2023年5月31日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号、昨日の続きです。

『RPG不動産』

若き日の母、ラスティーレの代わりに贄になるというファー。その発言に渾身の否定をしてみせる琴音が頼もしくていいですね。誰かが犠牲になることで解決するなんてよくない。それはファーだけでなく、ラスティーレもそう、そしてサトナもそう。安易な解決ではなく、異なる道を見つけよう。

そうして今現在の問題をひとつひとつ検討し、どうすればそれを克服できるのか。ついついネガティブな方向に向かいがちなサトナを説得し励ます琴音が本当に頼もしい。そしてついに見つけた解決の道。

豊かな暮らしのために略奪も辞さない、そうした安易な方法に頼ろうとする人たちの前にサトナの使役する巨大モンスターとともに現れた琴音たち。そこで皆に呼び掛けるその内容とは。なんと、ここにきてRPG不動産が立ち上がってくるというのですか!

琴音とファーに手を引かれ表舞台に立ったサトナ。今はまだ戸惑いもある彼女だけど、奪うことしかできないと思われていたサトナが、今度は与える立場になる。その大転換。まさしくこの漫画の面目躍如たるものありました。

『紡ぐ乙女と大正の月』

唯月の誕生会を企画する紡です。サプライズにしたかったのだけど、旭と一緒にわあわあ騒いじゃったから唯月にすっかりバレちゃって、それでも嬉しい唯月。まだこの時分は誕生日を皆で祝うという風習は浸透していなかったのですか。でも初野の家のお祝いは面白そう。父上、思いっきりがいいなあ! 本当、楽しそうです。

今回は紡が頑張りましたね。給料前借りまでして準備したんだ。しっかり飾りつけて、料理も準備して、そして皆で楽しむためのトランプ。令和の今はゲーム機メーカーとして知られる会社が、大正時代にはトランプ作ってたんだって! いや、今でも売ってるよ! っていうのはいいとして、この事実に驚いて嬉しくなって、平成令和の知識をドバドバ語っちゃってる紡が面白い。テレビもない時代なんですよ? 皆さんがついてこれてないじゃありませんか。

唯月へのプレゼントに見える皆の方向性も面白かったです。旭は無茶するなあ! でも読めるものなら、そのロマンス小説、読んでみたいものです。雪佳はハンカチ、そして初野は海外のお菓子。おお、初野は本当に初野らしい! で、言い出しっぺの紡はというと、準備でお金使い切ってプレゼントは準備できませんでした!

と思ったら、その日の夜にサプライズ。これは唯月に驚いてもらいたかったのか、皆の前で気恥ずかしかったからなのか。どうも後者っぽいと感じられるのですが、幸運と魔除けのお守りとして鈴をお揃いで持とうという、その唯月のしあわせを願う気持ちが嬉しいプレゼント。これはもう本当に素敵な顛末でありました。

そしてもうひとつの、今度は嬉しくないサプライズ。唯月の縁談が決まりました。タイムリミットは学校の卒業まで。さあ、これはどうなる。それ以前に大震災がくる? それが転機となる? ともあれ、唯月の抱える様々な問題。この時代の令嬢にとっては当たり前の生き方。それをどう乗り越えていこうというのか。おおいに期待されるところです。

『ひよ&びびっと!』

天然素直でまっすぐなあやもりんの発言が物議を醸しています。皆の質問に答えてくあやもりん。学校で気になる人はいますか? と問われていわく、いるよ!

さあ大変だ。リスナーの皆はショックを受けたり、ひよなんか見事に倒れこんでしまったりして、そして学校の男子どもは、誰だ、誰だ、自分なのかと浮き足立っちゃって、まあ、なんと都合のいい想像でしょう!

浮き足立ってるのはひよたちも同じです。さりげなく誰か聞き出そうとするひよは、足もとめずそのままスタスタいっちゃうから結局聞くことができず、咲は咲で質問返しにあって敗退。ほんと、ひよも咲もすごく可愛い。なんかね、思いきりはいいんだけど、逆襲に弱いよね。

けど、最後には教えてもらえましたよ。ネットでプチ盛り上がり、あるいは炎上してることを知らされて、気になってる相手はひよでしたと白状してもらえました。そして誤解を解くために配信で、ひよであることは伏せつつも男子じゃないよと釈明したら、今度は女子に思いを寄せているとさらなる誤解!?

いやいやいやいや、でもいいんじゃないでしょうか。ひよに対する思い、なんならそのまんま育んでいただいても全然大丈夫です!

2023年5月30日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号、先日の続きです。

『mono』

面白ガジェット紹介漫画みたいになってる『mono』。今回フィーチャーされるのはVRゴーグル。それも自分が持ってるやつがモデル!

これは面白くなってきました。やっぱり縁がないやつよりあるやつの方が面白みが違います。

そう思って読んでいたんですが、ほんと、一口にVRゴーグルといっても広がりがあるんだなあ! 一般的には『Beat Saber』がなんかが人気です。私は釣りばっかりやってます。人によっては『VRChat』みたいなコミュニケーション系に興味があったりもするでしょう。

だから、今回は知らないVRの世界に触れた。そんな感じがしまして、ホラーゲームとか興味がないから視野にも入っていませんでした! そしてフリークライミングのゲーム。これ、興味があったやつだ。なるほど面白いのか、さらに興味が出てきましたよ。そしてグルグルアース。よ、酔うのか……。

馴染みのある世界で知らないことを知る。ここから数回はVRゴーグルの話題が続くでしょうが、そこでなにが語られ描かれるのか。ひいては自分の世界を広げる可能性もあるとなると、こいつは楽しみです。

『escape into the light』

知りあった当初はもっと険悪だったような気がするつむぎとみきも、つむぎが遠慮なく思ったこというようになったからか、みきの素の部分がいろいろ漏れ出して可愛さ増してきたからか、ふたりのコンビ感? もあいまってどんどん面白くなってきていると感じます。

今回も、お蔵入りになっていた新曲を発表しよう。曲の提供は受けている。一応使用の許可を得るとして、問題は歌詞。これまでもみきが書いてきたというんですが、結構作詞は大変ってのが見えてくるのがいいですね。発想するためのきっかけとして、つむぎの昔の話を聞き出したりね、しかも夜に普通に家を訪ねてくるとかね、なんだこの仲良し感。いい感じだと思う。

つむぎの、みきに対する辛辣さと、miraiに対する思慕と、その落差の大きさもまた面白い。ずっと強気だったのに、昔の友達との不和について話して、それがきっかけとなって昔のコメントが発掘されるの、ほんとね、それで一気につむぎが追い込まれるのがね、面白かった。

でも、こうして直に熱心なファンと接して、コメントの背景に触れることもできて、これはみきにとってちょっとした転機、新しい発想を得るための刺激となったかも知れませんね。まだ詞はできてないみたいですけど、どういう風にこのエピソードが収束するのか。そしてちょっと気になるのが、つむぎに届いたメール。これはいかなるものなのか。心配ごとを増やすようなものでなかったらいいですね。

『恋する小惑星』

体育祭で恐竜に扮する地学部部員たち。いったいなにごと? と思ったら、部対抗リレーなの!

それぞれの部にまつわるユニフォーム着用の上、バトンも部に関するもの、というんですが、そこで地学、古生物学、恐竜とあいなった模様です。発掘スタイルで石を割るハンマー、とかじゃなかったんですね。あるいは天文とかで望遠鏡をバトンに……、はさすがに壊しそうで怖いです。

しかしこの恐竜着ぐるみが面白い。スズがジュラシックといえばジュラ紀の恐竜はひとりだけ。あとは白亜紀だからクリテイシャスと指摘が入るのも実にいい。ええ、ジュラシックパークでも同じようなツッコミがされてましたよね。白亜紀ばっかりやん! って。

さて、リレーで走るとなって、これ他の部は白衣とかなのに着ぐるみは不利だな! はいいとして、放送部実況の解説文、チカが書いたものだから詳細緻密で、読んで面白いんだけど放送部は大変だ! で、知らない恐竜、増えたなあ! って思わされまして、スピノサウルスは知ってます。でも、ミラガイアは知らなかった。みらだからミラガイアがチョイスされたのかな? からのあおが扮するガリミムス。って、ガリミムス、知らないなあ!

そして最後に先生がティラノサウルス・レックス。腕の短さを再現したのでバトンである卵が持てない! ってのはえらいこっちゃですが、それでまんざらでもないチカがいい。そして強引な解決に出るあお、ティラノサウルスの口に卵を押し込むんですが、その時になんか面白い顔になってるティラノが可愛くて、ほんと、リレーの勝敗としてはぱっとしませんでしたが、内容としては大変に面白いものとなって、読んで大満足でした。

2023年5月29日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年7月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年7月号、先日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

雨の日は眠くなる。授業中に睡魔と戦っている八重ですが、後にこれが半死半生の状態だったことがわかるの、すごく面白かったです。なんとかして眠気に打ち勝とうと、先生が話してもいない都会の話題を想定して意識を保った、そのせいなのでしょう。知らぬ間に、その都会の要素が八重の意識に浸透してしまってた模様です。

対して撃沈されていたのがみなちゃん。雨の音が眠気を誘うのだそうで、実際自分が学生の頃はどうだったかなあ。年中眠かった気がする。で、みなのノートを見て眠りはじめた時間をはっきり指摘できる八重のすごさよ。基本真面目に授業受けてるんだなあとはっきりわかるくだりでした。

そして同じく撃沈されていたのが大河で、ノートの文字が途中で流れて線になってる。でもふたり眠ったタイミングが違う? あわせたらひと揃いになる? それで互いに写しあおうにもまったくもって内容が足らず、それで八重に頼ってみたら、単語のあちこちがおかしいっていうのですね。

でも、これ、教科書と突きあわせてみたらちゃんとしたノートになりそうですね。八重、優秀です。

『敷金礼金ヤンキー付き』

荒れるアパート。原因は住人の気のたるみだというのですが、あんだけ大家が怖くてもこんだけダレていられるの、住人、根性あるなあ! ダレることに関して筋金がはいってる。

この状況に終止符を打つべく、アパート改革に動く大家。かつての族時代を彷彿とさせる厳しい規律を敷くというのですが、皆当然反発するだろうと思ったら、意外や賛同者が多い! 硬派に憧れる真夜が賛成。大家に対する思慕が強すぎる直子はなおさら賛成。というか、ふたりともにうっとりしてるのがおかしい。なにか、こう、憧れ、夢の実現みたいなところがあるようですよ。

今回根性見せたのは七恵と佳だったと思います。ルールなんか知ったことじゃない。たるんで生きてもいいじゃないか。すごく共感するわけですが、たるむにしてもやると決めたら徹底するところが素晴しい。義務づけられた挨拶も当然ちゃんとしない! 普段から特効服を着ている佳は、よくわからんTシャツに麦わら帽子とサングラスに着替えて、反発するといったらもうこれでもかとノンストップですよ。

これで大家から制裁とかあるのかと思いきや、そのあたりはさすがに自重されてるようですね。むしろ真正面から住人と対立して、話しあいというかタイマン一歩手前までいくんですが、まさかこの七恵たちの反発が、かつての大家自身の行動に通じていたっていうんだから面白い。というか、大家は別に反発してとかじゃなく、ただ自分のやりたいようにやってただけみたいですけどね。

かつての自分を思い出して、規律撤廃派に折れた大家ですけど、この決定で一番安心したのはたえちゃんかも知れませんね。まさかのルールで、特効服たえが見られるなんて思いもしないサプライズ。本当、今回巻き込まれて一番おろおろしたのは、一番の常識人であるたえだったように思います。

『オネェの恋のはじめかた』

風邪をひいた時宗。やらかしたといってますけど、感染症はしかたないですよ。

寝込んでる時宗を看病してくれる姉。姉も美形だなあ! はいいとして、この姉が失恋しているのか。その失恋の痛手を癒すため、時宗にすがる姉。時宗に話を聞いてほしい。そして時宗と桜子の話を聞きたい。そうか、妹ちゃんからいろいろ情報得てるんだ。で、若い子の恋愛話で潤いたいからって涙ながらにいうんですが、興味本位じゃなくてもっと切実性が高くって驚きましたよ。

しかし病床というのは大変ですね。熱が出ている時は変な夢を見る。たいていは悪夢であるわけですが、眠る間際に桜子のことを考えていたのが災いしたか、桜子から酷いことをいわれる夢を見てしまった時宗。さすがにショックのようですね、と思ったら、寝起きで自分のベッドにもたれかかって眠っている桜子の姿を認めて、また違うベクトルでショック!

時宗、よかったですね。お見舞いにきてくれたこともそうですけど、嫌な夢でついた不快なイメージを、すぐさま本当の桜子の、真っ直ぐな思いやりある言葉で濯ぐことができた。本当、学校が楽しいという時宗の日常の、輝きの部分。それがこと病気で弱っている今にはよほど効いたのではないかと思いました。

2023年5月28日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号、先日の続きです。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

ロゼに迫る月渚。ロゼの本当の名を知る月渚は、その秘密をもってロゼになにを求めようというのか。というところで、まさか状況逆転!? 佐渡を滅ぼさないでほしいと懇願してきて、もとの世界でのロゼって、そんな悪辣なイメージだったのか! あ、いや、確かにそうでした。酷い誤解といっていいのか、稀代の大悪人、危険な黒髪の魔女として腫れ物にさわるように距離を置かれていましたね。

月渚のロゼに対するイメージも、まさしくその誤解そのもので、きっと佐渡を滅ぼすに違いない。そうなる未来を怖れていたのですね。

けれどこうして誤解とわかり、月渚とロゼ、来歴については今後も秘密ということで落ち着きそうです。しかし、ロゼの心境について月渚が共感を得るくだり、この世界にきて髪の色を奇異に見られたことから理解するといった展開はとてもよかった。そして佐渡にやってきた経緯。なんかすごくあっさりとしたものではあったのですが、もとの世界での生きづらさ。それが転移のきっかけとなっている!?

月渚についての心配はこれにて終了。ということで、佐渡の盛り上げ企画、そちらに話は移っていって、結果的に金山でのイベント案は却下されたのですが、子供たちとの会話がヒントとなって代わりの案が出た! はたしてそれはどのようなものなのか、それは次回の楽しみとして、この企画が通って、それが佐渡を盛り上げることとなったらきっと面白くなりますね。

『追風のジン』

フブキとの対決、決着を見ましたね。

ジンの回想にて語られた、母フウカとのかつての会話。フウカが思いを寄せた男が過ちを犯してしまった。それを自身の胸に秘め、かといって自らその男のもとに赴くこともできなくて、といった母の心情に、自分からその役目を代わって担うと買って出たのがジンだったんですね。

その男、フブキとの決着直前に交わされた言葉の数々。そこにはジンの連載当初からの担ってきた役割、配達人としての矜持が表されて、これは渾身のセリフであったのだろうなあ、と思うと、この連載が次回で終わってしまうことを残念に思ってしまいます。誰かの思いを預かり、それを届ける。そのジンの立ち位置はブレずにずっと同じくあったということ。誰かの思いを自らのそれのように大切に扱う彼の共感性。そこにこの物語の根幹があったと感じています。

先にもいいましたように、次号最終回。語られるべきことは語られた。だとしたら、次回に描かれることはなんであるのか。静かにその時を待とうと思います。

『巴マミの平凡な日常』

巴マミ、禁断の変身出勤! 二日酔いからの寝坊、通勤に1時間かかるのに起きたのが始業20分前という大ピンチを変身という禁じ手で解決。これをきっかけに、連日だらだら変身出勤するのが当たり前になってしまったというのですが、それが引き起こす悲劇!

ええ、ある意味、この世界の巴マミらしい落ち。大変よかったと思います。

途中、なにがおかしかったって、マミの部屋を訪れたキュゥべえの野郎がですよ、無闇な私用での変身を咎めるのかなと思ったら、全然そんなことなかった! というか、むしろ魔女化を期待していて、そうだ、そういえばキュゥべえってそういうやつだった。忘れてましたよ、からのフリマアプリで売買されるグリーフシードという魔法少女業界の闇が明かされて、いやもうこの緩さよ、ナンセンスさよ。シリアスさや悲愴感が吹っ飛んでる、そのあっけらかんとした開き直りに笑わされました。

今回の変身出勤の話。リモートワークに慣れてしまうと普通に通勤ができなくなるみたいな話だなと思いながら読んでいました。実際、変身して10分通勤とかできるようになったら、電車なんか乗ってられませんわね。

2023年5月27日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号、発売されました。表紙は『ごきげんよう、一局いかが?』。さわやかな初夏の情景。緑あふれる庭で椅子に腰掛ける冴と、その肩に手を添え寄り添う千星、ふたりの様子がより一層に清冽さ感じさせる素敵なイラストであります。ただちょっと違うのが、ふたりの前に雀卓があるってところでしょう。くったくなく晴れやかな笑みを見せる千星と、千星の接近に照れを隠せない冴、ふたりの対比も素晴しい。そんな表紙。あ、そういえばこれ、本編に先駆けて雀卓デビューですね!

