2021年10月31日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号、昨日の続きです。

『あやしびと』

アヤに選択の時が訪れたのでしょうか。

ふぶきとともに人間の世界にやってきたアヤ。得られた情報をもとに病院を訪ねてみれば、そこには自分が眠りについていて、いったいこれはどういうことか。これでアヤの置かれている状況が確定しましたね。アヤは生霊として妖人の世界にやってきていた。それがこうして自分の体がまだ健在であること、自分の意思は別として、霊は体に戻ろうとする模様。ふたたび人間の世界に戻ることができると確定したんですね。

でもここでアヤには選択肢が示されて、人の世界に戻るか妖人の世界に留まるか。その決断に迷いを見せるアヤにかけるみぞれたちの言葉。そのひとりひとりの思い、考えがあらわれて、もうたまらないものありますね。とりわけサカサがいい。天邪鬼としての性質がそうさせるのでしょう、本当は動揺もしている、アヤとの別れを惜しんで涙を浮かべるほどに悲しんでいる、なのに表向きにはなんでもないような素振りで、人間の世界は忘れようよ。この子の精一杯だったんだろうなあ。カバネに態度を責められて一気に感情を露にするところ、これはもう耐えがたく、同情、共感させられるものありました。

けれどサカサのおかげでしょう、みぞれも本心を口にすることができた。思いを言葉にして伝えられて、みぞれが後々悔いたり気に病んだりしないでもすむかも知れない、そう思えば少しは救われた気持ちにもなれます。そしてアヤの決断やいかに。

本当、人の世界での生と妖人の世界での暮らし、その両方が満足する選択肢があればいいのに、そう願わないではおられない状況です。

『ニチアサ以外はやってます!』

いい展開をしましたね。特撮研の存続のために、それぞれが製作に打ち込んでいる。けれど一週間で30分の動画を作るのは無理。予告編を作るにしても、本編映像があるわけじゃない。なんとか限られた時間の中で、スーツの製作、脚本の完成、歩みを進めなければいけないのですね。

ここであかねの発案が光りましたよ! ええ、これ、すごくよかった。

特撮研のみんなの力を合わせませんか?

今、在籍している部員だけじゃない。特撮研の先輩たちが残してきたもの。映像、音声、スーツ、それらを引き継ぎ、組み合わせて新たな映像に生まれ変わらせる。ああ、これまでの集大成だ。会の存続がかかるという局面で、過去連綿と続いてきた歴史が彼女らの力になる。その展開は胸を熱くするに充分なものでした。

かくして方向性は決定しました。いよいよ撮影を開始するとのこと、まさしく動き出さんとする状況。あかねの活躍に期待されますね。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

夏休みも終盤。宿題を全部やっつけて余裕綽々のしずね。でも、あのどや顔、なんか不安にさせられるんだよなあ。と思ったら、読書感想文? 忘れちゃってたんだ! いやもう不安的中、フラグ大回収でした。ところでどうでもいいんですが、しずねのどや顔、めっちゃいいですよね。冒頭しずね、どれも最高の表情ですよ。

今回は日々野先生メインのエピソードなんですね。このところお疲れ気味。愛用の抱き枕を姪っ子にあげちゃって、それで寝付きがよろしくない? この先生のピンチに、ねねとののが先生のもとに派遣されることになったんですね。でもこれ、結構なよこしま事案? ねねもののも、先生を癒すのがメインミッションだなんていいながら、先生の私生活に興味津々!? 実際のところ、しずねからしてがそうだったものなあ。あとでこっそり教えてねって、先生の私生活、いろいろ大丈夫なのかな!? ちょっと心配してしまいましたよ。

抱き枕たち、いつもどおりといえばいいのか、バレてはいかん状況なのになんだかんだやりたい放題な感じになっちゃって、ベッドの上で騒いじゃったり、先生が入浴してるあいだにハーブティーの用意をするのはいいとしてキッチン荒らしちゃったりと、先生のやること増やしちゃってない? 大丈夫?

でもしっかり抱き枕としての仕事をまっとうして、よかった、先生もいい夢を見てしっかり休めたそう。

ねねがいなくてちょっと落ち着かないしずねの様子も描かれました。でも手足伸ばせるのはいいなって、それはそれでエンジョイしてるのはちょっと面白かったです。

この抱き枕が繋ぐ関係。実にいい感じ。これ、もしかしたら先生のところにもねねやののみたいな不思議な抱き枕がやってきたりするのかな? なんて思って、いやそうはならないかな? なんかいろいろ思っちゃうんですね。

2021年10月30日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号、一昨日の続きです。

『またぞろ。』

文化祭で賑わう学校から姿を消したこと。クラスにも溶け込めない、そんな状況が耐えられなくなったのか。と思ったら、違うのか! なんとまあ、堤麻里矢に手をひかれて、学外に連れ出されていたんだ。しかしこの子のことに対する執着はなんなんだ。愛着を超えるなにかを感じさせる。親しさや心配よりも依存や支配を感じさせる、モラハラ色強い行動。そんな麻里矢を拒絶できないことにも問題あるのかも知れないけれど、むしろこうした性格だからこそ麻里矢のターゲットになってしまったのでは!? なんて思わされて、こわい、めっちゃこわいよ。

今回の連れ出しは、たまたまふたりの向かった先にいた巴と楓のおかげで失敗に終わり、こともなんとか助かったわけですが、それにしてもこの状況、ことひとりではなんともしようがなかった。こと、助けてと心の中で訴えてるわけでしょう? それを、それを口にすればいい! といっても、それができたらこんな状態には陥ってないよなあ。

麻里矢、どこか病的なもの感じさせる女の子。ことは麻里矢の支配から抜け出そうとしているからまだいいけど、麻里矢に完全に捕われたら共依存になっちまうなあ。でもほんと、ことはしっかりする必要はなくとも、自分の望まないことを嫌だといえる、その最低限はできるようになってほしいなあ、そう思わされたエピソード。いやもう、こんなにもこわい話になろうとは、この漫画がはじまった頃には思いもしませんでした。

『ササエルの中には誰もいない』

でもって、まさかヤバい娘が二連続でくるとは思わんかった!

ササエルに興味ありありの稲井。相手がササエル本人と知らぬまま小依につきまとっているわけですが、そのヤバいストーカー気質の稲井を力づくで制止する人物が現れた! 稲井の幼馴染み、ヤッチーこと前谷千鈴。昔からいろいろ行動があかん稲井のこと面倒見てきた、というか稲井係にされてしまってきた子なんだそうですが、今となっては自分の心の安定のために稲井が必要になってしまっている……。

あかん、ダメな人が増えただけだ……。

ヤバさでいえばこっちの漫画の方がヤバい度レベルが高いよね。社会の常識レベルを超えてきてる部分がある。とりあえず稲井は犬なみ。マジか……。人の顔舐めるのはやめようぜ。いつか問題になるよ。逮捕されたりするよ?

そんな彼女らとともに遭遇する小依の姉、日和子。ササエルとは無関係を装ってほしかったのに、尊敬勝ち取りたくてササエルをデザインしたと自らカムアウト。小依、身バレの危機がぐんぐん高まっていくんですが!? でもよかった、とりあえずバレてない。でもってここでササエルタペストリーがお披露目されて、しかもちょっとアレな感じなんか! これ、R18とかじゃないのん? この子たちも買えるの?

最初、なんとかして稲井、ヤッチーに見せないよう頑張ってた小依が、お金が入ると聞いて掌返すのな! この現金さ、さすがの小依。というか、この子はこの性格でいろいろしくじってるんだと思う。金に目がくらんでササエルになったり、今もこうして売り込みにも躍起になってと、金が自滅の道を舗装するタイプの小依。この子、これからもいろいろやらかしていきそうです。マイルドに身バレの危険度あげていってる感もあって、なんか期待してしまいます。

『RPG不動産』

ヤベえ。囚われの勇者から語られる魔王との戦いの真実。敵対的な亜人たちと戦ってきた、そう思わされてきた人間たち。でも本当はそうでなく、むしろ亜人を侵略していたのは人間たちの方だった。その先頭に立っていたのがサトナで、しかもサトナは人ではない!? 無抵抗なファーの母の命を奪ったのもサトナ。勇者の役割りを担わされた子の口を封じたのもサトナ。

サトナがいろいろキナ臭い、ずっとそんなこといってましたけど、そんなどころじゃなかった! 今回明かされたいろいろは、これまでのサトナ像を根底から覆すもので、胸を至近から矢で射貫かれても絶命しない? 腕を切断されてもなんら影響がない、どころか触手? どうにもこうにも尋常でない描写が続いて、見せかけの器? ということは、人の外見を模しているだけで、中身はまるで違うもの。もともとサトナという人物はいたのか、中身が入れ替わっているのか、それともあるいははじめからサトナという人物は虚像に過ぎなかったのか、などなど、サトナにまつわる不審がどんどん膨らんでいくのですね。

アリスの姉、セレニアの命運やいかに。そして我らが主人公、琴音の気づいたこととは!? そして歌いはじめたその意図とは。不動産要素がすっかり吹っ飛んでしまって久しい『RPG不動産』、彼女らの未来はいかなるものとなるのか。いやもう、目が離せないどころか、はやく、はやく落ち着いて! いや、しばらくは動揺の続きそうな感触です。

『紡ぐ乙女と大正の月』

紡がうかがい知る華族の世界。きたるクリスマスを前にひとり浮かれていた紡が、唯月はじめ旭も初野も予定があると聞かされる。末延家で開かれるクリスマスの夜会に出なければならない。パーティーがあると知って目を輝かせた紡だけれど、女中としての仕事があるためパーティーへの参加など叶うべくもなく、さらには浮かない表情を見せる唯月、それはパーティーが大人たちの社交の場であること、家名に縛られ自由ではあれない唯月たちにとってはそも楽しめるようなものではまったくないのだという現実を如実に物語って、ああ、見るだにつらい、そんな悲しい情景。紡ならずとも、肝の冷える、そんな描写であったと思います。

思えば大正は、自由と権利を勝ち取ろうとする、そんな気運のあった時代でした。それはつまりは自由や権利の制限された人たちの多くいたということでもあって、唯月たちはまさにそうした状況に身を置いているんだということを痛感させられたエピソードでした。

時は大正10年暮。二年間の自由を許されながらも、本当に自由ではいられない悲しみを背負う唯月にとって、末延家の娘ではなく、ただひとりの誰でもない唯月として遇してくれる紡の存在は、どれほどにかけがえのないものであるでしょう。紡の前では飾らぬ自分自身であれる。そんな唯月を迎えてくれたささやかなクリスマスの飾りつけ。唯月にとってどれほどの救いとなったろう。しみじみ泣けるものありました。

2021年10月29日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年12月号、一昨日の続きです。

『とびだせT.O.Z』

学年別大会の続き、マナのチームメイトの出番が描かれるんですが、あがり性の柳さんの失敗! そして茶山のヤバい性癖! エクスタシーモードからの6位敗退。ああ、この調子で全員失敗していくのかな? と思ったらそうじゃなかった。

おお、我らが宇佐美、しっかり1位を勝ち取って、でもやっぱりどこか思いきりがなく、とっておきのウサミ・ポーズを披露できずにいるんですが、いっしゅんヘンなポーズとかいわれちゃったらさすがに気後れしちゃうよね。こういうところに一見自信過剰とも見える宇佐美の愛らしさが見え隠れして、なんかいいんですよね。

そしてその宇佐美のピンチ! 鼻血のカトリンがまさかの宇佐美以上のタイムを叩き出して、ここからの宇佐美の描写がまたよかった。自信過剰、油断を戒めて、決勝に臨むその気概。この好調を背に受けさらに前へ出ようとするカトリンと、なにがあっても負けないと意地を気力を振り絞る宇佐美。ふたりのしのぎを削る名勝負。熱い勝負、若い力のぶつかる様に、心ふるわされるものありました。

でも、それでもやっぱりかっこいいウサミ・ポーズを追求してしまう宇佐美とかね、それがちょっとおかしくて、面白くて、可愛い。なんだろうね。人の気持ちの愛らしさがあるのだと思います。

『通勤通学クエスト』

このところ柏木の話をよくする松島。柏木とは何者? 友人たちの間でちょっと話題になるんだけど、そこから松竹梅たち、皆の好みの男性像に移っていくの。それが面白くて、竹重の好みの年齢の幅、広すぎ! とか、いやもう、還暦までガキ扱いなの!? そんなタケちゃんのおじさん好きになった根本を探ろうという話だったんだけど、その前に描かれた松島大人気のところ。これ、とてもよかった。松島、どんだけ愛されてるんだ。でもわかる。松島、いいやつだよな。

そして最後に結論が出るおじさん好きの原因。それはかっこいいおじさんとの出会いがあったからというのね、ああ、これ大人の責任重大な話じゃんよ! 子供に誇れる大人であらねばならない。子供のこと第一に考えてあげられて、自分の気持ちや欲望を押し付けたりしない、そんな大人でなければならない! ああ、これは大人が正しく大人であることの大切さも物語って、それこそが人生のクエストか! ああ、クエストクリアはなかなかに遠く長い道のりであります。

『敷金礼金ヤンキー付き』

サンライズ荘の空き室。入居者募集したいんだが、なにかいい方法はないものか。そこでたえからの提案。PVを作って動画サイトで公開しよう!

その動画作成の様子がめちゃくちゃ面白くて、大家の無理難題! はいつもどおりとして、宣伝PVなのに凄んでみせたり、さらにはヤバい仕置部屋を紹介しちゃったりと、ほんとに? ほんとに入居者募集するつもりあるんですかい!? 見せちゃいかんとこばっか見せてない? っていうのの極めつけが佳とその仕打ち! ああー、えらいことになっとる。佳はわりとこれまで酷い目にあわないできてた感があるんだけど、ここにきてダイレクトに食らっちゃいましたよ。いやはや、この絵面、事故では!? ほんとにこんなのでいいんですか!?

大家のセンスはいつもどおりとして、たえはそのへんちゃんとしてるでしょう? だからうまくつくろってくれたりするのかな? と思ったら、さすがに限界越えてしまってたか、えらいヤバげな動画ができあがってしまった。でも、大家、それを気にいっちゃうんだ! いやもうほんと、入居者募集する気あるんですか!?

でもここまで振り切れてるからこその結果が出て、でもこれ多分、恐怖動画とかヤバい動画とかそっち方面の需要だよね!? でも大家が嬉しそうだからいいか。なんだかんだで大家が嬉しそうにしてるところ見るの好きなんですよね。ときに物騒、ときに乱暴だけど、それでもなんか楽しそう? 自分の気持ち全開でつっぱしる、そんなところが気持ちいいんですね。

『オネェの恋のはじめかた』

大事な人とあう約束があるという桜子。それを聞いて穏やかでないのが時宗ですよ。翔を無理矢理引き連れて桜子の後を追うのだけど、そこで見せる葛藤。嫉妬に身を焦がしながらも桜子のしあわせを祈る、そのアンビバレンス! でも気持ち千々に乱れながらも、そんなにも穏やかな表情で桜子のことを思う時宗、心の強いやつだよね。人間なんて、それこそ変に逆恨みして、他の男を思う女性を恨んだり不幸を望んだり、そうしたこともままあるではないですか。でも時宗はそうじゃない。

いい男ですよ!

気持ちの揺れ動きの激しさこそは若さ、青さを感じさせるものの、どこかしっかりとして揺らがない落ち着きも感じさせる。今回はそんな時宗の青春にスポットライトが当たって、でもそれをこうして俯瞰的に見て、評価できる人を登場させようとしたら、あれだけの人生の大先輩になっちゃうの!?

