『まんがタイムきらら』2020年12月号、発売されました。表紙は『むすんで、つないで。』。紅葉を背景に花ノ子と白百合をパシャリと撮影! といった一枚なんですが、はるか向こう、被写界深度の大外に、つなぐがぼやぼやしながら映っていましてね、いい笑顔見せてるだけに悲しいなこれ! さらに榊姉妹に背後から割り込もうとする影ひとつ! 苺だ! 思いっきりブレてますけど、いやこちらはあんまり悲しくないな。ぐっと握りこぶしをこちらに向けた白百合と、頬に人差し指をそっと添える花ノ子と、ふたりのポーズは好対照。かっこよさ優先と可愛さ優先。でもふたりともにとってもチャーミング、いい笑顔です。
今月は新作ゲストが1本です。
『えるじぇり!』
絵瑠、天使の子。人の世界に降り立って、学校に編入。その目的はこの世に存在する悪魔を退治することなのか。けれどこの絵瑠という子はあんまりにやる気がなさそうで、あるいは自意識過剰? 修行のはずの人間界を自堕落に過ごすつもりじゃあるまいな?
と、そんな絵瑠の尻をたたく人がちゃんといるんですからよくできてます。茅野三春。先祖代々、天使のお目付役を担ってきた茅野家の娘。え? 代々お目付け役やってるの? もしかして、天使って監視役がいないと駄目なタイプが多いとか? 慣れない人間界での暮らしをサポートするとか、そういうのじゃなさそうよね? ともあれ、最初は天使と聞いて絵瑠に対してもかしこまっていた三春が、ひととおり授業が終わるころにはすっかり手厳しい忠告するようにまでなってしまって、これはあれか、幻滅とかそういうのがあったっぽい?
ともあれ、初回は絵瑠と三春の関係構築。絵瑠がここでなにをするかというミッションの大枠が語られて、お、ということは絵瑠が登校中に出会った美少女。この子の存在が気になるというやつですね。
『むすんで、つないで。』
ついにつなぐと鳥居、友達への一歩を踏み出しましたよ! ただここには苺の存在が必要で、なににおいてもにぶいつなぐに、鳥居はつなぐにあいにきてるんだよって横から介入。と思ったら、自身の行動でつなぐに反論の機会を与えてしもうてるやん! というか、つなぐさんは苺さんが自分と仲良くなりたいと思ってたらなにかマズかったんですか? 顔色、おわるくてよ?
しかし、苺、薗部の中では過去最高レベルの愛らしさだと思うんですけど、それでも謎だ不思議だ蟹の化け物だと酷いいわれよう。ミステリアスな美少女くらいには落ち着かんものですか! ともあれ謎の小学生の介入あって鳥居も勇気出せたじゃないか。しかもそこにつなぐも乗っかっていって、ふたりの思惑、完全にマッチしてるかというとどうも微妙なんですが、形式的には友人関係の第一歩を踏み出せたぞ! 人類にとっては普通の一歩かも知れないが、このふたりにとっては大きな一歩だ。ええ、思い切った鳥居のあの表情、いじらしく、それを受けるつなぐなどは花を背負ってもう可憐の化身のようでした。素晴しい。つなぐサイドにも物語が動きはじめた予感であります。
最後の一ページ、白百合の不安を知らずやわらげてくれた花ノ子。これも素晴しいですよね。ええ、いじらしい白百合にポジティブの化身花ノ子。素晴しいです。
『けいおん!Shuffle』
うどんを食べている紫が可愛い……。そんな紫を驚かせた真帆の一言、ドラムうまくなったよね。さらには楓に対してもベースがうまくなったと褒めてくれて、これどうした心境かと思ったら、ふたりはどんどんうまくなるのに自分は足踏みしている……。そんな気持ちがあったぽいっていうんですよ!
わかる、わかるわ。この焦りというか、わかるわ。と思っていたら、紫も楓もいろいろ教えてもらってたり、手本となる演奏があったりと、すわこれか上達の理由! なんでしなの先輩はなにも教えてくれないと、白目になってる真帆が申し訳ないんですがちょっと可愛かったです。
真帆としなの、根本的にタイプが違うんですなあ! ああー、モデルケースにならんパターン。Fコード押さえるコツと聞いたら根性と返ってくる。しなのの言い分も、まああながち間違いじゃないよなとは思うけど、真帆のようなタイプには、指の力じゃなくて腕の重さで押さえるとか、指まっすぐで真上からじゃなくちょっと斜めに傾けてやるといいとか、そういうアドバイスが必要なんだろうな。だけど、しなのは理屈やなんかで理解してやってるタイプじゃない。おお、このすれ違いよ。でも、まわりからしなのが悪いと責められて、しなの、ちゃんといろいろ話してくれましたね。技術についてというよりも、同じひとりのプレイヤーとして、どういう壁があって、どう乗り越えてきたのか、どう向き合っているのか。ああ、これはとてもいいアドバイスだったと思う。少なくとも、これで真帆にとってもわからない先輩から、同じくギターに向き合う仲間になったんだと思う。
しかし、それでもふたり本当にタイプが違いますよね。でも今はその違いもまた受け入れて、ごつごつぶつかりながらも、なにかひとつの道筋、結果を探ろうとするかのような……、ような? ともあれ、いい仲間になってると、そう思わせる関係に変化したのがとてもよかったです。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第12号(2020年12月号)
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