもいつもどおり。でもこれがまきの個性で、この漫画における役割なんでしょうね。

ねこが作った料理を出すカフェなんだそうですよ。それ聞いて、不安を隠せないまき。メニューはサンドウィッチとジュース、と思ったら、パンを焼いたのもねこだっていう。ああ、ホームベーカリー。面白いな。なるほどな、ホームベーカリーでパンを焼いたから、これを使ってお店やさんしよう。きっとちよが案を出して、準備してくれたんですね。で、メニューもねこにあわせて考えてくれた。

ねこの準備するところ、できたサンドウィッチとジャムトーストを運んでくれるところ、もう見ているだけで面白いよね。ほんわかと暖かみがあって、ほのぼのと嬉しくなってくる。きっとねこにとってはじめてのお店やさん体験。それで20円のお代をもらって、それでケーキを買うの? おや、秘密? 誰かをお祝いしたいのかな? みたいなこと思わせてくれるラストにも、この子のなにか考えのあることうかがわせて、それがやっぱり面白い。きっとそれは今後描かれるんでしょうね。この子のやろうとしてること、なんなんでしょうね。楽しみですね。

『さよなら幽霊ちゃん』

こちらの幽霊ちゃんもちょっと不穏な動きを見せています。

発見された遺書。降霊中に取り乱したゆう。おそらくはあの遺書がゆうの過去を知るためのきっかけになるのだろう。そう予測し動いている幽霊部の面々なのですが、部員間にも温度差があって、ゆうのあの部屋に縛られている理由を探したいという者があれば、急ぐ必要はないのではないか、それぞれの思惑が交錯したりぶつかりあったりと、生きてる側もなかなかに大変そうなんですね。

さて、幽霊ちゃんですよ。ゆうが寂しくないようにと昼食に部室を訪れた部員たち。ここで部の設立が発表されたり、さらには夏休みにはお泊まり会やろうなどなど、話題が弾むのですが、あれ、途中からゆうが話しかけても答えてもらえなくなってる? 最初はみきが話すのに夢中になってるだけかと思ってた。でも、どうもそうではないみたい。めぐやとうこに働きかけても応答がない。どんだけ話しかけても、必死になって声を出しても、誰も聞いてくれない。どころか、ゆうの姿さえ見えなくなってしまって、ああ、これ、どういうことなんだろう。

気になる情報、いくつか出てましたよね。雲居先生が妹から聞き出しかけていた、かつてあったという飛び降りの話。そしてゆう本人が話そうとしていた言葉。これ、もしかしたら私って死んでないかも知れない、みたいなこといおうとしていますよね。

こうした情報が導く今後の展開。それと今の状況。希望を見出していいのか、あるいは不安に思えばいいのか、先行きの見えなさになんともいえない感情抱いています。

2022年2月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年4月号、発売されました。表紙は『小森さんは断れない!』。これはお祝い? ああ、卒業のシーズン! いや、違うのか。なるほど、『小森さん』がついに10周年! しゅりが花にお祝い、たくさん箱に詰め込んで笑顔浮べています。『ラディカル・ホスピタル』は榊医師と山下さんがクラッカーを手にしてにぎやかし。『らいか・デイズ』らいかは大きな花束手にして、ああこれもしゅりの手にした箱に加えられるわけですね。

今月は新規ゲストが1本です。

『私のエトワール』

カフェにて働く七瀬さん。この人を目当てに通っているのが、高校3年生、受験を目前とした谷和原紬。同じ大学に入れたら七瀬とつきあいたいと、好きを全面に押し出してくるんですね。

けれど七瀬は断固として断わって、はたしてなぜか。ああ、七瀬さん、男性を愛するタイプの人なんだね! と思ったら、ほんとにそうなのか! というか、予想自体は正しかったけど、その前提がまったくの予想外。七瀬、この人、女性だったのか!

でも、自分の胸を触らせて女性と確認させるのやりすぎでは? で、これで紬が引くのかと思ったら、男でも女でも気にしませんよ、ですって! きましたか? きたのですか!? と思ったら、なんとこっちはふわふわ女子と見せかけて、あなた男子だったんですか!

ジェンダーレス男子。性自認が男でも女でもないのか。男としても振る舞えるし、同様に女子としても振る舞える。普段は女性の格好してるのか。それがあり様に一番即していたのかな?

このふたりの出会いと、見事合格を勝ち取った紬。かくして恋人同士にというこの展開。見事、ハッピーエンドでしたね。

『となりのフィギュア原型師』

階段作ってるおこめ。なんでまた、と思ったら、これ雛壇なの! 雛人形載せて飾るやつなの! ガチの木で作っちゃったら、畳めないから場所とって大変だよ!?

おこめ代表も女の子だからひな祭りやりたくなったのかな? と思ったら、雛人形もフィギュアも同じ人形、学べることも大いはずと力説。じゃあ今回は雛人形を自分たちで作るのかな? 自分たちの趣味嗜好盛り込んだの作っちゃったりするのかな? そう思ったら、主に雛飾りトークに終始して、人形づくりまで辿り着かなかったよ!

ということで、とりあえず手近なフィギュアや小物でやっつけました。ただのフィギュアの陳列になってる! でも今回はやっぱり雛飾りトークが主。雛人形の見学にいこう。半藤とおこめ、ふたりでいこう。ちょっとした社会見学デートが成立しそうでありますよ。いや、半藤は絶対現場で造形に入れ込んでしまう系ですけどね。デートっぽくならないこと間違いなさそうです。

『ネコがOLに見えて困ります』

OLさんと社長ちゃんにペースト系キャットフードをあげているミコト。その時、なにかが手に触れている! 目に見えないなにかを感じて、これは新たな能力の発現か!? そう思ってちょっと興奮していたのだけど、あー、ヒゲなのか。ミコトにはOLさんたちが人の姿に見えているから、とりわけOLさん、猫にはつきもののヒゲが見えない。だから不思議な感覚になっちゃっていたんですね。

社長ちゃんはヒゲっぽい柄がついてたでしょう。それが猫のヒゲと連動して、いろんな感情に応じてかたちを変えている! 面白いな。これのおかげで、感情もよくわかる。でもOLさんにはヒゲに対応するパーツがないから、見てもヒゲの動きはわからなくて、でも表情が豊かに変わるから、ヒゲがなくても感情しっかり伝わってきますよね。

そんなOLさんの楽しいとか好きという感情。その表れ、ミコトとの距離感などなど、ああ、ほんとにOLさんはミコトが好きなんだ。それがミコトに伝わるくだり、丁寧にコマを重ねていく一連の描写がすごくよくって、このふたり、いやひとりと一匹か、そのしあわせそうなよりそい、素晴しかったです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

うわあ、これ絶対やってみたら楽しいやつだ! 暴走を夢見るもバイクがなくて暴走欲を満たせない七恵がですよ、寒い日の朝、凍った水たまりに足をとられて、これだ! 以前駐車場をプールにしたみたいに、駐車場を凍結させようと画策するんです。

夜のうちに駐車場に水をまいて、見事に凍結。プライベートスケートリンクだ! いや、参雷図荘咲悪切斗場、サンライズ荘サーキット場ですね。なるほど、このネーミングからして、七恵と佳にとってはあくまでもモータースポーツが発想の原点であるとわかる。いや、でもこれ、楽しそうだな。七恵は腹ばい、佳は座り込んでの暴走。微妙にかっこ悪いんだけど、なんか参加してみたくなるよさがあります。でもって朝っぱらから騒いでたら、うるさいと大家がお怒り。けれどスケートリンクがお気に召されたようで、よかった、今回はふたりとも怒られなかったよ、大家には!

ここからの暴走、やっぱり大家が加わるとスケールがでっかくなりますよね。マシンが必要だ! ソリを作ります。より暴走族感を出すために、滑れる範囲を広げよう! そうだアパートまわりの道も凍結させよう!

一気に迷惑行為にグレードアップしましたよ!

いやでも、ここまで見事に凍結させられたら面白いだろうな、迷惑だけど。かくして大家たち、公道を見事に暴走してみせて、こうなったらもうヒメコが出るしかない。からの、看板利用したスノボならぬアイスボードでのチェイス。これ、ヒメコはヒメコで怒られるやつじゃない? ともあれ、悪いことしてしっかり怒られちゃうサンライズ荘の面々。いやもう、落ちまでばっちりやりきってくれて、大満足の展開でした。

今回見事な迷惑行為でヒメコにきっちりしぼられちゃったわけですが、これ大人には迷惑でもきっと子供には好評だったと思う。サンライズ荘の駐車場でちょくちょく子供が遊んでたりしてるみたいですけど、この子たちからしたら、怖いながらも面白い姉ちゃんたちの住んでるアパート、みたいな認識ありそうです。

2022年2月25日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号、昨日の続きです。

『先輩、ちょっといいですか?』

夏の日、不知火雫を呼び出して、向かった先は不知火の気になっていたという店。カゲロウ商店、いわゆる駄菓子屋。不知火は知らないですよね。でも、この店に馴染みがあるという先輩、かつて子供の頃、自販機まわりに落ちてる小銭を元手に、くじで金策してたっていうの、ええーっ、そんなことできたんだ、駄菓子屋って。こういうダイレクトなくじつき駄菓子はちょっと知らないやつでした。

さてさて、まずは不知火の駄菓子屋体験。駄菓子屋のおばちゃんの40万円ギャグを真に受けてブラックカード取り出す不知火がヤバい。と思ったら、おばちゃん、乗り気になってるよ! この展開は面白かった。そしてここで出会った小学生たちと、ちょっと打ち解けて、缶蹴り対決をすることに。この偶然の出会いで、不知火に缶蹴り体験もプレゼントすることができた。先輩も楽しかっただろうけど、不知火も充分楽しめた。きっと小学生たちも楽しんだことでしょう。

こうした皆が楽しめたというのが嬉しいエピソードでした。

そして、今日の一日、これが不知火の誕生日プレゼントだったんですね。家族以外から誕生日を祝われたのがはじめてという不知火。こうしていろいろ経験して、世界や自分の周囲の人たち、ひいては自分自身も? 知っていく不知火。そのステップアップがより感じられる回でもあったと思います。また先輩からの不知火をもっと知っていきたいというその発言も、さらに一歩前に進んだ、そんな感じがあってよかったです。

『追風のジン』

今日はいい回だった! 温泉回だから? いやいや違いますよ。若かりし日のジンの母ちゃんが可愛かったから? あー、それはちょっとあります。でも一番はですね、スパナですよ、スパナ登場! かつてヨツワ村にて忍者衆に潜入していた忍者の彼女。あの時にもいってましたよね、七虹架大全。稲穂刈の宝物庫にあったはずのお宝本。けれど価値を知らない頭目が売っぱらっちまって、かくしてそいつが今宵のイベント、ユザワ村でのオークションに出品されるときちゃあスパナ姉さんが黙っちゃいない。こっそり潜入して、ステージ上にて華麗に奪い去るというのですね。

しかし、この本の来歴を知れば、なぜ彼女が固執するかもわかろうもの。なるほど、忍者発明家、七虹架ゲンナイなる人物が残した発明品の設計図。発明、カラクリ、忍者の道具、それらを得意とするスパナからしたらなにをもっても代えがたい代物。そりゃあこうして強奪しようとも思うわけです。

しかしですよ、目当てのお宝入手した彼女のテンション、あの躍動感に満ちた逃走ダッシュ、素晴しかった。どれほどに嬉しいか、あのぐいーっとパースの利いた絵にもよくよく表れて、さらにはあの笑顔でしょう。悪人なんだけどさ、泥棒だし、でもそれでもぐっとくる魅力のあるお嬢さんです。でもって、スパナを追うジンとの立合いも見どころで、ああー、ジンくん、翻弄されてるじゃありませんか!

このスパナの余裕綽々とした態度! でもこれ、侍の介入あれば状況変わるよね? 侍のマサムネ、この人も七虹架大全にはなにか因縁ありそうで、さらには胡散臭い忍者の存在も示唆されて、ああ、こりゃあきっと一筋縄ではいかない。すなわち、見どころの予感がするってわけです。

『球詠』

いよいよはじまる美園学院との対戦です。まずは相手のピッチャー、園川の実力がこれでもかと示される1回表。コントロールのよさに加え球威も抜群。まずは様子見しながら、多く投げさせようという作戦です。ここで描かれるのは、相手を見極めようとするやりとり。地味ながらも多くの情報を伝えてくるものだから、俄然これからの展開に期待もかかる。さらには園川も抽選会で感じたプレッシャー、その正体を見極めようと気を配っている。ええ、互いに相手の様子をうかがっているこの状況。目に見える以上にシビアな攻防が繰り広げられているのですね。

しかし今回は投手戦になるのでしょうか。トップクラスの投手、園川。そしてこちらは我らがヨミ。前回とは違って、伸び伸びとリラックスして、楽しみつつの投球。あの、いつものなげるぞポーズからの伸びやかな投球フォームは、ヨミの調子のよさを感じさせてくれて、そして威力を感じさせる直球のミットに収まる音! さらには例のあの球も、フォームが完成されてクセから読むことができなくなっている。

かくして双方、いかに投手が抑えきるか、あるいはいかに投手を崩すかの勝負になる? と思わせてからの、美学の1番打者出塁。さらなる盗塁に、ヨミが妙なやられた感出しちゃってますが、ほんと、これ、やられちゃったの? いやもう、これ、緊迫の初回。どう切り抜けるのか、あるいはピンチに陥るのか、目の離せない展開です。

2022年2月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年4月号、発売されました。表紙は『球詠』。珠姫に後ろから抱きついている詠深。ふたりの仲のよさがうかがえる、そんな表紙であります。詠深の満面の笑顔、対し珠姫は穏やかな微笑みで詠深に応えて、どのような会話がなされているのでしょうか。他愛もないことかも知れない。けれど、彼女らの今の時間、それを彩り、楽しいものとさせる、そんなおしゃべりを思わせます。交わされる言葉の意味内容以上に価値のある瞬間を切り抜いた、そんなイラストです。

今月は新規ゲストが2本です。

『Meタイトル』

イラストレーターの春が引きあわせてもらったのは、同じくイラストレーターのユキ。ユキの絵と出会ったことがきっかけで、春はイラストレーターを志すこととなった。そんな憧れの存在を前にしてテンションあげているんですね。

ユキの家を訪れて深まる交流。最初はしぶしぶだったユキも、だんだんと春を受け入れていって、自分の画材で絵を描いてみるよう春を誘ってみるんです。アナログの技法を体験する春の様子、その楽しそうにしている姿を見て、なぜかと問いかけるユキ。ユキは絵を描く楽しさを見失ってしまっていたというのですか。おそらくふたりの担当編集者であるアキ、彼女がふたりをあわせようと思ったのは、ユキに絵を描きはじめた頃の気持ちを取り戻してほしかったからなのでしょう。

生き生きと絵に向かう春を見て、ユキにも思うところがあったみたいです。絵を描く楽しさ、面白さを取り戻せたかはわからないけれど、またなにか新しいことを見つけてみようと思う。ユキが自分の未来に、なにかしら希望に似たものを取り戻したことをうかがえるラストでした。

『Milky*Cherry』

誰ともつきあう気がないと公言している男の子。両親がいない彼には、妹が独り立ちするまで面倒を見る責任がある。恋愛とかにかまけている余裕はないというのですね。

ところがやけにモテる彼。複数の女子からアタックされて、主人公である花梨もそのひとり。複数の女子と連帯してアプローチすることになったのですが、花梨はどうにも照れくさい。頑張っていろいろやってみるんですが、うまくいきそうで、でもなかなかピタッとははまらない、そんなもどかしさにやきもきする、そんな様子が続くんですね。

彼の妹、雫。兄にべったりのこの子もなんと、争奪戦に参加するひとり。血の繋っていない妹とわかる終盤。またもライバルが増えてピンチだというのですが、はたしてこれ、誰がどれくらい有利なんでしょうね。

いわゆるハーレムものに近い構図。けれど男子側ではなく女子視点で描かれることで、一般のハーレムものとはまた違う感覚、展開や心の動きなどが期待できそうですね。

2022年2月23日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、昨日の続きです。

『今日の授業は恋愛です!』

今回は、みあおとひいろ、ふたりの恋愛事情とさがり、こみねの進展、それがリンクしつつ進行していくのが面白くて、というか、みあおが全体通してのキーパーソンですよね。見た目ちんまりしてて、可憐なお姫様ポジションに収まっている……ように見えるみあおが、実はひいろの前では全然違って、むしろこの子が主導的。いやもう、友達のこみねを応援すべく、さがりとの下校風景を見守りつつどんどん指令を出していく様子が、おかしくっておかしくって。完全に地が出まくっていて、スーパーにいかないのかと聞くひいろにも、そんなん今どうでもいい!! ピシャリですよ。

みあおのこういうパワフルなところ、めちゃくちゃいいと思います。おとなしく、一歩引いて譲るみたいなのよりも、自分の気持ち、我を出して、がんがん進んでいく。こうしたみあおの傾向、踏み出す強さがいい感じにこみねにも伝わって、やりたいけどできずにいたこと、そいつをいくつも達成できた。いいですね。こみねも立派な前向き女子ですよ。

そして今回、終始みあおに振り回されていた困惑系女子、ひいろ。なかなか自分のペース掴めずにいたこの子の嫉妬発言からのあの展開! ああ、素晴しいものありますね! というか、普段は王子キャラを演じてるひいろなのに、ふたりの時はみあおが王子ポジションじゃん! っていう、この関係の転換にも改めて魅かれるものありました。

というか、これをさがりとこみねが目撃しているっていうのがね、私のD☆Vポイントに直撃していたんですね。きましたわ。きましたわよ。

『ホレンテ島の魔法使い』

空飛ぶ魔法使いの正体はこっこだった。それがバレて完全に開き直ったこっこが、夜の空中散歩にご招待ですよ。かくして夜空に繰り出すこっことあむ。そして語られるこっこの思い。魔法についての屈折した感情、技術の発展が魔法を無用のものと化していく現実と、それでも魔法を終わらせたくないというこだわりに葛藤していたこの子にとって、魔法を信じるあむの存在は、見過ごしになんてできない、希望のかけらであったというのですね。

魔法とともにホレンテ島に暮らす人たちの、様々な思いの語られる今回。こっこの気持ち。帽子屋の先生の気持ち。そしてあむの気持ちがこっこに触れて変容させられたもの。ああ、なにかに心を奪われたらもう魔法使いではいられなくなるんだ。ぎりぎりのところで踏みとどまったこっこ。そしてかるてを前に魔法の使えなくなって戸惑う詠。ええ、あちらでこちらで、魔法の断片が無効化される、そんな状況が生じちゃっているんですね。

そしてふたたびあむとこっこ。ふたりの対話に見えるロマン。魔法への、島への、そしてともにある誰かへと向ける気持ちが溢れて、その情感たるや! 魔法に限らず、人も暮らす環境も、変化していくことはとめようもなく、しかしそれでも確かに残るもの、伝えられるもの、思い続けられるものはあるのだというその言葉は、祈りや願いに通じる、そんな思いであったと感じたのでした。そして共鳴するふたりの心。ああ、これもまたひとつの永遠のかたちであるのかも知れません。

2022年2月22日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、昨日の続きです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

ピンチを乗り越え、新たな町に到着したアヤとリルー。大きな町だから物資もたくさんあるだろう、希望を感じさせてくれた冒頭の情景からこんなにも厳しい展開に入っていくだなんて、まるで予想もしませんでした。

そもそもの前提が、ゾンビアポカリプスの世界です。ただひとりの生き残りかも知れないアヤ。はじめっからハードモードとしかいいようのない状況を、このふたりの明るさでなんとか後ろ向きにならないよう気持ちを引き上げてきた。ところが今回は、いつになくアヤがシリアスで、というのもこの町にはかつて家族と一緒によく遊びにきていたからだというのですね。

お店や映画館、公園といった思い出の場所、それらがことごとく荒れてしまっている。かつて賑っていた頃を知っていただけに落ち込みが深い。人の不在がより色濃く感じられるのでしょうね。みるみる元気をなくしていくアヤが見るだにつらそうで、しかもこの状況でレサナが尽きてしまうというのです。

もう出歩こともかなわない。食料の調達もできない。とりあえず拠点を確保できたのはよかったのだけど、そこで語られるアヤの経験したこと。この世界が終わりに向かっていくこととなった、その経緯。ああ悲しい。ゾンビ禍の拡大をとめるべく東京に向かったアヤの母。なにか、この災厄を食いとめられるような研究をしていたというのですね。かくして父とふたり家に立て籠ったアヤだけれど、徐々に悪化していく状況の中、父を失い、ひとりになってしまって……。

この絶望的な回想! ずっと能天気と思えるほどあっけらかんと振る舞ってきたアヤの、そのようにしなければならなかったろう悲しみ、つらさが感じられるようで、拭いがたい重苦しさが胸の中に残りました。この子がリルーと出会えたこと、これはこの子にとっての救いとなったんじゃないだろうか。異世界からの来訪者、けれど同じ苦しみを共有しないことが、逆によかったのではないかと思ったのです。

『SAN値直葬!闇バイト』

この漫画、登場人物がいろいろあかんと思う。とりわけ主人公のあかり。授業中も定まらぬ視線でぐらぐら揺れている。まあ、眠いんだよね? わかるよ。さらにこの子の場合、腹も減っている。そうでした。この子は困窮しているのでした。しかしそれにしてもこの子、いろいろ心配になる子です。学校で闇バイト仲間のこよと出会ってからの会話ですよ。結構な額もらったバイト代、連日の寿司屋通いで使い尽したんだ。おいしいもの食べたい、その思いはわかるけど、計画性というものは持ちあわせていないのですか!?

まあ、ないんだろうなあ。というか、この散財、浪費、もともとのこの人の性向なのか、あるいはあの胡乱な闇バイトの影響なのか。身体が海産物を求めるとかいってる。夜、不穏な夢を見るともいっている。こよのそれは、海棲生物のひたひたと忍び寄る怖ろしげなもので、対しあかりはというと、状況こそは変わらないのに、捕えて食う気満々なのか。しかも現れたのが半魚人でも気にせず食っちまうのか。

やべえ、やべえなあかり。お前さんにこそ冒涜的という形容が相応しい。

ふたりの見た海にまつわる悪夢は、前回ぬいぐるみにして捕えたダゴンの影響によるものなのか、あるいはラブクラフトのモチーフに海産物ベースのものが多く見られるゆえなのか、そのあたりはまだよくわからないけれど、とりあえず次の獲物も海産物、学校に現れる半魚人だそうですよ。

しかし、危険なバイトに派遣されるふたりに提供された頼りになるお供。まさかのショゴスか! やべえ。およそ味方とは思えぬその容貌。半魚人でも食いかねないあかりが気持ちで負けるってんですから相当です。

2022年2月21日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、昨日の続きです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

なんと、クラスに桔香への憧れを抱く女子が出現してしまいました。手芸クラブの鮫島冬子さん。あやとりしながら歩いてたら人にぶつかって倒れそうになったところを、すかさず桔香ちゃんが支えて救ってくれた。これがまあ見事に恋に落ちたといいましょうか。桔香ちゃんと仲よくなりたい、そのためには僕になることも辞さない。なんとも純な思いがあったものです。

鮫島さん、無口なんですね。基本はあやとりしてる擬音のコネコネ、感情が現れた時の擬音、まうっ。なんとも独特な子です。でもって、肝心なことはあやとりで伝える? あのハートを作るの凄いよね。あらまあ、ほんとに一目惚れなんだ。このハートのあやとりを桔香と交換しあいたい。って、それが愛情表現!? わからん、わかりにくいよ! 独特すぎる!

でもここからめちゃくちゃ難航するの、さもありなんってところですが、本当に面白くて、手芸クラブのリーダー吉田美咲や副リーダー、セタちゃんが手伝ってくれるんですが、手紙作戦ではセタは果たし状みたいになっちゃうし、そして普通の子に見えていた美咲、この子のヤバい側面がだんだん明らかになっていく終盤など、本当にこの漫画には変わった子しかいない! すごいパワーでした。

しかし、美咲の思い詰め力と桔香の誤解、そしてはからずも桔香を横取りすることになってしまったことで友情に亀裂!? この誰ひとり思うようにいってない波乱の展開。いやもう、ほんと、なんでこんなことになったんでしょうね。

『瑠東さんには敵いません!』

瑠東の生徒会で見せている顔は落ち着きのあるしっかりもの。マイペースな上級生、高永瀬良の世話を焼いたりと大活躍しているのですが、なんとまあ、この瀬良さんに和村にしか見せない隠された瑠東の真の顔、見られてしまったというのですよ。

優等生モードからの転換、即和村に甘えに入る瑠東を凝視する瀬良ですよ。驚いた、ぽつりと口にした一言に激震が走る! そこからの和村に向けられる興味。ぐいぐいいく系なんだ、瀬良さんって。いや、わりと面倒くさがりというか、それが抑え気味の表情とあいまって、クールな美少女って雰囲気になってるのに、意外や感情過多でいらっしゃる? ああそうか、この人も表向きと内実にギャップ抱えてる人っぽいな。和村ちゃんにはそういう人をひきつける、そんななにかがあるのかも知れませんね。

しかし、和村がここまで初対面の瀬良を虜にしようとは思いもしない展開でした。かつて母親しか読みとれなかった瀬良の表情、それを和村はこともなげに理解してくれて、喜びにうちふるえる瀬良ですよ。どれだけ嬉しかったのだろう。そこからの和村への接近具合。たまらんものがありますね。そして加えて、この接近が呼び覚ます瑠東渾身の嫉妬心!

いやもう、なかなかにいいものが見られたように思います。瀬良のマンボウリュックも最高です。

『ななどなどなど』

千葉県のD・Mさんに私はいいたい。小町ちゃんはいつだって可愛かったですよ!

そんな可愛い小町ちゃんの立ち直りから揺るぎない決意を見せるにいたるまでの一連の出来事。そこには小町がこれまで関わりを得て、そして影響しされてきた人たちとの繋がりがあって、ああ、これは小町の総決算なのかも知れません。

小学校時分に家来扱いされていたこのみも、素直でないながら小町がふたたび立ち上がれるよう元気づけてくれて、ああいい子だよね、この子。このみが怒ってるのは、家来扱いされたからというより、むしろ小町が自分のこと忘れてたりないがしろにしたりすることへの反発でしょう。本当は小町と対等の友達になりたいんだろうな、このみ。小町が、そしてこのみも素直に自分の気持ちを口にすることができるようになったら、このふたりの関係もまた違ったものになるのではないか、そんなこと考えたりしてしまうんですよね。ええ、ふたりには仲よくなってほしいのです。

そして、ななどと小町のピンチに動いてくれた萌とるる。ああ、茶々が詰められておる……。萌の圧、これ茶々にとっては人生初レベル激詰めってやつなのでは? しかしここで萌たちが説得するだけでなく、当の小町自身が自分の思っていること、自分のなしたいと願っていること、それを明確に口にして、ああ、この子、成長しましたよ。クラスの出し物、ライブも成功させる。けれどななど、友達も助けたい。

ええ、いい感じに欲張ってきましたね。そうなんですよ、もともとからこのふたつ、相反するようなことじゃあなかったんですよ。こちらを立てればあちらが立たずではなく、別に両方立ててもなんら問題なかった。そのどちらにも手を伸ばそうとする小町。クラスのことも大切に、一緒に歌と踊りの練習をしてきた仲間も大切に、そしてななども大切にしようとする小町の心意気。素晴しかったと思います。

しかしクラスでの小町のポジション、違ってきましたね。だんだんに受け入れられてきた。これは小町がクラスのために動ける、そうした姿を見せてきた結果なんでしょうね。そしていよいよライブの幕が上がる。成否やいかに。そしてムスっとしている茶々、この子の感情の行方やいかに。

いや、茶々も茶々なんですよ。この子もこのみと一緒で、小町にかまってほしい、お姉様に愛されたい、その気持ちでいっぱいなのに、それを表に出せないでいる。そのこじれた感情の解決に向かうこと、なによりも願いたいところです。

ああ、そうそう。小町ちゃんの装着、最高だったと思います。1/4くらいのフィギュアになったらきっと買ってしまう、そんな愛らしさに溢れていました。

2022年2月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、昨日の続きです。

『ぬるめた』

なんか雰囲気違う? あ、制服。なんかお嬢っぽい制服になっとる。と思ったら、こごめがさきなと一緒に保健室に入り浸ってて、あー、なるほど、中学生の頃のお話なのか。なんだか今みたいな雰囲気なくて、どこか沈鬱、アンニュイな空気が色濃い。そんな中学生たち。3年生、受験を目前にしながらも授業はさぼりがち。なにに対してもどこかつまらなそうにしているんですね。

こうした様子を見ていると、高校でいろいろエンジョイしている彼女らとの違い、その中心となっているものがなんなのか、見えてくるように思われて、ええ、くるみですよ。中学の頃の彼女らには、くるみがいなかった。いや、くるみ自体はいるんですけど、高校でのくるみとはまるで違っていて、まず学校には通っていないし、またくるみ自身も内気で弱気なほんとちっちゃな子みたいな振る舞いしていたんですね。

このおとなしかったくるみが今みたいに奔放な性格になったのは、皆とそれだけ打ち解けられたからなのか、あるいはちあきの改造やらなんやらで自信みたいなの持つにいたったからなのか、それはよくわからないのだけど、高校に入学してからの彼女らにとってくるみの存在がどれだけ大きかったのかがうかがえるエピソードであったと思います。

それと、今回、あのワイド四コマ描写がなかったんですよ。和気あいあい、あるいはなにか楽しいことに皆がそれぞれ取り組んでる、そうした情景を描写するページ。それがなかった意味、なんてことも思わせてくれる回でありました。

『リリカお嬢様に振り回される!』

リリカお嬢様が振り回されとる! 永野にではなくて、邸宅に入り込んできた野良猫にでありますね。

リリカのための食事を用意していたら、まさかの展開、魚が猫に奪われて、追う永野、逃げる猫。その前に立ちはだかるのは我らがリリカ嬢なのですが、もうまったく抑止力にならないのね! いや、まあ、そりゃならんよね。とは思うんだけど、ここからの描写がもう面白くって、踏み付けにされた憤りから、永野動力でお嬢様の猫チェイスですよ。ドリフトする車イス、またも抑止力にならない飼い犬シャルロッテ。そして植え込みに突っ込んでいく車イス。

いやもう、これ、ものすごいテンポのよさ。あの茂みの中で顔面強打するリリカとかね、絵面からして面白かったです。

でも、面白いだけじゃなかったんですね。リリカがその野良猫から感じたこと。この子の優しさ、あるいは寂しさなどがうかがえて、ああ、この子もやっぱり悪い子じゃないんだ、そうしたことより強く感じさせてくれました。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

新たな登場人物が鮮烈デビューですよ。なんと、山の中、大ナタ持って睦子を追いかけているという、なんだこの物騒極まりないシチュエーション。もとはというと、山で怪我をしたハイカー、白根の相談から始まっているこの騒動。身動きとれずにいた白根を助けてくれたのが、その大ナタの彼女、山姥の葵だったんですね。

それでふたり恋に落ちるとかね、まあ、素敵なお話! とはなかなかならなくて、ふたり正式に交際して、一緒に所帯を持とうとなると、やっぱり戸籍があった方がいい。でもそうしたことを切り出すと葵は姿を消してしまって……。

人に対する負い目とでもいえばいいんでしょうか。かつては人を捉えて食べたこともあった妖怪の末裔であるというその出自ゆえの苦しみがあった。はたして人の社会は自分を受け入れてくれるのか。妖怪である私たちだけが変化を迫られて、人の方から我々妖怪に歩み寄る、そんな選択肢はないのか。

そうした悩みを、睦子の先祖である山ン本が焚きつけた、みたいなところもあったようですね。人と妖怪、その相克や葛藤の浮き彫りにされた今回は、彼ら、ある種異質な存在のともに暮らす社会のあり方に思いを馳せさせる、そうした問い掛けにもなっていたと思われ、それはひいては現実に暮らす私たちにも無関係ではない、異文化、多様性、共存、そうしたキーワードに連なる大きな問になっていたのだと感じました。

しかし葵さん、かつて人を殺めた一族云々気にされてますけど、人からしてが人を殺してますし、襲ってますし、場合によっては食ってますし、そうそう気にされることもないんじゃないかって思いますよ。ええ、今の自分、葵自身が信じるに足る存在でさえあれば、昔の因縁もきっと越えていけるのだと思いました。というか、白根は悠々乗り越えていっちゃってましたね。

2022年2月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年4月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。ぼっちとリョウがふたりそろって雛人形、男雛と女雛に扮しています。とはいうものの、さすがはこのふたりといいますか、マイペース? 普通の雛人形にはなりません。リョウはだんごを黙々とめされて、対してぼっちはギター抱えて青い顔。これはこれでふたりの普段の姿、それをよくよく現していますよね。けど、ふたりともに装束、よく似合っていると思うんですよ。とりわけぼっちですよ、暗い顔してるのはもったいないですよね、この子。

今月は新規ゲストが3本です。

『うちのババアしか勝たん!』

ひとり暮らししている女子高生、月見里にこが自宅に帰ったら、そこには見知らぬ少女の姿。いったい誰なのか。問うてみれば、月見里ウメ82歳だというんです。名前を聞いてもわからない。でも顔のパーツに見覚えがある。ああ、これはウメばあちゃん!

でも、父方の祖母がこんなに若いはずがない。いったい何者!? 聞けば、突然ふしぎな力で女子高生になってしまったらしい。かくしていきおい同居することになった若お婆ちゃん。幼ない見た目とは打って変ってシブいお土産の趣味、好み。また長く家事に携わっていただけあって炊事洗濯掃除にと大活躍と、若さに経験が備わってギャップてんこ盛りになっているんですね。

なぜおばあちゃんが若返ることになったのか。その人生を終えようという刹那、願ってしまった今一度の青春、その思いが通じたがためか、あるいは母の再婚でできた新しい父、その折りあいの悪さに苦しむにこの助けとなるべく神様ないしが祖母を遣わした? わからないのだけど、このふたりともにこの若返りがなにかしらの救いに至る、そんなきっかけとなりそうですね。

『ぼーだーらいん』

ロウソク灯して、怖い話をしているふたり。いよいよ佳境というその時に、ふっと吹き消されて強制終了されてしまう。ああ、この黒髪ショートの子、怖い話が苦手なのだな。そう思ったら、え? 違う? ただ単純に聞き飽きた話でつきあってらんなかったからなのか。

そう思ったら、あー、やっぱり怖い話ダメだったんだ。だよねえ。なんかそんな風だったよね。

心霊系の動画配信やってる陽子とその収録につきあわされているみどり。みどりをダシにして登録者を増やそうと画策する陽子が、今回の学校に出るという幽霊探索にて賭けを申し出る。ここで幽霊が出たらなんでもいうことを聞いてもらう。対しみどりは、幽霊が現れなかったら心霊スポットめぐりはもうやらないと約束させた。

でも、みどりもつきあいがいいよね。本当に嫌なら、頑として断わる、着いていかないって選択もできそうなのに、そうはならないんね。友達思い、あるいは陽子のこと大切に思ってるんだろうなあってのがこうしたところからもうかがえるように思いました。

さて、学校にてですよ、廊下に響く女の鳴き声。女子トイレから聞こえる鳴き声の噂は本当だった!? その真偽を確かめるべく問題のトイレに突入するんですけど、ええー、なんてこった、警備員がトイレの個室でAV動画見てただけなの!? って、なんでわざわざトイレで!? というか、これヘンタイ女とかいって陽子とみどりに文句いってますけど、あなた、失業の危機では!?

