2012年4月30日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年6月号

『まんがタイムオリジナル』2012年6月号、先日の続きです。

『あかるい夫婦計画』、違いのわからない男、ダイスケさんは、きっとこれはこれでしあわせなんだろうなあ。むしろ、細かいことを気にしないではおられない、そんな人よりもずっといいんじゃないか、なんて思わされるんですよ。で、今回の一番最後の一本、これはなかなかにびっくり。基本クールなハナコさんの意外な一面。あの叫び顔、すごくいい。あの新聞紙を手に鬼気迫る、あの表情も可愛い。いや、ほんと、この人はすごく魅力的。ほんと、そう思わされます。

『かがやけ!工学少女』、ゲストです。父の影響で大学は工学部に進んだ女の子ユウをヒロインに、女の子3人の工学部生活を描く、そんな漫画になりそうです。学科に女子は3人だけ。豊田ユウと女子校卒の中野サツキと、そして高松ユリカさん。高松ユリカのちょっと変わってて、若干かたいところがあって? いや、こだわりの人なのかな、機械大好き、モノが大好き、なかなかにいいじゃありませんか。機械の構造見て、ベアリング、そこから昔に思いを馳せて、ちょっとしたロマンでしょうか。悪くないと思います。知らない世界、そしてロマンを描いてくれればどれほどに楽しいものとなるだろう。おおいに期待したいタイトルです。

『女子校生かんさつ日誌』、こちらもゲストです。女子校にて教鞭とることになった新任教師、ええと、名前は出てないのか。生徒に抱き付かれ、って、それはあまりに夢の国すぎないか? なんて思ったり。一種傍若無人な女の子たちに、戸惑って、落ち込んで、けど実際こうしたところあるとか聞いていますが、まあ、はやく慣れたまえよ、ですなあ。大人の男と女子校生たちの異文化交流、そうした感覚のある漫画。ちょっと夢のある感じにとどめてくれていて、だから、可愛く、面白く、読みやすい。ちょっとスタンダード、そういった感じも強いけど、彼女らの生態が広がりをもって描かれるようになれば、より一層に面白くなりそう、なんて思いました。

『お弁当はあたたたためますか?』、ゲストです。客のこないコンビニ。そこにやってきたちびっこ。出稼ぎとかいってますが、店長かの姪。姉から頼まれて預かって欲しいとのこと。それで、仕事を手伝ってもらうことになって、ほのか、9歳を19歳と自称して、いや、仕事自体は家事手伝い扱いってことになっている。客のこないコンビニで、いろいろ噛み合わない会話など、ちょっと面白い。そして爆発する弁当。じわじわと面白い感じの漫画。こういうの、ちょっと好きかも知れません。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第6号(2012年6月号)

2012年4月29日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年6月号、昨日の続きです。

『P.S.リスタート』、ゲストです。トランクを引いているお嬢さんは、どうやら道に迷った模様。坂道の途中でトランクを手から離してしまい、転がっていく荷物、一日なにも食べてない、歩き続けという状況、追うに追いきれなくてリタイア、その場で寝込んでしまったっていうんですね。そんなお嬢さん白鷺千華を見付けたのが夏希と、ええと、アホじゃない方の名前がわからない。このふたり、姉妹でいいのかな? 白鷺千華がどうも同じ学校に通うことになると知って、案内して、なるほど没落お嬢様と知る。電車の乗り方も知らない、そんな強烈なご令嬢が身を持ち崩して、まあ本人のせいじゃないんだけど、ものを知らないことをいいことに、理事長がえらいこと要求してる。これ、今後どういう風に展開するんだろう。白鷺さんのお家再興ものみたいになるのかな?

『IQにとりりおん』、冒頭の朝ご飯の風景、これは面白かった。いえね、ただ普通に起きて、普通にシリアル食べて、だと思ったら、私もだいぶ料理できるようになったなーでしょう。ええーっ、笑ってしまって、まさかそういう話だとは思わなかった。だって、あれ、料理か? ということで、ぐりると一緒に夕飯を作ることになるんですね。いや、みかんは乗り気じゃないんだけど、付き合いのよさでもって対応するって感じです。で、鍋をしようという。スーパーで買い物、一緒に下ごしらえ。なんのかんのいって器用というか、能力の高いみかんが大変によいですよ。観察の確かさと、計測の厳密さ。ゆるやかなぐりると、互いに補いあう、そうしたところ、いいペアですよね。で、最後に照れるみかん。一緒に大福。ほのぼのだなあ、たいそうよかったです。ほのぼの、むぐむぐ。

『かためで』はセンターを誰にするかのクラス内投票からはじまって、いったいなにをするのかと思ったら、クラス対抗の剣舞、そのセンターを選んでいたっていうんですね。さやかがセンターをつとめる、ということは、彼女の剣技が冴え渡るのか!? そう思ったけど、そうはならなかったみたいで、よかったんだか残念なんだか。しかし、衣装選びで地雷を踏むみづき。いや、でも、可愛いな。これ、よさこいみたいな感じなのかな。鳴子さえ持ってれば衣装は自由、その鳴子が刀になった、そんな感じっぽく見えますね。センターを決める、そんなこといってたから、選抜メンバーなのかと思ったら、なるほどクラス全員総出で踊るんですね。なので、できない人は特訓。主にまのがいろいろ指導されて、それからさやかもいろいろ苦労してて、みづきは大丈夫かと思ったら最後に! いや、面白い。楽しいエピソードでした。

『わたしのおねえちゃん』は、何度目かな? ぼんやりな姉としっかりものの妹。ふたりが母の日の贈り物にカーネーションを買うという話です。素朴な話、けど、その普通っぽさがよいんですね。カーネーションが口実なのか、アイスクリームが頭から離れないお姉ちゃん。妹光の方がやっぱりずっとしっかりしてるんですね。花屋でみつけた、カーネーションプードル、って、こんなのあるんだ、知らんかった。それが売り切れてたので、自分たちで作ろう。不器用なふたりが頑張るっていう、ささやかなできごとを通して見えるふたりの一生懸命さ、そしてお母さんのことが好きなんだっていうね、いいなあって思ったのでした。お母さんと一緒に記念写真。なんてことはないことが素敵なんだ、そうしたこと感じさせられて、ほんと素敵な話です。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第6号(2012年6月号)

引用

  • なんにゃか「IQにとりりおん」,『まんがタイムきららキャラット』第8巻第6号(2012年6月号),167頁。

2012年4月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年6月号、発売されました。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』、如月とトモカネ、ふたりでハイキングですね。サンドイッチを用意してきた如月に、おにぎりを竹の皮で包んできたトモカネ。これだけで、ふたりのキャラクターがばりっと表現されていて、加えてあの水筒から蓋、カップに注いで飲もうとする如月、そのまま飲んじゃうトモカネ、いいですね、ほんと、好対照なふたりです。絵のタッチは、なんだかやわらか、素朴で、いつもとずいぶん違って、なんだか昔の絵本? いや、ポスターみたい、そんな風があって、いいですね。漫画の表紙なんだけど、ただ漫画の表紙というより、ちょっとした物語感じさせる、そんな感じ、すごくうまいと思うんです。

『さくらティーブレイク!』、ゲストです。『うらバン! 浦和泉高等学校吹奏楽部』の都桜和でありますよ。わあ、嬉しいな。今度のも部活もの。けど、なんだかいろいろどんくさい桜がどこに入ったものか、見学しては追い出される、そうしたところからスタートして、結局どこに落ち着くのかなあ。どんくさくてほわほわな桜と、彼女を心配してくれる、ちょっとしっかりものっぽい友達菊華、ふたりのいきついた先は茶室、茶道部の部室だったんですね。桜の鼻がみつけたお菓子。なんだか不思議な匂い、和菓子なのにチーズっぽい? そこへやってきた先輩、大虎七紀にお茶、お点前を誘われて、いや、しかし型破りお茶会。面白いなあ。お菓子、和菓子じゃなかったんだ! しかも点ててるお茶、普通は入らないものが入ってる! いいねえ、なんだか楽しそう。で、桜と菊華、誘われて入部となって、しかし次回、茶室は爆発するのか? いや、ほんと、楽しみですよ。

『ぷらいまりィずむ!』、ゲストです。小学生の女の子、水橋ニコ、小学5年生が主人公なのかな。2年前に亡くなったお母さんに朝のあいさつをしているところから始まって、さあ、いよいよ登校っていうんですね。妹ココは今日から小学生。ニコは今日から集団登校の班長と、はじめてづくしでありますが、しっかりしてるお姉ちゃん、なんかいろいろ吹き込まれてる妹。あやしげなこと吹き込んだのは、亀池めいふとさゆらの双子、小学3年生です。ここにしずのちゃんが加わって、班は全員ってとこですね。しずのちゃんはニコと同い年なのかな? で、ニコのことが大好きで、ええと、恋愛的な意味で? この5人での登校、それがメインになるのかな? 第1回は登場人物紹介と、そしてニコがお母さんとかわしていた、体操着ぶくろをココに持たせるという約束、それを忘れてしまった、遅刻覚悟でココをおぶって走るニコ、ほんと、2年たっても母の愛、約束、忘れない、だって大切なんだから、そうしたこと描いてて、いいんじゃないかしら、ええ、悪くないと思ったんですよ。別にお涙頂戴をやりたいってわけじゃない、それもわかる。だからよかったのかな。それで、友達みんながついてきてくれる、それもよかったかなって思ったですね。楽しみのリスト入りです。

『ネガ→ポジ』、大変よいですね。いきなり冒頭から頭をぐわんぐわん振ってる綾乃とか、いったいなんだこれ? 理解を軽く超えてきて、なるほど、髪が邪魔だったのか。人見知りだから美容院なんていけない。知沙は美容師やってる親戚のおばさんにやってもらう。音々は普通に美容院で。この髪をどうするかってだけのことが面白いですね。音々の髪質、ストレートパーマかけてもすぐに戻るの、などなど、なるほど大変なんだなあ。それで綾乃のママとかね、なにげない会話に垣間見えるその人の素の表情、言動。素晴しいと思います。で、知沙に切ってもらう。もう、ちょっとのことで大変で、それで綾乃、前髪失敗しちゃって、いいよいいよ面白いよ。髪を失敗しちゃったことじゃなく、それで生じるあせりや、うまくいかないフォロー、そこに感じられる個性、そうしたものが実にいい。ほんと、ヘアピンで誤魔化して、結果オーライで、ほんと、いい展開でした。

『このはなさくや』、ゲストです。花を咲かせる、どころか生成できる力をもった女の子、こまき、野原小牧が主人公ですね。これから入学式。友達のあーちゃん、相川蒼さんと一緒に新入生、ぴかぴかの高校1年生ですね。入学式、壇上で眠っていた生徒会長、あーちゃん曰く、美人で大胆で型破り、あーちゃんはちょっとひいてたけど、こまきはえらく憧れて、でふたり、この会長から生徒会に誘われるっていうんですね。相川さん、ずいぶん優秀らしい。川原中のアインシュタインなるふたつ名があるらしい。で、こまきは花を出しているところを会長に見られて、それで誘われて、肝の座ってる人だな。で、ふたり生徒会に入るのはいいけど、花のことは秘密にしてとお願いして、けれどすぐさまばらしちゃう会長。ひどいー! かくして、こまき、あーちゃんと、会長に会長補佐の黄桃都、4人の秘密になってしまったっていうんですね。可愛い絵、なんか一筋縄ではいかなそうな会長と、彼女にふりまわされる一年生ふたり、って感じでしょうか。悪くなさそう、そんな感じがあって、いや、実際これはよさそう、そんな予感がします。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第6号(2012年6月号)

2012年4月27日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年6月号

『まんがタイムオリジナル』2012年6月号、発売されました。表紙のテーマは、1・2・3・4・ごはん! なんでそしょうか。山に盛ったご飯を豪快に食べる『ラディカル・ホスピタル』山下さん、卵をのっけたご飯を手にちょこんと座ってる『トリセツなカテキョ』井原先輩、そして、食パンをくわえて走るセーラー服姿の『らいか・デイズ』らいかですね。うむ、実に炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーションではありませんか。このテーマは、朝ゴハンとはありますが、『炊飯器少女コメコ』に関係してたりするんでしょうか。あの、単行本表紙のコメコ? 全身のカットも載ってます。あと、榊先生と師長の夢のコラボレーションもございます。

『よゆう酌々』、実にいいなあ。町内に響き渡る女将の悲鳴。ついに戸田くん、我慢しきれなくなったか! そう思ったら、いや、まあ、我慢できなかったのはそのとおりなんだけど、コタツを片付けようっていうのね。で、女将が抵抗していると……。すっかり夫婦、いい仲と誤解されてるふたり。近所の皆に否定したいと思った戸田くん、一歩遅かったっていうのね、これはほんと面白った。そして税理士さん来店。年で引退を考えてる中川税理士。孫に引き継ごうというんですが、この孫というのが中川茉莉、デキる女。だそうだけど、やっぱり辻灯子だけあって、どこか欠けてる、どこか抜けてる、そんなところが実にいいんですね。極端な方向音痴。ちょっと負けずぎらい。ほんと、いい感じ。すごく可愛い人ですよ。これは、なおこの先が楽しみになるってものですよ。

『満開!Sister』は、実にいいキャラクターが揃っていますよね。学校、同じクラスのサツキさんですよ。シンプル簡素を愛する大和撫子、そんな風に武士は誤解してるみたいだけど、いやいや、武士、あんたよりもずっと質実剛健だよ。むしろ、さばさばとして、格好とかおしゃれとか、どうでもいいって感じ。好みだわ。とてもいいわ。新聞紙はどうかと思いますけどね。しかし、武士の変化。父がぽつりとつぶやく、あの場面はよかったなあ。気を張らなくなったのか? 人の側がいいんだろうか。なんかいいですよね。

『あねぐるみ』、面白い。おもちゃ会社が乗り出す端午の節句。こどもの日にまつわる商品を作ろうと、社内でプレゼン大会をするっていう、そうしたイベントも面白いんですけど、その背景に流れている姉に騙されているタケローの哀愁。ほんと、いいですよ。プレゼンはオールスターといった感じ。北見課長に錦さん。からんは予選落ちですか。ゴガツロボ。これ、アニメとタイアップとかないと無理っぽい、みたいに思いながら、もじバケるみたいなノリでいけそうな気もします。しかし、タケローのうまいこと使われてる感、それが実によかったです。姉に使われ、錦さんに使われ、で、中田さんにねぎらわれる。うん、いいバランス。ほんと、最後の落ちまで楽しく面白かったです。

『小森さんは断れない』、いいですよ。扉の根岸まさ子ちゃん。めっちゃくちゃ可愛いなあ。こういう感じのキャラクター、大好きです。さてさて、小森しゅり、人の頼みを断れない人。特に頼まれやすい、なんじゃなくて、頼まないではおられない、そんな感じなのか? 謎。いや、しかし、実に面白いです。勉強もできる、って、当てられて答えてたところばっかりだからなんだ。運動もできる。けど運動会では裏方。縁の下の力持ち的活躍でありますね。決して完璧ではない。むしろまさ子ちゃんの方が完璧キャラ。でも活躍するのはしゅりで、まさ子は自堕落ではないけれど、なんかみんなの中にいるって感じじゃないんですね。でも、そんなふたり、すごく仲がいい。理解してる。わかりあってる、そんな雰囲気感じさせて、あの寝起きでおはようのふたりとかね、すごくよかったと思うんですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第6号(2012年6月号)

2012年4月26日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年6月号

『まんがタイムきららミラク』2012年6月号、先日の続きです。

『桜Trick』は、いいですねえ、春香が美月会長と接近、ですよ。接近する春香、気後れしてしまう会長。妹と春香の関係に嫉妬してしまう美月、その言葉を誤解してしまう春香。ちょっとずつのすれちがい、それがもどかしくって、けれどなんだかいろいろ心くすぐられて、ほんと見ていて楽しいのですね。しかし、美月会長、どうして私が猟師の役を!? って、白雪姫の猟師って、白雪姫を森に捨てにいくあいつか! なんで猟師をと思ったのか、その突飛な発言、しびれました。冷静なつっこみ、これが効いてますよね、すごくいい。いやしかしほんと、美月会長の気持ち、いつか春香に通じるのかなあ。そんなことなど思いながら、優と春香、ふたりの世界が、もう、もうね! いや、ほんと、もうね!

