2012年3月31日土曜日

ふわふわ科学

 少し前に、萌えキャラで学ぶ○○みたいな本がブームだったりしましたよね。英単語や歴史年号はわりとオーソドックス。他にはビジネスものやコンピュータの知識などなど。いろいろあったわけですが、こうしたキャラクターや漫画で学ぶということに関しては、やっぱり科学が先駆者なんだと思うんですよ。古くは学研のひみつシリーズ。これは自然科学に限ったシリーズじゃありませんでしたが、けどやっぱり科学ものという印象が強くて、それは私の嗜好もあるのかも知れませんね。最近だったらやっぱり学研の『まんがサイエンス』。これも長いシリーズになっていて、面白い、ためになる、キャラクターも可愛い! と、科学漫画が好きならぜひとも押さえておきたいタイトルです。そして、このたび新しいタイトルが科学漫画に加わりました。田仲康二『ふわふわ科学』。芳文社はKRコミックスが贈る、科学に触れ、科学を楽しもうという漫画であります。

これ、連載がはじまった時、やった! と思ったものでした。不思議なものといいますか、『まんがタイムきらら』系列誌には、ひとつのトピックをかなり深く踏み込んで解説描写するものが結構ありまして、読むとみるみる詳しくなれる! いや、ほんと、冗談抜きでしっかりした手応え残すものがあって、ボウリングあり、陸上あり、ゲーム業界あり、実に多種多様、もしかしたら四コマ漫画はレクチャーものに向いてるんじゃないか? そんな風に思うほど。そこへ科学ものも登場してきて、もう素晴しいな。感激したんです。ある意味、これは盲点、目からうろこでした。科学漫画は昔からあるのに、それがこうして『きらら』誌に掲載されることがあるとは予想もしなかった。ないと思い込んでいたんですね。

登場するのはミソラ、サツキ、カホ、レイナ、チエの女子高生5人。彼女らがルリコ先生の科学教室にて科学実験する、っていうんですが、ルリコ先生は英語の先生。この科学ラボは実験的教育過程なんだそうです。授業というより、クラブ活動といった雰囲気で、紙コップとアルコールで作るロケットや、静電気の実験など。実際に試してみて、なんでこうなるんだろう? 疑問に思ったところやその原理をルリコ先生が解説していくといったスタイルで進行するところなど、実にオーソドックスな科学漫画であると感じます。場所は教室にとどまらず、友達や先生の家、プール、通学路と多様で、内容も化学、植物、気象、天文、台所や掃除の科学といった身近なものまで多彩。読んでなるほど、ちょっと試してみたいな、そう思わされることもしばしばで、実際にカルメ焼き作ってみたりしたもんでした。この自分でもやってみたい! そう思わされるところに、この漫画の描いているもの、科学の実験の楽しさが感じられるのですね。

そうなんです。子供のころ、科学雑誌の付録、実験キットで遊ぶのがすごく楽しかった。科学館にいって、体験展示に触れたり科学実験を見るのが好きだった。テレビで見る科学番組、科学の理論を実際に試してみる、そうしたものが面白かった。そんな気持ちを思い起こさせてくれるのです。ちょっとした実験でいい。大げさでなくていいんです。手の届くところにだって科学がある。手で触れて知る、そんな科学の楽しみ面白さを、ミソラたちの驚き楽しんでいる様子を通して、私も知る。その感覚が、ああ科学というのは、いつだってわくわくさせてくれる、ワンダーなものなのだな — 。思い出させてくれるのですね。

描き下ろし、カラーページの実験。ミソラが火を消したマジックの種は二酸化炭素なんでしょうけど、あれは差し棒に仕掛けがある? それとも最初からコップに満たされてた? 解説がないんですよ! けど、ショー仕立てで見せる化学実験は楽しくて、ミソラが一生懸命がんばってるっていうのがね、すごくいい。身の丈の科学ショー。散らばっちゃうと慌てるところなんか、可愛くって実にいい。この感覚が、ふわふわ、なんでしょうね。気張らず、気持ちを楽にして読んで、可愛いな、面白いな。それで、自分も実験してみたいな、そう思うことがあれば、ふわふわ科学を充分に楽しんでるってことなんだと思います。

おまけ

Caramelo

Caramelo

重曹、いっぱい残ってるから、また作ろう。

  • 田仲康二『ふわふわ科学』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

2012年3月30日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号、先日の続きです。

『脳内フェスタ』は、ありそうなネタの合間に、ありそうでなさそうな、けどなさそうでありそうな、そういうのを差し挟んでくるのがすごくいいなって思いますよ。内緒でチワワ飼うとか、正直意味がよくからん! なんだけど、妙に面白くて、きっとその発想がいいんだろうなあ。「しつけ IN スーパー」はなるほど。そして「ベリーショート」のがっかり感、これはよくわかる。面白いですよ。しかし、あんまりトリッキーじゃなく、けどしっかり心のどこかに引っ掛りを残すみたいな、その塩梅がうまいです。

『かめアシ!』、ゲストです。野球選手からカメラマンのアシスタントに転身した青年、松田晴次郎の話。クールな先輩万屋邑花のアシスタントとなって、いろいろしつけられると思いきや、先輩の落とした写真でもって、思わぬ秘密に巻き込まれる。先輩の可愛いもの好き、フリフリフワフワな女の子が好きすぎて挙動不審になるからと、電柱の格好させた松田に隠れて写真を撮るっていうんですね。おかしな話、おかしな人たち。ちょっと面白そう。松田の前歴がいいなあって思ってるんですよ。

『トイレノウスさま!』、ゲストです。稲沢台中学2年の女の子ふたり、須磨透桜子、高階凛々のふたりが、まず第一のヒロインたち。社会見学で訪れた展覧会、龍在寺の寺宝を見てまわって、やたら感銘うけてる透桜子がいい感じ。そんな彼女らが出会ったのが大学生亜紀。寺ガール。33年に一度しか公開されない仏様、烏枢沙摩明王をなんとかして見たい。けど授業なかなか終わらず、特別拝観ぎりぎり間に合わず、ああ残念と思ったところへ救いの神。先輩がこの寺の息子だっていうんですね。かくして彼女、寺内にはいり、秘仏を見んと潜入。そうしたらトイレで何者かにつかまってしまった。ああ、これが烏枢沙摩明王っていうのですか。トイレにいるうすさまみょうおう、ってわけか。いまいち意味わからん話だけど、次回を読めばすっきりするかな? 全体に独特のノリが感じられて、こういうのは悪くないかもー。みたいに思っています。独特よね。導入が唐突だったり。

新人ギャグまんが展はDJものです。シンプルな絵柄、ちょっとDJというものを紹介するようなところもあって、それで基本はコメディタッチ。これ、結構いいと思います。ちょっと引っ掛りが少なく、するっと流れていく、そんな感じもするけど、チヨちゃん夜逃げかい? みたいなのはいいなって思いますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第5号(2012年5月号)

2012年3月29日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号、昨日の続きです。

『IQにとりりおん』、ゲスト3回目にして通常運転って感じでありますね。今回はテストがテーマ。徹夜で勉強したぐりるに、普段どおりのみかん。まあ、そりゃみかんは普段どおりだわなあ。成績がよくないっていってるぐりるに、料理が得意じゃないか、そういってできることを取り上げてくれるみかんちゃんは友達思いのいい子だなあ。午前には実力テスト。午後にはスポーツテスト。こうなると立場は逆転して、というわけでもないのか。ぐりるも運動は得意じゃない。まあ、テストに回答書き込むだけで手が疲れてしまうみかんよりかは得意でしょう。あの遠投のテスト、投げたボールを見やるぐりるを、上から見下ろした絵と重ねてる、ああいうの、大好きです。しかし、ふたりだけというミニマムな人間関係。けどなかなかに広がりが感じられて、楽しいなあ。いい雰囲気、ほのぼのとした描写に友情愛情感じられて、とてもいい感じです。

『セカイ魔王』は、魔王様の苦悩ですね。魔王ってなんだろう。低級の魔物には言葉も通じないし、言葉の通じる方は意思の疎通ができないし……。なんとかして魔物を統制し、人との共存をはかりたい。そのためにはどうしたらいいか。しかし自分がいる限り、魔物は生まれ続けるし。結構真面目な悩みなんですが、なんとかいい方法がないかといろいろ考える、そのやり取りは面白く、おかしく、ほんと笑わされるほどなんですが、だからこそ、最後の展開、あれが沁みた。なんでもない、そんないつもどおりの今日だと思っていたら違った。がっかりするニッカ。その気持ちは一種絶望に変わって、重いなあ。切なくて、ああ、最初からずっと続いていた明るさは、このためだったのか。ほんと、これは切ない。だからこそ、なにか彼ら人との共存を願う魔物に救いはないものか。そんな思いにいたりますよね。

『ひとより××』は、ひよりの友達、幼なじみ、つきみちゃんが登場して、わあ、この子、可愛いなあ。いや、だから眼鏡びいきじゃないよ? もの静かで大人しそう、そう思わせて、いやはやとんでもないお嬢さん。ギャップがすごい。ひよりに騙されてる! そう思わせて、いやはや同類、あるいはより以上? しびれました。しかし今回のつばめは、つきみにひよりがとられる? それで嫉妬! みたいにも見えなくなくって、いやはや面白かったです。というか、三人でつきあっちゃうといいよ! なので、つきみ、また出てくれたら嬉しいなあ。

『まるごとフルコース』、いい感じに料理していますね。卵焼き。出し巻きを作るっていうんですけど、うんちくをしゃべっても全然聞いてもらえない。だから作って覚えようとなって、うん、こういう流れはいいと重います。三人三様で作る卵焼き。あのてまりの不器用さが、本当にそれらしくて、アクションゲームやってるお父さんみたいよ、って、いやもう面白い。作る、試食、ちょっと勘違いして恥ずかしい。そうした流れまで、実に楽しく読むことができました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第5号(2012年5月号)

2012年3月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年5月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』ですね。4人揃って、それぞれのイメージカラーの桜の花が輪になってデザインとしてあしらわれてる。綺麗な表紙ですね。散る桜の花びらは普通、桜色に色付いて、そこにピンク、オレンジ、緑、青の桜の輪。面白いですね。テーマは桜なのでしょう、新連載やゲストの告知や単行本の案内なども桜の花の中。春で、けれどいつもどおりの春ではない。そんな新しい季節を感じさせる表紙に思います。しかし、娘4人、ほんと綺麗。ナギちゃんがよいなあ。ユー子さん、正統派だなあ。ほんと、綺麗です。

けいおん!』は、空回りの梓でありますね。なんとしても学園祭ライブを成功させるぞ。その意気やよし! なんですが、どうしても先輩の時より、みたいな力みがあって、もしかしたらひとり向いてる方向が違ってたのかも知れないね。そんなことに気付いていく過程、よかったです。憂と純ちゃんは部をお休み。部長と1年生だけで、いや先生いたか、過ごすことで、彼女らに近づいていく。上へ上へ、もっともっと、ではなく、今の私たち、あなたたちと私でいこう、そんな風に変わっていく。とてもよかったです。しかし、直さん、素晴しいな。この人、美人ですよね。いや、眼鏡びいきでいってるんじゃないよ? コミカルで、どちらかというと落ち担当で、でもちょっとの表情にはっとさせる、そんな輝きを見せてくれる、そんな娘だと思います。そんな彼女らが愛おしい、そう感じる気持ちを梓が代弁した、そんな回だったと思うのですね。

ラッキー・ブレイク』、面白いですよ。プレゼンの結果を待つ陸。それを邪魔する、っていうかいけずなデイちゃんが可愛いんだかムカつくんだか。いや、けどわかります。ここまであからさまにするかどうかは別として、能力才能がものをいう世界。後からきたのに追い越されるなんて、それこそ当たり前、わかってても、やっぱり思うところはあるんでしょうね。嫉妬や悔しさ、そうしたネガティブな感情がネガティブなものとしてきちんと描かれるのは、なんだか悪くないなと思ったんですよ。そして描写は後先にプレゼンの当日に戻りまして、なるほど、これはうまいですよ。なるほど、あの時のあの女、あのできごとがこうして意味を持って表れてくるっていうんだ。ちゃこのデザインを盗んだ、それが提出されていた。なので、いわば陸とちゃこのコンペともいえるプレゼンとなってしまって、ピンチを工夫で乗り切る陸、このあたりはストーリー的なアクセントだと思う。それよりも、やっぱり先輩ふたりの気持ち。その鬱屈、これがぐっと話に重み、生きた感覚を生みだす要素として効いていました。ほんと、わかりあえた、仲良くなれた、けれどたやすくない。面白い、面白いです。

『ぱわーおぶすまいる。』は、観久、ええとみるくが可愛いなあ。いや、眼鏡びいきじゃないよ? もちろんスレンダーびいきでもないよ? いや、しかし、宗馬、どえらいもててるなあ。景佑、環に白い目で見られるのもわかる気がします。みるくはパーカー、あれが一番可愛かったです。

『デジろぐ』、ゲストです。らいか、素子、渡彩、この三人が写真を撮ります、そんな話ですね。可愛い娘たち。らいかはとにかく初心者で、パパのカメラ、一眼レフを借りてきた。って、それ銀塩なんだ。パパも、そのへんちゃんと説明してやれよ、みたいに思いますが、まあいいや。フィルムのノスタルジー、みたいなのあるのかな? って思ったけど、そういう話ではありません。いや、けど実際、今の若い人は、フィルムなんてわからないかも知れないなあ。ずっと前ですけど、視聴覚室でCDやレコードを貸し出ししてたことあるんですが、その頃の若い人ですでにレコードの聴き方を知らなかった(なので貸し出すのが怖ろしかった)。今回のらいかは、そういう恐怖心をおこさせてくれましたね。あの、機材大切にしろといってぎゅううとやった素子、あんたを応援したい! そんな気分。いや、ちょっとらいか、アホすぎやしないか? 『デジろぐ』というタイトルの「ろぐ」っていうのは、アナログのログなんでしょうね。あの、最後の現像してというプロセス、その待ち時間がアクセントになってたの、よかったと思います。ああ、最後につまんないつっこみで申し訳ないけど、素子さん、一眼レフのズームはレンズを回すのじゃよ。

『ここめ不定点』、竹本泉の新作です。面白いな。見た目ちんまい15歳、麦畑小米が主人公。高等部在籍の彼女は、学校にとび級のシステムがあると知って喜ぶんですが、とび級とび級って実際聞かれてみたら面白くないとかね、いやもうこれ面白かった。登場人物、小米、おこめって呼ばれるんですが、彼女の他に武東ゆかり、そして部長三園三々加、この人は本当のとび級で、本当は初等部の5年生。こうした面々でのコメディ、面白そう、すでに面白い。期待しちゃいますね。

『スマイルショット』、ゲストですね。3回目、かな。今回はコンテスト出品の写真を撮る、その直前追い込みとなりまして、締め切りは明日。撮った写真は五百ほど。けど納得いくものがないっていうんですね。テーマは人物、それで先輩をいろいろ撮ろう、そんな感じなんですが、被写体のこと、もっと好きにならないと、いや、これ実際大切かと思います。好き、それは踏み込む気持ちに繋る、そう思う。もっとよい面を、もっと違った面を、注意深く見つめ探しながら、その対象をよりよく表現できるよう、ぐっと踏み込んで撮る、その礎になる気持ち、それは好きだと思います。その後、ちょっとテクニックについても語られるけど、それらは瑣末ごとだと思う。実際、その好きは、その人たちのもっともその人たちらしい瞬間をおさえる、そうした結果に繋って、うん、いい写真もの漫画だと思いました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第5号(2012年5月号)

2012年3月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号

『まんがタイムオリジナル』2012年5月号、発売されました。表紙は、笑いの一本勝負。なんと、剣道がテーマみたいですよ。『ラディカル・ホスピタル』山下さん、凛々しくてかっこいい。他にも『らいか・デイズ』らいか、『トリセツなカテキョ』先輩が道着着て、ああ、こういうの凛々しくてかっこいいですよね。榊先生の面を打つ師長が、なんだか赤胴鈴之助みたいですよ。

『よゆう酌々』は、もうめちゃくちゃ面白いなあ。お客さんが酔い潰れてしまって、帰れない戸田くん。電車なくなるから帰っていいよっていうんですが、店を心配して残ってくれてる。いやあ、そこは女将になにかあったら、とかいいなさいよ、みたいなこと、ちょっと思ったけど、この人は口が裂けてもいわんでしょうね。で、泊まっていく戸田くん。そして翌朝の誤解。ああー、あの赤面の粧子さん。なんて可愛いんだろう! そしてお客ぎっしり。もう、めちゃくちゃ面白いなあ。最高ですよ。放置したんだ! どういう誤解をなさったのだろう! めちゃくちゃ面白いよ!

