2023年3月31日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号、昨日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

まさか、あの姉が小依にごちそうしてくれるという。これ絶対なにか裏があると思ったら、やっぱり! 案の定! 虫取り網と虫カゴが用意されていて、ササエルにオオクワガタを捕れという。いや、今どきオオクワガタって換金できるんですか? いや、オオクワガタの換金が目的じゃなく、天河のアピール! ああなるほど、そうでした、ササエルは地元名産笹かまぼこをアピールするだけでなく、この土地の魅力を伝えるご当地キャラでしたね。

と思ったら、やっぱり換金する気満々なんじゃん! ところが、これこそがまさにフェイクだったというのですか。

今回は、なかなか普段は表に現れにくい参加者の本音がきれいに表現された、いいお話だったと思います。参加者は我らがササエルに、青羽未萩。そして危険な稲井茅。いや、稲井はいつだって本心丸出しだろう。とは思うんですけどね、小依姉にお化けで脅された稲井がですよ、お化けは怖いけどササエルに会える特別な日だからって殊勝な表情見せるわけですよ。そうしたらもうササエルも未萩もいちころですよ。

この稲井のポテンシャル、素晴しいものがありました。というか、普段からそうしていたらササエルもそこまで警戒せずにいてくれるものを!

そして素直な本音、まずは未萩。ササエル、というか小依のこと大好きなわけですが、その気持ちをいつもなら誤魔化してしまうところが、今回はササエル大好き稲井さんがいるわけです。ついつい張りあっちゃう気持ちが、1時間半かけてササエルに会いにきたんだと未萩の口からいわせてね、ああ、かたい握手だ! ええ、もっと接近するがいいのです。

最後に、これが本命! ササエルの本音ですよ。どっきり仕掛けた姉の手に落ちた未萩と稲井の仇をとるべく、本気で打って出たササエルの大事な友達発言! ああー、ササエル、本当にいい子じゃあ。この思わぬ告白に、ちょっと照れちゃう未萩がとてもいい。ええ、ふたり、まずは友達から、そしてステップアップしていくのがいいのです。

『RPG不動産』

ラスティーレとサトナの悲劇を回避すべく、過去の世界にやってきた琴音たち一行。メイドに扮したアリスと、お気楽琴音たちと二組にわかれて、それぞれに行動していくのですが、琴音サイドは本当に結果オーライですね! 疲れたからと豪華なベッドでみんなして寝ていたら、ラスティーレとの秘密の謁見がかなってしまいました。

アリスはアリスで、メイドの仕事をしくじり倒して戦力外通告受けたと思ったら、モスカちゃんを発見。邪険にされながらも食い下がってみたら、アリスの母に目通りすることがかないました。

それぞれに、ラスティーレとサトナとの良好な関係を続けるよう働きかけるのですが、ラスティーレも同じ望みを持っていながら、生贄となる運命を避けがたいものとして受け入れてしまっている。そしてアリスの母からは、サトナがただ生まれ落ちただけで生じた惨事が語られて、ああ、この悲劇的な関係は不可避なのでありましょうか。

琴音たちがこれまで見てきた、裏切られた果てのサトナの作り出した未来は、まさにこの避けえないと思われた運命の先に待っているものなのでしょう。ということは、ここで琴音たちはまた別の道筋を辿るべく、運命を変えていかないといけない!

はたしてどのようにしてそれを叶えるのか。今、この状況において彼女らになにができるのか。まだ見えない道の先ですけれど、なにか変化をもたらすきっかけ、それが見つかることを期待してしまいます。

2023年3月30日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号、一昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

素晴しいエピソードといっていいのか、それともヤバいというべきか。女学校に出没した、見るからにあやしいカメラ男。あまりの危険な雰囲気に、速攻で初野をけしかける旭さんですよ。というか、腕ひしぎ十字固めはいけません! 案の定、喜ばせてしまっているじゃあないですか!

この男、雑誌『少女の煌』の編集長なんですか。趣味と実益を兼ねた仕事なのか? 学内での撮影許可がおりてるどころか、学校紹介のための取材なのだそうです。ということで、なにもあやしくなかった(ほんとに?)。かくして、さきほどの狼藉をお詫びすべく、紡たちをモデルに編集長氏の求めに応じるままの写真撮影とあいなったのでありました。

実際、ここからの撮影風景。とてもいいんですよね。初野さんがご活躍あそばしたのもそうですが、皆のセーラー服姿とかね、そうそう見られるもんじゃありません。和気あいあいと、時に近しく、仲よさそうにむつまじい皆の様子は、本当に見ていて心やすらぐよさがありました。

と、ここからまさかずっと気掛かりだったことに紡が気づくことになろうとはまるで予想もしませんでした。未来の世界から持ち込んだ謎の写真。最初は真っ暗だったそれが、以前、皆での集合写真に変わっていた。その集合写真が、まさに今回のエピソードにて撮影されたものだったとは。ああ、ここからどういう繋がりが見つかろうというのか。しかし問題の写真を探しに部屋に戻った紡が目にしたものは、以前見たものとはまるで異なるもの。廃墟と化した東京の様子なのです。

ああ、紡よ、気づくのです。あと数年の猶予しかありません。大正12年9月1日正午に発生する大惨事。紡よ、心覚えはありませんか。防災の日ですよ。学校で避難訓練とかしたでしょう? 今ここ大正の御代にて日々を暮らす皆の未来を、紡さん、あなたは握っているのですよ。

『ばっどがーる』

うわあ、すずちゃん、とばっちりだ。

とある休日、朝寝坊を決め込んでいた優が見たもの、それは我が家のリビングにて母と語らう亜鳥の姿。あまりのことに、見たものをそのまま信じられずにいる優。まさかの四国方言まで飛び出すほどの動揺具合です。

そんな優に試練が。母が出掛けねばならない。帰るまで、優の部屋で待っていてと言い残していくのですが、優の部屋、とうてい亜鳥を招き入れられるような状況ではない! 大量の亜鳥抱き枕! はいいとして、禁パイに放パイってなんだそりゃ! どこぞの方言なのか、新語なのか、それはわからないのだけど、この状況を亜鳥に見られるわけにはいかんと、窓から見えるすずの部屋に緊急退避!

それでも残った亜鳥グッズを隠すべく繰り広げられる優の無茶な誤魔化しから、亜鳥に憑いてる謎の存在にまで言及があって、ほんと、今回はなにがおこっているの? そして最後にすずちゃん、とばっちり! いやもう、なんだろう、このカオスな展開。本当、いつにないドタバタ感がすさまじかったです。

というか、なにが一番驚くかって、この抱き枕、本当に売られてるのね。ほんと、驚きでした。

『恋する小惑星』

美術の授業で、好きなものの絵を描くことになったチカ。画材は自由というので、そちらでも自分の好きを追求してみたい。

岩絵具! いや! いやいや! やめておいた方がいいよ!? 岩絵具めちゃくちゃ高いし、ものによっては毒性あるから! と思ったら、まさしくその方面から話が展開していって、しかし画材のために自分の鉱石コレクションをすり潰さんとするチカの勢い!

や、やめとこう! もったいないって! ほんと!

古い知りあいが日本画やってまして、まさしくこの岩絵具使って絵を描いていたんです。膠を溶かしてとかね、実際やってるところ見てました。あれ、夏場とか腐るんよね……。で、筆がめっちゃ減るんだそうで、なんせ砕いてすり潰した岩を使ってるわけだから、サンドペーパーに絵を描いているようなもの。とにかく金がかかるという話。

だから、今回のチカの大変さ、よくよくわかる。思いついてはみたものの、美術の秋山先生の好意で体験させてもらって、それでさすがに無理っぽいと岩絵具は断念。

けれどそこでまるっきり全部諦めるのではなく、地学のトピック、剥ぎ取り標本からヒントを得て砂絵に到達。ひとつの方向性にこだわるのではなく、視野を広くもって、ヒントを得て、そして現実的でかつ充分魅力的な解に辿り着いたところ、大変に素晴しかったです。

また、砂絵を描くだけでなく、そこに鉱石をコラージュしていくなど、発想がさらに異なる発想に繋がっていく。この連想もまた素敵でした。

2023年3月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年5月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年5月号、一昨日の続きです。

『夏っちゃんはととのわせたい』

週刊誌に取り上げられて、熱波師をやっていることが周囲に認知されてきた夏々。友達にも知られ、熱波とはなにかと話しかけられたりするのだけど、夏々、緊張しちゃって説明がおぼつかない! 知ってもらいたい気持ちはあるけど、なかなか思いどおりにはいかないんですね。

そんな夏々に、サウナのお客さんにして後輩の白桜が動画サイトを勧めてくれたんですよ。けれど全然乗り気じゃない夏々。炎上が怖いんだ! うん、わかる、わかるよ、その気持ち。炎上までいかずとも、変に悪目立ちしちゃっても困るもんね。とにかくネガティブに振れる夏々です。でも、熱波師のかおりも熱波動画を配信してると知って、ちょっと前向きになるんですね。

しかし夏々、本当に意識しちゃうと駄目なんですね。撮影してない時は自然な感じでうまく熱波を送れているというのに、いざカメラを回すとガチガチになっちゃう! ああ、これ、こっそり気づかれないように撮るしかないのでは? でもどうしても緊張しちゃうから、これを逆手にとってビビりすぎな熱波師として配信。ちゃんと話題になって、熱波への興味を持つ人も出てきてと、よかった! いい循環しそうじゃないですか!

と思ったら、この1件で夏っちゃんの動画活動は終了しちゃうのね! あのたった1件の投稿っていう落ちがめちゃくちゃ面白くて、なんといったらいいのかな、わかる! そんな感じがよかったんですね。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今日はエイプリルフール! というのですが、八重にとってはネガティブな印象があるのですか。かつて父にウソをつかれた経験が、この子の心に傷を残してしまった。というか、お父さん、明日から東京になるって、どんなウソなのか。というか、八重は幼少の頃から都会大好きだったんですね。

エイプリルフールの過ごし方について話してるのが面白かったんですよ。断固拒絶の八重とは違い、亜紀は企業がこの日のために用意するイベントを満喫すべく一日まるまる費すっていうんです。ああー、この数年は随分落ち着きましたけど、それ以前はすごかった。ひとつの企業サイトだけでも手にあまるくらいの規模がいくつもあって、まわり切れない、探し切れない、有志の報告による情報まとめを頼りに、あっちへこっちへと巡回しながら、時間が足りない、まだまだ見落しがありそうと、半ば諦めの境地であったこと思い出したりしましたよ。

でも亜紀は諦めるでもなく、本腰入れてエイプリルフールに取り組んでいるんですね。楽しみには前向きな、アグレッシブガールです。

八重は八重でエイプリルフール企画を楽しんでますというところ。目が 3 3 になってる八重は実に可愛かった。はいいとして、いつものようにどこかしら方向性のおかしい八重の主張を楽しんでいたらですよ、そこに用事があったはずの大河が登場。ああ、用事があるというのがウソだったんだ。八重を驚かすべくやってきた大河を前に、喜びを露にする八重、ほんと、可愛い子だと思います。

エイプリルフールを拒否していた八重も、なんだかんだで満喫しましたね。来年からは、八重も素直にエイプリルフールを楽しめるようになりそうで、よかったですね。

『敷金礼金ヤンキー付き』

今回は真夜メインだ。自分を変えるべく日本一のヤンキーを目指す彼女。本来は臆病で、学校では真面目そのものといったスタイル。いや、実はこの学校スタイル真夜、好きなんですよ。可愛いですよね。でも、真夜はこうした自分像から脱したいんだな。アイデンティティの模索、それが真夜の大切なテーマなんですね。

さて、今日もアイデンティティの模索を続ける真夜。思い切って学校をサボってみる! というんですが、途端に不安になっちゃうの。ああ、ああ、向いてないんだよ。無理しないのが一番だよ、と思うのだけど、それでも自己認識を変革すべくサボりは継続。ある意味初志貫徹で、こういうところにも真面目な性分っていうのが顔を出してるように感じたんですね。

七恵との会話が面白かったですよ。ふたりともに学生なのに、学校いくのが当たり前の真夜。七恵はというと、自分が学生という認識さえあやうくなっている! 筋金入りだな、七恵。そう、これだよ、これが無理しないってことなんだよ、真夜さん。

ふたりでゲーセンへと向かう道すがら。補導されたらどうしよう、学校に通報されたらどうしよう。ずっと不安を感じている真夜の様子。臆病な気質がよくよく現れていて、でもその格好で、しかも七恵と一緒なら別に心配いらんのでは? 七恵についても、サボりを楽しんでるとか真夜いってますけど、いや、これはサボりを楽しんでるのではなく、七恵の普通の生態なのでは? サボってるとさえ思っていないのでは? そう、これが自然体ってことだよ、無理しないってことなんですよ、真夜さん!

ずっと不安や迷いにとらわれ続けている真夜に、大家がしてくれたアドバイス。グレたはいいが、内心ずっとビビっていたという大家の言は申し訳ないけど本当に意外で、そんな大家との会話に救われた真夜。ああ、この感覚が大家も救われたという仲間との連帯。まさに大家が、先輩であり仲間であったということなのでしょうね。

しかし、最後にわかるんですが、学校サボった時の真夜、ちゃんと休むとたえに伝えてたんだ! ほんと、なんだかんだ真面目な子です。その真面目さゆえに、道から逸れることのできない自分自身に息苦しさを感じているのかも知れませんね。そしてこれは真夜ならずとも、多くの人が抱えている感情なのだと思います。

『通勤通学クエスト』

こうし好きがきっかけとなって知りあったカゲヒトとヨーコの関係。互いにリスペクトのある、理想的なものなのではないでしょうか! 細やかで気がきく大人の男性。ヨーコにはカゲヒトがそう見えているんですね。きっと26歳くらい、18歳で子供の自分は相手にされないって、さらに深くつきあうことなんて考えられないっていう感じであるんですね。

対し、カゲヒトからのヨーコ像。これがすごく対照的で、困ってる人を放っておけない、ヒーローみたいな女性! ひったくりを取り押さえてるのはほんとすごいな! とは思うんだけど、実際こうした姿を見せられたら、かっこいい人だって思ってしまうのは納得です。

で、カゲヒトはカゲヒトで、きっとヨーコは26歳くらいで、34歳の自分なんておじさんすぎて相手にされないよ……。

お互いに自分のこと低めに見積もっちゃって、それで踏み出せないっていうんですね!

これ、自分を卑下してる側面もあるにはあると思うんですが、それ以上に相手のことを大きく感じちゃってるんでしょう。見事なリスペクト精神! いやもう、理想的なふたりだと思いましたよ。

2023年3月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号、発売されました。表紙は『紡ぐ乙女と大正の月』。なんと、大正時代ではありえない、そんな格好で登場された蜂須賀初野嬢と一条雪佳様でありますよ! ふたりともに腹も露に、ミニスカートのチアスタイル。それでも屈託なくいい笑顔を見せる初野嬢、対照的に恥じらいのあまり怒ったみたいな表情になっている雪佳様。髪色の違いもそうであるように、コントラストあるふたりの存在感が非常に映えたよい表紙だと思います。伸びやかはつらつ元気そのものの初野嬢と、緊張から縮こまる雪佳様、そんな対比も悪くない。ええ、好対照であります。

今月は新規ゲストが2本です。

『ユメガタリの魔女』

新しい学校で、普通の子として振る舞おうと心に決めている転校生、語部小白羽。けれどそんな彼女に一番に話しかけてきたのは、クラスでも浮いている奇抜な子、結虹。一緒に世界をひっくり返さないかと誘ってきたのだけど、あくまでも普通でいたいこはねにとっては一大事。ゆにと一緒にいたら、普通に過ごして普通に友達に囲まれるような学校生活は望めない!

それでゆにのこと、避けて、避けて、避けまくるんですね。

でも、なにかやろうとしているゆにのこと、へんな子だからと距離を置く皆を見て、そしてゆにの言動の大本となっているのが、こはねも読んでいた本、『ユメガタリの魔法』と知って、それでちょっとずつ思いを変化させていくんですね。

ここからの展開が素晴しかったです。普通でいたいこはねと、普通でないことに憧れるゆに。いつか本に出てきた魔女みたいになるんだと語るゆにの言葉に、押し殺していた自分の本音をついに口したこはね。そこで明らかになる、こはねの秘密。実は魔女だったというこはねの、けれど夢をなくしてもうなにもできなくなっていた。けれどゆにがいてくれたらきっと違う。ゆにの思い描く夢を、こはねの魔法が現実に描き出す!