これだけの歳の差、含蓄が感じられるからか、時宗のことよく見て理解してくれていること伝わってきて、実によかったです。若かりし日を思い、まだまだ人生これからの人たちの今を温かく見守ってくれている。その感触が実にやさしげで、素晴しかった。時におとなびて、同世代の子たちではおよそ太刀打ちできないような時宗でもかなわないんだって、そうした時宗の少年の側面が見えたのもよかったです。

2021年10月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年12月号、発売されました。表紙は『おちこぼれフルーツタルト』。あらま、姉さん、大人気。ロコがチコと乙、ふたりに挟まれて、えらいこと迷惑顔! というか、チコ、よだれ! よだれ! うひー、そのよだれが垂れてる手、チコのかと思ったらロコのじゃん! ロコさん! はやく、はやく、手を洗ってらして! にしてもしかし、このセンターにあるまじき表情がおかしくて、格好はみんな3人ともにかわいいのになあ! いやもう残念アイドルたち。その面目躍如たる1シーン。えらいもの見せられた気分です。

今月は新規ゲストが4本です。

『異世界アイドル、推参です!』

仕事を終え帰ってきたら、自宅が大変なことになっていた! って、見知らぬ女子ふたりが出迎えてくれるのも驚きだけど、ドアがぶち抜かれている。いったいなにごと、強盗!? と思いきや、迷子になったので手近な部屋にお邪魔していました、ってそれはそれは迷惑な話だよ!

このふたり、ちょっとファンタジー系な格好していて、コスプレ? と思いきやそうじゃない。異世界からやってきた魔法使いにドラゴンだっていうんですね。翌朝、二日酔いで頭痛に苦しむも、魔法で軽く癒してもらったり、また朝食の目玉焼き、ガス台使わず手から発する炎で調理している。

医療費と光熱費、節約できるのでは……!?

というのはいいとして、アイドルのプロデュースを夢見ていた主人公。なんの因果かこうして知りあった不思議なふたりとともに、アイドル活動を開始することになりそうなんですが、魔法や炎、これら個性を生かすとなるとなかなかに普通ではないアイドルが誕生しそうでありますよ。

『放課後の間にマに』

待ちあわせに遅れてやってきた先輩。クマパーカーにドーナツをくわえて、遅刻の理由は曲がり角でぶつかった犬。可愛いから愛でてきたと、微妙にパターンを外してくるのはいい感じでありました。

この子たち4人、先輩の家の喫茶店、その手伝いに集まったんですね。それぞれに個性的で、手伝いにきたはずなのにしれっとお客になってる子がいたり、あがり性でお客さんに心配されるほどに緊張しまくる子がいたり。でもそうした弱点をカバーしあったりしながら、一緒にひとつのことをやりとげる様子。この子たちの互いをよく知り、仲を深めてきたこれまでがうかがえるようで、その仲間としての距離感がとても心地よかったです。

『トゥーBEE オア ノット トゥーBEE』

農業部に入部した主人公。しかし、なんと、虫が苦手! 農業といえば虫とは切っても切れない、そんな活動であるわけで、のっけから主人公花子を出迎えるのが養蜂場! 蜂蜜をとるだけじゃなく、虫媒のためにもミツバチを飼っているわけですか。結構な本格派なのでは!?

虫が苦手な花子。防護服で完全防御しても怖いものは怖い。蜂の他にも芋虫が出たりと、とにかく虫に縁のある部活動。花子はここでうまくやっていくことができるのか? というところで、蜂蜜の甘さに頑張っていく気持ち強めていくんですね。

農業のいろいろ、虫媒だったり土を耕したり、そうしたことが自然に当たり前みたく描かれている漫画。そのクライマックスは収穫なのかな? 野菜に蜂蜜を青空市にて販売するその様子は達成感など感じさせてくれるものあって、なかなかの充実。やっぱりこうした成果が見える、その実感に溢れている様子というのは魅力的だと思いました。

『TUNAGUあぷり』

漫画家志望の子たちが集まるバーチャル空間。作業しながら通話する、それに特化したアプリの世界を描いた漫画。当然、登場人物は漫画を描く子ばっかりで、主人公も仕事をしながら漫画家目指して頑張っている。中には、ある程度の成果もあげている子もいるようで、くららは担当がついている、取材にも赴いてと、つまるところこの子はデビューしてるわけですかな。

そんな中、賞への応募作を描いている子、セキがオンしてきて、なんとまあ、締め切りは今日、現在は19時半、ってことは4時間半で描き上げないといかんのか。というか、応募はもうオンラインの時代ですね。ギリギリでも今日中にやっつけて、日付が変わる前に応募のボタンを押して送信したらそれで間にあうのでしょう。となればやっぱり限界いっぱいまで粘りたくなろうものですね。

でも、いくらなんでも時間が足りなすぎやしないか? と、ここでなるほど主人公とくららが手伝って、締め切りまでに間にあわせるわけか! と思ったら全然違った! マジかよ!

応援してというセキの言葉を受けて、ほんとにふたり応援する。歌い、踊り、笛を吹いて、かくして締め切りまでに完成を見た原稿。おお、まずはよかった。と思ったところで、くららが、私達が少しくらい手伝ってあげればよかったんじゃない? 唐突に冷静さ取り戻すの、本当におかしかった。

だよねえ? そうだよねえ!?

ほんと、そんな感じに首を縦に振るばかり、そんなラストにやられました。

2021年10月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年12月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さん、ちょっといいレストランでお食事ですか? 手にワイングラス、注がれたワインがいい色ですね。榊医師が給仕なんですが、舌舐めずりで飲む気満々!? いけません! そいつはいけません! 今回のテーマは食のようですよ。『可愛い上司を困らせたい』恵はジョッキでビール、『冷めないふたりのひとりご飯』、本編ではなかなか見られない夫婦揃っての食事の情景。『らいか・デイズ』らいかは蝶ネクタイしてお子様ランチ。『小森さんは断れない!』しゅりはもりもり回転寿司の皿を積む気でいるようですよ。

『おしかけツインテール』

花梨がオープンキャンパスに参加です。大学では倉井さんという先輩に案内してもらって……、ってこんな人いたっけ? と思ったら、大学構内で出会った人なんだ。オープンキャンパス期間中に出店されている屋台、料理部の激ウマスイーツ確保の命を受けた倉井を花梨が助けたのがふたりの馴初め。って、ほんまについさっきやな。人付き合い苦手、引っ込み思案の倉井を見て、自分と同じオープンキャンパス参加者だと思ったのか。だよな、在学生なのにこんなに慣れてない感じとか、ちょっと思わないよな。

倉井の所属するポップカルチャー研究会に招かれた花梨。そこでの会話が面白くって、そうか、花梨よ、俊郎に鍛えられたのだな……。それでいいのか? みたいに思うも、早速その管理能力の高さを発揮して研究会に貢献! 入学前から総監督の名を欲しいままにするのか花梨サン!

こうした出会いやコミュニケーションの様子、いつもとは違った雰囲気と、けどいつもの花梨らしさもよく出ていたのがね、この子の個性のコアみたいの見せてくれてよかったと思いますよ。で、希望の大学、さらには入りたいサークルまで決まってと、これもう頑張るしかないじゃん! な展開。是非とも合格を勝ち取ってほしいですよね。

『ネコがOLに見えて困ります』

ギャルネコが連れている真面目そうな子猫。いや、ミコトからしたら人間の女の子に見えるんだけどさ、でもギャルネコについて塀の上歩いてるから、これは猫だなとわかる。そんな二匹についていって、面倒見てるおばあさんのお家で猫二匹、大福と万福を見守って、そうしたらエサの取り合いでケンカが始まった!?

いや、おばあさんがいうには教育なんだそうです。猫社会における序列や噛む時の力加減もろもろ、こうやって学んでいくんだという話。でも、どう見てもガチゲンカでは……? からのおばあさん介入! この平和な解決から、ミコトの家でのOLさんと社長ちゃんの様子に続くんですけど、ああ、こうして猫も育て、育てられていくんですね。そうしたコミュニティの一端が垣間見えたの、新鮮でよかったです。

『となりのフィギュア原形師』

休みの日に工房に顔を出す半藤。というか、この家、おこめ代表の工房兼住居じゃなかったのか。ともあれ、工房メンバーの動向を注意深くうかがって、ひとりを確信した半藤のやることは!?

ちょっとエッチなガレージキットの組み立てなのか!

イベントで買うと代表に漁られるから普段は躊躇していたところが、オンラインイベントなら家に直接届く、代表にバレずにすむ! というんだけど、思いっきりはぐちゃんにバレてるのが笑っちゃいますよね。

しかし今回はオタクあるあるみたいな要素も含むんでしょうか。開封からの半藤ひとり語り! もうしゃべるしゃべる。独り言が多いのはオタクの基本行動なんでしょうか。さらにははぐちゃんもとっておきの海外ガレキを前にめっちゃしゃべる! もう不穏! でもそんなふたり、思いっきりわかりあってる感出してるのがすごくいいんですね。恋とかなんとかじゃないよね、これは同志のそれよね。でもっていつもは聞けないはぐの本音、代表に対する辛辣な評価! これもちょっと驚きだ! うん、まあ、わかる。ぐいぐいきすぎやでってことね。

しかし今回、半藤ひとり回と思わせてはぐとのふたり回になった、かと思ったらリョウタロウからののじこ、その上代表も参加してくるほぼ全員回! これは豪華な展開しました。なんだかんだでガレキ好き、造形好き。仕事で作って、休みは休みで趣味で作る。おおう、ずっと作ってんな君ら、そうしたクリエイターの性のよくよく出ていた回でした。

ところで、はぐちゃん、思いっきり半藤を売ったの、その身のかわしっぷり、すごかった。というか、そのモザイクの向こう、どうなっとんの? はぐちゃんのことやからグロ系よね? 一般人でいい子ののじこがあんな憔悴しきった表情するなんて、どれほどなの!? いやもう、これは半藤気の毒ながらも面白かったです。

しかし今回はすっぴんはぐにジャージのじこ。素晴しい回でした。憔悴のじこも裏切りはぐも最高です。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

ノートを買いにいったら、いつものノートが新デザインになっていた。ちょっと使いにくいかなあとネットの感想をチェックしてみたら、デザイン変更は1年前!? 田舎の変化のなさに衝撃受ける八重が、さらには続いてみなが、亜紀が知らぬ間のデザイン変更にショックを受けるの、そうか、そんなにか。いつもなら八重ひとりがテンション高めの反応示して、みなはまだしも亜紀あたりはクールにいなすじゃないですか。でもその亜紀がここまで!

なかなかの意外性溢れた展開に、その衝撃の大きさをうかがい知りました。

でも、スーパーとかでっかい本屋さんとかならともかく、個人商店とかだと旧版がわりと残ってたりしますよね。やべえ、新デザインになって使い勝手が悪くなった! からの、買えるうちに旧デザインを確保しとくんや! の流れも、まあ最近はあんまやらんけどさ、何度かやった覚えがありますよ。でも、こういうのにこういう共感しちゃうのは、自分の住んでるあたりも田舎度ちょい高めってことなんだろうか。かも知れないですね。

今回は、ご近所さんに可愛がられている八重が可愛かったの、それがよかった。でもってクラスの半分がまだ旧デザインを使っている中、いち早く新デザインを使っている自分に浮かれている、そんな八重もとてもよかった。この子のこうした浮き浮き感、亜紀もいうようにちょっとズレてはいるんだけど、それは見ていてほのぼのと楽しくさせるものありますよね。

でもってラストの八重の新デザインノート。お茶こぼしてまさかの全滅! からの旧デザインリバイバルの流れ。いやもう、おかしかった。旧デザイン残っててよかったやん。使いやすかったんやろ? でも八重にとってはもう旧デザインに戻るという選択はないんでしょうね。最先端の新デザインを知ったからには、従来品には戻れない。この子、新デザインを求めて遠くの大型書店に向かったりするんでしょうか。なんてこと思ったりしましたよ。

2021年10月26日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年10月25日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号、昨日の続きです。

『追風のジン』

忍者に搾取、支配され、ついには皆殺しにされようとしているヨツワ村を救うべく忍者衆に果敢に立ち向かうジン。彼の技量は忍者衆たちを圧倒し、そしてただ忍者を前に無力を嘆くばかりだった村人たちの心にも活力を、自ら自身を助けるべく動く精神の支柱を取り戻させるにいたる。

ここでタイトル、追風の示すものがココロの口から語られて、そうか、ジンの吹かせる追風は、ジン自身に向けて吹く風でなく、ジンに助けられた人たちが、ただ助けられるだけでなく、前へと向かおうとするその気持ちを後押しする、そんな風であるというわけか。人々に元気や希望を与え、その背を押そうというジンの心意気。それが追風なのですね。

ただヒーローとして、弱きを助け強きをくじくだけじゃないのですね。活力を失っていた人たちの心に火を灯していく、そんなヒーロー。先頭に立って苦難を切り開き、その後についていきたい、自分たちこそがこの世界を生き、切り開いていく、そうした気概を思い出させてくれるヒーロー。ああ、これはかっこいいですね。感化され、自身の脚で立たんと欲する村人たちもかっこいいですね。

『観音寺睡蓮の苦悩』

睡蓮の母が介入してきましたよ。いろいろやらかしてしまっている娘に業を煮やして、環境を変えてやらねばと、急遽睡蓮の留学を決めてきた母。さすがの睡蓮もこの母には逆らうことができず、ああ、睡蓮、留学整理されちゃうの!? 主人公が留学整理……、斬新だ……。

これまでは、大抵のことを自分でなんとかしてきた睡蓮だけど、今回ばかりはそうもいかなくて、という絶望的なシチュエーションが周囲を動かしましたね。椿が、紫陽花が、睡蓮の留学阻止を決意する。さらにふたりは牡丹に助けを求め、その上、鈴、蘭に四葉まで動かすにいたるのですが、これは今まで描かれてきたこと、その集大成ともなろうものですね。それぞれに思惑のある子らが、ひとつの目的を前に一丸となる。時に対立したりしながらも、仲のよさを育んできた、そんな子らが、譲れない気持ちをもって、ついに動き出す。

睡蓮の尋常でない行動力が際立っていた漫画でしたが、その睡蓮の行動力が封じられたことで発現した新たな力。ああ、アベンジャーズだ。個性も能力も違う子らが、持てる能力、それぞれにできることをどう組みあわせ、問題の打破を図るのか。これは本当に見ものだと思います。

『ねことちよ』

ねこが育ててきたナス、ついに実が成りました。見事に実ったナスを収穫。けどねこはどこか浮かない顔で、ナスが好きじゃないんですね。ここで無理に食べさせようとせず、嫌ならふみやまきにあげてもいいよ、そういってくれるちよは優しいなあ。だからこそかな、ねこもちょっと挑戦しようという気持ちになれて、そこにかつてのふみの言葉も響いているの、これもよかったなあ。

ねこがいうんです。おいしいのにして! ああ、じゃあナスカレーだな! そう思ったらほんとにカレーで、わーお、びっくりした! 子供用の包丁まで渡してもらって、調理にも参加して、ねこ、これ絶対楽しいやつや。ナスも育てた。調理にも参加した。カレーの味付けもした。これ、絶対大丈夫なやつじゃん!

ええ、カレーができあがってからも躊躇してたねこだけど、ちよが、そしてふみがおいしいと食べてみせたの受けて、ついにナスを口にするんですね。

このお話、ちよがねこのことよく見て、苦手があったら克服させてあげようと、けれど無理強いはしないように気を配ってくれてるのがよくわかって、ああ、これは愛でありますね。ねこがよりよく育つよう、手をかけてくれている、それが伝わってくるのが本当に素敵です。

2021年10月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号、一昨日の続きです。

『スローループ』

冬季の釣り人はいったいなにをしているのか。冬場は釣りやすい魚が少ないときいた小春がひよりに問うたらば、釣りかな。ほんとに釣り人は釣りが好き、というか中毒? 今回は近場の川で鯉釣り大会なんてやっちゃって、それも鯉のシーズンだからとかいうんじゃなくて、渓流解禁が待ち切れない、なんでもいいから釣りたいから鯉ってことなんだそうで、釣り人のこうした行動にカルチャーショック? 驚きを隠さない小春のコメントなど、実に面白かった。

食パンを撒き餌にして鯉を釣るというんですが、疑似餌にこだわるひよりが本当に面白くて、フライでエサ釣りとかあかんのん? でもこれでもしっかり釣ってますよね、ひより。さすが、といっていいんですかね。

そこらの川で釣った鯉は臭くて食用には向きません。というので、鯉料理の話になって、そこから小春がかつて住んでた町の話に。そこにあるお店でよく食べた。その店の近所にはひよりの父が訪れた釣り堀もあって……、と、こうして途中、小春と恋が話していた里帰りの話と繋げてくるの、うまいなあ、こうして次の釣り場? イベント発生がうながされて、じゃあ次回は室内釣り堀から鯉料理ということですか?

