2021年5月8日土曜日

『まんがタイムきらら』2021年6月号

 『まんがタイムきらら』2021年6月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。これ、本当に美しい表紙ですね。寄り添うように隣り合って座る海果とユウ。ふたり揃いのドレス。ユウのドレスにはラベンダー、海果のはスズランの柄があしらわれていて、若干の色違い、けれどそれがすごくマッチしてきれい。肩にかけたレースのショールも素晴しく美しい。ユウが見るのは、夜空の向こうに輝く星でしょうか。そして自分の脚を抱き込むようにして身を丸めた海果が見せたその表情。こちらに視線をくれて、微笑みを浮かべているのがこの上もなく印象的で、ああ、とてもいい、とてもいいです。本当に美しい、この子のこの笑顔の向こうに広がる気持ちが見えるかのよう。その目に引き込まれるように感じます。

今月は新作ゲストが3本です。

『黒百合クロニクル』

女の子同士の絆を察知し、その記憶を奪いにくる危険な生命体、クロユリ。姿こそは植物のそれだけど、大きさが違う、いきなり地面から伸びてきて、雄蕊に似た器官でもって記憶を奪いにくる。かくして記憶を奪われてしまったヒダカ。普通は記憶の断片が失われる程度なのに人格まるごとやられちゃってるっていうの、ほぼすべての記憶がお相手、幼なじみのさららにまつわるものだったからっていうんですね。やべえな。この子の人生、ほぼ幼なじみでできとるんか。

幼なじみカップルの危機に駆け付けたのが、初瀬イザサ。ユリ神から力を託されてクロユリ退治をしている子なんですが、さららとヒダカの関係に若干ひいてます。そしてユリ神も登場。人格を奪われて空っぽになったヒダカに憑依してるんですが、ユリ神とさららのファーストコンタクトですよ、さららがやばいの。なんとまあ、やばいのはヒダカだけじゃなかったんだ。ふたりともに充分にやばい、ある意味お似合いのカップルだったんですな。

かくしてクロユリ退治の力を得たさらら。バケツを武器にクロユリを殴打しまくるんですが、この絵面が妙に面白いですね。とりあえずやばい。さららのやばさの前にユリ神も圧倒されて、これ、さらら最強ですね。きっと誰もこの子には勝てないやつです。

『バス停のお姫様』

帰りのバス停でいつも見かける女の子。お姫様のようにキレイなその子に心惹かれて、仲良くなりたい……。でも、そういってる小蜜は人見知りなのか。クラスの自己紹介で自分の名前をかみまくるレベルで緊張してしまう。そんな小蜜の頑張りですよね。

同じクラスで幼なじみ? 中学時分からの友人、茜に相談。一緒にバス停までついてきてもらって、しかしこれからどうしよう。まったく動けない小蜜に発した茜のせりふ、小蜜より先にバスが来ちゃうぞ! これ、すごくいい。声に出して読みたい日本語ってやつだ。こういう気の利いた台詞回し、好きですよ。

そしてビビりの小蜜が思い切って、バス停のお姫様に声をかけるところ。ああ、突然降り出した雨が小蜜の背を押しましたね。茜は傘を持ってる、自分も持ってる、でも例の子は傘を持ってなくって、これは大変と考えるより先に体が動いてしまった。そこに、この子の、困ってる人を放っておけない性格が垣間見えたように思えまして、いい子なんだなあって、勇気がわく瞬間、この子の場合、それは誰かを助けたい時なんだなって思えたのでした。

かくしてふたり知りあうことがかないました。これからふたりの関係、どのように進展してゆくのでしょうね。ここから始まってもいい、でもここで終わってもいい。そんな広がりとまとまりの感じられた一本でした。

『サカナフライ!』

扉絵、可愛いですね。クラスで飼っている魚に餌をやるのも日直の仕事。というので、宇見人手と卯未入歌、ヒトデとイルカのふたりが一緒に魚の世話をやります。

といっても、餌やってるのはヒトデで、イルカは横で魚のせりふをアテレコしたりして面白がってるだけかな? でもこの一連の描写で、真面目でピュアなヒトデ、お調子者で楽しいことが大好きなイルカ、ふたりの個性がよく見えていたと思います。

飼われている魚、名前はないんですね。それでふたりで名前をつけようというんですけど、いろいろ考えた結果、あさっての方向にいっちゃって、それでいつかお話できたらなあ、とかいってたら、なんと空中に飛び出してそのまま空を泳いじゃってる!

なるほど、それでサカナフライ。これ、ここからどんな展開があるのだろう。最後の最後に事件が起こって、まさにこれからどうなるの!? そんな飢餓感をかきたててくれました。

2021年5月7日金曜日

『まんがタイム』2021年6月号

 『まんがタイム』2021年6月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。『まんがタイム』創刊40周年。これを受けて部長代理が大きなメダル首から下げまして、ええまさにあんたが主役! であります。これ、前身の『おとぼけ課長』、タイム創刊とともに連載開始してましたよね。となりますと、連載40周年ということでもありますか。これはすごいことですよ。ということで、『花丸町の花むすび』花子と『秘密のお姉さん養成ノート』蛍が花を持ってお祝い、でありますよ。

『良倉先生の承認欲求』

今回は良倉、上枝回でありますよ。良倉宅を訪問する上枝。良倉がパンケーキアートに挑戦するとかいってる、その手伝いなんだそうですが、手伝うのパンケーキ焼くのでも撮影するのでもなく、作ったパンケーキの片づけ、すなわち食べる係として呼ばれたっていうんです。

ほんと、この扱われ様といいましょうか。でも上枝に対して良倉が見せる遠慮のなさ、これ、不思議と距離の近さ? 良倉が上枝のこと親しく感じてるから、みたいにも見えるんですよね。それだけに今回も実によかった。ほんと仲のいいふたりに見えましたよ。

しかし今回めちゃくちゃ面白かったの、上枝の挑戦したパンケーキアート。擬人化良倉だーっ! いや、擬人化じゃないか。このパンケーキの写真をSNSに公開しようとする上枝を良倉が必死にとめる理由。同棲匂わせ投稿と思われたらどうするのかと、すごい剣幕! めちゃくちゃ面白い。ほんと、炎上要素全部良倉側と指摘する上枝の冷静さも面白さに輪をかけていました。

でも、このSNS投稿を制止しようとしたもうひとつの理由、その本心が最後に描かれるの、もうたまらんかったですね。承認欲求モンスター、良倉には上枝のポテンシャルがわかってる! これ悔しいだろうなあ。でもなんだかんだで認めてるんだから、屈折はしてますけどね、こういう点は立派ですよ、良倉先生。

『茨城ってどこにあるんですか?』

千葉代表、染谷アカリン、めっちゃ元気ですよね。多恵のストーカー、いやさファン、加藤さんのこと好きになってしまったこの子。次いつくるだろうか、ウキウキしながら仕事してたんだけど、加藤ったら横浜住まいだもんなあ、そうそうこないよなあ。かくしてアカリン、一週間もたてばモチベーションも落ちてしまって、どころかまともに稼動できなくなっちゃってるよ!

