2021年12月31日金曜日

2021年劇場で見た映画

2021年も暮れようとしています。さて、今年も例年にならい、2021年に見た映画をリストにしてみようと思ったのですが、リストにしてリストの様相を呈さない状況に……。昨年の視聴本数4本をさらに下回り、今年はたった1本! どれもこれも新型コロナのせい、といいたいけれど、直接的な要因ではないですね。映画館に足を運ぶという習慣が途切れてしまった。気になる映画はいくつもあったというのに、実際配信を待って見たというのもいくつかあって、感染症への恐怖から本格的な出不精に状況はシフトしてしまったことを感じています。

見た順です。

  1. ATMOS 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

見た順もなにもあったもんじゃないよ! 1本しか見てないんじゃん!

ハサウェイを見にいこうと思ったのは、市街地でのMS戦について触れたtweetが興味を引いたからなんですね。なんだったかなあ、詳細にはもう思い出せないんだけど、巨大兵器が戦闘をすることで生じる被害の大きさが生々しい、そういった感じの感想でした。

これまでザクがマシンガンを撃ったら巨大な薬莢がバラバラと落ちてきて、みたいな描写は見たことありましたけど、それがビーム兵器だったらどうなのか。荷電粒子の飛沫、溶けた装甲? が飛び散ったかと思えば、それを浴びて燃え出す樹々。火の海になった市街地を逃げ惑う人たち。そうした描写がすごかったというの聞いて、なぬ、それは見ておきたい。

かくして劇場で見た『閃光のハサウェイ』。確かに印象的で、これ、何度か重ねて見たらもっとなにかよくわかったりするかな。配信にもきているから、ちょっと機会を見て見直してみたいなあと思いながら、時間がただただ過ぎていっています。

2021年12月30日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号、先日の続きです。

『恋する小惑星』

部でクリスマスパーティやってるんですね。去年の鍋を反省して今年は各自持ち寄りにしてみたら、みんながみんな鶏の唐揚げを持ってきてしまって、さあ大変。そうか、ごはんがないのか。でも若いから大丈夫よ。で、ここにさくらとモンローがカレーを持って登場。おお、OGカレー。ちょっとした救世主ですね。

しかし今回も地学的トピックちりばめられて実に面白かったです。クリスマスツリーのオーナメント、星と雪、天文と気象はあるのに地質がないっていうのね、そりゃそうかもだけど、ええと、ほら、地面があるじゃん! とはいかなかったっぽいですね。さらには降り出した雨に雪にならないかなあ? と、そこですかさずナナが、気温が高すぎるから雪にはならないって、期待とかそういうのをシビアに潰してくるのがほんと面白かったです。

ブールドネージュ、雪玉を模したクッキーを見て、スノーボールアース仮説が思い出されたり、全球凍結ですよね、そうした発想もいい。でもって、パンドーロ、これ、こういう型があるのかな? スズのはからいが食欲の前に瓦解する!

今年のこと、メンバーのこれまでを振り返りながら暮れてゆくクリスマス。これはちょっとした忘年会でもあったっぽいですね。ええ、振り返り、時には大事です。

『RPG不動産』

琴音の機転で、捕われていた皆の救出に成功。歌で火竜に働きかけ、溶岩に落ちようとする籠を引き上げることに成功。さらにはいつぞやの猫さん温泉! 状態異常と引き換えに一時的な能力アップを得るやつですよ。すっかり忘れてた! この水を琴音が持ち歩いていて、ラキラを強化、檻の破壊に成功するんですね。

ここからまた火竜の力を借りて、地下から脱出。ああよかった。捕われの勇者も亜人の皆も無事。琴音とラキラは、サトナの秘密をルフリア、ファーに伝えるべく火竜の子とともに動き出すのですが、そのルフリアとファーはというと、ともに捕われの身。

そしてここでルフリアの状況描かれて、館に、部屋に閉じ込められ、ひとり後悔に打ち拉がれている。そんな彼女の前に現れたもの、それは誰なのか!

いやほんと、次から次にイベントが発生して、それを乗り越えながら進んでいくのは常として、今回ほどに窮地に追い込まれたことってこれまであったでしょうか(あ、琴音が死んでましたね)。もしルフリアの前に現れた人物がサトナだったら? ルフリアはサトナの言葉を信じてしまうよね、きっと。などなど、まだまだ不安は、心配は続く。この一連の事件が決着を見るまでは、この落ち着かない気持ちのままということになりそうです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

あれまあ、万里小路さんって昔はそんなでしたの! 髪はバサバサ、ひとり不貞腐れて地べたにあぐらで座り込んでおにぎりなんか食べてた、そんな令嬢とは程遠いご様子。これ、きっと旭なりの反抗だったんだろうなあ。令嬢ってなにさ、みんな体裁だけ取り繕っちゃって。自分はあんな風には絶対ならない。そう思っていたところが、唯月の振舞いを見て自身を省みることとなった旭。

唯月に思慕の情を寄せている旭ですが、そうか、もともとは唯月に理想の令嬢としてのあり方を見ていたのですね。それがいつしか憧れに、そして恋心に変わっていって、今に至る。

ああ、人に歴史ありとはこういうことでありますか。本当、意外な過去を垣間見ることになったものだと驚いています。

さて、ここからは旭の恋心の決着をつけよう、そういうお話になっていきそうな気配です。旭の恋のライバル? 天真爛漫、世事に疎く、浮世離れしている紡はというと、割烹実習に生き生き楽しげに取り組んでいて、そしてそこに初野からもたらされる衝撃の縁談事情! いや、実際そうだったらしいですよね。女学を卒業する前によき縁談に恵まれて退学する、それが女学生の花道だったとかなんとか。いやもう、令和の世に生きる私たちには到底想像もつかない常識があったもんですよ。

でもって、ここから時代先取りのバレンタインデー。バレンタインデーにチョコレートを贈る云々の先駆けは昭和も昭和、第二次大戦後のことだそうですから、今は大正11年、この子たちからすれば30年以上も先の風習が紡によってもたらされてしまって、これ大丈夫? なにか、いろいろ影響しちゃったりしない? もし唯月か初野か旭あたりが日記に、2月14日友達同士でチョコレートを贈りあう、これ友チョコというなり、なんて書いちゃったりしちゃった日には、後年歴史がいろいろ混乱しちゃうよ!?

といった心配はいいとして、明らかに紡に対しただならぬ情を抱いている唯月の様子。その面持ちたるやまさしく恋を覚えた少女のそれで、ああ、旭、いつになく険しい表情をちらりと見せて、これはちょっと大変なことになりそうですよ。

旭、紡を呼び出してなにをか話そうというのですが、これ、まさかの決闘!? いや、それはあるまい。ともかくなにかしらの決着をつけよう、そうした覚悟など感じさせる旭。この子の本気に紡はどのように応えることになるのでしょうか。自分としては唯月の思いを遂げさせてあげたい、その一心なのですが、反面、旭は旭でなにかしら自身納得して折りあいをつけられるような展開があればいいなとも思っているんですね。だからこそ、紡のこれからの動きに注目せざるを得ないのですよ。

2021年12月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年2月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年2月号、先日の続きです。

カントリー少女は都会をめざす!?

クリスマスが終わって、どことなくものさみしい。そんな八重たちの話してる内容、やたら広い近所の概念とか、なるほど自転車で45分くらいなら近所なのかあ。実際、近所の範囲ってどれくらい? っていわれたらちょっと迷いますよね。最寄り駅くらいまでなら近所に含めていいのかな、みたいな。

そして八重のうちでやったアドベントカレンダーの話とかね、そうか、自分たちでお菓子入れたんだ。でもお父さんがあまりよくわかってなくて、賞味期限今日までのおまんじゅうがぎゅうぎゅうに詰まってるとかね。いや、別に賞味期限、ひと月くらい超過しても平気よ? でも全部確認せんではおられない、これが八重の几帳面さなんだろうなあ。

今回も他愛のない会話といえばそうなんだけど、そこに彼女らの夢や憧れ、希望のようなものがうかがえるのがなんだかまぶしくて、とてもいいんですね。そうかあ、地下鉄って都会の象徴なのか、みたいな、いわれてみてなるほど! ってなる発想なんかもよくて、そうかあ、地下鉄が身近でないだけに憧れになるんですね。これ、例えば自分にとっての路面電車みたいな、そんな感覚なのかも。なんてことを思わせてくれるのもまた面白さでした。

『敷金礼金ヤンキー付き』

命知らずの子供がいるなあ! 見るからにヤバいサンライズ荘。見た目もそうなら住人も、というのできっとご近所からはちょっと距離を置かれてたりするんじゃないか、とか思っていたらですよ、まさかここの敷地に入り込んで遊んでる子供とかいるんだ! お母ちゃんとかに、あそこは、あそこだけはやめときなさいとかいわれてへんのかな? それとも、よほど遊べる場所がないのかも知れませんね。

さて、冒頭のっけからやっちゃいかんことやって怒られてた七恵がですよ。全然懲りないどころか、敷地に入り込んでる子供に罪をなすりつけちゃおうぜ! 玄関ドアが凍りついて大家が出てこられない今がチャンスだ! って、いやいや、命知らずの店子がいるなあ! いくらなんでもバレるのでは? さすがにあかんのでは?

七恵にイタズラを持ち掛けられて、ゴーとストップの間で悩み迷っている佳がおかしくて、この人はハメはずしちゃう性分と常識人の側面が拮抗してるよなあ。七恵みたいに振り切れないぶん、悩みというか増えちゃって、そういうところは損な性分なのかも知れませんね。

イタズラを阻む要因は、まず大家。続いて直子。それから常識人筆頭のたえですかね。大家は物理的に閉じ込められているから大丈夫。そして直子をたきつけることでたえを封じるこの作戦。こういう計略となると頭まわるんやね! ほんと、悪巧みしてる時のあの顔。悪い顔だわ。で、やらかすイタズラなんですが、子供なのか! ほんと基本、悪事というとこまではいかない、でも実際迷惑という、なんとも微妙なとこ突いてくる。悪い子なんだけど、悪いやつじゃあないよな、みたいなその塩梅と、結局最後には失敗しちゃうみたいなところがあるから憎めない、そんなバランスが実によかったです。

そんなわけで今回もやっぱり失敗しちゃうんですが、ねえ、そりゃあバレますよ。子供たちの方が危機回避能力高いって、ほんとどういうことなんでしょうね!

『通勤通学クエスト』

柏木と菊池の同僚、竹重がセーラー服の女の子と一緒に歩いている。パパ活!? 女の子にお金を払ってスケベな事を!? 菊池がえらいこと憤ってるんですが、いや、ちょっと待って? その女の子、タケちゃんでは? てことは兄妹オチだな。

そう思っていたから、まさかの父娘! ちょいと驚いてしまいました。

っていうのも、この見た目若く見える竹重、結構年齢重ねてるってことなんですか。タケちゃん、12歳。上に18歳の子もいるのか。でもってまた驚いたのが、柏木クンって18歳だったの! もうちょい上かと思ってましたよ。

てな具合に、結構いろいろ驚かされた今回。というか、竹重氏、12歳の娘からお金借りるの、ちょっと父親としてはあかんタイプなのでは? ともあれ、この漫画の大人組と中学生組の接点、またこうして増えてきて、これが今後松島たちも繋がりできてきたりもするんかな? なんか人間関係の広がっていくの、面白いんですよね。チビっ子組との関係とかもあるでしょう? そういうの、特に序盤の頃のエピソード、今読み返したらまた違った感想なども出てきそうで、ええ、まとめて読み返す機会があったらなあって思ってやまないんですよ。

『オネェの恋のはじめかた』

おお、翔がいろいろ気を配ってくれてますよ? 桜子とデートしたことのないという時宗を手厚くサポート。桜子の予定を聞き出し、日曜皆で一緒に出掛ける約束取りつけた上で、当日自分は都合が悪いといって身を引く。翔、いいやつだなあ! というか、珍しく手をこまぬいてる時宗がいい加減見てられなくなったんかもですね。しかし、このスピーディに約束取りつけるの見るに、翔も結構なやり手なのかも知れません。

さて、桜子ですよ。ああ、私服ダサい系女子なんだ! 嬉しいけどダサいのはつらい、気持ちがグラグラしてる時宗が面白い。でもってここからちょっとした着せ替え大会になるのがいいですよね。カジュアルもいいけど、キュート系が似合ってるんじゃないかしら? などなど、素材がよければいろいろ試すのもまた楽しい、そんな感触が大変よかったです。

今回のデート。まだ深く踏み込んでどうこうみたいにはならないんだろうな、みたいに思っていたら、おお、ちょっと進展しましたよ! しかも、これ、桜子からの踏み込みなんだ。桜子と一緒にいられて楽しいといった時宗の手をですよ、はしっととって、私も楽しい、次も八神ちゃんって呼んで欲しいなって! その時の表情、笑顔がまたいいんよね。

しかし、本来のスタイルからしたら自分から仕掛けてイニシアティブとっていくタイプの時宗が、ここまで防戦一方、主導権ばっちり桜子に握られてるという構図がおかしくて、ほんと時宗の純情。見るだに微笑ましさに溢れます。

2021年12月28日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号、先日の続きです。

『スローループ』

小春についての心配が先立つつっちー。ひよりの前での小春の振る舞いに、無理をしているのではないか。小春のこと、あなたはどれだけ理解できてるのか、ひよりに迫るんですが、そこににこやかに割って入る恋もまたひよりを守ろうとしてくれてるんだな。この友達を大切に思って、それぞれのやりかたで動くふたりが描かれてるの、実にいいなと思います。ストレートに動くつっちーと、それとなくやんわりいく恋の対照もいい。うん、恋、すごいな。怖いとつっちーが評するの聞いてむっとするひより、そこからの反論も、ええ、やっぱり友達を大切に思っている、そんな描写が続いているんですよ。

でもって当事者たる小春ですよ。ついに釣れたよ! って、でもリールがないからどうしたらいいかわからない! って、喜んでるんだけど固まっちゃっててね、えらいこと面白い。ちょっと緊迫して自省の様子も見られた、そんな緊張の局面が一気に弛緩に持っていかれて、この小春の転換力よ!

ああ、それにしてもですよ、この一連の流れでさ、小春が今どんな感じなのか、無理してるとかどうだとか、言葉にしなくとも、説明なんてなくとも、すっとわかるの、すごいよね。読者にも通じるじゃん? つっちーも、ああわかってる! ってわかるじゃん? ええ、言葉にしなくてもいい、ちゃんと伝わるのはそれだけ登場人物の心情に迫ってるからだと思う。そっと、やさしげに、皆の気持ちがふわっと広がって、しっかりとそこに息づいて確かさをもって残る。

その感覚は、読者にしてもそう、登場人物たちにしてもおそらくはそうなんでしょう。つっちーの、多少険もあった様子が和らいで、小春との別れのくだりも、そして帰り道、妹あやと話してる時も、ああ安心したんだとわかる。よかったね、そう思えるところにこの子たちの読者からの距離感もまたわかるように思うんですね。

『球詠』

芳乃ちゃんがめっちゃ怒ってる! ヨミ復調するものの、投手としてはここで降板。芳乃の提案だっていうんですが、まあ、ですよね、あんだけ無理して投げてたんだもの。休ませないことにはいろいろマズいよね。

ちょっとバツの悪いヨミの様子と、どえらい怒ってる芳乃の様子、その対比がまた面白く、というか、怖いよ芳乃ちゃん! 6回裏、攻撃に入る時のヨミの不用意な発言にみんなが地味に怒ってるのもまた面白くって、いやもう、ヨミさん、ちょいと針のむしろっぽくなってません? いや、自分のせいなんですけどさ!

でも、ヨミの行動、岡田には響いていた。部の問題に当事者として立ちあったものとしては、自分の代わりに怒ってくれたこと、それは本当にありがたかったのでしょうね。そして光の投球。勝てずとも最後に一矢報いようと食い下がる松井を、あえて打たせてとる。その白菊に委ねる姿勢、仲間への信頼を描いたこの場面は、一連のヨミの行動、自分ひとりで完結させようとした試合と、その状況を抜けて再びチームの一員に戻ったことを、あらためて明確にしようとする、そんな駄目押しになっていたと感じました。

ヨミもいつもどおりに戻って、肩の故障などもなさそうと、まずはめでたしめでたしといえる終わりを見ましたが、ヨミの憤りのとばっちりを受けるかたちになった松井はじめ咲桜の選手たちについては、ちょっとお気の毒なエピソードでした。

『ちょっといっぱい!』

鬼気迫る様相で宿題に取り組むエリカ。ああ、宿題溜め込んで最終日に必死になってやっつけてるんだね? と思ったら違うのか! まだ夏休みに入ったところ! 序盤で一気にやっつけて、夏休みを満喫する計画なんだ。ごめん、エリカさん、てっきりサボった結果がこれだと思い込んでた。偏見の目で見てました。ほんと、申し訳ありません。

ここでますみんの過去の狼藉が明らかにされるんですが、怒られるだけで1ヶ月分がチャラ! 踏み倒しまくってたよ、と見事な反面教師ぶりを発揮なさっていて、いや、まあ、自分も夏休みの宿題を冬休み明けに提出してたりした口なので、あんまりますみんのこと悪くいえない。自分もますみんタイプ、残念、参考にしてはいかん反面教師のひとりでした。

今回は夏休みに向けて期待高まるばかりのエリカが本当にまぶしくて、どんだけ楽しみにしていたんでしょうね。でも夏のイメージがことごとく凪で占められていて、この子、どんだけ凪推しなのか。そうした感情のほとばしりもまた今回の面白さでありました。

今回は番外編とのことですが、ますみん提案の皆で出掛ける話とか、もみじの帰省とか、そういうの今後本編にて描かれたりするんでしょうか。なんか期待させられちゃいますよね、エリカじゃないけど、ちょっと楽しみです。

2021年12月27日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号、発売されました。表紙は『恋する小惑星』。みらとあおがふたり晴着でご挨拶ですよ。この新年感溢れるふたりの様子。振り袖は花だけでなく星もあしらわれていて、実にこのふたりらしい柄がいいですね。あおの手には破魔矢、そしてみらの手にはコマと、ここにもお正月らしいモチーフが、ん? コマ、これ、地球ゴマだよ!? ジャイロ効果を体感的に学ぶことのできる素敵な遊具! おお、これこそまさにみららしいアイテムなのでは!? 国際宇宙ステーションISSの姿勢制御にもジャイロが使われてるんですよ! 手に収まる宇宙でも使われている技術。表紙のド真ん中に鎮座するのも納得であります。

今月は新規ゲストが4本です。

『同居人ゲーマーズ』

同居してるカグラとわかな、ふたりはゲーマーなんですね。黙々とゲームしてると他のいろいろは億劫になる。わかなもそうで、食事当番なのになんとかしてサボりたい。なので、カグラとじゃんけんでもって決めようというんですが、頑として抵抗しながらも最後には折れてくれるカグラがなんというか大人な感じ。

このふたり、奔放なわかなと鷹揚なカグラ、この性格の相性があるから同居もうまくいってる感、ありますよね。

しかしなんかいろいろやりとりが可愛い。理屈っぽいんだけどどこか脇が甘いわかなの感情のアップダウン。これが可愛い。基本クールに徹してる? 熱くならず、でもしっかり物事観察して事態をうまいこと運んでみせるカグラ、この人もとてもいい。そして猫のぽんず! じゃんけんに参加してるよ! ぴょいと出てくる猫手がめちゃくちゃ可愛いな! ええ、悪くない、悪くない感触です!

わかな、手を抜きたい、サボりたい、そんな性格なのに、食事の用意するとなると結構ちゃんとしていて、冷凍食品のチャーハンなんですけどひと手間かけてよりおいしくなるようにしてるんですね。こうした端々に感じられるこのふたりの個性いろいろ、それが魅力的だったと思います。

でもって、じゃんけんに負け続けるわかなの秘密。なにかわかなの癖を見抜いて、出す手を判断してるんだろうなあ、とか思ってたけどそんなレベルじゃなかった! ええ、自分も観察力不足です。ワカナにしてやられる側の人間だと実感させられました!