この、それぞれが持っているもので足りないなにかを補いあって、ひとつの目標に向かおうと決まった瞬間、これまで夢物語のようにあやふやだったものが、かちりと確かな輪郭を持ったと感じられたのでした。ゆにが思い描く夢が、こはねの魔法でただの夢ではなくなる。そこに感じられる躍動に、わくわくと気持ちの浮き立つ思いがしたのです。

『学園マスケラータ』

仮面着用を義務づけられている謎の学校、パラテノ学園。仮面のみならず偽名の使用も認められてる、一風どころか相当に変わった学園なのですが、それゆえに悪い噂は後を絶たず、かくしてその実態を探るべく、公安警察官、犬童桜が生徒に身をやつし潜入捜査することとなりました。

しかし、この桜さん、わりと頼りない? 仮面で素顔を隠し、かつ名もイヌワラチヨダと偽ってみたものの、顔をかくして銃器かくさず!? いや、スカートの下に隠してはいたんだけど、そんな長いスカートなんてと知りあったばかりの女生徒、ネコラネネに裾をまくられて即バレからの、警察官としての身分も、その目的である潜入捜査についてまで知られることなってしまいました!

展開がはやい! ともあれこうして捜査に協力してくれることとなったネネ。この子もこの子で、またなにか秘密を隠していそうですよね。初回は、状況の説明、そして相棒となるふたりの紹介といった様子。この学園の実態ないし謎については、次回以降に期待であります。

2023年3月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年5月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年5月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。先輩後輩がテーマ? いや、仲間とかチームとかなのかも。メインには、白衣すなわち仕事姿の山下ナースと大ちゃんがアイコンタクトにて互いの意思を確認しています。『らいか・デイズ』は、らいかを先頭に、クラスメイトから年少の子までがずらりと並んでおそろいのポーズでばっちり決めて、そして『小森さんは断れない!』しゅりはというと、いつになく百合な雰囲気をかもしだしておりますよ。

『おしかけツインテール』

いよいよ花梨たち母娘の引っ越し準備も佳境にはいり、どんどん進む荷造り。お母さんはちょこちょこサボったり、俊郎は俊郎で、なにかと花梨に現金持たせようとしてみたり、こうしてあちこちにコミカルな要素ちりばめられるのは、普通に真面目に描いたら、別れのつらさ、寂しさが強くなりすぎてしまうからかも知れません。

かたくなに現金を断る花梨。いや、現金はやりすぎだろうとは思うんですが、その花梨の気持ち、これまでの三年間、多くのものを貰ってきた。それ以上は求められないという心情にあやうくホロリとさせられそうになったかと思ったら、俊郎が花梨の置き手紙を読んで思ったこと、ふたりが去ろうとしている今、荷物もあらかた片づいて、けれどモノがなくなって寂しくなったかと思いきや、それ以上のものをこれまでにたくさん貰っていた。

ふたりともに、互いが与えてきたものに思いを馳せているというんですね。

次回、いよいよ最終回だそうです。この別れの先にあるもの。確認せねばなりませんね。

『おだまき君の道草ごはん』

小麦を自宅に招く苧環。今日は誰もいないから、なんて意味深なこといっちゃって、いやもうそりゃ小麦も意識してしまいますよね。なにか恋愛的なイベントが!? と思いきや、苧環はいつもどおりといいますか、うっかり大量に解凍してしまったタラの芽を消費するのを手伝ってほしい。

まったくもって、恋愛的な機微にはうとい、ないしそういう方面への発展性を持たない男ですよ!

と思ってた。思っていたんです。それがまさかですよ。棘のあるオダラから小麦を守りながらふたり一緒の台所仕事。まさかそこで、夫婦みたいだねって! って! いや、それ、メダラ、オダラのことなのかい! でもこれ、ほんとに苧環、意識しないでやってるの? 小麦の反応を楽しんでるとかじゃないのん!?

えらい疑惑抱きながら見ていたらですよ、棘のささった苧環の介抱をすべく手をとった小麦に赤面苧環くん! マ、マジかーっ! 苧環くん、君にそういう恋愛回路があるとは今の今まで思ってなかった。しかもこの表情を、小麦のみならず、妹に、父に目撃されてしまって、よっしゃーっ! って、なにがよっしゃーかわからんけれど、いやもう、これはよっしゃーでしょう。

ここから小麦、あんたのターンだよ!

『となりのフィギュア原型師』

造形イベントに着ぐるみ装備で参加するえにぐまちゃん。いや、いやいや、その格好で現場までいくのん!? ああ、案の定警察に呼び止められてるやん! しかたないので変身前の姿で会場に向かえば、えにぐまちゃんが! におが! もう限界だ!

もう、ほんと、今回はのっけからハラハラさせられる展開でした。

イベントがはじまりました。お客さんの反応に直に触れられて、えにぐまちゃんも嬉しいんだ! ものすごいテンション上げてきて、よかったなあ、えにぐまちゃん。半藤とも遭遇。そして会場をぐるり巡ってみたりもして、よかったなあ、えにぐまちゃん、イベントを満喫してる!

と思っていたのに、ああ、そうか、そうだよな、着ぐるみは暑いよな。それで熱中症になっちゃって、座り込んじゃって、おこめ代表が見つけてくれたものの、着ぐるみから出るの断固拒否!?

どうにもできない代表! 半藤に助けを求めるも、半藤はどこにいるのか。ああ、ヒーローの出番ですよ。日頃、鍛えている身体は今日のこの日のためだったんだ!

次回、半藤は間にあうのか。刮目であります。

『おひとり好きの富士宮さん』

鷹祭プロデュースのお花見。まさかの富士宮の参加もとりつけたというのですが、裏で糸を引いていたのが胡桃。やり手だよな。自分の望みを叶えつつ、鷹祭に費用を全部持たせる。素晴しい。したたかどころか、暗躍、狡猾、最高に魅力的ってやつですよ。

しかし、鷹祭の、というか胡桃の好み、全然富士宮向けじゃないのね。ホテル最上階を貸し切り。豪華そのものではあるのだけど、富士宮はこういうのよりも、もっと庶民的、素朴だったり当たり前だったりすることに価値を見出していくタイプ。実際、今回も眼下に望む屋台への思いに焦がれて、しかもそこに本日限定タコ2倍たこ焼きの情報がもたらされたものだから、もうたまらない。

こっそり会場を抜け出してしまうっていうんですね。

富士宮がいないと騒ぎになりかけてしまったその時、駆け出していった内山。オフの富士宮を知っているのは自分ひとり。降り出した雨の中、オフスタイル富士宮の前に現れた内山、富士宮さんと名を呼ぶも、富士宮は内山を認識していない!? どうなの!?

ともあれ、ずっと一方通行だった内山の感情が、ここにきて双方向に!? これはまさしくクライマックス。これまでの関係、状況が一気に変わる、そんな山場に差し掛かって、いやもうこれは先が気掛かり。面白くなってきましたよ。

2023年3月26日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号、昨日の続きです。

『アネモネは熱を帯びる』

宇田と凛理とのデートの様子が描かれます。のっけからやたらと緊張している宇田ですよ。ああ、これはなにか悪い方向に働いたりしちゃうのではないか!? 不安を感じたりもしながらも、凛理と落ちあってからは興奮が緊張に勝るのか、とりあえずは大丈夫そうですね。いや、張り切ってるのは変わらない。それからちょっと空回り気味! 凛理を楽しませるべくいろいろ調べてきたというのですが、ちょこちょこしくじっては自己嫌悪に陥りそうになったりと、感情もろもろが忙しい宇田ちゃんです。

けれど水族館での凛理の様子などね、苦手はありつつも充分に楽しんでいるようで、これはよかったのでは? 実際ふたりの様子、雰囲気もたいへんによい感じで、ふたりで一緒にキーホルダーを買うところとかね、すごくしあわせそうな宇田の笑顔に、よかったねと思わないではおられませんでした。

それだけに、最後の観覧車でのこと。観覧車に緊張する凛理の隣に座ったところまではよかったのに、そこからの会話、凛理から聞かされる好きな人のこと。宇田は明るさの中に嬉しい気持ちも切ない思いも全部隠してしまって、凛理のことをただただ応援しようとつとめる。そのいじらしさに、胸苦しさ覚えるような心持ちになったのでした。

ええ、宇田ちゃん、切ないですね。報われない恋なのか。たとえそうだとしても、凛理の恋の破れることなど願えるわけもなく。ええ、切ないのです。

『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』

熱波師として鍛錬を積んできたスラー一世一代のロウリュイベントがはじまります。

スライムとしての特性を生かしつつ、ただタオルで扇ぎ熱を送るだけではなくなっているスラーのロウリュ。細やかなコントロール、気配りを欠かさないその姿勢には余裕さえ感じさせられて、こうして利用者ひとりひとりとコミュニケーションをとりながらサウナの場をしっかりまとめていけるようになったの、本当、修行の成果ですよね。こうしたところに感じられるスラーの成長、と思ったら、ここからさらにもう一段あがっていくところ、実によかったです。

サウナの熱さにまいることなく、たっぷりの水分を補給しその先のステージに向かおうとする心意気。ああ、この子は本当に熱波師としてだけでなく、スラーその人としてもひとまわり大きく成長したんだ、ひとつの山を越えたんだと強く感じさせてくれる名場面だったと思います。

そしてスラーの熱意にあてられたのでしょう、ルナもやる気を奮いましたよ。ここ異世界サウナにて従業員として働くことを決めて、かくして制服を着用したルナの姿。これからどんな活躍をしてくれるのだろう。その働きに期待ですね。

『花唄メモワール』

大正時代にて、幼ない頃の曾祖母イネと出会った梅。藤野に懐くその様子を見れば、これから藤野の身に起こることにどれほどのショックを受けるだろうか。そう思えばこそ、梅の活躍に望みを託すばかりなのでありますが、それはそうと、時代を行き来している梅のこと、知るのは梅ひとりではなく、このイネもまた令和の世においては事情をしっかり把握していますよね。ということは、やっぱりこの大正の世にて必要になる知識、技能を梅に教え込んでいたイネの思惑。それは梅が困らないようにということでもあるけれど、やはり最終目的は大好きな藤野の運命を変えることなのでは?

いろいろ状況もわかってきた今回。梅のもとに戻ってきた梅花をあしらった髪留め。その由来が判明。曾祖母、イネから貰ったものというのですが、そのもともとの持ち主はイネの母。イネを産んで亡くなった母の形見だったというのですね。

イネが壊してしまった大切な形見。それを女将にいいだすことができず、ずっと胸のうちにしまっていた。さらには嘘までついてしまっていて、けれどそれを藤野たちが一芝居打ってくれて、そして梅もイネの背を押すことで、女将に正直に話すことができた。

母の形見である髪留めを、後に梅に贈ったのは、この大正の世で梅が身につけていたことを知っているから? アイスクリームが好きなのも、この時のことがあったから? 後に宿に残る記録を見て、トンカツのことなど、自分の見知らぬことへも対応できるよう仕込んだ?

ええ、今回のできごとには、この物語を理解するための大切な情報が詰まっていたと感じたのでした。

『追風のジン』

かつてグレンたちとともに天叢雲を結成したフブキの口から語られた過去の事実。自分たちの身に宿る力のこと。妖怪を退治するために錬磨し、天叢雲を結成したこと。そして妖怪の大将、百夜丸に迫ったこと。

そしてこの戦いの顛末。

裏切り者として伝えられるグレンの真実。本当に裏切ったものが誰だったのか。なぜグレンが裏切りものの汚名を着ることとなったのか、すべてが語られてそして物語は、これ、終幕に向かっていますよね?

ジンが、ココロが探し求めていた答が全部ここに揃いました。カエデの復活をかなえんがために、百夜丸を蘇らせようとするフブキ。そのためには風魔結晶と、そしてココロの血が必要となる。ついに正体を現したフブキ。

いよいよフブキとの対決がはじまる!?

本当、この戦いで終わらなかったらおかしな邪推してごめんなさい! でもほんと、唐突のクライマックス感。フブキの思惑が通るか、ジンたちが阻止するか。戦いの行方に注目です。

2023年3月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号、昨日の続きです。

『高瀬さんはドル活に夢中です』

ああ、本当にうまくいかないものですね! 高瀬に購入させるつもりだったドールのヘッドを、予想外の争奪で入手できないという番狂わせ。まさかこんなはずではなかったと思うのは江田ひとりで、高瀬をはじめとするドール愛好家の中では江田すなわちPOPの認知は予想以上だった模様です。

購入戦に負けたふたりの帰り道、そこで交わされた会話が面白かったです。拡散もいいねもさほど多くないPOPのSNS。けれどこれ、購入者視点からすれば、評価が増えて拡散も増えれば多くの人目に触れ、結果ライバルが増えてしまう! なんとかして知られないよう、そっとマークしておきたい。そんな気持ちがあるっていうの、わかる! わかるわ! いやほんと、実際争奪戦になりそうなものは、認知度上がって欲しくないもんなあ。とはいえ、自分が知っていて欲しいと思うようなものは、アンテナ感度高い人は当然知っていて、ゆえに争奪戦にて出し抜けるなんてことはまるでないんですけどね!

作家としての自己像の修正を迫られる江田です。きっといつか必ず高瀬にヘッドを届けられるように、欲しい人の手元に届くようにと、より一層の奮起をする、そうしたポジティブな変化があると思えば、発送や製作のための時間を確保するために高瀬との時間を減らしてしまうことに!

あの、ドールショップめぐりの申し出を断わられた時の高瀬の顔! よほどのショックなのだとわかるけれど、江田はまるでそちらに目が向いていなくって、ああ、なんでこうもうまくいかないのだろう!

このジレンマそのものの状況。いずれまたふたたび、もとのふたりの関係に戻る日を待たないではいられません。

『球詠』

日本一の合宿を終えて、野球部はシーズンオフ、活動は基礎的なものにとどまっているんですね。かくしてちょっと野球から離れた皆の様子描かれて、初詣にいったり、クラスマッチ? 百人一首と将棋とeスポーツと麻雀で競いあう学校行事なの? 球技大会の文化版? でも麻雀があるのは面白いな。というか、皆普通にルールもわかってれば駆け引きもできるんだ。レベル高いな! 自分はいまだに点数計算できないですよ!?

野球から離れていたのは、これくらいですよね。もちろん野球部の活動は続いていて、過酷な体力増強メニューをこなしていく部員たち。そして卒業のシーズンが過ぎれば次は新入生たちがやってくる春。となれば、野球のシーズンもいよいよはじまり、待ちに待ったとテンション高めの野球部員たち。小河台相手の練習試合で、皆がそれぞれに自分の力量の変化した様を実感していくところ。この描写など実に面白く読みまして、なるほど、球威が上がれば送球なんかの勘も違ってくる。こうした変化を意識し、いろいろ試しながらその変化に対応していくのが、こうした練習試合の役割だったりするわけですね。

春、ちょっとした環境の変化にも戸惑いながら、いよいよ新たな一年がはじまります。岡田たち上級生組にはこれが最後の一年となる。そして迎える新入生。どんなメンバーが加わるのか。一部にはレギュラーから外れる不安なんかもありながら、それでもチームの層が厚くなるのは確実でしょう。その変化もまた楽しみであります。

『ちょっといっぱい!』

最終回を迎えました。前回は、苦難を乗り越えるための秘訣をこはる屋立ち上げメンバーたちから聞かされたりして、これからのもみじが経験するだろうことに思いを馳せたりもしたものでしたが、今回はこれからもみじとともに居酒屋立ち上げの大仕事に立ち向かわんとする若い人たちの希望にあふれた会話がメイン。そこには現実的な苦労よりも、夢や期待、まだ見ぬ未来の姿への憧れなどが示されて、そのフレッシュさにページをめくるたびにわくわくさせられるものありました。

しかしその途中でね、居酒屋もみじってエリカがいうじゃありませんか。それ見て、ええっ!? すずめ亭じゃなくてもみじって店名になるの? いや、エリカがそういってるだけで、そうなると決まったわけじゃないですけど、そうか、てっきりすずめ亭でいくものだと思っていたから、店名が変わる可能性とかまるで考えもしていませんでした。

居酒屋開店にかかる苦労話などは、あえて前回に大人組メインですませておいて、最終回は明るく前向きな、これから開かれていく若い人たち中心の話にしてくださったんでしょうね。もしかしたら時間が一気に過ぎて、すずめ亭あるいは居酒屋もみじの様子など描かれたりするかもとも思ったのですが、具体的な未来の姿はエリカの絵による想像のものに留められたのが、逆にきっとこうなる、こうなって欲しいと願う彼女らの、そして読者の思いを将来へと導いてくれるようでした。確定しない未来だからこそ、こうなって欲しいとより強く願う、そんな気持ちにさせてくれたのですね。

終始明るくポジティブに、そして少しの涙もあったけれど、苦しみやつらさによるものではなく、自分に向けられた優しさに対するあたたかな涙。きっとこの子たちは大丈夫だと、たとえ未来に荒波が立とうときっと乗り越えていくのだろうと、そんな期待をともに閉じられた物語に、けれど心はその先へ先へと向かうがごとく開かれていきました。

『スローループ』

扉絵の恋先生、素晴しいな。さて、今回はいつもの皆で屋上でお昼。恋のお弁当のおかずをわけてもらうイベントが発生してるんですが、うきうきそわそわしながら卵焼きをもらうひよりの様子に、咲良さん、なにか思うところがおありのようですよ。

今回は釣りよりも学校の友達との交流メインなのかな、と思ったらさにあらず、これからはじまる釣りへの導入回! なんと、修学旅行の舞台、沖縄にてマグロ釣りをすべく小春が許可を得てきたっていうから大変です。確かに修学旅行とか、自由に行動決められる時間とかあると思うけど、それを使っての船釣りか! 考えるところからそうだけど、それをためらわず行動に移す小春のダイナミックさよ。素晴しいわ。というか、それほどにマグロ釣りに憧れていたの!? 確かに以前そんな話もしてたよね。恋の弟をマグロに見立ててなんかやってたりもしてたよね。

それがまさかこのタイミングで再浮上してくるとは思いもしていませんでした。

で、話題はもうひとつ。甘い卵焼きが好きなひよりさん。恋の作る卵焼きが甘いこと、なぜ知っていたのかという、そのエピソードが後半に語られるんですが、子供のころ、両父に連れられて恋といった渓流釣り。そこでの思い出話、というんですが、全然卵焼きまで辿り着かんじゃん! ポイントの見極めとキャスティングの話しか出てきてないよ!?

