2014年4月30日水曜日

女子のてにをは

 紀伊國屋書店のKinoppyには、新着図書のコーナーがあるのです。登録された電子書籍を一覧できる、いわば電子の平台でありますね。私はなるたけ本との出会いを逃したくないと、毎日これをチェックするようにしてるのですが、そこに現れたのが『女子のてにをは』。可愛い女の子ふたりの綺麗な表紙。ああ、これは昨今はやりの百合ってやつだね? いえ、違いました。第1話の半ばまで試し読みできたのは幸いでした。東山みどり。背中に届くその真っ直ぐの黒髪はまさに烏の濡れ羽色。女子からは羨望の、男子からはほのかな憧れの的だった — 。しかしその彼女が、突然その髪を切った理由とは一体!?

なんとですよ、試し読み、落ちの直前で終わりなんですよ! なぜ彼女が髪を切ったのか、それが明らかになる前に終わりなんですよ! なにそれ! 許せない! 買うしかないじゃない!

買いましたよ、読みましたよ、もう、めちゃくちゃ面白かったですよ。東山みどり。いいわ、この子。なんか思い切りよくて、あのいてもたってもおられなかった、そうした様子にこの子の胸の高なり、気持ちの躍動が溢れかえって、なんて瑞々しいのだろう! 感動すら覚えました。彼女の気持ちの昂り、それはうきうきと表情にあらわれて、そしてまた落胆も同様で、なんてチャーミングな人なのか。ええ、この漫画、出てくる女の子たちが本当の本当にチャーミングで、それもただただ可愛いは正義といった類ではなく、ひとくせふたくせある、ちょっとズレてたり、あるいはなにかノリノリだったりする、そうした個性の中に、肩肘はらない人の自由さ、時にあっけらかんとして、そして晴れやかな空、その高さを思わせる心地良さがある。自然なんですね。漫画です、フィクションです、作り事なんです。わかってるんだけど、彼女らひとりひとりに、この世界のどこかに笑って泣いて、楽しく元気に暮らしてそうな、ありそう感、どこかにいそう感がぴしっと通っていて、ほんともうたまらない。もうひきこまれるみたいにして読んでしまうんですね。

この漫画は、基本一回一回が独立した読み切りになっていて、第1話の彼女、東山みどりは第1話だけの登場です。1話あたり9ページという短い読み物、その短さで彼女らの個性、魅力を見事に描く、その手腕は確かなものであるなあ。ちょっと短い、そうしたところも、この漫画の魅力を支えています。テンポがいい、ぽんぽんとリズムよく展開するその小気味よさは、彼女らの足取りの軽やかさそのものであり、次へ次へとページをめくらせる、先を先を読みたくなる、そんな気持ちを後押しする優しくも強い力であります。1話を読み終える、ああ面白かった、そう思った気持ちはすぐに続く話にからみとられて、もう今日はこのへんで、そう思っていたはずなのに、とどまることなく目はページの先に向かっている。目を、心をとらえるのですね。彼女らの鮮やかさが、私をとらえて離さないのです。

しかし本当に素晴しい。見逃すことなく出会えたことに、安堵しつつ、喜びを感じています。

  • るなツー『女子のてにをは』(ビッグコミックス) 東京:小学館,2013年。
  • 以下続刊

引用

2014年4月29日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年6月号、昨日の続きです。

『へんてこバスと飴玉くるり』、独特の味、今回もよかったです。ツインテールの女の子、SOSボタンを押すか押すまいか悩んでいるんですけど、これ、あの四階建てバス月光号に通じるボタンだったんですね。不思議なバスの中に広がる世界。本屋とかあるんだ! そして詩人のビー玉氏、この子、SOSボタンのあの子だ。天才少女と名高いのだけど、いわゆるスランプなのでしょう。星空賞、その受賞会見をすっぽかして、そして月光号に助けられて、この子、アオイさんの妹なのだそう。一晩を月光号のベッドで過ごし、そして詩を書かねばならない、そう思っていたプレッシャーから自由になって、また書けるようになった。この子もまた月光号の乗客になるのでしょうか。ちょっと甘えんぼう? ちょっとメランコリック? この子の詩情は、ままこの漫画の詩情であると思われて、よい情景、その描写されるもの、しみじみして大変に豊かです。

『ののかノート』は調理実習ですよ。ハンバーグを作るっていうんで、ののかもやたらやる気なんですが、当然戦力にはならない。ひよこも同様。そこで頼りになるのが玲緒奈なんですね。手慣れた様子、見ていてとても凛々しくて、けどお嫁さんなんていわれたら照れてしまう。うん、可愛い人だと思います。ののか、この子、駄目な子なんだけど、本当にいい子なんだなって思わされましたよ。お姉ちゃんのためにご飯を作ってあげたい。けど、あの姉の警戒っぷり。案の定ハンバーグも残念な感じに仕上がって、しかしそれを必死で食べてみせる。愛だ、愛だよ。ケチャップで書かれたメッセージ、ありがとうをあいしてると読み違えたとはいえ、やりすぎです、お姉ちゃん。これからも作る、そういうののかに、なんとか自分も介入してなんとか食べられる料理にしたい、その一心と、一緒に料理できると嬉しい、おそらくは本心なんでしょうね、それがまじりあってのあの様子。いい姉妹ぶりだったと思いますよ。

あまゆる。』、アヤが病気です。38度5分。ちょっと熱が高いですね。それで学校を休むことになるのですが、風邪をひいたことさえ都会人になったということの証拠にしてしまうアヤのポジティブさ、これが本当に素晴しくて、アヤ、見事です。けど、ひとりでいるのが寂しい。風邪ひいてればなおさらですよね。その寂しがってる様子、悪くなかったですよ。なんかね、いつもよりもちょっと素直。まあ、ひとりの時だし、誰に見られるわけでもないですしね。アヤのいないハルも寂しくて、調子がくるってる。あのクラスの友達にひやかされたりね、面白かった。クラス全員からのお見舞いメールを受けて嬉しいアヤも、ほんと、仲がいいのはいつもの四人だけじゃないんですね。ほんと、いい雰囲気だったと思います。今回は風邪の時の雰囲気、それもよく表現されていて、熱がある時におかしな夢を見ることってありますが、腕にハチミツかけちゃおっと、って、これめちゃくちゃ面白いな。ハルがノートに残したメッセージもいい。玉子雑炊もね、ネット見ながら作ったの。うん、ちゃんとしてるじゃん。そして最後のハルの風邪、最初の方にいわれてたこと、それをうまいこと引き受けて、この構成も大変よかったです。

『セカイ魔王』、ぐっと話が動いて、いやもう、大変なことになってますよ。魔王の目論見、それを人にさとられてはいけない。勇者と魔王との因縁をここで断ち切って、不幸の連鎖を終わらせたい。そう思っている優しい魔王が、その目的を達するためには人に恐怖を与えなければならない。アルシャはまあいいんです、今回は。問題はジェントルと女剣士ですよ。今はジェントルが押している。となれば出し惜しみなんてしてられないと、奥の手を使ってきて、ああ、ジェントル、死んじゃうの!? それは嫌だ! そう思ったら、ああ、魔王様の介入ですよ。よかった。戦いたくないという意思、それを力で押し通さなければならない。圧倒的な魔王の力と、その向こうにあるただただ一途な願い、これは胸に迫るものがありました。よくよく描かれました。ほんと、実によかったです。そして最後、アルシャが魔王様に見たもの。これがどうした結果を生むのか。誰もがしあわせになって欲しい。そう思いますよ。ほんと、そう思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第6号(2014年6月号)

2014年4月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年6月号、発売されました。表紙は『ひだまりスケッチ』、ゆのさんとフェス太さん、茉里さんのふたりでありますね。ふたり制服、一緒にジャンプ? ポップでキュートで、魅力的。おっとりしたゆのと、ぱっと目を引く、そんな元気さが魅力の茉里。ふたりのコントラスト、それが実に素敵なイラストであります。

『お気軽にっ!』、ゲストです。コンビニハッピーマートにてバイトする女の子たちの漫画。真面目そうな月島さんに白河さん。余裕の十分前行動する彼女らに対し、春日さん、蔵前さんときたら、見事2分前駆け込みであります。いや、海外じゃこんなもんよ。日本もこんな感じでいきましょうぜ。とはいえ、店長としたら困りますよね。新人月島、この子が主人公、そう思ってよさそうですよ。最初はとにかく緊張してしかたのなかった彼女。今はずいぶん慣れて、余裕も見られるようになってきた感じです。面白かったのは蔵前です。黙々と働く寡黙な人。そう思ったら、違うのか。燃費が悪い。食後は元気で、吹き出し付、大声で話すけど、時間がたつとエネルギー切れして寡黙になっていく。この子と、それからオタクの春日さん。この人も面白くて、アニメのコンビニくじ、うちでも取り扱いしませんか、その心は、自分が全買いする所存。極まってるな。春日と月島の会話、あのフィギュア違いとかね、なるほど、人形とスケートか。なるほど、これもいい感じ。絵も綺麗、キャラクターも個性がしっかり描かれてわかりやすく、めりはりある展開もよかった。これはきそうだ、そう思わせるものありましたよ。

『NEW GAME!』は健康診断でありますね。扉にてナーススタイルの青葉に飯島さん。それが実に可愛くて、けど本編はといいますと、バリウムの採血のと、まあ普通の健康診断であります。青葉はバリウム飲みたかったんですね。面白かったのは八神さんのぐったりですよ。採血でグロッキー。血が苦手なのかい? そう思ったら、それどころではなかった。面白かったですよ。眼鏡の看護師田中さん。どう見ても新人、どう見ても緊張してる。採血の様子も危うくて、いやもう、怖いね! いやもう、ほんと、昔急性虫垂炎で病院に担ぎ込まれた時ですよ、自分もこういう目に会いまして、採血して鎮痛剤を入れる予定だったんですが、注射の恐怖で痛みが収まってしまった。だから鎮痛剤はいいですって話。ほんと、ナース田中さんの注射の様子はそうしたこと思い出させてくれましたよ。めちゃくちゃ面白い。っていうか、これは他人事だからだな。田中さんにはあたりたくない、そう願うふたり、そして願いが通じないと理解したふたり、ああしたところ最高で、もうほんと、今回は田中さんに全部もっていかれた感じですよ。

フレラジ☆』、よいですね。ラジオCDの特典映像を撮るから、そういう名目でお花見するんですね。東京の桜というので、人のやたら集ってるあの場所いって、って、これ上野公園? 他のメンバーに合流する前の茜が出会った女の子。ものすごい方言なんですが、これ、どこの言葉なんだろう。なんかサバサバした、そんな感じの女の子。あ、これは茜に縁がありそうですよ。またねといって去っていく。そして名前が藍ってことは、ああ、5人目だ! 葵と藍で、青がかぶってますけど!? というのは置いておいて、方言キャラの彼女、もしかしたら墨田さんにも関係してきたりするのかなあ? 今回は物語の進展はあまりない、その前段階みたいな印象ありました。藍と茜、来週の収録で出会うことが予告されてる。墨田さんのこの近くでの仕事っていうの、藍が関係してた? わからないのだけど、いろんな種がまかれた、そんな感触です。ああ、そうそう。葵のイラスト、いいじゃん! かっこいい!

『風紀委員会清純派』、ゲストです。風紀委員の女の子、三人の会話メインの漫画。委員長のせりなが曲者ですね。消しゴムを紙のカバーから抜き差しして、やらしいと一言。それで風紀委員にこの案件を持ち込む。なんかおっとりしてる女の子、紫苑にそのいやらしさを説いて、こんな卑猥なものは見過せない。ありえないほど純情なのか? 逆に考えすぎなのか? どう考えても後者だろう、そんな感じがするふたりです。一年生の楓、この子が常識派のポジションですね。角消しを提案してみたり、ねり消しを提案してみたり。けどそのどちらもが、やらしい、いかがわしいと一蹴されて、ほんと、いかがわしいのは誰なのか? 学校の風紀を守る、そういいながらも、わりかし率先して風紀に背いてるのがせりなの模様。ほんと、考えすぎ? 妄想気味? それでなにもないところに問題を見出して、解決して、そういうマッチポンプでコップの中の嵐っぽいナンセンスさが面白みだと思いました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第6号(2014年6月号)

2014年4月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年6月号

『まんがタイムオリジナル』2014年6月号、昨日の続きです。

『先生のたまご』、たまこ先生、気が抜けてしまってるんですね。ついこのあいだ見送った卒業生たち。個性的で面白い子ばっかりだったものなあ。その印象が強いだけに、こうして見送った後は虚脱感も大きくなるものかも知れません。けど、また新入生がやってくる。たまこ先生もまた担任を持つことは決まっていて、ひとつ終わりを向かえても、さよならしても、またはじまるもの、出会うものがあるっていうんですね。しかし数木先生のはじまり、柔道部の顧問とか、やべえな。指導者が他にいるってことは、名ばかり顧問なのかな? そしてたまこ先生の出会い。なにか昔を思い出させる、そうした少年、宮澤よだかの弟、宮澤ぎんがが入学してきたんですね。またもや元気な少年。そしてよだかの子分なる萩原。ええ、また個性的な面々がやってくる予感をさせますね。

『春雨平安日記』、牛車の牛がほんといいキャラしてるなあ。こいつ、コンタクトしてるのか。平安時代をモチーフにしながら、コンタクトだとかあるいはパピルス、するめの石版の、さらにはカレーといった時代地域を飛び越えたネタの数々盛り込んでくるのがおかしくて、この自由さ? やりたい放題? 春雨のキャラクターにマッチしていて、とてもいいと思います。しかし夏子も、春雨の自由さ、あるいは酷い仕打ちに慣れてしまってるって、ああー、DVに適応しちゃってる彼女っぽくなってるよ! そして春雨のようかん押し、さらに加えてペラペラになった笏。ほんと、おかしな漫画であります。

『かおり先輩ゴーホーム!』、香先輩、この人のわからなさ。子供の頃にチェンソーで遊んだって、これはコスプレ? なんか山で育った野生児? いや、ログハウス作ったりしてるのか。文化的だ! 得て工なる猿の着ぐるみに入って家具作りイベント、手本を見せるっていうんですが、あの一瞬の光とともにイスを完成させる、あのありえなさ、この無茶さがいかしました。しかし香先輩、この人の野生をなだめてうまく使うのが、研修終えたところの佐倉だっていうんですね。これ、続いていくのかな? ちょっと荒削りだけど、こういうのもまた悪くないと思います。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第6号(2014年6月号)

2014年4月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年6月号

『まんがタイムオリジナル』2014年6月号、発売されました。表紙は、おお、なんという美少女。そう思ったら、『ラディカル・ホスピタル』山下さんでした。いやほんと、これは可愛いよ。母の日ですね。色取り取りのカーネーションの花束、こちらに差し出すその笑顔。ちょっと照れも入っていて、本当に素敵。いい表情です。『らいか・デイズ』らいかも、お母さんにそっとカーネーショ。『おかん』は大きなまんじゅう食べながら、片手にはカーネーション。ええ、花よりまんじゅう。けど花もしっかり添えられているんですね。

小森さんは断れない!』、こういう小森さんの万能でないところ、意識させてくれるエピソードはいいなあ、そう思うわけです。別に小森さんの駄目なところを見たいというんじゃなくて、頼られて、けれどできないことがあればそこに彼女が支えられる、助けられる余地が生まれる。まさ子にめぐみ、ふたりに助けられた今回、その様子とてもよかったです。しかし、それぞれの家を転々としながらの勉強会。まさ子の姉がおかしかったですよ。いきなり可愛さアピール、あの戸惑っているまさ子ですよ、大変に素晴しい。ええ、今回はまさ子をめぐるエピソードでもあったんですね。なぜまさ子が東高を進学先に選んだのか、姉が与えるプレッシャー。けどそれがね、別におかしいことじゃないんだよって、そうした友達からのメッセージ受けて、まさ子がさ泣いちゃうのね、ほんといい友達じゃん。みんななにかに秀でている。けれど足りないところもあって、そうしたところを支えあう。ええ、いい友達だと思いますよ。あと、なんか小森さん、美人になってない?

