2020年11月30日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年1月号、一昨日の続きです。

『RPG不動産』

海回ですよ。皆で遊びに出掛けた海辺で出会った見知らぬ物件。最初に登記がどうなってたかって気にしちゃうのが不動産ものって感じしますよね。

この家というのが面白かった。ちょっと天井が低いんですよ。ということは小さい種族の家なのかな? とか思ってたら、島ごと移動しちゃったりして、なるほどなあ、この家のある周辺、琴音たちの暮らす島の一部じゃなかったんだ! だから物件について知らなかったのも当然。そしてこの家の建ってるのが大きな亀の甲羅の上っていうの、おおー、いい感じにファンタジー。家の住人もウサギの姿の種族で、そうか、皆戦争を忌避して、家ごと家族ごと逃げまわっていたんだ。かくして今知らされる、十年以上前に終戦しているという事実。

今回は不動産の仕事はお休みでしたけど、この世界のこと、戦争とそれをとりまく様々な思いなどなど、そういう文化社会の背景が見えたの、とてもよかったと思います。また、ただ舞台について知れただけでなく、琴音をはじめとする皆の個性、人となりにも触れることができた。ちょっとさいわいで、穏やかな一日。亀とともに移動する家というハプニングがいいスパイスになっていて、チャーミングな話になっていました。

『あやしびと』

この世界は殺人、いやさ殺妖人も場合によっては許される世界なの!? みぞれの姉、ふぶきに殺意を向けられるアヤ。いよいよ危ないとなった時に、ああ校長先生、頼りになるー! というか、どんだけ強いのか、校長。生徒の中でも一番と噂されるふぶきを一方的に制圧して見せて、かっこいいなあ校長。いやもう、この漫画でこんなバトル展開があるなんて思いもしてませんでした。ほんと、思いがけない見せ場でありました。

命の危機が去って安心したのか、アヤ、いつものペースに戻るのが笑えますよね。ふぶきに求める対価というの、エロい要求とかしれっと考えてるの、しかも校長に読まれてるの、めちゃくちゃ面白い。でも、みぞれとの仲を取り持つっていうのを選んで、これ、エゴだっていってますけど、前の世にて家族とも友人たちとも死に別れることとなった自分のこともあるのでしょう。また、姉に嫌われてると思い傷ついている友人のこと思ってという面もあるのでしょう。ええ、優しい子だと思います。

と思ったら、極端に走るふぶきのことばちんって! 完全にいつものペースだアヤ! でもそれだからこそ素晴しい。

その度を過ぎたクールさから怖れられていたふぶきも、なんだかんだでアヤのつっこみ待ちといったキャラクターになってしまって、みぞれとの対面の状況もね、アヤ、もう完全にペース掴んどるぞ。不思議とアドバンテージ感じさせるその態度がまた面白い。ええ、ふぶきがみぞれと和解する日も近い! そんな予感させられますよ。

『みこへんげっ!』

クラスメイトとのすれ違いが原因で悪鬼に巣食われてしまった黒井。まじない神子として彼女らのこじれた関係を改善し、悪鬼事案を解決に導くそのくだり、とてもよかったと思います。今回はえりかの能力ですね。問題が生じるその前に、問題の芽を摘んでしまおうという作戦。オンラインゲームでクラスメイトとは知らないまま仲よくなって、でもオフで出会ってその関係がおかしくなったのはなぜだろうというの。黒井のコンプレックスに気づいて、ちょっと悪者になってでも姫島と対話のきっかけを作ったえりかの判断。わずかな介入でその後のふたりの関係をがらりと変えるところに、物語の歯車がしっかりハマって動いていく、そんな感触あってよかったと思うのです。

過去から状況を変えてしまったために、黒井の家に招かれたという事実もなくなってしまいました。それを惜しみつつもよかったといえた彼女らの心に兆した感情、それもよかったと思うのです。仲よくなった黒井と姫島の様子を見守るえりかたち、その表情もまたよかったと思うのです。

『恋する小惑星』

のっけからスズちゃん、とばしてるな! 文化祭、皆の衣装を用意して、でもナナは可愛いのは好みじゃないみたいですね。というので、きりっと執事スタイル、かっこよくまとめてみましたというの。いいじゃないですか! と、この展開の陰でまるで希望を聞いてもらえないアオが、私もあっちがいいばかりいってたのがおかしくって、ほんと、スズさん、アオ相手だと容赦がない。

文化祭で展示する地図のいろいろを紹介してくれた今回。気象のナナは天気図を、石のチカは地質図を、天文班は星図を展示するというのを紹介する合間合間に、それら地図にまつわるトピックをちょこっと提示していったり、主題図の説明してくれたりと、ああ、やっぱり面白くてタメになる漫画ですね。こういうの大好きです。

メルカトルの宇宙図、これは知りませんでした。宇宙の地図と聞いて俄然宇宙が身近になったか、イノ先輩が食い入るように見入るの、こういう風に興味が広がるの、素晴しいなって思う。考えればこの漫画は、違う個性、違う興味が出会って、関わりあって、交差するうちに、影響し影響されて、ともに深まっていく、そういうものを描いてきていました。ええ、やはりこの漫画は、出会い、広がる、そんな関係をこそ描いているのだとあらためて思わされた回でした。

2020年11月29日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年1月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年1月号、一昨日の続きです。

『ネコがOLに見えて困ります』

ミコトくん、ネコを拾っちゃいましたか! 鳴き声で気がついてダンボールを開けてみたら出てきたのはおヒゲの立派な男の子。ミコト、なんの動物が一見してわからないっていうのは大変だよなあ。今こそあのアプリの出番だよ! とは思ったけど、あらら、残念アプリの出番はありませんでした。

ネコちゃんをお風呂にいれて乾かしてみたら、ヒゲに蝶ネクタイ? 不思議な風貌になりましたね。動物が人に見えるとかじゃなくて、なんかの擬人化マスコットみたいになってる。子猫だからこんな感じになるのかな? 成ネコになったらしぶいおじさまになったりするんかな? 成長がちょっと楽しみですね。

ネコ用ミルクを買いに出たミコト。その留守の間に、ケージから子猫を出して、いろいろ世話してくれていたOLさん。このあたりは地域のボス猫やってた経験あってのものなのかな。ともあれこの家では、ミコトも兄貴さんも、それからOLさんも子猫に親身に世話してくれてるの、いいおうちに拾われましたね。最後のミコトの、まずは病院にいってからというその姿勢もまたよかったですよね。

カントリー少女は都会をめざす!?

この冬流行ると聞いて買ってもらった服着てる八重ちゃん。なに着ても可愛いねえと思ったけど、実際その服が流行ってるかこの町じゃ実感できない。いったいどこで流行っているのか? 都会じゃないか? じゃあきっと都会では流行ってるはず。その論調がもうおかしいんですよね。

ここからフルーツバスケットに話が飛ぶとはまったくの予想外でした。誰かの属性狙い撃ち! というので、都会に憧れてる人とか猪が走ってるところ見たことある人とか、いや、それわりと君らの町じゃいるんじゃない? と思ったら、亜紀が酷い! この子のこういうの、ほんと面白いよね。しかもそれ姉ちゃんのことか。もうほんと情け容赦がなさすぎて笑いました。

八重の争いの火種シリーズ。最後に出てきた目玉焼きにしょうゆというの、これもわりと論争になるのでは? いや、なんか社会ではそんな風になってるっぽいこというじゃないですか。でもなんで目玉焼きの味付けで争いになるかまったくわからない。というので、この話題でまるで荒れないこの子たちの関係、とても素敵でありました。

『とびだせT.O.Z』

都大会に臨む兄を見守る妹、マナですよ。母のはからいもあって兄貴は絶好調? でも、あまりに雰囲気が違いすぎて本人かどうか疑問が出る始末。そこまで違う!? いや、まあ、違うよな……。

今回おかしかったの、選手のふたつ名ですよ。有力選手にはふたつ名がつく。しかもそれが名誉だというんですけど、みたらしの亀田とか名誉なの!? 遅刻の記録よ!? さらには男子のそれ、ニップレスだワキかくしだ、その上にリバースでしょう? それ、名誉なの!? 本当に? 本人、喜んでる?

このふたつ名、兄貴もしっかり認識してるのがおかしいですよね。ニップレスにワキ、さすがに速い……、ってこれシリアスなシーンと思っていいんですよね? で、本人申告の痛みの伝道師。これが今大会でいい成績出した兄貴のふたつ名になっていくんだけど、略されてイタデンの阿部。いや、それ、いたずら電話してる不届きものみたいよ? ほんとにそれでいいの? マナも困惑してますけど、ほんと、これ、困惑よ?

ともあれ、兄貴、関東大会進出! あとワードマスター浅葉も。なんか個性強いのばっかり残るなあ。個性の強さが選手としての強さなのかもなあ。いやもう、リバース桐山、いろいろ心配になります。連戦したら体もたなくない?

『大奥より愛をこめて』

間者の疑惑から囚われの身となった蒔乃。大奥からの逃亡を果たして、今や追われる身。はたして逃げきれるのかいなかという局面で、まさかの上様マジック! ロシアからの帰国をはたした光太夫を軟禁状態から強引に連れ出して、一緒に飲みつつ語らっているっていうんですね。いやあ、まあ、これで蒔乃との再会が遠くなったわけですけれど、でもまさかこんなところから蒔乃の放免がなるとは、まったくもって予想のほか。いやもう上様マジックでしたわ。

蒔乃の、これまでの働き、それがいったいなんのためだったのか。その目的も理由もはっきり明かされました。光太夫に思いを寄せている蒔乃。しかし光太夫はまったくわかっていなくて! というのですが、これわかってて素知らぬふりをしているのか、あるいは本当にわかっていなのか。後者のように思われて、いつになくシリアスの度合いを深める蒔乃です。

次回、最終回。蒔乃の思い、どんな決着を見せるのでしょうね。

2020年11月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年1月号、発売されています。表紙は『Aチャンネル』。卒業式の記念撮影思わせる4人揃ってのイラストに、情緒、感傷、希望? いろんな気持ちがないまぜになりますね。でもこれは彼女らの門出で、明るく晴れやかな、そんな一枚であるんですよ。いい絵だと思います。思えば漫画を読み、アニメを見て、イベントいったりしてと、思い出深いタイトル。それがこうして終わりを迎えたというのは私にとっても結構な感慨深いもので、ええ、これはめでたいことなのだと思います。表紙も、そして本編も、ちょっと涙あり、けれどやはり晴れやかで清々しさあふれる、そんなよさ。この子たちの、この子たちらしい、そんな節目、最終回であったと思ったのでした。

今月は新作ゲストが1本です。

『魔法使い降臨!!』

これ、なるほど、異世界ものなのか! 転生なのか事故なのか、理由理屈はわからないけど異世界に辿りついた少女、ミーシャ。辿りついた世界は文明が発達していなくって、どんな簡単な魔法を使っても驚かれてしまう。いわゆる俺TUEEE系? 自分の世界じゃ当たり前の知識、技術で無双してしまう。でもそんな展開は好きじゃないっていうミーシャ。なるほど、なるほどね? あの手の立ち位置、逆にしてみたらこんな感じになるんだ。

ベースとなる常識がまるで違うので、魔法の使い方とかね、ミーシャからしたら当たり前のことがまるでわからない。かと思ったら、カレーに大感激してくれて、3食カレー希望!? それは私がキツいってつっこみとかいいですね。ふたりのかけあい、テンポがいいからすいすい読めるのも好感。面白くて結構好みです。

『mono』

これ、新展開っていっていいのかな? シネフォト部の活動、ちょっとやってみる気になったっぽい。映画を撮ろう。でも編集作業は面倒くさいよって。それでPOVモキュメンタリーを撮る、ってんだけど、ワンカメラのワンカットでも編集はそれなりに必要なのでは? というか、問題のシチュエーションを作る仕込み、そっちも結構大変なんじゃ? なんて思ったりして、そのあたりどうなんでしょう。というか、元映画研究部なら編集も頑張れ! と思ったら、さつきは元写真部だった。うん、しゃーないかも知れん。

幽霊部員の田島の召喚とかめちゃくちゃ面白かった。モキュメンタリーならホラー向け。田島はホラー好き。それで儀式でもって呼び出し、っていうんだけど、当たり前みたいにメッセージ送っとる。

正直いいますと、想像上の田島、かなり好みでした。けど現実の田島、めちゃくちゃ明るい姉ちゃんやんけ。POVホラーのおすすめまでしてくれて、って、これ、全部本当にあるやつだな。ふたつほど知ってるぞ。

これ、本当に撮ることになるのかな? VRホラーとか、本当にあるのならちょっと見てみたいかもな。いや、本格的に酔いそうか。ともあれ、このメンバーで取り組むPOVホラー。なんか絶対怖くならなさそうな気もするんですけど、そもそもちゃんと撮れるのか!? みたいなレベルから楽しみです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

扉の蜂須賀姉妹、最高やな! そもそも蜂須賀姉が好き。この子可愛いよな! というわけで、今回は初野回。妹置いて軽井沢にいっちゃったの恨まれて、太ったといわれてしまったお姉ちゃん。しかしそれで絶食はあかんで。そもそもこの時代の減量ってどんなだったんだろう。今みたいな基礎代謝がどうこうとか、そういうものじゃないよね? ということで、初野、一昨日から絶食。普段、あんなに食べてる初野が!? 旭の回想の初野、ほんとにもりもり食べていて、いやもう最高ですよねこの子。

大正時代のダイエット方法。少女誌からいくつかピックアップされたのね、これ、本当にあったりしたんだろうな。脳を使えとかね、うん、これなら学生向きでいいじゃないですか。そして痩せ薬、ってこの時代のは本当にヤバそうでおすすめできないな! 紡も紡で頭のよくなる薬みたいのに反応するんじゃない。絶対にヤバいから。効果がないならその方がマシレベルのものだよきっと!

紡のダイエット知識もたいがい酷くて笑いました。なぜ逆立ち。この子、おそらくそんなにダイエット必要でなかった系だな? だからあんまり知らないな? 今回は旭の常識的つっこみが冴えていました。頑な頑固な旭だけど、こういう時には頼りになりますね。というわけでダイエット騒動もそうそう大変なことにならず解決して、初野ももとのとおり健啖に! ああ、初野素晴しいわ。初野が普段の調子とりもどしたら旭も安心して奇行に走れるようになって、ああ、よかった。こういう旭さんが見たいのです。

『まちカドまぞく』

スイカ、怖ろしいな。今回でとりあえず桃の過去編が決着するんですが、桃の過去、ひいてはこの町の秘密を知るために同道したシャミ子がむしろピンチに陥ってない? スイカからしたら見知らぬ存在であったはずのシャミ子が、この記憶を通じて過去のスイカに知られる身となり、それどころか命を狙われることにもなるのでしょう?

序章じゃん。この町に暮らす魔族である以上、当然当事者であったシャミ子ではあるのだけど、この記憶追想を通じてガチの関係者になってしまった。間接的な関係から直接的なものにランクアップして、やべえ、やべえな。理屈とか道理とか振り切れてるよな。というか、この剣呑そのものの状況を生き残った桃もすごいわけですが、だってね、今回の回想はそばにシャミ子がいて、今の桃の意識もうっすらあって、本当にハードで過酷な状況はそれなりにスキップされたりやわらげられてたりしてたじゃん。でも実際の桃は、そんな緩衝なしにガチでやりあったんだろう? やばいよなあ。

そんなわけで、いずれ戻ってくることを予告したスイカ。これ、やべえな。ほんと、やべえな。

2020年11月27日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年1月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年1月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さん、榊先生ふたりがコンビでサンタクロース出動ですよ。山下さん、凛々しくて素敵だよねえ。今回の表紙のテーマはサンタクロース、クリスマスですね。『小森さんは断れない!』しゅりもサンタ、えらいことなってるサンタです。『ローカル女子の遠吠え』りん子はというと、なんかいきなり説教、指差して説教ですよ。これはこれでこの人らしい。『らいか・デイズ』らいかもサンタクロース。プレゼント箱を手にふりかえって、みんなには内緒だよ、でありますね。

『おひとり好きの富士宮さん』

デパート受付にて、その器量? 美しさから数多の崇拝者のいるという富士宮さん。けど本人はそういったことあんまり気にしていない模様。それどころか、明日のお休み、リフレッシュしに富士山を見になんていってるの、あ、これ、もしや山登りとかしちゃう系の人だったりするんですか!?

違いました。

デパートにて警備の仕事をしている内山くんが遭遇した女性。着飾らないタイプ。髪もそのまま、分厚い眼鏡が愛らしい素敵女子なんですが、顔出し看板にチャレンジしてみたり、さらには気合いの入ったラーメン屋にしれっとひとりで入っちゃうとかね。ああ、なるほど、眼鏡が曇るからラーメン食べるときははずすんだ。さらに髪も後ろにまとめて、かくしてようやくこの人が富士宮さんと判明! ってなわけですね。

ひとりぶらぶら街歩きして、ラーメン食べて、あれ? じゃあ富士山は? と思ったら、なるほど、銭湯の富士山でありましたか。気取らずマイペースにのんびりとした充実した休日。実に素敵だったじゃありませんか。今のところ、プライベートの彼女を知ってるのは内山ひとり? オフの彼女を見て幻滅どころかさらなる魅力に感じいるとか、なかなか見どころのある青年だと思います。

『おしかけツインテール』

今回はダーク花梨だそうですよ。育美ちゃんにつきあって、というんですが、いったいなにごと? クレープ買い食いしたりしてね、って、いや別にそれ特にダークってこたあなくない?