しかし幼ない恋とひより、両父じゃないけどめちゃくちゃ可愛いですよね。そしてラストの、内心そっとツッコミ入れてる咲良と美月、話のあらましわかってるからか若干覚悟してる風の恋など、こうしたちょっとしたところも大変に面白かったです。

2023年3月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年5月号、発売されました。表紙は『球詠』。キャプテン岡田が真ん中、その左右に藤原、光がごろりとともに芝生に寝転んでいる情景です。3人の身のまわりにはボールが転がったりしていますが、穏やかな雰囲気、春の日射しに照らされている、そんなのどかでなごやかな様子に見ているこちらもつい笑顔を誘われるようなよさ持っています。しかし、藤原の笑顔がなんかいいですね。なんか妙に緩い。味のあるいい表情。のびやかな光も素敵です。

今月は新規ゲストが2本です。

『オンラインゲーム仲間が隣の席の怖い女の子だった話』

同じクラス、隣の席の女の子。いつも険しい顔をしていて、とっつきにくそうな印象のその子が使っていたペンが、自分もやっているオンラインゲームのグッズだったという意外性。まさかこの子も同じゲームやってるの!? 驚いてゲーム内のフレンドに話したことがきっかけで、隣の席の子、黒沢がゲーム内の友達、レッドビーンと判明していくそのくだり。よくあるパターンといっていいのかわからないけれど、それでも定番シチュとなるだけのよさがありました。

でも、読み進めていったらわかるんですが、この時点ですでに黒沢は、ゲーム内の友人、リョータが隣席の白井だと知ってるんですよね。わりと白井は黒沢について酷いこといってるんですけど、それも全部わかってる。それどころか、あえてペンでプレイヤーであること匂わせたりしてたのも、全部が全部、白井に気づかせる、興味を持たせるための振りだったと考える方が自然!

ええ、この状況、常に主導権を握ってるのは黒沢だったって最後にわかるの、すごくよかったです。

オンラインゲームで一緒にプレイしていたフレンドが、実はリアル知りあいでした系のお話はたくさんありますけど、偶然だった、世界は狭いね、みたいな展開もある中、この漫画は、たまたまなんかじゃないよ、むしろ白井のSNSアカウントバレからはじまっていたんだよ! という流れもまたよくって、そうなんですよ、黒沢が白井にコンタクトを取った、最初の最初から情報の格差は存在していて、だからこそゲーム内で仲を深めて、現実でも誤解が解かれて、そしてふたり仲良くなってという動線も納得感高く、読み切りの一話で充分無理なく読ませるものになったと感じています。

クライマックスの、レッドビーンの正体を知った白井の葛藤から、まさかの黒沢からの謝罪も意外性あって面白く読みました。白井も黒沢も、好感持てるキャラクターだったところもとてもよかったです。

『なんだ来てたの』

いい漫画ですね。大学の2年生。すでにはじまっている就職活動にどうにも乗り気になれない堀内綾が、一冊の本をきっかけとして出会った水谷貴子とだんだん友情を深めていくストーリー。最初の出会いこそは、貴子のあまりの強引さに驚かされたものですが、いやね、いくら自分が好きなマイナー作家の本を探している人がいたとしても、自分の大事な場所、隠れ家みたいな書庫にそのまま引き入れるとか、もし綾が悪いやつだったらどうするの!? ほんと、心配したんですが、その後の貴子の言動もろもろ見ていけば、ああ、この人はブレーキがついてない系のオタクだ。自分の思いそのままに突っ走る。そんな貴子が、綾との出会いに、この人は手放してはいけない人だと思ってしまったからこそ、この物語は動き出したんだなと納得させられるものあったのでした。

なんせ、貴子さん、ものすごい。自分の蔵書、読書空間確保するために倉庫一室借りている! 費用、どう捻出しているの!? 書店バイトしてるのはわかってるけど、バイト代で倉庫代賄えるものなの!? もしそれが可能なら、自分もやってみたい!

そんなこと思ってしまうくらい、貴子の行動はオタクにとっての理想形を描いていて、ある意味夢を叶えたオタクですよね。かくありたい。だが、現実には難しい。だからこその、貴子の生き方、そして綾との関係の深め方には、あたかも美しい夢がそのままかたちを成したかのような魅惑があったのだと思うのです。

自分の理想的な空間。わかりあえる、感性の近い友人。自分の大切にしている価値を認めてくれる誰かがいて、時にともに語りあい、時に同じ場所でそれぞれ違う本を手に自分の時間を過ごしている。この距離感の心地よさが伝わる。それだけに、こうした関係を望ましく思う人にとっては、これだ! と膝を打つようなわかっている感がある漫画だと思ったのでした。

そして本がつなぐ関係、本に囲まれたふたりの隠れ家。それが綾に与えたもの。そして綾がこの場に求めたもの。それらが総括された終盤とそこからはじまる彼女の変化。気づき、そして現状を乗り越えていく活力をこの場所から、貴子との関係から得ていたのかも知れませんね。

憂鬱で重苦しい現実から逃避できる場所があってもいい。時に現実に向きあわざるを得ないにしても、疲れたときにはふたたび戻れる場所があるって素晴しい。そうした心の保養地を互いに持つふたりの関係。それはやはり理想形だと、うなづかずにはおられませんでした。

2023年3月23日木曜日

鉄道にっぽん!路線たび

 Nintendo 3DSとWii Uのeショップ閉店を来週に控え、駆け込みでよさそうなソフトを買いまくろう! と思っていたのですが、思わぬ誤算がありまして、私は一足はやくリタイア、ソフト探求の旅は終わりを告げることとなりました。誤算とはなにかといいますと、3DSの容量不足であります。3DSには32GBのmicroSDカードを入れていたのですが、当初は到底使いきれる気のしなかったこの大容量も、ちょっと本気を入れてダウンロードソフトを買うとあっという間に満杯になってしまいました。というか、『鉄道にっぽん!路線たび』が悪い! 各ソフト6,380円がまさかの100円、6,280円引きという暴挙に出ている。どんなゲームか知らないけれど100円ならどんな出来でも腹は立つまい。必要容量を確認したら、4862ブロック以上。5千として7本で3万5千ブロック。残り5万ブロックはあるな、と思ったのが大きな勘違い。ええ、この前提が間違っていたんです。

私が確認したのは「叡山電車編」だったんですよ。なんせ京都生まれ京都育ちですから、鉄道をずらりと並べられたらどうしても身近で馴染みのあるのを開いちゃうじゃないですか。それで必要容量5千弱。確認もせず、他の鉄道も同じくらいと思い込んでしまったのが運の尽き。

実際に購入して、「長良川鉄道編」のダウンロードを開始した時に、あ、これはやばいと気づいたんです。長良川鉄道の必要容量、13011ブロック以上! やばい。初っ端から1万超えてきた! これ、ちゃんと全部ダウンロードできるのか? たまたま長良川鉄道だけ大きいとかだといいのだけれど……。

わずかな希望は続く鹿島臨海鉄道に打ち砕かれて、鹿島臨海鉄道、必要容量14801ブロック以上!

もっとデカくなった!

やばい、これはやばい。たまたま叡山電車だけ小さかったのか。この調子でどんどんデカくなっていくとダウンロードできないぞ。せっかく買ったのに、遊ぶこともなくなにかしらを削除しないといけない、ダウンロードしないままに諦めないといけない。

いや、それは嫌だな。消すなら『THE 歩兵』かと思うも、そんなに大きなゲームじゃないからなんの足しにもならないよ!

続く近江鉄道も1万ブロックを超えました。けれど、ゆいレールは路線も短いからきっと容量も小さいはず! 頼む、叡山電車以下であってくれ! と願うも、まさかの6290ブロック以上!

ここでほぼ絶望でした。まさか、容量見積りに使った叡山電車がシリーズ最小容量だったなんて思いもしていませんでしたよ。この後、無事上毛電気鉄道も1万ブロックを超え、最後の会津鉄道で容量不足を告げられダウンロード不可となりました。

でも、運がよかった。消せるソフトがあったんですよ。

それは体験版! 3DSの体験版は起動回数が30回に設定されているから、記念や思い出目的で残しておく以外に意味がないんです。ある意味、思いきりよくすっぱりと削除できるわけでして、脱出アドベンチャーシリーズの体験版を全削除。『メイド イン ワリオ』の体験版も削除。さらに『毛糸のカービィ』、『名探偵ピカチュウ』の体験版を削除して、ようやく『鉄道にっぽん!路線たび』全7本のダウンロードがかないました。

いや、ほんと、ラッキーでしたよ。とりあえずこれで購入したソフトは全部ダウンロード完了。後は遊ぶだけという状況。microSDの残容量は1500ブロックほどあるので(まだ消せる体験版が2本ほどある)、セーブデータ作るのに必要な容量くらいは充分確保できてるだろう。

ほんと一安心です。

『鉄道にっぽん!路線たび』はまだ起動さえしていませんが、ざっと見てみれば評判もよい模様。遊ぶ日を楽しみにしています。

2023年3月22日水曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年3月21日火曜日

Fish Eyes 3D

 Nintendo 3DSとWii U向けのeショップが来週にもサービス終了してしまう! ということで駆け込みで、これは買っとこう! というゲームを探しては買っているのですが、こういう時にありがたいのが閉店目前セール。これだ! という決め手がなくとも、あ、こんなゲームがあったんだ、しかもこんなに安くなってるんだと、ほいほい、ついつい買ってしまう。そんなサイクルに入ってしまっているのです。

さて、これまでもたびたび行われていたセールで、気にはしていたけど買わずにいたゲーム、『Fish Eyes 3D』を買ってしまいました。これまで買わなかったのは、釣りなら『Real VR Fishing』があるからなあ。いくら3DSの立体表示に対応しているとはいっても、VRゴーグル内で展開される全天映像に比べれば、小さな画面、小窓から覗く景色は迫力に欠けるといわざるを得ないでしょう。

でも、『Real VR Fishing』が気にいっているといっても、さすがに遊びすぎたといいますか、最高難度にしても難しくなくなってしまって、またどの魚がヒットしてもあまり違いがないものだからちょっと単調に感じてしまってることもあり、違う釣りゲームで遊んでみてもいいかもなんて思っていたのです。

ということから、試してみる気になった『Fish Eyes 3D』。実際遊んでみると、かなり面白かったです。とはいえ、自分が知ってるのは現実の釣りではなく『Real VR Fishing』というゲームでしかないので、『Fish Eyes 3D』が表現している釣りがどれくらい本当らしいかはわかりません。ですが、『Real VR Fishing』ではあまり感じることのできない魚の元気さというのがこのゲームではより強く表現されていて新鮮な感覚がありました。

針がかかってすぐは引きも強く、かなり暴れる魚が、ラインを切られないよう巻いて緩めてを繰り返しているうちにバテてきて、あまり引かなくなってくる。そうやって魚を御していく感覚は『Real VR Fishing』にはなく、同じ釣りを題材としたゲームでもアプローチや表現の方向性はこうも違ってくるんだなと思わされました。

釣り場はまだ5つくらいしか開放できていませんが、滝があるステージもあって、ということは水の落ち込む場所とかには魚が集まりやすいとか、あるいはあの右手にある影になってるところにも!? みたいに思ってわくわくしていたんですが、どうも他の人のレビューを見てみると、そういうギミックはないみたいです……。

このゲームにはクエストがあって、特定の魚を釣ってこいみたいな課題が与えられるんです。魚種ごとの好みにあわせてタックルを変えることで魚の釣りわけもできるんですが、どうせならそこに加えて、魚によって違う集まりやすい場所を選んで狙うみたいなのもできればより面白かったり、あるいは本当の釣りっぽくなったりしたんじゃないかなあ、みたいなことを思いました。

とりあえず今はセールで1,935円が480円。ただし、22日、明日の午前9時59分まで。興味のある人にこのセールの情報が届けばいいなと思います。

2023年3月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、昨日の続きです。

『リリカお嬢様に振り回される!』

アルールが太ったと思ったら、こっちでは永野が太ってる!

リリカの気まぐれで、せっかく買ってきたケーキが無駄に!? このままじゃ全廃棄になってしまう、ということで責任を持って全部ひとりで処理してみたら、見事に太ってしまいました。

というんですが、人相まで変わってしまっとらん!? ふくよかになったねとかいうレベルでない。あの愛らしかった永野はどこに!? と戸惑うほどの太り方してしまって、ああ、このままではいけないと永野のダイエットがはじまります。

間食を我慢してランニングにいそしむ永野がその途中で出会ったマイちゃん。スリムでキレイ、いや実際、この2段抜きの立ち絵、めちゃくちゃ可愛いんですけど、やせる秘訣など教わってみればですよ、貧乏だからと返ってくるわびしさ! いや、こうなる予感はしてました。

で、まさかここから昆虫食に話題が移って、さすがマイちゃん。マイちゃんといえば昆虫食。永野はこの子と一緒に虫とりするはめになって、ああ、永野も昆虫食デビューか! とわくわくしてたら、さすがに遠慮しましたか。しかし、永野は虫とりでカロリー消費、マイちゃんは食料調達と、ふたりともに恩恵のあるこの理想的関係! この虫とりが縁で、ふたりの関係もより深まったのでは!? と思ったら、ああ、ふたり抱きしめあって、なんと素晴しい関係でしょう。さらなる発展を願う気持ちでいっぱいになりました。

さて、今回の落ちですよ。途中途中で描かれたリリカの行動。ああ、これはリリカが太るなと思ってたら、やっぱり案の定そのとおりの結果となって、いやしかし、リリカも見る影なくなっちゃったな! あの愛らしかったリリカはどこに!? と戸惑うほどの太り方しています。

『ギャルとネクラの吸血関係』

ヴァンパイアハンターの出現をきっかけに、いよねの家に生活拠点を移したまくる。仕事で不在がちな親に代わって家事にいそしむいよねに依存しそうな勢いなんですが、悪いことに肝心のいよねが体調不良でダウン! 触れてみれば発熱している模様。

困った挙句、姉に助けを求めるのですが、姉はまくるよりいろいろこなれてますよね。特に慌てることもなく、風邪だろうと。寝てれば治るだろうとアドバイスしてくれて、かくしてまくるの看病が始まるのですが、いろいろ不安がありますよね。この子、常識ないものなあ。

風邪の対処法をネットに求めるまではいいのだけど、身体を冷やしましょうというアドバイス、まさか水をぶっかけたりしないよね!? めちゃくちゃ心配したものの、よかった添い寝だった! けれどまったく効果は得られず、ここで無力感に苛まれるまくるの様子、切なげでたいへんよかったです。

自分がいよねにできることはなんなのか。考えあぐねて、まさかのヴァンパイアハンター、アクアに助けを求めるという暴挙に! 危険を押して天敵ともいえる相手のもとに駆け込んだその献身的態度には切実さ感じさせられて、この子の本気の度合いもわかろうものですが、でもアクアはアクアで非常識というか、本当に頼って大丈夫なのかな!?

いやもういよねもまくるも心配になる展開。アクアが頼りになるのかどうなのか。そこも気になるところです。

2023年3月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、昨日の続きです。

『瑠東さんには敵いません!』

高永先輩は本当に言葉のチョイスが駄目ですね! 瑠東と和村、ふたりを前にして、唐突に瑠東のこと好きじゃない宣言ですよ。さすがにショックを受ける瑠東。いったいどういうこと!? と思ったら、文美から瑠東ファンと思われて懐かれている。けど本当は瑠東ファンじゃない、というのを高永流に表現すると、瑠東のこと好きじゃない。

語弊がありすぎやしませんか!?

