2023年4月30日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年6月号、先日の続きです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

サンライズ荘にライバル出現!? なんと近所に新しいヤンキーアパートができたのだそう。しかも噂によると、そっちのアパートの方がずっと悪そうという話。

いや、良し悪しをどう評価するって話ではあるけど、そっちが悪いなら、住民にとってはサンライズ荘のほうが住みよくて好物件なんじゃないの? と思ったら、ああ、やっぱり悪さでもって競いあうんだ。うちの方が悪くないってなると沽券にかかわるんだ。わからん! この価値観、なかなかわからんなあ!

たえと一緒に敵状視察に出向いた大家。話題の物件、エクリプス荘、ええと漢字で書くと江苦裏伏荘なんだそうだけど、大家の東風美桜矢は香緒里のことを知っていて、なんというか、ファンなの? サンライズ荘が羨ましくってヤンキーアパートはじめたって、もうガチでフォロワー、ファンムーブじゃんよ!

けれど、それでも争わねばならないのがヤンキーのサガなのですか。ヤンキーアパートはふたつもいらない。いや、ひとつもいらん気もするんですけど、コンセプトアパートが乱立しまくってるならまだしも、ふたつくらいなら問題ないのでは!? しかし美桜矢の煽りに香緒里は過剰に反応し、反面冷静なつっこみを入れ続けるたえの大物感よ。でも、たえでは香緒里はとめられないんですよね。

かくしてはじまるタイマン勝負。相手は香緒里のこと、ばっちりリサーチ済みだったみたいですね。喧嘩になること折り込んで、それなりの準備もしっかりすませていて、けれどまさかここで窮地に陥った香緒里のミラクル。雨に打たれる猫ちゃんの姿に、七恵の、佳の昔を思い出し、そして「雨の中で猫を救うヤンキー」コンボを完成させるに至ったんだーっ!

って、なんだこの展開。というか、この周辺住民、結構ヤンキーアパートのこと好きだろ。なんかみんなノリノリで、思いっきりエンターテイメントとして消化しちゃってる!

でもまあ、なんとか元祖ヤンキーアパートの沽券を守り通した香緒里です。それもよかったんだけど、同時に家庭環境に恵まれなかった七恵や、行き場のなかった佳を受け入れられる安全区。そうした彼女らの落ち着ける場を作ろうとした香緒里の心意気には、思わず涙をさそわれてしまいました。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

八重、不調とかあるんだ! 流行りの動画、東京コントなるものを大河が紹介してきてくれているというのに、どうにも気乗りしない? なんかふにゃふにゃしてて、か、かわいいな……。はいいとして、なんか会話に身が入らないんですね。

あ、あれか? 五月病とかいうやつか!? 色めき立つのは亜紀とみな。いつもなら即流行に飛びつくだろう八重が後でとかいってるの見て、ここからまさかの積み本に話題がシフトする!

そうか、大河さんは積み本を知らんのか。健全でいいな。でも亜紀はたくさんありそう。みなちゃんもか。積んでるうちに忘れて同じ本買っちゃったって! うん、普通にやるよね。なんなら積んでるうちにどこにあるかわからなくなって、調達せざるを得なくなることさえある。本に限らずゲームでも積む。電子書籍でも積む。いうならば動画のサブスクでも、マイリストに突っ込んどくだけ突っ込んで見ない、積みサブスクなんてことになってしまってる!

しゃあないのよ、興味に対して時間がないのよ。やりたいことはあっても、可処分時間が足りないのよ。

とまあそんな話からさらに多方面に話題が広がっていくのも実にいい。流行に追いつく追いつかないみたいな話。亜紀の、後からハマってリアルタイムの反応を知りたかった! というの、自分はアニメの感想まとめみたいなサイトの記録で補完したことあったわ。うん、懐かしい。というか、自分は亜紀とみなに共感すること多い気がしますよ。

そして今回の八重の不調。大河の紹介しようとしてくれていた動画、すでに前夜に夜更ししてまで見てしまっていたっていうんですか!

すなわち寝不足。ほんと、なかなかに珍しい八重でしたけど、この子、寝不足になるとあんな感じにぽわぽわになるんですね。うん、可愛かったです。

『通勤通学クエスト』

ヤナギとタケちゃんの推しの話! 最近、推し活とかいいますよね。誰にでもなにかしらの推しがあって、応援したりその活動追い掛けたりするのも珍しくない時代です。とはいうものの、ヤナギの推しはアイドルのきらびやか君。対しタケちゃんの推しはというと、保育園の先生! そうだよ、この子、そうだよ。保育園の時の先生と、ずっと交流保ってたよこの子。

ほんとのほんとに先生のこと好きなんですね。

しかし子供時分からの憧れが今もなお、みたいな話なのかと思ったら、もう単純にこの先生がすごいのね!? 音楽の天才っていうの、子供のタケちゃん視点からの話かと思ったら、学校で習った曲、映画のテーマ曲、そんなの作ってらっしゃるっていうんだからこりゃもうびっくりじゃんよ!

たまにありますよね。全国レベルで歌われてる合唱曲が、学校行事とかのために先生が作ったのが広まって、長く歌い継がれて、ついには国民的愛唱歌みたいになって、みたいな流れ。ツツジ先生も、そういうのだったのかも知れませんね。いや、もう単純に先生がものすごいってだけなのかも知れませんけど。

ほんと、タケちゃんが憧れるのもわかる気がする。そんな素敵なエピソードでした。

『オネェの恋のはじめかた』

時宗、やらかしてしまった!? というか、これ時宗は悪くないよ。なんでスマホが椅子の座面に置かれてるのよ! とはいえ、翔人のスマホを壊しちゃった事実は事実として認めなければならない。

いやもう、翔人、以前も風呂で水没させてましたし、スマホに関してはついてない男だよなあ!

なんて思ったら、これ最後に明かされるんですけど、猿渡のイタズラだったんですか! 命知らずな男だなあ。美術の授業で作ったオブジェ。思いのほかうまくできたからと、時宗にいっちょう仕掛けてやろうとしたってわけで、ほんと、なんという命知らずなのでしょう!

結果的に、よかった、壊れた翔人のスマホはなかったんだ、という安心案件であったわけですが、安心するまでの紆余曲折。時宗の動揺から、桜子の翔人に対する信頼。そして凪さまの裏腹トーク。どれもが本当に面白かったのだけど、やっぱり一番素晴しかったのは、過失とはいえ翔人の大切なものを壊してしまったことに対する時宗の誠意でしょう。

私の身体を好きに使ってちょうだいと、ああ、なんと潔い素敵な男なのでしょう!

でもほんと、少しは翔人も喜んでほしかった。翔人さん、こういう時は素直におなりなさいましね?

2023年4月29日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号、先日の続きです。

『花唄メモワール』

フランスからひとり花瀧屋に逗留しているアイリス。やってきた当初とは違ってすっかり打ち解けたその様子。その元気になった様を見て、アイリスを迎えにきた父親も安心したようですね。ですが迎えにきたということはお別れが近い。ああ、アイリス、花瀧屋を去ろうというのでしょうか。

と思ったら、なんとしてでもここに残るとわがままおっしゃってる! 従業員としてでも残るんだという決意を見せて、残念ながらその目論見は叶わなかったんだけど、それでも日本にひとり残っても大丈夫だというところを父に見せたい。その健気な発想と、その無茶につきあってみせる梅。そうやってまわりの人を巻き込んでしまってるというのが子供ってことなんだよって父が梅に話した時、梅が答えた言葉、女の子はある日突然大人になったりするんですよ。

その言葉に、父、感じるところあったみたいなのですね。

そして、その娘の成長を実感することとなった出来事。梅とともに用意した洋食、鮭を牛乳を使ったシチューなのですが、もちろん主には梅が作ることとなります。厨房の桐喜に手伝ってもらうのですが、桐喜から見ても謎だらけの梅。料理は手慣れている。しかも当時まだ珍しい洋食を当たり前みたいに作っている。だというのにかまどは使えない。

このシチューのくだりで、アイリスがまだ自分が成長途中、誰かの助けが必要だということに気づけて、それでもこの花瀧屋に留まりたいとその気持ちを伝えることができて、ええ、このアイリスに父は亡き妻の姿を見たのですね。かくしてアイリスの件は落着して、よかったよかったといいたいものの、桐喜が梅に感じる違和感、それは膨らむばかり。

となると、次はこちら、桐喜さんあたりから梅へのアクセスないしがありそうですね。

『異世界サウナへようこそ!』

ルナの発案、ミストサウナが好評で、だんだんと借金が減っていく異世界サウナ。好調だなあと思ったら、まさかの怪現象発生!? 異世界サウナで起こる怪現象の数々に客足は遠のいて、順調だった借金返済もふたたび滞るように!?

困った、これはピンチだと原因? 問題? を確認すべく見回りしてみたら、なんと幽霊のお客さんがいたというんですね!?

いや、待って? この幽霊さん、ずいぶんと和風スタイルじゃありませんか。でもって塩で祓われてしまうのん!? そのおかげで、美肌の塩が使えなくって、それがために美容が売りのサウナを利用できずにいた。

その嘆きや悲しみが、あの怪現象を引き起こすこととなっていたのか! なんとまあ! 最初から従業員に相談してくださってたらよかったのに!

ということでお客さんの問題が判明してですよ、塩が駄目なら、大量に発生するその副産物である泥を使えばいい! いわゆる泥パック。それですっかり幽霊のお客さん満足して、よかった! はいいのだけど成仏したりしちゃわない!? と思ったら、ととのい転生、いわばよみがえっちゃうのん!?

この幽霊さんの見立てで、ルナの中に命の灯が確かに息衝いていることも確認できて、ということはこの地で癒されたルナは、いずれもとの世界に帰っていくことになるのでしょうか。それははたしてルナにとっていいことなのか!? わからないながらも、ルナの可能性、広がりましたね。

『高瀬さんはドル活に夢中です』

POPとしての活動に力を入れようと思い、高瀬からの誘いを断わってしまった江田。それ以来高瀬の様子がおかしい。付かず離れずの距離で、江田につきまとうようになってしまったっていうから大変です。

なぜ? 自分がPOPだってバレた!? 焦る江田ですが、でも実際にはそうじゃなく、寂しさを募らせていただけだっていうんですね。

ああ、なんて不器用なんだ、高瀬さんは! でも、それがすごく可愛いと思う。ちょっとあやうい人ではあるけれど。

先日、通販で買い負けたPOPのヘッド。お迎えした方が判明したっていうんです。最初のヘッドを購入されたみくさん。すごいな、めっちゃ熱心やん! で、高瀬がみくさんと連絡とりあって、これから直接会うことに。ドールのこととなると、ブレーキが効かないなこの人! でも、最初からそんな感じではあったと思う。なんせ命削ってたもんな。

かくして一緒にみくさんと会うことになった高瀬と江田。みくさん、どんな人だろうと思ったら、おお、なかなかに強めな感じのあるお嬢さんだ! めちゃくちゃ可愛いな。Sっ気を感じる。高瀬とも、そして江田とも打ち解けて、この人、感情細やかで、コミュニケーション能力高い人っぽいですね。

そんなみくさんに、ああー、江田、まさかの身バレ! ドール撮影用のレンタルスタジオを借りるために書いた書類。その筆跡が、POPから届いたヘッドに同封された手紙のものと同じだった!

はからずも秘密が漏洩してしまった江田ですが、みくさん、それを暴くでなく、むしろ協力してくれるという。その交換条件は!? みたいなところまでは話は進んでいませんが、この魅力的な女性が今後もPOP江田に関与してくる? それはまたなにかドラマチックのはじまりと感じてしまいます。

ところで、みくさんが江田の字を見て気づいた時の表情、あれ、素晴しかったですね。最高に美しかったですよ。

『追風のジン』

ジンの来歴が語られましたよ。そうか、ジン、フウカの実子ではなかったんだ。悪党に襲われているところをフウカに助けられた。かくして葵ジンはフウカの息子、唐草ジンとなって、いずれきたる戦いのために忍術の才能を伸ばすことになったというのですね。

フウカがジンに施した忍術の訓練。その目的はただひとつ。いずれジンが相対することになる影成フブキに対抗できる実力を身につけさせるということ。そのためにフブキの癖、身の動きを徹底的にジンに覚えさせ、確実に対処できるようにさせた。

圧倒的な力を示すかと思われたフブキを前に、持ち堪えるどころか対抗してみせるジン。その様子には百夜丸復活阻止の希望さえ感じられるわけですが、まさかここでフブキがあっさりジンに敗北するということもないでしょう。なにかしら切り札ないし隠してる、そんな危機感も拭えずハラハラは続きます。

2023年4月28日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年6月号、発売されました。表紙は『たくあかっ!』。今月からの新連載が表紙に登場。期待させられるお披露目でありますね。赤い制服、学園もの? と思わせて、あちらこちらにちょっと印象的な小物がちりばめられて、それはレシート、そしてTax Accountant!の文字がある書類。Tax Accountant、すなわち税理士。この子ふたりは税理士なのかな!? なるほど、ちょっと他にはなさそうな題材。読んで面白く、知って楽しい、そんな漫画だったら嬉しいですね。

今月は新連載が1本です。

『たくあかっ!』

驚いた。主人公、鎌田紗音は税理士事務所でアルバイトをしているというのですが、その税理士事務所というの、学校のひとつ上の先輩が働いている事務所なの? 牛田燎子。高校3年生にして現役税理士。すごいな、税理士の資格って試験にさえ合格すれば得られる、すなわち受験資格さえクリアできれば高校生でもなれるのか。調べてみれば、日商簿記1級持ってたらいけるとか、あるいは家業の税理士事務所で2年以上の職歴を得てるとか、そういうのんがあるのかな!?

これはきっと漫画の中でいろいろ教えてもらえるぞ。期待して読み進めれば、まずは税理士とはどういう生業なのかの解説がはじまって、そしてやっぱり燎子の資格取得の話もやっぱり出てきましたよ! でも、どの要件を満たしたのかまでは語られませんでした。いずれ語られるのか、あるいはそこまで細かく設定開示する必要もないからさらりと流されるままになるのか。後者でいいなあ。ええ、いろんなパターンがあるんだってわかっただけでも、充分に面白かったです。

燎子の事務所、所長は燎子の母、理々子。これがバイトの面接なのかな。理々子の前でいろいろ税についてなど質問を受ける紗音なのですが、この子、燎子の前ではちゃらんぽらんな感じだったのが、いざここぞという時になると度胸があるというか、さっき仕入れたばかりの知識をまるでずっと以前から知っていたかのように語ったかと思えば、さらにはわりと厳しめの質問にも自分なりの発想でクリア!

素晴しいな。なかなかに期待できる人材やぞ、紗音。この子の、普段の許さと、ここぞという時の瞬発力。そのギャップに期待であります。

『ばっどがーる』

前回の続きだ! 自室の惨状を亜鳥に知られてはなるまいと、隣家の涼に華麗に押しつけた優の所業。さすがに涼に咎められて、正座だ! 正座で説教だ! と、ここに亜鳥が乱入してきて、なかなか楽しいことになりそうな予感ですよ! ゲームでもして、うっかり亜鳥との触れあいイベントを発生させるんだと邪な気持ちでやることになったパーティゲーム。で、なにが面白いって、愛の触れあいイベント、亜鳥と涼間でしか起こらんやないかい!

しかもここは涼の部屋なんだから、パーティゲームも涼優位に運ぶのではないかと思ったら、全然あかんのか! 罰ゲームで亜鳥のことお姉ちゃんと呼ばされたりね、最高では? さらにはメイド衣装に魔女っ子ステッキに手錠に首輪!? な、なんでそんなもんが一般のご家庭にあるのですか!

そして最後に涼のリベンジ編! 亜鳥に自分が受けたはずかしめをそのままお返し、からのご主人様呼びさせるという暴挙! しかしこれがまさかの涼自爆を引き起こすことになろうとは! で、肝心の優はというと、あまりのシチュエーションに心停止。それはいいんだけど(よくない)、亜鳥と涼、ふたりが自分の胸に耳を、頬を寄せてくれているという超絶状況を正気で迎えられなかったの、残念でしたね! いや、もし意識があったらそれこそ死んでたかも知れません。

『mono』

ダイエットのお話!

満腹フォトラリーで太ってしまった。そこからどうやってリカバリーしたの?