『異世界イーツ』

すごいな! イーバーウーツ的な仕事に従事している渡橋いつみ。仕事にかかるストレス過多で、限界超えてしまったか、自転車疾走させたらゆきついたその先がなんと異世界。事故経由の異世界は定番だけど、ストレスからの逃避の果てというのはちょっと珍しいタイプかも知れません。

嫌で仕方なかった宅配の仕事だけど、ファンタジー色の強い異世界にて、困ってる人を手助けすべく自転車を走らせるいつみ。異世界転生ものといえば、なにかしらのチート能力なんてのが定番だったりしますが、いつみのそれは自転車のパワーアップだったんですか! 驚くほど速く走る愛車! 飛ぶような速度で走行し、衛兵からの追求も軽くかわしていくその機動性。そこで見せた仕事に対する自信、あれは実によかったと思います。

元の世界では届けものをしても感謝されることの少なかったいつみ。それが異世界にてはおおいに感謝され、その誰かのためになる、喜んでもらえることになにか感じるものあったようですね。かくしていつみの異世界における宅配生活がはじまる、というんですが、自転車の修理とか大丈夫なのかな? ほら、パンクとかさ、と思ったけど、そうだ、そうでした、自転車パワーアップしてるんだった! 愛車とともに異世界を駆け抜けるいつみの姿。彼女の行く先になにが待つのか。きっと思いもしないもの見せてもらえる、そんな予感がして楽しみでなりません。

『おふらいん』

ランサムウェアの擬人化!? 検出されたコンピュータウイルス、隔離されていたものを削除しようとしたら、人格持ったこいつが話しかけてきたというんですね。

なんだか、昔はやったデスクトップマスコットみたいですね。でもその本質はランサムウェア。要求を飲まなければ解除キーは渡さない。うん、まさしくマルウェアそのものだ。けれど金銭を要求したりはしない。このPC内に住まわせろというんですね。

とりあえず自己複製とかはしないタイプみたいですね。でもPCの機能を乗っ取って、ファイルを暗号化したりまたメールを送信したりもできる、結構厄介なタイプ。その被害を食い止めるべくルーターの電源を落としたから、なるほど、タイトルのおふらいんはここからきているわけですね。

しかしこの謎のプログラム、誰に作られたのか、その目的はなんなのか、主人公つむぐのもとにきたのはたまたまなのか、あるいは彼女がターゲットとされた理由なんかもあるのか。そうした気になるポイントたくさんあるの、次の展開を導くきっかけにもなりそうでいい感じですね。

『まこヘキ』

性別を偽って、女性として活動をしている声優の真宮まこと。トランスジェンダーというわけでもトランスヴェスタイトというわけでもなく、ただ声優としての売り出しに際して事務所から求められた結果がこの女装というのですね。

男性とバレてはいけない。この秘密を知っているのは、同じ声優の郷と華月のふたりのみ。それぞれに隠し事のある3人だけど、一緒に仕事をする彼女らに新たに加わった新人声優、河東碧。なるほど、この子の名前がヘキで、まことと対になるからまこヘキというわけですね。

弟を養うために仕事を頑張っているまことにとって、デビュー直後でいろいろままならず、緊張したり落ち込んだりのヘキはどうしても放っておけない相手。それでいろいろ世話を焼いていたら懐かれてしまいました。しかしヘキにも秘密があって、それは男性が苦手というもの。女性として慕われるまこと、その秘密がバレたらどうなるの!? 男性とバレてはいけない理由が、事務所をクビになる以外にまたひとつ増えてしまいました。しかし、これ、いつまで隠し通せるものなのか。

秘密をいかに守り通すか、そのかけひきなどなど、そうしたところに見どころ作っていけそうな設定。あるいはヘキの方でも、いろいろ展開があったりしそうだな、などと感じました。

2021年12月26日日曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年12月25日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年2月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年2月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、2022年寅年を意識した衣装がかっこいい? 虎Tシャツに虎手袋、虎耳の山下さんがどーんと登場ですよ。しかし似合ってるというか、虎Tのインパクトに負けてないのがまたすごい。なんか生き生きとしていますよね。『小森さんは断れない!』しゅりも虎セットなんですが、虎Tどころか虎縞ビキニで登場ですよ! 季節がえらいことに! 対して虎の着ぐるみパジャマ? あくびしている『らいか・デイズ』らいかがひとり可愛い路線であります。

今月は新規ゲストが1本です。

『葉山さんのまんがの泉』

漫画の持ち込みをしている女の子、葉山。人物をうまく表現できない、それが悩みなんですが、そんな彼女の前に現れたのが見目麗しいお嬢さん。同級生? いや、違う学校の子なのかな? 髪はブロンド? その子、泉に自分の漫画のモデルになってほしいと頼み込む葉山の必死さ。いや、それは逆効果になりそうな、と思ったら、泉、あまりの熱量に負けて協力してくれることになりましたよ。

泉、この人も漫画が嫌いではないんですね。好きな漫画は『魔法少女ゆめ』。周囲からは似合わない、さらにはキモいとまでいわれて、なかなか人と語りあえたりできてなかったんですね。それを今日はたまさか葉山と盛り上がることができて、その時見せた溌剌とした表情。それが葉山にもいい影響与えてくれたようです。

この出会いがきっかけで、葉山、自分の方向性、確立させることができたみたいですね。担当もついた、漫画でも一歩進むことができて、泉との出会い、いい刺激になったんですね。

『おしかけツインテール』

太った由利さん。いや、そんなにあんまり変わってないのでは? むしろ、なんかキラキラしてて、いつもより美しくってよ? いや、これ、開きなおりか。

太った理由、受験勉強しながらついついつまんじゃう甘いもの。美代おすすめのクッキーがまたおいしくて、どうにもとまらなかったというんですが、これ、夜更かしに勉強しないといけないっていうフラストレーションも手伝って、普段以上に食べちゃうんだろうなあ。悪いことに運動不足も加わってる?

その点、杏夏は立派ですよね。ちゃんと自省してる。息抜きも勉強合間のランニングっていうの、この子、すごいな、めっちゃストイックじゃん。いやもう、あまりに立派すぎるよ、かっこいいな。ランニングのスタイルもばっちりきまってますよ!

この太った騒動、花梨には関係ないのかな? この子はそのへん、ちゃんと自省できてそうだし。そう思っていたら、まさかのお母さん、美代おすすめのクッキー、買ってきちゃったか! しかもふた袋。ついつい食べすぎても大丈夫、続く二の矢があるからね、って、それあかんパターンや! しかも悪いことに秋の長雨、散歩に出ることもままならず、運動不足アンド母の供給する過剰気味のクッキー! いやもう、花梨さん、見事に素敵な開きなおりの境地に到達されました。いや、実に美しいですよ! 素敵ですよ!

『となりのフィギュア原型師』

斉藤氏、仕事に打ち込もうという時は激辛食でブーストするんだ! おお、それだけ万代寺もずの仕事に本気というのか。監修の厳しさで知られるイラストレーター。でも斉藤との相性はよさそうで、ちょっと上からマウントとってくるもずと、うまいこと受けながら、時に軽くやりかえしている斉藤という構図。それがなんかいいパートナー感出してて悪くないじゃんよ。

とか思っていたのが前回。今回はというと、なんと、もず氏が斉藤からの意見を自ら求めるまでに打ち解けているよ!? これ、代表に半藤ふたり一緒にデレた!? とかいってますけど、ダメダメ! そういうこといったらもず氏、意固地になっちゃいますよ!?

でもここからのふたりの共同作業、といいたいけど、なかなか共同作業にまで辿り着かないな。むしろ外野がわいわい介入してきちゃうせいで、全然話が進まなくて、工房メンバーどころか倉田までいるから、話、広がりすぎちゃう!

今回はもず氏受難の日なのでしょうか。半藤が作ったという夕飯、皆で食べることになるんですけど、まさかの激辛鍋! これ、斉藤のリクエストらしいけど、もず氏は辛いの苦手なんだ。駄目なら駄目っていったらいいのに、無理して余裕ぶっちゃって、あらもう酷い目に! この素直でないところ、これがもず氏の個性なんでしょうけど、完全に裏目に出ちゃってますよね。

でも、ほんと、ふたりの作業、いい結果を出せたようで、実によかったではないですか。もず氏も斉藤のこと気にいったようで、でも斉藤はお断りなの!? このダイレクトお断り、あんまりに素直で笑っちゃいましたよ。でも、これはこれで打ち解けた、思ったことを思ったままにいいあえる、そんな関係になった証拠なんだろうなあ。

これはきっともず氏再登場あるな、そう思わせてくれるに充分な結末でした。

『ネコがOLに見えて困ります』

授業で描いた動物スケッチが思いの外好評? いや、特定の人、葛飾ユウタ君からの熱烈な評価を受けて、むしろ戸惑ってるミコトですよ。でもその絵、そんなにいいのかな? OLさんをモデルに、というかミコトからしたら人の姿にしか見えないから、いつぞやのイラスト化アプリを通して描いた絵なんですが、ハリネズミとかいわれちゃうような絵ですよ?

でも、葛飾君にとっては譲れない、それほどの絵なんですね。けれど授業の課題だからあげることはできない。というので、葛飾君の前で新たに一枚描くことになったんですけど、ミコト、四苦八苦ですよ! 課題の絵と同じように描けばいいだけじゃないの? そう思うんだけど、ミコトは真面目ですよね、ちゃんと新たに描き起こそうとしていて、けれど目の前のOLさんは人の姿にしか見えないから、イラスト化されたOLさんを思い出しながら頑張ってみせるんですね。

ここでやたら苦労するミコト、なんでそんなに? と思ったんだけど、これ、きっとミコトには標準的な猫のイメージがないんですよ。動物が人の姿で見えるから、猫に限らず動物の姿に馴染みがない。そのせいでどうしても個性的になっちゃうんだろうなあ。

この個性的な絵、常識に捕われない前衛的な画風? 葛飾君がこれを絶賛しているの、美術部所属の彼がこのところ伸び悩んでいたからなんですか。新たな刺激をミコトの絵に求めたんですね。実際この絵が葛飾君の悩みを打破するきっかけになったの、ほんとなにがさいわいするかわからんですね。

で、面白かったのは葛飾君に描いてもらったOLさんの絵ですよ。写実的スケッチ! おお、これまで人の姿かデフォルメされた漫画タッチで描かれてきたOLさんのリアル描写がここにきて登場。そうか、こういう感じの猫さんなんですね。しかもこれ、ミコトにとっては日によって猫の姿に見えたり人の姿に見えたりするというんですよ。ほんと、それだけ本当のOLさんに肉薄する絵なんだろうなあ。

ずっとOLさんの猫としての姿を見ることがかなわなかったミコトにとっては、本当に大切な一枚。最後のコマでニコニコしながら絵を見てるミコトがね、本当にしあわせそうで、素晴しかったです。

2021年12月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号、発売されました。表紙は『スローループ』。釣りを楽しんでいるひよりがメインでありますよ。この子の、基本飾らず実用重視なスパルタンスタイル、けどそれがすっきりとしてかっこよくて可愛い、そんなよさがばっちり出ているイラスト、とてもいいですね。また右でロッドを構えて左でラインを引くその姿、堂に入っているのは当然としても、その表情がですね、自然と浮かぶ笑み、楽しみをともに釣りに取り組んでいるんだなあ! そうしたことのわかるのがまたとてもいいと感じたのでした。そして背景にちんまり魚を釣り上げて嬉しそうな小春がいて、これも面白いよね。ええ、釣れて楽しい、そんな感情がストレートに伝わってきます。

『9ダーツへようこそ!』

本当のはやったことないんだけど『世界のアソビ大全51』に収録されていたダーツをやってた時期があるので、ルールやプレイの感覚がわかってる。おそらくそのおかげで、より楽しく読めたのではないかと思います。

なにをやってもあと一歩というところで勝てない相手、佐野香沙にとってのライバル? 気になる相手が富士見晴花。秘密を探ろうと、放課後こっそり晴花の後をつけてみたら、ゆきついた先がダーツを売りにしているカフェ。晴花はそこでバイトをしていて、時にお客のダーツの相手をつとめたりしているというのですね。

ダーツを投げる晴花の姿を見て、ちょっと見惚れていたところ、なんの因果か晴花とダーツで勝負することになってというこの展開。遊ぶルールはゼロワン。例えば301点を削って0にするというルールなんですが、ちょうどトータル301点にならないと最後の1セットを何度でもやり直すことになる。これで香沙は301点、晴花は701点とハンデありでプレイするんですが、これ、晴花は結構香沙に譲歩していますね? ぐんぐん点数重ねて追いついていくんだけど、それでも晴花の方が先に勝ち目を得て、そこからの緊張感。バーストして、次で決められなかったら逆転されてしまう。そのギリギリのところで、これまで以上に萎縮してしまう香沙と、香沙の緊張をやわらげるためにその手をとる晴花。

この場面で、香沙と晴花、ふたりがそれぞれ相手のこと気になってたことがわかるのがまたよかったと思うのですね。

ダーツというゲームの楽しみがあり、また同時に香沙と晴花、ふたりの気持ちの駆け引き? そういう魅力も載せてくる。発展すればより一層に面白くなりそうと思わせるものありました。

『リリィシンデレラ』

ギャルからロリータに転向してしまった春風祐那。友達の前では変わらずギャルスタイルでいるものの、自宅に帰ればそこはロリータまみれの世界。なんとロリ服、自作なのか。すごいな。学校の制作課題でもロリ服を作ってみようか、そう思いながらデザイン画まで描いてみたものの、友達にバレるのが怖くて直隠しにしてしまう。

そんな祐那の秘密を知って、それを受け入れた上に元気づけ、はげましてくれたのが白宮美月。ここからの展開、とてもよかったですよ。美月とロリータ談義をする、その楽しさを実感していく祐那がいい。けれどその反面、以前からの友達、関ピョンからはなにかを秘密にされているのが寂しいといわれて、友情をひとつ育めば、別の友情が陰るのはしかたないんですか!?

祐那のロリータ趣味カムアウトのくだり、これがクライマックスなんだと思っていました。ここでめでたしめでたしなのだと。でもここからさらに重ねてくる。これまで触れられなかった美月のこと。ただ祐那に同じくロリータに理解のある子じゃなかったんだ。かつて祐那に救われた、その思いから祐那にずっと関わりたいと思ってきた。その一心がぐっときましたよね。ええ、祐那と関ピョンの関係に、美月から祐那への気持ちのベクトルが加わって、この感情の交錯する様、はっとさせられるよさありました。ええ、美月のエピソードのあるなしで、全然違ってきますよね。

『変わらない約束と変わる私たち』

かつて、結婚できる年齢で再会できたらキスをしようという約束を交わした、平野遊里と真白望亜。7年の年月を経てついに再会したふたりの関係。ここからいかなる発展を遂げようというのか、そのやり取りの行方が気になる漫画でした。

しかし、女の子ふたり、なぜそんな約束をしたのだろう。その理由にも触れられて、いじめられていたところを助けてくれたゆう君。男の子と思っていたその子が実は女の子で、けれどそうと気づいた時にはもう心のうちに芽生えた好きという気持ちは留めようもなく、転校していく遊里に、好きという気持ちを伝えて件の約束をしたというのですね。

その約束は果たされることはあるのか。互いに相手のことを好きとはいうけれど、その好きの重なることはあるのかどうか。自分の好きが遊里の重荷になるのではないか、受け入れられないのではないか、拒絶されるのではないか、怖れを抱えている望亜と、そんな望亜を傷つけたくない遊里。自分の好きという気持ちをはっきりさせていきたいと、まずはゆっくり少しずつ、望亜に寄り添いながら気持ちを育み、確かめていこうとするのですね。

そのすぐには熟しない、けれどいずれは成就しそうな恋の物語。まだ果たされていない約束の、けれどいつかきっとと思わせるラスト、その見せ方に感じさせた確かさ、これがよいですね。

『寿司ウォーズ』

はじめて回転寿司を体験することになった琴吹つかさ。えらい緊張した面持ちですが、いったいなにがそんなに意外というのか。なるほど、家が寿司屋さん。なのでコンベアーを流れる寿司なんてのは意外も意外、自分の見て知ってる寿司屋とはまるで違って、けれどだんだんに馴染んできてはいるようですね。

そんなつかさが、どうしても馴染めそうになかったのが、友人伊咲アリサの頼んだ寿司の数々。エビアボカド。見たこともない代物に狼狽して、さらに炙りサーモンバジルチーズやマヨコーン、およそ自分の知る寿司ではないそれらに、そんなものは寿司ではないと、拒否反応示してしまうんですね。

つかさの、知らない世界へのチャレンジ。食べてみれば意外においしかったという、その素直な反応の、けれどこれはただ寿司の味だけの話ではなく、自分とはまるで違うアリサの価値観に触れるということ、アリサという異文化に出会って自身の世界を広げていく、そういうことを寿司を通じて描いたお話だったのかも知れませんね。

2021年12月23日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年2月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、昨日の続きです。

『のむラリアット!』

初戦を勝利で飾った海音、桃ペア。さあ続くは星、みるくペア。戦うは相手校部長のローズ。どのような試合となるのか。その期待も高まろうというその前に、一方的に火蓋の切られた試合。出遅れることとなった星、みるくだけど、これ、どうなるのか。

ローズの狙いはみるくだったんですね。実績をあげつつあるものの、まだまだ新人、経験不足は否めない。そのみるくを捕えるためにあえて蹴りを食らってくるローズの手腕。こうした流れの作り方見るに、この人、反則行為しなくても普通に強いよね? それをあえてゴング前に攻撃してきたり、また星のディーバ、ありすを人質にとるなど卑怯な真似をするの、これ、自分たちがヒールであることに徹して、卑怯を演じきってると考えていいのかな。

プロレスにおけるショーの側面、それをきっちり考慮に入れての行動と考えればこうした卑怯なやり口もまたプロレスの華なのでしょうね。でも、これってどこまでが許されるんだろう。選手として試合に臨んだ末の負傷ならある程度は受け入れざるを得ないところあるだろうけど、それが選手ではないディーバであるならどうなのか。事故ではなく故意で負傷させた場合はどうなるんだろう。これってそもそも反則とられないの? などなど、プロレスにはどこまでがOKで、どこからがアウトか、ちょっと見ただけではわからないところあって難しいなあ、なんて思っちゃいましたよ。

星のカットが僅かに及ばず、みるくがダウンを喫したことで、勝負は1-1となって、恵、翼ペアの活躍に期待するほかない展開となりました。梟池最強のペアといっていいと思うんですが、すなわち次回はこのふたりの見せ場がくるのでしょうか。またなにか苦しい戦いになりそうな予感しますよね。そうした不安をもはねのける、そんな活躍を見たいものだ、なんて思いますよ。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

おお、新登場人物が! いや、人じゃないけど。

リルーの持っていた杖がしゃべりだしたんですね。ジジ・ガルガル。リルーの指南役として目覚めた、そういうのですが、今回ざっと見るかぎりあんまり指南してないね……? むしろ慣れぬ異世界に身を置いて、あれもこれもわからぬと戸惑う、そんな役割を一手に引き受けている感があって、いやね、ゾンビに襲われかけている猫を助けた時のね、モンスターではないからそこまで警戒する必要はないにせよ、危険度合いのわからぬ相手を思いっきり侮ってひっかかれるとか、ジジ殿の今後が危ぶまれる展開でありました。

杖の目覚めは所有者の17歳の誕生日。ということで、リルーのためにプレゼントを調達に出たアヤ。いやもう、ほんとハラハラしましたよ。いつもなんだか粗忽で、うっかりピンチも多かったじゃないですか。だから普通に帰ってきた時には、なるほどこれまで生き抜いてきた、それだけのことはあるのだな。さすがにいろいろ見直しましたよ。

で、その見直した矢先にレサナでビクンビクンって! リルーじゃないけど、やっぱ台無しだよなあ。このあまりの落差、ほんと、予想以上にヤバい様子見せてくれたもんだから、アヤさん、いろいろ大丈夫なの!? イメージとかそのへんも大切になさって!? もう笑わずにはおられないインパクトありました。

2021年12月22日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年2月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、一昨日の続きです。

『今日の授業は恋愛です!』

白百合会会長、ゆきの手を引き教室の外に出たさがり。はたしてなにが目的か!? って、なんか勢いでやっちゃっただけなんだ。対してゆきは覚悟が決まっていて、渾身の土下座ですか!? いや、よかった、土下座は回避されました。

さがり、あの時のことをもう許しているんですね。ただなぜあんなことをいったのか、その理由だけが気がかりで、問うて得られた答は、両親の離婚に傷ついたかつてのゆきと、さがりを傷つけてしまったことへの悔い。どうしても罪を償いたいとまでいうゆきだけれど、ここにこうしてさがりがゆきを許し受け入れたことで、ゆきも、そしてさがり自身も、過去のくびきから自由になれたのですね。

しかしさがりとの関係を深め、今回はさがりの心を支えた4人ですよ、さがりとゆきのやりとりにやきもきしてしまってて、もう大変! 動揺しまくってるりっかがよいなあ。妙に余裕のあるっぽいしらべもおかしい。いや、これはこれで焦りが見られるな。4人それぞれのリアクション、感情の発露の仕方の違いが見られて面白かった。

そして、4人にはライバル出現!? ゆき、渾身の告白! えらいことになった。さあ、さがりさん、どうする。自分のことを好きでいてくれてもかまわない、その答に今度こそ揺らぐ4人ですよ。りっか、落涙! なとせまでが余裕を失ってる。でもここで見せたさがりの決断、これだけはっきり言葉にしていわれたら4人も安心ですよ。一時はうろたえたけれど、この騒動で5人の繋がりはより一層固いものになった。さがりの明言に安堵を見せる4人の表情、同時に信頼も見えるように感じたのですね。いい情景でした。

『お姉さまのVな事情』

クリスマスシーズン。ミユキと一緒に買い物にいったマリナ。ほんとはクマのぬいぐるみに興味があったのに、ちょっと大人ぶろうとするんです。背伸びしようと頑張ってしまう、そういうところにこの子のまだ大人になりきれてない様子がうかがえて、微笑ましかったです。

さて、ミユキの目的ですよ。配信用のネタを仕入れにきてたんですね。ゲーム実況のリクエストが多い。それでマリナの買った恋愛ゲームを試してみるんだけど、これが実にあかん感じで面白い。まずコントローラーが逆持ちってところから、この人がどんだけゲームに縁遠かったかがわかります。いや、AC持ち!? いや、それはあるまい。なんてったって天地が逆だものな。

ここから描かれるミユキのゲームしてる様子、それがおかしくて、ミユキの選択があんまりだ! ってのもあるけれど、そんな選択肢がある恋愛ゲームってのもどうなんですか! ヒロインのデート先にパチスロを選べる余地がある!? もしかしたら、攻略対象のうち、ひとりくらいはこれが刺さったりするの!? でもってバレンタインデーのプレゼントに、カカオそのままとか贈れるの!? 原材料にも程がある!

いやもう、このゲーム、むしろこの残念選択肢を選ばせたい意図を感じるレベルでしたよ。ええ、自分ならきっと選んでしまう。

マリナが察したミユキの恋愛状況。ボトボト落ちてくる男子を踏まないよう気をつけてきたっていうのがまたおかしくて、銀杏!? って、踏んだら臭いのか! いやまあ臭いよな。ともあれ、酒でテンション上げながら、ときめき皆無で効率プレイに飛び込んでいくところ、これミユキの本質なのかもなあ。とにかく高い基礎力で無双していく、そんなミユキのパワープレイに現実どおりなのでは? そういうマリナに答えたミユキの言葉がよかったんですよね。

ミユキ、本音で語りあえる友達が欲しかったのかもですね。ちゃんとした人として振る舞って、そういう評価も受けてきて、それがこの人の抑圧になっていた。Vの世界では、自分の素性を隠し、逆に隠してきた素の自分を出せる。でもマリナ相手には、そのどちらも隠すことなく、ありのままの自分でいられるんですね。ミユキにとってのマリナのかけがえのなさ、それがうかがえたように思います。

『ホレンテ島の魔法使い』

熱い展開になってきましたよ!

列車に魔法で競争を挑むこっこ。風雨に晒されながら、フル装備で後方から列車に迫るその姿。車輌の屋根にあむたちを認めるも、決して列車への挑戦を諦めようとはしないその気迫。ここに描かれるこっこの本気の魔法、それがこの勝負にどれほどの思いをもって準備してきたか、自分を、魔法を高めてきたかを物語って、正直こっこの勝負に介入しようとするかるてと詠、ユシャに、や、やめてあげて! せめて決着がつくまで見守ってはあげられないんですか!?