『よゆう酌々』は女将さんの奮闘ですよ。森永にタケノコを使った料理を出して感想を聞く。これ、女将が作ったっていうんですね。けどやっぱり戸田くんの作った方がおいしい。ほー、切り方で全然違ってきますか。料理というのは奥が深いです。戸田くんはなんかいろいろしっくりきてないみたいですけど、なんだかんだと女将の練習につきあって、それで女将も頑張ってる。あの楽しいといった時の様子、なんだろう、憑き物落ちたみたいで、すっきりしたいい表情。ええ、女将、頑張って。そんな気持ちにさせられるのでした。

『満開!Sister』、面白いなあ。カンナのいう、どんな格好でもいい。同じ言葉で意味の全然違うところ、ええ、大変に見事です。しかしたけしのデート、相手はさくらなんですね。勝負鎧は許さない。御忍びの旗本装束も許さない。いや、まあ、そりゃそうだよな。自分だってあんなの困る。さくらのですね、冷たい目、いろいろな苦労が面白くて、いやもう、さくらさん可愛いなあ。しかし友達に彼氏としてたけしを紹介する。義理の兄妹だから結婚できる。もう見事に子供のごっこではないっていう匂いぷんぷんさせていて、このさくらのしたたかさ。いつか姉から奪い返すのか。いやもう、さくらさん、最高です。

『かでん屋さんの基礎知識』、園宮がテレビCMに出演するのだそうですよ。店を舞台に、着ぐるみ着て大活躍。って、あれやけっぱちか。絵柄の綺麗さ、カラーでの見映え、それが生きています。エプロン姿に家電ガール、そして草薙の作業服。ええ、確かに可憐です。CMの撮影だけでなく、POPなどお店でのアピールそうしたこともテーマになっていて、はやりのプロジェクションマッピング。草薙さん、エロいよ! それ、どうなってるの!? あの立体像を投影するの、ああいうの店頭でできるようなのはないのか。どうなんだろう。ちょっと未来っぽくていいですよね。そして最後にCMの出来栄え。めんどくさいと逃げた三笠が見事に巻き込まれてしまっていて、ああ、そうでした、この人はお姉さま担当でした。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第6号(2014年6月号)

2014年4月25日金曜日

Dandelion, taken with GR DIGITAL IV

今日は25日、GR BLOGはトラックバック企画であります。4月のテーマはボケ、ピントの範囲からはずれた部分の輪郭がにじんで融けた、そうした表現のことでありますね。さて、ボケといいますと、かつてトラックバック企画で選ばれた写真、そのボケを綺麗と誉められたことがあったんですね。あの時は嬉しかったなあ。などと思い出したのでした。トラックバック企画「ボケ」に参加します。

今回はいつもと違って、テーマに応じた写真になるよう、意識して撮影してみました。テーマはボケ、寄って撮ればボケるぞ! とまあ単純に考えたわけでありますが、春といえば花、これを被写体とするのがよいのではないか、そうした考えでいたのでした。晴れた日、開放寄り、たんぽぽ、綺麗に撮れたと思います。

2014年4月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2014年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2014年6月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』であります。ハナを真ん中にナルとヤヤ、すごく華やかな背景は、着物をレンガの舗装に敷いているのかな? となるとそこに仰向けに寝転がって、そしてこちらにアピールしてくる、そんな具合の艶やかさであります。皆がね、髪に花をあしらっている、それが実に可愛くて、ええ、いいイラストでありますよ。

『おにまん』、新連載です。主人公は天邪鬼のチャコ。なんで鬼には角があるのか? なくてもいいんじゃないか? そんなこと言い出して自ら角をとってしまった、そんなアグレッシブな子供時代。けど今は、人間の世界でひとりぐらし。6畳1Kの部屋で悠々自適に生活? ひきこもり生活をエンジョイ? そのあたりはよくわからないんだけど、そんな彼女のもとに神様がやってきてしまった。人間の暮らしを体験したいといって旅行中らしい。その神様、紅白饅頭の神らしい。ちんまい可愛い女神ふたり、紅と白、チャコにしばらく泊めてくれというんだけど、神様がいると邪気が祓われてしまう! 天邪鬼にとっては命にもかかわる事態! なのでここは断るべきなんだけど、天邪鬼だけにどうしても逆の選択をしてしまう。かくして神様との同居とあいなったんですね。しかしこれ面白いな。小豆は縁起ものなのね。邪気を祓うのね。で、饅頭の神様だからやたらと饅頭をすすめてくる。あの食っちまったチャコ、あれがほんとおかしかったですよ。いやまあ、小豆アレルギーってことで決着したらよかったのかな? この奇妙な同居もの、なんだかんだで仲よくやってけそうなところ、悪くないですよ。

『スモーキーゴッドエクスプレス』、新連載です。油絵を描く女の子、先生にもっと自由に描けばいいのよ、そんなこといわれてる女の子が主人公。しかしこの漫画、描かれる風景が独特で、なんかスペースコロニーみたい。巨大なシリンダー内部に広がる大地、そんなことを思わせるものあったのですが、いやもう、これが本当にそうだったっていうんですね。そういえば、入院しているイオと話している牡丹の台詞に、宇宙を航行してると思わせるフレーズがあった。地球を失った後の人類なんでしょうか。巨大な宇宙船に暮らしている、その船にトラブルが発生した。隕石の衝突により失われた資源。そのため、人口の統制が行われることになって、条件に該当するものはコールドスリープに入ることになったんですね。眠りに入るイオ、そして先生。残された世界で、牡丹、そして我らがヒロイン、マイはどう生きていくのか。穏やかな情景、けれどそのベースにハードな状況を内包して、どうした展開が待つのか、これは期待されます。

『病めるときも健やかなるときも』、新連載です。これは面白かった。ドールマニアの女の子が主人公なのか。ヒロインいばら、柘榴という人形を愛でていて、いやしかし、その愛で方がヤバいですから。ベタベタいちゃいちゃするのはまあいいとしよう。けど、服を作るとなると裸にして採寸。さらに毎晩、服を脱がせてなめまわしているとかなんとか。すげえな。一流の変態だな。そんないばらはなんだかやたら運が悪いようで、看板が落ちてきたりガラスが割れたり。人形に狙われてるからだっていうんですね。いばらの血液は人形に魂を吹き込むことができる。そのせいで人になりたい人形に命を狙われる。それを助けるのが、いばらによって命を授けられた柘榴、なんだけど、なんだろう、ちょっと素直じゃない屈折した感触、それが面白くて、あと柘榴の暴力衝動! 見た目はあんなにエレガントなのに! いやもう、おかしかったです。

夢喰いメリー』、柊編を終えて、今回はレンにスポットライトです。レン、一日一善活動を続けているわけですが、その背景が語られはじめている、そんな感じです。昔はヤンチャだったらしい。父が病院を経営している、ちょっとした名士ってやつみたいですね。けれどレンはそんな生い立ちに鬱屈するものあるらしく、だからいろいろ悪いこともしていた? ガラの悪い少年たちに絡まれて、昔の知り合いの模様。柊からの電話を受けて、メリー、夢路が駆け付けてみれば、少年たちをひとりで倒してしまっていた。そのことを悔いるレン。ああ、彼のやっている活動、その根っこには、彼の過去、後悔や罪滅ぼし、そうしたものがかかわってるのでしょうか。ほんと、彼のバックグラウンド、そして夢魔との関係などなど、気になるところに踏み込んでいくのだろうと思うと次回が待ち遠しいです。

『みならい人形師テスラ』、ゲストです。白金テスラは人形師見習い。人形を操って街でおこる事件を解決する、それが人形師なのですが、テスラはとりあえず成績が悪い。先生に助けられてばっかりで、けれどそれじゃよろしくない。次の事件は助けないから、自分でなんとかなさい。でないと一週間夕食抜きとのきびしいお沙汰。そんな彼女を待ち受けていた事件とは、自分の人形の反乱だったんですね。たった一体だけど、自由になりたい、それで街に出て、いたずらして、とめないと! 残る人形たちとともに取り抑えようというんだけど、自由を夢見る人形に太刀打ちできないっていうんですね。しかし、その人形、先生の名前を出したら動きをとめた。かくして事件も解決したんだけど、これ、最初はテスラが解決できるくらいの事件を先生が起こしてたんじゃないのかな? そう思ったりしたんだけど、違ったみたいですね。事件は事件。ただ、やっぱりこっそり先生が手助けしてくれていて、結局は甘い先生。テスラに懐かれてるところなど、悪くなかったですよ。

2014年4月23日水曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年6月号

『まんがタイムスペシャル』2014年6月号、昨日の続きです。

『美味しいタノミゴト』、恋の季節でありますよ。鈴木浩巳、咲月のことが好きっぽい? そんな彼が披露したペンギンの真似。それを誤りといって、より正しいペンギンの真似をして見せる美琴がやたら可愛くて、ペンペン、素晴しいです。そんな美琴の書いたラブレター、咲月がたまたま見てしまうんですね。美琴には好きな人がいるんだろうか。自分でないとしたら、鈴木なのか!? それでもやもやする咲月もおかしいですよね。特別でいたかったんだなあ。その様子が可愛くて、けれどそれはつまるところ鈴木の思い咲月に届かずってことであります。美琴、鈴木の気持ちに気付いて、しかし彼の様子を見て、美琴悩む。この恋愛の混線、どうした方向に向かいますやら、ですね。

『軍神ちゃんとよばないで』、ゲスト掲載です。ただのニート娘なのに、なんでかやたら勇壮果敢な若武者と勘違いされている虎千代。今回はゲストだけあってというべきでしょうか、うまいことダイジェストに仕上げていて、面白く、わかりやすく、状況を伝えていました。しかも、本編よりも先のことに触れてみせて、いやまあ、でもねえ、そのへんは歴史のことですんでネタバレとかではないんです。でも、この謙信がなぜ兄晴景と対立することになるのか、その行方は興味深いですよ。ほんと、なんでそんなことになるんだろう。

『アテナの初恋』、アテナの初恋でありますよ。なにをやるにもぞんざいずぼらなアレスに業を煮やすアテナです。しかしそんな彼女が恋に落ちた。しかもよりによってアレス! なぜ!? エロースのいたずらだったっていうんですね。ヴィーナスの相棒、キューピッドに相当する神なんですが、こいつの矢がアテナを射ったというんですね。てなわけで、見事にアレスのこと好きになって、鎧が冷たいといわれれば脱ぎます、あまりに従順なアテナはやたらめったら可愛くて、しかしそれでも真面目さは失わない。のんある革命にこどものびーる、あなたの仕事は手伝いません、その健気さ。責められたら、ああ、泣いちゃうのか。もうほんと、いつもとは違うアテナの様子。面白いわ可愛いわ、実によいエピソードでありました。

メェ〜探偵フワロ』、またなんだかインパクトある扉絵だなあ。そう思ってたら、本編にも出やがるのか! 度肝抜かれたよ! ミスレモンのお友達、ハンナちゃんが帰ってきてたんですね。街でメイドをしている子、けれど困ったことになってすっかり顔色を失ってしまってるんですね。旦那様が買った骨董品の皿、そいつが割れてしまってた。その責任が自分にかかってしまいそう、っていうんですね。しかし、旦那様のスケベ親父ぶり。あの成金ぶりといいますか、もう見た目にもインパクト抜群で、フワロ氏を上回ってるぞ、おい。そんなエロ親父の求愛の強烈さ。やる気を見せないフワロ氏。はたしてハンナの明日はどっちだ! ここで立ち上がるのがレモンさんなんですね。メイド探偵。聞き込みして現場検証して、しかしちっとも容疑が晴れない。どうする、どうしよう、焦るところに、メイド衣装のフワロ氏登場ですよ。この凶悪な面! これに加えてハンナの言葉、代わりに後妻に入ってくれるのですか? もう、もうね! 死にそう! すごい切れ味ですよ。ここからの展開、そしてフワロ氏、やるじゃん! うおー、すげーじゃん! 氏の優秀さが光って、くそう、なんか悔しい! ミスレモンの観察眼も見事。ほんと、ぐいぐいきましたよ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第6号(2014年6月号)

2014年4月22日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年6月号

『まんがタイムスペシャル』2014年6月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』リコが帰宅の道すがらの買い食い、ペットボトルのサイダー? 飲んでるところ。その表情、あの笑顔がちょっといたずらっぽくて、ええ、この子の魅力がよく出ていたと思います。そして『先生のすみか』ヤマトくんと管理人さんが鯛焼を買い食い、『ゲキカラ文化交流』アイシャはさすが! ピザでありますよ。

『銀河系女子高生ありすちゃん』は、ありすちゃんの尋常でないところ描かれて、ええ、この人は人を見た目で判断しないんですよ! 素晴しい! というような話ではなくって、どうも構成成分、その組成でもって人を判断してる模様。おおう、見た目とか全然目に入ってないんだ。見た目は重要でない。人格みたいな数値化できない要素ならなおさらというんですね。よって、今回のテーマは似てる人。そこから似てる星ときて、なるほどテラフォーミング。火星移住計画って片道切符だったのか。このあたりの話、知りませんでしたよ。なかなかハードな選択になりそうですね。そして箱庭で地球の風景を作る。あの終末感っての、センスの問題なのかな? 案外、ありすちゃんに今の地球はこう見えてたり!? おおう、テリブルな想像であります。

『おかってスタディ』、料理が苦手な町村せりあ。彼女に料理を教える小学生の男の子、柚島ハヅキがせりあの家にいくと、なんとせりあは着物。そして家からは絢爛豪華な和装お嬢様たちがぞろぞろと帰るところで、大学の茶道サークルの集まりだったのだそうですよ。なるほど、せりあはお茶ができる。かくしてハヅキにお茶をふるまうことになって、ああ、クールな少年と見えたハヅキくんの意外な一面二面が露になって、ほーほー、お年頃なのね。苦いお抹茶にむせる。こうしたところに子供っぽさを発見して、ちょっと嬉しそうなせりあさんがよかった。お茶を点てる、そのやりかたを後ろからそっと手をとって指南するせりあ。ああ、ハヅキくん、大変じゃんよ! しかしほんとこの漫画は、少年を愛でる、そんなところがありますよ。ええ、ハヅキくんがヒロインですな。

趣味じゃない園芸』は蘭々の成長がちょっと語られて、かつては漠然としていたハンターのイメージ、それが若干の具体性を帯びて、って、ハンターって、まんま狩人じゃないですか。資格をとろうとか勉強しようとか、そういうところが描かれたんですが、蘭々、真面目だなあ。自分のいたらなさを知り、少しでも前進し、成長して、皆に追い付きたいと思う。こういう真摯な姿勢はすごく好感持てる、ほんと、いいお嬢さんだと思いましたよ。しかし、藤野さんがいい先輩ぶりで、後輩蘭々のことよく見て、喜んでくれている。うん、けど蘭々を追い詰めたの、藤野先輩でもあるのか。世の中って難しいな。そして南方さん、おお、これは来月には仕上げてきますよ。この男は、きっとやってくれますよ。