釣りがテーマの漫画だけれど、ただただ釣りを描くのではなく、日常の生活や暮らしの風物、思い出、心情、そうした気持ちにリーチしてくるところがとてもいいと思っています。実際こうして小春の里帰りがなったら、そこでなにか特別なイベントもあるかも知れない。前回、小春とオンラインで一緒にゲームしてた友達とかね、そうした出会いもまた楽しみに感じます。

『球詠』

ひとりで打ち取ろうと渾身の投球を続けているヨミ。でもチームにはそんなヨミを支えようという気運が高まってきて、かたくなさをなかなか崩そうとしないヨミだけど、ここぞという時には皆がしっかり助けてくれる。決して見捨てないという皆の気持ちのひしひし伝わってきた今回。1回を3球で打たせて取った、それがこんなにも感動的に響くだなんて、まったく思いもしない展開で、いつものヨミを取り戻したい、いつも支えられてる自分が今日こそヨミのために野球をする、各プレイヤーの気持ちが熱い。

ヨミの気持ちもまた痛ましく、マイナスのエネルギーで投げている、その気持ちは自分ひとりで充分だという悲哀。なにがここまでこの子を追い込むのか。相手チームにいる元新越谷の選手、彼女のきいた陰口に対し激昂した結果なのだとはわかってる。だったら、なおさらチームとしての強さを示した方がいいのではないか。

自分ひとりで打ち取る野球ではなく、カットボールで打球を詰まらせ、打たせて取る野球に切り替えたヨミ。けれどそれがこの子の集中を切らせてしまうのか。だとしたらここからのヨミの投球はどうなる? 無理を押してでも直球勝負にこだわるのか、あるいはヨミに声をかけたタマ、この子の働きかけがなにか変化をもたらすのか。

この勝負は、ただ相手校との勝ち負けにとどまらず、チームとしての新越谷、彼女らの新しい局面を切り開く、そんなきっかけとなりそうな気がします。

『アネモネは熱を帯びる』

この漫画、このところとても面白い。最初のうちはなかなか自分の気持ちを認識できず、かたくなにあり続けた凪紗が、ついこないだ自分の思いを自覚したでしょう。それから一気に感情が動いて、豊かになった? 関係もすごく和らいだ。当初の、ずっと感情押し殺すようにして、陰鬱を抱えていた彼女が嘘みたいだ。ええ、こうなってくると、これからどうなるんだろう、どういう変化があるんだろう。すごく興味をかきたてられて、ちょっと目が離せない感じになっています。

今回は凪紗が茉白のことを名前で呼ぶというイベントがあったわけですが、さらには茉白のことを好きと明言したわけですが、でも凪紗がこうして気持ちに整理をつけたと思ったら、今度は茉白側で好きという気持ちに思い悩む様子が描かれて、まだまだわからないなあ!

凪紗の周囲でも、好きという気持ちを伝えても無駄と、思いなおしなさい、考えなおしなさい、呪いをかけるように迫ってくる南条先輩の鬼気迫る様子にビビらされたり、かと思ったらそんな南条のことを厳しくとがめる凛理なる人物が登場してきたりと、わからぬ! ほんとにこれからなにがどうなっていくかわからぬ!

わからないから気になる、そんなところもあるのでしょう。きっと最後にはよくなる、そんな信頼もあるからこその思いやも知れず、だったらそのよくなるの中に南条先輩も加わっているといいなって思います。いや、最後はよくならないとかないよね? その可能性があったりしたらちとキツくなるなあ!

2021年10月23日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年12月号、一昨日の続きです。

『いのち短し善せよ乙女』

うわー、乙女が死んじゃってる! 今日は乙女のお葬式。命を存えるために積み続けてきた善行、その課題に失敗してしまい死んでしまったというのです。最後の善行アイテムはBL本。クラスの子、藤井さんが同士と知ってテンション上がってしまったのが乙女の敗因か! BL好きとは誰も知らない知られちゃいけない、それで強硬に知らないふりしたばかりか、乙女を攻撃することで自分の秘密を守ろうとしちゃって、で、その後に乙女が死んじゃうんだから、そりゃあ藤井さんもショックだったろうと思うよ。

死後の世界で見る自分の葬儀の情景。次々と現れる参列者が乙女のことを偲んでくれて、デモニカまでもがそうなのか! このありがとうの数々は、たとえ神に課せられたこととしても、乙女がこれまで頑張ってきた結果なんだと思うと泣けてきますよね。そして藤井さんの後悔。ああ、この言葉が乙女に届いて、さらには杏エリカにまで届くのか!

びっくりしたよ、杏エリカの天使とは思えぬあの残念性格。あれはたまたまそういう人格だったんじゃなくて、そうなるように神に育てられたんかい! 驚きの残念神様のカムアウトに絶句レベルで驚いて、でもそれでもエリカは乙女との生活の変わらぬ継続を選んだんだなあ。

乙女の生還、それは確かに奇跡だけれど、その奇跡を招いたのは間違いなく乙女の行いなのですよ。そういわんがばかりの最終回。よみがえった乙女を囲む人々、そしてその表情、じんとくるものありました。ほんと、こうならないといかんよな! そう思われる期待どおりのラスト。その期待を受けてしっかり見事に応えてくれたこと、本当に嬉しく思います。

『今日の授業は恋愛です!』

文化祭の準備に追われている皆。さがりはなとせと一緒に劇の脚本を準備して、りっか・しらべは衣装係、こみねはみあおと一緒に大道具を作っていて、こうして個別バラバラにペアとなったことで、普段はあまり見られないような様子、会話が発生したの、いい感じだったと思うんですよ。

たとえばこみねのみあおへの恋愛相談とかね、なかなか普段の面々相手じゃやりにくかろう。そうした悩みを打ち明けるには確かにみあおはいい人選! りっかとしらべは、というか主にりっかだな、さがりとなとせふたりきりのシチュエーションに焦りまくってて、とこれはわりと通常営業ですね。こうしてあわあわしてるりっか見ると、なんかこの子らしさ感じられて安心するといったらかわいそうですね。でもそんなこと思っちゃいます。

なとせが小説書いてるのがバレたりと、そうした要素も今後なにかに発展していくのかな? というか、あの割と落ち着いてる、動揺を露にしないなとせがあんなに焦りまくる、狼狽しまくるだなんて! いやもうちょっと意外。でも可愛い。そしてなとせの秘密をからかったりせず、むしろ凄いといってくれて、興味も持ってくれたさがり。ああ、こりゃこの子、モテますよ! バレたら笑われちゃったりしないかな、そうした不安があったろうなとせも、さがりの反応に安心安堵。こうして気持ちがだんだんさがりに開かれていって、恋を自覚している今ならなおさら! いやもう、今回のメインヒロインはなとせでありましたね。

でも最後にターニングポイントが! さがりの苦い経験、恋愛に後ろ向きになるきっかけとなった、その子がさがりの前に現れた!? さがりをさぁちゃんと呼ぶ子、白百合会会長、さがりはその子をゆきちゃんと呼んで! ああ、覚えているのか、さがりさん!

いやもう、これは待ったなしですよ。

『のむラリアット!』

準々決勝に進出かなった梟池。次に当たるのは鐘白あるいは谷渋か。その試合を偵察にいったところ、勝つと予想された鐘白がまさかの敗退! かくして次の対戦相手は谷渋と決まったわけですが、この学校と青井先輩、なにかしらの因縁があったりするの!? とりわけパピヨンというリングネームの選手。青井がいうには最悪らしいけど、青井のいうことだから逆恨みみたいなもんだったりせんのかな、みたいに思っちゃったりするのはちょっと青井に申し訳ないかも知れないですね。

しかし、青井先輩、そろそろヤバいですよ! 自分自身自覚なさってますが、二連敗を喫している青井、桃ペア。というか、まだ2戦しかしてないんだから全敗ですよ、全敗! いくらなんでもそろそろいいとこ見せないことには株も下がりっぱなしってやつで、ほんとお願いしますよ! と思ってたら、桃を前面に押し出す合体技ですか! 期待してもいいんですか! いや、ほんと、ここでふたりは変わっていくんですね!

と思ったら、これだよ、ああー! 試合で当たったパピヨンの挑発に乗せられて、見事に冷静さ失う青井ですよ。部長からも重ね重ね注意されてるのに、桃も必死でとめてるのに、青井はまるで落ち着かない。というか、自分だって煽るのに、相手の煽りにそんなに弱いって、どうしたらいいんですか青井先輩! あぶなく開幕速攻フォール負けしそうになって、いくらなんでも肝が冷えて冷静さ取り戻すかと思ったら、ああーっ! あかん! 激昂して、その上挑発に乗せられちゃって、パピヨンからしたら、青井は御しやすくて面白い相手だろうなあ! いや、ほんと!

でもこの状況、ちと困る。そろそろ青井先輩、いいところ見せてくださいよ。ほんと、そろそろなんとかしないとネガティブな印象でかたまっちゃいますよ!

2021年10月22日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年12月号、発売されました。表紙は『すぱいしーでいず!』。カレーのソースポットにちょこんと収まったすてら。すてらの周囲にあるのは、カレーの材料? って感じではないですなあ。下がり眉でちょっと困った風に見えるすてら。内気なこの子の引っ込み思案がこうしたところにも見てとれる。ぎゅっと胸に抱いているのはぬいぐるみ。ぴょこんと伸びた耳をぱくりとくわえているのが、この子の不安をうかがわせてくれて、いたいけな様子をこれでもかと見せてくれていますよ。

今月は新連載が1本、新規ゲストが3本です。

『え?結婚って3次元でもできるんですか?』

不穏な漫画だ! 30過ぎてもオタク活動に邁進する星乃ヒカリ。いや、別に30越えてオタク活動してる女子とか普通よ、珍しくなんてないよ。と思って見てみれば、おおう、取材協力のクレジットにとら婚とあって、もしかしたらわりとガチめのオタク婚活漫画なのこれ?

オタク女子のヒカリ。同居する妹からもいろいろ心配されているのだけど、それ、オタクだからとか30過ぎても独り身とかだけじゃなく、感極まると? 壁に頭を打ちつける奇行のせいなのでは? 推しのキャラがいる。そのキャラを演じる声優のことも推している。そんなヒカリがゲットしたのは、推しの出演するステージのプラチナチケット。

それはいいのだけど、またそこで奇行に走るのか……。正直このへんの感情の機微はわからんのだけど、ともあれ妹の助けもあってマシな見た目でイベントに参加することができた。その会場で再会したのが、大学時代の友人、というのだけど、晴美恵、あだ名はミケ。この子、すっかり変わって小綺麗になってる!? ヒカリはミケも推しの出演するイベントに参加しているものと思い込んでるけれど、ミケの言動鑑みるに、どうもヒカリとは違ってるみたい……。

これ、不穏な展開が予感されるんですが!? ヒカリの推しの関係者なのでは? まさか姉ではないよね? 妹でもないよね? となればばばば? とりあえずヒカリの奇行が予感されて、今から覚悟決めていく所存です。

『花灯のコンフェッティ』

森で魔獣に襲われていたところを助けてもらった恩返しにと、魔法使いのミモザの家にお邪魔することになったセチア。セチアの種族、ハタリは恩を感じた相手のもとで恩返しをするのが習わしなのだというのですが、なるほど機を織ったりするのかい? いや、普通に家事をやってくれるみたいですね。

セチアが家を出た理由、外の世界から村に帰ってきた姉の話に感化されて、まだ見ぬ外の世界に憧れたからだというのですね。けれどそこにはまだ秘密にしていることがあって、それは大切な人との出会いを求めてのこと。そしてその望みはおおかた叶っているというのですね。

セチアを助けてくれたミモザ。かっこうつけてクールなそぶりしてるけど、実際にはいろいろ緩くて、実はおっちょこちょい寄り? 家事も料理以外は完璧、みたいなこといいながら、実際には掃除片付けもまるで駄目!

かくして需要と供給? それがマッチして、また誰かがそばにいてくれるということに嬉しさ感じているミモザの感情も。互いに求めあっているふたりの出会い。これから深まるふたりの仲や感情、その行方に興味がつきません。

『レンズ越しに鬼はいない』

転校生の千秋が昇降口でぶつかったのは、やたら目付きの鋭い女子生徒。あまりの険しい表情に怯えてしまった千秋ですが、この子の落としたリップクリーム、それを返そうと何度もその子、一鬼凛にアタックすることで、クラスの誰も知らずにいた凛の実際のところを知るにいたるのですね。

そうか、凛は目が悪いのか、それでものがよく見えず、結果しかめっ面になってしまう。そんな彼女にかけさせた自分の眼鏡。視力が矯正されて眉をひそめずともものの見えるようになった凛の和らいだ表情! いや実際、これは可愛かったです。

誤解されている凛と、けどその真実は千秋しか知らないという優越? というか、いろいろ悪い噂を聞かされてたけど、あれはどこまでが真実なん? ともあれ、学校の皆から怖れられている凛にもぐいぐいいく千秋のその姿勢。前半で描かれた関係性、それががらりと転換するのは見ていて面白く、魅力的と感じました。

『逢原サヤのラジオドットA』

新人声優の逢原サヤ。この子のはじめての仕事風景、ラジオのパーソナリティとして頑張る姿を描いたお話。なにかと失敗しがちで落ち込みがちなサヤのその浮き沈みを愛で、応援する、そうした要素もありつつ、ラジオ収録の現場のいろいろ、張り切ってはやくくるとまだ誰もいなくて不安になるとか、ディレクターに構成作家、ひとつの番組に携わる人たちの仕事ぶりなども描かれて、なるほどこうした現場に興味のあろう人には、その裏側を知ることもできる、そうした面白さもありそうな漫画です。

しかし、現場のいろいろが描かれるからなのか、ほらよくアニメ化とかされたら、アフレコ現場の見学レポート漫画とか掲載されたりするじゃないですか。そうしたテイストも感じられて、フィクションながら不思議なリアル感あったりするのも面白みとなっていました。

サヤの苦手や失敗して落ち込んだり慌てたりするところ。それがこの子の愛嬌として好感もたらしてくれるのがよかったです。それは、ただ失敗が描かれるだけでなく、前向きであろうとつとめている姿や、事前の台本の読み込みなど、この子の頑張りがともに描かれていたからだと思うのです。チャンスを前に不安もある、自信があるわけでもない。けれどそれでも、なんとか得たチャンスをものにしようと奮闘している、そうした姿にこの子の人間像、キャラクターの厚みを感じたのかも知れません。

ラストのサヤが自分のラジオを聞くくだりなど、頑張りのむくわれる様になにか嬉しさ覚えるのも、この子の存在を実感するがためなのだと思います。そしてだからこそ、この子の頑張る姿に元気づけられる、そうした気持ちにもなるのだろうなと思ったのでした。

2021年10月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年12月号、昨日の続きです。

『初恋*れ〜るとりっぷ』

プリシオンチャレンジを無事クリアして、まひろ先生とのふたりSL旅を勝ち取ったそら。SL銀河を堪能しながらも、先生に自分の気持ちを伝えたい。それでもじもじまごまごしてしまうそらはいつもどおりといえばそのとおりなんですが、それでもしっかりきっちり気持ち伝えることに成功するんですね。

この気持ちを伝えた時の先生の反応! これ、まるで気がついてないやつじゃん! みたいにも思ったんだけど、いやむしろそうではなく、以前からいろいろちゃんとわかってたともいえるのか。昔、先生がくれた思い出の切符。左下の数字が現行のものと違うんですか! そうした鉄道知識も挟みつつ、きちんとそらの気持ちを受け止めてくれて、ああ、その大好きという言葉はそらのいう好きに呼応するものと考えていいのでしょうか。

でも、最後のふたりの様子など見れば、成就した、そうしたもの感じさせてくれますよね。ふたりいつになくしあわせそうで、それだけにちょっとプリシオンが可哀そう!? 物語を終わらせるためにやってきた、みたいな感もある子でしたが、この子はこの子でまたなにかしあわせを得られたらいいな。そう、みながみな、それぞれのしあわせを手にする未来があればいい。そう願わされるお話だったと思うのです。

『お姉様のVな事情』

マリナの使っているフライパン。これ、うちにあるのと同じでは……? ともあれ、酒ばっかり飲んでいるミユキのためにと料理を作っている。その頑張りは無神経な弟の介入でふいにされてしまうのですが、でも今回はこの子のこうした気持ちがミユキにしっかりと届く、そんなところがよかったんですね。

商品レビューを頼まれたというミユキ。秋の新商品、ビールなんだそうですが、味のレビューとか無理なんだそうでして、なにを飲んでもおいしい。酒に酔ったら語彙が死ぬから? でもミユキがいうには昔から味とかわからない。なに食べても同じとかいってて、ということは酒はそれを味わって楽しんでいるというよりも、酔いたいから飲んでるということなのかな。

想像以上に不健全なミユキの生活。食事はずっとカップ麺ですませているというの知らされて、ミユキさん……、味覚障害なのでは……!?