いやもう、幽霊と思わせてからのがっかり落ち。と思わせてからの、まさかの幽霊!? この警備員がそうだというの!? ああ、勤務中のハレンチ行為が発覚してクビになる警備員はいなかったんだ……。はいいとして、これ、割りと本当に陽子とみどり、ピンチなのでは? これ、いったいどういう方向に展開していくか、予想つかなくなってきましたよ。

『人狼少女ほかく戦略!』

独特な絵柄、雰囲気の漫画です。漫画のネタを探しに決死の覚悟で獣人の出るという森に踏み込んだ女の子。目当ては獣人、けもみみ美少女目当てだっていうんですが、いやいや、それが美少女かどうかはわからんじゃない!? というか、少女でさえない可能性まであるよ!? でもうまいことしたもので、おあつらえのけもみみ少女と出会えるんですね。

しかし獣人は人を食べるといいます。ゆえに死ぬことも辞さない覚悟で山に入っていたわけですが、実際その運命を受け入れつつ、ただその時までは取材をさせて欲しい。で、その提案が通るのですから、この獣人のお嬢さん、人がいいというか、生き抜くのに向いてなさそうというか、実際その後の彼女を見れば、学校でも知られた美少女双子に生活どころか命さえ脅かされているわけでしょう?

冒頭の、漫画のためには、あるいはけもみみ美少女と出会うためには命を落とすこともやぶさかではないといった物騒な状況、それが変わりものの人間に日常を侵食されるけもみみ美少女の悲哀をにじませるラストに決着するという意外性。この物語の移りゆきには翻弄されるがままでした。

2022年2月18日金曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年2月17日木曜日

いちご王国カレンダー

 ダイソーで売られているボードゲーム、今日は『いちご王国カレンダー』について。これはもともとは『いちごカレンダー』という名前で売られていたゲームだそうでして、そちらは1944円(税込)。それが少しルールを変えて110円(税込)で買えるというのですから、おそろしく破格です。ルールが違うというのは、オリジナルが四則演算の記号もカードで指定されているのに対し、王国は自由に計算できる。自分の手番でじっくり考えられるオリジナルに対し、はやく計算したものが総取りできる王国。山札がなくなった時の手持ち札の多寡で勝敗が決まるオリジナル、15枚集めたら勝ちという王国。こんな感じで違っています。で、これ、王国には四則演算カードが入ってないんですが、それを作ってオリジナルルールで遊んでみても面白いかも知れません。アナログゲームは各自でルール変更して遊べるというのが強み、その強みを生かせそうなカードゲーム、それが『いちご王国カレンダー』だと思います。

今日はちゃんと遊んでますよ! とりあえず3戦してみました。ルールは簡単。山札から5枚場に出したカードの数を計算して15になったら、計算に使ったカードをもらえるというもの。ただし制限があって、親は2枚とか3枚でも15を作ってカードを獲得できるのですが、子は場にある5枚すべてを使わないといけない縛りがあります。なので、親は子に対して考える余裕ができる。この親のアドバンテージをいかに活用するかがこのゲームの駆け引きなのだと思います。

親番で、2枚や3枚といった少枚でいいから、細かく集めて15枚に近づけていくというのが基本のセオリーでしょう。できれば4枚5枚ととりたいけれど、ゆっくり考えていたら子に15を作られてしまうかも知れない。なので子の計算力次第で、ゆっくり多めを狙うか、少数ではやくとるか、選択していくことになりそう。そのあたりの見極めが面白いゲームでした。

しかし人間には欲がある。それが子の狙い目だと思うんですよ。2枚じゃ満足できない。3枚4枚、できれば5枚とりたい。そう親が思えばどうしても手は遅くなりますよね。その隙に5枚総取りを狙っていくのが子の勝ち目でありましょう。

で、これ、親番がまわってくればわかってもらえるんじゃないかと思うんですが、ただの欲じゃあないんですよ。カードの枚数を欲張る、そういう気持ちももちろんあります。ですがそれと同時に、目の前にある数字全部を使って15を作りたい、与えられた課題、そいつにチャレンジし勝利したい!

卓を囲むプレイヤーだけでなく、山札から随時補充されていく5枚のカード、それもまた戦うべきライバルであるんですよ。目の前に並んだ、一見ちぐはぐで到底15なんて作れそうにない数字を、足したり引いたり掛けたり割ったり、あれこれ組みあわせて15を導き出せた時の感覚、それはもう予想をはるかにうわまわるものでした。チャレンジに勝利した喜び、卓を囲む中で一番はやく解に辿り着けた嬉しさ。これはちょっと病みつきになる、そんな実感があります。

アナログゲームの常ですが、ルールの解釈で悩むというのがあります。今回悩んだのは2点。

まずは、5枚のカードで15をふたつ作れた場合はどうなるのだろう。プレイヤー間で協議した結果、両取りは不可だろうとなりました。あくまでも場にあるカードで15を作るゲームであること。またルールにもあるように、「誰かが得点するかパスした場合、親を時計回りに交代します」、つまりふたつできた15のうちどちらかが獲得された時点で、親の交代条件が満たされていますよね。

もうひとつの解釈悩みは、勝利条件です。「誰かがカードを15枚取ったらゲーム終了」。その15枚というのは、15枚ちょうどなのか15枚以上なのか。

これはちょっと考えたら、15枚以上じゃないとゲームが成立しないとわかりました。

このゲームでは15の札は抜かれています。なので1枚のみのカード獲得は不可能なのです。ということは、15ちょうどで上がりルールなら、14枚集めてしまったプレイヤーはもう一生上がれなくなってしまう……。

ローカルルールで15枚ちょうどにしないと上がれないみたいなのを作ってもいいかも知れませんね。10枚からなら子でも上がれるけど、11枚以上集めてしまうと自分の親番でしか上がれなくなる。などなど、ままならぬ状況に翻弄されるシチュエーションが増えそうです。

2022年2月16日水曜日

生物学カードゲーム CELL ジェネリック

 先日ダイソーに寄りましたら、ボードゲームコーナーに新作が増えていたので、これはちょいと押さえておこうと思い買ってきました。遊ぶ相手もいないのにな! 買ったのは『生物学カードゲーム CELL ジェネリック』2種と『いちご王国カレンダー』、『じゃんけんゴリラ』、『ねこチーズをうばえ』、『セカンドベスト!』の5種類6パック。繰り返しいうけれど、遊ぶ相手はいない! 今日はこのうち『生物学カードゲーム CELL ジェネリック』について書こうと思います、とはいうけれど、なにか書けるほどわかってるわけでないのが非常につらい。これなにかといいますと、TCGですね。トレーディングカードゲーム。カードはすべて揃った状態、構築済みデッキ2パックが100円で買えてしまいます。すごいな、なんか世界ががらりと根底から揺らいだ気分だ。

調べてみてわかったんですけど、これ、『生物学カードゲーム CELL アウトブレイク』というゲームをもとにしているんですね。ゲームタイトルについてるジェネリックってのは、後発医薬品的な、いやむしろリプロダクト的なニュアンスかな。簡易版というか廉価版というかそんな感じなのだと思います。

まあ、とりあえずはダイソーが公開しているムービーを見るとどんな雰囲気かわかるかと思います。

アウトブレイクでは50枚持ちで戦うのに対して、ダイソージェネリックは20枚持ちで戦うというように、簡素になっています。基本的なエッセンスに絞られてると考えていいのかな。アウトブレイクは4カテゴリー各25種50枚のデッキが4セット。そこにプラスしてサブユニットが8種類。ジェネリックは2カテゴリー20種20枚のデッキが2セット、サブユニットが4種類入っています。なので、オリジナルに近づけようと思ったら2パックずつ買ってきてあわせてやると、20種40枚組のデッキが完成する。

やばいな、これ、ひとりで大量に買ってしまうやつです。

ダイソージェネリックは2カテゴリーごとにパッケージして売られています。「免疫学 vs 微生物学」パックと「遺伝子工学 vs 生態学」パックの2種類です。例えば免疫学ならマクロファージとかキラーT細胞、ワクチン、自然免疫、アポトーシスとかアレルギーとかが入っていて、それぞれのモデルとなった要素にまつわる能力が付与されています。

カード種は戦闘に直接関与するユニットや場に影響するカード、ユニットに追加したり使い切りで効果発揮するものがあって、カルドセプトに例えればクリーチャーとアイテム、アイドル、スペルみたいな感じで理解するといいのかな? いや、なにぶんこういうカードゲームやったことないもので、よくわからんのです。アニメとかではちょくちょく見てるんですけどね。

基本は1 vs 1の対人戦になるのでしょうが、1人プレイルールも用意されているので、自分のような寂しいプレイヤーも安心です。また人が沢山集まった時などは、4人まで遊べるルールも用意されているので盆暮れ正月にも対応しています。

で、これがよくできてるの、各カードにQRコードがついていて、それを開くとカードに描かれたキャラクターの意匠解説や、その用語の説明を読むことができるんですよ。なのでまずはカードを眺めて、その効果なんかも確認しながら、生物学にまつわる知識も一緒に覚えていくといい感じ。

面白くてタメになる。ええ、小学校高学年くらいから遊んで学べるゲーム。なかなかいいものなのではないでしょうか。

アウトブレイクの公式サイトでソロプレイを体験できるようになっています。これ、最初はなにやったらいいかさっぱりわからなくて一方的にボコられてたんですが、やってるうちにいい勝負ができるようになってきました。

というか、サブユニットRNA、凶悪すぎない? 対人だったら違ってくるんでしょうけど、体験版だとRNAを引けば勝てる感がありますよ。

2022年2月15日火曜日

今日は休みます

アズールレーンのバレンタインデーメッセージを発掘してたら今日が暮れたので休みます。

2022年2月14日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年2月13日日曜日

『まんがタイムきらら』2022年3月号

 『まんがタイムきらら』2022年3月号、一昨日の続きです。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

なんとまあ、勇者様でも体が鈍るのですね。こちらの世界にやってきて以来、冒険も戦闘もそうそう発生しないというのに、食べものばかりはおいしくて、あれもこれもと感動しながら食べてたら、太った!? アジリティ低下! ゆゆしき事態となりました。

それでアスレチックにいくのがいいですね。自然の中、アスレチックフィールドに向かって、いざ挑戦。そうしたら、エル、見事に鈍っていて、ぐらぐら揺れる吊り橋で落っこちそうになる始末。でも、それぞれマイペースにアトラクションをクリアして、そして最後に石窯でピザを焼こうなんて誘惑。あらがえずに挑戦しちゃうエルに注がれるアレッタの冷たい視線がたまりませんでした。

石窯ピザ体験、メインは薪割りなんですね。手斧でもって薪を割る。そこで発揮されるセリの技量。もとの世界では、これといった特質もない村娘だった彼女だけど、こう生活に関わるスキルとなると冒険者の皆よりも優れているのかな? そう思っていたら、突然現れたカチカチモンスター相手にも、セリの斧が見事に有効打加えて、おお、武器相性と武器固有スキルの合わせ技!? と思ったら、なんか違うーっ!?

