『まんがタイムきらら』2023年5月号、発売されました。表紙は『けいおん!Shuffle』。スマートフォンを操作しながら、嬉しそうな表情している蘭花が印象的。自然な笑顔がいいですね! 横から覗き込んでいるリサもまたリラックスした表情見せていて、なにげない休日、ふたりで出掛けた、そんな情景。ちょっとおしゃれして、木陰のベンチで休憩中。そんな気負わない普通の情景にこそ見えるものがあるのかも。なんて思わされるイラスト。本当、そのナチュラルさが素晴しいです。というか、蘭花、可愛いよね。
今月は新連載が1本、新規ゲストが2本です。
『かみねぐしまい』
双子の姉妹、榊ツギノとまえなは仲悪し姉妹。母の姿が見えなくなった途端、即クロスカウンターが炸裂! いやいや、開幕即暴力沙汰とは穏やかではありません。でもこのふたり、似てるっちゃあ似てるんですよね。だからこそ仲が悪いのかも。でもこの関係は、母にも内緒、中学の友達にももちろん内緒。ふたりだけが知っている秘密。その秘密がふたりの仲良しの証拠! とは決してならないのはなかなかにすごいですよね。
でも、いざという時に見せるふたりのコンビネーション。これは素晴しかった。川に落ちた子供を見つけたふたり。即座に駆け出し、状況判断するのは知力に優れたツギノの役目。水に飛び込んで助けるのは身体能力に優るまえなと、この互いの長所を把握しているからこそできる連携。その一連の動きには、仲が悪いといいながらもどこか相手を信頼している様子も感じとれたように思います。
この救助作戦がふたりの人生の転換点となりました。ツギノ、警察に連絡しようとしたものの、なぜか電話が繋がらない。それどころか、町から人の姿が消えてしまっていて、いったいなにごとか。パラレルワールド? ふたりの置かれた状況、それが明らかになるのを楽しみに読み進めたらば、なんと助けたその子が神様の子供だった!
世界から遮断されていたところを、まずは携帯の電波だけを復活させた? こうした奇跡を目の当たりにして、信じないわけにはいかなくなったツギノとまえな。さあ、どうする。願いを叶えるというその子の申し出、どのように受けるのか。
しかし、予想外の方向に展開していきました。これ、絶対願い事の内容でふたりもめるのでは?
『君と最期のミステリー』
シャーロック・ホームズに憧れる夏芽李ひな。高校に入学して探偵部を設立したのはいいけれど、まるでお客が現れない。そもそも学内で探偵に頼ろうと思うようなことがまあないし、悪いことに依頼に飢えているひなの呼び込みの圧が酷い! あまりの温度差に、声かけられた生徒が必死に逃げる始末。
そんな探偵部に謎の少女が現れたものだからひな大喜び。気づいたら背後にいた謎の少女が持ち掛ける謎解き。私がどうやってこの部屋に入ったか。外部に繋がるのは入り口と窓。しかしここは3階。出入り可能なのは入り口に限られるが、そこにはずっとひながいた。
一見不可能と思える侵入トリック。はたしてその答はというと、なんと少女は幽霊でした!
盲点どころか有り得ない前提持ち出されて、それでも怒らないどころか、その可能性を考慮することができなかったと悔しがるひな。おそろしいほど柔軟な感性の持ち主でありますね!
しかし、幽霊ってことはホームズの作者、コナン・ドイルの関連分野では!? と思ったところ、ホームズ本編に幽霊まで相手にしてる暇はないってセリフがあるというのですか。かくして、意図せざるもホームズを超えることのできたひな。気をよくしていたら、その幽霊少女から自分の死因を調べてほしいという依頼が。
いよいよ探偵部始動ですね。この謎、いかにして解くのか。ゲスト掲載は全2話なのか3話なのか。今後の展開に期待ですよ。
『お姉ちゃんになりたい!』
両親の再婚で姉ができた珀。姉になるのは、見た目に小さく、おとなしい女の子、なもも。けれどなももは珀になかなか打ち解けてくれなくて、それが珀の悩みの種。なんとかして仲良くなりたいと思うのだけど、生活の時間も噛みあわず、目すらあわせられないまま日数ばかり重ねていく毎日。
そんな珀の悩みがはからずも解消に向かう展開。学校から友人と一緒に帰宅途中のなももにたまたま出食わした珀。いつもは見せない笑顔に驚くも、勇気を出して話しかけたら新たな関係の予感? 突然の珀の出現に慌てるなももを置いて姿を消した友人の意図。この時点ではわからなかったのですが、読み進めていくと、なるほど、なももと珀のお邪魔にならないよう、気を使ってくれたんだってわかるんですよ。
珀と一緒のなももは、緊張してるのか言葉数も少なく、表情も固く、嫌われてるのではないかと心配する珀。でもりんご飴のお店でのできごとを通して、ちょっとは仲良くなれた? と思ったら、なもも、帰ったら自室にこもっちゃって、なかなかすぐに打ち解けるまでいかないんですね。なももはなももで、ずっと頼れるお姉ちゃんとして振る舞えるよう練習してたのにうまくいかなかったって落ち込んでて、でも珀とお話できたのは嬉しかったと思ってる。
この気持ちを素直に出せたら、きっとうまくいくのにね。でも、なももになりたい自分像があるうちは、その素直っていうのも難しそうです。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第5号(2022年5月号)
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