『まんがタイムきららフォワード』2026年11月号、発売されました。表紙は『球詠』。渾身の投球を見せる蘭々の向こうに、バットを振りかぶり狙い打たんとする希の姿。ふたりは相対しているのか、あるいは新越谷の勝利のために、それぞれの持ち場でベストを尽くさんと奮闘している姿なのか。答こそは示されないものの、私には後者のように思われて、たとえ奮闘するそのときが重ならなくとも、ともに戦い、ともに支えあうチームメイトとしての繋がる気持ちなんてものを感じられるように思うのです。
今月は新規ゲストが2本です。
『かぷちゅちゅ』
多血症なる病を抱える間宮澪は、不調がスタンダード。頭痛に苦しむその姿は、周囲からは憂いを帯びた気だるげイケメンと見えるらしく、今日も噂の的。しかし、不調は不調。保健室に向かおうとしたところ、貧血か、誰か倒れるのを遠巻きに目撃。ああ、貧血なら分けてあげたいくらいだ。こちらがあまれば、あちらは足らず。なかなかにままならないものなのですね。
倒れたのはクラスメイトの如月ちゆ。血が足りない。倒れてばかりでもういやと泣き言いうその子に、自分の病気を知らせ、そしていくらでもあげるよなんていったら、如月ちゆ、その気になっちゃった!? ぐいっと澪に迫って、その首もとに歯を立てる。ちゆは、吸血鬼だったというのですね。
なるほど、貧血ではなく空腹、みたいな状態だったわけね? しかしこうして、澪はあまった血をちゆに分けることができ、ちゆは渇きを癒すことができるという双方にメリットのある関係が成立。いつになく調子のいい澪は、気だるげイケメンからハイスペ王子にクラスチェンジ。学校生活も順調です。
ちゆが吸血鬼であることは秘密。澪以外、誰にも話していない。なぜ自分の秘密を明かしたのか。ちゆの話がなかなかによかった。人を傷つける存在である自分が、誰かを助けられる。だったら助けたいというの、これが本心なのでしょうね。
そんなちゆと澪との関係。相互に深まる信頼関係。それがついには契約にまで漕ぎ着けて、主従!? 眷属!? 澪のこと、しもべだとかいってますけど、実際のところはちゆが先に落ちた感ありますよね。
『ハラペコギツネのシロコさん』
このところ噂になってる怪異、暴食童を探すはオカルト研究部部長。しかし見つけたのは、腹をすかせやつれはてた子供。しかし不思議なことに、この子を気にとめるものが誰ひとりいない。というのも、姿が見えていない!? そう、この子こそ、噂の怪異だったというのです。
カロリーがあれば回復できるというので、手持ちのチョコレートを渡したら、まずは普通の見た目にまでは戻れた模様。しかし完全回復にはまだ遠い。というわけで、ふたりしてカロリー高そうなラーメン店におもむき、次から次へと丼を重ねる。その数たるや、なんと10杯。これだけ食べなければ満足できないというの、あまりにコスト高で大変! ところで、ラーメン代は怪異の子が払ったんですか?
この子、怪異はなにをしているのか。匂いを頼りに町のあちこちに潜む悪霊、厄を祓ってまわっているというのです。いわく、生活と食の守護神。白狐、あるいはシロコと呼ぶがよい。
人の心を汚染する厄を見つけては、得意のビームで成敗する。まさに町の守り神だったわけですが、このビーム一発でふたたびもとのやつれ姿に戻るとか! ああ、なんというコスパの悪い体なのでしょう。この子の活動を支え、ひいては町の心の平和を守るため、お供え、寄進が必要ですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第20巻第11号(2026年11月号)
『まんがタイムきららMAX』2026年11月号、
『まんがタイムきらら』2026年10月号、
『まんがタイム』2026年10月号、