育美ちゃん、赤ちゃん生まれたというので両親ともに弟につきっきり? かまってくれないとヘソ曲げちゃったみたいなんですね。ええ、ええ、これよくあることだそうですよね。でもそれで家出だっていって、花梨を頼ってくるところ可愛らしいなって思います。それだけこの子にとって花梨が身近で頼れる、いや、もっとシンプルに大好きなお姉ちゃんってことなんでしょうね。

しかしダーク育美になるくだり、めちゃくちゃ面白い。育美の好きなアニメ、『マジカル☆メイド モエニャン』でモエニャンがダークモエニャンになってたっていうの、それを受けて花梨を助けに現れるモエニャンガチ勢の俊郎! イマジナリー存在だ! しかもまるで役にたたないのね。このイマジナリー俊郎のアドバイスがとにかく面白くって、育美が悪いことやりたいっていうの受けて、アブラましましのラーメンすすめてくるとかな。身体に悪い! って、ほんと面白い。花梨にとっての俊郎って、こうやってどこかちょっとずつズレてる感じなのかもですね。

今回の花梨は、育美と一緒にちょっと羽根を伸ばしました、そんな感じで、いいじゃありませんか、たまにはこんな日があったって。でもものすごく罪悪感感じちゃって、俊郎にダラけてますよね? とか連絡しちゃうもんだから、俊郎、ちょっと気持ちを入れ替えちゃうじゃないですか。この裏目! めちゃくちゃ面白い。でも、花梨はそれぐらいでいいと思うんですよ。なにも負い目に感じたりしなくていいんですよ。

このエピソード、最後にお母さんが花梨の一日を聞かされて、時間の経つのも早いものねぇってしみじみいうでしょう。ああ、小さかった花梨ももうすっかりお姉さんですよ。お母さん、感慨深いですね。ええ、お母さんも頑張られましたね。

と、それはいいんだけど、弟の名前、なんでバクダンなの? 育美ちゃん。

『敷金礼金ヤンキー付き』

金欠の大家が思いついた金策手段。たえが物置で見つけてきた大量の物騒な物品。そいつを売りさばこうというんですね。たえの発案でフリマを開くことになるんだけど、その準備の様子ね、あちこちに声かけたりねしてるの、それ見てるとなんかわくわくするよね。思えばこの漫画、大家の発案で無茶なことでもえいやって実行したりする、その準備の様子、描かれること多いよなあって。仲間同士、知恵出しあって、協力しあってというの、ヤンキーならではの結びつきなのかな? ひとつの目的のために皆で一丸となって取り組むというの、すごくいいよねえ。

とはいったものの、なんでできあがりがこんな物騒な感じになるんですか。フリマならぬ不離魔ですよ。ヤンキーの知り合いは所詮ヤンキー。かくしてヤンキーのヤンキーによるヤンキーのためのフリマが見事できあがって、売物がほんと物騒だなあ! たえが思い描いていたようなのとはもう根本から違うよね。なんというか、手作り武器市場? 一般人お断りというか、警察に踏み込まれそうなおどろおどろしさ漂う危険な香りでありました。

でも、なんだかんだでフリマは大成功。大成功? これ、ほんと、ただの集会だったのでは!? たえさんはお疲れ様でした。ずっとつっこみ入れ続けて、さんざんだったって、このくたびれよう。大家たちとは見事対照的でありました。

『となりのフィギュア原型師』

せっちゃん、いつになく本気だ! 半藤に料理を教わろうという。半藤たちの成長を見て自身思うところがあったみたい、というんだけど、はぐちゃんのピアスの数と斉藤の増量は成長とは違うと思うよ? しかし、せっちゃん、油断ならねえな。細かいとこまで目がゆきとどいておる。

半藤、せっちゃんの頼みを快諾。せっちゃん家でやるかとなったら、ああー、代表、困ったね、そうか、半藤、とられちゃうねー。ここでのはぐのアシスト。その後のはぐと代表のほのぼの好感度アップシーン、たいへん素晴しい。というか、代表、それを半藤にいっちゃいなさいな。

工房のキッチンのヤバさ、最高でしたよね。これ、キッチンというか作業場だよ。いきなり臭いっていうの、なんか腐っとるとか!? と思ったら、ガレージキットのパーツって煮たりするの!? 知らんかった。溶剤を揮発させるとかいってるけど、じゃあ、この臭いは有機溶剤か! やべえ。しかし、ソフビは湯でもどしたりするの知ってましたけど、レジンでもそういうのやるんですね。まったく知らない世界でした。

で、続いてオーブントースターから出てくる造形用の粘土。これは、まあ、ガレキに比べるとだいぶマシかな。だって、土でしょ? いや、違うの!? 土よね? ともあれ、半藤、ガチギレだよ。まさかこんな風に怒る日がくるとは思いもしませんでした。意外!

意外といえば、せっちゃんの涙、これが本当に意外も意外で、ああ、いつもどこかちゃらんぽらんというか、なんかタガがはずれて、なんでもかんでもノープロブレム! みたいなノリのある子だけど、今回の取り組み、料理については本当に悩んでいたんだ。ふざけたりなんかしていない。本気も本気、ガチもガチ。だからこそデキないことにこんなにも心痛めたんだろうなあ。これ、あの明るいせっちゃんがっていうのもあるんだろう、ええいああ、思わずもらい泣きでした。

半藤、この人のこともいろいろ見えた今回。そうか、半藤、苦労してきてるんだ。好きなだけじゃ駄目なこともある。好きだからこそ、芽がでないことがつらい。でもこの人はそのつらさを乗り越えてきたんだね。むしろ才能がないといわれた半藤だからこそできるアドバイスがあったと思ったんですね。さっちゃんがそれを活かせたかどうかはわからないけど、わずかでも前進できた。そのことを全身でもって喜んでみせるせっちゃんと半藤、あれは名シーンでした。

2020年11月26日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号、昨日の続きです。

『SA07』

田町の部屋、皆の溜まり場になってるかと思いきや、ほぼ女子3人の溜まり場じゃないか。まるで自宅のようにくつろいでいる。それだけ田町という男が無害感に溢れているというわけか。いや、これはこれで嬉しそうだし、充実してそうだし、いい感じですよね。

ニチアサのくだり、最高でした。ニチアサとか見てんの? とかいってたりんこがですよ、おやおや、東京都三木屋りんこちゃんですか、おやおやおやおや。ほんと面白かった。目撃した時、りんこの眼鏡、ぶっとんでるじゃないですか。この振りからの即落ち感。素晴しかったです。やっぱりりんこさんは最高なんや。

夏休みの目標、一日一枚イラストを公開するんだとかね、前向きなのか無謀なのか、けれど期待や希望感じさせるものが提示されたかと思えば、将来に向けての夢、それをどれだけ堅実にできるかみたいな話もあって、いいですね、これはこれでやっぱり夢を現実にするひとつの選択なんだと思う。

そして次回はコラボカフェ。というのはいいとして、りんこまで奪っていく気かって茉愛から猛烈抗議うけているカガリさん。これ、きっと嬉しいよね。嬉しいといってくれ。ええ、いい情景だったと思います。

『限界ゲーム飯』

佐藤さんをお招きしてのゲーム会。あさぎとセンと、そしてまよもいるというにぎやか回でありますね。最初、ゲームパッドに慣れていない、うまくできなかったらどうしようって佐藤が心配してるの、気にしすぎだよーって思ったんだけど、そうした不安やらなんやらを一気に吹き飛ばすタコパのインパクト。ありゃあよかったですよね。うん、佐藤さん、気楽にどーんといこう!

このタコパにしてもゲームの選択にしても、コンシューマに不慣れな佐藤さん改めさとちゃんも一緒に楽しめるようにって配慮感じられるように思えて、いいよなあ。ゲームは、高難度のものを一緒に攻略するみたいな楽しみももちろんあるわけだけど、もっと気楽に取り組めて、肩肘はらずに楽しめる、そういうのもあるわけで、今回はその気楽な方。ミニゲームの勝敗にたこ焼の具材決定権をからめるとかね、面白さに面白さをかけあわせていく、そんな工夫も魅力的でした。実際、これ、やってみたらかなり面白いと思う。チョコレート入りができてしまったら、それはそれで困るけどね!

ゲームの自キャラアバターに皆と違う傾向のを選んでしまった。そう思って不安になるさとちゃんを、意図せず皆で肯定していくところもよかったなって。まだお互いに深く知りあえていない、そんな状況からだんだんに相手を知っていこうとする、それがこの会の趣旨なんだねって思わされたくだりでした。

なんとなく集まって、なんとなくゲームで楽しんで、そんな雰囲気ではあるけれど、意外やなんとなくではなさそうだぞ? そんな気持ちのゆきわった様子、さいわいでした。

『桃ノ木家の四姉妹』

甚平さんについて、その背景がはっきりしましたよ。四姉妹の父の弟。つまり叔父。兄、つまり姉妹の両親から頼まれて、陰になり日向になり、この子たちのことを見守っていた。しれっとシキひとりが気づいていたっていうの面白いですよね。さすがというか。以前、甚平さんとメモリのやりとりしていたの、この子のカメラのデータなんだろうなって思っていたんですけど、それを取り出してもらってたとかじゃなくて、両親に姉妹たちの様子を報告してもらってたんだ。

いろいろとわかることの多かった今回。長女、一葉の甘えぶりを心配したことにはじまって、姉妹たちにもっと広い世界に触れてほしい、いろいろな出会いや経験を重ねてほしい。そうした思いからの海外赴任だったんですか。確かに、最初はいろいろ頼りないと思われた長女だけど、今では気負うでもなく、しっかりと妹たちのこと、見られるようになりましたよね。そう思えば、ニノもミツも、新しい友達ができたり、憧れの漫画家と一緒に活動する機会を得られたりと、そうだ、本当だ、出会いと経験を広げていく物語だ。

今回で終わっちまったりするのかな? そんな心配していたんです。でも杞憂でした。じゃあ次回? それも大丈夫そう? 続いてほしいですね。こうして、自分たちの置かれている状況、見守ってくれている人たちのことを知ったこの子たちが、さらにいろいろなものに触れていく、その様を見守っていきたい。これまでとはちょっと違う? そんな感触もあったりするんじゃないかなって。と、まずは最初から読み返してみたいなって思います。きっと、また全然違った印象になると思うのですね。

『あいらいく俳句』

凛花が父からもらってきた食事券でもって、高級なお店にいきますよ。でも食べ放題なの? 食べ放題と聞いて絶食を決意しるおにぎりとあいだけど、なんだかんだでいつもどおりに食べてしまうあいのほのぼの母娘模様と、絶食敢行するのはいいとして精神的にまいってしまってるとおにぎりと、この違い、このギャップよ……。うん、これ、絶対あいの方が健全ですよ。うん、おにぎりさん、いろいろ間違ってますよ。

食い気のふたりに対し、色気のうさこ。いつもどおりともいえるのだけど、店のリサーチをして、食事でなくお姉さんに食いつきますか……! ほんと、いつもどおりなんだけど、なにがこの子をこうまで駆り立てるのか。犯罪ぎりぎりの発想にまでいっちゃってるよ。ぬいぐるみにカメラとか、こないだ知ったことをもう応用しようとしている!? あやうい方面にのびしろがある子です。

凛花のコーディネート、父大活躍の巻。これ、ほんとによかった。衣装抜群、髪も完璧。それで、うさこ、凛花、おにぎりと、めちゃくちゃ可愛くしあげてきたところにあいのあれ。よくこんな服あったな! っていうの、やっぱりこの漫画、すごい威力見せてきます。

レストランでの店員さん。写真をめちゃくちゃ加工してたというのですが、このインパクトは今後も登場してくる可能性あり!? 食べながらの俳句というの、この子たちの活動の基礎ではあるんですが、がまんできないおにぎりがおかしい。

今回、基本、凛花が常識寄りで、サプリとか奇行もあったんですが、他の子らがぶっちぎってますよね。ガツガツむしゃむしゃとか、うさこ、店員さんが好みじゃなかったからおしゃれとかなんとか全部どうでもよくなったな? でもっておにぎりのマナー違反! 全員からの全力つっこみ、このテンポ、このリズム、最高だったと思います。

2020年11月25日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号、昨日の続きです。

『球詠』

終わりゆく夏の余韻をともに、秋大会を目前とする新越谷の様子が描かれるシーン。詩情のようなもの感じさせて、いい雰囲気でした。とか思ってたら、希がまだ不調だったり、尻に送球くらった白菊の、ヘッドスライディングなのかすっころんだだけなのかよくわからない得点シーンがやたら面白かったりと、実に油断なりません。

と、油断ならないこの漫画。どこかアンニュイな雰囲気ただよわせて、いったいなにごとか。これから起こる不穏な展開を予感させるものなのか。不祥事によって一旦活動できなくなっていた野球部の、元チームメイトがいる学校と対戦することとなったりと、いわば過去のわだかまりを超えなければならない局面に向き合うこととなるのか。そして出番のない希……。

いや、ショックを受けた希を、意図してかどうか不明だけど、即座にフォローしたヨミ、これはナイスプレイでしたね。と思ったら、そのすぐそばで思いつめた表情している光先輩。やっぱり不穏な空気感じさせるんですね。

『スローループ』

小春のクッキング教室。これ面白いなあ。ロシア料理、ウハーを作るよ! っていうんで、うはー! って思ったら、まんま二葉と藍子が同じことやってて、いや違うか。これ、疑問を口にしとるだけだ。

なれないながらも頑張って調理してる姿が素晴しいよね。なんかこぢんまりしてこんまくて、楽しくほのぼとのした一時。完成したウハーもおいしそう。そりゃあ、一花が天国かなんかいっちゃうのもわかろうというもので、ほんと、いい時間を過ごしておりますね。

前回からちょっと思い悩んでいる恋。この子の胸中に残る記憶。失敗したかなって、悪いことしたかなって、苦い記憶となっているそれを、このキャンプでもってそそぐことができたの、本当によかったなって思ったんですよ。恋にとっては苦い思い出となっていたことが、やまひー、ひよりの中では今に繋がる最初の一歩を踏み出すためのきっかけになってくれていたんだって、思いもかけず知らされて、ああ、ひよりにとっての自分、そのあり方をこうして肯定してもらえたこと、どこか自信を持てずにいた恋にとって、どれほどに救われることになったろう。憂い感じさせていたこの子から、もうすっかりそんな影もなくなって、いたずらっぽく笑ってみせたりね、どこかリラックスしたように見えますね。重荷をおろせた、そんな感じがするんです。

『観音寺睡蓮の苦悩』

また変な人が!

いや、林間学校前から出てたんですけど、生徒会長の六本木四葉。権力闘争の一環として睡蓮を陥れようとしていたのかと思ったら、なんか違う……。睡蓮が邪魔なの、権力云々じゃなくて、自分より目立つのが気に食わないからなんか。まあ、わかりやすいといえばわかりやすい。ちやほやされたい、褒め称えられたい、注目を集めたい。これはわりとわかりやすい欲求で、だからこそか、睡蓮の屈折をついに理解することができなかった……。

そういう意味では普通の人かも、ですね。ただ睡蓮を追い込むために手下の二子玉川鈴に工作させたりと、基本ブレーキのついていない人っぽくはある。睡蓮への攻撃も、紫陽花椿を引き離せというあたり、いいとこ突いてはいたんだけど、なんせ睡蓮の欲望を理解できていないから、ベクトルがわずかにズレていた! ああー、もうちょっとだったんですけどね。むしろ塩送る結果になってしまうというこの展開。四葉のリサーチ不足で、睡蓮の動因を自分のそれと同様に考えてしまったがゆえの失敗ではあるんですが、まあ、睡蓮、普通じゃないもんな。

二子玉川鈴の姉、蘭、いいですね! とてもいいです。そして四葉、この人、今後も睡蓮には悩まされそう。というか、これからは睡蓮からぐいぐいきそうだな。理解できない思想言動でもって、がっつんがっつんきそうだな。はたして四葉はいかほどに振り回されるというのか。睡蓮よりもむしろ四葉の苦悩が深くなりそうな展開に期待させられます。

『ねことちよ』

すっごいほのぼの。最高だと思う。

茶碗蒸しを作るくだり。ねこが卵ちゃんと割れたの、これ快挙だ。そして蒸し器を説明するところ、湯気のこといろいろ説明しようとするんだけど、まるで通じてないの、こういうところもいいんですよね。

おいしかった茶碗蒸し。というか、山盛りごはんを喜ぶふみがいいよなあ。そして、不在でありながらも褒められるちよ。ちよが褒められて嬉しいねこ。

すっごいほのぼの。最高だと思う。

2020年11月24日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年1月号、発売されました。表紙は『夢喰いメリー』。今号をもって最終回を迎えたタイトル。堂々完結! の文字も踊ります。現界の至宝、ドーナツを手に笑顔を見せるメリーですよ。と思ったら、ああーっ、消えていってる! その周囲には、現界の、幻界の住民たちが描かれて、これら、まるで夢の、思い出の欠片たちですね。ずっとメリーとともにあった、そういっていい仲間たちだと思います。苦しいことも、つらいことも、くじけそうになったこともあったけれど、こうして最善の今を迎えることができたこと、それは本当によかった。いい表紙だと思います。

今月は新連載が1本、新作ゲストが2本です。

と、その前に。

『夢喰いメリー』

メリーと夢路の別れの場面と並行して描かれていくメリーたち幻界の住人たちが去った後の現界の様子。メリーがいったように、きっと忘れる。確かにそうなんですよ。勇魚と夢路の間にはメリーがおらず、クリスマス・イブにSTOに集まった面々も、なぜこうして知り合って、友達になったかを思い出せずにいる。なかだちとなった夢魔たちがいなくなっても、こうして変わらず友人関係を大切にしているこの子たちの様子を見れば、切なくもあり、寂しくもあり、けれどやっぱり嬉しさを感じることもあって、だからこそなのでしょう、メリーとの別れの時に夢路のいったこと、忘れないというその言葉、約束を果たしてくれたこと、それがなによりも嬉しかった。

メリーと夢路の対話に語られたこと、それがこの漫画のらしさを感じさせてくれました。ふたりの再びの出会いからの日々は響の筋書きどおりといえばそのとおりだった。この言葉が、我々は誰かの書いた物語を生きただけなのかという物語の登場人物からの問い掛けのようにも思われて、でもそうじゃないんだって、メリーが夢路が出会ったから物語が生まれたんだって、そういうメリーの言葉が、たとえ物語の登場人物にすぎなかったとしても、彼、彼女らが確かな存在として息吹とともに生きていたのだとそう主張するかのように思われて、ええ、まぎれもなく彼らはそこにいたんだって、私もそう思います。

しかし、終わりましたね。もう何年になるんだろう。余談になりますが、実はこのBlog、当初は雑誌掲載時の感想を書いていなかったのを、方針転換して途中から雑誌掲載作についても書くようになりました。それはいろんな要因、もうネタが出てこねえよとかね、あったんですけれど、実はきっかけを作ったのは『メリー』だったんですよ。ランズボロー・ノワール戦でのジョン=ドゥ呼び出し、あれにすっかりやられましてね、こういうののインパクトは単行本待ってちゃ駄目だなあ、みたいなことずっと思ってて、そこに他の要因が揃ったもので方針転換することとなった。だから、このBlogでは、極力『メリー』については書く、なにがなんでも書くと決まっていたんです。