村娘セリ、新たな能力に開眼? これ、なぜ彼女がこの世界にくることになったのか、その根幹にも関わる展開かも知れませんね。たまたまではなく、くるべくして選ばれてやってきた、そんな理由がついに判明するのかも知れません。

『ぎんしお少々』

コンテストに応募する写真を選ぶのに、せつなにも手伝ってもらうことにしました。っていうのはいいんだけど、まさかの全ボツ提案。いや、まあ、そうだよなあ。これと狙った写真が撮れないトイカメラと期限切れフィルムのマリアージュ。面白い写真、意図しない味わい、そいうのにはいいんですけど、技術とか意図とか構図とか描写力とか、そういうの考えるとやっぱり厳しかったのかなあ。

けど、この一連の流れの果てに、かなめとせつな、ふたりの過去の思い出が浮き上がってくるの、意外な展開で、けれど意外なだけに、まさかここからなんだ! 驚きつつも、よかった、そう思えたのでした。

しかしね、せつなの出したキーワード、青写真でえっちなの想像しちゃうかなめ、面白かったな。連想したの、ブルーフィルムね? で、せつなのいう青写真ってなんだろう、日光写真? と思ったら、あー、ほんとにそれなんだ。

英語教室で半年一緒だったかなめとせつな、5歳の時の思い出を、かなめひとりが覚えていて、せつなは忘れてしまっていたという思い出を、青写真の記憶とともに思い出していく。その時撮った写真は、なにを撮ったものかさっぱりわからないものだったのだけど、楽しかったという思い出だけは確かに残っていて、その「わたしの思い出」、他の誰かに伝わるかどうかもわからない、けれど「私の」写真に写された私の思いの記録。ついにこの漫画で描かれようとしているテーマが言語化された、そう思った瞬間でした。

前回の内容、フォトコンテストに選ばれたことで逆に写真から離れてしまったもゆるの姉、まほろ。かわりに彼女が偏愛することになったトイカメラ、その思いに同じものがここに語られている。もゆるも同じか、そしてせつなもその思いをふいに理解してしまったか。ああ、この漫画に描かれている彼女らの、写真に対するスタンス。それがより明確になっていっている。

そしてこの気持ちはわかるように思う。というのも、私も写真を撮っていた時、日常のなんでもないものを撮っていた時、そのままにしていたら気づかないままに流れていってしまう毎日を、なにかしらのかたちで残したい。誰に見せるでも、どこに発表するでもない、すごく私的な視野の切り取り。見たもの、感じたことのスナップショット。それをただ記録したく思いカメラを手にしたんだった。

もしその時の思いが、彼女らの写真に向ける気持ちと似ているのなら、なんだか嬉しく思います。なにか共感するものがあるように思われて、こうした写真の向きあい方をする人いるんだ、そんな思いに息をつくような感じを覚えたのでした。

My Private D☆V

『妖こそ怪異戸籍課へ』の漫画担当、柴朗です。

D☆Vポイントはすごく納得のいくもの、「ごはん食べてる子がすきです。」

なるほど! 饗子の魅力の所以、ここに明らかになったように思われました。

とはいうものの、今回ここに描かれた子は饗子とはまた違い、なんでももりもりといった風ではないんですね。お昼ごはん、母の作ったおべんとうをちょこんと座って食べている子。そんなに食が太いようではないんですが、小食というわけでもない、そんな感じでしょうか。で、ほうれん草が好きじゃないんですね!

こうした好き嫌いにも個性みたいの見えますよね。で、この子は嫌いといいながらも、我慢して食べるタイプみたい。こういうとこもD☆Vポイントなのかな? なんて思われて、食べているところのみならず、食に対する向きあい方、その姿勢にもまた魅力は通うのでしょう。

自分は、のりたまっぽいふりかけみたいなディテールが好きです。

2022年2月12日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年2月11日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年3月号

 『まんがタイムきらら』2022年3月号、一昨日の続きです。

『それでは、すてきなセッションを』

是沢芽依、大いに悩んでいますね。前回いわれたこと、シンガーから歌いづらかったといわれた、さらには観客からの反応もよくなかった、それをひきずっている模様。道具のせいではなかった。イメージどおりに弾けていた。ということは、そのイメージ、演奏の理想形に問題があったということですよね。じゃあ、それはなんなのか、それを見つけようという話です。

でも、芽依、いろいろ不調です。ロックバンドのサポートに入ったところ、いろいろ悩んでどう演奏したらいいかわからなくなってしまった。いや、こういうことってありますよね。これまで自然にやっていたことならなおさらでしょう。考えてしまうと、どうやったらいいかわからなくなってしまう。芽依、そういう状態におちいってしまっちゃったっていうわけですね。

そんな芽依のどん底脱出作戦。一色が助け船出してくれました。芽依の憧れのバンド、トーキングインネオン、そのメンバーに声をかけてくれた。スランプの芽依を助けたいって、それでトキオンのふたりと一色をバックに、芽依、歌ってみようというこの流れ。悪くないですね。まずは歌いづらい、そんな伴奏をしてくるのかな? それとも様々なやり方をして芽依に選ばせる? どんなアプローチがあるのだろう。いかに芽依に伴奏に求められるものを気づかせるか、その手腕に期待です。

『ほぐして癒衣さん』

え、えらいことになった。

社内で夏鈴が出会った女性、メディア事業部の八潮さん。初対面がぶっ倒れたところだったりと、なかなかエキセントリックな登場ですが、聞けば孤独な労働環境、頼れる人もおらず追い込まれてしまっているようなんですね。誰かに甘えたい。八潮がぽろりとこぼした本音。これに夏鈴が反応するわけですよ。ほっとけない、誰かに甘えたっていいと思いますよと、その頭をなでる!?

罪つくりですよ夏鈴さん! 癒衣のみならず、八潮をまでそのハグ力でとりこにしてしまうのですか!

思いがけない優しさに泣いてしまう八潮。ほだされる夏鈴! ナデナデからハグにまで甘やかしをグレードアップさせて、なんてこった、八潮、見事に夏鈴に溺れてしまっちゃってるじゃないですか。母から結婚でもしたらどうかといわれた矢先、結婚するなら夏鈴みたいな人がいい……。

大変だ、癒衣さん、大変ですよ。あなたの夏鈴さんが奪われようとしていますよ!? なんて思ってたら、この八潮との関係、結婚云々という言葉を癒衣が知ってしまって、展開がはやいな! いやもう、こりゃどうしようもないな! 夏鈴をとりあって女と女の戦い勃発!? 社内に悪い噂が立ちません!? いやもう、ほんとに大変そう。でも、実際、これどう収拾するのでしょう。

『むすんで、つないで。』

ほんと、七色は素晴しいな。花ノ子たち小学生組のクリスマス会に参加することになったつなぐ。それで七色も誘うのですが、誘ってもらえたと喜ぶ七色ですよ! 輝いてるわ! あなた、とても輝いてるわよ! しかし一旦はあの小学生たちのパーティに参加して大丈夫かと迷った七色。でもつなぐとの時間を過ごしたいばかりに、行きますと明言。ああ、その決断、凛々しい瞳、素晴しいわ! 七色、あなたとても素敵よ!

しかし、小学生たちのパーティ、交換するプレゼントを持ち寄るだけでなく、出し物まで求められるのですか。適当に集まって、お菓子とジュースを楽しんで、プレゼント交換して、なにかゲームでも一緒に楽しんで、みたいなんじゃすまないのか。大変だ、七色。なにをやったらいいかわからない。でも、まさかそれでカンガルーの鳴き声のものまねにいきつくの、それ、どうだろう!? ほんと、それ、どうなんだろう!?

七色が思い悩んでいたかと思ったら、つなぐも悩んじゃってる。悩んだ末に、500円までのプレゼントで500円札とかにいきついちゃう!? それ、つなぐ自身も実感してますけど、どうなんでしょう!?

この、圧倒的にクリスマス会に対する経験の足りてないふたりの苦悩。えらいこと面白く、当日、いったいなにを見ることになるのだろう。そう思っていたら、あー、つなぐがよれよれに。クリスマス会が楽しみで寝られなかったとか!? あるいは出し物に迷って悩んで憔悴しきっちゃった!? と思ったら、バイトか! 小坂ベーカリーのクリスマスは尋常じゃない忙しさ!

いやもう、クリスマス会、はじまる前から想像もしない展開してきましたよ。

2022年2月10日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年2月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2022年3月号

 『まんがタイムきらら』2022年3月号、発売されました。表紙は『けいおん!Shuffle』。後輩ふたりが甘い感じのエプロンドレスで登場ですよ。リサがピンク、蘭花はグレーがかったブルーのドレス。ふたりの髪色、ロングとショートという対照もまたとてもいい。蘭花はその雰囲気から、ディズニーあたりの白雪姫感ありますよね。背景にはたくさんのハートが描かれて、これはきたるバレンタインデーのチョコレートですね。リサの摘んでみせるチョコレート。ちょっとつんとした感じの表情とあいまって、甘くてビターな雰囲気が出ています。

今月は新規ゲストが1本です。

『おねロリキャバクラ』

作者の趣味が全開してる! 

昼休み、どこかで食事しようと街に出てみたら、見知らぬ女の子から女性限定の店というのを紹介された。わからぬままについていったら、設定時間50分のセット料金いくらでー、ボトル料金いくらでー、キャストと一緒にランチを云々。でもって、女の子のカタログから好みの子を選んで席についてもらう。

なるほど、キャバクラってこういう感じか。このシートに座った時点でもう料金が発生しとるわけやな。でもって指名された凛ちゃんがソファのとなりに座ってくれて、いろいろ話しかけてくれる。これ、困るな! 昼飯さっさとすまそうぜ、みたいな状況で話しかけられても困る!

ランチの価格はお高めです。すごいな、描かれてるメニュー、一番安いので2900円のツナとサーモンの盛り合わせか。他にも4000とか6500とかあって、これ、ちょっと躊躇する価格。あまりの高値に、飲み物は水でいい、食べ物はおにぎりでいい。安さで選んじゃいましたか。

ここで凛がいうんです。りんもドリンク頼んでいい? なんで聞いてくるんだろうとかお姉さんいってますけど、このドリンクもお姉さん持ちよね!? 出てきたおにぎり、凛の食べる分もお姉さん持ちよね!? けれどこの状況、お姉さん的には悪くなかったようで、でもこの様子でもう一度こようという風になるんですか!?

ちょっと私にはわからない世界。けれどそれゆえにこれからどうなるか、まったく予想ができない。これからの2話3話でどんなことが描かれるのか、楽しみにしたく思いますよ。

『しあわせ鳥見んぐ』

動画の再生数が伸び悩んでいます。なにが足りないんだろう、そういう翼にひなが答えるんですね。もっとインパクトある鳥出してみたら? 例えばハシビロコウ。って、日本の鳥じゃない!

