『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号、発売されました。表紙は『紡ぐ乙女と大正の月』。なんと、大正時代ではありえない、そんな格好で登場された蜂須賀初野嬢と一条雪佳様でありますよ! ふたりともに腹も露に、ミニスカートのチアスタイル。それでも屈託なくいい笑顔を見せる初野嬢、対照的に恥じらいのあまり怒ったみたいな表情になっている雪佳様。髪色の違いもそうであるように、コントラストあるふたりの存在感が非常に映えたよい表紙だと思います。伸びやかはつらつ元気そのものの初野嬢と、緊張から縮こまる雪佳様、そんな対比も悪くない。ええ、好対照であります。
今月は新規ゲストが2本です。
『ユメガタリの魔女』
新しい学校で、普通の子として振る舞おうと心に決めている転校生、語部小白羽。けれどそんな彼女に一番に話しかけてきたのは、クラスでも浮いている奇抜な子、結虹。一緒に世界をひっくり返さないかと誘ってきたのだけど、あくまでも普通でいたいこはねにとっては一大事。ゆにと一緒にいたら、普通に過ごして普通に友達に囲まれるような学校生活は望めない!
それでゆにのこと、避けて、避けて、避けまくるんですね。
でも、なにかやろうとしているゆにのこと、へんな子だからと距離を置く皆を見て、そしてゆにの言動の大本となっているのが、こはねも読んでいた本、『ユメガタリの魔法』と知って、それでちょっとずつ思いを変化させていくんですね。
ここからの展開が素晴しかったです。普通でいたいこはねと、普通でないことに憧れるゆに。いつか本に出てきた魔女みたいになるんだと語るゆにの言葉に、押し殺していた自分の本音をついに口したこはね。そこで明らかになる、こはねの秘密。実は魔女だったというこはねの、けれど夢をなくしてもうなにもできなくなっていた。けれどゆにがいてくれたらきっと違う。ゆにの思い描く夢を、こはねの魔法が現実に描き出す!
この、それぞれが持っているもので足りないなにかを補いあって、ひとつの目標に向かおうと決まった瞬間、これまで夢物語のようにあやふやだったものが、かちりと確かな輪郭を持ったと感じられたのでした。ゆにが思い描く夢が、こはねの魔法でただの夢ではなくなる。そこに感じられる躍動に、わくわくと気持ちの浮き立つ思いがしたのです。
『学園マスケラータ』
仮面着用を義務づけられている謎の学校、パラテノ学園。仮面のみならず偽名の使用も認められてる、一風どころか相当に変わった学園なのですが、それゆえに悪い噂は後を絶たず、かくしてその実態を探るべく、公安警察官、犬童桜が生徒に身をやつし潜入捜査することとなりました。
しかし、この桜さん、わりと頼りない? 仮面で素顔を隠し、かつ名もイヌワラチヨダと偽ってみたものの、顔をかくして銃器かくさず!? いや、スカートの下に隠してはいたんだけど、そんな長いスカートなんてと知りあったばかりの女生徒、ネコラネネに裾をまくられて即バレからの、警察官としての身分も、その目的である潜入捜査についてまで知られることなってしまいました!
展開がはやい! ともあれこうして捜査に協力してくれることとなったネネ。この子もこの子で、またなにか秘密を隠していそうですよね。初回は、状況の説明、そして相棒となるふたりの紹介といった様子。この学園の実態ないし謎については、次回以降に期待であります。
- 『まんがタイムきららキャラット』第19巻第5号(2023年5月号)
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