『幸腹グラフィティ』、クッションいただきました、ありがとうございます。さて今回は筍ご飯でありますよ。静物デッサンの課題が筍、というのはいいんですが、なぜ米まで!? 私の住んでいるところはですね、筍の名産地なんです。だから、かなりおいしい筍ご飯が春になると食べられる。おおう、うわあ、このジャクジャクと表現された食感。これはすごくよくわかる。確かにそんな感じで、食べているもの、そのおいしさを表現しようという意気込みがすごくいいなあ。で、私、この話読んで、筍ご飯はこないだ食べたところだから、いや、オムライスが食べたいです! それと、椎名さん、友達と一緒にいろいろチャレンジしようという流れのなか、しあわせそうなリョウがすごくいいなあ。寂しさ悲しさから徐々に抜け出していく、そうしたところ、たまりません。

『夜森の国のソラニ』は、ウサギの中身。可愛いなあ。は、いいといて、利己的で猟奇的な昼森。彼女の側にいることを選択して、機械仕掛けのウサギをバラして入れ替わったっていうんですね。あまりに可愛い昼森に憧れて、また同時に疑問を抱いて、そして語られる夜森と昼森の過去。これは、ウサギの彼女とソラニ、このふたりがこの夜と昼の仲違い状況、その解決に向かわせるきっかけになったりする? と思ったんですが、すぐにそういう方向に向かうということはなさそう、いや、金輪際ない? わかんないんですけど、ひとりぽっちの昼森の側にも、ちゃんといてくれる誰かがいる。こういうところ、なにか優しさが感じられて、それは理解したいと思ってくれることかな、よいなあって思ったんですね。

『城下町のダンデライオン』、ゲスト再登場、なんですが、これやっぱり面白いです。普通の暮らししてるちょっと大家族。けど、彼らは王族で、次の国王選のために、メディアが一挙手一投足を追っている。兄妹の中から後継者を投票で、というのも面白いんですが、本人の興味がなくとも、いやむしろ目立ちたくないと思っていても、カメラに追われる、注目されてしまうというの、ヒロイン茜ですね、その様子がいい感じ。いや、ちょっとかわいそうだなって思うんですけど、しかしそれを上回ってアクティブで、派手で魅力的で、どうしても目立ってしまう。そのギャップが面白いなって思うんですね。で、今回は妹光の出番です。生物の成長をコントロールできるっていうんですね。けれど10歳、移り気で、猫を追って茜とはぐれてしまう。その先で、猫を助けるために大人になって、そうしたら服が小さくて、大変なことになったから、代わりに茜を子供にしてという展開。面白かった、チビ茜も可愛いし。大変よかったです。

『なりきりイミテーション』、今回は妹役をしている向子サイドのエピソードですね。腹くくって妹役、なりきってるかと思いきや、照れがあったり、いろいろ気を使ったり、可愛いなあ、面白いなあ。学校では優等生で、誰からも頼られている向子が、家では妹として甘えられる。そんなちょっと特別な時間、特別な関係を垣間見られるというのがですね、なんだかすごくよいな、ほのぼのとして、みなりに向子、学校でのふたりと家でのふたり、あまりに対照的なものだから、そのどちらもがより一層に面白いと感じられるんですね。しかし、向子、いろいろ心中抱えてるものがあったりする? わかんないんだけど、もしそういうのあるなら、これがきっかけになってつかえがおりれば、そう思ったりするんですよ。

    『まんがタイムきららミラク』第1巻第4号(2012年6月号)

2012年4月25日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号、昨日の続きです。

『二人の恋愛書架』、ゲスト掲載、2回目ですね。古書店をいとなむカナコさんと高校生秋生のふたり暮らし。結婚を前提とした同居。素敵なお姉さんとのラブラブ同居もの、っていうんですが、今回はカナコさんお仕事で遠出、っていうんですね。会えない時間が愛を育てるの? そんな話になっていて、会えないことが寂しい、たった一日会えないことがそんなにか? そう思ったら、ああ、秋生という人は待つこともなく、誰かが待ってくれることもない、そんな家に育ったのか。ちょっとシリアスなエピソード。帰りたい家に急いだら、いないと思っていたカナコさんがいて、 ああ、本当にラブラブなふたりであるなあ。依存してるまではいかない、そんな互いに相手を求めあっているふたりの姿。よいじゃないですか。

『meth・e・meth』は、エージェントフラジャイルが語る、柚木に移植された心臓の真実。で、この流れで明かされるフラジャイルのこと。えええ、なんと、この子の腕、あれ、移植されたとかじゃないんだ。彼女がそもそもゴーレムだっていうんだ。驚いた。まさかの人造人間ヒロインでありました。で、こうなったらもう隠したってしかたない。柚木につきっきりで守るっていうんですね。しかし、ここからが面白かった。柚木の母ちゃん。彼女を連れてきたと大騒ぎ。って、これ、だらとかきんとか、愛知あたりの出身なのかな。そう思って識者に確認してみたら、かなりの確度で三河弁らしく、おお、いいですね、母さん、なんだかいいキャラしてますよ。年々デリカシーがなくなっていくとか、ほんと、いかします。まあ、息子としてはたまらんでしょうけどね。そして、自室にてあの謎の誓文を復元してしまった柚木、これは今後の展開において大きな鍵になりそうですね。

少女素数』は、兄さん、また髭なしです。この人、髭がなくなると、とたんに若く見えるのがいいですよね。そして決断、一年仕事を休んで、やりたいことがある。大学で学ぼう。それで休業というのですが、だんだんに自立していく妹たち、富士夫の心中にもいろいろな変化、動きがあるんだなあ。成長する、日々刻々と動き変わっていくのは少年少女だけではない。富士夫も、そして梗子も同じ。ちょっとインターバルといった感じもするエピソードだったのですが、このふたりも、すみれやあんずたちを取り巻く環境なのではない、ひとりひとりの意思もあれば感情もある、自分の人生を悩み迷いながら生きている人なんだって、そういうのが見えたのは大きいなあ、そう思ったんですね。しかし富士夫兄さんの待っててくださいとはいえない、とか、ちょっと意味深。うん、考えすぎですか? でも、考えずにはおられんかったんです。そして、このところのすみれを見て、あんずの思っているらしいこと。どんどん遠くの世界の住人になっていくすみれと身近な女の子でいてくれる有美、ふたりのはざまで悩んでいるぱっクン。皆、苦悩をともに生きているんだなあ。読むほどに、心に、手に重さを残して、しみじみと感じさせてくれる、そうした気持ちの確かさがありました。

『本屋さんのクッキー』、ゲストです。こちらも人造人間ヒロイン。本屋のバイトの藤山くんが、決して入ってはいけないぞと店長から釘をさされていた部屋で見たもの。女の子、人形、そう思ったら、なんとアンドロイドなんですね。ハプニングでキス、それが起動のキーとなって、アンドロイド、クッキーは藤山のことをマスターして認識してしまって、これはリセットできない、だから責任をとって、まだなにも知らないまっさらのクッキーにお前がいろいろ教えろ、といったことになるんですね。まだなにも知らないクッキーがトラブルの原因になったり、それで藤山くん、クッキーを責めたり、って、おいおい、それ、最悪だろ。人の気持ち考えてしゃべれとかいうけど、そもそもこいつがなにも知らない、蔵書の検索と注文しかできないような状態だって、わかってなかったんか。などなど、藤山について文句いいたいというより、ちょっと詰めが甘いよなあ、そういった印象が残ったのが残念です。これはもっとゆるい話にして、クッキー可愛いで押し込む、それくらいの力技で訴えた方がよかったんじゃないか、などと思ったりしました。私の嗜好としては逆方向なんですけれど、つまりもうちょっとでも話や設定やらを練りあげられた方が好みです。

2012年4月24日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号、発売されました。表紙は、おお、『はぢがーる』ですね。紗江ちゃん、そして菊花、ふたりがじゃれあうように、いや、菊花が紗江の後ろから抱き付いているんですが、晴れやかな菊花の笑顔、対して真っ赤に染まる紗江の表情。対照的で、これがまた可愛くて、すごくよいですね。紗江の流れる黒髪に、波打つ菊花のサイドテール、ちょっと表情を違えた動きが左右に配置されて、いいアクセントになってる。これが実にいいですね。

はぢがーる』、巻頭カラーであります。表紙とはうってかわって、きりっと凛々しい紗江さんですよ。と思ったら、見開き扉にて、表紙以上に照れて真っ赤な紗江が描かれて、うわあ、この対比。こうした表情の幅、揺れる気持ちが素晴しいです。で、紗江の抱えている問題。前回のお姫様だっこが原因で、恥ずかしさがMAXだっていうんですね。本田くん、拒絶されたと思ったか、落ち込んで、紗江はといえば、自宅にてじたばた。そうかそうか、もの足りないんだ。そうかそうか、踏み込みたいんだ。ほんと、動き始めた気持ちは、もはや止められないんですね。いやいや、いいよいいよ。憂いのある表情など、ほんと、いいよいいよ。そして本田くんとお昼を一緒する。そこには後輩、真木好も一緒にいて、いや、もう、この子がライバルになるのか。悪い子じゃないよね。だから、なおさらよいよね。本田先輩との会話に神楽先輩を割り込ませてなるものか? そんな意図はなかった? わかんないんだけど、ちょっとしたところに、恋の攻防感じられるよね。まきちゃんも必死なのだろう。けど、ほんと、さっぱりとしていい子。これはなかなかに面白くなりそうでありますよ。

夢喰いメリー』は、夢捜歌クリオネ、真面目でちょっと小心な彼女。ジョンに泣かされるとか、ああ、もう、なんて可愛いの! なんですが、深刻な表情、思い詰めて、余裕をなくした、そんな彼女を元気づけようとしたんだ。メリーに誘われて、遊びに出る。クリオネ瑞貴、ゲーセンに繰り出し、戸惑い、ムキになって、この意外な表情の数々。すっとぼけてみたり、自分のこと棚にあげてみたり、そうかあ、こういう子だったのかあ、クリオネ。基本真面目で、深刻すぎるほどに深刻で、かたさを拭えない、そんな彼女だけど、根には楽しみに喜びに反応し、ゆるむ素直なやわらかさがあるんだなあ。そうした彼女が感じられただけに、エルクレスに強要されている役割。そこで苦しんでいる彼女の気持ちも際立って感じられた、そう思うんですね。しかし、ちょこんとピース、してやったりとピース、なんて可愛いんだ。プリクラでダブルピース。ああ、これが最先端なんですか! なんですね! そして、女学生にもてもての猫仮面。加えて、メリー。なにがあったのか。夢路とメリーの関係など、ああ、次から次へと、たてつづけにきますね。

『魔法少女かずみ☆マギカ』、かずみの出発点に戻ってきたんですね。行方不明の少女たちを追う刑事さん。そして、トランクから出てきたかずみを受け入れ食事を与えてくれた立花さん。刑事さんがひっかかっている、魔法少女というキーワード。まさかありえない、けれど、どうしても排除できないキーワード。ああ、これはぐっときましたね。アニメ『まどか☆マギカ』でも、失踪した少女、家出の末自殺したと扱われた少女、様々なできごとは描かれていて、人がいなくなるというのはそういうことですよね。ものごとは、魔法少女たちの間だけで生じるのではなく、当然彼女らをとりまく社会にも影響を与える。その社会の顔が垣間見えた、そんな風に思えたんですね。かずみは、確かに立花につくってもらったビーフストロガノフ、あれ以前の人生を持たない、そんな存在だったのかも知れないけど、確かに彼女に接した社会というものがあって、それはまた彼女を支えるものでもあったんだなって。そして、彼女を支えようとする仲間。彼女からのメッセージ。それを受けて、気持ちがぴしりとしまる。ああ、あのイチゴリゾットを食べて、そして見せたかずみの表情。出ていこうとするその時、振り返って見せた涙まじりの笑顔。明るくて、幸いで、さっぱりと。ああ、気持ちに整理がついたんだ。それだけに切なくて、胸に迫りました。かずみの決断。いよいよクライマックスに踏み出す? できごとは、魔法少女やプレイアデス、その内輪だけの嵐ではない。けれど、その一旦の決着をつけようとプレイアデスのもとに立ち返るかずみ。これは、ほんと、しびれました。

『はじおつ』は、ただ手を握りたい、それだけでこんなにも大変で、って、向日葵さん、たしかにべらぼうに可愛いなあ。甲斐くんはちょっと早まってしまったのか? 手を握ろうとして、見事に挙動不審。あの、ファサッとか、きゃーっ! かっこいい! 横断中の黄色い旗を手に横断歩道をわたる彼! ほんと、素敵ー! いや、けどほんと、いろいろ考えて、何度もチャレンジして、それであの結論にいたるんだ! 甲斐くんはわかる。けど、向日葵、手を潰そうとした!? って、いやいや、それはちょっと! ほんと一進一退のふたり。ほほえましいというか、いずれじれったくなってきそうな気がして、実にいい感じでありますよ。