今月は新規ゲストが2本です。

『ともだち百人一首』

高校に入学したと思った矢先、病気で欠席を余儀なくされた交野ささら。半月ほどもたった頃、遅まきながら学園生活を始動させるも、周囲はもう人間関係の輪ができあがっており、ささらといえばどうやって人と関わればいいのかさえわからぬ始末。さあ、これからどうしよう。

途方に暮れたささらが希望を見出したのが部活動。友達百人つくりましょうというキャッチフレーズにがっちり心をつかまれて、見学にいったのがかるた部。しかしそこは誰もいない空っぽの和室。いや、ひとり居眠りしている子がいました。

ここで、ささら、真実を知らされるのですね。友達百人の内訳。なるほど、百人一首、その詠み手と仲良くなりましょう! そうした気持ちを表したフレーズでした。

落胆して去ろうとしたささらを引き止め、もうひとりの部員、みみと一緒に、かるたをやってみようと誘うななの。経験者と初心者とじゃ、さすがに厳しすぎるのでは? と思ったら、ささら、打たれ強いというか、取れないことを苦にしていないですね。むしろ、できない、わからないながらも、かるたに前向きに向き合おうとしている。

そんなはじめての部活動。病み上がりで頑張りすぎたからか、またも倒れてしまったのですが、夢のような時間と思った初かるた。それが夢ではなかったと知った時のあの表情。いよいよささらの学校生活がはじまろうとする、そんな喜びが見てとれてよかったですね。

『マルチプレイ』

大学は電気・電子学科に入学した和泉ハル。予想していたとはいえ、あまりの女子の少なさに落胆しているのですが、もうひとりの女子、ルリ子に声をかけてみたら、なんとも素っ気ない返事。見るからにマジメなハルに、私マジメな人、嫌いなの。って、いきなりご挨拶だなあ! でも、ムキになったハルに押し切られるかたちで、一緒に行動することに?

ゲーム部に入りたいというルリ子について、一緒に見学することになるのですね。

ルリ子にゲームに興味があるかと聞かれ、あいまいに返事してしてしまったハル。本当は興味なんてないのに……。けれど、見学にいった先で一緒にプレイすることになった対戦ゲーム。わからないながらも、和気あいあいとした時間、いや、駆け引き、出し抜きの熾烈な生き残りバトル? けれど、その時間はハルにとって楽しかったようで、そしてそれはルリ子にとっても同様だった。

一度はゲームには関わるまいと思ったハルが、楽しかった、また一緒にやろうとルリ子に誘われて表情を緩めるところ。なにかがはじまる、そんな予感をさせるいいシーンだったと思います。この表情を描く、見せるために積み上げてきた、そんな一作と感じさせられました。

『ごきげんよう、一局いかが?』

なんと、冴さんたち、バイトでいらっしゃいますか。ゲームではなく、実際に麻雀を打ってみたい。となれば雀荘だろう。しかしお金がかかる。どうしよう、といった諸問題の解決に、千星ゆかりの旅館で短期バイトをしてみようという話になったというんですね。

学校の規則ではバイトは禁止だけど、千星のゆかり、すなわち家業だからと無理を通すところ、さすがですよ。あの千星の表情、あたかも勝ち誇っているかのような凛々しさ、強さが感じられる! そして皆のはじめてのバイトは、慣れないながらもそつなくこなして、というか、千星の記憶力、そして手腕が光っていましたよね! またコミュニケーションに長ける乃々花が、お客さんから教えてもらった情報。

雀荘には18歳未満は入れない! って、そうなんか! 知りませんでした。

全自動卓はさすがに無理だけど、麻雀牌を買ってきて誰かのお家で遊んだらいいのでは!? とか思っていたら、まさかのラスト、生き生きと麻雀を打っている、しかも満貫でアガっている純礼の姿が!

なるほど、雀荘デビューはかないませんでしたが、実際の麻雀を打てる機会、訪れましたね! これは、仕事が終われば皆での麻雀タイム? 思わぬところに可能性の芽がありましたね!

2023年5月26日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年7月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年7月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。時の記念日? 鳩時計ならぬ榊先生時計を手にする山下さんをメインに、卒業記念でしょうか、贈り物っぽい腕時計を手にしている『おしかけツインテール』花梨の笑顔も押し出された表紙であります。『小森さんは断れない!』、体操着姿のしゅりはストップウォッチを手にして、その数字は100メートル走のタイムでしょうか。『らいか・デイズ』らいかは、大きな砂時計に身をもたせかけている、静かに流れる時間を感じさせてくれるイラストです。

『おしかけツインテール』

花梨が俊郎の家を出ていく日。いつもどおりの朝食。昨日と変わらぬ今日、また明日も同じように続いていきそうな雰囲気を感じさせながらも、ふたりの会話にはやはり別れを前提とした言葉が交わされて、ああ、永遠の別れではないけれど、家族のように一緒に過ごしてきた人との別れ。あまり湿っぽくはないのは、この日のくることをともに覚悟していたからでしょう。

そしてこの明るさ、落ち着きが、逆にこの別れに対する気持ちの深さというものを感じさせてくれたように思います。

そして最後に後日談。大学を卒業した花梨が迎えた就職活動。訪問した会社は、俊郎と波留人が起こしたゲーム会社!

でも面接で叱られるのが企業サイドっていうのね。というか、ダンボールとか被るから! これ、社会に出て身なりを整えた俊郎を見せないためなんだろうな、と思いながらも、あまりにも変わらぬこれからのふたりの関係性、その継続を思わせてくれる、なんだかいいラストだったと思います。

『となりのフィギュア原型師』

はぐちゃん、カラーだとこんな色だっけ? 髪。と思ったら、やっぱりイメチェンでしたか! ですよね。金髪でしたよね。それが見事にピンクになってきて、なにごとかと思ったら、あじさいイメージ。って、確かにあじさいはピンクのもあるけど、はぐちゃんの髪みたくアグレッシブなイメージはあんまないですよ!?

はぐのこの行動。この工房にやってきた時のこと思い起こしてだったんですね。当時カラフルマッシュルームヘアだったはぐ。人を寄せつけないつもりでいたのに、ぐいぐいきた代表に押し切られるかたちでこの工房にくることになったというのですが、それ以前に原型師あるあるなのかな? アパートでトラブル抱えてしまっていて、逃げ出すようにしておこめ畑にやってきた。

雨でずぶぬれのはぐの姿は悲愴感たっぷりで、ほんとなにごと!? と思ったら、そうですか、傘が壊れただけ! いや、ほんと、心象が実際どうだったかはわからんけど、でもはぐちゃん、大丈夫そうでよかった。

かくしてちょっと明らかになったはぐの過去。なんかほんと、はぐと代表の関係、今のようになるまで、それなりの時間を要したんだなとわかりながらも、同時にはぐが代表に向ける感情の根っこみたいなものも感じられる、そんなエピソード。よい話でした。

『おひとり好きの富士宮さん』

お花見での一件で、富士宮さんの連絡先をゲットするにいたった内山。やたらめったら浮かれているわけですが、それでまるで連絡できずにいるというの。周囲が噂するように、ヘタレが服着て歩いている、まさにその文言そのままの行動。いやもう、なんでもいいからさらっと一報いれちゃいなよ。なんでもいいのんよ。誘うことがなくってもいいのんよ。

とか思いながら読んでたんですが、なんら行動に移せない内山に過去最大級にやきもきさせられて、いやあほんと、はやくなんでもいいから動いてくれー! と念じるような気持ちでいましたよ。

そんな内山の背を推したのがばあちゃん。そして、ふと内山の背後から現れたオフの日の富士宮さん。そしてここでの会話から、内山がずっと何度もオフの富士宮に出会っていたこと、その時に感じてきた思いを打ち明けることになる流れ。ずっと抱えて、ずっと抑えてきた、その蓋がついに開いたと感じさせたその展開には、やっとか! という思いと、やったな! という気持ちが一緒くたになって、なんだかほっとするように温かみある感情がわいてきたのでした。

しかしふたりのこれから。きっと悪くはなるまい、そう感じさせてくれるものありまして、単行本とかでちょっとでも描かれたら面白いな、と思ったのですが、きっといつものオフの富士宮の行動、そこに一緒にいて楽しむ内山、そんな情景になりそうな気がします。そして、きっとそうなるのがいいのだと思ったのでした。

2023年5月25日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号、昨日の続きです。

『花唄メモワール』

この時代には珍しい洋食を次々作ってみせる梅。せんだっての白いシチューも好評で、口コミで広がる人気。宿のちょっとした名物になりかかっているのですが、そんな梅の来歴に対する疑問を口にする板場の桐喜。

これは、なにか梅の秘密を知ることに? あるいは、梅の行動を縛ることになるのかな?

そう思っていたら、むしろ焦点のあてられるのは桐喜の方で、今回のエピソードを通じて明らかにされる桐喜の来歴、そしていきさつ。女学の後輩を助けて傷を負った、その負い目を感じさせたくないと会わずにいた桐喜の心情。その変化も含めて描かれたことで、謎と感じられた桐喜という人の存在感はいや増して、そして同時に時代を超えてやってきた梅に自分は万能ではないということを実感させた。

今後のことを考えるに、結構重要なエピソードであったのかもなどと感じたのでした。

しかし今回の顛末で深まった桐喜と梅の関係。一緒に板場に立つことも増えそうで、そうしたらまた梅の料理の活躍することも期待されますよね。というところで現れた謎の女性。この人が今後どういうかたちで梅ないしは花瀧屋に関わるのか。次回を楽しみに待ちたく思います。

『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』

異世界サウナへ紛れこんだ女性。5日ほどをこの世界にて過ごして、なおサウナを忌避するこの人の心に残された傷。それがなにか語られた今回。

もしかしたらこの異世界と呼ばれる場所がどういうところなのか、わずかでも知ることのできる、そんなエピソードだったのかもなんて思っています。痛みを抱えている女性、幸香が考えていたように、死後の世界? いや、むしろ生きていた頃の痛みやつらさ、悲しさを癒す、そうした場として機能する、現実の憂いから距離を置ける、そんな心の避難場所であるかのように感じました。物語の設定としてそういう場所というよりも、むしろ物語の中でそのように機能する場とでもいった方が正しいのかも知れませんが、今回幸香がととのい転生を感じたように、欠けた心、埋められない空虚さを癒し、調律してくれる、そんな場所であるのだなあと思わされたのでした。

しかしここにきて重めの話。この幸香さんは、ととのいを得てもとの世界へ帰っていくのか、あるいはまだこの世界に留まるのか。それはわからないけれど、どちらの展開であっても、この世界がどういうところであるかを知る、そんなことになりそうに感じています。

『高瀬さんはドル活に夢中です』

江田がPOPであることに気づいたみく。ヤバい! 弱みを握られる!? と思いきや、みくさん、めちゃくちゃ理解あるじゃないですか! POPであることを隠しているのは、なにか事情があるのでしょう。後ろめたさを感じる江田に対しても、問題ないと明るく流してくれて、めっちゃいい人じゃん! そうか、この理解度の高さは、みく自身、誰にでもドール趣味を打ち明けてるわけじゃない、そうした背景があるからか。

しかしこうして身元を隠して活動することへの理解者を得た江田。よかったじゃん。江田も自身考えていたように、なにかしら相談できる相手ができたのは大きかったのでは? とか思ってたら、みくさん、ヤバいな! そうか、江田に好感持っちゃったな? いやそれ以前に、POPである時点で好感度高いわな。で、まさかの手の写真を意味深コメントとともに公開されてしまう!?

ヤバい。江田、身バレないし炎上ないしのリスク抱えてしまった!

みくさん、ちょっと地雷、といったら失礼ですけど、そんな匂い感じさせますよね。今後、江田と高瀬の関係になにかしらの障害となって立ち塞がるんじゃないかな、とか思っていたら、今度は高瀬がヤバい! クレカ限度額使い切り!

いやほんと、江田の周辺、ヤバい人が多いな! ええ、ほんと、江田、君が頑張るんだ。少なくとも高瀬の生活の基盤は、江田の頑張りにかかってる。いやほんと、ドールとなると、あるいはPOPとなると限度超えてしまう女子がふたりになって、今後の江田をめぐるいろいろ、なお大変になりそうですよ。

2023年5月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年7月号、発売されました。表紙は『色んな女の子とキスをしていたら、百合キスに目覚めてしまいました…。』。楓音を中心に、前から後ろから迫る華恋に雪奈。楓音本人はこの状況を喜んでるかどうかは不明でありますが、まったくもってハーレムというべき? 両手に花? といった様相。そしてすこし向こうから見守るリリエルの嬉しそうな様。明らかに面白がっているその表情。してやったりとか思ってそうな感じしますよね。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

佐藤カンナと望月美都、ふたりの秘密の関係。それぞれに、見た目にそぐわぬ甘党、肉好き。ずっと隠してきたのだけれど、ひょんなことから互いに知ってしまった相手の秘密。その状況をうまく活用して、ふたりの秘密を守りながらも、自分たちの好きなものをたらふく食べようという密約をかわすこととなったというのが前回のあらまし。

しかし、あまりの状況に、はたしてあれは現実だったのだろうか。わからなくなってしまっているカンナがおかしい。考えるほどに夢かなんかだったように思える。美都はこれまでと違った様子もないし、やっぱりあれはなにかの間違いだったかと思いかけたところで、美都からこっそりお誘いがあるあのタイミング。抜群だったとおもいます。

他の誰も知らない美都の秘密を知っている。誰にも見せない表情が自分だけに向けられる。その特別感の演出も素晴しい。そしてふたりの会合にては、あまりにスイーツ天国を楽しみにしすぎたカンナのはしゃぎっぷりが漏洩するなど、ふたりともに相手の特別なありのままを知っているというのですね。

そしてやっぱり今回も、少しいたずらっぽく主導してみせる美都が素晴しい。と思ったら、終盤、連絡先を交換するところで主導権が少し交代するところなども素晴しかった。ふたりの関係の、これからいよいよはじまり深まろうという、その予感がひしひしと感じられる第2話でした。

『スローループ』

釣りたいのに釣れないひよりに転機が訪れましたね。飛びはじめた虫、クロカワゲラにあわせたフライに変えてみよう。そこで前回、恋と交換したフライが活躍するというの。この流れは実によかったなあと思いました。

この回想編では、ひよりの父が娘に向ける視線、感情がとてもよかった。かつてあった関係。これを失って、ひよりは長く落ち込んだわけですが、その気持ちもわかろうというほどに、あたたかみある関係性がよく見えて、見た目には可愛く、そして物語としては深い。そのバランスがまたとてもよいと感じたのでした。

このことがより明確に感じられたのは、今回の終盤、ひよりが小春にずっといいたくていえずにいたこと。釣りがまた昔みたいに楽しくなった、そして昔のことを話せるようになったのは小春のおかげといってお礼の言葉を口にしたひよりの姿でした。渾身の一瞬だったと思う。どれほどに幼ない日の父との思い出が大切だったか、同じように今、小春とともにいる日々がどれほどに大切であるか、それを物語る描写であったと思います。

『球詠』

他校との練習試合。一年生の実力をはかる機会として、両校ともに新入生を多く起用しているのですが、この様子が実に面白い。新越谷の新入部員、誰もが実に個性的で、中でも一癖あるのが投手の斉藤小町。なんか地味でクールで、よくよく考えながら投げていくタイプに見せるこの子の悪い癖? 強打者を相手にすると気持ちを抑えられなくなって、ど真ん中に投げないではおられなくなる。あのずっと見せてこなかった笑顔、そこには抑えられない感情と、そうせずにはおられなかったという思いが見てとれて、ほんと、これが弱点といわれながらも、同じく投手であるヨミには理解できてしまうというのがね、面白いしこれからが楽しみになる。そんな将来性? 今後の展開? に期待させてくれる小町なんですね。

いいところを見せていきたい、あわよくばレギュラー入りしたい気持ちをあらわに頑張りを見せる新入生たちと、簡単にレギュラーを譲ってたまるかと静かに奮起している上級生たちとの対比もまた面白い。実際、やれるつもりで思ったよりやれないことに焦る新人と、経験か重ねてきた練習の差か、一枚も二枚も上手の上級生。この上位層にどう食い込んでいくのか、あるいは伸びてくる新人をどう受けて、あるいはかわしていくのか。こうした関係にもまた楽しみの芽があるように感じています。

そしてこの状況をつぶさに観察する芳乃! やっぱり芳乃が面白い。この漫画で一番の曲者、それが芳乃です。

2023年5月23日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、昨日の続きです。

『マグロちゃんは食べられたい!』

夏祭りに繰り出したまぐろにみさき。そこにカジキが合流して屋台をひやかしてまわるのですが、光るおもちゃに魅了されたり、海産物系屋台をハシゴしたりと、それぞれいろいろ満喫しているようでなによりですよね。でもイカ焼き、たこやき、たい焼きと、だんだんに海産物成分が減っていく、というか、たい焼きは見た目以外海産物性ゼロだ! はたしてかつてみさきとたい焼きの間になにがあったのか。きっと、深く失望させるようななにかがあったんでしょうね。

金魚すくいを見て、生き餌と表現するまぐろの発想にビビらせられました。いや、確かに生き餌か。観賞用、狩りじゃなくて遊び。文化や前提の違いすぎるふたり相手にいろいろ説明に苦慮するみさきの様子がとてもよかったです。

この漫画は、魚類と人という、あまりに違いすぎる存在との交流を描いて面白い。そこに生じるギャップ。そして今回描かれたように、違いながらも同じように花火を綺麗と感じる心。

一緒に花火を眺めながら、みさきがまぐろたちに感じた希望のようなもの。そこに彼女らの関係の未来像が見えそうで、まだまだ埋まらないところも多そうですけどね。でも、いつか違いながらもわかりあえる、そんな日がくるのだろうと思わせてくれる描写でありました。

『リリカお嬢様に振り回される!』

マイちゃん、めちゃくちゃ可愛いなあ。

さて、永野の発案でマイちゃんを屋敷に招くことになりました。手土産はそのへんで採ってきた野いちご。永野は喜んで食べてますけど、リリカはちょっと抵抗があるみたい。衛生感の違いですねえ。リリカのいうこともわかる。そこらの道端とか、どんな汚れがついてるんだかわかりゃしない。なので、虫が入ってないか割ってから食べるのですよ? いやほんと、自分も昔、こういうのよく食べてたこと思い出しました。

元気で明るいマイちゃん。その様子に、いつも楽しそうでいいなと羨んでみせたリリカに対するマイの返答。それが結構重くって、ただ貧乏なだけじゃなくて、病気がちの母とか父の転職とか、いろいろあるんだ! それを聞かされたリリカの反応。自分だけが大変だと思ってたけど、人それぞれに大変なことがあるんだ。自分は恵まれているのかも知れないと自覚することとなって、ああ、リリカお嬢様、それは相当な成長でありますよ!