気分屋といってもいいのかなあ。あるいは自分の思いに素直。後者のような感じがしますね。基本陽気でいい子。それだけに落ち込んでる? 調子落としてるの見ると、なんとかしてあげたいと思う。多恵もそんな感じだったんかな? それで、たまたま仕事でこちらにくる加藤にあわせてあげよう。そんな話になるんですね。

鈴子の作戦、めちゃくちゃ笑いましたよ。加藤を呼ぶにしても、その習性を利用する。霞ヶ浦総合公園の風車を自撮りの背景にいれて、それで呼び出そうっていうんですね。いや、この作戦、多恵の発想か。でも見事に加藤、多恵の策に応えてくれて、かくしてアカリン、加藤と感動の再会! 気を利かせたか多恵と森戸は姿を消すんですが、ほんと、このノリノリ加減。絶対楽しんでるよね。

みたいに思っていたら、多恵のアカリンに対する心情、これがね切実さ感じさせてくれまして、それだけに加藤が多恵のこと大好きだってアカリンにバレてからの落ち込み。もう本当に深くて、なんてったって、罵ってくれ森戸ですよ。これだけでもいい子だってわかる。とことん策略とか向かない子です。

でも、アカリン、めっちゃタフです。その翌日にもう別の人が気になってしまってる。ええ、恋多き女。罪な子でありますよ。

『瀬戸際女優!白石さん』

白石、恋の予感!? 出演したCM、その製薬会社の社長から食事に誘われた白石に、社長が聞くんですよ。恋人はいるんですか? 慣れた感じの口説き文句、そう思ったら、途端に赤面して、またお誘いしたくてなんていう。その垣間見せた純朴さ? 一気に白石の気持ち持っていっちゃってね、これ、今度こそつきあうまでいけるのかな?

この後、真島とあって話した時もね、その社長さん、紳士なうえに金離れも悪くない。真島視点から見てもいい男っぷりで、まあ真島は面白くないから絶対褒めたりしないんですけどね。でも白石が社長とつきあったら、こうして一緒に話す時間がなくなるなって、そんなこといっちゃう真島もズルいよなあ。これまでもこうやって意味深なこといって、白石の気持ち惑わせてきたじゃん。真島は白石のことどう思ってるんだろう。ただ気のあう友達なのか。それともそれ以上のなにかがあるのか。

ちょっと白石のためにもはっきりしてほしいなあ、みたいに今回ばかりは思っちゃいましたよ。

2021年5月6日木曜日

『まんがタウン』2021年6月号

 『まんがタウン』2021年6月号、発売されました。表紙は『SUPER SHIRO』がメイン。どーんとでっかく、スーパーシロが描かれていまして、このシンプルな造形、逆に存在感感じさせるのがすごいですよね。ちょっと離れた点目が、表情をこれと伝えてこないことで奥深い? そうした感情をもよおさせるように感じます。この他には『部長と2LDK』、最終回の告知カットがございます。さらには『ルナナナ』、小坂俊史の新連載告知カットもございます。

今月は新連載が1本です。

『ルナナナ』

表紙のカットを見て、どんな漫画だろうと思った、その意表を突くような設定、展開。なんだこれ、SFだ!

アポロが月探査を終えて以降、その試みが継続していたらどうであったかを描こうというかのような、ありえたかも知れない月の情景。地球から見えないのをいいことに、各国が極秘に月の裏側にコロニーを建設、開発を続けていた。開発開始は当然昭和の昔。かくして主人公たちが住み込むことになったアパートいやさドミトリーは、月面コロニーといった近未来感など微塵も感じさせない昭和の建物そのもの。しかも主人公たち3人は、高収入バイトに応募したらまさかの月世界行き。この舞台と設定と登場人物、それぞれに見えるちぐはぐさ。おお、小坂俊史だ、小坂俊史テイストだ。

もうこれだけで楽しくなってきますよね。

勤務地が月だなんて聞いてないとかね、そういって求人広告見返してみたら「月で働ける」の文言、これひと月契約でなくて勤務地のことか! みたいなのがねしびれますよね。また時給3千円も、まさかの月円、重力6分の1だからお金の重みも6分の1。やってくれる。人が悪い。契約破棄のペナルティもヤバくて、月地球間の往復交通費が自腹になりますとかね、ほんとこの発想よ。もうめちゃくちゃ面白かったです。

初回の一番は「5メートル」でしたよね。あれ、ほんと面白い。言葉少なに伝えてくる面白さ。最高でした。しびれます。

『部長と2LDK』

最終回でしたよ。部長、感情大暴走ではないですか! 風呂で聞いた女子トーク、菜々に気のある男の影ですよ。もう、部長、見事に落ち着きなくして、西さんにはまだはやい。さらに加えて、菜々がちょっと意味深な反応してみせたせいで、おお、本格的にショック受けてますよ。

温泉出てからの宴会の席で、部長が問題の男子、青山を問い詰める問い詰める。好きな人いるの? にはじまって、もっと褒めろだの、それ以上は駄目だの、結構な無理難題では!? それもこれも酒のせい? 自分を失ってますよね。これ、酒のせいかな? 嫉妬が発端かな? いずれにしても酒にやられて、菜々は自分のもの宣言、さらに加えて大大大大大好き宣言までやらかしちゃって、最高でしたね。もう、こんなの見られる日がくるだなんて、感無量も感無量でした。

自分の失態に落ち込みながらも、菜々との同居生活の終わりを考えたら寂しいって、自分の気持ちを菜々に吐露してね、そこからのふたりの様子、素直な部長! 菜々の包容力! ほんとよかった。

部長にとってはとんでもない大曝露になってしまった、そんな旅行でしたけど、結果的にふたりの距離、さらにさらにぐっと近くなった。ラストに見せたふたりのやりとりなんてね、ほんと素敵だったじゃないですか。ちょっといたずらっぽく笑う菜々に、照れもなく真面目そのものに受ける部長、その様子。ええ、ふたりの暮らし、これこそが今のふたりのホームであるのですね。

『新婚のいろはさん』

早倉哲子ってソクラテスだったのか! いや、劇中ではたまたまですよってことになってたけど、作者の命名はソクラテスからだったのか! いや、偶然たまたま後から気づいてネタにした、とかだったらどうしよう。いや、別にどうもしなくていいですね。

早倉さんの名前の秘密、これ、小学生の頃には気づいていたけど、誰からも指摘されないまま今まできてしまった。親しい友人がずっといなかったからだ、そういっていた彼女に立て続けに、ソクラテス由来なのかと聞く人が出てきて、ひとりはいろはから、そしてもうひとりは、夏に一緒に海にいく約束している友達から。ああ、このことだけで早倉の身に起こっている変化というのがわかります。

小学生、中学生の早倉哲子にはいなかったという親しい友人、それがもう今の哲子にはいるんですよ! 学外にも、そして同級生にも、親しく話せる、そんな友人がいるんですよ。ああ、早倉哲子はもう一人で自在に泳げるのだ。