さつきはランニングで消費。えらい! 正しい対処法ですね! アンは食事制限しました。なにかしら運動してるとこれでも大丈夫だけど、もし運動してなかったらむしろ筋肉量落ちて代謝も落ちて、リバウンドするパターンですよ。そして落ちは桜子。なにもしなくても勝手にやせました。

あー、いるいる、そういう人。うん、自分もどちらかというとそっち側の人間でしたよー。

やせてないのは春乃だけ。というので効果的なダイエットとして海苔巻ダイエットというのが紹介されて、これ、ほんとなの? 五穀米に具材をのせて巻いて、徐々に量を減らしていくというの。これ、適性量にまで食事量下げられるのなら充分ありだな! と思ってたら、最後には湿気った海苔だけで満腹感にって、いやいや、それはいいすぎでは!?

春乃のダイエット大作戦。さつきの母が持て余していたエアロバイクが投入されることとなったのですが、はたしてこれちゃんと習慣づけ成功するかな? そして今回のダイエット話に加えて猫の毛の謎話が投入されて、これが次回のメインとなっていくのかな?

とりあえず次回、春乃がやせてるかどうか、それが注目点ですね。

『ごきげんよう、一局いかが?』

純礼さん、最高だよ……。

お昼休み麻雀仲間4人中唯一の経験者。役も知ってる用語もばっちり。点数計算だってできちゃうし、駆け引きだってお手の物。なのに残りの3人はというと、用語はまるで間違えてるし、独自の呼び方しちゃってるし、しかも対局中に自分の役ができてるかどうか質問しながらやっている!

それが我慢ならなくなった純礼さん。最高や。可愛い。そして雨の季節到来を利用して、麻雀の基礎知識を学ぶこととなった冴たち。勉強ちょっとめんどくさいなと思う冴に対し、前向きな乃々花様。「麻雀が上手い感じがしますわ!」のセリフとともに振り返られたその表情、素敵すぎますよお!

今月のベストショットなのではないでしょうか。最高に可愛く凛々しい、素敵な乃々花様でありました。

千星がですね、教室でも一緒に冴と過ごせることを喜んでらっしゃるのが本当にチャーミングでした。あのこっそり自分の気持ちを冴たちだけに伝える様子、もう最高で、ああ、こっちこそがベストショット!? そう思ったら、冴さん、聞いてらっしゃいませんの!? あ、あなたのためのスペシャルイベントでしたのにーっ! と悔しく思っていましたら、ああ、冴さんなりの照れ隠しでいらっしゃったのですね。ほんと、冴さんも可愛らしい方でありますね。

そして雨の日、千星と冴、ふたりの帰り道。ああ、そこでの会話も本当に素晴しくて、冴のことを知りたくてたまらない千星様の気持ちの高まりあれば、冴から千星への質問、千星の好きな役は? って、役なんですかい!? いやもう、それでもふたりは楽しそうで、話題もぐっと膨らんで、これはこれで楽しい時間、素晴しかったです。

そして麻雀の勉強がむくわれる日がきましたよ。久しぶりに皆で麻雀できることに、なんかテンション高くなりすぎてる冴、めちゃくちゃお可愛らしいのでは!? いやもう、これ、今月のベストショットなのでは!? ええ、千星様はわかっておいでですよ! さすが千星様でいらっしゃいます!

そしていよいよ麻雀を打つことなって、皆それぞれにレベルアップしたことでしょう、どんな高度な戦いが見られるのでしょうか、と思ったら、いやいや基本のとこはあんまり変わっちゃあおらんね!? この状況にひとり考え過ぎてしまう純礼。口三味線に惑わされてたまるものかと警戒するも、誰もなんも駆け引きなんかしてないっていうのがね!

ほんと、それで3人のお姉様たちをボッコボコにやっつけてしまう純礼さん。ああ、純礼さん、最高なのでは!? ええ今月のベストショットだと思ってしまいましたわ? ええ、ほんと、この漫画、皆が皆、常に最高でいらっしゃいます。

2023年4月27日木曜日

アズールレーン

アズールレーンはコラボの復刻は行われない。『ボトムズ』コラボや企業系(衣装系?)コラボの復刻は過去にもあったのですが、海域イベントはこれまで一度も復刻されたことがなく、なのでコラボで取り逃すとダメージが大きい。と、そんな了解というか覚悟でもってこれまでコラボイベントに臨んできたのですが、この度まさかのコラボ復刻ですよ! コラボ先タイトルは『DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation』。コーエーテクモか! よほど前回コラボの『ライザのアトリエ』の感触がよかったんかな!? いずれにしてもこれは朗報。いつかライザコラボの復刻があれば、ひとり衣装のなかったカラ・イデアスにもなにか追加要素がくるかも知れません!

さて、今回のDOAXVVコラボ、追加要素がありまして、まずはキャラがふたり追加されました。これはいわゆるガチャ、建造でありますね。幸運にもすぐにお迎えすることができて安心。となると、さらなる追加要素である新キャラふたりの衣装+マリー・ローズの衣装を購入!

ちょっと待て、マリー・ローズ、コラボキャラ初のLive2D衣装かい? ああー、きっと前回の衣装、よっぽど売れたんだろうなあ。

追加要素はまだありますよ。前回DOAXVVコラボ当時にはなかったもの、特殊装備が各キャラごとに用意されました。おお、これはなんとしても手に入れなければ! ということで、まずは女天狗の専用特殊装備を入手しております。

で、ミニゲームが追加されました。ミニゲーム「どんけつ チャレンジ」! ドット絵キャラがやたらめったら可愛らしいな! はいいとして、なぜこんな昭和感あるイベントが令和の今に実装!? と思ったら、なんとこれコラボ先にこういうゲームあったの!? びっくりしたわ。すごいなDOA。アズレンもそうだけど、過去に生きてるんだから未来に生きてるんだかわからない。

そして最後の追加要素になるんでしょうか。新EXが追加されましたよ!

でもってまあ、こいつがとんでもなく手強いのですよ。前回もあったEX1は、キャラのインフレもありますからね、楽に勝てて一安心だったのですが、EX2はそうはいかない。何度もチャレンジして、これ無理じゃない? と思って、そう思ってたら同サーバのうまい人が普通にやっつけてて、いろいろ教えてもらって戦艦軸でチャレンジ続けたんだけど、ルナまでは倒せるんですよね、でもそこで力尽きてしまう。

しゃあない、弾避けへたくそな自分は空母に頼るしかない! そう思い直して、信濃と白龍を投入。そこからさらに何度もチャレンジ続けてようやく勝利するに至りました。

もう、疲れはてましたわ。何時間くらいやってたんだろ。ほんと、シューティングは苦手です。

2023年4月26日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年6月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。これは書店員さんですかね? 山下ナースが緑のエプロン。手には『ラディカル・ホスピタル』の新刊、第38巻を持って営業中でありますよ。『小森さんは断れない!』しゅりも、同じくコミックス11巻をアピール中。こちらは学生服、いつもどおりのスタイルですね。『冷めないふたりのひとりご飯』レイカさんも新刊お出しして、こちらは3巻。って、もう!? こないだはじまったとこみたいな気がしてたのに!? そして『らいか・デイズ』らいかも、こちらは新刊32巻。でも次に出るのは33巻ですよ。すごいな、ほんとびっくりさせられます。

『おだまき君の道草ごはん』

あの苧環が小麦のことを意識した!? ああ、ここから小麦、あんたのターンだよ!

色めき立ったわけですが、あー、小麦のターンこなかったっすね……。

いいづらそうに言葉を選びつつ小麦に大切なことを告げた苧環。廃部になりそう。って、いや!? なんで!? またそんな!

裏山を勝手に使っていたのが問題視されたようで、しかもその裏山が私有地。生徒会長のご実家の山。そこに勝手に入り込んで、あれやらこれやら収穫しとった。生徒会長本人はあんまり怒ったりしてないんですけどね、会長のとりまきがえらいことおかんむりで、トゲがあるから手袋必要って苧環が説明しとる矢先に素手で掴んで負傷ですよ!

で、毒もあるっていいますけど、水溶性なのはいいけれど、茹でたら毒は溶けて流れてもトゲの方はどうなるの!?

人の話をまるで聞かずに、秋田では山菜の女王って呼ばれるくらいおいしいんだよといいながら、うきうき調理をはじめて食べに食べまくる苧環たち。で、この山菜、ミヤマイラクサの別称がアイコ。生徒会長と同じ名前で、そして苧環が一緒に山菜採りしていたおじいさんが会長のおじいさま!

こりゃもう一件落着ってな話ですが、小麦のいうように、苧環がどこまで天然なのか、この流れに計算のひとつもあるのかないのか、さっぱりわからん! ほんと、苧環、おそろしいやつです。ええ、小麦よ、単行本表紙の美少女パワーで、苧環を怯ませてやってくださいよ。自分は美少女小麦に怯みっぱなしです。

『おひとり好きの富士宮さん』

まさか次回最終回! そして今回語られたのは、なぜ富士宮さんが変装をしてまで自分の好きなおひとり様活動をしているかということ。そうか、あの眼鏡の地味姿が本来のもので、皆の憧れる姿こそが作られたものってわけじゃなかったんですね。

誰からも憧れられてきた富士宮さん。学生時分から、皆と同じもの、たこ焼きやなんかに興味を持ちつつも、皆がまさか富士宮さんがそんなたこ焼きみたいなものにご興味を!? マンガもそう、カラオケもそう、勝手に高嶺の花にされてしまって、今さら否定するのも大ごとだしで、結果地味な伊達眼鏡でいつもとは違う自分になって、自分の興味のあるものをひとり孤独に心ゆくまで楽しむようになったというんです。その味は、もしかしたら皆の思い込みや期待という束縛からの自由の味であったのかも知れませんね。

そんな富士宮の本当を知っていたただひとりの男。内山が、雨に降られてしまっている富士宮の前に現れた! そしてそこからの会話。富士宮を高嶺の花と仰いだこともある内山だけれど、彼女がたこ焼きみたいな食べ物を好いていると知っている。駅そばにしても屋台にしても、そういうの好きなことを知っている。そしてそれを決して変だなんて思わない。

まさかの突然の理解者の出現に、これまで自分を守るため変装をしていた富士宮、自分自身にも隠していた気持ちが露になったと感じられて、ああ、富士宮さん、ここにきて本当に本当の自由を、自然体を得るにいたったというのですか。

さあ、次回は最終回ですよ。なにが描かれるんだろう。普段の姿の富士宮が自分の好きなものに邁進する!? それはそれは職場に、周囲に大サプライズを引き起こしそう。いや、どんな最終回になるかなんて私にはわからないのですが、でも絶対面白くなりそうって予感がしています。

『となりのフィギュア原型師』

半藤! 君こそは本当のヒーローなのか!? 行き倒れのえにぐまちゃんを前に狼狽するおこめ代表を助けんと、颯爽と現れたトゥルーヒーロー半藤! おこめの心の叫びが届いたか!? と思ったら、ああ、普通にそのへんから見えてたんですね。で、即助けにきてくれた。いいやつじゃん!

ここからのおこめ畑コンビネーションがものすごかった。倒れているえにぐまちゃんに集中する視線をなんとかしなければならない! からの、まさかの飯塚イスカパワーでよくわからないまま視線奪取! 無事えにぐまちゃんの中身、におを救出するにいたり、さらにここからのおこめ代表によるえにぐまちゃん褒めまくりタイム!

最高なのでは? めちゃ最高なのでは? 不安が一気に吹っ飛び、嬉しさになんか変になってるえにぐまちゃん、最高可愛いのでは?

ここからも、斉藤の服でえにぐまちゃんを変装させて離脱。そしてえにぐまブースの店番にはさっちゃんまでが入ってくれて、この万全のサポート態勢よ! ほんと、なんか感動する流れでありました。

えにぐまちゃん、変わり者ばかりのおこめ畑に対する苦手意識が払拭されたどころか、すっかり打ち解けたのでは? ええ、本当によかった。倒れちゃったのは大変だったけど、その大変を超えてえにぐまちゃん、いやさ早蕨にお、より大きく育つがいいよ!

『かむろの異国料理帖~すずは出島のくずねりさん~』

今回はコーヒーの話題です。すずの姐さん。余裕があれば、豆からコーヒーを挽いていただく優雅な時間を楽しんでいらっしゃる。

この姐さん、カピタンさん専門だから船がこないと時間が空くんですね。なのでこうしてコーヒーを楽しむ余裕もできる。挽いて、煮出して、というのですが、そうかこの時分はドリップとかじゃなかったのか。で、火鉢にかけてたらどんどん煮詰っていってしまう。

こうなったら、もう煎じ薬みたいになっちゃいますよね。大変!

煮詰まった苦い苦いコーヒーを捨てるのももったいないというので、すずがひと手間加えてまた違った味わいに変えてしまいましたよ。煮詰めたものに砂糖を入れてとろみをつけたコーヒーシロップでありますよ。白玉だんごに黄粉とコーヒーシロップをあわせてみれば、こいつはちょっとなかったおいしさです!

実際この時代に、こうしたコーヒーシロップが楽しまれてたかどうかは知らないのですが、こうした工夫はもしかしたらあったのかもですね。そして苦みに甘み、不思議なマリアージュに魅了された人も多かったのかもなあ、なんてこと思いましたよ。

ところで姐さん、砂糖入れて飲んでるってすずからいわれてましたけど、普通普通! ヨーロッパの人たちもあんまブラックでは飲まんらしいですよ? 砂糖、がんがん入れていきましょう。

というか、砂糖を充分に使えるあたり、姐さん相当な立場というのがわかりますね。

2023年4月25日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号、昨日の続きです。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

異世界から佐渡島にやってきたロゼ。それからの佐渡ライフは大変なこともあったけど、基本楽しいことばっかりで、知らないことを知り、そして島の人たちに受け入れられ、さらには紗菜という友達もできた。

そんな佐渡を楽しむふたりに、仕事の依頼がきましたよ。市役所勤務の中原さんから、金山企画運営責任者の畑野氏の紹介を受けました。ミッションは、若者にも興味を持ってもらうためのイベント発案。でもこのおっちゃん感じ悪いな! 期間は1ヶ月って、いくらなんでもあかんすぎることないか? からさらに、紗菜たちのこと見下してるでしょう? これ、仕事をする相手としてはかなりやっかいなタイプなんじゃないかな。これで仕事相手として信頼関係築けるのかな?

さて、勢いで即諾してしまった紗菜ですよ。アイデア出しするもなかなかこれというものが出てこず、さあどうしよう。で、茅の輪の件で借りのあるときこを呼び出すってんですよ。

ときこ辛辣だけど、本音が素直に出てくるタイプだから、むしろ信用できるとこありますよね。駄目なとこは却下、でもいいアイデアは評価して、しかも自分から案も出してくれて、紗菜とときこはいいシナジーが得られそうでナイスです。

そしてときことともにいる月渚。ロゼを呼びだしたかと思うと、自分の本当の名を伝えるんですよ。ルミナス・ヴィレット。そしてロゼの本当の名前、ロゼスタリア・エトワールを知っていると告げた。さあ、ここでどう出るルミナス。ちょっとした波乱のはじまりなのでしょうか。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

帰ってきましたよ! 2021年8月号のゲスト掲載作。学校屈指のお嬢様美都と、家庭の事情やその見た目から誤解されやすいカンナ。しかしふたりはそれぞれ秘密を抱えていて、お菓子のようなと形容されるような見た目の女の子なのに肉大好きな美都。がっつりしたメシを食べそうと思われているにもかかわらず、実は甘いもの大好きなカンナ。

そのふたりの秘密が、たまたま互いに知られてしまったことからはじまる、不思議な秘密のお食事会。

キャラクターの魅力は申し分なく、そしてふたりの秘密がバレてしまうくだりから、ふたりそれぞれの相互不干渉どころか、相手を隠れ蓑にしながらの好きなもの食べまくり食事会。この秘密の関係、その面白さに加えて、甘い見た目の美都がむしろこの関係を主導する立場になっていきそうなところもまたよしであります。

読み切り時代は美都と甘奈と、それぞれに漢字があったのが、カンナは仮名書きになりましたね。美都はミート、カンナは甘いが入って、それぞれの嗜好が名に隠されてた。さらに漫画のタイトルも、Sugar Meats Girlという言葉遊びが潜んでたりしていた。こういう細かにいろいろ仕込まれてたところ、きっと連載でもなにかしら出てくるんじゃないかって期待をさせてくれるところです。

『スローループ』

なぜひよりは恋先生の作る卵焼きが甘いと知っていたのか。その昔語りが続きます。

でも語られてる内容は、ちびひよりが全然狙った場所にキャストできなくて泣いちゃったり、ブルックトラウトのあまりの知名度の低さに恋先生がやさぐれちゃったりと、かなり面白トーク。もうね、全然卵焼き出てこないじゃん、どころか、卵焼きの話だったことすら忘れてしまった頃に、ようやく大泣きするひよりをなだめるためのお弁当からの、恋の卵焼きに魅了されるひよりさんという流れ。ええ、ふたりの様子、すごく可愛いねえ!