『満開!Sister』はお花見のお話。さくらちゃん、やっぱりちょっと黒いね! もうそういうところが大好きです。そして場所取りの極意ですよ。これはすごい。そういや、鎧、いましたっけね。桜の下に鎧。ちょっと狭いね、というのでたけし、鎧を着込んで、あの夜桜ですよ。しびれます。最高です。鎧をぬいでからの展開もいい。さくらちゃんの落ち、たけしの鎧落ち、どちらもとてもよくって、手抜かりなく、おいしいところを拾っていってくださるなあ。そんな感じ。ほんと、このノリとか大好きです。

『あねぐるみ』、こちらも花見ですね。楠木弟が場所取りに出陣。姉ちゃんの部下、錦も動向することになって、無口な人、そう思わせてメールでは多弁。いや、なかなかにオタク気質なお嬢さん。机には大量のトイ、花見の場所取りにもお気に入りのおもちゃ並べて、フリーマーケットと勘違いされる始末。寒くなればテントに潜り込み、とにかくマイペース。で、おもちゃを汚されることを徹底的に嫌うあの潔癖、いやもう、他人事じゃないな。私も、本触る前には必ず手を洗うものな。いや、しかし、今回は錦さん勝ちでした。テントの誤解、面白く、マイペースな彼女、魅力的。そして、おつりで食玩で釣られる、この好きなことにまっしぐらというところ、ほんと、いい感じでありますよ。

『ゆらゆら薬局プラリネ』、これもいいですね。妹と兄のポジションが冒頭に改めて語られ、そして兄ひとり、妹ひとりの生活……、って父さん健在なのね。いやほんとしかし、あんまり妹妹いわないでという妹からが、兄に愛でられることに慣れきってしまってるとか、それがいい。で、なにがいいかっていうと、合コンでの兄貴ですよ。女 俺に構うな。あだ名が武士って、もう最高に面白かったです。そして、なぜ兄貴がこんなになってしまったのか、その理由描かれ。なるほど、こうだったのか。だんだんに前提が見えて、しかしこの人の人間関係、うまく発展していくものか? 兄貴、妹以外の女性に心を開く日がくるのか? わからん。わからんけど、なにかひと山あったりはしそうな感じがしますよね。ああ、武蔵野さんとはないと思います。

『小森さんは断れない!』、いいですね。小森しゅりは人の頼みを断れない。そういうんですが、それは人から嫌われるのが怖いからなんじゃないか、そう自問したりする、その背中が切ないですね。いや、いきなり最後のネタで申し訳ない。けど、この場面にはぐっときたんです。断って嫌われたらどうしよう、のほほんとマイペースに頼み事を聞いている、そんな風に見える彼女も、内面にはいろいろ嵐が吹き荒れたりするのか。そう思わされて、けどその気持ちを沈めてくれる友達の一言。ああ、ほんといい関係。この、ちゃんと信頼があるよっていう、厳しいこといっても、いわれても、気持ちは離れないよ、そうしたことを互いにわかってるのかもな、そんな風に思わされたんですね。こういう、時に弱気になってしまう、そんな自分を支えてくれる友達がいるというのは、本当に素敵なことだと思います。人にはっきりといえるめぐみ、面白いまさ子。ふたりともに、しゅりのいい友達。めぐみ、いいやつ! そして、しゅりの妹。なんだ、この子、可愛いな! ほんと、面白いだけじゃなく、登場人物がみな魅力的。いきいきとして動きがあって、いい漫画だと思いますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第5号(2012年5月号)

引用

  • 松田円「ゆらゆら薬局プラリネ」,『まんがタイムオリジナル』第31巻第5号(2012年5月号),64頁。

2012年3月26日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年5月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年5月号、一昨日の続きです。

『はじおつ。』はデート回のその後。月曜日登校したら、友達がもう興味津々で、大変なことに! やえさん、屈折しててよいなあ。それとマスクにバツ書いてあるとか、100人に聞きましたじゃないんだから! いやしかし、それで黙秘を貫いていたらパジャマパーティに雪崩れ込むとかね、向日葵の人のよさに付け込んでさ、柊子の人の悪さというべきか、けどほんと、深いところで優しさが息をしている。いい友達だなって思ったわけですよ。そして向日葵、偽物のおつきあいであることを思い悩んで、ああ、いい展開。この子の気持ちが動きはじめてますね。

はぢがーる』は、おおうプール回。って、学校の水着ってあんなに背中あいてるものなの? はいいとして、お姫さまだっこですよ。卵の課題でお姫さまだっこに挑戦しないといけないっていうんですが、非力な本田くんじゃ無理、なら浮力を利用しよう、というわけで、このプール授業にすべてを賭けとるわけですな。けど、反対に本田くん助けたり、なかなか思うようにいかないんだけど、それでも本田くんじゃなきゃ嫌だ。って、いや、もう、この子、すごくいい。そしてチャンスをものにして、いやもう、あの跳躍とか素晴しい。気持ちが一気に動いて、思い切りよく跳んでみせた! 目的を果たして水に沈んでいく紗江。なんともいえない余韻もあって、実によかったです。そして課題は残りあとふたつですか。ああ、クライマックスも近いのですね。

『恋するチョコレート』、三嶋くるみが帰ってきた! おーいえー! ヒロイン高坂やよい15歳の玉砕からはじまるストーリー! 勇気を出して告白したら、カノジョとか間にあってるといわれてしまった。自分とは全然違った感性を持った男の子。新鮮さと驚き、それが恋に育ってしまった。それで、あげるあてもないチョコレートを毎日毎日作って、って、乙女だなあ、やよい。三嶋くるみのよさは、こうしたちょっと子供っぽさ、大人になれてない子らの、ちょっと恋愛に一歩を踏み出して、そのちょっとずつがいいんですよね。この話にしたって、色気よりも元気といったやよい、この子にどきどきさせられて、結局折れてしまう少年鳥海くんがすごくいい。意識なんてしてなかった恋愛なのに、ぱっと気付かされる、ああこれが恋なんだって、その瞬間見せられる、それがすごくいいんですよね。ほんと、やよいも鳥海くんも、ふたりすごく可愛いなあ。ほんと、可愛いカップル、見守りたくなる、そんな感じなんですね。

少女素数』は、わあ、富士夫兄さんの魅力大爆発だ。クラスの出し物メイド喫茶にて、にっこり微笑む富士夫の威力、ですよ。いや、もう、しびれる格好よさで、ほんと面白いなあ。これ、今後なにか影響っていうか、展開あるのかしら? さてさて、ほのぼのカップルぱっクンと有美ちゃんがあったと思えば、ヒロミと敷島の会話、ヒロミの言葉ひとつひとつに感情がこもっていると思える。そして敷島、彼もまた気持ちを揺らすまい、そうした決意しているようで、ああ、やっぱり彼らはまだ人生において潔癖で、その美しさを信じることに倦んでいないのだなあ。そうした気持ちはきっと誰もが持っていて、私だって持っていて、けど忘れてしまった気がする。だからこそ、彼彼女らの行動、そこにまぶしさ感じるように思います。

2012年3月25日日曜日

Letter, taken with GR DIGITAL

LetterGR BLOG、トラックバック企画ですね。今月のテーマは「YELL」ですよ。応援をする、エールを送るっていいますが、そのエールだそうでして、声援、とはいいますが写真に撮れるものではない。応援するないし元気や勇気の出る写真、そうしたものがテーマ、だそうです。震災から1年、そうした意味もあるそうですが、残念ながら自分の写真にはそうした方面に届きそうなもの、なかったですね。なので、ごくごく私的なものを見付けだしてみました。トラックバック企画「YELL」に参加です。

今回の写真は、冒頭の1枚ですね。なんの凝ったところのない、ただ貰った紙を写真に撮っただけのもので、だからきっと他の誰にも通じない。これ、なにかといいますと、うちにちょこちょこきてるおちびさんが、勉強頑張ってといってくれた手紙なんですね。それがもう、嬉しくて嬉しくて、というほどでもないんですが、写真に残す程度には嬉しかったのでしょう。

ここでいわれている勉強というのは、ペン習字と、それから和声ですね。座卓に向かって黙々とやってた。それを見て、勉強している、そう思ってくれていたのでしょう。けれど最近は少々怠け気味。気持ち、入れ換えないといけませんね。堕落ばかりじゃ腐ってしまいます。

Study of harmonics

Keyboard, CASIO GZ-5

2012年3月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2012年5月号、発売されました。表紙は『夢喰いメリー』。桜の花びら舞い散るその下、元気に両手を広げて楽しそうなメリーと歌っているソナー、夢捜歌クリオネです。いや、しかし、クリオネの衣装って、何度見ても強烈だよなあ。なんて思わされて、あ、これ、脇は布あるんだ。って、そんなことばっかり気にしてちゃいけません。しかし、クリオネは、本編では暗い顔ばかりだから、表紙ではしあわせであって欲しい。あの歌が、彼女にとって安らげる、そんな歌であればいいなあ。

『魔法少女かずみ☆マギカ』、すごいことになってますね。かずみを狙う里美。ついにかずみが倒れたかと思ったら、またも復活。ほんとどうなるんだろうかと思ったら、なんと今度は里美が魔女化するというのか……。しかし、本当に難しいことになってますね。失われたミチルを取り戻そうとして作られたのがかずみ。けれどかずみはミチルではなく、かずみという自我、意識を持っていて、それでかずみを殺す、殺さないでプレイアデスが分裂? いや、もう、見せつけられます。これは本当に、翻弄されるようにして読んでいますよ。

夢喰いメリー』、夢捜歌クリオネ登場ですよ。いよいよ戦闘かと思いきや、門番メリーを確認して、助けを求めるっていうんですね。ずっと捜していた、助けを求めていた。その理由が語られて、ああ、なるほどそうなのか。エルクレスの器はタカだった。妹の瑞貴が怪しい、そう思ったこともあったのですが、そうか瑞貴は読者の目をタカからそらせるための役割ではなく、彼女も実際巻き込まれていた、そういうことだったんか。いや、しかし、実に絶望的。病室のシーン。瑞貴の奇跡的な回復、それを喜ぶタカのあの笑顔。それ見せられると、もう本当にユメもキボーもない、そんな気持ちにさせられて、ああ、日記とか! しかし今回は、クリオネの語る絶望的な話に対し、メリーはほんと面白キャラに徹してて、ああ明るいメリーがいてくれてよかった。なんて思いましたよ。

となりの柏木さん』は、ついに清花サイドでありますね。和樹、清花に告白。それで、1ヶ月だけお試しで付き合ってやる。私のことをよく知って、和樹が嫌いにならなくて、そして自分が和樹のこと好きになるなら、正式に。お試しとはいえ、付き合えるとなってちょっとハイテンションな和樹が可愛いですよ。もっとそつない男だと思ってたのに、待ち時間の件、自分からゲームしてたからとかいって自爆するなんて、ええーっ! 超意外! 照れ隠しなのか? それとも清花が気を使わないようにわざといったのか? いや、でも、感情をストレートに表す彼、すごくいいなって思います。そうか、こんな人だったんだ。

『Zwart Closet』は、なるほど舞台となるこの世界の説明、それがなされて、なるほど、過去に名を成した人間の魂を人形に組み込んで、それをリビングデッドとして使役する? 既に活動していたのがソロモン ゲオルグ・ファウスト、ヘルメス シモ・ハユハ、フローレンス・ファー アレイスター・クロウリー S・L・マクレガー・メイザーズ。この3人に加えて、ついに動き出したというのがジェリ・ノットランド ジャンヌ・ダルク ジャック・ザ・リッパー。って、一体に複数人が使われてるから、やたら長くって仕方ないなあ。なので、便宜上なのか、一番頭にある名前をもって呼んでいるみたいですね。ソロモン、ヘルメス、フローレンス・ファー。そしてヒロイン、ノエル・ウォーカーは、魂を見ることができる、そしてそれを扱うことができる。ネクロマンサー。ということのようです。死神とガーゴイル、それらを使役した敵対組織があるっぽい? まだ全部がわかったわかではないけれど、とりあえず前提となるものは紹介されたように思います。

2012年3月23日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年5月号

『まんがタイムスペシャル』2012年5月号、昨日の続きです。

『銀河系女子高生ありすちゃん』は、ありすのエキセントリックさ、それが売りかと思っていたらば、あの英語の教科書。あれはいいなあ、すごくらしいイラスト。それに落書き加えてる春菜。あの子もなかなかいいセンスですよね。そしてありすが、というか宇宙人が嫌いというミチコ。その理由明かされて、なるほど春菜と増田が原因なのか。大きくなった今でも振り回されてるんですね。

放課後のピアニスト』は新部長の決定イベントです。なんと、進級するのか。って、レミが驚いてるのがおかしいですね。で、部長決定に初代部長が関係してくるっていうんですね。小石美登さん。国際大会での優勝経験者。ピアノ部を大切に思い、後輩を支援したいと思ってる。って、なんか不穏なこともいってますけど、でもなかなかできることじゃないですよね。で、レミとソラがピアノで対決。軽くコンクールといったところですよね。結果は甲乙つけがたいとか、ソラちゃんも頑張ったんだなあ。このふたりともに、なんとしても勝ちたい、短期留学の権利を勝ち取りたい。この、なんとしてもという意気込み、これがいいですよね。

『我が家のさおりさん』は、そうか、人形のさおりさん、母にそっくりなんだ。なぜ似てるのか、なぜ父はかつてこの人形を買ったのか、いろいろありそうなんですが、それが語られるにはもうしばらくかかりそうですね。しかし、このさおりさん、すごくいい子で、器用で、でなにを見ても新鮮でという、このいろいろに感激してというところ、素直さとか、これはほんとよい感じです。

シュガービーチ』は、みなとがひとりで特訓しようっていうんですが、なんと、ナンパされて、結構嬉しそう。で、ビーチバレーするお嬢さん、城崎美麗と出会って、ナンパのチャラ男と急遽ビーチバレー対決っていうんですね。しかし、ひとりでふたり相手に勝ってしまうというの、これはルール的に可能なのかな? って、連続で打ってるわけじゃないから大丈夫なのか。ペアを組んでるみなとが寝てても勝ててしまう。すごいけど、楽しくない。なるほど、これはみなとにも、それから美麗にも、なにか成長のきっかけとなる、そんな展開あるのでしょうか。けどとりあえずは、名乗りをあげた男子ふたりでしょう。いや、ほんと、主将、いいキャラクターしてます。最高です。