本当にマイとの交流がきっかけとなって、リリカの世界、広がっていきますね。

けど、最後に思い切って試してみた野いちご。リリカの口にはあわなかったみたいで、いや、まあ、そうよね! でも選んだ言葉に配慮が感じられてよかったですよ、お嬢様! ええ、リリカお嬢様、成長が見られます!

『SAN値直葬!闇バイト』

札をはがして封印されていた名状しがたいものを解放、逃がしてしまったあかりにおしおきタイムです。ぐちゃぐちゃになった商品倉庫の整理が命じられたんですが、店長、ほんとに凝りてないんだ……。丁寧とか繊細とか配慮とか気づかいとか、そういう概念が存在しないあかりにそういう仕事を任せちゃいけない。しかも自分は奥で休むとか、管理監督のゆきとどかないところにあかりを放ってはいけない。

こよが途中で合流してくれるんですけど、案の定あかりはロクに働いていなくって、しかもやることが雑! やらなくていいことをわざわざやるのはいいとして、そのやり方が全然まったく正しくないのはすごく問題! 破壊された像の修復は原型無視しちゃうし、汚れた絵画も雑に油性マーカーで塗り潰す!

ほんと、店長、あまりのことに気落ちしてますが、この状況に導いたのは店長あなたです。あかりを野放しにしたあなたです。

今回はあかりの暴挙に店長が打ちのめされて終わりかと思いきや、最後にあかりの適材適所が光りましたね。逃がした名状しがたいものを捕まえてくるよう命じられたあかりが、ものすごいスピード解決でミッションクリアしてくる! 名状しがたいものに捉えられ死を覚悟したお姉さんの絶望と、悲愴感のかけらもないあかりとの落差がものすごい。いやもう、本当に、あかりはこう使えというお手本のような決着でした。

でもほんと、店長は凝りない。今回のことで少しは学ばれたと思うのですが、きっとまたあかりがやらかすシチュエーションを用意しちゃうんでしょうね、店長。

2023年5月22日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、昨日の続きです。

『瑠東さんには敵いません!』

すごい情景が展開されている!

好きなゲームのサ終が発表されて、落ち込み続ける和村ちゃん。あまりの落ち込みように、瑠東どころか久保も太田もどうにもできない。好きなゲームの推し、ユメたんとの別れが半年後に迫った和村に対し、なんとか元気づけたいと瑠東がとった行動やいかに!

いやもう、びっくりですよね。まさかのコスプレ回でありましたかーっ!

強引に和村を自宅に招いた瑠東。和村が扉を開いたら、そこには推しのアイドル、ユメたんがいた! 和村のためにユメたんに扮した瑠東。あまりのことに感涙する和村。ユメたんセリフでハグを求める瑠東に、脳がバグったか、ユメたんとハグするには瑠東すぎるし、瑠東とハグするにはユメたんすぎる。どちらにしても無理無理無理となってる和村のその反応。

よっぽどの衝撃だったんだろうなあ。

でも背後からのハグ。あの和村がこんなにも素直に反応してくれると、逆にドキドキしている瑠東。今回、見どころいっぱいだ……。いつも以上に距離が近いというか、和村がそうであるように、瑠東も普段よりも素直?

そんな素直な瑠東の気持ち。自分の素の姿を他の人にも明かせないか。そうした気持ちを打ち明けられてとった和村のその行動。ふたり、今ともにあって、ともに思っているその気持ち。相手のことを思い、なんとか元気づけたい、どうにか勇気づけたい。そうした思いを言葉ではなく行動で示したことに、この子たちの不器用で、けれど一生懸命なところが現れているように感じられて、胸に迫る。素晴しいエピソードだったと思います。

『コンビニ夜勤のあくまちゃん』

すごい、エリエルが役にたってる!

クリスマス時期のコンビニの忙しさったら! やたらめったら売れるチキンに、反面あんまり売れずに店長が自腹覚悟しているケーキ。お酒の在庫補充がエンドレスで、客はというとクリスマスムードに浮かれていて、どんどこどんどこやさぐれていくスタッフ。

あまりのネガティブな状況に、エリエル、やらんでいいことやったのか!? 皆の苦しみを取り除くと称して、苦しみを感じる回路を停止させてしまったもんだから、皆がハイに!? というか、脳の機能を停止させてるから、思考も見た目も幼児化して、って、苦しさのあまり退行したわけじゃないよね!?

店長にカドネ、そしてアルールまでが幼児化してしまって、大変なことになった! ただでさえ手が足りないのに、3人も役にたたなく!? と思ったら、この姿での子供接客が客にバカ受けして、どんどこどんどこケーキが売れていく! って、このコンビニの客、みんなノリがいいよな! 大阪だからか? それにしたって、馴染みの店員が幼児化してても普通に受け入れて、そのまま売り上げに貢献してくれる。それだけよっぽどこの店が地域に受け入れられてるってことなのかも知れませんね。

そして最後の多田店長のバランス。エリエルパワーだと幼児になりすぎて、アルールパワーだと深刻な抑鬱状態! どこが多田のニュートラルなのか。ほんと、ラストの店長の状態。あれがいつもどおりなら、店長、転職を考えた方が絶対いいです。

『ぬるめた』

買い物にいったくるみが衝動買いしてきたもの。クロスワードパズル。スーパーのレジ横とかにあるやつっていうんですが、確かにあるよね。懸賞になってるやつ。100均とかにもある。で、これ、年配向けなのですかい? いや、そりゃそうかもなあ。若い連中はスマートフォンとかで遊んで、こういう本には手を出さないと思う。

さて、クロスワードパズルを知らなかったくるみ。どんなゲームだと思ってたんだろう。頭つかってやる地味なゲームとちあきに説明されて、なんか気持ちがしおれそうになってるんですが、いやいややってみたら面白いって、やったことないならなおさら。というか、くるみならなんでも楽しめると思うよ。

アンドロイドくるみなら、脳内にそれなりの語彙を収めた辞書があって、それを串刺し検索とかできちゃいそうだから、クロスワードなんて余裕なんじゃないかなあ、と思っていたら、なんかわりかし楽々でもない感じ? ちあきにさきな、通話で参加させたしゆきとこごめにも手伝わせてるんですが、ひとりでやるといってたわりにはくるみ以外が答えてることが多い。というかしゆきだな。しゆきがこういうの得意なんですね。

対して苦手なのがこごめ。こごめはむしろ数学とかが得意で、ここで2対2で文理にわかれる4人組。クロスワードパズルをきっかけに、文理それぞれで違ってる感覚というか数字に対する反応というか、そういうのが見えて面白い。くるみが特別なのかもですけどね、数字を見ると勝手に計算処理しちゃう。だから数独とか無理だって。こごめはこういうの得意というの、論理というか理屈やルールで解答を絞り込んでいくタイプのゲーム、確かにこの子は好きそうです。

そしてくるみが当てた青汁。そいつを片づけるのに皆を巻き込んで、これもまたちょっとしたイベントでしたね。ほんと、たまたま見掛けて衝動買いしたクロスワード本からこんなに話が広がるの。すごいなって思いました。

2023年5月21日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、昨日の続きです。

『てくてくっ!秘密リサーチ』

マリンというライバルを得て焦りを見せるひぐれ。すかいをとられてしまう! その不安から、週末、横浜に誘います。

そうか、そういうことか。ひぐれと一緒におでかけということは、街なか延々歩かされるとわかっていそうなものなのに、みらいが歩きに向かないサンダルをはいてきたのは。横浜と聞いて、オシャレな街、そして友達とのお出かけという発想になったんですね。服も可愛くコーディネートして、実際ラストではひぐれとの初デートというセリフまで!

いやほんと、ずっとマリンの存在に不安を感じていたひぐれ。まったくの杞憂でよかったですね!

横浜ということで、今回は鉄道をメインに話が進んでいきますよ。最初に駅の柱で各駅停車させられるとは予想外だったでしょうけど、昔の機関車を見たり、そして当時の路線跡を歩いてみたりと、こうやって街を知っていくの、面白いだろうなあ。知ってる人、詳しい人がいると俄然面白さが増すというやつ。ひぐれの目のつけどころ、それが面白い。前回、マリンの説明が面白かったのも同様でありますね。

そして横浜といえば赤レンガ倉庫。1号館の方が短い理由、関東大震災で半壊したからだっていうんですが、東京と横浜って結構離れてる印象だけど、それでもそんだけの被害出たのか! こわ! 地震、怖いね!

街歩きではひぐれがリードして、後半のショッピングではみらいが引っぱっていく。主従逆転の関係なんかもあって、今回とてもよかった。ええ、後半のみらいが主導する場面、抜群でした。

『さうのあっ!』

また面白い人が出てきましたよ。お家がスーパー銭湯、ホット・パラディーゾを経営している高野槇さん。で、ここから延々、ホッパラについて語ってみせる清水の見せ場となりまして、あまりの詳しさに高野が引いている! しかしこの高野さん、ちょっと居丈高だけど、表情豊かで可愛らしい人ですね。

高野さんのご好意で、ホッパラの無料入浴券をいただきました。それで皆で繰り出すホット・パラディーゾ。風呂嫌いの影山にとってはとばっちりみたいな話なんですが、やたらめったらテンション高いリューディアにひっぱっていかれるままに、風呂に、サウナに入っちゃうんですね。

ここからのサウナについての描写。風呂好き組と影山との温度差がものすごくって、とにかく熱いのが苦手な影山が、熱した石に水をかけて蒸気を発生させるロウリュ、そしてタオルなどで風を送るアウフグース。その度に涼しくなることを期待しては、もっと暑くなって気落ちするのが面白くって、ほんと、風呂好きにつきあわされてる風呂嫌いというキャラクターがこんなにも面白みを出すとは予想を超えてきました。

そしてラストの高野がよかった。なんとまあ、銭湯小町でしたの! って、なにそれ!? 自他ともに認める銭湯好きで、花の湯にも普通に通ってた常連さん。いやほんと、素直に皆の輪に入ってきたらよかったのに! でもあえてそうしなかったところにこの人の面白さ、ないし可愛さが見えたところもよかったです。

『ばーがー・ふぉー・ゆー!』

おおう、こちらも風呂嫌いの話だ! 風呂に入る時間や手間を惜しんでまでゲームに没頭したいこむぎ。いや、風呂には普通に入ろうよ! それこそ、無課金プレイヤーなんだからゲームのスタミナ使いきったら自由時間発生するでしょう? というのも野暮な話。今、まさに今、ゲームで遊びたいという気持ちを優先するために、風呂の時間を切り詰めるべくタイムアタック。

で、そのタイムアタックモードが翌日にも持ち越されてしまうのか。

今回、こむぎが配置されたのはドライブスルーのインカム係。インカムつけたら、オン対戦のモードに入るというの、これは面白かった。そうか、こむぎ、FPSもするのか。ってことは、バガスピだけじゃなくて他のゲームも掛け持ちしとるな? そりゃあ風呂に入る暇もないわけだ。って、いや、風呂には入ろうよ!

今回のドライブスルー編。基本は待ちになるから、こむぎのタイムアタックモードは終わりになるのかな? と思ったら、まさかの大量注文を受けてからの、怒涛のバーガー調理タイム! ここでこむぎの才能が花開いて、バーガーは自分が受け持つからポテトとドリンクはよろしくと、他スタッフにどんどん依頼を出していく。なるほど、透はここにゲーマーとしてのこむぎを感じるんだ! インゲームリーダー感っていうの、なるほど。なるほど? いや、普通にリーダーでよくなくない? ええ、ゲームをやり込んでると、なんでもゲームの発想に取り込まれてしまう。その現象でありますね。

そして忙しすぎてなんかおかしくなってるこむぎの言動。めちゃ面白い。あるある、というか、忙しいと実際なんかおかしくなるよね、言動。でもってこむぎのRTAモードの決着。まさかのエネルギー切れ! ゲームより、なにより、本人のスタミナが尽きてしまいましたか!

本当に極端な一日。でも日常にゲーム性を取り込んでみる試みは、なんだか面白そうであります。

2023年5月20日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、昨日の続きです。

『ギャルとネクラの吸血関係』

病気になったいよねも完全復活。すっかり元気になったのですが、それでちょっと様子がおかしいのがまくる。いよねの健康を気遣って吸血を控えるというのですね。

殊勝ではないですか!

その間の食事は仕送りの血液パックで補うとして、しかしそれでもついつい頭をもたげてしまういよねに対する吸血意欲。内心では血を求めているまくる。本当だったらそうやって自制してくれてる方がよかったはずのいよねなのに、我慢しているまくるを見てイラつきを感じてしまう。この気持ちの変容は、まくるの眷属としてのものなのか、あるいはそれとは違ういよねの感情あってのものなのか。

後者のように思われてならんのですよね。

いよねを気遣いつつも求めてやまないまくるの気持ちと、求められることを望んでしまういよねというふたりの新しい関係。これ、かなり意味深な状況と思わされて、いやもうなかなかにいい感じでありますよ。

『エイティエイトを2でわって』

お、来夢さん、太鼓に挑戦ですか!? と思ったら、これ、ゴミ箱だーっ! そうか、ピアノを皆から習うからと爪を短くしてるんですね。感心! ええ、自分も見習って爪の手入れしないといけません。こうやって楽器にせよなんにせよ、新しくなにかを学ぶ、その楽しみ、嬉しさがにじみでてくるような描写じゃありませんか。ええ、素敵な描写だと思いましたよ。

対照的なのが奏ですよ。町の音楽祭に出ようと盛り上がる皆にひとり嫌だと抵抗するんですね。よっぽどピアノに対し後ろ向きになってしまっている。地域のお祭りだから気楽にといわれても、出演する人たちはみんな真剣に音楽に取り組んでる訳でしょう? ええ、確かにそう思うけれど、でもその真剣の向かいどころというの、奏のそれとは違うんじゃないかな。奏はなにか頑なに音楽への対し方を一方向に決めつけようとしているように見えてならない。

だからこそなのでしょうか、美弦がいった、とりあえずわたしのために弾いてくれたらいい。思いもしなかった方向性、新たな切り口が提示されて、ああ、これとても素晴しいのではないでしょうか。音楽は身近な誰かのためのものでもいい。もちろん自分自身の楽しみのためでもいい。そうした様々な向きあい方にはじめて奏が触れた瞬間だったのかも知れない。これは、これはとてもいい! ええ、とてもいいですよ!