なんでもできる、しっかりもので手のかからない子、そんな風に思われがちなミユキの、けれどその内に抱えている寂しさ? 虚しさ、それに気づかされたマリナと、ふたり一緒に食べたマリナのチャーハン、それがミユキにもたらしたもの。ああ、胸の空白が埋まった、そんな風に思っていいのでしょうか。完璧に見せて実はそうではないミユキの、欠けている部分をマリナが埋めていくのだとしたら、ミユキにとってマリナは欠くことのできない大切な存在になりそうですね。いや、もうそうなってるのかも。いい関係が築かれていきそう、そんな予感がしています。

『ぬるめた』

めちゃくちゃ面白いな。なにが面白いって、見せ方がすごく振るってる。

唐突にモンブランを作るといいだしたちあき。それが巻き起こす騒動、というか、あのメッセンジャーアプリでのやりとりの賑やかさ! めちゃくちゃ面白い。

さきなにくるみにしゆきと、それぞれの予定、活動に差し込まれたモンブランの衝撃と、メッセンジャーアプリに投入されるメッセージの噛み合いがすごいのね。四コマで進行していく個々の様子と、隣りあって描かれているメッセンジャーの画面、そこに出てくる吹き出しがリンクして、ああ、この子らのこういう反応があって、このタイミングでメッセージ送ってと、こいつはすごいや、四コマに描かれる素の反応とやり取りされるメッセージの機微! いやあ、よくよく魅せる、そんな誌面ができあがっていたわけですよ。

話題は錯綜しながらも、バラバラに休日を過ごしていた皆がモンブラン目当てに集まってくる、そのテンションの高さもまた素晴しかったよね。気持ちの高揚して、またそれぞれの持ち寄る話題、興味が絡み合って、ややこしいし騒がしいし、けどそれが面白い。ええ、本当に魅力的なもの作りあげられました。

なにがいいって、このやり取りに見える人の気持ちの見え隠れする様! 群像劇とはこういうものかい? いやもう、この漫画は個を描きつつ場も描いて、その限定された舞台でのコメディとしての完成度、すごく高いな。いやもう、見事でした。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

おお、いとちゃんの回だ。この子がメインの回は人の情のうかがえる、そんなよさがあるでしょう。こいつは期待されるぞ、そう思っていたら、案の定、とてもいい。いとちゃんの、自分の世界を大切にする性格と、でもそれがために見落してしまっていたこと、最初から決めつけて見ようとしていなかったものに気づけた、その変化やステップアップがこの子のよさをしっかりと押し出してくれていた。本当にいい話だったと思います。

いとちゃんの苦手にしてるもの、たくさんありそうですけど、ギャルもそのひとつだというのですが、桔香のせいでクラスのギャルっぽい子、カネポンと縁ができてしまった。ひとり静かに読書をしたいのに、空気を読まず話しかけてくるカネポンに気分を害してしまうわけですが、まさかそのカネポンがいとちゃんの読みたかった新作を持っているだなんて。本を貸してくれるから気を許したわけじゃない。カネポンがどういう子か、知ろうともせずにその外見から、スタイルから、自分にはあわない、苦手なタイプ、そう決めつけていたことをむしろ今では恥じている。カネポンがどういう人か知ることで、ギャルとして十把一絡げに括られていた存在から兼見さんという個人になったんだね。

兼見さん、本屋の子。この子の部屋には、父親から贈られた本がいっぱい! というのだけど、残念、この子は本は読まないのか。でも、新刊を手に目をキラキラさせているいとちゃんを見て、本の世界にちょっとでも興味が湧いた?

いとちゃんが、本をきっかけにして兼見さんのことを知ろうとしたように、いとちゃんをきっかけとして兼見さんが本に興味を持ったりしたら面白いな、なんてことも思ったりしたエピソード。知ることで世界が広がる。偏見もなくなっていく。そうしたことの大切さにも触れられていたと思います。

2021年10月20日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年12月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず!』

おお、今回は大人回だ。アンソロとなると俄然その才能が発揮されるかおすにやきもきしてしまう編沢。かおすがしっかりしてきてるのは嬉しいのだけど、どうしても引っ掛かりを覚えてしまう。そんな彼女たちの飲み会風景。一緒に飲むのはいつもの面々、虹野先生と寮母さんだ!

ああ、これ、絶対面白いやつ。絶対めちゃくちゃ面白いやつ。あ、イライラしてる編沢さん、可愛い。

編沢の、理性的に考えて評価しているところと自分の思いの深さの狭間にあって苦しんでいるところ、それが本当によくって、いいといったらちょっと申し訳なんですけど、かおすにはこうあってほしい、こうなってほしい、そう自分のこだわりを押しつけるのはよくないと自省しながらも、きっとそこにあるだろうかおすのよさ、それを引き出したい気持ちを抑えきれない。その葛藤! こういうのを絶妙の筆致で表現してくるのが素晴しくて、いやもうたまらないものあります。

暗黒勇者のアニメ化にテンションあがりまくってる虹野との落差も超面白く、かと思ったら寮母さんの思いがけない発言が! という、三者がそれぞれに思うところあって、時に持て余したり、ふたたび思いに火をともしてみたりという様子がね、若い子たちとは違う温度感あって素晴しいと思います。

しかし寮母さんの漫画持ち込み。いったいどうなるん!? これ、次回に続くんですか? なんか次回はしれっとかおす回だったりしそうで、この宙ぶらりんの気持ちが落ち着くのはいつになるのか。翻弄されまくりです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

饗子の学生生活! 学校に通っているのは知っていましたが、この子、驕りの気配を察したらいついかなる場所にでもふらりと現れ、気づいた時にはご相伴にあずかっているでしょう。あの様子見れば、ちゃんと学校に通ってる? そんな疑問も生じようというものですが、ああ、ちゃんと通ってはいるんですね! でも、そうか、時々中抜けしちゃってるのか。で、そのたびにどこかでなにかをご馳走になっていると……。

そんな饗子のこと、心配しつつ小言をのべる同級生の膳場尚美。クラス委員長やってるんですね。ふらりふらりと授業を抜ける饗子を注意するも、のらりくらりとマイペースな饗子にどうにも振り回され気味で、というかそりゃそうだよなあ。授業中、姿が見えないと思ったら、お友達とお茶してるという。ふたりでサボりか! と乗り込んでみれば、お相手は理事長先生だってんだから、いやもう、スケールが違いますよね。また饗子、生徒たちから信望厚く、相談に乗ってあげたり、さらには生徒会の広報部長なんてのもやっている。

って、すごいな。1年生なんだろう饗子? なのに、生徒会の仕事を任されてるんだ。いやもう、この子の底知れなさがうかがえるエピソードだと思います。

そんな饗子の人となりを尚美を通じて見聞きすることのできた今回。さらには饗子の優しさ? お家のことで忙しい尚美のためにふらり家を訪れ、妹の相手をしたり家事の手伝いしたりと、そうした優しさ、細やかさもまた魅力的な饗子でした。いやもう、これまでもその存在感にチャーミングな出で立ち振舞いに魅了されっぱなしだったのが、さらに好きになった。そんなエピソード。素晴しかったです。

『瑠東さんには敵いません!』

今回は和村ちゃんの妹、百々が頑張ります。姉の一番になりたい。一番可愛いといってもらいたい。その一心でいろいろ頑張るんですが、姉の漫画を持ち出して姉の好みをリサーチ。って、待って、駄目よ、百々ちゃん。お姉ちゃんの漫画、小学5年生のあなたには見せられないものもきっとあるからね!?

姉のことオタクだっていってる百々ですが、この子もちょっと感化されてますよね。「つくるし!! たべるが!?」、その物言い! オタクのそれやん! いやもう素晴しい。そのまますくすく真っ直ぐに育ってください。

さて、お姉ちゃん大好き百々さん。罵詈雑言と思ったら、それ誉め言葉なの!? 屈折してるなあ! でもさ、この子、どんだけ姉のこと好きなのか。そんな百々のこと和村はかわいいっていうんだけど、でもユメたん一位は変わらんのか! 大人気ないな、和村! でも、そんなところがいいんだよな。というかさ、リアル妹と2次元のキャラクター、別枠、別カテゴリーにはならんの? 筋金入りだな、姉。いやほんと、一途が過ぎる百々もそうだけど、姉もまたなにか宿業にとらわれている、そんな感あっていいですよね。

『ななどなどなど』

文化祭、準備の情景など描かれるのですが、これ、萌の業の深さが押し出されてるだけなのでは!? 小町が休んでいるあいだに決まった歌うフォトジェニックメイド喫茶。もう徹底的に嫌がってる小町ちゃんは通常営業として、すべてをるるのために、いや違うな、るるに可愛い格好させて自分が愛でたいがために動く萌のヤバさよ! ただでさえ発言力がある萌が、自身が欲を満たさんと、その能力のすべてを動員して教室を支配、都合のいいように動かしていく様はものすごかった。

ほんと、どれだけなんだ君。陰になり日向になりるるを推していく。狡猾! いや、でも、それで浮いてた小町ちゃんもクラスに溶け込めてきた? 小町ちゃんからしたら余計なお世話よな。わかるわ。めっちゃわかる。でも、なんだかんだで小町ちゃんのチヤホヤされたい欲も満たされたみたいでさ、よかったじゃん、小町ちゃん。嬉しい時は嬉しい、その気持ちを大切にするのはいいことよ?

そして小町ちゃん、メイド衣装フルセット! ええやんか! いや、萌の主眼はあくまでもるるなんだけど、萌によし、読者によしの素敵展開。あとは小町ちゃんやななど、るるにとってもよしといえる、そんな思い出の文化祭になれば最高ですよね。

2021年10月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年12月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。近未来的サイバー空間にいるココアとチノ、ふたりが皆との思い出振り返りつつ、写真データをぐるり展開している、そんな感じのイラストです。ティッピーがロボになって、もふ感ゼロになってるんですが、これはいいんでしょうか!? ともあれ、時代? 世界観は違っても、寄り添い手に手を重ねあう、そんなふたりの仲良さは健在。チノの表情など見るに、そうした関係もろもろに自覚的で、もう照れも戸惑いもしない、そんなまっすぐに気持ちの表されているような様子が印象的です。

今月は新規ゲストが3本です。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

ゾンビアポカリスものだ! 突如発生したゾンビウイルスのため滅びに瀕した世界。人類の90%が死滅ないしゾンビ化したといいますが、これはもう文明は存続し得ないなあ。と、そんな世界にやってきた白魔導士のリルー。ゾンビの存在は知らないながらも、怪我人と思ってかけた治癒魔法。それがなんとまあゾンビを浄化させるにいたって、これはちょっとしたゲームチェンジャーとなりうる存在!? いや、でも、90%が死滅ないしゾンビ化しとるんだろう? はたしてここから世界を取り戻すこととか可能なんだろうか。

リルーが出会った少女、アヤ。この世界での数少ない生き残り、というか、アヤの言葉から察するに、単独で生きている。生き残りのコミュニティはとりあえず存在しない。もしかしたらこの先、そうしたコミュニティに出会える可能性もあるけれど、当座はアヤとリルー、ふたりで生きていかないといけない、そんな絶望的状況ですよ。

でも本当にリルーの魔法、この世界における希望ともいえるものかも知れないですね。ゾンビに噛まれたアヤ。これ、感染してゾンビ化するのでは!? と思ったら、治癒の魔法、レサナによってゾンビは消滅、感染からも守ってくれる!?

デカいな……。これ、リルーを確保したものが生き残る、そんな局面になっとる。とはいえ、レサナは1日3回。ゾンビを浄化しまくってレベル上がったら使用回数も増えたりしない? と、まずは一般人と白魔導士、ふたりで生きていくことになった。どことなくのんきなこのふたりの前に、いかなる試練が待ち受けるのか。いや、そういう試練とかは出てこないかも知れないけど。絶望的シチュエーションに対し、ふたりがなんか力抜けてるのが悲愴感少なく読みやすいと感じました。

『おつよん』

すごい独特の感触が面白い。きらら誌を読んでもう長いけど、こうしたテイストの漫画ははじめてではないかな。だって、登場人物が擬人化された危険物。タイトルの『おつよん』っていうのは、危険物取扱者 乙類4種(乙4)か。ガソリンとか扱うのに必要な免状。出てくる子たちは個体、液体、可燃性、そうしたマークを髪飾りとしてつけていて、第一類と第六類のみ混載可能とか、だから第二類、第五類の子たちとは挨拶はかわしても一緒に行動しないとか、そういう基本的なところが危険物の特性にもとづいているっていうんですね。

見た目はほのぼの日常系学園もの。だけど解説のキャプション、可燃性とか引火性とか、それら文言が微妙に物騒で、ギャップがすごいなあ。最初はなんともいえん感触、新感覚だなって思ってたんですが、読んでるとじわじわおかしみが増してくる。なんか笑いが漏れそうになってくる。

ええ、新感覚だと思いましたよ。

これ、読み切りだけど連載とかいけるのかな。ネタ続くんかな。今回は乙4だけど、毒物劇物取扱者にまで広げるとか、そういう手段でいけたりする!? いや、そうするとタイトルが内容をカバーしなくなるか。などなど、可能ならいろんなパターンが見てみたいなんて思わされる、そんなよさありましたよ。

『漫画的宇宙で暮らすっていう事』

これもまた独特、というか実験的というか試みが面白い。漫画やアニメで描かれてきた世界がまさしく漫画、アニメの世界、登場人物は作画されたキャラクターで云々みたいな話ははじめてではない、これまでにも見たことはあるのですが、ここまで最初っから開きなおって、登場人物もそうした世界の状況を認識していてというのはあまり経験がないように思います。

また劇中の登場人物とは別に、この漫画を描いている存在というのも示唆されていて、連絡スペースとして使われている枠外にそのやりとりの痕跡を見ることができる。しかもこれ、やるなあって思ったのは、劇中に流れる時間と枠外の作画者たちの時間が全然連動していないところね。後半ページの展開を受けて、遡って背景に介入したりできるんね。

高次元存在からの侵略を受けて、三次元世界の人間は二次元世界に逃げ込みましたという設定は、漫画世界を成立させるためのギミックにすぎなくて、本質はまさしくあの漫画世界の制約や理不尽、その突飛な状況のかもしだす面白さ、おかしさでありましょう。しかしなにが怖ろしいかって、ふたりの登場人物、鈴木と田中のふたりがですよ、中身まで女子であるかどうかがわからない! いや、冒頭の鈴木の発言からしてやっぱり中身も女子だと思うんですが、それでも私はふたりともに実態はおっさん説を否定しきれない!