高永にとって瑠東は、自慢のかわいい後輩なのだそう。このへん厳密な区分がありそうで、けどなかなか他人にはわかってもらえなさそう。

ともあれ、このことを文美に告げようにも瑠東のこととなるとテンションがものすごくなってしまってどうにもいい出せない。なので瑠東と和村に相談したってわけなんですが、残念ながら解決は見ませんでした。どころか、文美の熱量のものすごさを再確認させられたって感じですよね。

高永の気にしてること。文美の自分に向けてくれる視線、笑顔、それが失われるのではないか、そういう不安があるっぽい? また、瑠東の話をする時の文美の笑顔。自分を前にしながらも、その笑顔が向けられてるのは瑠東になんだ。そう気づいてもやもや? でも、文美にとって高永も特別だということが示されたあの瞬間。高永の世界はちょっと変わったのかも知れませんね。

でも、ほんと、文美ちゃん、めちゃくちゃいい笑顔。ずっと可愛かった。ものすごい可愛かった。いやほんと、高永がよろめくその気持ちもわかろうものです。

『コンビニ夜勤のあくまちゃん』

季節は秋。秋というとスポーツだ読書だ食欲だといろいろあるわけですが、コンビニとしては季節限定商品の秋!? 秋スイーツがどかんと展開されて、今年の秋はさつまいもづくし!? からの、大量に入荷してくる新商品!

これ、全部売らなあかんの? 多田の誤発注を売り切ってきたの、全部販売実績としてカウントされてるんだ。そのせいでどばどばどばどば発注させられる。やばい。これいつかショートするやつだ。いくらなんでも無茶すぎるやつです。

秋スイーツをはやく食べたいと気もそぞろな多田にアルール。売り切れないだろうかと心配するも、バックヤードには尋常でない量の在庫が! あの、信じられないほどの在庫ってのを復唱するところ、めちゃくちゃ面白かった。ほんと、めちゃくちゃな量、仕入れさせられてるんだな。

今回はこれをいかに売り切るか、みたいな話にはならないんですね。むしろ売り切るのは規定路線だからな。ということで、漫画の参考、資料にと、ねねから資金提供受けた多田とアルールが新作スイーツを食べまくるという展開になるんですが、ああ、これは太るな。そう思ったら案の定だ! アルールはモチ度があがった感ですが、多田はなんかやばい雰囲気があるな。ほんと、なんだかんだ悪魔なので人とは違う方法でウエイトコントロールできてしまうアルールと違い、多田は一朝一夕に痩せるとか無理なわけです。服のボタンも飛ぶほどの太りよう。仕事終わりにジムに寄るとかいっちゃいまして、いや、それ、死にかねない案件なの!?

いやほんと、コンビニの闇もちらほら織り交ぜながらの、天高く多田肥ゆる秋。これもまた季節の風物詩でありますね。

『ぬるめた』

さきなが書いた小説、こごめに読ませたら散々だった。シブい? 地味? きっとこれ、情緒とか人間模様とか、そういうのに欠けるタイプの文章なんだな。あるいは才走りすぎてるとか、そういうのんかも知れん。

これまでずっとちあきからは好評だったもんだから、あまりの不評に納得いかないさきな。他の皆はどんな感想持つのだろうと、次々読ませてみては不評に苦しむ、その様子や面白く、いやほんと、人によって興味の向き先も違えば着眼点も変わってくるというの、しっかりばっちりわかっちゃって、これ、さきなの小説の感想を通じて皆の個性やらが浮き上がってくる面白さありました。

そしてついには村川にまで読ませることとなり、真摯にしっかり読む子だなあ! でも感想より以前に、一緒に文芸部に入らないかと誘われて! さあ入るのかどうなのか? と思うまでもなく、さきなはそういうの嫌だよねー! ですよねー! といった落ち。その場にいた村川、ちあき、ふたりともにその感情ありありと理解してるのもまた面白かったです。

ええ、今回は顔に出るさきなの感情もろもろ、そのバリエーションこそがテーマだったんでしょうね。

2023年3月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、昨日の続きです。

『マグロちゃんは食べられたい!』

人の姿になったマグロたちと人間との交流、その心情が描かれて魅力的と感じています。

今回はさしみとクロマグロの日常生活。眠らないといわれるマグロなのに、ぐーたら朝寝を決め込んでるクロマグロ。人とマグロの立場を適宜使い分けるところ、いいですよね。したたか、屁理屈、微笑ましいんだけど、いざ自分がされたら腹立つやつ! さしみさんは大人ですよね。あきれながらも怒ったりはしない。しっかり起こして、おやつをエサに家事にチャレンジさせることに成功するんですよ。

炊事洗濯掃除。さしみと一緒にクロマグロも分担するのですが、掃除は体力もたない、洗濯はおやつのアジを日乾し。しかも取り込んでからの片づけは、うまくおだててさしみにやらせるの。ええ、クロマグロはやっぱりしたたか、策士の印象です。

家庭菜園に出掛けて、さしみ一家の作物に対する姿勢に魚だった頃の自分を育ててくれていた飼育員のこと思い出したり、そしてさらには、魚だったころは考えもしなかった可能性に思いをいたすラストなど、細やかな情緒が感じられて大変よかったです。

厳密かちこちのさしみと、緩く鷹揚なクロマグロ。ふたりの性格、バランスとれて相性すごくいいですよね。魅惑のふたりです。

『ラスボスは逃げ出した▽』

魔王城の面々、普通に街に出てバイトやらなんやらやっとんのか。パン屋で働く妖狐。八百屋で価格交渉している魔王。財政難ゆえの苦肉の策というのですが、こんなに普通にふらふら出歩いていて大丈夫なんかな。ほら、こうして勇者と出食わして、これ結構なピンチでは?

と思ったら、魔物にさらわれてしもうとるやん! 同行している堕天使は注意散漫でまるで役に立たないし、魔王を助けるべく魔物を追う勇者という、実にわけわからん状況が生じてほんとこの漫画の魔王と勇者は不思議な関係です。

最初はですね、魔王がさらわれるの、いわゆる狂言誘拐、しめしあわせた上でのことなのかと思ったりしたのですが、どうもそうではないようですね。勇者を排除するため、罠へと誘き出すために子供をさらった。って、これ魔王誘拐が目的じゃないどころか、さらったのが魔王だってことに気づいてない可能性あるよね!?

策があたって勇者を追い詰めることに成功した襲撃者たち。でも魔王をさらったのが運の尽きというか、本気の妖狐を引き寄せることになってしまった! 魔法封印領域内なのにかまわず狐火を放ってきたの、それ魔術じゃなく妖術だから封印無効だったりするの!?

ともあれ、次回はガチ戦闘が期待されますね! でもってこの事件が魔王側と勇者の和解なり歩み寄りなりのきっかけとなるかも知れませんね。

『エイティエイトを2でわって』

連載にあたり、『ニブンノハチジュウハチ』からタイトルが変わりました。

ピアノの縁で結ばれた寮生4人のお話。決してうまくはないけれどピアノが大好き美弦と、挫折以来ピアノから離れていた奏のふたりを軸に、楽器経験豊富なゆずと楽器未経験だった来夢を加えた4人組。ピアノの楽しさだけでなく、苦しさつらさなんかも描かれることになったりするのかな? と思いながらも、作者の持ち味、やたら個性的なキャラクターのおかしな振る舞いにすっかり引き込まれてしまって、ゲスト掲載時からすっかり魅了されています。

さて今回は、つまらない基礎練習はサボっちゃう美弦に対し、厳しく指導を入れる奏さんですよ。指の練習は? っていうとこの奏、こわいよねえ! けどそこからのふたりのやりとり、なんだかんだ面白くて、ごほうびシールで釣ろうとする奏がお母さんみたいになっとるよ?

また気になったのが、奏がピアノに触れた時の描写。この子、挫折以来やる気を失ったどころか、ピアノを弾くこと自体に恐怖を感じてしまっているのか。自分でも意識していなかった変化。鍵盤に触れようとすると指が震えだす。

一瞬の戸惑いの後に、凄まじい圧でもって美弦との連弾に持ち込んだ奏。ナイスリカバー! ではあるのだけど、奏の異変や一体!? さすがに異常に気づいた奏、これ、後々まで残るテーマになっていきそうですね。

2023年3月17日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、昨日の続きです。

『SAN値直葬!闇バイト』

こよがおかしくなっています。いつもは気弱で内気なこよなのに、今日に限ってはやたらがめつい。お金が活力の源泉になっているというのですが、これ、あかりの影響か。こよを助けるために、あかりをこよの夢に送り込んだ、その影響がなお色濃く残っている模様。しかし、あかりはあかりでヤバいんですが、もう慣れてしまってたんでしょうね。あの可憐で薄幸そのもののこよがこの勢い、テンションで行動すると、こんなにもヤバさ感じさせるものなのか。

ええ、ええ、はやく戻ってほしいものです。

今回はあかりがやらかします。店に届いた荷物。こいつの搬入をよりにもよってあかりにまかせてしまった店長の迂闊さ。品物は名状シガタイモノ。どう考えてもヤバい代物なんですが、あかりはそんなこと頓着しない。厳重に梱包され、封印の札も目一杯貼りまくられている、そいつにいたずら描きしたかと思えば、邪魔だからと札まで剥がす。

おかげで名状しがたいものが自由を取り戻してえらいことになってしまうわけですが、重ねていいますが、一番悪いのはあかりで、その次がたとえ接客があったとはいえいつもやらかすこいつを野放しにした店長。そしてこよは安定の被害ポジション。ええ、正気を取り戻したと思ったらいきなりの羞恥シチュエーションに放り込まれて、ああ、ほんと気の毒なのはこよひとりであります。

『ばーがー・ふぉー・ゆー!』

めちゃくちゃ面白かったですよ。

バイト休みの休日。こむぎはなにをするのかと思えば、ひとり家でゲームであります。いや、そもそもこの子のバーガー知識ないし技術のベースはゲーム由来なんですから、ある意味バイトの延長ともいえるかも知れない。

このところ時間の余裕がなかったこむぎを襲った悲劇。ゲーム、バガスピのランキング1位を炭酸なる人物に奪われてしまっていた! 不動の1位だったはずのこむぎ、悔しさのあまり1位奪還に動き出すんですが、競う相手というのがまさかの零の兄、小浦透というのだから世間は狭い。というか、互いに呼びあった結果なんだろうか。

ここでまさかの設定発覚です。バガスピ開発者は透でしたって、マジか。そういえばこむぎはゲームの登場キャラ、ピ・クルスの声に誘われて入店したのがきっかけで、バイトすることになったんでしたっけ。さらに透が自己紹介で、ゲーム制作どうたらこうたらいってましたっけ!

忘れてたわー。そうか、そういうことだったんか。ピ・来栖役は予算の都合で透が演じているから、声が同じは当たり前。でもそのせいでピ・来栖がしゃべるたびに透が自己嫌悪に苛まれるというのがおかしくって、ほんと、なんだ今回のテンション。

かくしてはじまるゲーム理解で高得点を叩き出す透 vs 足りない分は回転数で補填するこむぎの戦いが勃発して、でもふたりともに課金をしぶる地味プレイ。というか、運営もよくこのゲームを存続させてるよね。過疎り具合にアクティブユーザー(実質ふたり)の課金回避とか、サーバ代すら捻出できないよね?

びっくりするほどしょぼい背景語られながらも、無闇に熱かった透とこむぎの対決の行方。まさかの零のメッセージに操作ミスして競り負けたこむぎの悲哀! というか、ゲームメインでやるなら通知は切っとくんだよ! からの、まさかの透BAN。なんだこの展開。予想もしないものを見せられて、いやもう圧倒されっぱなしでした。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

今回はショッピング回でした。殺し屋ユーリの身の回り品を買いに出かけます。

というのですが、ユーリ自身はとりたててなにか欲しいってわけじゃないんですね。むしろつくしが張り切っていて、可愛い猫のマグカップにあまりに嬉しそうにしていたからか、ユーリが買い占めに走るというの。なんだろう、ユーリはユーリでつくしのこと大事に思ってる感があるっぽくて、いい関係築けてるんだなあと思いました。

つくしの好みというか判断基準というかが実にわかりやすいんですね。実用一辺倒、身を隠すのに向いてるか、あるいは動きやすいかどうか。男物女物の区分も特に気にならない、とはいえ下着はさすがにあかんのか。実際、ユーリの性別というのか性自認というか、トップシークレットだからいまだ不明であるものの、その行動からもいまいちわからん。つくしは女の子扱いしたがるけども、ユーリ自身がどう思ってるのかほんとにわからんのですね。ただ頓着してないだけにも見えるんですけども。

基本、なにごとにもあまり執着を見せないユーリの甘いもの、おいしいものに向ける感情。こればかりは年相応というか見た目どおりというか、浮き立つ気持ちをまざまざ見せてくれる愛らしさに、普段のクールに見せている姿とのギャップが際立つところがよいですよね。そして殺し屋だから、目立ちたくないから、みたいなこといいながら、どうも目立つ行動してしまうおかしさ! 札束払いや煙幕帰宅などなど、このあたりの無茶はいずれ常識を知るにつれ収まっていったりするのでしょうか。

だとしたら、ユーリの無茶を楽しめるのは今この序盤こそかも知れませんね。

2023年3月16日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年5月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。花見を楽しむ後藤ひとりと廣井きくり。なのですが、廣井、アニメと違って原作デザインはよりヤバく、より殺伐と危険度高めでありますな! 手にするは清酒おにころの瓶! 目は完全にキマってしまっていて、そんな廣井と普通に花見してるぼっちもなかなかの強者と思わされます。しかしぼっち、いつもの壊れた感じはなく、曖昧ながらも笑顔見せてくれている。この花見、ぼっちにとってもいい花見みたいですね。

今月は新規ゲストが5本です。

『さうのあっ!』

高校一年、その長髪で風呂が三日に一回はよろしくないな! 人づきあい苦手そう、風呂も苦手で、あらゆるものを放り投げてでもネットやゲームを優先したい。そんな影山こかげが不思議な音に誘われてふらりと立ち寄った風呂屋の裏手で見た情景。一心不乱に薪割りをする外国人女性との出会いがすべてを変えてしまった!

フィンランドからきたというリューディア・アラヤ。こかげを風呂好きと勘違いして、しかもおととい以来入ってないと聞いてこれはなにか事情があるのだろうと早とちりして、こかげの話も聞かぬまま銭湯にと手をひいていってしまったんですね。

かくして急遽リューディアと風呂に入ることとなったこかげ。公衆浴場の利用しかたを学びつつ、念入りに体を洗い、さらには髪も洗ってからの入浴。こういう一緒に湯を利用する人のことちゃんと考えられるこかげ、立派だ! そして湯につかった後は、リューディアおすすめのサウナ! サウノアっていうのはフィンランド語での発音なのかな? ともあれはじめてのサウナにフラフラになりつつも、その魅力を知ったこかげ。これからは銭湯にも足繁く通うことに……、ならなさそうではあるんですけど、まさかここで出会ったリューディアがこかげのクラスの転校生!

ああ、これは今後もリューディアに手をひかれて銭湯にいくことになりそうですね。

『すーぱーがーる』

ヒーローとかそういう類の漫画かな? と思ったら、違った! スーパーマーケットで働く人たちの話だった!

従業員みやとひかり。ふたりは極端に対照的で、ことあるごとにサボろう、作業を仕事を減らそうと画策するみやに対し、ワーカホリックを通り越して病的なまでの仕事への執着を見せるひかり。今日もサボりのみやに対し、休みなのにサービス出勤とやら決めこんでいるひかり。しっかりみやにツッコまれてますが、これに関しては残念ながらみやの言い分の方が正しい!

仕事に対する姿勢としてはあまり褒められたもんじゃないみやですけど、度を過ぎた仕事人間ひかりに比べればよっぽどまともで、むしろ働きたくないでござると常に思っている自分みたいな人間にとっては、みやへの好感、共感の方がずっと強かったんですね。

そんなみやの、最後に見せた仕事ぶり。怠けてるばかりじゃなく、やるべきことをきっちり押さえてそつなくこなす、要領よく、無理なく仕事をできる人だったりするみたいですよ。そんなみやの気づかい? 放っておくと取り憑かれたように仕事し続けるひかりをストップさせるための秘策! ああ、みやさん、この人はデキる人だ! 一発でそう思わせてくれたあのやり口。いやはや、見事でありました。

『しのの日和』

目覚めたら幽霊になっていた主人公。名前もなにも思い出せない。制服姿から学生だったのかな? 今いる場所も学校の図書室、ということはこの学校の生徒だったのかな? いろいろ生前のヒントになりそうな要素はあるものの、まったくその来歴などはわからないときているんですね。

そんな彼女の前に現れたもうひとりの幽霊。ゆき。旧図書室を縄張りにしてるというのですが、お、ということは幽霊の縄張りバトルの勃発か!? と思わせて、むしろ親身にいろいろ助言してくれるいい人でした。主人公の記憶を掘り起こそうとその魂に触れてみてくれたりして、けれどわかったのは名前だけ? しのという名前だったようですが、ゆきはしののと呼ぶようになって、かくして主人公はしののとなったのでした!