こっこにこそ感情を移入してしまったんです。

でも、ここに介入する理由、それをきっちりあむが言葉にしてくれて、納得もいったんですね。明日帽子屋で話を聞けばいいのでは、詠の言葉ですけど、自分も同じこと思ってましたからね。でも、彼女らとこっこの決着、それがつかないことにはこっこはなにもしゃべらないだろう。その予感があるからこそ、この場でこっこに仕掛けていかざるを得ない。

どちらも本気なんですね。だからこそ、手段を選ばないこっこの攻め手が熱い。そして、そんなこっこの姿にはっしと心打たれるかるてたち、その心情もまた胸に響いて、ここからですよ、もうたまらなかったですよ。

あむの提案、それを受けたこっこ。ここで状況はがらりと変化する。介入は介入でも、妨害ではなく、共闘、5人の気持ちが一度にひとつにまとまって同じ方向を向いた瞬間。この鮮やかな切り返しに際立つ感情の沸き立ち、素晴しいの一言でした。

2021年12月21日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年12月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年2月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

今回、えらいこと妖艶なお姉さまがご登場なさって、睦子には気取られぬよう、そういって帝華を呼び出すその者は、毛倡妓の毛束潤。人を嫌っている? 帝華をつけてやってきた睦子とバチバチ火花を散らすその様子。さぞや人が苦手なのか、と思いきや、人の社会に溶け込んで美容院を営んでるんだ。しかも人気の店らしい。ただ闇雲に人を嫌っているとかではなく、それなりに折りあいをつけながら生活している。さらには帝華の母である人間の麗華とはいい関係を築けていたようで、でもそんなわりと柔軟に見える潤が、こと睦子となるとちくちく言葉の応酬がはじまってしまう。なんか相性悪いっぽいな。なにが合わないんだろうなあ。

人間や人の社会との微妙な距離感を保ちながら暮らしている妖怪の存在。これまで描かれてきた、人の社会に溶け込むことを選んだ者たちと、完全に人の世に背を向けている妖怪たち、その狭間に生きている、そんな感じでありますね。でも逆にいえばしたたかで、人の社会から得られるメリットは充分に享受して、けれど妖怪としてのプライドか、取り巻かれることは避けたい。自分にとってのいいとこどりを図っているのかも知れませんね。

今回はそんな潤と睦子の対立? でも決定的な決裂とまではいかず、どちらかというと双方帝華の保護者を自称しあう対決みたいなのやっちゃう。反りはあわないけれど憎しみあうようなところまではいかない感じ。で、この保護者対決が帝華にはちょっと嬉しかったりしてね、ああ、人の社会での保護者、妖怪の世界での保護者、ふたつの領域それぞれで帝華を見守るふたりなのかも知れませんね。

『瑠東さんには敵いません!』

今回、和村たちが置かれたシチュエーション。わかる、わかるわ。プール授業のあとは猛烈に眠い! いや、プール授業なんて小学校卒業以来縁がないのですけど、共感するのは、とにかく眠いってやつですよ。必死で起きよう、そう思ってるのに、ふと気づいたら目が閉じている! やべえ。クラスメイトが次々眠りに落ちていく教室。和村も、瑠東も、他人事ではない! その感覚、ほんと、わかる、わかるわ。これ、抗いがたいよね。

しかしあの瑠東の眠りに落ちる瞬間。プリントを和村に渡そうと振り返って、そのまま寝てしまうんだ! そこからの瑠東、和村ふたりの協定。寝てしまいそうになったら、先生の目をくらませよう。いや、ちゃんと起こしあうんですけどね。でもなかなか目が醒めないその感じ。ああ、まどろみの快楽があるよなあ。あの瑠東の表情、どんな夢を見ていたのか。和村とのロマンチックな夢なのか。夢見ごこちで、背をなぞる和村の指の感覚やいかなるものと響いたか。そうしたことごともまた魅力となって迫ってくるエピソードでした。

そしてありがとう蜂! この瑠東の機転、というかナイスタイミングで迷い込んできた蜂の有効活用とか、なんかコミカルで面白い。あの天井あたりを飛ぶ蜂を指差す瑠東とか、なんかちんまりデフォルメされてて可愛かったよねえ。今回はそういう可愛い描写も多かった。注意されて恥じる和村、優等生像が崩れて涙目の瑠東、まあふたつとも想像なんですけど、そのコミカルな描写。いやもう素晴しかったです。

『ななどなどなど』

ななどの小町ちゃんに向けるまなざし。たまらないものありますね。

文化祭での催し、歌を歌うというの、なぜそれをななどが提案したのか、その理由が実によかった。ななどには歌の楽しさがわからない。でも、それでも歌おうとしたの、ひとえに小町のためというのがね、なんていじらしいんだろう、ななどさん! 以前のカラオケ回で見せた小町の楽しむ姿。その小町の気持ちに共感できないことを寂しく思うななどが切ない。けれどそれがあるからこそ、小町が楽しんでいること、それが自分の喜びというななどの言葉が沁みるし、ななどに応えようとする小町の一念発起、それもまた胸に響いたのだと思うのですね。

昔の小町を知るこのみから見ても、小町の変化は顕著で、ななどとの出会いからはじまったこと。クラスに友達もできたこと。それらが小町に働きかけてきたこと。そのひとつの到達点ともいえる今回。ああ、小町ちゃん、ななどに向ける情愛、とても素晴しい。明確に言葉にこそはしないけれど、ななどのこと、大切に思っていることがわかる、そうしたところとてもいいと思っているのですよ。

しかし次回に描かれるだろう文化祭編。茶々来訪! うおお、波乱の予感しかしねえ。茶々様、お手柔らかにお願いしますよ。

2021年12月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年2月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

寮母さんといい編沢さんといい、ほんとお姉さん組が素晴しい。寮生たちに刺激を受けて、一度は退いた漫画に再び取り組むことに決めた寮母さん。後悔したくない、一生けんめいになりたいというその時の表情が、ほんとすっきりして、穏やかで、けれどなにか希望に溢れていて、素敵だわー。そう思ってたら、寮生たちも同様だったようで、寮母さんの作業見ようとしてむらがること! ほんと面白い。いつもの寮母さんから、ベテラン感ある先輩漫画家になっちゃってますよね。いやもう面白い。

でもってかおすちゃんですよ。皆が寮母さんから刺激を受けて調子をあげている中、かおすはどうにもうまくいかないようで、けど編沢からコミカライズの企画があると、編集部はかおすに注目していると知らされて、これかおすにはチャンスでは!? でも編沢はかおすのオリジナルを見たいと思っている。その葛藤がかおすにも伝わっちゃってるんだ。

編沢の気持ちを思って迷うかおすよ! そしてここで寮母さんの後悔しないようにという言葉が効いてくるのがまたよくって、ああ、かおすちゃん、コミカライズのコンペに参加を決めましたよ。

葛藤をにじませた編沢、そしてかおすの決心を受け入れて安堵した編沢。その表情、あまりに対極だったそのどちらも素敵だった。そのどちらもかおすのことを思うがゆえの表情なんですよ。ええ、編沢さん、素敵お姉さんです。

『ぬるめた』

めちゃくちゃ面白いな。クリスマスプレゼントにもらったもの。くるみはクラフト系のゲームをもらったっていうんですけど、これはハマるぞ、冬休み全部潰しちゃうぞー、ちあきにそんなこといわれて、最初は否定してたくるみ。でもちあきの予言が当たるの! くるみは無睡眠でもいけるから、それこそ24時間ぶっ続けで作業し続けられる。で、実際初日から昼も夜もなくノンストップで作業しちゃって、おおう、翌日になったのも気づかなかったか。

ここからが本当に面白かった。この漫画って、途中にワイド4コマを挟むでしょう? 物事の推移を描くナロー4コマのパートがあって、定点的視点から状況を描くワイド4コマのパートがわいわいとした彼女らの様子を浮き上がらせる、そのコントラスト。今回はそのワイドパートが何ページも続いて、でもってそれが1日ごとのくるみたちの様子を描くのね。メインはくるみのゲームライフですよ。順調に12月28日、29日と過ぎていって、30日も無事終わって、気づいたら大晦日。なにこの順調なドハマり状況! 初日の出は見たいといってたくるみなのに、結局ゲームの中の太陽ですませるハメに!

でもって正月には、より効率的な作業を求めた結果、くるみをPCに直結! おおう待て待て、ほんと人間業じゃない。まあ人間じゃないものなあ。怖ろしい速度で建築されていくケバブのオブジェ。それを録画してネットに公開したら、あまりの尋常でない様子に注目浴びて、一躍有名に! ネットニュースにまで取り上げられて、というか、ちょっとした怪奇現象だよこれ。だってスクリプトで効率化させてるわけじゃないって検証されちゃったわけでしょう? 異常な速度の手作業。くるみが実際のところを語っても誰も信じやしない。

って、そりゃそうだ。くるみがアンドロイドってネットの向こうの人たちは知らんのだもんな!

でもって無事冬休みが食い潰されて終わるという今回。いやもう、最高に面白かったです。まんまとちあきのいったとおりになるくるみがね、予想どおりというか期待どおりというかで、いやもうこれはたまりませんでした。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

うおー、扉の桔香ちゃん、めちゃくちゃ可愛い! 最高や。これ、カラーにならんもんですか。フィギュアでもいい。この世のものではない、そんなよさありますよね。

さて、先生が桔香をお呼びです。マッチングアプリで知りあった相手とデートします。生まれてはじめてのデート。でもなんでそれを桔香に話すの? と思ったら、先生、頼ったり相談できる相手が桔香しかいないのか! そうか、そうだった、なんかそんなことゆうたはった。でも困った大人だな。デートの相談まではまだいいとして、付き添いまでお願いするんだ!

先生、小学生なんて連れていったら、娘連れと勘違いされますよ?

そう思ったら、えらいこと考えましたな! 桔香、胴が、胴が不自然に長いよ!? どうしたん!? おおう、コートの下でツナギが肩車しとるのか! それにしても不自然。転がってくるボールに反応してツナギが駆け出すたびに桔香がえらいことになる。そうした奇行の数々。これを見て若干引きながらも受け入れてくれたこの男性、けっこうな大人物なのでは!? もうね、カフェでの異様に座高の高い桔香とか、ほんと奇妙通り越して異形よ!?

でも、この桔香のいろいろが功を奏して、無理せず自然体でって流れになったのよかったのでは? そこからの肩肘張らないデート風景は本当にいい感じで、だって男性も桔香も、それになにより先生も、みんな気取らぬいい笑顔なんですよ。ああ、これはいい。このふたり、さらに先に進んだりするんじゃないですか? ええ、そうなってもいいんじゃなくって? そう思わせる雰囲気あったんですね。

でも、それがまさかの綻びで破談に。男性、ロリータファッションに詳しい? 理解あるのかな? と思わせてからの否定の言説。いや、これ、ほんとは理解があったりしたんじゃないのかな? 男性なのにロリータファッションが好きとか知られたら嫌がられるんじゃないか、そう思って防衛的に否定して見せたんじゃないのかな。いや、それはないか。先生の言葉を受けてからの流れがスムーズすぎる……。うん、妹さんがロリータファッション、甘ロリをやってるんでしょう? でもそれを恥ずかしいって、やめさせたいって、もしこれが本音なら、恋人が、妻がそういう格好をすること、受け入れないよね……。

好きなものを否定されてつらそうにしてる先生を見て、代わりに怒ってみせる桔香、この子は本当にいい子だよなあ。じんとさせられるものがありました。桔香にとって、先生が苦しんでる姿は耐えがたかったのでしょう。誰かの痛みを自分のことのように感じて、その人のために怒る。桔香の優しさが光る、そんなエピソード。桔香のことがもっと好きになりました。

2021年12月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年2月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年2月号、発売されました。表紙は『ステラのまほう』。グランドフィナーレ! を迎えるということで、表紙&巻頭カラーに登場です。表紙には珠輝、水葉、乃々の3人が、手にそれぞれ色違いの星を持って、手渡そうとしている様子が描かれまして、これ、卒業しようという先輩たちに贈る星なのですね。タイトルにあるステラ、すなわち星を、こうして最後にまで先輩、後輩の思いを繋ぐシンボルとして取り扱うところに、この漫画における星の意味するところを改めて思い返させてくれる、そんな表紙であったと思います。しかし、この3人、それぞれの表情の違い、ここにこの子たちの個性の違いがまた見えてくるの面白いですね。ええ、微笑んでいたりツンだったり、けれどどこかしらに憂いがまじってるの、別れの寂しさ感じさせてくれてたまらないですね。

今月は新規ゲストが3本です。

『SAN値直葬!闇バイト』

黒ベタ制服に黒髪ショート。絵にメリハリがついて悪くないな。主人公の黒乃あかりは一家離散の憂き目にあって、若い身空で貧乏暮らし。そんな彼女の見つけたあやしい高級バイト。時給5000円! なにそれ! 自分がやりたい! 仕事の内容はオカルトショップの仕入れ。しかしなにを仕入れるのか。普通の仕入れ担当……、ではないみたいね……。

ええ、SAN値直葬。おおまかにいってクトゥルフのテイストちりばめられたこの漫画。同じく今日からバイトをはじめた明治こよと一緒に、店主アメンパインの開いた異世界への扉? いや、この星に到来している暗黒ぬいを捕獲せよとの説明からするに、向かう先は地球のどこかなのか。

オカルトショップの商品として、ぬいぐるみをという話が出た時、ふたりでぬいぐるみを作ることになるのかな? と思ったら、人の世界に仇なす脅威、暗黒ぬいを捕獲して無力化、そして商品化しようという計略。これ、返り討ちにあったりせんのかな? 安全は保障するっていってるけど、命にはかかわらないだけでそれなりに危険とかなんじゃないのかな?

かくして、暗黒ぬいとの邂逅は次回に続く。ほんと、どんなやつらなんだろう。見た目だけは可愛いのか、あるいは見た目からして可愛さからは程遠いのか。どんなのくるのか、そこからもう楽しみです。

『マグロちゃんは食べられたい♥』

おお、陸釣りでマグロってほんとに釣れるんだ! 確率は僅少、奇跡レベルのSSR魚種だけど、いずれはマグロを釣り上げて、丸ごと一匹食べるんだ! それを生き甲斐(?)として毎日マグロチャレンジを続けていたみさきがようやく釣り上げたマグロ! けれど、友達のなぎさを呼びにいってるうちにそのマグロは人の姿に変わってしまっていて……、なにもの!? 妖怪変化!?

しかし、釣り上げた元マグロのお嬢さん。自宅に連れてきたのはいいけど、冷蔵庫の中にはマグロしかないんですか! マグロって倫理とか気にする? なぎさがいろいろ気を使ってくれてますけど、多分彼女が本当のマグロなら、気にせずいっちゃうと思う。で、配慮の末におにぎりを食べさせたんだけど、具がまさかのツナマヨ! いやもう、この微妙なブラック加減。悪くないですよ。

しかし、みさきたち、マグロ子を人の姿からマグロに戻そうとしてますけど、そうなったらさばいて食べちゃうの!? それはそれでなにかちょっと抵抗あるよなあ。でもマグロ子は食べられる気満々!? いいのん、それで! この言葉の意味するところはなにか。まあ、マグロの掟にいう血肉云々からしても捕食されるってことなんだと思うんだけど、ほんと、この微妙に応答に困る発言。いやもう、みさきの判断やいかに! ですよ。ちょっとしたコンフリクト発生しそうでわくわくしますね。

『令和人妖街道』

姉と一緒に田舎に引っ越してきたゆず。家から遠くに見える神社にいってみたら、そこには背に羽根を背負った女の子がいて、コスプレ? いや、烏天狗だっていうんですね。

神社に住んでる? というわけでもないみたいですね。ふと気づくと周囲の様子ががらりと変わってしまっていて、昼間だったはずなのに夜? しかも出店、屋台がずらりと並んで、お祭り? 縁日? ゆきかう人たちも、額に角を生やしていたり、蛇のような姿をしていたりと、おおよそゆずの日常からはかけ離れた見慣れぬ風体。ああ、ゆず、人の世とはまた異なる世界へと迷い込んでしまったっていうんですね。

かくしてゆずは、さきほど出会った烏天狗の女の子、守日天、シュニの力を借りて世界を繋ぐトンネルを通り、もとの世界に帰りつくんですが、その途上でついついふたり買い食いしちゃうというのがね、しかもシュニがお金持ってないっていうので、ゆずのおごりですよ。あの、ホクホクのジャガバターにありつくふたりの様子、これがね、ほのぼのしていてよかったんですよ。

2021年12月17日金曜日

Real VR Fishing

 ついにきました、『Real VR Fishing』US West DLC! 本日、帰宅してすぐに『Real VR Fishing』のアップデートを開始。Oculus Quest 2の充電をする間に日課の『Fit Boxing』をすませ、夕食もとって、さあ準備は万端ですよ。US West DLCはゲーム内のマップ画面から購入できることは確認済み。ヘッドセットを装着、ゲームをスタートしたら、おお、なんかメイン画面がグレードアップしてるよ!? いやもうこの時点でもう大興奮。これ、US Westを皮切りに、世界各地の釣り場もリリースされること期待させてくれちゃいますよね。

世界地図からアメリカを選んで、DLCを購入! 最初のステージはカリフォルニア州ヨセミテ渓谷です。

ヨセミテ公園、すごい景観ですよね。あの白い岩山が眼前にドーンと広がった瞬間、すげえ! もう感動でしたよね。もちろん見回せば反対側も見渡せるわけで、こうしたところはVRの面目躍如たるものがあります。自宅にいながらにしてあたかもヨセミテにいるような気分になれる。その面白さは、ちょっと体験したことのない人には伝わりにくいものがあるんじゃないかあ。

だから、まずは試してみてほしいって思うんですね。

US Westは標準の韓国ステージとはプレイヤーレベルが別枠になっているので、またレベル1からのスタートです。ステージはヨセミテのみ、釣具も餌釣り用の初期ロッド、初期リールからのスタートとなりました。

でも、これがですね悪くないんですよ。釣れる魚の一覧を見れば、韓国でも釣れたニジマスが登録されているのみ。ということは残る魚はこれから自力で釣っていく必要があるわけですね。いったいなにが釣れるんだろう。気持ちは自然と高揚して、投げては巻き、投げては巻きの繰り返し。ええ、釣りましたよ。最初の釣果はカリフォルニアローチでした。小さい!

ロッドやリールのグレードが低いと、魚のヒキに負けやすくなるし、また遠くまで投げられないなど、できることに制限がかかるんですね。でもこうした制限があるからこそ、釣った魚をリリースしてはレベルを上げて、より上位のロッドが使えるようになった時の喜びも大きいわけです。これ、最初の頃を思い出しますよね。最初は釣れなかったライギョが釣れた時の喜びとかね、ええ、あれは嬉しかったなあ。

できることが広がっていく面白さは、浮き釣りのベータテストに参加した時にも感じていました。まったくの初期状態からスタートしたベータテスト。魚を釣って、リリースしてレベルを上げるか、キャッチして資金を集めるか、その2択を迫られるところが面白い。

US Westではこれまでしこたま貯めた資金があるから、そうした楽しみはないのかな? レベルも最大まで上げてるから、最初から好きなステージにいけたりするのかな?

いけませんでした!

経験値をとるか資金をとるか、その判断こそはありませんけれど、もう何匹か釣ったらレベルが上がる! そうしたら1段階上のロッドが使えるようになる! これまで届かなかったところにまで投げ込めるようになる! 餌釣りからルアーに、また使えるルアーの種別もだんだん増えていって、狙いの魚にあわせた餌、ルアーで挑戦できるようになる。

この面白さ! いやもう買ってよかったUS West DLC!

でも、あと数日したら最高レベルまで上がっちゃいそうだから、もう今のうち! 今のうちにこの楽しさを満喫しておこうと思います。

マスノスケ、これは最初にヒットした個体がバレて落胆した直後にかかったやつ。同一個体なのかな。だったら嬉しいな。もう少しで取り込めるってところまで寄せたのに、不用意に巻いたせいで糸が切れたんですね。ルアーまで持っていかれてしまいました。

エピックの前にいたやつですね。名前は忘れました。なんとかトラウト。このステージ、とにかく何種類もトラウト、マスですね、がいるんですよ。

そしてついに釣り上げました、レアフィッシュ!

最初、シルエットを見た時は淡水フグ? みたいに思っていたから、ちっこいのがあがってきた時は、こいつかあ! ってなりました。しかしこれなんなんだ? と思ったら、デビルズホールのキプリノドン。

すごい名前! 調べてみたら百匹ちょっとしかいない超レア種で、もちろん絶滅危惧種。本来ならネバダ州のデスバレーにあるアッシュメドウズ自然保護区にしか棲息していない魚みたいですね。だからヨセミテで釣れるのはおかしいんですけど、そこはゲームのよさですね。超レアの絶滅危惧種を釣っても怒られない、これもまたゲームのよさだと思います。

ヨセミテ渓谷で釣れる魚種、残すはもう一匹のレアとエピックですが、エピックはまずレベルを上げきる必要があるからまだまだ先のことになりますね。

レアを釣るまでヨセミテに居座ってもいいんですが、それもつまらないので、明日はステージ2。どこだっけ? 夜釣りを楽しみたいと思います。

2021年12月16日木曜日

Real VR Fishing

 もう待ち切れないんです。『Real VR Fishing』。いわずと知れたOculusで遊べる釣りゲームですが、つい先日のアップデートで浮き釣りに対応。そして明日には初のDLC、北米西海岸DLCがリリースされるというので、もうものすごく期待しているんですよ。西海岸じゃないな。US Westだから米国西部っていった方がいいですね。内陸の湖や川、ヨセミテ国立公園とかもあるみたいで、ほんとどんな景観が待っているんだろう、そしてどんな魚が釣れるのだろうと、期待は高まるばかりです。

というわけで、こんな魚が釣れます。

ホオジロザメとか、もうえらいこっちゃですよね。

でもってこちらが釣り場の一覧。

海はもちろんですが、ナバホとか期待したい。

日本では17日午前3時くらいがリリースタイムになるみたいですね。って、そんなん起きてられん! ということで、明日の夜までおあずけ決定なのですが、気持ちははやる、どうにも待ちきれない。と思っていたら今日のアズレンに、たまさか釣りをしている阿武隈のイラストが登場。

ああ、これは天啓かも知れない! というので以前から考えるだけ考えていた阿武隈アングラーズクラブを発足しようか、などと思っている次第です。

2021年12月15日水曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年12月14日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年1月号

 『まんがタイムきらら』2022年1月号、昨日の続きです。

『そらコミュニケーション』

安曇先生、ガチ宇宙警察だった……。しかもここぞというタイミングで介入してきたの、ソラのヒューマノイドボディを狙う狐耳を監視していたのではなく、ソラたちこそが監視対象だったから……。ああ、バレバレだったのね。

しかも他星人とのコンタクトは違法とくれば、いよいよ風向きがよろしくない。でもソラたちが監視されていたのは、この子たちの行動を警戒してのものではなく、さらわれたせんりの両親について捜査していたから。というので、見事ソラにアクセスしてきた狐耳、カペラを手掛りに両親の居所も判明。無事に両親も帰還して、いよいよ大団円。ええ、ずっと気掛かりだったこともこうして解決して、さらにはソラに危害を加えようとしてたカペラも結局は命令の勘違いによるもの。これという悪人もいないという終わりを見せようというのですね。

次回グランドフィナーレ。しかしここにきてソラたち強制送還の憂き目? これが今生の別れとなるのか否か。いやきっと、なにかしあわせなラストが待っている、それを期待しつつ次号を楽しみにしたいと思います。

My Private D☆V

『死神ドットコム』の優しい内臓です。

D☆Vポイントといったらいいのかな、「成人したキャラの学生時代を考えるのが好きです」。おお、わかる。自分は作る側ではないから読者視点だけど、大人キャラの昔の姿、過去エピソードとか大好きですよ!