お弁当で機嫌よくして、さあ午後の後半戦。釣るぞと気合いはいってるひよりの可愛いこと! からの、はたしてひよりは狙った魚を釣れるのか!? というとこで話はまるで終わりを見せず、さらに、さらに続くぞ! 卵焼きの話だったはずが、完全に釣りの話メインになっとる! 話し続けるひよりに、そして釣りトークにテンションあげまくっている小春。もうほんと釣りに魅了された子らの釣り話。なにがどうなろうとも、釣りトークは終わらんようですよ。

『球詠』

おお、新入生が入ってきますよ。無口寡黙、ひとり黙々と過酷な練習を自身に課す斉藤小町さん。ドクロの髪留めが可愛いねえ! からのちょっとおっちょこちょいの野村瑞帆。それぞれに温度差? 傾向の違いはあるのだけど、絶対にレギュラー入りするんだと決意を固めている。ええ、のっけからかなりの有望新人の紹介とあいなりましたよ。

新人は他にもたくさん! ああー、新越谷、実績もあげたし、悪いイメージの払拭にもつとめたしで、いい流れができてきていますよ。

まさかの息吹大好き長谷川美咲、村松京子、東条蘭々の三人組。そしてヨミの後輩、渡邊詩織。詩織、おとなしそうな子に見せて、珠姫にヨミの正妻奪取宣言ですか!?

いやもう、みんな個性が強い。なにかしらひとつ強みないし面白みないし持ってそうだと思わせてくれたところで、そんな皆をはるかに凌駕する芳乃先輩の出番ですよ! 出会って即、一年生の腿に手を伸ばしとるやんけ! からの瑞帆と小町はすでにリサーチ完了済み! というか、入寮した瑞帆に即メディシンボールとマスコットバットをプレゼントとか、ほんと、どんな行動力でどんな諜報力なのか。

この漫画は本当に芳乃がすごい。ちょっとした野球妖怪です。

2023年4月24日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年6月号、発売されました。表紙は『ももいろモンタージュ』。本編よりもももいろ感が抑えめだ! 欄干の向こうに広がる水面。ライトアップされた空には満開の桜であります。散る桜、水に浮かべて花いかだ。前景には浴衣姿のヒナがみたらしだんごを手にして、そして空いた手をこちらへと伸ばしている。そこにはきっとモネがいるんでしょうね。しかし花よりだんご? あるいは花よりも恋心、そんな表紙なのかも知れませんね。

今月は新規ゲストが1本です。

『いつか大人になる君へ』

お嬢様に懐かれている使用人。ひとり寡黙に孤独の時間を楽しむタイプのヒバリに、元気で賑やかなモニカがさかんに介入してくる。そんな時、ヒバリはモニカをわずらわしく思うのか。あるいは、かつて本ばかり読んでいた子供の頃に、こうした子が側にいてくれたらどんな自分になっていただろう。

なにをどう思おうともう過ぎてしまった時は取り戻せないし、確定してしまった事実は覆ることはない。それでも思い悩んでしまうのは、今の自分とは異なる自分という可能性に心ひかれるところあるからなのでしょうね。きっとこうした感情は誰にでもあって、あの時、あの人にもっと親切にできていたら今は違ったんじゃないか。あの時、誘われるまま身をまかせてみればなにか違った道も開けていたのではないか。などなど。ヒバリもそうした、今の自分が決して嫌だとはいわない。でもそれでも、今とは違ったかも知れないなにかにふと心を向けてしまうことってある。

そんな話のように感じたのでした。

ヒバリに無条件の好意を示してくれるモニカ。モニカが興味を持っていたヒバリの読書。もっとヒバリのことを知りたい、その一心に応えて、子供の頃に読んでいた本の翻訳書をモニカに贈るのですね。この選択が引き起こしたこと。はたして未来は変わるのか。あるいは今この瞬間の、いずれは過ぎさり思い出になってしまう小さなできごとに留まるのか。それはわからないけれど、ここでこういう選択を、かつて自分の側にいなかったモニカの影を追い求めるのではなく、今まさに自分の側にいるモニカに目を向けようと思った、そのことに意味が、可能性が生じてくる。そうした話のように感じました。

2023年4月23日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年6月号、昨日の続きです。

『ぬるめた』

今回はしゆきとこごめが映画館デート! と思いきや、ごめさん、さきなとくるみも呼んじゃった! それで狼狽するのがしゆきという人。普通の人を劇場版アニメに誘っちゃあいかん。キモいオタクの我らと陽のふたりを交差させてはならんのだ!

徹底的に卑下しちゃってるんですが、昨今はわりと普通の子らも深夜アニメとか見ちゃってるっていいますよね。だからきっと大丈夫、ワンチャンありますよー。とか思ってたら、おお、ちゃんとくるみが見てました。

しゆきとくるみのちょっと緩めのオタトーク。けれど琴線に少しでも触れればディープに語り出しそうになってしまうしゆきが可愛い。いいよ、いいねえ、オタク少女大好きですよ。たとえ自分にわからないカップリングでも、情熱持って話してるその姿たるや最高だと思う。けど、論争だけは勘弁な。

今回はしゆきがとにかく嬉しい思いするエピソードでしたけど、でも変に気を使っちゃってるところもあってね、そういう引け目ってオタクだったら誰でもあったりするんだろうか。いや、人によるだろうけどさ。でも、しゆきの引け目、わかるんね。だから自分は映画はひとりでしかいかない。とりわけオタク向けのものとなると、誰かというのは本当に稀なこと。でも今回その稀な経験をしゆきはして、受け入れられたといっていいかは難しいけど、気兼ねなくしゃべれよ! っていってもらえた。ええ、これはほんとよかったと思う。いやもう、自重しないしゆきのマシンガントーク。浴びたい。全身で浴びたい。ライフで受けたい。

いやもう、最高のしゆき可愛い回でした。

『リリカお嬢様に振り回される!』

リリカの見た夢。この切実さ。泣いてしまいそうになった。

リリカにとって脚の問題がどんなに重いものであるか、否応なく読者に突き付ける、そんな夢の内容に、ああ、こういうことってよくあった。抜け出せない問題、解決できない現実に日々苦しんでいる時に、ふとそれら問題が解消された夢を見る。あ、大丈夫になったんだ。ずっと悩んでたけど、もう悩まなくていいんだ。それは人によって病気だったり、あるいは置かれた環境の問題だったり、いろいろでしょうけれど、苦しみから解放されたという安堵感が夢まぼろしとわかった時の絶望感。

自分はもうこの現実を受け入れているって思っていたけど、全然そんなことなかったんだと自身抑圧していた感情を突きつけられることももうつらい。しかもリリカは、その夢での解放さえも儚く散って、より一層に過酷な重荷をまさにその夢の中で負わされるというのですから、これはもう耐え難いものでありましょう。

泣き叫びながら目を覚ましてしまうのもおかしくない。永野に救いを求めてしまうのもしかたない。だからこそ、怖い夢かと気づいた時の永野の態度はちょっと許せなかった。永野に求めすぎかも知れないけれど、リリカの気まずさも不安も苦しみも、永野は気づけていたろうに、だったら最初からそれらリリカの気持ち全部をまるごと抱きとめてあげてほしかった。

やりすぎたと思ってからは、ちゃんと側にいてくれて、翌朝もちゃんと気づかってくれて、そしてリリカから聞かされた夢の話。これは永野もマズかったと思ったんじゃないでしょうか。

いずれテクノロジーが解決するかも知れない。新しい治療法もできるかも知れない、そうした未来をリリカとともに語る姿、そこでのやりとりは前向きさが感じられて本当によかった。あるいは車イスに代わるより自由度の高い補助具などもできる日がくるでしょう。そして願うならば、この漫画の世界においてくらい、つらい現実の克服された未来が訪れてほしいと思います。

だから永野、リリカの脚が自由になる日がきたら、思いっきり蹴りとばされてさしあげてください。なんなら私がその役割代わってもいいです。

『ばーがー・ふぉー・ゆー!』

モグモグバーガーにまた新たなスタッフが! といいたいけど、こむぎよりも年上! こむぎよりもベテラン! ただいろいろ問題ある人のようで、怖ろしい遅刻魔。道を覚えられないらしく、10時から仕事のはずがもう12時まわっているというんですよ。でもあんま焦ってる風じゃない。ある意味、大物ですよね。

この人、名取ころもさん。小柄で不思議系で実力者。押し寄せる客、容赦なくわかりにくい期間限定バーガーのレシピにこむぎが苦しんでいると、さらっところもが助けてくれた。すさまじい速度で、限定バーガーふくめ完璧に仕上げていくその手腕。こむぎはポンコツ認定していましたけど、バーガー関係となると凄腕の完璧人間。社が認定する最上位ランクの保持者。客への応対も完璧で、でもやっぱりいろいろ欠けてるところがあるっていうのがこの店のスタッフらしさを感じさせるんですよね。

ころもとこむぎ、仲良くなれたようで、これは本当にいい流れでしたね。きっとこれからもころもの活躍を見られるに違いない。それがもう楽しみで、どんな凄腕を披露してくれるのか。それと同時に、どんな問題行動を見せてくれるのか。本当、好みのキャラクター。最高ですね。

2023年4月22日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年6月号、昨日の続きです。

『さうのあっ!』

サウノアというのは、フィンランド語でサウナのことなのかな? とか前回いっていましたけど、そうじゃないのか。サウナはサウナでも、サウナに入るという意味の動詞なのだそう。これを教えてくれたの、フィンランドからやってきたリューディアなのかと思いきや、さにあらず、実は前回すでに登場していた清水芹香。眼鏡が可愛い物静かそうに見えるクラス委員。

しかしどこに出てたんだろうと読み返してみたら、あれか! サウナハット被ってた人! 突如サウナうんちくを語り出した謎の人! あれが、あれがシミズさん!

物静かなのは学校でだけなのかの? 普段はテンションあまり高くないものの、サウナに入ると状況が変わる。サウナハイ!? サウナのこととなると怒涛のうんちく、長広舌を奮う清水。そこまでサウナに入れ込んでるのになぜ普段は内緒にしているのかと思ったら、なるほど、サウナ好きってなんだかおっさん臭いからと、それで隠していたんですね。

いやいや、趣味がおっさん臭いのは、風呂三日に一回で具体的に臭いよりずっとマシですよ、シミズさん!

いやしかし、その風呂三日に一度の影山さんも昨日のサウナで今日は快調? 今日のサウナで明日はもっと快調かも知れませんね。

『瑠東さんには敵いません!』

体育の授業。ペアを組んでストレッチをする瑠東と和村。黙々とストレッチするかと思いきや、いやいやこのふたりがそんな黙々だなんてあるわけありませんよね。人の気持ちがわかるようになりたいと悩みを打ち明ける瑠東に、対し人の顔色伺いすぎる嫌いのある和村。どっちも過剰になるとよろしくない。そのちょっと過剰に踏み込みつつあるのが和村で、過剰になってしまわないようそれをごまかす方に舵を切ったのが瑠東。

ふたりともに不器用ものなんですね。

それゆえに、互いにないものを埋めあわせようとするかのごとく、気持ちと気持ちは近づいてしまうのか……。いや、そんなロマンティックな感じじゃあないと思うんだけど、ともあれ和村の前だとありのままの自分を出せる瑠東と、そんな瑠東に幻惑される和村と、ほんと、ふたりのこのコンビネーション! そしてふたりの接近は、ただ気持ちの距離だけでは収まらず、ついには手と手が触れあうまでにいたるというのです!

けど、手を繋いだって人の気持ちなんてわからんよ? ハグでも駄目よ。そう、時代はおでこぱしー! さあ、和村と瑠東よ、おでことおでこをくっつけるのです。そうしたらもう、他の人と手がどうたらこうたらゆうてる事態じゃなくなりますから!

ということで、近いうちにふたりのおでこぱしーが実現するの、期待してしまうのでありました。ええ、絶対ふたりのおでこぱしーは本家本元に負けないくらいに美しく素敵なものになると思うのです。

いや、ギャグになる可能性もあるな……。

2023年4月21日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年6月号、昨日の続きです。

『コンビニ夜勤のあくまちゃん』

冬のコンビニというとアレ! おでんの話題です。なのに昨今の風潮で、SNS投稿目的の迷惑客を警戒しないといけない。とはいえ、今回描かれたのは冒頭2種ともバイト側の悪行でしたね。なんでこんなことをするのか、店長の注意を聞いてさっぱりわからないアルール。まあ、そうよねえ。つまみ食いするなら証拠残さないほうがいいのに! って、いやいやそうじゃない。

そしておでん70円セールがはじまります。おでんを知らないアルールに店長自らおでんの仕込みを伝授。出汁を用意し、具材も準備。ほぼできあがったのを、ほぼできてる出汁で煮込むだけじゃないのか。揚げものはちゃんとお店で湯通してるんですね。それこそ半調理品を店頭で仕上げてるだけかと思っていました。

かくしてできたおでんは見事なもの。アルール、渾身の一品ですね! とここで悪いニュースが! おでんをぺろぺろしてくる不審者の情報が舞い込んできて、いや、つんつんはいたけどぺろぺろは現実を超えてやばいな! 自慢のおでんを毀損されたんじゃあおさまらない。誰もを疑い、さらには魔法でおでんにバリアまでかけてしまう!

めっちゃ本末転倒だ! 気持ちは、気持ちはわかるけどな!

微妙に不審な人物も来店したけど、ヤバい客はこなかったしおでんもちゃんと売れました。ええ、心配事は杞憂におわり、売り上げもあがって、今回はいい循環のまま終われましたね。

『てくてくっ!秘密リサーチ』

連載になったよ!

次の動画の題材を考えているひぐれ。移動中に出会ったすかいとともに、お城にいくことになりました。とはいえ、目的地は城跡で、城閣などは残っておりません! というか、世田谷城址公園って、あのへん、お城だったんか! まったく知りませんでした。

しかももともと天守閣のないタイプ? 残っているのは石垣と空堀の痕跡。抜け穴と埋蔵金の伝説なんてのもあるらしいんですが、すかいこそは目の色変えて興味津々だけれども、ひぐれは特に終始冷静でありましたね。というか、すかいがずっとMy雑巾っていってるのがおかしくて、いやいや雑巾は別に捜さなくってもいいのでは!?

今回はお城マニアなのかな? 合衆国市民のマリン・シアーズも急遽参加となりまして、これは今後もこうして自由な気風をともに参加したり独自行動してくれたりしそうですね。

世田谷城址公園は城跡としての痕跡を多々残しつつ、生活の場、また憩いの公園として整備されてもいるという、歴史と今の交差する場所になっているようですね。城跡であり、その後建立された豪徳寺や、さらには戦時中には防空壕も作られ、そして今の平和な時代にいたるなど、その時々の歴史がひとつところに重なっているという、そうした解説もまた面白く読みました。

『ギャルとネクラの吸血関係』

いよねが倒れてしまってさあ大変。なんとかしたいと思いきや、どうともできないのがまくるという子。よりにもよって、頼った先が吸血鬼ハンターだというのですから、まくるの交流関係に心配がよぎります。

吸血鬼ハンター、アクアからすれば、吸血鬼のこうした申し出、なにかしら裏があるのではないか。眷属を病気に見せ掛け、吸血鬼ハンターを誘い込もうという謀略などあるのではないか、心配するわけですが、そりゃもうまくるですから、なんも考えちゃあいない……。

残念だ……。本当に残念な子だよ、まくるさん……。

でも今回のアクアとまくるのやりとりで、まくるが人を、眷属を自分にとって都合のいい道具と見做しているわけではないことがしっかり伝わったり、むしろ我が身を呈してまで守りたい、そんな大切な相手だと証明してみせたようなところもあって、これまで敵対関係以外ありえなかったまくる、アクアの距離感もまた違ったものになってきそうな予感のさせられる良エピソードでした。

そしていつもは吸血に心捕われすぎるまくるだけど、いよねの危機とあらば自分の血をわけあたえることも辞さない。このいよね大事というまくるの気持ちが、こうもはっきりと現れたの、とても魅力的だったと思います。今後はもう、より一層にまくるのいよねラブが炸裂してくれればいいっ! いやほんと、もうその一心でありますよ。

2023年4月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年6月号、昨日の続きです。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

つくしの周辺、変わった人しかいない説!? 性別不明の殺し屋ユーリもそうですが、お隣に越してきた女の子、昼日中倫ってのも相当におかしい。銃を手に外に出ようとしたユーリからあっさり銃を奪って、ロシアンルーレット気取りで自分の頭に突きつけたかと思うと、オートマチック拳銃の引き金をひく!