それでもなかなかうんとはいわない奏。リバーシ勝負で回答の引き伸ばしにかかるのだけど、それでもいろいろ考えて、美弦との連弾でなら出てもいい。そういったのですね。

これは、以前ピアノに向かった時、美弦となら弾けた。そうした記憶もあるからなのかも知れませんね。あるいはそれよりももっと、楽しさをもって引っぱってくれる、そんな美弦の存在に引かれる思いなどもあったりするのかも知れませんね。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

お皿を割っちゃった! そりゃあいけないことなんでしょうけど、ユーリさん、やたらと怖れすぎなのでは!? つくしはきっと怒る、きっと尋常でなく怖い。

こんなこと考えてしまうユーリは、その来歴にこうした発想が出るだけの所以があったりするのかも知れませんね。対して飄々としている倫。これはこれで焦らなさすぎでは!? と思うんだけど、今回のことに関しては倫が正解。つくし、怒りませんでしたね。むしろ危ないから、ケガするからとふたりを遠ざけて、片づけをやってくれました。

心配してくれてよかったですね。と思ったら、倫の感想が面白いな。つくしのこと、人ん家のお母さんみたい。いや、むしろおばあちゃんなの!? お菓子が寒天ゼリー。お菓子の謎チョイスって、そうなの!? だったら自分はおじいちゃんだ! でもつくしさん、少しずつでも運動した方がよろしくてよ。

とか思っていたらですよ、おおう、失礼しました。つくしさん、体力はないけどパワーはあるんだ! 倫が持ち上げられなかったユーリの鞄を軽々片手で! さらにはスチール缶をニコニコ笑顔でぺったんこに!?

びっくりの属性、判明してしまいましたよ。

属性といえば、ユーリのはっきりとしない性別。下着を見られないために、洗濯は自分でやっているのか。それはそうと、その時の倫との会話見てると、やっぱりユーリは女子っぽいな。いや、本当に? わからんのだけど、なんかそんな雰囲気ありまして、いや実際そうなのかも。いずれつくしにも明らかにされる日がくるんでしょうか。

この性別を隠すところも、食器壊した時の反応みたく、来歴によるんでしょうね。スパイの云々だけじゃない、なにかあるのかも知れませんね。

2023年5月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年7月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。メインの5人が着ている制服。これはなにか!? と思ったら、銀河特急! エイプリルフールの企画で登場したものだったのですか。金色の鉄道時計を手に出発進行を指示するチノがセンター。その表情も凛々しくて、そして涼やかで、まっすぐに前を見据えるその視線の確かさもまた素敵な表紙に仕上がっています。

今月は新規ゲストが3本です。

『私の推し信仰してくれ』

神とはなにか? 別に哲学的な問とかではなく、ネットで神絵師と呼ばれたことが重荷となって、絵が描けなくなってしまった主人公、茶木美住。あまりにわからず、近所の神社を訪れてみれば、そこにいたのは車イスの不思議な少女。着物? 車イスも普通のものではなく、そして足には苔? この凝りに凝った姿、さぞや名のあるコスプレイヤーなのかと思いきや、なんとこの神社の神だという。

ただ、人の信仰を集めるのが難しくなった現在。その力はいちじるしく弱まって、美住に見せた奇跡のために費やした寿命が2週間!

けれど、2週間の寿命を削った価値はあったぞ! この奇跡を目の当たりにして火がついた美住の創作の思い。目の前の神を名乗る少女、ツバキの絵を描きはじめ、そしてそれをSNSに投稿してみれば、徐々に集まってくる信仰。かくしていいねの増えるごとにわずかずつでも寿命が伸びていく。

神と呼ばれたイラスト描きと、力を失いつつある神との出会いが生み出す、SNSを舞台に繰り広げられる成功と信仰復活のストーリー? これ、神が一介の人間に神を目指さないかと誘いかけるシーン、そこに力点が感じられて、ぐっとくる。面白くなりそうな予感をさせる第1話でした。

『うちゅうのふつう』

地球の調査に向かうべく宇宙を渡る乗り物、UFOの開発に挑戦するチヒロ。というか、UFO自体は実用化されてる世界なのかな? 惑星メンダコ。調査員アミを地球に送るため次々とUFOを作るチヒロなのだけれど、あまりに自由な発想が災い? 小型化を推し進めすぎてアミが乗り込めなくなったり、設計図というか完成予想イラスト? をもとにクラフトするも、目標どおりにまったくできてなかったりと、前途多難な宇宙開発。

作っては打ち上げ、そして失敗を繰り返す。その結局はやっぱり駄目という、というか最初からうまくいかないの見え見えなのに、それでも信じてみようと思ったり、案の定こっぴどく失敗したりと、楽しいコメディになっているんですね。

キャラクターの可愛さと、ちっともシリアスにならないそのゆるさが持ち味だと感じました。地球調査局局長からのおしおきも、トゲトゲ棍棒で尻を殴る! というのだけど、音だけはすごいけど全然痛くない安心安全設計。とにかくゆるいその雰囲気にやられてしまう漫画です。

『魔法少女マジか☆る~ん』

お友達のマヤちゃんから、魔法少女になってほしいとお願いされたヒロイン、るん。いったいなにごと? マヤは成績優秀、スポーツも抜群、文武両道の頑張り屋。だけど突然こんなこといいだすなんて……。きっと勉強のしすぎでおかしくなったんだ。

るんの発想! けど、そう思うくらいマヤの発言は衝撃的だったってことなんでしょうね。

しかし、マヤ、最初に魔法少女になっていた子ですけど、立ち位置としては二人目、青系のポジションぽく感じます。で、実際に変身して戦闘となったら、殴る蹴る、殴打に次ぐ殴打、まったくもってフィジかる〜んだったというんですね。

とはいうけど、プリキュアだって基本殴打だから、今どきの変身ヒロインとしてはスタンダードだよ!

SNSを通じて普通に身バレしているマヤ。当然のように居場所もバレてて、挑んでくる怪人ダーク★シュガー。というのも隣のクラスの佐藤くんとわかってて、この顔見知り間のめちゃ狭ご近所大戦的雰囲気。これは実に私好みといわざるを得ませんでした。昔からそうなんですよ。敵と味方が普段から顔見知りで、普段は普通に接してるみたいな世間めちゃ狭系のお話。

なのでこの漫画ももし続くなら、刺さる可能性が高い。しかしそれにしても、変身してみせたヒロインるん。必殺技がマジカル☆通報って、魔法よりも警察権力の方が強いのか!

こういうナンセンス。敵の攻撃も人をダメにするクッションだったり、そういうところもポイント高かったです。

2023年5月18日木曜日

ドラゴンカリバー とりもどせ!巨人の宝物

大創出版から発売されたゲームブックの話題がtwitterを駆け抜けたのは、つい数週間前のことでした。ダイソーからゲームブックが出る! 「きみが決めるストーリーブック」というシリーズ名で、まずは2タイトル。『ドラゴンカリバー とりもどせ!巨人の宝物』と『ふしぎ探検キミ&ユメ ~消えた人形事件~』が出版されるというので、これはぜひとも押さえておきたいと、ダイソー店舗をふたつほどまわってみたのですが、残念! どちらも扱ってなかった! どうしよう。君はここであきらめることもできるし、思いきって取り寄せをお願いすることもできる!

注文しました。

このtweetを見て、ダイソーって取り寄せできるんだ! って驚いてる人がいたんですが、実は自分も驚いています。駄目元で取り寄せってできますかと聞いてみたらなんとできてしまった。ああ、なんでも試してみるものだなあ!

ということで、1週間ほどで店に届いて無事購入することができました。ありがたいですね。

とりあえず遊んでみたのは『ドラゴンカリバー』。理由は特になく、たまたま上に積んでいたからというだけ。これはドラゴンのソーと一緒に旅をする男の子が主人公。『ふしぎ探検キミ&ユメ』は女の子が主人公なので、それぞれ男子向け、女子向けと位置づけられているのかも知れません。

昔、ゲームブックというとどうしても男子向けの印象が強かったけれど、このシリーズをきっかけにゲームブックというものを知った子たち向けに、男子向け女子向けといわず、多数発売されることとなって、この界隈が多彩になったら嬉しいなあと思っています。

さて、ゲームとしては簡単。ターゲット層は小学生中学年からって感じでしょうか。平易な文章、漢字にはルビがふられていて、読みやすい、項目数も130とコンパクトだから、ちょっと手にとって気楽に遊べる。プレイ時間は1時間かからないくらい。それでいてマルチエンディング、分岐あり、アイテムあり、謎解きあり、ギミックありと、このコンパクトな内容によくもこれだけいろいろとゲームブックのエッセンスを盛り込んだものだ! と感心する出来でした。

大人向けではないので、内容もシンプルです。基本、誠実なふるまいになるよう進めていくと、よりよい結末に辿り着くことができる感じ。でもそれはこの本の遊び方のひとつにしか過ぎなくて、より不誠実で、乱暴で、物騒な選択をしていったらどうなるんだろう!

そうした展開のいろいろを読み尽す楽しみだってあるのだと思います。

物語は、なるほど、そういうことだったのか! と思わせてくれるものありまして、この展開は予想してなかった、とかいろいろ書いちゃうとネタバレになるので詳しくは触れません。

ぜひとも皆さんもこの本を手にして、この物語に触れてほしい。そしてできればいろんな人に広まってほしいと願っています。

  • 藤浪智之文,佐々木亮絵『ドラゴンカリバー とりもどせ!巨人の宝物』(きみが決めるストーリーブック) 大創出版,2023年。
  • 大創出版

2023年5月17日水曜日

鉄道にっぽん!路線たび

 eショップ終了直前セールで購入した『鉄道にっぽん!路線たび』。買っただけじゃなく、ちゃんと遊んでいますよ。まずは地元で最大のお目当てだったタイトル「叡山電車編」を試してみたのですが、思ったよりも大丈夫だった! 鉄道シミュレーター系のゲームはほぼ遊んできていない自分には難しすぎたりしないかなあ、みたいな心配はまったくの杞憂。ただ、オーバーランせずに定刻どおりに運行するのは難しいですね! ほんと、まるでちゃんと停まれない。これ、最初にレクチャーモードとか必要なのでは? 制動距離がどれくらいとかまるでわからない中、試行錯誤で挑戦する。そういうゲームと考えていいのかな?

「叡山電車編」では叡山電車の鞍馬線、出発駅の出町柳から終点の鞍馬まで、各駅停車で全駅間を走行することができます。路線はそんなに長くないので、思ったよりもプレイ時間はかからなかったです。また見どころである市原から二ノ瀬のもみじのトンネル。これがおそらくはこのゲームの最大の売りで、一面の紅葉を楽しみながら運転できる。

といいたいけれど、速度メーター見るのに必死で景色なんて見てらんないよ!

何度も遊んで、速度をメーターに頼らないでもある程度把握できるくらいになってからが、このゲームの本番といえるかも知れませんね。

ゲーム内での評価ポイントは、定刻どおりか、そして停止位置ジャストかの2項目。時間を守って停止位置どおりに停車できるほど評価があがって、最高がAで最低はCなのかな? 取得したランクによって駅間ごとの関連トピックが解放され、Bでひとつ、Aでふたつ。ひとつは沿線の名所、もうひとつは叡山電車関係の鉄道トピックである模様です。

で、このAをとるのが結構難しくて、序盤の元田中~茶山間を何度もチャレンジしてなんとかAをもぎとって、これ全駅でやるとなると結構大変だな! 遊びごたえはありそうなゲームでありますよ!

しかし、なにが難しいって、ゆっくり走ってると到着時刻に間にあわない。かといって急ぐにも速度制限があるから限界がある。なので制限ぎりぎりの速度で急いで、最後の最後、突っ込みぎみに駅に進入して緊急ブレーキで停めるという、乗客からしたらたまったもんじゃない乱暴運転ですよ。本当、これ、慣れてうまくなったらもっとスムーズに、それでいてかつ定刻どおりに走らせられるのかな。

多分、「叡山電車編」で一番難しいのは路線区間が一番短い元田中~茶山間だと思うので、残りはもっと楽にいけるはず! と楽観してますが、それ以前にもっと頻繁に遊ばないと上達しないのが問題です。

2023年5月16日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年5月15日月曜日

Fish Eyes 3D

 『Fish Eyes 3D』、クリアしてました。半月くらい前でしたか、最後の課題となる一定サイズ以上の巨大魚釣り上げミッションをクリア。ちゃんとエンディングが用意されていたのには驚いたのですが、これで好きな釣り場に自由気ままにいったりいかなかったりできるようになりました。いや、別にミッション出てる時も好きな釣り場にいってよかったんですけどね。この時点で総プレイ時間10時間25分。いいサイズなのではないでしょうか。手頃に遊べて手頃にクリアできる、そんなゲームが好きな私には、ちょうどいいサイズでした。

繰り返しになりますが、私が遊んだことのある釣りゲームは『Fish Eyes 3D』と『Real VR Fishing』くらい。『夢をみる島』とか『時のオカリナ』はさすがにカウントできないですよね。でも、こういうゲーム内のミニゲームで釣りがあると、本筋放っておいて延々遊んでいたりしたのが『Real VR Fishing』購入のきっかけになっているので、ノーカウントにはしたくないかなあっていう気持ちもあったりします。

さて、ゲームというのは、とりわけ釣りという現実に存在する遊び、スポーツをモチーフとしたゲームの場合、どれだけ本物らしいか、リアルであるかというベクトルと、それとはまた逆に現実には到底手の出せないような大物、『Real VR Fishing』なら各種のサメ、『Fish Eyes 3D』ならピラルクといった夢の大型魚にチャレンジできるという、現実を離れたところにあるエンターテイメントの追求。そのバランスでできてるんだなあと感じています。

バンダイナムコの『釣りスピリッツ』は、後者のエンターテイメント性全振りみたいなゲームですよね。だって、電撃みたいな必殺技を放って弱らせて釣り上げるみたいな、まさに現実を超えた強敵とのバトルみたいな趣きがある。それでもって、釣れるのも大物、巨大魚、むしろ怪物みたいなラインナップ。その思い切りこそが釣りスピなんだといわんばかりのダイナミックさです。

設定次第ではあるけれど、ルアーや魚の動きを目視できない『Real VR Fishing』と、キャストした後は水中視点になる『Fish Eyes 3D』といったように、その見せ方にもまたいろいろ幅があって、一口に釣りといってもいろいろなアプローチがあるものだなと、わずか数タイトルだけですけどね、釣りゲームをいくつかプレイしてみて感じたりしたのでした。

そのアプローチの違いというのは、制作者が釣りのどこを再現したいか、どこに面白みを感じるか、そういう着目するポイントの違いであるのかも知れません。そういう意味では、自分にとっての決定版といえる釣りゲームにはまだ出会えていないようですよ。

2023年5月14日日曜日

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム

 先日、5月12日に発売されましたゲーム『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、ダウンロード版の特権といっていいでしょうか、日付が変わって即遊べるようになったので、それ以来、毎日時間を見つけては遊んでいます。いわずと知れた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編。厄災ガノンが討伐され、荒廃しきったハイラルも復興しようとしていた矢先に発生した新たな災い。姿を消すゼルダ。そして再びパンイチから冒険をはじめるリンク。基本の操作や世界観は前作を踏襲しながらも、大きく進化したそのシステムはものすごく面白い。ええ、できることが増えた。しかしそれがわずらわしくないというのはすごいことだと思います。

世の中にはもうクリアした人もいるようですが、私はまだ遊びはじめたばかり、序盤を過ぎたあたりでうろうろ迷子になっています。昨日なんかはこんなこといってましたね。

この時点で、前作でいうシーカータワー、鳥望台を3つ見つけて登っていたのですが、なにをしようともマップが更新されなくて、なんで!? どういうこと!? さっぱりわからない! と悩んでいたんですね。

さらにはいくつか祠にもチャレンジしていたんですが、どうしても向こう岸に渡れない祠ミッションがあって、どうやるんだろう、渡されてる部材をどう組みあわせようとも向こうまでいけない。えらいこと悩んで、ああでもないこうでもないと試行錯誤していたんですが、なんてことない、パラセールで渡ればよかったんです。

でも、それができない理由がありまして……。ええ、メインチャレンジをまるで進めていなかったせいで、鳥望台もパラセールもまだ解禁されていなかった……。

ほんとのほんとにアホなのか。序盤も序盤、それこそまだチュートリアルが全部終わってないくらいの状態でもう迷子になってしまっている。別にストーリーに逆らおうとか思ってやってるわけじゃないんですよ? むしろ順番に進めようと思っているんですよ? でもこんなに迷ってしまうというのは、目の前に祠やらなんやら、気になるものがあればまずこれを終わらせておこうとそちらに向かってしまう性質のためなんでしょうね。

いや、ほんと、まいりましたよ。

今回の変更で面白いなあと思うのは、ろくな武器が手にはいらないようになっているので、自分で石やら岩やら牙やら角やらと組み合わせて強化する要素ですよね。これ、ただの棒でも石や岩をくっつけると掘削棒になるので、岩を壊して鉱石や宝石手にいれるのにとても便利! でも逆に、掘削能力のない装備だとまるで岩には歯が立たず、そこら歩いてると出てくる石の敵も倒せない! さらには樹木は斧の機能を持った武器でないと倒せないとか、前作よりも装備の属性相性が重要になっているんです。

また大きく変わったのは、矢の種類でしょうか。以前は普通の矢に加えて、火矢とかバクダン矢とかが別にありましたが、今回は普通の矢に燃える実とか爆発する実をくっつけてやることで、火矢、バクダン矢として使えます。これ、矢をそれぞれ集めておく必要がないので管理が楽になって助かるなあ。あと今回は、矢は上限あるんでしょうかね。普通に矢を拾えるだけ拾って3桁ほど持てましたけど、前作だとある一定数持つと店売りがなくなったりして入手が大変になりました。今回はそういうことがないといいなあと思っています。

変わって困ったこと! 今作ではシーカーストーンがないので、そいつにまつわるアイテムはすべて刷新されることとなりました! そのひとつが先にいった武器の強化能力で、また別に板や材木を組みあわせる能力なんてのもあったりして、これがまた面白いのですが、反面、前作でめちゃくちゃ便利だったアイテムがなくなりました。

それは、リモコンバクダン!

