2021年10月8日金曜日

『まんがタイムきらら』2021年11月号

 『まんがタイムきらら』2021年11月号、発売されました。表紙は『しあわせ鳥見んぐ』。すずと翼ふたりで鳥見にお出掛けでしょうか。翼の手を引いて先に立って歩くすずのその様子、はやる気持ちが現れているようでとても魅力的。ふたりの周辺には野鳥が舞い飛んでいて、ルリビタキにシジュウカラ、そして、そして……、ヤマガラ? うーん、わかんない。いや、これ、ジョウビタキかな……? みたいに、特徴を手掛りに色々調べてみるだけでも面白い。こうした楽しみ、もっと鳥に詳しい人だとより一層のものになるのでしょうね。

今月は新規ゲストが1本です。

『それでは、ステキなセッションを。』

高校卒業後、音楽の世界に身を投じたベーシスト是沢芽依。まだまだ未熟ながらも、楽しそうに演奏するそのスタイルが評価され……、といいたいけれど、そうか、緊張するとその持ち味が失われてしまうのか。将来性に期待されている? あるいはその人好きするキャラクターが仲間として一緒にステージに立ちたいと思わせる? でも、どうしても一番の魅力、持ち味が発揮できずにいるのがもどかしい。

そんな芽依の前に現れたのが、不思議なけも耳少女。本番前のステージ袖に突如現れたこの子が、芽依に引かせたのが「ご新規さんおいでませガチャ」。スマートフォンのゲームっぽいインターフェース、最初の一回は無料でひかせてもらえるこのガチャで、出てきたのが星3アイテム、いい感じのピック。

この不思議な子、お助け妖精を自称するてん。音楽の妖精? それともステージの神様とかそんな感じの存在なのかな? 授けられた不思議なピックで演奏した芽依は、いつも以上の演奏ができて、思ったフレーズがそのままに音になってくる! その生き生きとした躍動、楽しさがこの子の持ち味をこれまで以上に発揮させてくれて、ああ、これが芽依の第一歩なのでしょうか。

ところでしかし、このガチャ、初回無料分を引いてしまったからには次からは有料なんですよね? もらったピックは今回かぎりの消耗品だったりするのかな!? だとしたら、次からこそが大変ですよ、芽依さん!

『しあわせ鳥見んぐ』

探鳥会に参加したすずと翼。案内役のお姉さん、大塚あすかは翼と知りあいなんですね。昔から鳥についていろいろ教わってきたそうで、なるほど、すずにとって翼が師匠なら、あすかは翼の師匠であるわけですね。

都市公園での野鳥観察。耳に届く鳴き声を頼りに鳥を見つけて観察。ピーヨピーヨと鳴く鳥はヒヨドリ。この鳥は家の周辺でよく見ますよ。でも鳴き声を意識したことはなかった。次に見掛けた時には、ちょっと注意して観察してみたい、そんなこと思いましたよ。

しかし、あっちにもこっちにもヒヨドリ。あんまりにたくさんいるものだからハズレ扱いされてたけれど、東アジアにしかいないんだ。へえ、これは知りませんでした。世界的には珍しいんだ。そしてヒヨドリに続き見つけたアオゲラ。こちらは日本固有種で、海外からは憧れの鳥なんだっていうの、なるほど、タヌキが国外では珍獣として珍重されるのに似てますね。

今回、こうして双眼鏡を手に観察してきたわけですが、次回はフィールドスコープを投入? はたして機材を変えれば見られる鳥にも違いが出てくるのか。あるいは同じ鳥でもまた違った姿が見られるのか。これは楽しみですね。

『けいおん!Shuffle』

全然部活に出てこないリサ! 見た目どおりに不真面目だ、そういって真帆がえらいこと怒ってるんですが、でもリサと蘭花の昔の話を聞かされて、ちょっとずつリサに対する印象が違っていくの、この展開がいいですね。ずっと内気で引っ込み思案だった蘭花が、リサのメイクでその内面も変えていくことができた。でもまだまだ、そう思う蘭花が次へのステップとすべく取り組んでいるのが、今の部活での活動だっていうの、これほんといい話だったと思う。ちょっと謎めいて見えた蘭花だけど、その奥には切実な思いがあったんだなあ。そしてそこにリサの助力があった。

楓の外見を変えたように、蘭花もかつてリサに魔法をかけられて、そこから新しい自分の模索、チャレンジがはじまったんですね。

外見と内面のギャップ。見た目の変化が気持ちを引っ張っていってくれることがある。あるいは必ずしも人は見た目どおりではないということもあって、リサがまさにそのとおり。なんと、ボイストレーニングに通ってたんだ。ボーカルとしての力をつけるべく、隠れて努力していた。この頑張ってるところ見せたくないっていうの、ちょっとわかる気がする。この子もこの子で、ちょっと不器用ものだったりするのかな? ええ、真帆じゃないけど、この子への印象、大きく違ってきますよね。

外見と内面に焦点をあてた今回。テーマがぴしっと一本通ってるのも好感触。また一年生たちの性格も、二年生もだな、生き生きとよく表現されて魅力的。いいエピソードでありました。

『むすんで、つないで。』

つなぐの憧れの存在問題、いったんの解決を見ましたね! 学校では皆からの憧れを一身に集めているつなぐ。でも本人はそんなつもりではなかったし、そうと知らされた今にしてもなぜそんなことになってるかさっぱりわからない。皆の期待を裏切らないよう、憧れの君を演じた方がいいのか否か。

その問に真っ向から正しい答を示した七色、素晴しい! 君は素晴しいぞ! 皆が憧れていたのはこれまでのつなぐ。演じなくてもいい、今までどおりでいい。そのストレートな答はまさに自分がつなぐにいいたかったことそのままで、しかしつなぐはえらいこと悩んでますね。そんなに普段の自分はなにか特別なのか? 自分は、最低限のことしかやってないし、できているかどうかもあやしい。そういって卑下している、わけでもないのかな? 自信がないんだよね。そりゃそうだよ、決して特別でもない、なにかに秀でているわけでもない、そう思っていた自分なんだもの。昨日今日、皆の憧れるつなぐさんですよっていわれたって、そうなんだとは飲み込めないですよ。

そんなつなぐに白百合がね、ほんと真正面から思うところを伝えようとしてくれて、ずっと素敵なお姉ちゃんだったって、ああ、素晴しいよなあ。ほんと、この場面は感動的でした。この子にとっては、つなぐはずっと素敵なお姉ちゃんで、そんなお姉ちゃんが駄目とか自信ないとかいってるの、きっともどかしい思いで見ていたのだと思う。だって、最初のうちから一貫してこの子はつなぐのこと信頼して、つなぐは大丈夫だって、頼りになるんだって譲らなかった。その思いが、ついに本当の本当につなぐに届いたのが今回だったのかも知れません。これまでは、どこか本気にしてこなかったつなぐが、今回こそは真摯に白百合の思いを受け止めて、名実ともに頼れる素敵なお姉ちゃんになったんだと思う。

ええ、よかったなあ、白百合。君の素敵なお姉ちゃんは、本当に本当の素敵な白百合のお姉ちゃんになったんだよ。ふたり、実の姉妹ではないけれど、またなにか特別な縁に結ばれた、そんな素敵な関係であると思います。

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