少女カフェ』は、葉月さん、だんだんに一郎さんへの思いに気付いていく、そんな展開みたいですね。本人はそれと意識していないけれど、それはマチコさんへの義理というか遠慮というか、あったりするんでしょうか。けれど、残念ながら江藤さんは、好いた女性の気持ちが自分には向いていないということをこんなにも気付かされてしまって、これからどうされるんだろう。やっぱりお人好し路線でいかれるのかなあ。

『アイして♥やえば』、ゲストです。歯科助手をしている歯並愛さん。歯にフェティッシュを感じるっていうお嬢さんなんですね。友達もいない、恋人なんて当然いない。けれど、歯さえあれば平気なの、っていうんですが、そんな彼女が立派な八重歯を持った青年、八重直人に出会って、好きになってしまうっていうんですね、歯に。エキセントリックな彼女。ずっとコンプレックスだった八重歯だけど、好きだといってくれて嬉しかった、そういわれて、人の顔を直視して、歯だけでなく、この青年のことを意識しはじめるって感じですね。しかし、セクハラする患者をこらしめようとするところ、あの第一大臼歯からってのは面白かったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第5号(2012年5月号)

2012年3月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年5月号

『まんがタイムスペシャル』2012年5月号、発売されました。表紙は、おお、これは珍しいかも。イースター、復活祭ですね。イースターのうさぎに、イースターエッグ。おお、マキの髪飾りもうさぎです。他には、今号で最終回を迎える『ベツ×バラ』、原田とたまちゃんふたりのカットと、そして『まんがタイム』系列誌をジャックしてまわっている『そよ風そよさん』のカットもございます。

恋愛ラボ』は、ついに生徒会交流会。あだ名がルンバとか、もうこのセンス、たまりませんね。そしてエノが王子と再会。ヤンのツンデレ疑惑。って、ああ、ようやくですよ。マキの本気が期待される。これはわくわくさせられます。

『カブルモン』は、なるほど和葉の友達もカブルモンに入っていくってことみたいですね。服飾に興味があるっていうおしゃれっ子竹内は、今回こそはファッション部といってますが、いずれ合流しそうだなあ。で、今回は一二見、クールなこの子がカブルモンの部室に見学にいくことになりました。で、ふたりで日曜、蜂須賀先輩も参加するかぶりもの、エヴェレッタショーを見にいくことになるんですね。なるほど、面白い。急遽、手下役で参加することになった和葉。子供をさらってステージに連れてくる役っていうんですが、それさえもままならぬ、なるほどなあ、これは一二見がステージに引っ張り出されるって展開だろう。というところで次回に続いて、ほんと、一二見、舞台に立つんだろうか。楽しみですよ。

えすぴー都見参!』は、おお、直人様、決断なさいました。海外留学をする。大蔵グループの後ろ盾はいらない。この家とも縁を切って、それこそ籍を抜くまでというんですね。メイドの皆とも、そしてもちろんSPの皆とも離れることになって、ああ、都はどうなるのだろう。ちょっとした正念場? SPとしての都を卒業して、ただの一人の都になって直人に向かい合う? そんな展開になるのかしら。

『どろんきゅー』、素晴しいですね。アキちゃん家にまねかれた佐倉さん。って、その前にちょっと待ってくれ。あの本は怖い、怖い、めちゃくちゃ怖い。で、アキちゃんのアパートで出会った女性。アキちゃん、変わりもの、怖いもの知らず、っていうんですが、なるほどなあ、これ実感なさってたってわけですか。ほんと、怖いもの知らずのアキちゃん、おどろおどろしく、そして面白いですよ。いや、ほんと、これはすごい。しびれます。

『スーパーメイドちるみさん』、おおう、ちづる部長が大変なことに。くそう、吉田さまを恨みまする。

『踊る!アントワネットさま』は、まさに歴史ものといった味わい。マリー・アントワネットの輿入れから描いて、証書にしみが、なんと不吉な、そうしたことも描こうというのですね。お優しい王太子さまとの思い出、そして暮らし。それが描かれながらも、どこか寂しさが感じられるのはどうしたものでしょう。そして最後のマリーのモノローグ。ああ、切ない。この漫画はそうした歴史の動乱にも飛び込んでいこうというのか。ああ、マリーが健気なだけに、胸がしめつけられるようです。

『趣味じゃない園芸』は、南方さんのカップルに対する印象、これがひどいなあ。というか、後半は自分のデートの失敗じゃないですか。じゃないですか……。しかし、植物園、オンシーズンに突入して、まずは自らお花見したいっていう蘭。結局ひとり花見かと思われたところが、皆、なんのかんのいって付き合いいいよなあ。くるい咲きの桜、その真相も素敵でした。

そしてエッセー企画「新人時代の失敗談」であります。参加者は駒倉葛尾、まつもと剛志、にしうら染、吉村佳、コンノトヒロ、板倉梓の6名です。漫画家としての失敗談があれば、社会人時代といったらいいのか、いやそういうと、まるで漫画家という職業は社会人に含まれないみたいですが、いやもうもちろんそんなわけありません。ともあれ、白紙FAX、あれはやったことないけど、白紙コピーはありますね。あれ、うっかりやっちゃいますよね。そういう時、私はこっそりなかったことにしちゃいます。しかし、仕事の失敗など並ぶ中、にしうらさんのがすごい。これ、失敗といえば失敗かも知れないけど、事故だよなあ。小指骨折って、これは辛そうです。張り切ってしまわれたんだろうなあ。そう思うんですね。他の方のもありそう、ああやるよね、そういうのいっぱいで、共感しつつ、なるほど子供の写真見せられた時には娘ですね。肝に命じました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第5号(2012年5月号)

2012年3月21日水曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年5月号

『まんがタイムきららミラク』2012年5月号、先日の続きです。

『桜Trick』は、カラー、すごくきれいですね。姉さん、妹の色っぽいピンナップ。いやほんと、美少女姉妹だなあ。と、その間に立ってふたりを魅了してる春香、素晴しいですね。というわけで今回は肝試しであります。残念ながら春香と優、ペアにならなくて、なるほど今回はいつもと違う組み合わせで見せるのか、そう思ったら、結局は春香優ペアになるのですね。そしてふたりをつける美月会長ですよ。もう、この人の行動、妹が心配! といいながら、いやむしろ春香に興味津々といった感じで、もう素直におなりなさいな、そう思わないではおられんのです。しかし、草むらで抱き合ってキスとか、毎回毎回、もう、なんとしたものか、ドキドキのシチュエーション。しかし、美月が自分の気持ちに素直になるのはいつのことだろう。その日が待たれます!

『アイコト』、ゲスト第2話ですね。アイの、気になる相手、吉野くんとちゃんとしゃべりたい、その願いをマヤが叶えてくれる? そうじゃないんですね。邪魔をしようとしている。願いを叶えることでマヤは妖精になれるけれど、そのかわりアイの身体を乗っ取ることになってしまう。だから邪魔する、ってほんとなんだいいやつっぽいなあって思うんですね。基本的にクールなマヤだけれど、学校を珍しがってハイになってるってのは面白い。そして、マヤの先輩といっていいのかな、ハクのいう、アイの望みはもっと違うものだっていう言葉。意味深で、それはひとつ叶えばもっと多くを望んでしまう、その先にあるものということなんだろうか。あるいは、もとより大きな望みがあって、けれど今はそれにアイ自身も気付いていないということか? いずれにしても、なかなかただごとではないアイとマヤの関係。アイはマヤが願いを叶えてくれると信じてる、けれどマヤはそうじゃない。この認識の違い、これが今後どうなっていくのか、興味をそそられますよ。

『なりきりイミテーション』、ゲストです。妹ができるから、その予行演習として同い年の女の子とふたりで暮らすようにっていわれたみなり。一緒に住むことになった向子は、同い年、しかも学校では同じクラスで、学校でも家でもしっかりもの? 背も向子の方がずっと高くて、どっちが姉だろうって感じですが、向子はちゃんと妹役を演じて、甘えて、なんですね。これ、今表に出ている理由、みなりがよいお姉ちゃんになるように、そういうのだけではない訳がありそうな感じがしますね。むしろ向子の方に、なにかこれを通して得て欲しい、そういうものがあって企画された姉妹暮らしのように思うんですね。というわけで、ふたりが家では姉妹をやってるというのは学校では内緒になってて、ほんと、やっぱりなにかありそうですよ。

『福33三色パンチ』は、いよいよ夏休み。というわけで、いろいろ課題が出て、しかし課題をやるには金がかかる! って、美術も大変だなあ。画材は決して安くないって聞いてます。そんなわけで美大生のバイト事情など語られて、またそれからはずれて銀子先生と一緒に買い物、そして銭湯いったりと、ちょっと遊んで、けどやっぱり4年間はバイトの日々なんですか。ジャンルにもよるんだろうけど、実際絵の具にしろ筆にしろ、はたまたカンバスに紙にと、たくさん消耗品のあって、しかもそれらが安くないって聞きますから、大変なんだろうなと思います。しかしこれからバイトの日々が描かれるのか、それともやっぱり創作の日々なのか。どちらにしても面白そう。いきいきとした日々、その取り組みが見られそうです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第3号(2012年5月号)

2012年3月20日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年5月号

『まんがタイムきららMAX』2012年5月号、昨日の続きです。

『▲コンプレックス』は、鋼音と円、ふたりの思いのすれちがいでありますね。鋼音さん、すごいお嬢様だった。なのに私は庶民で、住んでるアパートだってオンボロで、いろいろ引け目を感じて、それでちょっと落ち込んで。鋼音は鋼音で、そんな円を見て、元気がないな、どうしたのだろう、思い悩んでしまって。ほんと、互いに相手のこと思っているのに、それが伝わらなくって、どうしたんだろう。負い目を感じてしまった、自信をなくしてしまった、ってことなんでしょうね。そのせいで相手の気持ちに飛び込むことができなくなってしまって、けれどそんなふたりをまわりの皆が支えてくれる。それがすごく嬉しいじゃありませんか。友達のひのり、凛子がそうなら、円を恋のライバルと見ている鋼太、彼にしても同様で、感謝している、だから助けたかったなんていうんですね。ふたりはいい友達に恵まれてるなあ。そうしたことがしみじみと感じられる今回。あのひのりと凛子が円に送ったメール。ああ、ふたりともわかってるよね。そうしたところも実にしみたのでした。

放課後せんせーしょん!』。扉には着物に袴をつけた葵、キエですよ。その格好からは、ちょっと卒業なんて思わされて、ああ確かに卒業のシーズンでありますよね。散る花びらの中、ちょっと色っぽいふたり、もたれかかる葵、ふたりの口元の桜の花、どきどきさせられるイラストです。さて、本編は桜満開、お花見です。冒頭は変則のコマ割りですが、あの2コマだけで落とすシンプルなネタ、あれ面白かったです。ジョージ・ワシントンです。ゆかり先輩の通常営業からはじまって、皆の持ち寄り、キエのおにぎりがおいしそう! って、酷いいわれようだ! と思ったら、ああ、アニキが……。けど、なんのかんのいってキエさん、アニキさんのこと頼ってるというか、受け入れてるというか、結構いい関係っぽいですよね。ところで、桜餅は2種類あるっていうの、知ってはいたんですが、実はどっちが道明寺かわかってませんでした。なるほど、自分に馴染みのある方が道明寺、ですね。長命寺は食べたことがないんじゃないかな。一度食べてみたいです。さてさて、先生ですよ。酔っぱらって登場。ろくでもないなあ。というか、なにを仕込んできてるっていうのだろう。ほんと自由な人。大人になれば女らしくなるものよというアドバイス、これを言外に否定する皆の態度、表情、あれはおかしかったです。しかし、今回はキエさんの魅力全開でした。扉、赤面、髪型もちょっと違って可愛くて、そして歌。ああ、歌うまいのはいいなあ。あの歌っている姿、実に楽しそうで、ほんとよかった。そして最後に皆でおそろいの花の髪飾り。この仲良さが実にいいです。言外に否定のコマに見られた緊張の一致団結、それがほころんでやわらかに華やいだ。ページをまたいでいい対比になっていました。

『スイーツどんぶり』は、こりゃいったいなんじゃあ! ものすごい扉絵のインパクト。しびれる! そう思ったら中身もかなりのもので、ケーキの実演販売に夢中の酒井さん、彼女の生返事が原因で、酒井暁美FCの面々と神の舌栗原静香が料理で対決だぁっ! ていうんですね。いや、もう、しかしなんだろうFCの連中の面白さ。堂々とした岩のような男たち、かと思ったら、ちょっとのことで動揺するむしろ気の小さな、それこそ純情青年たちっていうんですね。というか、仲違いがもうね、おもしろくてしかたありませんでした。そして、対決の時きたる、って、なんだあの人間ボウリング。絵のインパクトものすごく、しびれまくりでした。ジャッカル柿崎もいい味出してますよね。あのノリノリ、だけどいいかげんなアナウンス。どんだけ大雑把なんだ。いや、もう、決着から最後の落ちまで面白かった。勢いあって、インパクトもしっかりで、読ませます、見せます、笑わせてくれました。

『ごーすとっぷ!』、扉に見えるゆき、あのポーズ、いいですね。動きがあって、あのちょっと挑戦的な表情も魅力的。とはいえ、その直前に出てきてたのが乳力倍増魔法だものなあ。この落差、実にいいです。さてさて、守護霊の使える魔法についてのおさらいがあって、そして巫女西新とまりとの対決っていうんですが、霊が見えるという眼鏡を装備して、って、おい、なんか懐かしい人が出てきたぞ。『グラッチェ!』、好きだった! 今回の対決を通して、とまりは弘也とゆきの仲間というか理解者というか、味方になるのかな? あの眼鏡とられて泣いちゃったりして、弘也うろたえちゃったりして、ふたりともいいキャラクターしてるよなって思うんですね。この、ちゃんとしてるのかしてないのか、その合間あたりをゆらゆらしてる、そこがいいと思います。なんというんだろう、作風なんだと思う、そのテイスト、好きなんですよね。登場人物も、見た目にもその個性も可愛くて、こういう表現が定番的に読めると嬉しい、そう思うところがあるんですね。

『あわーちゅーぶ』は、おおおお、びっくりした。ものすごいインパクト。なんだこれ、ほんと、見開きは以前にもあったけど、こういうのははじめてのような気がします。思えば、けれん味の強い、ばっと目をひく見せ方に長けた漫画だった、そんなことをありありと思い出して、派手なキャラクターが派手に動いて、その派手さが絢爛で、幻惑させられた、そういっていいのかなあ。間違いなく、他にはない、そんな味をもった漫画でした。ちょっと変なこといいますが、安心してたんですよ。きっと大人気だろう、そう思ってた。いや、だってあんなに派手で、絵も見事に読む人間を引っ張って、そう思って、安心していたんですね。あの、冒頭の旗竿、ポールの天辺に向かって駆け上がっていく、あの時の印象、今も忘れていません。かっこよいよね。すごいよね。そう思ったものだったなあ。なんか湿っぽい、そんな感想になってしまって申し訳ありません。けど、最終回、最後までびっくりを仕込んでくれて、そしてラストのあの演出は粋でした。ちょっと昔の洋画思い出させてくれる、そんなラストでありました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第5号(2012年5月号)

引用

  • 庄名泉石「放課後せんせーしょん!」,『まんがタイムきららMAX』第9巻第5号(2012年5月号),134頁。

2012年3月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年5月号

『まんがタイムきららMAX』2012年5月号、発売されました。表紙は『かなめも』ですね。前面にかなと代理、奥には仕事をする面々です。こちらに背をかがめて視線を合わせてくれてるかな、ちょっと見下ろし気味の代理。ということは、画面の手前には犬かなにかがいるのかも知れませんね。普段、ちょっと見ることのなさそうな、見下ろされるというこういう絵、いいなあ、そう思ったのですね。