『だけど温田さんはひとりでデキない』、ゲストです。宮崎優28歳会社員が街で出会ったお嬢さんは、ひとりではなにもできない温田さん。電車の切符の買い方がわからない。その様子を見て、思わず手助けしたら、なぜか懐かれてしまった。ひとりで街歩きするつもりだったのに、一緒に行動することになってしまって、その言い分が面白い。「一人」の勉強中なんだって。そのお手本を見せてほしい。宮崎優からしたらわずらわしいばかりですよね。振り切ろうと思っても、思わぬトラブル引き起す温田さんのこと放っとくわけにもいかなくて、結局ふたり行動になってしまった。温田さんの、カートにスカートの裾がはさまってというの、あれはよかったですよ。なんかなさそうで、けどもありそうで、そういうところをうまくついていたと思います。しかしこの温田さん、まさかの再会。宮崎優の会社に入ってきちゃった。かくして宮崎優は先生とみなされて、ええ、うまいことこの話、この不思議な関係が広がっていくと面白いかも、そう思いました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第6号(2014年6月号)

2014年4月21日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号、先日の続きです。

幸腹グラフィティ』、露子さん、素晴しい! さて、温泉旅行編、後編であります。のっけからお刺身、霜降り肉、そして茶碗蒸しを味わう彼女ら。旅館の仲居さんが圧倒されてて、面白かったです。あらゆる料理に誉め言葉、それで嬉し涙流す仲居さんがいれば、露子さんからもらえた信頼の一言に、仲居厨房皆そろって驚愕するというね。ほんと、露子さん何者? けど、椎名にはわかるんだ。照れ隠し露子さん、そう思えばなんだか可愛い人だな。そして布団の敷かれた客室、クロッキー帳手に露子さんを待ち構える面々。露子さん、通報するんだ! 焦る露子さん、照れる露子さん、安堵する露子さん。今回は露子さんスペシャルでした。他に椎名の、皆でトランプとかはじめてという話ね、うん、しみじみといい感じ。だんだんに互いのいろいろを知っていく、まだまだ知らないことがある、その距離が縮まっていく感じが素敵です。

スイート マジック シンドローム』、今回は皆でたこ焼きを作るのだそうですよ。たこ焼きの鉄板、持ってるんだ! 中に入れる具材、いろいろ工夫して、ハム、タコ、ねぎ、えび、チーズ、そしてチョコレートなんてのまであるんですね。当然疑われるプリン。あの必死の抗弁が可愛いなあ。チョコレート持ち込んだのは甘子なんですね。油をバターで、そしてパンケーキの生地を使って焼く。中にはチョコとバナナを入れるという、ああ、これだと確かにお菓子になりますね。今回の見どころは、たこ焼きを作る風景、クレーム姉様の通販癖しかられる、そして皆でゴロゴロ、それから体操などなど、ええ、うちでも昔、ちょくちょくたこ焼きを作ってたんですよ。その時の楽しかった気持ち、あざやかに思い出されて、またたこ焼き作りたくなってきたなあ。ええ、そう思うほどに楽しい風景が描かれていました。

『アンネッタの散歩道』、もう本当に素晴しい。アンネッタがメイヴからの手紙に返事を書こうとして悩んでいる。本編は、この手紙より少し前に遡って、ええ、前回の続きですよ。ニアヴ姫のこと、なんと嫁入り先から帰ってきてしまっていたこと、それが恨みとなって、相手部族に誘拐されてしまったっていうんです。両部族は神話時代からの敵対関係。戦争を避けるため、百年に一度、交互に姫を輿入れさせるという取り決めを交わしていたんですね。それをニアヴ姫が反故にした。なので相手部族も御冠なわけです。しかし、戦争になるのか? そう思ったら、なんとハーリングの試合なのか。スポーツで決着とは悪くないじゃん。リクリエーションみたい。そう思っていたら、いやもう全然違った。こちらは怖い顔のおじさん、そしてメイヴの言葉に皆鼓舞されて、士気ががんがん上がります。しかし向こうはというと、スポーツとしてプレイする気がない。戦争のつもりでいる。鎧を着込んで、暴力に訴えてくるという、そうした状況で、スポーツであることをやめないメイヴたちの戦い。そしてニアヴにかけられたシエナの言葉。ほんと、ここからの展開が素敵でした。参戦するニアヴ姫、正々堂々挑む彼女彼らの気持ちはすがすがしく真っ直ぐで、御仕着せのらしさよりも自分のらしさ、過去からの因習よりも自由を求めて走る、そうした気持ち、姿勢が輝いていました。そして試合の最中、メイヴが心中にてアンネッタに語り掛けた、その言葉。メイヴのアンネッタへの思いが静かに、けれど活き活きと躍動して、不思議と穏かで、不思議と情熱的で、この相反する感情が同居する様に、人の、妖精の思いの、友情の、まさに今手を繋ごうとしていることの豊かさを思わされたのでした。和平の中にいがみあいを内包していた部族の関係は改善され、素直になれずにいたニアヴ、シエナの未来には灯りがともり、そしてアンネッタとメイヴのこれから、いつか会うその日のこと、希望が、明るい展望が開けている、そんな気持ちにさせてくれる、本当に素敵なエピソードでありました。最高です。

『たぬき、時々、きまま道』、これほんといいですね。今回のゲストは、山菜を採りに山に入ってきた小学生の兄妹です。楽観的で向こう見ずな兄翔平に、やめよう、危ないという妹一花。そこに藪から現れたのが、たぬきの子、つぐみでありました。山菜を採りにきたというので、山菜の生えてる場所へと案内するつぐみ。けど、本当ははやく山から帰した方がいいと思ってる。兄妹の仲違いしてる様子を見て、仲直りさせる苦肉の策が山菜だったんですね。しかし、つぐみ、今回は自分のフィールドだからでしょうか、あるいは見た目がお姉さんだから? しっかりして、兄妹をうまく導いて、その様子がとてもよかったです。けど、突然の雷にたぬきに戻ったり、それで一花に捕まってしまったり、ランドセルに押し込まれそうになったり、こうした様子もおかしくて、小さな兄妹とのほのぼのした関係も魅力的でありました。ほんと、毎回を新たな出会いで彩って、ちょっと寂しい別れも描いて、けどその構成、悪くないと思いますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第6号(2014年6月号)

2014年4月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年6月号

『まんがタイムきららMAX』2014年6月号、昨日の続きです。

○本の住人』、扉のちーちゃん、めちゃくちゃ可愛いな。ほんと、見た目に限定すれば、この人完璧だ。さて本編、兄の取材旅行。のりことふたりだといろいろ厳しい、のりこの友達を誘えればいいが、などなど、いろいろ考えてる兄がですね、ええ、まともなんですよ。ほんと、基本この人、奇行が目立つ人ですけど、その根っこにはこうした常識人の顔があるっていうんですからあなどれません。しかし模型店でですよ、商店街の旅行、キャンセルが出たと知って、そこに割り込ませてもらおうって話になるんですね。いやいや、面白かったですよ。たまたまでくわしたひさちゃんに、一緒に旅行いかないかと誘ってみれば、ひさちゃんは沸騰するし、模型店妹はマジ通報するしで、こういう躊躇ないところ、この漫画のストレートな魅力だと思います。しかし、旅行先ですよ。兄貴さん、いろいろ思うところあったんでしょう、気を使ったんでしょう、自分ひとりテントで寝るという。そこに夜中やってきたのりこ、涙、ええ、ほんと、兄ひとり妹ひとりでずっとやってきた、その心情のしのばれる、そうしたところ、常には見られぬ輝きがあったと感じました。

『うにうにうにうに』、やられましたわ。皆で繰り出した縁日でのこと。あのうにの楽しそうにしているところなど、とてつもなく可愛くて、おめん、わたあめ、たこやきに金魚すくい。その様子が本当にほのぼのと魅力的に描かれて、だからこそですよ、うにの迷子。はぐれてしまって、ひとり。心細くなって、どうしようかって、けどずっとあの家から逃げ出したかったんだって思い出して、でも、皆のやさしくしてくれたこと、その思い出が一度に押し寄せてきて……。あのうにの涙。ひとりぼっちの寂しさ。それが切々と伝わってきて、ああ、これは本当に見事。ひしひし胸に迫って、涙を絞る、その力、なみなみならぬものありました。そしてユキ姉ちゃんも、いつもはいじわるなのにさ、すごく優しくって、ほんと、今回、渾身でした。

『スクール・アーキテクト』、びっくりしましたよ。学校の廊下、こんなところにこんな階段なんてあったっけ? 細道、下り、先は真っ暗。アニマがですね、この階段を下りていってしまったそうで、ノリコは追い掛けたいんだけど、怖くてなかなか勇気が出ない。そんなノリコ、ヒルミをレイジが挑発してみせて、結果皆でアタックするんですけども、正直、見誤っていたのだと思います。半ば挑発、半ばからかい、そうしたやりとりの面白さを見せようとしている。そう思っていた。レイジのいうように、すぐにこの非日常も覚めるものと思ってたんです。それがまさかの展開。そしてまさかの異世界。うわー、うわー、なんだこの変なところ! アキタランドか!? アキタランドなのか!? はたしてこの漫画、これからどうなるのか。もうさっぱりわからんぞ。戻れるのか、戻れないのか。日常への回帰はあるのか。いやもう、さっぱりわかりません!

『ロボらとり!』、ロボの面々の帰宅ですよ。ああー、なんか勝手に学校に住んでる、そんな気持ちになっていた。違いますよね。学校では倉庫を溜まり場にしてるだけで、別に住んでるわけじゃなかった。ええ、勘違いしてました、いつのまにか。皆と一緒の下校、エミ、はじめての寄り道です。商店街を通って、そこでロボの皆のいろんな表情もろもろ、いろいろ真面目だったり、いろいろ可愛がられてたりといったところ、それを見る。そういうのすごくよかった。そしてノコですよね、おうちが喫茶店。なるほど、確かにこの子、茶運び人形でした。和装も似合って可愛くて、そして店でもお客さんに可愛がられている。いやほんと、悪くない。この雰囲気、悪くないですよ。

『みことの一手!』、本気を出す、これまで以上に頑張ってみせる、そう誓ったみことですが、今回はその実践ですよ。日曜に部室、大会に向けての特別練習だっていうんですが、みことのライバル、そしてみことのことをライバルと思ってくれている蛍と打つ、勝つまで打つ。みことの気迫、意気やよし! でありますよ。しかし、今回はなんか不思議な話でした。みこと、蛍との対局、なにか覚えがある。先が読める? 実力がついてきているのか。けれど、わかっても勝てない。どんどん形成不利になって、気持ちが追い詰められて、けれどついに三劫に持ち込むことができた。これ、蛍は珍しいといってますが、昔は不吉とかいわれてたんじゃなかったでしたっけ。同じ手が延々繰り返されるため、終りを見ることのない手。将棋でいうところの千日手というやつですよね。将棋だとこうした状況になったら、それを回避するというルールがあるけど、チェスの場合はステールメイト、引き分けにする、といっても、チェスはいかに引き分けに持ち込むかみたいなゲームですけど、ともあれ、囲碁も引き分けになるんですね。さてさて、『みことの一手!』ですよ。打ち疲れたみことが眠って、目覚めたらまた蛍に挑戦する。ああ、なるほど、今回は延々と繰り返される、それがテーマなのか。三劫による千日手、それが暗示したのは、このエピソードのあがりがふりだしに繋がってるということ。まあ、みことは引き分けに持ち込めた先の一局に至るまで、ずっと負け続けていたんでしょうけど、そのためにみことには盤の流れに覚えがある。そしてこの勝負はみことのいい、蛍もいうとおり、勝つまで続くんでしょう。ほんと、不思議な対局、不思議なエピソードであります。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第6号(2014年6月号)

2014年4月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年6月号

『まんがタイムきららMAX』2014年6月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』からリゼとシャロであります。どういうシチュエーションなのでしょう。ふたりミリタリーテイスト入った服を着て、大きな旗を被るみたいにして座ってる。リゼが余裕持って微笑んでるんだけど、その隣でシャロがちょっと緊張してるんですね。下がった眉、硬くむすばれた唇。頬は紅潮している。なぜなんだろう。ええ、その手をリゼの手に重ねようかどうしようか、逡巡しているといった様子なんですね。一枚の絵に、ちょっとしたストーリー、感情の動きなど盛り込んで、素敵でした。しかし、ほんと、どういうシチュエーションなんでしょうね。背景に見える崩れかけた煉瓦の壁、見事な青空。なにか沙漠を連想させるものあって、旗も日陰を作るためのものっぽいですね。

ご注文はうさぎですか?』、おおココアさん、大活躍ですよ。って、これは思い出の中の自分なのかな? いやほんと、いろんな格好、いろんな表情、可愛いなあ。本編ですよ、なんかココアの様子がおかしいんです。不思議に機敏、ああー、こういうのは風邪とかそういうパターンなのかい? 違いました。お姉ちゃんがくるんだそうです。だから成長した自分を見せたかったんだそうです。憧れの姉、ココアがいつも姉になりたい、そういってるのはこの憧れあってのことか。そうやってココアの心情理解するまではわかるんだけど、なんでそこで姉修行!? 微妙にピントのずれた応援、メグマヤも加わって、なおよくわからなくなるってんですが、けど、きっと自然体でいいんですよ。シャロが気付いたココアの成長。ええ、ほんと、この子、よくがんばってると思います。しかし、ココアが皆からちやほやされると嫉妬するチノ。ほんと、ココアのこと好きなんですね。緊張で固まってるココアの表情もレアでした。

きんいろモザイク』、おおう、しのさん、大活躍ですよ。きりっとして、不思議と俊敏。ああー、こういうのは風邪とかそういうパターンなのかい? 違いました。学校祭、クラスの出し物、演劇で大役を任されたので張り切ってるんです。脚本と衣装のリーダー。ああ、この子、どちらも並々ならぬもの持ってるからなあ。ほんと、しのも、なにもできないみたいな、才能とかないみたいな、そういう悩みがかつてあったけど、今はもう全然そんなことないんだよな。しかししのの着せ替え、これが素敵でした。かわいすぎてビッグバンが起こりそう! ああ! しのの宇宙だ! しのが世界の中心で、しのが世界のルールになるんだ! 和服しの、素晴しかった。そしてカレンの発案、いっそのこと裸だとか無茶いって、ああ、さすがにしのも怒るのか。なんかすごいレアなもの見てる気がするぞ。怒ると口きかなくなるんだ。なんか、すごい可愛い気がするぞ。いやほんと、しのの頑張り、見事にむくわれるとよいなあ。この子のこと見てると、ほんとそう思いますよ。

いちごの入ったソーダ水』、こひめが副部長になりました。書いてもらう事になる! おお、こんなこひめ見たことない! なんかすごいレアなもの見てる、そんな気がするぞ! 新部長うたたの真似なんですけどね。なんか、ちょっとしっかりした自分を見せたかった? そんな感じみたいですね。文化祭に向けて部誌を作ります。文芸部なので、小説、詩、俳句、短歌、なんでもいいそうです。でもるなは苦手そうだなあ。聞いてないっていってますけど、確かにいってましたよね、最初に。ペンネームをつけるって話に、るなの自虐が炸裂して、あー、るーちゃん、名前がコンプレックスだもんな。しかし、るな、どうする? もしかしたら、るなの隠された才能が明らかになったりする? そして委員長に長がついたと報告にいくこひめ、素晴しかったです。

