2020年11月27日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年1月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年1月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さん、榊先生ふたりがコンビでサンタクロース出動ですよ。山下さん、凛々しくて素敵だよねえ。今回の表紙のテーマはサンタクロース、クリスマスですね。『小森さんは断れない!』しゅりもサンタ、えらいことなってるサンタです。『ローカル女子の遠吠え』りん子はというと、なんかいきなり説教、指差して説教ですよ。これはこれでこの人らしい。『らいか・デイズ』らいかもサンタクロース。プレゼント箱を手にふりかえって、みんなには内緒だよ、でありますね。

『おひとり好きの富士宮さん』

デパート受付にて、その器量? 美しさから数多の崇拝者のいるという富士宮さん。けど本人はそういったことあんまり気にしていない模様。それどころか、明日のお休み、リフレッシュしに富士山を見になんていってるの、あ、これ、もしや山登りとかしちゃう系の人だったりするんですか!?

違いました。

デパートにて警備の仕事をしている内山くんが遭遇した女性。着飾らないタイプ。髪もそのまま、分厚い眼鏡が愛らしい素敵女子なんですが、顔出し看板にチャレンジしてみたり、さらには気合いの入ったラーメン屋にしれっとひとりで入っちゃうとかね。ああ、なるほど、眼鏡が曇るからラーメン食べるときははずすんだ。さらに髪も後ろにまとめて、かくしてようやくこの人が富士宮さんと判明! ってなわけですね。

ひとりぶらぶら街歩きして、ラーメン食べて、あれ? じゃあ富士山は? と思ったら、なるほど、銭湯の富士山でありましたか。気取らずマイペースにのんびりとした充実した休日。実に素敵だったじゃありませんか。今のところ、プライベートの彼女を知ってるのは内山ひとり? オフの彼女を見て幻滅どころかさらなる魅力に感じいるとか、なかなか見どころのある青年だと思います。

『おしかけツインテール』

今回はダーク花梨だそうですよ。育美ちゃんにつきあって、というんですが、いったいなにごと? クレープ買い食いしたりしてね、って、いや別にそれ特にダークってこたあなくない?

育美ちゃん、赤ちゃん生まれたというので両親ともに弟につきっきり? かまってくれないとヘソ曲げちゃったみたいなんですね。ええ、ええ、これよくあることだそうですよね。でもそれで家出だっていって、花梨を頼ってくるところ可愛らしいなって思います。それだけこの子にとって花梨が身近で頼れる、いや、もっとシンプルに大好きなお姉ちゃんってことなんでしょうね。

しかしダーク育美になるくだり、めちゃくちゃ面白い。育美の好きなアニメ、『マジカル☆メイド モエニャン』でモエニャンがダークモエニャンになってたっていうの、それを受けて花梨を助けに現れるモエニャンガチ勢の俊郎! イマジナリー存在だ! しかもまるで役にたたないのね。このイマジナリー俊郎のアドバイスがとにかく面白くって、育美が悪いことやりたいっていうの受けて、アブラましましのラーメンすすめてくるとかな。身体に悪い! って、ほんと面白い。花梨にとっての俊郎って、こうやってどこかちょっとずつズレてる感じなのかもですね。

今回の花梨は、育美と一緒にちょっと羽根を伸ばしました、そんな感じで、いいじゃありませんか、たまにはこんな日があったって。でもものすごく罪悪感感じちゃって、俊郎にダラけてますよね? とか連絡しちゃうもんだから、俊郎、ちょっと気持ちを入れ替えちゃうじゃないですか。この裏目! めちゃくちゃ面白い。でも、花梨はそれぐらいでいいと思うんですよ。なにも負い目に感じたりしなくていいんですよ。

このエピソード、最後にお母さんが花梨の一日を聞かされて、時間の経つのも早いものねぇってしみじみいうでしょう。ああ、小さかった花梨ももうすっかりお姉さんですよ。お母さん、感慨深いですね。ええ、お母さんも頑張られましたね。