2012年4月23日月曜日

Speaker, taken with GR DIGITAL

pBoneGR BLOG、トラックバック企画であります。テーマは「」。音を感じさせる写真を、という趣旨でありますね。実際に音を撮影するのは無理ですから、いかにも音が鳴っている、そうした写真、あるいは音にまつわる、そうしたものを撮った写真、ということになるのでしょうね。とはいえ、基本直球、いや、そのものそのままの写真しか撮れない私です。ということで、今回も実にそのまんまな写真をピックアップして、トラックバック企画「音」に参加します。

というわけで、まんまな写真であります。楽器、楽器、スピーカー、楽器ですね。私はいろいろ楽器を触っている、というわけで、うちにはいろんなのがごろごろしていて、それをたまに撮っていた。全部の楽器が自分のもの、というわけではないのですが、何枚か選んで、それがサクソフォン、スピーカー、ギター。スピーカーは、ウーハーが振動しているところを撮ろう、そう思ったんですが、思ったよりもそれっぽくならなかったなあ、なんて印象です。

Saxophone

YAMAHA Alto Saxophone YAS-875

Speaker

MBP and Talbo guitar

2012年4月22日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号、一昨日の続きです。

『ばろめっつ』はまだゲストなんですね。植物で非常食なナマモノであるばろめっつ。驚くほどのはやさで文字を覚え、言葉も充分に扱えるようになったバロメッツ、まだまだ教わりたい、たくさん知りたいというそいつがむやみに可愛くって、で、今回、その可愛いナマモノがりりとちゃんにばれてしまった。りりとちゃん。原田が想い慕う人の妹なんだそうです。最近では、兄大好きな妹が、兄に思いを寄せる相手に敵対する、みたいなことも多くなりましたが、りりとはばっちり原田、彼女はイコ姉って呼んでるんですが、イコ姉のことを応援していて、というかイコ姉のことが大好きっぽくて、ほんと、このいろいろアクティブなりりとに、好きな相手のこと思うと真っ赤になってしまう照れ屋の原田。うまいこと比較になってて、いい感じ。ほんと、恋愛に対して前向きに、そんな展開、ああ、いよいよ歩み出すのね! そう思ったら全然っていうね、そのラストの余韻。大変に素敵でした。ヨーロッパの映画みたい!

『▲コンプレックス』は前回のできごと、落ち込んでいた円を皆がはげましてくれた、その続きなんだ。てっきり前回で終わり、今回は新しいエピソード、そう思ってたから意外で、けどそれは、まだ続くんだ! というよりも、おおー、尽力してくれた人をねぎらったり、そして互いの気持ちを確かめあったり、人の気持ちに対して真摯で丁寧なのだなあ、そう思わせてくれるようなものだったんですね。で、気持ちを確かめあう、さっきそういいましたけど、これ、相手の気持ちを試すとか、そんなことはしないんですね。今、自分の前にいるこの人は、大切な人は、なにを思っているのだろう。そこに思いをいたし、言わずとも気付くというんです。まさに、おもんぱかるというやつでしょう。こうしたところに、思いやり、真心が感じられるようで、気持ちや心が寄り添っている、そんな風に思えたんですね。いい漫画だなって思います。ちょっとしみじみします。

『スイーツどんぶり』は、これ、かなりのものですね。いきなり鯉川先生が糾弾されている場面からはじまって、ノリがいい、勢いがある、もうのっけからひきつけられて、面白かったです。料理部を監視することになった鯉川先生の四苦八苦ぶり。 もうほんと、ジャッカルのミスにまきこまれてえらい目にあってみたり、またそのジャッカルも授業にひっぱり出されて自信喪失してみたり、って、この人、授業に日頃出てないのか。卒業どころか進級もあやういぞ! って、そんなジャッカルがクラスに受け入れられて感動で、なんのかんのいって、この人、愛されてるよね。根はすごくいいやつっていうのがわかる、それがまたいいのかもなあ。読んでる私にしても、ジャッカル、柿崎ですね、この子、いい子だなあって思いますもの。で、そうした手柄を全部自分のものにする鯉川先生。やってること、結構あくだいと思うんですけど、それがなぜか許せてしまうのは、この人の人徳なのか、あるいは作風ゆえなのか。作風なんだろうなあ。皆がいいやつ、ほっとけない、そんな不思議な人好きのする近しさがあるんですね。

『妖茶芸館』、ゲストです。あがり症の女の子、蒼井華が友人と働くバイト先は妖怪専用の喫茶店。人には見えないはずなのに、なぜか彼女らには見えてしまった。そこで出会う妖怪たち。普段は人に化けている彼らが、ここでは本来の姿に戻るというんですね。かろうじて人っぽいのがいるかと思えば、どう見ても人じゃないのもいて、動物やよくわからない異形、さらには巨大、あるいは小さな人もいて、友達の海ちゃんは結構平気でコミュニケーションとってるんだけど、華はやっぱり緊張したりするみたい。緊張のあまり言い間違えちゃう、そうした様子はわりと好評で、むしろ店長(仮)は温存したいと思ってたりする? 小さな店長は猫耳で、同じく小さな海、ふたりを相手に接客のけいこをしたりして、そうした様子はほのぼの。可愛い雰囲気、妖怪たちも怖くない、おだやかな時間の流れる漫画です。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第6号(2012年6月号)

2012年4月21日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年6月号

『まんがタイムスペシャル』2012年6月号、発売されました。表紙は、これはどういうテーマなのだろう。『恋愛ラボ』リコが客室乗務員の格好していて、赤いスーツに負けない、そんな笑顔が素敵です。ほんと、美人さんだなあ。そして、『たまのこしかけ』たまこさんが、これは鉄道かな? アテンダント、いや普通に運転士? 敬礼してウインク。素敵なカットであります。

恋愛ラボ』は、ついに藤女生徒会に発表の順番がまわってきて、いやしかしスズとサヨが見事に落ち要員となっていますね。それはつまりはマキ、リコのふたりがボロを出せない状況にあるということで、有能で美しい、理想そのものを体現しているマキ会長! 素敵! 対して、ダメージうけてるヤンは見ていて面白いんですが、ここまでダメージうけるっていうの、ほめちぎったことが恥ずかしい、それもあるんだろうけど、あるいはどんだけ馬鹿にしてたの、君。そんな風にも見えて、嫌なやつだなあ。自分のプライドを守るために、意図的でないとはいえ、私のエノを傷付けて、許せないなあ。ほんと、そう思います。しかしだんだんにマキのことを認めていく、その流れはよかった。で、質問。いや、もう、陥れようとかしてるんだったら、噛み付いてやるぜ! そう思わずにはおられない。ヤン。次回、なにをいおうというのか。それにどう答えるマキ!? 息詰まる展開です。

『銀河系女子高生ありすちゃん』は、なかなかにやってくれますね。はるちゃんが、ありすにと宇宙の本を持ってくる。宇宙の話をしたいからっていうんですが、なるほど、宇宙人だからって、宇宙のことなんでも知ってるわけじゃない。その理屈は実際納得いくもので、いやほんと、そのとおりだよなあ、でした。そして川。水の冷たさ、あれは面白い。そして不思議ちゃんと思われてること云々。なるほど、なかなかしたたかなお嬢さんです。ほのぼのとした感触の中に、ちょっとにやりとさせられる、そうした味つけがいい感じです。

『我が家のさおりさん』。ついにさおりさんの由来が語られる時がきた! って、意外にどろどろじゃなかったなあ。お父さんの元カノなんじゃそうな。発散できるリビドー、そいつが弾けて作りあげられたさおりさん。って、これはそういった要素がぼかされてるのか、本当にプラトニックな恋だったのか、わからんけど、外聞悪い父ちゃんだなあ。いや、でも、若き日の父の情熱、そして結婚、さおりさん封印となる。それがなんだかいい話に思えてくる、そうした雰囲気。これがいい話でいいのかなあ、そんな気もするけど、この人たちがしあわせならそれでいいよね。ほんと、さおりさんも家族になって、父の母に対する愛情も本物で、ええ、なんだかいい話でした。不思議な読後感ですね。

シュガービーチ』は前回の続き。みなとと、孤高の天才城崎美麗がペアとなって、三下高校一軍選手と試合するっていうんですね。さすがに強い、っていうか、なんじゃこりゃー! 超人バレーに一歩踏み込んでおりますよ。あまりに強い、そんな相手と戦うために、美麗とみなと、がっちり手を組んで、いや、しかし、みなと、酷いな……。謎のパス、謎の合体技、魔球的アタック。意味不明なんだけど、面白いなあ。この不思議バレーの描写、これもいいんだけど、ふたり一緒にプレーする、その様子が、まあこれルール的にどうなんだろう、わかんないんですけど、それがいいなって。でもほんと、バレー部に狙われる部長に続き、他校の生徒に狙われるみなと、おかしなことになって、この展開、実にいい。いったいこれを、どう収拾つけるんだろう。いい定番ネタになってくれるといいなって思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第6号(2012年6月号)

2012年4月20日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号、昨日の続きです。

『Free!』、面白いですよ。夏休みが終わって新学期。定番だと思うんです。学校再開でがっかり。夏休みはどこにいったの? そして宿題。けど、それが面白く、キャラクターがうまいこと生かされてるからでしょうかね。沖縄いったことを自慢するアトリに、ちょっと申し訳なさそうなキスカ。サーターアンダギーをめぐるやりとりなんかも面白く、あのもぐもぐやってる、口もとに残るアンダギーのかけら、あれが妙に可愛かったです。そして、宿題。ミサキに揺さぶられるアトリ、これはいいんだけど、一緒に危機に陥ったと思ったトモエがひとり取り残される、あの状況ね。あの一連の流れとか実によかったです。ほんと、よかった解決した、そう一瞬思ったあとにくる、ちょっと待てよ感。実によかったです。

『あいすき — 浮世絵の恋』、ゲスト前編、だそうですが、以前に掲載されたのの続きですよね。浮世絵師と押し掛けアシスタントの話。これ、時代はいつなんだろう、昔、それとも現代? そう思っていたら、しっかり現代とありました。なるほど、萌えという概念のある江戸時代ではないんですね。編集者と編集長来訪に嫉妬の炎を燃やす押し掛けアシスタントほたる。今回のテーマに、この嫉妬というのがあるみたいですね。それだけ好きなんだ、ということ。そして浮世絵においてポピュラーな画題、安珍清姫伝説が語られて、清姫と安珍に対する評価のわかれ目など、なるほど、なかなかにいい感じでありました。独特のやわらかさある絵柄、それもいいなあ。主流という感じはしないけれど、こういう漫画の載っている雑誌、それはなんだかいい雰囲気じゃないかな、そんな感じがするんですね。

『トカイズム』、ゲストです。都会に出てきた女の子、袖ヶ浦さくらと城之内花梨、と思ったら、いやいやいやいや、出てないよ! 田園風景広がる中、都会っぽさを感じられる場所、ファミリーレストランに集う娘たちっていうんですね。さくらと花梨に、中野杏、そしてファミレスオーナーの娘、大宮桃を加えて、都会ってどんなだろう、こんな風に暮らしてみたいもんだ、語りあってるのがおかしいんですね。桃は都会からきたらしい。桃の話す都会の状況を、さくらと花梨があきらかにおかしく受け取ってるっていうね、馬鹿馬鹿しいんですけど、面白かったです。実際の田舎の女の子たちが、こんなに純なのかはわからないけど、まだ見ぬ都会への憧れとかはものすごかったりするんだろうなあ。なんて思わされて、で、ちょっとセレブ感、都会感を味わおうと、飲み物飲む時にワインよろしくぐるぐる回してみせる花梨、馬鹿なんですけど、可愛いですよね。

ふわふわ科学』は、おお、金環日蝕ですね。日蝕という天体イベントを目前に控えて、まさにこのタイミングで取り上げないでいつ取り上げようか、そんな勢いですよね。朝早くに皆を呼び出して日蝕に臨む。この子らの住んでるのがどこかちょっとわかりませんが、東京なら朝6時19分に欠けはじめて、金環蝕になるのは7時32分ごろから7時37分まで、って、思った以上に短いんですね! しかし、きっちり説明するべきことを説明している、そんな態度が素敵です。金環蝕と皆既蝕との違い、月の軌道についても註釈ありで、いやもうミソラが実に有能で、惚れ惚れしますよね。日蝕の解説から、日蝕を見るためのフィルタまでちゃんと準備して、さらにはピンホールを使った投影など、危険のない観測方法をしっかり説明してくれるんですね。さて、7時30分になってそろそろ始まるということは、つまり彼女らは東京住まいなのかな。で、次のページで太陽が欠けはじめる。というのは、実は誤っていて、蝕自体は6時19分にすでに始まっていて、じわじわ欠けて金環蝕になりはじめるのが7時30分ごろなんですね。だから流れとしては、143ページ右の日蝕観測用プレートの話があって、次に144ページの蝕の始まり、寝転がって見れば楽だヨ、その後に7:30そろそろ始まるよ、来た来たーっ、太陽が輪っかになってるヨー! といった感じですね。しかし、東京は理想的ど真ん中だなあ。京都は中心蝕帯の北側ぎりぎりなので、彼女らの見てるような綺麗に均整のとれた円にはならんのですよ。しかし、ほんと、これは面白そう。もし見逃したら、レイナみたく後から悔しい思いしそうじゃないですか。だって、次にこのあたりで見られるのは300年後とか、なにそれ、そんなん、なにをさて置いてでも観測ですわー! いや、うちには日食眼鏡、4つもあって、どんだけ期待してるねん! なんですけど、ほんと、これは大期待です。心配なのは天気でしょうかね。いくら準備万端にして待っても曇ったり雨降ったりしたら終わっちゃうでしょう。雲の上に出るなんて、そんなん無理無理不可能です。晴れますようにと祈って、日蝕観測して、終わったらホットケーキですね! いや、ほんと楽しみです。

参考になるページ:
2012年5月21日 金環日食 (国立天文台の金環日食特設ページ)
  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第6号(2012年6月号)

2012年4月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。ああ、素晴しい。英国風庭園でしょうか。薔薇のアーチがある、そんな場所、青空の下に5人がこちらを向いて微笑んでいる。手前から忍、カレン、あやや、アリス、陽子。ちょっと切なげな綾の表情、ちょっと驚いたようなアリスがイントネーションの変化となって、陽子はと見れば頭に花の冠です。素敵ですね。ブラウスのフリル、そしてリボン。エプロンからすれば、ガーデンカフェですの? そう思わせるような雰囲気。本当に素敵です。

きんいろモザイク』は、進級、そしてクラス替えですよ。春爛漫、新学期に心も浮き立つアリスでしたが、ああ、衝撃の事実! しのカレンあややがA組、アリス陽子がC組ときましたよ。ああーっ! 衝撃のあやや。そしてアリス。そこまで! そこまでなんだ! でも、ちょっと気持ちわかりますよね。仲のいい友達、それも一番の、そう思ってる相手と離れてしまう。クラスが違ってもずっと友達よね、そうは思っても、やっぱりクラスが違うとなかなか会えない、会いたいあなたに会えないの。いや、ほんと、綾に、アリスに、そんな雰囲気感じられて、ああこのふたりの好きという気持ちの強さ、よくわかる。けど、意外と平気そうな忍、金髪なら誰でもいいのん!? そう思わせて、いや、実は距離の多寡ごときで揺らぐことのない強い愛を持ってるのかも知れない。ほんとに? いや、わかんない。けど、ちょっとそんなこと思わされたんですね。忍、強いものを心の奥に抱いてる、そんな子なのかも知れませんね。誉めすぎですか?

ご注文はうさぎですか?』は、千夜とシャロの友情のお話でありますね。元気のない千夜。なんで? 心配するココア。自分のせいじゃないかと思うチノ、リゼ。で、それはいいとして、あのチノに対するココアですよ。ティッピー、おじいちゃんもつっこみをいれずにはおられなかった! はんぱじゃなく面白くて、ジェラシーチノちゃん、はんぱじゃなく可愛いかったです。後半も面白かった。リゼのココアにわたしたお守りと、紙袋シャロが引き起こす騒動。たまらん。そして、わかめの増大。もう、たまらん。私は以前この漫画を、構成が素晴しい、そういって誉めたわけだけれど、しっかりと組み上げられたコンポジション、それも美しく素晴しいんですが、華やかさを振りまきながら、小さな面白みを積み上げ、軽やかにエピソードの動線を渡っていく、そうしたシンプルスタイルも素敵だと思ってるんです。これまでの話からの繋りを大切に拾い展開しつつ、重みに沈まず、しなやかにあり続ける。単体ではふわりと、けれどきっと単行本に収録されてひとつながりに読み通したら印象は変わるのだろうな。そう感じるところがあるから、ああ、その日が楽しみです。気がはやすぎますよね。

ところで、グラデーションをもって色合いを薄くする千夜の前髪、あれは綺麗ですね。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は、記録会ふたたび! 椿の3ヶ月に渡る練習の成果が試されようというこの日、いや、椿だけじゃないですね、優子も舞も、それこそここに参加した皆が、3ヶ月前の自分よりも少しでも速く、一歩でも前に進もうとしてる。いや、もう、素晴しかったのですよ。椿をめぐることだけでも、そう。椿には負けたくない、そう思ってくれるライバルがいる。そして走り出して、椿、前回のすっかり飲まれてしまった時とは違い、自分の状態、周囲の状況ちゃんと把握しているという、そこからもこの子の成長が感じられて、ああ、すごくいいですよ。椿には椿の思いがある。舞には舞の、優子には優子の、そして後輩に抜かれてしまった安食先輩の胸に去来するものも。前回の記録会のできごと。自分のペースで走れなかった椿。目標とする相手に届かなかった舞。そして新人戦の悔しさをそそがんとする優子。しっかりとひとりひとりにドラマがあるなあ。これまでに描かれてきたものがあるから、それを受ける今回のエピソードが光るんですよね。そして、最後のお風呂で今日のことを反芻する椿。これも含めて、きれいに前回の対比になってるんです。しっかりと手応え感じてる椿、そしてそんな椿を心配して見守ってる家族の皆。ほんと、胸にぐっと迫る。これがたった8ページ、扉ひとつと四コマ15本で描かれたことなのか。なんという充実なのかとおそれいります。

『ホイップノート』もクラス替え! るいせがひとりに!? というのは夢でした。しかし着実に進級していきますね。そして新しく登場してきた人。鷲尾由衣さん。さくらと鈴真の幼なじみ。なんかね、ちょっとつんつんの人? そんなこと思わせる登場だったから、なるほど鈴真のことが好きで、けど素直になれなくて、で、さくらをライバル視してるんだ。そう思ったら、いや、全然違うじゃん! きましたわあ。ほんと、さくらのことが好きなんだ。で、素直になれないんだ! 面白かった。って、この人だけが面白いんじゃなくて、ちゃんと本編の、およめさんクラブの実態視察、これもほんと楽しかったです。それと、道着はだけちゃってるチビ鈴真が妙に色っぽくてどきどきです。

『彼氏ってどこに行ったら買えますの!?』、連載になりました。ああ、よかった。今回、冒頭は人物紹介から、と思ったら、ヒロイン亜梨香が酷い落ち担当だー! いや、ほんと、そんな彼女が大好きです。妙に俗っぽい、そんなお嬢様。しかし、あのお昼、弁当っていうよりアフタヌーンティー。ティースタンドまで用意して、きちんと蒸らし時間まで計って、そんな亜梨香が素敵でたまりません。俗な言動、そうかと思えば育ちのよさのうかがわれる振る舞いの数々。実に極端なお嬢さんで、苦笑まじり、けれど、そんなちょっとあかん子っぽい彼女が可愛く思えてしかたないんですね。無邪気がゆえでしょうか。それとも危なっかしさでしょうか。暖かく、ほのぼの、見守りたくなるお嬢さんです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第6号(2012年6月号)

2012年4月18日水曜日

『まんがタイムファミリー』2012年6月号

『まんがタイムファミリー』2012年6月号、昨日の続きです。

今月のエッセー企画は「拝啓・おふくろさん」、母の日にまつわるエピソードでありますよ。参加作家は楯山ヒロコ、おーはしるい、水井麻紀子、井ノ上ふき、佐野妙、王嶋環各氏であります。ご自身の母についてのこと、あるいは母としての自分、各人各様の視点から語られ、って、母としての自分を描かれたのはおーはしるいさんですね。どうしても母の日というと、自分から見た母のことと思いがちですが、ここで逆に自分と子供のかかわりを描くのは、多様性がでてよいなあ、そう思ったのです。そして皆さんのお母様。個性的な方、いらっしゃるなあ。やはり、漫画家となられる方は環境からして違うのか? いや、そうではあるまい。普通のお母様も描かれてるし、あるいはプレゼントに迷ったり悩んだりする自身を描いたものもあり、いいですね。家族との交流、感謝やありがたみ、そうしたものの感じられる描写、それはとってもよかったと思います。

『あきほ必笑宣言!』、いろいろなパターンを見せてくれて、これはいい感じ。今回はテストのこと。テストでいい点をとってビデオカメラを買ってもらうんだ! 意気込みながらも望みがかなわない幸ちゃん。冒頭から面白かった。効果的に彼の逆境を説明して、いやはや、見事。ほんと、のっけから笑って、そして勉強会。ああ、あきほは無邪気ないい子なんだなあ。遊びたい気持ちを抑えるあきほを誤解する幸ちゃん、あきほに気持ちを揺らすまじと我慢する幸ちゃんを誤解するあきほ。面白かった。しかし、幸ちゃんは、あきほにやられっぱにしですよね。こんなにも素直に好意を向けてくれる幼なじみ。ほんと、魅力的だと思います。

『レッスル・ミーツ・ガール』、ゲストです。女子プロレスものなんですが、これ、面白いですね。アイドルのオーディションに参加して、チャームポイントは鍛え上げた上腕二頭筋ですときたもんだ。なるほど! ここでようやく普通にアイドル目指してる女の子じゃない! ってわかるんですね。美枝つかさ18歳、プロレス団体インテグラル・ハートに所属するレスラーであります。しかし、インテグラル・ハートは零細で、あのトレーニングと称したバイト。めちゃくちゃ面白い。実際、こういうのあるって聞きますが、鬼丸本部長、って、この人の兼任すごいな! トレーニングだと言い張る、その言い様が面白かったです。メインの登場人物は、さきほどのつかさに、鬼丸誠部長、そして同僚レスラーSAKI、であります。しかし、ほんと、面白い。リングのガタとか、訴えますよとか、美しいジャーマンとか、細やかに織り込まれたネタの面白さがあって、キャラクターの魅力もしっかりとあって、これはひきこまれるなあ。ほんと、大いに期待される、そんなゲストであります。

『博士の白衣女子攻略論』、めちゃくちゃ面白いです。赤星さん、ものすごく可愛いなあ! はいいとして、袖に空いた穴、硫酸だっていうの、ああ、高校の時、化学の授業でやったなあ。放っとくと希硫酸も濃硫酸になるから、後から火傷したりするので気をつけろってね。ああ、あの授業、実験多くて楽しかった。しかし厳しい女性たちです。ハカセに嫌味。白銀くんのいうこと信じない。そして白銀くんに教育的指導。素晴しいよ、とても素敵だわよ。ほんと、魅力的なお姉さんたち、幻惑されます。しかし、白銀くん、確かになんでも勝ち負けみたいにしちゃう人っていますよね。ほんと、ああいうのはいけないんだな、素直に納得させられました。読んで楽しく反省できる、いい漫画です。

『おかいあげ』は、一気に話が動いてびっくりですよ。越後主任が病院に運ばれた! ああ、二阪も。それで気持ちが一気に動いた伊丹さん。慌ただしく駆け付けて、その気持ちの動揺する様、本当にこの人のこと思ってるんだなあと思えて、しかし、越後主任、妻帯者!? 修羅場!? そう思わせて、おお、違ったよ。このひっぱり、そして安定に解決する、その落差。見事でした。伊丹さんの髪、走って走って、そして乱れて、そのいつもとは違う表情にこの人の素直な気持ち、本心が表れていて、ほんと、こういう描写の巧みさにまいらされます。素晴しかったです。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第6号(2012年6月号)

2012年4月17日火曜日

『まんがタイムファミリー』2012年6月号

『まんがタイムファミリー』2012年6月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』をメインに、テーマは春の行楽でしょうか。カツ代とはっつー先輩がカツサンドを今にも食べようとしていて、ああ、カツサンド、食べたいね! そして、『炊飯器少女コメコ』は飯盒にご飯を炊いて持っていて、って、君、自分の頭で炊かんのか! しかし、春、だんだんに暖かくなってきて、外でご飯というのもいいですね。カツサンド、炊きたての白ご飯、そしておにぎり。いいですね、ちょっとお腹すいてきますね。

『フーフと呼ぶにわ』、ゲストです。主人公は田中呼なのかな。中1の女の子。大家の娘、ということは、庭すみれ、高校の美術の先生なんですが、この人が店子なのかな? 庭先生と結婚してあげる、なんていうんですね。すみれ先生はアラサーだそうで、結婚が気になる、そんな年頃なんですが、相手がいない、ちょっとひとりでいるのがつらくなってきた。そういうところへ、呼が甘いことをいってくれるんですね。はじめは、そりゃもう相手にしないんだけど、ぐいぐい積極的にアプローチしてくる呼。ぐっと踏み込まれて、それでおかえりなさいの一言に心が揺れる。ああ、しかし、見せ方、コマのサイズも可変にして、いろいろ工夫して、キャラクターの魅力を押し出しながら、その気持ちの揺れ動きなど大変に面白く読ませるものでした。

教師諸君!!』は、前回玉縄先生が西名先生にエドワード朝をすすめていたことをうけて、おお、実にエドワード朝の衣装に進歩でありますよ。いや、でも、あのスカート、あれは魅力的だと思います。いや、これまでのヴィクトリアン西名も素敵だったのですが。で、その玉縄先生、教頭先生に思うところあり? そう思わせて、なんと着ぐるみの中身か! というか、ほぼ怪獣着ぐるみだな。なんともいえんセンス、けど教頭先生もわりと乗り気なんですね。今回の話題は五月祭ですね。春の訪れを祝うというお祭り。ブリテンの『アルバート・ヘリング』なんかも五月祭をめぐる話でしたね。あれは、五月祭というものを知るのにいいオペラでした。五月祭からメーデーに移り、西洋と日本の気候の違いやら、そして農作業。いろいろ盛り込んで、にぎやかで、けどごちゃごちゃにならない、そんなちょっとのさわがしいお話。楽しくてよかったです。

『ひよっこシスターの安息』は見事なシスター栗栖回でありました。ゴミを捨てにいったところで見付けた雑誌の記事、「あなたは周囲から浮いてる度チェック」なるものを試してみて、ああ、100点をとってしまったというんですね。親しく話す人といったらシスター雛形くらい。ひとり部屋だから、同室の誰かと親しくなるということもなくって、ちょっと寂しい栗栖さんなんですね。と、そこへふれあい月間。シスター根津に肩を組まれ、シスター雛形に抱き締められて、ああ、いいですね。からかわれてる? 面白がられてる? けど、そうしてだんだんに打ち解けて、いろいろとかまってくれる、ほんと、いい交流じゃないかって思って、このシスター栗栖の戸惑いながらも、確実に人間関係を深め、気持ちが緩んでいく様子など、本当に素晴しいものがありました。普段はあまり感情を表立たせない、そんな人だから余計なのかも知れません。素敵なお友達にかこまれて、ほんと、よかったなあ、そう思えるエピソードでした。

『めがねのキミと博物館』は、なんと今回は岩本さんが増殖ですよ。大量の岩本さん、後から後からどんどん増えていく、その様子は驚異で、けどおとなしい人です。増えたからといってあんまり問題はなさそう? 皆で掃除して、皆で香坂さんのこと目で追って、なにかあったらわっと集まって心配して、好意が実に厚いですね。ここで町役場の楠実さん登場なんですが、なるほど、動じないふりしながらも涙目の彼女。博物館スタッフの不思議に慣れちゃって、こんな異常事態もまったく意に介していない様子と見事な対比でありました。さて、それで、本当の岩本さん。鏡で増えたから、髪の分け目が違うのか。しかし、鏡像岩本さんも実にいい人たち。ちょっと謎めいたこともいい残して、ああ、これはなんなのだろう。この漫画、最大の謎ですよね。香坂さん、彼女の謎、気になりながら、知りたい、でも知りたくない気分です。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第6号(2012年6月号)

2012年4月16日月曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年6月号

『まんがタイムきららミラク』2012年6月号、発売されました。表紙は『夜森の国のソラニ』ですね。夜森であります。夜桜、桜の下、フードに花びらをいっぱいに溜め込んで、背景に光っているがように淡くピンクに咲きほこる桜は幻想的。そして、夜森は、ただ佇んでいるだけ、けれどすごくキュートで、あの手の細やかな表情、そうしたところにほのかに色気が感じられるイラストです。しかし、あの笑みも静かで、きれいで、魅力的ですよね。

