『まんがタイムきららフォワード』2026年4月号、昨日の続きです。
『球詠』
椿峰の投手、西村攻略の鍵が判明しました。新越谷の狙いに椿峰記録員が気づいたものの、もう遅い。投げられた球を光のバットが捉え、右中間に運ぶ。
低いリリースから浮き上がって見える直球が西村の強み。しかしそれは低身長の選手には効果が薄れ、すなわち豆粒、小柄な打者にとっては脅威度が下がる。
データが少ないゆえに判然としていなかった弱点を突かれたかたちになった椿峰。先制点を許し、追う立場になってしまった。自分が西村の直球に対応できていた理由に思いが至らなかったと、自らを責める實松。自分の実力が足りないせいで實松に責任を感じさせてしまったと、もう一点も取らせない、気迫に満ちた投球を重ねる西村。この互いに相手を思いやるふたりの関係性よ。この漫画の見せる、対戦相手の心情、思いの熱さ、ドラマ性が、ここにこうして物語を盛り上げつつ、読者の心情も揺り動かして、本当にすばらしい。
続くヨミの投球も、珠姫のリード、そのふたりの重ねてきた時間、技量の高さ、もろもろを見せつけて、この投手捕手のコンビネーションが、敵方、味方双方の重点となって、いよいよ増す厚みに圧倒される思いでした。
ヨミ、珠姫がギアを上げれば、西村、實松も負けてはいない。勝利を掴むのは自分たちと、その譲らぬ思いの強さが競り合って火花散らしています。
『花唄メモワール』
桐喜の抱えていた問題を未来から持ち込んだ道具、知識でもって解決。わだかまりを流しさって、姉妹の関係を改善に導いた梅です。秘密だった化粧道具。しかし椿にはバレバレで、そしてここでちょっとした振り返り。アイリス、イネ、桐喜、灯子、菊野、そして藤野の身請け話。そのどれもに介入し、解決に至らせた梅の手腕。その見事さを讃える椿なのです。
そんな折り、椿に届いた電報。そこに書かれたハハキトクの一文。しかしその生い立ちが、母との関係を歪ませて、自分に向けられる愛情の存在を信じられなくなってしまっている椿にとっては、向きあうことのできない重荷としかならなかった。
椿から語られる芹の話。手に届くところに植えられた木の実。そこに母の作為があるように思われて、しかしその想像を否定する自分もいる。
確認することなどもうできないという椿の苦しみを、苦しみのままにしておけないのが梅なんですね。だから、当然のように椿のそばに立つ。ひとりで確かめられないなら、自分も一緒にいくといってくれる梅に、心を動かす椿。ああ、これからの行動がどうか椿のためになってくれればと思う。この子が重荷を降ろせる。そんな日のくることを願えばこそ、梅の活躍に期待せずにはおられないのです。
『しゅがー・みーつ・がーる!』
修学旅行先で急接近!? 甘那に美都が同じ部屋で一夜を過ごす。もちろんそこにはリコと渚の姿もあって、ええ、渚が動きますよ! すごいこと動きますよ!
禁止されてるお菓子の持ち込み、駄菓子たくさんを美都にもふるまい、未知のお菓子の魅力のとりこにしてしまう。しかも見回りの教員にバレそうになったところを、美都の機転にて回避! ああ、美都の信用貯金の威力よ。でも、これで美都も共犯よ? 渚と美都、ここに思わぬスリルをともに味わったっていうんですね。
班別行動の最終日。ゆっくりとお風呂にはいれる、そんな夜に、美都と渚がともに湯船で語らう機会を得たのです。楽しかった修学旅行の思い出。この数日経験したことを語りあうふたりなのですが、ここで渚が踏み込んだ。
美都と甘那の関係、それはいかなるものなのか。
さあ、ここで美都はどう答えようというのでしょうか。食の秘密を分かちあう仲? いや、それ以上のなにかでしょうか。美都の食の秘密、リコや渚も受け入れてくれるだろうという甘那の言葉。そうだろうと思いながらも、甘那とだけの秘密がふたりのものではなくなってしまうということに迷う。
この局面、美都はどう出るのでしょう。渚の問にどう答えるか、それで美都の抱えてきた自分への問への答もはっきりする? ちょっとした美都の人生選択でありますよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第20巻第4号(2026年4月号)
『まんがタイムきららフォワード』2026年4月号、
『まんがタイムきららMAX』2026年4月号、
『まんがタイムきらら』2026年3月号、