ということで、イラストは『死神ドットコム』の主要キャラの学生時代が振り返られて、いや、とてもいい、メルメル、あんまり変わってない感じもするけど、なんか真面目に学生やってる感がとてもいい。でもってタマ! あなた! 学生時代、そんな感じだったの!? 普通の子、ちょっと内気な女の子って感じなんだけど、それがどうなってああなったの!?

背景もいいですよね。メルメルとミライは学校ですよね? でもってこだまとタマは背景にお城、ってことは修学旅行? ちょっといつもとは違うシチュエーションに気持ちが高揚しているのが伝わってくるの、これがまたよくて、青春ですか? なんか見ていると気持ちがほのぼのと暖かく、自然笑みも浮かんでくる、そんなよさがあるんですよね。

だからこそ思うのだけど、タマ、なんであんなことに……。ほんと、なんであんなことに……。

2021年12月13日月曜日

『まんがタイムきらら』2022年1月号

 『まんがタイムきらら』2022年1月号、昨日の続きです。

『それでは、ステキなセッションを。』

おお、連載になりますか。これは僥倖、けれど同時に妥当という感じがしますよね。ええ、面白い。絵もコミカルで愛らしく、物語のギミックとそれが引き出す芽依たちの感情、それが素直で気持ちよく響く。今回、ゲスト分3話目はこれまで芽依と一色が経験したこと、その整理と振り返りって感じではあったんですが、それと同時に、芽依がお助け妖精の不思議アイテムで経験した演奏の、音楽の魅力、それを通じて自分の今いる場所からずっと先へと気持ちを向けるようになっているのがとてもよくて、このキラキラとした希望の眼差し。いやあ、引き込まれる、そんな感覚ありますよね。

そしてお助け妖精、てんちゃんとの再会! 一週間ほど姿を見せなかった、その理由が面白かったな。そうか、アイテムの補充が必要なのか。一色が底引きしちゃったわけだな。今回はてんちゃん、お助け妖精がなにを目的としているか、それが語られて、とりあえず悪いやつではなさそうだな! なんかいつしか妖精っぽいやつを見ると疑ってかかるようになっちゃってるわけですが、てんちゃんはお助けアイテムで人をしあわせにしてえもーしょなるポイントをゲット。さらにミュージシャンのライブを通じて、オーディエンスからもゲット。とにかく人をしあわせにすることが目的。と、いろいろがスムーズに納得いく展開。そしてここから先に広がる世界、それを垣間見せてくれたのもまた実によかった。彼女たちの前に道が開けた、そんな感覚が素敵でした。

『ぎんしお少々』

しろに伴われて一緒に姉たちのもとへと向かったもゆる。しろの手にしているカメラと自分のカメラを比較するところ、面白かったな。そうか、ホルガってシャッターボタン押すだけじゃないんだ。これは知らんかった。これ、あえて手ぶれするようにそうしてるのかっていいたくなるような機構ですね。初心者ながら、このカメラとつきあってるもゆる、ちょっとすごいな。いやほんと、スローシャッター切るときとか息止めますけど、スローとか関係になしに常にそうなんだ。大変。

さて、しろの写真撮影、もゆるをファインダーにするというの、それが徹底されてたの面白かった。駅に向かう道すがらでも、それからすずの部屋でも、もゆるの気持ちがぱっと動いた時がしろのシャッターチャンス。部屋の写真撮りまくってるの、不動産の人? とか思われてるの、地味に面白かったな。

でもね、このなんでもない部屋の写真、当たり前でなんの面白みもない、そんな風に思ってしまいがちな写真、こういうのが後から振り返る時に効いてくると思うんですよ。あんまりに当たり前だから気にもしてない、でも長い長い時をへて変わってしまったり失ってしまったりした情景に、その当時の当たり前が思い出されるの。あの頃感じていたこと、日常の感覚、動作や匂い、暑さ寒さ、しんどかったこと、楽しかったこと、一緒にいた人のこと、記憶のどこかに残っていた感覚をずるずると引き出してくるような、独特の感覚でもって次から次へと思い出がひと繋がりになって出てくる、そんなことになるかも知れないよ。

ええ、お姉ちゃん、シロチャンの写真、大切に残しておきなね?

しろの写真、ずっともゆるを指針に撮っていた。けれど、突然話しかけてきたもゆるを撮った思いがけない一枚。これがどうなるのか。しろの意図したものではないにせよ、他の誰でもないしろの撮った写真になるのかもですね。ええ、成果物を確認する時が楽しみですよ。

『桜色プルーフ』

文芸部の部室から徐々に消えていく本の謎。その謎を解くべくさくらたちが文芸部を訪れれば、そこにはあったはずの本が、本棚ごとまるまるなくなってしまっていて、この消失事件! いったいいかにして解決されるのか!

その解決編だったわけですが、なるほどなあ、ちゃんとこうなる理由、部屋の外から見ていた時と実際に部屋を訪れた時の細やかな違和感、意識のズレもろもろ、こういうところに本来は存在していなかった謎が生じてしまっていた。

謎とその解明の面白さを提供しながら、連続ゲスト最終話となる今回は、ずっとさくらの心の奥にうずいていたコンプレックス、それも解消していく、そんな話になっていたのがすごくよいと思いました。4話をかけて描いてきた3つの事件、それを通じてさくらの気持ちに徐々に接近していって、それが4話目にして解消されるという構成もまた魅力的。掌編としても読みでのある4話だったと思います。

2021年12月12日日曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年12月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2022年1月号

 『まんがタイムきらら』2022年1月号、昨日の続きです。

『えるくえすと!』

皆で海。けどエル一同はあんまりテンションあがってなくて、なるほど、海イコール旅の通り道という認識だったんですね。でもって水着もはじめての経験? そうか、エルたちのいたゲームの世界はあぶないみずぎとかなかったんだ。

海で遊ぶという段になって誰ひとりなにをしたらいいのかわからないっていうのがおかしくって、海は通り道組は当然としても、こっちの世界組もなの!? ああ、基本インドアな人たちだから……、っての、ほんとに面白い。だよなあ、自分も最後に海に入ったのいつだったかもう思い出せないくらい昔。なにをどうしたらいいかわからない組であるのは間違いなさそうです。

でも遊びはじめたら楽しくなるのがいいですね。海に入ってもいい、浜で遊んでもいい、それぞれに海を楽しんでいて、と思ったらまさかの魔物出現!? そうでした、魔物もきてましたね。しかも悪いことに、レベルが下がって魔法が使えなくなってるアレッタが襲われてしまってさあ大変。って、きらら誌で触手は結構ぎりぎりでは!? いいんですか!? 小学生も読んでるんですよ! 巻頭のカラーページに書いてました!

今回はセリが大活躍でしたね。腕力でもってモンスターを引きちぎって撃退。めでたくふたりもレベルがあがって、セリがレベル3にアレッタが2に。ええ、こうして少しずつ歩みを進めていけたこと、セリも少し自信が持てるようになったこと、大変よかったと思います。

ああ、それと、アレッタさんは気にしなくていいと思います!

『むすんで、つないで。』

うわあ、榊姉妹、めちゃくちゃ可愛い! ハロウィンの仮装だっていうんですが、お化けっぽいフードつきポンチョみたいのんかぶってましてね、それがまあ可愛いの。お化けというかてるてる坊主というか、みたいな格好になってますけどね、でもイベントを楽しんでるふたりのそのきらきらの笑顔。素晴しいものがありますね。ええ、素晴しい。

対照的なのが苺。ああ、君、わりとやる気ないな! うん、まあこの子の来歴考えたら花ノ子や白百合みたくはしゃぐのはちょっとキツいよね。

今回素晴しいの、七色ですよ! うわあ、頑張りましたね! 軽く仮装をとつなぐにいわれて、黒いワンピースで魔女っぽい装いしてみたら、えらい気合いはいってるみたいになっちゃって、恥ずかしい!? でもすごいよね、めちゃくちゃ可愛いよね。七色、ポテンシャル高い子! いやもう自信持っていこう。君は最高だ。

この子のつなぐとのやりとりの合間合間に見せる表情、それもよくって、ああ、つなぐと一緒にいろいろ経験して、それがこの子の可能性を開くことになったら素晴しいなと思う。子供たちにお菓子を配るのも、なんかハッピーハロウィンって繰り返してるだけだってキャプションにいわれてますけど、それでもだんだん気持ちが開かれていってる感じしてますやん。それがいいんだと思う。少しずつでも七色、成長してるんですよ。頑張れ七色。やれてる! やれてるよ、七色!

そしてミステリアス白百合! この子、本当に美少女だな。次のページの舌出し白百合も素晴しいよね。ええ、ものすごい威力。で、それを受けて混乱してる七色もまたいい。ええ、七色、いけてる、いけてますよ!

『推しごとびより』

今回は2本立て! 1本目は同人誌のイベントなんですが、ということはゆず湯先生メインですね? 会場に到着するまではやる気たっぷりだったゆず湯先生。しかし設営の途中、そのやる気がくじける!? なんと、ダンボール頭からかぶってゆず湯先生不在を装う。いったい、いったいなにが!?

なるほど、カラフルリウムのチラシ置いたもんだから、同人作家ゆず湯とアイドル柚葉、異なるイメージの自分がまじらないようにとの苦肉の策だったんですね。

でも、ほんと、強引すぎておかしいんですよ。ダンボール箱仮面がね、チラシのこの子はゆず湯先生? との疑問が呈されるたびに、違います、気のせいです、ことごとく否定していくんですけど、無理すぎるよ! そもそも常連さんだったらゆず湯先生の顔、知ってるでしょう? とか思ったんだけど、これでゆず湯先生の気がおさまるならこれでいいのかな。

と思っていたら、完売後に訪れたお姉さん。くろまめ茶先生との交流が柚葉の気持ちに区切りりをつけて、隠したかった自分の違う側面、それを表に出すことに納得いったんですね。これはおそらくは柚葉の自己像、異なると思っていた、分けたいと思っていたものが、そうではない、両方ともに自分なんだと思えるように変化したっていうことでもあるのかも知れませんね。いわば柚葉の気持ちのバージョンアップの瞬間、それがあの時だったのですね。

そして2本目ではCDのジャケット写真を撮りますよ。ここでね、なるが心町とのお揃い衣装をしれっと用意してきたりしててね、おお、やってくれるなあ、なるさん! あくまで偶然といいはるなるさん、素晴しいわ。で、その表情が実にいいんですよ。ほんとマイペースさが魅力です。

しかしCDジャケットどうしましょう。柚葉の発案で、アニメのオープニングとかでよくありそうなジャンプシーン撮影してみたりね、おお、これすごくいい感じじゃないですか! みたいに思ってたら、ばたんと落下して現実は厳しい……。続く芝生案も、ちくちくする、アリがいる! 軽いパニックで、全然しまらなくって、こういうドタバタが実にカラフルリウムらしいって感じましたよ。

そしてジャケットの写真、いい感じに仕上がるくだり。ああ、彼女たちが一番輝いてるのはどういう時か、それをよくよくわかってもらえていましたね。そう思わせてくれる展開。ええ、実際とても魅力的だったと思います。

2021年12月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年1月号

 『まんがタイムきらら』2022年1月号、昨日の続きです。

『スロウスタート』

移動教室で山を登っている一年生たち。それはいいんだけど、花名がもう限界ですよ……。この子、一年のネガティブ期間がたたって体力激落ちしてましたよね。それ、まだ回復してないんだ。実際、もともと体力に自信ありって感じの子でもなさそうだものなあ。

かくして宿舎にて寝込んでいる花名。なんだろう、うつぶせ花名さん、不思議とスタイルがよく見えます。つきそっているのはたまてさん。でもってこの子が、一番に散策とかに飛び出していきそうなこの子が、こうして宿舎に残ったのは、花名と話したかったからなのですか。

果実と花名の関係にヤキモチを焼いていた。そう告白するたまて。ああ、この子、やっぱりちょっと寂しかったんだな。自分たちより同い年の友達のほうがいいのかなって、モヤモヤ抱えていたんだな。そしてここからのふたりの会話がまたよくて、花名にとってずっと変わらず接してくれているたまてたちがどれほどに嬉しく思えたか、しみじみとした語り口に、この子の気持ちが沁みてくる。ほんと、ふたりのやりとり、とてもよかった。それだけに、あの大人なやりとりのくだりがおかしくって、たまてさん、その間はいったいなんですか!?

ふたり並んで眠る様子、あの表情、安堵が感じられるの、それもまた素敵でした。

『ほぐして癒衣さん。』

夏鈴の着ているセーター。これがあまりにくたくた、あまりにボロボロだって、朝霞から指摘が入りました。最初のうちは遠回しな言い方だったのが、だんだんダイレクトになっていくの、面白かったなあ。それくらい、癒衣と夏鈴の関係に気持ち掻き乱されちゃってたんですな。でも、それで夏鈴のこと可愛いんだからとかいっちゃって、なるほど、朝霞さん、悪い人じゃないってのは間違いないって感じであります。

それで週末、ふたりで服を見にいきます。夏鈴の服を選びながら、癒衣とお似合いになったらどうしようとか葛藤してる朝霞がちょっとおかしい。でもって朝霞から夏鈴への頼み事。なるほど、夏鈴とのハグを試してみたい。いったい癒衣がなにを求めているのか、それを知ろうとしてのことだったのだけど、ああ、朝霞の体温が高いの、癒衣が朝霞を選ばない理由を適当にでっちあげたとかじゃないんだ。ほんとに熱いのね! 真っ赤になってる夏鈴がおかしかったです。

で、翌日の会社でのこと。癒衣から新しい服に気づいてもらえてる夏鈴とまるで気にしてももらえていない朝霞、その差よ! いやほんと、朝霞さん、むくわれないですねえ。

『星屑テレパス』

瞬とのロケット対決。瞬より高く飛ばせたら話を聞いてくれる、そうあらためて確認する海果。ああ、海果、しっかりしてきていますね。絶対勝つというその眼差しの確かさ、そこにこの子の揺がない気持ちが溢れていて、ああ、これは勝てるのでは、勝てないなんてことはないだろう。

そう思っていたら、そう簡単には話が動かない。勝てた、勝てました。でもなにかおかしい。海果たちのロケットは76m、対し瞬は31m。不自然なほど飛んでいない瞬のロケット。なぜか? ああ、瞬、あえて出力の低いエンジンを使って、わざと負けたんだ。なんのために? 海果たちロケット同好会に自分の力など必要ないだろう、そういいたいがため負けたのか。

ここからの皆のやりとり。なぜ瞬はこんなことをしたのか。瞬の抱えている気持ちとは。その問への答をずっと海果たちは探して、そしてついにここに導き出すことに成功したんですね。瞬に強さを感じてきた海果。自分は駄目なんだと思ってきた海果。でもそうじゃなかったんだ。自分がそうだったように、皆が居場所を求めていた。皆が作ってくれた自分もいてもいいと思える場所。今度は、瞬がいてもいいと思える、そんな理由に自分がなるといった、その言葉にはしたたかに打たれて、ああ、本当に海果は強くなりましたね。

これまでの紆余曲折、これを経てようやくはじめて彼女らの挑戦ははじまるのかも知れませんね。ここが本当のスタートライン。長かった、時に険しく、はらはらもやきもきもさせられた、でもそれだけにこの地点に立てたこと、それがこんなにも嬉しい。悩んで、迷って、泣いて、乗り越えた、その過程があればこそ、彼女らの結束はより確かなものになったのですね。

2021年12月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2022年1月号

 『まんがタイムきらら』2022年1月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』。なんでもない冬の日常風景? と思いきや、ゆずこ、唯、紫の3人ともにショッパー下げて、これは買い物帰り? おや、ゆずこと紫はサンタ帽を被ってますね! ということで、これからクリスマスの準備ってな感じでありますよ。ゆずこの手にはクラッカー、紫のショッパーからもツリーの飾りつけがのぞいていて、ということは皆の買ってきたもの、互いに交換するプレゼントなのかも知れませんね。

今月は新規ゲストが1本です。

『きもちわるいから君がすき』

びっくりしました。弱気でおどおどしてる子と勝気でツンツンしてる子、ふたりの互いに隠している恋心? 人づきあいが得意でなくて、なにをやっても失敗しがちな女の子、御影依子に一目惚れした飾磨司。その思いを寄せられる依子はというと、いろいろ苦手は多いながらも、司のために並んで人気のプリンを買ってきたりと、わりと前向き? 友達のためならチャレンジできる、そんな子みたいなんですね。

しかし、なにがびっくりしたといっても、この依子のためにいろいろ心を配る司、この子がメインなんだと思うじゃないですか。依子がこのまま駄目になったら、引きこもりになったりしたら、自分がこの子を囲い込める。そんなこと考えたりして、けど依子を不幸にするわけにはいかんと思いなおしたりして、そうしたところがタイトルの理由になってるのかな? この子の依子に対するちょっと行き過ぎた思慕、執着心、そうしたものがメインになってくるのかな?

みたいに思ってたら、違った! うはー、マジかー、やってくれますね、依子。この子のいろいろ、ことごとく演技だったのかい? 忘れ物もこけたのも、それら全部、司に構ってもらうためにあえてやらかしていたっていうんですね。

そしてこの子の行き過ぎた思慕と執着心。うわあ、ヤバいなあ。えらいもん見せられてる気がする。と、いやほんと驚きました。どないしたらいいのかわからん、そんな読後感でありますよ。

『けいおん!Shuffle』

同好会から部に昇格した軽音部。部費が出たおかげで機材や備品をしっかりしたものに更新することができて、ああ、この子たちの活動、順風満帆ではありませんか。よきかなよきかな、と思っていたら、なんだか下級生組の雲行きがあやしい。ええと、生徒手帳になにを見つけたのだろう。

そこからのリサと蘭花ですよ。真帆に対する態度がなんかおかしい。嫌われることしたのかな、不安になってる真帆だけど、まさかふたりして真帆の送別会の準備しとるとは! 真帆、追放!? いや、違うな後輩ふたりは真帆のこと大好きだな。とりわけ蘭花。あんなにも泣くとは思わなかった! というか、なんでこんなことに? 一番の当事者っぽい真帆が状況把握できてなくて、右往左往しとるよ!?

なんとまあ、校則で部の掛け持ちが禁止されとったんですか。バスケ部所属の真帆は軽音部との掛け持ち不可。ゆえに去らねばならない。えらいことになってまして、蘭花が泣けば真帆も泣く。もう随分な状況じゃないですか。しかし、真帆を軽音部に残留させねばならぬということは、これから部の掛け持ち禁止条項をなくすべく校則改正運動を繰り広げることになるのかい!? とか思ったら、先生から思わぬ情報もたらされて、なんとまあこの校則、有名無実化してるのん! むしろ今や掛け持ち推奨されてるとのことで、ああー、だったら校則ちゃんと改訂しとこうよ!

でも今回のこの騒動、真帆と後輩たちの絆向上イベントでしたね。真帆と蘭花の涙ながらの抱擁とかもそうですが、素直になれないリサがにじませた感情とかもね、とてもよかったと思います。しかし真帆さん、慕われていますな。紫なんてドラムがうるさいって邪魔がられてましたよ?

2021年12月8日水曜日

『まんがタイム』2022年1月号

 『まんがタイム』2022年1月号、昨日の続きです。

『茨城ってどこにあるんですか?』

ええっ、茨城最下位再び!? っていうか、最下位脱出が話題になったの、あれからもう一年が経ったの!? マジかー、一年ってあっという間だなあ。いやもう、茨城県最下位よりもそっちの方がショック。ともあれ、ショックを受ける多恵に去年のリベンジ、追い討ちをかける森戸が素晴しくいい表情。ああ、この人、すごい美人さんですなあ。

しかし今回はテンション高めで面白い。ケーキを分けるのに、都道府県の順位に応じてランクが変わるっていうのね、いくらなんでも茨城組のそれはあんまりでは!? というか、すでにケーキどころか食べものですらないっすよ……?