『しょーがくせいのあたまのなか』、石見翔子の新連載です。いちこ、うんどうバカ。ふたば、毒舌クール。みゆ、チョロい流され系。チョロい流され系がクールに手玉にとられたあげく、いろいろな辱め受けたり、そしてこっそり好かれてたりする、そんな具合の漫画みたいですよ。今回はトイレの話。クラスの女子が友達と一緒にトイレにいく。それ見て、みゆもふたばに一緒にいこうといいにいくんですが、ふたばが絶妙なタイミングでみゆの申し出を潰していくんですね。たまたま? いやいや、これわざとだ。好きな子はいじめたい、そういう類の子なのかな? 休み時間にトイレにいけなかったみゆ、授業中に大変なことになってる、その様子を眺めているふたば。サディスティックであります。ふたば、みゆのピンチを作った上で救いの手をさしのべるという策士。一瞬策に溺れた? そう思わせて、結局最後、いいところを持っていく。おそるべししょーがくせいであります。

『アイドル声優☆上村とまり17歳』、ぷらぱの新連載です。声優ゆりりん、いわゆる永遠の17歳系のアイドルに憧れる女の子がヒロインです。上村とまり、父が漫画家でアニメや漫画にかこまれて育った、そんな環境が彼女を作ったんですね。声優上村由梨恵に憧れ、いつかは私も。そう思ってる。そんな彼女が友達と一緒にいった大内ゆりえコンサート。恒例のお人形投擲、それをとまりが受け取って、そうしたら手紙がついていた。なんと、とまりのお母さんが大内ゆりえだったっていうんですね! って、気付けよ娘! しかし、この人の作風なんですけど、吹き出しの外の台詞、これが面白いですね。キモい本音もれてんぞ。かるくキモいよゆり。そうした、展開には影響しないようなつっこみ、結構厳しめで、この味わい、悪くなかったですよ。しかし、声優を具体的に目指すことになったとまり。どういう展開が彼女を待ってるんでしょうね。

『キズナのカタチ!』、ゲストです。沙藤しお、絵柄、雰囲気変えながら、いいですね、頑張って欲しいです。結構気に入ってる人なのですよ。ヒロイン、マオ。親の再婚で兄ができました。おどろくほどの美少年、って、青年っぽいよ! キョウ。女子から大人気。そんな彼がマオにベタベタする、その様子は乙女ゲーのキャラクターのよう。マオの友達アカリがろくでもないですね。乙女ゲーもいいけどギャルゲーの方がもっと好き。なのでキョウをギャルゲーお兄ちゃんにしたい、とかいってる。そんなアカリが、キョウに対面して、自分が優位でいる、そう思ってたのかい? いやいや、キョウにぐいぐい迫られてちょっと狼狽するところなど、うん、アカリ、いいキャラクターだったと思います。しかし言動が不穏なキョウ。この人もなんか妙におかしくて、アカリの提唱するお兄ちゃん像、男のオレでも惚れていいのかなって、おそるべしです。こういう発想、なんか気持ちをひっぱられるのですよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第6号(2014年6月号)

2014年4月18日金曜日

『まんがタイムファミリー』2014年6月号

『まんがタイムファミリー』2014年6月号、昨日の続きです。

『軍神ちゃんとよばないで』、虎千代、可愛いなあ。栃尾に入って数日、まったく部屋から出てこない。ああ、なんという用心深さ。そういって黒田秀忠らの肝を冷やさせているわけですが、実は引きこもり生活を満喫してるだけっていうんですね。一日ゴロゴロ。人形でいかがわしい遊びをしてるかと思ったら、弥太郎にはなんかいい顔見せて誤魔化しやがって、こんちきしょう、可愛いなあ。このろくでなしの姫君、部屋をやたら散らかすものの、これが完璧な配置なんだと、ああー、みんなそういいますよね。もちろん私もそういいます。おかしかった。しかしここへ宇佐美定満が訪れるという。やばいですね。この危機をどう切り抜けるものか。楽しみですね。

『宅飲み残念乙女ズ』、てつ子がおかしいなあ。海釣りにいってきたらしい。その過程がものすごい。バイト先の店長にたまたま出会って、そのままその流れでついていくっていうんですね。いきなり電車、手ぶらで電車。適当部屋着、物怖じしない性格のてつ子に店長もすっかりペース崩されて、いやほんと、この人の自由さ。自由を満喫してるけど、悩みもあるよ。しかしすぐさまカラッと切り替えてみせる。そうした様、実によかったです。これは長所だなあ。自分に欠けてる部分だ。しかし、残念乙女3人に、それぞれ似合いの男性が出現? 春は近いのでしょうか。なんか思いっきり空振りしそうな、というか、気付かないうちに見送っちゃいそうな人たちですけれども。

『男子校生へ愛をこめて』、これほんとおかしいなあ。篠原美緒先生は男子校のアイドル。なんだけれど、かつてはあんなにちやほやしてくれた生徒たちが、最近はとんと近付かない。それで気落ちしちゃってるんですね。けど、ほんと、この人の来歴、それが語られると、困った人ながら、なんというか、切ないですね。女王様っぽく振る舞ってる、その向こうには、低い自尊感情が隠れてたっていうんですね。それでどうしたらいいかわからなくなって、モテない女、そう思ってた田中先生の振舞いを真似するまでにいたって、いやでも実際、田中先生可愛いものなあ。最高だと思う。うん、篠原先生も、気に入られようとか好かれようとか、それで自分らしさを見失ってしまわないですむようになれるといいな。なんてこと思ったんですね。漫画としては、コメディらしく問題なんてきれいさっぱり最初からなかったんですよ、そういうさっぱりした決着見せてくれて、安心安心。ほんと、篠原先生、大変よかったです。田中先生も素敵でした。

『かしこみかしこみ』は、ムクと山椒の里帰りであります。なるほど、母の日だからなんですか。ああ、ムクの家族がすごい。ムクが帰ってくるからと、兄弟全員が帰ってきてるっていうんですが、いったい何匹いるんだろう。狸穴からぞろぞろぞろぞろ大量に出てくる兄弟たち。その大家族っぷりがあればこそでしょうか、山椒の厳格そうな父と母の様子が実に好対照。山椒のうちは、名家といいましょうかなんなのでしょうか、床の間のある和室、父母ともに着物をきっちり着て、ええ、ただの狐ではないぞ、そう思わせる貫禄たっぷりなのですよ。しかし、ムクも山椒も、母の手伝いをしたいと思う、労いたいと思ってるんだけど、なかなかそうはことが運ばない。母が久しぶりに帰ってきた子供のこと、かわいがってくれて、いやほんと、ムクも山椒もいい子供っぷりだったと思います。川の字にお重のおはぎ。そして山椒の父母、ムクの母の子供に対して思う気持ち。ええ、素敵な話でした。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第6号(2014年6月号)

2014年4月17日木曜日

『まんがタイムファミリー』2014年6月号

『まんがタイムファミリー』2014年6月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代がランニング。その向こうに走ってるのは『火消しなでしこ』梢であります。ふたりとも体を鍛えないといけない。カツ代は部活で梢は仕事。けど、義務感とかじゃなく、ちょっと楽しそうなランニング風景、悪くないですよ。そして『宅飲み残念乙女ズ』3人はジャージでビール。おお、実に残念な彼女ららしさであります。

大家さんは思春期!』、今回は料理部の活動ですよ。というか、活動せざるを得なくなった感じ。以前の豚汁が好評で、次の活動はいつ? なになに? 資金が足りないの? というわけで、先輩先生が中心になって料理同好会支援募金が集められたっていうんですね。って、これきついな。大量の募金、大量の名簿、そしてリクエストもたくさんあって、それに応えねばならぬっていうのは、うん、結構なプレッシャーだと思います。けど、それでもやっちゃうんですね。肉のリクエストがやっぱり多い。それを受けて、低予算で皆が満足できる肉料理を。その算段してるところなど、実に面白かった。豆腐やおからで量を増やそうってんですが、はたしてどういう料理が仕上がるものか。調理の模様は次回に続く! ええ、以前のお祭りみたいな、いや苦役みたいな豚汁調理は面白かった。楽しみでありますよ。

『カラフルぶらぱん』、モデルのエリの昔話。いやはや、よいですよ。ずっと地味で、ずっと自分なんてと卑下してきたエリを可愛いとほめてくれた。そんなサヨにときめいて、その恋心よ! いきなり泣き出しちゃったりね、そうしたらお母さんがやたら応援してくれて、一気にイメージチェンジですよ。お母さんが元モデルだったのが今朝発覚して……、って、ショックだったのかい!? 困ったところをまたサヨに助けられて、ほんと募る思いはノンストップですな! そして今、サヨを巡る恋のバトルがはじまる、って、眼鏡に勝目はないだろー。いや、両方眼鏡だった。頑張れ、エリ。こととねお試しBlogはエリの恋を応援します。

『教壇のポラリス』、よいなあ。夏、受験生には休みなどない、そういってる3年生たち。楽しみにしてた流星群がくもりで見られない! となって、一気にやる気を失う。うん、わかる。その埋め合わせかなんなのか、生徒たち、いきなり天川先生の自宅に押し掛けるんですね。失礼だろ、そういう意見も出たけれど、それでもいく。興味津々でいく。うん、先生は大変です。しかし、扉を開けた先生の様子に狼狽する皆、あれは面白かった。というか、天川先生、やたらめったら可愛いなあ。お風呂掃除してて、カランとシャワーの操作、間違えたんだ。うんうん、やるやる。そして先生の昔、卒業アルバム発掘されて、学生時分の先生の可愛いこと! そして天川先生の美点ですよ。教師でいられることが嬉しい、なぜか? その理由が本当にしみじみと素朴にこの人のよさを物語って、無理したり、嘘ついたり、そんな風じゃ全然ない、本気だって、ちゃんとわかるんですね。ええ、よかった。いいエピソードだったと思います。だからこそ、最後の、教師でない自分の決着を思う様子がぐっと胸にせまります。

『火消しなでしこ』、面白いです。消防学校は寮生活。女性部屋は住吉梢ひとりなのか。大変だ。これがすべての消防学校の様子を語っている、そういうわけでもないのかと思いますが、買い出し、お風呂、そして勉強。厳しいながらも楽しみもある。そうした様子は見ていてなんだか悪くなかったですよ。わいわいと、同じ目標に向かって努力する。そうした仲間意識が見える。そして教官のピリッとした厳しさも面白い。いきなり地方公務員法何条かと聞く、おお、ちゃんと答えられるのか! 見事でした。ひとり部屋の梢、おやすみに返るおやすみの声。ああ、いい仲間じゃないですか。

『ダ・ヴィンチ系女子高生』、男装クロナカ、超可愛いですよ。ヤングレオナルドの工房にいくんですね。そしたら後の有名人がいっぱい! まさかのボッティチェリ。ピエトロ・ペルジーノもにこやかに、って、自画像はもっと、こう、なんか、むっつりしてるじゃん! フィリッポ・リッピなども現れて、おおう、子供よ、羨ましいな。この時代、まだ若かりしころの巨匠たちが紹介されたということは、ふたたび飛ばされたクロナカ、その時代で起こることの前触れ、伏線みたいな紹介だったりするのかい? 時代が変われば、またクロナカの出会うことも変わる。この落ち着かなさは、まさしく黒中みどりの感じてることそのままなんだろうと思いますよ。彼女の冒険、したくてやってる冒険じゃないけど! どうなるのか、なにが起こるのか、いくつのレオナルドに出会うのか。来月、楽しみに待ちますよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第6号(2014年6月号)

2014年4月16日水曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号

『まんがタイムきららミラク』2014年6月号、発売されました。表紙は『桜Trick』であります。春香に優、ふたりの向こうにはしずくとコトネ、特別なふたりがそれぞれペアになっている、そんな様子です。背景には緑、新緑の木立の下、ちらほらとまだ散る桜の花もある。そうした春も過ぎようとする季節の風景でありますね。

『うらら迷路帖』、新連載です。時に迷い悩むこととなる人生の帰路、そうした時に占いに指針を求めようということもあろうかと思います。はりかも新作は、うららと呼ばれる占い町の乙女達、彼女らを描いて、ええ、迷路帖。タイトルに帳ではなく帖とあるのは、占を内包している、そうした意味もあってのことでしょうか。うららになることを夢みて集まってくる少女たち。山育ちで動物に懐かれてしまう千矢。この子がメインっぽいですね。朗らか、明るく、ナイスバディ。ちょっと人のルールに慣れてないっぽいんですね。お腹を見せて謝る。うん、健康そうなお嬢さんです。そこに和装少女の紺、魔女っぽい風体のおフランス風味の小梅。ミス・プラムと呼んで欲しいらしい。え? マドモワゼルじゃなくてよいのん? 個性的、可愛い15歳が棗屋ニナのもとでうららになるべく修行する。ニナの妹ノノも加わって、華やかな新連載。どういう展開を見せるか、楽しみでありますね。

『ハルソラ行進曲』、夏休みの風景ですよ。いきなり呼び出される若乃。面白いなあ。いらんもの作ってっていう、あれ、雑誌とか立てるやつ? 扉の麦藁若乃がやたら似合ってキュートであります。学校にいったら、やなぎが木工やってるんですね。楽器を置く台、パーカッションの小物置くやつかな? それが壊れたから簡単に修理中。工作が苦手だったこの子が、こうして修理にいそしむ。ああ、頑張ってますね。ええ、成長しています。あのカホンを作れそうっていうの、ああ、実際できると思う。いいなあ、カホン、ちょっと欲しい。カホンってのは、スペイン語で箱って意味なんですよ。水泳部の朱莉とサヤ。相変わらず密着してるサヤ、あのニコニコ顔が素敵です。みんな、それぞれ頑張ってるんですね。でもって、やなぎの練習。フルートちょっと吹いてみる? 若乃、ちょっと体験して、間接キス!? いやいや、フルートは唇がプレートにぺったりつくわけじゃないからセーフっすよ。しかし、やなぎ、よいなあ。にこっとしてそのまま息出してみて。ええ、アンブシュアを作って息を出す。その説明が、あんなにも美しいだなんて! いやほんと、素敵な一コマでした。うん、ちょっとよだれが出ました。

『リメインズ・JC』、ゲストです。お家が書店の女の子の話? 床に寝転んで漫画を読む、その自由さ。なんだかのんびり、なんだかフリー、そんな感じなのかな? と思ってたら、いやいや、なんか状況がおかしい。通信は携帯無線。冒険とか探検が好きな女の子たちなのかな? そう思ったら、全然違ってるんですね。なにがあったんだろう。誰もいない町で、誰もいない店から缶詰、レトルトなど、食料を集めまわっている。住むのは学校。食料は3ヶ月籠城できるくらい備蓄してる。信号も消えてしまっているこの町、助けてくれる人なんて誰もいないし、学校のグラウンドもすっかり草っぱらになってしまっていて、そして自由に闊歩している動物たち。なにがどうなってるんだろう? 次号はセンターカラー。ああ、次号にこの状況の説明が入ったりするのでしょうか。見事にサスペンドされた第1回。気になる第1回であります。

『湯けむりシャボン』、ゲストです。はじめての銭湯に緊張する女の子ひとり。って、どんな大荷物なんだ! 巨大なリュックサック背負っていて、そんな彼女を誘うのが同じ学校の女の子ふたり。リュックの娘は熱海彩、音楽科なのだそうです! やっほー! 音楽科ーっ! そして普通科のふたり、白浜小梅に武田尾もみじ。小梅ともみじは銭湯が好きで、ちょくちょく通ってるんですね。彩は家のお風呂が壊れたので銭湯に。そんな三人、小梅もみじにアドバイスを貰いながら銭湯をエンジョイする彩のお風呂ライフであります。彩はお風呂で遊びたいタイプなんですね。大量のアヒル。ガンちゃんファミリーらしい。シャワーひとつひとつの癖とかね、常連だからこそわかることがある。って、もみじは全然覚えてないのか。かくしてお風呂で仲良くなって、風呂上がりにはフルーツ牛乳。マッサージなんかも経験して、すっかりエンジョイしたんですね。そして三人、部活を結成。いや、部になってるわけじゃないか。同盟っすよ。銭湯同盟。これからの彼女らの活動、お風呂めぐりになるのでしょうか?

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第6号(2014年6月号)

2014年4月15日火曜日

桜Trick

 桜Trick』、アニメになりましたね。って、遅いよ! もう半月も前に終わってるじゃん! って、うん、確かにそのとおりです。見ましたか? いえね、これが始まろうという時にですよ、未見の視聴者は、あの恐慌と狼狽をこれから味わうことになるのだろうなと、非常にわくわくしながら待っていたんです。いやあ、けどそんなには混乱きたすことはなかったようで、無事最終回を迎えることができました。わりと普通に受け入れられてたのかな? いやあ、よかったですよ。最初ですね、ちょっと胸とか脚とか腿とか、いろいろ、性的に描きすぎじゃないのかなあ、そう思ったりしたんですけど、いや実際、最終話に至るまでずっとそう思っていたんですけど、通して見れば、これはいいアニメだったな、そう思えるものが確かにあったのですね。

主人公は高山春香と園田優、これはもちろんそのとおりなのですが、桜舞う季節に、私たちは他の娘たちとは絶対しないことをしようよ、その一言からはじまったふたりの特別な関係。それからの1年間を12話かけて描いて、桜の季節に幕を引いた。ひとつ、大きな山場を迎えて終えようと思えば、こういう構成になるのは当たり前といえば当たり前とも思うのですが、春香や優たちの入学からはじまって、優の姉、美月の卒業を見送ることで終える、そのことが彼女らの置かれた状態をよく浮かび上がらせて、かつ美月の果たした役割、それが春香、優、ふたりの特別であるということ、その関係のベースにあるもの、それをしっかりと感じさせた、そう思うのです。

しかし、原作に忠実、そういっていいアニメ化でした。けれどアニメは原作とやはりその味わいを違えて、それは動きや声、音楽、色、演出もろもろ、情報量の増加もあるのだろうなと思うのですが、ただそれだけでもなかったと思う。見せようとするところが違ったのかなあ。原作だと、自分はより強く春香と優に注目していたように思う。彼女らの、今を惜しむ、そうした感触を強く感じていたように思う。それがアニメだと、美月の存在の強さ、彼女の春香に向けた思い、それが一層に感じられて、ともないその美月の思いの決着、その意味するところが濃密に出た、そんな感じだったのですね。大きなイベントとしての美月たち3年生の卒業、それが山場として終盤に配置されたことも大きいのかも。ええ、表の主人公春香と優があって、けれどそれと同じ重みでもって美月の物語があった。彼女もまたまぎれもないヒロインであった。そうした感触が強いのです。

この感じたものの違い、それはもう物語の行く末を知った上で見ていること、それもあるのかも知れませんね。だからまた改めて原作を読むと、また違った印象を得ることでしょう。そういう意味では、読み返すごとに、見直すごとに、得られるものが違う。読み手の状況が違えば、そこで感じられるものもまた変わるだろう。そうした多面性を持つ、そんな漫画なのかも知れません。ええ、アニメはその多面性に触れ、いくつもの輝きをすくいあげて、また違うありようをもったひとつのかたちとしてくれた。ええ、いいアニメ化だったと思います。

Blu-ray

DVD

引用

  • タチ『桜Trick』第1巻 (東京:芳文社,2012年),17頁。

2014年4月14日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号、一昨日の続きです。

『ほのかミステリーノート』、今回はシャーロッ子さまというよりも潤の魅力が満載でしたよ。手帳を落としちゃった。そこにはお嬢様シミュレーション妄想日記が記されていて、って、潤ちゃん、可愛いなあ。お嬢様になりたいのかね? でもってそれを茂里緒樹莉に拾われて、でもこの子の葛藤見るに、ほんといい子だなあ。けれど穂華の手帳との勘違いから、手帳は隠され、暗号だけが残された。暗号はまあ子供のやることなんで、アレなんですけど、樹莉、すっかり穂華に手玉にとられて、そして潤の秘密が露に……。というか、もうとっくに知られてたんですね。小説家にでもなりたいのか。そういわれて、潤としては助かったのかどうなのか。けど、これが彼女にとっての転機になったらよろしいなあ。なんて思いましたよ。

『きつねとパンケーキ』、きつねの子、紺乃たちの学校での様子ですよ。学校へいく準備をして、耳を隠して、尻尾も隠して、それで登校。やっぱり耳、尻尾は隠すんですね。クラスでの様子、面白かったですよ。みんな獣娘ばかり、だから耳、尻尾隠してるんだけど、算数のテスト、いっぱいいっぱいになると耳が出てきてしまう。先生のあと5分の声に何人も耳を出す、あの描写は面白かった。黒岳、この子は狼なのか。クールなんだけど、紺乃のこととなるとちょっと違ってくるのか。体育の授業、ドッジボール対決の様子も面白かった。先生との対決に耳を出して勝負! と思ったら、別に耳を出そうと隠そうと能力に違いはないのか。可愛い子たち、動きのある絵、シンプルでほのぼので、見ていて気持ちが和みます。ええ、とても面白いと思います。

ラン様の放課後遊戯』、ラン様の過去に迫りますよ。しかし、これは時間としてはこれからのこと。かつてあった、未来の出来事であるのですね。有太とりら、ふたりがキスしているところを見て、逆上した葉沼ランの願ったこと。それが、望みもしない、おそらくは最も残酷なかたちで叶えられるという展開。ああ、猿の手だ。望んだことが、後悔を伴う、そうしたかたちでしか叶わない物語。願いを叶える狒狒の手、同様の構造を持つこの漫画もやっぱり同様に残酷な結果が葉沼ランに突き付けられて、ああ、この衝撃の展開、まいりました。しかし『猿の手』とは違って、狒狒、アフターケアがしっかりしてるなあ。ランに挽回のチャンスをちゃんと与えてくれてるんだ。もちろん願いのひとつなんでしょう。そしてそれがどういう結末をもたらすのか。うーん、けど、なんか嫌な予感がするんだよなあ。残酷な未来を回避できた。そう思わせて、今度はその後悔をりらが背負うことになるんじゃないのか!? ええ、なんせ狒狒の手、もとがもとなんで、油断できない気持ちでいっぱいなのでありますよ。

『おとぎのシソン』、先生がいいなあ。雀野小箱の相談、先祖返りしてる自分はどうした姿であるのだろう、それを知りたいっていうんだけど、いやもうきっと酷いことにしかならない……。テンポいいコメディ、面白かったですよ。酷い目にあわされる柿音。先祖返りして、小箱を桃太郎といって懐く先生。可愛いなあ。とにかく今回は小箱優勢で、そこに先生が横から嫌な支援を入れる。猿は尻叩かれるのが好きだったじゃないですか! 知りたくなかった、そんなこと! いやもう、ほんと、日和まで巻き込んで、けど最後にはうまいことごまかせたからいいのか? あの隠していること、先生の可愛さと日和のヤバさ、その落差際立って素敵でした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第5号(2014年5月号)

2014年4月13日日曜日

いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話

 今日はサイエンスカフェというものにいってきました。喫茶店などで、いや、喫茶店とは限らないのでしょうけど、科学にまつわる講義、解説、ワークショップ? などおこなう、そういう催しをサイエンスカフェと呼びますが、放射線について基本のところを学ぶ会が開かれるというので参加してみたのでした。解説は大阪大学の菊池誠さん。先日、『いちから聞きたい放射線のほんとう — いま知っておきたい22の話』という本を刊行なされたところなのですが、基本のところを押さえておきたい、そういう要望に応えようという本、そして催しなのでありますね。

私に関しては、放射線について、もちろん詳しいだなんてことはいえないわけですが、おそらくは多くの人がそうであったように、2011年の原発事故を受け、当座の情報を自分なりに理解し咀嚼できるようにと、放射線というのはどういうものか、そのメカニズムやらいろいろを、軽くざっと学んで知った、そうした知識がベースになっています。なので、今日のサイエンスカフェはおさらいのつもりで参加して、誤り誤解があったら、それを改められるとよいと思ったのでした。

サイエンスカフェははじめてといっていましたが、こうしたイベント、結構盛況なんですね。自分は時間ぎりぎりに入ったんですが、席はほぼすべて埋まっていて、その後も参加者は増えたので、席が追加された、それくらいの入りでした。予想どおり、ないしは予想より入ったって感じなのでしょうか。そして、こうしたイベントに参加しようという人たちだからなのかとも思うのですが、もう当然詳しい人がいたり、私同様原発事故をきっかけに学んだ、知識をアップデートした、そうした人も多かったという印象でした。少なくとも、皆自分なりにでも、今の状況あるいは当時起きていたこと、それを理解しようとしてきたといった人が多いという印象で、ひととおりの解説(といっても2時間強くらい? 結構しっかりとした時間かけて解説されました)を終えた後の質疑応答、質問の時間ですね、次々と手があがって、様々な疑問や意見が出た。やはり皆、一定以上の能動性を持って事態に向きあおうとしている、そうした印象を強く感じたイベントでした。

今回は、ガイガー=ミュラー管で拾った放射線、そうして生じた電力をアンプに流して、音として実際に聞いてみるということもなされたのですが、自然放射線で1分あたり25回くらい鳴る(23回とカウントしたのですが、皆さんはどうだったのでしょうか?)ところが、塩化カリウムを近付けると比較にならないくらいの頻度でブチブチと音がする。具体的に放射線が身近に存在しているということを可視化、いや、可聴化ですね、体感として理解できたのは面白かったです。実際、こんな具合に、放射線は身近に普通にありふれて存在しているということが理解できて、また食品にも放射性物質は含まれていることが理解されたら、過剰なノーリスクを求める姿勢などは薄れていくのではないかな、など思ったのでした。

身近にある科学、あるいは科学でもって計れること、そうした指針を得るにはよい勉強会であった、それが大ざっぱではありますが、今回参加しての感想です。

2014年4月12日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号

『まんがタイムジャンボ』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは部活動! 『レーカン!』天海さんはバレー部にて華麗にレシーブ。ちょっと珍しいかも、そう思わせる天海さんの凛々しい表情。よいものを見られました、そんな素敵な表情です。そして『お隣りさんゲーム』の舞子は調理部? クッキーが焼けました。ええ、エプロンも可愛いです。って、今月から新連載っていう告知でもあるんですが、そもそもこれずっとゲストのままだったのか。そっちの方が驚きます。そして『タヒチガール』、新連載告知のカットがございます。

『ヒゲとセーラー』、今回はお金の話。ちょっとシリアス、真面目な雰囲気もあって、いや、よかったですよ。生活費の話。壊れた鍋の買い替えの話から、お金はどうしてるのかという話になって、ああ、保険金なんですね。初の母、千尋からしたら姉の保険金が今の生活の基盤を支えてくれている。その事実を知って、千尋の胸に去来したなにか。ええ、あの表情、偲ばれましたよ。千尋にとっても姉は大切な人だったとわかる。それだけに、姉の残した初、彼女を支えよう、少なくとも、自分が初の重荷になるのだけは避けたい。そうした思いがしみじみ感じられて、ええ、大人なんだから最初から頑張ろうよ、というのは簡単だけど、けど今回、千尋の思いがしっかりと固まった。その描写、大変よかったです。また初が千尋に見る母の面影。ええ、ふたりはよい家族になれそうだと思いましたよ。

『花の任侠物語・しずか』、静花進級であります。けど間違えて1年の教室へ。さすがの静花さんです。今回は新キャラ登場ですね。静花の前に現れた裏松原未鶴なる眼鏡美人。ああー。ガタイがいい。ミツルという名前も、もみじのそれを思い起こさせる。ええ、前回からこうしたことアナウンスされてましたよね。かくして送り込まれてきたのが未鶴なのでありましょう。しかし未鶴ともみじの応酬、あれは面白かった。梅宮さんが急にキスしようと。ええ、見事に静花に誤った情報、誤解を与えて、もみじ、くれはは大変なことに。ええ、新しい世界。これはなかなかに期待されますよ。って、そっちの発展はない? ああ、そうそう。扉絵、素晴しかったです。

『桜乃さん迷走中!』、この季節に、桜乃さん、くしゃみに鼻水ですよ。おお、花粉症か。けど、桜乃さんはなかなか認めたがらなくて、いやでも、これちょっと気持ちわかる。鼻水がとまらない。ティッシュも尽きて、けどハンカチはクマゴローのイラストハンカチ。これは使えないと、ああ、その気持ちはものすごくよくわかります。よっぽど辛いんでしょうね、ここからの桜乃さんの言動がもう逐一おかしくて、都市伝説だの幽霊アレルギーだの、マスクに除霊、声とともに吐く息を使った物理攻撃などなど、ほんといってることがおかしかったです。キュッ。けど、結局は花粉症ではありませんでした。せっかく受け入れたと思ったらそうじゃなかった。というか、むしろ風邪の方がずっとつらい。ええ、桜乃さん、春から大変そうです。

『タヒチガール』、これ四コマじゃないんですね。9年前、タヒチに渡った姉。以来、妹夕凪麻衣はひとり暮らし? いや、どうなんだろう。麻衣、とにもかくにも無表情。クラスの子をおびえさす、麻衣のことこっそり気に入ってる天王寺林檎も笑顔でビビらす。けど、このお嬢、可愛いな。シェフが作ったっていってるけど、こっそり自分で作ったお弁当、麻衣に差し入れるのか。自然な笑顔が出ない麻衣。それが林檎には面白くないみたいですね。この土地には、林檎の家、天王寺グループの作ったリゾート施設があって、結構な人気があるみたい。それがタヒチをモチーフにしていて、なるほど、ここで姉と繋がるんですね。そして、姉のいるタヒチからはマハナなる女の子がやってきて、かくして麻衣と友達に!? 次号に続く! ええ、どうなるかはこれからですよ。しかし、カラーの扉絵。タヒチ的衣装のお嬢さん5人。右から麻衣、マハナ、林檎、そして顔の隠されたふたり。ええ、皆それぞれに魅力的。見た目に麗しくございます。