翼の動画は身近な野鳥がテーマだから、なかなかに派手なやつは取り上げられない。けどカワラバト、いわゆるドバトが外来種とか、知らなかったことってあるもんだなあ。かつて翼が中学生だった頃のこと、バードウォッチングが趣味ということをいえずにいた転校生、翼に、誰に遠慮することなく、自分が好きなものは好きでいいんだといってくれたひな。この時に話していたのがカワラバトについてだった。今の翼を作った、そのきっかけとなるエピソードでした。

さて、翼の次の動画の題材が決まりました。あすかから送られてきたタゲリの情報。トリさんの着ぐるみ持ってひなと一緒に向かおうというのですが、その情報がすずにも届いて……、ということはついにすずとトリさん遭遇!? この出会い、はたしてどうなりますか。ちょっと期待の展開です。

『星屑テレパス』

ああ、ロケット同好会、いよいよ再始動です。瞬も復学。寝込んでいた海果も復調して、これからの活動について話しあいますよ。

今回のよかったこと。海果が示した目標、実績を作って部に昇格する。その手段として、地方の小さい大会をなで斬りにしてやろう、瞬が提案したこの作戦。けれどこれはあくまでも瞬個人の目標で、他の各人もそれぞれに自分の目標を決めていこう。誰かの顔色をうかがうことなく、自分のやりたいことを目標にしよう。

前回の大会での失敗、それからの皆の直面したこと。それが個々のテーマとなっていきそうです。自分のこだわってること。自分ができていないこと。まだ見つけられていないもの。それらを、まずは自分のために頑張る。そしてひいては同好会の、部のためにとなっていくのだろう。方向性が見えつつある。その流れの清冽なこと。またその向かう先に見える希望。ほんと、眩しいですね。

また前回の反響もありますよ。熱に浮かされた海果がユウにいったこと。それがユウの気持ちをこんなにも乱して、ああ、これまでなんということもなくやっていたおでこぱしー。なのに今ではこんなにも胸が高鳴る、思いが募る。まだこの気持ちを明確に整理できていないユウ、その当惑する様子は微笑ましくも艶めいて、ああこれから海果への思いを自覚していくことになるのでしょうか。同好会の行く末ともどもこちらも目が離せません。

2022年2月8日火曜日

『まんがタイム』2022年3月号

 『まんがタイム』2022年3月号、昨日の続きです。

『瀬戸際女優!白石さん』

白石さん、一気に事態が動き出しました!? 映画の神と真島が慕う南野監督の自宅にお呼ばれしたことをきっかけに、料理にチャレンジした真島がですよ、散々苦労しながらも完成させた料理を白石にふるまったことで新たな実感に触れました? なんと、白石に一緒に暮らさないかというんですよ。

おおお、真島よ、これまでもそうした雰囲気感じさせてきましたが、ついに年貢の納め時!? これでふたりが一緒に暮らし、ゆくゆくは結婚なんてことになったら、白石の色恋がらみの心配も解消。ふたりの相性も悪くなさそう。大団円なのでは!? なんて思っちゃったんですよ。

今回は、真島の真意こそまだ明らかにされていませんが、ここまでいって、ただのルームシェアみたいな話にはならないでしょう。いやほんと、一気に物語が動きそう。その予感に期待が後押しされています。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音が母とあうのに、牧にも立ち会ってほしいというんですよ。母とあうのは5年ぶり。どうも気がかりがあるらしく、なにか複雑な家庭事情でも!? そう思っていたら、牧もテレビで見て知っている言語学者の大原八重、その人が琴音の母。しゃきっとして凛々しくて、琴音がいうには虎のような人。ずっと仕事に打ち込んで、琴音の世話は祖母に任せてきた。それが琴音との距離の原因? かと思ったら、琴音が母を苦手にしているの、母の連れてくる男性が原因だったんか! 男の趣味が悪い? それで親近感覚えている牧がむしろ心配です。

その母が琴音をどう思っているのか。母も琴音を苦手に感じているのか。そんなこと心配していたら、ああ、こちらは大丈夫そう。テレビで天気予報やってる琴音の言葉づかいをチェックするばかりか、キャプチャで壁紙作ったりグッズ作ったりと、度が過ぎたファンじゃないんですから! でもそれくらい好きなんですね。これ見た瞬間、ああこの母娘は大丈夫そうだ、安心したんですよ。

牧に付き添ってもらったのは正解でしたね。母との間に立ってくれたおかげで関係改善にこぎつけました。牧にいざなわれ、母の講演を聞きにいった琴音。その控室にて母の袖のボタンをつけなおしたことをきっかけに、ほころんでいくふたりのわだかまり。この顛末に、この漫画らしいあたたかさ、やさしさ感じることができて、とてもよかったです。

『良倉先生の承認欲求』

紅葉の撮影に山に出掛けた写真部員たち。ぶんちょー紳士活動の下見も兼ねてるというのが実に良倉らしいのですが、今回はその目論見が見事に失敗してしまうというのですね。でも最終的に皆楽しそうに終わることができたというので、なんだか嬉しくなる、そんなエピソードでありました。

新たに写真部に加わったジュン先輩。この人がいいんですよ。落ち葉アートをやってみようと、星畑が集めた落ち葉の山。そこにダイブしてみたいというのです。子供の頃からモデル活動をしていた彼。仕事に支障が出ないよう外で遊ばせてもらえなかったために、やりたくてもできなかったことがたくさんある。落ち葉遊びもそのひとつなのでしょう。一度はその気持ちを断ち切ろうとしたジュンの背を、古岩が文字通り力いっぱい押すんですよ。

遊びたければ好きに遊べばいい。それで見事にジュン君喜んで、落ち葉とたわむれる美少年の図のできあがり。ああ、心の底から楽しんでいる、その気持ちのまっすぐさに良倉心打たれて、ええ、打算のない純真さ、素晴しかったと思います。

良倉がぶんちょー紳士でやろうと思っていた落ち葉アートも、水元が楽しむのを優先したことで今回は断念。こうやって皆がそれぞれの楽しみを追求できたところに、彼らの部の魅力がぎっしりつまっていたと感じました。

ラストのね、ジュン先輩のいいね5万の衝撃。一瞬嫉妬に狂いそうになった良倉もジュンの言葉で即座に回復。この気持ちのいい終わり方も大変よかった。ええ、今回は終始皆がいい気持ちでしたね。

2022年2月7日月曜日

『まんがタイム』2022年3月号

 『まんがタイム』2022年3月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。代理がチョコレートもらって浮かれているんですね。この笑顔、すっかり緩んじゃって、どれほどに嬉しかったかがわかろうもの。これ、娘のこずえからもらったりしたのかも知れませんね。『花丸町の花むすび』花子は大きなハートのチョコレートを持って、『軍神ちゃんと呼ばないで』虎もハートのチョコレート。和装にエプロンが可愛いですね。『百合のあいだは悩ましい』は、黒崎、白野が互いにチョコレートを食べさせあいながら、ふたり一緒にチョコレートを差し出してる様子です。

『ローカル女子の遠吠え』

今回は駅伝の話題。ええと、箱根とか? と思ったら、違うんだ。もっと地域密着のイベント。しずおか市町対抗駅伝なるものが扱われて、え、それDVDが発売されるくらいのイベントなの!? いやもうびっくり。静岡では結構大きめの愛されイベントっぽいですね。

そんな駅伝の話題をとにかく避けようと頑張るりん子が面白かったです。運動が苦手? いや、学校体育が好きじゃないんだな。わかるわ、りん子さん。対し短距離も持久走も好きだったという水馬。あの謎ポーズ、可愛いな! ポスターとかクリアファイルとかにはならんものですかい?

ともあれ、市町対抗駅伝、静岡以外でも開催されてるそうですけど、京都でもやっとんのかな。そう思って調べてみたら、市町村対抗駅伝、やっとる! マジか! はじめて知ったよ!? 話にも聞いたことがないし、当然見たこともない。DVDとか出とるんかな。どうなんだろう。いやもう驚きました。

静岡の対抗駅伝の見どころトピック、ユニフォームの色とか、緑と青とオレンジがとにかく多いとかいうの、そういう話も面白かった。でもってこういう話となると、アクティブな水馬、この人の魅力が押し出されてきますよね。

『茨城ってどこにあるんですか?』

ひたちなか市は那珂湊おさかな市場にて海鮮三昧としゃれこむ多恵たち。栃木から佐野大河も呼んで豪勢だなあ、と思ったら仕事です。支払いはヒカル持ち。ひたちなかの魅力をPRすべく動画を撮る。なので今回の多恵は随所で説明口調になってて、ああ、この子、ずいぶんこの仕事に慣れてきたんですね。

でもこの仕事、ものすごい。森戸を栃木に連れ戻したい大河にしても、あわび焼きなんてもの出されちゃあ戻ってこいともいいだしにくい。というか、こんなの食べられるなら自分も茨城に、なんて思ってしまいそうな状況じゃありませんか。鈴子にしてもすっかり茨城に馴染んでしまってて、むしろ東京の変化が他人事みたいになってるの。いや、ほんとに面白かったです。

そして県指定の天然記念物、白亜紀の化石が出るという岩場。ああ、これはワクワクさせられますよ。ヒタチナカリュウの化石が発見された場所。聞いたことある! と思ったら、ええー、スッポンだったの!? ほんとに食卓でスッポンのガラを見て気づいたの!? これ、今回の衝撃の話題でした。

そしてもうひとつの衝撃。多恵の母が倒れた!? えらいことになった。急展開? 今月、あちらこちらで急展開が立て続けだからもしやこの漫画も!? なんて思って、ちょっと動揺してしまいました。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

澄花の手を引き屋上へと向かう皆葉。そのただごとでない様子に、笹本が動き出しましたよ。廊下をダッシュ、桐谷にコンタクトして、そのまま屋上へと向かう。その道すがら、出会う人に声をかけて、ああー、なんてこと、皆葉一世一代の晴れ舞台に水を差すようなことがなければいいんだけど!

皆葉、頑張りましたよ。皆葉の真意を問おうとする澄花に、自分の思いのほどを言葉にして伝える皆葉。その一心が反面皆葉にとっては、自分の自己中心的な姿、澄花を独占したい小さな心を露にすることだったというのが、この人の公明正大でありたいと望む理性を示していたように感じられて、皆葉、本当にいいやつ! ええ、でもそれが人の自然だとも思うんだ、皆葉よ。かっこいいとか悪いとか、そういうのを超える、いい告白だったと思いましたよ。

そして、それを受ける澄花が素晴しい。皆葉の手をとり、私の心を読んでと迫る。その真意、これはテレパスを介することがかなわないからこそ辿りつけた境涯、共感や思いやるという行為なのだと思う。勇気を持って澄花に歩み寄った皆葉だから、澄花が皆葉に伝えたいと思った気持ちに触れることができた。

ああ、これがクライマックス。次回最終回というのは衝撃ですが、いいラストに向かいそう。ええ、ふたりの関係、見事に周知されてしまってますけど、誰もが異論を差し挟まない、そんなカップルになりそうです。

『この契約は恋まで届きますか?』

日曜に予定があるという八千代。果たしてその予定とはなんなのか。聞けば家事代行の仕事ではないという。ということはデート!? 恋人がいる!? 不安にさいなまれる野田ですが、それ、きっと杞憂だと思います。

今回は手芸要素は少なめに、八千代の謎の部分、それを少しずつ明らかにしていこう、そんなエピソードでした。土曜出勤をはやめに切り上げた野田が帰り道で見かけた八千代。ちんまりと小柄でおとなしそうなこの人が、まさかのボクシングジム通いをしていると知ることになって、しかもキックボクシング、蹴りの威力、ジムでもトップクラスなの!?

八千代という人の、質実剛健、目的に対し最適な行動を一直線にとろうとする様、それが描かれていたようにも思ったんですね。ダイエットとかじゃなく護身目的。その真っ直ぐさは、確かにこれまで描かれてきた八千代らしさそのものだと感じさせました。

そして日曜の予定。電話の着信に笑顔で受け答えするその様子は、いまだ知らぬ八千代の姿。ああ、果たして八千代の予定とはなんなのか!?

