『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号、昨日の続きです。
『RPG不動産』
若き日の母、ラスティーレの代わりに贄になるというファー。その発言に渾身の否定をしてみせる琴音が頼もしくていいですね。誰かが犠牲になることで解決するなんてよくない。それはファーだけでなく、ラスティーレもそう、そしてサトナもそう。安易な解決ではなく、異なる道を見つけよう。
そうして今現在の問題をひとつひとつ検討し、どうすればそれを克服できるのか。ついついネガティブな方向に向かいがちなサトナを説得し励ます琴音が本当に頼もしい。そしてついに見つけた解決の道。
豊かな暮らしのために略奪も辞さない、そうした安易な方法に頼ろうとする人たちの前にサトナの使役する巨大モンスターとともに現れた琴音たち。そこで皆に呼び掛けるその内容とは。なんと、ここにきてRPG不動産が立ち上がってくるというのですか!
琴音とファーに手を引かれ表舞台に立ったサトナ。今はまだ戸惑いもある彼女だけど、奪うことしかできないと思われていたサトナが、今度は与える立場になる。その大転換。まさしくこの漫画の面目躍如たるものありました。
『紡ぐ乙女と大正の月』
唯月の誕生会を企画する紡です。サプライズにしたかったのだけど、旭と一緒にわあわあ騒いじゃったから唯月にすっかりバレちゃって、それでも嬉しい唯月。まだこの時分は誕生日を皆で祝うという風習は浸透していなかったのですか。でも初野の家のお祝いは面白そう。父上、思いっきりがいいなあ! 本当、楽しそうです。
今回は紡が頑張りましたね。給料前借りまでして準備したんだ。しっかり飾りつけて、料理も準備して、そして皆で楽しむためのトランプ。令和の今はゲーム機メーカーとして知られる会社が、大正時代にはトランプ作ってたんだって! いや、今でも売ってるよ! っていうのはいいとして、この事実に驚いて嬉しくなって、平成令和の知識をドバドバ語っちゃってる紡が面白い。テレビもない時代なんですよ? 皆さんがついてこれてないじゃありませんか。
唯月へのプレゼントに見える皆の方向性も面白かったです。旭は無茶するなあ! でも読めるものなら、そのロマンス小説、読んでみたいものです。雪佳はハンカチ、そして初野は海外のお菓子。おお、初野は本当に初野らしい! で、言い出しっぺの紡はというと、準備でお金使い切ってプレゼントは準備できませんでした!
と思ったら、その日の夜にサプライズ。これは唯月に驚いてもらいたかったのか、皆の前で気恥ずかしかったからなのか。どうも後者っぽいと感じられるのですが、幸運と魔除けのお守りとして鈴をお揃いで持とうという、その唯月のしあわせを願う気持ちが嬉しいプレゼント。これはもう本当に素敵な顛末でありました。
そしてもうひとつの、今度は嬉しくないサプライズ。唯月の縁談が決まりました。タイムリミットは学校の卒業まで。さあ、これはどうなる。それ以前に大震災がくる? それが転機となる? ともあれ、唯月の抱える様々な問題。この時代の令嬢にとっては当たり前の生き方。それをどう乗り越えていこうというのか。おおいに期待されるところです。
『ひよ&びびっと!』
天然素直でまっすぐなあやもりんの発言が物議を醸しています。皆の質問に答えてくあやもりん。学校で気になる人はいますか? と問われていわく、いるよ!
さあ大変だ。リスナーの皆はショックを受けたり、ひよなんか見事に倒れこんでしまったりして、そして学校の男子どもは、誰だ、誰だ、自分なのかと浮き足立っちゃって、まあ、なんと都合のいい想像でしょう!
浮き足立ってるのはひよたちも同じです。さりげなく誰か聞き出そうとするひよは、足もとめずそのままスタスタいっちゃうから結局聞くことができず、咲は咲で質問返しにあって敗退。ほんと、ひよも咲もすごく可愛い。なんかね、思いきりはいいんだけど、逆襲に弱いよね。
けど、最後には教えてもらえましたよ。ネットでプチ盛り上がり、あるいは炎上してることを知らされて、気になってる相手はひよでしたと白状してもらえました。そして誤解を解くために配信で、ひよであることは伏せつつも男子じゃないよと釈明したら、今度は女子に思いを寄せているとさらなる誤解!?
いやいやいやいや、でもいいんじゃないでしょうか。ひよに対する思い、なんならそのまんま育んでいただいても全然大丈夫です!
- 『まんがタイムきららキャラット』第19巻第7号(2023年7月号)