『メリー』終わっちまいましたね。気持ちのいい、大好きなやつでしたよ、メリー。なんかひとつの区切りですね。感慨がありますね。

『アネモネは熱を帯びる』

ちょっと陰鬱さ、鬱屈を感じさせる導入。かと思ったらこの主人公、大槻凪紗はめちゃくちゃポジティブな人ですね。クールに見せて中身まで全部クールってわけじゃないってのがのっけから示されて好感触。入学した学校に関しては、第一志望ではなかった。受験に失敗して、いうならば望まない進学だった。と、ここでもまた鬱屈を感じさせたと思ったら、この状況にもメリット見出して、ポジティブに捉えなおしていこうという。

これ、前向きでいい傾向だと思う反面、どこか無理して飲み込む理由を見つけようともしているのかな。どうしても飲み込めないようなものが出てきた時、それでもポジティブであろうとするのだろうかな、この子は。

健全に見えてある意味不健全にもなりうる、そんな側面を思ったところに、まさにその飲み込みがたい存在が現れるのですね。うまいわ。過去、この子が受験に失敗した要因を作った子が現れた。ずっと休んでいた子。はじめて出会う同じクラスの隣の席の女の子。

小宮山茉白。

凪紗は忘れもしなかったんだな。受験会場へと向かう途中、倒れていたこの子を見つけたことで試験を受けることができなった。挑戦することさえできなかったという苦い記憶が拭えずにいるんですね。

そんな凪紗のわだかまりと、表面的には明るく振る舞う茉白の抱えている鬱屈が保健室でぶつかり、変質しうる、そんな可能性を感じさせた初回のラスト。ふたりの関係のはじまりで、変わりゆく、その第一歩かも知れないと思わせてくれた最初の山場でした。ああ、やはりここでも凪紗は前向きかも知れまんね。これはどうも根っからってやつっぽいですね。

『テンアゲ☆デーモン アゲハちゃん』

自室にて使い魔召喚の儀式を執り行う主人公。おどろおどろしい悪魔を呼び出すつもりだったのに、出てきたのはギャルギャルしい見習い悪魔のアゲハで、というんですが、ここからの展開、ちょっと驚いた。主人公、ミサは悪魔崇拝とかにかぶれてる中二病的ななにかかと思ったら全然違うの。そうか、この世界、普通に魔女とかが存在してるのか。母も魔女、娘のミサも魔女。だからめちゃくちゃ理解がある。当たり前みたいに朝食食べてるアゲハ。アゲハのペースに巻き込まれ気味のミサを見て、アゲハと一緒になってわいわいやってる母がもう最高で、お母さん、シコいはやめましょう、そういうこというのはやめましょう、いい大人なんですから。

アゲハのキャラクターがよかったと思います。基本明るくて、能天気で、後先考えてないみたいなところがあるんだけど、情に厚く、からっと、さらっとベタつかない、そんなところがよかった。学校で居場所のなかったミサのことも、売り言葉に買い言葉みたいになっちゃったりもしたけれどもさ、なにを置いても探しにきてくれたじゃん。ミサもひねくれちゃってるところあったけど悪い子じゃなかったしさ、アゲハもいい子だしさ、このふたりが互いに素直になるくだり、あれはよかったと思います。シンプルだけど、ちゃんとふたり向きあわせて、最後に残ったと思われた問題もさらりと解決してくれて、これ効果的! いいまとまり方していたと思います。

で、アゲハ、魔術の使いどころがいいですね。ここぞという時に使うのん? 人心に働きかけて惑わす。なるほど悪魔ですな!

『漁師の孫』

これは後編が必要では!? 卒業後の進路、自分の将来について、なにも思い描くことができないでいる藍海の心情に触れようとするかのような漫画です。漁師をやっている祖父の姿を見て育って、小さなころはかっこいいと思っていたけれど、今はそうは思えない。そんな屈折した年頃の、先のことも、今のことにも、迷ったり、思い悩んだり、焦ったりと、そんな心情に触れていくのだろう、そう思っていたんですね。

学校で友達からいわれた、漁師を継げばいいのではという言葉にモヤモヤしている藍海。だからといってありたい自分の姿も定まっていないし、でも漁師はないな、絶対ない、とりあえずこの家を出よう、そう思った矢先に祖父からいわれる漁師の仕事を継いでくれという言葉。このコンフリクト、さあ藍海はどんな答を出すんだい!?

と思ったところで終わられちゃあ消化不良ってやつですよ。さあさあ、藍海さん、ボールはキミに渡された。ここでなにを思い、どんな答を出そうかってところに、あなたの物語は描き出されるんですよ!

これ、前後編の構成ですよね。漫画自体は悪い感触じゃなかった。実際、物語はまだまだこれから。だから、ほんと、後編お願いします。

2020年11月23日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、昨日の続きです。

『初恋*れ〜るとりっぷ』

なんでだろう、足湯列車とすっかり勘違いしてました。風っこストーブ湯けむり号。あ、湯けむりのせいか。トロッコ列車に窓ガラス入れて、だるまストーブで暖をとる。持ち込みの食べ物焼いてもいい!? 芋にスルメと、結構な自由度だな。面白い企画列車があるんですねえ。

湯けむり号での鉄道旅行。計画をたてたの、そらなんですね。鉄道会社のサイトにて臨時列車を調べて、皆で出しあった条件をもとにしぼりこんでいった結果が、この湯けむり号だったんですね。列車についての情報もちゃんと下調べしてという入念さ。でも、切符をとるという時に、ちょっとアクシデント!? と思ったら、寝坊しちゃった、え? それでひとり分チケットとれなかった? と思ったら、指定席券の発券開始時刻を勘違いして助かったというの、これうっかりが幸いしたケースでありますね。

4人がけボックス席ばかりの車両だから、5人組だとひとりあぶれるんですね。それでそらがひとり通路をはさんじゃってひとりぼっち? と思ったら、琥珀が代わってくれた。そうか、撮り鉄だから、なんでもかんでも撮影したいから、ほとんど席にいないんだ。この適材適所感? 面白い。皆それぞれに楽しみようがあるんですなあ。

そらが前向きに鉄道趣味に取り組んでいる、皆が楽しそうにしているのを見て喜びをかみしめている、そんな様子に、この子、前進してますね、成長が感じられます。広い視野持って、これまで以上に多くのものに触れて、知って、伸びやかにあれる、そんなこの子の姿に嬉しさ感じたのでした。

『みわくの魔かぞく』

まい、えらいこと積極的に! 授業に出てこないミラに不調を察して探しに出るまい。そうしたら吸血鬼の人格が出たミラが、廊下で倒れてるという異常事態。ミラに戻せなくなったとのこと。とりあえず人気のないところに移動して、吸血鬼さんを休ませて、というんですが、この人が欲している血を自ら与えようというんですよ。血じゃなくてもいい、汗でも涙でも唾液でも、血に近いものならなんでも、そういわれて動いたまいのその思いきり!

これで吸血鬼さんがひっこんだのは、満足したのか、狼狽したのか。まいは全然気づいてないけど、吸血鬼さん、相当の入れ込みようだもんな。吸血鬼の人格が抱いているまいへの思い。またミラのまいへの気持ちなど、このあたり結構な複雑さありますよね。

今回のトラブルは、ビーの助けあって解決。でも、ミラ、魔界に帰るの? この言葉の真意、一時帰国とかじゃなくて? ええ、なにかしら大きな動きになりそうです。となれば、まい、ミラ、吸血鬼さん、それぞれの思い、なんらかの決着ないしが見られるのでしょうか。

『私を球場に連れてって!』

胴上げは危ないのでやめましょう! と思ったら、皆がすっと身をひいていったの、めちゃくちゃ面白かった。うん、危ないし……。

ホームでの優勝がかかるキャッツ、ファルコンズ3連戦。3連勝すればホームで優勝、ひとつでも落としたら優勝はおあずけ。キャッツファンとファルコンズファン、それぞれの思いが交錯しますなあ。というか、ファル子、無茶な約束はしたらあかん。苦笑しつつたしなめるタマが本当にいいやつです。これ、本当に3連敗してたらレオナに強要されてましたよ?

今回の主役はファル子でしたよね。初日の負けで幼児化するとか、2日目にはもう直視できないとバイトに徹してるとか、とにかく挙動不審が目立って、かと思ったら、最終日に勝った時のあの笑顔! 嫌がらせで元気にならんでくださいよ! というか、この子たちの煽り煽られ。よっぽどです。コアな野球ファンの行動ってほんとにこんな感じなんですかい?

ホームでの優勝を逃がしてダメージ受ける猫子がおかしかった。祝勝会会場、8歳のあなたが押さえてたの!? しかも焼き鳥居酒屋!? 小学生のチョイスじゃないから! ほんと、この子たち、見た目は子供、見た目は女の子だけど、中身はおっさんだよな。いやもう、よっぽどですよ。相当ですよ。

2020年11月22日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、昨日の続きです。

『のむラリアット!』

前回、結構感動したのだけど、星のピンチに助太刀するべく立ち上がった桃ですよ。やる時はやる! そう思ってたのに、ああー、またリングにあがる段階でボコボコにされてるよ! しかも、星もろともにつぶされて、桃、ヒーローになりそこねたなあ。ほんと、静かに登ったらバレなかったんじゃなかったのかな。駆け引きというか、なんというか、そのへんがまだ下手なんですなあ。

その分見せ場をしっかり作ってきたのが翼で、相手校、美門を相手に見事な攻防見せるのですね。やっぱりこういうアクション、すごくうまく見せますよ。コマを徐々に大きく、カメラワークもどんどん寄っていって、決めゴマに迫力を集中させる。相手を返してからコーナーに登りボディプレスに入るくだりも、小さなコマに何段階にも分けた動きを無理なく収めて、そしてやっぱり決めゴマに大きなアクセントをつけていく。こうした動きを無理なく描くの、人間ふたりの組みあう様子をわかりやすく伝えるの、相当難しいと思うんですが、それを無理なく丁寧に成立させているの、毎回ですがものすごいことだと思っています。

そしてみるくの動き。翼でさえ、一コマに2段だったのが3段入ってる! 攻撃をかわして脇から背後に回るその動き、うわ、これは取った! そう思ったら、相手のさらに上手であったこと、実に鮮やか!

この漫画、試合の運びがきれいに描かれて、それがわかりやすくすとんと入ってくるものだから、ともない試合後に描かれる選手たちの気持ちのいろいろ、それがよくよく伝わってくるんですね。悔しさにいきどおる美門。負けてもいい経験だったと素晴しい笑顔見せる桃。そしてフォールされたことに責任感じて涙をこぼすみるく。それぞれの思うところ、充実を感じさせて見事でした。いい試合でした。

『エンとゆかり』

魔術師修行をするアメ。この子にとってどれだけゆかりが大切か、ゆかりの存在がアメの心の大部分を占めているか、それが全力で描かれた、そんな回だったと思います。

魔術を使うにあたり、様々な方法がある。魔術の師匠にどんな気持ちを込めているかと問われたアメの内面が描かれるところなど、本当、この子、ゆかりが大好きだな! 独り占めしたいね? でもできない。ゆかりはいろんな人を認めて、関係の輪を広げて、ともない世界も広がって、と、それで寂しさや妬ましさを感じる、その鬱屈こそがこの子の魔術の源泉か!

しかしそれで壁をぶちぬくとかね。この子はこの子で有望なんだろうなあ。ややこしい子ではあるけども。

ギルドでの修行を終えてからのこと。ゆかり、エンと出会って、やべえヒーラーとも出会って、それでゆかり、エンの住まいにてお泊まり回。ここにいたるまでのアメの思ってること、それがしみました。これまでゆかりだけでよかった、ゆかりだけがよかった、そんな子だったのが、ゆかりもいて、エンもいて、チリもいて、そんな関係の広がり、興味の広がりがこの子のうちにもあったこと。それが示されたことがとてもいいと思える描写でありました。

『150の恋事情』

蓮との関係を問い詰めてきた女子。蓮のこと狙ってる女の子なのーっ!? と思ったら、全然違うんじゃん! びっくりしましたよ。すわ修羅場なのか。案の定誤解をまねくこといいだす依恋に、火種だ、引火だ、爆発だ、と思ったのに、違うじゃん。むしろこの子は興味津々、面白がって首つっこみたがってただけじゃないか。

この子、江戸川柊子。蓮の幼馴染みで恋愛強者である模様。恋のキューピッドなるふたつ名を欲しいままにする柊子。本物のキューピッド相手にいい度胸だ! といいたいけれど、実際、本物の依恋よりも成績よさそうだものなあ。依恋よ、頑張れ。

とりあえずこれで主要人物が全員揃ったって感じなんでしょうか。依恋とおつじのやりとり、おつじの苦労が身に沁みる。柊子に関しては、身バレの危険さえ感じるということで距離置きたい依恋だけれど、これ、きっと、いずれ踏み込まれるだろうなあって予感がする。

それはともかくも、依恋のおつじへの信頼、親愛、そういうのが表されたところ、それを受けたおつじの表情。とても素敵でした。ふたりの関係こそがこの漫画のメインであると思わないではおられない、そんな名シーンだったと思うんですよ。

『しょうこセンセイ!』

翔子、奈央、小夜の3人で祝うクリスマス。プレゼント交換をするっていうんですが、おませな小夜と実用一辺倒? 色気もなんもあったもんじゃないそこらのダンボールそのまんま使う翔子との対比やすさまじく、いや、翔子、それはそれで面白いと思うよ。わりとそういうの嫌いじゃないよ。まあ、プレゼントには素っ気なさすぎるとは思うけどさ!

よくできた女子である小夜。翔子の覚えめでたく、そこに奈央は嫉妬してるのに、翔子、まったく気づけてないのな! これは翔子の幼なさとかそういうのではないと思う! だってさ、奈央も小夜も翔子より下だっていうんだもんな。ある意味いい子すぎて人情の機微に疎いとでもいった方がそれらしい。そんな翔子のしくじりと、でも結果オーライなところ。よかった、奈央も小夜もいい子たちだった。

奈央は奈央でキッズコスメとか、充分におませですよね。小夜ともよく話があって、と思ったら、翔子がついていけてないじゃん! ほんと、翔子、ちょっとズレてるところがチャームポイント。プレゼントも奈央にダメージ与えて……、と思ったら、よかった、副賞で結果オーライでした。

なんか翔子まわり、結果オーライが多いな。

サンタクロースの実在云々の話題があって、ちびっ子ふたりのためにサンタの夢を守ろうと頑張る翔子。そして、そんな翔子の夢を守ってくれる誰かの存在、これがよかったですよ。そういや、確かに、冒頭に日本にいくっていってましたね! あれ、冗談かと思って流してしまってましたよ。皆がそれぞれに、大切に思ってる誰かから夢を守ってもらって迎えた翌朝。素直にその気持ち、優しさを受け取って、疑わず喜んでいるのを嬉しく思いました。こうして夢を守られてきた翔子が、大切にされているがゆえに知らず夢の守り手としての任を受け継いで、次の世代、ったってひとつ下ですが、の夢を守ろうと思うにいたったのかも、ですね。

2020年11月21日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、昨日の続きです。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

面白いなあ! それに可愛い。今回登場のぬらりひょん、俵頭饗子のこの愛らしさ、妖艶さよ。市内に出没する無銭飲食妖怪の噂を受けて、我らが主人公山本睦子が饗子の行動を探る! その果てに知った真実は、いやあ本当に穏当、さいわいそのもので、この漫画の持ち味じゃあないですか? ほんわかするよな。気持ちがやすらいで、ほっとする。ええ、いい感触じゃあ。

いく先々でただ食いしてたのは事実なんですよね、饗子。でも、その食べてる時の表情がこれでもかと福々しくって、なんちゅう愛らしさじゃあ。これ、当初はぬらりひょんの能力を悪用してるんだと思いますよね。堂々店員とコミュニケーションして、金を払わず退店していく。その足取りや軽やかに、一抹の春風を思わせる心地よさ。これ、最高だよな。キャラクターが立ってる、絵柄も可愛い、でもってやりとりが面白い。加えて、誰も不幸になってない。饗子の無銭飲食、これも理由あってのこと。甘やかされてるんじゃないよって、この子の食べてる様子が宣伝になってるからだよって、妖怪と人との共存、互いに認めて受け入れて、受け入れられてという関係もまた素敵だったじゃないですか。ええ、ほんといい話でした。

妖怪を取り締まる夏生に対しても、あれ? まさかのおごらせチャンスなんですかい!? ほんと、ここからの展開、おかしくってたまらなかった。気づいたらファミレス、疑いかけてすまなかったお詫びにここの支払いは持とうからの注文ラッシュ。さらに最後にテイクアウトのピザとくる。めちゃくちゃ面白い。コミカル、チャーミング、最高でした。

『今日の授業は恋愛です!』

恋愛科からの脱出をはかる主人公、さがり。この子をめぐるかけひき? いよいよ火蓋が切られましたね。飛び級少女のこみねも、当初こそは反発を見せたものの、すぐさまぐっと距離詰めはじめるし、なとせも堂々さがりとカップルになると宣言してくる。それぞれのキャラごとに、カップルになろうというアプローチの仕方、違うのが個性感じさせていいですね。基本ぐいぐいいく3人と、ひとり消極的なしらべ。姿勢にも違いがあって、でもしらべはすごいのね? 興味は薄いが技術はすごい系の人なの? 無意識にやっちゃうさがりと、意図してしかけるしらべみたいな、ある種似た傾向で、でも現れようが違うみたいな対照的なふたりですね。

今回もりっかがヤバくていいですね。この子が正ヒロインと思ってるんですが、最近のこの手の一対多関係って、誰が正とかないんですよね? ということは、誰がさがりとのカップル関係を勝ち取ってもおかしくないわけか。あるいはなんかの特例で、全員とでもいいんじゃないかな? うん、さがりはハーレムを築くべきなのだと思います。そしたら私が喜びます。

りっかたち4人は中等部からの関係で、それゆえ誰が余りとかそういう事情も熟知している。いや、いやいや、4人いるならそれでカップル2組作れるじゃん。なのにそうしないというのは、それだけの理由をそれぞれ抱えていそう。そして今度は、期待の星、さがりの恋愛科脱出希望を知らされて、やばい、やばいよりっかさん、ヒロインらしからぬ表情になってますよ?