『だから俺は家から出ません!』、ゲストです。大人になったら結婚しよう。幼なじみとの約束、それを心にしまい込んでいた莇想太は、中学卒業とともに夢を打ち砕かれたのでした。幼なじみ、黛アイカに見事ふられたんですね。ああー。でも小さいころの約束とか、そういうもんよ。で、想太はひきこもりに……。って、歴1年で現在高2。イトコの姉ちゃんも大学いかずにひきこもりなのかい? 一緒にMMORPGしたり、そして二次元に逃避して — 。想太、アイカに振り回されてますね。惚れた弱味ですね。向こうからしたら、別に想太などどうでもいい。適当な発言を勝手に想太がいい方いい方にと誤解して、その結果が今だっていうんですね。まあ、恋愛なんてそんなもんだよ。かなわないのが当たり前なんだよ、ちきしょう。約束とかなんだ! しかし、最後にアイカが想太のもとにやってきて、ひきこもりなんてさせないわよ! はたしてどうなるのか。というか、想太は入学以来不登校で、ちゃんと進級はできてるのか? これ続くんでしょうね。ここで終わりとか、なしですよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第5号(2014年5月号)

2014年4月11日金曜日

メェ〜探偵フワロ

 お待たせしました、ナントカの新作、『メェ〜探偵フワロ』であります。ひつじの名探偵、フワロ氏は実業で成功した資産家にして名探偵。晩年、都会を離れ、静かな田舎にて探偵社を開業。この漫画は、そんな探偵フワロ氏の華麗な活躍を描いたもの、ではないんですね。フワロ氏、人呼んで血に飢えた草食獣。氏の求めるものは、殺人事件、猟奇事件、物騒なものばかりというんですね。ところが、氏の住まう村は平和で平和で、事件なんてありゃしない。ともない、全体にほのぼのと人情の暖かみ感じる、ハートウォーミング探偵コメディとあいなりました次第なのです。

多分。

いやね、めちゃくちゃ面白いんですよ。登場人物は主役のフワロ氏に、甥のアーサー。メイドのミスレモンと、レモンのことが気になってるヨシュア・コバーン少年、この4人がメインといったところですね。そこに加わる第三者、まれに怖ろしく強烈なキャラクターを持った人が出てくるんですけど、ああ、ヴィヴィアン、黒薔薇の君よ。最高に面白い。もう、笑いがとまらないというか、おさまったと思ったら次の笑いに襲われる、笑いの波状攻撃といった具合なんですね。いやもう、ナントカの漫画にはこれがあるからたまらない。ほのぼのな絵柄に人の情の機微を良い面も悪い面も合わせ持って乗っけてきて、ブラックなユーモアから胸にじんわりと暖かさの灯るようなロマン、人情、叙情まで、幅広く見せてくれる。その持ち味は『メェ〜探偵フワロ』にも健在で、いやもう、笑って笑って笑って笑って、そして時にほろりとする。この塩梅、ほんとすごいバランス感覚だと思う。間違いなく、手放しでおすすめできる素晴しい作家のひとりであります。

しかし、なにをどう描けば、なにをどう押し込めば面白くなる。そうしたこと、よく把握してる作家だなあと感心させられるのですよ。私は連載でもうすでに読んでるんです。だから単行本は二回目。いや、きっとそれ以上になるんですけど、なのにですね、初見の時のように面白く読めたんですね。どういう展開になるかわかってる。どういう振りがあって、どういう反応が返るかも当然わかってる。なのに新鮮さ、生き生きとして褪せない魅力に溢れていて、本当に面白かった。かけあいが面白いんです。キャラクター、その個性が魅力的なんです。そしてひとしずくのロマンが、この漫画をただ面白いだけの漫画ではなくしている。クリスマスの思い出。サンタクロースの話には、ぐっとくる人も多いのではないか。心洗われる、素朴に誰かを思う心の確かな価値。また子供の頃の素直な憧れなどに触れるエピソードも。ちょっと最近忘れてたかも知れない、そんな気持ちを取り戻させてくれる。ええ、そんな漫画でもあるんです。

けど、基本的には面白おかしく楽しく読める良質なコメディです。で、読んでいくとわかるんですけど、名探偵フワロ氏。こまったおっさん、とんでもないおっさん、そう思わせて、いやいや、この人、意外や有能だぞ! ええ、漫画だけじゃない。登場人物もまた、奥が深いのでありますよ。

  • ナントカ『メェ〜探偵フワロ』(まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2014年。
  • 以下続刊

2014年4月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2014年5月号

『まんがタイムきらら』2014年5月号、昨日の続きです。

『スロウスタート』、なんだか不思議とよいですね。冒頭、廊下にて戯れる生徒に注意する先生の髪が、ばっさり短くなってた。そこからのえーこの追求、攻勢、それがもう最高で、押しが強い、人懐っこい、なんかすごく魅力的で、いやもう、先生、友達になっちゃえばいいのに! いやまあ、大人の先生からしたら、小娘の押し込みなど、お前うぜえで終わりなんでしょうけど、えーこの行動言動、面白かった、キュートでした。けど先生としては、確かにちょっと迷惑かもですね。そして花名ですよ。万年さんなる店子さんに管理人代理で荷物をお届け。勇気出したじゃん! と、そこまではよくても、万年さんもいろいろ問題あるっぽい人だったーっ! こちらもいわば留年仲間なのか。そして人見知り仲間でもある。震える手と手が近付いて、そして握手。このふたり、なにかいい関係になりそうですね。

『しゅばりえーる』、なるほど、騎士を目指すには貴族の子弟であることを証明せんといかんのか。かくしてセリーゼ、実家に連絡して貴族証明書を取り寄せるというのですが、字が書けない。なのでヴィオが代筆してくれました。セリーゼからの手紙であると証明するために、絵を添えるというんですね。それで皆で絵を描きはじめて、サツキのゴージャスな自画像。ジャスミンの無下な断わり方が最高でした。いらない。エクスクラメーションさえつかない。いらない。すごいシンプル。いらない。そしてセリーゼのもとに届く貴族証明書。さらに服まで届いて、なんと2ヶ月の食費に相当するのか。セリーゼの実家のあたりなら半年分とかかもだって!? ああ、ご両親、セリーゼのこと応援してるのだなあ。その親心、ぐっときましたね。両親の気持ちをちゃんと受け止めているセリーゼもまたよかったです。うん、綺麗なセリーゼ。頑張るがよいよ!

『ギタ×マン!』、これもまた面白いなあ。マンガ戦士ヤマナギ。うん、すごいセンスだ。あめりとゆもと先生の歩み寄り回だったんですね。あくまでも漫画第一のあめり。当然ギターに強いこだわりを見せるゆもと先生。まあ、そりゃ当然なですけどね。でもそれじゃいつまでたっても距離は縮まらない。そこをるっかの発案でなんとかするんですね。ギターと漫画の活動を、今日は入れ換えよう。妙にうまいマサがいい味出してますよ。るっか、ゆもと先生もまたいい味でしたけどね。しかしこの入れ換えで、ゆもと先生は絵を描く楽しみを感じ、あめりはあめりで、ギターに打ち込むゆもと先生に対する憧れを思う。この双方の新たに感じたこと、これは本当によかった。ええ、素敵な展開でありましたよ。そしてゆもと先生、やまなん先輩大否定。あの否定の勢い、絶対ないのあの目! 最高でした。けど、ほんとにそうなのかな? ちょっと意味深な描写もありましたよ。

三者三葉』、本当に最高だな! 西山芹奈さん、ご乱心。傷だらけで登校してきて、かと思えば葉山ちゃんも傷だらけ。喧嘩か!? 近藤が早合点するんだけど、違う。ふたりとも猫に飛び込んだだけだ。っていうか、照についたキャプションが酷い。猫の腹に顔を突っ込んでいく無法者である。無法者である! もう、この言い回し! 最高だと思う。そしてわかりあうひとりとひとり。もうたまらん。もうどうしたらいいかわからんくらい面白かったです。というか、葉山西山組。猫となると飛ばしますね。いろいろわかってる感じの双葉もまたよかったですよ。

『Soft☆Karte』、これは気にいったやも知れません。今日は怖い話。深夜の病棟にて囁かれる噂の数々。電灯がチカチカ。エレベーターが誰もいない階に……。そして少女の影がすーっと消えた。などなど。カンナがよかったのですよ。嫌な予感しかしない。驚き顔から立てません。そしてユウコ先生に甘える。その流れが実に面白かった。というか、ユウコ先生、面倒見がいいな。これらに加えて、ちょっとあかんたれのカンナも、患者さんを前にするとしっかりするってところがグッド。最後の、ユウコ先生もクールさの影に怖れと可愛さ隠してグッドでした。

女子大生生活様式』は、まだまだ寒い冬ですよ。うん、冬は寒いから出歩きたくない。それに、学校に慣れて、なんだかぐずぐずとさぼったり遅刻したりしがちの季節なんですよね。ええ、自分はさぼりはしなかったけど、遅刻はしょっちゅうだったよ。入学式も卒業式も遅刻したぜ! 雪が降るかも、それで嬉しそうなゆず、対しめちゃめちゃクールなこよ。寒いの嫌いなのかい!? ショック受けてるゆずがですね、もう見た目に面白くて、でもってあの淡々と語るその言葉の寒々しさ、最高でした。そうかあ、ゆずちゃんはこうなるんだ。学校組はねねにことね。自宅組がゆずとこよ。あの、勉強したくないことねと、なんがなんでも勉強に持ち込もうとするねねの攻防、見事でした。そして皆、合流。ゆずとねねは、ほんと、気があうなあ。そしてまさかのことね。ああー、勉強しすぎで駄目になったっぽいです。

My Private D☆Vは『ステラのまほう』のくろば・Uです。羞恥心で爆発しそうな女の子。あとセーラー服、とのこと。風にスカートがめくれた? スカートの中身は見えないようになってるはいいですね。けど羞恥心でいっぱいの顔、これはしっかり描かれて、なるほど、こうした表情に萌える気持ちを感じるというのは、なるほど納得です。他には、学園祭の喫茶店? ちょっと際どい衣装を着せられてしまったり、そして罰ゲーム? 椅子にしばりつけられたその目の前で、過去の同人誌を回覧されてしまう。同人誌の子のあの表情、あの様子、確かに可愛いんだけど、加えてなんか面白くて、妙によかったですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第5号(2014年5月号)

2014年4月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2014年5月号

『まんがタイムきらら』2014年5月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』、三人娘がパジャマパーティ? いや、パジャマじゃないかも知れない。おなか出てる。このままだと冷えそう。けど、これ、お風呂上がりっぽいですね。なんだかくつろいで、皆の周りには猫やら鳥やらうさぎやらと可愛いものがいっぱいです。しかし、ほんと、三人、彼女らも実に可愛い。姫のなんかへろっとした感じの表情、これはよいものですよ。

チェリーブロッサム!』、大倉山先輩周辺が動いていますよ。前回の遊園地襲撃。あれだけやって、やらかして、バレてないんだ! 今回は、思わぬドジに照れる大倉山先輩。ブル神家の一族、って、これがまた色気もなにもないっていうのがなんかすごい。すごくシュールな絵になってて、とにかく恥ずかしい、それはよくよくわかって、先輩の意外な側面でありますね。そして先輩の見る大咲、またそれも新たな側面であって、どういうところが魅力であるのか、それを再度あらためて認識したといいましょうか。ちょっといい雰囲気で、なんだかいちゃいちゃっぽい。けどさ、そんなところを妙蓮寺に見られてしまい、そしてそれが椿に伝播! たたた大変だ、なんかすごいことになった。じわじわ進むのかなあ、少しずつその気持ちをふくらませていくのかな、みたいに悠長に眺めていたのが、一気になんだか転がりだして、どどどどうなるの!? いやほんと、思いがけない方向から思いもしない爆薬が投げこまれたといった展開。大岡先輩、大変だ!

すいまさんといっしょ』、おお、なんだろう、このスローな時間、穏やかな雰囲気。扉絵は、こたつでうたた寝すいまさん。あの、積み上げたみかん、一番上に顔が描かれてまして、ほんと、一枚のイラストとしても魅力的。雰囲気、シチュエーション、すごくよいんですね。さて本編もこたつですよ。ユウが学校いきたくないっていってる。あくむちゃんに変態と呼ばれたのがショックだった。顔を合わせたくない、そんなこといってるんですね。でもなあ、変態って誉め言葉じゃんか、ってのはすいまさんの弁でもあって、ご褒美らしい。うん、長さま、偏ってるなあ。学校では学校で、あくむちゃん、人間としての名前は夢野さんですね、自分のせいでユウが休んでるんじゃないかって、それで心配してるのね。でもって、しおりと一緒にお昼、お話しして、このふたりのやりとり、それもまた暖かで穏かで、素敵でした。そしてユウの誤解もとけて、ええ、あくむちゃんがご主人って呼んでくれたりなんかしちゃって、ああ、もう、なんだ、いいなあ!

『ヴぁるばいと!』、なんか知らんけど面白いなあ。のっけから店長の策略。嘘の情報で可愛いポーズとらされた挙句、バイト募集のポスターに使われてしまった。しかも等身大POPまで作られてしまって、いやもう店長のこの行動力。そこで働いてる響乃たちにとっては困ったもんだけど、ひとごとだと面白いかもなあ。いや、実際ひとごとだからだろうけど。店の行く末が心配。立地条件はよくないし人手も足りてない。そうした逆境の中、いろいろ策をめぐらすんだけど、それがどうにも有効とは思えないその残念さ。けど、つばめの丈の長い制服、これはちょっと可愛かったです。まあ、店の行く末にはあんまり貢献しなさそうですけど。しかしヴァルハラですよ。名前からして屍累々なのですなあ。あ、そうそう。弁当屋シミュレーションゲームで、野良犬を雇って他の店の妨害に放つというのがありましたね。ええ、けど現実には無茶っぽいですね。

『あわいろトライアングル』、ゲストです。主人公は小豆。彼女にはすごい友達がいて、文武両道、なんでもできちゃう、んだけど……、マイペースで日常のいろいろをこなすのは苦手みたいです。優李。髪が水色。なんか印象的です。小豆、マメって呼ばれてますね。ユーリの世話を頼まれていて、しかもただ起こして髪ととのえて、とかいうレベルをはるかに超えているんですね。で、ここにカナって子が加わって、負けず嫌い、ユーリに対し喧嘩腰。けど決して嫌いとかではないようで、というか、むしろ好きそう? 三人の中で一番しっかりしてるのが、一番チビのマメっていうんですね。けどマメはユーリにからかわれたりして、けど大切にされてるのもわかる。この子らの関係、次回には、さらにもうちょっと踏み込んで描かれるのかな? 楽しみに待ちますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第5号(2014年5月号)

2014年4月8日火曜日

『まんがタイム』2014年5月号

『まんがタイム』2014年5月号、昨日の続きです。

はこいり良品』 は、商店街 de 婚活。商店街ひいては市の活性を図るために、市のバックアップを受け商店街で婚活なのだそうですよ。もちろんしおりさんは参加する側じゃなくて、主催側であります。しかし、主催側の内情、これがやたら面白かったです。かつての催眠商法。その連中が使っていた場所でやるっていうんですが、おいおい、まったく同じ魂胆ですかいな。いやほんと、いかします。青空古書店の仕掛ける人生すごろくの罠も面白く、しおりさんにいやーな目で見られてるぞ! その後もいろいろな演出、その意図、なるほど納得、しかし皆、策士だなあ。でもって最後に残念賞。これは面白いわ。これはいいわ。ほんと、あの二段構え、見事でした。