今日はゲスト中心です。

『8'sエレジー』。タイトルの8'sがなにを意味するのかはわからないんですが、ヒロイン山科優嫁の着ている服の胸にその文字が見えますね。この人、人からはガラが悪いのなんのと、悪くいわれているみたいなんですが、本当は全然違う。くちなし寮は406号室にて先輩に甘える彼女は、まったく違った表情を見せて、先輩は沖埜宿毛、詩を趣味で書いてるお嬢さんなんですね。しかし、その詩がくせもので、他人に読まれることで、その内容が具現する。羊を詠えば羊がでる。けれど、これはほぼ幻で、そのものの目的を達成したら消えていってしまうっていうんですね。この特殊能力のために、詩を読んでもらえない悲しみもあり、しかしそれでできる人助けもある。でも、なにか楽観して面白がって、だけじゃいけない、そんなものを孕んでいるかのような描写もあって、心配というのか、不安というのか、ちょっと違った色合いを混ぜこんで、ひきつけます。

『ももいろhoney』、こちらは、女の子ふたりの恋愛もの? いや、まあ別に、女の子同士でキスしまくる漫画もあるんだから、これぐらいは平気さ! とはいえ、両思いというわけじゃないんですね。守山あきら、クールなお嬢さん。一人暮らししていたこの人のもとにやってきたのがリオ。おお、人じゃないのか? 誕生日に届いた一冊の本から現れた女の子。運命の人と一緒に試練を受け、自分の物語を完成させないといけないっていうんですね。でないと国に帰れない。で、その運命の人っていうのがあきらだっていうんですね。試練とは、ハグをするとか、そういう恋愛的イベント。で、試練を達成したら、その内容を絵日記にしていくんだそうです。こういう設定は、いろいろあちこちで見ることがある。とはいっても、そこには少しずつ違いがあり、それが個性、味わいの違いになっている。この漫画はどんな風に展開するのかなあ。積極的なリオに、ちょっと退いてるあきら。その攻防、楽しみです。

『けーたろいど☆コミュニケーション』は、人型ケータイの普及している世界でのできごと。高校生、寮で一人暮らしをはじめる娘のために両親からのプレゼント。それが人型のケータイ、ケータロイドというんですね。可愛い、人形のようなケータイ。見た目がそうというだけでなく、人工知能も搭載されている? あくびをしたり、会話もできたり、かなりの高性能。この子コロンとここあの生活、あと友人たち。学校での生活も描かれる、それは面白そうです。実際、ケータロイドで留守電伝言サービスから両親のメッセージを再生する場面、コロンの話すその表情など、なんかよかった。可愛い、それだけじゃなくなにかメッセージに心情がプラスされた、そんな印象。機械が再生している、ではなくて、この子が預かった伝言を伝えてくれている、そんな風に感じたんですね。うん、こういうインターフェース、ありかも知れない、そう思わされるものがあったんですね。

『彼女は彼女だけど彼女じゃない』、この展開はなかなかにいい感じかも知れませんね。死んじゃった幼なじみ。その中身は天使に入れ替わっていて、誰も死んだとは気付いていない。正直、この設定はきついなあ、あんまりじゃないの? そんな風に思っていたんですが、その幼なじみ愛美の体を借りている天使、シエルは主人公星也の命を狙っていて、堕天使だからっていうんですが、そんなシエルの思惑を邪魔すべく愛美の中身が戻ってきた! いや、これはいいかも。シエルの勘違い。そのシエルの行為をまた勘違いする星也。そこに、愛美の妨害が! いや、私、この愛美という人を誤解してたんですよ。もっと、ふわふわで可愛いだけの女の子かと思ってた。そうしたら、なんと、思った以上にしっかりしてるし、それに妨害工作見れば、有能だ! そういわざるを得ない。これはいいな、可哀そうなだけの女の子じゃないな。この子なら、いつか、もしや、奇跡もおこしてくれるかも! そう思えるだけで、がらりと色合いを違えてくるものですね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第4号(2012年6月号)

2012年4月15日日曜日

JOYSOUND DIVE

以前にちょっと触れていたJOYSOUND DIVE、チケット、購入しておりまする。思い切って30日間チケットに手を出しまして、これ、自動継続っていうんですけど、クレジットカード番号を覚えさせておらず、かつチャージが千円を下回った場合はどうなるんだろう? まあ、継続がストップするんだと思いますけど、ええと、チケット購入は今月頭、4月1日のことであります。って、以前話題にしてから、3ヶ月近く放置してたっていうのか! マイクだって、1月中に買っていたというのに! まあ、私はそういうところありまして、どうも気分がまっすぐストレートに対象に向かわないのであります。

カラオケを歌ってみよう、そういう気にようやくなったのは、トライアル曲今なら50曲キャンペーンをやってたから、なんです。歌える歌、知ってる歌、はいってるかなあ? 確認して、そしたらその時、たまたまおちびがいてたもんだから、お前も歌ってみたまえ。けど、おちびが知ってる歌がなかった。しゃーなしだな! チケット購入に踏み切ったという流れでありました。

初日は、正直マイクに慣れてないこと、エコーに慣れてないことで、どう歌ったものか苦労しながら、だったのですが、ありがたいことですね、やってるうちになんとなくでも、こうするとマイクに入りやすい。低い音域で歌う場合は、かなり口に寄せないと入らない、みたいなことがわかってきて、それに単純にでかい声で歌えばいいってわけでもないってわかってきて、こういうのは歌って試して気付いて、またそれで歌っての繰り返しでしょうから、それを安価に自宅でできるっていうのは感動的でさえあります。昔、カラオケといえば高価な専用機とか、あるいはソフト単体で買ってくる、レーザーカラオケとかVCDとかですね、あとはシングルについてくるカラオケトラックで歌う。本格的なものとなると、専用機や専用ソフトを使うしかなく、なかなか手が出なかった。本格と簡易の間には深い溝があったものでしたが、今やゲーム機とネットがあれば、月額1000円で歌い放題、安価に本格、信じられない便利さ、ほんと信じられない! 通信カラオケ、どうせMIDIとかだろう、とか思ったら大間違い。間の手とかコーラスとか、ちゃんと声で入ってるよ! 結構どころじゃないクオリティで、これが歌い放題! 歌わないと損だ! 歌いまくれ! そんな気分にさえなるんですね。

いや、実際、そんなには歌ってないんですが。気が向かないことには、なかなか歌おうという風にはなりませんから。

歌ってる歌は、主にアニメ、あとはフォークとかでしょうか。集中的に歌うのは、圧倒的に『ゆるゆり』関連で、具体的にいうと『ごゆるりワールド』ですね。当然、もともとは女性のキーだから自分には高すぎて、2音半上げてオクターブ下で歌ってちょうどいいって感じです。だいたい、女性のキーなら、2音前後上げてオクターブ下、これでいけるってことがわかってきたかな。ええ、たまにいくカラオケだと、こういうのいろいろ確認できないところですが、これだと自分ひとりで無制限で歌えるわけですから、いくらでも試せる。うん、カラオケ上達したいっていう人にもいいソフト、サービスだと思いますよ。いや、そういう人にこそ、っていった方がよいのかな。

現在、登録されている曲数は78,000曲とのこと。歌いたい、そう思ったらまずなんでも、とはさすがにいいすぎで、これはあるのに、なんでこれはないの!? みたいなこともわりと多いです。いや、なんで『ごゆるりワールド』はあるのに『クールナンバー』はないのん!? みたいなね。千歳の歌は、2曲ともはいってるのになあ。不思議不思議。けど、まあ、たいていは入ってる感じ。CDとして販売されてるものは、ってとこでしょうかね。あと、私は疎くて全然わからないんですが、ボーカロイド曲も結構収録されてるみたいですね。

カラオケで求められる機能は、まあ一通りサポートされている、んだと思います。いえね、私、あんまりカラオケに詳しくないものですから。エコーあり、テンポチェンジあり、キーチェンジあり、ボイスチェンジも可能で、採点あり、ボーカルチェック用メロディラインの表示もできて、しかもリプレイまでしてくれるっていうんですね。とりあえず私はメロディライン表示して、採点オンにして、リプレイはきっと死にたい気分になるからオフにして歌ってるんですが、いやあ、90点の壁は厚い! というか、これ、ピッチよりリズムより、声の大きさが重要なんじゃないの? 全然歌えてなくても70とか80とか出るよ? 謎なんですが、けどボーカルチェックは自分の歌っている、その歌を視覚的に確認できるというのがかなり有用で、自分の癖やまたヴィブラートの状況が可視化できる、ええ、すごく便利です。

まあ、そうやって自分の歌い方の確認に使うのもいいですけど、なにより歌うと楽しい、それが一番ですよね。気軽に歌える、そんな環境が整って、ほんと、いい時代になりました。

2012年4月14日土曜日

半透明勤務薄井さん

 幽霊ものは、今や四コマ漫画において無視することのできないジャンルとなっていて、例えば『レーカン!』、例えば『トンネルの華子さん』、あるいは『天国のススメ!』、『どろんきゅー』、ゲストや新人投稿作にいたるまで、それこそ続々出てくるわけですが、実際、霊というものは一種のロマンなのであるのでしょう。夢が膨らむ、お話も膨らむ。出てくる霊も様々で、冗談じゃなく怖く描かれてるのもありますが、四コマに出てくるのといえば基本いい人ばかりで、むしろほのぼの、ハートフルといったところ。そして、ほのぼの幽霊の筆頭といえば『半透明勤務薄井さん』、彼女なんじゃないかなあ。ええ、薄井さん、ものすごくいい人! ならぬ、いい霊! なのです。

麻生紅が就職した会社には、半透明の人がいた! 薄井ましろ、この人が話題の幽霊であります。職場についた地縛霊。にこにこいそいそと働いている、実に可愛い人なのであります。新人で右も左もわからない麻生さんに仕事を教えたり、あるいは時に励ましたりと、それはそれは優しい人で、先輩社員、瑠璃、琥珀の姉弟にもお茶をいれたり、パフェを作ってくれたりと、ほんと、こういう人が幽霊だったら、ぜひ近くにいてほしい! そう思うこと請け合いなのですね。

優しい幽霊。生前は病弱で、人に迷惑をかけることが多かった。ところが死んで、弱い体を失って、おかげで元気に働けるようになったものだから、今度こそ人の役にたちたい、その一心でこの世に、会社にとどまっているんじゃないか? なんていう、考えてみればちょっと切ない話であります。実際、薄井さんについて語られる話の中には、切なかったり、ちょっとほろ苦い、そんな味わい残すものもあったり、楽しいばかりでない漫画なのかも知れませんが、でもね、そんな薄井さんを麻生さんはじめ、会社にいる皆が暖かく見守っている、気持ちをそそいでいてくれている。優しいのは薄井さんだけでなく、皆が優しい、暖かいのですね。

だからなんでしょう。読んでいて、とても穏かな、安らいだ気持ちになれるんですよ。おそらくは、こうした関係は理想そのものといっていい、それこそユートピアだ、非現実的だ、そうしたこともいえるのかも知れないけれど、なにが現実だ、そんな風にも感じるんですね。こうあってくれるといい、そんな思いがここにある。描かれたものに過ぎないとしても、こうして触れて、冷えた心を温めて、ああ、自分もこのようにありたい! そう思えれば、それはなんと素敵なことだろう。薄井さんたちの優しさが伝わって、伝染する。本当、素敵な漫画であると思います。

  • 来瀬ナオ『半透明勤務薄井さん』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

2012年4月13日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年5月号

『まんがタイムジャンボ』2012年5月号、昨日の続きです。

『マネーちゃんず』、『お金さまのつぶやき』から改題で新連載ですね。さて、今回は一円硬貨が主役? そう思ったら、まずは硬貨をきれいにするというエピソードから。マヨネーズを浴びせ掛けられた十円玉。ひどいネタからはいったなあ、なんですが、次々マヨネーズまみれになる硬貨たち。そして洗濯される財布。面白いですよ。硬貨にキャラクターというのも変な感じですが、うまいこと個性が出て、それで一円玉の話題に移って。思ったよりも広がりのあった、そんな印象で、これはなかなか期待の新連載です。

『かみおとめ』は、いいですね、皆でめしあを支えてる。和夏だけでなく、白アリ駆除業者のおじさん、森村貢のおじだそうですが、さらにその親類、宮大工の頭領? もやってきて、このろくに対価も支払えそうにない神社を快く世話してくれて、ああ、きれいになった本殿。これでめしあもまた変わっていくのでしょうか? これはひとつの転換点になりそうですね。次からどうなるのか、ちょっとわくわくしますね。

『ラン様の放課後遊戯』、こちらも新連載です。図書室で有太が目撃したもの、あれ、なんだったんだろう? 読解力がないので、具体的に描いていただけませんと、よくわかりませぬ。というのはどうでもいいとして、山郷りなさんのテスト対策ですよ。ああだこうだいわれて機嫌そこねてるりなさん、可愛いな。今回語られた、ラン様の左手の限界。どういうかたちで叶うのかわからない。また生まれつきではないという。なにか、そこに彼女のいわく、過去が伺えそうですね。しかし、りなさんの残念さ。いいですよ。それに落ち着きないラン様もいいですね。

『中2限定ガールズトーク』、話が動くな! ゆずのお母さん。そうか、ヒカル先生、優花さんのこと好きだったのね、って、まあ、わかってたことではあるよな。しかし、ヒカル転任? 突然のことに動揺するハルカ。って、これは一体どうしたことなのか。ハルカの早合点? ほんと、わからない。多分、そんなに困った展開にはならないと思うんですが、思うんですが、わからんですよね。勘違いで空回り、そっちに進むか、思わぬシリアスに進むのか。ほんと、やきもきさせられます。

『時代はメグルちゃん』、ほんと、面白くなってる、そう思います。今回は飛鳥さん。飛鳥時代ってことで、遣随使遣唐使から中国語や習い事、で、聖徳太子から律法なんでしょうね。しかし、本当に自由な職場。馬やら栽培やら、度を越しているわけですが、けれどきまりきまりが強化されて、ゆとりがなくなっていくという状況、これは意外や現実の社会を写しているようにも思わされて、うん、よかれと思ってやったことが思った結果を生まなかった。それで反省して、ちょっと緩やかになる飛鳥さん、よかったじゃん、ええ、この人、好きです。残業禁止! それに関しては、私もしっかりついていきたい!