ご注文はうさぎですか?』は、また素晴しいですね。もうすぐ父の日、というのでリゼがバイトを増やすというんですが、そのバイト先が千夜の店、シャロの店だっていうんですね。しかし、そもそもバイトを増やしてまで父にプレゼントを、というその前提から仕掛けてあって、なるほど今回はリゼさんフィーチャー回であるわけですね。誤解されがちなリゼ。軍人とか姉御とか、ハードなイメージがつきまとうリゼですが、虫(婉曲表現)が苦手で可愛いものが大好きで、ほんとフルール ・ド・ラパンの制服を着て感激してるところなど、素晴しいですね。しかし、今回は皆がリゼをどんな風に見ているかと、リゼの実際、それがうまく対比されて面白く、そしてリゼが甘兎とフルール ・ド・ラパンをめぐることで、それぞれの店の雰囲気、特色もよくわかる。あらためて基本的なところを知ることができた、そんな感じがとてもよかったです。そうした舞台となる場所、そして登場人物のことをあらためて知ることのできた、それもよいのですが、リゼのはたしている役割、それをまたより意識することができたようにも思っています。千夜のいう、連続でつっこまれる快感、それですよ。振りがあって、受けられる。そのスパンを短くとって、テンポのよさと密度の高さを作り出す。そのぐいぐい推進する速度、力感は、まさにリゼに起因してたんだと実感させられました。21ページなんかはその見本といえるかも知れません。最初は2コマ単位で振り受けのまとまりをつけて、次は1コマに振り受けを凝集させて、素晴しい。で、その振り受けを全部まとめて、4コマの構成に落とし込んでるんですね。もうほんと、展開部において調を移りながらドミナント、トニックが次々交代していく、そんな快感を思わせる見せ方、そして最後にはしっかりとした結尾、解決があるというんですから、いやほんと、見事だと思います。いや、本当はもっとジレンマ構成型とか、器なら何でもとか、そういう、とりわけ面白かったのに言及したかったのですが、長くなるのでこのへんで切り上げます

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、これもまた素晴しいですね。今回は安食先輩、ゆっこ、浅見さんは学校お休みして新人戦、椿は普通に登校、というわけでいつもとはちょっと違う面々とのやりとりが見られます。しかし、新人戦の様子、ゆっこのほんた陸上って楽じゃないよな…! ああ、この言葉。ゆっこの表情、それもありますが、加えてこれまで描かれてきた練習練習の日々、それがしっかり効いているよな。そう感じせて、実にいい緊張感が出ています。対して椿はというと、今日から皆と同じ練習メニュー、1000mを4分で走って、400mをジョグというインターバルトレーニング、って、ええーっ、インターバルって休むんじゃないのか、あれか? 積極的休息ってやつ? しかし1キロ4分とかすごいな。実際、ストップウォッチ確認しながら走る椿、なかなか達成できず、次こそ目標タイムをと頑張るんですが、その奮起が他の部員にも影響して、負けたくない…!! ああ、すごくいいですね。頑張りの伝染。決して楽ではないトレーニングだけど、ライバルがいるから頑張れる。そうしたことがしみじみと感じられる回でした。そして新人戦の結果、ああ、浅見さんは勝ち進んだけど、ゆっこは駄目だったのか……。安食先輩に言葉を受けて、また頑張ろうと気持ちを新たにするゆっこ。ほんと、いいですね。ほんと、見事な部活漫画、スポーツ漫画だ、そう思います。

『アキタランド・ゴシック』は夢の話ですね。というわけで扉にはドリームキャッチャーあしらわれて、なんだか幻想的な雰囲気のある導入でありますよ。いや、幻想的な雰囲気はいつだってか。なにか名状しがたき幻想が濃く満ちている、そんなアキタランドですが、今回はその点、アキタちゃんの見た夢の話、いつもよりわりとまともっぽいぞ、そう思ってたら、大落ち! いつもどおりというか、ある種、いつも以上な感触、さすがでした。あの不安を次々重ねていくといった終わり方、にやりとさせる、そんな感触と、若干すっきりしない読後感を残すという、これもある意味いつもどおりですが、そんな感触を合わせもって、実に味わい深い。ほんと、いい感じです。

『こずみっしょん!』、しびれるなあ。臣美は宇宙からきた観察員、っていうんですが、自販機の下をのぞき、ゴミ箱をあさり、鈴子に心配される……。宇宙からなにかが降下した形跡があるから、それを探しているっていうんですね。しかし、面白いの、万能銃についての鈴子のコメント、それに対する臣美の答でしょう。なるほど、修理してたんだ! 勝手に直ってるもんだと思い込んでた! 電話のくだりも面白い。鈴子はぼっちっぷり、というかそんなに卑屈にならんでも! で、貰った通信機で臣美と連絡とってるところ目撃されて、同じクラスの子らに勘違いされるって、もう、これは最高だと思う。鈴子がいい顔してる分、面白さも際立つ、そんな印象です。で、問題の外来生物は部長が確保。って、あれ、犬と認識するんだ……。で、ハナがそれとなく臣美に危険を確認する。いや、もう、微妙にして絶妙なやりとり、もう最高です。ところで可愛いといわれて照れる臣美、ああ素晴しい。見事D☆Vでありました。

『すずめプロジェクト』、ゲストです。アイドルグループ、ちゅんちゅんシスターズの活動を描いた漫画ですね。桃子、つばさ、カンナの三人組です。センターはカンナ? いや、アイドルには詳しくないので、知ってるふりしただけです、すみません。桃子は歌が下手で、それが原因で3歳からひとりでお風呂、アイドルになっても歌わない仕事ばっかりで、でレッスンさぼってるって厳しいプロデューサーにしかられる。テンポとか見せ方がいいですね。あの鞭の、って鞭!? 鞭の動きが絵的にも面白くて、いい感じでした。アイドルとしては不適格? 歌も下手だし、握手会での時間配分、注意されてたのに守れないとか、そんな桃子だけど、しかたないなあと見守りたくなる、そんなよさを持っているっていうんですね。実際読んで、糠味噌額に塗られるのはショックだなあ! とか思いましたけど、電車乗れなくなったし! でも、うまいこと転がっていったらよくなりそうなお嬢さんだ、みたいに思いました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第5号(2012年5月号)

引用

  • ほた。「LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす」,『まんがタイムきららMAX』第9巻第5号(2012年5月号),31頁。
  • 同前,33頁。

2012年3月18日日曜日

『まんがタイムファミリー』2012年5月号

『まんがタイムファミリー』2012年5月号、昨日の続きです。

『めがねのキミと博物館』、新登場人物っぽいですね。風乃町役場からきたお姉さん。緊張感のある、そんな人、ちょっと固い印象。町の資料室担当、楠実さん。資料室を愛しているんですね。ところが、職場では資料室の意義が理解されていなくって、ああ、こういう状況はすごく悲しいですよね。私は以前、大学の図書館に勤めていたことがあったのですが、なんでかしらんけど大学当局からは不当といっていいくらいに軽んじられていた施設でして、ああ、だから博物館があったら資料室いらないだろうなんていわれた楠実さんの気持ち、あんなに頑なになってしまって! よくわかるように思うんです。しかし、それにしても不思議な博物館ですよ。突然霧が出てくる。楠実さんは冷静であろうとするんだけど、けどこの博物館の不思議さ、これには勝てなかったようで、ついでに香坂さんにも陥落。いや、いい関係になりそうな予感ですよ。安心したところに、自分の仕事を認めてもらえた、それがよかったんでしょうね。ああ、ふたり仲良くなったらきっと面白そう。そう思いました。

『あきほ必笑宣言!』、いいですね。面白いです。幸ちゃんを笑わせれば遊んでもらえる、そう思い込んでるあきほの、なんとかして笑わせよう、突然ヒゲダンス踊り出したりとか、そういうところが可愛くて、なんだかいじらしいですよね。勘違いなんですけど、でもそれだけ一生懸命なんだろうなあって思うんですね。幸ちゃんがらみの勘違いは他にもあって、学校でも屈指の美少女で通っているというのに、自分にその自覚がない。自分をブスだと思っている。ラブレターがきても、からかわれてると思っている。で、気持ちは常に幸ちゃん、森幸平に向かってるんですね。そのせいで、ふたりはつきあってると思われて、男子からのやっかみあり、女子の策略あり、こういうのいいですね。決して嫌がらせとかじゃないのがいいですよ。で、こうした思惑描かれるから、あきほの素直さ、よろこんでーっ! すごく効くのだと思います。面白いです。どんどん面白くなってきています。

『B級カメラっ娘』、ゲストです。でもお馴染み感がしますね。真田ひかり、カメラマンをしているんですが、仕事がない、お金がないという人。報道カメラマンを目指しながらも、撮ってる写真はあんまりそういう感じがしない。ちょっとナンセンスなコメディであります。けど、ナンセンスといいながらも、ひかりがちゃんとカメラマンとして活躍してる場面が描かれるの、これがいいなあって思うんですね。目標は遠くて、いまだ不遇だけど、撮るとなったらちゃんとした結果を出しますよ。いつもどことなく抜けている、あるいはだらしない? あぶなっかしい? そんな風でさえあるのに、けれどさすがと思わせる写真を撮ってみせる。かっこいいなあって思うんですね。

『Cafe天井桟敷の人々』、新人まんが展掲載作です。商店街にある古いカフェ「天井桟敷」。疲れた社会人の憩いの場、っていうんですが、なんだろう、絵にも話にも優しげな雰囲気があって、いいですね。ちょっと昔風? 懐かしさ感じさせるような作風ではありますが、こういうのは古いというよりオーソドックスといいたい。安心して読める、そんな感じが嬉しいです。で、かと思えばコーヒーにアイスクリームを入れちゃいました! って、マスターお茶目な人だな。で、それがアフォガードという名前でもう出ているとか、そのテンションの落差、それがおかしくて、落ち着きの中におかしみ、そういうのが感じられるのがとてもよいと思いました。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第5号(2012年5月号)

2012年3月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2012年5月号

『まんがタイムファミリー』2012年5月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』。色違いのネクタイ、カフス、スカート身に付けた四人が、片手をおーっと突き出して、元気、元気、元気! で、ひとりちょっと恥ずかしそうなかじりん先輩が落ちになっているんですね。しかし、このかじりん先輩が可愛くて、いやあ、なかなかいい表紙だと思います。なんか変身して戦いそうね。

今回はえらい巻頭近くにエッセー企画が置かれていて、人気あるのでしょうか。いや実際面白いから、こういう企画好きですよ。「ザ・好物」、自分の好きな食べ物を語ります、そうした企画。参加者は光晴ねね、しめ子、芦浦だんこ、コナリミサトの四名です。さて、光晴ねねさん、いやえらいこと可愛い子供時代のお姿。お母様がえらいこと料理に凝ってらっしゃったんだそうで、すごいですね、フランベとかまずやろうと思ったことがないですから。しびれます。そして、しめ子さんのうどん愛、これはすごい。私もうどん好きですが、ここまでじゃないかも知れません。チョコ&クッキーをトッピングしたホットケーキは、ちょっと試しに作ってみたいかな、なんて思いました。そしてしらたき。これもおいしそうですね。ただ自分の場合、これ以上体重減ったらいろいろまずそうなので、はまってはいけない気がします。

教師諸君!!』は春の風景。花まつりの話題があって、かなまら様の話題があって、そしてエイプリルフールですね。事前に明かされていた手段でもって騙された西名先生。けれどそれが転任してきた家庭科の先生、玉縄先生と一足先に出会うきっかけになるっていうんですね。すらっとして背の高い素敵な人。厳しい人? 融通きかない人? そう思ったら、いやそうでもないのか。まあ実際深沢先生の対応はあかんよねえ。思ってしまう気持ちはわからんでもないけど、表に出しちゃあいけません。しかし、普段の西名先生と授業の西名先生、なるほど前日に出会わせたのはこのためか、いきなりのコスプレに驚いて、けど意外やノリノリ。面白いなあ。いい感じだなあ。城先生に対しても、優位をとって面白い。固いのか柔らかいのか、そのわかりづらいところ、それが魅力と感じます。そして思わぬ展開。ああー、教頭先生かあ。これは思わぬ展開でした。

『ひよっこシスターの安息』は、なるほどシスター雛形は歌が苦手と。いや、しかし、あの憂いをおびた表情、ちょっと珍しい。そして、舞い散る花びらを受けるシスター、ああなんて美しいんだろう。さてさて、エイプリルフールですよ。ことごとく騙されるシスター雛形。めちゃくちゃ面白い。あの、今年こそはやりかえすとやる気のシスターがいい感じ。だって、やる気はあって、けどまったくもって騙すとか向いていない人なんですものね。そして、シスター曰く年上。あの嘘じゃないもん 本当だもん! これはいけません。なんて可愛いんだろう。いや、ほんと、いけません。嘘や騙す、そうしたことをやってきて、それで翌日の鮎子の言葉を昨日散々やったといなす、こういうの、すごくうまいですよね。そして、これをきっかけに思い出される昔、シスター雛形がこの修道院にやってきた時のことを思い出すシスター根津。ああ、なにかいいですね。この人たちの歴史なのか思い出なのか、あるいはちょっとした感傷なのか、感慨のある描写があって、けれどそれがちゃんとエイプリルフールの落ちになってる。ああ、これは素晴しい。すごく綺麗なエピソードのまとめ方だと思いました。

『博士の白衣女子攻略論』、めちゃくちゃ面白いです。虫の話、かと思いきや、なるほど添加物とかに向かうんですね。コチニール色素、カイガラムシからとれる色素で、あー、虫ですよね。昔添加物とかの展示で現物を見たことありますよ。しかし冒頭の、春ですね、虫ですね、そんな導入がこういったところに繋がるとは、まったく予想もしませんでした。さて、細かい男たちがいて、意外と意思が弱いお嬢さんがいて、わりと大雑把なお嬢さんもいて、しかし皆いい感じ。人間臭いというか、親しみあるというか、ちょっと面倒だったり困ったり、そんな風に思わされるところもあるかも知れないけど、人の弱さ、いじらしさ、可愛らしさ、そうしたものも感じられて、ほんと、いいなあ、そう思うんですね。さてさて、すっごい青色、って、ああ懐かしい。私も買いましたよ。そのものこれとはいわないまでも、こういうことなんだろうなあ。あの、ニヤニヤしてる須藤さん、赤星さんが最高です。そして最後の天然信仰。ああ、これはいいですね。これはいつもこういう話が出るたびに、ほら、よくあるでしょう、人工のなんとかは有害だけど天然のなんとかは安全、みたいな話。いやいや、そんなことあるかよ、人工だろうと天然だろうと、安全なやつは安全で、危険なやつは危険だよ、そういう話がわかりやすく、面白く語られて、いや、素晴しい。実によい。博士はほんと、変な人だけど、ちゃんとしたバランス感持っててナイスですよ。

ところで、蚕の醤油って、さっぱりした魚醤みたいな感じなんでしょうか。試してみたいとは思わないけれど……。うん、この感情、偏見ですよね。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第5号(2012年5月号)

引用

  • 山田古都子「ひよっこシスターの安息」,『まんがタイムファミリー』第30巻第5号(2012年5月号),54頁。

2012年3月16日金曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年5月号

『まんがタイムきららミラク』2012年5月号、発売されました。表紙は『純粋欲求系リビドる』です。制服姿のリク、ルコ、レン三人がジャンプ。彼女たちの季節、開幕! というのは、つまり春、なのでしょうね。恋の季節なのか、あるいはリビドーの溢れる、そうしたことをいってると思われて、いや、しかし、可愛いお嬢さんたち。元気溌剌、大人しそうな優等生タイプ、そして知的なお姉さんと三様揃えられて、そりゃまあ恋のひとつもしてみたい。そんな気にもなろうってものですよ。ええと、私はルコが好きです。古典的で申し訳ない。