幽霊としてこの世に残ったふたり。特にふたりとも未練があるわけでもない、むしろなんで幽霊になったのかもわかっていない。そんなあやふやな状況だけれど、一緒に自分たちってなんなのか、いろいろやって試して知って、気づいていく、そんな漫画になるのかも知れません。

初回は登場人物の紹介、シチュエーションの提示といったところ。けれど、こういう漫画は回を重ねるほどに面白くなりそうと思わされて、ということはつまり、これから先のふたりのいろいろ、見たいなと思ったりしたのでした。

『きららまんが道』

漫画家を目指す星森章子。高校では漫画研究部に入部して、日々研鑽を積んでいるというのですが、絵は結構描けるものの、絵が描けると漫画で表現できるというのは随分違うという現実的な壁にぶつかっているようで、いやほんと、これは実際よくある話なんでしょうね。絵が描けるに越したことはないけれど、絵だけ描けても駄目だっていうの。表現というのは本当に難しいものだと思わされます。

そんな章子が、先輩の藤子藤代と一緒に経験したのが狐メイドコンカフェ。コンカフェのコンで狐モチーフ追加なのかな? というのは置いておいて、漫画家は何事も経験が大事という藤代のセリフに、つい最近ネットでも話題になっていた、作家は自分が経験したことしか描けないというのを思い出したりしましてね、時期的にこれは偶然でしょうけどタイムリーなネタになったなあと思ったりしたのでした。

狐メイドコンカフェでの章子と藤代。はじめての経験に慣れないながらも、好きな漫画の話題という自分の得意分野に引き込んでのコミュニケーション。どうしても漫画への興味が先に立ってしまうふたりですが、それでもここでの経験は漫画を描く、表現し伝えるということに一歩踏み込むためのいい刺激を与えてくれたようです。

これでめでたしめでたしと思いきや、現実はなかなか厳しいというラスト。意気込みだけでは描けないというの見せてくれたの、これが面白かったです。この漫画、ちょっとシビアな要素があるの、それがいい味になっていますよね。

『ドキドキ☆かみちゃま1年生』

高校生、優斗ぴあのもとにやってきた創世神リエート。成績が奮わないので、修行のため下界に落とされてしまったという、ちょっと困った神様なのですが、実際その素行を見るに成績がかんばしくないのも納得できるというか、ぴあの家でやってることといったら、お菓子食べて漫画読んで、自堕落な生活ですか? あまり修行というようなことはできていないように見えますね!

さて、そんなリエートがぴあの悩みを解決に導きます。ぴあの友達、南都華なるが数日前から疎遠になりました。突然無視されるようになったというその理由を探るべくリエートがいろいろ調べてくれるのですが、なるほどなるいわく、ぴあが約束を破ったから怒っているのですね。でも、これは破壊神がぴあに仕掛けた策略のため。それをぴあは知らず、リエートも気づかずにいる。ちょっと悪い状況なのではなくって!?

ともあれ、ぴあとなるの仲直りに尽力するリエート。紆余曲折はあったけど、ふたりちゃんと仲直りできた? と思わせて、リエートのうっかりでなるをさらに怒らせてしまって、ふたりの不仲は確定的に!?

なるに対し相当な好意を抱いているぴあにとっては一大事。怒ると神さえも滅しかねない荒ぶりかたするんだ! しかし今はまだ破壊神の介入に気づいていないぴあにリエート。これ、まずはなるとの仲を裂こうとする存在に気づくところからはじめないといけませんね。第2話ではちゃんと気づけるといいですね。

2023年3月15日水曜日

『まんがタイムきらら』2023年4月号

 『まんがタイムきらら』2023年4月号、先日の続きです。

『それでは、ステキなセッションを。』

是沢をめぐる人間関係。めちゃくちゃややこしくなってる! 鴫野あまねバックバンドのオーディションに向けて練習に余念のない是沢。実力勝負、てんちゃんのアイテムは使わないというんですが、はたしてあのあがり症の是沢です、大丈夫でしょうか。

いろいろ心配して、朝から一色が寄ってくれてたりね、いやしかしパン食べてる一色、可愛いな。さらには押し入れから加島が出てきて、あ、冒頭一コマ目に加島の頭が見えとる! ほんと、ややこしい人間関係。徳庵により近い拠点を確保といって、是沢の家に居着くの、一色からしたら大問題! というのはわかるけど、オーディションに向けていろいろ取り組もうとしている是沢の邪魔しまくってるよ!? ふたりとも!

この落ち着けない状況が、しっかりオーディション当日に是沢に祟るんですね。いやしかし大丈夫なのだろうか。緊張は一色のリボンで克服できた? からの自分の強み押し出してくるベーシスト3人を前に、それを調和させる、そんな演奏をしてみせる是沢。バンドもアンサンブルだから、これ、いけるんじゃない!? と思ったところであまねの気になる一言。

つまらん?

ああ、これ、なにかしらの波乱を投げ込んできそうな予感がしますよ。ええ、是沢の真価がいよいよ問われる、そんな状況になりそうな予感がします。

『ゆらめきラグーン』

不調の続くエリー。絵本のこと、運命のことをエリーに知られたら、エリーとの別れがはやまるかも知れない。別れを先延ばししたいゆら。エリーの回復を願い、すべてを自分のうちに秘めると決意するのですが、それにしてもその表情は悲しげで、その心痛のほどもうかがい知れる思いがします。

そんなゆらと気丈に振る舞うエリー。ふたり、庭に出て話をするのですが、そこでエリーがいうんですよ。自分は元に戻るのだろう。絵本のこと、運命の人のこと、すべてわかっていたエリー。ゆらが懸命に否定するも、自分の素直な気持ちにしたがうエリーの思いが切ないですよね。別れたくないのはエリーも同じでしょう。皆と一緒に学校に通ってみたかった。叶わない願いもたくさんあるというのに、それでもゆらへの思いは否定できない。

そんなゆらとエリーの気持ちが通じたその瞬間、エリーの身に起こったこと。これはいよいよ別れとなるのか。次回、最終回になにが描かれるのか。悲しい終わりとなるのかどうか、わからないからこそ、皆にとってしあわせな結末がおとずれることに一縷の望みを抱いてしまいます。

My Private D☆V

『それでは、ステキなセッションを。』の福きつねです。

D☆Vポイントは「楽器ひく子っていいよね!」。おおいに共感を得そうな文言が添えられたイラスト、これが実に魅力的で、スティングレイっぽいレフティベースを弾くツインテールの女の子。画面いっぱいを使って描かれたその演奏の様子は躍動感に溢れて、溌剌と弾けるスラップさえも聴こえてきそうな臨場感であります。

そこかしこにちりばめられた連載作の要素もにぎやかで楽しくて、バンド名があるかと思えば、てんちゃんたちのデフォルメキャラがあちらこちらにいたりして、こうしたところに、この子が演奏を楽しむように、作者がこのイラストを楽しみながら描いた、そんな感情も見えてくるかに思えて、ぐっと引きつけられるものありました。

2023年3月14日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年3月13日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号、一昨日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

ササエルとクジベェくんの対決企画! 海辺でチャンバラ、ポロリもあるよ! というのですが、ほんとにポロリが発生してしまったので急遽代役、いつもふたりの側にいる日和子とナオお姉さんが登壇することとなりました!

普段は裏方、前面には立ちたくない。とりわけ日和子にその傾向が強いわけですが、日和子と雲雀の幼少期の会話、これがすごくよくて、そうか、お店も壊れちゃったか……。その背景を思うと胸が詰まる思いがする。それだけに雲雀の店を、街を守り立てたい思いもわかれば、その思いに賛同し行動に移した日和子の気持ちにもしっかと打たれるものありました。

とはいえ時系列を今に戻せば、わあわあ大騒ぎなんですけどね! 美少女だった日和子も、今やすっかり大人、ササエル2号になるのはいろいろ厳しい模様です。

ササエル2号とナオお姉さんの対決。ササエルとクジベェくんは、クジベェくんが終始圧倒していたわけですが、このふたりとなると実にレベルが低く、日和子は日本刀にハマッたってだけで別に剣術やってみたってわけじゃないし、ナオにしても親が剣道部だったのと本人の技量にはなんの関係もない。ええ、決め手に欠けるふたりの泥仕合。剣を取り落してなお戦いをやめないその意気やよしですが、泥仕合に拍車がかかっていますよね。

今回は泥仕合&クジベェくん容赦なしのコントラスト際立つエピソード。でもいつも小依を振り回している日和子が逆に振り回される、そんな状況、新鮮で面白かったです。ええ、日和子の衣装、すごくよかったですよ。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

ハチの兄貴さん、ヤバいな! 思い込んだら人の話をまるで聞かない。ナースの格好させられてる妹を見て激昂するのはいいとして、それをさせたのはクマだろう、変態中年親父め! と憤るのですが、いやまあ、今のクマはヘソ出しセーラー服だもんなあ。通報待ったなしだ!

困った兄貴さんですが、妹思いであることに関しては間違いないのですよね。再び街中で出会ったクマと兄貴さん。クマが高校の制服着てるの、変態のコスプレと思い込んじゃってるんだ! というか、ハチもさ、家でもうちょっとこう、ちゃんとした説明をしてくださいよ。可愛いパンが目当てというのが恥ずかしいのはわかるとして、そこで変に隠すから、ヘンタイオヤジに惚れてる!? とか勘違いされちゃったじゃないですか。

かくしてどんどん話がややこしくなっていく。ついにはクマに、ハチのことしあわせにするといわせちゃって、しかも悪いことにハチがそれ聞いちゃって! どうなる!? これ、どうなるの!? いやもう、こんなかたちでふたりの関係が進展するだなんて思いもしてませんでしたよ! というか進展するんかな!?

『ゆびとつち』

陶芸体験教室で出会った紡地と及部。このふたりが思わぬところで再会を果たしました。高校の陶芸部に見学にいった紡地。そこで窯の整備をしている及部と出会って、驚く紡地、テンションまるで変わらない及部。すごいな、ほんとブレないですよ、及部さん。

及部、陶芸部の指導員をしているのだそう。思わぬ縁というやつでしょう。またも及部の指導をうけることとなった紡地。今回は菊練りを体験することとなりました。

今回は、ほぼ菊練りの説明でした。これ、粘土から空気を抜く大切な作業なんですが、もちろんそのことにもしっかり触れられて、気泡があったらどうなるかもわかりやすく図解で説明。さらに続いては、乾燥させた湯呑みの高台の削りを体験することに。

こうした陶芸についての知識を伝えながら、陶芸部員の紹介もなされた今回。二年の来島、二年の波広に加えて、こそっとついてきていた見学希望の一年、北置。いろいろ個性的、とりわけ北置にはおおいに期待されます!

2023年3月12日日曜日

『まんがタイムきらら』2023年4月号

 『まんがタイムきらら』2023年4月号、一昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

文化祭にてファッション部が開催するファッションショーに出てほしい。そう頼まれて咲姫が迷っているんです。自分なんかじゃモデルなんてつとまらない。また目立つこと自体が嫌。背が高いからといろいろ期待されて、それでがっかりされてきた経験が、この子を引っ込み思案にしてしまったというんですね。

そんな咲姫に真摯に答えようとするすずめがよかった。ヤンキー時代のすずめが咲姫に送った言葉。それがここにきてふたたび咲姫に伝えられる。すずめから、そしてファッション部の紡木から、少しずつ変奏を加えながら繰り返されるフレーズのようにして、咲姫へと届けられ、ついには響いたというのですね。

ついに決断した咲姫。やると決まったら、もうしっかりと前を向いて、ふっきれたその表情、素晴しかった。そして紡木の作った衣装とはいかなるものなのか! それは次回、文化祭はファッションショーのランウェイにて! 咲姫の活躍する姿に、乞うご期待でありますね。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

衣良が語る真夜との思い出。ゲームづくりに打ち込む真夜が、しかしだんだんに学校に出てこなくなり、そしてそのままお別れを迎えてしまったという悲しい過去。ああ、やっぱり魔女様、真夜はこの世から去っていたのですね。

あまりにその経験がつらかったために、彼女とのつながり、ゲームにまつわるものを処分した衣良。こうした経緯でこのゲームショップにそれらが持ち込まれることとなり、かくしてエルたちの元の世界であるあのゲームディスクもましろたちのもとにもたらされることとなったのですね。

つらい思い出に、そして自分たちの作ったゲームが引き起こしていることに苦しみを覚える衣良。そんな時にサキュバスがいうんですよ、魔女が口にしたイラという名前。ここにきて、魔女の真相がはっきりとしてきて、ということはこの世を去った真夜は、このゲームディスクを通じゲーム世界でずっとゲーム世界を作り続けていたというのですか。

物語はいよいよ佳境でしょうか。異変を前に、自分たちの世界に未来がないことを知らされるエルたち。でも、たとえそうでも決して諦めようとしないエル。そして再び起動されるゲームディスク。現れるのは魔女か、あるいは真夜か。これから起こることが、衣良の悲しみを癒し、そしてエルたちの未来を切り開くきっかけになってくれればいいと願っています。

『ほぐして、癒衣さん。』

まあ、めずらしくなくって!? 今回はカワちゃんが出てこない! 大学時代の友人たちと鍋などつつきながら親交を深める予定が、参加できたのが癒衣と富美子のふたりだけ。このシチュエーションに劣情を抱く富美子。いや、言動がアレなとこあったくらいで、基本しみじみしあわせを噛みしめてるだけで無害なんですけど、ほんと、癒衣への片想い、報われることのなかった富美子にとってのボーナスステージ。なにかしら実りがあるといいですね! いや、ほんと、ちょっと富美子のこと応援してるのですよ。

今回回想された、大学時分のこと。まだ成人していない癒衣に酒を飲ませようとする悪い連中から癒衣を救い出した富美子ですよ! ああ、かっこいい。内気な癒衣とは対照的に、しっかりとして、世慣れして、そんな富美子が素敵だった。そこからふたり、だんだんと親密の度合いを深めていく様子など描かれましてね、この果てに今のふたりの関係、富美子の片想いがあるっていうわけなのですね。

今日のこの日のしあわせな時間。これが富美子にとってのチャンスとなるのかどうなのか。いろいろ今後に期待などしちゃってる富美子ですけれど、最後の最後にとどめ刺されてノックアウトされちゃって、ああ、やっぱり不憫だ富美子さん! ほんと、全然むくわれない! 恋情というものはかくもままならないものなのでありますなあ。

2023年3月11日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号、先日の続きです。

『ニチアサ以外はやってます!』

最終話、扉にて握手をするふたり。この構図は、つまりあれだ、ヒーローからヒーローへのバトンタッチ! 一年を通じ描かれてきた物語が終わり、きたる新シリーズの主役へと次の一年が託される、まさしくヒーロータイムの定番シーン。

託すのはあかね。そして託されるのは、新入生桜井栄朱。おおおお、タヌキとキツネの融合だ! はいいとして、このお嬢さん、昨年の文化祭で見た映像、『オン・ユア・ゲイズ』に魅せられて、特撮研への入部をしようか迷っているというんですね。

ただ、特撮に詳しいわけでもない自分が、なにかできるのだろうか。

そう悩む栄朱にあかねの伝えたメッセージ。まずは踏み出そうというその言葉が実によかったのですよ。

特撮研にはまだ新入部員が入っておらず、部員がこなかったら部の存続がかなわない。ちょっとしたピンチなのですけれど、たまたま出会ってたまたま助けた栄朱から聞かされた思いを知るあかねには、きっと彼女はきてくれるという確信がある。気持ちと気持ちが共鳴した、そんな感触与えてくれたこのラストシーン。次なる彼女たちの冒険、栄朱を新たな主人公としてはじまるこれからを予感させてくれて、とても魅力的でした。

残念ながらこの誌面で語られることはないのだけれど、続いていく栄朱の物語、それはどんなものになるのだろう。想像がふくらむように感じるのです。

『mono』

やべえ、桜子さん、やべえ。なんという無茶をなさるのか。

お婆ちゃんが旅行にいっているというので、休業中のしろねこ屋。春乃はといえば、世話をしてくれる祖母がいないせいで自堕落を極めてしまっていて、なんかぷくぷくになってますね? 食生活の問題? と思ったら、まさしくそのとおりで、ピザばっか食べてるんだ。反対に痩せてるのがたいしょう。春乃さん、ちゃんとお世話できてるの? エサとかあげてる? いや、病院で検査してもらったりしてるから、飼い主としての責任は果たしてるっぽいですね。

でも、このたいしょうのやつれよう。お婆ちゃんがいないと駄目なのか? これ、なにかの伏線だったりしないよね? する? いやもう、予想もしない展開とかここに秘められてたりするんですかね。油断ならないですね。

さて、春乃が太った理由。ピザが主食になってるからだけじゃないな。そうか、本出してお金が入ったから、ちょっと奮発して全種類制覇しようとか思ってしまったんだ。というか、Lサイズピザにサイドメニューって、さつきたちが訪ねてこなかったら全部ひとりで食べる予定だったの!? いや、そりゃ太るわ。いやもう絶対太るわ。

でも、こうして興味があるものにはがっつり取り組む。ピザにハマったとなれば全メニュー制覇してとことん食べ比べする、そういうメンタリティこそが春乃をして漫画家たらしめる素因であるのかも知れませんね。実際、この経験をもとにして漫画のネタが作れるのなら、それは取材に他ならないわけで、自然なんでも生活そのものが取材となってしまう、そういうタイプの人なのかも知れませんね。

で、冒頭の桜子ですよ。無駄にお金つかっちゃう春乃を戒めるため、タイマーロックボックスとやらに春乃のお金とカードを封じてしまった。まずは3日間。って、この日数決めたの春乃本人だ! ごめん、桜子さんはなんも悪くなかった! 明後日の予定を忘れて3日に決めた春乃の失敗でした!