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第5号(2012年5月号)

2012年4月12日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年5月号

『まんがタイムジャンボ』2012年5月号、発売されました。表紙は、うわあ、コメコだ。表紙にでっかくコメコの顔、で、ひっくり返した裏表紙、そこにもまたコメコで、うわあ力はいってるなあ。単行本が出ます! ということで『炊飯器少女コメコ』大押しなんですね。コメコのまわりには、『じょしもん』美々が箸を手に、ちょとど米粒を取ろうとしてるように見えますね。そして、茶碗いっぱいにご飯を装う『レーカン!』天海さん。丼でご飯を食べておいしそうな『おねがい朝倉さん』、そしてバナナを手にしたラン様、『ラン様の放課後遊戯』、新連載ですね。あ、そうそう。各誌ジャック中のそよさんも健在です。

そんなわけで、『炊飯器少女コメコ』。ええと、コメコが全6誌でご飯炊きまくりってことは、そよさんに続きコメコが各誌ジャックに乗り出すってことでしょうか? しかし、コメコ、可愛いな。というか、復活ですよ。アユカも嬉しそう。そして、よねちゃんの告白。どきどきしますね。あんなこと、私もいわれてみたい。しかし、アユカ、胸が大きかったんですね。全然気にしてませんでした。先だってのコメコの騒動が気付かせてくれた、誰もが当たり前に側にいるように思えるけれど、そうじゃないってこと。この漫画、それこそナンセンスを押し通すみたいに進めていくと思ってたんだけど、実は違うのか。切ないですね。タケルの思ってるようなこと、私も毎日、朝に夕に思っている。誰もが、いつかいなくなるんですね。それが当たり前なんです。さて、カーチャンが届けてくれたコメコのバッテリー。それを没収したタケル。ああ、タケル、君はわかっている。

『半透明勤務薄井さん』は、おお、花粉症。生前、酷い花粉症だったという薄井さん。骨が折れるって、肋骨? そう思ったら、なんかちょっと違うみたいね。どうも花粉症っぽい麻生にいろいろアドバイスしてくれる、そんな薄井さんがいい人でいい人で、ほんと微笑ましい。ところで、薄井さんの妹さん、初登場? 会社の皆からも、そして家族からも愛されてたんだな、薄井さん。けど、今回の親身な薄井さん見てると、愛される理由、わかりますよね。

『ちっこいんちょ』は、春の遠足。飯盒炊爨っていうんですね、って、これですよこれ。爨の字、すごいわ。はじめて見た時、なにかの間違いかと思いましたものね。かくして飯盒炊爨、飯盒でご飯を炊くんですが、懐かしい、小学生の時とか、校庭でやりましたわ。でも、内ぶた、外ぶたで軽量できる、これは知らんかった。1合ずつ持ち寄り、手首のとこまで水を入れるというやりかたで計ってました。しかし、こんな漫画見せられると、飯盒出してきて、炊いてみたくなりますなあ。これ、すごくおいしそう。今回は、おいしそうなご飯、って、炊飯!? いや、それはいい。ご飯だけじゃなく、楽しみで寝られなかったいいんちょとか、スケッチブックで解説するいいんちょとか、カレーがレトルト、内心あやまるいいんちょ、とか、よいものがたくさん見られました。

『乙女ほるもん』、面白かったです。いや、優さん、あなたはそのままでいて! というか、扉見るかぎり、充分大きいじゃん! さてさて、女子力ですよ。日渡少年、ナチュラルに女子力と呼ばれてて、もう完全にミミとか地球防衛とか後景に退いて、女子力もとい日渡メインが面白い。優にむかれてしまう女子力、思わず胸ができてしまう女子力。そして女子力に恋してるっぽい? ハナちゃんの様子。なかなかに面白いじゃん。ええ、いい感じです。

『ぼっちですけど何か?』は、虹林と先生以外にもちゃんと出てくるんですね。先生のアドバイスで部員募集のポスターを掲示したところ、あんなに酷いポスターだったのに、ふたりもやってきた! 鳥白るると明来葉月のふたり。いや、悪くないですよ。これまで、先生とふたりでほぼ対話で進行してきたといった印象でしたが、同じ会話メインでも、こうして違うキャラクターが出てくれば幅も広がって、しかし、終始冷静な先生のつっこみがいいですよ。って、終始冷静ってこともないか。いらっしゃった! 純粋すぎる! うん、冷静じゃなかった。しかし、葉月の報われなさ。るるが全然気付いてないのね。あのはげます先生とか、なかなかにいい感じ。この調子で元気ににぎやかにいってくれると楽しそうです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第5号(2012年5月号)

2012年4月11日水曜日

『まんがタイムきらら』2012年5月号

『まんがタイムきらら』2012年5月号、昨日の続きです。

『くれいじーラボラトリー』、お久しぶりです。大晦日の話。って、絵がなんか雰囲気変わった? なんかパリッとした、そんな感じ。さてさて、今回は学校じゃなくて自宅メインですね。そうだよな、学校は冬休みだもんな。皆でゆうこの家に集まって、メイドの格好したり、って、ちょっと待て、来年の干支がゴリラってなにごとだ。ナチュラルに受け入れるところでした。しかし、蕎麦をひっくりかえす。うわ、熱そう、そう思ったらやっぱり熱いんだ。なんだか、大晦日らしいイベントをちっともこなせてない彼女らですけど、面白かった。やっぱり、まっくすがいいなあ。

『半熟ウィッチ — まどろみドルニー』、ゲストです。カラーが綺麗。魔女の大釜と呼ばれる大きな竪穴の底にできた街に暮らす人たちの話。魔法が使える、精霊を召喚できる、といった、ファンタジー色の強い漫画です。魔獣が出てきたりもするけれど、基本、可愛い魔女たちのなんということもない生活の一ページ。そういった印象です。あんまり使える魔法じゃない。強いというより可愛さが前面に出てくるケルベロス、見た目は強そうだけど、見た目だけというか、これ幻? そういった塩梅。なにか楽しそう、そんな彼女らの暮らしです。

『くびかりさま』、ゲストです。いきなり、首を切り落とされそうになってる主人公、宮内杏子の奮闘からスタートです。遅刻しそうになって近道、それが運のつき。お地蔵さまを壊してしまって、そのせいでくびかりさまなる、神様でええのん? 神様に命を狙われることになった、とはいうものの、くびかりさま、わりとちょろい。甘いもので懐柔できる。それに、ちゃんとお地蔵さまをなおしたら、ってちゃんと? ともかく、なおしたら許してくれるんですね。くびかりさまをはじめとする、女の子たちが可愛い漫画。くびかりさまと同居することになった杏子、その生活はどうなるのか。ちょっと楽しみですよね。

少女公団アパートメント』はお花見。髪くくってる寝起きのちさが可愛いなあ。さて、みんなでお花見にいくっていうんですが、さくらさん、花粉症でローテンション。と思ったら、スイッチはいったら鼻水もなんのそのなんだ。あのビデオに映る情景は、幻想的でとっても素敵。花より団子のろかや、マイペースに山菜を摘むちさ。マイペースに、そしてみんなで、楽しみをいろいろみつけて、その様子がすごくよくって、ほんとしあわせ。幸いたっぷりの漫画です。

『だいすき♡』は、どんどん株がさがる笠間くんですよ。いらんこという。いらんことばっかりいう。いわなくてもいいこという。もう本当に困った少年で、ああ、兄貴はまだ千夜がこいつのこと好きだと勘違いしてるのかな? ともあれ、千夜、自立に向けて始動ですね。あの、不安に思うことがあったら志津ちゃんに相談だ! っていうの、いいお姉さんしてるなあって、なんだか見ていてほのぼの。千夜のこと暖かく見守っていて、ほんといい関係だと思います。かと思えば、おお、兄貴はまたも誤解か! これからどうなる、どうする、兄貴! いや、ほんと、兄貴、いい味出していますよ。

そして、My Private D☆V。『ミラク』から奄美あまゆです。『Lisa Step!』の人ですね。てなわけで、イラストもリサ先生。って、おおう、ふたつめのココ、ちょっと違う意味でとっちゃった! ごめんね! 大人のお姉さんがお好きとのこと。いや、大人のお姉さん、いいですよ。私も好きですよ。で、ココというポイント、オーバーニーの太ももの余り肉、って、のっけからマニアックだな。いや、ちょっとわかるんですけど。で、問題のふたつめ、ああ、あの矢印はスカートを指してたのね。ふー、安心した。タイトスカートは確かに魅力的と思います。私はマキシ丈とか好きよ! で、照れ顔、困り顔、って、うん、リサ先生確かに可愛らしくて実にいい。このみっつの要素を、無理なく一枚のイラストに盛り込んで、魅力いっぱいにしてしまう。この見せ方など、本当に素晴しいです。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第5号(2012年5月号)

2012年4月10日火曜日

『まんがタイムきらら』2012年5月号

『まんがタイムきらら』2012年5月号、昨日の続きです。

『うちのざしきわらしが』はエイプリルフールの話題。わらが光から嘘をついてもいい日だと聞いてきた。それで学を陥れようとするんですが、それさえもが学の仕組んだ罠! って、なんだこのハイレベルな騙しあい。そして大福を賭けた戦い! って、なんだこの緊迫感。しかし学の仕込みはわらの執念に及ばず、望みはゆーみに託された。って、ほんと、面白かった。ゆーみ、ちょっとストレンジ、けどとてもクレバーな子。もう、本当に魅力的だわ。動物園にいこうと迎えにきたゆーみ。ああ、なんて可愛い。ほんと、今回は見事、ゆーみの回でしたよ。

『プレフレ』、面白いですね。椿、花粉症。しかし、それで酷い目にあうのが三人のうちのひとりじゃなくて、夏希。ああ、もうちょっと眼鏡のシーン、描こうよ。っていうのはいいとして、夏希の災難。見るからに大変で、それはもう心配するほどなんですが、その心配、最後までやまないっていうのね。面白かったですよ。しっかりしてるっぽい娘なのに、それが駄目駄目になってしまう。それがよかったっぽいですよ。

『きのうよりいい日に』、ゲストです。はづなとちかのふたりぐみ。クールなはづなにメイド服を着せようとするちか。クールを気取っているからか、それともそういう性格か、ちょっと素直になれなくて、興味があるのにいいだせなかった。結果的にその願いをかなえてくれたちかにお礼をいう場面、顔が隠されてたのは落ちのためだっていうのはわかるんですが、その顔が描かれないというのが実に効果的で、はづなの心情がしみじみとして感じられたんですね。

『コドクの中のワタシ』、連載2回目ですね。前回に加え、さらに追加で紹介されるクラスメイト。リズに、天内優。リズは吸血鬼、優は天使だっていうんですが、素直な吸血鬼に、ちょっといけずな天使。いい感じですね。しかし、扉からそうなんですが、えらいこと可愛いふたりですね。私はとりわけリズにひかれますが、吸血鬼のルールにしばられて、教室にはいれないとか、十字架が怖いとか、そのもろもろ、本当はなんともないのに、そういうことだからそうでないといけない、そんな律儀さ。招かれないと入れないというの、ああー、そんなのもあった気がする。そんなレベルで忘れてたことを、律儀に守ろうとするリズは、ちょっとナンセンスで、けど健気といっていいのか? プライド? 必死な感じが面白く、いい個性になっていたと思います。インパクトでは前回の宇宙人少女、彼女が強烈すぎました。けど、今回みたく、理屈を組み立てたみたいなのも面白かったです。

『ものくろすとーむ!』、ゲストです。ネットアイドルのイヴ。電車の中で話題になってるのを聞いて、自分のことのように誇っているのがヒロイン、イヴの姉っていうんですね。イヴ、本名はいぶきなんですね。しっかりした子で、踊ってみたとかなんとかかんとか、動画を撮ってネットに公開して、それで人気になってる。自慢の妹で、そんないぶきは姉のことが大好きで、ちょっとどんくさい姉をいろいろフォローしてくれるっていうんですね。いちゃいちゃの姉妹ものでありますね。

スマイル・スタイル』、強烈でした。百合の妹、桜と友達たちの様子を紅葉が伺っているんですが、いやもう、山咲姉妹の威力たるやはんぱでないな。みーちゃん、かなちゃんの限度を超えたといってもよさそうな行為に紅葉のつっこみはとどまるところを知らず、さらにはかなちゃんの命を懸けたスキンシップに、ものしずかな桜も大声でつっこみまくるという。いや、もう、たまらんです。委員長らしき人、たまらんです。森崎先生、もう、たまらんです。私も混ぜて下さい!! って、もう! いいんです問題ないです、って、もう、笑いをこらえてこらえて、それがあの、お姉様……! で決壊ですよ。タオルで顔を押さえて、天を仰いだレベル。いたたた、唾液腺が痛い……。そんなレベルで、もう、笑いのピークを記録しましたね。ほんと、怖るべし漫画です。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第5号(2012年5月号)

引用

  • 筋肉☆太郎「スマイル・スタイル」,『まんがタイムきらら』第10巻第5号(2012年5月号),124頁。
  • 同前,125頁。
  • 同前,126頁。

2012年4月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2012年5月号

『まんがタイムきらら』2012年5月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』のつみきさん。わんこと散歩、というか、散歩していてわんこと遭遇、って感じなんでしょうか。ゆるやかにカーブを描く髪のライン、その流れにそって掲載タイトルが配置されている、そのやわらかさ、春の風、その空気を感じさせようっていうはからいなんでしょうね。これは面白い、実によいと思います。しかし、つみきさん、普段はちんまりしてるわけですけど、こうして頭身高めに描かれると、ああ、いいお姉さんですね。

しかし、『あっちこっち』のアフレコレポート、めちゃくちゃ面白い。半分ギャグじゃないか! というか、天河氏、この描写で大丈夫か!? ああ、反則やわ。最後まで面白いわ。ちょっと、唾液腺のあたりが痛いわ。

チェリーブロッサム!』、ああ、もうバレンタインデーか。そんなわけで張り切るつばきさん。気持ち悪いと母に心配されるほどですが、いや、でも、恋してる時って客観的にはこんなもんですよね。渾身のチョコレートを渡したい。けど、渡せない。って、この子、弱いなあ。いや、でも、恋してる時ってこんなもんか。怖るべし沙咲野。あえてこのことを予想し、家を出る前に渡せばいいチョコを温存していた女。怖るべし沙咲野であります。しかし、大咲と武蔵小杉の交換、これはいいよ。やさぐれるつばきもすごくよいよ。ほんと、今回はつばきが見事に主役。一喜一憂どころか、めげてめげてめげてめげて、最後に大逆転。よかったなあ、そう思うんですが、最後の沙咲野、なんで勝手に食べてるのって、そのつっこみには笑わないではおられなかった。本当の主役、面白いところを持っていくのは、この怖るべし沙咲野なのかと思わせる展開。ほんと、いいキャラクターが揃ってます。