今回、早倉哲子の魅力もまた濃密でしたね。この子の魅力、それは内省的であるところだと思うんですよ。自分になにが足りないか、それを思って自ら課すトレーニングミッションとか、さらにはついつい見栄? を張ってしまう自分に対する外部的視点を持ってるところなどなど、こうしたところが、面白みでもあるのかも知れない、けれど同時に誰しも経験する、したことのある、そうした心の動きに、早倉哲子という人物を親しく感じることのできる、そんな描写になっていたと思うのですね。

内省的な哲子さん。けどそれがほどほどで、それゆえに人間的で、可愛いと思える。ええ、人はかわいい、かわいいものなのです。

2021年5月5日水曜日

2021年5月4日火曜日

2021年5月3日月曜日

『まんがホーム』2021年6月号

 『まんがホーム』2021年6月号、昨日の続きです。

『歌詠みもみじ』

ママさんの5月の憂鬱。そうか、母の日ってこんなに大変なのか。うちでは誰も気にしてないイベントだけど、最近のお家だとそうもいかないのかな。それこそ、今回のエピソードで触れられたみたいに、夫の母に対する妻の気づかい、この苦悩! これが毎年恒例のイベントになってるのなら、こうなるのもわかります。

これ、大変なのは、実母ではないってところなんでしょうね。今回描かれたのは母の日だったけど、人によっては誕生日だったりするのでしょう。なにかしら贈り物をしないといけない。変なもの送れない、しかも一番の当事者であるはずの夫が全然協力的でない。いやほんと、夫のこの態度は妻激おこでもしかたないシチュエーションだと思いました。

今回のとりわけ面白かったの、実母に贈った日傘、同じものにしたらかちあった時に大悲劇じゃんよっていう指摘。ああー、ここまで考えないといかんかあ。こうしたところにリアリティ感じさせられて、すごく面白かった。ママさんのこだわる理由、最初の贈り物が好評でどんどんハードルをあげていくことになったというのもまたリアルさ感じさせてよかったです。

今回のママさんの憂鬱。なんとかうまく乗り切って、でもさらにハードルあがってと、簡単にめでたしめでたしとはいかんのが難しいところ。この苦労をなかなか理解してもらえないところも、ママさんの受難といった感じでしたね。

『うちの秘書さま』

どうも調子のよくないメイドさん。派手に食器を引っくり返しちゃって、それ見たはじめが七瀬の仕業と勘違いするのね。メイドさんは平伏、七瀬はお怒り。はじめ、見事にしくじっちゃいましたね。

メイドさんが不調というの、屋敷の皆がそれぞれの視点から指摘するそのポイントが面白かったです。メイド連からは仕事の内容にもとづく指摘、うん、これはすごく納得できる。はじめからは自分の失敗をフォローしてくれない、庭師の田中さんからはおやつが出ない。だんだんなんか面白くなっていくんですね。

メイドさん、この屋敷を離れることになるというのですかい!? この漫画の登場人物で一推しなのがこのメイドさんなんですよ! やめて! はじめ様、お父様にかけあって! そう思っていたものだから、あの、だっと駆け出すはじめを見てね、ああご両親にかけあうのね! すっかり早合点しちゃって、そうかあ、ただ逃げただけなのかあ。はじめ様にはがっかりですよ!

でも、ここまではじめに惜しまれるメイドさん。はじめにとっては母のような姉のような存在なんですかね。というか、ずっと老いないメイドさん、すごいよね。この人のはじめ愛と、はじめからの思慕、それが見えたところは好ましく、それだけにラストの派遣期間が3週間と判明するところ、安定のメイドさん! 最高だったと思います。あの反応見るにメイド連は3週間って知ってましたよね。

2021年5月2日日曜日

『まんがホーム』2021年6月号

 『まんがホーム』2021年6月号、昨日の続きです。

『天国のススメ!』

またも太一に相談です。住宅関係? なんでまた、と思ったら、そうなんですよ、幽霊物件。本気で嫌がる太一がですね、霊感あったってこわいもんはこわい、切実さ感じさせてくれて、だよなあ、わかるわ。いや、霊のことでわかるわけじゃないよ? 対照的にわくわくしてしまう草間とのギャップも定番の面白さ。でも今回は草間の出番、ここで終わりです。

今回は橘案件でした。不動産やってる叔父に頼まれたとのこと。霊障? を疑われる現象のせいで入居者が居着かない物件を成約前にお祓いしておきたい。それで天狗の柘榴さんまで同行させるの、太一にしても家に憑いた霊はよほど手強いのかもなって思わせてくれて、そして出会った霊が、また違ったパターンで相当な祓いにくさ!

家族に会いたい一心でここに居憑いている女の子なんかーっ!

みんながみんなその子のいじらしさに打たれて祓えないっていってるのがお人好しなのかなんなのか。でもってこの子の来歴聞いてみて、さらに泣いちゃう。

この家を買いたいといっていたお客さんが、この子の兄だったんですね。お祓いをしようとしている、そう聞いて血相を変えたその理由。妹がこの家で待ってるかも知れないとの思いから、この家を買おうとしてたんですね。草間みたいなオカルトマニアなのでは? とか思ってごめんなさい。でもこの兄妹の再会、本当によかった。いやもう、太一じゃないけど泣いちゃいますよね。こういう人の情の機微をうがつ描写のうまさですよ。見事に、見事にやられてしまいました。

『ちくちく推して』

ラメ入りブルゾン、ついに完成したんですね。裏地が裂けて裏地レスになっちゃったとかトラブルもあったけれど、見た目は結構しっかりしたものができました。ポケットは飾りで使えませんっていうんですけど、見た目重視、デザイン優先の衣装の場合、使えない飾りポケットも当たり前にあるから問題ないですよね。しかし頑張りました。冒頭のえりかの表情も、達成感! やりました! って感じがして、ほんと魅力的でした。

えりかとゆみち、アイドルショップに寄ってから、カラオケ店で鑑賞会やることに決めました。ここから本当に面白くって、アイドルショップで写真を選んでたら、いつのまにかえりかがいなくなってて、知らず自分の生徒、増沢愛菜に話しかけてしまっていたゆみち。

愛菜さん、いいですよね。なんか変にクールで。かと思ったら、ラメ衣装で外出してるえりかのことね、度胸がすごいとかいってるの、本当に感心してたんだ! こんなキラキラの着て恥ずかしくないですか。愛菜の素朴な問に対するえりかの答がですよ、好きなもの着てしあわせ、気分もあがるっていうの、もう見事ですよね。カッコいいって、愛菜の尊敬獲得しちゃったよ!

ゆみちは自分の生徒との学外交流に冷や冷やしてますけど、えりかはまるで頓着しないで、鑑賞会にこない? とかいっちゃって、愛菜に三沢マイ、ほんとにカラオケ店まできちゃう? 何度か穏便にこの流れを阻止できそうなポイントあったのに、絶妙なえりかのアシストがそのチャンスを潰していくのね!