死ぬ、死ぬから! 安全装置がかかってるから無事だったとはいえ、へたしたらここで死んでいた。あるいはユーリのいうように、一般人を装う殺し屋かなにかなのか? 銃の知識はまったくないといってるけれど、銃の知識があるからこそ安全装置を解除しなかったのではないか? バカを装ってる可能性もあるとユーリはいいますが、銃を手に殺し屋だなんだ大声で触れ回りながら練り歩くユーリも相当なものよ?

いやいやそのあたりさておいても、倫はちょっと変わり者の一般人じゃないかなって感じがしますよね。いや、ほんとにそうか?

ユーリとの相性は悪いかも知れない。というか、ユーリが銃を取り戻せないって、どういうこと!? って気もするのですが、謎の存在、昼日中倫。今後活躍が見られるのか、あるいはつくしとユーリの日常をこれでもかとひっかきまわすのがこの子のミッションなのか。いやはや、さっぱりわかりませんよ!

でも可愛いよね。そんでもってサメリュック。

『SAN値直葬!闇バイト』

ヤバいことになっとる! 本日の釣果なるタイトルからはじまった今回。いわゆるモキュメンタリーの手法で進行していくのですが、動画投稿者異留美なてぃが最凶スポットとして知られる海辺の廃村を訪れ、その禁忌に触れてしまう。同行者は相方のドタキャンを受け急遽参加してくれた女の子。廃村の奥へ奥へと向かうなてぃが、わりと常識的な判断を見せる中、その同行者がより深みへ、危険な方へと促していくんですね。

そしてついに同行者が唱えはじめたおまじない。食ったら太る! 食ったら太るぐんぐん! 冒涜的なその響きは、かつてこよとあかりが経験した悪夢のような出来事を引き起こしたアレじゃないか!

かくしてなてぃは囚われの身に!? これはクトゥルフの娘、くてらに食われてしまう!? それともなにか苗床のように使われてしまう!? なてぃのピンチ! はたしてここに忌しきものを超えるヤバいやつ、あかりが駆けつけること叶うのか!? あるいはまるで彼女らの関わりのないうちにすべてが終わってしまうのか。

この漫画、思った以上にヤバい。ほんと、なてぃにはなんとかして助かってほしい。いや、どうなのだろう。ここは残念ながら絶望的な局面かも知れませんね。

『マグロちゃんは食べられたい!』

扉絵が素晴しいな……。なぎさが、なぎさが最高なのです……。

さて、学園生活を楽しむまぐろです。学生の本文、勉強にも余念がないまぐろ。といいたいけど、余念だらけだな。いかにみさきに食べてもらえるか、そんな計画ばかり練っている。でもこうして勉強そっちのけにしていると追試に落ちるよ、留年しちゃうよ? シビアな話!

でも、まぐろは人と同じ価値観を有していないから、将来についてもなんら頓着しないし、なんせ希望はみさきに食べてもらうっての一辺倒だからなあ。なかなか勉強なりなんなり、やる気にさせるのは難しいんですね。

5教科赤点克服が難しいなら、まずは実技教科から攻めてみよう! かくして体育。バスケットボールに挑戦させるのですが、すごいなまぐろ、赤身魚だけあって筋肉量がすごいのか……。そして試合においてはその筋力使ってまぐろ大活躍! といいたいけどまるで役には立っておらず、なぎさひとりで勝っとるやん! いやもう、なぎささん文武両道。素敵やわあ。

家庭科は調理実習、鮭のムニエルを作るというのですが、まぐろに刃物持たせると自分の身を使おうとするって、危なくってしかたないな! ではみさきに任せるかとなると、この子はこの子でマグロ馬鹿。鮭のムニエルだ! っていってんのにマグロを出してくる。いや、焼いたマグロもおいしいと思うよ。ともあれ、みさきにしてもマグロにしても、ふたりともに相当なやつらでした。

でもね、このやたらややこしい学校生活。それはそれで楽しんでることがわかるの、とてもよかったです。そしてやっぱり勉強あかんかったみさき! うん、最悪の場合はまぐろと一緒に留年すればいいよ。『きらら』誌には留年の先輩もたくさんいるからきっと大丈夫です!

『ラスボスは逃げ出した▽』

魔王を人質にとられた勇者が、魔法剣士、ゴブリンのふたり組に圧倒されてしまってさあ大変! このピンチをいかに切り抜けるのだろうか、からの四天王妖狐の無双でありますよ!

魔法禁止空間だというのに、躊躇なく狐火を使いまくる妖狐。ああ、やっぱりそうか、妖術だから魔法禁止に引っ掛からないんだよ! 魔法剣士は出落ちレベルで撃退。多少は頑張ったゴブリンも、苦もなく軽くあしらわれて、なんだよ、すごいな、やっぱ四天王の連中、めちゃくちゃ強いんだ!

そこからのふたたびの魔王人質、悪人の刃にかかろうというのか!? という局面でチェンソー持ってふいに出現する堕天使ですよ! 圧倒的だな! というか、ほんとに強かったんか。でもって、ここぞという時にはしっかりこうして役に立つんだなあ!

一旦は魔王に敵対したゴブリンだけど、魔王の温情? あるいは無垢な笑みに陥落? チョロく籠絡されて、いいように使われる運命に踏み込んでしまったわけですが、さらにここで勇者側の事情も語られて、なんと、この勇者の兄! 眠り続けている本当の勇者の存在が明らかになって、この漫画思った以上にいろいろ込み入ってるんですね! もっとなにか、魔王が楽しようとぐだぐだするばかりの漫画かと思っていましたよ。

2023年4月19日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年6月号、発売されました。表紙は『メイドさんはハジメテの友達』。メイドさんが諸手を挙げてお出迎えでありますよ。しかし気になるのがキャプション。「私とギャンブルしましょう」! ええ、ええ、たしかにこの喫茶店のシステム知っていれば、お金をかけないギャンブルで楽しめるお店、なんら不思議でもないセリフなんですけれど、いきなり持ち掛けられるギャンブルにはちょっと驚きですよね! しかしメイドさんのこの堂々とした姿。見た目の甘さに油断すると危険なやつです!

今月は新規ゲストが1本です。

『ハイスクール・オブ・ザ北風と太陽』

三角関係に憧れる旅野ひとみこ。しかし実際に巻き込まれるとなるとちょっと事情も違ってくるのかな? 入学した学校で階段から落ちそうになったひとみこ。危ういところを助けてくれたのは、胸も豊満なお姉さんで、しかもひとみこ、一目でこの人から見初められてしまってさあ大変!

恋愛のはじまりか!? といえばどうもそうではないようで、いきなり制服を脱がされて、ヌードデッサンモデルになってくれと熱く懇願されるというんですね。

いやまあ、抵抗しますわなあ。そりゃあ逃げ出しますわなあ。と、そんなひとみこのピンチを救ってくれたのが、見た目にも麗しい黒髪のお姉様。素敵な関係のはじまる予感!? と思いきや、またもやいきなり制服を脱がされるひとみこですよ。

な、なんだこの学校、治安ってやつがないのかい!? このお姉様の目的は、被服部の活動でいろんな衣装をこの子に着せたいというんですね。

かくしてはじまるひとみこ争奪。ヘンタイとヘンタイの、夢の(夢の)コラボレーション。しかもラストには最後の一線まで越えられてしまって! さあ、ひとみこの明日はどうなる。というか、この状況見るにふたりともやってること北風だよね!?

『ぼっち・ざ・ろっく!』

喜多ちゃん、家出したんか。進路で親と揉めました。親としては進学するものと思っていたのに、娘は第一志望にバンドマンとか書いちゃって、いやいや進学した方がいいのでは!? 学内バンドではなくなるかも知れないけど、得られる知識、経験はなににせよ多いに越したことないからさ!

とか思ったら、終盤Starry店長が同じようなこといってましてね、ええ、やっぱこのへんが年長者の判断ってやつですよね。

しかし今回、仮に進学したらどうなるかって想像、喜多にせよぼっちせよ、えらいこと酷いの! キラキラの大学生活がバンドへの興味を上回って、どんどん音楽から離れていく喜多ちゃん! 虹夏からの信頼薄いな! そしてぼっちはもっと酷い。大学でも孤立! 授業にも出られなくなり、ギャンブルにはまった末にネットワークビジネスのエサになってしもうとる! これはぼっち本人の妄想ですけど、ぼっち、自身への信頼薄いな!

いやもうほんと、普通に穏便な落とし所とかないんですか。ないんでしょうなあ……。でもなにかしら物事を成しとげるやつは、こういう落とし所がおかしい連中のような気もするんですよね。いや、生存バイアスってことはよくわかっています。

そして結束バンド面々のお泊まり会イベントも勃発して、ああ、なんと華やかな一夜でしょう! といいたいけれど、もはや逃げたいぼっちにリョウ。君ら、始発電車に乗るような早起きキャラじゃないだろう! ってのに始発で帰るって、どれほど喜多ちゃんのテンションについていけんかったのか。ほんと、喜多ちゃん、このメンバーの中だと異色な存在ですよね。

『エイティエイトを2でわって』

めちゃくちゃ面白い。扉絵の調律の風景。調律師さんがお美しいのもあるけど、自分は、自分は、美弦がたまらなく好き。リボン、ブレザー、きっちりしたかっこうにふわりとしたボブ、好奇心を秘めて輝く瞳に端正な面持ち。

ああ、駄目だ、本当に駄目だ。美弦が、美弦が好きすぎる……。

しゃべったら残念少女だけど、その残念さも愛おしい。なんて、なんて素敵なんだ。美弦が、美弦が好きすぎる……。

さて、今回の調律。調律師さんがギャラリーからめちゃくちゃ褒められて嬉しくなっちゃってるの最高でしたよね。しかも知らない誰かに解説するのが楽しいって気持ちがビシバシ伝わってきて、あの怒涛の解説ですよ、全部読んじゃった。いやあ、あれは読むよなあ。たまらん。

今回は前半で調律を、そして後半に楽譜の買い出しを描いて、このショッピングの様子もすごく面白いの。出不精奏をなかば無理矢理ひっぱりだす美弦さん。そして大型ショッピングモールにて約束のシールを買ってくれている奏。あの謎シールもおかしいんですが、まさかこれが即出番あるものだとはまったくの予想外でした。この子はこの子で、また謎感性の子ですよねえ。

そして最近はやりの街角ピアノ。ピアノを見ると座らずにいられない美弦さん! 技術的には荒こそあれど、楽しそうに弾く、聞く人を魅了するその演奏は本当に素敵だなって思う。自分はこういう演奏家になりたいなあ! 練習してないから駄目だけど。

そして次の展開が予感されるラストですよ。まちなか音楽祭の案内チラシを発見した美弦さん! おお、これはやるぞ、きっとやってくれるぞ! ええ、絶対面白いことになりますよ、これ。

2023年4月18日火曜日

怪獣が出る金曜日

 ニンテンドーeショップ、駆け込み購入したソフトシリーズ。『怪獣が出る金曜日』というソフトについては、その存在そのものをまず知らずにいました。eショップ終了目前のおすすめラッシュがなければ、今もなお知らないままでいたでしょうね。そのおすすめツイートというのがこれまた不思議なことに英語で発信されたもので、タイトルの "Attack of the Friday Monsters! A Tokyo Tale" から日本語タイトルを探さねばならなかった。いやもう、ほんと、なんともいえん不思議な縁でした。

この存在を知ったのがeショップ終了1週間前。そのくらいの時期に最後の駆け込み購入を開始していて、『鉄道にっぽん!路線たび』を買ったら空き容量が枯渇した! どうしよう! といってたのがこのタイミング。

容量いっぱいにまで買ったら、もうそれで終了にしたらいいんじゃないの? となりそうなところを、もっともっとだと消せるものがないか探し、少しでも空き容量を確保しようとしたのは、ひとえに『怪獣が出る金曜日』の購入で迷っていたからなのですね。

いろいろ調べてみましたよ。コンパクトなゲームで2時間ほどでエンディングを見られるらしい。うん、これはコンパクトなゲームが好きという私にはデメリットではないですよね。販売はレベルファイブ。ということは、後々Switch版が出たりするんじゃないか、じゃあ今回は見送るか? とも考えたのですが、出るかどうかわからんことに判断を委ねることはできません。

かくして体験版を消し、もう終了したタイトルの不要となったゲームデータを消し、さらには多量の画像データをバックアップした上で消し、なんとかかんとか『怪獣が出る金曜日』と他数本分くらいの空き容量を確保することに成功したのでした。

といってもまだプレイしていないんですけどね。いろいろ考えをめぐらし手を尽した分、なんかもったいなくてそうそう手を出せないというか、『ニコリのパズル』という山脈が巨大すぎるせいというか、ともあれ! 必ず遊びたいゲームとしてずっと頭のどこかに残しておきたいと思います。

2023年4月17日月曜日

星霜のアマゾネス

 ニンテンドーeショップ、駆け込み購入したソフトシリーズ。設定やシナリオを担当された方がtwitterにてセール情報を告知なさっていたのを見て知ったゲームなのですが、なんと『脱出アドベンチャー』シリーズのスタッフさんが関係なさってたのか! ということで、セールを利用して購入。2023年3月19日購入なので、本当の本当にラストセール待ちで買ったという感じですね。しかし、定価にして6071円がセール価格で500円。パッケージ版はなんか変に高騰していて1万円くらいするっていうね! ほんと、これがチャンスでないとすればなにをチャンスといえばいいのかっていう価格でありました。

なお、CERO Dです。またかよ!

でもね、CERO Dだから買ったのではなく、はじめにも述べましたが『脱出アドベンチャー』に参加されていた方が関係しているからというのがひとつ。そしてもうひとつは3Dダンジョン系ゲームであること。3Dダンジョン系ゲーム、好きなんですよ。ほら、エルミナージュとか買ってましたでしょ? エルミはちょっとボリュームがありすぎて、1作目のエンディングを見て3周目に突入したところで疲れて放置になっていますが、もうちょっとコンパクトで収集要素とか少ないのがあったら遊びやすいのになあ。

みたいに思っていた自分にとって、このゲーム『星霜のアマゾネス』はどうもうってつけかも知れません。

とりあえず第1章だけクリアしてますよ。プレイしてみて驚いたのが、3Dキャラがよく動き、よくしゃべる! マジか! ってくらいしゃべります。シナリオはフルボイスっぽくて、これ全部聞いてると全然進まなくってきっと自分は投げてしまうので、心を鬼にして飛ばしながら読んでいます。

ゲームは、3Dダンジョンとしてはわりと簡単なのかな? まだ序盤だからかも知れませんが、迷路もわかりやすく、迷う心配はまずありません。下画面に表示されるマップもありがたい。近場にある情報ポイント、トレジャーボックス、そしてイベント発生ポイントなど、あまさず表示してくれるから、わけもわからずうろうろして結果迷子になるということはあまりなさそう。親切な遊びやすいゲームのようで安心です。

しかし、じゃあゲームとしては楽勝なのかというとそうではなく、リソースの把握、管理が結構重要になりそうですよ。このゲームは通常攻撃においてもデンチと呼ばれるエネルギーを消費し、各キャラ手持ち3のデンチを使い切るとパーティ共有のバッテリーからデンチにエネルギーを移して回復させてやらないといけない。このバッテリーの残量が問題で、ダンジョン内に補給ポイントはあるものの、それを見つけられなかったらエンカウントするごとにエネルギーすなわち行動力を失っていってしまう。

迷路の構造がわかっていたら楽勝でしょう。ですが最初はなにがどこにあるかわからんわけです。たとえば私がクリアした第1章でのことですが、ひとつめの回復ポイントに寄らずに進んでしまったためにエネルギー残量がぎりぎりといっていいくらいまで減ってしまい、あやうくふたつめの回復ポイントに辿り着けなかったら行動不能になってしまうところでした。

このゲームは、キャラクターの可愛さやボイス、そしてセクハラ尋問などが前面に押し出されてはいるものの、遊びの本質としては、限られたリソースを使い切るまでに補給ポイントを発見し、ダンジョン内の物資を確保、ステージボスを撃破し無事探索を終えるという、シビアなリソース管理が要求されるエリア脱出系ゲームであったんですね。

一般的なRPGって、街を拠点としてダンジョンなりフィールドを探索、行動可能範囲を広げていって次の拠点に到達。そしてふたたび行動範囲を広げるべく探索をするということの繰り返しだと思います。対して『星霜のアマゾネス』は、主人公たちが監獄惑星からの脱出を目指す囚人ということもあり、身を落ち着けられる拠点といえる場所がないんですね。

いや、この先、シナリオを進めると拠点を持つこともあるかも知れませんけどね? ですが序盤においては、監獄からの脱出をやると決めたらもう進むしかない片道キップの探索行。ちょっと進んで行動力を消費したらスタート地点に戻って回復、みたいな従来のRPGのセオリーは通用しないんです。

とはいったけど、そういえばダンジョンの序盤に回復ポイントあったような気がする。戻れないと思ってたけど、もしかしたら第1章ダンジョンって回復ポイント3つあったのかな?