アカリンの前向き発言とかよかったですよね。と思ったら、そこに現れたのはカッパマートにも出入りしてる業者さん。即座にアカリン真正面から告白、でもって玉砕! なにこのスピーディすぎる展開。と思ったら、業者のお兄さん、この人、カッパマートの店長のことが好きだったんだ! 葵さんね、覚えました。速攻でSNSアカウント交換して友人になってるアカリンのたくましさよ。

で、なぜこの人の性的指向が突然明らかにされたのかな? と思ったら、なるほど、パートナーシップ制度、県としては茨城がはじめてなんだ。いいですね、こういうのに積極的なの、実にいいと思います。

でもって、東京に憧れ続けてる多恵の茨城に対する思いの発露! おおう、そのたとえが母ちゃんに直撃しちゃった。よかった、母ちゃん、よかったですね。娘さん、いい子に育ってますよ。

『良倉先生の承認欲求』

古岩先輩、SNS再開ですか! でもそれで、部をあげて緊急SNS講座開くとか、ほんと仲のいい部活だなあ。というか、古岩先輩、さすがに恥ずかしいよね。で、ここからの表明いろいろ、ちょっと自滅気味だったり、流れ弾が良倉先生に着弾してたりと、もうほんと面白かったです。

しかし歯に衣着せぬ古岩先輩。かつてのSNSでの失敗って、辛辣なリプで炎上しちゃったんか! いやもう大変。で、ここでね良倉先生からの炎上を避けるための心得、それがとてもいいの。ただ炎上を避けるだけでなく、軽はずみはいけませんよ、炎上被害にあうだけでなく、他者を傷つけないよう気をつけましょうというその気持ちがね、優しさ? 深慮感じさせてとても頼もしかったです。

で、最初はいいねなんてと思ってた古岩先輩がいいねの魔力に取り込まれそうになるラスト。おおう、星畑のこと意識しまくっちゃいますか! いやもう純情少年。なんと可愛いやつでしょう。

『秘密のお姉さん養成ノート』

主任のおうちで宅飲み。なのにそんなに絢爛なドレスでいっちゃうの、蛍さん!? たまたま出会ってド肝抜かれてる紀ノ川さんがおかしい。で、ここで紀ノ川さんも合流。めちゃくちゃハイになってる主任がすごい! あの、蛍グッジョブといわんばかりの顔もすごい。というか、君、仕事ででかしたって思ってもらったことなかったの!?

今回、皆がそれぞれにテンションあがるイベントになってるのがおかしいですよね。主任は紀ノ川さんの参加。蛍は主任の服を貸してもらって。もう日頃見られないようなハイテンション。というか、ここでさらに判明、蛍ってスタイルいいんか! なんかちんまりお嬢ちゃんなのかと思っとった。すまぬ、意識を変えていかんといけませんなあ。

飲み会の情景、恐れを知らない蛍と、どこか自重しないではおられない主任、その差とかも面白くって、いやいや主任、酔っちゃったふりしてタガを外していきましょう。正直、そういうちょっとはっちゃけた主任とかも見てみたいです。蛍ほどじゃなくてもいいから、たまにはやらかし気味にいってみてくださいよ。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

今回は牧さん回か! なんと、牧さん、彼氏ができました!? 婚活アプリで知りあったという彼。弁護士を目指すフリーターなんだそうですが、あやしい……、あやしい? 婚活詐欺もあるからねって釘を刺されてた、まさかそれをなぞるような展開を見せるの、うわあ、これどうなるの!? でしたよ。

たまたまその場に居合わせた琴音と真由、ふたりの反応が全然違ってて、詐欺を疑う牧に真由、でも琴音は心底信じちゃって、おばあちゃん思いの人だって感動しちゃってね、そこから一直線に動いちゃうのなあ、これが琴音って人なんだなあ。危ういなあ、危うくない? と思ったけれど、今回はこの琴音の素直さがまるく収めてくれましたね。

でも、東京に出るという彼氏さん。しばらく会えなくなる、ということは遠距離恋愛? と思ったら、これでお別れになっちゃうんだ。彼を信じられなかったことを悔やんでいる牧ですよ。琴音のおかげで、牧の不信は彼にはわからなかったとはいえ、牧自身は許せない後悔になっちゃうんだろうなあ。そうした牧の心情、しのばれます。

2021年12月7日火曜日

『まんがタイム』2022年1月号

 『まんがタイム』2022年1月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』がメイン。抽せん箱から特賞の玉を引き当てている、その喜びの様。ええ、時は年末、商店街とかがくじ引き、抽選やったりしますよね。その情景であります。『花丸町の花むすび』、『ローカル女子の遠吠え』、『テレパス皆葉と読めない彼女』も福引きで大当たりを引いてまして、りん子は富士山ぬいぐるみ! 花子はカニ、そして澄花はクマのぬいぐるみ。ああ、この皆の嬉しそうな様子。大変よいもの見せていただきました。

『ローカル女子の遠吠え』

たまごふわふわ! すごいの教えてもらった。静岡のご当地グルメ。袋井の名物? ということで軽く調べたら、袋井市がたまごふわふわのレシピを公開してくださってるーっ!

うわーっ! 今度作ってみよー!

しかしすごいよね、たまごふわふわ。カラーで描いてくれてるたまごふわふわ。実物の写真見たら、想像以上にふわふわじゃん! びっくりした。で、作り方は簡単! これはわくわくもんだあ。今度絶対試してみよ!

しかしこのふわふわのたまごも、りん子にかかればバリバリになるんだ。めちゃくちゃ面白いな。江戸時代にすでに存在していた料理で、将軍家光も食べたとか。近藤勇説は、Wikipediaに書いてますね、大河ドラマ『新選組!』で作られた設定だったんだ。などなど、料理の魅力を伝えつつ、りん子と雲春の関係? いい感じに描いてみせて、そしてその先に穂垂主任とその周辺に移っていくの。うん、ここも実に面白い。というか、秋津さんはいろんなことにセンシティブすぎるわあ。りん子くらい図太くマイペースにいくかしないと、いつか潰れちゃいそうでハラハラですよ。

で、穂垂主任のたまごふわふわ、そしてダシ割り。おお、SNSのダム仲間が反応してる! ほんと面白い。なんともいえん、面白い。たまらんですね。

『この契約は恋まで届きますか?』

家事代行との引き換えに手芸を教わることになった八千代さん。今回は、手芸の道具を買いに手芸店にいくんですけど、最初はふたりでお出かけと舞い上がっていた野田がですよ、店についたら、あれがいい、こっちもいいと、より以上にテンション上げて八千代さん置きっぱなし!

めちゃくちゃ面白いな。野田氏、手芸となったらリミット振り切っちゃうんだ。いいなあ、好きなものあるっていうのはいいことですよ。

そんな野田を見守るお店の人もすごくよかった。男の子ひとりっていうのは珍しいから覚えちゃってたっていうんですが、その子が女の子連れてきた! ものすごく喜んでくれてるの、なんだか息子を見守るみたいな感じになってるのかな。でもこの人が彼女とかじゃなくて、手芸の生徒さんとかまさか思いもしないよね。

そしてこのふたりの帰り道、目撃されちゃって、さあ大変? はたして目撃したのは誰なのか。会社の人かな? ほんと誰だろう。ちょっと恋愛方面? 誤解? 手芸から人間模様描く方面に進みそうな気配です。

『瀬戸際女優!白石さん』

ドラマにて高校生時代も演じると聞かされた白石。この人の学生時代はレディースのトップとかやっとったわけですが、でも青春ドラマみたいな学生時代にも憧れたりしてたんだ。この赤面してる白石が実にいい。いいよね、役とはいえこうして夢がかなうんじゃん。

でもその役が、まさかの小太りぽっちゃりおっとり系。皆を見守るその様から、おふくろさんと呼ばれてましたっていうの。面白いな、なんか印象変わる。で、このぽっちゃりキャラを演じるために、体形まで変えていくんですね。すごいですよね。

普段から母ちゃんっぽいところある白石の、ドラマの現場で見せたただ包容力があるだけじゃない、駄目な時は駄目と叱ってくれる、そんな姿、素晴しかったじゃないですか。自分たちを支えてくれている人への感謝を忘れちゃ駄目だって、他の役者さんの振る舞いを見てしっかり意見できるところ。ヤンキー時代を思い出してますけど、いやいや、この譲れないところをないがしろにせず、しっかり大切にしている真っ直ぐさ。ヤンキーだろうがおふくろさんだろうが、白石という人の本質をよくよく描いていたと思います。いいエピソードでしたよ。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

素晴しいわ。ほんと、今回のエピソード、夢がある、わくわくさせてくれる。お話もそうならあの描写もまた素晴しくって、もう最高だったのではないでしょうか。

公園でね、風船から手をはなしてしまった女の子が泣いてるんですね。木に引っ掛かった風船をとってあげたい。桐谷の能力を使ったら楽勝よね? でも、風船が下りてくるような不自然、人に見せるわけにはいかない。

ということで、澄花が手にしたたくさんの風船、そのおかげで高く跳べるんだよ! って、桐谷の力を借りて、澄花、大跳躍! あの、風船のヒモを掴んで、ふわりと降りてくるその様子、最高でした。

超能力を持った少年少女たち。普段はそれを隠しているけど、それをこうして人助けに使ってというの。あからさまではない、本当にささやかな手助けなんだけど、それがこんなにもわくわくさせてくれるのは、澄花の見せたあの笑顔、結果を出せたことに手応え感じている皆のその様子、それらのためだと思います。そして皆葉のあの心情もまた、素晴しいと思ったのでした。

2021年12月6日月曜日

『まんがタウン』2022年1月号

 『まんがタウン』2022年1月号、先日の続きです。

『あの世で猫になる』

やっぱ面白いよなあ。マンションの一室についてる地縛霊。バリバリの事故物件なんだけれど、不動産屋が猫の霊と偽ったせいで、猫のタマちゃんとして朝倉さんと同居中。

これ、朝倉にはおぼろげにしか見えてないから、それっぽく猫のふりして誤魔化せてるものの、読者にはばっちり人の姿で描かれてるわけで、その無理してる感がたまらんのですよね。でもそれは朝倉の期待を裏切らないように演じてくれてるわけでもあって、この友情? 優しさ? 祓われたくないだけ? いずれにしてもなんか面白い距離感で実にいいんですよ。

さてさて今回、結構な急展開!? 朝倉さんとチャンネルがあってきて、どうもじわじわ見えるようになってきてる!? これ、タマちゃんわりとピンチでは? なんとか誤魔化すのか、あるいは力がついて人の姿を得たとかいっちゃう!?

しかしそれにしても朝倉とタマの関係すごくいい。最後の1本、相性がいいって喜んでる朝倉見て同じく喜んでるタマの表情よ! 素晴しいですよこれ、めちゃくちゃいいです。

『ルナナナ』

アイドルオタクのアキ。月面生活でついに寝込んだっていうんですが、原因がアイドル不足。アイドル欠乏症だそうですが、まあそんな風に冗談めかしていったりするよね、シュークリーム分が足りないみたいな、とか思ってたら、この人思ってたよりもヤバい人っぽいぞ。アイドルに金を使いすぎて云々は最初の方でも触れられていた気がしますが、訴訟寸前ってのははじめて明かされのでは!?

この3人の中で一番の常識人と思われていたアキがこれだものなあ。もう3人とも限界突破しとるのかも知れん。で、今回リコやらナオやらが分析したアイドルの要件、MDMA扱いはヤバいな! でもラストの宗教云々ってのはまあそんな感じもしないでもない。っていうか、キマりすぎてるアキがヤバい! ほんと、今回はアキのヤバさがこれでもかこんちくしょうと押し出されてきて、ほんとめちゃくちゃヤバかったです。

でも、これまでアキのこと唯一まともだと思ってたんだよなあ。なんか今後は印象というかなんというか、すっかり変わりそうですよ。

『食欲しか勝たん!』

のっけからやられましたよ。回転して! 「すき」のポーズ! 回転してー、すき。回転してー、すし。

あー、今回はすしかよ! こんな導入で寿司に着地するとかまるで想像もしなかったし、というか導入がスムーズ、スピーディすぎてそれもびっくりする。

しかしですよ、こんなにしっかりした寿司、ばっちり描かれた日にはこころんでなくとも食べたくなっちゃうますよ。ほんと、これ、夜に読んじゃ駄目な漫画です。

ついつい気持ちが食に寄っていってしまうことに罪悪感を覚えながらも、それでもやっぱり食には勝てないこころん。おおう、回転寿司のお店にきちゃいましたか。もうねここからの食の描写のダイナミックさ。圧倒されるよなあ。とか思ってたら、ラストでアイドル失格と落ち込むこころん。そこで素に戻るんだ! いや、すまん、君がアイドルということ頭から消えさってた。でも大丈夫、そういう系のアイドルだって充分需要があるよ!

この子、食レポ系の仕事とかあったら輝くのかもなあ。でも今のところ、瞬シグはそういう売り方しないのかな? 適所にマッチングされることのないこころん。あー、もったいない! って思いながら読んでます。

2021年12月5日日曜日

『まんがホーム』2022年1月号

 『まんがホーム』2022年1月号、先日の続きです。

『座敷童子あんこ』

のっけから身につまされるネタなんですが……。ほら、一年経つのあっという間ってやつですよ。ついこのあいだ年末年始をやったところと思っていたのに、気づけばまさに暮れ間近。あー、一年たっちゃったよ! マジかーっ!

ほんと、体感マッハのあんこほどではありませんけど、なんかね、一ヶ月くらいの感覚で一年が過ぎさっていってるような気がする。ほんと怖ろしい。気づいたら年寄りで、気づいたら棺桶ですわ。

これ、ジャネーの法則っていうんですか。ほんと、自分も年をとったんですなあ。気持ちは若い頃のまま、というか年をとった実感なんてまるでないっていうのに、時間のたち方についてはすっかり年寄り。めっちゃ落ち込む。ほんと、新しいことにチャレンジした方がいいのかしら。行くか……、ホストクラブ! いやいや、嘘、ホストクラブにはいきません。

マンネリを脱すべく一日のスケジュールを組みなおしたあんこの顛末とか面白かったですよね。やる気はあるけど、まるで体がついてこない。というか、やる気は就寝とともに消えさった系でしょ、これ。ほんと、翌朝の呆然とするあんこが面白くて面白くて、で、これもまた身につまされるネタなんですが……。

今回は、思わぬところで我が身振り返りまくりです。

『歌詠みもみじ』

今回はマナーのお話。宇賀神マミの一瞬で恋心が冷めるポイント、そうか、マナーなんだ。でもこれ、すごく正しいと思う。こういうところの感覚の相違、最初は無理して我慢できても、絶対後々じわじわ効いてくるやつでしょう。お金の感覚、衛生観念、それからマナーあたりは、なかなか妥協できないポイントなんじゃないかって思ってます。

さてさて、マナーにうるさいマミだけど、それでも守れぬマナーもある。この守れてるつもりで守れてない、気づけていないっていうの、ほんと難しいですよね。みたいなこと思わされたりね、いやほんと、気を使ってるつもりではいるけど限界があったりもするし、我が身振り返るにもまず気づけないことにははじまらないしで、今回のマミみたく指摘してくれる友達がいるっていうのは羨ましいことだと思ったのでした。

今回は大人組が頑張っています。理不尽マナーに精神磨り減らしながらも、なんとか対応しようとやりすぎ気味に頑張ってる先生とかさ、そもそもからしてママさんに全面降伏しているパパさんとかね、いやもう頭が下がります。パパさんもちょっとやりすぎ系ですよね。でもこれでうまくまわっているなら、それこそパパさんさえしあわせだったら、問題ないんだろうなあ。とはいえ、きっとママさんはママさんで、なにかしら譲歩してるんですよ。こういうのは案外持ちつ持たれつです。

『うちの秘書さま』

めちゃくちゃ面白い。血相を変えて飛び込んできたはじめ。なにごとかと思ったら、七瀬がクリスマスケーキに挑戦! って、どんだけ危険なのか。

どうにかして阻止しようと頑張るはじめなんですが、うっかり自分がケーキを作るとかいっちゃって、逃げ道なくなっちゃったりするのがね、この子のちょっと器用に立ち回れない性格感じさせてくれていい感じでした。で、器用なのが山田。はじめのケーキづくりを手伝ってくれる、のはいいとして下心がすごいな。でも、ばっちりしっかり山田メインでケーキづくりが進んでいくところ、ほんと、はじめと違って器用だよなあ。ただ、なににつけてもやりすぎのきらいがある。ああ、実に惜しい男であります。

山田が御屋敷のキッチンで見た惨状。あれはめちゃくちゃ笑いました。そうか、七瀬がキッチンに入ったか……。それからのメイドの危機管理態勢、さらにはラストの落ち、そうか、クッキー作ってたんだ! はいいとして、どんな密度なのそれ!

基本有能な七瀬なのに、料理となったらからっきし。その駄目を直接描くことなく、ポイントポイントでそれとなく示すところが、実にうまいと思ったのでした。

2021年12月4日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年12月3日金曜日

『まんがタウン』2022年1月号

 『まんがタウン』2022年1月号、発売されました。表紙は『野原ひろし 昼メシの流儀』。やたらシブい雰囲気まとわせた野原ひろしがドーンと立っている、その背景に描かれるのはインドの炊込みご飯、ビリヤニであります。エビがたくさんのってますね。魚介のビリヤニなのかな? 以前、ネットでビリヤニがあまりに話題だから、近場で提供している店がないかと探して食べにいったことがありましたよ。スパイスの効いたご飯、事前に予想していたものとはちょっと違った食味で、時折コリアンダーのクセのある味がぞわー! っとくる。パクチーですね、ほらこのイラストにもちゃんと描かれています。ビリヤニを食べたのはその一度きりですが、また機会があれば食べにいきたいものだなあ。なんて思わされる表紙、それから本編も、でした。

今月は新規ゲストが1本です。

『兎なりのウサギさん』

お隣の幼なじみのお姉さん。稲城紅詩に恋こがれる高校1年生、上村青枝がウサギを愛でるのを口実に毎日通うというのですか!? いや、毎日はさすがに断っていましたね。そのへんはわりと自重の効く青年でありますな。

この漫画、ウサギのみたらしがとにかく面白い。めっちゃくちゃマイペース。やたら動きまわるかと思ったら、時折その表情でもってなにか語りかけてくる。あなたはこわい顔ですね! もっとなでてください! 木をかじりたいです! その突発的な行動に、ちょっと戸惑う青枝がまた面白くって、みたらしをなでて、時に話しかけて、でもウサギはほんと自分の興味だけに率直で、まるで青枝の思惑など意に介するそぶりさえ見せない!

この自由さ、たまらんものがあるなあ。これ、きっと本当のウサギもこんな感じなのだろう。擬人化することも可能だろうに、あえてウサギのウサギらしさを押し出すかのようなこの描写、思うようにはいかないし、とにかくウサギはウサギのペースでしか動かない、それがおもしろ可愛いよなあって思われて、ええ、これリアルウサギを知る人にはより刺さる、そんな漫画かも知れませんね。

『押しかけギャルの中村さん』

中村さん、秋山と同居してること、隠すつもりほぼないのか。とりあえずバイト先の榎本にはいっちゃいました。けど、他の皆にはないしょにした方がいいだろうね。ってのは、中村のこと好きらしい後藤がね、ちょっと大変なことになりそうじゃん?

とはいうものの、できることならお前さんの恋が成就する目はないよってはやいめに伝えてあげた方がいいのでは? なんて思ったりもして、どこまで本気なんかはわからんけど、今みたいなあしらい方だといつまでも後藤君ぐいぐいいっちゃうじゃん。中村はわりときっぱり断ってるんだけどなあ。やっぱ、あれくらい押しが強くないといかんものかい?

中村は秋山のこと、ほんと気にいってるんですね。仕事中も隙あらば秋山にアピールしてくる。秋山はガン無視を決め込むんだけど、それで中村のこと怒らせちゃって、泣かせちゃってってね、ああ、秋山、お前さんいいやつだな。友達なのも秘密なの? って、涙目でいわれたらすぐさま反省するじゃん、うまく反応できなかったこと謝るじゃん、ほんと秋山のこういうとこ、すごくいいと思います。

そして中村リクエストの投げキッス。これがまさかの後藤に着弾! おおう、ハッテン!? あー、ノーハッテン! 真摯に、秋山を傷つけないように断りをいれる後藤。こいつ、なかなかいいやつかも知れません。

『新婚のいろはさん』

はじめの誕生日プレゼントに悩むいろはさん。哲子に相談して、颯斗にも相談して、けどどちらの答も決め手に欠ける! ついにははじめの周囲を観察しつつ、それとなく聞き出そうとしてみたら、あれまあ、はじめくんは無欲ですね。今、これ以上はいらないかなって、ほんとこの人のこういうとこ、すごく好感ありますよね。

そんないろはが答を見出すにいたる、そのくだりすごくいいんですね。骨伝導ヘッドホン! その答は、かつてはじめから取り上げて、そして贈られた手帳、そこに書かれていたというのです。東京にいくというはじめが、かまいたがりのいろはに取り上げられた手帳をそのまま贈った。そこに書かれていたこと、よくわからないことも多いけれど、そこには中学生時分のはじめの気持ちがいろいろ込められているというくだりがね、しみじみ感じるよさかもしだして、たまらんですよねこういうの。

ふたりには歴史があるんですね。過ごしてきた時間、積み上げてきたもの。たとえ一時期離れて暮らす時間があったとしても、それでも繋がるよすががあった。それは思い、あるいはこの手帳であったのかなって、そうした郷愁いりまじるような情感、たっぷりとして素晴しかったです。

『相方が俺を好きすぎる』

わーお、連載に昇格したよ。この漫画、好きなんですよね。売れないお笑い芸人天津昇のこと大好きすぎる押し掛け相方、櫛田泰斗。表情に乏しいこの男の、けれど昇に向ける情の深さ。もうたまらん。どこかひょうひょうとして、どうにもつかみどころのない男なんだけれども、それにしても昇のこと大好きってのはビシバシあからさまに押し出してくるのがね、ギャップっちゅうのかなんというのか、ほんとおかしい。

ええ、私は泰斗のこと全力で応援しています。

泰斗は昇のお笑いの才能に惚れ込んでるのかな? みたいなこと思いきや、どうもそうではないっぽいでしょう? 俺とならきっと天下をとれますよ! みたいなこと絶対にいわない。とにかくいうこともろもろ、微妙な範囲に着地する感じがあってさ、それがほんと面白いのね。で、やっぱ思うのは、泰斗は昇という人物を好きなんだろうなあって。気づいたら昇の部屋に入り浸って、一緒に食事して、昇がゲームするとなったら割り込んでまで一緒にプレイする。っていうかあなた、距離が近いわよ!