ええ、そうした理不尽をもはらむ漫画化世界。いやはや見た目以上に剣呑です。

2021年10月18日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年10月17日日曜日

ゼルダ無双 厄災の黙示録

 ゼルダ無双 厄災の黙示録』、ちょっとずつクリア後の小ミッションを消化していっています。できるなら一気にずばーっ! っとやっつけたいところなんですが、残念、時間があんまりとれなくて、ゲームは一日一時間! よりはちょっと多めにプレイはしていますが、なんせ週末のみですからね。やっぱりなかなか進められません。このへんは悩みですよね。そりゃがっつりゲームをしたい、そういう欲求はあるわけですが、なかなかかなえられるものではない。となると、隙間時間でも遊べるようにデザインされてるのが流行るのもわかろうもので、短すぎてあっさりってのも困りますが、長大すぎるのもちとつらい。ユーザーというのはわがままにできています。

さて、今回はちょっとネタバレ含んでいこうと思います。クリアした、エンディングを見たといっていましたが、その後、さらに小ミッションをクリアしていったら、もうひとつエンディングがあるの知りまして、あれま、ちょっと可愛いテイストに心やすまる、そんな感触がとてもよかったです。

テラコ、未来からやってきた謎の小型ガーディアンですが、この子を修復するともうひとつのエンディングが見られるんですね。また、この修復ミッションを終えることで、この子がプレイアブルになる。って、マジか! 君も戦うのか! 驚きまして、だって、ラスボス撃破時点でもうプレイアブルキャラは出揃ってると思い込んでいたんですよ。いやもう、まったくの予想外。意外な展開になりました。

とか思っていたら、さらにプレイアブルキャラが追加されて、って、お前か! いやもう、これはちょっと反則気味のチョイスです。厄災ガノン! って、マジか! いや、でもそれもありだな、これはそういうゲームなんだもんな。まだ試してはいないのですが、ちょっと重量級? あまり好みではないかも知れません。

プレイアブルになって驚いたキャラクターは何人かあるのですが、大妖精とか道師ミィズ・キョシアとか、まさかこんなのってあるのか! 予想外というかそもそも勘定に入れていないキャラクターでした。また同様に予想の外からやってきたのは未来の四英傑でしょう。そもそもこういう展開がくることを予想していませんでしたから、本当に意外でした。

想定の範囲、というか普通にストーリーに絡んでくるキャラクターで、この人もプレイアブルになるんだ! と驚いたのはコーガ様でした。反対に、あれ? この人はプレイアブルじゃないの? と思ったのがスッパ。いや、普通に考えたらスッパが先にやってくると思うじゃないですか。いかにも武闘派だし、操作系とか想像しやすいし。ところがコーガ。いつまで待ってもスッパはこない。マジか。今度のDLCで追加されるプレイアブルキャラ、謎になってる方はスッパなのか? いや、情報隠蔽して期待させておいてスッパってこたあないだろう。

ほんと、今後がわからんですね。

話を戻して、この人はプレイアブルになるだろう、そう思ってたら途中退場して、あら、プレイアブルじゃないんだ! と思ったらやっぱりプレイアブルだったハイラル王。これもちょっと意外でした。予想させておいて、一旦予想の外に追いやった後に受けてくる。こういうのはうまいなあって思いました。

さて、プレイアブルキャラで一番使いやすいのは、やっぱりリンクだと思います。とりわけ片手剣リンク。なんてったって便利すぎる。盾があるからガーディアンとか相手する時にガードジャストでビームを打ち返せる。『ブレス オブ ザ ワイルド』でも便利すぎて、バランス壊してない? みたいに思ってましたが、『厄災の黙示録』でもその便利さは健在。威力は落ちてますけどね。でも、ほんと、盾持ちキャラはガーディアン戦でかなり有利だと思います。

でもって、リンクの優位は弓矢が使えることにもあって、ヒノックスやライネル、あとカースガノンとかでもかな? 矢で射ることで怯ませることが可能じゃないですか。ウィークゲージを削る起点にもできるし、とにかく片手剣リンクはバランスがよすぎて、リンクばかり使ってたらレベルもガンガンあがってしまって、余計にリンクばかり使ってしまうという悪循環にはまっています。

また、体力満タン時のマスターソードが便利なんですよね。さすが主人公というべきか、かなりの優遇を受けたキャラだと思います。

てな具合でリンクをメイン火力に使いながら、気に入ってるのはインパだったりもして、あと弓矢装備のゼルダも悪くない。そんな感じで、DLC第1段の歴戦のガーディアンとか、もう開放してるのにまるで使っていない。いろいろ試してみたいと思うんですが、クリア優先で動くと、どしてもリンクになってしまう。このあたりも悩みの種ですね。

2021年10月16日土曜日

今日は休みます

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2021年10月15日金曜日

ゼルダ無双 厄災の黙示録

 『ゼルダ無双』、やっとこさクリアしましたよ。厄災の黙示録ですね。はあ、ずいぶんかかったなあ。半年くらいかけたのかなあ、と思って発売日を確認したら、2020年11月20日。ええ!? そんなに!? エンディングを見るまでに11ヶ月、ほぼ1年かかってるのか……。しかもおそろしいことに、まだ小さなミッションがいくつも残ってる。クリアしたらどかっと出てきて、いやもう驚きました。エキスパンション・パスを買ってるのでその分もあるんですが、Exがついてないのもたくさんあって、こりゃあ今年中に終わるかな……? いやもう、想像以上に長い旅路となりました。

ストーリーは……、発売後1年近くたってるのにネタバレ配慮もないような気もしますが、一応内容には触れないようにするとして、これは夢のおはなしだなあってのが素直な感想でした。

『厄災の黙示録』は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の過去にあたる世界を舞台としています。厄災ガノンの復活により荒廃してしまったハイラルに目覚めたリンクが、世界を旅し、人と出会い、謎を解いて、強さを手にいれ、そして厄災ガノンを討伐する。それが『ブレス オブ ザ ワイルド』のストーリーであります。

対し『厄災の黙示録』はというと、『ブレス オブ ザ ワイルド』のハイラルが崩壊する直前の時代、厄災ガノンの復活を阻止すべく時を遡り、ゼルダに、そしてリンクに働きかけることで、歴史を変えようとする物語です。

詳しくは書かないとしても、まさかこんな人までがプレイアブルに! このへんの人は使えるようになるんだろうな、事前に予想していたことを大幅に上回る展開に、これはもうサービス精神ですよね、すっかり驚かされて、なるほどなあ、起こってしまった災厄を時の流れという理を捻じ曲げてでも避けたいと思う気持ち。それがベースにある。実際にこの世界に生きる私たちにしても、あまりに痛ましい事件や事故、災害を目の当たりにした時、その前日にでも時を巻き戻し、起こるはずの危機を阻止、回避したいと夢想することがあるじゃないですか。

これは、それだな。ゼルダ無双、実はゼルダ夢想なのだな。

冗談はさておくとして、無理とわかっていながらも願ってしまうこと。それをゲームの世界でかなえてくれたのが『ゼルダ無双 厄災の黙示録』でした。

しかし、こうしてその構造や思いの基盤にいろいろ感じるところありながらも、無茶すぎる! と思うこともあり、でもそれもありだな、これはそういうゲームなんだもんな、なんてことも思う、いろいろ感情が動きますよね。でもって、ちょっとネタバレだけど、ラストのあの展開に、あー、こういうの悲しいの、こういうの駄目なの、定番といえるようなやつなんですけど、それでもショックだなあ、悲しいなあ、泣いちゃうなあ、みたいになってたら、やったあ、ここは夢想の世界、どんなものだって取り戻しちゃうぜ!

ということで、私は続く小ミッションを進めていかないといかんのです。

2021年10月14日木曜日

今日は休みます

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2021年10月13日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号、先日の続きです。

『死神ドットコム』

今回、ものすごかったなあ。豪華二本立ての一本目。合コンの頭数に呼び出されるメルメル。ほんとは男避けにするつもりだったのに、なんかめちゃくちゃ可愛く仕上がってきちゃうの! そうか、これ、気合い入れて装ってきたとかじゃなくて、まんま魔法で変身なのか。いや、この子、普段から可愛いっちゃあ可愛いけどなあ。

しかし合コン風景が非常にあかんことになってるのがですよ、ほんとものすごい。最初からテンション最低のミライ。食事にしか興味のないメルメル。ふたりに挟まれて落ち着かないタマという大変なシチュエーション。あの駄目人間筆頭のタマが、不思議と常識人に見えた! ちゃんとしたお姉さんに見えた! 不思議!

今回の見せ場は、滅法酷い目にあう男連中だったと思います。でもな、そもそも、酒は駄目とゆうとるメルメルに飲ませちゃった一樹があかん。すっかりデキあがって、パロスペシャル? からの無理矢理の飲酒強要に顔面にレモン噴射でもって台布巾でゴシゴシ。

すごい……。すごいコンボが決まった……。でも、この仕打ちを喜んでる相手方専務! いやもう、めちゃくちゃ面白い。ほんと実際なんだったんだこの会合。でもラストで明かされる真相、これがほんと輪をかけてあかん感じで、そう……、全部期待どおりの展開でしたか……。なんともいえん味わいでした。

で、こうした楽しいばかり(楽しいばかり?)のエピソードに続いて描かれた、夏の終わりの情景。ここでですね、メルメル上司がタマのことちゃんと殺せよってせっついてくるんですね。だってさあ、楽しくやってるじゃん。なんだかんだ困ったやつだけど、それなりに仲良くなって、情も移っちゃってるのでは!? なんてところに上司からの念押し。

おおおお、穏かじゃない……。ほんと、普段のメルメルの見せる楽しそうな表情と、上司の電話に答えた時の硬ばった表情、その落差! ああ、これ、なんかしんどいものありました。メルメルには頑張ってほしいところです。

『またぞろ。』

文化祭の様子描かれましてね、おばけ屋敷? やたら力の入った名画リスペクトが楽しいイベントであるのですが、ことはひとりなにも手伝うことなく当日を迎えてしまって、ちょっとした罪悪感? それから疎外感?

そしてこうした感情とは別に、巴と楓、ふたりの思い出の回想なんてのも描かれたのですが、これ、去年なのか。まだ中学生だった頃の楓、眼鏡にポニーテール! めちゃくちゃ可愛いじゃん! 友達とはぐれてしまったこの子が、通りがかった巴に一縷の望みを託し、学校までの道のりを辿るつもりが、カレー屋でいいのかな? いや、ただの定食屋? ともあれ、知らぬ同士でありながら、不思議な縁でもって一緒に食事することとなってしまったというんですね。

この時の、ちょっと後ろ向きな楓の様子。進路についてもどこかネガティブで、消極性ばかりが目立ったこの子が、巴の言葉に感化されて気持ちを切り替える。巴は別にはげますつもりもアドバイスしたつもりもなかったのに、それがこうして楓の選択に影響したんですね。

楓にとっての巴の存在、その特別さが伺える、そんなエピソードでした。でもって最後に、こと失踪!? いやもう、なんやかんや抱え込んどったもんなあ。次回はことの心情に触れていく、そんなことになりそうですね。とか思ってたら、思いっきり肩透かしかも知れませんけどね!

2021年10月12日火曜日

『まんがタイムきらら』2021年11月号

 『まんがタイムきらら』2021年11月号、一昨日の続きです。

『ぎんしお少々』

補講に遅れそう、学校へと急ぎ走るかなめですが、遅刻が確定するとなるとぱったり諦めてしまうの、うん、ちょっとわかる気がする。しかももゆるの家にいこうとしているしろと出会ってしまえば、もう補講そのものを投げてしまうというこの割り切り。しろがいうように、かなめはキャラが強いのかな? でもかなめ自身はそうは思っていないようなんですね。

かなめの家にいくの、ずっと嫌そうにしているしろと、呼ばれてもいないのに同行しちゃうかなめのまあ対照的なこと。でもそんなかなめも、こうしたキャラの強さは意識してやっているとか、でなんでそんなことしちゃうのかというと、子供の時分に出会った子、せつなからこの頃のことを忘れられてしまっていたのが心の傷になっている。

いや、でもそれしゃあないよ。ほんと、自分も覚えがある。幼稚園から小一にかけて親友みたいにしていつも遊んでいたしょうちゃんのこと、半年ぶりくらいに会ったら、しょうちゃんは覚えてるのに、その目の前の彼がしょうちゃんとわからなかった。これ、親友と思っていたやつから忘れられていた(正確には自分をわかってもらえなかった)しょうちゃんからしてもショックでしょうが、あんなに仲のよかった友達がわからなかった自分にしてもショックで、ほんと、これは今なお忘れられないできごとになっています。

かなめにとって幼稚園児だったあの頃の出会いに発するいろいろは確かにショックで、でもそれは逆側の当事者であるせつなにとってはどうなんだろう。そんなこと思っています。しろが提案したように、写真がなにかの結果をもたらすのか。だとしたらそれはしあわせなものだといいなあ。なんて思ったんですね。いやもう、忘れる側もショックなんですからね。

『桜色プルーフ』

南宮に引き込まれるかたちで、学校で起こる事件や不思議の解決に乗り出していくことになる桜庭来実。この子、冒頭の面談の内容から察するに、推理小説の書き手になれない自分にコンプレックスを感じたりしているのでしょうか。だとしたら、今こうして実地に事件解決にたずさわること、その実践家としての才能こそが彼女をコンプレックスから救うことになったりするのでしょうか。

さて、今回も甘いお菓子に釣られる来実いやささくらです。呪われた部室の調査というの、ここでさくらの弱点がひとつ露呈して、なんとまあ怖い話は苦手なんですね。だから手を引こうとしたのに、南宮の巧みな話術に誘導されてしまうの、なるほどふたりの役割、明確になっていきますなあ。巻き込む南宮、いいように扱われるさくら。その関係の妙ってやつです。

こうやって毎回小さくとも事件を用意して、それを解決していくという展開。謎とその解明というのは、読者の興味をそそり、ついつい先が気になる、目が離せなくなる、そうした気持ちにさせるものですが、でも毎回こうして謎を用意していくのは大変そう! でも、今回もそうだったように、その謎に関わることで、さくらの興味や苦手といったものが見えてくる。その行動や反応を通じて登場人物の個性が見えてくるのは好感触です。

My Private D☆V

『ゆらめきラグーン』の花宮みぃです。

D☆Vポイントは「いつもはマジメで優しいお姉さんが恥じらいつつちょっとキワドイ♥コスプレをしてくれる!!」、とのことで添えられたイラスト、というかイラストがメインですよねこれ、結構な大ボリューム! 画面狭しとお姉さんがみっちり詰まっている、そんな印象受けるほどに誌面全部がお姉さん! でもってこのコスプレは悪魔系? そんな感じの魅惑のセクシー衣装に身を包み、でもって素なのかあるいは若干の挑発を意図しているのか、そんなセリフが刺激的なんですね。

全体にむっちりめのお姉さん、なんですが、こちらは完全に意図されたもので、矢印でもって肉感と示されてるからわかりやすい。なるほどなあ、その肉感というか存在感、これはまぎれもなく説得力というやつだと思います。ええ、すごくわかりやすい。納得感ある肉感でした。

2021年10月11日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2021年10月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2021年11月号

 『まんがタイムきらら』2021年11月号、一昨日の続きです。

『ほぐして癒衣さん。』

夏鈴、職場で絵も描いてるんですね。基本はデザインだけど、カットが必要になるとペンタブ出してきて自分でなんとかする。広告の内容に即したイラストを描くわけですが、今回のボツ案ふたつ。極端から極端に振れる感じ、面白かった。いやね、最初のウソくさいのもアレですけど、あからさまにくたびれはててるの、これはどこからどう見てもあかんでしょう! でも妙に気にいってる夏鈴がおかしくて、この子にとっては仕事とはこんなイメージでくくられてしまうのかい?

だとしたら、結構病んでしまっているのでは!?