これは一波乱おこりそうですね。わくわくするな。とりあえず、さがりの狼狽から次の一手、どうくるのか楽しみですよ。

『社畜さんと家出少女』

皆で一泊二日の旅行ですよ。まだちょっとかたさの見えるユキを打ち解けさせようといろいろ工夫してくれるアオがいいですよね。というか、アオ、ちゃらんぽらんな印象があるけど、ホドの内心しっかり見通してるとか、いろいろ有能。今回も、頼りになりそうで頼りにならないところ見せつけて、でもそのゆるさ? いきあたりばったり感が緊張をやわらげてくれていたように思います。

そしてユキの活躍? いろいろ調べていたというそのリサーチをもとに、あちこちを巡る。そこでのユキのモノローグ、旅行を楽しみにしていたって、その気持ちがほころんでいく。海に感動して、アオが海にはまって、山に登って、動物にほっこりして、アオと打ち解けて?

この一連の描写がとてもよかった。ええ、ユキがちゃんと楽しんでるなって、その姿が見られて嬉しかった。そしてまだ旅行は終わりじゃない! ええ、これからもまだ楽しみが続くのかな? ハプニングなんてないよね? 楽しみの予感にどうしようってユキを見守る皆の視線が優しくて、これもまたよかったんですね。

『瑠東さんには敵いません!』

これ、面白いな! それに可愛い。街に、書店に買い出しにいったらば、そこで瑠東さんと出くわしてしまった和村ですよ。全力で気づかないフリするんか! しかも、待ち伏せとかしてないよねって警戒するのな! オタク気質の和村と一般人寄りの瑠東、ふたりの性質? 行動規範の違いが面白い。ふらり、これ面白そうと、映画に誘う瑠東ですよ。ああ、確かにこういう見方はしないな! 下調べもこれといってしないけど、いった先でまったく知らない映画を見たりはしない。ああー、確かにこれはカルチャーショックかも知らん。瑠東、和村の割合でいえば、多分自分は7から8くらいの和村寄りですね。

映画館での和村も面白い。性質が異なる人間と関わるといつもこうだ! って、誰も和村を愛さない!? いやいや、そんなことはないよ。瑠東も読者も和村のこと大好きだよー。って、いってもいないことに反応するのはやめるとして、映画鑑賞後の語りたい和村もとてもいい。一般人、っていっていいのかわからんけど、非オタク層はこういうふうにはならないの? だとしたら確かにこれもカルチャーショック。でもカルチャーギャップではないんですね。和村の感想、気づいていなかったことの説明聞いて、映画についての感想が様変わりする瑠東。いい関係を築いていますな。ふたり、いい刺激を受けあってるのではなくって?

次のプリも面白い。慣れない和村の、なかなかポーズとかね決められないの、これ気持ちわかるわあとか、ほのぼのしながら見てましたら、最後にまさかのファイティングポーズ。しかもダブルファイティングポーズで決めて、最高やな。めちゃくちゃ面白かったです。

今回のふたり、和村ちゃん、振り回されちゃうのかなって思ったら、そうはならなかった。和村も瑠東も、それぞれ楽しそうだったじゃないですか。ふたりともに、ちょっと性質の違う友達と一緒にいることで、知らないこと、気づけないことに触れられたり、新しい意外な自分に出会えたり、そんな体験になったんじゃないかなって。それはなかなかに貴重なことだと思うのですね。

2020年11月20日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、昨日の続きです。

『ぬるめた』

くるみ、どえらいやりたい放題だな。ファストフード店にいきました。それはいいんだけど、ちあきもしゆきもはじめてなのか。食べるのがじゃない。店に入るのがはじめて。それで注文をくるみに任せたら、期間限定だなんだ、次から次に注文しちゃって、でもそれでも全部食べられるってんだからすごいよな。くるみにつきそっていたさきながまるで歯止めにならない。いいコンビだと思います。

動画サイトで食べまくる動画いけるんじゃないか、小さくてかわいい大食い女子っていうの、さきなの着目もさすが、これ、確かに売れそう、人気になりそうです。で、その食べてるところ、これがほんとに可愛くて、ちあきの親馬鹿補正を割り引いても充分以上の愛らしさでした。うん、これは人気出るわ。実際、クラスの子にも盗撮されるレベル。

今回のくるみの、もう終始しあわせそうにしてる様子が素晴しい。でもって、さきなにお礼いうところね、なんだろう、しみじみする。なんだろう、今この時ならではのキラキラした日々、なにをやっても楽しい、そんな頃の輝きがまぶしい。ほんと、改造人間とかそういうのまるで関係なしに、マイペースに話してやいのやいのしてる、それだけのことが本当に楽しそう。いい漫画ですよ。

『ホレンテ島の魔法使い』

今回、作画リソース、ものすごくない!? あむの発案がついにこの舞台に結実して、いよいよその幕があがった。でも、この舞台に魔法を持ち込んだものがいて、もう見過ごせないと動き出すじいさま。それはいいんだけど、部下がボヤッキーとトンズラーなの!? 舞台裏では、上演阻止を目論む勢力と、この舞台を餌に秘密を知るものを釣り上げようとしていた勢力がぶつかりあってもうてんやわんやだというのに、舞台では入れ替わり立ち替わり演者が歌い、舞って、なんだあこの情報量! その歌に込められたろうメッセージも加わって、これ、ちゃんと整理してやらんと把握しきれんぞ!

いろいろ思惑が交錯して、ジさまの命令どおりに動いているように見えるユシャさえも、なにか隠した目的を持っていそうと感じる。混乱し困惑しつつも、翻弄されるままに読み進める、こういう楽しみ方は連載を追っている今だけのものだろうなあ! ああ、この展開をひとまとまり、ひと続きに単行本で読めたらきっとすごく面白い、そう思いながらも、今の情報量の把握にあっぷあっぷしながら感情フル回転で読んでいるこの感覚こそもまた楽しさであり面白さだ、そんなことも思うのですね。

いやまあ、しかし、美しい画面の連続。目にも鮮やか、魅力的。持っていかれますね。誌面狭しって感じののびやかさ、素晴しいですね。

『ななどなどなど』

ななどよ、あなたはなにを考えてなさってるのか。最近不調。ボーッとする。ウイルスかなんかの類じゃないのか、皆で話しあっていたら、ななどが白状するんです。コンビニのトイレで拾ったUSBメモリをぐさーっと自分に挿してみたって!

あの、一気に危機感増し増しになる3人娘がすごかったですよね。実際、これ、出所不明のUSBメモリはかなりヤバい。危険なプログラムを相手方に送り込む時に、駐車場とかにね、ぽろっと落としとくの。そうしたら好奇心に駆られた今回のななどみたいのがぐさーってやっちゃって、もうこれで侵入成功ですよ!

と、そんなのはどうでもいい。問題はななどですよ。相当な発熱。冷却シートやらなんやらで頑張って冷やして、でねこのときの小町ちゃんがね、ほんと健気なの。ななどが初期化されちゃうんじゃないか。データなくなっちゃうんじゃないか。いやいや、クラウドかなんかに全データバックアップとかされてるんだろう? みたいなこと思いながらも、ななどの危機、小町のいつにない献身に、もう泣けましたね。ななどが小町にとってどれほど大切な存在になっているか。それがよくよく感じられたエピソードでした。

しかし、ななど、この子のシステム、汎用のOS使われてるの? てっきり茶々様お手製のスペシャルOSなんだと思っていました。そして今回のラスト、このみ! このみがーっ! これ、あれじゃん、ホラー映画とかの定番パターンじゃん! ほんと、これ、次回作に繋がったりするん!? するん!? いや、でも多分、このみ編は描かれなさそうですね。予想に反して描かれたりしたら、それはそれで大感激でけどね!

『いのち短し善いせよ乙女』

なんと杏エリカ、大活躍だ。なんせ冒頭のハロウィンスペシャルがもう可愛い。

さて今回の乙女の善行は、嘘ばかりついてる女の子、狼少年的な子をいましめるでもなく、追い込まれたところに介入して助けようというものでありました。恐怖の大王だなんてとでもない嘘をいいまくってたら後に退けなくなってしまった。適当な頃合いで新しい嘘でうやむやにしちゃおうと思ってたのに、そんな悠長な状況ではなくなってしまった。

ああ、この窮地に陥ったことでこの子が反省したらいいですよね。でないと、大人になっても嘘ばっかり振り撒いてるろくでなしになっちゃうぞー! とか思ってたんですが、まずこの窮地から救ってくれる誰かがいてくれないと話がはじまりません。ってことで乙女大活躍。さらにエリカがその天使パワーでもって乙女の嘘に信憑性を与えまくってくれちゃって、ナイスなコンビネーションだよ。ほんと、いつにない協調関係に、すまん、杏エリカ、こないだいってたエリカがいない方が乙女の善行スムーズに進行するよねっての撤回します。いやあ、いい友情でした。友情? ほんとに?

狼少女の須応ゆえ。この子がどんだけ懲りたかは別にして、ちゃんと反省できそうですよね。こういうこらしめるでもなく、ピンチに助けにはいりながらも、やっぱり反省うながすというの、乙女いいやつ! ほんと、教訓話になりすぎないで、けれどちゃんといましめになってる。いい話でした。

2020年11月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年1月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年1月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。ここは甘兎庵? 千夜に招き入れられるその先には和装のココアとリゼがいるのですね。いつもとは違う雰囲気、とはいえ、ちょこっと舌を出してるココアとか、どうしてもいつものココア感が出てしまうわけですが、頭にあんこを乗せてるの、このへんいつもと違う感? ココアの顔を覗き込んでるみたいなあんこがおかしいですよ。おしとやかリゼとかね、髪にはティッピーのアクセサリー飾りまして、とても素敵なお嬢さんに仕上がっていますよね。

今月は新規ゲストが1本です。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい』

お、はやりの悪役令嬢もの!? と思ったら、な、なんか違うぞ……? ここは小学校。悪役令嬢を自称する桔香嬢が大見得切って登場するも、クラスはシーン、桔香はぽつん。ひとりぼっちのこの子の焦り。いったいどうしたのかと思ったら、そのキャラクター、今日からなのかい! いやもう、泣くほどならそういうのは諦めて、静かに落ち着いて地味キャラ追求していけばいいじゃないか。

クラスでも地味な少女、桃虎絃に狙いを定めて、桔香、いろいろアプローチかけていくんだけど、この空回りよ! 見ていてつらくなる! 実際、絃からも痛いといわれてしまって、うん、そうなんだよ、将来振り返った時に転げまわることになるよ、桔香さん。映画に感化されてその気になったのはわかったけれど、根の優しいあなたにはこのキャラクターは向いてない。

いや、向いてないからこそ憧れたのかも知れませんね。

自分にないものを物語の悪役令嬢に見出して、三船桔香は悪役令嬢に憧れるようになったのだ! それはかっこよさ? 自分にはなかなかできない我を押し通すこと? それらはおいおい語られるようになるのかも知れないけれど、新しい自分のありように夢見て、空回りながらも、絃にいいように使われながらも、時には威圧されながらも頑張る桔香。

うん、向いてない……、向いてないよ……。

ある意味、絃がつきあってくれるの、これ、桔香にはいいことなのかも。少なくとも絃は酷いことしなさそうだし。と、ちょっと安心しながらも、でも桔香の行く末、大丈夫なのかなって。ええ、到底悪役には向かない素直さなんですものね。

『ご注文はうさぎですか?』

学校でマヤ、メグと再会したエルにナツメ。チノとも再会すべく、チノの働く喫茶店を探っているのだけど、マヤとメグが教えてくれない! なぜ!? と思ったら、ちょっとした嫉妬心。ちょっともったいぶってるのも可愛いですよね。

今回、エルとナツメ、ふたり別行動してのチノ探し。その途上で、エルは甘兎に、ナツメはフルール・ド・ラパンに辿り着いて、思わぬ才能!? 千夜とのシンパシーを発揮させるエルとか、そして意図せずマヤを褒めまくって赤面させまくるナツメとか、このやりとりの面白さ。これは魅力的でした。

と、今回、ここに感想書こうと思ったの、落ちの威力だったんですよ。メグ、マヤからそれぞれラビットハウスの情報を得たふたりが来店したらば、そこはまさかのバータイム!

チノとの再会!? と思ったところからの、静かにパタンと間違えましたの展開、落差にもう笑いがこみあげてしかたありませんでした。

この誤解。次回には解消されるのかな? だとしたら感動の再会は次回におあずけですね。

『こみっくがーるず』

今回はミキの心情にこれでもかと迫って、その気持ちの揺れ動き、ついに到達した結論にクローズアップしていくその際の、丁寧に、ほんの小さな心の震えもとりこぼすまいとするかのような繊細な筆致に引き込まれるようにして読みました。

ミキが描かれる時は、いつだって繊細だと思う。しかも今回は、怒りんぼのミキがくりすのいってること、おべんちゃらでも気休めでもない、本当の本気でミキのこといいっていってくれてたんだって理解して、素直に自分の気持ちをあらわしていくでしょう。そのために、よりいっそうに繊細さを増して、その表情のひとつひとつが、目の運び、眉の動き、ほんのささやかな手の表情にいたるまでが、ミキの思いをつぶさに描いて、伝えてくる。

翼のミキへのアドバイス。主人公の気持ちにどうよりそうか。ミキについての幸せと最悪の展開というもの、それがここにまざまざと描き出されていたと思うのです。今のミキは、この子の決意したそれは、作者にとって自分のことのようによりそった結果なのでしょうか。それはわからない。ミキの思いのいろいろは押し付けがましく迫ってくるようなものではなく、そのそばに、そっと読者もともによりそうことのできる、そんな余白を置いてくれているでしょう?

多くの人がミキのことを思って、自分のことみたいによりそえる、そんなエピソードでした。静かに、けれど圧巻でした。

それだけに、くりすの狼狽、これに助けられました。この子にちょっと引き戻してもらえた気がします。でも、ほんと、ぢょきん! って! この狼藉、この騒動、どうなっちゃうのか。どんな結果になったとしても、ミキにとってくりすが助けや支えになってくれたらば、そう願うばかりです。

2020年11月18日水曜日

Real VR Fishing

 Real VR Fishing』の話題は昨日でしまいにするといったな。あれは嘘だ。

いや、昨日の記事を書いてる時点では本当にそれでしまいにするつもりだったんです。ですがちょっと状況が違ってしまいまして、それはですね、昨日の夜半、寝る前にちょっとだけと思って釣りに出たらですね、釣れてしまったんですよ。釣れない釣れないといっていたアイツ。このゲームにおけるラスボス的存在。そう、サメが釣れたのですよーっ! うひょー、マジかよー。いずれ釣れるとは思っていけたけど、それが今日とは御釈迦様でも気がつくめえ。いやもう、かかってから釣り上げるまでの時間、緊張しっぱなしの全集中。長男だから頑張れた。

和名ではイタチザメですが英語ではタイガーシャーク。イタチとトラではイメージ的に大違い。だってね、イタチザメって聞いたら、それこそネコザメみたいなの想像しちゃうじゃないですか。小動物的といいますか、小型でチマチマ魚食ってるみたいなイメージで、イタチかあ迫力ねえなあ、とか思ってたら、これがもう大間違い。調べてみたらですね、ホオジロザメに次いで人に危害を加えているサメなのだそうでして、文句なし、嘘偽りなしの人食いザメ。悪食でなんでも食べるってんで、漁業者にも迷惑、そもそも存在が危険。結構ヤバいやつだったんですね。

その歯が鋭いのか、ウミガメだってバリバリいくそうですぜ。それでパドリングしてるサーファーが、海面を泳いでいるウミガメと誤認されて襲われたりするそうでして、うひー、こえー。

そんなののトロフィー報酬がアクアリウムを彩るウミガメってのはちょっと皮肉だよなあ!