これ、ゆみちとしては困るよな。特定の生徒と一緒にカラオケ店とかね、なんか問題になったらどうしよう。すごく気を揉んでるのが伝わってくる。なにごともありませんように! そう願わないではおられません。

2021年5月1日土曜日

『まんがホーム』2021年6月号

 『まんがホーム』2021年6月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』をメインに、野球がテーマでありますね、ユニフォーム姿で右手にバット、左手にドリンク持ったらいかが振り向いて笑みを見せてくれていますよ。『キャバ嬢とヒモ猫』はボンちゃんがボールになって投げ上げられていますね。『ヲトメは義母に恋してる』寿々と鈴が揃いのユニフォーム。『孔明のヨメ。』は夫妻が野球の特訓中? 月英がバットを持って、その後ろからコーチしてるのが孔明? なんだか面白い図になっています。

『孔明のヨメ。』

孫権との同盟を得るために柴桑にやってきた孔明。さっそく街に出て、市場など散策してるのがらしいといいましょうか。でもこれ、ただの散策ではない、重要な調査なんですよね。市場にていろいろお店をめぐりながら店主と話す、その内容は普通の世話話や扱ってる品についての質問もろもろにしか聞こえないのに、そこからもばっちりこの土地、この国の情勢を読み取っていくんですね。

今回は月英も同道しているのですが、月英も相当なやり手だというのに、孔明はなおも上回ってくる。月英には読めなかった戦支度の動き、それを説明されて驚くその様。いやもう読者も同様ですよね。まったくもって見事の一言。またこの調査、魯粛から得た情報の裏付けも兼ねてたんか。いやもう、この一連の描写。充実でした。

宿舎に帰ってきてからも充実ですよ。見知らぬ人物がいる! すわ刺客か、一気に緊張が高まるものの、おお、ここにいたのは孔明の兄、諸葛瑾。兄弟の再会から今は孫家に仕える兄からも情報、情勢を聞き取る機会となりまして、ああ、魯粛が劉備のもとに向かい帰ってくるまでの間にここまで切羽詰まった状況にまで追い込まれていたというんですね。

いよいよ曹操のもとにくだるのか。しかし孔明には、この状況から開戦に結びつけるべく説得しうる案がいくつかあるという。いくつか!? ほんとにこの状況への対応力、驚かされます。その案とはいかなるものなのか、それは次回を待つしかない。いやもう、なにを見せてくれるのか。これ、見せ場間違いなしですよ。

2021年4月30日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年6月号、一昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

唯月から紡を引き離すべく、舞踏会の相手に紡を指名する雪佳。一度は引き止めようとしたものの、雪佳から邪魔をする気かといわれて、手を引いてしまった唯月。はたしてこれはどう着地するのか。そう思ったら、ああ、唯月、ついに自分の気持ちをはっきりとさせましたね。

私のことも紡のこともどうでもいいと思っているんでしょう。雪佳の言葉に、違うとはっきり言葉にして伝えた唯月の思いがいっぱいになってしまっている様。雪佳とも、そしてもちろん紡とも、一緒にいたり、友達でありたいという気持ちがまっすぐに出て、ああ、そうですよ、どちらかを選ぶ必要なんてなにもなかったんです。かつて父のいいなりになった唯月はもうここにはいない。自分の気持ちを押し通していい、欲張りになってもいいんだということを、今の唯月はもう知っている。それをこうして見せられて、ええ、紡ではないけれど、見事に貰い泣きでありましたよ。

かつてのことに傷ついてしまっていた雪佳も、ずっと胸中にあったわだかまりを、その涙でもってそそぐことができたようですね。唯月の思いを受けて、紡が動いたところもとてもよかった。唯月とともにあって、そしてここしばらくは、たとえ仮初めの姉妹関係であっても、雪佳の姉であった紡の、どちらもにその手を差し延べられるポジション、それがよく生きていた、そう思わされる瞬間でした。

舞踏会の様子がしあわせそうで、実によかったのですよ。紡とともに踊る唯月。そして唯月は雪佳を踊りに誘って、ああ、旭が砂になって散ろうとしている! いや、いやいや、よかった! 唯月からのお声がかかって、旭、息を吹き返しましたよ。よかった、こうして皆が楽しくしているところ、本当に嬉しい気持ちで読みました。

『ニチアサ以外はやってます!』

ニチアサでなくても部活動休みの日があるんだ! タイトルに偽りありと苦情申し立てるあかねですけど、そうか、あかねと苺の歓迎会やるから部活休みなのか。博見にそう告げられて、しれっと苦情を返上するあかね、手のひらドリルかとつっこまれていますが、いいねえ、特撮研にドリル腕はいい塩梅ではありませんか。無骨に回転するドリルの威力、いつか目にしたいものです。

さて、まずはカラオケに繰り出そうというその待ち合わせの場面。博見と唯が制服で登場しました。学校服とか学校着という響きが地域色感じさせる? なんかとてもいい感じ。で、苺にえらいこと煽られるのな! ここでですね、オシャレに価値を感じない博見がですよ、オシャレって女子の強化フォーム、うまいことあかねにいわれてね俄然乗り気になっちゃうのがね、なんか可愛くってよかったんです。

カラオケ店でのやりとりも面白かった。そうか、あかね以外はひとりカラオケが普通なのか。あかねのカルチャーショックから、陽キャについての話に移って、でもあかねは陽キャとか知らない! 半年ROMれ、ggrks、これらが昔のことわざ扱いされてるのもおかしくって、だよなあ、今どきの人は使わんよなあ。とか思ってたら、誰も歌ってるの気にしてくれなくて、博見が冷めていっちゃうの。ちょっとかわいそう、でもめちゃくちゃ面白かったです。

その出自が違いすぎるといえばいいのか、生きるスタンスそのものが違うのか、最初は目立ったあかねと唯、苺ペアのギャップがですね、なんだかんだで楽しく過ごしているうちにきれいに埋まって、打ち解けてというのもすごくよかった。ええ、異なるバックグラウンド、文化を背負いながらも、こうして知りあって、仲良くなって、近しくなっていく様子。なにかピュアなもの感じさせて、ほんとよかったです。

『魔王の娘からは逃れられない』

ああ、最終回! でも、いい終わり方をしましたよね。自身の中二病設定で魔王の娘ルルとその周辺を騙し続けていたショーコ。でも魔王には見抜かれてしまった? なぜただの人間が強者を装っているのか。重ねて嘘でうやむやにしようとしたショーコを制する魔王の言葉。ああ、万事休す、ショーコの運命やいかに。ここからの流れ、ショーコ自身が試されることとなった状況に、ハラハラとさせられながらもきっと大丈夫という信頼をともに読み進めて、ええ、ほんといい最終回になりましたよ。