絵を描いて手が痛くなりました。それで癒衣さんが手を揉んでくれるの。マッサージの最中、いろいろお話しているその様子がいい雰囲気で、そうかあ、夏鈴の絵を癒衣さんは気に入ってるんですね。でもって癒衣さんからもカットの依頼。男女ふたりのイラスト。なにもないところからは描けないからと、癒衣さん、夏鈴のふたりで適当にポーズを決めて何枚か写真撮るんですけど、最初はポーズとるのに躊躇してたのが、だんだんノッてくるというか、生き生き伸び伸びしてくるの、これいいよなあ。なんか楽しくなってきたんですね。

かくして完成したイラスト。それはいいんだけど、絵は苦手という癒衣さんが描いた牛の絵。あの顔まで斑点になってるちょいキモなやつ、それまでデザインに含めちゃったんだ! これ、面白いけど、やっぱ消した方がいいのでは!? ささやかな仕返し? いや仕返しじゃないな、なんか癒衣さんにじゃれてるみたいな感じがする。ふたりの距離、どんどん近しくなってる、そんな感じがします。

『推しごとびより』

茜とましろがふたりでアイドルをやるにいたるまでのお話。茜には、子供時分に影響を受けた人がいたというんですね。通ってたダンス教室の先生。いろいろ教えてくれた中にアイドルのダンスがあって、それは先生がスクールの講師の他に取り組んでいたアイドルにまつわるものだったのでしょう。でも、先生、アイドルとしての夢破れたか、踊ることに絶望をして、スクールの講師もやめてしまった。

茜がアイドルになろうとしたの、この先生にダンスの楽しさをふたたび思い出してほしいから。先生に自分の気持ちを伝えるためにトップアイドルになると決めて、そのために自分の心に響いたましろの歌を必要としたんですね。

ふたりのやりとりに見える感情。切実な茜の思い。そして最初はアイドルをやることに否定的だったましろに、アイドルとしての道を踏み出させるにいたった茜の言葉。そこには気持ちと気持ちのぶつかり、響く、そんな関係があって、いわばこの時に茜はましろにとっての特別になったんですね。

ふたりの馴初めを聞いて、カラフルリウムの面々、独自の解釈もあるんだけど、好きという気持ち、大切なものに向ける思いを伝えたいというのは自分たちと同じ。共感しあえるトピックをこうして共有したことで、より互いに理解しあえるようになった? 少なくともより親しくなれた、そんな雰囲気ほのめかされたラスト、とてもよかった。茜のちょっとやわらいだ表情、それがとてもよかったんですね。

でもって、ぐいぐい押していく心町! この子のマイペースさは留まるところを知らないですね!

『えるくえすと!』

今回はいきなり戦闘シーンからスタート!? と思ったら、なんとまあ、こはるが作った衣装を着ての撮影会、すなわちコスプレ回でありました。エルたち異世界組は普段の装備を身につけて、ましろはちょっと豪華にドレスを着てというんですが、まさかルチアの補助魔法をライティングのために活用するとか、応用にもほどがある柔軟な発想に驚かされます。

その後、皆それぞれに多彩な服に着替えて撮影は続くのですが、RPG定番の職業思わせる衣装を着ればちょっとした転職気分、もしかしたら自分にもあるかも知れない今とは違う可能性に胸踊らせている様は生き生きとして楽しくて、さらには普通の服やセーラー服といったものまで投入されるにいたっては、また普段とは違う皆の姿や表情が見られるという、目にも嬉しい描写が繰り広げられることとなりました。

しかしなんでまた突然の撮影会? これ、デジカメが発掘されたから皆を写真に残そうと思って開かれたというんですが、こはるの趣味性押し出されたイベントかと思いきやそれだけではないようで、いずれくるお別れ、それを心の奥にしっかり留めた上での催しだったんですね。

いずれくる別れ、こうして皆と一緒に過ごせる時間の終わることは避けられないけれど、だとしても終わりばかりを意識して今を楽しめないのは違う。それを、ゲームの終わりに例えるこはるの言葉は胸に響いて、いえね、自分はゲームが終わりに近づくと、途端に先に進めなくなってしまう症候群に罹患しているものでして、これ、反省点だなあ。たとえ終わるとしても、その終わりまでしっかり楽しんで進めていく。そうした意識を明確に持ってるこはるは、おっとりしてぼんやりしてるように見せて、芯はしっかりとした人なんだなあって思わされたのでした。

かくしてコスプレ会の写真とポスターができあがって、これはいつしか懐かしく思い出される、そんな思い出になるのかも知れませんね。たとえこの先、今生の別れがあったとしても、皆が楽しく過ごした日々が確かにあったこと、それを思い出させてくれるよすがとなる、そんな宝物になるかも知れないですね。

2021年10月9日土曜日

『まんがタイム』2021年11月号

 『まんがタイム』2021年11月号、一昨日の続きです。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

いや、びっくりしました。だって、前回のあの流れで不合格なんて予想もしてませんでした。見事に琴音が試験に合格し、わあって盛り上がりと感動の波が押し寄せて今回は終了。次回から新たな琴音のチャレンジが始まりますよ! みたいな展開なんだろうなー、とか思いながら開いたら、のっけからのしょんぼりムード。

なに? え? なに、どういうこと?

戸惑ってたら琴音の不合格が明らかになって、でもって次のページで衝撃の瞬間描かれるでしょう!? これ、ビビるわ。テレビ見てた人が一番驚いたんじゃないか? これ、ちょっと話題になるケースだと思う。お天気おねえさん、顔面蒼白でお天気コーナー終了ですよ? いや、これはまさかの展開でした。

さすがの琴音も落ち込みますよね。顔色失った琴音の様子、見るだに不安にさせられるものあって、加えて牧もえらいこと沈んじゃって、いやもう衝撃の展開でした。

で、ここでまさかの琴音失踪疑惑! いや、さすがに傷心のままふらり失踪とかないだろう。実際そのとおりで安心だったんですが、琴音をよく知る人たちにまずは心当たりを聞いて、その条件から真由が導き出した場所! 江波山の気象博物館!

実際そこに琴音がいて、そこからの牧の言葉、琴音に対する思いの深さ、情感溢れて、素晴しかった。ほんとに琴音のこと大切に思っているんですね。そして牧にはげまされてやる気を取り戻した琴音! いやあ、結果こそは残念だったけど、こうした気持ちのやり取り見ることができて、いいエピソードだなあって思いました。

そしておさわがせ琴音のがっかりポイント。電話の充電切れからの気象館臨時休館って! とほほほって脱力して、でもこの緩さがこの子の魅力なんだと思う。なにかあってもほっとさせられる、そんな瞬間がある。だからこそ愛される、そんな風に感じたのでした。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

おおっと、新展開ですか? ドーナツ屋にて深刻そうに向かいあって座る笹本と桐谷。このふたりだけっていうのは珍しく感じますよね。で、なんの話かと思ったら、笹本の予想では告白!? でも実際は、球技大会の時、桐谷が超能力使って牽制したら笹本が携帯電話落として画面割れちゃったでしょう。それが自分のせいと知らされて、悪いことをしたなあ、謝ろうとしていたんですね。

こうして素直に謝ろうと思えたのは皆葉と澄花の影響かなって桐谷が思うところ。その言葉を受けて、あのふたり最近いちゃいちゃしてるもんな!? って、あらぬ勘違いする笹本。こうした認識のすれ違い面白くって、で、予想のはずれてしまった笹本の恨み言。ほんと、面白かったです。

ふたりの帰り道、その会話がねとてもよくって、自分だけが特別だと思ってたという桐谷の今の願い。ささやかで、でもほっと気持ちに温かみをそえる、そんなしみじみとしたよさありました。

さて、この漫画、皆葉と澄花の関係が一段落して、それで次は笹本と桐谷、ふたりの物語がはじまろうというのでしょうか。ふたりちょっとお似合いと思うんですよね。ってのは無責任な外野の感想ですけど、ふたりがドーナツ屋で会ってたことに気づいた澄花のあの顔! いやもう、ほんとわくわく溢れちゃってるじゃん。ええ、このわくわくの続きあったりするんでしょうか、なんて期待しちゃいますよね。

『良倉先生の承認欲求』

今回は生徒相談室からのスタート。良倉と星畑が向かいあって話しているんですが、なにがおかしいって、相談してるのは良倉先生の方ですかい! この通りと頭を下げるところ、どれほど深刻な悩みが!? と思ったら、なるほど、ぶんちょー紳士の大ファンである氷高さん、彼女について弱みを握ってきてほしい、って穏やかじゃないですね!

氷高さんの行動力ですよ。ぶんちょー紳士の行動範囲を推測して絞り込んできたり、文化祭でも正体特定のために罠仕掛けてきたりと、じわじわ良倉に肉薄しつつあること、そいつを怖れてるんですね。でも震える良倉に冷静なつっこみいれる星畑の頼もしさよ。うん、それ、すごく正論。めっちゃ先生を追いつめてる。

でも、良倉からのお願い聞き入れて氷高にコンタクトする星畑、どうなるのかと思ったら、ふたりなごやかに話をする機会ができましてね、おおっと友情深める系イベントじゃん、すごくいいじゃん! そう思ったら、そこでさらりとこの子の分析力示されて、すげえ、ほんと、最高だと思う。今回のエピソード、氷高への好感度、がつんがつん上がるんですが! ええ、こういう理知的クールな女子、大好きなですよ。かっこいいわあ。光輝いて見えますよ。

で、そんな氷高の可愛い側面。ぶんちょー紳士のOLさんに憧れてるんだって! ちょっと照れながら話すところ、まあ正体知ってる星畑からしたら若干複雑な心情抱いたりもするわけだけど、氷高に対しての好感あがってますよね! いやもう、すごくいい、もっとふたり仲良くなればいい!

そして最後の良倉への報告、ここでの星畑がまた素敵で、ちょびっと先生のこと脅かしながら、氷高のためにもがんばってよねって思ってるの! ああ、この子、なんてチャーミングなんだろう。

この漫画、女子も男子も、もちろんおっさんも、みんながチャーミング。見ててすごく心が浮き立つ、そんな喜ばしい気持ちになるんですね。

2021年10月8日金曜日

『まんがタイムきらら』2021年11月号

 『まんがタイムきらら』2021年11月号、発売されました。表紙は『しあわせ鳥見んぐ』。すずと翼ふたりで鳥見にお出掛けでしょうか。翼の手を引いて先に立って歩くすずのその様子、はやる気持ちが現れているようでとても魅力的。ふたりの周辺には野鳥が舞い飛んでいて、ルリビタキにシジュウカラ、そして、そして……、ヤマガラ? うーん、わかんない。いや、これ、ジョウビタキかな……? みたいに、特徴を手掛りに色々調べてみるだけでも面白い。こうした楽しみ、もっと鳥に詳しい人だとより一層のものになるのでしょうね。

今月は新規ゲストが1本です。

『それでは、ステキなセッションを。』

高校卒業後、音楽の世界に身を投じたベーシスト是沢芽依。まだまだ未熟ながらも、楽しそうに演奏するそのスタイルが評価され……、といいたいけれど、そうか、緊張するとその持ち味が失われてしまうのか。将来性に期待されている? あるいはその人好きするキャラクターが仲間として一緒にステージに立ちたいと思わせる? でも、どうしても一番の魅力、持ち味が発揮できずにいるのがもどかしい。

そんな芽依の前に現れたのが、不思議なけも耳少女。本番前のステージ袖に突如現れたこの子が、芽依に引かせたのが「ご新規さんおいでませガチャ」。スマートフォンのゲームっぽいインターフェース、最初の一回は無料でひかせてもらえるこのガチャで、出てきたのが星3アイテム、いい感じのピック。

この不思議な子、お助け妖精を自称するてん。音楽の妖精? それともステージの神様とかそんな感じの存在なのかな? 授けられた不思議なピックで演奏した芽依は、いつも以上の演奏ができて、思ったフレーズがそのままに音になってくる! その生き生きとした躍動、楽しさがこの子の持ち味をこれまで以上に発揮させてくれて、ああ、これが芽依の第一歩なのでしょうか。

ところでしかし、このガチャ、初回無料分を引いてしまったからには次からは有料なんですよね? もらったピックは今回かぎりの消耗品だったりするのかな!? だとしたら、次からこそが大変ですよ、芽依さん!

『しあわせ鳥見んぐ』

探鳥会に参加したすずと翼。案内役のお姉さん、大塚あすかは翼と知りあいなんですね。昔から鳥についていろいろ教わってきたそうで、なるほど、すずにとって翼が師匠なら、あすかは翼の師匠であるわけですね。

都市公園での野鳥観察。耳に届く鳴き声を頼りに鳥を見つけて観察。ピーヨピーヨと鳴く鳥はヒヨドリ。この鳥は家の周辺でよく見ますよ。でも鳴き声を意識したことはなかった。次に見掛けた時には、ちょっと注意して観察してみたい、そんなこと思いましたよ。

しかし、あっちにもこっちにもヒヨドリ。あんまりにたくさんいるものだからハズレ扱いされてたけれど、東アジアにしかいないんだ。へえ、これは知りませんでした。世界的には珍しいんだ。そしてヒヨドリに続き見つけたアオゲラ。こちらは日本固有種で、海外からは憧れの鳥なんだっていうの、なるほど、タヌキが国外では珍獣として珍重されるのに似てますね。

今回、こうして双眼鏡を手に観察してきたわけですが、次回はフィールドスコープを投入? はたして機材を変えれば見られる鳥にも違いが出てくるのか。あるいは同じ鳥でもまた違った姿が見られるのか。これは楽しみですね。

『けいおん!Shuffle』

全然部活に出てこないリサ! 見た目どおりに不真面目だ、そういって真帆がえらいこと怒ってるんですが、でもリサと蘭花の昔の話を聞かされて、ちょっとずつリサに対する印象が違っていくの、この展開がいいですね。ずっと内気で引っ込み思案だった蘭花が、リサのメイクでその内面も変えていくことができた。でもまだまだ、そう思う蘭花が次へのステップとすべく取り組んでいるのが、今の部活での活動だっていうの、これほんといい話だったと思う。ちょっと謎めいて見えた蘭花だけど、その奥には切実な思いがあったんだなあ。そしてそこにリサの助力があった。

楓の外見を変えたように、蘭花もかつてリサに魔法をかけられて、そこから新しい自分の模索、チャレンジがはじまったんですね。

外見と内面のギャップ。見た目の変化が気持ちを引っ張っていってくれることがある。あるいは必ずしも人は見た目どおりではないということもあって、リサがまさにそのとおり。なんと、ボイストレーニングに通ってたんだ。ボーカルとしての力をつけるべく、隠れて努力していた。この頑張ってるところ見せたくないっていうの、ちょっとわかる気がする。この子もこの子で、ちょっと不器用ものだったりするのかな? ええ、真帆じゃないけど、この子への印象、大きく違ってきますよね。

外見と内面に焦点をあてた今回。テーマがぴしっと一本通ってるのも好感触。また一年生たちの性格も、二年生もだな、生き生きとよく表現されて魅力的。いいエピソードでありました。

『むすんで、つないで。』

つなぐの憧れの存在問題、いったんの解決を見ましたね! 学校では皆からの憧れを一身に集めているつなぐ。でも本人はそんなつもりではなかったし、そうと知らされた今にしてもなぜそんなことになってるかさっぱりわからない。皆の期待を裏切らないよう、憧れの君を演じた方がいいのか否か。

その問に真っ向から正しい答を示した七色、素晴しい! 君は素晴しいぞ! 皆が憧れていたのはこれまでのつなぐ。演じなくてもいい、今までどおりでいい。そのストレートな答はまさに自分がつなぐにいいたかったことそのままで、しかしつなぐはえらいこと悩んでますね。そんなに普段の自分はなにか特別なのか? 自分は、最低限のことしかやってないし、できているかどうかもあやしい。そういって卑下している、わけでもないのかな? 自信がないんだよね。そりゃそうだよ、決して特別でもない、なにかに秀でているわけでもない、そう思っていた自分なんだもの。昨日今日、皆の憧れるつなぐさんですよっていわれたって、そうなんだとは飲み込めないですよ。