せっかく釣りゲーについて書いたので、思ってることをもうちょっとだけ。

釣りゲーって、もうこれでやめようと思いながらも、ついついまたルアーを投げ込んでしまうじゃないですか。これって、絶対ギャンブル的な要素が釣りゲームにはあるからだと思うんです。

釣りゲームは、まずなにがかかるかわからない。ここでギャンブル、別のいいかたすればガチャ的な要素が発生していて、レアな魚種を釣りたい、より大きなものを釣りたいという欲求に対し、具体的にできることはまずなくて、とにかく抽選回数を増やすしかないという状況がギャンブル性を持っているというんですね。

レアもの出ろー、でかいのかかれー、と念じながらキャストして、かかった時点の手応えで大物かどうかがわかるでしょう? 大物だったら、うわー! 当たったーっ! って脳内物質が出る。

そしてここで大物を取り込むという要素が加わる。大物であればあるほど取り込むのが難しくなる。釣り上げさえすればそこでサイズは確定するわけですが、仮に取り逃しでもすれば、もしかしたら逃がしたアレは自己ベストサイズだったのではないか? だってこのオレ様が逃がしちまうほどなんだぜ? ああー、釣り上げられさえしていればなあ! と思って、また投げるんですよ。

このタイトルの場合、エキスパートにすると本当にかかるまで、魚影が見えるまで、それがなんなのかわかりません。ノーマルやハードだと、どこになにがいるかっての、それなりにわかるからギャンブル感は薄まるんですけど、エキスパートはもう全然面白さが違うっていうの、このギャンブル感のあるなしもあるんじゃないかと思ってます。

今目の前に広がる漁場に当たり(レアや大物)がいるかどうかさえわからないところに向けてキャストし、抽選を繰り返すことで当たりの有無を確認していく。

でもって、サメなんですが、こいつはハズれ当たりと思っていたところに突如現れてランクアップしてくれる存在であるわけでしょう。そらもう脳内物質も出るってわけですよ。しかも取り込みが難しい。こいつさえ上げてやれば! そう思って必死にファイトする。

ああ、これだな、釣りにハマるということは……。

この、当たる! ということ、それが釣りゲームの本質なのだと思います。

2020年11月17日火曜日

Real VR Fishing

 Real VR Fishing』の話題、さすがにそろそろしまいにしようと思います。ということで、今日は、こうだったらいいのにな、よかったのになということをざっくり書いていきたいと思います。あるいは、こんな風になると思ってたのに違った! みたいなところも。ゲームとして割り切ってあえてそうしてるんだろうな、いくらリアルだっていってもおのずと限界だってあるだろうしな。いろいろ思いながらも、それでもやっぱりこんなだったらもっと最高だったな、みたいなことを書けたらと思います。

このゲーム、最初の釣り場は漢江なのですが、川縁からの釣りなので当然目の前180度が釣りスポット。後ろを向いたら街並みが見えたりして、そういうところはさすがにVR! よくできてるー。感心するばかりだったのですが、別の釣り場に移動した時に、あれー、やっぱVRったって限界はあるんだなあ! と考えを改めることとなりました。

湖沼のステージでですね、船を出すんですよ。湖の真ん中に船を浮かべて、そこから釣る。ということは……! 360度、あらゆる方向が釣りスポットじゃんよ! もうわくわくしましてね、初期値からすれば背後方向に投げてみたらですよ、あれーっ!? 糸が不自然に飛んでいくよ!? そうなんですよ。このゲーム、たとえ湖面、海面が描画されていたとしても、ルアーを投げ込めるのは前方180度のみみたいなんですね。もしかしたらもう少し狭いかも知れない。このへん、どういう理由、限界があるのかはわかりませんが、360度を釣りスポットとするのは難しいと思われて、せっかく湖の真ん中にいるのになあ! 残念! これが、ちょっとがっかりした最初の出来事だったかも知れません。

このゲームは、釣り上げた魚をロッジのアクアリウムに放して鑑賞することができます。釣れば釣るほど自分のアクアリウムが充実する! それは大変に楽しいもので、苦労して釣り上げた巨大なマグロやカジキの悠々と泳ぐ様を眺めていると飽きない。淡水水槽も、ライギョとかニジマスとか、いろいろ泳がせて、ええ、ちょっとしたコレクション要素みたいなのもあるんです。

で、なんですが、このアクアリウム内の魚、自分が釣り上げたサイズを反映しとらんのじゃないかな? なんて思っています。サイズ違いで釣り上げた同種の魚を、同じ方向、同じくらいの位置で並べて比較したわけではないので感覚でしか話せないのですが、例えば、最初に釣り上げたマカジキが3メートルちょい。次に釣ったマカジキが3メートル半。結構な差がありますよ。でも、水槽を眺めていても差があるように感じない。マグロでも2メートルから2メートル半くらいまでの差がある個体がいるのに、あんま違いがわからない。ああ、これ、きっと、サイズ差は反映していないな……。まあ、ここまでこだわっても意味ないと思うのでこれで充分なんですが、できたら差が見えたらよかったよね。

いや、ここまでいって、差をつけてますよ! っていわれたらごめんなさいだな。

釣り上げた魚のサイズは、おそらく最大値のみが記録されてるんじゃないかな。魚種ごとの釣った数と最大サイズ。もしこれが、何月何日何時にどこで釣った何センチのもの、みたいに記録されていて、しかもそれを一覧できたら嬉しかったろうなあ。

自分でノートに記録したらいいんやで? まあそうなんですが、せっかくだから記録しといてほしかったなあって、楽したいじゃないですか、思ったんですよ。

釣れる魚は、それこそ巨大魚だと1メートル近くサイズ差があったりするのですが、おそらくでかいほどシビアになっていくんでしょうな! と、それはいいんですが、釣れるのは常に成魚であって、生育途中のものがかかることはありません。このゲームにブリはいないのですが、ブリでいうなら、ブリは釣れてもハマチやツバスは釣れんのです。

そんなもん、成魚が釣れたらそれでいいやんけ。せっかく引いて釣り上げるなら、でかいのかかってくれた方がいいやん。リアルを求めてゲーム性を損なう意味なんかあるのか? ええ、これは自分も思います。このあたりは、たとえリアルといっても、シミュレータじゃない。生育具合を反映するために労力を投入するとして、それでより面白くなるのか? といわれたら、ここは割り切った方がいいだろうなと自分でもそう思います。

実際それをいいはじめたら、韓国沿岸であんなでっかいマグロやロウニンアジ、マヒマヒ、マカジキなんてかかるの? それもあんな頻繁にかかるの? って話になるわけで、リアルを追い求めて、大物はさらにレアになり、釣れるのは小型ばかりか、そもそもまるでかからないとなったらゲームとしてはよろしくないよね。

ゲーム内でのルールでは、魚をリリースすると経験値が入り、キャッチすると資金が得られます。ですが、わりと簡単にレベルは最大になり、得られた資金もほどなく使い道がなくなってしまうのは正直もったいないと思っています。

家具とか買えますが、どうせならアバターまわりに資金を投入できるようにしたらいいのに。シャツやジャケット、グローブ、帽子にサングラスなどなど、アバターを飾り自分らしさを表現したいという人は結構多いと思うんですよ。マルチプレイもできるとなればなおさら。なので、このへん、より柔軟にカスタマイズできたら、自分も含めて喜ぶ人は多いんじゃないか。などと思っています。

自分はあまり気にしていないのですが、サイズだけではなくウェイトも表示してほしいという意見を見たことがあります。実際に釣りをする人だと、ウェイトが大事だろうしなあ。

こうして、いろいろ思うところが出てくるというのは、それだけゲームが面白くて、せっかくだからもうちょっととか欲が出てきてしまうからだと思うのですね。実際、自分もこんなに遊ぶとは思わなかった。本当の釣りをするわけではないから、このゲームがどれだけリアルなのかはわかりません。でも、実際に魚がかかっているわけではないロッドに魚の引きを感じるあの感覚、クロスモーダルという現象なんだそうですが、これが体験できたのは本当に喜ばしい。

VRの面目躍如ですよね。皆にもぜひ味わってほしい! というわけで、釣ろう! みんな、釣りをしよう!

2020年11月16日月曜日

Real VR Fishing

 北米サーバ、めっちゃ話しかけてくる! 相変わらず『Real VR Fishing』の話題です。このゲームにはマルチプレイ要素がありまして、最大4人で一緒に釣ることが可能です。ルームを立てて釣り場を決めて、そこにプレイヤーが集まって釣る。船釣りならルーム主の船に4人が乗るのかな? と思ったら、まさか船が4隻ずらりと並ぶとは予想外。糸と糸がからむとかそういう要素はないので、釣り自体はひとりで釣ってる時とかわらないのですが、当然同じフィールドに他のプレイヤーのファイトの様子も一緒に描画されるから、魚がたてる音やしぶきがまぎらわしい! なので、大物とがっつり対面したい時はマルチは避けた方が無難でしょう。でも、カジュアルに釣りたい時は誰かと一緒にというのも楽しいものです。

ルームにはパスワードをつけることができるのですが、割とパスワードなしのルームも開かれていて、気楽にお邪魔しても大丈夫そうです。最初は距離の近さからアジアエリアをまわっていたのですが、皆さんあまりしゃべらない。軽く挨拶して、あとはそれぞれ自身の釣りに向きあっているみたいな感じ。まだそれほどマルチで遊んだわけではありませんが、参加したルームは英語で会話してましたね。アジアというけど英語圏のプレイヤーが多いのかな? あるいは非英語圏のプレイヤーはパスワードかける傾向が強いとかそういうのあるのかな? わからないのですが、予想していた日本語や中国語、韓国語が飛び交うみたいなアジア感は薄かったです。

マルチプレイでたくさんのプレイヤーと出会うと帽子(アバター用のね)がもらえるので、それ目当てにあちらこちらに入っているんですけど、ちょっと挨拶して、ちょこっと釣って、ふらっと出てくるみたいなことしてたうちに、ちょっと思い立って北米にも足を伸ばしてみたんです。東アメリカだったかな、ルームに入ってみたらですよ、そこにいた兄さんがめっちゃしゃべってくるの! 日本人だから英語がプアーだよ、とか説明するんだけど、大丈夫大丈夫問題ないって、いろいろ話しかけてきて、わーお、英語でのカンバセーションとか何年ぶりだろう! まいったなあ、単語がさっぱり出てこねえ。

その日は淡水で、ルーム主はニジマスを狙ってたみたいですね。自分にも当たりがきて、ニジマス、結構動きますな! 右に左にと動くニジマスの動きについていくべく格闘していたら、まったくかまわず話しかけてきて、ソーリー、ソーリー、アイムビジー、それだけいうのが精一杯。でも、ちょっとしたアクシデントみたいなもんですが、こういうやりとりも面白かったです。

このゲームのマルチプレイは、ルームに入ってみないことには釣り場がわからないとか、いろいろ不便なところもありまして、Joinする前に確認する方法はあるのかな? ルームをクリックしても情報は出てこなかったように思うので多分現状ないのだと思うのですが、今日は海で釣りたいなあ、けどルームに入ってみたら河川でした、となったら即離脱? それはマナー的にはどうだろうみたいにも思うので、釣り場選びたい人のためにもルームの設定がある程度わかればよいなって思いました。

しかし、日本人プレイヤー、いるんでしょうか。まるで出会えそうな気がしません。Real VR Fishing日本人会みたいなものはないものか。

2020年11月15日日曜日

Real VR Fishing

 サメが釣れません! いや、ほんと釣れんのです。今日も『Real VR Fishing』の話題です。このゲームにおけるラスボスとでもいいましょうか、最強クラスの強敵がイタチザメ。海で釣ってると、かかった獲物をかっさらうようにしてかかってくるデカくて黒いやつ。はじめて遭遇したとき、まったく意味がわかりませんでした。軽いな、普通のサイズやな。そう思いながら巻いていたら、突然ジャンプしたその姿がサメ。あれーっ!? こいつ、最初は全然引かないのか! あまりの意外さに驚いて、でもってすぐさま逃げられたのですが、これが勘違い。ええ、突然ジャンプしたと思ったの、最初にかかった小さなやつに食いついてきとる姿だったんですよ。

このアプリ、ゲームとしての仕掛けはそんなに難しくありません。かかった魚を逃がさないよう、リールの巻きを加減してテンションを一定に保つだけ。巻きすぎるとハリが外れて逃げられる。テンションが緩くなりすぎると、またハリが外れてしまう。魚はただ糸を引っぱるだけでなく、左右に走ったりジャンプをしたり、テンションに影響する動きをしてきます。テンションを常時ギリギリまで持っていくと、奥に逃げられた時にゲージを振り切られてバレます。左右に走られたらロッドを反対側に倒して粘り、ジャンプされたら基本跳んだのとは逆方向にロッドを振ってカウンターを入れるのですが、失敗するとここでもバレます。

かかってから釣り上げるまでのアクションはこれだけといっていいんじゃないでしょうか。ただこれが難しいのは、特にハード以上で難しいのは、テンションを示すゲージが表示されないためにロッドにかかるテンションをしなりや振動を頼りに感じとらないといけないところ。でもって、おそらく、サメやマカジキなど大きくなれば大きくなるほどに、テンションオーバーのレッドゾーンが広くなっていくんじゃないか。なので、簡単にテンションが振り切れてしまう。テンションいっぱいに巻けないから、左右に走られた時やジャンプをかわし損ねた時に簡単に糸がたるんでしまう。

わかってるんですけど、それでもうまくいかんのですわ。結局マカジキも1尾しか釣れていません。

やっていればコツもだんだんわかってきます。魚が走った時にしっかり耐えきれたら魚が怯むので一気に巻きとるチャンスなんだけど、大きな獲物は3から4回ほど巻いたら、あとはゆっくりに切り替える。でないと、復活後即走られた時にテンションオーバーするんですよ。

左右に走った時に顕著ですが、走りはじめにテンションが抜けるので、ここで数回巻いてテンションをかけてやらないといけない。途中で方向転換された時もテンションが抜けがちなので、追加で巻きをいれてやるといい感じ。これ、本当は理想的なテンションを保てないのが原因だと思う。でもゲージが見えないんだからしかたない。8割キープしたいところ、多分6割前後でしか巻けてないんでしょうね。

ジャンプの時にカウンターを入れるんですが、ある程度のテンションがかかってることに加えてタイミング、もしかしたら手の振り幅も足りないと、あわせられなくてテンションが大きく抜けます。その場合はもう必死に巻いてテンションを取り戻さないとバレます。カウンターが決まると、バンって音とともに手応えが返ってきて、最大の巻きとりチャンス到来ですよ。普通の大型サイズで10回以上、巨大魚で5回から10回弱くらいは巻ける。けどサメはですね、ここ、5回くらいで様子見ないといかんのですよ。

でかい魚ほど、ノックダウンからの復活がはやい。あと、でかい魚ほど泳ぐ速度がはやい。なので対応のタイミングもシビアになるし、テンションの抜けも大きい、テンション管理も大変になります。なるほどな、だからサメやカジキは手強いのか。と、わかってもちゃんとできない、できないから釣れない。

ほんと、かなり寄せたのに、ぽろっと逃げていかれると座り込むくらいヘコみますからね!

2020年11月14日土曜日

Real VR Fishing

 Real VR Fishing』は難易度最高で遊ぶと楽しい。かかったと途端、沖へと一目散に走り出すてごわいやつを最高難易度で釣り上げることができて気分は最高。エキスパートでの釣果、最初のものと同様にライギョかと思ったらナマズだったという話を昨日していましたが、こういう挙動を示す魚、淡水ではライギョ、ナマズの他にオオクチバス、スカイゲイザーなどがいるんですね。はー、オオクチバスってのがいるのか。同じバスなら有名なブラックバスは、またこいつとは違う動きをしたりするのかな、みたいなこと思っていたんですよ。そしたらブラックバスは俗称で、オオクチバスやコクチバスのことをまとめてそう呼んでるらしいんですね! ええ、全然釣りとか魚とか知らんのです。

釣りの経験はといわれたら、親に連れられて子供の頃に嵐山でちょっと釣った程度。あとは、海辺で宿泊した時にレンタルの竿でサビキ釣りをしたことがあるぐらい。なのでほぼ経験ゼロといっていい。リールやルアーは、見たことがある、触ったこともある、けれど使ったことはない。そんななのに釣りゲームを買ったの!? ええ、リアルに釣りはやらんのですが、ゲーム内の釣りには妙にハマるんです。『時のオカリナ』ではつりぼりに入り浸り、『夢をみる島』でも延々釣りしたりしてた。『ブレス オブ ザ ワイルド』では漁法が抱きとり、というか掴みどりですよね、あるいはバクダン投げ込むとか、そういうワイルドなのしかなかったので、魚はあんまりとらなかったなあ。なんかゼルダばっかだな。

あと、私の釣り知識はほぼ『釣りキチ三平』でできていて、文庫版全巻持ってたりしましてね、最近だと『放課後ていぼう日誌』? でも実際にはまったく釣らない。陸サーファーみたいなもんですわ。

はじめてナマズを釣り上げた時は、ロッドのグレードがC、リールのグレードがAだったのではなかったのかな。これくらいだと、ほぼ限界ぎりぎりでテンションを維持する必要があって、淡水釣りでも相当スリリングな釣りになっていました。その後、資金を貯めて釣具のグレードをアップ。淡水ロッド、リールをともにAランクにしたらですね、淡水魚はずいぶん簡単に釣れるようになって、あまりの違いに驚いたものでした。これは逆に面白みが失せていないか? そんなこと思うくらい。ええ、いつバレるかどうかというスリルが面白い、そういう人は釣具のグレードをB程度に抑えた方がいいのかも、なんて思ったりしたものでした。

けれど、この感覚は海に出たらまったくなくなりました。海の魚、でかい! メートル級の巨大魚がかかれば、淡水ではちょっと得られないタフなファイトになって、これを知るとちょっと淡水には戻れないな! というわけで、ニジマスなど釣ったことない魚がいくつもあるのに、海にばかり出ています。いや、海のラスボスとでもいうべき大物、イタチザメを釣り上げることができたら気がすんで河川、湖沼にも戻るのではと思うのですが、今のところはとにかく海。とにかくデカいのに挑戦すべく毎日のようにヘッドセット被っているのです。

このゲーム、釣果によるランキングがありまして、つい先日はじまった今期シーズンで私100位以内に入っています! わー、すごいー、と思われるかも知れませんが全然そうではなく、80位くらいにつけている私が2500pt前後とっているところ、上位は2万とか3万とかですからね!? なにそれ!? どんだけ釣ってるの!? 漁師なの!?

どんなゲームでもそうだと思いますけど、上位層ってすごいですよね。暇さえあれば釣ってるのかな。ほんとものすごい。

このゲームは韓国のゲームメーカーが作っているようで、なのでロケーションが韓国の河川、湖沼、海なんですね。グエムルの舞台である漢江が第1ステージですね。漢江は夕方と夜のロケーションが選べて、多分夜の方がナマズとかがよく釣れる? いや、昼間でも釣れるからなあ。同じ釣り場でも昼や夕方、夜、雨天など、複数のシチュエーションが用意されていたりするので、その日の気分や狙ってる獲物によって時間帯変えたりできるのが楽しそう。実際の知識、どんな場所とかどんな魚がいるとかがわかったらもっと面白かったりするのかな?

とりあえず今は、わからないながらいろんなロケーション、シチュエーションを試してみるのがよさそう。なんせVRですから、どこいくのも手間かかりませんからね!