終わったことは気にしない! ともあれ、回復ポイント発見が遅れるといきおい強行軍となってしまうこのゲーム。自分のように、とりあえずまわれるところは全部まわる、みたいなスタイルでやっている人間だと命取りになりそうです。

あと、公式サイト見てみたら特定のギミックを作動させておかないとクリア後の再訪問時に進行不能になってしまう仕様があるらしいじゃありませんか。

ダンジョン内のギミックというギミックは動作させねば気がすまない自分なら大丈夫なのではないかと思いますが、いやはや危険危険、これ、心にとどめておきましょう。

2023年4月16日日曜日

女家庭教師 伊都香先生と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。

 ニンテンドーeショップ、駆け込み購入したソフトシリーズ。この長いタイトルのソフト、『女家庭教師 伊都香先生と密室にいたら○○しちゃうかもしれない。』を買ったのは昨年2022年の12月。結構余裕を持って購入していますね。きっかけはセールでした。ある種のタイトルは、それこそ毎月末には決まってセールをしているみたいなところがあって、このゲームもそうしたもののひとつでした。最初はどういうゲームかさっぱりわからずスルーしていたのですが、どうも脱出系であるらしいと知って、価格も100円ならどんな出来でも許せるだろうと思い押さえておいたのでした。

このころ、脱出系とかに興味があったんですね。もともとは『脱出アドベンチャー』のシリーズが面白く、この系統のゲームをいろいろやってみたくなったのでセールに脱出系があると買っておく、みたいな行動をしていました。

さて、このゲームですが、見るからにあやしいですよね。女家庭教師とかいってる。密室にいたらなんたらかんたらいってる。3DSのゲームだから直球のアダルト寄りってこたあないだろう、と思っていたのですが、CEROを見てみるとD(17才以上対象)だそう。いや、でもまあ3DSのゲームですからね。そこまで期待はできません。

基本アドベンチャーゲームなので、テキストを読みながらストーリーを進め、途中なにかしらの条件を満たすと密室からの脱出モードに移行するという流れである模様です。メインシナリオがあって、そこから密室脱出のサブシナリオを開いていく感じ。冒頭をプレイしてみた感じでは、一定のストーリーを進めたら自動でサブシナリオに入っていくという理解でいいのかな。

密室からの脱出モードは、謎解きが割と強引で、考えて解くとかよりも勢いでやっつけてよっしゃー! みたいなノリ重視といった印象でした。教室に閉じ込められた。ロッカーになにか入ってそう。けれど取っ手がなくて開かない! という状況で、なにかしらの手段で扉を開けるのですが、そこで必要になるのが賞味期限切れの大福とかね!

わ、わかりにくい! しかも大福の粉を黒板消しクリーナーで落としてベタつかせてから扉にくっつけるとかね、わかりにくいよ! とまあ、こんな感じの割と強引な謎解きなんです。

このゲームの売りは、主人公の興奮度が高まることで移行するヘブン状態。このモードに入ると、3D表示された先生をぐるぐる見回すことができるようになる。これがためにCERO Dなのでしょうが、見えないものを見ようとして3DS本体傾けたりすることで、隠された脱出に必要なアイテムを発見できたりするので、ゲーム進行においては重要だったりするみたい。

シナリオのテキストがくどいというか、やりとりがすっきりきっぱり進まないとか、いわゆるノリ重視の会話メインで進行するギャルゲー的な感触もあって、ちゃっちゃと要点かいつまんで先へ先へと進みたい、みたいな人には向かない感じもあります。ですが、これはこれでひとつのジャンルのお約束ではあると思うので、好きな人は好きなはず。枝葉を楽しむのが好きという人にはきっと向いているゲームなのだと思いました。

2023年4月15日土曜日

引ク押ス

ニンテンドーeショップ、駆け込み購入したソフトシリーズ。『引ク押ス』は余裕を持って終了の一週間前に購入していたのですが、まさかシリーズ作、それぞれで名前が違ってるなんて知らなかったので『引ク落ツ』、『引ク出ス ヒッパランド』についてはまったくのノーマーク。いきおい終了直前にほんとにほんとの駆け込みで購入することとなったのでした。しかし最終日前夜、あれは焦りましたよね。あまりに駆け込み購入者が殺到しすぎたかサーバが落ちてしまって緊急メンテ。最悪『引ク出ス』のDLCは諦めないといけないかと思ったのですが、さいわい翌朝にはサーバが生き返っていたので無事購入することができました。

3作のうち、遊んでみたのは『引ク押ス』と『引ク出ス ヒッパランド』のふたつだけ。『引ク出ス ヒッパランド』はチュートリアルをやらないとDLCを購入できるようにならないので、もうぎりぎりに急ぎでチュートリアルやっつけましたよ。

で、購入後、というかeショップ終了後というべきでしょうか、ゆっくり時間をとって『引ク押ス』から遊んでみたのですが、ゲーム性がちょっと違うとはいえ、やっぱり後発作の方が遊びやすい? そんな感触を持ちました。ということでまずは『引ク押ス』をやっつけ、第2作目、そしてヒッパランドへと進んでいきたいと思います。

『引ク押ス』がどういうゲームかは雰囲気でしかわかっていなかったのですが、詰まれたブロックを引っ張って足場を作りながらゴールまで登っていくという、わりとシンプルなもの。『引ク押ス』だと遊具に挟まれた子供を助けにいく! みたいな、見た目の愛らしさに比べ物騒な設定があったりするんですが、『引ク出ス』だと純粋にゴールを目指しましょう、みたいになっていたのでクリアできなくても罪悪感がないのがいいですね! このゲームは3D表示とか2画面表示がなくても問題なく遊べるものだから、いつかSwitchとかに移植されたりしないかな、みたいなことを思っています。eショップ閉店とともに遊べなくなるというのは残念だと思ったんですね。

このゲームを最初に知ったのは『バッジとれ~るセンター』がきっかけでした。『バッジとれ~るセンター』をきっかけとして知ったタイトルって意外と多くて、ある意味このゲームは私にとって3DSタイトルのハブ的存在だったように思っています。

『引ク出ス』シリーズは、そこに辿り着くまでに『ニコリのパズル』という大きな山脈を越える必要があるので、しっかり遊ぶのはもうしばらく先になりそうですが、コンパクトなサイズのゲームを、好きなところで好きなタイミングで遊びやすい3DSの特性には非常によくマッチしてると思います。きっとその遊ぶ日のくることを楽しみにしています。

2023年4月14日金曜日

ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館

先日終了してしまったニンテンドーeショップ。なくなってしまう前に良作佳作を買っておかないと、といった具合に駆け込み需要がものすごいことになったことももはや思い出となってしまいました。私もこのクローズ前の熱狂に飛び込んだうちのひとりだったのですが、終了する間際にこのソフトの存在を知ることができたのは、本当にラッキーだったと思います。

『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』。フランスはパリ、ルーヴル美術館の公式オーディオガイドをベースにした、美術館体験ソフト。ルーヴル美術館でパッケージソフトが売られたこともあるらしいのですが、基本入手が難しいソフト。高騰してしまっているらしく、興味があるならDL版を買えるうちに押さえとけ、という話だったので押さえておいたのでした。

公式サイトによると写真点数600点以上。音声解説30時間以上。館内写真は400部屋以上。ということでかなりのボリュームがあります。ともない容量も1.8GBを要求するという、3DS向けタイトルとしては相当な重さであります。

自分は32GBのmicroSDを挿していたのと、あまりDLソフトを購入していなかったのとで容量に余裕があったのですが、そうでない人は欲しくてもダウンロードできない! 大きなmicroSDを買うか!? どうする!? みたいな葛藤があったかも知れませんね。

さて、このガイドは作品単体で解説を楽しむモードと、ルーヴルを体験する、いわばコースガイドを選べます。とはいえですね、用意されているおすすめ見学コースは短いもので40分! 長いものだと90分という相当な大きさで、こりゃちょいと楽しむには骨が折れる。ようし、ルーヴル美術館に本腰いれて取り組むぞ! くらいの気持ちでないと向かいあえない、そんな気概が要求されるタイトルになっています。

というわけで、作品単体モードでいくつか見てみたんですよ。まずはカスパー=ダヴィット・フリードリヒの『カラスのいる樹』。知らない作品だったのですが、なんか不思議なことにですね、複数枚収録されている写真を切り替えていくとモンドリアンが出てくる。

モンドリアンというと19世紀から20世紀にかけて活躍した、新造形主義の画家。格子で構成された抽象的な作品、おしゃれな雰囲気なのでバッグなどの雑貨に引用されたりするので、見たことある人も多いんじゃないかと思いますが、それがなんでこの作品の引きあいに出されるの?

と思ったら、なるほど影響を受けた作品をこうして解説にて紹介してくれたりするんですか! いやあ、これは面白いなと一発目から興味をそそられたのですが、その解説の中でモンドリアンの作品が「冬の枯れた木立の習作から生まれたことはよく知られています」と当たり前みたいに語られていて、そうなんか! 知らんかったよ!

学びになる。時間の関係でなかなかがっつり向きあえないでいますが、少しずつでも聞いていきたい。よりよく知りたい。そうした気持ちにさせてくれる良作でありました。

2023年4月13日木曜日

『まんがタイムきらら』2023年5月号

 『まんがタイムきらら』2023年5月号、昨日の続きです。

『それでは、ステキなセッションを。』

鴫野あまねバックバンドのオーディション。自分のテクニックを見せつけようと、我も我もと他者を押し退けるようにして演奏していたベーシストたちを、うまく調和させた是沢の演奏。これこそがバンドに求められる能力では? そう思ったのですが、ああ、違うのか、肝心のメインボーカル鴫野あまねがこの状況を面白く思っていない。

それで殺気を発するわ、自らセッションに加わって挑発しはじめるはでもう大変。しかもこれ、どうも恒例のことらしく、過去に何度もオーディションをぶち壊している?

いやもう、困った人だねえ。とは思うのだけど、こういう考えのボーカリストが自分の求めるプレイヤーを見つけるためというのなら、こういうアプローチに出てしまうのもしかたないのかも知れませんね。鬼気迫る鴫野あまねに是沢本気でぶつかるも、残念ながら力及ばず、今回のオーディションは合格者なしってところでしょうか。

そして、この鴫野あまねがロノのかつての顧客? そんな話が漏れてきましてね、ええ、えもぽを集める妖精が繋ぐ人間関係。たまたま偶然のことなのか、あるいはなにかしらの必然があるのか。こうしたこともいつか語られる日がくるかも知れませんね。

My Private D☆V

『きもちわるいから君がすき』の西畑けいです。

D☆Vポイントは「毎朝耳元で優しく囁いて起こしてくれる女の子が好きです」からはじまる長文!

いやもうほんとに長いんでちょっと全部ここに引用しようって感じにはならないんですけど、もうとにかく全部盛り? これだけ沢山のD☆Vポイントをピックアップできるというのもすごいことだ。途中でアイデアが枯渇したりしないものなのか! いやもう感心するほどでした。

で、このD☆Vポイントの中にですね、なんかお金とかいっぱい持っててとか書いてあって、この唐突な発言には笑わずにはおられませんでした。いや、わかるけどさ! みたいな面白さがあって、そりゃお金持ってるにこしたことないけどさ! っていう、相当なつっこみどころ。ほんと、絶妙なタイミングってやつでした。

そしてイラストですよ! 一番最初に開示された、メインのD☆Vポイント、朝起こしにきてくれている女の子が描かれていまして、セーラー服にエプロンっていうのは、続くコメント群の最初の方にあるやつですね、ということは、この子がなんかお金とかいっぱい持ってるってわけか!

ほんと面白い。コメントがつくことで、想像の余地(?)が広がるってやつです。

2023年4月12日水曜日

『まんがタイムきらら』2023年5月号

 『まんがタイムきらら』2023年5月号、昨日の続きです。

『Vドルあーかいぶ!』

ヒカリとユメがコラボをしますよ! 喜ぶヒカリと拒否するユメ、その見事な対照が美しく、しかしなぜユメはそこまでヒカリを拒絶するというのか。

コラボはオフコラボ、どちらかのリアル家にて配信することとなるのですが、ヒカリの家は回線不調。ということでいきおいユメの家に決まるのだけど、決定にいたるまでの紆余曲折。ユメが無茶な理由で抵抗した挙句、ごちそうするといわれて即陥落した理由もちゃんと後に明かされることとなって、これがもう面白い。

ユメの住まい、ボロいアパートなんですね。そうか、見られたくなかったんだ。愛媛から出てきて一人暮らしをしている。苦学生なんだ。でもこの困窮状況には自業自得の側面もあって、バイト先のメイド喫茶で客にキレてクビになったり、それで家賃払えなくなって住んでた家を引き払わなければならなくなったりと、いや、自業自得といっていいんだろうか。自分も理不尽相手に暴れたい。なかなかできないことだけれど、ユメいやさひなの気持ちはわかります。

鍋パーティをやりますよ。料理をはじめるヒカリですが、お約束の料理ベタなんていう展開はみじんもなく、自らいうように実際料理が得意なんですね。でもユメの注文が多い! ネギの青いとこは食べられるので捨てないでください。にんじんの皮も、えのきの根本も、キャベツの芯も! 細かい! と思うけれど、それだけ食について切実なんだろうなあ。あまりにシビアな現実が配信にも滲み出たようで、じゃんじゃん投げ銭いただけて、いやもうユメの食いつなげる発言から、ヒカリの浅ましすぎるよコメント、なんだろう、いろいろ振り切った面白さがありましたよ。

いろいろあったけど、このコラボを通して仲を深めたふたり。面白かっただけじゃなく、情感に訴える、そんな結末もいいじゃありませんか。ほんとふたりはいい友達になれそうだよね、みたいにいい雰囲気で終えるかと思いきや、まさかの炎上エンド! もうラストまでめちゃくちゃ面白かったです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

文化祭がはじまりました! というわけで、朝からメイドのコスプレをさせられるすずめなのですが、露出ひかえめのクラシカルなメイド衣装、めちゃくちゃ似合っていますよね! 蛍先生の見立て、確かな眼力、感服いたしましたよ。

蛍、咲姫に朱音一行も加わってさらに賑やかさを増したすずめの周辺。そこでのなんでもないような会話がね、これからファッションショーのランウェイを控えている咲姫に静かに働きかけていたというその流れ、とてもよかったです。思い切って違う自分になりきってみる。いつもの自分ではない、異なる側面、違った顔。すずめの実践を自分の糧として消化し、堂々とランウェイに立った咲姫のその姿。観客からも好評で、いや実際、素晴しかったです。

咲姫にとっては、特別な時の特別な自分だったんでしょうね。ステージを終えて戻ってきた時にはいつもの咲姫に戻っていたのですが、それでもなにか彼女の内に残るものはあったんだろうなあ。それは自信かも知れないし可能性かも知れない。こうした積み重ねが、人を変え、成長させたりするのかもですね。

2023年4月11日火曜日

『まんがタイムきらら』2023年5月号

 『まんがタイムきらら』2023年5月号、昨日の続きです。

『ほぐして、癒衣さん。』

会社のイメージキャラの作成を依頼されていた夏鈴。ひとまずの完成を見てメディア事業部の八潮に提出したところ、予想を超える高評価。夏鈴のイラストにサイトが負けていると、よりブラッシュアップを試みる八潮を見て、なにかもう少し足りていないように感じていた夏鈴。自ら、さらなるクオリティアップを申し出るんですね。

しかし本当に残業体質な人たち! もうすっかり遅いのに。八潮は部下たちを帰してからの残業。夏鈴も当然残業で、この人たちはブラック労働が骨の髄まで染みついているのかも知れません。

けれどそのおかげで、夏鈴も八潮も、ともに満足な結果を出せたようで、これについてはなによりですよね。誰にも甘えられない八潮が夏鈴には見せる緩んだ表情。けれど今回は、夏鈴を前にして真摯に仕事に打ち込むシリアスな表情も見せて、このやる時はやるという緩急。これは夏鈴にもおおいにアピールするものだったのではないでしょうか。

そして翌朝の意味深な会話。八潮の部下たちに聞かれてますけど、これは社内であらぬ噂がたつのではないでしょうか!? 癒衣さん、どうする!? ピンチですよ!?