そんなつなぐに白百合がね、ほんと真正面から思うところを伝えようとしてくれて、ずっと素敵なお姉ちゃんだったって、ああ、素晴しいよなあ。ほんと、この場面は感動的でした。この子にとっては、つなぐはずっと素敵なお姉ちゃんで、そんなお姉ちゃんが駄目とか自信ないとかいってるの、きっともどかしい思いで見ていたのだと思う。だって、最初のうちから一貫してこの子はつなぐのこと信頼して、つなぐは大丈夫だって、頼りになるんだって譲らなかった。その思いが、ついに本当の本当につなぐに届いたのが今回だったのかも知れません。これまでは、どこか本気にしてこなかったつなぐが、今回こそは真摯に白百合の思いを受け止めて、名実ともに頼れる素敵なお姉ちゃんになったんだと思う。

ええ、よかったなあ、白百合。君の素敵なお姉ちゃんは、本当に本当の素敵な白百合のお姉ちゃんになったんだよ。ふたり、実の姉妹ではないけれど、またなにか特別な縁に結ばれた、そんな素敵な関係であると思います。

2021年10月7日木曜日

『まんがタイム』2021年11月号

 『まんがタイム』2021年11月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』がボクシングをしてまして、これは運動の秋なのかな? と思えば、ダンベルを両手にふるっている『花丸町の花むすび』花子があって、『秘密のお姉さん養成ノート』の蛍はバランスボールの上でバランスをとっていて、ってこれすごく難易度高くない? スポーツというよりもトレーニング、あるいはエクササイズ色の強いラインナップが並んでいます。そして『百合のあいだは悩ましい』の告知カットもございます。

今月は新規ゲストが1本です。

『百合のあいだは悩ましい』

美術部に所属する藍田少年は、不思議と特定の女子、白野合子と黒崎百恵に挟まれることが多くて、今日のスケッチでも左右ふたりに挟まれた席に座ることとなってしまう。はたしてなぜこんなことになるのだろう。

白野と黒崎、ふたりの気持ちは読んでればちゃんとわかるようになっていて、ふたりともに藍田のことが好きで、自分の隣に座らせようと思ってるもんだから、どうしても藍田を挟む席順になってしまう。でもこの藍田ってやつが曲者で、ふたりの好意にはまるで気づかないどころか、白野、黒崎のふたりこそが互いに愛しあっていると百合的関係を妄想し、邪魔な自分は退こうとして、逆にふたりに止められる。

なんともいわれん三角関係? 頂点のひとつが消えよう消えようとしているいびつな三角ではありますが! が描かれるのですね。

ヒロインふたりの性格は対照的で、でもどちらも可愛らしく描かれていると思います。でもその好意は藍田には届かない。結構あからさまなのになあ。あまりににぶい藍田にやきもきするか、あるいは藍田と一緒にありもしない百合に思いを馳せるか。その読み方にもバリエーション、幅が出てきそうな感じがします。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島監督を看病しにいった時に、いろいろ作り置きしてきた白石。それを真島が写真に撮ってSNSで公開したところから騒動が広がっていく。真島に恋人がいるのではないか? いや、あれはお母さんじゃないの? 憶測が飛び交う中、女性アナウンサー大石のあげた写真が物議をかもす。

これ、事実を知っている白石からしたらなんとももどかしく、そして不穏な状況ですよね。たまたま似たおかずだっただけなのに、おかしな噂をたてられてかわいそう。そう思いながらも、しばしば軽い嫉妬やら落ち込みやらが発生するのが漫画のおかしみですが、それでもあらぬ噂に尾ヒレがついて、さらには周囲から非難される大石を見れば黙っていられないのが白石という人のよいところ。

ええ、今回は白石の気持ちの真っ直ぐさと、そしてラストの真島がちらりと見せた? 白石への好意。ただ看病のお礼じゃないよね? いつにも増して素直と感じられる真島の飾らない感じがとてもよかった。白石と一緒にいる時の真島、ふたりの会話も、とてもいい雰囲気で素敵だと思ったのでした。

『茨城ってどこにあるんですか?』

多恵のバイト先、カッパマートの新サービス。宅配をはじめるというのですが、まさか多恵が配送スタッフとして勘定に入れられている! でも多恵、素直というかチョロいというか、最初は抵抗見せたものの、店長にお願いされて、さらには自転車こぐパワーがすごいとおだてられたら、まあいいかと引き受けちゃった。

この多恵の人のよさ。この子の美点だけど損するタイプ? とかこの時点では思ったんですが、先を読み進めれば、ああ、この子は目先の損得にとらわれないんだな。配達にいった先で困ってる人がいれば、花壇の水やりだって進んでやるし、犬の散歩だってどんとこい。野菜の収穫まで手伝って、そのたんびになにかしらいただいちゃうから、配達した分よりも多くなっちゃってないですか?

これ、本当にこの子の人徳だと思う。こうだからこそ皆から好かれて、頼りにされるんだな。

そして最後に森戸の家を訪れて、風邪をひいている森戸のためにおかゆやらいろいろ、看病グッズをデリバリー。この気負うことなく、相手にとっていいことをさらりとやっちゃうかっこよさ! ほんと、いい子だよ多恵。もう森戸も感動しまくってるじゃん!

ああ、いい話だなあ、と思ったのだけど、あちこちで頼まれごとばんばん引き受けちゃうから、お店にとっては出たっきり戻ってこなくて大変なんだ! いやまあそうだよなあ。うん、宅配については多恵はミスマッチ人材でしたね。こんなにあちこちで頼られるだなんて店長からは予想外でしょうけど、多恵の断われなさからはじまった話なんですから、最後まできっちり必然感ある納得の終わりでありました。

2021年10月6日水曜日

『まんがタウン』2021年11月号

 『まんがタウン』2021年11月号、昨日の続きです。

『押しかけギャルの中村さん』

秋山の家に転がり込んできた中村さん。この人の『魔法少女りるるる』にまつわるバックグラウンド、さらには秋山に対する意識のはじまりが語られた今回。大荷物から出てくるりるるるグッズの数々もだけど、オタクなのかといわれて照れているのが面白い。昔は悪口みたいだったオタクって言葉が、今だとただ好きなだけではない、より先に進んだ求道者みたいな感じになってるんですかね。照れたり、スティック3本を誇りに思ったり、その表情のくるくる変わるところなど、魅力的なお嬢さんです。

でも、ここまで入れ込んでいるりるるる。このことを一緒に語りあえる友達ないしいるのかというと、そうじゃないっていうんですね。友達ははやくにアニメから離れてしまって、りるるるの話はできなくなってしまった。心の中に大切にしまって支えにしていたりるるるを、ふとした時にわかってくれたのが秋山だった。髪型がそうなんですね。って、わかるのか秋山!

かくしてりるるるが繋いだ縁。ふたりはもう友達だ! みたいな流れ、おお仲良きことは美しきこと、みたいに思ったら、友達ということに付け込んで長逗留する気満々じゃん!

こうして本格的に同居が確定した秋山と中村。さあこれからどんな生活が!? というの、もう初日からドタバタしてますね。ええ、ちょっと同居のルールとか決めないと今回みたいな事故は多発しちゃいますぜ?

『君と銀木犀に』

葉介にとって、祖父の影響下にいることは息苦しい、わずらわしいことだった。どこにいても家の支配のもとにあることが不自由さ感じさせ、そんな葉介にとっての自由な時間とはひとり本に向き合っている時だったというのですね。

葉介にとって通学の時間のいかに大切であるかも語られて、自分の足でもって学校に向かい、そして泉とともに語らう。そのなんでもないと思える時間が、葉介にとっては自由そのもので、自分が主体的に世界に向き合える時間に他ならなかった。

思ったんですよ。この漫画の伝えてくる心情の重み。それは葉介の、そして泉の生きることに対する切実さなのかも知れない。他の誰でもない自分自身であれる場、時間を求めること。自分の存在そのものについての揺らぎ、迷いを抱きながらも、自分であることをやめることはできないということ。おそらくは多くの人が心のうちに抱え、時に苦しんだり、あるいはそっと胸の奥底に埋めてしまったような気持ち。もしかしたら誰もが経験したことのあるそんな苦み。

それをまさに今、自分のこととして引き受け、その思いに振り回されそうになりながらも、どうにか自分の足で立とうとしている。なにげない日常と思える光景に、彼らのよりよく生きよう、あろうとする姿が照射され浮かびあがってくる。その、時にぎりぎりのところにまで踏み込もうとするかのような姿、そこに強く心が動かされるのです。

さてこの物語も佳境でしょうか。泉のために書かれた脚本。『銀河鉄道の夜』をベースにしたひとり芝居? 演じるのは葉介ひとり。伝えたいことがある。他でもない大切な友達のために紡がれた言葉がある。一世一代の大芝居ではないですか。葉介はなにをいおうとするのか。そして泉はなにをか受け取るのか。まだなにも語られていない今からして、もうたまらない思いがします。

『食欲しか勝たん!』

こころんの連想、強引すぎる! 先輩アイドルグループのライブに訪れた瞬くシグナルの3人。盛り上がる客席を見下ろしながら、こころの脳裏によぎるのはパン。

ええと、客席がパンパン。ファンの手拍子がたてるパンパンという音。それがこころの意識を刺激して、パンを想起させてしまった!

マジか! マジかよ! すごいな、連想力! というか、まさかパフォーマンスのパとンもその連想に関わってる!?

しかしすごいスピード感。さっきまでライブ会場にいたのに、ページをめくるともうパン屋に移動していて、パンに夢中で一瞬でライブが過去にされちゃったのか!

でもここからのパンの描写素晴しかったと思う。とりわけバターロール。ああ、このこころんがバターロールを食べてもらす感想、これを見て、バターロールを食べた時の感触が一瞬にして口の中によみがえってきたんですよ。バターロールはオーブントースターで軽く焼いたのが好き。表面がちょっとパリっとして、その香ばしさとともに口にした時のあの香り、味わい。ああ、そうか、あれこそがこころんのいう芳醇なバターの香りなのか。

これを読んで、もう長いことバターロールを食べていないことに気づきました。また食べたいものだな、どうせならいいとこのを食べたいな、なんてこと思って、となるとパン屋がやってるベーカリーカフェあたりがいいな。と、もう何年もバターロールどころか外食をしていない。ああ、パンを食べにいきたい。外食をしないでも平気、そう思っていた自分に再び外で食べる楽しみを思い起こさせたのは、まぎれもないこの漫画によって呼び起こされたパンの食感がためでした。

で、この漫画、すごいな。この一連のベーカリーの描写、全部こころんの妄想やったんか! しかもステージからの呼び掛けに絶妙の返しをした夢見心地こころん。どれもこれも結果オーライだけど、先輩に失礼を働いてしまったことを悔いて流す涙も感動のそれとして処理されて、ほんと、いつもながらのびっくり展開にすっかり笑ってしまいました。

2021年10月5日火曜日

『まんがタウン』2021年11月号

 『まんがタウン』2021年11月号、発売されました。表紙は『押しかけギャルの中村さん』。やたら元気に愛嬌ある笑顔見せている中村さんと、その後ろでちょっと気後れしている? 秋山とのコントラストがきっぱり明確な表紙。秋山が自信なさげに見える分? 中村さんの太陽みたいな明るさがより強調されている、そんな感じがしますよね。そして新連載『猫またはごはんを。』と、3回連続ゲスト『恋するスマホちゃん』の告知カットもございます。

今月は新連載と新規ゲストが各1本です。

『猫またはごはんを。』

いきなりなんか物騒な絵面ですが、だってね、尻尾2本の見るからにヤバげな目をした猫が包丁持って凄んでくる。と思ったら、普通にビールとおつまみ出してきて、なるほど、この猫、悪いやつではないんですね。

前回に続き同居ものでかつごはんもの。でも同居する相手がちと普通ではない。主人公、日々野サチが飼っていた猫のフク。もう25年も生きていて、すっかりおばあちゃん、最近は食も細って、いよいよ最期の時が近いのではないか。そんな覚悟を決めていたら、なんとこの猫、長く生き続けてついには猫又になってしまっていたというんですね。

かくして、部屋の掃除に炊事、さらには無職のサチのために求人情報まで集めてきてくれるという至れり尽くせり。でも猫又なんていったら、和風妖怪? なんだか古風な印象持ちますけど、ここの猫又は焼きアボカドとか作ってくるハイカラさん。なるほどなあ、テレビとか見て学んだ知識。今を生きる現代の妖怪なんでありますな。

もうお別れが近いかも、そう思っていたのに予想がはずれ、まだまだ一緒に暮らせることになった喜びが、猫又という怪しい存在になってしまったことへの驚きをも凌駕する。その飼い主としての愛着がよくよく現れるところ、とてもよく、でもって言葉でのコミュニケーションも楽しそう。そしてあっという間に馴染んでお風呂に投入、この容赦ない感じも実に味わいあってチャーミングでした。

『恋するスマホちゃん』

スマートフォン擬人化ものなんですね。あくまでも所有者にとってはスマートフォンなのだけれど、スマートフォン主観では自分自身を女性として認識している、そんな感じ。制服を着て、女子高生くらい? 朝の目覚ましから、日々の生活に寄り添う、そんな存在になっているスマートフォン。所有者に対してちょっと甘めな世話焼き少女、といった感じのテイストです。

しかし、メール着信を受け確認しようとスマホちゃんをタッチするくだり、こう見ればなんだかギリギリを攻めている感じもしてきます。日々のやりとり、そしてゲームで、小さな女の子を手に持って、見つめ、時には話しかける? そんな様子にまたまんざらでもないスマホちゃんの表情が印象的な漫画です。

でも、あの通話してる絵、アップだと所有者に寄り添う、そんなロマンチックな絵ですが、ちょっと引いたアングルだと顔側面に大の字で貼り付いてるみたいになってるの、主観と客観の合間に存在する果てしないギャップみたいなの感じさせてくれて、ちょっと面白かったです。

2021年10月4日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号、一昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

なかば強引に雪佳を遊びに誘う紡です。なんだか意味深ないいまわしが周囲に誤解を広げているのだけれど、そういえばこのふたり、少し前までお姉さま、妹の間柄でしたね。そりゃあ周囲がこの状況放っておくわけがない。実際、雪佳はツンツンしながらも、どこか打ち解けて和らいでますもんね。そりゃあ、やっぱり、その仲になんらか見出そうとする気持ちもわかります。

週末に上野にいきます。まさかのサプライズ? 千歳様も参加されまして結構な大所帯。また、この集まりを提案した初野はというと、妹八重子を伴って、この八重子がいい働きしてましたね。雪佳に接近。さすがの雪佳も小さな子相手にはツンツンできないようですよ。

上野を見てまわる紡。この時代にはすでにあった西郷像。見慣れたものがあったといってはしゃぐ紡に旭と雪佳がキビしい! でもって紡も知らぬ東照宮。へー、昔上野に東照宮があったんですね。って、いやいや、今もあるよ!

今にいたるまで残っているものがあれば、もうなくなってるものもあり、動物園は今も健在。でもあの大仏はなに?

今回の上野めぐりは、雪佳をはじめ、千歳も含めて、皆の親しみを深める、そんないいエピソードでしたね。八重子と雪佳、ふたりの様子がほのぼのとして、時に優しげな表情見せる雪佳の横顔、素敵でありました。

『RPG不動産』

サトナ様、黒幕説、濃厚になってきていませんか? 謎の世界に閉じ込められている勇者。どうにも頼りない人なんですが、それよりも異様にサトナのことを怖れる、その理由はなんなのか。死さえも脳裏にちらつくほどの恐怖に震えているのだからよっぽどです。

やっぱり、なんかおかしい。話をうかがってみれば、勇者といわれるこの少女、魔王を倒したといわれているけれど、そんな事実はないのだという。そういえば、魔王が倒されてこの世界に平和が戻りました、公にはそういうことになっているけれど、実際にはなおも戦争は続いていて、多くの魔族が犠牲になっている。

などなど、情報の統制、事実とは異なる情報の流布されていることが見てとれて、そしてそうした施策に他ならぬサトナが絡んでいる、そう思わせるような描写が続いていよいよ不安でありますよ。

さらには地下での戦い、孤軍奮闘するアリスの姉、けれど満身創痍ではないですか。この人の呼び出した半人半馬の射手の放った矢がサトナの胸を貫くも、サトナ、むしろこうなることを予想していた? いや、こうなるよう仕向けた?