『ひらめけスイッチ』、まなちゃんなる女の子登場。側溝、金網の下に落とした定期入れを華麗に拾いあげてくれたのが平目くん。このひとすごい! かっこいい! すっかり入れ揚げちゃったまなですが、平目くんの持ち歩いてる秘密道具は学校から無断で持ち出してる実験道具だ。しかし恋しちゃったまなには、どうにも平目のやることなすこと、かっこよく、魅力的に見えてしまうようで、いや、まあ、いいじゃん。恋なんてしょせん誤解よ。小波に対するライバル心が面白かったですよ。顔よし、胸よし、足も見事にむっちりで、って、それは欠点なのか。うん、小波ちゃん自身気にしてるものなあ。しかしこの子の策略、知らず平目を追い詰めて、で結局ふられちゃったの? この顛末、空回りと暴走と勘違いと恋心、実に面白かったです。

『絵本とママ』は南国でグラビア撮影。お母さん、付き添うんですね。食虫植物に夢中。うむ、実にいい感じ。このお母さん、絵本作家の透子先生の絵を描くのが好き、ついつい夢中になっちゃうこの性格、これが実にいい。気にいっていますよ。今回、娘みさきの撮影。水着でというの、うん、結構いいかも知れない。熱田の気持ち、ちょっと理解できたかも知れない。しかし、自分の利益のために娘の写真を使う母、たいしたものだ、そう思うのと同時に、ある意味、熱田のことを信頼してるんでしょうね。あと、スコールのね、雨にいらつくスタッフをなだめるために即興で物語を作っちゃう。ああいうの、すごく面白い。イラストもまた素敵でした。

『ノコひけ!工業娘。』、今回は黄金比。こういうの知ってると知らないでは、全然違うっていいますよね。黄金比に白銀比、青銅比、白金比、第2黄金比、などなど、こんなにもあるんですね。知りませんでした。白銀比は第2金属比とも大和比ともいうのですか、と、ここまで書いてみたら、もう「比」という字がなんだかよくわからなくなってきました。そしてテーマ別の実習風景。だんだん専門化していくんですね。杉口先生の手元にあるカタログの山。これ仕事に必要だからだろうな、そう思ってたら、それだけではないようで、正確な縮尺の模型が作れるんだとの力説。こういう変わらないところ、いいですよ。昔ね、建物の模型、公民館とか博物館とかいくとロビーのすみに置かれてたりするじゃないですか、ああいうのを作ってる知人がいたんです。今回の話は、その人のこと思い出させてくれました。そして木工Bグループ。相川と男子の適性。いやもう、グッドですよ。相川さん、頼もしすぎます!

  • 『まんがタイム』第34巻第5号(2014年5月号)

2014年4月7日月曜日

『まんがタイム』2014年5月号

『まんがタイム』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは春ですよ。お花見? 新緑? おとぼけ課長をメインに、さば水煮を食べる『まりあ17』まりあ、部下ちゃんと一緒にサンドイッチを用意する『秘書の仕事じゃありません』、そしてマイク手にして歌っている『鉄仮面のイブキさん』であります。伊吹さん、可愛いなあ。

『おとぼけ課長』、最後の一本、あれはとりわけ面白かった。やかんを火にかけっぱなしなのを怒ってるのかと思ったら、最後のしまいには、オレがつぎつぎ燗をつけちゃうだろとくる。あの絵のおかしさ。課長の表情のつけ方。味わい深いですよ。ええ、面白かった。

『ゆとりノベライズ』、都、なんだ、イメージチェンジだぞ! 女の子みたいな格好してる! GLXギャラクシー文庫の姉妹レーベル、TWトゥインクル文庫から恋愛ものを出すことになった。このことについては、以前にも語られてましたよね。それがこう具体化して、いよいよ来月発売という打ち合わせ、ここで都がかわいい格好。編集さんのしわざだったんですね。乙女心の解放なのか。編集さんのおっしゃるとおり、確かにかわいい。よく似合ってます。さて、編集の叶さん、都の恋愛経験とか、登場人物にモデルがいるのでは? とか、いろいろ聞くのはなぜだろう。モデルはいないと知らされてがっかり。あー、叶さん、ときめいちゃったのかあ。うん、がっかりだよねえ。わかりますよ、その気持ち。かわいい都、街中でミツヒと出会ってデートと勘違いされて、いやはや、若い子は元気だなあ。ミツヒもGLXでいよいよデビュー。武者震いらしい。そんなミツヒを見て、気持ちを奮い立たせる都。あの表情は凛々しくて、素敵だったなあ。ほんと、都、いよいよ始動でしょうか。上り調子です。

大家さんは思春期!』、テスト期間が終わっても、なお遊びにくるマユですよ。習い事がないと暇だから、そういって遊びにくる。しかしそれが前田さんの部屋というのがいかしますよね。可愛い女子中学生が増えて困る事はないですよ。うん、この子、押しが強くてよいなあ。この子はこの子で、チエとはまた違った魅力のあるキャラクターだと思わされましたよ。学生の頃の長期休みの過ごし方。商店街の手伝いするチエ。部活漬けだった麗子さん、そしてゲーム三昧バイト三昧だった前田さん。ああー、自分は麗子さんパターンだったな。マユ発案でカラオケにいこうということになって、中学生だけじゃ危ないからと麗子さんが暗躍。どこぞに連絡して場所を確保。まさか、麗子さんの職場!? カラオケ編は来月です。いやはや、どんなことになったのか、楽しみですよ。

『週末すろーらりー』、チューリップ畑ですよ。けど、花が咲いたらとっとと摘まれてしまう。花を育ててるんじゃなくて、球根を収穫するからそうするんですよね。花がもったいない、そう思うももだけど、草木染、やる? チューリップ畑を見て、いろいろ思うももの様子。写真を撮ってメール。エンジョイしてますね。ほんと、素敵な風景であります。そして卓球。卓球の選手、世界ランキング7位夢ちゃんの話が出て、ももの友達、そうか、最初夢ちゃんのこと知らないままに友達になったのか。あの回想、二子の憧れている様を見て思い出された出会いの風景がおかしくて、いつか二子と夢ちゃんが出会う日もくる? どういう展開が用意されてるのかもわからない今、いろいろと多様に展開できそうな可能性、どこに向かうのか、興味津々であります。

『鉄仮面のイブキさん』。うわー、伊吹さん、うわー。ドレスですよ。じゃーんとかいってますよ。演劇部の衣装を着てるんですが、なんという美しさ、なんという可憐さ、まさしく姫、どう見ても姫、最高ですよ。カラーなのがなおも嬉しく、いやほんと、跪きます、いくらでも跪きます。面白かったですよ。演劇部の先輩、哀原先輩ですよ。あの人、相楽さんのこと気にいったんだ。で、かわいいなと思ってで、気合いが抜けて、表情が! 表情が! すごい味のあるキャラクターになってきたな。いやほんと面白い。今回の見どころは、伊吹さん、相楽さんの着せ替えですよ。王子の相楽さん。ナースの伊吹さん。そして伊吹さんの真摯なお願いに負ける相楽さん。ドレス着て、あああ、こりゃ可愛いよ。ああ、なんでカラーじゃないんだ。なんでカラーページ終わってるんだ。酷く悔やまれて、いやほんと、超可愛い。照れて逃げるなど、ほんと、それが乙女心です! って、哀原先輩、顔が、顔が! 王子の伊吹さんもクールでキュート。ほんと、今回は眼福回でしあ。そして喜多くん、伊吹さんとの関係性が、ただの隣の席とあらためて突き付けられて、ああー、どうする? どうなる? 喜多くんの選ぶ未来はどこに!?

  • 『まんがタイム』第34巻第5号(2014年5月号)

2014年4月6日日曜日

いちごの入ったソーダ水

 アニメ『未確認で進行形』、皆さんはご覧になられましたか? 私は見ました! 超面白かったです! さて、『未確認で進行形』の作者荒井チェリーさんの新刊『いちごの入ったソーダ水』、この第1巻が先日発売されましてですね、読んでみたらすごく面白い。腹がよじれるなんて慣用句がありますけれど、そうかこの感触がそれなのかと実感してしまうほどに笑えて、本当にこの人の漫画はよいな、そう思わせられる次第なのであります。『いちごの入ったソーダ水』、舞台は迷迭香女学院。かつて葉子様もお通いあそばしていたという名門の女学なのですが、高等部から迷迭香に通うことになった花泉月、月と書いてるなと読ませる、お嬢様らしからぬお嬢さんのお話。かつては周囲を震えあがらせたやんちゃ娘がお嬢様たちの群に放り込まれて、描かれるのはそれからの彼女の新生活。そうしたらこいつがべらぼうに面白いのです。

るながですよ、迷迭香に入るとなって、舎弟からいわれるわけですよ。女子校っつったら百合じゃないっスかー!!。いやいやいやいや、もちろんそんなことはないわけなんだけれども、るなにとっては女子校の実態なんてわからない。まさかそんなことないだろう、そうは思うが入ってみても色々心配で — 、そんなだった彼女が寮で同室の御代田こひめと仲を深めていく、そういう物語であるのです。

乱暴でがさつ、あからさまに毛色の違うるなと、お嬢様中のお嬢様、世間知らずで人見知り、自分の世話もままならない、そんなこひめが、なんだってこんなにも自然に引き合っていくのだろう。そう思わせるのは、キャラクター造形のうまさ、そして描くその筆致の確かさのためなのでしょう。るなは姉御肌なんですね。やんちゃでぞんざいなんだけど、困ってるやつがいたら放っておけない。慕われたら無下にできない。なんだよ、いいやつじゃん! それがるなという子です。日常生活を送るのに、もたもたと慣れない様子のこひめのこと放っておけるわけなんてなくて、自分がやる方がはやいからといいながら、こまごま世話を焼いてあげている。その様子は迷迭香の子らから見ても過保護なようで、けどそんなるな、こひめふたりの様子は、見ていて本当に自然で、ほのぼのとして、暖かいのですね。

面白くないのは舎弟ですよ。あ、舎弟の女の方。さっきの百合発言じゃない方。小山田杏奈。私の姉御が迷迭香に、女学院に染められていくー! 私のかっこよかった、憧れの姉御がどんどん変わっていく、そのことに危機感覚えて、とにもかくにも面白くない。あの女とどういう関係!? もう、嫉妬、嫉妬、ジェラシーですよ。って、百合なんてあるかー、そういってる君のその感情がどうもそれっぽいんだけど!? いやもう、荒ぶる杏奈、その鬼気迫る様子は最高に面白い。笑いとまらない。百合男子湊咲太郎の興奮、ハッスルも面白いのだけど、すまねえ、杏奈のそれには及ばねえな。もう、杏奈は最高。あのどんどん深みにハマっていくプロセスは、これがギャグ寄りコメディ寄りの四コマじゃなかったら、一種のホラーといってもいいくらいだ! ほんと、杏奈は最高です。

この漫画は、ギャグ寄り、コメディ寄りの四コマなのです。だから、出てくる人、出てくる人、みんな一癖二癖あって、そのやりとりからが面白いのです。けれど、一歩間違えるとギスギスした雰囲気にもなりかねないやりとり、ぽつぽつ散見されるのだけれど、それが不快さ感じさせない、それどころか暖かくさえ感じるものになっているのは、この漫画の人たちが、すっきりとして気持ちのいい、いい人たちだって伝わるからなんだと思います。険のあるいい方する彼女もあの子も、腹の底までは悪くない。素直でなかったり、好きが好きすぎたりするだけだってちゃんとわかる。だから、そんな彼女らとのやりとりも微笑ましく、愛らしい。ええ、すごくチャーミング、皆チャーミングなのがこの漫画の美点のひとつです。

そして美点はまだあって、御代田こひめのいう、私はるなの事好き。一切のまじり気なく、素直に向けられる好意。この台詞に触れた時、このコマに触れた時、胸がぐっとつまって、涙が出た。こうした思いを誰かに向けること、誰かから向けられること、そしてその気持ちを素直に言葉にすること、あったろうか。そのあまりにも当たり前すぎる、けどその単純なことが自分にはできない。そう思ったのかも知れません。御代田こひめの、好きという言葉に私は心底打ち砕かれたようになって、ええ、こうした気持ちの素直さの伝わる、このことは疑いもない美点であるとうけがいます。

引用

  • 荒井チェリー『いちごの入ったソーダ水』第1巻 (東京:芳文社,2014年),8頁。
  • 同前,93頁。

    2014年4月5日土曜日

    『まんがタウン』2014年5月号

    『まんがタウン』2014年5月号、発売されました。表紙は映画『クレヨンしんちゃん』をメインにしまして、周囲を連載作のキャラで固めるといった布陣です。『鎌倉ものがたり』、『派遣戦士山田のり子』、『押しかけ時姫』、『ままごと少女と人造人間』、そして『夢からさめても』、って、『夢からさめても』だけ主役じゃないじゃん! 美弥さん。うん、でも主役よりも美弥さんの方がいいや。ナイスチョイスであります!

    『押しかけ時姫』、なるほど、海斗の母御、時姫から尊敬されてるのか。その理由がよかったですよ。有能だからっていうんですが、洗濯はじめ、やることなすことすごく手早い。いやはや、なんでも手作業だった時代とは違いますからね。ほんと、家電というテクノロジーが人を、ことさら家事に従事してきた女性を開放したのだなあ。姫、海斗の母から家事を習うことになりました。なるほどなあ、やっぱりいつか戦国時代に帰ること前提で考えてるんだ。家電は教えない。となるとインスタント。したらそれが陣中食と同じと好評。あの、誉めちぎられてうろたえる母上が素敵でした。この母上、バブル世代なんですね。扇を持って舞う。ううー、ピンとこないですよ。世代が違うのです。そしてナチュラルメイク。髪の手入れ。頭なでなで。なんだかんだで、姫、可愛がられてますよね。

    『居間には今外国人がいます。』はカバンの話。皆、同じカバンを使ってる中、自分だけが違う。そう思って、皆と同じカバンを欲しがる万希なのであります。自分のだけゴツい、自分だけ革カバン、って、いいじゃない。そう思えるのは、自分がもう学校にいないから、子供ではなくなったから、なんだろうなあ。こうした皆と同じじゃないこと気にする自分に、日本に馴染んだと思う万希。ああー、確かに日本的なのだろうなあ。しかし、これからがおかしい。家に帰ってカバンをねだれば、出てくる出てくる、ランドセルに風呂敷、一体どこまで遡ろうというのか。今回は、学生カバンの今昔に、海外の雰囲気なども混ぜ込んで、けどそのベースに年頃の女の子万希の気持ち描いて、面白可愛かった。でもって、革カバンブーム。うん、でもよかったじゃん、万希。それに、こういう、ちょっといいものを持つのもまた悪くないことと思うんですね。いい思い出になりますよ。

    『思春機13号』、ああ、いい最終回でした。大人になった七瀬は、カメラマンのアシスタントをしてるんですね。けど、日々の仕事に心をすりへらしてしまって、もうなにを目指し、どこに向かえばいいか、わからなくなってしまってる。そんな彼女が見上げた夜空。流れ星に思った七瀬の切ないモノローグ。いやほんと、ちょっとした詩だな。そして彼女、ひとみと再会ですよ。うわあ、ひとみ、変わったなあ。そりゃ七瀬も変わったんだけど、ひとみの印象は七瀬以上に違ってしまっていて、なんだろう、すごく素敵なお嬢さんになってるじゃん! 夢を持って再びこの星にやってきた。そんなひとみが七瀬に聞く夢の話。思い出せないという七瀬に、ああ、セイシュン回路、このくだりは胸にこみあげるものがありました。思い出した七瀬の夢。世界中の星空を写真に収める。その理由がまたよかった。友達のいる星がきっとそこにあるから。ああ、七瀬とひとみの友情。その確かさがここに息衝いて再び動き出した。そうした感触。あのドタバタのラストもまた、この漫画らしくて本当によかったです。