『ゆらめきラグーン』

ゆらとエリーの別れを予感させる展開に、穏やかではいられない皆。思いをとどめることができなかったゆらが、エリーに思いを伝えてしまったために、絵本の世界に帰らんとしているエリーが見るだに悲しかったのです。少なくともエリーはその覚悟をもう決めていて、つむがれる言葉は別れを前提としたものになってしまっている。反面ゆらはまだ別れを受けいれられるまでにはいたっておらず、必死に自分の言葉を否定する。

そのあまりに悲しい様子に、綾海と千帆がいうんです。今この時に、本当の気持ちを伝えないでどうする。その言葉を受けたゆらが消えゆくエリーに伝えた心からの思い。

ずっと静けさをともに語られてきたこの物語が、一時に動いてみせた。そんな表現の跳躍に、ぐっと思いを揺さぶられる思いがしました。重苦しいとさえ感じる別れの予感の連続に、読者もまた押さえつけられていた感情が、一気に自由を得て開かれた。ゆらの思いのほとばしりとともに、気持ちの動くのを感じたのでした。

そして、最後のピースがハマった。この展開に、さすがの千帆も釈然としない様子ですが、いいじゃありませんか、まずはこれが望まれたことなんですって。回避されたゆらとエリーの別れ。エリーも問題なくこの世界に留まれそうで、そしてはじまる新生活。制服を着て現れたエリーの、これから経験していくこと。どんなことが彼女の周囲に起こるのだろうと、この先のことをいろいろ思わずにはいられない、そんな最終回でした。

『きみはあくまでも。』

星を見るために海へとやってきたヴェネルとエクールカ。てっきり海辺での観測かと思ったら、なんと、エクールカ、無茶いいやがる。小舟でもって沖に出ようだなんていうんですね。

動力もない小舟で沖に!? しかも夜の海、危険すぎるというヴェネルに、やたら自信たっぷりなエクールカ。かくして強引に夜の海へと漕ぎ出したふたり。動力はエクールカのタコ触手だ! って、さすがだな、悪魔のポテンシャルを如何なく発揮して、かくして辿り着いたのは水平線に囲まれた夜の海のど真ん中。

これ、下手したら遠くの海も空も漆黒につつまれて、その区別さえもわからないくらいなんじゃないのかな!?

ここで語られたエクールカの思い出話。かつて生まれてからの何十年を海の底ですごした彼女が、あまりの退屈さにまだ見ぬ世界へ向かって泳ぎはじめ、ついに辿り着いた空のある世界。そこで見た空に光る数多の点に、綺麗と感じながらも、変わらず孤独を思い続けていたエクールカ。

その時の思いを払拭せんがために、ヴェネルとともにこの場所に戻ってきたというのでしょうか。

もう孤独ではないエクールカが、星について多くを教えてくれるヴェネルをともに、過去の自分とは違う今を感じるがために、この場を訪れる必要があったのかも知れない。

なんてことを思ったのでした。

かつての寂しかったエクールカと違い、今のエクールカはしあわせそうですね。それはとてもいいことだと思う。そしてかつての星のエピソードの後に、彼女に決定的な変化をもたらすなにかがあったのでしょう。物語がそこに至るには、まだしばらくかかりそう。でも、それまでの時間が長くとも、きっとヴェネルと一緒なら、エクールカの物語ること、それは素敵なものとなりそうです。

2023年4月10日月曜日

『まんがタイムきらら』2023年5月号

 『まんがタイムきらら』2023年5月号、一昨日の続きです。

『けいおん!Shuffle』

ギターを買うためファミレスでバイトをしている蘭花。どんな様子かと、ちょっと面白がりながらお店に入った紫。しかし、蘭花、めちゃくちゃに緊張してしまっていて、目の前の接客相手が紫とまるで気づいていない!

どんだけなのだろう。いや、でも、わかるわ。仕事、大変だよね。向き不向きもあるけど、この仕事、蘭花には向いてないと思う。でも頑張ってるの、すごいと思います。

ずっと強張っていた蘭花の表情が、紫と気づいた瞬間に和らぐの。すごくよかったと思う。もうにっこにこじゃん! で、お席に通して、自分も隣りに座って、オーダーを心待ちにしてるの。どんだけ紫のこと好きなんだろうってのがわかるくだりで、と思ったら、蘭花のこと心配してリサも同じ店でバイトしとったんか!

リサと蘭花、このコントラストよ。緊張しまくる蘭花に対し、くだけまくってるリサ。うーん、リサのように生きたい。で、同じ店でバイトしてて、リサのこと、蘭花が気づいてなかったっていうミラクルね! どんだけ余裕がないのか。うん、でもわかるわ。仕事ってそんなとこあるよね。

で、今回の落ちですよ。まさかのしなの先輩! 誰からも気づかれていない悲しさ。ほんと、不憫なお姉さんです。

『しあわせ鳥見んぐ』

岬の野鳥写真の展示会を訪れたひな。じっと見てくれるのは嬉しいのだけど、ちょっと気恥ずかしい岬の心情が面白い。で、写真を買えないかといってくるひな。すごいなあ。なかなか個展とかいっても、作品を買うってとこまではいかない。写真だったら、一品ものの絵よりも買いやすいのかな。

こうしたギャラリーを見てまわるのが好きそうなひなのこと、お嬢さまらしい趣味だって岬が軽口叩いたの。特に気にもとめず、岬らしいなくらいに思っていたのですが、まさかこれが後に効いてくるとは思いもしない展開で、それだけに今回のエピソードで語られたこと。そのメッセージを鮮烈と感じたのでした。

ミサゴの写真を見ながら、生存戦略について語る岬。またそれが後に効いてくる。岬が背負っている祖父の名と、今泉という家の名がついてまわるひな。ふたりの対照。祖父とは違うアプローチを岬の写真に見出すひなが口にした、岬の写真家としての生存戦略。こうしたテーマのしっかりと息づいているところに、この漫画の強さがあると感じます。

しかしタイプの違うように見えるひなと岬。確かに違うところもあれど、似たところもある。自分に自信が持てないところも似ているところかも。でも、そんな岬にひなが彼女の独自性をやわらかい言葉で伝えたことで、確かに変わったことがあったと思う。そして同時に、そうして誰かの価値を、かけがえのなさを自分の言葉で伝えられるひなの魅力や価値も同時に描かれた回であったと思います。

『スロウスタート』

ホテルのプールに皆でいきます。というので以前買った水着を試着してみた花名。そうしたら、サイズアップしていて、もう大変。いや、そこまで慌てることもないのでは!? と思うのですが、泣いて栄依子にすがる花名。よっぽどのショックだったのだろうなあ。

花名の問題は栄依子のお直しで無事解決されました。ただ水着問題を抱えている子は他にもあって、水着を持ってない果実は綴の水着を貸してもらうことで解決。となると、唯一解決しなかったのはたまてのサイズの問題だけか……。

うん、たまてよ、太ったのではなく育ったのだと思おう。

こうした準備で右往左往するの、それだけホテルのプールを楽しみにしているんだなと感じられて、実に微笑ましかったです。あの生徒会室での水着試着イベントも、プールの楽しみに非日常感も加わってか、いつも以上にテンション高く感じる。特に果実の、イベントスチル風ポーズとかね、自分の趣味を理解してくれるたまてあってのことではあるけれど、それ以上の気持ちの盛り上がりが感じられるようで、実に面白かったです。

そして安定の榎並先生。栄依子に誘われても首を縦に振らなかった先生が、冠のスイーツビュッフェアピールに陥落するの。冠の榎並先生理解の高さがすごいというか、先生が甘味に対して弱すぎるというか、ほんとこの互いの個性のせめぎあう様子。見事でありました。

2023年4月9日日曜日

『まんがタイム』2023年5月号

 『まんがタイム』2023年5月号、一昨日の続きです。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音に留莉、涼。この3人共演が評判よく、一緒の仕事が増えてきました。最初は反発していた留莉と涼も、このところすごく気があってるようで、いつも一緒、親しく話している様子もよく見られるようになり、それで穏やかでないのが真由。真由は涼のこと好きですもんね。なのに涼は留莉と急接近!? このままじゃ奪われちゃう! と気が気でありません。

留莉から協力よろしくといわれて、さらに焦りを見せる真由。でも、留莉のいう協力って、琴音が勉強に専念できるよう環境を整えるってことなんですよね。留莉と涼がふたりでいるのも、琴音の邪魔にならないように。琴音ファースト。琴音を応援したいがための行動なんだけど、そうと知らない真由は誤解しちゃって、混乱しちゃって、ちょっと迷走してしまうんですね。

いや、でも涼のいうように、いつもどおりの真由がいいですよ! 無理しない、飾らない、自然体。それで細やかな配慮、そして幅広い知識。素晴しいじゃないですか。そんな真由の価値、それを改めて真由に確認させる、そんなエピソードだったと思います。ほんと、琴音の勉強のためと知らされて落ち込んだ真由をはげます琴音も素晴しい。ええ、このふたりのあの場面、最高でした。

『良倉先生の承認欲求』

良倉、生存確認!

ぶんちょー紳士のOLさん、その正体が自分だと氷高にバレたのではないか。不安に揺れる良倉です。しかし特になにも起こらず、杞憂だったかと思ったところに氷高から声をかけられた良倉のあの様子! まさしく窮地に追い込まれたってやつで、ほんと、めちゃくちゃ面白かった。いや、でもね、ほんと、この流れでバレてないとか思いもしませんよね。絶対バレた。そう思うのが自然ですよね。

ところがバレてなかった。ぶんちょー紳士ファンの良倉がマイぶんちょー紳士で撮影を楽しんでいるんだと勘違いしてくれたおかげで命拾いしたどころか、ぶんちょー紳士ファンとしての絆をより一層強めてしまう結果に!? 今回の氷高の相談も、自作してみたマイぶんちょー紳士を先生に見てもらおうというもので、図らずもOLさん本人に見てもらうことになってしまってるんですが、それが明かされないのは本当にもったいない!

ほんと、いつか明かされる日がくるんですかね。なんかちょっと楽しみですよね。

今回は氷高の魅力が発掘された感ありました。あの、マイぶんちょー紳士のくだり、自分の早とちりだった? と思った氷高が赤面するところとか、め、めちゃくちゃ可愛くないですか!? 正直、永久保存級。さらにはOLさんへの憧れを口にする見返り氷高! いやもう、本当に素晴しい。

それだけに良倉の罪悪感もいや増すのですけれどもね。

良倉=OLさん説が却下されたくだりとかも最高に面白かった今回。本当、氷高という人の特性、魅力、この漫画には欠かせないものありますよね。もちろん氷高以外の皆がそう。でもずっとなかなかこうした素直な表情見ることのできなかった氷高が、ついにこうしてぶんちょー紳士ファンの同志に見せた自然な表情。素晴しかったです。

『幼なじみが会社の同僚になりました。』

幼なじみの年下女子が職場の後輩となった原田。年少の子だというのにずっと世話を焼いてもらっていた少年時代。それがもうどうにも恥ずかしいというのですが、今もその世話を焼かれる関係、完全に払拭したとはいえなくて、油断すると根井からいろいろ注意受けてしまったりするというんですね。

油断ならない後輩の存在。仕事の覚えもはやく、さすがと関心してるんですが、そんな原田と根井の新しい関係性? 慣れない仕事について原田が教えることになったりしてね、そういうところから見えてくるふたりのこれまでの歴史みたいなところ、すごく魅力的でした。言葉で説明するのが苦手な原田。どうしても感覚的な表現、擬態語が出てきてしまうのだけど、子供の頃からそうした原田の言葉に慣れてる根井だけあって、的確に表現したいところを拾ってくれるの!

こうして苦手を克服していく根井がいいんですが、決して根井も原田のことを頼りなく思っているとかなくて、職場ではしっかりしてる先輩だって認めてる。原田は原田で根井のことを、完璧ですごいと思ってる。

互いに相手のことをリスペクトしているというのがね、この漫画から受ける感触をとてもよいものにしていると感じています。意図せざる切磋琢磨しあう関係。素敵です。

2023年4月8日土曜日

『まんがタイムきらら』2023年5月号

 『まんがタイムきらら』2023年5月号、発売されました。表紙は『けいおん!Shuffle』。スマートフォンを操作しながら、嬉しそうな表情している蘭花が印象的。自然な笑顔がいいですね! 横から覗き込んでいるリサもまたリラックスした表情見せていて、なにげない休日、ふたりで出掛けた、そんな情景。ちょっとおしゃれして、木陰のベンチで休憩中。そんな気負わない普通の情景にこそ見えるものがあるのかも。なんて思わされるイラスト。本当、そのナチュラルさが素晴しいです。というか、蘭花、可愛いよね。

今月は新連載が1本、新規ゲストが2本です。

『かみねぐしまい』

双子の姉妹、榊ツギノとまえなは仲悪し姉妹。母の姿が見えなくなった途端、即クロスカウンターが炸裂! いやいや、開幕即暴力沙汰とは穏やかではありません。でもこのふたり、似てるっちゃあ似てるんですよね。だからこそ仲が悪いのかも。でもこの関係は、母にも内緒、中学の友達にももちろん内緒。ふたりだけが知っている秘密。その秘密がふたりの仲良しの証拠! とは決してならないのはなかなかにすごいですよね。

でも、いざという時に見せるふたりのコンビネーション。これは素晴しかった。川に落ちた子供を見つけたふたり。即座に駆け出し、状況判断するのは知力に優れたツギノの役目。水に飛び込んで助けるのは身体能力に優るまえなと、この互いの長所を把握しているからこそできる連携。その一連の動きには、仲が悪いといいながらもどこか相手を信頼している様子も感じとれたように思います。

この救助作戦がふたりの人生の転換点となりました。ツギノ、警察に連絡しようとしたものの、なぜか電話が繋がらない。それどころか、町から人の姿が消えてしまっていて、いったいなにごとか。パラレルワールド? ふたりの置かれた状況、それが明らかになるのを楽しみに読み進めたらば、なんと助けたその子が神様の子供だった!

世界から遮断されていたところを、まずは携帯の電波だけを復活させた? こうした奇跡を目の当たりにして、信じないわけにはいかなくなったツギノとまえな。さあ、どうする。願いを叶えるというその子の申し出、どのように受けるのか。

しかし、予想外の方向に展開していきました。これ、絶対願い事の内容でふたりもめるのでは?

『君と最期のミステリー』

シャーロック・ホームズに憧れる夏芽李ひな。高校に入学して探偵部を設立したのはいいけれど、まるでお客が現れない。そもそも学内で探偵に頼ろうと思うようなことがまあないし、悪いことに依頼に飢えているひなの呼び込みの圧が酷い! あまりの温度差に、声かけられた生徒が必死に逃げる始末。

そんな探偵部に謎の少女が現れたものだからひな大喜び。気づいたら背後にいた謎の少女が持ち掛ける謎解き。私がどうやってこの部屋に入ったか。外部に繋がるのは入り口と窓。しかしここは3階。出入り可能なのは入り口に限られるが、そこにはずっとひながいた。

一見不可能と思える侵入トリック。はたしてその答はというと、なんと少女は幽霊でした!

盲点どころか有り得ない前提持ち出されて、それでも怒らないどころか、その可能性を考慮することができなかったと悔しがるひな。おそろしいほど柔軟な感性の持ち主でありますね!