この漫画、ザルハレが本当に頼もしくって、ショーコに、ルルによかれと動いてくれる。今回も魔王に進言しようとしてくれた。騙されていたと激昂する魔物たちからショーコをかばってくれた。その献身もまた涙ですよ。そしてショーコとルル、ふたりに対話のチャンスをくれた。きっとこの時点で、ザルハレにはふたりの話しあいが悪い結果にはならないだろうという確信があったんだろうなあ。かくしてショーコは、死にたくないから皆を騙していたという最初の本音だけでなく、最初は大変だったけど一緒にいると楽しくてかわいく思えるところもたくさんあって、ルルのことを好きになれた、今の気持ちをきちんとルルに伝えられたのですね。

いい最終回でした。話しあいを終えたふたりのともにある姿は、これまで以上に強固な関係を感じさせるもので、そしてぶちかまされるルルの大威力! やっぱりこの漫画にはこれがないといけませんなあ! 感動させられながらも、なにか嬉しく、楽しくなる、そんな勢いが見られて素晴しかった。でもって、ザルハレ、どんだけ頑丈なの!? 続くショーコと魔王のやりとり、その果てに魔王がルルに吹っ飛ばされてたじゃないですか。もしかしたらフィジカル、というか防御力、魔王を抜いてザルハレが魔界一だったりするのではないか? そんなこと思わされたりしてね、いやもう、なにもかもが面白かった。

この漫画、好きでした。キャラクターが生き生きとして、楽しくて、読んでると気持ちがぐいぐいと引っ張られて、楽しい方向に向かわせてくれる。元気に、明るい気持ちになる。そんなよさに満ちていました。それはひとえに、ルルの豪快さに加えて、なんだかんだ皆と仲良くなってしまうショーコのその伸びやかな性格、その気持ちのよさのためだったと思います。いい漫画でした。もっと読みたい、そんな気持ちもあるけれど、これだけきれいに終わってくれたらもうしかたないですね。この漫画の載っていないキャラットはきっとちょっと寂しくなるけれど、ここは笑顔でお別れしたいと思います。

2021年4月29日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年6月号、昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回のカントリー少女、これほんと最高だな。秘密基地の話。かつて八重が遊んでいた秘密基地、それを千秋と椎奈に教えてあげようというんですけど、到着するまではただシンプルに面白く、到着してみたら今度はなにか過去に置いてきたものを懐かしむようなものさびしさと、変わりゆく自分を知っていく、そんな思いが交錯して、たまらんものありました。

シンプルな面白さというのは、道案内の目印、山田さんちの角を左にとか、普通にみんな目印にしてる山田さんだけど面識は皆無とかね、さらに極めつけは、自転車屋さんの角というけど、もう自転車屋はないんだ! 思いっきり更地。めっちゃくちゃ面白い。そうだなあ、自転車屋さんパターンは思い浮かばないけど、山田さんちパターンは確かにあったわ。いやほんと面白い。

そして八重の思い出の秘密基地。八重がはじめに話していたように、ただひたすらに草っぱらなんですけど、その草に消えていくおちび達。この隠れてしまえるというところに秘密基地感があるというのでしょうが、もう大きくなってしまった八重にとっては、思ったよりも低い草、印象がもうすっかり違っているんですね。

子供の頃はあんなに大きいと思っていたのに、大人になってみるとこんなに狭かったなんて、小さかったなんて、そんなこと思うことってよくあります。八重も大きくなった。その印象のまるで違ってしまったという驚きと、それに対する大河のコメント、それだけ遠くのもんが見えるようになったんとちゃうか? もう、なにかじんと胸に迫るものがありました。

しかし今回の八重ちゃん、服装シンプルなんだけど、可愛いですよね。扉絵の小首かしげてるところとか本当にチャーミングでした。

『通勤通学クエスト』

柏木、まだ車の練習を続けているんですね。先輩の車を貸してもらうのだけど、今日は先輩の姪っ子? アカリがついてきていて、あまりの重圧に柏木がパニック寸前だ! その子の命がどうなってもいいんですか? 心配してる、不安を感じているのはわかるけれど、この上なく物騒なセリフになってるよ、柏木さん!

チャイルドシートを嫌がるアカリをうまいこと丸めこんだ柏木とか素晴しかったですよね。そうかあ、お姫様か。そこからの柏木のクエスト、お姫様を無事に家まで送り届ける、なんですけど、想像の中で姫を守る騎士になってるってのがいつも以上にクエスト感を高めていて好感触でした。

そこからも余裕ないながらも、事故をおこさないよう懸命に車を運転しているの、本当に真面目で、信頼できるやつだっていうのがわかりますよね。この柏木の頑張り、きっと運転の上達というかたちで返ってきますよ。

『オネェの恋のはじめかた』

また面白い人が出てきたな! 時宗の桜子に向けた恋心を見守る、いや? 楽しむ女の子登場。火野淡子、少女漫画が大好きで、だもんだから少女漫画的展開が目前に繰り広げられるかのような時宗、桜子ふたりの様子など、もう絶品そのもの、大ご馳走ってやつで、廊下の影からハァハァいって見守ってるのな、あぶねえ、それ淡子だからいいけど、自分のようなのがやったら速攻で逮捕されるやつや。いやでも、時宗をマーガレット顔、桜子を花ゆめ顔と雑誌の傾向にあてはめていくところ、その感覚はよくわからんが面白かった。そういう淡子は何顔なのかね? あわちん、あなたも決して蚊帳の外ではなくってよ? あなただって知らず恋の舞台に立っているのよ?

淡子に、恋心丸出しと指摘されて一瞬うろたえた時宗が、一気に攻勢に出る? あの時の余裕たっぷりなところがね、ああー、これが時宗ですよ時宗。でもだからこそ、桜子の前だと全部余裕がふっとんでしまうところがねおかしくって、おかしくって、今回も桜子に制服の裾つかまれた時の動揺! ほんと見事な動揺具合ではなくって!?

こうした様。めちゃくちゃに面白いです。で、ここで気づいたんだけど、このふたりの恋模様? いや、ジャンル? を推すという淡子、これ読者視点の代行者か! うん、でも私はそんなあわちんを推します。あわちん、めっちゃいいと思います。

『とびだせT.O.Z』

学年別大会に向けて猛練習が続く陸上部。マナなんかは見事にへばってしまってるわけですが、このハードな練習に喜びを感じてしまっている茶山さん。これ、ランナーズハイとかそういうやつじゃないのん? いや、確かに若干過剰すぎるような気もするんですが、兄貴と同じカテゴリーに放り込むのはさすがにどうなのか。そう思わせて、今回しっかり読み通すと、あー、兄貴と同じカテゴリーなんだ。納得させられるというのがね、いいのか悪いのか! でもほんと面白かったです。

カトリンから誘われて練習後にいったカレーの店。辛さを選べるというんですが、店員がわりと適当で、頼んだのと違う辛さが出てくるっていうのね。それで茶山が激辛ひいちゃって、辛いのは苦手っていってたのにねー、といいたいけど、顔が恍惚! これ、エクスタシーモードなのか。これ、結構な苦痛なんじゃないかと思うけど、表情見てる分にはつらそうとは感じないな……。さらにそのえらい表情を写真に撮られて、それ見せられた時にまた喜びを感じちゃうのか……。