うわあ、困った。リモコンバクダンはウェイトタイムこそあれど無限に使えたので、前作ではメインウエポンとして大活躍してたんですよ。前作でも武器は壊れる消耗品でした。矢もわりと貴重品でした。でもバクダンはいくらでも使える。なので巣にこもるボコブリンたちをバクダンで吹っ飛ばし、水中から岩を飛ばしてくるオクタロックをバクダンで吹っ飛ばし、そこらから沸いてくるチュチュやイシロック、骨どもを吹っ飛ばし、薪が必要となれば樹をバクダンで吹っ飛ばし、とにかく多様な局面でバクダンに頼ってきたのが私の『ブレス オブ ザ ワイルド』だったのです。

ところが今回はバクダンがない。うわあ、めちゃ困った。なにが困ったってイワロックですよ。私、前作ではイワロック系はすべてバクダンだけで倒してたんです。右手、左手とバクダンで吹っ飛ばしたら地面に頭をつくので、背中のウィークポイントにバクダンを投げる。おかげで氷のイワロックに登ったら凍りつくとか、溶岩のイワロックに登ったら燃えるとか、そういうの知らずにやってきたんです。ところが今回は頼りのバクダンがないので、どうしたらいいのか!?

まあ、普通に背中から登ってウィークポイントを掘削棒で叩いてやればいいんですけどね。そのノウハウがないせいで、どのタイミングで登ったらいいかさっぱりわからず、イワロック初遭遇時にはえらい苦労しました。

私みたいにバクダンに頼りがちだった人は、今作、ちょっと苦労するかも知れませんね。

そして今作で感激したこと!

馬宿に愛馬が揃ってる!

これ、4つ目かな? 5つ目かな? の馬宿でやっと気づいたんですが、あの城が吹っ飛んで、空からなんやかんやが降ってくる大災害の中、馬宿協会の皆さんは愛馬を守りきってくれたんだ!

いやもう、これは本当に嬉しいことでした。あまりに嬉しいので、メインチャレンジを忘れて愛馬と走りまわっています。

2023年5月13日土曜日

『まんがタイムきらら』2023年6月号

 『まんがタイムきらら』2023年6月号、昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

おお、物騒な話題だ! このところ暴れる機会がなくって退屈している朱音です。仲間たちを前に集会とかないのか、喧嘩で最強決定戦みたいな、そうそう普通のヤンキーでもやっとらんやろみたいなことまでいいだしてるんですが、ほらー、前から、すずめがいた頃から、そういうのやっとらんかったんやないですか。

むしろ平和だった。ただ、すずめが絡まれたり喧嘩を売られたりはあって、それをすずめがシメていた。ただそれにしても、すずめ不在となった今、まったく無風なのもおかしいと不思議に思ってる。すずめが離脱したことは秘密にされてるのに、どうして?

それで聞き込みしてみれば、なんとまあ、すずめ敗退の噂が立ってるんだ! ただ負けただけじゃなく、怯えて逃げ出した。そんな不名誉な噂が流れているそうで、朱音、すっかりおかんむりなわけですが、これは真実なのか!? すずめの脱不良はこの敗退が原因なのか!? それともすずめ不在を知って、自分の箔をつけたい魔怒桜我の頭に利用された?

いずれにしても、今回、すずめ不在のエピソード。すずめの意図せぬところで、すずめをめぐるいざこざ発生ですよ。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

ゲーム世界からやってきたエルヴィーラたちの前に、向こうの世界からやってきた災厄が猛威を奮います。その相手というのは魔女。衣良と一緒にこのゲームを作った友人、真夜。サキュバスによると、決して敵対的な存在ではなかったはずなのに、今皆の前にいる相手は、世界を掌中におさめんとする、まさしくゲームのラスボスそのものといった言動を繰り広げる敵対者であったのです。

しかしなぜ? 正直、ここで衣良と真夜の再会が叶って、という流れを予想していたのに、そこにいたのは衣良の知る真夜ではなかった。しかしその言動、セリフに覚えがあった。ゲームキャラクターとしての「魔女」のセリフ。真夜に「魔女の設定」が取り憑いてしまっている!

この危機を前に、魔女を倒さなければならない。しかし真夜を傷つけて欲しくない。なんというアンビバレンス! なんとかして真夜を救う方法はあるのか!?

ここでまさかエルの使っている武器、魔女いわくガラクタのような武器が効いてくるというの、うまいと思いました。そうか、魔女は知らないけど真夜は知ってるんだった。ソードコントローラー!

これ、本当に本当のラストバトルといった様相。この局面を切り抜けたらあとは大団円? ああ、どうかしあわせなラストに辿りついて欲しい。そして願わくば、このゲームショップでずっと働き続けて欲しい。なんてわがままなことを思ってしまうのです。

My Private D☆V

『メールブルーの旅人』のこだまりです。

D☆Vポイントは「骨盤が浮き出ている身体は良い」。どーんと大きく描かれた骨盤のインパクトよ! わかる、わかるよ? 私も骨格が感じられる身体はとてもいいと思う。でもそれがこうもピンポイントに骨盤、腸骨のでっぱりがとくるのは面白いなあ。ほんと、D☆Vポイントの自由さ、幅広さ、人の嗜好のバリエーション。なかなかにぐっとくるものありました。

そして加えて、「年齢による骨盤の広さの違いも良い」。添えられたイラストも、なるほど、これはわかる気がする! と思わせるものあって、以前、成長段階で異なる腕の表現として、曲げられた肘に出る骨のかたちの描きわけが絶賛されていたアニメがありまして、それ思い出した。ああ、なるほどなあ、わかる人にはわかる絵というのがあって、それがこうしてしっかり受け取られるのは素晴しいなあ、とか思ったものでした。

今回のD☆Vポイントもそうしたもののひとつだと思う。作者にとってはこだわりで、けれどきっとそれを受け取ってくれる読者もきっといる。そう思わせてくれるD☆V共感のネットワークを感じさせてくれた要素、そしてイラストでした。

2023年5月12日金曜日

『まんがタイムきらら』2023年6月号

 『まんがタイムきらら』2023年6月号、昨日の続きです。

『キミはあくまでも。』

前回描かれたヴェネルとエクールカがふたりで星を見に夜の海に漕ぎ出したそのことが、ふたりの関係にとってのターニングポイントとなったようですよ。

海からの帰り、いつしか眠りに落ちていたヴェネルが見た夢は、エクールカが胸元を見せつけながら迫ってくるというもの。そして目覚めればかたわらには眠るエクールカ。なにかがあったわけじゃないんだけど、ヴェネル、確実にエクールカのことを異性として意識してしまっていて、これはエクールカが魅力的すぎるのが悪いのか、あるいは普段、ヴェネルをいろいろからかう、それがちょいと強めに作用してしまったか。

今回もエクールカ、いつもの調子でヴェネルのことからかって、私とのいやらしい夢を見てしまった…とか……? 当然否定されるのを予想していたのに、ヴェネルは静かに肯定。それを受けたエクールカのいつにない表情がまた印象的で、ああ、エクールカ、ヴェネルの気持ちの傾きに、ついに得たかった思いを我がものに!?

と、そこでお話は終わりません。ヴェネルの家庭教師が屋敷にやってきます。マーシャにサラロット。マーシャはヴェネルの幼なじみ、サラロットはマーシャのお世話をしている人みたいですね。そして重要なのは、マーシャが大聖堂のエクソシスト、悪魔祓いであるということ!

ああ、エクールカにライバル出現です。ヴェネルとの関係的な意味でも、生存的な意味でも、なかなかに穏やかではない状況になってきましたよ。

『ほぐして、癒衣さん。』

「大人だって泣きたい時はある」。わかる! ほんと、わかる。仕事、ひいては人生があまりにつらいと感じる時、ただただ泣きたい、いやむしろこのままじゃ泣いてしまうって時はあるよね!

扉の惹句に思いっきり共感したらですよ、なんか本編見るとどうも状況が違うっぽい。というかむしろ今回はコミカル寄りで、会社にやってきた献血車。献血やってみたかったと無邪気に笑う夏鈴を前に、上司の威厳とやらを気にした癒衣さんが、無理を押して苦手な注射に挑戦する。

って、いやいや、だめだめ、無理しちゃだめですよ。ヘモグロビン濃度を計るために指先にぱちんと穴を開ける時点で、もう癒衣さん、駄目になりそう! しかもまだ自分の番じゃないんだよ!? 先が思いやられると思ったら、より強い痛みでごまかす作戦? みぞおちに一発パンチを入れて、今のうちに! って、これって大丈夫なのか? ほんとにごまかせてる? 種類の違う痛みと痛みのコラボレーションみたいになってない!?

ほんと、癒衣の奇行が目立っちゃってるんですね。

緊張からなかなか血がとれない癒衣。でも注射が苦手とカムアウトした癒衣の手を夏鈴が握った時に奇跡が起きた! 血流がアップ! ほんと、癒衣さんという人は夏鈴との接触で血流も体温もぐんぐんあげていくんだな。ええ、ただ体感ではなく、実際に採血でその作用が確認されるというのがおかしいといっていいのか、いや、むしろその好きという感情の確かさに触れられた、そんな気がしたんですね。

最後のあぶら汗のくだり。めっちゃ気になさってる! いやもう、全然慣れっこになってる夏鈴もおかしい。でもってより一層に体温あげていく癒衣さん。ほんと、どこまであげていくのでしょう。今日ばかりは冷え性に悩まされることはなさそうです。

『Vドルあーかいぶ!』

くるみのピンチ! 同人原稿締め切り目前に配信枠がかぶってる! あと4ページ描かないといけない。配信なんてしている余裕なんてあるわけないけど、配信もお仕事。いきなり今日の今日で休むなんてできない!

あちらを立てればこちらが立たず。そう思われた状況を打開するアイデアが出てきたの、なるほどでしたよ。そうか、作業配信とかあるもんな。内容こそは変更したものの、配信はおこないます。しかもただ作業配信っていうだけじゃなく、原稿終わるまで耐久作業配信と銘打つことで、より一層のイベント感を出してくる。

うまいな。そして面白い。でもって、ここからはじまるいろいろがすごい。まずは皆の技量を知ろうとヒカリ、ふゆ、ツクモにお題にそった絵を描いていってもらう。んだけど、ヒカリが落ちのコマにくるんだろうなってとこまでは予想したものの、まさかのふゆの和風づくめ。これ、実質、3コマ目が山場じゃん! ほんと、まさかの展開、謎すぎる展開でした。

今回は作業配信あるある、作業しながらだからトークがふわふわになるとか、これ面白いなあ。で、ふゆとくるみの思い出語り。ふたりの出会い。周囲に壁を築いていたくるみに、声をかけたふゆ。絵を描いてほしい、あなたの絵が好きだからだと同級生に一本釣りされた。

その時の対話、思いのやりとり。そして今にいたる思いの変化しつつも変わらず続いていること。その描かれようがとてもよかったんですね。なんか、こう、言葉にすると消えてしまうような、そんなほのかなもの感じたんですね。

2023年5月11日木曜日

『まんがタイムきらら』2023年6月号

 『まんがタイムきらら』2023年6月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

季節によって、気温など気象条件によって、見られる鳥も変わってくるという話ですね。いつもなら鳥がたくさんいる公園も、こう暑くなるとずいぶん静かになってしまって、すわなにごと!? 翼に連絡してみれば、夏の暑い盛りには涼を求めて山地に移動したりするんですって!

鳥見のポイントを知っている翼は、水辺にて鳥の鳴き声に包まれていて、電話ごしのすずはカエルの鳴き声? と思ったくらいの大賑わい。これ、オオヨシキリの鳴き声なんですね。ソングポストという、個体ごとに決まったさえずる場所があるんだ。こうしたことは知らなかったので、なるほど! 面白いです。

そしてカワガラスにも遭遇。カラスというけど、カラスの仲間ではない鳥。潜水ができる。水中で移動ができる。しかも水底を歩くんだ! その行動を追い、逐一翼がすずに伝えてくれるんだけど、まるで見つけられないすずが面白くて、こういうところにも対象への理解、その生態や行動様式をわかってるかが重要になるんですね。

最後にひなの家に巣をかけているツバメたちのその後が描かれました。ばあやさんに起こされるひなお嬢さま。なにかと思って連れていかれるままに後を追ったら、なんとツバメの子が一羽いなくなっている!

巣から少し離れたところにとまっていたんですね! こうしてはじまる巣立ち。いつかこの子たちも成鳥となって、ふたたびこの今泉の家に戻ってきてくれるのかもですね。

『妄想アカデミズム』

文武両道室町先輩。体育祭でもその能力をいかんなく発揮して、飛び交う生徒たちの声! ものすごい人気なんですね。

今日に限っては、莉子と未春は敵同士。莉子と同じ赤組になれないものかと、物騒なもの交換条件に組替えを期待する未春ですが、赤点10個で赤組編入なら、莉子は白組移籍になっちゃうよ!?

3年生の未春にとっては、これが学校最後の体育祭。なんとしても勝ちにいこうと精一杯の頑張りを見せる莉子と未春が、思わぬところで直接対決! 最終種目にして花形競技。リレーのアンカーとして直接ぶつかることになってしまった! というのですが、莉子はきっとその実力から選出されたのでしょうが、未春はじゃんけんで負けて! そうか、みんな負けの責任を負いたくなかったんだな……。

そんな消極的な理由でアンカーとなった未春でしたが、頑張る未春の姿を見て、全力も出さずに負けるなんて駄目だ、勝ちを譲るなんて駄目だと、負けず頑張りを見せるところはまさしく見せ場でありました。しかも逆転勝利するだなんて!

最後に莉子に謝る未春だけど、全力で競えたことを逆に喜んでもらえた。本当、感動の情景。未春のやればできるということ、信じたくなる情景でした。

『それでは、ステキなセッションを。』

オーディションの結果にくじける是沢を元気づけようと、皆を海に連れ出してくれた徳庵。今回は音楽を離れてリフレッシュだ! 精一杯遊ぶぞーっ!

といいたいけど、まずはじめに、是沢のオーディション、結果はまだ出てません! そして徳庵の意図が判明。遊ぶんじゃなかったのか! 全員、徳庵が用意したラッシュガードを着用して、まずは砂浜を全力ダッシュ!

今回のエピソード、体力づくりのトレーニングだったか! しかしこの状況でも、水ピックアップガチャで是沢たちから絞りとるてんちゃん、割と地獄からの使者だな。水くらい、普通にそこらで買ってきてさしあげて!

そしてしっかり音楽要素もありますよ。遠くから聴こえてくるリズム。見れば、いくつものバケツをドラムのようにして演奏している人がいる。ポリリズムを駆使した変拍子。複雑だけど引き込まれる、そんな魅力に感心していた是沢たち。で、このお姉さんがなんと徳庵の知り合い、というか昔のバンド仲間!

元トキオンのドラマー、知花カンナ! トーキングインネオン関係者は互いに引かれあうのか! ほんと、どんどんトキオンメンバーが出てきて、関わってきて、そして誰もが一癖も二癖もあるってんだから大変そう! このカンナさんは、ドラムだけあって一色との関係が強くなっていくのかな?