しかし、幽霊ってことはホームズの作者、コナン・ドイルの関連分野では!? と思ったところ、ホームズ本編に幽霊まで相手にしてる暇はないってセリフがあるというのですか。かくして、意図せざるもホームズを超えることのできたひな。気をよくしていたら、その幽霊少女から自分の死因を調べてほしいという依頼が。

いよいよ探偵部始動ですね。この謎、いかにして解くのか。ゲスト掲載は全2話なのか3話なのか。今後の展開に期待ですよ。

『お姉ちゃんになりたい!』

両親の再婚で姉ができた珀。姉になるのは、見た目に小さく、おとなしい女の子、なもも。けれどなももは珀になかなか打ち解けてくれなくて、それが珀の悩みの種。なんとかして仲良くなりたいと思うのだけど、生活の時間も噛みあわず、目すらあわせられないまま日数ばかり重ねていく毎日。

そんな珀の悩みがはからずも解消に向かう展開。学校から友人と一緒に帰宅途中のなももにたまたま出食わした珀。いつもは見せない笑顔に驚くも、勇気を出して話しかけたら新たな関係の予感? 突然の珀の出現に慌てるなももを置いて姿を消した友人の意図。この時点ではわからなかったのですが、読み進めていくと、なるほど、なももと珀のお邪魔にならないよう、気を使ってくれたんだってわかるんですよ。

珀と一緒のなももは、緊張してるのか言葉数も少なく、表情も固く、嫌われてるのではないかと心配する珀。でもりんご飴のお店でのできごとを通して、ちょっとは仲良くなれた? と思ったら、なもも、帰ったら自室にこもっちゃって、なかなかすぐに打ち解けるまでいかないんですね。なももはなももで、ずっと頼れるお姉ちゃんとして振る舞えるよう練習してたのにうまくいかなかったって落ち込んでて、でも珀とお話できたのは嬉しかったと思ってる。

この気持ちを素直に出せたら、きっとうまくいくのにね。でも、なももになりたい自分像があるうちは、その素直っていうのも難しそうです。

2023年4月7日金曜日

『まんがタイム』2023年5月号

 『まんがタイム』2023年5月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期!』がメイン。マラカスを持ったチエちゃんなのですが、これは春らしく浮かれた感じ? 歌って踊ってごきげんタイムとのことですが『秘密のお姉さん養成ノート』蛍はマイクを手にして歌っている。『花丸町の花むすび』彗は手に小さな花束を持っています。そして『おとぼけ部長代理』! ただいまと小さなプレゼント? 持った部長代理が帰ってきました。ええ、本当によかった。この浮かれシチュエーション。部長代理の復帰祝いなのかもですね。

『百合のあいだは悩ましい』

藍田、実に安全そのものな男。白野と一緒に漫画の原稿に向きあっている藍田。しかし互いに意識するあまり、遅々として進まない作業。このままだと期日に間にあわない! というので、泊まりで作業をしてほしいと白野に頼まれた藍田の決断。これがもう!

黒崎を呼ぶんですね。ええ、きっとそうだろうと思いました。しかし笑顔で現れた黒崎。めちゃくちゃ可愛いなと思ったら、すぐさまその本音を明らかに!? ふたりで一晩過ごされるのを阻止できたこと、それが嬉しくてたまらないといった様子。見事に白野との対立構図が明確になるというのに、藍田にはまるで伝わらないんですね。

ここからも、ライバルを牽制する黒崎の行動を白野への好意と勘違いし続ける藍田。一緒にお風呂イベントも、相手を藍田と一緒にしないため、そしてふたりだけの話をするためだというのに、藍田はそこに自分の介在する余地などないと思っている。

だからこそなんでしょうね。恋の火花散らしながらも、全然そういう方向に進もうとしない安心安全展開。もどかしさこそはあれど、誰よりももどかしい思いをしているのは白野と黒崎でしょう。ええ、この漫画はきっと進展しない。進展するのは世界が終わる時なのかも知れません。

『この契約は恋まで届きますか?』

家が欲しいといいだした八千代さん。いったいなにごと!? と思ったら、ミニチュアハウスでした。いや、そらそうですよ。野田はちょっと自分に都合のいいように考えすぎです。藍田くんを見習って!

ミニチュアハウス初心者には全部入りのキットがおすすめ。でも将来的にはイチから作れるようになりたいという、そのいつかを思い描く八千代の野望がものすごい! それ、ミニチュアハウスというよりもジオラマの域では? そしてキットをいろいろ見繕うふたり。しかしネットの写真ではサイズ感がいまいちわからない。どこかで見本を見られないものか、からののだ手芸店に導かれるその流れ! でも、これってふたりの秘密の関係が各所にバレるリスクがあるのでは? と思ったら、やっぱりそれ、問題になりますよね。野田の母親のこともあるけれど、美浜の存在も無視できない。

さてどうしたものか。ということで、野田母が旅行で臨時休業している時を狙うこととあいなりました。

のだ手芸店にいく日、八千代の選択がよかったですよね。本人はあまりそういう意識なく行動しているのかも知れないけれど、野田との外出を楽しみにしている節がある。着ていく服についてもちょっと考えたりしまして、そして決まったのがお出かけの装い冬ver.! 野田じゃないけど、尋常でなく可愛いな! いやほんと、素晴しい。でも目が離せないからって電柱にぶつかるのは、野田さん、やりすぎです!

『まほろば小町ハルヒノさん』

まほろば部の活動で、夏休み中の学校にやってきたハルヒノさん。たまたま廊下でであったサラを皮切りに、女子の皆と交流深めていくその様子。大変よかったです。

普段はね、どうしてもちあきとばかり一緒にいるじゃないですか。神鹿としての自分を知っている相手ということもあるけれど、まほろば部の仲間として、そしてなにかいろいろ気になる相手としても、ちあきとの関係がクローズアップされてきた。ただちあき以外にも、ハルヒノに興味を持っている人がいる。そうした個性的な女子たちとの関係が広がっていく様は、ハルヒノにとっても刺激的? ちょっと振り回されるところなんかも面白く、戸惑う様子も実にチャーミングでありました。

今回のいろいろで、これまで知らなかったサラに判田、四条の多彩な側面を知っていったハルヒノ。このことをきっかけとして、より深く皆との交流を深めていきそうな雰囲気を出していて、ということはハルヒノにとってもこれまで知らなかった、見せてこなかった自分というものを知る、そして誌面に現していくことにもなりそうですね。

『瀬戸際女優!白石さん』

このところ爽太の様子がおかしい! ずっと積極的にアタックしてきた爽太なのに、突然よそよそしくなってしまった。なぜ? 嫌われた? 幻滅された? 思い悩む白石なのですが、爽太は爽太で悩みの真っ最中。真島と白石の関係を知ってしまい、これまでのようには振る舞えなくなってしまっているんですね。

そんな爽太に真島からの提案が。今度撮る爽太主演の映画。それで主演男優賞を獲れという。それが叶えば、白石から身を引くことも考える。最終的には白石の判断に委ねられることとなるんでしょうけど、爽太にとっては千載一遇のチャンス? 思いもしない提案に、本気の本気で映画に取り組む覚悟を決めたというのですね。

しかしそれがまさかの誤解の火種を生むことになろうとは! 役に入り込むタイプの主演女優。映画で恋人役を演じるからには、普段の生活から入り込んでいく。爽太、一瞬躊躇するも女優青木日奈子の本気に応えることを決意。しかし、まさかその役作りのための親密な様子を白石に目撃されてしまって!?

いやほんと、よくもこんなに大変なことに! せめて少しは白石に意図を伝えて、安心させてあげてよ! なんてこと思わないではいられない、まさに急展開ってやつであります。

2023年4月6日木曜日

『まんがタウン』2023年5月号

 『まんがタウン』2023年5月号、昨日の続きです。

『あの世で猫になる』

朝倉さんとタマの暮らすアパートに新たに入居することとなった八木さんとペットのハムスター(悪霊入り)。そのハムスターが、いわくつきながらもやたら面白いのがすごいです。

虐待されているといって逃げてきたハムの話をよくよく聞けば、虫を食べさせられるところだったとか云々。ハムスターの普通の餌なんですね。でも中身は悪霊とはいえ元人間。そうか、食文化に関しては人の感性を残しているのだなあ。となれば虫はキツかろう。なんといってもイモムシ。しかも生。うん、キツいよね。

ハムの飼い主、八木さんは普通の人なんですね。霊とか見えない、感じない。だから朝倉さんとタマの関係、猫がいるごっこと思ってしまって、これでちょっと感情を曇らせる朝倉さん。ああ、よほどタマのこと大切に思っているんだなあ。そして吉井さんとシロの関係を見て、エアペットが流行ってる! それで自分もエア彼氏を試してみるところなど見るに、八木さん、結構柔軟な人なのかも知れませんね。

でも、その様子を見て不安になって逃げ出すハム! 君、悪霊のわりに気が小さいね? ほんと、ハム、実にいいキャラクターだと思います。

『ルナナナ』

月の人たちは刺激に飢えてるんだなあと改めて思わされた今回のエピソード。急にはやりだした部活。なにかこれという目標があるわけでもなく、ただただ部活をやるために部活をやるような状況が生じてしまっているのがおかしいのですが、それはそれで楽しそうにやってるのはいい感じ。

これ、ありし日の青春よふたたび、みたいなノリですよね。だから他の部と練習場所取りあったり、先輩風吹かせてみたり、そういうことこそを楽しんでいる。そんな雰囲気に、ちょっと屈折した意識を感じたりしたのですが、いや実際屈折してたんでしょうね。だから、ストイックごっこが楽しい時期が過ぎてしまえば、楽しいばっかりの部に人は流れていってしまう。ええ、これは当然のことだと思います。

いつもなら悪ノリするリコが意外や大人しかったり、反面ナオが潜在ニーズを掘り起こして結構な大所帯を形成したりと、まさにナオの面目躍如といった今回。とりあえずやってみたかったことやってみようぜ、みたいなノリの行き着いた先がくだらんことで大規模デモという、平和なのかひとつタガが外れれば危険なことになりかねない危うさはらんだ活動になってしまっていて、ええ、やっぱりナオはただものじゃありませんなあ。

今回の共感大賞ははるかでしたよ。わかる、その感覚。でも、自ら動かないと駄目ですよ。というのはちょっと自戒かも知れません。ええ、はるかは自分に似ている感じがするんですよ。ゆえに共感大賞です。

『恐竜とカッパのいる図書室』

薬師堂の伯母、あゆみが語って聞かせた恐竜とカッパの物語。その原型は、薬師堂と卸町ふたりの通う学校の図書室に勤める司書、ユキとの関係にあったのですね。

学生時代、ふたりいつも一緒にいたユキとあゆみ。親友だった。ひとりぼっちになりたくなかったというユキにとって、自分のもとに駆けよってきてくれるあゆみは救いだった。この感情、孤独をまるで怖れない薬師堂にはどうもピンとこないみたいですが、卸町にはかなり理解できるものみたいですね。

そしてこの伯母あゆみの抱えていた感情。それが今回ラストで露になったその瞬間、まさかと、意外と感じたのでした。ひとりになるのを怖れたユキがあゆみを求めていたのではなく、むしろユキに依存していたのはあゆみの方だったんだ。大学への進学を考えはじめたユキに対して、離れたくないと、同じ大学にいこうというあゆみの表情は鬼気迫るものがあって、ああ、これがふたりの紡いできた物語を決定的に変質させるきっかけになったというのですか。

それが恐竜が生まれた瞬間。ユキがいうには、ふたりで考えた部分は恐竜が出てくるより昔の部分。この恐竜が生まれるにいたったその時をもって、ふたりの関係は決定的に破綻したのか、あるいは違うのか。これから語られる部分、なかなかの覚悟がいりそうな予感がしています。

『もくもくもくのキャン』

いよいよ原田と木野、ふたりは出会ってしまうのだろうか! 木野のテントに近づいていく原田。木野がキャンプを楽しむことを原田が知ることで、なにか変わってしまうのかどうなのか。緊張の瞬間! と思ったら、すんでのところで原田が思い直して、ああ、ニアミスに留まりました。まだまだふたりそれぞれの個別キャンプは続きそうです。

しかし、今回は驚きの連続でしたよ。最初は木野だけだと思っていたキャンプ趣味が、原田もいつしか楽しむようになり、そして今回はふたりの働くスーパーの店長もキャンプやっていると判明! と思ったら、さらに加えてもうひとりのパートさんも息子さんと一緒にキャンプ!

後にスーパーで顔をあわせた4人が、それと知らず同じキャンプ場で立て続けにキャンプを楽しんでいたというミラクルが面白くて、しかもそれを互いに知らずにいるというのがまたよかったです。この関係、いつか交差する日がくるのか。きても面白い、こなくても面白そう。なんかそれぞれが秘密を持ってるみたいな状態がすごくわくわくさせてくれます。

2023年4月5日水曜日

『まんがタウン』2023年5月号

 『まんがタウン』2023年5月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。しんのすけがひまわりをあやしている情景であります。手には花柄のマラカス。音を出して気をひいて、ひまわりを喜ばせているんですね。普段はいろいろ手のかかるしんのすけですけど、こういう様子見せられますと、なんだかんだでお兄ちゃんなんだなって思わせられるものありますよ。そして『ウエイトレス』、新連載告知のカットもございます。『かりあげクン』復活の告知もありますよ。

今月は新連載が1本、新規ゲストが1本です。

『ウエイトレス』

あまりにシンプルすぎるタイトルにちょっと驚かされたのですが、これ、本当に店主とエツ子、女性の給仕がいるからってだけのタイトルでいいのでしょうか。今の時点ではこれというものは見えてはこないのですが、きっとなんらかのひねり、気づいたら、ああ! と思うようなものがあると思うんですよね。

さて、喫茶店BAGUS BALIを経営している老店主。タバコを吸って、それをこんなに小さな子にかたづけさせるのはマズくない!? と思ったらですよ、まさかのエツ子49歳。えらいキャラクターを放り込んできたものですよ。それこそ小学校の低学年くらいにしか見えない。下手したら就学前のデザインですよ!? それが49歳。自分でタバコ買ってきて、大人だから、それを自分でも吸って、大人だから、もちろん問題ないのだけど、見た目がなんかマズく感じる!

バリ好きの元ダンナが、インドネシア人ウエイトレスと浮気して離婚、慰謝料として貰い受けたのがこの店という、なんともいえないシブい過去が語られたりしましてね、それでも南国リゾートバリの雰囲気を維持するのは大変でしょう、それをこうして保っているところに意味なりなんなりありそうな気がしています。

この店は、店員がなんら気を使わない。子連れのお客さん、赤ちゃんが大泣きしたらうるさいと素直に口にするエツ子なのだけど、でも赤ちゃんがうるさいのは当たり前。気になんてしてないよというその態度。赤ちゃんが大泣きするなら、絶叫部屋なる防音スペースなど用意されているから、お客さんも気を使わなくて大丈夫という。こういう気負わないでいられる場所を、人間関係を描きたい、そんな意図が感じられるように思えた第1回でした。

『今すぐ死にたいオレと幽霊なアカネさん』

会社での理不尽な扱いに堪え兼ねて死を決意した主人公。さあビルから飛び降りようとしたところ、突如鳴り響く非常ベル。さらには目の前の中空に浮いている女がひとり。幽霊のアカネが、火災報知器を鳴らしたというのです。

しかし主人公、よっぽど人間性が磨り減っていると見えます。卑屈になって、投げやりになって、だからこそ自殺を企図したということなのでしょうが、けれどアカネに対して暴言まじりでわめいたおかげで、あるていど気持ちの整理もついたのかも知れません。最終的に自殺を思い止まるにいたるのですが、たとえ話し相手としても誰かに欲してもらえるという、自分の価値を見出してくれる誰かがいるということが、人生にとっては大きいということなのかも知れませんね。

みたいに理解していたら、ええと、アカネが好みのタイプだったから思い止まったんですか!? 結構ゲンキンなやつですね主人公。でもこれくらいタフな方が生きていくにはいいかも知れませんね。

『ホントはダシたい山車さん』

二神さん! その豚汁はPCにこぼしたりしてないですよね!? ユーザー過失のPC汚損は保守対象にならなくて、動産保険の手続きしないといけなくなるから面倒くさいんですよ! いやもう、見た感じそのへん無事そうで安心ですけど、ほんと気をつけていただきたいシチュエーションからはじまった今回。まさかの佐藤のコミュニケーション強者ぶりに驚かされることとなりました。

ランチルームで隣りあった山車と、お弁当の卵焼きでちょっと盛り上がるんですね。佐藤の卵焼きは甘いやつ。対して山車のはだし巻き。すごいと佐藤が驚けば、簡単ですよとレシピを教えてくれました。それを実際自分でも作ってみる、しかも苦戦しながらもちゃんとしたかたちになるくらい頑張ってチャレンジするその姿勢。好感持てる人柄だと思いました。

だし巻き作ってる時の佐藤が、写真を撮っては山車に見せたい、連絡先聞いておけばよかったといってるんですが、じゃあどうやって聞くのかと思ったら、あんなにも自然に! いやもう、こういうのを手管っていうのかい!? 素朴で不器用な感じもある佐藤でしたけど、こうしたとこは本当に上手。すごいなと関心する流れでありました。

『押しかけギャルの中村さん』

うわー、急展開だよ! これ、どうなるんだろう!