と、それはいいんだけど、弟の名前、なんでバクダンなの? 育美ちゃん。

『敷金礼金ヤンキー付き』

金欠の大家が思いついた金策手段。たえが物置で見つけてきた大量の物騒な物品。そいつを売りさばこうというんですね。たえの発案でフリマを開くことになるんだけど、その準備の様子ね、あちこちに声かけたりねしてるの、それ見てるとなんかわくわくするよね。思えばこの漫画、大家の発案で無茶なことでもえいやって実行したりする、その準備の様子、描かれること多いよなあって。仲間同士、知恵出しあって、協力しあってというの、ヤンキーならではの結びつきなのかな? ひとつの目的のために皆で一丸となって取り組むというの、すごくいいよねえ。

とはいったものの、なんでできあがりがこんな物騒な感じになるんですか。フリマならぬ不離魔ですよ。ヤンキーの知り合いは所詮ヤンキー。かくしてヤンキーのヤンキーによるヤンキーのためのフリマが見事できあがって、売物がほんと物騒だなあ! たえが思い描いていたようなのとはもう根本から違うよね。なんというか、手作り武器市場? 一般人お断りというか、警察に踏み込まれそうなおどろおどろしさ漂う危険な香りでありました。

でも、なんだかんだでフリマは大成功。大成功? これ、ほんと、ただの集会だったのでは!? たえさんはお疲れ様でした。ずっとつっこみ入れ続けて、さんざんだったって、このくたびれよう。大家たちとは見事対照的でありました。

『となりのフィギュア原型師』

せっちゃん、いつになく本気だ! 半藤に料理を教わろうという。半藤たちの成長を見て自身思うところがあったみたい、というんだけど、はぐちゃんのピアスの数と斉藤の増量は成長とは違うと思うよ? しかし、せっちゃん、油断ならねえな。細かいとこまで目がゆきとどいておる。

半藤、せっちゃんの頼みを快諾。せっちゃん家でやるかとなったら、ああー、代表、困ったね、そうか、半藤、とられちゃうねー。ここでのはぐのアシスト。その後のはぐと代表のほのぼの好感度アップシーン、たいへん素晴しい。というか、代表、それを半藤にいっちゃいなさいな。

工房のキッチンのヤバさ、最高でしたよね。これ、キッチンというか作業場だよ。いきなり臭いっていうの、なんか腐っとるとか!? と思ったら、ガレージキットのパーツって煮たりするの!? 知らんかった。溶剤を揮発させるとかいってるけど、じゃあ、この臭いは有機溶剤か! やべえ。しかし、ソフビは湯でもどしたりするの知ってましたけど、レジンでもそういうのやるんですね。まったく知らない世界でした。

で、続いてオーブントースターから出てくる造形用の粘土。これは、まあ、ガレキに比べるとだいぶマシかな。だって、土でしょ? いや、違うの!? 土よね? ともあれ、半藤、ガチギレだよ。まさかこんな風に怒る日がくるとは思いもしませんでした。意外!

意外といえば、せっちゃんの涙、これが本当に意外も意外で、ああ、いつもどこかちゃらんぽらんというか、なんかタガがはずれて、なんでもかんでもノープロブレム! みたいなノリのある子だけど、今回の取り組み、料理については本当に悩んでいたんだ。ふざけたりなんかしていない。本気も本気、ガチもガチ。だからこそデキないことにこんなにも心痛めたんだろうなあ。これ、あの明るいせっちゃんがっていうのもあるんだろう、ええいああ、思わずもらい泣きでした。

半藤、この人のこともいろいろ見えた今回。そうか、半藤、苦労してきてるんだ。好きなだけじゃ駄目なこともある。好きだからこそ、芽がでないことがつらい。でもこの人はそのつらさを乗り越えてきたんだね。むしろ才能がないといわれた半藤だからこそできるアドバイスがあったと思ったんですね。さっちゃんがそれを活かせたかどうかはわからないけど、わずかでも前進できた。そのことを全身でもって喜んでみせるせっちゃんと半藤、あれは名シーンでした。

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