そんな茶山に兄貴からのアプローチ。兄貴もつけてるマスクを茶山につけさせようとするその時の茶山の顔! あれ、ほんと、兄貴の領域に踏み込んじまう瀬戸際だったんだ。あやうい子だな茶山。兄貴に目をつけられてるのがまたヤバいですよね。最高でした。

『氷室君は板野さんの事が覚えられない』

今回、結構な重要回なのでは!? 書店で氷室に手助けしてもらった板野。私の事を覚えてる? と思ったけどそういうわけではなくて、氷室にとってはただの親切ですよね。でもここからお礼をと、板野がぐっと踏み込んでいく。そこからの描写がいい感じだったんですね。

喫茶店にいったら、偶然やってきた長谷川。ふたりともに今の状況バレたくないと、ふたりして店を変えよう、そういいあうところから始まってね、知りあいにバレないように眼鏡を外して髪型変えた板野とかね、もうめちゃくちゃ可愛いなおい! 氷室にとってもよほどのインパクトだったのか、直前までお礼を断るつもりだったのに、なんかその気持ちうやむやにしてしまうしさ、そしてそこから長谷川を避け、瀬本と避けと、手をとって走り回るのが鬼ごっこみたいだっていって、なんだか楽しそうなのですね。

そこで氷室が思い出すんですよ。子供のころ、板野と一緒に鬼ごっこをした思い出。思い出の女の子、すみれちゃんが板野とは結びつかなかった、いや結びつけなかったわけですが、この思い出し、板野のことだけは思い出せないようになっていた氷室にとって、ターニングポイントとなるような大きなきっかけになったりする!?

子供のころのふたりの様子見ると、互いに意識しあったりしてるんですよね。それが板野のことを覚えられなくなったことで、今はその可能性が生じない。もしこの記憶の制限がなくなったらふたりの関係はどうなるのだろう。そうなった時、長谷川との関係は? などなど、いろいろ思わせてくれた回でした。

2021年4月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2021年6月号

 『まんがタイムきららキャラット』2021年6月号、発売されました。表紙は『キルミーベイベー』。なんと、これはプラモデルではありませんか。ソーニャとやすながパーツ分けされてランナーにおさまっています。ふたりのフィギュアだけでなく、各種表情のついた手に顔、そして武器や小物類も充実して、実にプレイバリューの高そうなキットでありますよ。ちゃんとハンドガンも2丁あるからふたりを撃ちあわせるもよし2丁拳銃にするもよし。と、あ、バナナはひとつしかないんだ。残念、バナナで2丁拳銃ができません! つまりふたつ買えばいいってやつですね!

『まちカドまぞく』

台風接近。ばんだ荘が危ない! というので、フィジカル強くない組は桃の元住居に避難、フィジカル強い組はばんだ荘を守るためアパートに残って台風を迎え撃ちます。

しかし、このバタバタの状況で、やたら重要な情報がドバドバ出てくるのがものすごい。アパートを守っていた結界が失われてしまってることを知ったシャミ子の母が、結界の張り替えを依頼すべくファックス送っていたその先が暗黒役所。なんと魔族には戸籍がなくて、暗黒役所がそのへんをうまくとりつくろってくれているというのはいいとして、なんですと、良子も戸籍なかったの!?

まったくもって予想外だった。シャミ子にしても人間としての戸籍は普通にあって、そこに魔族としての登録をすべく暗黒役所に届出をしたとか、そういう話なんだと思っていたのですけど、もしかしたら自分のこの理解が根本から間違っていた!? いやもう、魔族との共存を実現しているこの町の秘密、それが一気に明るみに出てきそうな進展具合。だってさ、あんなのが屋根裏、というか屋根に隠された秘密の小部屋に保管されているだなんて思いもしない展開だったわけですよ。いやもう、予想外、予想外の連続です。

『RPG不動産』

まったくもって、こちらも予想外。魔族の残党がファーを担ぎ上げてかの戦争のやりなおしをしようと画策していた。そう思わされていたこの前提からが崩れてきましたよ。しかも、すべて問題は解決し、平和な日常に回帰していこうとしている、そんな雰囲気に安心を感じていたところにこれでしょう。本当、驚かされました。

今回の物件探し、というか困りごとの解決、その顛末は本当に面白くて、また琴音が図鑑好き、植物好きというのがわかって、なんだか親近感覚えたりしたりしていたのにですね、最後の最後に本当に予想外の展開がやってきて、これは見事といいましょうか、参ってしまいましたよ。

戦争は終わった。そう思っていたところが、実はそうではなかった? サトナの兵士に追われるアリスの姉、セレニア。満身創痍の彼女からアリスにもたらされた情報は、ほんの一年前の故郷の姿、燃える街の様子であったのですね。戦争は終わっていない。ただ人の世界においてこそ戦争は終わったと伝えられている。これ、戦争終結というのは欺瞞情報なのかな。この真実をサトナは知っているのか。あるいはそれこそセレニアの情報こそが欺瞞? またはなにか人と魔族の間に誤解ないしが? 対立を生み出そうとする第三の勢力があったりする!?

わからない、ほんとにわからない。しかしこの情報を得てアリス、動いてしまいました。ファーを呼び出し、その身を確保し、走るは姉、セレニアの元!? しかしアリスよ、こういう時こそ仲間に相談だ。RPG不動産の皆なら、話せばわかってくれたかも知れない。助力も得られたかも知れない。ほんと、事態はより困難な方向に流れていこうとしている、そう感じさせられて不穏であります。

『かぐらまいまい!』

お姉さんの姿が見えなくなってしまったことにうろたえるこふくと、その悲しさに寄り添う美夜。思い出されるのはこれまでのお姉さんとのこと。あの時、この時、お姉さんが助けてくれた、多くを教えてくれた。そう語りあっていたその果てに美夜の気づいたこと、ああ、ノートに残されたメッセージ。そこにこめられたお姉さんの思い。そこに思いを馳せることのできたこと、そしてこふくを追ってきてくれた部の仲間、ミコトからのちょっと荒っぽいはげましに、ああ、こふくも顔をあげることができましたね。

たとえその姿が見えなくとも、神様を信じる気持ちは同じ。不在であれど、私たちとともにお姉さんはあるのだと、そう思わせてくれたミコトとカンナの言葉はやさしくて、そして強さを感じさせてくれた。これは、この子たちがこれまでともに御神楽に取り組んできた中で育んできた信頼や共感があってのことなのだろう。不思議なお姉さんのことも思いをともにして、身近な存在としてそばに感じることのできる、それほどに気持ちを通じあわせてきたのだろうこと、よくよく描かれていたと思うのです。

次号、最終回。今回、万感の思いをともに舞ってみせた彼女たちが、その先に見出すものがなにであるのか。それを知ることができるのでしょうか。そこに幸いと安寧があれば、どんなにか嬉しく思うことでしょう。彼女らによき日の訪れることを願わないではおられません。

