2012年4月25日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年6月号、昨日の続きです。

『二人の恋愛書架』、ゲスト掲載、2回目ですね。古書店をいとなむカナコさんと高校生秋生のふたり暮らし。結婚を前提とした同居。素敵なお姉さんとのラブラブ同居もの、っていうんですが、今回はカナコさんお仕事で遠出、っていうんですね。会えない時間が愛を育てるの? そんな話になっていて、会えないことが寂しい、たった一日会えないことがそんなにか? そう思ったら、ああ、秋生という人は待つこともなく、誰かが待ってくれることもない、そんな家に育ったのか。ちょっとシリアスなエピソード。帰りたい家に急いだら、いないと思っていたカナコさんがいて、 ああ、本当にラブラブなふたりであるなあ。依存してるまではいかない、そんな互いに相手を求めあっているふたりの姿。よいじゃないですか。

『meth・e・meth』は、エージェントフラジャイルが語る、柚木に移植された心臓の真実。で、この流れで明かされるフラジャイルのこと。えええ、なんと、この子の腕、あれ、移植されたとかじゃないんだ。彼女がそもそもゴーレムだっていうんだ。驚いた。まさかの人造人間ヒロインでありました。で、こうなったらもう隠したってしかたない。柚木につきっきりで守るっていうんですね。しかし、ここからが面白かった。柚木の母ちゃん。彼女を連れてきたと大騒ぎ。って、これ、だらとかきんとか、愛知あたりの出身なのかな。そう思って識者に確認してみたら、かなりの確度で三河弁らしく、おお、いいですね、母さん、なんだかいいキャラしてますよ。年々デリカシーがなくなっていくとか、ほんと、いかします。まあ、息子としてはたまらんでしょうけどね。そして、自室にてあの謎の誓文を復元してしまった柚木、これは今後の展開において大きな鍵になりそうですね。

少女素数』は、兄さん、また髭なしです。この人、髭がなくなると、とたんに若く見えるのがいいですよね。そして決断、一年仕事を休んで、やりたいことがある。大学で学ぼう。それで休業というのですが、だんだんに自立していく妹たち、富士夫の心中にもいろいろな変化、動きがあるんだなあ。成長する、日々刻々と動き変わっていくのは少年少女だけではない。富士夫も、そして梗子も同じ。ちょっとインターバルといった感じもするエピソードだったのですが、このふたりも、すみれやあんずたちを取り巻く環境なのではない、ひとりひとりの意思もあれば感情もある、自分の人生を悩み迷いながら生きている人なんだって、そういうのが見えたのは大きいなあ、そう思ったんですね。しかし富士夫兄さんの待っててくださいとはいえない、とか、ちょっと意味深。うん、考えすぎですか? でも、考えずにはおられんかったんです。そして、このところのすみれを見て、あんずの思っているらしいこと。どんどん遠くの世界の住人になっていくすみれと身近な女の子でいてくれる有美、ふたりのはざまで悩んでいるぱっクン。皆、苦悩をともに生きているんだなあ。読むほどに、心に、手に重さを残して、しみじみと感じさせてくれる、そうした気持ちの確かさがありました。

『本屋さんのクッキー』、ゲストです。こちらも人造人間ヒロイン。本屋のバイトの藤山くんが、決して入ってはいけないぞと店長から釘をさされていた部屋で見たもの。女の子、人形、そう思ったら、なんとアンドロイドなんですね。ハプニングでキス、それが起動のキーとなって、アンドロイド、クッキーは藤山のことをマスターして認識してしまって、これはリセットできない、だから責任をとって、まだなにも知らないまっさらのクッキーにお前がいろいろ教えろ、といったことになるんですね。まだなにも知らないクッキーがトラブルの原因になったり、それで藤山くん、クッキーを責めたり、って、おいおい、それ、最悪だろ。人の気持ち考えてしゃべれとかいうけど、そもそもこいつがなにも知らない、蔵書の検索と注文しかできないような状態だって、わかってなかったんか。などなど、藤山について文句いいたいというより、ちょっと詰めが甘いよなあ、そういった印象が残ったのが残念です。これはもっとゆるい話にして、クッキー可愛いで押し込む、それくらいの力技で訴えた方がよかったんじゃないか、などと思ったりしました。私の嗜好としては逆方向なんですけれど、つまりもうちょっとでも話や設定やらを練りあげられた方が好みです。

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