まあ、とりあえずお金とカードなら、誰かから借りてしのぐということも可能でしょうから、ピンチ自体は乗り越えられそうですね。たださつきたちからは借りられないんじゃないかな。どうやってこのピンチ乗り切ったか、ちょっと見てみたくなりますね。

2023年3月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2023年4月号

 『まんがタイムきらら』2023年4月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

フクロウのヒナを目当てに、バイク走らせて神社にやってきた岬。毎年の営巣地なのだそうですが、それにしても速攻でヒナを発見できるとは幸運。というか、こんなにも人に対して無防備だったりするの、人は襲ってこないと学習しているのか、あるいはヒナゆえに怖れを知らないからなのか。どうも後者っぽいですね。

すぐさま距離をとる岬。双眼鏡で確認。記録用に何枚か撮影して、すずに送信。それから構図を考慮し、絞り、感度もろもろ決めたら、あとは被写体をファインダーにとらえたまま、撮るべき瞬間を待つというんですね。

構図を決めてから撮影態勢に入るまで1秒。決断のはやさが命ですね。いつシャッターチャンスが訪れるかは誰にもわからないから、速攻で決めていきたい。そんな岬の意欲が感じられる撮影情景に魅了される思いでした。

『けいおん!Shuffle』

リサ相手だとハキハキしゃべる蘭花、可愛いですよね。お家にリサを招いて、ということはなにか相談ごとなのだろう。しっかりそのあたり見抜いてくるリサ。もともと察しのいい子ですけれど、蘭花相手となるとつきあいの長さもあって、もうなんでもわかっちゃうんでしょうね。

でも、蘭花の相談、リサにとってはあまりにバカバカしかった!? 先輩に電話をする方法を教えてほしいって、もうすっかりテンション落ちちゃったリサのあの投げやりな態度! でも内容が浮気についてと知れば、一気に気持ちは切り替わって、すごいなめっちゃ前向きになっちゃいましたよ。

でも、浮気っていうの、真帆の他に好きな先輩ができちゃったの! とかじゃなくて新しいギターを買おうかどうかで迷ってるっていうんですね。はじめたばかりなのに何本も買うのどうだろうって、うん、その気持ち、めちゃくちゃよくわかる。でもね、ギタリストは、つい何本も買っちゃうもんなんだ。自分は持ってない方だけど、アコギで6本、エレキで5本、ベースは3本あります。アホだな! うん、でもいずれ蘭花もそうなります。きっとなります。

なぜ二本目のギターを欲しいと思ったのか聞けば、蘭花がものすごくよく観察して考えてるってのがよくわかって、ほんとよかった。こんだけちゃんと音聞いて判断できるって、すごく有望な子だと思う。きっと絶対うまくなる子だと思う。対して真帆のなにも考えてないっぽいところ、これが際立って、もうおかしくてならんかった。

で、早々に真帆を見限ったリサが助けを求めたのがしなの。いや、ここは莉子先輩やないんですか!? ともあれ、しなのの決断のはやさ。買えばいいと思うよ! うん、いろんなギター、いろんなタイプのを触れば、それで気づけることも多いから。というか、それがギター増やす言い訳になってるんよな。ほんと、ほどほどにせんといけません。

ギターが欲しいといっていた蘭花だけど、まだ具体的には考えてなかったんですね。お金の問題があります! というわけで、バイト編発動ですか!? でも蘭花にホールスタッフは無理では!? この子にあったバイト、ちゃんと選んであげてください!

『キミはあくまでも。』

エクールカ、ほんとに坊ちゃんが好きですね! 夜、ひとり屋根裏部屋で星を眺めていたところに、そっと忍び寄るっていうんですから油断なりません。というか、今夜はたまたま屋根裏部屋にいたからこうして対話モードに入ってるけど、もしこれが就寝してたら味見されてしまうところだった。あるいは、いつもは味見されてるの!?

油断ならぬ、油断ならぬぞエクールカ。けど、エクールカになら味見されようがどうされようがウェルカムな気もするんですよ(魅入られた目で)。

今回は星座の話なんですね。たまたまヴェネルが読んでいた本が星座に関する本だった。ここから話題が星座に広がっていくのですが、そこかしこに出てくるメンダコエクールカがめちゃくちゃ可愛い! クマの親子になったり獅子になったり巨人になったり。ほんと、見事なマスコットキャラクターぶり発揮して、エクールカのポテンシャルの高さにしてやられています。

そして気になるエクールカの言葉。かつて、おそらくは相当な昔、ただ星だけを眺めていた。星以外に見るものがなかったという、その言葉の意味。世界が存在していなかったのか、星の海に漂っていたのか、あるいは幽閉でもされていたのか。今はまだわからないことが多すぎるエクールカだけど、そんな彼女のことを知りたいと思うヴェネルの気持ちがエクールカに素直に伝えられて、この感情、それはきっと恋だよ! 坊ちゃん!

かくしてふたりは、見えないものを見ようとして、天体観測にいくのですか!? いやもう、なにが起ころうというのか。なにもないってこたあきっとないだろう。と思わせて、ただただ天体観測するばかりだったとしてもきっと面白そうです。

2023年3月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2023年4月号

 『まんがタイムきらら』2023年4月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』。桜の花を背景に、窓辺にて談笑する三人娘のいつもの日常といった情景でありますよ。ゆずこに紫に唯。ずっとこうして仲良く日々を過ごしている。なんかもう当たり前に感じているこの日常ですが、なんと連載開始からもう15周年ですって!? マジか! もうそんなにたつんですか! 現実だったら、この子たち、もう30歳過ぎてるんだ! 時のたつことの速さにおののいてしまうのでありました。

今月は新規ゲストが1本です。

『ちみどろアイスクリーム』

ジ、ジビエの生食はいけません! 転校生、長月偲音と仲良くなれたらいい、そう思っていた峯岸日向が見たものは!? なんと、生肉を食べている偲音の姿だった。そういう見た目の食べ物なの? いや、どうもそうではないらしい。袋詰の生肉に瓶詰めの目玉。それを目の前でモリモリ食べられる状況に耐えきれず、飛び出していった日向があわやクルマにひかれてしまう!?

すんでのところで偲音が助けてくれたのですが、身代わりに車にはねられてしまった偲音。本人は平気そうだけど、さすがに放ってはおけない。救急車を呼ぼうとしたら当の偲音が嫌がって……。

そんな偲音の抱えていた秘密。ゾンビと人のハーフだというのですね。その出自ゆえに友達のできなかったという偲音にとって、仲良くしようといってくれた日向はすでに特別。これから生活にも希望が! といった矢先でゾンビ化を抑制し人に留めるための特殊装置が故障してしまった。

心臓の停止によりゾンビとしての本質が露になった偲音。思考を失い日向に襲いかかるというのですが、この状況、いかにして打開する!? からの、まさかのキスで跳ね上がる鼓動。かくして偲音はふたたび人間としての意識を取り戻すことができたのでした。かくして、今後は偲音のゾンビ化を抑制すべく、日向は偲音とキスをし続けないといけなくなったというのですね!

というのですが、生肉食べてた偲音さん。キスの前には口をすすぐなりしないといけないよ! 偲音には平気でも、日向に生肉の余韻はちょっと抵抗が大きそうです。

『星屑テレパス』

宇宙からの通信によりもたらされた謎の数字。座標っぽいなと思っていたのですが、瞬も同じ結論に辿り着きまして、世界測地系の座標と見てその数字が表す場所へと赴いてみたところ、特になにもない樹々にかこまれた平地。ロケ研総出で調べてみるもこれといった手掛かりもなく、本当に八方塞がり、前へ進める状況にはいまだないといった感じなんですね。

ずっと焦っているユウ。追い込まれている、むしろ自分自身を追い込んでいる、そんな状況にある彼女ですが、そんなユウに頼りになる仲間がそばにいるぞってわからせてやろう、そういってくれた瞬。その言葉に勇気をもらった海果。わからないながらも、できることも見つからないまま、それでもユウに寄り添い続けることに決めたのですね。

座標の示す位置に座り込んでいるユウ。放ってはおけないと、一緒に座り込んでくれる海果。毛布に椅子に、いろいろ持ってきてくれて、そしてひたいとひたいをくっつけて……。言葉を伝えようとしたわけじゃないと海果はいいます。けれどこれで伝わる気持ちがあればいいと思った。そしてユウの苦しみがやわらげばいいなと思ったのでした。

『スロウスタート』

今回はめちゃ珍しいもの見られた気がします! 東京の大学に進学する予定だった創が、万年の話に刺激されて、進路を地元の大学に変更していたっていうのです。それを唐突に聞かされた綴がショックを受けて、部屋から飛び出していってしまった。

創と離れる覚悟を決めていたのに、創は相談もなしに進路を変えてしまっていた。そのことに傷ついてしまったというのですね。

しかしなにが珍しいって、ここから花名のお説教タイムですよ。この子がここまで怒ったこと、過去にありましたっけ!? ってくらいレア。さらにはそこに冠まで参戦して、お叱りの十字砲火だ! いやまあ、ちゃんと話すつもりですっかり忘れてたとかね、創らしいっちゃあらしいんだけど、花名から冠からたまてから栄依子まで、口を揃えて最悪だってね、それくらいの大失態だったっていうんですね。

綴の方は、果実が悩みもろもろ聞いてくれて、それで気持ちの整理もついたようです。ふたりちゃんと話をする機会も持てて、早々に関係改善。大変よかった! と、こうした小さな事件の影で、思わぬダメージ受けてる万年さん! いやもう、ほんと、万年さんはそんな悶える必要ないんですよ!

2023年3月8日水曜日

『まんがタイム』2023年4月号

 『まんがタイム』2023年4月号、昨日の続きです。

『良倉先生の承認欲求』

朝はやくからぶんちょー紳士活動に精を出す良倉。桜の季節、花とぶんちょー紳士をあわせてSNSでいいねを集めるだけでなく、写真部の撮影会に先立ちその場所にぶんちょー紳士を登場させて聖地化、水元あたりに盛り上がってもらおうというんですね。

これ、サービス精神なのか、あるいは身近な人の反応に味をしめてしまったのか。後者っぽいんですが、まさかこの行動が自らを窮地に追い込んでしまうとは!

小さな女の子にぶんちょー紳士を見られてしまったんですね。その時は適当に誤魔化したんですけど、まさかの撮影会のその日、その場所でその子と再会してしまうとは、まさかの良倉も想像だにしなかったことでしょう。ぶんちょー紳士の人形を見せてほしいとねだる子に、苦しまぎれで誤魔化すも、さすがの氷高には通用しなかった!? SNSの写真を見せて、良倉が見せた人形、白いとりさんがぶんちょー紳士であることを確認しちゃった。

さあ、これ、どうなる。氷高にバレてしまった!? その場で確認してこない氷高の真意やいかに。良倉がOLさんと気づかれた。あるいはまた違う解釈をしてくれている!? わからんままに次回に続く! いや、もういっそバレちまってもいいのではありませんか!?

『この契約は恋まで届きますか?』

野田、大人気ですよ! スマホケースのデコレーション、うまくできたからと見せにきた美浜と手芸、クラフト談義に花を咲かせて、このわかってる人を社内に見つけた美浜の興奮、喜びたるやいかなるものでしょう。けれど野田はというと、スマホケースのできのよさしか見てなくて、このあたりなかなかままならない。

野田が手芸をすることは八千代との契約があるから口にはできない。実家が手芸用品店だからと誤魔化したんですが、そうしたら美浜、のだ手芸店のお客さん! 野田の母、マリさんとも仲良しときましたよ。あらあら、まあまあ、家族との目通りかなって、ある意味八千代さんより一歩前進してますよ!?

さて、美浜と教育係の八千代ふたりの関係です。なかなか友好的に振る舞えない八千代の悩みが、野田の作ったマスコットのおかげで改善されて、ふたりの距離も近しくなりつつありますよ。

と思えば八千代は八千代で、野田との契約の関係で美浜とマスコットについて語りあえないという問題が発生して、いやいや、もう美浜も引き込んじゃいましょうよ。彼女が秘密を守ってさえくれれば、なんの問題もありませんよ! といいたいけれど、三角関係が加速してしまうからよろしくない!?

でもこの三角関係、美浜は野田に、野田は八千代に好意抱いてますけれど、八千代からのベクトルはまだはっきりしていないんですよね。ここで八千代が美浜に向かえば、きれいな三角形ができあがりますね!

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音、留莉、涼の3人でうさぎ島レポートの仕事に臨みます。けれど留莉は涼のこと気にいらないようで、どこかギスギス、息もあわなければ距離もなかなか縮まらないというんです。

なかなかうまくいかない撮影。憤る留莉をなだめる琴音だけれど、留莉、そんな琴音が抱えてるものに気づくんですね。宿泊先、琴音が一人部屋だった理由。気象予報士になるための勉強をずっとやっている。寸暇を惜しみ勉強に打ち込む琴音の姿を見て、留莉、心を入れ替えるんですね。面白くない気持ちはあるけれど、琴音のために仕事をきちんとやりきるんだ。そう思って涼に歩み寄ってみれば、涼も同じ思い!

ここからの、ふたり一緒に気持ちをあわせていく様子が実によかったんです。

最初は気に食わなかった。けれど琴音を思う気持ちが呼応して、今やあだ名で呼びあう仲に!? 琴音を思う同志としての関係。ふたりの変わった理由を琴音が知らずにいるというのも、またよかったと感じました。

『午前0時のおねだりごはん』

米沢の実家を訪ねた牛喰。米沢の母と対面してみれば、なにかやけに威圧的。なんで!? 娘の友達が気に食わない? と思ったら、なるほど、米沢の婚期を心配して、牛喰がいるからじゃないかとか邪推なさっていたわけね!?

でも娘の話を聞いてみれば、むしろ娘の方が牛喰にたいそうお世話になっている。だんだん思惑、予想と違ってきて困惑してる母の態度の変化が面白かったです。

しかしこのお母さん、わりと理解があるんですか!? 牛喰の米沢に対する気持ちが、ただの先輩後輩ではない、友達に向けるものでもないと気づいて、さすがに認められない!? かと思ったら、なんかドキドキしながら受け入れちゃってる!? でも娘の鈍感さに、兄で保険かけてもいいんじゃないかって助け船出しちゃうの。ほんと、お母さんの気苦労というか、これもまた面白かったです。

かくして母からの応援を勝ち取った牛喰。大前進では!? しかもまたいらっしゃいといってくれた。というか娘を連れてきてほしいとかね、ほんと最初はどうなるかと思ったけれど、なんだかんだ可愛いお母さん。嫁姑の関係はなかなか前途有望そうですよ。

2023年3月7日火曜日

『まんがタイム』2023年4月号

 『まんがタイム』2023年4月号、発売されました。表紙は『ローカル女子の遠吠え』。いよいよはじまる新生活を応援、ということで学生服着て応援団の装い。しかしりん子さんがこんなに熱血風でいいのでしょうか。本編ではいつもどおりにクールなのに、パブリックイメージが一変する表紙です。『まほろば小町ハルヒノさん』も学生服着て、こちらは大太鼓を叩いているんですね。対照的にチアガール姿が可愛いのが『この契約は恋まで届きますか?』の八千代さん。『花丸町の花むすび』結は素朴に体操服着て、メガホン片手に応援です。

今月は新規ゲストが1本です。

『あおはるコラージュ』

工業高校のデザイン科に入学した新芽兎理。無駄に自信に溢れた兎理。デザイン科ってからにはアーティスティックだろうからとかいって、制服なんかもいろいろアレンジしてみせたりする。ああ、微妙に勘違いしてる系のお嬢さんっぽいですよ。

工業高校のデザイン科ってことは、多分工業デザインを手掛けるんですよね。だから兎理が考えてるのとはちょっと違うんだと思う。そんな兎理のライバルになりそうな子も登場して、里寿夢リア。ふたりともに、クラスで一番絵がうまいと自信持ってて、でも、絵がうまいに越したことはないだろうけど、おそらくは絵のうまさはそこまで求められないんだろうなあ。

とか思ってたら、案の定!? 最初の課題は箱のデザインを100案考えよう。パッケージデザインをやることになって、箱の表に描く絵やなんかじゃなくて、箱のかたち、開け方などなど、そういうの。即、絵のうまさ関係ないと落ち込むふたりが面白かったんですが、でもここでアイデアに優れる兎理と、それをわかりやすく絵に落とし込めるリアと、役割分担して課題に当たったところ、これがとりわけよかった。ライバルかと思わせて、ともに学び取り組む仲間になるという、その展開は実に好みでした。

『ローカル女子の遠吠え』

今回は東伊豆の稲取が紹介されました。地元情報誌の編集をしているハッチの取材にりん子と雲春が同行して、稲取名物げんなり寿司と残念石について学びます。いや、げんなり寿司は学びとかじゃないな。普通においしくいただいてました。

なんでそんなネガティブな名前なのかというの、量が多すぎてげんなりするのが由来って、ほんまに!? しかもお祝いの日の料理だというのに!? 驚きの連続。でも金目鯛のそぼろのお寿司って、それだけでもうおいしそうですよね。海辺でげんなり寿司を食べてすっかりファンになってる雲春が実にいい味を出していました。

残念石に関しては、稲取では築城石や畳石と呼ばれて、残念とはいわれていない。なるほど、これは学びってやつですね。

今回のよかったのは、ブラック企業経験のため目から光が失われたハッチがですよ、りん子、雲春と過ごした稲取が楽しかったと、少し目に光を取り戻すんです。ええ、こうして回復していくといい。ちょっと嬉しい展開でありました。

『秘密のお姉さん養成ノート』

蛍の素敵なお姉さんになるための活動。その根本となる理由に立ち返りましたよ! すずらんちゃんの憧れのお姉さんになりたいからだった! そうだ、そうだった、忘れてた。なんか網タイツからこぼれる腿肉がムチムチとか、そういう癖に没頭する漫画だと勘違いしてた。

蛍が周囲のお姉さんたちに、子供の頃、憧れのお姉さんいましたかと聞いていくんですね。そして語られる素敵なお姉さんの思い出。って、待って、なんかやっぱりむっちり系のオンパレードが予想される。ええ、やっぱり本編は熱いむっちり推しが連続して、さすがだな、ブレないな。やっぱり蛍の素敵お姉さん化計画はなかなか進まないっぽいですよ。

と思ったら、ついにすずらんちゃんに憧れられるにいたった蛍さん! なるほどペンまわし。いやいや、ほんと、ちょっとしたことでもすごい! と思われれば勝ちみたいな話になってきました。ただ問題は、この憧れや感動がどんだけ持続するかですよね。

『スーパー恋愛タイム~現場でドSな彼女は自宅でデレる~』

同棲する俳優の卵アツシと人気モデルのリナ、ふたりの共演することになった特撮番組では、恋愛御法度との噂があります。かくしてふたりは現状の恋愛関係を解消せねばならないのか、あるいは秘めた恋として誰にも内緒にし続けることとなるのか。

主役を演ずるアツシが、まるで嘘のつけない性格なんですね。なので葛藤がものすごい。演じる役も曲がったことと嘘が嫌いな熱血漢。なのに自分はリナとの恋愛という秘密を抱えて、いわば皆に嘘をついている!