ほんと、絶妙にぱりっとしない泰斗。このじわじわ感が面白い。くすっと笑う? にやにやしちゃう? そんな具合に面白いんですね。

2021年12月2日木曜日

『まんがホーム』2022年1月号

 『まんがホーム』2022年1月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがサンタクロース衣装で登場です。サンタクロースをやってるんじゃなく、パーティに着ていったとっておきの衣装って感じ。額に鼻めがねかけて、クリスマスチキンを食べる、その様子、ばっちりクリスマスを満喫していますね。『先輩に推されて仕事になりません!』花村、瀬谷ペアがサンタ&トナカイ衣装でプレゼントの届け先を確認中? 『オレの愛で世界がヤバい』は結衣トナカイが知子サンタをバックハグしてプレゼントですよ。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は真ん中に劉備雪だるまを抱きまして、その周囲にも将軍たちの雪だるま。なんとも平和で、ずっとこうあってほしい、そんな情景です。

今月は新規ゲストが2本です。

『俺と式神の主従契約』

霊が見える、霊に好かれる。そのせいで、日常生活の平穏を脅かされ続けている優一。このままではつきあっている恋人との結婚もままならない。すっかり気持ちが後ろ向きになっているですね。

そんな優一がある夜、出会ったのが不思議な神。ひとがた? いや、ねこ? ともあれそいつが優一に頼むんです。契約をしてくれ。仕えてきた主に身罷られて以来、存続に必要な力を得られずにいる。恩は返すので契約してくれ、というのだけど、これ、一方的に無理矢理契約しちゃってない!? 身体の一部を頂きというの、なるほど唾液でいいのか、でもそれで紙から式神本来の姿に変化して見せたところ、これまったくのBLじゃん! やりました! もっといきましょう!

半ば強制的な契約。本来は優一が主となって式神、六合を使役することになるんでしょうが、どうにもマイペース六合の性格もあってかどちらが主であるのかわからなん! というか六合さん泣き落とし!? このかっこいいんだかなさけないんだか、ちとわからん美青年、なんともいえん可愛さがありますね。

『魔界の愛されCEOは元勇者』

やっぱり労働環境の改善って大事なんだなあ。魔王を倒した呪いで魔王と化してしまった剣士。おお、闇落ちだ、と思ったら落ちなかったよ! 呪いに蝕まれながら振り返った我が半生。そのあまりに理不尽なまでのやりがい搾取に、これじゃ駄目だと労働改善に着手! かくして魔王の軍勢は、弩級のホワイト職場となったのでした。

やっぱ、ホワイト職場、最高だよな!

しかしなにがいいって、魔王の参謀、ソヴァンさんがウキウキ。こんなにホワイトな職場ははじめてだっていって、それで現環境維持のために奔走するってのかあ。新勇者登場の報に触れ、あ、前の職場の同僚だ! 真面目でルール大事、正義漢も強いんだけど四角四面なんだよ、融通きかなくて一緒に働くと疲れるんだよな、ってわけで、この勇者に我が魔王を倒させてはいけない! 呪いでこの勇者が上司になったら、今のホワイト環境が失われてしまう!

おお、参謀ソヴァンに中ボスのレガード。ふたりともにホワイト職場を死守せんと本気だぞ! いや、ソヴァンはちゃんと魔王の身も案じてますね!

職場がホワイトであるということの価値、しみじみ感じましたね。やっぱ、代え難い環境があればそれを維持しようと構成員自らが努める。その意義をこそ感じて、ああ、経営者の人たちはホワイト職場を目指すべきだよねー、って思いましたよ。

『孔明のヨメ。』

孫権、開戦を宣言ですよ。劉備と手を結び曹操を迎え撃つ! かくして臣下は大忙し。武官は作戦立案、状況把握に動き出し、文官は文官で事務仕事が大量に発生する。この慌しい中、孫権は側近子布をいたわることでこの上ない味方とし、そして周瑜も亡き孫策の思いを背負いながら、曹操攻略のための策を練る。

このはしばしに見え隠れする孔明の存在感ですよ。これ、孫権からしたらぜひ手元に置きたい才であるし、周瑜にしたらあまりにやり手、自分自身があたかも駒のように動かされていると感じるにいたっては不快でさえある! 複雑な立ち位置だなあ。でも、自身に近しい思考の持ち主、これは使わないではもったいない、ばっちり自分の側に置いて才を発揮させようとするの、おお、将の器だよー、これ!

かくして曹操攻略に動き出します。となれば、いよいよあの戦いが! これは、ほんと、どんな経緯をもってあの場面に繋がるのか。作者の解釈、作者の見せ方、それらもろもろが楽しみでならんです。

『オレの愛で世界がヤバい』

思わぬ方向に展開していって、いやはやびっくりですよ。縁結びの力を持ってる万丈。万丈が好きになった相手の恋は叶う! しかし万丈と両思いになればその時、世界に恐ろしい厄災が訪れる!

でもまあ、結衣が好きなのは知子なんだからノープロブレムだよな。万丈にアタックしてるけど、それもすべて結衣の策。でも、あやしい占い師にそそのかされるままに、肉体言語でもって万丈を攻略しようとする!? からの、万丈のことを利用しようとしていたって、全部意図を白状しちゃうっていうの、うわー、これは予想外でした。

でも、本当に予想外はこれからで、利用されようとしていたのにまったくそれを意に介さないどころか、結衣のこと全力で応援してくれる万丈ですよ。ああ、これは万丈らしいなあ、とか思ってたら、なんとまあ結衣が万丈のこと意識しはじめたし!

かくして、結衣の恋路を応援するために結衣を好きになろうとしてくれている万丈。でもそれはマズい。今、こうして万丈を意識するようになった結衣のことを万丈が好きになったら、すなわち両思い関係が成立したら怖ろしい厄災が!

いよいよ面白くなってきましたね! これ、どんな厄災が世界を襲うのか、楽しみになってきました! いや、きっとそうはならんのだと思うんだけど、いやでも見てみたいよね、見たくない? ええ、楽しみになってきました。ここからどんな道筋辿って、どんな決着を見るのか。俄然楽しみになってきましたよ。

2021年12月1日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号、昨日の続きです。

『死神ドットコム』

新キャラ登場。メルメルの上司の上司? と思ったら、なんとメルメルの姉なんですか。ちんまり可愛いキャラクター、チルチル。でも見た目と違い、傲慢不遜、上から目線で、メルメルとはちょっと反りがあわない感じ? 一応一方的にメルメルが苦手にしてるだけで、チルチル自体は妹大好きではあるんですね。でもそれがストレートに伝わらないというか、伝え方が悪すぎるっちゅうか、不憫っちゃあ不憫な関係です。

この姉ですよ。タマのもとにやってきて、メルとケンカしたかと思うと速攻で追い出されて、と思ったら、ああー、大家に目をつけられてしまったよ、おい。この漫画、見た目可愛くデザインされてるキャラクターほどヤバいよなあ。大家はその筆頭格。いやもうほんと、この漫画における最強キャラは、やっぱりこの大家ってことでいいんでしょうか。チルチルを自室に呼び込み、家賃と称してねこちゃんごっこを強いるっていうの。はたしてどんだけなのか。死神の、わりと上位格っぽいチルが即おち? いやもう、大家、ヤバすぎるのに見た目が見た目だから、警戒せずに懐に飛び込まれてしまうでしょう。ほんと、酷い罠だと思う。これ本質を隠して近づく捕食者そのものじゃん。ヤバすぎますよ。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

ねねって太るのか! 抱き枕なのに太るのか! このところお母さんが作ったお菓子、たくさんもらえるもんだからともりもりやってたら、体重ももりもり? 風呂場から自室までの搬送がやたら大変だったので、太った? そういわれたらむくれて抱き枕形態に戻っちゃってるんですが、あのむすー顔、めちゃくちゃいいですよね。眉間にちびっと刻まれたしわ、ここにふてくされ感が出ていてたまらん味わいです。

さて、そのねねが本気を出して変身したら、なんでか成長してしまってました。すっかりお姉さん。じゃあその性格、中身も成長して大人びたりしてるのか? と思ったら、そのへんはあんまり変わってない模様。でも見た目が変わって、包容力もアップ? 物理的な力もアップしてますけど。それから歌もうまくなりました。なるほど、ただ見た目が変わっただけじゃないみたいなんですね。

これからねねはこんな感じでいくのかな? と思ったら、やっぱり最後にはいつもどおりに戻るんですね。この安心感。なんでしょう、いろいろあっても最後にはいつもどおり。この実家に帰ってきた感、実にいい展開でした。

で、やっぱりねねって太るのか。抱き枕なのに太るんだ。しずねとママさんには好評だから、まあこれはこれでいいのでは?

『ササエルの中には誰もいない』

ササエル、街の人たちから愛されてるなあ! というか、お婆ちゃんたちから孫代わりに愛情注がれてる感ありますよね。でもお金もらって露骨な喜びかたするんな! ここは、ここはもうちょっと平静を装おうよ!

駅前市っていうのやるんですね。朝市みたいな感じですね。駅前に商店街の人たちが出店してるの、産直食材があれば屋台なんかもあったりして、これ、なんか楽しそうだなあ。実際、こういうの地域振興策としてどうなんだろう。うちの市なんかでやったら盛り上がったりするんかな。など、ちょっといろいろ考えちゃったりしちゃいましたよ。

駅前市で雲雀は焼きそば屋台やってて、かまぼこはわかるけどなんで鯨? っていうの、天河市は鯨でも有名って、あんまり意識してなかったけど沿岸なのか。そらそうか、だって笹かまぼこが名物なんだもんな。

団子屋のおやじさんが子供たちのために持ち出してきたドン。ポン菓子を作る機械なんですけど、ああー、懐かしい。子供のころ、これ持ってまわってくるおじさんがいたんね。で、家から米を持っていったらポン菓子作ってくれるわけさ。うちらの地域ではドンとはいわなかったなあ。あの釜をあけるときの爆音な。あれがもう楽しみなんだよなあ。実際この漫画でも迫力満点に描かれて、あのササエルもなんか楽しそう! いやもう実に面白そうなイベントでした。

最初はいろいろめんどくさがってたササエル、いやさ小依だけど、なんだかんだ楽しく過ごせたみたいですね。いろんな人にかかわって、いろんなことにチャレンジする。小依にとってもいい経験になってそう。なんかいいなって思っちゃいますよね。

『あやしびと』

ああ、この展開は予想していました。やっぱりアヤ、人の世界に帰るんですね。

別れを悲しみ妖人の世界に引き止めようとするみぞれやサカサ。それでもあえて帰ることを決断したの、本人はなにも考えてないって、それこそ別れの場面が悲しみ一色にならないように? 軽く、いろいろ冗談めかして、楽観的な態度を徹底してみせてるの、でもサカサはわかってるんだな。これも全部アヤの優しさなんだって。

一旦の離別を受け入れならがも、アヤは皆との再会を願っているんです。これ、ほんと、そりゃこういうだろうなあって思いました。人間の世界から妖人の世界への生き方を見つければいい。あんまりにも簡単そうにいうから皆からバカなんじゃないかっていわれちゃってますけど、これ、アヤの決意なんだね。あの皆との再会を願ってること口にした時の笑顔がね、いつにない強さ感じさせて、ほんと、これはぐっと胸に迫るものありました。

そしてサカサ、お前、ここぞという時には素直になるのなーっ! でもってそこからのアヤの自分も気づいていない感情? それからみぞれも? それをうかがう機微がね、なんだかね、ちょっと寂しくて、サカサ、つらいよね。でもサカサよ頑張るんだ。応援しているよ。

かくして異世界にてアヤを受け入れ、仲よくしてくれていたみぞれ、サカサ、カバネたちとのお別れ。次回、最終回。そこで描かれるだろう再会をここは楽しみにして待ちたく思います。

2021年11月30日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号、一昨日の続きです。

『RPG不動産』

ああ、セレニア絶体絶命!? 異形と化したサトナの触手に捕われていよいよ風前の灯火といったその時、ファーが介入! アリスから聞かされた亜人の街のことをサトナに問うのですが、そこで見せたサトナの表情。またファーを下等と呼ぶその様子、本当に孤児となったファーを育てたサトナと同一人物なの? やっぱりこれは入れ替わりなのでは?

本当に事情も状況もわからない。不穏が続きます。

ファーとアリスを襲うサトナ。ここで発動したファーの謎の力? 一時的にサトナを退けセレニアを救出、脱出をはかるのですが、ファーは再び捕われてしまい、そしてサトナ、再びアリスとセレニアの追跡を開始する。

これ本当にどう決着するのでしょう。投獄されている琴音は、ラキラとともに歌でもって火龍に助けを求め、さあ、いよいよ物語は佳境に向かう? ファーと火龍と、そして逃走する亜人たち。そのすべてが交わるところ、サトナのなそうとしていることは挫かれることになるのでしょうか。しかし、サトナ様、本物はまたどこかに捕われていてとかならいいのになあ。ファーじゃないけど、今のサトナがこれまで描かれてきたサトナと同一人物とはやっぱり思いたくないんですよ。

『mono』

身延どんぶりウォークもいよいよ終わりですよ。必要なスタンプもすべて集めきり、といったところでひとり島田が延長戦。ミニどんぶり食べてる島田を待つ間、手持ち無沙汰で話していたこと、ぎっくり腰の呪いってやつがまさかラストにあんなかたちで回収されようとはまったくの予想外。いやもうやられました。まさかこんな与太話、いやさ横道、枝葉みたいな会話がよ、本編大筋、最後の落ちに関わる伏線? 予言? だなんて思いもしないですよ。

どんぶりウォーク、最後のチェックポイントに向かうルートもまた人を食っていて、まさかの登山道! ロープウェイ使えないんだ! でもここで描かれた情景、山の景色、これがまた素晴しくて、この作者の持ち味、ここぞというところで発揮してきた! ええ、大満足でした。

で、作者の持ち味なんですけど、どっちがメインなんだろう、情景を描いて見せるその手腕なのか、あるいはラストにぎっくり腰で軽トラ搬送される展開、そちらなのか。もうね、おかしい。こんなすっきりしない帰り道とかね、見るだにおかしい。いやもう絶好調だと思いましたよ。

『紡ぐ乙女と大正の月』

おお、今回は女中会だ。大晦日には仕事が少ないからと、放免されている紡。でもやることなくてもてあましてるんだ! そんな紡、夜雨に部屋に呼ばれましてね、いってみたらば年納めの飲み会やってるの!? 夜雨の実家から送られてきたお酒、それが絶品なんだって。それで七緒もぐびぐびやっちゃって、でもって紡の杯にもどんどん注がれてくるっていうのね。

未成年飲酒が法で禁じられるのはこの3ヶ月後ですか。だから合法飲み会! って、後の時代の感覚持ってる紡にはどうにも抵抗あるシチュエーションですよね。でも進められて、断わりきれなくて、そうかあ、飲んじゃったか。どんだけ飲んだの? まさか翌日、二日酔いで学校、拝賀式に出ることになるとかね、さすがにこの時代でもよほどの失態でしたか。というか、紡さん、本当に酷いお顔でいらしてよ!

女中会ではじめてお話しした天辻さん。ああ、なんかこうして関係が広がっていくのいいですね。というか、ここではじめて判明する、紡が警戒されていたという事実! 面白いよねえ。でも成長を評価されたりね、そうしたところも大変よかった。というか、コマが進むにつれてどんどんできあがっていく七緒さんが怖いよ! ほんと、どんだけ飲んでるのか。それから、どんだけ紡に飲ませたのか。翌日の大惨事! ほんと、描くに描けないことになってしまってるじゃないですか。

『ニチアサ以外はやってます!』

いよいよ撮影開始。少ない人数で、あっちこっち役割を分担しながら進めていくのですが、部長はじめ、みんな大活躍だよ! あかねとふたり、学校のシーンでは部長がクラスメートを演じて、そして怪人役はあかねと唯、ふたりでシーンごとに受け持つっていうのね!

そうか、アクションが必要なところではあかねが演じて、ヒーロー登場、あかね演じるヒーローのキックが怪人に炸裂! のシーンでは、唯が中に入る。のはいいんだけど、背丈が全然足りないから、両手に棒を持って着ぐるみの腕と上体を支えてるんだ! もちろん動けない、立ってるのがやっと。怪人の口から漏れるコロシテ…コロシテ…のつぶやきがたまらんおかしさかもしだしていて、こんなん笑ってしまうやん!

かくして撮影終了、クランクアップ。ここからは部長の頑張りどころで、明日までに編集! って、つらいな、タイトすぎる。そんな部長を見守る姉に、そして助けを買って出る苺。この、あっちでこっちで、それぞれ、自分にできることがあれば進んで手を貸し、全力を尽す姿、素晴しかった。どれだけこの動画づくりに賭けてるか、その情熱たるや見事の一言。完成した動画、それがどんな評価を受けるのか、もう楽しみでなりません。

2021年11月29日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年1月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年1月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

おお、みんなでカラオケですか。なにを歌うかでその人の趣味嗜好、いろいろ傾向がうかがえるのが面白い、とはいうものの、一番人気の流行曲と当然のように決まってる八重。これ相当にアンテナ張ってるんだろうなあ。チャートの人気曲なんてちょくちょく変わったりするやん? そのたびに聞いて覚えて歌えるようにするんでしょう? 努力家だよなあ八重ちゃん。

でもここで、一緒に歌いにきてる誰もトップ人気曲を知らないという状況が発生して、ああ、よかったやん、気楽に歌えて。間違えても誰も気づかへんで? と思ったら、この子はそうじゃないんだ。自分の歌が皆のスタンダードになってしまう。責任重大だって、この真面目さ、ほんとこの子らしいと感じます。基本生真面目で、ものごとをゆるがせにしないんですよね。そうした傾向がよく現れていたと思います。

で、大河ですよ。この人、ほんとに八重と正反対。人気とか有名とか、そういうのが評価基準にぜんぜんならない! でもって歌う時も、間違えて知らん曲選んでたっていうのに、そのまんまなんとなく適当に歌いきるのな! すげえ、これはこれで才能よ。このぶっつけでたいていのこと乗り切っちゃうの、これこそが大河さんかあ。ほんと性格が出ますよね。

みなと八重もめちゃくちゃ面白かった。基本歌わないみな。アニメ映像が流れると亜紀に教えられて、好きなアニメの主題歌を選んだらですよ、誰も歌わない! 亜紀、延々アニメの解説しちゃってるの! 斬新すぎひん!? もう本当に面白かった。この自由に、好きに楽しさ追求する姿勢。素晴しいですよ。

『敷金礼金ヤンキー付き』

今回はやられましたよ。電柱の影からサンライズ荘を見つめる不審な人物。その自分の立ち去った後に残されたのは、炎上せよとの落書き。これ、ネット炎上のこと? と思ったら、住人は素直に放火の予告と考えてるみたいですね。だとしたらヤバいよね。いや、絶対そんなことないと思うけど、と思ったら、安アパートを狙った不審火が続いてるんか。

例のフードの人物が放火犯とは思わないけど、ちょっと事件性出そうなエピソード? あれ? そういやアパート放火の犯人の動機、安アパートを家賃滞納して追い出された逆恨みというの、いつぞやのサンライズ荘入居者募集と結びついて、まさかの新入居者!?

とかいろいろ考えたり思ったりしながら読んだんだけど、休むに似たりとはこのことか、どれひとつかすりやしないの!

ちゃんとヒントは出てたんですね。佳が黒の処刑人という落書き犯の残した名前、なんか覚えがあるというの。なるほどなあ、そういうことでしたか! って、わかんないよ! それに現場に戻ってきたパーカーの人物も、まったくの人畜無害、安アパートマニアがサンライズ荘を愛でにきてたんか! わからん! これはわからん!

いやもう見事に翻弄された今回。そしてまさかの真犯人! いやもう、このラスト。いったいこの後どんな惨状が、と思うと気の毒で、けれど同時に笑いが込み上げて、たまらんものありました。

『とびだせT.O.Z』

今回はマナの本領発揮? 選手として頑張ってきた、そんな姿がこのところ描かれてきましたけれど、今回はそうではなく応援する側としての様子。長距離を走る男子たちから、マナ待望論が出てるというのですね。応援、というか罵声、それが忘れられない、あれがないといい成績出せないよ。

って、どえらい特殊性癖身につけちゃったな君ら。

今回のマナの逸材感、すごかったですよね。罵倒しようとするも、言葉にキレがない長距離女子選手たち。対してマナはというと、熱く懇願する男子たちにこれでもかと罵倒、お叱りの言葉、流れるよう! 素晴しい。しかもここに宇佐美も加わるの? マナに望むこと知らされて、思わずぽろりと出た言葉が、キモッ。あー、傷つくやつだ、なにげに傷つくやつだ! と思ったら、長距離男子たちすごいな、喜びの表情浮べてウサ様ときましたよ!