2021年4月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2021年6月号

 『まんがタイムオリジナル』2021年6月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』がメイン。これは民族衣装で民族舞踊? 山下さんはチェックのスカートで元気にステップ。スコティッシュ・カントリー・ダンスかな? なんかはつらつとした印象があって、山下さんによく似合ってる! 素敵ですよ、ほんと。『小森さんは断れない!』しゅりはというと、タヒチダンスかな? 腹筋がえらいことになってる! 『らいか・デイズ』らいかは、これどこの衣装だろう、可愛いですよね。これも踊りなのかな? ペルーとかそのへんの気がする。ほんと、似合っててすごくいいです。

『となりのフィギュア原型師』

飯塚イスカ、再登場。めちゃくちゃ面白い。3Dプリンタを更新したので、古いものを譲ってくれる。というので心待ちにしていたら、飯塚イスカ本人が持ってきた。というか、わざわざ宅配で送ったのを工房前で受け取って、玄関チャイムを鳴らしたのか。なかなかの策謀。この手口で荷物を略取されたら、宅配便、結構な被害者だな……。

ともあれ、突然工房にやってきた、ボディコンシャスツナギの女。最初はどう対処していいのかわからず、視線もあわせられなかった半藤が、そのツナギに隠された特殊な構造を知った時、一気にモデラーの好奇心が点灯する! なんだ、ちょっとかっこいいぞ。

今回は代表が連続涙目回でしたね。イスカには出し抜かれ、かつて自分がけしかけたのが災いしてせっちゃんにも先を越されているというこの惨状。ほんと、この代表の純朴なのか駆け引きが下手なのか、出遅れてうろたえまくる様子、面白いやら可愛いやらで最高だったと思います。

それと3Dプリンタの構造とか、これも面白かった。そうか、光造形ってそうやって作るんだ。ほんと面白くってタメになるいい漫画です。で、出力完了するまで6時間かかりますか! すごいな。ほぼ一晩ってとこだなあ。こりゃあなかなか簡単ではないですよ。

『おしかけツインテール』

花梨と八重、俊郎の3人で海にいきましたよ。花梨、水着もいい感じですね! と思ったら、八重さん、えらいの着とるな。どえらい攻めた水着やないですか?

今回の俊郎の語ったこと、それがね、なんというか、よかったなあ俊郎さん、そう思わずにはいられない、そんな感情もよおさせてね、そうか俊郎は花梨たちとの暮らしをきっかけとして青春のやりなおし? あるいは人生の生きなおしみたいなことをしとるのかなあ。どうせ海なんて楽しくない、そう思い込んでずっと生きてきたのが、今日のこの経験で塗り替えられたっていうんです。

海楽しい、皆でわいわいやるの楽しい、一緒に食べるお昼もおいしい。そうした感覚。そこに夏を舞台としたジュブナイル映画の話題が加わって、ほんと、俊郎、泣くなよ。でも気持ちはわかるんだよ。ほんと、自分がこの立場にあっても泣いてしまうかも知れない。いずれくる花梨や八重との別れ、そうしたことも手伝って、この場面はなかなかにずしんときましたね。

『Dr. こよりの美味カルテ』

前回、論文の研究のっていってこよりと対立的だった新里優樹菜。またも登場。とてもいい感じではないですか!?

この人、ユキナ、いろいろ言動が災いして誤解されるタイプなのかも知れないなあ、というのは前回の論文のことと今回の気まずい発言、ふたつあわせての感想なのですが、だってね、こよりに論文論文っていうのは、こよりの能力を買ってるからなんじゃないかって。そして患者と会うと気まずい発言も、決して人づきあいが悪いとか嫌な人とかいうんじゃなくて、患者の予後によっては気まずいという、共感のこもった発言だったっていうのが描かれるでしょう。ちょっと損するタイプだなあ、とは思うけど、今回、研究ばかりでない、治療者としての表情も見せてくれたこと、そしてそれがこよりのユキナに対する印象も変えさせたこと、それがつくづくよかったと思わせてくれました。

しかし、今回描かれた食道アカラシアの人。食道が狭窄して食事ができなくなるんだそうですが、手術かバルーンを使ってなお普通に食事ができるようになるのに3年かかる。この闘病の時間的スケール、大変だ! っていうのもあったし、けど同時に、3年前の回想ではあんなに痩せ細っていた人が、今再会した時にはずいぶん肉付きもよくなって、恢復してる! それがわかるように描かれてるのはさすがだなあって。

一口に医療といっても、その関わり方、携わるその思いにはいろいろ違いがある。でも、スタンスこそは違っても、共有できるものがあったり、同時にわかりあえないこともあるんだと思うんですけど、そのわかりあえなさがひとつ克服された。今回描かれた関係は、理想的かも知れないけど、それゆえにまたよいと感じられるものでした。

『敷金礼金ヤンキー付き』

たえが見掛けた、アパートサンライズ荘を遠くから眺める女性。いったい何者だろう。入居希望者? この冒頭に描かれたこと、たえの発想はどこかポジティブで、反対に大家のそれはリスクも含めたシビアなものだというの。これは育ってきた環境が違うから、というのもあるだろうけれど、常にポジティブがよい、正しいわけじゃないということを突き付ける展開が待っていること考えたら、結構象徴的な描写だったんじゃないかと思うんです。

今回、七恵の家庭環境が語られたのですが、それが結構ショッキングなものでして、母に殴られて育ってきた。父親は不在。姉は殴られてる七恵を見ても無関心。あまりのことに、たえも絶句していますね。なぜ母親が七恵につらく当たるのか、たえにはそれがわからない。いや、七恵にもわからないんでしょう。父親似だからじゃないかな、さらには血がつながってないんじゃないか。笑って話すんですが、ある意味、家族関係を割り切って、自分の中から差っ引いてしまっているように見える。そうでもしないと、きっと、七恵はここまで生きてこられなかったのかも知れない。うん、やさぐれるのもしかたない、そう思わされる話でした。

七恵の身の上を聞いたたえの反応。これだけでこの子が、物事をまっすぐに見て、信じられる、そんな環境に育ってきたことがわかる。いつか和解できるかも、だって家族なんだから。たえの家というのは、そうした信頼のできる家庭であったんだなあ。だからこそ、そうでない家があることを想像できない。その、たえが想像の及ばない世界に関わってしまった今回。胸が痛むなんてものではありませんでした。

冒頭の謎の女性、あれは七恵の姉ではないか。七恵のことを心配して見にきたんじゃないか。そう思って、その女性のもとへと向かうたえですが、この時、やめろ、やめてくれ、そんな気持ちでいっぱいになって、だってよく知らない他人の家庭問題に首をつっこむもんじゃない、きっとよくないことがおこる、そう思わないではおられなかったから。そして、本当によくないことがおこってしまって、こんなの、こんなの、たえでなくとも泣いてしまう。

七恵の姉、ただの無関心だったらどんなにかよかったでしょうね。けど、無関心どころか悪意、嫌悪がここまであからさまにされた後だからこそ、むしろ様々な個性、あり方を受け入れるこの場所のよさが際立つこととなって、こんなの、たえでなくとも泣いてしまう。

サンクチュアリという概念があります。傷ついた人を迎え入れ保護してくれる安全区。このアパートはサンクチュアリだったんだなあ。このこと、大家はわかっていそうな気がする。無茶ばっかりやってる人だけれど、こういうとこ香緒里はなぜか信頼できる気がします。

2021年4月26日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号、昨日の続きです。

『さよなら幽霊ちゃん』

絵は可愛いのに、なんて不穏な漫画なんだ。本ごしに手を突き出してお手本なる一発芸はいいとして、その後のねこみみ、こいつがヤバい。幽霊のゆーちゃん、自由にものを掴んだり、あるいは透過したりと、ある意味自在であるのですが、とうこの頭部に両手を貫通させてねこみみ! 見た目は可愛いけれど、ゆーちゃんの加減によっては大変なことに!