いやはや、もう剣呑剣呑。この漫画のはじまった当初には、こうしたハードな展開が繰り広げられる日がこようとはまるで予想もしていなかった。ほんと、あの入居希望者に物件紹介していた日が遠い昔に感じます。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

しずねのテンションがなんかおかしい! あかりの家でのお泊まり会がしずねを変えてしまった!? オレンジジュースを手に、焦点あわぬ目をしてうぇーい。すっかり浮かれてしまって、そのままテスト期間に突入。まったく勉強に手がつかなくて、しずね、意外というかなんというか、浮き沈みのあまりない人生送ってきたからか、実際浮き沈みを経験すると感情を満足に制御できないみたいになってしまうのかも知れませんね。

そんなしずねがスマートフォンを入手しました。それはいい。あかりとも連絡先を交換して、これもいい。でもあかりから誘われたゲーム。まさかというかなんというか、しずね、すっかりハマってしまって、夜を徹してゲーム!? それは、それは、体に悪いよ! もう四六時中ゲームをやり続けているしずねのこと、ねねも母も心配して、なんとか外に連れ出そうとプールに誘ってくれたんだけど、このプールが気分転換になった? スマートフォンにどっぷり使った、悪いサイクルから抜け出すきっかけになった?

いやあ、まったくならなかったの、これ、ほんとまずいですね。

というか、お泊まり会ではしずねが浮かれたように、プールでねねが浮かれてしまったんだ。ゲームばかりじゃ駄目だ、宿題もしよう、そう思ったしずねを自堕落の世界に招き入れたねね! しかも同じくゲームにハマってしまって、このミイラとりがミイラになった感!? いやもうふたりともに自制がまったく効かなくなっちゃって、最初はねねも心配する側だったのになあ。

あの優しくおっとりしたお母さんがあんなに怒るのもしかたない。いやほんと、よっぽどの状況、なかなかに珍しいもの見た感じがします。

2021年10月3日日曜日

『まんがホーム』2021年11月号

 『まんがホーム』2021年11月号、一昨日の続きです。

『歌詠みもみじ』

パパさんが貰ってきたAIスピーカー。市販のものではない独自仕様のものらしいですが、それにしても高性能すぎないかい!? もみじが川柳でもって挨拶したら、AIも川柳で返してくる。これ、ほぼ人格に近いもの持ってるのでは!? いやもう実際このスピーカーの末路、飼い犬マックを煽ったのが運の尽きであったものなあ! ほんと、ある程度自律して思考できる、それくらいの高機能だったような感ありましたよ。

しかしAIスピーカー。あれば確かに便利で、ちょっとしたもの調べたりするの、いちいちPCなりスマートフォンなり開いて文字入力してとかしないでも、聞けばそこそこ答えてくれる。まあ、まりなが経験したようなもどかしさに直面させられることもしばしばなんですけれどもね。

今回ママさんがやってたみたいに、レシピの手順を順番に教えてくれるみたいなの、実際にできるのかな。こういうのは試したことがないんだけど、できたら素晴しいよなあ。みたいに使いこなしているママさん。このアシスタントとしての優秀さ。パパさんをはるか後方に置き去りにしていますけど、いずれより高性能になっていけば、こういう便利さが自宅でも体験できるのかも知れませんね。

なんて具合に夢のある? そんなエピソード。でも山城家のAIはいつか反乱とかやらかしそうな、そんな危険な臭いがしますよね。だからマックお手柄だったのかも知れません。

『うちの秘書さま』

田中さんのプライベートが! ここに山田がいなかったの、山田の不運かそれとも田中さんの幸運なのか。

さて、謎の多い田中さん。その家を目指して出発するも、いけどもいけども森。終わりのない山道にくじけそうになったところに現れた、やけにフレンドリーでくだけた口調の田中さん。おおう、この人、田中さんのお母さんなのか。そっくり! でもちょっと表情が柔らかい。もしかしたら田中さん(娘)より可愛いのでは……!?

田中さんの家で受けた歓待。これが手厚いもてなしで、鍋を用意してくれた、ってもしかしてこれ父ちゃんが仕留めた熊!? で、どんどこご飯が出てくる、メイドさんもどんどこお酒をすすめられて、すっかりできあがったその視界がヤバいな。あらゆるものがはじめに見えるのはいいとして、仕留められて壁にかけられた熊皮、それがはじめになってるの、いいのか? ほんとにそれでいいんですか、メイドさん!

夜のドキドキもまたちょっとした特別感あったりしたエピソード。でも七瀬はまるで意識してないし、ほんとはじめは弟みたいな感じなんでしょうなあ。でもって意識しすぎているメイドさん! なにが安心なのか! ほんと、なんともいわれん味わいでした。

『吸血鬼くんと死体ちゃん』

ニナが母と再会しました。変わり果てた娘の姿を前にして、母の最初の感想が、思ってたほどじゃない! な、なんだそれ。と思ったけど、だよなあ、蘇った死体だもの、腐敗が進んでたりしたら、たとえそれが親族であってもキビしいしツラいよなあ。

お母さんはそれくらいにハードなの予想されてたのかな? と思ったら、そんなどころではなかった。そもそも人とは相容れない、そんな姿であることまで覚悟していたんだ。ええ、普通に娘の姿していて、その考え、記憶も娘のものそのままで、顔には痛々しい傷跡が残るけどね、でもそれでもこうしてもう会えない、話せないと思っていた愛する家族と再会どころか、普通にお話もできる、これからも会うことができるというのはどんなにか嬉しく思われただろうなあ。

それが娘なら、我が子であるなら、なおさらなのだと思います。

どこか緩い、そんな漫画で、母娘の禁断の再会シーンもぐわーっと盛り上がって、感動で、涙がとまらないよ! みたいなこともないのだけれど、それでもエドガーにお礼をいう母の姿など、つんとくるものがありました。ええ、大げさには描かれていないだけで、そこにはやっぱり親の情なんてものがあって、娘の親に向ける気持ちなんてのもあって、たびたび落ちのおかしさでリセットされ気味ではあるけれど、しみじみとした感慨、確かにあったのでした。

次回で最終回だそうですよ。ということは、ニナへのエドガーへの思い、そちらが解決に向かったりするのかな? 緩くて、おかしくて、不思議なテイストで、なんかほのぼのと引き込まれる、そんなところが好きでした。最終回も楽しみに待とうと思います。

2021年10月2日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年11月号、先日の続きです。

今月は新規ゲスト7本、残り3本の感想です。

『見えぬ明日も一歩から』

生まれつき目の見えない女の子、カオが、ある夜、夢で見た女の子の姿に不思議と安心に似た思いを覚えたというのです。見えないはずの目に、確かに映ったその光景。翌朝姉にその夢の話をすると、かつて似たようなことがあって、その頃に友達になった子がいたのだそう。だから夢の女の子も、いつかカオと出会う誰かなのではないか。

そう予感したところ、今日はじめて出会った子、サキが夢の子の情報に一部合致したというのですね。

昔、不思議な夢の後に友達になった子、チハルは教師になることを夢見ている。そしてカオはというと、歌手になりたいと思っている。その夢のことを話したら、サキがはげましてくれた。ネガティブだったカオの気持ちも晴れ、夢に向かって前向きになることができました。

この話は、こうしてカオの夢をきっかに出会った子らが、ともに将来の夢に向かっていこうというものだそうです。今回はまずはその出会いを描いた導入、序盤といった感じ。この子らの夢を追う様子、描かれる日がくればよいと思います。

『今日の魔法は何にする?』

家に帰ると、部屋にガチャ機が置かれていて、なんだろうと回してみたらカプセルから魔法少女の勧誘をする怪しげなちんまい生き物が出てきたというのですね。いったいなにものなのか。とりあえずは捕獲して虫かごに入れて見守ってみたのですが、今どきはこれで正解なのかも知れません。

魔法少女の使い魔見習いという彼は名をこぐまという。自分と組む魔法少女を探していた末に神代ゆまのもとに辿り着いたのだそうですが、ここでゆまの姉が根掘り葉掘りいろいろ聞き出そうとするの、今どきの魔法少女事情を鑑みればきっとこれが正解なんでしょうなあ。

このガチャはなんなのか。こぐま本人について。さらに加えて魔法少女のすべきこと。危険の有無。なにゆえゆまが選ばれたのか等々。魔法少女というファンシーな響きにまどわされ、うかつに引き受けたら酷い目にあったなんて話ももはや珍しくない昨今。こうして各種条件を確認してから契約に臨むくらいの慎重さは当然のように求められるわけですね。

世知辛い時代になった……。

ともあれ、こぐまはそんな悪いやつじゃあないっぽいですよ。契約可能時間が終わろうという時も、恨み言いうでもなく、話を聞いてくれたこと、そのことへの感謝さえ口にするんです。そしておそらくはこれが決め手だったのだろうなあ。カプセルの故障でタイムリミットがうやむやになったという奇跡なのか巡り合わせなのか、この思いがけず発生したアディショナルタイムが功を奏して、ゆま、魔法少女になることを決断するのですね。

かくしてはじまるゆまの魔法少女生活。求められるのは、一日一回魔法を使うということだけ。どんな魔法をなんのために使うか、いわばそれが試されるということなのでしょうね。

『たいむずピース』

芦屋てまりは進学のため親元を離れ、親戚から借りた家にひとり住むことになりました。その家の庭に見つけた小さな祠。そっと触れようとしたらガタガタとひとりでに揺れはじめ、いったいなにかと思いながらもとりあえず祈ってみたら、そこから平安貴族の女性が現れたというのです。

名は芳夜。はじめての令和の世に戸惑い覚えながらも、てまりから差し出されたチョコレートの甘さにすっかり心を許して、というか、実際昔の人がチョコレートにせよなんにせよ、現代の菓子を口にしたら絶対こうなるだろうなあ。甘い! それこそ尋常でなく甘い! それだけでなににも替えがたい大ご馳走でありましょう。あるいは次に芳夜の出会った炊きたてご飯、これすらも想像を絶する美味と感じるかも知れません。

なくて困るものもあるのでしょうが、それ以上に想像もしえなかったものに出会うことになるだろう令和の暮らし。芳夜にとってその刺激たるやいかほどのものでしょうか。今回描かれたものだと、チョコレートにご飯、セーラー服の生地、漫画なんかがそうですね。そして意外だったのが布団! そうだ、そうでした、平安時代は着物をそのまま寝具として使ってますよね。ご飯の盛りつけもそうでしたが、今と当時でまったく違っている文化、風俗がこうしてカルチャーギャップとともに紹介されるのなかなかに面白く、今後への期待が高まります。

そして、芳夜、てまりと一緒に学校に通うことになるのですか! なんとまあ、同じセーラー服を着て、しかも祠が用意してくれた? ということは入学の手続きもろもろも!? いやもう、結構な至れり尽くせり。しかし平安生まれ平安育ちのこの子が現在の学校を知れば、いったいどのような感想持つにいたるのか。興味も募ろうというものです。

2021年10月1日金曜日

『まんがホーム』2021年11月号

 『まんがホーム』2021年11月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかがドクロにコウモリの羽あしらったポリススタイルで登場? これ、ハロウィンの仮装でありますね。警察と悪魔モチーフの合体。けど、それが不思議と似合っているのがらいかのポテンシャルでありますね。他に『ぼくの上目遣い』まほろが狼男、か? これ、猫じゃあないのかね? やたら可愛くしあがっているかと思えば、『若王子主任は後輩ボイスに抗えない!』若王子は吸血鬼に扮してやたらとかっこよくなっています。いや、ちょっと照れがあるんですがね。そして『孔明のヨメ。』孔明月英夫妻も人狼に扮して、かっこいい孔明と可愛い月英、そのマッチングが見事に魅力押し出しています。

『孔明のヨメ。』

孔明、周瑜宅を訪問、そこからしばし語りあうのですが、このやりとりがものすごい。孔明とはなにものか、この対話によってうかがうつもりでいる周瑜に対し、その意図を真っ向から受け、さらには説き伏せ味方につけようと考える孔明。ちょっとした戦いに似た緊張感もはらむのですが、ここに同席した魯粛がいい味出していて本当に面白い。緊張の中、ぎりぎりの攻防をせんと言葉を選ぶ周瑜に、なんとも素朴な感情露にする魯粛の人柄がいい。この魯粛の実直さがあるからこそ、周瑜の深慮、あるいは孔明にイニシアティブを握られることへの違和感、異質さが克明にされていた、そんな感想を持ったのですね。

自身の意図がはっきりありながら、その意図をもまるまる包み込まれて、孔明の思うがままに誘導されているように感じる。その違和感は、周瑜のような自ら考え、決断し、行動する、そうした人間にこそ効くのかも知れませんね。ほんと、手玉にとられる周瑜のまさかこんな表情が! という意外な反応。予想だにしないもの見せられましたよ。

『天国のススメ!』

またまた変わった案件持ち込まれた太一ですよ。保健室の萩先生。引っ越そうと思った物件になにかあるんじゃないかと予感がして、太一にも見てもらおうと思ったんですね。そうしたら案の定といいますか、霊がいまして、でもなんか変。歓迎……してるの……? やたらフレンドリーな幽霊が居着いていたっていうんですね。

若い女性の霊。倉野さん。若くして事故死したのだそうだけど、ルームシェアをしたい、その一念でこの部屋に留まって、新しい同居人がきてくれたともうニッコニコ。可愛いなあ! 先生に見えないのが残念なくらいだ。でも顔面流血血まみれっていうから、見えない方がよかったりしたのかな。

ともあれ幽霊を断固拒絶しながらも、頑固? 負けん気? とにかく意地でもここに住むと決めた先生がもうおかしくて、だって最初はめっちゃ拒絶してたはずなのに、朝起きたら当たり前に挨拶するし、さらには晩酌につきあわせたり、いろいろおみやげ買ってきたり、でもってついにはあだ名呼びじゃん? ほんと、先生はそんな気はない、あくまで自然体だったんだろうけど、これこそが倉野の求めていたルームシェア生活、思い残すこともなくなったんでしょうね。

こんなに仲良くなれたんだったら、もっとずっと一緒にいられたらよかったのに。そう思ってしまったふたり。このちょっと切ない別れがなにか心にしっとりと触れて、跡を残しました。

『座敷童子あんこ』

あんこが夏服から冬服に着替えます。はいいんだけど、夏服なあ、まるで昭和のおっさんだもんなあ。といったわけで、きっちり着物に着替えたあんこ。おお、これでこそあんこの面目躍如か。そう思ったら、視察とかありますのん?

妖怪視察。妖怪たちが自分の仕事を全うしているかを確かめるべく覆面調査員がこっそり採点しにくるっていうんですが、妖怪って仕事なの? 場合によっては座敷童子を剥奪されるかもって、それって資格か認定みたいなもんなの? この実によくわからぬ胡乱な話。しかも座敷童子の仕事ってのが、とりあえずいたずら。だったらちゃんとしてるよ。いたずらというか、唐突に首伸ばして人を不安に陥れたりしてたじゃん!

でもほんと、視察を意識していつもは見せない態度を見せるあんこを見るに、この人、人じゃないけど、は日頃はやっぱ手を抜いているんですかね。幸太になにが欲しいか聞くじゃないですか。富か名声か権力かって、ランプの魔人みたいだな! こう、なんていうか、座敷童子っていうのは家の繁栄とかそういうのんじゃないの? 権力にまで影響及ぼしうる存在なの?

ほんと、胡乱で不審で奇怪な存在。一口にはいい知れない、そんなおかしみに溢れています。