どんだけ極まってるんですか、彼ら。

1500m走での応援。ナチュラルにお叱りの言葉を連ねるマナ様、その存在感よ! ああ、この子はこの子で兄貴に育てられた結果なんだよなあ。続いて5000m走、ってキツいな! 走る方もつらいけど大声張り上げ続けるのもつらいやつだ、と思ったらマナ様、リタイア。ここで代わって躍り出たのが宇佐美、でもマナみたいにはナチュラルに罵倒の言葉は出ないんだ。ああ、なんだか可愛いよなウサ様。

くやしがる宇佐美、っていうけどくやしがる必要ないよ。と思ったら、その時の表情がさげすむようににらんでるって誤解されて、いや、いやいや、これ、ウサ様にとっては不名誉なことでは!? いや、普通に結果に繋がったからこれでいいんかな。でも罵倒とさげすみで奮起して伸びる男子たちってすごいよね。いやもう、彼らは彼らで逸材だと思いましたよ。

『オネェの恋のはじめかた』

放課後の空き教室に閉じ込められたふたり。ひとりは桜子、もうひとりは!? 翔でした。

これ、あとで翔が嫉妬に燃える時宗にえらいこと困らせられるやつじゃないのん!? と思ったら、ああ翔はわりと慣れっこっぽいですね。すごい顔で凄まれながらも、普通に真っ向から立ち向かってる。ああ、こういうところ、時宗と翔の対等な関係、いい友人だっていうの見えていいなって思ったんですね。

さて、ふたりきりの桜子と翔。翔が時宗と仲よくなったきっかけを聞いたりね、そうか最初は出席番号順で席が前後ろだったからだったんだ。で、そこからなんだかんだで仲を深めていった。翔のいう、一緒にいて面白いからっていうの、これ本音だよなあ。そんな感じ、前々から感じられた。それが今回、明確に言葉にされた、そんなところ、ああいい友達じゃん。そう思えば、最後のあのふたりの様子も、ちょっと強めのじゃれあいに見えてくる。ええ、いい友達なんですな。

2021年11月28日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年1月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。大空を舞う琴音たち、RPG不動産の面々ですよ。背後にはグリフォンの背に乗ったファーにルフリア、ラキラたち。ルフリアがすごい顔していますよね! しかしこれ、思いっきり天地が転倒してますね! グリフォンに乗って移動中、思いっきり落っこちてる、そんな絵なんでしょうか。それにしても琴音がまあいい笑顔! 周囲にバラバラと舞っている荷物や本、書類たち。でもそれらが螺旋に渦巻く、そんな動き感じさせて躍動的で、その浮遊感、素晴しいものがあります。

今月は新規ゲストが5本です。

『キミと歌うシネマ』

音楽は好きだけど、歌えずにいた曲川詩織。ギター一本、ミュージシャンを目指すというのですが、ええとギターインスト? いや、バンドが解散しちゃったんか。そんな彼女が出会った内田愛歌は、内気ながらも歌がうまく、ふたり一緒だとすごく楽しく音楽活動できて……、けれどこれからというところで愛歌は転校してしまった。

詩織、学校を卒業してもなお愛歌のことを待っていたんですね。路上にてギターを弾く時も、そこには使われることのないマイクが常に用意されていて、ああ、それは愛歌のためのものだったんだ。

二十歳になって、もう音楽活動も駄目かと思ったその時、帰ってきた愛歌と再び演奏する機会を得て、ああ、ふたりともにもう二十歳。親の束縛もなく、自由に活動していいんだ。

愛歌はミュージックビデオを武器にネットに打って出ようと考えてるんですね。歌う人は愛歌。曲は詩織。ということは、映像は高校時分の回想にちらりと出ていた白紙ひまり? この活動が今後どんな展開を見せるのか。でもまずは歩きはじめることのできた、そんな第1回でした。

『プランタンワープ』

転校生、花園遊莉は駒鳥絢にご執心? お嬢様と遠巻きにされているところ、学内を案内してくれたのが絢。それから、リア充になりたいと熱心に絢にアタックを続けた結果、3週間の下積みを経て無事自宅に絢を招くことに成功するんですね。

しかしそこで見せられたものがすごい。邸宅の庭で花火! それも打ち上げの本格的なもの。リア充は花火で夏を楽しむと聞いてオーダーしちゃったんか! すごい行動力というか、この並外れた思い切り。絢もすっかり驚かされて、それでもって楽しむことができたみたいですよ。

絢は人混みとかが苦手なんだけど、ここまでされて、心も動いちゃった? 遊莉と一緒に買い物でもいこうかといってくれて、ふたりの友達としてのきずな、じわじわと深まっていきそうな予感です。

『ふる潔き!』

お婆ちゃん子の服部明海。なにごとにも古風? しゃべり口も懐かしさ感じさせるような方言で、そんな子と今どきの小学生、親戚のリンちゃんとのやりとり。なんせ、ゲームのことをピコピコといってしまうアケミです。リンの興味を引くことができなくて、むしろアケミの友達美濃彩、さやかの方がずっと相性がいいっていうんですね。

さやかがうまいことリンとコミュニケーションとってくれて、なんでアケミと遊ばないの? 聞いてみたらですよ、趣味があわないってこともあるけど、それ以前に言葉が通じないからって! そこまでですか!?

そんなアケミが取り出したのがメンコです。リンにとってははじめての遊び。カードゲームかと思ったけど、全然違うよ。さあやも加えて3人で、一緒にメンコで遊んで、それでだんだんに打ち解けてくれたのはいいんだけど、そうかあ、アケミの感触はお婆ちゃんかあ! わりと妥当な評価かと思ったんだけど、アケミにはショックだったみたいですね。えらい表情なさってました。

『放課後!DBK』

花園カヌレ。部活強制でないからと選んだ高校なのに、今年から強制になりました! さあ困った。どうしようと校内をさまよっていたところ、デリシャススイート部を名乗る不思議なふたり組に出会うんですね。

デリシャススイート部、略してで部活なのか。先輩ふたり、3年生の大空菜々に、2年生の鳴海米。割とジャンクな駄菓子系を、いろいろアレンジして食べてみよう。ハンバーガー味を砕いてふりかけにしてみたりね、そうした味の? 食の? 追求をしている部活のようですよ。

ともあれ、カヌレの当面の目標は、先輩ふたりみたいに豊満なボディを手に入れる? でもなかなか思うようにはいかないようで、体重増えつつサイズは変わらない。ああ、そりゃあそうですよ。すぐに効果は出ない、かつ効果には個人差があります、ってやつですね。

『無田さんは生きづらい』

会社にて総務を担当している無田律。自己主張が苦手な性格、それが災いして多量の雑務を抱えることになったり、同僚とのコミュニケーションもままならなかったりと、いろいろ生きづらそう。仕事はしっかりきちんとしていて、評判も悪くない。でもやっぱりどうにも人づきあいに苦しんでいるんですね。

それでまさか本格的にカウンセリングに通うことになろうとは予想もしない展開でした。

さらにその上、受診したクリニックの待合室で、まさか会社の同僚と遭遇。明るく元気、けれどなにかとド丁寧な弘中さん。あの会社での第一印象からしたらまた意外なところで出会ったもんだ! と思ったけれど、そうか、そうだわ、あのド丁寧さ! そこにこの人のカウンセリングを必要とする素地がある!

しかしこうして思わぬところで出会ってしまったふたり。これから仲を深めるにしてもはたしてうまくいきますか。とりあえず無田さんはアクションを起こす模様。これがふたりにとっていろいろよくなる、そんなきっかけになればいいですね。

2021年11月27日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年1月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年1月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、季節を反映してサンタクロースの格好をした山下さんがプレゼントをお届けですよ。サンタクロースの格好、というか上着だけですが、着てるのは『おしかけツインテール』の花梨もですね。『小森さんは断れない!』しゅりは大谷に熱いプレゼント!? これはサンタからじゃなくて恋人間のやつですね。『らいか・デイズ』らいかだけは貰う側? 例のうさぎのぬいぐるみ抱いて嬉しそうな顔! いいですね、この子の子供らしい表情、これがいいんですよ。

『ローカル女子の遠吠え』

今回ははっちがメインですよ。夢に見るブラック企業時代の研修風景。自尊心を破壊する洗脳研修なんですが、ほんと、こういうのが跋扈してた時代があったの、信じられないですよ。いや、今もあるんかなあ。あるのかもなあ。怖いなあ。

心に傷を抱えつづけているはっち。その思い出に残る21号。私語も禁止されていた会社、まったく会話したこともない、それこそ出身地が同じ静岡、そして夜中に21号が話していたひとりごと、実家でのお茶の思い出、それへの共感だけが接点だけど、それでも今でも少し気になる人。

その人の消息に触れられたラスト。そして21号も18号、はっちのことを時にふと思い出していることが描かれたのが、なにか言葉にしなくとも繋がっているかすかな思いを感じさせて、押し寄せる感傷にたまらなくなりました。けれどきっとふたりともに相手の顔も思い出せないのでしょう。だからこの先もふたりが出会って、おしゃべりして、みたいな未来はこない。その切なさもまたたまりませんでした。

『となりのフィギュア原型師』

これまた個性強めの新キャラ登場ですよ! ツインテ生意気系美少女。斉藤氏が工房に連れてきたんですが、身内の人? と思ったら仕事相手なのか。この人、万代寺もず、イラストレーターmozuとして活躍するこの人のキャラクターをフィギュアにする、その原型師として斉藤氏が抜擢されたんですね。

イラストレーターmozu、めちゃくちゃ面白い。なににつけてもマウントとってくるんだけど、それがわりと無理筋! 斉藤氏のデスクに、私の方がモニタも多い! ってマウントとるんだけど、イラストレーターのあなたとフィギュア原型師の斉藤氏なら、そもそもモニタの枚数は比較対象にならなくない!? みたいなの、めちゃくちゃ面白い。

mozuという人と斉藤との相性。それがぐっときましたよね。人気のわりにあまりフィギュア化されていないmozu。その理由が監修のエグさ。あんまりに厳しいんで企画が頓挫したりするんだ! 斉藤の原型も初回から山のような指摘がついて、思いっきり引いてるおこめ代表。対して斉藤は真摯に意見を受けとって、しかもその確かな判断にやる気を燃やしてるじゃんよ! でもって2度目の監修、きっちり結果を出してきて、mozuさん、楽しくなってきたってーっ!

このふたりのせめぎあい! その熱さにまいりましたよ。ほんと、斉藤がかっこいいの。この真摯に向き合う姿勢、バリバリ出される監修にも、いい指摘でしたと受け取れるこの態度。またひとつのプロの姿が描かれてる! かっこいい……。きっと斉藤氏はこうして指摘も受け入れてより高みに向かえる、そんな類の職人なんでしょうね。いやもう、素敵でした。

ところで、体重の重さでmozu先生にマウントとるのは無理すぎない!? 巨体のmozu先生はちょっと見たくないよ?

『ネコがOLに見えて困ります』

なんだかバランスが違って見える社長ちゃん。いったいどうしたの? と思ったら、なるほど順調に成長しているんですね。猫は一年たらずで成猫のサイズにまで成長します。というので、どんどん大きくなる社長ちゃんにミコトの感覚がついていかない。でもその成長のイメージが、そのまんまごっつくなっていってるのがおかしくて、だよなあ、ミコトにとっては猫の成長とか、普通の人が普通に経験するかたちではわからないんだものなあ。そのままサイズアップ? あるいはヒゲつけたままゴージャス美女に? そうした想像もまたおかしい。いつか成長した姿が描かれる日もきそうですが、ほんと、どんな風になるんでしょうね。

さて、社長ちゃんのバランスがまたおかしくなりました。頭がデカい! って、実際子猫って頭が大きい期間あるんですか!? 友達の三島に見せてもらった飼い猫ベンジャミンの写真。ここでもアンバランスな擬人化猫の姿見ることができて、2ヶ月目の手足長い期間! 3ヶ月目の頭デカい期間! おかしいなあ、面白い。実際の猫がどんな感じなのか、興味出ちゃいましたよ。

今の姿を写真に残しておこう。それで社長ちゃんばかりかまってたらOLさんが不機嫌になったりね、こういうのも猫のあるあるなんでしょうね。ふたりともにそれぞれ愛情注いであげてね! と思ったら、最後には猫ふたりにしっかりかまわれて、それをちゃんと受け止めてと、ミコト頑張ってます。こうして猫たちに、見た目は人なんですけど、したわれてるミコト。いずれは素敵なお姉さんふたりにべったりされちゃうことになるのかもですが、こればかりはあるあるとはいかなそうですね。ええ、社長ちゃんの成長した姿、どうなるのか本当に楽しみです。

『おしかけツインテール』

えらい扉絵きちゃった。排出率0.3%の激レアSSR衣装、メレウトの羽衣。ソシャゲのガチャっぽいなあ、ってことは俊郎か! と思ったら、花梨ちゃん。引いたの、引いたのね! しかもうっとり眺めてて、ああー、そうだった、この子、ネトゲデビューしてたよね。でもこんなのにうつつを抜かしていたら受験にさしさわりがあると俊郎に助けを求めにいったら、俊郎は大爆死の最中でした……。

今回の花梨の悩み。大学入試に打ち込まないといけないのに、世の中には誘惑が多すぎる。その誘惑をはねのけたい。あらゆる楽しみから距離をとりたい。そういって、ネトゲも引退だ、アニメも漫画も小説も、なにもかも身の回りからなくしてしまわないと!

思いつめちゃってるんですね、花梨。でも、そんな花梨にアドバイスする俊郎がよかったじゃないですか。さすが人生の先輩! 100:0思考に陥ってしまってるって、楽しかったもの、好きだったものを、まるごと全部悪いモノにしてしまうの、やりすぎだって、無理しすぎだって、視野が狭くなってるって。好きなものを嫌いになる必要はないんだよと、うまくバランスをとるようアドバイスする俊郎の姿、大人として立派な態度を示せていたと思いますよ。

でもって今回の情動の舞台となったネトゲ。もうほんとおかしかった! 以前、ビギナー花梨に山のように装備やらアイテムやらくれた巨漢キャラ、中身倉井さんやったの! でもって、別れを惜しみ悲しむ倉井のキャラCRYと花梨のキャラ、カリーナを腕組みして見守っている黒百合の騎士なる謎の人物! なにものなの!? どんな鑑定眼なの!?

その中身がですよ、まさかの神崎瑠璃!

最高でした。最高でした。

2021年11月26日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号、一昨日の続きです。

『球詠』

悲愴感をともに投げ続けていたヨミ。消耗しきった彼女に話しかけるタマのその言葉がまた切実で、野球やめるの? ヨミの、今ここで燃え尽きてもいい、このまま投げ続ければ野球を続けられなくなりかねないのに。そうした姿勢への疑問と、そして根本にある気持ちへの共感を、仲間の分も一緒にヨミに告げるその言葉に、ウソはなく、そしてそれでも決してヨミのことは諦めないという思いをほとばしらせて、ああ、これまでずっと静かと思わせていたタマの心の奥底、ここに一度に開かれて、ヨミに届いた、この気持ち、ヨミにしっかり届いたんだ。

ずっとマウンドの上で孤独であったヨミ。けれどそれは自ら視野を狭めていたからで、目を、心を開けば、ずっとたくさんのことが見えてくる。仲間のこと、対戦相手のこと、そしてタマのこと。これまでのひとりでなにもかも背負おうとしていたヨミが、仲間の存在をしっかりと感じながら、任せる時は任せるようになれば、チームはこんなにも機能するんだ。その機能し生きているチームの姿、それがもう感動的で、ああ、ヨミもいうように、最初からみんなにいえばよかったんだ。けどこうして今そのことに気づけたことがよかった。きっと次からはヨミも大きくは間違えない。チームと一緒に、もっとよりよく野球に向きあうことができる。そんな未来が再び開かれたと思ったのですね。

主将岡田が見せたファインプレー、打たれてしまったヨミのピンチを見事にカバーして、この活躍こそは今のこの展開をしめくくるにふさわしいものだったと思います。頼れる仲間、その一連の描写の集大成がここにあったと思う。意地があるのはみんなも一緒なんだ。嫌なことがあっても、自身の身を削るようにではなく、こうして溌剌とした精一杯のプレイで応えてやればいい。そうした明るく、しなやかな姿、響きましたよ。

『ちょっといっぱい!』

開店前のこはる屋に現れた女性。小脇にこなつを抱えたその人は、本条凛。小夏の叔母なんですって!

どうしてもこはる屋にいきたいと、こなつに泣いて頼まれた、凛はそう説明しますが、これ多分嘘だな。だって、だったらなんで小脇に抱えてたの!? こはる屋の元従業員だったのだそう。いや、少し手伝っただけ? いろいろ含みのある言い方が気になる人ですが、帰ってきた店長によると、こはる屋立ち上げメンバーのひとり!? 全然話が違うやん! 修行先の店をやめ独立する、店長にその決意をさせてくれたのが凛だったんですって。

凛という人、いわゆるツンデレっぽい感じなのですが、店長にいろいろ複雑な思いを抱えているけれどそれを素直に出せないっぽいニュアンスにじませていて、でも店長はまるで頓着せずフレンドリーに対応してるのがね、きっと昔っからこうだったんだろうなあ! みたいなこと思わせてくれて面白かったんですね。

凛はパティシエの修行中、かつては製菓学校に通いながらこはる屋を手伝い、そして今は海外で修行をしている。その腕を磨く理由はというと、祖父の店の復活なのだそうですよ。

と、ここではっとした目を向けているもみじ。これは、この子の将来になにかしらの方向性が与えられた、そんな瞬間なのかも。なんて思いました。だとしたら結構重要なエピソードですよ、今回!

『ねことちよ』

買い物から帰ってきたちよが見たものは、汗だくで寝ているまきとねこのふたり。というか、この家、夏場でもこたつ出てるんだもんなあ。ねこの居場所だからっていうんですが、ねこ、エアコンも入ってない真夏の部屋で、さらに頭からこたつに潜り込んで、やばい、あかんよ、熱中症になっちゃうよ!

ちよが心配するのもわかります。

こたつ布団が常備されてる問題にまきが切り込みます。ねこが片付けるのをかたくなに拒むのだけど、そこでちよの出した代替案、これがよかったんですね。なるほど、潜り込める場所、こたつ以外のを用意すればいいわけだ。秘密基地と称して、出してきたのはひとり用のテント。昔使ってたというけど、ちよは意外やアクティブに外に出ていくタイプの人だったのかな。今はなんかそんな雰囲気ないですよ。あ、そうだ、以前ねこと一緒に山に登ったりしてましたね。ちょっとハードめのハイキングって感じで、山らしい山って風ではありませんでしたけど。

部屋の中にテントを立てて、横のメッシュも開放して風通しは抜群。ねこも気にいってくれたみたいじゃないですか。でも、こういうの、楽しいだろうなあ! 子供ならきっとわくわくして夢中になる、そんな発案。ちよ、こたつから目をそらせるための策とはいえ、いいアイデアを出してくれました。本当、いいお姉さんだなあって思います。

2021年11月25日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年11月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年1月号、発売されました。表紙は『アネモネは熱を帯びる』。凪紗と茉白、ふたり向かいあうその様子、友人のそれにしては距離も近しく思われて、握りあう手と手、そして凪紗の右手は茉白の頬に伸びて、その睦みあう姿、実に美しい。ふたりの互いに見つめる目に現れる表情がまたよくて、優しげに茉白に注がれる凪紗の視線、また茉白のそれはぱっと明るく開かれて、浮き立つ気持ちが読み取れる。ふたりの情景。身長差がまた効果をあげている、そんな構図がにくいですね。

今月は新規ゲストが2本です。

『魔性なカノジョの裏腹』

兄に彼女が! こともあろうに両親のいない日を狙って連れ込みやがったな! えらいこと警戒している妹ですが、妹、兄のこと大好きなんかな。兄貴との関係、その進展を妨害しようと介入することも辞さない妹。敵対心もあからさまに兄の恋人に対峙するのですが、彼女さん、真っ向から挑発に乗ってくるじゃない! しかも妹、芽衣子の方が分が悪い? ああ、これが高校生と中学生、人生経験の差だというのですか!

いやもう、ふたりとも人間関係へたくそなんですか! 兄の彼女、ひとり兄の部屋で待つ間、検索していたのは猫の懐柔の仕方ですよ。猫っぽく警戒心示す芽衣子と仲よくなりたい。いいのよ? その気持ちはとてもいいの。でも、ならなんで人でなく猫相手の対応策を実践しちゃったの!?

芽衣子と仲よくなる。そのための行動はことごとく裏目に出て、嫌がられてるように見える、挑発してもてあそんでるように見える。でもほんとはただ仲よくなりたいだけなのに、いらぬ軋轢生み出して、お姉さん、学年主席で特待生、勉強めちゃくちゃよくできるのに人の情には不器用なのかい?

しかし、このお姉さん、それから芽衣子もめちゃくちゃ優秀なの、いいですね。あの勉強を通じて打ち解けかけるところ、あのくだりはとてもよかった。ええ、この方向性でいけたらよかったのに、なんだか変にこじれるの。そのうらはらさこそを見せようとしてるわけですね。

『まもってください勇者さま!』

ひきこもりの女の子、マオ。なんとまあ、魔王の生まれ変わり、ところどころ抜けはあるものの前世の記憶も引き継いでいるというんですか。しかし、なぜそんな子が自宅にこもって外にも出ようとしないのか。ただ安楽な暮らしを満喫したいからなのか。と思ったら、おい思った以上に切実だ。かつて勇者に破れた魔王。封印された恐怖も残るゆえに、勇者の子孫の存在を思うと怖くておちおち外出もできない。それどころか、勇者と同種族の人間そのものに苦手意識、どころじゃないな、怖れがある。ああ、なんとも難儀な人生ではありませんか。生まれ変わってチート能力で大活躍、みたいにはなかなかいかんのですなあ。

そんなマオのもとに突如現れた、というか不法侵入だよな、マオの部屋に押し入ってきたのが勇者の子孫を名乗るユエ。魔王の存在を知覚して、勇者の子孫たちが討伐すべく動き出したというんですね。ということは、マオ、命の危機? かと思いきや、ユエは味方なのか! 昔の魔王と見た目も変わらないマオのこと、好きだっていうんですね。

って、ちょっと待ってくれ、魔王の見た目って、代々語り継がれてるの? と思ったら、ユエ、この人も勇者の生まれ変わりなのか。かつての記憶を残している。ゆえにかなうことのなかった前世の思いを今生にて遂げようというのですね。

その思いの深さたるや、同胞の勇者に敵対することも辞さない。というか、マオを退治しにやってきたふたり目の勇者、ユエの従姉妹なの! まあそうか、子孫っちゃあふたりとも子孫になるよなあ。

かくしてユエ、マオのもとに押し掛けるかたちで同居を果たすこととなりそうなのですが、これ、違う意味でマオのピンチ? あるいは自分を守ってくれるユエに心を開く日もきそう? 今こそは不穏な人生を送るマオだけど、ユエの助力でいろいろ克服して、人生の可能性が開かれたりしたらいいなあ! なんて思いましたよ。

『スローループ』

小春の友人、つっちー、いよいよ本格的に登場です! おお、前髪ぱっつん、素晴しい! かつてひよりのもとに引っ越してくる前、同じ学校に通っていたこの子、小春のことよく見てくれていて、我慢してるんじゃないか? 無理してるんじゃ? 心配して、もしうまくいかなかったら家にきなよって、すごく親身。

そんなつっちー、いやさ土屋みやびとその妹、あや。ふたりが小春たち、ひよりや恋、さらには恋父に弟たち虹と虎と知りあって、一緒に屋内釣り堀にいくんです。

いやしかし、みやびとあや、ふたりともに前髪ぱっつんだ! 素晴しい。ひよりたちのこと、ちょっと警戒してる? 人づきあい、若干苦手系、人見知りさんですか? と思ったら、恋がすごいよな、この子気づいたら当たり前みたいにみやびとコミュニケーションとって、釣りに興味があったその理由とか聞き出してるじゃん! そうかあ、ゲームとかによくあるおまけの釣り要素。それがきっかけなんか。ああ、自分もそうだったよ。あれ、なんか気がつくと黙々と釣り続けちゃうよね! でもまあ、自分はリアル釣りには向かわなかったんだけどな!

