2020年11月4日水曜日

『まんがホーム』2020年12月号

 『まんがホーム』2020年12月号、一昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

今回、単発ネタの盛り合わせでありますね。四コマ2本、ないしは1ページ8コマで完結するショートレンジのテンポ感。きびきびとした小回りのよさ。こういうの、四コマのよさだと思うので、こうして読めて嬉しいですよ。この漫画の基本シュールな持ち味が、より際立ってなおさらシュールになってる。いいですね。最近は、ほら、四コマを繋げながらゆるくストーリーを作っていくのが主流になっているでしょう。だから逆に、こういうショートレンジで完結させていくのが少なくなってる。ストーリー志向も悪くないんですよ。でも、そうじゃないのも読みたいなあって常々思っていたんです。

しかし、さっきもいっていましたが、このスタイルはこの漫画の持ち味によくマッチしていて実にいいと思います。あんこのシュールさ。基本、投げっぱなしで回収しなくてもかまわないという特性もあいまって、あんこを激太りさせたまま放り出してすぐさまリセットかけてもなんら問題ない。むしろそれが面白い。ええ、大変よかったと思います。

いつもじゃなくてもいいので、たまにはこういうのやってください。お願いします。

『歌詠みもみじ』

幼ない日のもみじ。5歳にして時代劇にハマっているというのは実にこの子らしいと感じます。

娘大好きの父が5歳の七五三もやるというので着物を着ることになるんですが、なるほどここで時代劇設定が繋がってくるのか、羽織袴で刀も装備、ビシッと決めポーズとってるもみじ、とてもチャーミング。でもって晴着もよく似合って、テンションあがりまくってるパパさん、酷いいわれようしてますが、でもまあ娘溺愛の父というのはこういうものかも知れませんね。みたいに思ってたら、もみじ、歯抜けの笑顔! 父母の心娘知らずとでもいえばいいのか、微妙にピタリとハマってこないこういう足らず至らずなところ。ガッカリといえばガッカリなんでしょうけど、でもこういうハプニングもまた思い出なのだと思ったんですね。その時は大変だったり困ったり、なんでしょうけどね。

今回の話、ちびっ子もみじに振り回された大変さを描いてはいたけれど、やっぱり最後には、振り返ってみればいい思い出だったとなるの、ですよねと、なんだかうなずく思いでありました。千恵とまりなにアルバムを見せながら、その頃の話を聞かせていたんですねパパさん。ちょっと娘溺愛が過ぎてひかれ気味ですけど、ええ、それでこそパパさんだと思います。

『うちの秘書さま』

遊園地でダブルデートだ! はじめ、七瀬ペアと山田、田中ペア! もしや自分達にもお声がかかるのでは? 一瞬緊張の走ったメイドたちと思惑はずれて駆けだすその姿。ああ、ちょっと可哀そう! この人たちにもいい目を見せてあげてください!

しかし今回は徹底的にニブい七瀬がいいですね。はじめはデート気分でいるのに七瀬はさっぱりそんな様子はなく、むしろ山田、田中に気を配る細やかなど見せるもんだから、なおさら残酷! 肝心のはじめに対しては本当にきれいさっぱり、微塵も、ただの1mmもそんな気を見せず。さすがに憤慨しているはじめがおかしかったですよ。ほんと、七瀬にとってはじめは、いつまでたっても手のかかる弟分みたいなポジションから変わらないですね。

今回、山田は結構な進展を見たのでは!? ほんといい雰囲気じゃん! そう思わせたというのに、すぐさま自らぶち壊しにするというの、素晴しいお働きでありました。気持ちわからないではないけど、さすがにヤバいっすよ? ちょっと我慢を覚えるべきなんでしょうけど、こっちの方が面白いから、山田はずっとこのままでいいや!

そしてまるで進展を見ないはじめ。はいいとして、はじめの様子を見守るためこっそりついてきたメイド連が見事に遊園地スタッフと間違われちゃうあの展開。いやいや、いやいや、その格好、3人揃いでっていうのはまぎらわしい! すごく可愛いんですけどね。次々見舞われる迷子や失くしものの対応。大変! けれど頑張るその姿、素晴しかったです。

0 件のコメント: