『まんがタイムきらら』2023年5月号、一昨日の続きです。
『けいおん!Shuffle』
ギターを買うためファミレスでバイトをしている蘭花。どんな様子かと、ちょっと面白がりながらお店に入った紫。しかし、蘭花、めちゃくちゃに緊張してしまっていて、目の前の接客相手が紫とまるで気づいていない!
どんだけなのだろう。いや、でも、わかるわ。仕事、大変だよね。向き不向きもあるけど、この仕事、蘭花には向いてないと思う。でも頑張ってるの、すごいと思います。
ずっと強張っていた蘭花の表情が、紫と気づいた瞬間に和らぐの。すごくよかったと思う。もうにっこにこじゃん! で、お席に通して、自分も隣りに座って、オーダーを心待ちにしてるの。どんだけ紫のこと好きなんだろうってのがわかるくだりで、と思ったら、蘭花のこと心配してリサも同じ店でバイトしとったんか!
リサと蘭花、このコントラストよ。緊張しまくる蘭花に対し、くだけまくってるリサ。うーん、リサのように生きたい。で、同じ店でバイトしてて、リサのこと、蘭花が気づいてなかったっていうミラクルね! どんだけ余裕がないのか。うん、でもわかるわ。仕事ってそんなとこあるよね。
で、今回の落ちですよ。まさかのしなの先輩! 誰からも気づかれていない悲しさ。ほんと、不憫なお姉さんです。
『しあわせ鳥見んぐ』
岬の野鳥写真の展示会を訪れたひな。じっと見てくれるのは嬉しいのだけど、ちょっと気恥ずかしい岬の心情が面白い。で、写真を買えないかといってくるひな。すごいなあ。なかなか個展とかいっても、作品を買うってとこまではいかない。写真だったら、一品ものの絵よりも買いやすいのかな。
こうしたギャラリーを見てまわるのが好きそうなひなのこと、お嬢さまらしい趣味だって岬が軽口叩いたの。特に気にもとめず、岬らしいなくらいに思っていたのですが、まさかこれが後に効いてくるとは思いもしない展開で、それだけに今回のエピソードで語られたこと。そのメッセージを鮮烈と感じたのでした。
ミサゴの写真を見ながら、生存戦略について語る岬。またそれが後に効いてくる。岬が背負っている祖父の名と、今泉という家の名がついてまわるひな。ふたりの対照。祖父とは違うアプローチを岬の写真に見出すひなが口にした、岬の写真家としての生存戦略。こうしたテーマのしっかりと息づいているところに、この漫画の強さがあると感じます。
しかしタイプの違うように見えるひなと岬。確かに違うところもあれど、似たところもある。自分に自信が持てないところも似ているところかも。でも、そんな岬にひなが彼女の独自性をやわらかい言葉で伝えたことで、確かに変わったことがあったと思う。そして同時に、そうして誰かの価値を、かけがえのなさを自分の言葉で伝えられるひなの魅力や価値も同時に描かれた回であったと思います。
『スロウスタート』
ホテルのプールに皆でいきます。というので以前買った水着を試着してみた花名。そうしたら、サイズアップしていて、もう大変。いや、そこまで慌てることもないのでは!? と思うのですが、泣いて栄依子にすがる花名。よっぽどのショックだったのだろうなあ。
花名の問題は栄依子のお直しで無事解決されました。ただ水着問題を抱えている子は他にもあって、水着を持ってない果実は綴の水着を貸してもらうことで解決。となると、唯一解決しなかったのはたまてのサイズの問題だけか……。
うん、たまてよ、太ったのではなく育ったのだと思おう。
こうした準備で右往左往するの、それだけホテルのプールを楽しみにしているんだなと感じられて、実に微笑ましかったです。あの生徒会室での水着試着イベントも、プールの楽しみに非日常感も加わってか、いつも以上にテンション高く感じる。特に果実の、イベントスチル風ポーズとかね、自分の趣味を理解してくれるたまてあってのことではあるけれど、それ以上の気持ちの盛り上がりが感じられるようで、実に面白かったです。
そして安定の榎並先生。栄依子に誘われても首を縦に振らなかった先生が、冠のスイーツビュッフェアピールに陥落するの。冠の榎並先生理解の高さがすごいというか、先生が甘味に対して弱すぎるというか、ほんとこの互いの個性のせめぎあう様子。見事でありました。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第5号(2022年5月号)
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