2020年11月13日金曜日

Real VR Fishing

 ちまたでは稲作がはやっているようですが、今我が家でもっとも熱いのは漁業です。いや、別に漁船出して漁をするわけじゃないです。釣りでありますよ、釣り。最近、VRで釣りをやっとるのです。

Oculus Quest 2を購入してもう一ヶ月になろうとしています。私にとってはじめてのVRヘッドセット。これでいったいなにができるのか、どんな世界が、可能性が広がろうとしているのか。ドキドキ? ワクワク? しながら、VRChatに参加してみたりビューアとしての可能性を模索していたりしましたが、とりあえずなんかソフトウェアを試してみんといかんな。そう思っていくつか試した無料のアプリのひとつが『Bait!』。釣りのゲームでした。

『Bait!』は『Bait!』でよかったんですよ。それなりに楽しんで、ひととおりのストーリーを終えるところまではいきました。とはいえ、ストーリー部分はちょっと長めのチュートリアルみたいなもんですよね。本来なら、ここから大物を狙ったり、レアな魚を釣り上げたりして、図鑑を充実みたいな方向に向かうべきなんでしょうが、釣りの部分にもうちょっと欲しいと思ってしまったんです。それはリアルな魚だったり、釣り上げるさいのアクションだったり。基本、メーターが伸びたら巻くのをやめて、メーターが下がったらふたたび巻きはじめるというゲーム。釣れる魚も、どういうポイントにはなにがいるとかそういう風にはなっていなくって、とりあえず放り込んだらなにが釣れるかは運次第。もうちょっと駆け引きとか欲しかった。

ということで、もうひとつあった釣りゲーム、『Real VR Fishing』を購入することになったのでした。ただ購入前にちょっと調べました。

参考になったのはこのBlog記事でした。見た目はリアルだけど、結局メーターやインジケーターを見て巻くだけなのであんまり面白くない。というところから、エキスパートモードにしたらまったくゲーム性が違って面白さが跳ね上がるっていうからちょっと前のめりになりましたね。このBlog主さんはかなりやりこんでらして、購入するかどうかを決めるのにかなり参考になりました。エキパートモードにしてインジケーターを消す、あとラインの色も消す。けれど自分にそれでちゃんと釣れるのだろうか。それだけが不安でしたが、慣れないうちはノーマルでいけばいいやと購入に踏み切りました。

とりあえず感覚を掴むために最初3尾ほどをノーマルで釣り上げて、そこからハードに難易度を上げました。同時にラインの色も消して、こうなると確かに難しさが全然違う。いわれるままに竿を振って糸を巻くだけだったのが、糸の張り具合、竿のしなり具合を右手に伝わる振動を頼りに推し量っていくゲームに変貌して、ああ確かにこれはノーマルじゃ駄目だわ。というか、キャスト時にソナー表示のあるハードでもまだ情報過剰で、景色以外まったく情報のない状態でプレイしてこそこのゲームの真価が発揮されると実感させられました。

とりあえずルアーを放り込んでみて、ちょっと巻いて止めてを繰り返しながら水中の状態をうかがうんです。右手の感覚に注意を凝らしていたら、ちょこん、ちょこんと魚がルアーに興味を持ったことがわかります。巻くリズム、竿先を振るリズムを細かくしながら食いつけ食いつけと念じることしばし、竿に伝わる食いついた感覚を頼りに竿を上げてアワセると、そこからは魚との駆け引きとなるんですが、これがまた難しい。

最初はロッドの性能が低いので、引きが強い魚はまったく釣れません。なので資金を貯めてロッドやリールのグレードアップをして、それでもまったく釣れない魚がありましてね、食いついた! と思ってアワセたら、ダーッと沖(川でも沖っていうの?)に向けて走っていくやつがいまして、ちょっとでも強く巻きすぎたらフックが外れる。かといって糸のテンションを弱めにしたら、左右に振られて、とどめのジャンプでやっぱり外れる。こんなん無理じゃない!? と思って、感覚を覚えるために最初の1尾をノーマルで釣り上げましたらスネークヘッドというやつ。

なにもの!?

調べてみたらライギョでした。へーっ、ライギョってこんなに大暴れするものなの!? まったくもって意外。ドロの中でじっとしてるんじゃないの?(ハイギョと混同してる?)

とりあえず感覚がわかったので、ふたたびエキスパートに戻して、何度もチャレンジした果てにようやく2尾目を釣り上げることに成功しまして、この達成感! 釣れた! という感覚は格別でしたね。いやもう、これは面白いわ。とすっかり引き込まれてしまったのです。

ちなみに引きの強いやつ2尾目はナマズでした。ナマズってそんなに大暴れするやつだったの!? 水の底でじっとしてるんじゃないの!?

VRで釣り、相当に面白いです。Oculus Quest 2を買った人はちょっと試してみてください。よければマルチプレイで一緒に釣りにいきましょう。

2020年11月12日木曜日

『まんがタイムきらら』2020年12月号

 『まんがタイムきらら』2020年12月号、昨日の続きです。

『トールさんの通り道』

ライム、この人、人じゃないけど、さすがの強さですね。騎士ケイトに圧倒された!? かと思ったら、あっさり状況ひっくりかえしちゃって、これ、敵対していたなら危なかったのでは? むしろ今は友好的だから魔族がなにを目標としているか、かつてどんな世界を目指そうとしていたかなどなど、世界の秘密? 歴史について教えてくれて、その上、ケイトたちが必要としている原石までくれたっていうんだから大サービスです。

しかし、この世界の人たち、日本語を話していたんですね。そうでした、リセと普通に言葉が通じていましたね。その理由も判明して、いよいよといっていいんでしょうか、なにか核心に迫っていきそうな予感がしています。というか、リセの一旦帰国やユウの身に刻まれた印、加えてサラとサラに指示を出す魔王代理のサイド。これら、個別に動いていくとは思いにくいですよね。いずれなんらの関わりがあることが判明する、あるいは持つようになると思わされて、いずれにしても剣呑。ここでトールがいかなる役割を担おうというのか、それも気になるところでありますね。

『さかさまロリポップ』

柚希、今日は留守なんですね。学校の泊まり行事で留守にしているのですが、宿泊先でやたら詩月のこと心配している柚希が面白い。柚希の代わりにといって家に泊まりにきている穂澄、この子にお姉ちゃんの座を取られちゃうよっていわれて焦ってみせたりね、どこまで本気なのだい? わかんないんですけどさ、穂澄は穂澄で姉っぽく振舞いたかったのにうまくいってなかったり、この双方どちらもあたふたしたりしてるのが面白くって、で、肝心の詩月はというと伸び伸びして余裕なんですよね。

観葉植物の中村ちゃんとか、これまでを知っていると面白い要素があってなんか嬉しいですね。でもって、夜、姉サイドと妹サイドで写真のやりとりするとかさ、こういうのも楽しくて、外泊で直接会えないのは寂しいかもだけど、こういう普段とは違う交流ができたのはまたいい思い出になったんじゃないかなって思えるようなよさありました。ええ、やっぱり詩月、余裕ですよね。怖るべき子でありますよ。

『下を向いて歩こう』

シエルから預かったウランガラスを海に落としてしまった! 早朝、潮の引くのを待って、ひとりガラスを探そうと海岸に降りた硝子、そこをシエルに見つかってしまったっていうんですね。なんでこんな時間に!? 互いに問うのだけど、その理由がつらい。硝子はシエルのウランガラスを落としてしまったことを告白して素直に詫び、シエルは責めないんですけどね、でもそのこともまたつらいよね、硝子。

ふたりで夜明け前のビーチで探し物をする途中、シエル側の告白があって、白浜を離れるということ、離れたくないんだって泣いてしまうシエルに、もう胸のしめつけられるような思いでしたよ。もうすぐお別れになるからと、こうして一緒に探すことも思い出になるのだと、懸命に笑ってみせるシエルがなおも涙をしぼって、そして硝子もですよ。ええ、ふたり、すっかり互いに大切な友達になりましたね。それだけに、この夜明けの光に輝いてその存在を示してくれたふたつのガラス片。ふたり、それを交換しあって、そうしたらきっと忘れないって、このくだり、本当に感動的でした。

しかし、このふたり、本当に離れ離れになるんでしょうか。なるのかもしれない、ならないのかもしれない。いや、なるんだろうな。でもこのふたりなら、きっとどれだけ離れたとしても大丈夫という気がします。

My Private D☆V

『のむラリアット!』作画担当のこんぱるです。

しかし今回、えらいのきましたよ! 「泣いて嫌がる女の子」って、酷い目は勘弁してあげてー! というわけで、『のむラリアット!』主要勢が涙目披露してくださって、怖さに怯える!? 痛みに耐える!? それぞれに、それぞれの違ったニュアンス、テイストの泣き顔。確かに力はいってるだけあって、訴える力あるよなあ!

それだけにまた思うのですよ。ほんと優しくしてあげて!

2020年11月11日水曜日

『まんがタイムきらら』2020年12月号

 『まんがタイムきらら』2020年12月号、昨日の続きです。

『夢見るルネサンス』

リーチャ、自由すぎる! 桃花の家でパーティをやるというので、お招きされたリーチャたち。ひとり桃花宅に向かうリーチャがウサギと出会ってさあ大変。もう頭の中はウサギでいっぱいになって、スケッチしたいと追い回して、おいおいこのままじゃあ穴に落ちて不思議の国にいってしまうよ? いえいえ、そういうことはありませんでした。むしろ日本のお月見、意図せずひととおり体験しちゃうっていうんですね。

ススキの茂みを突き抜けて、コロッケ屋さんからお団子をわけてもらって、そして店長さんと一緒に月を眺めて。月見という風習を知らず、風流とかを意識していないリーチャですが、そのかわりに月明かりを頼りに絵を描いていたルネサンス時代を思い出すというのがね、おお大変だったなあって、ちょっと今の時代に生きているものには想像するのも難しい、そんな社会だったんだろうなって思ったりしましたよ。

そして桃花の家に到着。すごいな、桃花の家。和風の離れとかあるのか。そこでお月見の趣旨を知らされるリーチャ。あんまりピンときていないその様子が愛らしかったです。そしてウサギとも再会。なんか、いろんな要素がコンパクトにまとまってるの、こういうの好きなので、ちょっと嬉しくなりました。な〜んと!!!

『星屑テレパス』

瞬さん、なんとまあ色っぽい! さて、今回は瞬さん大活躍でしたね。モデルロケットの選手権、モデルロケットのライセンスが必要だっていうので、急遽皆で4級をとらないといけません。というんですが、瞬が3級所持者。しかも指導講師ライセンスまで持っていて、瞬さん有能すぎ! 瞬の指導を受けることで部の皆、4級ライセンスを取得できるってわけよ! かくして最低ひとりの3級所持と全員の4級所持という競技規定はクリアできて……、できてというのですが、海果、えらい苦労したんだね……。エンジンの不着火とパラシュートの不展開が多すぎてっていうの、そうか火薬が怖かったか。でも、それでもよく頑張りました!

前半がライセンス取得の話とすれば、後半はライセンス取得のお祝いにかこつけて瞬の誕生日祝いですよ。といっても瞬の誕生日は2ヶ月前だったっていうんですけどね。それでもみんなで祝いたかったって。全然素直に喜んでくれない瞬だけど、それはそれで嬉しそうですよね。そしてプレゼントは瞬の好きなプラモデルで、おお、このチョイス、いつぞやのおでこぱしー! ほんと、これまでのいろいろを今のこの瞬間に繋げてきて、かたくなな瞬も押し切られるみたいにしてだんだんと打ち解けそうになってきているの、それがとても喜ばしい。いろいろと理由つけて、嬉しくないんだって、そう思おうとしている瞬の、けれど気持ちがちょびっと表情に漏れてきてるみたいなところ、いいなあって思ったんですね。

いつか瞬も、なんのわだかまりもなく素直に気持ちをあらわせるようになれるといいですね。その時には海果ももじもじしないで思ったままに思ったことをあらわせるようになるかな? ふたりともに、少しずつ進んでいけるといいね。

『しすぱら!』

みみたん! その距離は膝壊さない!? いや、毎日10kmランニングなんていうからさ。たくさん食べてたくさん動く。さらにはどの教科においてもそつがなく、まさしく文武両道。今日からココと一緒に学校に通うことになったみみのことを若干心配していたココだけど、もう全然心配いらなかったよね。というか、むしろココの方が心配よ。あまりのいたらなさに自己嫌悪するココの姿が痛く胸に迫って、おおココさん元気出して! でもそんなココのいいところ、才能? それがきっちり描かれたの、嬉しかった。とはいっても、ココ、自分の長所、能力にはとんと無自覚なんですね。ああもったいない。気づいて活かせればいいのに!

ココの無頓着、どうも自分の長所に対してだけみたいな感じですよね。みみのことによく気づくのはこの子の場合当然として、自分の過剰な行動にぎりぎりでストップかけるところや、なにかしゃべろうとすればみみの話になってしまうの気づいてるところを見るに、わりとしっかり自覚してるんですよね。姉についても、ちゃんとよく見て、感情に流されず、しっかり公正に評価してるでしょう? 

ちょっとみみたんがらみとなるといきすぎるきらいはあるけれど、いろいろ気づけるところ、人のよいところを見出せるところ、これはココの長所でありますよね。そういうのがちらほら見えた今回。ココに対する好感、より強く感じられるようになる、そんなエピソードだったと思います。それだけに、ココが自分のよいところにもちゃんと気づけて、いつしか自信を持てるようになってくれたらなって、そんな思いもしたのでした。

2020年11月10日火曜日

『まんがタイムきらら』2020年12月号

 『まんがタイムきらら』2020年12月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

朝も5時から鳥見ですか。明け方から活動しはじめる鳥にあわせて人も早起きというのですが、すごいなすずさん、さらに1時間はやく、4時にはここにきてたんだ。どれだけ楽しみにしていたか、これだけでもわかる。この好きになったら、興味を持ったらもう止まらない感じ、これがいいですね。

この漫画、見せ方も工夫して、四コマ漫画としてやりとり見せて、お話展開するところがあれば、情景を伝えるために四コマの形式崩してくれてるところもあって、また登場人物の表情や注目ポイントを印象的に見せようと、コマから大きくはみださせて描いたりね、こういう少しずつの積み重ねが状況とそれにともなう人の感情を印象的に、鮮やかに伝えて、よいアクセントをつけてくれていると感じるのですね。

基本情報量の多い漫画です。言葉でもって怒涛のように伝える翼の情熱もありますが、対照的に言葉少なめに絵や会話でもって表現しようというところもあって、そのあたりバランスがよいと感じます。

そしてこうした工夫を持って表現される鳥のこと、さらには登場人物のいろいろ。今回は3人それぞれの個性? スタイル? その違い描かれて、マイペースなひなさんですよ! いやもう、それでも鳥に興味のあることはわかります。すずや翼とはちょっと重点置いてるポイントが違う感じがしますよね。この興味の幅? それもバランスのよさなのだと思います。

『ゆえに、アイドル革命!』

異世界から日本に一時帰国して、ライブを開催。ひとつの節目となるような出来事を経験したCHU♥IN GAMたちですが、一緒に帰国することのかなわなかったユメですよ。おお、全通逃してショックですか!?

帰国編では影の薄かったユメの穴埋めするではないですが、今回はユメ活躍編? 皆が消息を探しているツカサの探索を一気に前進させて、といいたいですが、これユメはただ罠にはまっただけだよね!? 異世界で、不用意に深酒をしてしまった。というか、酒に薬を盛られてたんじゃん! 中身はおっさんでも今は美少女。いやいや、おっさんだとしても充分危ないよ。というわけで、人身売買組織の手に落ちたユメを助けるために現れたのがツバサと思しき人物。これ、グッジョブといっていいのんか? まあ、結果オーライですよね。ほんと、これがきらら誌でなかったら、ユメさん、危なかったですよ。

ともあれ、これで一歩前進? CHU♥IN GAMとも再合流を果たして、ツカサと思しき人物を引きあわせることもできそう。もしこの人がツカサなら、ここからどういう展開があろうというのか。新展開に期待させられます。

『推しごとびより』

心町の幼馴染み、なるの可能性が開かれましたね。心町とともにアイドルに憧れつつも、自分にはできないと、向いていないと、距離を置いてしまっていたこの子が、心町に巻き込まれるかたちで、アイドルというものに再び触れることができた。その過程で感じたこと、またあるいは心町たちがこの子に伝えようとしたこと、つたないながらも表現してみせたなるへの気持ちとそれを受け取り応えたいと思った気持ちの出会ったことで、蓋をされていた自分の好きという思いを解放することができたのですね。

心町たちの自主ライブは、見るからにあやうくて、いっぱいいっぱいの精一杯、発展途上も発展途上だってことがきっちりしっかり描かれたわけですが、それだけになるを加えて成長していくだろう彼女たちのこれからが楽しみにもなろうというもの。なにかしらのオタクばかりが集まっていたところに、なるが常識人代表として参加というのでしょうか。化学反応が期待されたりしていましたが、なるもいうようにこの子は心町のオタク? 実は一番暴走したりするんかな? ともあれ、それはそれで劇的な反応ってやつなのでしょう。心機一転、ここからの第一歩、いよいよ本格始動といった感じがあって楽しくなってくるんですね。

『ぎんしお少々』

そば食べて頬がふくらんでるすず、かわいいですね。

さて、すずとしろ、まほろともゆるがそれぞれ姉妹であること、この時点で明らかにされちゃうんですね。はやい! びっくりしました。しろから聞かされていた情報、もゆるの姓からそうと疑ったすずに、送られてきていた写真でまほろが確認。で、ここからのやりとり、おっかしいよね。送られてきたしろの写真、それ見て綺麗な子だなとは思ってたっていうの聞いてね、自分への誉め言葉として聞いて喜んでるんですよ、すず。ものすごいポジティブ。いやもう、もゆるもいってますけど、ずっとご機嫌、なにいわれても、なにやっても嬉しそう? 楽しそう? これはすずの強みなのだろうなあ。

今回、もゆるとまほろの過去話が描かれましたね。家を出る姉。離れ離れになっちゃうことにショック受ける妹を心配している姉の気持ち。この子になにかしてあげたいと、もっと広い世界に目を向けてほしいと、その思いから選んだのがトイカメラだったんですね。入学祝いにとトイカメラをプレゼントして、そしてそのカメラがきっかけとなって、確かにもゆるの世界は広がっていった、そして今もなお広がりつつあるというのですね。

すずとまほろの間で話されていたことが、はからずしろともゆるの間でも話されていて、ああ姉の思いがここにこうして叶っていたということがわかる。ちょっと感動的ですよね。もうもゆるは、まほろが危ぶんでいた頃のもゆるではなくなっているのだなって、そしてそれはいつかしろも……。そんな思いのしたのです。

2020年11月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2020年12月号

 『まんがタイムきらら』2020年12月号、発売されました。表紙は『むすんで、つないで。』。紅葉を背景に花ノ子と白百合をパシャリと撮影! といった一枚なんですが、はるか向こう、被写界深度の大外に、つなぐがぼやぼやしながら映っていましてね、いい笑顔見せてるだけに悲しいなこれ! さらに榊姉妹に背後から割り込もうとする影ひとつ! 苺だ! 思いっきりブレてますけど、いやこちらはあんまり悲しくないな。ぐっと握りこぶしをこちらに向けた白百合と、頬に人差し指をそっと添える花ノ子と、ふたりのポーズは好対照。かっこよさ優先と可愛さ優先。でもふたりともにとってもチャーミング、いい笑顔です。

今月は新作ゲストが1本です。

『えるじぇり!』

絵瑠、天使の子。人の世界に降り立って、学校に編入。その目的はこの世に存在する悪魔を退治することなのか。けれどこの絵瑠という子はあんまりにやる気がなさそうで、あるいは自意識過剰? 修行のはずの人間界を自堕落に過ごすつもりじゃあるまいな?