といったところで朗報ですよ。是沢、オーディションに合格だそうです! これ、本採用? あるいは二次審査がある? いずれにしてもまずは前進。よかったですね、是沢。

2023年5月10日水曜日

『まんがタイムきらら』2023年6月号

 『まんがタイムきらら』2023年6月号、昨日の続きです。

『星屑テレパス』

鳴らなくなってしまった鉱石ラジオとともに、あの座標の場所でずっと待ち続けているユウと海果。待てども繋がらぬ交信に、すっかり気落ちしてしまっているユウがつらい。あんなに元気だった子が、果てしない孤独を感じて、まるで精気を失ってしまっている。その様に、私がいると、きっと私がロケットでユウを星にまで連れていくからと、海果が元気づけようとしてくれたんですけどね、それを受けたユウの行動。あまりに深い絶望に、ユウ、自分を見失ってしまっているように見えてしまったんですね。

それでも海果、諦めないんですよ。泣きながら駆け出していくユウの背中に向かって、たどたどしくも自分の言葉で、絶対にユウのこと見捨てないって、自分はユウの地球で最初の仲間だって。

そしてついに決意を確かなものにする。ああ、鉱石ラジオと座標の謎。それは瞬が見つけたノートの記録に関係するものなのか。海果はその事実を知らず、それでもその秘密に辿り着いたというのでしょうか。

物語も佳境なのでしょうか。海果の見せる本気。そのいつにない凛々しくも決然とした姿に、はっと心ひかれるばかりでした。

『スロウスタート』

おや、プール回は飛ばされたのかな? と思ったら、まだその前日譚といったところ。郵便局に向かう榎並に栄依子がくっついていくという話。よくあるというか、栄依子がやりがちな行動に見える! そしてその道すがらに交わされる言葉のあれこれ。益体もないといっていいのか、それでもそこになにか感情、思いの交差するところなどあるのか。

あった、と思わされる瞬間があったんですよ。郵便局前で榎並を待つ栄依子が話していた男子高校生。なんでもない小シーン。そう思わせて、栄依子に思いを寄せるその彼の目が捉えた栄依子の姿、そのあまりに特別な様子が描かれたり、そして彼の恋心に気づいた榎並が栄依子に話したこと。榎並は特にそれでなにか思ったりしたわけでもないのだろう。とは思うのだけど、彼を気の毒に思ったか、栄依子のいうように、同じ思いを持つ者としての特別な感情などあったのか。

後者はないような気がしますけどね! でも榎並にとって栄依子はやっぱりちょっと特別なんだと思う。しれっといつも達者な感じで榎並にも絡んでくる栄依子だけど、お前の水着姿楽しみにしてる、その一言で真顔にさせて赤面させてというね、ほんと、この寄りそうで寄らない距離感の絶妙さよ!

これ、卒業とともに思春期の思い出と化してしまうやつなのかな。ほんと、どうなんかな。なんかすごく特別な時間。これが時経て思い出になっていってしまうのだとしたら、切なさやるかたなしであります。

『かみねぐしまい』

神の子が、私は神だとカムアウト。

助けてくれたお礼にお願い叶えてくれるというのですが、それは神としての修行なのですか。母からいいつかって、この人という人をひとり見つけて臨みを叶えてくるよう送り出されてきたのです。

神の子の前にはふたりの少女、ツギノとまえな。それぞれにいいところのある子たち。けれどたとえの話で地球を滅ぼしかけたツギノ。切なさ、母への思いを胸に、大変な状況を生み出しそうになってしまったまえな。出てきそうでなかなか出てこない願いごとを前にして、人間の願いの難しさを知る神の子の表情がおもしろ可愛かったです。

しかし、このお願いを叶えてくれるというの、相手はたったひとりですよ! っていうことにふたりが気づいた。ただでさえ仲の悪い姉妹です。こうなったらもう収まるわけがない。あいつに願いごとを決めさせたらロクなことにならん!

ここから、願いごと争奪戦!? あるいは妨害戦が始まろうというのですね。

第1話にてざっと登場人物の紹介をして、続く2話目で世界観とその方向性をしっかり決めてくるところ。さすがだあ! と感心しています。いやほんと、これは面白くなりそう。ガチ妨害が容赦なく繰り広げられそうな、それぞれの持ち味を発揮した暴力ではないバトル系みたいになっちゃうんかも知れませんね。

2023年5月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2023年6月号

 『まんがタイムきらら』2023年6月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。シックな色合い、銀河、満天の夜空をまとうかのようなふたりのドレス姿はそれだけでもう美しく、海果にユウ、少し元気がなく見えるユウを、天地逆に重力を感じさせない様子でユウを見上げるようにしながら、手に手を添える海果の表情。その神々しさ! ああ、海果がユウの救いになればいい。ユウの支えになってくれればよいと、そんな思いにさせられる表紙。なににも増して美しいのが素晴しいです。

今月は新規ゲストが3本です。

『さいはてララバイズ』

宇宙を旅するケモみみ少女たち。宇宙ゴミの処理をしていたら、謎のコンテナを発見。なにかいいものが入っているのでは!? 早速回収してみたら、出てきたのは謎の生物。あかん、密閉空間に未知生物が入ってくるのは滅亡フラグだぞ!

とはいえ、そこまで酷いことにはなりませんでした。

犬だったんですね。彼女たちからしたら知らない生物。汚染を検知したら即消毒態勢に入るくらい、きっちり防疫してくれるシステムがあるから安心? そして犬という生物を調べて、短命ながらも飼ってみたいと、ちゃんとお世話もするからと、まるで捨て犬を拾ってきた子供みたいな流れで謎生物の受け入れが決まっていくんですね。

しかし、犬は私たちからしたら馴染みのある生物ですが、その犬を知らない彼女らはどういう人たちなのでしょう。かなりの長寿命らしい。代謝も低いのか、食事は週に一度でいいらしい。そんな彼女らの目的は、自分たちの星系の恒星のエネルギーを使い尽くしてしまったために、新たな恒星系を探している。すなわち新天地を求め旅しているというんですね。

そんな彼女らと、ペットとして懐いてくれたワンコとの別れ。死にゆく運命にある犬の命運を受け入れ、そして看取ってなおその存在を引き受けともにあろうとする気持ちこそは、命というものに向き合う、そうした様そのものなのかも知れませんね。誰もが多かれ少なかれ触れる、そうした局面のひとつのあり方であったように感じられました。

『ぐいもあ~る』

魔法の存在する世界。500人にひとりくらいの割り合いで、魔法の使える女子の生まれてくるこの世界では、魔法を学ぶための学校があり、主人公の野中ほのも魔法高等学校に進学することとなったのですね。

ほのの友達、井田光月も魔法が使える女の子。ほのの幼なじみなのだそうだけれど、魔法少女の生まれる割り合いからしたら、そこまで珍しくはないけど、そこそこくらいは珍しい部類に入るのでしょうか。同じクラスで、ほのと意気投合した夕桐恵里は、山口県からここ長崎にまでわざわざきているらしい。なるほど、国内に5校しかないから、中国地方からだと長崎が最寄りになるんだ。大変!

それぞれに異なる能力を持つこの子たち。恵里は植物を繁茂させる魔法が得意。なんでもない、それこそ遊びやいたずらの延長みたいな感覚で、あっちにこっちに花やら蔓やらをモリモリ茂らせる面白ガールです。

光月は水を操る力があって、なにもないところからでも水をどばどば湧かせることが可能なの!? 時代が時代なら、あなた、空海みたいに伝説になったわよ!? しかしこの子、ちょいクールで可愛いですね。ウルトラお気に入りです。

そして最後に、ほのの能力。長寿の子と呼ばれる世にも珍しい能力。30歳くらいで成長がとまるらしい! そしてそんなほのに迫るのが、山辺なる謎の女の子。ほのの寿命を貸して欲しいと迫るその真意やいかに!

というか、寿命の貸し借りってできるの!? 利子つけて取り立てられたら、山辺さん、大変よ!?

『オンラインのクレオメ』

高校生にして小説家、一宮つくしには推しがいる。1年A組の設楽夕莉。直接言葉を交わしたことはないものの、遠目に見つつ、妄想でもっていろいろと補完。それをSNSに放流していたら、りりなるハンドルネームの子が興味を持って交流してくれるようになりました。

かくして今日は、つくしとりりの初オフの日! きっと陰キャ仲間と思っていたのに、現れたりりは実に可愛い女の子。あまりのことに冷静さを失ってしまうつくしですが、ほどなく正気を取り戻して、普段の推しへの思いもろもろ、りりと話しあうにいたるんですね。

最初ね、りりがそのつくしの推しである夕莉なのかなって思っていたんです。でも会ってわからないってことは違うのかな? そう思いながら読み進んでいったらですよ、りりの推しキャラ、うさぎのノアちゃん、翌日これと同じものを夕莉がカバンにつけていた!?

この漫画、まだ第1話。ということは続くということ。

あまりにイメージが違ったせいか、学校での夕莉、SNSでのりり、あるいは学校ではおすまし、普段は自然体、そんな違いがために、つくしにして同一人物とわからなかったのかも知れませんね。と思わせて、実はやっぱり違う人パターンもあるわけですけど、ほんと、これ、どういう関係性なんだろう。それがいつしか明らかになるだろう今後の展開。そしてそこに生じる気持ち、その揺れ動きたるやいかなるものとなるだろう。

夕莉のそれが気になりますよね。ええ、実はクールだったりり。りりが夕莉なら、つくしの推している相手が自分と知った時の反応、いかなるものか気にならないわけがありません。

2023年5月8日月曜日

『まんがタイム』2023年6月号

 『まんがタイム』2023年6月号、一昨日の続きです。

『スーパー恋愛タイム~現場でドSな彼女は自宅でデレる~』

恋愛禁止とまではいわないけれど、正義のヒーローと悪の女幹部がつきあってるのは極力内密に、ということでアツシとリナはふたりの関係を知られないようつとめなければならない。

だというのに、お隣さんに、ちょうど番組の対象年齢層の男のお子さんがいらっしゃって、ヤバい! 気づかれちゃうかも! かくして変装をすることとなったのですが、いや、その誤ったテキサス州みたいな格好はいかがなものでしょう!? これ、あまりに異質すぎて逆に目立っちゃうやつですよ。

今回、変身ポーズでアツシがちょっと悩んでます。変身時に、ブレスレットに通信機をはめ込む必要があるんですが、どうしてもうまくいかない。ノールックでやらないといけないのに。といって、何度も何度も練習を重ねているんですね。

しかし、お隣に小さなお子さんがいるのに、何度も大きな声で変身シーケンス繰り返してたら、本放送開始したらバレちゃわない? みたいな危機、リスクをはらみつつのふたりの生活。撮影の裏話? みたいなのにも触れられて、こういうところも面白いなあ、なんて思いながら読んでましたら、最後の最後に、どえらいラスボスが登場してきてさあ大変ですよ、これ!

お隣さんのママさん。特撮にどうも詳しいっぽい? からの、ヤバい、これガチ勢だ。スーツアクターを追うレベルの特オタと判明して、これは、これはヤバいですよ!?

でも、もしこのママさんがスーアクガチ勢で変身前には興味ないならアツシは安心!? いや、それはそれで悲しい気がする! ええ、ママさんにも興味持ってもらいたい、けど興味持たれると即バレしそうな気もする。

ものすごいアンビバレントが生じてきましたよ。

『午前0時のおねだりごはん』

米沢母、すっかり牛喰のこと気にいったっぽい!? どころか、なかなかいうこと聞かない娘を説得させるために、昔の写真を餌に牛喰を動かそうとまでする!?

いやほんと、強引なお母さんです。でも、それくらい母の日にお祝いしてもらいたかったんですね。強引、けれど寂しがりや、そんなちょっと可愛い人でありますね。

で、米沢なんですが、牛喰の言動もろもろが母の差し金と即理解したのはさすがです。でもそれでも抗えないのが牛喰の料理。牛喰へのおねだりを実家で皆と一緒に、と要求をうまくひとつにまとめてしまったんですね。これ、すなわちWin Winってやつでしょうか。米沢はおねだりごはんで嬉しい。米沢母は娘がきてくれて嬉しい。米沢父は出張が入っていて悲しい!

ああー、パパさん! なんて不憫なんでしょう。

しかし今回も米沢母、いきいきとして魅力的。ちょっとわがまま、困ったお母さんだけど、心を許すと可愛くなるタイプの人だなあ。それで牛喰と母が仲良く話したりしてるの見て、ちょっとジェラシー? 米沢の独占欲、これもまた可愛いわがままだったと思います。

そして牛喰は米沢家にお泊りです。で、一緒に米沢の昔の写真を見るというのね、なんだもうほんと、誤解されやすそうなお母さんですが、最後の最後まで可愛らしいところを見せてくれました。

『良倉先生の承認欲求』

今回は良倉と上枝、ふたりの話ですね。タコを買いすぎたのでたこやきパーティーをしましょう! 嬉しそうな良倉が可愛い! と思ったら、上枝はあっさり拒否。いったいまたなんで!? と思ったら、あー、良倉の映え活動につきあわされてあっちこっちでスイーツ食べ続けた結果、太ってしまったんですか。

上枝はこういうの気にしそうなタイプだものなあ。かっこいい自分を維持したいタイプ。対し良倉はというと、気にしないというか、食べてもあんまり太らないタイプに見える。そのへん、なかなか噛み合わないふたりであるのかも知れませんね。

ということで、今回はいつもとはちょっと違って、上枝に良倉がつきあわされることになりましたよ。運動しましょう! といったら今度は良倉が断固拒否。でもウォーキングくらいならと一部要求を飲んでみたら、ランニングに格上げされてしまって、ほんと、良倉、普段運動してないものだからボロボロじゃないですか。

で、運動したらお腹がすきますね。それで焼肉屋に吸い込まれていったら、そりゃもうあかんわけですよ! 運動で消費したカロリーと焼肉で摂取されるカロリー、収支はどう考えてもプラスですよ! これはもう最初っからたこやきパーティーやってた方がマシだったのでは!?

面白かったのが最後のページ。たこやきパーティーにつきあってやろうかと上枝が思えば、ひとりたこパをダシにぶんちょー紳士動画公開しとる! いいねも大量、1万超えた! とか思って良倉喜んでいたら、上枝が女体化良倉で軽く3万オーバーを叩き出しているという!

この熾烈ないいね争い。いや、争ってるのは良倉だけかもですが、ほんと、ふたり揃ってのあいつっての、尋常ではない面白さでした。

2023年5月7日日曜日

『まんがタウン』2023年6月号

 『まんがタウン』2023年6月号、一昨日の続きです。

『あの世で猫になる』

一人暮らししてると、親チェックってのがあるんですか! その日の朝に連絡があって、その日のうちにやってくる。すなわち抜き打ち! 雑な生活してはいないか。あるいは親になにかしら隠し事していないか。ってことなのだと思うのですが、朝倉さんにとっては特になにも問題はないみたい。

逆に焦るのがタマなんですね。

部屋はちゃんと片づいてる。それにタマと一緒だから安心! っていってる朝倉さんですが、地縛霊との同居は安心要素じゃないですよ!? なのでタマはクローゼットにひきこもるんですけど、この焦りぶりから生前は雑な生活してただろとネズミから指摘されてるタマがおかしかったです。

朝倉さんの母到来。チェックはほんとにスムーズに終わって、やっぱり同棲相手がいるかどうかとか確認されるんだ! そしてついに気づく朝倉さんの猫のぬいぐるみ。首輪はタマちゃんの依代だから、猫の霊と一緒に暮らしてるの、躊躇なくタマのこと母に報告するんですが、母、いぶかしがるかと思いきや、かつて子供の時分から朝倉さん、イマジナリーペットとして猫を飼ってたこと知ってるから、これもそういうのだと思ってくれたんですね。

なんだか泣ける話ではある。それゆえにこうして今タマと一緒に暮らせているしあわせみたいなのが感じられた今回のエピソード。同時に、ごまかすとかそういう発想が朝倉さんにないっていうのもばっちりわかって、朝倉さん! 結構難儀な人ですね! でもだからこそ、タマとは好相性なのかもなんて思った話でありました。

『もくもくもくのキャン』

商店街のおまつりで、ヤママートも店頭でいろいろ売り出していますよ。原田と木野が一緒に担当することになって、それはそれは見事な売れ行き。木野もばっちり大活躍しています。

そして日が暮れ、見事に完売。お疲れ様と木野がコーヒーをいれてくれるのですが、まさかの携帯コーヒーミルが出てくる。お湯もシングルバーナーとケトルが出てくる。カップもキャンプ用品。さらにはキャンプ用チェアまでどばどば出てきて、そうか、木野さんにとってキャンプは別に隠す趣味じゃないもんな。

木野さんがキャンパーとわかって嬉しい原田。でもまさかの話を聞かされて、ああ、木野にとってのキャンプとは、亡き夫と過ごすはずだった大切な時間、それをひとり守る試みであったというのですね。

それ聞かされて、ちょっと一緒にいきましょうとはいえなくなった原田。いいかけた話をごまかして、そして複雑な表情見せる彼女の心情。そこに見える思いやり。けれどいずれは、このふたりが一緒にキャンプにいける、そんな時がくればいいなと思えた話でした。

新しく誰かと一緒になにかをするというのは、誰かとの思い出をないがしろにするってことじゃない。そうしたところにまで辿り着ければと、願う気持ちになる話でした。

『ルナナナ』

ヤベえ。この月、個人で地球と交信できるのか。とはいえ、通常ルートではバカ高い料金を支払わないといけない。というので、アングラなやつら、あるいはいかにもな月住民たちは自分たちで野良アンテナを立てて、月の表側から受信した地球からの電波を、裏側にまで中継したりしとるのか!