これで葛藤できるというの、主役のキャラにまさしくばっちりマッチしてるってことですよね。

プロデューサーに確認することとなりました。ふたりはつきあっている。同棲もしている。この恋愛関係もドラマも諦めたくないんです! 熱い思いを伝えるも、ぜんぜんピンときてないプロデューサーがいいですよね。

なるほど、恋愛御法度とかこの現場ではないんですね! かくしてふたりはピンチをまぬがれて、でも番組的にはヒーローと悪役の中の人が恋仲とバレるのは好ましくない。プロデューサーの公認得られはしたものの、秘密にせねばならないとう状況は変わらず! でも、バレたら降板かもというプレッシャーがなくなったのはいいですよね。読者としても、そこまで怖れず秘密のカップルコメディを楽しめそうです。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島監督が略奪愛をテーマとした映画に爽太を抜擢。先輩の恋人を略奪する役でありまして、爽太という好青年キャラが略奪だなんて意外性があって面白いだろう。なんてこと考えてる真島ですが、爽太は真島とつきあっている白石にモーレツアタック中!

いやはや、まさに映画の配役に肉薄する、そんな状況にあるもんだからいろいろ大変なことになりそうでハラハラです。

しかし今回なにが面白いって、爽太を知るために一緒に食事をしながら話していた真島がですよ、爽太の真摯な振る舞い、自分に向ける気持ちにグラッときちゃったりしましてね、さらにはアイドルとしての爽太を知るために見にいったライブでですよ、思わぬワイルドさ、アグレッシブに歌い踊るその躍動に触れ、さらには略奪愛をテーマに歌うその表情、仕草、雰囲気に驚かされたところに、真島に気づいた爽太が微笑んでみせたからさあ大変。

笑顔のプレゼントが真島に大刺さりして、た、大変だ、白石さん! 真島監督が爽太に略奪されちゃうよーっ!

最高でした。

爽太の白石に向ける気持ちを真島は知っているけど、真島と白石の関係について爽太は知らない。この非対称的な状況が真島によって解消されようとするラストシーン。はたしてここにシリアスが投げ込まれるのかどうなのか。いやもう、ハラハラは続きます。

2023年3月6日月曜日

『まんがタウン』2023年4月号

 『まんがタウン』2023年4月号、先日の続きです。

『あの世で猫になる』

朝倉さんとタマが暮らす訳アリアパート。入居者が増えないからと、訳アリ入居者を入れようとする大島。さすが、人としてどこか間違ってる大家です。

けれど、これ、厳密にいうと入居者本人が訳アリではないっぽいですね。むしろ入居者に訳アリがくっついてきてる。具体的にいうと、かつて大島が悪霊を封じ込めたハムスター。なんの因果か、そいつを拾って飼ってるっていうんですね。

ということは、多かれ少なかれ朝倉さんや吉井と同じような事情であるわけですね。霊を飼うことになったのがアパートに入居してからかその前からかという違いはあるけれど、同じく霊飼い仲間と考えていいのでしょうか。ただ問題は、人と仲良くする気のない悪霊ってところ。とはいえ、ハムスターという脆弱な生物に入れられちゃってるもんだから、おちおちしていられない。油断すると死が隣りに迫ってくる。そんな状況に、さすがの悪霊も音をあげて八木さんにおとなしく飼われる気になったみたいです。

最初はタマからはじまったのが、霊入りネズミにシロさんに、そして悪霊ハムスターと、どんどんにぎやかになってきました。というか、霊がゴロゴロいるアパートてのもやっぱヤバいよね。これ、いずれ頃を見てまた霊を増やしそうです、大島が。

『もくもくもくのキャン』

ひとりキャンプを楽しむ木野。下の沢には、テントと格闘している原田の姿が。ただ、この時点ではまだ原田とは気づいていないんですね。ただ遠くから微笑ましく見守っているだけだったのですが、これ、もしや次回あたりで木野、原田が対面することになるんでしょうか!?

と、先のことは置いておいて、今回の趣向は初心者ならではといいましょうか、便利に使えるものはなんでも活用していくスタイル、車で寝泊まり、火はカセットコンロ、調理もワイルドに焼いただけというシンプル原田と、テント張って火おこしして、炭火でじっくりひと手間かけた料理を楽しむベテラン感ある木野がよくよく対比させられて、けどこれどちらかがいいとか悪いとかじゃないんですよね。

それぞれに楽しみがある。どちらのスタイルでもいいんだよというのが伝わる、そんな描かれ方してたの、とてもよかったですよ。

そしてこのふたりが出会えば、そこにはどんなドラマが生じるのでしょう。少なくとも、キャンプの先輩気分でいた原田の自信は一気に崩壊しそうです。

『ルナナナ』

月に迫る巨大隕石。こいつが落ちた日にはコロニーが数個吹っ飛んでしまいかねない。というので、どうにか対策しないといけないわけですが、まさかレーザーで軌道をそらすというその対応策がですよ、ゲーム感覚で月の住人に委ねられるというんですか! しかも命中させたら賞金一千万。一攫千金を夢見て、1発3万円だというのに押すな押すなの大盛況ぶりを博しています。

さながら命懸けのパチンコですよね。案の定というか、第7寮の切り込み隊長リコがのめり込んでしまって、一攫千金の夢はあるわ、ビーム砲撃つ楽しさあるわで、じゃんじゃんお金をつぎ込む始末。もし全財産スってもコロニーが吹き飛んだらチャラだ! って、そんな刹那的すぎる発言! いや、まあ、実際そうよね。ビーム当てて軌道そらすのに失敗したら、借金も財産もなんもあったもんじゃない。

新住人のキク、やっぱいいキャラクターですよ。当たらない距離だというのに射幸心を煽って集金してると、冷静に状況判断してちゃんと見抜くんです。しかしこれ、誰も当てられない前提でやってるな。隕石対策は完全に他国頼り、自国の成果には期待していないという酷い策略。けど、たとえそうとわかっていても、はるかと協力して隕石にビームぶち込むリコはちょっとかっこよかった。いや、でも、一千万は得られなかったんだけど。10万じゃ投入したお金、全然回収できないよね……。

今回の大損は投資を回収できなかったリコだけかと思ったら、まさかのブックメーカーに大金投じていたナオもでした! どうやら大穴狙いだったのか、いずれにしても刹那的な生き方してるやつがメインの過半を占めてるの、あらためてヤバい漫画です。

2023年3月5日日曜日

『まんがホーム』2023年4月号

 『まんがホーム』2023年4月号、先日の続きです。

『スナックあけみでしかられて』

あけみさんがお花見をご所望です。お客さんと一緒に、ゆるくお花見。けれど現実には開花時期を見極めて日程あわせて、そうしたらまだ寒くてと、なかなかイメージどおりにはいかないのがお花見。

ということで、寒さ対策なら火を使う料理。といった風に少しずつ問題を解決していくわけですが、花見が目的だったはずなのに肝心の花がないという、ただの寒中鍋パーティになっちゃったってところが、手段と目的が入れ替わったというか、あるいは花こそが手段、目的は外での会食という本音が出ちゃったというか、まあ実に素直でストレートな会になっちゃったわけですね。

しかし寒い中、鍋をつつくというのもシュールな情景といいましょうか、けれど昨今はやりの冬キャンプ。寒空の下、鍋で暖まるというのもポピュラーな楽しみとして認知されていますよね。今回はキャンプでこそありませんけど、開けた場所で楽しい時間を過ごすことができて、これはきっと楽しいですよね。ちょっとしたことだけど、屋外という一味加えることで特別な体験になった。そんな感じがするのですね。

『歌詠みもみじ』

扉のもみじ、めちゃくちゃ可愛いですね!

さて、今回はホワイトデーのお返しに、寒さ防止のジャージ、そしてサッカーワールドカップの様子など描かれまして、あの女子たちで友チョコのお返しを交換しあうその様子、華やいでとても素敵でした。もみじもいい表情見せてくれてましたよね。で、ママさんとなるとなにか純粋さが失われるというか……。うん、実にシビアといいますか。せめてパパさんの前ではやめてさしあげて……。

スカート下のジャージを注意されている宇賀神ですが、いや、悪くないと思うんですがあかんですかね!? かっこわるい? 風紀の乱れ? でも、寒い時は寒い。タイツははいてる、それでも寒いとなればもうこれもひとつの策として、認めてあげてほしい。というか、スカートにジャージ、ちょっとダサくて可愛いと思うんですね。そしてもみじの失敗。ああ、でもそれはそれで可愛いと思うんですよ!

最後のサッカーは、先日というにはかなり前ではあるけれど、ワールドカップを思い出させてくれて、予想外の活躍に、試合となれば目が離せなくなる、そんな様子がちょっと懐かしくさえ感じられます。あの、家族全員が後半戦開始するやいなやテレビの前に集まってくる、その慌ただしさ。ええ、一生懸命さに応援しよう、見届けようという気持ちがなんか嬉しかったです。

『うちの秘書さま』

扉絵、すごくいい。七瀬、はじめ、メイドさんの卒業写真が並んで、ああ、メイドさん、いいですね。すごく愛らしい。最高です。

課題からの逃避で部屋の片付けなどしているはじめです。それで出てきた卒業アルバムを皆で見るまではよかったんですが、続いて七瀬のアルバムをとなればちょっとそれは許可できません。必死で拒否する七瀬の迫力! メイド3人の制止を振り切るほどの勢い見せるんですね。

いったいなにがそんなに駄目なのか。黒歴史といってますが、それで実際見てみれば、学校行事は全サボり!? 個人写真以外なら見てもいいっていったけど、個人写真以外はないってことじゃんよ! すごいな、七瀬。とはいえ、自分もあんまかわらんかも知れません。多分、学校行事の写真、アルバムに入ってない。

七瀬、元ヤンだったんですね。七瀬が見せたくなかった個人写真、教師に髪をなんとかするよういわれて、なんとかした結果がおかっぱだっんですね。いや、はじめもいってますけど、めちゃくちゃ可愛いよね! ほんと、誰にも見せたくない姿だったかも知れないけど、自分で思うほど悪くないというか、それ以上に好評で、あの気分をよくしちゃってる七瀬がなんかすごく新鮮でした。

2023年3月4日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号、先日の続きです。

『RPG不動産』

過去の世界にやってきた琴音たち。そこで見たものは、子供時代のラスティーレとサトナ。仲よく遊びに出かけるふたりを見て、なぜこのふたりが相争うことになるのか、皆目見当のつかない琴音一行。さらに状況を知るべく調べを進めてみれば、屋敷の使用人たちの不穏な会話を耳にしてしまう。

ラスティーレは16歳になれば生贄として捧げられてしまう。

あまりのことに声を出してしまったアリスにファー。なんとか場を切り抜けるためアリスを新人メイドに仕立てて差し出すんですが、ということはアリスは内偵役だな! 今後アリスがもたらす情報に期待されますね。

そしてファーの心配。生贄にされること、ラスティーレは知っているのか。これ、見ている感じだと知っているようですね。なのにサトナのずっと一緒にいようという言葉に勿論と答えて、ああ、かなわないと知りながらそれでも願ったのかラスティーレは! けれどおそらくはこの約束を違えたことをもって、サトナはラスティーレの裏切りと感じてしまうのだろう。だとしたら、あまりにも悲しいすれ違いと感じます。

『ひよ&びびっと!』

カフェ店員を装うあやもりん動画。これを見てその気になったひよが、あやもりんのコラボしていたカフェでのバイトを夢見てしまう。けれどそこに問題が。募集に添えて、笑顔がステキな方との文言が! これを真に受けたひよ、なんとか対策したい! 咲に相談を持ち掛けるんですね。

かくして咲とあやもりんを巻き込んではじまるひよの笑顔レッスン。ここで咲があやもりん前にするとちょっと緊張してるとか判明して、そうかやっぱり憧れの芸能人枠なんだ! 手をにぎられてドギマギからの振り払い。ほんと、好きになってしまいそうなんですね。あやもりん、すごいパワーだ。

さて肝心のひよの笑顔トレーニング。な、泣きそうな顔になっとるよ!? あやもりんに教えてもらった表情トレーニング実践してみるも、なんか魂抜けた人みたいになっちゃってるよ!? ほんと前途多難で、テーピングで笑顔を作るところまでいっちゃうの。

しかしこの特訓、バイト禁止の校則判明で無駄になっちゃった! あの、ズコーっていうの、令和にも引き継がれるずっこけ落ちですよ! 見事な完結見せてくれました。

『ごきげんよう、一局いかが?』

乃々花大好き純礼さんが、冴の前に立ちはだかります。小学生の頃からずっと一緒にお昼を食べてきたのに、乃々花が高校にあがったら別々になってしまった。冴と千星にとられたんだ! 許せないから悪い噂を流しました! ってのはよくないことだけど、これ、乃々花の親心の結果だったのか。自分べったりで友達つくれてなかったりしたらどうしよう。純礼のためを思ってあえて距離を置いたんですね。

こっそり3人でお昼を食べてる理由、麻雀してるのを隠したいからだってちゃんと話したんですね。かくしてはじまる麻雀勝負。グルメ漫画では起こるトラブルはすべて食べ物で解決されるように、麻雀漫画ではすべてのトラブルは麻雀で解決されるわけね!

1位になったら、乃々花とお昼を食べる。乃々花をかけた勝負。麻雀仲間をとられちゃう! とか、そういうシリアスな流れには全然ならないのがすごい。冴は4人対戦できることにうかれてるし、千星はいつもどおりというか浮世離れしてるしで、全然まったくヒリヒリした感じなんてない麻雀勝負。むしろほのぼの初心者麻雀。協力しあえばいいのでは!? と思いながらも、なにをどうしたらサポートになるのかがわからない!