と、そんな絵瑠の尻をたたく人がちゃんといるんですからよくできてます。茅野三春。先祖代々、天使のお目付役を担ってきた茅野家の娘。え? 代々お目付け役やってるの? もしかして、天使って監視役がいないと駄目なタイプが多いとか? 慣れない人間界での暮らしをサポートするとか、そういうのじゃなさそうよね? ともあれ、最初は天使と聞いて絵瑠に対してもかしこまっていた三春が、ひととおり授業が終わるころにはすっかり手厳しい忠告するようにまでなってしまって、これはあれか、幻滅とかそういうのがあったっぽい?

ともあれ、初回は絵瑠と三春の関係構築。絵瑠がここでなにをするかというミッションの大枠が語られて、お、ということは絵瑠が登校中に出会った美少女。この子の存在が気になるというやつですね。

『むすんで、つないで。』

ついにつなぐと鳥居、友達への一歩を踏み出しましたよ! ただここには苺の存在が必要で、なににおいてもにぶいつなぐに、鳥居はつなぐにあいにきてるんだよって横から介入。と思ったら、自身の行動でつなぐに反論の機会を与えてしもうてるやん! というか、つなぐさんは苺さんが自分と仲良くなりたいと思ってたらなにかマズかったんですか? 顔色、おわるくてよ?

しかし、苺、薗部の中では過去最高レベルの愛らしさだと思うんですけど、それでも謎だ不思議だ蟹の化け物だと酷いいわれよう。ミステリアスな美少女くらいには落ち着かんものですか! ともあれ謎の小学生の介入あって鳥居も勇気出せたじゃないか。しかもそこにつなぐも乗っかっていって、ふたりの思惑、完全にマッチしてるかというとどうも微妙なんですが、形式的には友人関係の第一歩を踏み出せたぞ! 人類にとっては普通の一歩かも知れないが、このふたりにとっては大きな一歩だ。ええ、思い切った鳥居のあの表情、いじらしく、それを受けるつなぐなどは花を背負ってもう可憐の化身のようでした。素晴しい。つなぐサイドにも物語が動きはじめた予感であります。

最後の一ページ、白百合の不安を知らずやわらげてくれた花ノ子。これも素晴しいですよね。ええ、いじらしい白百合にポジティブの化身花ノ子。素晴しいです。

『けいおん!Shuffle』

うどんを食べている紫が可愛い……。そんな紫を驚かせた真帆の一言、ドラムうまくなったよね。さらには楓に対してもベースがうまくなったと褒めてくれて、これどうした心境かと思ったら、ふたりはどんどんうまくなるのに自分は足踏みしている……。そんな気持ちがあったぽいっていうんですよ!

わかる、わかるわ。この焦りというか、わかるわ。と思っていたら、紫も楓もいろいろ教えてもらってたり、手本となる演奏があったりと、すわこれか上達の理由! なんでしなの先輩はなにも教えてくれないと、白目になってる真帆が申し訳ないんですがちょっと可愛かったです。

真帆としなの、根本的にタイプが違うんですなあ! ああー、モデルケースにならんパターン。Fコード押さえるコツと聞いたら根性と返ってくる。しなのの言い分も、まああながち間違いじゃないよなとは思うけど、真帆のようなタイプには、指の力じゃなくて腕の重さで押さえるとか、指まっすぐで真上からじゃなくちょっと斜めに傾けてやるといいとか、そういうアドバイスが必要なんだろうな。だけど、しなのは理屈やなんかで理解してやってるタイプじゃない。おお、このすれ違いよ。でも、まわりからしなのが悪いと責められて、しなの、ちゃんといろいろ話してくれましたね。技術についてというよりも、同じひとりのプレイヤーとして、どういう壁があって、どう乗り越えてきたのか、どう向き合っているのか。ああ、これはとてもいいアドバイスだったと思う。少なくとも、これで真帆にとってもわからない先輩から、同じくギターに向き合う仲間になったんだと思う。

しかし、それでもふたり本当にタイプが違いますよね。でも今はその違いもまた受け入れて、ごつごつぶつかりながらも、なにかひとつの道筋、結果を探ろうとするかのような……、ような? ともあれ、いい仲間になってると、そう思わせる関係に変化したのがとてもよかったです。

2020年11月8日日曜日

『まんがタイム』2020年12月号

 『まんがタイム』2020年12月号、昨日の続きです。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島監督からパーティに誘われて喜んでいた白石。だけど急遽ドラマの仕事が入って、パーティへの参加は見送り。その分、仕事に打ち込もうというのですが、難しい役と聞いてがぜん燃えたり、現場でもこれでもかという入れ込みようで見事に結果出してみたりと、こういうところが白石のかっこいいところだと思うんですよ。

今回の白石は、パーティへの参加を断わったことに若干の後悔をしたり、ずっともやもやした気持ちを抱えたりしていたけれど、最後にはそれらネガティブな気持ちを全部仕事に昇華させて、だからこそ真島はじめ白石を評価してくれる人が出るんだろうなと。ええ、最後の真島の言葉に感動していた白石。驕らず飾らず真摯なその様。途中の葛藤、悩みなど見ていただけに、むくわれてよかったと思わないではおられなかったんですね。

『ハニトラなんか怖くない!』

最終回を迎えましたよ。子供のころの約束に取り乱してしまう綾小路。山田さんのこと避けちゃって、でもそれ、気まずさもあるだろうけれど、なんか意識しちゃってるのもありますよね。

山田さんと向き合ってお話することになった綾小路。それまで逃げられたり土下座されたり、山田さんにとってはわりと散々な状況だけど、それをすんなり受け入れてくれてるの、それだけ山田さんが綾小路のこと理解しているってことなんだろうなあ。その人となり、そのやさしさなどいろいろ。

山田さんの攻勢、やっぱり偶然とかじゃなく、つきとめてもぐりこんでたんですね。やべえ。でも、そこまでしちゃうほどに綾小路のこと思っていたんだろうなあと今なら思える。ただ自分の名前、山田かれんから綾小路かれんになることにこだわってるんじゃなくて、この綾小路という人間のことが好きなんですよね。だからこそ、綾小路が山田姓になる可能性を示した時も、決して否定はしなかった。むしろ、ふたりの新しい関係について、そちらに重みの置かれた言葉を発した山田さん。そこにはね、やさしさと、おだやかさと、安心と、やっと叶ったという嬉しさと、ふたりの未来に向けられた希望と、さまざまな気持ちが重ねあわさっていて、山田さん、よかったねと、しみじみ思わされたのでした。

あいかわらずといっていいのか、山田さん、なお押しの強さは健在でありますよ。けれどふたりの関係は、これまでとは決定的に違ってしまって、ええ、見るからにしあわせそうなんですよ。綾小路よ、果報者! ええ、山田さん、よかったなあと、どうしてもそれが先にきてしまう。そんなふたりの様子が本当に素晴しいんですね。

『ご主人様!確保します♡』

お嬢帰宅! そんな概念があるんですか。普段お客をご主人様、お嬢様とお迎えするメイドが、自身お嬢様として来店することをそういうんだそうですが、その店に通い詰めているものからしたら、メイドさんの私服を拝めるラッキーイベント! なるほどなあ! 世の中、知らんこといっぱいだ。

今日は母が非番だからとのびのびしていた心子が、急遽いつも以上に見守られることになってさあ大変。この感覚を参観日というところ、あれ面白かった。なんだかんだで仲のいい母娘、同僚からは姉妹と思われてるみたいですけど、皆から認められる仲のよさ? 尊い認定とかね、ほんとどういうジャンルを志向なさっているというのか!? いや、私はそれでもいっこうにかまいませんよ!

しかし今回、若干のカオス。花を飾りつける時に、ナチュラルに踏み台になってる人! それで、それでええのんか!? しかもオタ芸の師匠なんかも登場してきて、愛未はほんとノリがいいよなあ。でもってそのノリで参観日にもやってくるの! オタ芸まではしなかったけど、手にペンライトが光る! このラスト、まったくの予想外で、いやもう最後まで楽しませてもらいました。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

次の町ロケは琴音の地元。というので、琴音大活躍! というか、かつての大活躍を知ることができたの、これは面白かった。琴音の元カレ疑惑とか、そっちの興味もあるみたいですが、年頃の男性、それっぽい言動にもしや? もしや!? と思っても、全然違うという。むしろ和菓子屋の跡取り息子もいちご農家の若社長? も、琴音に大恩があるといって今なお感謝を惜しまない。農協勤務時代の琴音から、ピンチの時、はげまされたり、いろいろ手助けしてもらったり、世話になっていたというんですね。

琴音が農協でいろいろ見知ったことがきっかけとなって、農業と密接に関わる天気に興味を持つにいたった。琴音の原点を知ることができたエピソード。昔から、いつだって一生懸命だったことや、気象への興味も人を助けたいという気持ちに根差していることを理解できて、琴音という人の厚み、その魅力もますます増したと感じます。なんだかさらっと語られてた感もありましたけど、いや、これ、重大エピソードだったと思いますよ!

2020年11月7日土曜日

『まんがタイム』2020年12月号

 『まんがタイム』2020年12月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。部長代理と奥さんが、ふたり一緒にワインで乾杯。夫婦の日のしあわせなのだそうですよ! 今回のイラストテーマは乾杯なんですね。『花丸町の花むすび』花子もドレスアップして、これはカクテル? 乾杯ってな感じにグラスを掲げています。『お酒は20日になってから!!』赤坂さんはお仕事? スーツ姿で片手にボトル、片手にワイングラス。自身が乾杯というよりソムリエとして登場って印象です。『テレパス皆葉と読めない彼女』澄花は未成年だからジュースですね。きれいなドレス、飲み物も胸元に控え目に、この落ち着いた感じが素敵な彼女です。

今月は新作ゲストが1本です。

『おたすけ!金魚ヒメ』

冒頭から驚き展開でスタートですよ。飼ってる金魚にヘルプを求める男がひとり。この男、漫画家なのだそうですが、お願いを受けた金魚が人に化けて漫画の手伝いするっていうんだから超展開! というか、金魚の方が漫画の才能があるっていうのがおかしい。目にもとまらぬ速さでもって、一気に36ページをペン入れから仕上げまで持っていくのか。その時間10分。これ、ペン入れだけを依頼してるのかと思ったら、次回ネームまで頼んでるのん? 驚きの有能さですよ。

これ、金魚が人になるの、この金魚だけが持つ特殊能力とかなんかかと思ったら、違うんですね。主人公ウヅキの祖父が作った薬、これで人の姿になっている。というか、あらゆる動物に効いて人に変えるとかじゃなく、金魚にピンポイントなの!? かくして薬の効能で1錠あたり1時間だけ人の姿になれる金魚のヒメ。その能力もさることながら、可愛い見た目でウヅキはいろいろ意識してるし、お爺ちゃんも溺愛しとるしで、でも世間知らずがたたって小さなチョコレートという安い報酬でもって働かされてるというんですな。これ、いつかものの価値とかいろいろヒメが知ったらウヅキ、ピンチに陥らん? ともあれ、奔放、元気で可愛い、そんなヒメの持ち味、よくよく前に出てきて、むしろウヅキは食われてますね!

『茨城ってどこにあるんですか?』

茨城の紅葉の名所をめぐります。おめかしした多恵ちゃんと、微笑みかけられてすっかり緩んでいる加藤。ああ、ふたりはついにデートに!? てなことはなくて、これ、仕事でありますか。秋の紅葉キャンペーン用の写真を撮影にきてるんですが、加藤、まさかの人手不足からまわってきた仕事に舞い上がっちゃって、あかん、あかんよ、もっとちゃんと撮って? いい写真撮ってアピールするチャンスですよ?

これ、鈴子がシチュエーションやらポーズ? キャプションやら指定してるんですけど、実際、多恵、可愛いですよね。小悪魔風なんですか? デートにきてる設定、そんな感じで向こうから呼び掛けてくるような親しさ、近しさが本当に魅力的。普段の多恵よりも、なんか割増されてる感じしますよ。竜神大吊り橋での撮影も、繋ぐ手は森戸の手でいいんですか? 一目で女子の手ってわかりますよ。ああ、女子デートってやつか。素晴しい。加藤さんは残念でした。

撮影の合間合間の、仲良しならではといっていいのかな、気楽にリラックスした感じのやりとりは楽しく、そしてそこに差し挟まれる多恵の小悪魔カット。これがいいアクセントになって、面白い。独特のリズムが生まれる? あと、可愛くしあがった多恵見てると不思議とニヤニヤしてしまう! ほんと、この子、好評だっていいますが、実際魅力的な子だと思います。その真価、今回はまざまざと見せられました。完敗です。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

笹本の発案で、超能力組に澄花を加えた4人で水族館にいきますよ。おめかししてきた澄花が可愛い! と思ったら、皆葉は全然褒めない、というか褒めどころとわかっていない。かと思ったら、水族館では普通思ってもそうそう口にできないようなこと、思いっきりいっちゃうのな。もうほんと、澄花のこと大好きって全開じゃん!

今回、皆葉も、それからまつりも、澄花を喜ばせることいっぱいで、エイのエサやり、あそこでの澄花の振る舞い、この子のなにを嬉しく思うかという人柄が出てて、ほんといい子だなあ! イルカショーでもね、澄花を守る皆葉とかかっこいいじゃん。澄花も結構悪い気してないじゃん? いやもう、ふたりのこの素直で自然な振る舞いとそこに見える慈しみや思いやりの気持ち。互いを尊重しているよね。それがもう本当に素敵で素敵で、もうたまらないものがあるんです。

『午前0時のおねだりごはん』

おねだりされないのも大変なんですね。12月には牛喰の誕生日があるというので、なにかしてあげたい米沢ですよ。なのに、牛喰は覚えていてくれただけで嬉しいとまったくの無欲。これは牛喰の本心なんだろうけど、なにかしたいと、おねだりしてほしいと、もっと甘えてほしいと、思い悩む米沢ですよ。いろんな人にアドバイス求めたりね、そうしたら好きな人がいるんじゃないかって神戸が大ショック! ああ、米沢さん、罪つくり罪つくり。

これ、いつも助けられてる、励まされてるから誕生日にこそお返しをと気張る米沢と、なにも求めず、おねだりされることさえも嬉しい、無欲でちょっと鈍感な牛喰の噛み合わないやり取り、とても面白くて、食堂でねお客さんからいわれてはじめて気づくの! でもそれだけで嬉しくて、で、そこからの一人芝居! お酒飲んでるのもあるんだろうけど妄想がどんどこ加速するのな。それ、それを米沢にお願いしてさしあげて? というか、ここまで盛り上がってた牛喰が母の声聞いた瞬間に冷めるのおかしくって、いやあ危ない危ない。恥ずかしい姿、見られるところでしたね。

牛喰の誕生日。米沢のプランは成功するのか、どんなことでも喜びそうだけど、牛喰は米沢の思いにどう応えようというのか。次回に続く! となれば期待しないではおられません。めちゃくちゃ喜ぶ牛喰とか見たいですよー!

2020年11月6日金曜日

『まんがタウン』2020年12月号

 『まんがタウン』2020年12月号、昨日の続きです。

『君と銀木犀に』

もう子供でなく、まだ大人でもない、そんな年齢だからこその悩みといっていいのでしょうか。母との口論。いや、口論というよりも子供らしいわがままと、シビアな現実に直面せざるを得ない母との見解の相違。いや、ただ単にこづかい増額を求めてるだけなんですけど、母はつらいよね。あげられるもんならあげたいけれど、できることにはおのずと限界がある。泉は、まだそうしたことを聞き分けられるほどに成熟はしていなかったか。けれど、だからといって母を傷つけるようなことをいってしまったこと、そのことに自身も傷ついてしまって……。

葉介との会話のさなか、突然に母とのことがリフレインして、唐突に涙をこぼしはじめた泉の姿。理由もいわない泉に戸惑いながらも、精一杯の声をかけ続ける葉介、響きますよね。これ、きっと泉にも響いていたんだと思う。とか思ってたら、さらなる精一杯を見せてくれた葉介。これ、泣けるよな。具体的なことはなにもわからないはずなのに、それでもわかってるんだっていうそのことが、葉介もきっとこうしたこと思った日があったんだ。そうしたこと思わせるんですね。

葉介の言葉が響いたのは、自分にもこうした日があったからなのでしょう。きっと誰もに響きうる。そんな言葉であると思うのです。

『立ち呑み布袋でもう一杯』

今日は無口なお客さん、熊田氏が話題となったのですが、クール? ハードボイルド? 一言も発することなくひとり静かに飲んで去っていく。とはいうけど、なにもいわないでもビールが出てくるとかじゃなく、筆談でちゃんと注文するんだね。こうしたところにナンセンスが滲んでるなあ、なんて思ったら、話が進むにしたがって、どんどんいろいろ見えてくる熊田氏の真実。SNSアカウント、把握されてるんだ! しかも可愛いクマキャラで可愛いtweetしちゃうんだ! このギャップ!