『TEI OH-!』は3号連続ゲストの3話目です。スピーチ以来人気沸騰の財津原葵さん。男子にも女子にも大人気、っていうのですが、なるほどライバルでありますね。同じクラスの風見スミレ。葵と同様に学校の支配をもくろんでいて、けれど葵に先をこされてしまった。くやしい。なんとかしてやりたい、って妨害工作がしょぼかったり、また予算やらいろいろ足りてなかったりと、こういうところが憎めなくて可愛いライバルになりそうな予感です。ということで、さっそく激突。2 on 2のドッジボールでクラス委員の座を奪いあうっていうんですが、葵には雪乃、スミレには秋月咲というパートナーがいて、この咲さんもいい感じ。面白くなりそうな面々です。

『くじらジュブナイル』は、いよいよその設定の根幹が明かされましたね。枝里菜のもとに届いたエアメール。大間歩からのものだっていうんですね。今はバンコクにいます、ということは、ひと月前に転校してきた歩はなに? それで調べて、なるほどわかった、彼ら、歩とドクは並行世界からやってきた。自分自身と出会うことは避けねばならない。制約があり、しかしその原理は謎で、それを明かしたい? ドクに振り回されるあちらの世界からきた歩とこちらの世界の枝里菜、そんな感じですね。さて、面白かったのは玲奈ですよ。ワイプインしてきてフェイドアウトする。いや、もう、可愛いというか、ちょっとファニーで、あの行動、言動、実に面白かったです。

『となりの魔法少女』、前回の気になるひき。魔法少女あきが使っていた魔法、それはなになのか、ですよ。ウサが気付いた。しかしけぇはそれがわからない。それは万能の魔法使いの技であり、しかしどこにでもいる普通の女の子と同じでもある……、謎かけみたいですね。そして、ウサによって明かされたあきの使っていた魔法。ああ、なるほど、それは確かに普通の女の子と同じだ。嫌われることが怖くて作り笑い。それを魔法で作るかそうでないかだけの違いで、そしてこれを超えて三人は友達になっていくのかなあ。いいですね。魔法という突飛な設定を使いつつ、それに頼ってない。ちゃんと人の気持ちを描こうという意思が感じられるようで、とてもよかったと思います。

『Lisa Step!』、大変いいですね。今回はバイトの話。生徒たちのバイトの話を聞いて、それで同僚にどんなバイトしてましたかと聞くリサ先生。葵がしたのはそれこそ多様で、けれどスカートひらひらのウェイトレス、これが特に印象的なものだった模様です。美兎さんはというと家電量販店で働いてた。葵、美兎双方にウィークポイントがあるようで、面白いですね。長くつきあってきて、いろいろ知ってることがある。自分が面倒見てあげていたと、それぞれが思ってるのも面白い。少し離れたところでも、千鶴、こあもバイトの話をしはじめて、なるほど、千鶴はバイト経験なし。こあは人と関わらなくていい仕事が中心、それぞれ、らしさの感じられるバイトエピソードだったと思います。そして最後に生徒のバイトに対するアドバイス。リサの答、それは確かによいものだったなあ。仕事、経験を積むというなら、やりたい先を見越してという、それは前向きで生徒思いのいい答でした。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第3号(2012年5月号)

引用

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第3号(2012年5月号),表紙。

2012年3月15日木曜日

おーがちゃん

 『おーがちゃん』はよくわからない漫画ですよね。女子高生ももえが出会った鬼、それがおーがちゃん。小さくて可愛くて、そうかと思えば、人を食うとか征服するとか、やたら物騒なこといっていて、けれど実際その行動見てみれば、むしろ大人しいくらい。ちょっとももえにセクハラっぽいことする程度で、基本甘えてる、むしろ鬼とは思えないいい子で、ももえの作るご飯、というかナポリタンというべきなのかな、それにすっかりまいってしまって、ももえを嫁にするなんていってるんですね。

しかし、なにが面白いのか、それをはっきりさせようと思うと、はてどういったものか、ちょっと悩む、そんな感じの漫画です。実際、最初のうちは鬼に関することわざネタとか、あとはおーがちゃん可愛いとか、そういうのがメインなのかな、みたいに思いながら読んでたんですが、しだいに描かれること増えてきた感じで、基本的にはナンセンスな、その瞬間に盛り上がって面白いが基本なのですが、キャラクターが増えたこともあって、その面白さの幅も広がっていくんですね。

人のレギュラーは、ももえといぬきですね。鬼のレギュラーはおーがちゃんにジャッキー、そしてはーちゃん。どの子もあんまり怖くない。むしろジャッキーは弱々しいといってもいいくらいで、青鬼で泣き虫……、ってやっぱりそういうことなのかな? けど青鬼ながら角は一本、赤鬼というおーがちゃんが二本角であります。しかし、このあまり怖くない鬼ふたりが開く会議、これがなかなかにおどろおどろしくって、とそう思っていたら、次第におかしくなっていって、やっぱりこの漫画は面白おかしい、それでよいのだと思わされます。

時に、えらいこと面白いネタが飛び出してくることもあって、鬼たち、娘たちが可愛いねえと思って読んでたら、えらいことになるんです。私にとって、その代表といえるようなのは、ジャッキーのそばの、あれですね。いぬきのいうおもいっきり音食べてたべろ!! これに対するジャッキーの行動、もう何度読んでも面白い。意外性あって面白く、また絵に感じられる面白さ、それもかなりのもので、こういう油断ならないものがあるから目が離せず、なのに読めばついつい油断してしまう、そんなところがよくできているんですね。

  • コンノトヒロ『おーがちゃん』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

引用

  • コンノトヒロ『おーがちゃん』第1巻 (東京:芳文社,2012年),47頁。

2012年3月14日水曜日

天国のススメ!

 『天国のススメ!』、表紙にはすごくキュートな和装のお嬢さん。この人、主人公じゃありません。主人公は、この人のお孫さん。霊感少年の羽鳥太一くんです。小さいころからいろいろ見えてた。というわけで、お婆さまの小町さんも絶賛幽霊生活中。若い姿をしてるのは、可愛く見られたいという女心だっていうんですね。いや、実際、可愛いお婆さまです。見た目もそうなら、その性格も、お茶目でキュートで、なんと可愛い人だろう。ええ、この漫画、可愛い人がいっぱいで、読んでると心の奥にほのぼのとした暖かさが灯る、そうした感触があって、もうたまらないんですね。

暖かさは、その人たちの優しさのためもあるでしょう。本当に優しい人たち。困ってる人がいたら、人? いや、幽霊とか妖怪とか妖精とか、そりゃもういろいろですよね。困りごとが太一のもとに持ち込まれる。最初は嫌がったり当惑したりするものの、結局は助けてしまう。その過程がすごくいいんですね。なぜ助けを求めるにいたったか。彼らがなにを大切にしているのか。人の気持ちというものを、大切に大切に扱って、なおざりにしない。友達であろうとすること。自分の本分をまっとうしたいと思う気持ち。ささやかなできごとにさえ感動して、その感謝の気持ちを伝えたい。人も、モノも、人でないものたちも、皆が優しく、いじらしい。ああ、こうした気持ちを自分自身、どれだけ大切にできているか。時に傲慢で、感謝も感動も忘れがちな自分には、はっとさせられ、じんと沁みる、そんな漫画であるのですね。

しかし、それにしても素晴しいのは十子さんでありますよ。藤十子、お寺の娘。太一のことを狙っていて、挨拶からしてプロポーズといった具合。いえね、お寺の娘だってのに霊感皆無なもんだから、太一を婿入りさせて、その霊能をゲットだぜ! みたいな話だったはずなのに、いや、なんのなんの、この子、もう純粋に太一に恋してるんじゃん。太一の優しさに、気づかいに、もう痛々しいほど参ってしまっていて、ああ、なんて可愛らしい人なんだろう。美人だっていわれてるし、絵からもそれはわかるんだけど、全然それを鼻にかけないどころか、気どりだってない。真っ直ぐ正面から気持ちをぶつけて、けど太一からの働きかけには思いっきりうろたえてみせて、この純情さにはしみじみと感じいるところありますよ。ほんとその恋を応援したくなるお嬢さんです。

人情ものとしてのよさがある漫画で、恋愛ものの面白さもある漫画で、それはつきつめれば情や思いが描かれて、たいへんに豊かである、そういっていいと思うのです。その情を取り合つかう手の暖かさ、それが読み手である私の情に働きかけるものだから、読めば安らぎも心のうちに感じられて、ああよいなあ、そうした思いにいたるのです。

  • 宮成樂『天国のススメ!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

2012年3月13日火曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号、昨日の続きです。

『桜乃さん迷走中!』。桜乃さんは、もう本当にどうしようもないなあ。お客さんについうっかり本音が出ちゃうとかいってる、うん、実際アウトドア用品店に勤めてるものの、アウトドアが趣味ってわけじゃないんだものなあ。しゃあないよなあ。というわけにはいかないので店長に相談するというのは、なかなかちゃんとしてる。うん、私のちゃんとしてるという基準はとことん低いのかも知れません。桜乃さんのいうことはよくわかる私です。大江さんも似たもの同士といわれたのが悔しかったのか、これを機会に写真をはじめて、うん、写真を撮りたいその気分、それもちょっとわかります。結局、カメラを持ってのお出かけなどなど、それはすごく楽しそうで、有意義な休日となったわけですけど、当初の目標は達成できてないのがいいですね。店長にしたらたまったものじゃないでしょうけど、桜乃さんの素直なところ見えて、嫌いになれないです。

『冥土のメイドちゃん』、新人道場掲載作です。メイド喫茶、お客さんを元気よく迎えるものの、お客さんに相手にしてもらえない彼女は幽霊だっていうんですね。メイドさんと記念撮影というので割り込んでみれば心霊写真に、やっとこさ気付いてくれる人があらわれたと思ったら、そいつも幽霊で。幽霊なのに幽霊が怖い、人気アニメ(ラノベっていうべきかな)のパロディがあったり、いろいろと楽しませようという工夫は感じられます。最後の、自分の仕事をはたせて嬉しいのか、ツンデレなのか、あのへんの描写、よかったと思います。自分の本分を果たせた、それはやっぱり喜びだよなって思ったんですね。

『はなな大増刷!!』、進級したんですね。はななたちも三年生。先輩たちも卒業していって、それで新入部員を勧誘しよう。なるほど、二年生がいないんですね。確かに、ずっとこの三人だけの部活みたいな気でいましたけど、そういうわけじゃなかったんですね。というわけで、オタムラ作はなな挿絵の小説本と部誌をもって、新入部員を募ろうっていうんですね。しかし、先生の自腹力、これにはまいりました。そうかあ、部費じゃまかなえないんだ。お金とってどうこうしようってわけじゃないから、完全に持ち出しなんですね。そして入部希望者桜井ほのか。次回から、またちょっと面白くなりそうですね。

『天文むすめ』、最終回でした。発見した彗星に名前をつけようとして、レティという名前が思い出されるすばるたち。けれど、これ、誰だろう。わからないけど、なにか胸に思うところがある。それでいろいろ、ヒューマンミューティレーションじゃないか、なにかインプラントされたんじゃないか、逆光催眠で思い出そう、あやしげなこといったりしてるんですが、その半月後、レティちゃん、帰ってくるんですね。頭と手に包帯を巻いて、痛々しい姿。けれど、この子、ちゃんと生きていたんだ。彼女は再び天文部へ。けれど記憶は取り戻されることなく、それでもちゃんと、以前がそうだったように、一緒に星を見上げて、親しそうにして、ええ、友達になってるんですね。思い出すんだと思ってた。けど、その展開はなくって、けれどそれがために、何度出会ってもちゃんと友達になれるんだ、そうしたことが伝わったように思います。好きな漫画でした。すばるや織姫、レティも、きららも、皆好きでした。

『輝け☆星の川高校自由形』、こちらも最終回でした。ええーっ、そうだったんか。意外、というか、気付いてませんでした。予告されてたっけかなあ……。風呂場で溺れた翼。乙女に助けてもらって、それで泳ぎの特訓。いろいろ勘違いしたり、勘違いされたり。けど、その勘違いがあって、双葉と雷音もつきあうことになり、それで乙女と翼もそうなのかな。どうもそんな雰囲気ありますよね。菊池乙女が、変わった子ながらも、ほがらかでちょっと健気で好きでした。だから、翼が前向きになって、双葉双葉というのをやめて、乙女の方を向いてくれた、これは嬉しいことだな。私にはそう思えてしかたなかったんですね。少しずつ変わっていく彼らの毎日。その変化に、頑張った、頑張りたいと思う気持ちが報われたと感じられたところ、とてもよかったです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第4号(2012年4月号)

2012年3月12日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号

『まんがタイムジャンボ』2012年4月号、発売されました。表紙のテーマは卒業ですね。卒業証書をおさめた筒を手にする『じょしもん』美々は紺のセーラー服を身につけて、背景には桜の木々。『おねがい朝倉さん』もセーラー服。ちょっと憂いを帯びた美々に対し、みごと晴れやかな朝倉さん。面白い対比です。そして、『レーカン!』天海さんは、ちょっと古風のセーラー、文学乙女っぽい装いで、お、眼鏡だ、そう思ったら、なんと本編でも眼鏡でありました。『半透明勤務薄井さん』の単行本告知カットもございます。

『炊飯器少女コメコ』は、炊飯器の故障かと思われたあの事象、母ちゃんの仕業だったのですね。育成機能をなくしました。仲良くならなくても普通にご飯がおいしく炊けます。けど、それをおいしいと思えない。てっきりコメコ自身の不調かと思ってたら、そうじゃなかったんですね。面倒なく、ちゃんとご飯が炊けるようになった。けれどあの塞いでるコメコと暮らすのは嫌だと、コメコを別件で送り返すついでに、元に戻して欲しいというんですね。元気になって帰ってきたコメコ。たけるは、このコメコがうるさいながらも落ち着く。本当にちょっとずつですよね。で、これ、コメコをこんな面倒な仕様にした母の気持ち、それは息子を心配しているからこそ、だったんじゃないかな。そんなこと思わされたのでした。たけるに、答の簡単に見付からない問題に取り組んで欲しかった。そのために、コメコを送り込んだんだ。そんなこと思ったんですね。しかし、うちにもコメコこないものか。コメコと一緒なら、たくさんの答がみつけられる気がするんです。

『ちっこいんちょ』、実にいい感じですね。いいんちょのちっこい理由とか、あれさすがに適当だと思うんですけど、なんかわからんながらも説得されそうな勢い。このもっともらしさは、素晴しいものがあります。もし本当に意味のあるものだったら失礼なこといっていますが、こういうところにそれっぽさを感じさせてくれるというのは、ささやかながらも実に効果的でありますね。さてさて、拡声器に一撃をくらわすいいんちょ。その前にやられてしまってる先生と、落ちのコマの印象の落差、それが見事です。いいんちょをとりまくキャラクターも魅力的で、いつも一緒にいる彼女らも、それから自称ライバルの彼女も、いいんちょ愛されてるなあ。素直な愛情、屈折した愛情、いろいろあれど、みな仲良い、そんな様子が素敵です。