でもそれ、結構やってるやついるっていうのなら相乗りさせてもらえばいいのに? いや、それだとまたなんか高い利用料をふっかけられたりするのか? なので第7寮の住民も自力で中継アンテナ立てまくることにしました。

これね、なんかいい話なのかなんなのか、リコが無茶するのはいつものこととして、まさか一緒にいこうと誘う相手がはるかでしょう? なぜかと問われて、お前がいちばん「月がつまんない」って顔してるからだって、この答にはしびれましたよね。

そして表側に向かう時も、月面という未知の世界に感動を覚えているはるか。ええ、はるかの心が動いてるんです。それ見られただけでも、もうこのエピソードはできあがったようなもんだと思いました。

でもワンダーはまだまだあって、どこまでいけば月の表側なのかというの、いけばわかるというその意味。ああ、天頂に地球が見える! そして事故ってしまってからの必死の帰還途中。ナオとはるか、なんかやけっぱち気味に仲良くなってるっぽいんですが、それでももう無理かもという危機に通じた携帯電話! 自分たちの設置してきた野良アンテナが自分たちを助けたってやつですよ。

ほんと、今回のエピソードはロマンに溢れていました。ナンセンス強めに展開することの多い漫画だけど、今回のロマンはガチ度高めで、ええ、ほんと、すごくよかった。なんか、泣けましたよ。

『恐竜とカッパのいる図書室』

シショさんと薬師堂の伯母さんのかつての話。仲のよかったふたりが、進路のことでこじらせて、そしてちょっとしたすれ違いから仲が離れてしまった。その結果が、ふたつにわかれたカッパの物語。

カッパと黒ネコの出会う話と、そこから派生していった恐竜が出てくるようになった話。

その物語の分かれ目には、まだ学生だった頃のシショさんと伯母さんの気持ちの別れがあったのだけど、今この物語に結びつきを感じている薬師堂と卸町は、一度はその気持ちに距離を感じることもあったものの、もう大丈夫そう。薬師堂は卸町のことが嫌になったりなんてしてないよって、ムズカしく考えてるんだろうけど、そんな卸町のこともわかろうとすることはできるよと、言葉にして伝えてくれた。

これ、きっと卸町には大切なことで、そして薬師堂に手をひかれながら、カッパと黒ネコの物語、その終わりに向けての続きをふたりで考えよう。

かつての悲しいできごと、そして今のふたりに生じた少しのぎくしゃくも全部抱えて超えてみて、前向きな未来に歩き出そうとするのですね。

ああ、ふたりの関係、きっと素敵になる。このふたりがつむぐ新しい物語とはどんなものになるのか。それもきっと素敵になる。そんな思いがするのです。

2023年5月6日土曜日

『まんがタイム』2023年6月号

 『まんがタイム』2023年6月号、発売されました。表紙は『レーカン!』。晴れの続く季節? あるいは、梅雨を間近に雨がちな日々の中、束の間の晴れ間に一気にお洗濯。制服姿で、洗濯ものを干そうとしている天海がメインの表紙です。『花丸町の花むすび』彗は、靴下干してるんですけど、そこにあるベビー靴下! ええ、まさにいいお姉さんやっています。『冷めないふたりのひとりご飯』武蔵も洗濯。山となった洗濯ものをカゴごと抱えて、いよいよこれから洗濯に取り掛からんとするところのようですね。

『百合のあいだは悩ましい』

文化祭にてメイド姿を披露する白野です。レベル高いと好評なのですが、負けず劣らず注目集めているのが藍田。メイドの格好しましてね、すなわち女装。これなら百合の間に挟まっても問題ない! 新たな境地に達しようとしている藍田なのですが、いざこのコンセプト喫茶から離れるとなれば、普段の藍田に戻らなければならない。

ままならんもんですね。

さて、美術室では美術部の作品が展示されています。黒崎の絵画は出来もよく好評で、対して黒崎、白野合作の漫画は扱いも地味でなかなか見てもらえないでいる。

それをしっかり皆から読んでもらえるようにと、落ち込みかけている白野を元気づけるためにもと、藍田、工夫を凝らしてまず漫画に注意を向けてもらえるようにディスプレイを頑張ってみるんですね。

これ、白野のためというよりも、劣等感を感じた白野が黒崎から身を引かないようにという妄想起因の行動なんですけどさ、けれど結果的にこれが白野のサポートとなって、白野の気持ちをしっかり掴んじゃうっていう。

ええ、挟まってしまっている自覚がないのは藍田だけ。もうどうにこうにもならないくらい、しっかり黒崎、白野の間にはさまってしまっているんですよね。

『この契約は恋まで届きますか?』

母の不在中に、実家の手芸用品店のだを訪れた野田と八千代。手芸用品店のだは八千代にとってはまさしく聖地といった様子で、のっちを生み出した場所! さらには野田の母が作ったミニチュアドールに野田の人形の面影を見て、ここでも感謝!

いやもう、ちょっとした礼拝所みたいになってしまっています。

さて、ここでちょっとしたハプニング。同行者の不調で、旅行中止になっちゃったの! それで帰ってきた母と鉢合わせ。ヤバい! 八千代さんのこと知られちゃう! なんだかんだ根掘り葉掘り聞かれるぞ! と思ったら、八千代さん、ナイススニーキング!

そしてそこからの野田と母との会話。女っ気のない息子を心配した母が、かわいいお客さんがいるんだよ、紹介しようかなんていってくるんだけど、どう聞いても美浜のこと! このまま話を進められても困るので、好きな人がいるからそっとしておいてほしいと切り抜けるのですが、この野田の言葉、意外といっていいのでしょうか、八千代にちょっと働きかけていたんですね。

もし好きな人がいるなら、自分が野田の家に出入りするのはまずかろう。そういう八千代の寂しげな表情。手芸を教わりたい、その気持ちもあるのだろうけど、はたしてそれだけなんだろうか。そして胸のうちを言葉にできず、けれどそれでも八千代との時間を大切に思っていることを打ち明けた野田。

その言葉はかたわらを通り過ぎた車の轟音にかき消されたかと思ったら、ああ、ちゃんと八千代には届いていましたね。そこで戸惑う八千代。はたして彼女の心中やいかに。ちょっと複雑なもの感じさせて、ここにまた八千代の思いの自分自身でも気づけていないなにかがあるのではないかなんて思わせてくれるのですね。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

いわゆる24時間テレビ的なイベント、24時間列島リレーのお天気中継に臨むこととなった琴音。試験のためにと留莉が代打で出る予定が、琴音の熱意を受けてふたりで中継することに。また、琴音の発案、ご来光中継というのも効いたんですね。

ご来光中継とは面白いと、時間を調整して日の出の時刻にあわせよう。奥田も乗り気だったんですが、まさかそれがあんなハプニングでご破算になるだなんて!? 司会の名取さん、ご来光あわせ、日の出にあわせた中継だってわかってたでしょうに、なんでそこでそんなわたくしごとの報告を!?

というのはおいておいても、パニックになる留莉とは違い、落ち着きを見せた琴音。事前にこの場所を訪れた時にこの場所に詳しいおじいさんからいろいろ教えてもらっていたんですね。山に咲いている花のこと、その知識をフル活用して、まさかのトラブルに見事対応、しかも魅力的な中継にしてみせたというのです。

こうして日々頑張り、皆からも愛されている琴音。もちろん試験勉強も頑張っている。皆からの応援もたくさん届けられているのだけど、はたして合格できるのはいつの日か。ええ、本当に琴音の努力の報われる日がくること、願ってやまないですよ。

『瀬戸際女優!白石さん』

ちょっとやつれぎみの白石です。自分に熱烈アプローチを繰り返していた爽太が、突然の心変わりを起こしてしまった? 今度の映画で共演する女優と急接近していて、それが白石の心を乱してしまっているんですね。

全然心配する必要はないんです。その女優の方針で、演技により一層のリアリティを加えるために、私生活から関係を作っていこうとしているだけなんですが、そのことを知らない白石にとっては、爽太がその女優、青木のことを好きになったとしか見えなくて、ああ、この悲しいすれ違いよ! 本当、この恋愛のゆくえ、どうなるというのでしょう。

そして白石に吉報です。新しい仕事がはじまります。スナックを舞台にしたトーク番組の司会。ママに扮した白石がゲストからいろいろ話を聞くというものなのですが、ここまでならよかったじゃないですか! だけですんだところが、まさかの初回ゲストが爽太と青木ときたもんだ。

これ、トークの深掘りで誤解が解ける、あるいはより深まってしまう!? いやもう、どっちに転ぶかまるでわからない。ちょっとした爆弾投げ込まれたような状況であります。

2023年5月5日金曜日

『まんがタウン』2023年6月号

 『まんがタウン』2023年6月号、発売されていました。表紙は『新婚のいろはさん』。山のキャンプ場? いろはにはじめ、颯斗も加えて3人でキャンプなのかバーベキューなのか、初夏の日差しのもと、その陽気をいっぱいに楽しんでいる様子でありますよ。長い串にナス肉タマネギ肉ピーマンソーセージと並んでいるその迫力! あ、調理してるのは颯斗くんなんだ。手に持った炭酸飲料もまた爽快さを感じさせる。そんなさわやか表紙。ただいろはさんの格好がちょっと高威力すぎませんか? 危険です。

今月は新規ゲストが1本です。

『ザ・小学生ズ』

すごいのがきましたよ! ストーリー仕立てになってる漫画が多くなってるなか、もう完全に4コマ一本で完結させていこうという意思を感じさせる作風。ちょっとクラシック? そしてちょっと辛辣? だいたい主人公のけんたくんが、ずっと笑顔だというのに人間味感じないというか、その表情の向こうを感じさせない不気味さあふれるデザインなのがこわい!

そしてけんた、やたらと辛辣で、面白いんだけどこれ心が弱ってる時には読めないやつだ! あのサッカーのボール役押しつけられて、ポンと肩たたかれた瞬間にハンド申告する瞬発力などは、かなりの切れ味、うまいなあって思います。

最近の四コマ漫画はいい話寄りのもの、癒し寄りのものが多いように思うのですが、ここにこうして逆方向に完全に振り切ったのが出てくるというのは、この雑誌における多様性に期待が持てるということなので、すごくいいと思いました。やっぱり漫画は同じような傾向が揃うのではなく、いろんな趣味嗜好に働きかける、そういうのがいいと思わされる作風でした。

『推しかけギャルの中村さん』

大変だ、中村さんと秋山がつきあうぞ! 俺たちの秋山が! 中村さんに! とられてしまった!

いや、これフリなんですね。いや、中村さん、秋山の反応がかんばしくないから無理にフリってことにしようとしてませんか?

今回のこの思いつきは、例のSNSのファンの人たち対策なんです。彼氏がいると匂わせて、ファンの人たちをちょっと落ち着かせよう。熱を冷まさせようという策略なんですね。

とはいえ、どうもうまくいかんのがもどかしい、というかおかしくて、秋山に腰に手をまわさせた写真撮ったら心霊写真扱いされてしまうし、秋山の大きな服奪ってその写真をあげても、可愛いなあ、なんでも似合うなあって大好評!

一部、恋人ができたのではないか説も流れたりするんですけど、なんか思うようにいかない中村が案の定暴走しちゃって、魔改造した秋山を連れてカフェデートを演出してみたり、そうしたらファンの人たちに目撃されちゃって、でも秋山、どんなに魔改造されてももともとの人のよさが隠せていないな! しかも中村が楽しそうでさ、その様子見たファンの人たちも、なんかすごく嬉しそう。

ああ、いいファンばかりでよかったですね。

そして極めつけの中村さんの暴走。首筋にキスをさせるんですか!? って、いやもうえらいことなってますけど、ほんと、フリとかそういってごまかすのやめて、もっと素直に直球にいきましょうよ、中村さん。でないと秋山氏は一生気づかないままだし、そのうち後藤氏に奪われて泣きを見るのは中村さんですよ! ええ、ほんと、素直にいきましょう。

『新婚のいろはさん』

いろはとちょっと距離を置いてみたはじめ。なにをするにもいろは。なにがあってもいろは。なにを見ても、聞いても、感じてもいろはいろはと、いろは尽しになってしまっている自分の発想をちょっとクールダウンさせるために、しばらく仕事を兼ねてホテルにこもるというんです。

セルフ缶詰だ!

この情報得た哲子の動揺がいいですよね。哲子母は落ち着いていて、やっぱり年月を重ねているだけにその考えにも余裕がある。きっとはじめ、いろはの気持ちなんかもわかるんですね。もしかしたら自分にもそうした時期があったのでしょう。だから先輩として、いろはにもアドバイスができる。で、あんまり焦ってなかった風のいろはがね、哲子母の言葉を聞いて安心してるのがおかしくて、ああ、やっぱりちょっと不安でしたか!

この不安のあらわし方の違い。それが魅力でした。実は不安のいろは。不安ダダ漏れの哲子。いやほんと、こんな哲子は珍しい。いろはじゃないけど、これはもう本当にレアでしたよ。可愛すぎる。

離れている時間が相手への思いを育てるなんて話もありますよね。これもそんなひとつのバリエーションなのかも知れません。相手の不在がより相手の存在を強く感じさせることとなって、ひとり楽しむいろいろが、そのごとに、ああはじめと一緒なら、ああいろはと一緒なら、そんな思いを育ててしまったんですね。

かくして冷却期間は一日で終わり。あの、ふたり並んで帰るはじめ、いろはを見た哲子の反応、これもまたよかった。ええ、ふたり、ちょっといつもと違う時間を過ごして、そしてふたり一緒での冷却期間継続するんですね。

『兎なりのウサギさん』

えらいことになったぞ。青枝が出会った男の子。ぶつかったはずみにウサギハンカチを落としてしまって、取り違えてしまうハメになってしまったんですが、みたらしがいうには、そのハンカチ、匂いに覚えあり!

さて、今回は先日のウサギ好きの交流会で出会ったお嬢さん、いずみさんが紅詩さん訪ねていらっしゃるんだそうですよ。あの人、可愛いよね。たまらんよね。実は若奥様なんだろうか、みたいに思っていたのが、今回のこの導入見ましてね、あ、あれだ、そうだ、青枝が出会った彼がいずみさんの正体なんだな!

いつもみたいに悪ふざけでこんなこと考えていたんですけど、まさか本当にその推測どおりでびっくりしてしまいましたよ。はあー、こんなことってあるんですねえ。いつか同じウサギ好き同士、お話ししたいと語るいずみのその言葉。それはすなわち、いずみとしてではなく、泉隆信として青枝とお話したい、ということなのでしょうね。

広がっていくウサギ好きの輪。その関係にいつか恋の芽吹く日もくるのかも知れません。ああ、紅詩さん、安泰と思われる青枝くんですが、いつかいずみさんならぬ泉くんとあらぬ関係に!? あああ、それはあり! ありだけど、この漫画の根幹である紅詩、青枝のもどかしい恋を思えばイレギュラーすぎてなしですね! 残念です!

2023年5月4日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号、一昨日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

稲井に誘われてプール監視員のバイトをすることになったのだけど、稲井がドタキャン! かくして我らが小依は見知らぬ、いや見覚えくらいはあるのか、名も知らぬクラスメイトふたりとともにプール監視をしないといけなくなったのでした!

しかし、このお友達、小依のこと妹力が高いって評価してて、なんだろう、稲井とはまた別ベクトルのヤバい人の可能性がある。この人、後に名前がわかるんですが、鹿又芽衣。打ち解けた小依のこと、妹にしたいともんもんとしていて、ああ、やっぱりヤバい人だった! うん、もっとぐいぐいいって、妹にしちゃいましょうよ。あ、そうそう、もうひとりいる快活なお嬢さんは沢田ミナミさんです。

今回は、今回も? 小依の人見知りの強さがこれでもかと発揮されていましたよ。慣れないクラスメイトに話しかけることもできず、そしてプールにきた子供たちに、せんでいいササエルカムアウトとをしてしまうハプニングまで!

子供たちは、小依が首から下げてたスマホケースに描かれたササエルのこといってたのに、身バレと勘違いして、話しあいに応じちゃったものだから完全にバレた。ごまかしゃよかったにな! といいたいけど、まあ、小依だからしかたない。

慣れないクラスメイトとの交流にどうにもいたたまれなかった小依、姉からの連絡、ササエル出演要請にかこつけてバイトを早退。そうしたらまさかササエルの活動地が今いたばかりのプールっていうんだから、不運なんだかなんなのか。稲井はドタキャンしちゃって残念でしたね! でもってササエルファンの子たち、本物ササエルに会えてよかったね!

でもこの流れがあって、小依、ミナミと芽衣と仲よくなれるきっかけが作れて、よかったですね。最後の一押しが小依自身の頑張りだったところなんかは、もう最高でしたよ。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

ハチ、まるで話ができない状況に! クマが自分のこと愛しちゃってるんだ! 兄貴とクマとの会話を中途半端に聞いて、完全に誤解して、それから普通に振る舞えなくて、パン屋もやめちまうんだ! って大騒ぎになってるんですが、そんな状況をどうにかしてくれようという友達がいるのはありがたいことですね。

っていいたいけど、多田はただ自分が楽しみたいだけだな。いや、これ、絶対!