リルルル突発コスプレから盗撮犯取り押さえ。思いもしない活躍にネットで話題になった中村さん。すっかり味をしめたといっていいのか、マイクロブログ的なSNSに自撮りやら身のまわりの映えそうななにかとか、じゃんじゃん投稿するようになってしまっています。

しかし、とろとろ卵のオムライスを作ろうとして失敗。手本にと秋山が作ってくれたのを、いかにも自分が作ったように見せかけちゃうしたたかさなんかもこの人のチャームポイントで、あの後ろで真顔になってる秋山の面白いこと! でも、若干あきれながらも中村のことを心配している秋山は本当にいいやつだと思います。

うかつに撮った写真には、身バレの危険がいっぱい! うっかり秋山のパンツが写り込んでしまったり、ほんと冷や冷や! それで写真の検閲を申し出る秋山。チェックして、身バレに繋がる要素がないか、中村の身に迫る危険などありやしないか、危機管理してくれるというのですけど、ほんと有能なのでは!? 秋山氏はなにかこういうマネージャー業みたいなのが向いているのかも知れません。

しかしなにがすごいって、たこ焼き作って食べてる時の写真ですよ。中村の目の中に写真を撮る秋山が写り込んでいる! って、すごいな。確かに以前注意が必要だって聞きましたけど、それをちゃんと確認して、スタンプで隠すべくアドバイスできる秋山はすごいやつだと思う。

そしてこんな周到な秋山だからこそ、中村の足跡を辿るファンの出現に不安を隠せない様子を見せられた中村に、自身危ないかも知れないと危機感を共有させられたのかも知れませんね。

でも、その時の秋山の態度が素晴しい。中村がガマンする必要はないんだって。そうだよな、悪いことしてるわけじゃないもんな。でもって、俺が守りますからって!

この言葉で中村のスイッチが入ったのかもですね。親身になってくれる秋山に、自分のこと第一に動いてくれる秋山に、私の彼氏になっちゃえばいいんじゃないかって、ついに、中村が、中村がーっ!?

これ、アイドルに男の影は御法度だから、秋山にその役目を担ってほしい。そんな打算的な雰囲気に頼りながらも、本当は全然そんなんじゃないよね、これを機会にとずっとこれまではっきり口にできなかった気持ちを明らかにしたって状況よね。突然に秋山の部屋に押しかけてきた、その意味、目的、それがついにこの言葉に結実したように思える。けれど秋山は、中村カリン一世一代の告白をどう受けるのか、そしてどう答えるというのでしょうか。

来月、最終回とかじゃないよね!? いやもう、ついに新章がはじまらんというこの状況に、いろいろ穏やかではありません!

2023年4月4日火曜日

『まんがホーム』2023年5月号

 『まんがホーム』2023年5月号、昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

流行のサウナというものをあんこもしてみんとするのですが、子供の姿じゃひとりで入れてもらえない。幸太は学校、ママ上は修羅場、というので妖怪友達を誘いました!

って、よりにもよって雪女。サウナに雪女。雪女好きだから出てくれるのは嬉しいけど、今回で雪女の見納めとなってしまうのか。あの自分で誘っておきながら、マジかとツッコむあんこがやたらと面白かったです。

さすがのあんこも冗談だったんだ。でもOKが出てしまった。雪女は自信満々。その表情は凛々しくそして美しく、ああ、なんて素敵なんだろう! とか思ってたのに、素敵時間は短かったなあ……。

サウナに入る。即溶けはじめる! 我慢して入り続けるもどんどん溶ける。あかん、これはもうあかんのでは? からの水風呂で整うどころか、これ一命をとりとめたレベルでは!?

いやほんと、雪女、向上心はすごいんですよね。ただ自信の根拠があまりに薄すぎて、あやうく退場しかねないところでした。でもここからさらなる成長を目指し修行に出たというんですが、いや、ほんと強くなれるもんなのかな。なんかね、ろくなことにならん予感しかしないんですよね。

『うちの秘書さま』

はじめの三者面談、七瀬がいくんですね。でも七瀬がくるとちょっと困るはじめ。厳しいからだろうなあ。なんとかしてメイド長にきてもらおうと、希望日を調整して七瀬の出社日にしたというのに、はじめを疑ったお詫びといって断固七瀬がくることに。

これ、ちゃんと終盤で、この疑いが不当でなかったこと、しっかり回収されるんですよね。ええ、はじめが七瀬にきてほしくなかった理由というのもわかろうというものです。

しかしはじめの学校、個性的な人が多い! 情熱的な山田! 七瀬にモーレツアピール! かと思ったら、メインの話題は田中。そのあまりの浮き立ちように、山田母も恥ずかしかった? まさか一撃で昏倒させるとか、おとなしそうなお母さんなのにかなりの腕っ節です。

そしてはじめのひとつ前の面談。ものすごい剣幕での怒鳴りあい。ところが出てきたら上品そうな母娘で、いやもうはじめの感想よ。でも教師の前でこのやり取りしたってことは、わりかし外面をつくろってるわけでない、ある意味オープンな母娘なのかも知れませんね。

いや、ほんまにそうかなあ。

ともあれ、担任の里中先生。お疲れぎみですね。ちょっと気弱そうで、個性的な生徒相手に大変そう! と思ったらですね、数学の勉強会、七瀬とピタリハモって、強制だよ? っていうところ、実に面白かった。

ああ、この先生も先生で、結構ストレート、直球の人っぽい。いやでもしかし、この先生、いいですよね。目こそ眼鏡で見えないけれど、可愛い人だと思います。

2023年4月3日月曜日

『まんがホーム』2023年5月号

 『まんがホーム』2023年5月号、一昨日の続きです。

『こんなにカワイイ音瀬くんが女の子のはずがない』

この漫画は、音瀬が本当に可愛く描かれてるのがいいですよね。扉絵のユニセックス風? の音瀬も可愛いし、もちろん本編の撮影会着せ替え音瀬もめちゃ可愛い。でもって森川もめちゃ可愛い。

この可愛さと、橘の人としてダメなところ、この二大柱でこの漫画は支えられているように思っています。

しかし橘のダメさ加減。音瀬を脅して女装させるところとかがとにかくダメなわけですけど、今回はさらにダメなところ露見して、森川を粗末に扱うところとかじゃないよ? あれですよ、写真。ゴツいレンズつけた一眼レフにストロボ、さらにはレフ板まで準備して、こいつはよっぽど写真に気合いいれてるんだな! と思わせてからのあのへたっぴ構図! 思わず頭をはたいてしまう音瀬の剣幕に笑ってしまいました。

そして音瀬がすごくいいやつなの。時間がなくて森川の番がまわってこない、というところで必死に頼み込んでくれたの。この関係、このふたりもまたハッテンしていくといい! そう思わないではいられない、素敵なユウジョウであったと思ったのでした。

しかしウェイトレス森川、めちゃ可愛いな。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

病院の前に捨てられていた子猫の面倒を見ます! 排泄のためにお尻を刺激する必要があるというので、熊倉を手本にキョウスケもチャレンジしてみます。熊倉がやった時は簡単そうだったのに、キョウスケだとうまくいかない。こうしたことにもコツとかあるんでしょうね。そのうまくいかなさ、それがキョウスケの直面する動物のお世話の大変さと、そして同時にキョウスケののびしろをあらわしているように感じさせてくれるところ、大変よかったと思います。

しかし子猫の世話、2、3時間おきに24時間つきっきりというの、人間の子供も大変だけど、ほんと大仕事ですよね。ミルク作って飲ませて、おしっこさせて、体重量って……。これを今回は2匹。多い時は8匹とかにもなったりするっていうんですから、本当に大変だ! 先生のいう、人手がかかり犬舎も圧迫されて洗い物も増えて、費用は全部病院持ちという現実。動物病院ならちゃんと世話してくれるだろうと捨てていく人間への憤りがリアリティ増して感じられるくだりでした。

そんな中、キョウスケのまだプロになりきれていないからこその素朴な感情。後先考えず、なにはなくともまず動物を救いたいと思う気持ちの先に立ってしまった経験が語られて、でもこの後、キョウスケはちゃんと責任を自覚して、そして実際しっかり子猫の世話を続けているわけです。頑張ってますよね。

知らないからこそ無責任になれるのかも知れませんね。なのでまずは知ることから。キョウスケは病院に関わることになって、より具体的に動物にまつわるいろいろを知ることとなった。そしてその知った一端を動画によって、広く伝えていくことができたら素晴しいなと。そして、この漫画自体も、その広く伝えるということの実践そのものであるわけですね。

2023年4月2日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年5月号、昨日の続きです。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

ハチさん、ほんと難儀な子ですねえ! 先日の兄貴の勘違いからはじまった騒動。勘違いの上に、話がまるでできない男なものだからどんどん誤解は深まるばかり。ついには強引に、ハチのことをしあわせにするとクマにいわせてしまったからさあ大変。

クマの側は問題ないんですけど、困ったのはこの発言を聞いてしまったハチですよ。クマが自分のこと好きなのではと思いはじめたらもうどうにもとまらない。最初は兄貴にいわされたのだろうとか冷静に分析できてたはずなのに、本気だったら? そう思いはじめたら、今度は妄想がとまらない! ハチの方がだんだんその気になってきて、そうなればどんどんクマがいい男に変換されるわ、目の前で話してるはずなのにセリフまでリアルタイム改変されるわで、めっちゃカオス!

ハチさん、こりゃあ大変だ。もう自分の気持ちが抑えられなくなって、どんどんパニックになっていって、ついには耐えきれないからとこの仕事を辞めるまで!? ほんと、これ、どうなるんだろう。というか、ハチさん、結構それなりに大人に近づいてる年齢なんですから、もうちょっと落ち着いてください!

『ひよ&びびっと!』

スライム風呂って、ウーチューバーの憧れなんですか!? いや、誰か科学系の人がスライムをバスタブいっぱいに自作したというの聞いたことあるんですけど、メントスコーラとかならともかく、バスタブスライムはそうそう真似できるもんじゃあないでしょう。いや、だからこそ憧れなのかも。でも、これ、ぜったい排水詰まるよね! あやもりん、撮影後、どうしたんだろう。

本来は撮影はマネージャーの仕事なのだけれど、体調不良で参加できず。でもバスタブにスライム充填しちゃったよ! ということで、急遽ひよに代役を頼むことになりました。ひよからしたら、嬉しい反面、この先のネタバレにもなっちゃうというので、複雑な気持ち。しかも憧れのあやもりんの家、さらに風呂、その上あやもりんが以前使っていた水着を貸してもらうこととなって、そうか、ひよは小学生時分のあやもりんと同じくらいの大きさなのか。

スライム風呂の撮影はトラブルもなく無事終了。で、まさかここからハプニング発生とかまったくの予想もしない展開でした。一緒にスライム風呂に入ろうとあやもりんから誘われて、でもって強引に風呂に引き込まれて、まさかの混浴! いや、混浴の概念間違えてるんだけど、この体験、ひよにとってはよっぽどのことだったようで、赤面? いや、緊張のあまり気持ち悪くなっちゃった!?

いやもうまさかの嘔吐で、ほんと、ひよ、そろそろあやもりんに慣れませんと! いろいろ大変ですよ!

2023年4月1日土曜日

『まんがホーム』2023年5月号

 『まんがホーム』2023年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。コンパクトカメラを手に、ベストショットを狙うらいかです。で思い出したんですが、この漫画の登場人物、カメラから名づけされていたりしてましたね。ライカ、マキナなどなど。小西とかもそうですね。すっかり忘れてしまっていましたよ。そして他にも『ヲトメは義母に恋してる』のふたりはスマートフォンで自撮り、『独りじゃない一人暮らし』は、これフィルムの一眼レフかな? そして『孔明のヨメ。』は、猫を抱いた月英を撮影している孔明です。

『孔明のヨメ。』

火計の策を成功させるべく曹操群に入り込まんと船を出した龐統と月英。しかしここにまさかのイレギュラー! 孫尚香がついてきちゃった!

行き先もわからないのに勝手に船に入り込んできてと、まったくもって危機管理のできてない姫なのですが、周瑜と黄蓋の関係を改善したいと思う気持ち、それは本当にまっすぐで素晴しい。いや、ふたりの演技、策にまるっきり騙されてるわけなんですけどね。このまっすぐな姫に本当のところを教えたらどうなるか。瞬時に駄目と判断する月英の回転のはやさ。そしてまるで頓着せず騙しきると決めている龐統。ほんと、ふたりの対応、その結論こそは同じでも辿る回路がちょっと違うのが実に面白かったです。

しかし、この結果云々をいっていられる時期は過ぎました。船が曹操軍に拿捕されてしまった。バレたら死ぬぞ、江東も丸焼けだと釘を刺された姫、嬉々として兵卒に身をやつし、かくして三人が引き立てられたのが曹操の御前。

ここからの龐統の大芝居。なにゆえ曹操のもとにやってきたかを、つらつら述べてみせる豪胆さ。曹操の圧に押されながらも、決して負けないその態度。凄みもあらば、真に迫って、凄みある名場面でした。

しかしここからどのように動くのか。いずれはここを出なければならないわけだけれど、そのあたりどうなるんだろう。このわからないということが、実に楽しみとなっています。

『天国のススメ!』

草間、この漫画において便利すぎるキャラになってる感がありますね! 美少年、人柄もいい。しかし残念! オカルト大好きが先に立ちすぎて、見た目はいいのにこの趣味、性格がためにちょっと距離を置かれちゃう。

でも本当にいいやつなんですよね、という今回。太一から託された見習いキューピッドという不思議なやつを育てるべく、しばらく一緒に過ごすというのですけど、キューピッドの力を自分の欲のために使おうとしないその善良さ! かと思えば、キューピッド見習いに心配されるほどにヤバい言動もちらほら、いや、結構な量飛び出したりして、いやもう七人ミサキはやばいって! というか、キューピッドも七人ミサキ知ってるんだ。日本の風物に詳しいんだなあ。

考えて考えて考え抜いた草間がキューピッドに願ったこと。それがね、幼ない頃の草間を救った恩人ともいえる人。オカルトやお化けを扱ったラジオ番組に出てらした水森先生に会いたい。遠めに見るだけでいいという、その欲のなさ、控え目でけれどそれゆえに感じとれる思いの深さが素晴しかった。

ええ、今回は、今回も? 草間という人の魅力がよくよく出ていたと思います。キューピッドがほだされるのもわかります。

『ヲトメは義母に恋してる』

なんだろう、ちょっと方向性が違ってきている。この漫画のはじまった頃は、父と結婚するかも知れない人、寿々に憧れを超えた感情を抱く鈴、という感じだったのが、今や寿々が自分の感情に迷い、悩み、その変化に気づきはじめている。みたいな、なにか始まろうとしている感があって、そっちか!? そっち方面にいっちゃうのか! 大歓迎だよ? みたいになってしまっているのです。

今回は寿々と鈴、ふたりが一緒に映画にいきます。寿々の同僚が、都合がつかなくなったため代わりに映画にいってほしい。入場者特典目当てで、初日でないとなくなっちゃう。ぜひ、ひとりといわず誰かと一緒に、入場券は差し上げるから。というわけで、ふたりが映画にいくことになったというのですね。

自分と一緒より友達といきたいかな? なんて遠慮が出てしまう寿々に対し、ぜひとも寿々といきたい鈴。そのやりとりがとてもよくて、切実さ感じさせる表情ににじむ鈴のいじらしさ。その様子に打たれ、胸のときめきを覚える寿々!

なにか始まろうとしている!? だ、大歓迎だよ!?

いやもう、深まるふたりの関係。とてもいいと思います。

そしてまたよかったのは、冒頭カラーページの寿々さですよ! 鈴コーディネート! よくやりました、鈴さん! いやもう素晴しい。最高です。