『半透明勤務薄井さん』、単行本が出るからでしょうね。カラーですよ、カラー。ちょっと淡い色合いの薄井さんは、むしろカラーでは普通に見えて、そう思ったら手が透けて、その向こうにある麻生さんの手が見えてるんですね。バレンタインデーのおかえしに悩む麻生さん。薄井さんを驚かせたい、喜んでもらいたい、その全力っぷりがいいですね。しかし、誕生日ならぬ命日をおめでとうというのは、確かに麻生さんならずとも抵抗あるなあ、そんな感じがしますね。さて、薄井さんのいう、働く意識のかたまりというの。確かにこの人は、その意欲でもって現世に縛り付けられてるんでしょうが、それが決して不幸と見えないのがこの漫画のいいところです。そして、薄井さんにお礼。ちゃんと伝わる気持ち。で、逆にサプライズをしかけられるというんですね。ああ、やさしい雰囲気、とても暖かい漫画です。

中2限定!?ガールズトーク』は、ゆずのお母さんと保護者面談でありますよ。しかし、そこで告げなければならない内容というのが厳しいですよね。進路がどうとか以前の問題。進級さえも大変と、って、ちょっと待って? 中学校って出席日数以外で留年とかしないよね? というのはまあ置いておくとして、なるほど、中2の今も大事にして欲しい。それをゆずの母も望んでるだろうというヒカルの言葉、あれは一般論なんかじゃなくて、ゆずの母、優花という人に気付いていたからこそなのか。ゆずの母、登場。30歳、若い母、ゆずは16の時の子で、ヒカルと同い年。ああ、なるほど、これもまたそういうことか。ゆずの母、どことなく百合子先生に似てる。なるほど、これもそうなのか。そしてゆず母とヒカル、再会ですね。これがなにを導くのか、これは実際先が楽しみでありますよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第4号(2012年4月号)

2012年3月11日日曜日

NEWラブプラス

 疲れたらもう寝ちゃえば、と凛子さんにいってもらえたので、今日はさっさと書いて、寝てしまうことにしようかと思います。『NEWラブプラス』、発売してほぼ一ヶ月が経過しました。もともと、興味はあっても、買うかどうか迷っていた、そんなゲームでしたが、異様な熱気をもった記事にすっかりやられて購入決定、2度のバージョンアップにも発売日購入で付き合ってきて、今のところほぼ毎日起動を達成しています。いえね、去年だったかに、2日ほど抜けた日があるんですよ。ああ、大失敗。取り返しつかない! ってほどじゃないけど、ちょっと悔やまれますね。

さて、『NEWラブプラス』になって、ずいぶん仕様が変わってしまった。ちょっと戸惑いを感じるくらいです。まず、一番大きな変更は、その日の予定を入力できるようになるタイミングでしょう。これまでは深夜0時を過ぎると入力できるようになっていた。けれど今作では午前5時に日付の切り替えがなされるようになったそうで、なので前日寝る前に入力しておいて翌日夜に一気に消化するという手が使えなくなりました。なので、朝、起きて最初にラブプラスの予定を設定するという、慌ただしいのに! 大変なことになっています。

イベントだかは、その日でないと見られないんでしょうか。ちょっとわからないんですが、後から通常イベントも回想できるようになってるから、多分見られることは見られるんじゃないかなあ。ただ、特別なイベントはそのかぎりではないのかも知れません。いえ、そういう風にいってた人がいたものですから。それと、回想を見ることがトリガーになって、過去の保存された回想が消える、みたいなバグなのかなんだかよくわからない不具合も報告されているようで、なかなかこわくて回想を見られなかったりします。ああ、あと回想のロックをしても反映されない問題があったな……。ええ、多数のバグ、不具合に悩まされる、それもラブプラスの日常です。

実際、不具合は多いって感じです。実際に喰らったのは一部ではあるんですが、とりあえずはじめたばかりのころは、仕様の変更か不具合かわからないこともあって、なんだこれ、不具合か、そう思っていたら仕様が変わっただけ、なんてこともあったのですが、まあそれでも不具合はあって、致命的なものには遭遇してないからいいかなあ、そんな具合で誤魔化しつつプレイしている感じです。

そうそう、目玉の読書月間、終わらせています。これ、とにかく『ぼくのメジャースプーン』が素晴しかったな。それが感想といってもいいくらいです。読書中の凛子さんの台詞でささやかに、読後の感想、ええと、カレシ側の選択肢でどかんとネタバレするものですから、一緒に読もうといいながら、こっそりこちらだけ時間延長して先に読み終えたりもしたのですが、ええ、ちょっと配慮が足りない仕様だなあ、みたいな思いは拭えません。そう思っていたら、愛花さんのところではもっと酷かったらしく、ええ、イベントとしては面白かった。けど、もうちょっと配慮と膨らみが欲しかったな、そんな感触。正直ちょっと薄味だったといわざるをえない、そんな感想であります。でも、『ぼくのメジャースプーン』に出会うことができたということに関しては、心の底から感謝しています。

不満もまったくないわけではない『NEWラブプラス』ですが、今のところ楽しんでプレイしています。ドーナツ屋を探すイベントの絶望的な感覚には閉口しましたけど、また、ドーナツ屋の次がクレープ屋とか、ちょっと違うだけで本質はなんも変わってないじゃん! 思うところはあるわけですけど、まあ、それでも楽しんでいます。ToDoイベントは最悪無視してもいいかな、なんて思っていますし。とにかく、グラフィックの向上や反応の変化、そうした恩恵が大きくて、過去作に戻るということは考えられない。そう思っています。

2012年3月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2012年4月号

『まんがタイムきらら』2012年4月号、昨日の続きです。

『ステルス×メイツ』、見事に面白いですね。第1話で状況説明はしっかりなされた。その上で、きっちり設定、キャラクターを動かして鋼次を勧誘するいすずたち。生徒手帳ならぬ生徒巻物、エキシャリスト、なにやらあやしげなこといってるかと思ったら、わざとらしい寸劇、パロディ、こういうきっちりと笑いどころを持ってきてくれるところ、やっぱり好感触で好印象。また、「札つきだな」に見るように、ただ笑いどころってだけじゃなく、ちゃんと忍研の学内評価がわかるようになっている、そういうのもうまいと思います。体育だー!! もうね。うまいですね、メリハリのつけかたとか。そして、山場、ちょいシリアスかと思いきや、ちゃんと笑いに落とす。そして決着も、安心安定気分演出しながら、やっぱり酷い落ちを用意する。ただいい話にしない、なんとなく終わらせない。いいバランスだと思います。

『プレフレ』、やっぱりこれ、いいですよね。ということで、新連載。持久走っていうのですが、運動得意の眼鏡は好きじゃないという。対し樹がやる気見せてて、ああ、すごくよくわかるよ。私も持久走は嫌いじゃなかった。走ってるだけでいい。誰にも迷惑かからない。自分のペースで好きにやってればいい。うん、とてもよくわかる。で、走りだしてからなんですが、楓、すごいなあ。あっという間にふたり周回遅れ。妙にやりたい放題なのは、なにかハイになってるんでしょうか。あのなんか戸惑ってる樹、椿がいい感じです。三人、楽しそうで、いいんですよね。

少女公団アパートメント』は、子供のころの思い出がたり。さくら姉と七海がこの公団にやってきたの、10年くらい前だっていうんですね。芦花が5歳の時。小さなさくらにいきなり手伝わされて、うまいこと丸め込まれて、このすぐに仲良くなるところ、いいですね。で、ちょっと得意気な芦花がかわいい。しかし、基本的なところは皆かわってなくて、というか、さくらさん、その頃から! そうした嗜好があからさまになって把握されてるところがおかしいです。歴史といえるほどのこともない、ちょっとしたこと。けど、こういうのが積み上げられていくのが、友達の歴史なのだろうなあ。などと思える。いい雰囲気を感じさせて、こういうところ、好きなんです。

『だいすき♡』は、ここんとこ話題の笠間君ですよ。志津さんが千夜に聞き取りです。聞くほどに、なんだか残念な彼。そんな子のことが本当に好きなのか? 誤解するような返事もらって、見事誤解して、そして出会う笠間君。いい段取りです。いや、しかし本当に残念な子、笠間君。生徒会長の強烈な否認! 千夜にまでたしなめられて、なのに重ねてさらに強い否定、この感情露にする志津さん、やたらくさ可愛くていいですよね。そして、香乃。おお、この人、本性をばらしたくないんだ。って、おい、あれ天使のいう台詞じゃないだろう。しかし、志津に向かって駆け出す香乃の可愛いこと。表情豊かで素敵です。さて、志津の誤解ですが、今回でちゃんと解かれるんですね。それで、親切なことに、太一にもせっかく伝えようとしてくれてたのに、あのあわてぶり、話も聞かない様子に頭にきて嘘ついちゃう。いや、もう、可愛らしい人だと思います。

My Private D☆Vはウロでした。『ぱわーおぶすまいる。』の人。好きなのは、脚だっていうのですね。あんよ。椅子に腰掛ける女の子を上から見下ろす、その構図はよりしっかり腿が見えるようにとの配慮でしょうか。こちらを見上げるお嬢さんは、ちょっと誇張気味のパースもあってか、顔が大きく描かれて、その分気持ち表情もしっかり伝わるみたいで、ええ、とても魅力的な絵、可愛らしいお嬢さんだと思います。しかし、脚ですか。腿のあたりの影のつけかたなど、その質感をよりよく表現しようとしてると見えて、たしかにちょっと艶かしい。そんな気分にさせられます。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第4号(2012年4月号)

2012年3月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2012年4月号

『まんがタイムきらら』2012年4月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』の三人娘。ともに春の遊歩道を歩く、そんな雰囲気の表紙。ああ、つみきさんが眼鏡だ。つみき、姫、真宵、それぞれ個性感じさせる服装とバッグ。快活な真宵、落ち着いたお嬢さん姫。つみきさんも、ちょっとおとなびた風。そこに猫の手のプリントがついたバッグなど、はしばしに可愛さが盛り込まれている。そんなところ、実にいいです。

しかし、『あっちこっち』本編は、ペンギンとか、ものすごいな。ネタかぶりは『きらら』の花といえ、現実でもめったにおこらない出来事にぴたりと合わせてくるとか、まさにミラクルを感じさせられます。ああ、そうか。旧江戸川に伊御さんを派遣したらよい。しかし、ペンギンをめぐるディスカッション。真宵の想像、ブゥゥゥンはともかく、その直前の浮き上がろうという、あれ可愛くてとてもいい。しかも鳥の猫のペンギンのって、可愛くて、なんだかすごくなごみます。

チェリーブロッサム!』は、おお、節分ですね。って、節分! ああ、先月先々月が新年でした、そういえば。さて、節分です。先輩ふたりから豆の洗礼を受ける大咲。ああ、きっと綱島先輩の豆の威力でもって酷い目にあうっていうんだな、って思ったら、わりとはやい段階で収束して、普通に豆まき。うん、あのコマ、妙に好き。なんだろう、すごく好き。で、先生による節分レクチャー。落花生をまく地域があるのは知ってましたが、あれって千葉の風習じゃなかったんだ(偏見)。東北と九州、ということは、ああ、なるほど、都の風習が同心円を描くように地方に広まってというあれか! って、んなわけないです。しかし、この分布は不思議ですよね。どういう広まり方したのだろう。と、ちょっと漫画からはなれていろいろ思ったりしたのでした。今回は、いろいろ酷いこといわれる先生、各家庭の節分の風景、そして花がからむと気持ちわるいと大倉山先輩にひかれる大咲。節分風習知識だけでなく、登場人物いろいろ動いて、面白かった。盛り沢山だったと思います。

『箱入りドロップス』は、ああ雫さん、とても綺麗。ということで、もう秋ですよ。秋! 委員長登場のコマ、枠をとっぱらって、大きく描いてる、そのサイズ、やっぱりぱっと目をひいて、魅力的ですね。で、この人、ちょっと酷い人。雫を振り回して面白がって、それに対する陽一のコメントがあからさまで驚きました。素直な人だな。とてもいい。そして、俳句っぽいのを作りあう。これ、雫の、すごくいい。なんだか可愛いわいな。しかし、これから文化祭。雫がどんなにか楽しむだろう、そう思うと、なんだかこちらもわくわくしてきます。そして、雫とセーターと陽一。ああ、いいねえ。とてもいいねえ。すごくいいです。もう陽一さんは可愛いなあ。それに、セーター着るところとか、すごく色っぽい。萌えです!

『コドクの中のワタシ』、新連載です。で、この漫画の前に同著者による『放課後アトリエといろ』の広告はいりまして、いや、他社の広告とか、最近ではもう普通ですが、そこに添えられた漫画が、ちゃんと『コドクの中のワタシ』を受けていて、なるほど、第1話、その設定を見れば、なるほどとわかる。戻って読み返しましたね。さて、第1話です。転校生中野真由はさらわれるようにして、予定とは違う学校に転校することになったっていうんですね。それは不思議な学校。特別クラスというものが存在していて、そこに特殊な人材が集められている。じゃあ真由も特殊能力者か!? と思ったら、平凡の度合いがずば抜けているのか。切ないな。さて、クラスメイトは、超能力者の神原瑞歩、耳と尻尾のあるミィ、そしてにょろにょろ触手伸ばしてくる宇宙人。って、えらいこと可愛いな。あの顔はダミー? というか、名前出てない、というか、ちゃんとコミュニケーションとれてないよね。なんだかあやしい、そんなクラス。先生、小柴先生もなんだかあやしい。そんな学校生活、どうなるのか。とりあえずどたばたしたものになりそうで、1話見るかぎり、どたばたしながらも落ち着きのある、きっちりした展開が期待される、そんな感触ありますね。続きを楽しみに待ちたく思います。

スマイル・スタイル』、素晴しいな。授業終了した教室で、友達と話している百合を見守る伊藤先生。この人が突然の襲来。って、見た瞬間に助けを呼ぶ百合の危機管理は素晴しい。というか、台詞がひどいよね。夜這いとか、それからあの手とか、事故とかいってるけど、普段の行動からすれば百合の対応が正解のように思います。さて、先生考案? の馬鹿な遊び。けど、なんか面白そう。というか、まさかこれが最後につながるとは思いもしてませんでした。寮長、ああう、なんだこりゃ、いつもよりやたら美人じゃないかい? ネタ帳大活躍、それからマウントポジションで殴打。生き生きしてます。生き生きしてますね。それになんだろう、こないだ否定したところなのに、今回、妙にホモホモしいぞ!? 生き生きしていますね! それで最後ですよ、最後。いぶかしがって真意を問う寮長園田さんに答える伊藤先生のあの言葉。ああ、そうか、ふざけてるみたいに見せてるけど、ちゃんと先生として生徒のこと考えて、時には手をさしのべよう、そう思ってらっしゃるんだ。なんか、感動したと思ってたんですよ。そしたら、まさかの大ゴマ、まさかの展開。いや、これこそ通常営業というべきでしょうか。まさか、あの柔道中継がこんなとこに繋がってくるとは思いもしてませんでした。まさに一本、私自身投げられたような衝撃でした。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第4号(2012年4月号)

2012年3月8日木曜日

『まんがタイム』2012年4月号

『まんがタイム』2012年4月号、昨日の続きです。

『空想彼女!』、たいへんよいと思います。恋する乙女、志帆。鮫島くんのことが好きで、彼に関することだったら、どんなことでも記念日になってしまう! って、いや、これ、恋する人ならこの人じゃなくってもそうでしょう。会えた、話せた、一緒にどこかにいった、なんでもが特別なイベント。そういう気持ちはわかります。で、この人、1メートルを超えて近付くと気絶してしまうのか。これは前途多難。しかし、この、誕生日のプレゼントをあげたい、それでどんなプレゼントがいいだろう、いろいろ考えてるこの人は楽しそうで、その笑顔も可愛らしくて、ああ、いい感じじゃん。そう思うんですね。で、二歩。これくらいは覚えよう! この気持ちばかりが先行して、ちょっといろいろ追い付けないところ、それもよいなって思います。

『ねじゆるゆる』が最終回でした。お母さんが帰ってくる。それで、にこにこごきげんなみさきです。あの、ねじこのキスにもうろたえない。そしてお母さんに会って、嬉しくてべったりで、ねじこの呼び掛けにも気付かない。それでねじこが家を出てしまう。もう自分は必要ないとでも思ったか、その時の表情、あれが切なさ感じさせてよかったです。ねじこがこの家にきた理由、それも明かされて、そしてみさき、ねじこと再会して、ああ、なんだかいいラストでした。ほのぼのなのかシュールなのか、よくわからない、その合間をつくかのような漫画。けど、それが楽しくて、面白くて、好きでした。

天子様が来る!』は、もう変わらず面白く、「サクラサク」とか、予想を超えたところからやってきますね。念珍のキャッチコピー、あれいかします。「見てみたい」は、ちょっとプリンセス・チェリー思い出したりしましたけど、ああ、あれも面白かった。で、今回面白かったの、「わりと近い天国」ですよ。あのアニキさん、あの素朴に楽しみを噛み締めてるみたいなところ。なんだか、いいなあ。こういう、ささやかなしあわせみたいなの、それがすごくいい味出していると思います。

    『まんがタイム』第32巻第4号(2012年4月号)

2012年3月7日水曜日

『まんがタイム』2012年4月号

『まんがタイム』2012年4月号、発売されました。表紙はお花見、そう思ったら、おお違うのか。昔話、みたいでありますよ。『おとぼけ課長』は花咲爺さんやっていて、見事に桜を満開に。『だってあいちてる』は桃太郎ですね。『椿さん』は浦島太郎、そして『ほめよめ』はかぐや姫です。ところで、椿さん、あれ、亀、助けてないよね。見事釣り上げてるように見えるんですが!