いや、野田の心配するようなことではないとは思うんですよ。でないと、野田ならずとも心の弱い読者がショックで倒れてしまいます。

2022年2月6日日曜日

あかしや 筆ペン 天然竹筆ペン

 思うところがあって筆ペンを買いました。きっかけは年賀状の代わりに旧正月の挨拶状を簡単に書いてみたところ、筆ペンいいのでは? なんて思ったからでした。旧正月、春節というと倒福の飾りが印象的でしょう。それを筆ペンで書いてやれば、いいワンポイントになるのではないか。以前買ってあったあかしやの筆ペンを持ち出してきて試してみたらこれが結構面白い。いつもペン字で使っている万年筆とはまた違った感覚で字を習うことができそうだ、なんてこと考えて筆ペンを買ってみることにしたのでした。

買ったのはカートリッジ式の天然竹筆ペンと中字の墨色。大きめの字を書きたい場合なんかには中字がいいのではないかと思って試してみることにしました。

実際に使ってみて意外と感じたのは、普通に書くだけなら天然竹筆ペンよりも、もともと家にあった新毛筆や中字の方が書きやすいということでした。おそらくこれはインクの出が関係していて、カートリッジ式のものは順次インクが送り出されてくるために常に穂先がインクを含んでいて、はねやはらいをきれいに書くのが難しい。対し使いきりのタイプは、中綿式だからなんですかね? インクがほどほどに補充されるため、カートリッジのような穂先までインクがたっぷりついてる感じがありません。そのため、字をまとめやすいと感じました。

これは紙を替えれば解決するかも知れません。表面がつるりとした洋紙で試してみたのですが、これをある程度厚さのある和紙にしてみるときっと違ってきそう。とはいえ、気軽さを求めて選んだ筆ペンです。そこにそれなりの価格の和紙を潤沢に投入っていうのはいろいろ厳しいなあ。なので、まずは洋紙でひとしきり書いて慣れてみようと思います。

中国らしさを感じさせる門の飾りである対聯とか見ると、つるりとして吸い込みの悪そうな紙にたっぷりの墨で書かれていたりしますよね。だからきっと筆の使いようなんです。

2022年2月5日土曜日

『まんがタウン』2022年3月号

 『まんがタウン』2022年3月号、昨日の続きです。

『あの世で猫になる』

人の姿を得た(ことになってしまった)タマ。そのせいで、これまでとはちょっと勝手が違ってしまって、同居人というか部屋のオーナーである朝倉さんがちょっと気にするようになったりね、それからタマ自身もキャットフードを嫌がるようになったりと、ささやかだけど変化が見られるんです。タマも嫌なことは嫌と主張できるようになったということかな? 猫設定の時は、キャットフードも文句いわず食べてたわけでしょう? これは進歩というべきか、あるいはもう我慢したくないってことなのかも知れません。

今回はタマと朝倉のコミュニケーション回。いかにして意思疎通をはかるか、みたいな話なんですが、大家大島の提案がまさかのこっくりさん。タマに動かさせるといいっていうの、これ単純にあいうえお盤だな。知育に役立ちそう。

しかしこの物件、なんか黒いあやしいのがいっぱい出てきたりと、非常にヤバげ。事故物件を安く入手して、高く貸す。その一心でやってるっぽいんですが、悪いヤツはきっちり祓ってくれてはいるんですね。なので残るのはタマみたいに危なげないやつだけ。いや、待て、どこかの部屋で、動物霊といつわっておっさんと同居させられてる人がいたぞ……。でもそれも霊障的な意味あいで危険はないというのでしょう。

それがいいのか悪いのかはちょっとわからんけど、タマにとっては稀有な物件、めったにない巡りあわせなのは間違いなさそうなんですよね。だから朝倉さんとの縁、末永く続いてくれるといなって思っています。

『淑女の笑顔は崩れません』

歩華と聖と、その仲について不穏な噂が!? 社内で歩華の服の内側を見ようと迫る聖が目撃されてしまった!? おおう、ひじあるだ、ひじある。こういう事案は社内に広めるのではなく、暖かく見守ってあげてくださいよ。いずれ大輪の花が咲きますから。いや、咲きませんけどさ。

いまだ同居には至っていないものの、歩華の部屋にいりびたってる聖。泊まった翌日、歩華に自分のキャミソール着られてしまったのか。このへん、歩華、ちゃんとしてそうでわりとあかん感じですよね。しっかり者で折り目正しく、失敗なんかしないし、なにごとにも丁寧というイメージ。でも実際はそうじゃないというのね、聖だけが知っている? この下着と噂のくだりも、歩華のしくじりと受け身っぽく見えるその外面の悪魔合体って感じ。ええ、うかうかしてると噂ばかりが独り歩きしそうです。

今回はちょっと状況の動く回でしたね。歩華が主任に昇進。内示までいってないのかな、内示の内示くらいの感じ? そして聖の同居の申し出、ええとルームシェアといった方がいいのか、それを歩華が受け入れました。ああ、これ、歩華にとっては生活が改善するという点でも大きなメリットがありますね。でも社内の噂がありますよ。ここで同居という情報が出回ったら!? いやもう、どうなるのでしょう。どうなるのでしょうね。

『食欲しか勝たん!』

こころん、今回はアルバム用音源のレコーディングです。緊張してる? ちょっとこわばった歌い方になってると指摘があって、ふわっと声をメロディにのせるようにというアドバイスから連想したのがオムライス。

でも頭の中がオムライス一色になって、結果それが歌に情感としてのっていくのなら大ありなのでは!? オムライス入りの歌が好評で、他のパートも同じようにやってみよう。そこでこころん、オムライスから離れればいいんだけど、一度ロックされてしまうともう逃れようがないのがこの子の連想ですよね。ずっとオムライス。また、これが歌詞によくマッチしていて、ほんとこの結果オーライ!

でも今回ばかりは結果オーライといっていいのかどうかわかりませんよ! だって、こうしてできあがった音源。どうやって歌ってたのか自分でも思い出せないんですよ。これ、ステージとかで歌う機会もまたあるでしょう。こころん、再現できないのでは!? いやもう、今回は抜群の結果残せてオッケーですけど、またいつかこの子、この歌で思い悩む時がきそうです。でもその時も、またなんかの連想がこの子を助けてくれたりするんだろうなあ。

うん、こころん、連想力であらゆる困難を乗り越えていくのですよ。

2022年2月4日金曜日

『まんがタウン』2022年3月号

 『まんがタウン』2022年3月号、発売されました。表紙は『押しかけギャルの中村さん』 。中村が手にお揃いのマグカップ持って、片方をこちらに差し出してくれているんですよ。緩い格好、部屋着ですよね。カップの中はココアでしょうか。ちょっと寒い夜に、暖をとろうと飲み物をいれてくれた。そうした気安さ、身近さの感じられるイラスト。けれどちょっと緊張してる風でもある? そんなちょっと頑張ってる中村が初々しく感じられる表紙であります。

『ルナナナ』

地球からの物資供給、年一なの!? いや、特別便が年一なのかな? いずれにしても、地球の物品が大量に押し寄せてくる、月面生活者にとっては一大イベント。地球市なんてのが開かれて、っていうんですが、漠然と地球といっても広いよね? まあリコたちの暮らしてるエリア向けには日本のがくるんだろうなあ。

しかしこれがいろいろヤバい。タピオカがくる、ハンドスピナーがくる。最近まで地球にいた連中には売れ残り品の押しつけってわかるのか。でも、最近まで地球にいたのがバレたら出禁って酷いな!

これ、月と地球の情報格差あってこその商売なんでしょうけど、月、物資供給が遅れるのはわかるけど、情報まで一年遅れなのはキツいな! 放送とか通信でなんとかならんのか。そういやアイドルオタクのアキがアイドルの供給のなさに苦しんだりしてましたね。ってことはなんともなってないんだろうなあ。

4大週刊少年誌を購読してる人のヤバい絵面、あれはすごかった。以前、海外住まいを考えたことがあったんですが、四コマ誌の購読どうしよう、海外に送るのは非現実的だし、だからって数ヶ月分でも一年分でも家に送らせたら帰国した時にえらいことになるよな。到底読みきれるものではない。みたいなこと、皮算用ですけど、考えていたのが、実際に絵面にするとこんなことになるのか。この人、これから一年かけてこれを読むんだろうなあ。でも、一週分ずつ読んでもいいし、一気に読んでいってもいいしで、楽しみ方を選べるのは悪くないかもですね。というか、電子では買えんのか!

今回の情報格差、スマートフォンの大きさ、これも面白かった。確かに、今4を見るとめちゃくちゃ小さくてびっくりするんですよね。ちっさ! これでWebでもTwitterでも電子書籍でも見てたの!? うわー、ちっさ! みたいなの。携帯電話の時代には、小ささ薄さ軽さが性能アップの指標みたいになってましたが、スマートフォンはまったく逆方向にいってますよね。その感覚のギャップ。なるほどこれは面白い。で、寮長は3年後に真実を知って身悶えするわけか! その想像の余地を残すところもまたうまかったです。

『押しかけギャルの中村さん』

秋山に買った水着を見せつける中村ですよ。一緒に水着を選んでた時に友達の榎本から、男相手に面白がって挑発してたらいつか怖い目にあうよっていわれてたの、中村は腕に覚えあり、秋山なんかには負けないって思っているわけですが、それが今回、両腕とられて完封されてしまうのね。

これ、秋山、こういうことにもなりますよ、危ないことはしないでくださいっていうの、実演してみせてくれたんだな。でも実際に中村に酷いことはしない、中村の嫌がることはしない。ああ、秋山、なんていいやつなんだろう。でも、こんな危ないこと俺以外の男には絶対しないでくださいって、秋山相手には引き続きやってもいいんですか!?

このセリフがね、さながら口説き文句だっていうので、中村が真っ赤になってもうえらいことなっちゃってるわけですが、その中村が、こんなこと私以外の女の子に言ったら許さないって、おんなじようなこと口走るじゃないですか。この即座にフラグを回収、互いに痛み分けになるところ、本当に面白かったです。ええ、中村よ、無自覚に秋山を口説いてるんですよ、あなた。内心自分は秋山にとっての特別だって思ってるんですよ。

ほんとに?

ほんとだったらいいですね!

『兎なりのウサギさん』

ウサギ、アグレッシブだなあ! 紅詩を訪ねた青枝が見たものは、紅詩に腕の中で過激に暴れるウサギ、みたらしの姿ですよ。って、こんなに大暴れするものなの、ウサギって! しかもこれ、ブラッシングを嫌がってのことなんだ。

なんかね、猫でも犬でも馬でも、気持ちがいいからブラッシングされるの喜ぶみたいなイメージあるんですけど、ウサギはそうではないんかな? それともたまたまみたらしがそうなだけなんかな? とにかく嫌がる。必死に抵抗して逃げる。で、オヤツを食べて眠くなったの、なるほどこれがチャンスかと思ったら、すごいなウサギ、目を開けて寝るんだ! 寝てても近づくと気づいて逃げるんだ!

さすが、食物連鎖の下の方だけありますね。

そんなウサギのブラッシング。とっつかまえて背中からやっつけたら、出るわ出るわ、抜けるわ抜けるわで、ええー、そんなに抜けるものなの! まあ、犬でも猫でも冬毛ってめちゃくちゃ抜けるっていいますよね。ウサギもそうなんだなあ。で、ブラッシングのくだり、みたらしの眉間にずっとシワが寄ってるの、面白くって、どんだけ不機嫌なんだろう。

その不機嫌なみたらし、紅詩と青枝が家族で食事をしている間中走りまわったり、それから青枝が返しにきた本をゴリゴリかじったりしてうさばらししてたの!? ウサギってこんなにひとつの気持ちを持続させたりするものなのかな? するのかもな。だって、嫌なこと、不愉快なことをすぐに忘れてしまったら、野生では生き抜けない。これがペットなら、こういううさばらしになるのかもですね。でも本でもなんでもかじられてしまうのは、ちょっと大変です。

2022年2月3日木曜日

『まんがホーム』2022年3月号

 『まんがホーム』2022年3月号、昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

なんでも拾って帰ってくるあんこ。座敷童子らしく幸運もたらすようなものだったりしないのかな? と思ったら、さすがあんこといったらいいものか、巷で噂になっている呪いのフランス人形。わしも気をつけんとな、とかゆうてる矢先に手元には拾ったフランス人形ですよ。

これ、きっと本当に呪いの物品だったりするんだろうな。実際、早速不運に見舞われるあんこですが、かたくなに呪いと認めない。かと思えば、寝惚けて食べた自分のおやつ、それをフランス人形の仕業と決めつけて、ああ、食べ物がからむと呪いにせよなんにせよ、判定のハードルが下がるのか! このやり取り、いやもうさすがだったと思います。

でもまさかの予想外でしたよね。呪いの人形はこの子ではなかったんだ。実際、呪いといえるほどのことはなかったもんな。あんこだから、座敷童子パワーで相殺とかそういう感じでもなさそうだし、とか思っていたら、流石のパパ上、本物とやらを捕獲してきて、ああ禍々しい。でもそんな呪いも、この人にはまるで通じないのか。怪異にとっての天敵だな、この人。

ただの古い人形だったっぽい、あんこの拾ってきた人形。でも夜中に勝手に動いてた!?  でも呪いのなんとかかんとかではないのだとしたら、ただの寂しがり屋? ええ、可愛いではありませんか。あんこさん、きれいにして、かわいがってさしあげて?