『Rainbow Starbow』は、続くほどに面白さも増してますよね。今回は同人音楽の話というより、友達同士の日常といったところ。昴病欠。自宅では眼鏡、昔などはぐるぐる眼鏡という、って、眼鏡だから取り上げたわけじゃない。本当です。信じて欲しい。困った友人。見舞いにきてくれたのはありがたい。いろいろ心配してくれているのもわかるんだけど、親切でやってくれることが、みなことごとく迷惑。でもそれでも昔のことを夢に思い出したりして、いい友達なんだな。そう思ったところで、あの落ちでしょう。これ、予測できる人はできるんだろうなあ。自分はてっきり美咲だと思ったんです。だから、ええっ、そっちか! あんなに立派なこといってたのに! って驚いて、ああ、私はこのタイプだ。風邪ひいたりしないよう、いろいろ気をつけて、肝心なとこでひく。ああ、自分も落ち担当です。

『箱入りドロップス』、このカラーは素敵だな。雫の髪の、淡くグラデーションのかかった、その色合い、涼しげで、ちょっと儚さ感じさせるようでもあって、しかしそれ以上に可愛い。ほんと、素晴しいよ。綺麗な子、可愛い子、健気な子、いろいろなものに触れて、なんにでも感動して、わくわくして、文化祭の準備ももう楽しくって、アホ毛ぱたぱた、花なんて飛ばしちゃって、ほんと、もう、いっぱいいっぱい楽しんで! そんな気持ちになるんですよね。もう、もう、ほんと、この子にはしあわせになって欲しい! さて今回は、実は怖がり、萌さん。いや、すごい、ほんと、いいっすよ。アイスホッケー部なのか!? って、いや、それだったら怖くないじゃん! もうわけわからん状態になってて、いや、でも、それがいい。そして陽一。ああ、上手にできた。よかった、よかったなあ。ほんと、皆が善良、皆が可愛い。みんな、仲良く楽しくやるがよいよ。そう思って見守ってほのぼのと嬉しい。そんな漫画。ほんとよい。素晴しかった。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』。クロの置かれていた状況、それがわかって、ああ、本当に危なかったのだな。魔女の呪いによる発作。一年を眠ったまま過ごすことになったのか。いや、死の淵にあったんだ。あの駅のイメージ。列車に乗ろうとして乗れなかった。それは、なんとか彼女をこの世に繋ぎ止めたいと手をつくしてくれた人たち、看病し、薬草を育てたチョウやセンのいてくれたおかげなんでしょうね。しかし、クロちゃんの脚線美! とかもうちっとも思えない、ああ、なんだ、あんなにまでなっているのかと、おののく。痛ましい。そんな絵に、クロという名もニジュク、サンジュも思い出せない彼女の様子。さらには、ニジュク、サンジュを避けようとする、その不安の理由はなんなのか。眠りから覚めて、なお胸苦しく、ああ、ああ、安心や安定というものはこうも遠ざけられて、どこに向かうのか、なにが待っているのか。胸がぞわぞわする。なにか、また大きなことがおこりそうな気がする。ぞわぞわさせられるのです。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第5号(2012年5月号)

2012年4月8日日曜日

『まんがタイム』2012年5月号

『まんがタイム』2012年5月号、昨日の続きです。

『ロコ・モーション』は、ロコのこと心配で、ロコが乗務する列車に乗り込んでしまったモモコ。いろいろ挙動不審で、っていうのは最初のフリで、妊婦さんの破水というアクシデント発生に冷静に対処するモモコと、やっぱり慌てふためいてしまうロコと、うまくふたりの対応の差、コントラストを作りながら、車掌の仕事をうまく描いていたと思います。ダイヤを乱さないよう円滑な運行を維持しながら、スムーズに妊婦さんを救急に引き渡す。ダイヤが乱れるとはどういうことか、それは乗務員にも乗客にも迷惑がかかってしまうことなのだということが、ふたりのキャラクターを見せながら、またスズのことも描くことで、ユーモラスに、けれど具体的に表現されていて、面白かったです。

『営業侍和華さん』。今回は、いつもとちょっと違った雰囲気。姫の担当がえを希望する客からの電話に、姫がえらいこと動揺するのはいつもどおりだけど、負けず劣らずびびりまくる吉田殿。面白いなあ。和華に頼る、その理由は、護衛を頼みたい。いや、ほんと、いつもと違う扱い、面白い。けど、警備員に異動とかいう時の吉田殿、ちょっと回復してますよね。でもほんと、面白い。結局、和華さん、なんの役にもたってないし。で、吉田殿と更科さん、大人の関係!? そう思わせておいて、わお、全然じゃん。ここまで駄目とは予想外でしたよ。

『まだまだ浅野さん』、冒頭の、口を抑えられて頬がパンパンになってるライオンとか、変な絵なんだけど、面白いです。城の、寝癖の、洗濯板の、微妙で、変で、おかしい、そんなネタが続いて、これらも面白いんですが、肩車、あれにはやられましたよ。変だということは登場人物もわかってる。その変さが、そのまま解消されることなく継続しているっていうのが、シュールというべきか、なんともいえんおかしさで、たまらんですね。そして輪ゴムも。変な漫画。けど、その変さが実によいです。

『ソフテン』、このところ面白いんですよ。シンプルな話。ちょっと落ち込んだり、自信なかったり、考え方が偏ってたり。そんな部員ばかりのソフトボール部だけど、それがなんだか変なりに頑張ってるんだなっていうのが描かれるのがいいなあって思えるようになってきて、そしたらもう面白い。あのいつも笑ってるっていう、あのエピソードなんかたまらんものがあって、妙に情にうったえかけて、ちょっと古い、そんな風にも思うんだけど、それでもいいなあと思ってしまうのはしかたがない。スタンダード、そんな感じの話の運び、悪くない、悪くないですよ。今回のも、多くを語らない静と草間の顛末、あの余韻。こういう見せ方がなおよいのでしょう。

『もいんの高校野球日誌』、もう、ほんと、めちゃくちゃ面白いですね。エロエロ天国よりも週刊サッカー野郎が許せない羽田さん。この、サッカーを目の敵にしてるっていうの、ほんと、いつものことなんですけど、それを効果的に見せてくれる。いいですよ。エロはかまわないんだ。そして、もいんの野球道場、いや実際、内容しっかりしてて、しかも書いてるの女子高生とかだったら、そりゃ大反響だよな。とにかく野球に関しては、どこまでもどこまでも突き抜けてる、そんな羽田もいんのもろもろ。ほんと、面白いです。

  • 『まんがタイム』第32巻第5号(2012年5月号)

2012年4月7日土曜日

『まんがタイム』2012年5月号

『まんがタイム』2012年5月号、発売されました。表紙のテーマは運動でしょうか。握力計ならぬ笑力計握るおとぼけ課長を中央に、バランスボールっていうの? そいつにのってる『だってあいちてる』木の葉に水着着て準備運動してる『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代です。他には『そよ風そよさん』の告知カットもございます。

『田園の教授』、面白いですね。歓待の食事会。持ち寄りながらも、なかなかにおいしそうな食べ物たくさん。これ、昼食なのか。こんだけ歓迎してくれるとか、すごくいいな。それに、いろいろ体裁考えながらも、最後にはやっぱり気持ちに素直になってしまう島津梅子さんがすごくいい。そして、教授も。あの行動のどんくささと、小難しい言動、そのギャップ、すごく面白い。そう思ったら、古文書発見の報に冷静に対応する、こうしたできる人としての面も描かれて、いいですよ。しかし、増していいのは、やっぱり明るい梅子さんだと思います。ほんと、彼女、とてもいいですよ。

『そよ風そよさん』は、まいったな、すごくいい話だなあ。古典から引きながら、そこに新しい読み方、展開を加えたことで、新たな価値が生まれる。それは本当に素敵なことだなと思います。『最後の一葉』。オリジナルは、葉が落ちて絶望しないよう、落ちない葉を描いて気持ちを支えた、そんな話でしたけど、そよさんはあえてその葉を落としてみせる。そして、葉が落ちても命は終わりじゃない、つらいこと苦しいことがあったら私が支えますよと、その寄り添う気持ちを伝えてくれる。ああ、これはいいなあ。そう思ったんですね。寄り添ってくれる、それだけで支えられていると実感できる、そうしたこともあります。ほんと、しみる、そんな話でした。そよさん、大好き。

『あいすべきものどもへ』、盾山ヒロコの新作です。ええと、読み切り短編シリーズなのか。で、アイドル編なのか。女優を目指すタレント、佐藤あいるがヒロインで、けれど社長はアイドルで、マネージャーはお笑いで売り出したいと思ってる。その思惑を戦わせるところなど、面白かったです。これ、当然のように続くと思ったんですが、本当に短編で読み切りなのかな。ちょっともったいないな。そう思ってしまうところもある、そんな漫画でした。

サクラ町さいず』、最終回をむかえましたね。卒業式の情景。皆の進学先が語られて、あれ? 俊也のゆきさきは? ともあれ、成就した恋はなかったけれど、彼ら彼女らの前途にいろいろ思いをいたす、そんなラスト。ああ、県立土筆にふたりが通うのか。というのはよいとしても、最後にちょっといろいろ思わせる信一朗の言葉、そこには彼の成長や気持ちの変化などがあるのでしょうが、不思議となんかしんみりしますね。思えばこの漫画は、一時期四コマ漫画に疲れてしまっていた私を、四コマ漫画につなぎとめていた、そうしたタイトルのひとつでありました。面白かった、人が愛らしい漫画でした。大好きでしたね。今、私がこうして四コマ漫画を読んでるのも、この漫画があったから。本当かな? それはちょっとわからないけど、そう思ってしまうくらいに大切な漫画だった、そう思います。終わって寂しい、それは仕方ない。けど、こうして終わったことが喜ばしい。そう思って送りたい。そんな気持ちもあるんですね。

  • 『まんがタイム』第32巻第5号(2012年5月号)

2012年4月6日金曜日

ウォーターガールズ

 『ウォーターガールズ』は水泳もの。水泳に青春を燃焼させる女子高生たちの物語! というと、ちょっといいすぎかも知れないけれど、なんせメインのふたりは泳げないときています。水泳の授業、まったくもって泳げない長野はるなと村上泉、ふたりが出会ってはじまるストーリー。泳げたら素敵だろうな、けどひとり泳げないとかいやだな、というので泉を誘って水泳部に入ってみようか、なんて思ってしまうはるなの前向きさは大変に素晴しいと思うんですね。できないからといって逃げない。そんなはるなも逃げだすことを考えた水泳部の実態やいかに!?

なんていうと、とんだ不真面目部活もの、みたいに思われてしまいそうですが、いやいやとんでもない。ちっこい部長真田晶と女の子大好き? 碓氷最中ふたりの部活。そこにまったくの初心者ふたりが加わって、部が動いていく。だんだんに水に慣れ、ちょっとずつでも泳げるようになっていく一年生たち。時に、過ぎるくらいに熱心に後輩たちを指導する晶部長も素晴しく、ほんと、間違いなく青春の一ページ、とても素敵な部活もの、そう思わせる漫画であるのですよ。

できなかったことができるようになる喜び、それが描かれています。後輩たちをちゃんと引っぱってあげられる、そんな先輩になりたいと頑張る先輩の姿も描かれていて、いわば皆に課題といえるようなものがある。それに真面目に取り組んで達成する、そうした成長は読んでいてやっぱり面白いと思えるんですね。伸びていく人たちの姿は魅力的で、頑張りたい人の気持ちは清々しい。そう思う私には、この漫画が面白いと思えるのは当然なのかも知れません。

そういった部活もの、スポーツものの面白さがあって、また学校帰りに甘いものを食べたりと、他にも買い物とか、部活という本流から大きく離れることなしに、彼女らのいろいろな側面を見せてくれるのも嬉しいところだと思います。ほんと、魅力的な娘さんたちで、基本、みんな前向きで明るくて、すかっとした青空のような性格が気持ちよくって、絵も色気がありながらもさっぱりすっきりしてる。この感触、清潔感といいましょうか、が全体から感じられて、読んだ感想も「清々しい」、これが最初にくる。実によい、青春とわくわくがあふれています。

  • なぐも。『ウォーターガールズ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

2012年4月5日木曜日

『まんがタウン』2012年5月号

『まんがタウン』2012年5月号、発売されました。表紙は映画のからみですかね、『新クレヨンしんちゃん』のみ。ひまわりを前面に押し出して、その後ろにしんのすけです。しかし、『クレヨンしんちゃん』、映画も20周年ですか。長く続いて、立派になったものだと感心します。

『ぼくの奥さん』は、夜中に会ったキャロ、彼女がルイに懐いて、しかもしゃべってという、驚きの展開から。いやもう、キャロの懐きよう。ルイに会えてすごく嬉しい。手紙をもらって以来、ずっと会えるのを楽しみにしていたんだっていうことがわかって、それからお母様に甘える、その様子などもすごくいい。狼に育てられた娘。昼間に会った時は、なにか怖い、おそろしげな雰囲気でしたが、今のキャロの可愛いこと。おどろきましたよ。ごめんなさい、涙ぐんで、いやもう本当。ルイじゃないけど、夢じゃないのんか、ですよね。しかし夜があけると、ああやっぱり駄目なのか。なるほど、ルイが兄のおさがりを着てると駄目なのね。このすれちがい、気付くのかなあ。気付けば、そこから世界は変わりそうですね。

『偽装男子』は、いい感じに平常運転ですね。みずきに告白した滝川。彼を女装マッチョメンが受け入れて、しかしあやか大変だ。変わりものに取り巻かれる毎日。そうした場において、変人という誤解を受けてなお一緒にいてくれる友達、恭子はあやかの支えなんかも知れませんね。しかし、その恭子も結構酷く、まああやかも同様なんですが、なんとかして滝川を屈折した道から元の道に戻してやりたい。いや、親切心とかではないようで、これはこれで複雑に屈折した思惑があるんですね。そのための方法、恭子は巻き添え食いたくない。あやかも犠牲になりたくない。そういってる時点で、もういろいろあれなんですが、先生の解法、それがなかなかにいい感じで、そしてラストのあの展開は、ああ、彼も彼らに引き込まれるのか? いや、それ以前にあらぬ誤解を招いてますよね。実に、実によいです。