釣り堀で自身も釣りを楽しみながらも、小春の様子をうかがうみやび。ほんと、小春が無理してないかって、新しい家族を心配させないよう我慢してあわせたりしてるんじゃないかって、ずっと心配してる。そしてひよりにそれをダイレクトに問うて……、ああ、ひよりはこの問にどう答えるの!? ちょっと緊迫の瞬間。この問を、小春のことを思ったゆえと気づいておくれよひよりさん。これからのやりとりの向かう方向こそはわからないけれど、みやびの安心できるような、そしてひよりたちとの仲も深まるような、そんなことになればいいなと思います。

『追風のジン』

うわーっ! 好きな展開きたーっ! マジか、マジかよー。あれですよ、スパナさん、悪い忍者衆に囚われていた眼鏡のお嬢さん。なんかどんくさそうでさ、でも学究肌とか工学女子とか、そんな雰囲気させてたじゃない? だからクナイを急所に受けても、胸に隠し持っていたカラクリだとかなんとかが刃を防いで助かったとかそういうのなのかい?

とか思ってたら、そんなどころじゃないじゃないですかーっ!

やられたわ、これものすごく好きな展開だわ。なんでこんなにも直撃させてくるんですか。

スパナ、何者? あなたも忍者なの? 忍者衆に囚われていたの、狙った宝、七虹架大全なる古本を入手すべく身をやつして潜入してたっていうんですか。しかも加えてめちゃくちゃな実力者。忍者衆の頭領を軽くあしらって、楽勝で捕縛。うわー、すごいな、うわー、強い! かっこいい! スタイリッシュ! 眼鏡が割れてる! ちょっとワルっぽいところもいいじゃない!?

最高だったと思います。普通に助けられてヨツワ村に帰還して、持ち前のカラクリ技術でジンに協力するとかなのかなとか思ってたら、そんなどころじゃなかったよ。ああー、やられたー!

ヨツワ村も無事に忍者衆の支配から抜け出すことができて、ここでのジンのミッションは見事完了ですね。でも今回一番の大手柄はスパナだった。いや、これ贔屓目もあるかもなあ! でもあんなに見事にしてやられたら目を奪われますって!

2021年11月23日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年1月号、昨日の続きです。

『ホレンテ島の魔法使い』

全然出し惜しみしないなあ! 島で目撃される空飛ぶ魔法使い。その正体を探るべく動いていたあむたち。ラーメン屋台の店主も巻き込んで得られた情報を整理してみれば、その魔法使いの目的も見えてくる。

決まって線路上を飛ぶ魔法使い。なんのために? 飛ぶのは海に向かって、それも海に吹き戻す強風の夜に限って。それらが導く答は、風の力を借りることで列車の速度を上回ろうしている。列車と勝負している!

かくして次の戻しが吹く夜に、空飛ぶ魔法使いを捕まえるべく動き出す。しかしここでまたさらなる情報が。戻しが吹いたというのに目撃されなかった夜がある。その日はあむが島を出ていた日……。

これは空飛ぶ魔法使いの正体を示しているのか、あるいはその正体を誤認させるべく用意された罠なのか。いずれにしても作戦はもう動き出している。あとはその行方を見守るばかり。しかし、この謎がほどけていく様子、そのテンポのよさ。あれよあれよと明らかになることが、過去に触れられたいろいろを思い出させて、あれがそれか! あの時にもうそれとなく提示されていたのか。ほんと心が浮き立つようでした。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

異世界からやってきた白魔導士、リルー。しかしなぜ世界を超えるにいたったのか? その経緯が軽く描かれたりもしまして、なんと、リルーの世界のドラゴンは爪で次元を切り裂くんだ! 仲間を助けようとして、ドラゴンの爪が切り裂いた次元の穴に落ちていったリルー。かくして行き着いた先がゾンビアポカリプスの世界。モンスターのいる剣と魔法の世界か、ゾンビの徘徊する人の文明の滅びつつある世界か、はたして生きるにはどちらがマシなんだろう。

滅びに瀕する世界で出会った生き残りの少女、アヤ。この子と一緒にコンビニまで食料調達に向かうのですが、身を守る術はリルーの使う回復魔法。これでゾンビを消滅させるというんですが、使えるのは1日3回。かけられると気持ちがいいからというのでなるたけ温存したいアヤの思惑と、けれど必要にかられて使わざるを得なくなる、この塩梅が実に面白かったです。

コンビニのくだりとかすごくよかったですよね。店内にはゾンビが一体のみ。そっとやりすごせば魔法温存しながら物資回収できる! その様子がね俯瞰で2Dマップ的に表示されるのが実に楽しい。こっからこう入って、こう通って、こう抜ける。その思惑が新たに入店してくるゾンビのために破綻する! 急遽ルート変更、しかしそこには見落していたゾンビの存在が! というこの流れがほんとわかりやすい!

というか、アヤさん、深入りしちゃいましたね。欲張って粘りすぎちゃいましたね。でもこれしかたないよなあ。食料に水、生存に必要なものをなるたけ多く確保したいのは当然だものなあ。そうした思考の動きみたいのもわかるようにしてくれていたの、これも好ポイントでしたよ。

そして無事コンビニを抜けて、安心しちゃった? 油断? ああ、アヤの背後にゾンビが! ということで魔法を全弾打ち尽すこととなるのですが、アヤ、こんな感じでこれまでよく無事でこられたなあ! リルーと出会ったことで気が抜けたのかな? ほんと、前回も噛まれてましたけど、この人、ほんと冷や冷やです。

『のむラリアット!』

積年の恨み? 因縁のある相手、谷渋校のパピヨンと戦う青井ですが、どうにもこうにも翻弄されて、一発攻撃加えたら嘘泣きされて、そこからの泣かしたコール! ええー、そこでうろたえちゃうの、青井先輩! この人、こういうところほんと素直で、パピヨンたちからしたら御しやすいんだろうなあ。そこからもどうにもいいところなくて、なんとか桃に交代するも、桃も相手のパイプ椅子を使った攻撃にしてやられて、ああ、このまま負けてしまう!? というか、桃、フォールされそうなのになんとかかわし続ける、そのしぶとさ、特筆もんだな!

ずっと負け続きでいいとこ見せられてこなかった。そんな青井、桃ペアでしたが、今度こそいいとこ見せられるのか!? ふたりタッグで繰り出す攻撃、桃が攻撃の要になる? その瞬間がまさに今目の前に描かれて、描かれて……? ええーっ! 桃の攻撃というより、桃を使った凶器攻撃じゃん、これ! 思いもしないもの見せられて、いやもう人間ミサイル。しかも試合権は桃にあるから、昏倒した桃を倒れた相手にのっけてフォール! って、これってちゃんと成立するものなの!?

えらいもん見せられましたよ。これ、いいとこといっていいのかな? いや、でも、勝ちは勝ち! 桃、ついに勝ち星ですよ!

『今日の授業は恋愛です!』

ついに語られるさがりの恋のエピソード。相手は白百合会会長、ゆきと呼ばれたその人の今の名前は貴船名雪。かつてさがりの知る頃は和知名雪だったその人は、隣の家のひとつ上のお姉ちゃん。いつも一緒で、いつしか育まれていた恋心。しかしさがりの思いは、気持ち悪いの一言に踏み躙られて、それ以降さがりは恋というものにまっすぐ向きあうことができなくなって……。

当時の名雪にも事情があったのだろう。変わってしまった姓、そして引っ越し。そうしたところから推測できるものもあって、そしてかつてのさがり、さぁちゃんにしてしまったこと、それを悔いていることもうかがえる。でも、あの頃のショックにあらためて触れたさがりはその場から逃げるように去ってしまって、声をかけることもままならず、そしてさがりは学校に現れなくなってしまった。

こうした時に助けになってくれるのは、今、これまでまさにともにいて、時に支えあい、時に助けの手を差しのべてきた、そんな仲間なんだという今回。さがりを訪ねてきたなとせ。さがりのつらい気持ちに共感して、そのつらさをともに分かちあってくれて、そしてはげましてくれて、これはずっとさがりが皆にしてきたこと、その反響なんだろうなあ。さがりが働きかけた結果育まれたもの、それがさがりのもとに集ってきて、さがりを支え、助け、はげまそうとしている。なとせが、りっかが、しらべもこみねも、さがりの気持ちを受けて、自分のことのように心を痛めて、そしてさがりに前を向いて進む力を与えてくれた。

この一連のくだり、まさにこの漫画がはじまった当初に提示されたこと、そのひとつの終着点でした。ひとつの課題、負うてきた問題が解決を見て、そしてそれがこれからの未来を指向する、その出発点となる。ええ、まさに今さがりは負うた荷をおろし、恋愛という新しい課題に取り組む道を歩みはじめたのですね。仲間とともに。これまで仲間でありながら、けれどともに歩めていなかった、そんなさがりがついに本当の仲間になった、それがこの日だったのだと思います。

白百合祭の当日、白百合会の出店で店番をしていた名雪に出会ったさがり。その時の反応からもこの子のしっかりと立ち直ったこと見えますよね。そしてさがりは名雪と対話の機会を持とうとする。いよいよさがり自身の物語がはじまる、そんな予感がします。

2021年11月22日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年1月号、昨日の続きです。

『ななどなどなど』

るるのお宅訪問! 文化祭のダンスの振り付け、小町ちゃんとるるが絶望的なもんだから日曜に補習しましょう。それで誰かの家にいこうというんだけど、まさかの小町ちゃん、断固拒否ですか!? いいじゃん、広いんだから。ダンスの練習でどたんばたんしても問題なさそうなんだから。けど、なぜか嫌がる小町ちゃん、そしてるるを代わりに差し出そうというのですが、これ、自宅にこられるのが嫌なんじゃなくてダンスの練習、それが嫌なんじゃないの、小町ちゃん? で、自宅にこられるのをものすごく嫌がってるのがるる。おお、るるさん、すごい冷や汗だ。いったい自宅にどんな秘密があるのか。この子はなにを隠そうとしているのか。

今回、これまでるるの行動とそれを支えるバックグラウンド、ちょっと普通じゃないなこれみたいなところもあってものすごく謎だったんですけど、小町ちゃんもいうように一気に解消しましたね! なるほどお家がお商売なさってる。居酒屋経営なさってるの。でも、なんでそんなに知られたくなかったんだろう、というのはいいとして、常連さん、そんなにガツンガツンるるさんにおこづかいあげちゃうのん!? 万札何枚もどんどん差し出されて、これ、大丈夫なのか!? いくらなんでも尋常じゃないよね? でもなるほどなあ、この子の重課金の原資、これかあ!

いやしかしほんと、お家が店というのはいいとして、その小遣い攻勢、これはちとヤバくないですか。その上さらに、るる争奪に燃える常連客たち! で、その争いに最もヤバいやつ、高山萌が参戦!? ほんと、今回小町ちゃんはずっと失礼とか書かれてましたけど、それ以上に状況がヤバすぎて、よういってくださった小町ちゃん! みたいな気持ちになっていました。というか、状況がおかしすぎて、小町ちゃんが一番の常識人になってた、そんな不思議エピソードでしたよ。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

お、こちらも自宅にお招きですよ。桔香の家にやってきたお友達。さていったいなにをするのかと思ったら、映画版『悪役令嬢マリー』の鑑賞会! イトちゃん、思わずもらした言葉が、うわ。ほんと、まさか特に興味があるわけでもない映画を抜き打ちで鑑賞させられるとか、予想外だったんでしょうなあ。

桔香ちゃんがね、ちょっと言動いろいろアレな子だけど、今回はいつにも増してアレでした。友達に自分の興味をゴリ押しする。お昼ごはんはポップコーン? で、皆に自分の原点たる『悪役令嬢マリー』を知ってもらいたい、その気持ちこそは理解もするけど、だったらお友達を優先してさしあげて! なかなか再生に漕ぎ着けない、映画がはじまったと思ったら画面前に陣取って、他の子たちの視聴の邪魔になる。でもって覚えてる全セリフを一緒に口にするというの、ああ、痛い、胸が痛い。全セリフ朗読は自分はやったことないけど、昔の友人にそれやるのがひとりおりました。さらに重ねていうならば、桔香の言動、なにかしら、誰かしら、身に覚えのある、そういうのもあるんじゃないかな。うん、つらい。身につまされるってやつ? ええ、ひしひしつらさの身にしみるように思われて、ああ、桔香さん、強く生きて。あなた、大人になってもこの日のこと、やらかしたいろいろ、忘れないタイプと思うのよ。

でもこうした行動いろいろ、お友達がちゃんと受け入れてくれてるところ、桔香さん、愛されてるんだなあって思う。なんだかんだ放っとけない、なんか許しちゃう、そういうところがあるのかもですね。これって多分、桔香の行動の原則にお友達の存在が抜き難くあるからだと思うんですよ。自分勝手に見えてそうじゃない。自分のこと知ってもらいたい。お友達にも喜んでもらいたい。そうした気持ちが嘘じゃないってのはよくよくわかるじゃないですか。みんなきっと桔香のそういうところ、わかってくれてるんだと思うんですね。

でもって実際、つなぎもあおいも楽しんでくれてたみたいでしょう? というか、桔香がみんなを振り回すように、この子たちも桔香のこと振り回しぎみではありますよね。そんな関係。いいバランスとれてるように思えるんですよ。でもってイトちゃん。なんだかんだいって桔香のこと好きよね。そういうとこも可愛いなって思うんですよ。

『ぬるめた』

いつもなにかしらおかしな改造されてるくるみですけど、今回は割とダイレクト? 見た目優先でアンドロイトっぽさ押し出す改造されてきて、いやもとからアンドロイドなんですけどさ、でも普段は人と変わらないじゃないですか。ところが今回のくるみは、顔の半分鉄板組みだったり、右手も見るからに機械だったりと、なんか不完全感出してきてるんですね。

ちあきの趣味かな? と思ったら、違った、くるみのリクエストだった。最近ハマってるSFに影響されて、それっぽい見た目を求めちゃったかあ。で、その見た目をめぐるしゆきとゆうかの対立! 自分はゆうか派だなあ。というか、しゆきはそれがくるみならなんでも全肯定してきそうな気もします。

古典SFにおけるアンドロイドの定番イメージ、いわばあるあるを話してるところも面白くて、というかそのイメージを踏襲しようとしながらも全然しっくりこないくるみの無理して演じてる感がもうおかしかった。なんだかんだで新しい今のアンドロイドなんだね、くるみは。別に自分の存在や心のいろいろに悩んだりする必要もない、そんなポジションがくるみの独自性なんですね、きっと。

『六条さんのアトリビュート』

ののの探し物につきあうことになったゆずとこのみ。学内をうろうろするんだけど、そのゆくさきというのがどうにも取り留めない。理科室、音楽室、中庭を経てお次は学校で一番古い建物。なにを探しているのだろう……? なんかピンときますよね。七不思議的なやつかな?

実際そのとおりでした。学校でウワサの心霊スポットというのですが、こういうのは幽霊の存在を半ば信じていないからこそ成立するものじゃないのかなあ。いやね、六条さんの存在が認知されてるわけですよ? 幽霊はいる! だったら祟りもあるかもよ? この前提があってあえて心霊スポットを攻めるの、やる気あるなあ!

結局出ないんですけどね、幽霊。いや違うな、出るには出た、帰りの遅いこのみを心配してやってきた六条さん。でもこの一連の探検の過程でね、被服室にあったセーラー服に六条さんを思わされたりね、そして図書室、ドサリと落ちた本。これは卒業アルバム? 開いたページに見える写真、そこに写っていたのは六条さん!?

今回はこれといった特別なイベントはないのかな? 六条さんの美術うんちくトークもないし。みたいにも思ったけれど、開けてみればその六条さんの来歴に触れる、そんなエピソード。これを手掛かりに生前の六条さんの実情に迫ることになるのでしょうか。

2021年11月21日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年1月号、一昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

帝華、バイトデビューですよ。ハンバーガーショップ、制服を着てちょっとかしこまって、普段の自分とはまるで違う。知りあいには知られたくないな、と思ったら速攻で睦子にバレてるのな! 見にくるのはいい。お客として利用するのもいい。でも保護者めいた行動はご勘弁! 菓子折り持ってあいさつ、さらには帝華の成長を実感して涙。いやいや、店頭ではやめよう? 親切心、世話焼き、それはわかるけど、あまりにぐいぐいいきすぎてて、ほんとまずは睦子が落ち着こう。

バイトをはじめたら友達がやってくる。これもあるあるですよね。自分のバイト先に知りあいが押し掛けてきたことはなかったけど、部活の先輩のバイト先に押し掛けたことはあった! いやもう、迷惑なんだけどさ、なんか面白いんだよね。今回の帝華の友人たちもね、ちょっと悪ノリ悪ふざけまじりではあるんだけど、それでも帝華のこと好きで、かまいたくて、みたいな気持ちがほんとよく出てる。こういう悪ふざけもきっと許容してくれるだろう、そういう思いがあるんでしょうね。ええ、きっと許容してくれるのだと思います。

そして我らが饗子ですよ! 飲食のお店となれば彼女がこないわけがない! というか、女帝って呼ばれてるの!? でもってあいかわらずの無銭で飲食。おお、まさしく女帝、特別扱い。思いもしない存在感に帝華もびっくり? と思ったら、むしろ逆か! 饗子の振りを見て自身を振り返っていたんですね!

『こみっくがーるず』

泣けるお話。かつて高校生の頃、漫画を持ち込みして掲載を勝ち取って、それからしばらく活躍していた寮母のりりか。だけど、なにか気持ちが状況と掛け違ってしまったみたい。環境に気持ちが追いつかない。その思いから、漫画家を廃業してしまうというのだけど、そこから今にいたるまでの歩み、かおすたち寮生たちの頑張りや苦悶を見守るうちに湧き上がってきた気持ち。その移りゆく流れの描き出される様、細やかで胸に迫る心情の物語りに、読み進めるこちらの胸もうずくように感じられて、ああ、本当に素晴しかったと思います。

今しかない、その思いに突き動かされる若い子たちを見ているうちに、自身を省みるようになった。若い日の、その時しかないのではない。人生のどんなポイントであっても、その自分の生きている今、この今こそがその時なんだという思いに目が開かれた。これは寮母さんにしてもそう、そしてその思いは私にも伝播して、ああ、なりゆきで生きてきた、そう人生を振り返る自分にしてもこの今をこそ生きねばならないのではないだろうか。そう思わせるような揺り動かす力のあるエピソードだったと思います。

こんなに静かで穏やかなのにね。でも、訴えてくる。その筆致、たまりませんでした。

そして、寮母さんの漫画家復帰に気がついたかおすちゃん。おお、これ、次回、それでなにかしら動きがありそう! かおすちゃんの反応もろもろ、これは面白そう。ええ、見せます、引っ張ります、わくわくさせられます。

『お嬢様のVな事情』

動画配信者は儲かる。そう耳にしたマリナ。大量の視聴者を抱えるミユキ、さぞや稼いでいるのだろう! そう思って期待にテンションおかしくなりながらミユキのもとを訪れてみれば、あれー、全部スッてるんだ! FXで全額溶かした。って、そんな笑顔でいう話なのですか? でもって残ったお金も躊躇なく競馬につぎ込む。

そういやいってましたよね、なんでもたいていできちゃうミユキさん。その人生の物足りなさゆえに手を出したのがギャンブル。思い通りにいかないからこそ得られる生の実感! その境地! というか、極北だよ! ヤバい。しかもあえてアブない橋、不確実性高めの鉄火場にあえて飛び込んでいくことを例えて、紐のついたバンジーに何の意味があるのかな? って、それあかん、ただの投身や。あまりのことにマリナがついていけてませんが、うん、自分もついていけん。ここまで思い切れれば人生は違うのかなあ? いや、普通に考えて破滅の道。続く競馬も、それから競艇も、マネしてはいけない、そんな世界が思いっきり広がってて、いやはやヤバいヤバい。ところどころに差し挟まれる名言っぽい言葉も、いやいや、それ名言やない、むしろ開き直りに近いよ!

あまりのヤバさにどういう感想抱いたらいいのか混乱しましたよ。

でもガチで当たらないという競艇にて、レースを見守るミユキの横顔。その切実な表情にマリアなにか思うところあったよう? さいわい勝てたからよかったけど、いやもう、一か八か伸るか反るかが過ぎるよね! いくら思いの滲むいい表情だからといっても、これ、いい話でしたとはまとめられないよ! いや、でも、それでもこうして生の実感を得ようとしているミユキ。これはこれで生き方なのかも知れませんね。マネしたらあかんけど、マネしたら大火傷ではすまない系だけど、でもこうして生きていることを確かめようとする気持ち、人には多かれ少なかれあるのかも知れませんね。

『瑠東さんには敵いません!』

おお、海デートだ。まだ海に繰り出すにははやい時期。教室にて男子連中が、梅雨明けたら海にいこうなんていってるもんだから、瑠東さん、海にいきたくなっちゃった。って、まだまだ梅雨時、水は冷たいよ! っていうんだけど、いいだしたらとまらないのが瑠東さん。巻き込まれる千紘。いやもう、寒いと震えながらも一緒に楽しみたい、そういう瑠東にほだされて、海に入ったらコケそうになる瑠東の身代わりになって水浸しになっちゃった!

いやもう和村ちゃん、災難だな。そう思ったら、まさか瑠東がお金を出すから服を買いにいこうって! もう、ここからの展開、最高だったな。着せ替え和村ちゃんのファッションショーじゃん! オーバーオール可愛い! タイトめのスカートも可愛い! くるりとまわるとふわりと広がるロングスカートも可愛い! いやもう最高だったのでは?

この展開、和村は楽しくなかった? 瑠東さんと読者だけが楽しかったのかな? と思ったら、言葉とは裏腹に実は楽しかったという和村が可愛いですよね。でももっと素直に思ったこと話せるようにならないといけないよ。仮に瑠東が漫画でツンデレとか学んだとしても、人になにかを伝えたい、わかってほしいという時に察してもらおうというのはやっぱり迂遠で難しい。

だから最後にね、こう、がっと涙目の瑠東の顔を両手でつかんで、楽しかったって明言するところね、おおおお、よかった、本当によかった。瑠東さんもよかったなあ! いやもう、最後の最後にばっちり気持ちの通じて、やっぱりこうであってくれないと困ります。ふたりともに楽しい、その気持ちが円かに調和する。これ美しいことだと思います。

そして夏休みを心待ちにする瑠東に注がれる和村の視線、その表情の凛々しいこと! ああ、あなた、素敵よ、とっても素敵! かくも魅力的なものがあろうか、そう思わずにはおられないふたりの姿でした。