『うちの秘書さま』

恒例のバレンタインデー話ですよ! 七瀬が手作りせぬよう、これでもかと釘を刺すメイドさん。あのしつこさ、あの周到さ、さすがだったと思います。しかし、七瀬が手作りした場合を想定して、ダミーのチョコレートを準備するとか、実に有能。いや、七瀬のブツのダミーとしては出来がよすぎてNGだったんですけど……。他のメイドたちも凝ったチョコレートを用意してくれているのも安定感ありますよね。ええ、こんな人たちからチョコレートをいただけるだなんて、はじめ様は果報者だと思いますよ。ねえ、この屋敷のメイドたち、大好きです。

さて、学校での山田のくだり、最高だったのではないでしょうか。はじめにめちゃくちゃ親切にしてくれる。まあ、田中さんがらみですよね? でも周囲からはどう見られるかな!? しかも駄目押しだよ、田中さん宛てのチョコレート、それもハートのかたちしたやつをはじめに手渡し! きゃーっ! BのLよっ! 最高だと思う。あの女子たちも最高だったと思います。

メイドの働き掛けが功を奏して、七瀬、ちょっとお高めのチョコレートを購入しました。これをはじめにプレゼントしましてね、そしたらはじめがパクパクいっちゃうでしょう? それで落ち着かない七瀬がですねすごくよかった。この気持ちすごくよくわかる。いいものは味わって食べてほしい。ええ、ほんと、自分もここでの七瀬と同じこといっちゃうと思う。共感度高いラストでした。

『歌詠みもみじ』

屋根の雪下ろしをしようとして、すべってハシゴから落ちてしまったパパさん。ああ、こちらも安定のパパさんですよ。

腕と足をやっちゃって入院の憂き目。大事にはいたらず、とりあえずは一安心だけど、それゆえかな? ママさんがえらいことドライな対応で、ちょっとパパさん傷心ですよ。娘も普通に帰っちゃうでしょう? 学校の生徒さんたちも全然見舞いにきてくれないでしょう? いや、まあ、でもそんなもんよ? でも確かにちょっとパパさん可哀そうではあります。

ついに大学の学生さん、見舞いにきてくれてよかったねパパさん、そう思ったら、ああー、この人、花見咲子さん、どう見ても目当てはもみじじゃないかーっ! でもこの人のお見舞い、出汁しょうゆはパパさんのリクエストだけど、パズル誌は咲子のチョイスでしょう? ああ、どうしても暇をもてあます入院生活、これはさぞや助けになったことでしょう、と思ったら足りないのか! ああ、だろうなあ、このパパさん、問題集とかコツコツやっつけるの得意そうです。

しかしパパさん、なんだかんだと悠々自適な入院生活だったのではないでしょうか。タブレットで動画を見まくったり、こういう時には好きなもの好きなだけ見られるオンデマンドはいいですよね。番組を選べないテレビよりもずっといいかも。で、すっかりはまった海外ドラマも、自宅に帰ったらきっと見なくなるって、ええーっ、そういうものなの!? この、自分の性格をしっかり把握しているところ、意外といったら失礼だけど、結構しっかりした人なんですね。

2022年2月2日水曜日

『まんがホーム』2022年3月号

 『まんがホーム』2022年3月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがメイン、バレンタインデーの情景ですよ。これはチョコフォンデュ、マシュマロに溶かしたチョコレートをつけてこちらに差し出してくれているその様子。らいかがいつになく大人びた雰囲気ですよ。『孔明のヨメ。』はチョコレートファウンテン! わきあがり流れるチョコレートにさらにチョコレートを注ぎ込む月英です。『天国のススメ!』は太一に大きなハート型チョコレートを渡す十子。『天下分け目の小早川くん』は小早川に茶々のタックルが見事に決まった瞬間です。

『孔明のヨメ。』

夏口へ向かう船に忍び込んでいた曲者。なんとまあ、孫権の妹、孫尚香だったというのですが、身バレした孫尚香に女性とバレた月英と、双方ピンチのこの状況。月英は孔明の妻であることをうまく隠し通せたっぽいんですけど、孫尚香の方はわりとどうしようもないですよね。兄孫権には内緒で出てきた。その行き当たりばったりが劉備軍と孫権軍の同盟を危うくする!?

孫尚香はそうした外交、政治に与える影響、まるで考えもしてなかったんですね。ある意味、シンプルに生きている人っぽい。対し月英は瞬時にこうした可能性に思い至るわけで、このふたりまさに対極といえるのかも知れません。

とはいえ、孫尚香の思い、月英にもわかるところがある。この共感するところと、まるで違っている行動様式、このギャップよ! とりあえず今のこの状況は月英がなんとか収めねばならなくなってしまってるわけですが、ここで月英の打とうという策とはいかなるものか。いやもう、いずれにしても月英、思わぬ大役を担うことになってしまいましたね。

『オレの愛で世界がヤバい』

結衣にモーレツアタックを敢行する万丈。かつての結衣を思い出させる行動ですが、男子が女子に対してやっちゃあ駄目なモーションだ! これ、結衣の恋を応援するためにあえて演じているわけですが、それが達也の不興を買ってしまい、ああまさかふたり仲違いなどするまいな! とかなんとか思っていたら、なんだこの意味深セリフの応酬!

最高でした。最高だったと思います。

この漫画、結衣の気持ちの揺れ動きに面白みがあるわけですが、知子への気持ち、執着があるかと思えば、万丈に傾く思いもあって、なのに万丈は結衣のことをなんとも思っていないなんていってるんですから、傷つくよなあ。なかなかに難しいポジションにある結衣ですよ。知子は自分の理解者だといってくれるけれど、結衣の気持ちには決して気づかない。このもどかしさ。ああ、結衣、つらいですね。

とか思ってたら、結衣にコンタクトしてきたちびっ子上級生。万丈のこともてあそんだりしてるとぶちのめしますよときましたよ! さらにややこしさを増す人間関係。というか、初手からぶちのめしますよは最高だな。一気にこの上級生のこと気にいりましたよ。気が弱そうなのにいきなり物騒なこというんだもんな、最高です。

『天国のススメ!』

草間、なんでそんなにオカルト案件に遭遇しまくるんだ。今回はツノが生えました。あまりの事態に、感動して写真撮りまくり。もうウキウキじゃないですか草間。太一はじめお友達一同は結構焦ってるのに、草間は治すつもりないよね? よっぽどの気にいりようです。

この事態を引き起こしたの、鬼の女の子の仕業だったんですね。といっても悪気があったわけではない。父のツノ生え薬をうっかり落としちゃって、それが草間にかかった。その子から語られる鬼のツノ事情ってのがなんともいえずおかしくって、そうか、薄毛ならぬ薄ツノに悩むんだ、鬼って……。斬新……。

ツノを堪能しないままツノを手放すわけにはいかない。草間の執着を晴らすために、十子の家で催される節分の豆まきイベントに鬼として参加するんですが、草間、保護者の皆様から大好評! でもって、草間に豆が効くんだ! 痛い! 熱い! 無理するな! と思ったら、感動してるよ! ほんと、この人、感情の置きどころが常人のそれとは違う! いやもう、今回もというべきか、草間の奇行、すっかり堪能させていただきました。

そして鬼の子の恋。福の神のお兄さん! 結ってもらった髪もほめてもらえて、ああ嬉しい一日になりましたね。豆ぶつけられる役も草間が代行してくれましたし、ほんとこの子にとってのいい日でした。

2022年2月1日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号、昨日の続きです。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

最初、まったくその意味を理解していませんでした。しずねの夢でアイドルになっていたねねがいった言葉。「ねねはアイドルを辞めて…普通の抱きまくらに戻ります!」。

普通の抱きまくらっていうから、普段どおりのねねに戻るんだよなあって漠然と思って読み進めていって、ラストでようやく気がついた!

そうだよ、普通の抱きまくらったら歩きも話しもしない抱きまくらのことだよ!

ずいぶんこの不思議世界にやられてしまってましたよ。普通の抱きまくらイコール歩いて話して面白い、すっかりそんなのが抱きまくらのイメージになってしまっていました。

さて今回はその普通じゃない抱きまくらたち、ねねとののの学校体験。しずねとあかりの忘れものを届けに、それぞれ学校にやってきたのですけど、日奈野先生に抱きまくら状態でいるところを確保されてしまって、下校までマイルドな没収、預かり状態に移行するんですね。ところがこの子ら自分の興味のおもむくままに学校内をうろうろするから、先生が見るたびに場所が変わってしまう。それで先生が憔悴しちゃって、申し訳ないんだけど面白くってしかたありませんでした。ええ、勝手に歩いて話す普通じゃない抱きまくらは面白いんですよ。

と、ここで急展開? 学校を満喫していたねねが帰宅してからずっと抱きまくら状態でいるっていうんです。え? 普通に抱きまくらに戻りますっていうの、まさかの正夢!? ここからもとの普通じゃないねねには戻らないの!? がーん! そんなの嫌だ!

いや、ただ遊び疲れて眠ってるだけですよね? そうだといって欲しい。次回もそのままで、最終ページに次号グランドフィナーレ! とかなってたらどうしよう! いやもう、ハラハラですよこれ。

『ササエルの中には誰もいない』

ササエル、すっかりご当地キャラ活動に馴染んでしまいましたね。今回は天河大橋にて釣り体験? なんか110cmのヒラメが釣れるとかいうんですけど、ヒラメにしてもカレイにしても、せいぜい大皿サイズしか知らんじゃないですか。それがメートル超えとかなると、ちょっと感覚が歪みますよね。オヒョウとかだと数メートルとかにもなるとか。いやもう、海がちょっと怖くなるサイズです。

さて、今回はササエルが釣りに挑戦、はいいんだけど、ササエルの中の人、小依の友人であるヤッチーが料理担当としてまさかの参加ですよ。でも全然ササエルの中身に気づかないんだな。というか、小さな子扱いだよ。ちびっ子扱いされるの常なら嫌がる小依が、身バレ回避のため甘んじてその扱いを受け入れる。おお、屈辱だ。けどそれも秘密を守るためか。つらいな、ササエル。

しかし、あえてササエルとして接したことで、小依や茅には見せない側面、ヤッチーの本音を知ることができて、ちょっと申し訳ない? でも、ササエル小依にとっては友達を深く理解するいい機会になったのかも知れませんね。

といったところでまさかの大物がかかって、おおう、メートル超えのヒラメが釣れましたか。唐突な引きに大騒ぎになるササエルたち、対しまるで役にたたない日和子! この対比からのヒラメづくしの食卓への移行。動と静の対照が実によかったです。というか、もう単純にこのハプニングが面白かった。ササエル、水没しなくてよかったですよ。