    『涙の数だけ輝いて!』、IDL108と対バンですってよ。けど、仕事をとってきたマネージャーが対バンを知らない。このいいかげんさが実にいいですよ。直子が元IDL108なんですよね。ああー、そういやそんな話もあったなあ。その理由は語られないんですけどね。さて、ブーイングとかないかと心配しつつ罵倒は期待する唯ですよ。もう大好き。しかして、唯の不安は的中し、直子に裏切りものとの罵倒が! こういう時に後先考えず前に出る晴香もまたいいキャラクターだと思うんですよ。感情が真っ直ぐ出る、そうした気持ちのよさがあって、そして挑発合戦。いつにない発言におたおたしてる直子、あのぐるぐる目が最高でした。IDL108センター月島優香、お詫びがあって、また直子たちの発言、あれを面白がってくれていた。このメンバー間に確執がないというの、こういうのもまたよいと思うのですよ。

    • 『まんがタウン』第15巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月4日金曜日

    ホームメイドヒーローズ

     改めて見ると、眼鏡率高いなあ。『ホームメイドヒーローズ』、DIYの正義の味方一家でありますよ。特撮ヒーローに憧れるあまり、家族総出で戦隊ヒーローになる! と決めたのはいいけれど、やっぱり現実ってのはいろいろ難しくってね、変身とか無理だし、スーツだってハイテクに限界がある。その上ロボットとなったら、あれやらこれやら問題山積で、道路が耐えられないにはじまり、果ては法令違反。ああー、夢とか叶わないものなのでしょうか!? 父母祖父含めて一家でヒーロー志望という非常識と、正義の味方たるもの法令は当然守るし、物理の法則などからは逃れられないというのも道理、そうした常識がコンフリクトする、なんてところにおかしみのある漫画であります。

    そして同じく常識と非常識がコンフリクトおこしてる一家がありまして、菅部一家、こちらは悪の組織を夢見ていて、大学教員の父と中学校教諭の娘が中心になって、悪を夢見ているんですね。目指すは世界征服。とはいっても、本当に悪辣なことやろうとは思ってない、つまり人を傷つけたりとかするんじゃなくて、ただ純粋に悪の組織として無目的に世界を征服しようっていう。考えてみれば、すごいロマンだと思いますよ。その夢の叶うまでは、誰にも知られちゃいけない! ましてや、小さな悪やトラブルなどで新聞沙汰になるとか、もってのほかなのだ! 結果的に、すごく静かに目立たず生きる、まさしく小市民の見本みたいになっちゃって、ええ、なかなか思うようにいかないのは正義も悪も同じようです。

    この漫画の面白いのは、そうした常識と非常識、夢と現実の衝突する、その狭間にある、そういってよいのだと思います。誰だって思うじゃないですか。突然教室にテロリストが! みたいなシチュエーション。あるいは、もし今ここで暴漢が現れたら!? みたいなこと。こうきたら、こううけて、こうやっつけるんだ、みたいなことを思いながら、けれど現実にはそうはいかんよなあ。現実にはそうはいかない、その苦笑い。本当に命の危険にさらされたしたら、そんなに思うようには動けないだろう、そうした現実もあらば、そもそも身近にそんな事件なんて、そうそうおこりませんから! そうした現実も。実際、そんな事件なんてない方がいいにきまってるし、平和に暮らせることが一番なんだってのは、この漫画のヒーロー一家、仙台家の人々もわかっていて、けれど自らの正義を体現したいと思う気持ちが、悪の組織を求めてしまう! おお、このジレンマよ! けど、その気持ちはちょっとわかる。なんか共感するところあって、けど、ほんと仙台家の男たち大人たちのまっしぐら具合よ! いつかきたるその日のために、体を鍛え、スーツを試作し、さらにはロボの青図まで描いて、しかしはたしてその努力が報われる日がくるのだろうか!?

    くるのかも知れませんよ。

    いや、だって、これ書いちゃっていいのかな。いや、やめとこう。諸君、刮目して第1巻を読み、2巻発売の日を待つのだ!

    そうそう。この漫画、そこはかとなく色っぽいですよね。阿久乃先生の自宅スタイル。上下スウェットでぺたりと座る。さ、最高だ! それから、麻凛、真白もかなりきてます。こりゃもう、作者の面目躍如たるってやつなんすかね? なんすかね?

    ああ、そうだそうだ。作中でもちょこちょこ触れられてます。クラタス。そうなんだよなあ。こういうものもまた、私たちの生きる現実ってやつなんですよね。ええ、現実って意外と懐深いんだなって思わされますよ。

    2014年4月3日木曜日

    『まんがホーム』2014年5月号

    『まんがホーム』2014年5月号、昨日の続きです。

    『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』。前回に引き続き、月夜野さんと花ですね。ただ今回は、花といってもいつぞやの桜。夜桜観光なのだそうですが、自力で飛んでいく、そのつもりでいたのにズルしてトラックの荷台に乗っちゃった。そこからはじまる小旅行。見知らぬ港にいっちゃって、猫に狙われてみたり、溺れた猫を助けてみたり。飢えた子猫たちを助けるために、月夜野さん、さば水煮、箱ごと買ったのか。しかもそれを桜にくれてやるのか。あの、母親思って空を見上げる桜の精が素敵でした。そして月夜野さんのうちに残る母の面影。ああ、これはいいですね。桜の季節の物思い。いい話でした。

    『うちの秘書さま』、素晴しい。メイド隊、大活躍じゃないですか! 潮干狩りにいったんですが、本格スタイルの七瀬が可愛い。手を怪我したぼっちゃんへの対応、冷たい七瀬に花とばしちゃってるメイド連、この差、面白い。メイドさんたち、よいわあ。最高のお食事を、と思ったら海の家に負ける。こっそり手伝い、汚い裏取引。ほんとぼっちゃん愛されてますよ。こうしたバックグラウンド見えると、七瀬が厳しめに接する、その理由もわかるように思いました。ええ、違った愛のかたちであるわけですね。

    『そもそも受付嬢には向いてません!』、ほっほぁー! 面白いなあ。人見知りが特技の丸尾もこ。なんとしても人目につかないようにと工夫してみたり、いや、これは工夫とはいわんな。そうかと思ったら、気持ち入れ換えたように、前向きになってみたり。でも、やる気出すとお客さんこなくなるのな。先輩の竹さんのあの表情、いやもう、キュートでしたよ。素敵素敵。声出ない先輩を助けるべく黒子になってみたり、犬のぬいぐるみ相手に練習してみたりと、いろいろがいちいち可愛いもこ。そこはかとなく駄目な人ですけど、こうした姿勢が見えるから、憎めないというか、ほっとけないというか、そんな気持ちになるんでしょうね。あの花粉症もこに対する、ごめんの竹さんも実によかった。あと、洟垂れ女子ってすごくよいと思います。

    『はっちぽっち』、めちゃくちゃ面白いな! 電話で受けたお散歩依頼。なんか、すごくヤバそうな雰囲気で、いったいどういう犬なのか!? いやもう、想像を超えてきましたね。小梅ちゃん。中型犬。まだ若いんだろうなあ、ものすごいハイテンションで、散歩と聞いただけで嬉しくなっておしっこしちゃう。おおう、うれションってやつだー! 嬉しさのあまりポチ子のびょんびょん跳ねてみたり、散歩の途中、他の犬を見付けたら、やっぱり嬉しくてわんわん吠えてみたりと、やらかすこと、しでかすことが面白くて面白くて、いや、でも、こんな犬、いるよね。最高でしたよ。さすがのポチ子も疲れ果てるという、そんな小梅の威力。いやもう、しびれましたね。

    • 『まんがホーム』第28巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月2日水曜日

    『まんがホーム』2014年5月号

    『まんがホーム』2014年5月号、発売されました。表紙のテーマは、みんなのスマイル、パトロール中。『らいか・デイズ』らいかを筆頭に警察官の制服を着て、らいかはなんだか色っぽく? 『いぬにほん印刷製版部』紙谷さんはなんだかとても元気な感じ。そして『主任の一ノ瀬さん』は、飲んだら寝よう、標語書かれたたすきをこう斜めにかけて、手には大吟醸。このやんちゃな感じ、いかなる格好してようとまごうことなく一ノ瀬さんでした。

    『警戒少女いちごちゃん』、ゲストです。新学期、田舎の学校に通う女の子、花巻るいが主人公。バスが一時間に3本しかない、って、普通そんなもんだよ! え!? うち、田舎!? るい、理系クラスなんですね。そしたらまわりは男子ばっかりで、ようやく見付けた女の子、すごい美少女、カエルのぬいぐるみを装備していて、その名はオマール。照れ屋で人見知りする茶町いちごの代わりにオマールがコミュニケーションとってくれるんですね。って、いちごの口、動いてない? ともあれ、恥ずかしがるいちごに驚きながらも、るい、オマール、いちごともに友達になって、いつか普通にいちごと話せる日がくるだろうか。そんな女の子ふたりの漫画です。

    『黒い大家さん』はお花見です。大家さんも河辺さんも参加せず、女子高生3人でのお花見。千花のやる気がすごい。女3人だというのに、なにそのお重の段重ね。ごはんものだけで2段、おかずは4段? いやいや、無理だろう。友達ふたり、無理して食べようとしてくれるんだけど、とうてい無理。と、そこに救世主。日向和田さんなんですが、神社の境内で倒れてる。転んで気を失ったっていってるけど、こりゃ嘘だな。行き倒れだな。で、この人、見事に全部たいらげて、いかすなあ、ほんと素敵な食べっぷりです。そこに御嶽さんも登場して、この人の浮沈、いやいや可愛いお姉さんたちでした。

    天国のススメ!』は、毎年恒例の桜の人。おっちゃん、草間がそういったら、なんと違うんだそう。女性なのかーっ! おっさんだと思ってたー! 豪華な感じの美人さん。おおう、めっちゃいかす。カラーページに二段ぶちぬいて、うん、素敵素敵、凛々しい姉さまです。嫉妬する十子、おしかけてくる桜。ビールをご所望だ。それを草間が用意する。家族全員味方か! ほんと、草間は見えないんだけどさ、そうして近くにおれて、美形だなんていわれちゃって、お礼までされちゃって、それが嬉しいのかどうかはわからんけど、よかったじゃないですか、草間。ええ、さぞやむくわれたことでありましょう。

    『メェ〜探偵フワロ』、めちゃくちゃ面白かったです。って、これ、ゲストか。フワロ氏のもとに飛び込んできた依頼。なんと傷害事件で冤罪事件、さらには目撃者なしの難事件。フワロ氏、いつもに増して活き活きして、いやもう、不謹慎なおっさんです。しかしほんと、この人の漫画は酷い。まさかの奥さん、ゴリラとか。お嬢さんはリスザルかそのへんですよね。で、夫はオランウータンか。なでなでなでなで、しまいにはゴーって、あの絵面の面白さ。もう、ほんと、さすがのナントカです。被害者には共通点。ハゲ頭だっていうんですね。死ねー! ツルツルがー!! と、死ねー! フサフサがー!! この対比の酷さ。最高に面白かったです。しかし、今回の事件の本質、珍事件なんですか。現場にて、空から降ってくる亀。へー、アイスキュロスってそんな死に方したんだ。いやもう、ここからの流れ、めちゃくちゃ面白くって、フワロ氏のバターンからガーン、被害者たちの対話にロシアンルーレット、なにこの畳み掛け。笑いがとまらんですよ。そしてあのラストも、もうたまらん。まさしく、ナントカの真骨頂。はじけてましたよ。

    • 『まんがホーム』第28巻第5号(2014年5月号)

    2014年4月1日火曜日

    フレラジ☆

     今日は4月1日。ということで、朱木茜さん、誕生日おめでとー! 朱木茜、新人声優、漫画『フレラジ☆』の主人公であります。『フレラジ☆』は、朱木茜、青柳葵、墨田圭、山吹薫の4人がパーソナリティをつとめるラジオ番組。まだまだ新人、いろいろ問題あるできないっ子たちをあえて選んで、パーソナリティに据えました。そうした趣向の番組の、放送の様子をいわばひとつの軸として、彼女らが少しずつ仲を深めていく様描いたり、あるいはそれぞれの子らにスポットライトを当ててみたりと、その描きようが幅広くて素晴しい。ええ、こんなにも面白くなるだなんて思ってなかった。声優という、一種アイドルを描いた漫画というよりも、職業としての声優に向き合う少女らの姿勢がいい。ぴしっと伸びた背筋の向こうに、彼女らの未来の可能性感じさせる、そんな感触が心地いいのですよ。

    ラジオ『フレラジ☆』は、あえて致命的な欠点のある子を抜擢して、彼女らの成長していく様を見せようというのがコンセプト、ってのはもういいましたよね。我らがヒロイン茜はというと、超がつくくらいあがり症で、ここぞって場面で、とにかくかむ、トチってしまう。こんな具合に、漢字が苦手な子、台本以外はてんで駄目な子、歌が壊滅的な子と続いて、ああ、それぞれの弱点、誰がそうなのかは、ぜひ漫画を読んで確かめていただきたい。やっぱりちょっとずつ知っていくのが面白いと思うんですよ。ああ、この子はこういうところに問題抱えてるんだな、でもこういう美点があるんだな、読んでいくうちに、その性格、人となりとともに少しずつわかっていって、その積み重ねが彼女らのキャラクターを確かなものにしていく。そこに加えて、なんだかすごく身近といいますか、まあ、声優の知り合いとか女子高生の知り合いとかいないんですけどさ、それでも、ああすごく距離が近いと思わせる、そんな気安さがありまして、それは弱点も悩みもオープンにして、頑張ってる、その姿勢がまじめな筆致でつづられているからだと思うんですね。

    兄の視点なんだろうか。ああ、茜には兄がいるんです。妹大好き。まだまだいたらない妹のこと、見守ってる。そんな感じの兄貴。思えば、自分もそうした視点に立っているのかも知れません。ほのぼのした描写に和みつつ、これから伸びゆく彼女らのその様子に気持ちを高めていく。伸びゆくということ、それがやはり魅力の源泉なんですよね。彼女らに設定された弱点は、明確にされた克服すべき目標なんです。一種到達点が示されて、そこに向かってハードルをひとつひとつ超えていくのだろう彼女らの姿は、やはり見ていてわくわくさせられる。もう、こんなんで大丈夫なのかなあ、そうした不安があったとしても、彼女らを応援したり、励ましたり、発破をかけたり、いろいろな人が彼女らの周辺にはあって、そしてついにはひとつの山を越えるにいたる。そうした出来事のひとつひとつが彼女らのドラマであるのですね。

    けれど、彼女らの越えていく山、それらはいまだ小さな山であって、ゆえに描かれるドラマも劇的な展開とまではいえません。でも、小さな山々を越えていったその先、彼女らの目指した地点に立ったいつかその時、振り返って見る景色はどうしたものであるのだろう。そんなことを思うのですね。今はまだ小さな歩みであっても、彼女らの進む先には広く大きなフィールドがある。そう思わせてくれる伸びやかさにひかれています。

    ああ、そうそう。墨田さん、最高だ!

    • 種田優太『フレラジ☆』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2014年。
    • 以下続刊