店では寡黙でクール。きっとそういう人なんだろうなと思ったら、実は違うんですよっていうのが面白い。人というのは、単純に一面的に捉えられないものなんだなっての体現しているかのよう。それこそ、誰しも表向きにしていない顔がある、みたいに思ってもいいのかな? これきっと誰もがそう。表の顔と個人の世界。その違いがあること。また表の顔もひとりひとりそれぞれということ。その多様性に多面性が描かれて、ああ、この漫画のテーマは人なんだなあってあらためて思わせてくれる、そんなよさがありました。

熊田さん、また出てくるかな? 無口のままでいいから、なんらかまた関わってきてくれると嬉しいかも。そんな独特の魅力ある人であります。

2020年11月5日木曜日

『まんがタウン』2020年12月号

 『まんがタウン』2020年12月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。これは秋、黄葉する銀杏並木を中華まん食べながら、本を片手に散歩する。そんなふたりの様子。もしかしたら、落ち着ける場所を探しているのかもしれませんね。ちょっとしたお出かけ。きっとそこには、面白みくすぐるような会話があって、互いの理解を深めるような、そんな展開が見られるのでしょう。この場合、本がきっかけとなるのか、あるいは肉まんが? 『平日休みの堀出さん』のカットもございます。カバンに缶詰、ペットボトルを詰め込もうとするその様子、いよいよ出発するところといった感じもあって、ええ、今号で最終回。確かにふたりの門出であったかも知れない、そんな話でありました。

『部長と2LDK』

売り出しをかける新商品の売り込みに、休日であっても出勤するのだそうですよ。子供向けのお菓子。そのキャラクターの着ぐるみまで作る力の入れようで、しかしなんの因果でしょうか、着ぐるみの中身なんて絶対無理といっていた部長が着ぐるみに入ることになるっていうんですね。

電車の遅延でコンパニオンが間にあわない。それで菜々がコンパニオンを、部長が着ぐるみを急遽代役でつとめることになるというんですが、あらら、てっきり菜々が入るものだと思っていました。それはきっと部長のコンパニオン姿に期待したから……、かどうかはわかりませんが、途中たまたま通りがかった倉田のおかげで、想像とはいえコンパニオン部長が描かれたの、ありがたいかぎりでした。

着ぐるみは苦手。中に入るのも無理といってた部長が、仕事のためと割り切ったか、吹っ切れたのか、めちゃくちゃいい動きしてみせたの面白かったですよね。でも、菜々よ、部長のことを思わば、着ぐるみの中身が部長とバラすのはよした方がよかったのでは? いきなり素に、現実に引き戻されて大パニック! 実際、倉田からしても菜々は失言連発だったようで、ちょっと黙っててもらうくだりなど、本当に面白かったです。

『新婚のいろはさん』

はじめくん、好き嫌いないのか! なんでもおいしく食べてくれる。しかも言葉を尽して絶賛してくれるの、そりゃ作ったものからしたら嬉しいですよね。

ということで今回は好き嫌いの話。好物から積極的には選ばないまでのランク分けの話、これは本当によくわかりました。自分の場合はさらにその下に、食べられなくはないけど積極的に避けたいとかがあるかなあ。みたいな感じ。そう考えると、ほぼなんでも食べられるはじめは優秀ですよね。少なくとも、食が原因で関係がもめたりなんてことはなさそうです。

そんなはじめの、ゆでブロッコリーをぼりぼり食べるところ、ありゃあ面白かったです。一緒にのりのりのいろはがまた面白い。今回は食について試して語るの連続でしたけれど、本当においしいものを食べたときのはじめの反応! ああー、この見た目にもおいしそうとわかる反応、表情、こいつはいいですね。やっぱりこの漫画、いろはもですけど、はじめも相当にチャーミングなんだと思わされて、ええ、いい表情の連続。素晴しかった。

『平日休みの堀出さん』

最終回はいったいどんな遠出をするのかと思ったら、びっくりしたなあもう、まったく予想もしない展開してみせて、妻、つくし、いきなりの退職! かと思ったら、夫、満吉も同じく退職! 君ら、サプライズを演出するために相談なしでいきなりやるのか! おそろしいな。おかげでタイミングがばっちりあってしまって、わりかしピンチなのでは?

そう思っていたんですが、ふたりして休日というものを再確認して、そのはてに勤め人ではない新たな可能性を見出し新天地に漕ぎ出していくところ、なんだか勇気をわけてくれるような気持ちがしたんですね。とはいえ、さすがの満吉も妻の安定収入に頼りたかったか! そういう命綱? まさかのセーフティを考えてしまうところなんかも共感度高くて、それだけに新しいチャレンジに頑張る姿、見守りたくなる、そんな気持ちにもなったんですね。

ふたりの物語はこれで終わりですが、まだまだアグレッシブな休日満喫チャレンジは続きそう。その生き生きとした様子がいい読後感を残してくれました。

『私たち同じ人を好きになりました』

敦子の悩みは深まるばかり。友達のみっちゃんが自分の会社の社長だった。どうしよう、はやめに申告しよう、そうは決めてもどのように切り出そう、会おうという日の前夜、まるで眠れなかったというのだけど、そこまで緊張するものなのか、思い悩むものなのか。こういうところ、敦子の不器用なまでの実直さがあらわれてるのかも知れませんね。

そしてみっちゃんとあったらですよ、まさかみっちゃんも気づいてましたか! いや、みっちゃんは気づいとらんかったのね。秘書が気づいて教えてくれました。でも、それでも全然態度に変化のないみっちゃん、いいよね、余裕があるよね。その余裕で、敦子の不安やら戸惑いやらやわらげてやっておくれよ。なんて思って、いやさ実際、これまでどおりのフランクな関係でいきましょうというの、まだちょっと敦子は気を使っちゃうみたいですけどね、だんだんにこれまでどおりのみっちゃん、あっちゃんの関係に戻っていけたらいいなって思って、だからこそ今日の朝ミーティングの終盤なんかね、いいじゃん、いいよ、敦子、あっちゃんになってきてるよ、安心できたのでした。

安心したのはあっちゃんも同じみたいですね。緊張がとけてすっかりゆるんだ。その表情、ほっとさせてくれましたよ。

2020年11月4日水曜日

『まんがホーム』2020年12月号

 『まんがホーム』2020年12月号、一昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

今回、単発ネタの盛り合わせでありますね。四コマ2本、ないしは1ページ8コマで完結するショートレンジのテンポ感。きびきびとした小回りのよさ。こういうの、四コマのよさだと思うので、こうして読めて嬉しいですよ。この漫画の基本シュールな持ち味が、より際立ってなおさらシュールになってる。いいですね。最近は、ほら、四コマを繋げながらゆるくストーリーを作っていくのが主流になっているでしょう。だから逆に、こういうショートレンジで完結させていくのが少なくなってる。ストーリー志向も悪くないんですよ。でも、そうじゃないのも読みたいなあって常々思っていたんです。

しかし、さっきもいっていましたが、このスタイルはこの漫画の持ち味によくマッチしていて実にいいと思います。あんこのシュールさ。基本、投げっぱなしで回収しなくてもかまわないという特性もあいまって、あんこを激太りさせたまま放り出してすぐさまリセットかけてもなんら問題ない。むしろそれが面白い。ええ、大変よかったと思います。

いつもじゃなくてもいいので、たまにはこういうのやってください。お願いします。

『歌詠みもみじ』

幼ない日のもみじ。5歳にして時代劇にハマっているというのは実にこの子らしいと感じます。

娘大好きの父が5歳の七五三もやるというので着物を着ることになるんですが、なるほどここで時代劇設定が繋がってくるのか、羽織袴で刀も装備、ビシッと決めポーズとってるもみじ、とてもチャーミング。でもって晴着もよく似合って、テンションあがりまくってるパパさん、酷いいわれようしてますが、でもまあ娘溺愛の父というのはこういうものかも知れませんね。みたいに思ってたら、もみじ、歯抜けの笑顔! 父母の心娘知らずとでもいえばいいのか、微妙にピタリとハマってこないこういう足らず至らずなところ。ガッカリといえばガッカリなんでしょうけど、でもこういうハプニングもまた思い出なのだと思ったんですね。その時は大変だったり困ったり、なんでしょうけどね。

今回の話、ちびっ子もみじに振り回された大変さを描いてはいたけれど、やっぱり最後には、振り返ってみればいい思い出だったとなるの、ですよねと、なんだかうなずく思いでありました。千恵とまりなにアルバムを見せながら、その頃の話を聞かせていたんですねパパさん。ちょっと娘溺愛が過ぎてひかれ気味ですけど、ええ、それでこそパパさんだと思います。

『うちの秘書さま』

遊園地でダブルデートだ! はじめ、七瀬ペアと山田、田中ペア! もしや自分達にもお声がかかるのでは? 一瞬緊張の走ったメイドたちと思惑はずれて駆けだすその姿。ああ、ちょっと可哀そう! この人たちにもいい目を見せてあげてください!

しかし今回は徹底的にニブい七瀬がいいですね。はじめはデート気分でいるのに七瀬はさっぱりそんな様子はなく、むしろ山田、田中に気を配る細やかなど見せるもんだから、なおさら残酷! 肝心のはじめに対しては本当にきれいさっぱり、微塵も、ただの1mmもそんな気を見せず。さすがに憤慨しているはじめがおかしかったですよ。ほんと、七瀬にとってはじめは、いつまでたっても手のかかる弟分みたいなポジションから変わらないですね。

今回、山田は結構な進展を見たのでは!? ほんといい雰囲気じゃん! そう思わせたというのに、すぐさま自らぶち壊しにするというの、素晴しいお働きでありました。気持ちわからないではないけど、さすがにヤバいっすよ? ちょっと我慢を覚えるべきなんでしょうけど、こっちの方が面白いから、山田はずっとこのままでいいや!

そしてまるで進展を見ないはじめ。はいいとして、はじめの様子を見守るためこっそりついてきたメイド連が見事に遊園地スタッフと間違われちゃうあの展開。いやいや、いやいや、その格好、3人揃いでっていうのはまぎらわしい! すごく可愛いんですけどね。次々見舞われる迷子や失くしものの対応。大変! けれど頑張るその姿、素晴しかったです。

2020年11月3日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年12月号、先日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

雪佳と唯月の確執。公爵家と思われ近づいてこられるも、分家とわかれば去っていく。その繰り返しに傷ついてきた雪佳が、こんどこそ身分とか関係なく仲良くなれたと思った矢先に唯月との関係が断たれてしまった。唯月の父の命によるものだったのだけど、雪佳からすれば関係のないこと、裏切りとしか思えなかった。それが先日の険悪な再会に繋がっているというのですね。

これ、紡がふたりの関係を取り持ち、改善させることになるのだと思っていたらですよ、ああ、軽井沢滞在、最後の自由日。雨に降られた紡が雪佳と出会って、そこで言葉を交す機会を得るのですね。紡、説得するでもなく、でも今の唯月について伝えようと一生懸命で、変わらず雪佳は頑ななんですけどね、それでも唯月とまたの再会を果たすことができた。

唯月の無理に渡した傘、これがまたふたりの出会える日を作ってくれるのか。会うべきかどうか、その葛藤が雪佳の心を融かすこともあるのか。これからの展開が気になる。そんな小道具になってくれましたね。

『mono』

かき氷食べまくり編の完結であります。果実を贅沢にあしらったもの、名水や天然氷を押し出したもの、アボカド味なんてのもあるというの、その変わり種? でも全然奇をてらったようなものではないというの、そうしたレポートを楽しく読んでいたら、ああ、やっぱこういうのあるとこの漫画らしいなあって思うよねえ。韮崎駅からの展望! 遠くで\よう/っていってるのは富士山? いい景色だなあって思ったんですね。

そして地元に帰ってきたらですよ、おお、ここでもかき氷! しかもどれも豪勢なのね! こういうの、全然知らなかったから、ちょっと食べてみたいなって思わされる、そんなエピソード。いやほんと、かなり心ひかれるものありました。

『かぐらまいまい!』

おお、花守神社が盛況ですよ。時は大晦日。うちは年末でも混まない、諦めきったような美夜さんですけど、いやいや参拝の人たちがたくさん訪れていて、これも日頃の活動のおかげ!? 神社のお手伝い、助勤を勤めるこふくたち舞姫部の皆。お守り売って、おみくじ、甘酒と、あちらこちらで忙しく働いているその姿、にこにことして、楽しげで、そこに充実のようなもの感じさせてくれるの、よいですよね。

そして、仕事があがってから。皆でお参り、こたつでお蕎麦を食べてる時のミコト、緩くって最高だよなあ。そして翌朝、皆で拝む初日の出。この子たちのこれからと、それから今後をうかがわせる、そんな素敵な語らいに感慨が押し寄せてきましたよ。気持ちも一新、晴れ晴れとして伸びやかに、その向かう先に幸あること、それを願わずにはおられない、そうした気持ちになったのでした。

『魔王の娘からは逃れられない』

面白いなあ。城内で迷子になってしまったショーコ。ルルの部屋に向かうのですが、その途中途中でルルの配下、魔族たちのお願い聞いてお礼を貰ったり、またそのお礼が違うお礼になったりするその連鎖、わらしべ長者展開ですよね、本当に面白かったです。

魔物や魔人たち、皆の人(?)のよさが見えるの楽しいし、ショーコがすっかり受け入れられていて、親しいの。それが本当にほのぼの(?)としてしあわせな感じ。別れぎわにルルの部屋への道筋教えてくれるの、それも本当にフレンドリー。みんないいやつばっかりだなあ。

と思ったら、せっかくのお宝が適当なガラクタになってしまったショーコ。でもそれがまさかの展開。囚われていた魔物の封印を解く鍵だって、すごいなショーコ、なんちゅう強運なの。しかもその魔物、一軍を率いる実力者!? ショーコを担いでの凱旋! ショーコ、青くなってますけど、ほんと国を滅ぼせるレベル? そんな力、持ちたくなかったろうなあ! この思いがけない展開、とんとん拍子に見せてくれるのが面白くって、いやもう愉快でした、痛快でした。

2020年11月2日月曜日

『まんがホーム』2020年12月号

 『まんがホーム』2020年12月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかが赤頭巾の姿で登場です。今回のテーマはおとぎ話、童話、昔話なんですね。かくしてらいかは真っ赤な頭巾をかぶりまして、手には赤頭巾の童話の本でしょうか。『孔明のヨメ。』は孔明、月英夫妻が白いわんこと一緒に小判をざくざく、正直じいさん掘ったれば、でありますね。『天下分け目の小早川くん』は熊、鬼、そして金太郎。ええ、もういうまでもない、坂田金時の大江山の鬼退治でありますね。

『恋はリベンジのあとで』

今回は石田サイドの事情がメインに描かれましたね。婚約者? 恋人とのすれ違い。部屋の収納にポカンと空いたスペース。恋人、愛実の雑誌があった場所、少し前に処分したというんですが、それをえらいと石田がいったら愛実の見せた悲しそうな、困ったような表情。いったいなにごと? その理由、後からわかるんですね。

ずっと節約をしていたという愛実のちょっとした生活の変化。そうしたことの理由もわかったように思う。自分の結婚式への憧れ、それを石田に否定されたように感じた。それからじわじわと気持ちが冷めてきている? 石田と会う機会も減らしているの、ああ、石田との結婚を考えなおしているのか。

愛実の処分した雑誌、それは結婚情報誌。というか、石田が決定的に対話不足なんだと思う。本題を本代と聞き違えた時の反応もそうだけど、すぐに感情的に反応する。自分の考え優先で、相手の心情汲もうとしない。これ、愛実に対してもそうだけど、専務がらみでの泉とのやりとりにしても同じように思う。泉にあうかは別として、愛実にこの人はあわないと思う。以前からずっといってましたけど、今回のエピソード、決定的にそれを感じさせてきましたよ。

『ちくちく推して』

えりかの集中力のなさ! 漫画のプロット作らないといけないのに、衣装作ろうと買ってきた布が気になってしかたない。で、気づいたら生地を掛布団がわりにして寝ちゃってるというのね、難儀な性分だなあとは思うけど、しかたない、気持ちが好きなこと、興味あることに引っ張られるの、それはしょうがない。とは思うけど、この人はちょっとその気持ちが強すぎるのかも。妹が部屋にくるたびに、生地を抱いて、羽織って寝ているというの。うん、まずは寝ちゃって、気分を完全に切り替えた方がいいんじゃないかな。

今回よかったなあって思うの、妹からの結構辛辣な指摘を受けて、一瞬気色ばむも素直に受け入れて一緒にプロット完成させたくだりでしたよ。冷静というかきっちりしてる妹と、移り気むら気ながらもやりたいことに邁進する姉、そのふたりの個性がすごくよくマッチしてて、いいコンビなんだなって思ったのですよ。

そして知って感心したの、背の小さい姉の衣服についての苦労話。いいなと思っても着丈が長いと着られないみたいなの。へー、そうなんだー。ふーん、大変なんだなー。うなずきながら読むようなところありまして、スキニーはいたりハイウエストな服にしたりというの、ああ、確かにその意図するところ、よく理解できるし、その絵がまた可愛い。こんな小さなコマに、ちんまり描かれてるのがもったいないなあ、ってくらいチャーミングだったと思いますよ。でもって、パンツの丈にまつわる失敗。大変だな、高いヒールは足に負担かかるからそれも大変だなあって、そうしたえりかのいろいろに触れてこの人のことよくよく知ることのできたように感じたところだったから、続く妹さくらの指摘、この説得力も増したんだよなあ、そんな風に思ったんですね。

『孔明のヨメ。』

長坂の戦いの肝となるエピソード、今回、山盛りにされてきましたね。曹操の追撃から逃がれるべく、先へ先へと逃がれる劉備。対し趙雲はひとり馬を駆り、列から落伍した劉備の夫人と子の救出に向かう。このくだり、まさしくこの戦いの見せ場中の見せ場といえる。今回ともに描かれた長坂橋にて追手を迎え撃たんと立ちはだかる張飛とともに、欠くことのできないものだったと思っていたから、いつ、どのようにこれが描かれるのかと待ちに待っていた。それだけに、ついに、ついにと、思いも熱く読みましたよ。

今回、張飛の見せ場も迫力満点、力感あふれる描かれかたしていたわけですが、主となるのは趙雲の単騎駆け。甘夫人を救出し、続き糜夫人と阿斗を探し出すも、足手纏いになってはいけないと井戸に身を投げる糜夫人。このくだり、夫人の心情、切々と叙情をともに描き出して、子を思う母の姿、自身の役割に思い悩み、そしてついに決断に踏み切るまでの糜夫人の思いの移り行く様。本来求められた役割を担うことのできなかった自分が、趙雲の言葉に報われ、救われたと思ったところから、むしろ安らかな気持ちで自身の考える最善を選ぶにいたる、その様。残された趙雲の絶望感もまた色濃く、それだけに阿斗を劉備のもとに送り届けた時の彼の姿、強く心に訴えるものがあった。

作者としても、ここをひとつの山場として描こうと、かなり力を注がれたのでしょう。力感たっぷり、情感もまた深く、まさしくドラマティックな場でありました。

2020年11月1日日曜日

いろいろ落ち着かないので休みます

投票に引っ張られすぎました。