『トラノイーカルナ』は、また黒間ヒカリがいろいろやらかしているらしい。というので、ヒカリのDNAを使って変身、彼女のことを知ろうっていうんですね。決して悪い顔ではない。けれど笑うと怖い。それでひねくれたんだろうなあ。ということで、化粧やらなんやらで可愛くしよう。いろいろ教えてもらって試してみたら、見事可愛くなったんですが、それでヒカリに会ったらきっとコンプレックスもなくなって、いい子になるよ! って、これ、余計なおせっかいしやがって、お前は全然わかってない、みたいな展開になりそうな気がします。しかしヒカリの問題。それはなにに起因するのか。それはすごく興味ある。ほんと、楽しみです。

『しましま日誌』は、島野望をとりまく状況、基本のところはなにも変わってないし、解決もしてないはずなんだけど、うまいこと生徒に馴染んで、この寮に移ってきたのはよかったのかも知れませんね。決して先生として慕われている、尊敬されている、みたいな感じではないんですが、友達感覚? いやむしろ遊ばれてる、そんな感じですよね。そして大人たちの会話。生徒をちゃんと見守ってる。こういう描写があるのはいいですね。なんだか安心できるというか、ちゃんとしてるなって思える。そういうところ、ともいいと思います。

  • 『まんがタウン』第13巻第5号(2012年5月号)

2012年4月4日水曜日

英雄*戦姫

 『英雄*戦姫』、発売されました。ということで、珍しくちゃんとプレイしています。珍しくってなんだよ、っていうと、買うだけかって遊ばないっていうのがあまりにも多いからなんですね。コレクションのために買ってるわけじゃないんです。いずれ、ちゃんと遊ばないとな、そう思ってるんですが、プレイするにはまとまった時間が必要じゃないですか。なので結局積まれてしまって、そのまんま、なんてこともしばしば。ああ、もったいない。決して安いもんじゃないのに。とは思うんですが、まあしばしばなんです。プレイするのは珍しいんです。

さて、『英雄*戦姫』はR18、年齢制限のかかっているゲームです。だからもちろんそういったシーンもあるのだけれど、実際の話、そのへんを期待して遊ぶゲームではなさそうです。アドベンチャー主体のゲームではなくて、シミュレーション。ユニットをマス目に配置して、敵勢力との戦闘をして、勝てばその地域を配下におさめることができる。収入も増えるし、ユニットも増えるし、さらにはミッション、イベントも増えるし。そしていつかは世界征服! 世界征服完了でエンディングなのかな? どうも、最後には全ユニット総出(といっても出撃数は限定されるけど)で戦う強大な敵、なんてのがいるようですが、残念ながらまだ序盤をもたもたしてるので、そのへんはよくわかりません。

実をいうと、これがどういうゲームかわからないまま、ただ大槍葦人氏原画というだけで購入を決定、予約をいれたのですが、店頭でデモ映像を見たら、あ、これは面白そう。いつぞやの、ダイス転がすのに夢中になったゲーム『リトルウィッチロマネスク』を思い出して、あれもR18だったけど、その手のゲームというにはあまりにもダイス転がすのが楽しかった。次々出現するクエスト。それを受けるための条件をクリアするためには、これを取り、あれを捨て、いろいろ考えて、達成できたりできなかったり。その右往左往が面白かったんですね。『英雄*戦姫』からも同様の雰囲気を感じたんです。だから遊びはじめた。ええ、少しずつでも遊べたらいいなって思ったんですね。

序盤、とりあえずジパング征服までプレイしてみて、まあチュートリアルみたいなもんですよね。シミュレーションとしてはどうかというと、結構簡単という印象です。ユニットごとに得手不得手があって、優位をとると大ダメージを与えられる。まあ、逆もまたしかりなのですが。ともあれ、敵の攻撃順を見て、どれを倒し、どれを残し、敵の射線に入らないよう、攻撃を受けないよう位置取り考えながら、できるだけダメージを受けないよう、残さないようにして勝つ。そんな感じです。まあ、これは最初だけで、先に進むととにかく力押しでもなんでもしないと勝てない、みたいになるんでしょうけどね。

私はいつも小難しいことばかりいってるから、こういうシミュレーションとかさぞ得意なんだろう、みたいに思われがちなんですが、実は全然そうじゃなくって、むしろ苦手。得意技は戦力を大量投入しての力押し。損耗? そんなの気にするな! なので、ちょっと難しいものになると厳しい。正直なところ、ちょっと大変、それくらいで充分楽しめるので、本格派といかない、これくらいぬるめのゲームの方がありがたい、そう思うんですね。

とりあえずチュートリアルを終えて、次はアジア圏を伺おうか? そんなところだと思います。急いでプレイ、というのはさすがに無理だろうから、少しずつでも進めながら、それこそ数ヶ月単位でクリアを目指したいと思います。

  • 袁藤沖人『英雄*戦姫』天狐原作 (電撃ジャパンコミックス) 東京:アスキー・メディアワークス,2012年。

2012年4月3日火曜日

『まんがホーム』2012年5月号

『まんがホーム』2012年5月号、昨日の続きです。

『オトナのいろは』、先生に誘われて休日に道具を買いにいくって話です。普段は、おおよそちゃんとした大人とは思えないなり、服装も簡素だったりする先生ですが、実際会ってみればとてつもなく美しく、って、スカートめくれてるんだ。まずい、まずいですよね。そりゃチラチラ見られるわけですよ。習字の道具、硯や文珍といったものは安いセットでかまわない、けど筆だけはちゃんとしたものを使おう、というのはなるほど納得です。しかし、本当にこの先生、過去にいろいろ抱えていそうですね。いずれ明かされるのでしょうけど、滝村の存在が克服の鍵になったりするのかなあ。

つくしまっすぐライフ!』、麗羅さま、なんて素敵でいらっしゃるの! 扉に薔薇を背負って、しかし麗羅さまの気品は、花の美しさを霞ませるほど。ああ、目に涙をおためになって、おいたわしや……。 — 花粉症か。しかし、普段の言動があるとはいっても、ぜんぜんいたわってもらえない。そんなお嬢様、お傷付きあそばして、ああ、おいたわしや。目にいっぱい涙をためて、ああ、これは花粉症のそれではないのか。優しい言葉に決壊して、ほんと、可愛いお嬢さんだと思います。いや、ほんと、素晴しい。ほんと、普段は気高く振る舞っておいでですが、その向こうにある傷付きやすい可憐な心、いじらしさが煌々と輝きをはなって、もう! 麗羅お嬢様、ゴーグルでなく普通の眼鏡でも、多少は軽減されましてよ!

『おきばりやす』、最終回ですよ。って、今月、最終回多いな! まめ富ちゃん、髪形をかえて、いったいどうしたのかと思ったら、なるほど芸妓さんになるというんですか。芸妓になったら、舞妓時代よりも自由になる。一人ぐらしして、髪もある程度自由に変えられる。けど、それは好きにできるというんじゃなく、大人になって自立するってことに他ならないんですね。おけいこ代も着物も自分で面倒見ないといけない。自分で自分を管理し、売り込んでいくのも自分次第、腕次第っていうんですね。しかし、まめ富ちゃんには晴子さんというライバルで仲間がいて、また今度はお姉さんとして若い子らの面倒見て、そうやって受け継いで、支えあっていく世界なんだなってのがわかる最終回でした。最後に若々しい芸妓、まだまだこれからの彼女ら、そう思わせる絵があって、ああ、本当におきばりやす、ですね。

  • 『まんがホーム』第26巻第5号(2012年5月号)

2012年4月2日月曜日

『まんがホーム』2012年5月号

『まんがホーム』2012年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』をメインに、めがね・デイズであります。らいか、赤いフレームの眼鏡。『ふつつか文香さん』も赤いフレームの眼鏡。そして『あやのさんのお墨つき』改め『オトナのいろは』あやのさんも眼鏡、って、この人は最初からか。しかし、なぜこんなテーマに? そう思ったら、なるほど今月の柱の企画、フェチについてなのですね。ところで、ゆうきゆう氏の漫画によれば、フェティシズムの要件には「生命のない対象物」というのがあって、体の一部についてはフェティシズムに分類されなんだそうです。だから、眼鏡フェチっていうのは本来の基準からしたら誤用なんですってね。あ、そうそう、『そよ風そよさん』のカットもありますよ。

『炊飯器少女コメコ』は、なんとコメコがコメを育てるんだそうです、っておい、単行本の表紙、炊飯器の蓋あけるのはやめてくれよ! 普通に可愛いコメコの表紙にしておくれよう。ほんと、すごいインパクトです。さてさて、米はプランターで育てられるらしい。しかし、肝心の稲をどう入手するか。種もみっていってますけど、直播きでいくの? と思ったら、よねちゃんが苗を融通してくれた。よねちゃん、なんかものすごくキャラが確立してて、もう超便利、いかすキャラになってます。自分で米を育てるばかりか、よりよいおかずのために大根育てたりもしてるとか、ほんと、すごい。ところで、コメコには痛覚がないんですね。あのトゲトゲは痛々しくて見ててつらいです。

『はっちぽっち』は子犬がきて三日目の様子。名前をどうしようと迷う店長、対して持ち前の行動力で○○という名前を定着させそうなポチ子。しかし、この人の決断力は素晴しい。メープルとハニー、ふたつの候補からメープルを即答で決める。まだまだちっこいメープル。ねね子も今はまだ平気ですが、子犬なのに大きな肉球。どんどん大きくなると想像して怖くなってくる。いや、実際、犬が怖い人からしたら、想像だけでも怖いというの、しかたないと思います。しかしハチの子犬時代の逸話。トイレシーツを汚したくないとか、面白いです。あと、店長もいいですよね。本当に犬が好きでしかたない。いいですよね。

『センセイあのね?』は、つぐみ、こうと決めたらまっすぐだなあ。先生に気持ちを伝えてしまったからには、もうなにもこわいことあらへん。押して押して押しまくりますよ! といった扉のつぐみのなんと可愛いことか。しかし、早乙女は辛い立場。そして先生は、ふと無意識にやってしまっていた自分の癖にはっと気がついて、ああそうですよ、それですよ。でもこういう先生の態度見てると、いつかつぐみの思いは成就しそうな気もするんですよね。昔の少女漫画なら、絶対成就だよなあ。ところで、柱のコメント。まだ手遅れじゃないと思うんだ。

『ただいま独身中』は、ほんと面白いなあ。楓、ちょっと恋愛的ななにかを求めている。ペット仲間に職場の同僚。ちょっと気になる? 意識してもらえてる? いろいろ思うんだけど、なかなかその答が得られない。見た感じ、桂さんは楓のこと気になってそうだけどな、そんな風にちゃんと描かれてるんですけど、彼の楓に対するイメージ、それはどうやら随分美化されたものであるようで、ああ、こうした真実に辿りつけてないところ、やっぱりそれは恋なのかも知れませんね。しかし恋愛とか結婚とか、そうしたものが意識されてる漫画なのに、気を抜くと、そういうのがすうっと後景にさがっていっちゃうのがらしくて、ああ楓が縁遠かったはずだ。そんな気にさせられるんですね。実際、楓、桂の気持ちに気付けてませんしね。

  • 『まんがホーム』第26巻第5号(2012年5月号)

2012年4月1日日曜日

アキタランド・ゴシック

 個性というのは、こういうものだと思うのです。『アキタランド・ゴシック』。北方に位置するとある県に暮らす少女たちの物語。メインヒロインに角のある少女、アキタちゃんをフィーチャーし、雪国アキタランドでの暮らしを描き出そうという意欲作です。町には懐かしさを感じさせる風景が広がり、また古来伝えられてきた伝統が色濃く残る、そうした土地での生活とはどういうものか。レトロと先端技術が同居し、そして名状しがたきものが普通に共存しているアキタランドの、なんだか妙にのんびりとして、楽しおどろおどろしい情景。ここに開幕です。

あとがきを読んで驚いたのですよ。もともとは『アキタランド・ゴシック』ではなかった。『季節の衰え』というタイトルで、普通の学園ものとして展開する予定だった。って、そのタイトルで普通といわれても困るんですが、ともかく担当氏の感想は、普通ですね、だったそうです。それは、当初の予想がよっぽどだったか、あるいは本当に普通だったかのどちらか……、って前者のような気がするんだよなあ。ともあれ、できあがってきたものは、ひどくおかしな日常もの。名状しがたきものが跋扈する、そんな土地で、なんだか不思議と共感できるあるあるネタに遭遇したり、見た目こそはアレでも、内容はといえば実に自然で普通の感情の動き。オーソドックスなカートゥーン的味わいに、独特のアキタランド的世界観がマッチして、ゆるやかに広がり、深く静かに浸透する、そして時に強烈なインパクトを残し、爆発的な面白さを見せつける、そんな物件に仕上がっているのですね。

しかし、第1回が角にできる虫歯の話、なるほどこれはメルヘンっぽいファンタジー世界の話になるのだな。そのように思わせて、第2回は資本主義の楽園ショッピングセンターにいって洋ゲーを買って熱中するという、いやいや、それ普通だから。って、普通でなにが悪いといわれたら、普通万歳です! って答えるほかないんですけど、普通と面妖、日常と幻想の綱引くバランスがすごくよくとれて、絶妙に引き合ってる。その傾向は第3回目にはっきり見えて、冒頭などは、なるほどフリーマーケット。普通の話かと思った。実際、導入こそはぎくりとさせる描写だけれど、外国の子供っぽいニュアンスでママにお願いするアキタちゃんに、なんだよ! フリマかよ! 安心させられて、そうかと思ったら後半怪異に突入しているという、この狭間感が素晴しい。読み終えるまで、一体今回はどのあたりのポジションにいるのか、そいつが判然としない。この曖昧の最中、確かなのはアキタちゃんたちのなすこと、出会い見て感じること、それらなんですね。しっかりとした感触を読み手に残してくれる。そのおかげで、不安なんてまるでなしに読み進めることができて、読み終えて、なるほど私たちはこうした道を進んできたのか、振り返って知って、なるほどと飲み込んですっきりする。その後味、読後感も確かで、さっぱりと晴れやか、あるいはにやりとシニカル。多様にして、実に豊かなのです。

ところでさ、アキタちゃんのいってたグミ・ベアーズってこれよね?

Haribo Gummi

これ、コンビニで見かけて、すぐさま購入して、すごい歯応え! 味もいいじゃん! すごく気にいったんですが、咀嚼しすぎて歯医者のお世話になることに……。いえね、歯が磨耗してるらしくって、噛みすぎるとしみたり痛くなったりするの。いや、ほんと、グミで歯医者と、アキタちゃんコースを逆にたどってしまいました。