おかげで正々堂々勝負になるのはいいんだけど、ほんと、あまりのたどたどしさに純礼が戸惑ってるじゃないですか。このあたり、まったくもって予想外の展開だったんでしょうね。

後に明かされた純礼の秘密。なんと、麻雀経験者! アプリで対戦するのははじめてだけど、家族麻雀はやっていたから役もわかれば点数計算だってできちゃうよ! って、すごい、私、純礼さんに負けました。しかも1位を狙うため、最下位の乃々花が切ったアガリ牌をあえて見逃し、1位の冴が振り込むのを待つとかね、ああ、これは自分を超えてますわ、純礼さん。自分なら絶対乃々花からアガってしまう。次に待ち牌が出てくる保証なんてないんですもん。でもそれじゃ1位にはなれない。ラス親の1位を引っくり返すには、なんとしてもここで逆転する必要がある。純礼は自分の手では冴に届かないからと、冴が振り込む可能性に賭けたんですね。

自分ならリーチして裏ドラのるのを期待してしまうところ。でも平和、三色同順、ドラ1の4翻から点差9500を上回るには、リーチで1翻増やしても満貫で8000点。ツモアガりするか裏ドラがのらないと逆転できない。

運ではあっても、より確実性のある1位の振り込みに可能性を見たんですね。

こうした駆け引きのできる純礼を皆が賞賛するところ、これ一気に純礼の皆への心証よくしましたよね。というか、3人の麻雀観が素朴すぎてすごい。純礼があきれてますわよ!? でもって、果たされる乃々花との約束。ああ、確かに条件は満たしてるけど、ふたりでお昼じゃなくみんなでなのか! このあたりの駆け引き、さすがの乃々花さんでした。いやもう、今回は純礼、乃々花の駆け引き勝負。ふたりそれぞれに策をめぐらせて、見事でした。

2023年3月3日金曜日

『まんがタウン』2023年4月号

 『まんがタウン』2023年4月号、発売されました。表紙は『石田三成の妻は大変』。桜の花びらが舞う中、三成とうた、夫婦ふたりでおでかけでしょうか。舞う桜に喜びをかくさないうたの素直さと、はっと桜の美しさに気づいた風の三成の様子、その物静かな様と、よく対比の出ているイラストが魅力的です。この他には、『かりあげクン』、『ホントはダシたい山車さん』、『押しかけギャルの中村さん』、『新婚のいろはさん』の告知カットがございます。

『押しかけギャルの中村さん』

うわあ、冒頭、りるるる本を読みふける中村さんの口元がすごくHだ……。

さて、今回は2本立てですよ。前半はリキさん作のりるるる同人誌に触れ、またその新刊頒布が予定されていると知ってテンションあがりまくる中村さんがメイン。同人誌即売会にも、さらにはSNSにもいまいちウトい中村ですが、秋山と一緒にいればまるで知らなかったことに続々出会える。SNSに投稿されていたコスプレの出来のよさになおもテンションあがってね、しかもこの人がりるるるやると聞けば期待は天井知らず!

あまに嬉しいものだから、日常の些事もなんら気にならない。バイト先で水浴びることになっても平気でニコニコ。その嬉しさがお客さんにも伝わって売り上げにも貢献。いいことづくめじゃないですか!

と思ったら青天の霹靂。目当てのレイヤーさんがまさかの不参加! 落ち込むかと思ったら、まさかの自分がりるるるになれるチャンスが転がりこんできて、なんとまあ、夢がかなった瞬間!? かくして後半では中村のりるるるコスプレが披露されて、大好評からのコスプレ広場で大人気。さらには、迷惑カメコに一言物申したりなんかして、あああ、危ないよ中村さん! と思ったら、見事に制圧してからの決め台詞。ああ、ちょっと感動しちゃいましたよ。

中村さんのはじめてのイベント体験が散々な思い出にならなくてよかった。嬉しくて楽しくて、もやもやも吹っ飛ばしてしまうような、スペシャルな体験になってよかった。これからのサークル打ち上げもきっと楽しいものになるんだろうな。そんな中村の特別な一日に触れて、なんだか嬉しい気持ちになったのは、中村の感じた楽しさが伝わってきたからなんだろうなって思います。

『ホントはダシたい山車さん』

出勤時、山車さんに会釈されて喜んだ佐藤氏。挨拶返しをと思ったら、自分の後ろに経理課長。ああ、自分への挨拶じゃなかったんだーって恥ずかしく思ってる佐藤があるあるな感じしたのですが、なんと! 山車の挨拶のターゲット、佐藤であってたんだーっ!

それがわかったのがお昼の給湯室。無視されてショックを受けてる山車ですよ。ああ、自分なんて相手にされるわけないよなんて卑屈なこと考えちゃあ、逆に向こうさんに失礼なんだなって思わせられて、これもまたあるあるだったように思います。ほんと、これをきっかけに無視したわけじゃないって伝えられてよかったですよね。

さて、今回も出汁活動ですよ。お昼用のお吸い物を簡単に作ります。コーヒードリッパーを使って、さっと手軽に出汁をとるというのですね。こういうやりかたもあるんだ。ということは、コーヒーみたくドリップバッグに鰹節を入れて販売するとかありなのでは!? そう思ってweb検索してみたら、すでに売られていました。あー、やっぱりみんな考えることは一緒ですね。

お昼の出汁活動を通じて、山車と佐藤、ふたりの距離がだんだん近くなっていくのもいいですよね。普段は地の自分を出していない山車に、常からポロリと本音をこぼしがちな佐藤。無作為自然に踏み込む佐藤の言葉に態度が、山車にはずいぶん効き目あるみたいです。

『兎なりのウサギさん』

いったいこれはなにごと? 謎のぴょんぴょん会。なにかと思ったら、ウサギ専門店クレセント主催の交流会なのですね。

飼い主さんが飼ってるウサギとともに集まって、楽しい一時を過ごす。飼い主さんも三者三様。そしてウサギも三者三様。ウサギと一口にいっても、個体で本当に性格が違うんだ。わんぱく男子ウサギ5匹だと戦場とか店長が本音をこぼしかけていましたけど、実際どたばた大暴れするのもいるってわけですね。

今回の参加者の一匹が、みたらしの伯父にあたるウサギだったんですね。でも性格は結構違う。年齢によるのか、たとえ血縁があっても性格は同じにならないのか。そのどちらの要素もありそうですよね。兄弟ウサギでも全然違う個性とか当たり前にあるでしょうし、加齢で変わるものもありそうだし。今回のおじさんふく丸くんはもとからの性格が違うっぽく感じます。

今回のイベント、基本はウサギは好きに遊んでいるですが、おやつ争奪障害物競争なんてのも企画されて、ああ、最初に出てきた謎の物体、レース用のコースだったんだ! めいめいあちこちで好き勝手してるウサギを、さっと集めてスタート位置にセットする店長の手腕よ! そしてまるで出走しないウサギたちよ!

このままならなさ、これでこそウサギよ! って感じしますよね。そして我らがみたらしは初っ端からコースアウト。ほんと、自由そのものって感じがします。

別に勝ったから、負けたからってたいしたことはありません。そのトラブルも含めた愛らしさを楽しむことこそが目的でしょうから、きっとこれで正解なんですね。

そして深まる飼い主たちの仲。参加者が女性ばかりだったことに紅詩さん、モヤるんだ! 自分は、気位高い人なのかなと思ってたシエルママのいずみさんが、愛ウサシエルにハート飛ばしてたところが可愛いと思いました。またこの飼い主さんたちとの交流が描かれたらいいですね。

2023年3月2日木曜日

『まんがホーム』2023年4月号

 『まんがホーム』2023年4月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。クッキーを食べているらいかがメイン。食べる? とでもいいたげにこちらに紙袋を差し出してくれているのですが、これは普通にお菓子テーマであるのか、あるいは3月のイベント、ホワイトデーあわせなのか、はたしてどちらなのでしょう。『俺と式神の主従契約』は六合にケーキを食べさせてもらってる優一。ああ、やっぱりホワイトデーかも知れませんね! からの、『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は仲よく一緒にエッグタルトを食べ、『菓子男リノベーション〜別邸〜』はロールケーキをまるごと一本食いしている糸であります。ああ、恵方巻き! って、それは先月でしたね。季節は確実に進んでいますよ。

『天国のススメ!』

人間関係がやたらめったら面白かった今回。姉が働く病院で怪奇現象が! それを見てほしいと太一に相談しにきた下級生がですよ、病院は苦手といいながらも力になってくれる太一のこと好きになっちゃった!? と思わせてからの、十子様。そっちかーっ! と思ったら、病院ではサポートの柘榴さんに看護師さんたちがトキメキまくっとる!

いやもう、なんだろう、今回は怪異とかそのへん関係なしに面白いな。ほんと、この看護師さんたちのテンション上げ状況、見てるだけで最高でした。もっとこういうの増やしていきましょう!

さて、今回の怪異は病院だから……、と思わせておいてまさかの神様でありましたよ。病院を守る神様。改装で社がとりはらわれて、行き場を失いつつもこの病院を守るべく頑張っていた健気な神様。その頑張りが柘榴から認められ、太一からもほめられて、そして看護師さんからも大人気! いやもう、ほんと、今回やたら面白いな。このちょっと浮き立つ気持ちの描かれたところ、自分はこういうの好きなんだなと実感させられてしまいました。

『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』

まいったな、扉絵の音瀬くん、めちゃくちゃ可愛いな。マニッシュな装いしてる女子が好きなんか、いや音瀬くんは男子だけど。いろいろ混乱させられてるわけですが、本編はじまれば混乱はより深まって、橘が音瀬のスリーサイズを所望です!

いやもう、変態に磨きがかかってるよな。そう思ったら、なるほど、ホワイトデーのお返しに服を贈りたいとの理由。でもめちゃくちゃ高価な服。今回は何度もドン引きさせられる音瀬もまた見どころでしたね。

スリーサイズを自分で測ってくるといった音瀬。けれどうまくはいかなくて、長瀬や店長に頼れないかと、測ってもらう様子を思い描けばそれはまあなんと可憐なことでしょう。結局、橘の望みといって森川を引き込むことになったのですが、その時もいろいろあったようで、いや、別に採寸してるところ人に見られても大丈夫では!? からの、女子スタイルの音瀬をマジマジ見る橘。

今回は倒錯的な誘引のやたら多い回でありました。

しかし、音瀬、最初は橘に弱味を握られて渋々って感じだったのが、贈り物に心底喜んじゃったりして、だんだんまんざらでもなくなってきてるじゃん! ああ、これはもうふたりより深みに向かうしかない状況ですよね。ええ、音瀬、ノンストップで突き進んじゃいましょう。

『孔明のヨメ。』

曹操攻略に向けて動いている孫権、劉備陣営。今回は龐統が本格的に関与してきて、黄蓋の策、火計を確実に、効果的に成功させるための準備がちゃくちゃくと進んでいきます。

船を繋げさせるよう曹操に吹き込むべく動く龐統。また焼き討ちをより陣の内側から行えるよう、黄蓋の裏切りを演出するための準備も進んでいきます。しかしこのために杖打ちにも耐えるのか。武将というのも大変ですよ。

そして我らが月英はというと、なんとまあ、連絡員として龐統に同行するのですか! 危険では!? と思ったら、孔明がいつにない凄みで念押ししてる! からのまさかのイレギュラー、孫尚香が船に紛れてついてきた!

これほんとどうなる? 下手したら命はないよ!? おそらくは、なにかしらの重要な働きがあるんだろうと思うんだけど……。いや、ほんと、この姫さま、危なっかしすぎますよ。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

うわー、これ、動物病院あるあるなんでしょうね。開院準備をするキョウスケが見つけた謎の箱。開けなくとも察しのついてる先生と熊倉の様子に、ああやっぱりよくあるんだろうなあと思わされて、これ、子猫の押しつけですよ。病院なら受け入れてくれるだろうとの考えから、病院の前に捨てていく。本当、これよくないなあ。

と思っていたもんだから、本気でむかつく熊倉の怒りに共感。さらには動画の前置きに動物の遺棄は犯罪と注意喚起する先生。そうか、懲役刑までありうるんだ。想像よりも重い罪なんですね。

そして動画の本題ですよ。子猫にミルクをあげる様子を見せ、レクチャーするのですが、先生が淡々とお手本を見せて、続いて生徒役のキョウスケが習って同じようにミルクをあげてみる。

そうしたら全然うまくいかなくて、そこにめておが的確なアドバイスしていくの、ほんとめておは面倒見がいいなあ! というか、猫先生だ! 猫先生! 猫が人を指導するのは面白いな! と思ったら、子猫パワーとめておパワーで動画が大バズり!?

いやもうこの展開、待ってました! いい流れ! てなもんですよ。話題になったということは、先生の注意喚起も、そしてさくらば動物病院についてもより知られることになったということで、目的達成からどんな反響があるのかという先の展開まで期待できるではありませんか。これで病院も千客万来? だとしたら、キョウスケの活躍の場面も増えますね!

2023年3月1日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年4月号、昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

手段と目的が入れ替わって久しい八重。春休みには新しいことに挑戦したいというのですが、それがまさかの都会に転校!? 唐突な八重との別れに泣いてしまうみなちゃん! でもあくまでもこの転校は次の行動への布石。本命は、東京から転校してきた八重ですと、地元の皆を前にして挨拶する前提づくりだっていうんだから、ほんと意味がわからない!

あの転校の挨拶してる想像上の八重がおかしい。すごくいい表情してるんだけど、迎えるクラスの子らが当惑しまくってるの。いや、そりゃ当惑もすりゃ混乱もするよ。でも、混乱を引き起こすことがわかっていてもやりたいこと、いいたいセリフっていうのがあるっていうんですね。

みなの憧れのセリフが面白かったですよ。犯人はこの中にいるっ!! この夢を叶えるべく八重が一芝居打ってくれて、しかも手作り東京ストラップという賞品つき! ストラップ自体はよくわからんものながら、八重の手作り品もらえて喜んでるみなちゃんがすごくほのぼの! 今回はこの八重の謎ストラップをめぐるほのぼのが広がっていくのがすごく楽しくて、大河には岡山ストラップ! 左右対称じゃないといかんのは、ただの八重の好みなのか、あるいは製造上の理由なのか。よくわからんけど、なんかそのチョイスが面白くて、そして不思議とほのぼの。

ええ、よくわからんけど可愛いエピソード。すごくよかったです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

サンライズ荘の駐車場に車が停まっているのを見たことがない。たえの疑問に大家から返ってきたシンプルな答。金がないから誰も車を持っていない。ああー、お金の若者ばなれってやつだ! 昔はヤンキーといえばイカつい車を乗りまわしたり、バイク転がしたりが定番だったわけですが、サンライズ荘住人は生活の維持で精一杯。佳とか刺繍の仕事にバイトの掛け持ちまでしてるっていうのに、それでも余剰の金は出ないんだ。ほんと生活するって大変だなあ。

というわけで、まるまる空いてる駐車場。プールになったりスケートリンクになったり、季節季節で活躍(?)はしとるわけですが、いつもは住民がダベってるだけ。いや、近所の子供が遊びにはきとったな。駐車場で遊ぶと危険です! とはいいますが、車がないなら事故の心配も少ない。ただ大家が危険なだけ……。

ともあれ、この空いたスペースをいかに活用するか皆で知恵を出しあおうというのですが、結局は雑談スペースとしての環境整備に落ち着いて、椅子やテーブル設置まではいいとして、そこでなんで物騒な想像しか出てこない!? それ、落ち着いて雑談できるんですか!? くつろげない空間の方がしっくりくるのかどうなのか。せっかく大家が福引で入手したダイニングテーブルも、どんどん物騒な飾りつけされて、これ雑談スペースから凶器準備集合罪みたいな絵面に変わっていっとるよ?

見場があまりに悪すぎたか、姫子の介入を招いてしまったサンライズ荘。しかし今回の姫子は本気だ! すごい、警官隊引き連れてきたよ! で、ここで警官と乱闘しちゃうわけですが、いやもうこれで逮捕されないの!? 警察からすれば実地訓練みたいなものなんだろうか。ひとしきり双方暴れて撤収していく流れがあまりにも乱暴で、笑わずにはいられませんでした。

というか、大家相手にやりあって痛み分けって、姫子、実はかなり強いんじゃないでしょうか。この仲良くケンカしてる感。いや、警察が住民とケンカしちゃあいかん気もするんですが、これはこれで大家と姫子のコミュニケーションなんだろうなと思わされて、なんだかほほえま……しくはないな。物騒すぎる。でも、大家のこと放っておけない姫子はいいですよね。

『オネェの恋のはじめかた』

なんだこれは! 即売会で時宗と凪が同人誌を手売りしてる! 時宗はスーツ、凪は着物と、ふたりともにすごくキメキメなわけですが、いったいなにごと!?

なるほど、火野淡子のブースの手伝いやっていらっしゃる。水面が引き込んだんだ。水面がからめば凪は即承諾。時宗は時宗で、なんだかんだでつきあいのいい男だものなあ。翔人じゃこうはいくまい。というか、今回翔人は出てこないな。きっと自宅でゲームしてるんだな……。

しかしオタク相手の接客。コミュニケーション強者のふたりとはいえ、うまいことやりとりできるもんなのかな。と思ったら、あるまげどん丸氏、時宗の心づかいに陥落、キュン死寸前! からの、女性受けがすごい凪さま! いや、待って? 時宗は男子受け、凪さまは女子受けなの? すごいな、来場者もわかってる。男子は時宗に、女子は凪さまに魅かれるものと皆了解ずみなんだ!

すばらしい空間でありますね!

そして最後に淡子の戦利品。ジャンルオネェ!? うっかり粗相して時宗たちに目撃されて、それでもまるで揺るぎない時宗、さすがの紳士っぷりですよ! かと思ったら、まさかのオネェの受け攻め考察本!? さすがに予想を越えてきた!? からの、借りて読んだの、時宗さん! ほんと、淡子をめぐる騒動では、いつだってにやにやさせるなにかが待っているもんだから、目が離せません。