『まんがタイムオリジナル』2022年2月号、先日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
クリスマスが終わって、どことなくものさみしい。そんな八重たちの話してる内容、やたら広い近所の概念とか、なるほど自転車で45分くらいなら近所なのかあ。実際、近所の範囲ってどれくらい? っていわれたらちょっと迷いますよね。最寄り駅くらいまでなら近所に含めていいのかな、みたいな。
そして八重のうちでやったアドベントカレンダーの話とかね、そうか、自分たちでお菓子入れたんだ。でもお父さんがあまりよくわかってなくて、賞味期限今日までのおまんじゅうがぎゅうぎゅうに詰まってるとかね。いや、別に賞味期限、ひと月くらい超過しても平気よ? でも全部確認せんではおられない、これが八重の几帳面さなんだろうなあ。
今回も他愛のない会話といえばそうなんだけど、そこに彼女らの夢や憧れ、希望のようなものがうかがえるのがなんだかまぶしくて、とてもいいんですね。そうかあ、地下鉄って都会の象徴なのか、みたいな、いわれてみてなるほど! ってなる発想なんかもよくて、そうかあ、地下鉄が身近でないだけに憧れになるんですね。これ、例えば自分にとっての路面電車みたいな、そんな感覚なのかも。なんてことを思わせてくれるのもまた面白さでした。
『敷金礼金ヤンキー付き』
命知らずの子供がいるなあ! 見るからにヤバいサンライズ荘。見た目もそうなら住人も、というのできっとご近所からはちょっと距離を置かれてたりするんじゃないか、とか思っていたらですよ、まさかここの敷地に入り込んで遊んでる子供とかいるんだ! お母ちゃんとかに、あそこは、あそこだけはやめときなさいとかいわれてへんのかな? それとも、よほど遊べる場所がないのかも知れませんね。
さて、冒頭のっけからやっちゃいかんことやって怒られてた七恵がですよ。全然懲りないどころか、敷地に入り込んでる子供に罪をなすりつけちゃおうぜ! 玄関ドアが凍りついて大家が出てこられない今がチャンスだ! って、いやいや、命知らずの店子がいるなあ! いくらなんでもバレるのでは? さすがにあかんのでは?
七恵にイタズラを持ち掛けられて、ゴーとストップの間で悩み迷っている佳がおかしくて、この人はハメはずしちゃう性分と常識人の側面が拮抗してるよなあ。七恵みたいに振り切れないぶん、悩みというか増えちゃって、そういうところは損な性分なのかも知れませんね。
イタズラを阻む要因は、まず大家。続いて直子。それから常識人筆頭のたえですかね。大家は物理的に閉じ込められているから大丈夫。そして直子をたきつけることでたえを封じるこの作戦。こういう計略となると頭まわるんやね! ほんと、悪巧みしてる時のあの顔。悪い顔だわ。で、やらかすイタズラなんですが、子供なのか! ほんと基本、悪事というとこまではいかない、でも実際迷惑という、なんとも微妙なとこ突いてくる。悪い子なんだけど、悪いやつじゃあないよな、みたいなその塩梅と、結局最後には失敗しちゃうみたいなところがあるから憎めない、そんなバランスが実によかったです。
そんなわけで今回もやっぱり失敗しちゃうんですが、ねえ、そりゃあバレますよ。子供たちの方が危機回避能力高いって、ほんとどういうことなんでしょうね!
『通勤通学クエスト』
柏木と菊池の同僚、竹重がセーラー服の女の子と一緒に歩いている。パパ活!? 女の子にお金を払ってスケベな事を!? 菊池がえらいこと憤ってるんですが、いや、ちょっと待って? その女の子、タケちゃんでは? てことは兄妹オチだな。
そう思っていたから、まさかの父娘! ちょいと驚いてしまいました。
っていうのも、この見た目若く見える竹重、結構年齢重ねてるってことなんですか。タケちゃん、12歳。上に18歳の子もいるのか。でもってまた驚いたのが、柏木クンって18歳だったの! もうちょい上かと思ってましたよ。
てな具合に、結構いろいろ驚かされた今回。というか、竹重氏、12歳の娘からお金借りるの、ちょっと父親としてはあかんタイプなのでは? ともあれ、この漫画の大人組と中学生組の接点、またこうして増えてきて、これが今後松島たちも繋がりできてきたりもするんかな? なんか人間関係の広がっていくの、面白いんですよね。チビっ子組との関係とかもあるでしょう? そういうの、特に序盤の頃のエピソード、今読み返したらまた違った感想なども出てきそうで、ええ、まとめて読み返す機会があったらなあって思ってやまないんですよ。
『オネェの恋のはじめかた』
おお、翔がいろいろ気を配ってくれてますよ? 桜子とデートしたことのないという時宗を手厚くサポート。桜子の予定を聞き出し、日曜皆で一緒に出掛ける約束取りつけた上で、当日自分は都合が悪いといって身を引く。翔、いいやつだなあ! というか、珍しく手をこまぬいてる時宗がいい加減見てられなくなったんかもですね。しかし、このスピーディに約束取りつけるの見るに、翔も結構なやり手なのかも知れません。
さて、桜子ですよ。ああ、私服ダサい系女子なんだ! 嬉しいけどダサいのはつらい、気持ちがグラグラしてる時宗が面白い。でもってここからちょっとした着せ替え大会になるのがいいですよね。カジュアルもいいけど、キュート系が似合ってるんじゃないかしら? などなど、素材がよければいろいろ試すのもまた楽しい、そんな感触が大変よかったです。
今回のデート。まだ深く踏み込んでどうこうみたいにはならないんだろうな、みたいに思っていたら、おお、ちょっと進展しましたよ! しかも、これ、桜子からの踏み込みなんだ。桜子と一緒にいられて楽しいといった時宗の手をですよ、はしっととって、私も楽しい、次も八神ちゃんって呼んで欲しいなって! その時の表情、笑顔がまたいいんよね。
しかし、本来のスタイルからしたら自分から仕掛けてイニシアティブとっていくタイプの時宗が、ここまで防戦一方、主導権ばっちり桜子に握られてるという構図がおかしくて、ほんと時宗の純情。見るだに微笑ましさに溢れます。
- 『まんがタイムオリジナル』第41巻第2号(2022年2月号)
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