『まんがタイムきららキャラット』2023年7月号、発売されました。表紙は『ごきげんよう、一局いかが?』。さわやかな初夏の情景。緑あふれる庭で椅子に腰掛ける冴と、その肩に手を添え寄り添う千星、ふたりの様子がより一層に清冽さ感じさせる素敵なイラストであります。ただちょっと違うのが、ふたりの前に雀卓があるってところでしょう。くったくなく晴れやかな笑みを見せる千星と、千星の接近に照れを隠せない冴、ふたりの対比も素晴しい。そんな表紙。あ、そういえばこれ、本編に先駆けて雀卓デビューですね!
今月は新規ゲストが2本です。
『ともだち百人一首』
高校に入学したと思った矢先、病気で欠席を余儀なくされた交野ささら。半月ほどもたった頃、遅まきながら学園生活を始動させるも、周囲はもう人間関係の輪ができあがっており、ささらといえばどうやって人と関わればいいのかさえわからぬ始末。さあ、これからどうしよう。
途方に暮れたささらが希望を見出したのが部活動。友達百人つくりましょうというキャッチフレーズにがっちり心をつかまれて、見学にいったのがかるた部。しかしそこは誰もいない空っぽの和室。いや、ひとり居眠りしている子がいました。
ここで、ささら、真実を知らされるのですね。友達百人の内訳。なるほど、百人一首、その詠み手と仲良くなりましょう! そうした気持ちを表したフレーズでした。
落胆して去ろうとしたささらを引き止め、もうひとりの部員、みみと一緒に、かるたをやってみようと誘うななの。経験者と初心者とじゃ、さすがに厳しすぎるのでは? と思ったら、ささら、打たれ強いというか、取れないことを苦にしていないですね。むしろ、できない、わからないながらも、かるたに前向きに向き合おうとしている。
そんなはじめての部活動。病み上がりで頑張りすぎたからか、またも倒れてしまったのですが、夢のような時間と思った初かるた。それが夢ではなかったと知った時のあの表情。いよいよささらの学校生活がはじまろうとする、そんな喜びが見てとれてよかったですね。
『マルチプレイ』
大学は電気・電子学科に入学した和泉ハル。予想していたとはいえ、あまりの女子の少なさに落胆しているのですが、もうひとりの女子、ルリ子に声をかけてみたら、なんとも素っ気ない返事。見るからにマジメなハルに、私マジメな人、嫌いなの。って、いきなりご挨拶だなあ! でも、ムキになったハルに押し切られるかたちで、一緒に行動することに?
ゲーム部に入りたいというルリ子について、一緒に見学することになるのですね。
ルリ子にゲームに興味があるかと聞かれ、あいまいに返事してしてしまったハル。本当は興味なんてないのに……。けれど、見学にいった先で一緒にプレイすることになった対戦ゲーム。わからないながらも、和気あいあいとした時間、いや、駆け引き、出し抜きの熾烈な生き残りバトル? けれど、その時間はハルにとって楽しかったようで、そしてそれはルリ子にとっても同様だった。
一度はゲームには関わるまいと思ったハルが、楽しかった、また一緒にやろうとルリ子に誘われて表情を緩めるところ。なにかがはじまる、そんな予感をさせるいいシーンだったと思います。この表情を描く、見せるために積み上げてきた、そんな一作と感じさせられました。
『ごきげんよう、一局いかが?』
なんと、冴さんたち、バイトでいらっしゃいますか。ゲームではなく、実際に麻雀を打ってみたい。となれば雀荘だろう。しかしお金がかかる。どうしよう、といった諸問題の解決に、千星ゆかりの旅館で短期バイトをしてみようという話になったというんですね。
学校の規則ではバイトは禁止だけど、千星のゆかり、すなわち家業だからと無理を通すところ、さすがですよ。あの千星の表情、あたかも勝ち誇っているかのような凛々しさ、強さが感じられる! そして皆のはじめてのバイトは、慣れないながらもそつなくこなして、というか、千星の記憶力、そして手腕が光っていましたよね! またコミュニケーションに長ける乃々花が、お客さんから教えてもらった情報。
雀荘には18歳未満は入れない! って、そうなんか! 知りませんでした。
全自動卓はさすがに無理だけど、麻雀牌を買ってきて誰かのお家で遊んだらいいのでは!? とか思っていたら、まさかのラスト、生き生きと麻雀を打っている、しかも満貫でアガっている純礼の姿が!
なるほど、雀荘デビューはかないませんでしたが、実際の麻雀を打てる機会、訪れましたね! これは、仕事が終われば皆での麻雀タイム? 思わぬところに可能性の芽がありましたね!
- 『まんがタイムきららキャラット』第19巻第7号(2023年7月号)
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