目的地、遊園地。ギクシャクしながらも、遊園地パワーでなんかうまいこと接触できる機会こそ作れて、そこまではオッケーなんだけど、誤解がとけるところまで辿り着けない! だってさ、ハチはまるで話をきかないんだもん!

でも、迷子を助けたくだりで役立った羊のパン。その可愛さはハチデザイン。この可愛さのおかげで、お子さんが泣きやんでくれた。ハチのおかげです。だから、ハチが必要なんです! その手をとって情熱をともにクマが語れば、ハチもすっかり観念しちゃって、ああ、首を縦にふりましたよ!

でも、これがまさかのプロポーズ解釈になるんですか!? 話をちゃんと聞いてたら、店のスタッフとしての能力に期待されてるってわかりそうなものだけど!? いや、そうとはならんのかな? と思ったところで、ハチの兄貴登場! やっぱりクマと揉めて、でもその結果、全部が兄貴のはやとちりからの暴走だとハチにも伝わって一安心。一件落着、めでたしめでたし!

といいたいけど、これと思い込んだら人の話聞けないところ、君たちほんとそっくり兄妹だな! いやもう、兄貴の勘違いからハチにも伝播した勘違い。せんでいい苦労、せんでいい煩悶の時間を過ごしてしまいました。

とはいえ、いずれハチはクマからプロポーズされることになるんだと思う。私は信じています。

『RPG不動産』

大地の復活のために命を捧げることを運命づけられているラスティーレ。しかし、この本来生じた歴史の流れがあのつらくいたましい戦争の歴史に繋がるのだとしたら、琴音たちはこの生贄をこそ阻止しなければならない。

本来なら、サトナに告げぬまま生贄の儀式に臨み、かくしてラスティーレを失ったサトナの絶望が悲劇を生むこととなったのでしょう。なのでまずはサトナに事情を話しましょう! 琴音の説得を受け、そしてRPG不動産の皆とともにサトナのもとに向かうラスティーレ。サトナとずっと一緒にいたいという本心も語られて、ああ、少しは事態も進展しそうです。

あとは、サトナとラスティーレが無事会えるかどうか、と思ったら、普通に会えましたね!

ここで語られたサトナの来歴。悲しい孤独の世界から救い出してくれたのがラスティーレだった。ラスティーレはサトナにとって、まぎれもない希望であり、求めるすべてであるんですね。そしてラスティーレにとってもサトナはかけがえのない友達。その事実をふたり確認しあう場面など、実に素晴しかったです。

ですが、ここで問題が。ホワイトドラゴンの命が捧げられないと、大地が復活しない!

この大問題にファーが答を出すんですよ。ファーもホワイトドラゴンだよ! って、待って! いや、ほんとに待って! 自分が身代わりになって命を捧げる気でいるの!?

未来からきたファーが命を捧げて大地が復活し、ラスティーレ生存。そうなれば絶望と恨みに駆られたサトナが戦争を引き起こすこともなくなるでしょう。しかしファーはどうなる? 生存したラスティーレが身籠った子がファーとなり、その子が平和な世界で育ってめでたしめでたし?

とはならんでしょう! いやほんと、これ、どう決着つけるんでしょう。どういう選択肢が残されているのでしょう。ほんと、先がまるで読めんですよ!

2023年5月3日水曜日

『まんがホーム』2023年6月号

 『まんがホーム』2023年6月号、一昨日の続きです。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

動物病院が忙しくなる時期がやってきました! 検査用に採血して、そして予防接種各種してというのが春先になるとどばっとくる。予防接種や寄生虫の検査が春にくるから、そのついでに健康診断も一緒にまとめてやっちゃおうっていうわけか。

それでメチャ混みするわけですが、キョウスケ、音をあげそうになりながらも、頑張って働いてえらいですね。数をこなせばそれだけ腕もついてくる。保定がちょっとうまくなったといわれて喜んでるところなんかも、成長が見て取れてなんか嬉しくなってきますよね。

キョウスケが世話している子猫も無事成長していますし、こうしてだんだん立派になっていく姿、これはたまらないものがありますね。

たまらないといえば、あの病院が嫌なわんちゃん! あれもよかったなあ。うん、なんか嫌だよね。慣れない場所だし変なにおいするし、変なことされるし。でも健康のためだから頑張るんだよ。

『座敷童子あんこ』

あんこが目撃した謎の存在。小さいおじさん。これって都市伝説なのか。なんか定番の冗談とか、寝不足になると目撃される幻覚みたいなもんだと思ってた。

小さいおじさんを見るとしあわせになれる。いわばあんこの同業者なわけですが、なぜそこで排除とかいう不穏な言葉が出てくるの!? 共存したらいいやんか! そもそも自分の存在を脅かすとかゆうてるけど、大丈夫、あんこは座敷童子としての効能とかそんなにあらへんから、脅かされる以前の問題やから!

でもなんか虫つかまえるみたいにして粘着シートに確保されちゃったおじさん。ああああ、服を犠牲にして逃げたんだ……。で、それを憐れに思ったあんこの優しさ。服を作ってあげたというんですが、なんでそんなにファンシーファッション!? いや、でも、小さいおじさんも気にいってるみたいで、こいつはいいことをしましたね、あんこさん。

『歌詠みもみじ』

お茶メーカーの川柳大賞。ついに山城家の父が挑戦するというのですが、そうか、あんなに普段から当たり前みたいに川柳詠みまくってる一家なのに、こういう投稿みたいなのはやってなかったのか。

しかし今回面白かったの、これまでに詠んだ川柳、全部残してあるんですね! そいつを参考にしてみようか、なにか使えるものがあったりしないだろうか、そう思ったらパパさんへの必死の抗議をはじめるもみじ! ああ、そうか、これは自作の絵でポエムで、日記で、みたいなものなんですね。見られて嬉しいものじゃない。でもあの抵抗するもみじ、可愛かったな。とかゆうたらちょっとかわいそうですね。

そしてママさんですよ! ついにできあがった応募作。そいつを査定するというのです。しかもばっちり着物で正装。めちゃくちゃ可愛い! まとめた髪も素敵よママさん! ほんと今回は、パパさんが産みの苦しみ味わう話でありながら、思春期可愛いもみじが見られたかと思ったら、お着物ママさんまで見られて、すごくいいエピソードでありました。

最後に明かされたママさんの秘密。ああ、こっそり毎年チャレンジしていたんですね。その苦悩。頑張って、そしてがっかりしてを繰り返してきたという、その姿、ちょっと胸にツンとくるものがあって、ママさん、それでもくじけず続けていくんだ。なんか感動しちゃいましたよ。

『うちの秘書さま』

七瀬がデートだというのです。誰と!? すっかり動揺するはじめですが、無理やりについていったらいとこ夫婦の息子さん、立花涼くんだそうですよ。すごく可愛い男の子。最初女の子かと思っちゃった。で、はじめのことじーって見ちゃうでしょう? ちょっと言葉のはしばしに辛辣さが見え隠れしちゃう涼くんですが、最初ね、あの営業スマイル見せられた時ね、ああ、涼→はじめ→七瀬の三角関係ができあがっちゃうんですか! ですね! できあがっちゃって!?

とか思ってしまいましたが、七瀬から出ていく矢印がないから、これ三角関係じゃなくて一方通行だな。

ともあれ、この子、七瀬の前では、いや女性の前ではというべきなのかな、めっちゃ猫かぶってるんですが、はじめ相手となると手加減しない、ちょっと性格悪い? 七瀬のこと好きなんだって。それではじめには負けないんだって、ばっちり宣言しましてね、しかもこの子、はじめよりもずっと、それこそ何倍も、人につけこむのに長けている!

あのメイドさんたち前にした時の態度とかもね、メイドさんたちのことキレイな人とかいっちゃいましてね、なんて素直な子なの!? いやほんと、可愛い少年前にしたメイドさんたちの愛らしさ、素晴しいものがありました。

けど、こうしてずっとはじめと対立し続けてた涼くんだけど、その涼くんがはじめと心を通わせた、いわば同志となったあの展開。熱いものありました。というか、七瀬のクッキー、くさいんだ……。でも、とうてい口にしたくないそいつを、笑顔で先に手をつけてくれたはじめ。その涼を決して見捨てないという姿に、ええいああ、痛く感動いたしましたよ。

涼くんも、これからちょくちょく出てきてくれたら嬉しいなあ。そしていつかは、はじめのよさも知って、そのラブのベクトルがちょっとだけでもはじめに向いたりするとなお嬉しいと思います。

2023年5月2日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号、先日の続きです。

『ひよ&びびっと!』

あやもりんと一緒のお風呂で戻してしまったひよ。もうどうしようもないくらいヘコんでしまって、いやまあ、気持ちはすごくよくわかるよ。人のお家で、しかもお風呂で、吐いちゃっただけでもダメージあるのに、よりによって憧れのあやもりんでしょう?

自分なら立ち直れない? いや、それでも時がいつか癒すんですよ。

なんて悠長なことはいっていられない! 青春の時間は短いんだよ!

ということで、様子のおかしいひよのこと、あやもりんが気にしちゃって、話しかけてくれて、追いかけまわしてくれる。いい子じゃないですか! けど、あんまりにもひよが頑なな態度をとり続けるものだから、別ウーチューバーに鞍替えしちゃった疑惑が出ちゃってね、いやもう大変。

で、ここからのあやもりんによる、大切なファン引き止め作戦がもう本当に切実で、ひよはその行動の変化、また違った解釈してるんですけど、なんだこの気持ちと気持ちの擦れ違い!

いやもうほんと、謎の展開経ながらも、ちゃんとひよの気持ちを聞き出せて、問題解決ですよ。いや、そもそも対話を拒んだひよがいけなかったんだけど、こういうとこ不器用なのがひよだからなあ。

いろいろ紆余曲折もあったけれど、結果的により仲良くなれたんじゃないでしょうか。あやもりんの、ひよビンゴもひと枠埋まったわけで、こうしてより深く、仲を育んできれるのもまた青春の時間なんでしょうね。

『紡ぐ乙女と大正の月』

謎の写真が告げた未来の帝都の姿。いずれ発生する大地震。けれど紡の感覚じゃ東日本大震災が先にきちゃうんですね。今どきは関東大震災とか授業でやらんのかなあ。防災の日に避難訓練やったりせんのんかなあ。

とはいえ、そんなん細かいとこまでは覚えらんないですよね。案の定紡も起こった年なんてまったくわからず、不安ばかり募る。でもここ数十年の災害の記録調べたのはえらいですよ! となると、つまりはこれから先に起こるんです。ほんと、紡さん、頼みますよ。あなたに皆の無事がかかってるんですよ!

といえるほど、人は地震みたいな大災害に対してなにかできるわけじゃないんですけどね。ほんと、悲しい。考えてみれば今の紡は、大震災が起こるという確信があるところが違うだけで、置かれている状況としてはいずれくるといわれている南海トラフ地震の不安を抱える私たちと似た状況にあるのかも知れませんね。

本編は地震から離れましてね、紡さん、なんと唯月様から誘われてふたりデートでございますよ! 目的地は両国の川開き、隅田川の花火だというのですが、ここで紡が話した隅田川花火大会のこと。今、ふたりが経験していることが未来にも受け継がれているということに対するロマンチック。唯月は、なにかそこに紡との関係の永遠性みたいなものを夢見たかったりするのかも知れませんね。

さて、大正時代の帝都といえばスリに宿無しにカッパライが流行したといいますよ。あやうく髪留めをとられそうになった紡を助けてくれたのが、唯月の知人、橘公貞様。侯爵家ご令息とのことですが、この時の唯月の不穏な表情、これ見るに、ああ、この人が唯月の許婚だったりするんだな。

でもそうした自分の気持ちをまるで斟酌してくれない紡にご機嫌損ねあそばした唯月様。あんなにむくれてる表情も珍しいんですけど! そこからの展開ですよ。唯月様から紡への罰! ああ、唯月様、お頑張りあそばしました! ええ、ええ、ふたりの関係よ、永遠のものとなってしまえばよいのですよ。

2023年5月1日月曜日

『まんがホーム』2023年6月号

 『まんがホーム』2023年6月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』がメイン。5月は端午の節句、こどもの日にまつわるいろいろを持った皆が表紙に登場です。『らいか・デイズ』らいかは、こいのぼりをかたどったちらし寿司。『オレの愛で世界がヤバい』、特大折り紙かぶとを被った結衣が手巻き寿司を食べようとしているところ。『菓子男リノベーション〜別邸〜』糸は小さなこいのぼり持って、そして柏餅食べていますよ。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻も小さなこいのぼりをかたわらに、ふたりちまきを食べています。

『孔明のヨメ。』

曹操のもとに無事入り込んだ龐統。極めて危険な状況、しかも策を仕掛けているさなかだというのに、あまりにも堂々としているものだから、曹操にはすこぶる気にいられるし、孫尚香には本当に演技なのかといぶかしがられてしまう。いやしかし、孫尚香はそれでいいのだと思います。なんにしても直情的なこの人がこれを演技と理解して納得ずくで宴に同席していたなら、なにかしらのボロが出てたかも知れない。いや、実際ボロ出しそうになっていて、物語の流れ上、ここで孫尚香から綻びが出るってことはないとは理解しているんですが、なかなかにハラハラさせられる展開でありましたよ。

そして龐統の策。曹操にいろいろ吹き込んだとはいえ、それをすんなり信じるほど曹操たちも甘くはないわけで、なのでここから孔明の仕込みが効いてくる。以前から準備されていた周瑜と黄蓋の確執の偽情報。嘘をまことにするために、黄蓋が寝込むほどの杖打ちをしたとまであれば、そうそうこれが芝居とは思われまい。実際この情報が曹操のもとに転がりこんできたものだから、龐統の話したことにも真実味が加わって、そしてついにはあの壮大な火計を成功に導くことにもなろうというのですか。

このところの流れ、本当にハラハラさせられどおしで、それだけにいざ策が成った時の高揚はどれほどのものとなるのだろう。本当に楽しみなのです。

『ヲトメは義母に恋してる』

寿々と一緒に映画にいくことになった鈴。ふたりして可愛い格好して、それはそれは嬉しい時間を過ごすことになるというのですが、様子が違うのが寿々さんですよ。鈴の言葉にすっかり魅了されてしまっているではありませんか。寿々さんとふたりで嬉しい。寿々さんとの映画デート、それだけでじゅうぶん素敵。

もうすっかり鈴に参ってしまっている寿々さんですよ。ええ、この人はまだこの感情を受けとめきれておらず、戸惑うやら疑問に感じるやら、なかなか関係もなにも進みはしないのだけど、ええ、本当にこのふたりの恋の行方。ただ鈴の憧れだったはずの関係が、ここにきて寿々にも恋心が芽生えて、ああどうなるのでしょう! というか、はやく自身の思い自覚して、ふたりの世界に入ってしまいましょうよ! ねえ! いやほんと!

今回、ふたりで見た映画、相当によかったみたいですね。感動作。盛り上がり。こうした経験をともに重ねることで、その気持ちの動きがその人と一緒にいたからだって心が勘違いする、いわゆる吊り橋効果ですが、それも含めてなおはやくふたりの感情の高まりつくこと、願うばかりであります。

『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』

なんかヤバいコンセプトカフェになってしまってるのではないでしょうか。可愛い女装男子が、それぞれ天使的応接、悪魔的応接をしてくれるとなっては、お客はもうたまらない。新しいウェイトレス、森川の塩対応、そっけなさがいいのだと、すっかり魅了されまくってる客がいて、ああ、これは森川目当てのM寄り顧客と、音瀬目当ての癒しを求める顧客と、店内でその嗜好を二分させることとなりそうでありますね。

しかし森川の人気を見て、自分もその塩対応とやらを試してみようとする音瀬ですよ。いやあ、向いてないと思うな。もっとこう可愛い、ほがらか、明るい、普段の自然なふるまい、それが求められてるんだと思うよ。ってのが、長瀬さんへの接客でこれでもかと露呈してしまっていて、いやまあ面白い。でもって長瀬が気づく森川の秘密。

ペターン! なんて素敵な響きでしょう。シルエットも美しい。

で、この素敵な響きが長瀬にもってのが、よいのか悪いのかどうなのか。いや、自分は好きです。シルエットが美しい。

しかし、音瀬、最初は脅されていやいや橘に従ってたはずなのに、だんだんと気持ちが傾いていってる感じしますよね。本人はなんだかんだ否定するけど、いつか素直になれる日がくればいい。とか思っていたら、なんと、橘、地元に戻るというんです! これ、ちょっとだけ里帰りみたいな話ではないっぽいね? ということは、ここで遠距離恋愛関係に!?

いやどうかわからんけど、この状況の変化がなにかしらの動きを引き起こしそうで、音瀬の決断、その気持ちの揺れ動きなどなど、これは! という見どころあるのではないかと期待させられます。