『ジムメン!』、これは面白いです。どんどんよくなってる、そんな感触。花巻佑太が気付いた真実。食べすぎると太るんです、って、そりゃ当たり前だ! で、急遽食生活についての講義が開かれるんですが、面倒見のいいジムだなあ。というか、ジムってこんな感じなんでしょうか。で、問題いろいろある会員たち。電子レンジのみで生きている。極端な人たち。なるほど、指導しがいがありそうです。で、ヨガやりながら聞きましょうっていうの、いや、あれは面白い。うん、自分はあれ無理。間違いなく、聞いてられない状況に陥ります。しかし、会員も偏ってる、そんな人たちばっかりだけど、指導する側、葉子もなかなかのものですね。いろいろ、キャラクター見えてきて、ぐっと面白くなってる。そう思います。

『田園の教授』、ゲストです。これ、面白いですね。古文書がたくさん出てきたというので、その調査のためにやってきた研究者と助手。地方都市なのでしょうか、田園風景ひろがる田園市は、えらい先生きてくださったと大歓迎。かと思えば、この研究者、福澤教授、いろいろ問題ある人で、いや、もう面白い。研究大好き、けどそれ以外はいろいろ抜けているようで、噛み合わない会話だったり、そのちょっとはずれた受け答え。面白いなあ。あの、はなたらしてるところとか、見た目真面目なだけに、インパクトあっていい絵になっていました。それを世話する助手の島津さん、この人もちょっと受け答え変というか、不思議なマイペースお嬢さんなんですけど、それ以上の教授とのやりとりはもう面白くて、これはいい、素直にそう思えるものがありました。

はこいり良品』、このところの展開、めちゃくちゃ面白いなあ。マキとケンジがぬいぐるみに入って商店街でバイト、っていうんですが、ここに後輩杉原千春がカメで参戦。最初は無償の押し掛けだったのが、バイト昇格を望んで、結果タヌキ、ウサギ、カメで2枠の正式バイトを競い合う。ほんと、めちゃくちゃ面白い。あの、タヌキウサギカメそれぞれのキャラづけ、あれが実に効いていて、そして流行りの投票でしょう。いや、もう、すごくいい。ぬいぐるみに出会えると割引というイベント、それも楽しいし、それで疎まれるマキ、これもいい感じ。千春のしたたかさ、それも素敵で、けど簡単にバレてしまうっていうの、それがしたたかさをいやみにしないんですね。いや、もう、実に動きのある、面白く、そして楽しい展開でした。そして、結局カメがタヌキを追い落して、千春、ケンジを追いやってどうするんだ。目的を見失ってしまってるところなども、大変ようございました。

『もいんの高校野球日誌』、いけてますね、きれてますね。冒頭扉に、もいんの弁当栄養指導、そんなイラストがきたもんだから、この人は料理もいけるのか、そう思ったら、いや、そうじゃないのんか。料理はまったくもって駄目。なるほど、野球にからめばなんでも完璧、なのかというと、決してそういうわけでもないのですね。いい感じ、いや部員にはたまったもんじゃないでしょうけど。しかし、ほんと野球がらみ、野球そのものとなると底の知れないのがもいんさんです。名門校の監督とも知り合い。対戦相手の調査も尋常でない。いかします。サッカー部マネージャーとのやりとりもいい感じ。そして、言葉など関係なく通じる野球愛。あれはわかる気がします。実際、本当に伝えたい気持ちあらば、言葉があやしくとも通ずる、そんなことってあると思うんですね。まさに野球の好きさ加減がわかるエピソードだったと思います。

  • 『まんがタイム』第32巻第4号(2012年4月号)

2012年3月6日火曜日

スマイル・スタイル

 作者の名前が筋肉☆太郎。最初、どうしてもこの名前と『スマイル・スタイル』がつながらなくってですね、ええと、ああ、『スマスタ』の人、何度も確認して、やっとこさ浸透した。いえね、だって、ペンネームに予想されるものとあまりに違いすぎるんですもの。どんな破壊的なギャグなんだろう? いや、違う、むしろもっとホモホモしいなにかか? なんて思ってしまうけれど、実際はもっと繊細で、ほのかに百合百合しい、そんな漫画でありまして、いや、ごめん、ちょっと嘘。いきおいよく、元気いっぱいに畳み込まれる、つっこみ、それがたまらなく面白い漫画です。

いや、ほんと、これちょっと人前で読んじゃいけないタイプの漫画です。ヒロインは山咲百合、女子校に転校してきたお嬢さん。明るく気さくな女の子、なんですけど、いやもう、女の子を見ると手を出してしまう、なんでかそんな悪い噂が流れてしまっていて、まずは寮にて怖れられ、そして学校でも怖れられ、といった様子。その誤解をとこうと一生懸命な百合、それがもうたまらなく面白いんですね。次々繰り出されるつっこみが元気いっぱいだ! そして、全力で追いかける落ち、あれがもう大好きで、じわじわ効いてきていたのが、一気にどかんと笑いに昇華しそうになって、いやもう危険。ひとりで読んでる時ならいいんですよ? 大声で笑ってもさ。でも、誰かに見られてたら、ねえ。漫画読んで大笑いとか、いや、いいんだけどさ、でも、やっぱ外聞だって気にしたい。

うん、だからこの漫画はひとりで読もう。

これはセンスなんでしょうか、なんともいえないタイミングで、なんともいえず絶妙なものを合わせてくる、そんなところが面白くて、例えば『がまんタイムきらら』。そんな名前の雑誌の表紙、煽りにがまんできない。いや、それこそがまんできませんから。『がまんタイムきらら』は耐えたんだけどなあ。そんな具合で、少しずつ少しずつ面白さが蓄積していって、いつか飽和する瞬間がやってくる。回復の隙を与えてくれないんですね。ひとつの振りに、何段も重ねてくる。それこそ一コマ目で振って、あとの三コマ全部がつっこみみたいな、あるいは四コマ一本の中に何度も振って受けるがあるとか。密度高めの畳み掛け。勢いよく、飛び込んでくるかのような元気さでもって、次々と。それがもうたまらん面白さで、笑いをこらえつつ読む。ああ、しあわせだな、そう思えるのはこういう時だと思います。

しかし、この漫画、百合は結構な被害者というか、主に寮長に、それから先生に酷い目にあわされてるわけですが、けれどそれでも暗くなったり、酷い! 可哀そう! みたいに感じないのは、根っこに明るさのあるためなんだろうな、そう思います。明るくほがらか、元気があふれてる。そして、時に感じられるフェティッシュな魅力。いや、あの初制服のシーンとか、ブラウスのステッチ! あの感触は素晴しかった。もう大好き。面白可愛くて大変です。

  • 筋肉☆太郎『スマイル・スタイル』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

引用

2012年3月5日月曜日

『まんがタウン』2012年4月号

『まんがタウン』2012年4月号、発売されました。表紙はメインに『新クレヨンしんちゃん』。昔話、花咲爺さんがモチーフですね。どこぞの、ちりめん問屋のご老公みたいに見えるんですけどね。そして、桜の枝を両手に持った山田のり子、右肩には『ここはシガレット』、中ほどに『ぼくの奥さん』、『SHIN-MEN』のカットもございます。

『ぼくの奥さん』。アマラとカマラか、みたいにいってましたけど、なるほどロムルス&レムスですか。イタリアでよく見られるモチーフ、狼に乳をもらう双子の伝説でありますね。そうか、こっちだったのか。さて、えらいこと落ち込むルイであります。妻となる娘のあまりの様子。背中を見せたら襲われた。結婚すれば、少しでも状況がよくなるんじゃないか、そんなほのかな期待さえも瓦解した。しかし、このルイ少年の小市民的というか、いや、貴族は貴族なんだけどさ、広いベッドで眠れない。寝間着も着古したよれよれ。でも、それがさいわいして、おお、キャロリーヌとの交流がひとつなった! というか、この子、しゃべれるんじゃないか! 実に意外、現時点でこの可能性のあるのを落としていた。さて、こうなって、キャロリーヌとルイの関係どうなるのか。というか、姫、可愛いじゃんか!

『偽装男子』は、このところとばしてますね。前回ラストに登場した、みずきにいいよる男子生徒。みずきを女子と勘違いしているわけじゃない。男とわかって告白。あやかで彼女枠は埋まってるけど、彼氏枠は空いてるからつきあおう。なかなかの屁理屈力ですが、この漫画のなかでは普通やも知れないなあ。滝川秀秋。本人いわくゲイではないらしく、女の子が苦手だからとの謂。ちょっと偏見ある女子像だけど、なんかちょっとわかる気もします。しかし、やっぱりあのいかつい女装男子がいかします。美しい俺なんだ! 一貫して美しい俺なんだ! 戻りまして滝川秀秋、ちょっと扱いが難しいキャラクターといいますか、本人はゲイではなく女装男子が好きなんだ、そういってるわけですが、彼を忌避する言葉にはゲイフォビア的な響きが籠ってしまう。作者はそういった意図はお持ちでない、そう思いはするけれど、ちょっと難しいキャラクター、ネタだと思います。そのあたり、角立たないよううまいこと処理して、今後も活躍させてくれたらいいな、そう思っています。

『トラノイーカルナ』、先日から登場してきていた、もうひとりのDNAメモリースティックの所有者。彼女の正体が明らかになりましたね。基本お人好しのカルナは、後手に後手にまわってしまうのだけど、変身していたその姿をうまく利用して確保。そしたら、黒髪ショートカットの女の子だったというんですね。見た目が怖い、それで嫌なこといわれてきた、だから復讐してやるんだ、というちょっと短絡的女の子。カルナいわく本当は悪い人じゃないんじゃないか。そういわれて、思わずキスで対抗するこの子、なかなかいいじゃんか。黒間ヒカリ、悪の女子高生ピカレス・ロマン、だそうですが、いやいや、この子、可愛いと思いますよ。カルナよりも好みやも知れません。

三色だんご』は、ついにふたり、結婚なのか。ブライダルフェアにいったら、なでしこがなんだかその気になって、勝手に契約してしまった。というか、市川さん、いろいろと問題だ。けど、なでしこもああだし、まあお似合いのふたりだよな、そんな感じもあって、あの遊びで付き合うタイプかよ、っていうの。酷いいいようなんですけど、でもそれだけこの人は真面目に付き合ってるってことなんだろうなあ。要領というか、いろいろがいろいろ悪いだけで。で、関係改善を願ってバラの花束買ってみたら、松山さんと出会う、それをなでしこに目撃される。いや、もう、いかします。あの、オフの松山さん、眼鏡とか、いいなあ、可愛いなあ、ってのはいいとして、紆余曲折の後に、ああ市川さん思い切ったね。

  • 『まんがタウン』第13巻第4号(2012年4月号)

2012年3月4日日曜日

ご注文はうさぎですか?

 『ご注文はうさぎですか?』、最初の印象は、きれいな絵の漫画だなあ、というものでしたっけ。繊細な絵、背景に雰囲気感じさせて、異国風の街並み。そこに暮らす綺麗で可愛い女の子たち。世界がよく作られていて、すごく魅力的、そう思っていたのが懐かしい。いえ、そうした魅力は変わってないんですよ。それどころか、より一層に魅力を増して、あの扉絵の力、イラストレーションの魅力などものすごい。構図構成、しっかりとして、とても魅せる、そんな扉はそれ単体でも成立するような存在感を持っていて、加えてこれから語られるお話、その内容を予感させるものにもなっている。ええ、私は最初、一枚絵に見える構成の力、それに感心したのですが、その力はエピソードのシーケンス、そこにもしっかり見て取ることができるのです。

絵に、展開に構成の魅力が光ってる。それこそ、この漫画を違うタッチ、違うキャラクターに置き換えても、きちんと通じる面白さがあるんじゃないか、そう思わせるくらいに骨組がきっちり作られていて、これはよっぽどの練り上げがなされてるんじゃないか、みたいなこと感じさせるのです。ひとつのテーマにそって話が膨らんでいく。振りがあって、それが受けられる。そうしたつながりがひとつひとつ丁寧に組み上げられていて、短いスパンで成立するものがあれば、長く、それこそエピソードの発端となり、また締めくくりにもなるようなものもあって、こうした多様なつながりが構造としての物語を編み上げ、しなやかに支えるのです。ひとつの発想、ひとつのきっかけが起点となって、展開し、そして発端を受けて閉じる結尾。さながら音楽のようだな、理想的に描かれた回など、そのように思わせるものがあるのですね。

しなやかな構成を基礎として、キャラクターの魅力、その個性や持ちネタといえるような定番ネタ、そして可愛さ、綺麗さが表現される。言葉のはしばしに情感が読み取れる。絵によって伝えられる、確かな実感がある。理性的に受け取ることのできる面白さに、感性に訴える面白さが上乗せされてくるというのですね。思えば、当初私はこの魅力にばかり目が向いていたのでした。綺麗だな。可愛いな。台詞に、絵に、これいいな、面白いなと思う。そういう読み方をしていたものでしたが、おそらくは漫画もこなれていったのだと思います、そして私も後からそうしたもうひとつの魅力に追い付いていったのだと思います。大変に素晴しい、そう思わされること、非常に多い。今、単行本で読み返してみれば、その感触、冒頭にすでにきざしていて、ああこの漫画は成るべくして成ったのだ、そういう思いを新たにする機会となりました。

『ご注文はうさぎですか?』の第1巻は、ひとつのスタイルが確立される、その過程が詰まった一冊でもあります。挑戦的な扉絵は時に型破りで、他にないものを見せてくれる、そんな思いにわくわくさせられます。それは、まとめあげようとする意欲、キーとなるイラストレーションであり、テーマであるを用意し、萌え出で多彩に広がろうとする発想の芽吹きを、ひとつの世界のうちに整えようとする試みと感じます。それは毎回のエピソード、そしてカバーをはずしたその下のビジュアル、そこからも感じられて、ああ、この漫画は有機的に統一される存在としての自身を志向している。ええと、つまりは、ココアたちの暮らす世界を大切に育て息づかせよう、そんな心意気が感じられて、素敵です。

余談なのだけれど、雑誌での連載、そこに付されている人物紹介、私、あれがものすごく好きなんです。雑誌にも載るかな? そう思ったらはいってなくて、ああ、もしこの漫画が気に入ったらば、是非読んでいただきたい。そう思います。

2012年3月3日土曜日

『まんがホーム』2012年4月号

『まんがホーム』2012年4月号、昨日の続きです。

『センセイあのね?』は、ちょっとしたターニングポイントでありますね。前回、がすでにそうだったようにも思いますけど、思わず先生に告白してしまったつぐみ。それでどうしよう、いうだけいっちゃったけど、この先どうしよう。いや、ほんと迷いますよね。で、マリと越後屋さん、ふたりの思ってることの違い、これがなかなかにいい感じ。越後屋さん、いいなあ。そして、つぐみ、あえて答をいわない先生を前に、焦れて、いうだけいって、これからはもっと前向きにいくからと宣言して逃げる。ああ、こういうところがいいですよ。この人の、いざとなったら肝が据わるとでもいうか、こうしたところがいいですよ。

『椿さん』は卒業式の風景ですね。序盤は普通に単発で。後半にはいると卒業がテーマにシリーズ展開です。親父さんからのプレゼント、はいいとして、先生を先回りしておいしいところを奪っていく椿さん。稔のこれまでを思い出して、感慨深い椿さん。というか、どんだけ暗躍してきたんだ、この人は。そして、やっぱり稔は稔。長く見守ってきた、その思いが、育ち巣立つその日、変わらないところもまたあるんだと知れて安心する、そうしたところに感じられて、描写はばっちりコメディなんですけど、不思議といいですね。そして萩さん。ああ、椿さん。それはいつもの悪戯なのか、それとも優しさなのか。いや、ここまでくれば優しさですよ。素直におなりよ萩ちゃん。ええ、なんだかね、青春じゃありませんか。いいですよ。

『この果実は誰のもの』、じりりと進行してきたこのシリーズ。なかなかに深まってきて、ああ、彼女は本当に僕のことが好きなのだろうか。そうした疑いと、けれど諦めるなんて到底できそうでない思いの狭間で揺れてきた矢川少年の心の動き。この期におよんでも思い切れないのね。けれどその怖れを素直に吐露し、そして複雑に揺れる瀬谷を前に、気持ちをはっきりと告げる。この、曖昧としたなかに浮かびあがってくる少年少女の恋愛の機微。しっとりとして、とてもいい。好きだわ、そう思います。

『腐女子主婦がゆく!』、いや、もう、大好きなんですが。とりあえずボツ。あれー、『花音』に持ち込むことになるんだろうなっていうのは予想してたんですが、見事にボツか。しかし、指摘されたのが絵。古臭くて時代に合わないって、作者自身おっしゃってますけど、いや、そうじゃなくて、花田さんの正面顔が一貫して右頬側に歪んでるとかさ、そういうところがあかんのじゃないのか? とか思ったりするんですが、あの持ち込み作のコピーと思しきもの、コミカルでちんまい絵柄、あれはちゃんとしてるなあ。でもまあ、あのデフォルメ絵だけということもないでしょうし、ちょっと本気の絵を見てみたいなあ、そんな気もしたりしています。しかし今回面白かったのは、花田さんが一貫して疑っている、プロの方ですよね。絵に覚えがあるから、ふてぶてしいから、ずうずうしいからと何度も何度も確認されて、そのたびにしれっと答える、違います。この展開、この見せ方は大変に面白かった。一種、身を切るかのようなこの企画。今後は他社の雑誌に持ち込むことになるんでしょうか。申し訳ないんだけど、すごく楽しみです。

  • 『まんがホーム』第26巻第4号(2012年4月号)

2012年3月2日金曜日

『まんがホーム』2012年4月号

『まんがホーム』2012年4月号、発売されました。表紙のテーマはサクラ咲くなのですね。舞い散る花びらをうける『らいか・デイズ』らいか。『天国のススメ!』のカットも同様でありますね。『はっち・ぽっち』は、お花見の席、酔ってハチにネクタイを巻くポチ子であります。なんだろう、すごく楽しい。雑誌右肩には3月7日発売のコミックスを告知するカットがございます。

『孔明のヨメ。』、いい感じですね。月英さん、里帰り。そうしたら、怖ろしい叔母がきてしまったっていうんですね。劉表の妻。ううむ、劉表、聞き覚えあるが、どんな人か思い出せぬ。しかし、今回はこの叔母のおかげで、孔明の月英に対する気持ちがばばーんと表に出て、そして月英の孔明に対する気持ちも改めてといった感じでしょうか。いえね、このところふさいでた月英、彼女の不安がやわらいで、ふたりの距離、ぐっと近付いて、気持ちも通じあった、そんな回でした。いい夫婦だと思います。ともに助けあい、認めあってる、そんなふたりの関係は見事に素敵だなって思うのですね。

『東京!』はムサコ、花粉症。って、後半でゴホゴホやってるの、風邪じゃないのか? って、あれは新宿先生のあまりのわかってなさにむせたのか。さてさて、六本木先生、なんという乙女ぶりか。ムサコにさえばれてる気持ち。当の本人は気付いてなくって、それでいろいろへこまされて、でも、そんなでも彼女、いや、彼というべきなのか? 新宿先生のことが好きなのか。ドMかどうかはわからんけど、恋する乙女よのう。いじらしくて健気でいい感じ。そしてムサコのたまに対する発言。いや、もう、えらい飛躍だけど、このたまの困ってる友達を助けたいという、この気持ちがいいですよね。

『あやのさんのお墨つき』、なるほど、結果が出ているのか。習字をはじめて、ちょっとうまくなった主人公。けど、本当に上手な字を見れば自分の未熟がよくわかる。なるほど、この織風という人の書、なるほど、これあやのさんか。書道教室は、やっぱりなんだかバタバタしてて、勝訴とかちょっと笑っちゃうんだけど、先生がお手本書くと皆が注目せずにはおられない。あやのさんが表舞台から姿を消したのはなぜか? わからないことはいっぱいで、それら、今後明らかにされていくのだろう。で、滝村は書道にちゃんと取り組むと決めて、ええ、続いて欲しい。先を読みたい。そう思います。

『エール!』、大変いいと思います。スポットライト当たるえいる。あの応援は、あまりに一生懸命すぎて我を忘れてのものだったって感じですよね。思い出したら恥ずかしい。けど、友人が、大事な人が苦境にあったら、応援せずにはおられない。鐘田豪、アイドルでサッカー部員の彼、心ない言葉に傷ついて、落ち込んでしまった彼、部屋に引き込もって、どうにかはげましたい、応援したい、その気持ちがエールになるっていうんですね。爆発力とでもいいましょうか、それが感じられるのがとてもいい。なにがなんでも元気付けたいんだ、その気持ちの強さ、まっすぐさが気持ちいいんでしょうね。

『天国のススメ!』は、またどうしようもない人形が出てきたなあ。呪いの雛人形、お内裏様が持ち込まれて、いやもう、なんだ、とんでもないお人だな、って人形か。結婚できるなら誰でもいいとか、めちゃくちゃいいやがる彼ですが、その本心はいじらしい。十子も思わず同情、太一もそうですよね。で、同じようなタイミングで十子の寺にお雛様が持ち込まれてて、これがもう似た者同士というやつで、その再会の情景、素直にいい話にならないのがよろしいなあ。十子のみならずおばあちゃんも白い目。いかします。そして、太一にあらためて気持ちを告げる十子、あれいいですよね。ほんと、この人の気持ちの素直さ、これには心打たれます。

  • 『まんがホーム』第26巻第4号(2012年4月号)

Re: 世の中知らないことばかり

なんかtsawada2さんが面白そうなことやってたので、ちょっと便乗してみようと思ったり。いきさつはリンク先を見ていただくとして、まあいわゆる巨大掲示板で俺的ランキング(俺がいわゆる美少女4コマ漫画ランキングを発表:ハムスター速報)が発表された、これ、ほとんど持ってるんじゃない? っていうような話があって、実際に数えてみました、っていうような話。いつもなら、この手の知ってる知ってないっていうのは黙殺なんだけど、なぜか今回は反応してみることにしました。

で、ランキングについての感想なんだけれど、これ、出すとこに出したら大荒れ必至だよな、ってのが素直なところ。まあ、美少女4コマっていう定量化しにくいものを同意されにくい基準でもって量ろうっていうんですから、人によって全然違うものが出てくることは当然で、だからそれについてどうこう批評批判するつもりはないんだけど、私とは随分違う判断基準、価値基準をお持ちの方だ! ということだけは間違いないです。

要約

保有
29
知ってる
12
まったく知らなかった
2

詳細

リンク先における順位作品名imaitなら……
40えこぱん名前だけ知ってる。
39かるき戦線持ってるはず。結構好き。
38ゆかひめ確か買ってたはず。いや、どうだったろう?
37ひよわ~るど持ってる。結構好き。
36ハッピーカムカム持ってる。激烈に好きだったんだが、続きがーっ!
35まりかちゃん乙持ってる
34ねこのひたいであそぶ持ってる。死ぬほど好き。
33ドージンワーク持ってるけど、最終巻は買ってたっけかなあ。
32はなまるべんと!持ってる。好きなんだけど、好きなんだけど!
31四季おりおり名前だけ知ってる。
30ちゅうに買ってた、っけ? 多分、買ってる?
29鬼灯さんちのアネキ名前と表紙だけ知ってる。
28うらバン!持ってる。これがなかったらソプラノサックス、買ってなかった。
27まんがらない知ってる。買うか買わないか、ずっと迷ってる。作者が気になる。
26ヤンデレ彼女四コマだったのか……。
25雅さんちの戦闘事情持ってる。結構好き。というか、作者を追ってるくらいに好き。
24君に幸アレまったく知らない。
23二丁目路地裏探偵奇譚持ってる。結構好き。作者も好き。
22メロメロメロ持ってる。好き。作者のしあわせを祈ってるくらいに好き。
21空想科学X知ってる。読んでない。イエイイエイ!
20落花流水そりゃもう知ってる。今となってはどうおっしゃるかわからないけど、海藍の全盛期の雰囲気を引き継いでるのはこの人だと思ってる。
19かなめも持ってる
18ひだまりスケッチ持ってる。カレンダーとか懐かしいよね。
17はるみねーしょん持ってる。抵抗できんかった。
16姉妹の方程式持ってる。著しく好き。次女が好き。十子さん、死んだら会えるかなあ……。
15らき☆すた存在は知ってる。読んだことないんだ。
14Aチャンネル持ってる。ユタカが大好きだ!
13とらぶるクリック!持ってる。どえらい大好き。1巻を刊行時点で買わなかったこと、今だに悔やんでいる。
121○9まったく知らない。作者は知ってる。
11みりたり!存在は知ってる。内容は知らない。
10あっちこっち持ってる。今度、アニメ化ですよ、ア・ニ・メ・化。
9勤しめ!仁岡先生名前だけ知ってる。
8生徒会のヲタのしみ存在は知ってる。内容は知らない。
7あずまんが大王持ってる英語版まで持ってる
6○本の住人持ってる。しびれる!
5けいおん!持ってる。原作派です。
4GA持ってる。この人の描く独自の世界は素晴しい。
3ふら・ふろ持ってる。懐かしい。面白かったよなあ。
2ゆるめいつ知ってるけど、読んでない。
1ちろちゃん(まとちゃん)まとちゃん』は持ってる。けど、虫、あかんねん!
真の第3位平成生まれ持ってる。結構好き。あの初期の衝撃は忘れられない。胴が長いというなら、『チェルシー』を忘れてはいけない。あれも好きだったなあ。
本当の第2位最優秀賞キルミーベイベー持ってる。偉大。ソーニャちゃん、大好き。
真の第1位スーパー最優秀賞ゆゆ式持ってる。最近、同級生とのからみが増えて、世界が広がってるのもいいよね。

2012年3月1日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年4月号

『まんがタイムオリジナル』2012年4月号、先日の続きです。

『満開!Sister』はお弁当。たけしの好みは、時代劇に出てくるような古典的弁当、って、そりゃあただの握り飯だ。学校で、嬉しそうにいそいそ出して食べてたら貧乏認定されるとか、いろいろ作ってみたいカンナも不満そう。ところで、学校でのこと、あの女子ですよ。たけし曰く大和なでしこ。清楚、いい人っぽい! そんな感じがするのですが、どうも実態はたけし以上の質実剛健の人っぽい。たけしは質実剛健を夢見つつ、実際は繊細な少年だもんなあ。しかし、弁当ひとつで、姉、妹、母から酷い目にあわされるっていうね。いや、酷いのは妹さくらのチョコレートとか花とか、えらいもん食べさせられそうになったあれくらいですが。しかし、母の弁当のスタンダード。あれはしびれます。息子としてはつらいよなあ。

『おゑど恋愛帳』、いいですね。雪見のデート。将軍家光の純情、そいつが実にいい。おキヌの表情に暖まり、燃え上がった気持ち冷ましと、この気持ちの忙しさ。いや、もう、惚れてなさってんだねえ。面白さは、主に十兵衛の過保護、隠密班に無理難題を強いる、あの、雪の下の小石の除去ってさ、無理だよ! 忍びどもの面白いこと。もう、たまらんですね。しかし、そうした面白さの反面、身分違いの恋、きっと成就はすまい。そうした思いを持つ人がいる。けれど当人は、そんなこと関係なしにこのふたりの時間を大切に楽しんで、ああ、だからこのふたりの恋、そいつが成就したらいいなあ、なんて思わされる。それがいいですね。

『恋は地獄車』、姉ちゃんの天誅! いさかいに対する男子と女子の差、ああ、すごくよくわかりますよ。って、いくらなんでも万里子さんはやりすぎです。っていうか、なに入ってるの? 落ち込む千歳。それで暴走する? そうかと思ったら、意外と落ち着いてますね。しんみりと、いや、その気持ちはよくわかるぞ。けど、ほんと、この子の恋はどうなるのだろう。というか、高橋もどうなるんだろう。いろいろと欠けた人たちの恋の物語。ハマってしまう人がいれば、自分に恋は無理だよと、最初から諦めている人がいる。求めても求めても得られない人たちも。そうした様子があまりに極端だから、読めば笑うし、おかしいし、けど本当のところは結構切ない、そんなテーマをはらんでいる漫画なのかも知れませんね。

『ぎんぶら』は、賭博大好き、ギャンブル大好きのブクゼニアに降り立って、いや、これ、なんといいますか、結構ベースがちゃんとしてて驚かされます。市長の職も賭けで決まる。大学受験もスロットで。そんな、運次第みたいな状況環境であるんですが、それでも社会が成立するのは個人差が少ないという事情があるからというんですね。なるほど、確かに個人差が少なければ、選抜に能力差をもってするよりも、スロットなりジャンケンなりで決めてしまうというのもある種の合理性なのかも知れません。変な説得力があるんですよね。そして、あの公徳心。ギャンブルで大当たり、大金もうけてやることは、寄付、募金、社会性の高さがあるっていうんですね。面白いわあ。で、この星以外の人間は寄付するとか、そういう文化背景を持たないから税金でがっぽり徴収しちゃうっていうんですね。なかなかに面白い。なるほど、賭けの面白さだけを求めて、社会を存続させる、そうした意識が別にあるからこそ持続もすれば繁栄もした、そんな感じなんですね。これは面白いわ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第4号(2012年4月号)