ここからのゆーちゃんの言動、それが本当に不穏で、脳をすり抜ける背徳感って、いやな感覚だな! それにすごくあったかいって、触覚はあるのか。それだけにとうこからしたら、不安で仕方なかったろうなあ。さらに加えて、とうこの脳をくちゅっとやってさとか、無茶なこといいやがんの。でもなゆうさん、そしたらあんた、とーことずっと一緒かも知らんけど、長い介護生活の始まりかもしらんのやで? やめとけ、やめとけ。おかしなこと考えちゃあいけないよ。

雨の日は、こんな具合に幽霊のテンション、ちょっとハイになっちゃいますか。でも、ちょっとハイになったからって命や健康に影響しかねない言動やらかしてもらっちゃあたまったもんじゃないですよね。ほんと、可愛い絵柄で不穏な漫画。癖になるものありますね。

『ねことちよ』

先日の高尾山登山の様子、写真をふみに見せました。可愛いと好評、他にもまとめたりしているんですか? この言葉がちよの心に火をつけちゃうのがおかしくって、ちよ、めちゃくちゃに前のめり。こんなにぐいぐいくるちよを見るのははじめてのような気がする。もうほんと、ねこのこと大好きなんだなあ。

ひとり、ねこのアルバムを見てたふみがですね、もっと昔のアルバム、ちよの写真を見つけちゃうんですね。ちっちゃなちよ! うわあ、めちゃくちゃ可愛いなこれ。でも気持ちはわかるけど、こっそり写真に撮っちゃうほど!? これ、ふみがやるから合法だけど、自分のようなのがやったら逮捕されるやつだ。ともあれ、子供の頃のちよの愛らしさすさまじく、そしてさらに気になる写真。あ、大きなねこに小さなちよが抱かれてる。これは、これはいったい?

普通に考えると、これ、ねこの母ですよね。ずっとこの漫画で謎だったこと、あえて語られてこなかっただろうこと、ちよとねこの関係、それが語られる時がきたのかも。いやほんと、結構な核心!? ねこの母が自分を可愛がってくれたように、ねこを可愛がってるとかそういう話なんでしょうか。だとしたら、このねこの母は今いずこ!?

ああー、次回が待ちきれないやつですな。ほんと、こうしたこと、語られることはないんじゃないかなんて思っていました。それだけにほんと心待ちです。

『あいらいく俳句』

うおおお、これはほんとヤバいなあ。絵面からしてヤバい。没落した凛花の家を助けるために、あいがネットに出品した穴開きの靴下。それを落札したあいの父がですよ、ずっと匂いを楽しんでるの。うん、ヤバい。絵面からしてヤバい。理解しがたいヤバさがある。と、そのヤバさを目撃しているのがクソ先生。うう、この人もヤバいよなあ。この漫画、ヤバいやつが多すぎない?

靴下の匂いをかいで娘にあいたい気持ちが抑えられなくなった父。学校へと向かうのですが、その途中の状況もヤバくって、クソ先生が満員電車であい父に痴漢はたらいてるみたいになっとるよ!? ヤバい。ほんと、ヤバい。いやもう、この漫画、相当ですよ。

あいの父、そういえばわりとわびさび部の面々と交流ありましたね。うさこからは怪しい人、おにぎりからはうさこのストーカー、そして今まさに凛花からあいの靴下の匂いを楽しむヤバいやつ認定がくだって、いやまあその認定も仕方ないのかも、なんて思った矢先にあいとの感動の再会シーン! いやもう、この落差、なかなかについていきがたいものあったよ? でも、この場面はいいよなあ。友達からは最高に不審がられてるわけですが、いやもうほんとここから感動に向かっていいのかな。

次号、最終回なのだそうです。まさか、そんな、正直ほんとに驚きました。いや、だってね、凛花の家の再興、ならないまま終わるのかい!? でもこの漫画が当たり前に家族が揃って大団円とかやらないと思うんですよ。ほんと、ラストになにを見せられるのか、ちょっと覚悟しながら待ちますよ。

2021年4月25日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2021年6月号、一昨日の続きです。

『観音寺睡蓮の苦悩』

見事赤点をとってしまった紫陽花。かくして睡蓮に泣きついて勉強を教えてもらおうというのですが、勉強する場所はどこにしようという段で、睡蓮の天敵である紫陽花の妹、林檎との遭遇を怖れて紫陽花宅を却下。睡蓮の住まいに紫陽花、椿のふたりを呼ぶことになるというのですが、睡蓮、どれだけ林檎のことを苦手にしてるんでしょうね。

しかしですよ、睡蓮の部屋、ヤバいんか。百合蔵書にあじつば上映に百合プロファイリングって、あんた、そんな部屋で寝起きしとるんですか。しかもあまりにこれが当たり前になりすぎていた? 紫陽花椿が実際訪れるまで忘れてしまっていたというんですけど、いやいや、別に自室に通す必要ないじゃん! こんだけ広い家なんだから部屋くらいなんぼでもありますでしょう。でもあえて自室に通す。というか、有能なメイドたちが既にその前提で動いていて、蔵書他コレクションは隣室に退避。というか、最初から隣室を使おうよ!

今回は睡蓮が自室で繰り広げられる紫陽花と椿のイチャイチャと、いや、それイチャイチャなのか? 視覚情報が脳に達する前に書き換えられとるんじゃないか? それから椿が自分も推す百合漫画の読者だったことを知って暴走する、そのくだりが見せ場で面白く描かれていたんですが、私としてはメイドのレルの受難が印象深かった。あまりのことに退職が脳裏によぎってる彼女ですが、睡蓮からの特別賞与、こいつが考えを改めさせるのかな? しかし、レル、完全に労災ですよね。本当にお気の毒でした。

『スローループ』

今回は狩猟編ですね。楓の狩猟にひよりが付き添います。鳥打ちですね。銃は散弾ではなくエアライフル。肉へのダメージを最小限にできることと、恋の店に羽を卸す関係から、コンプリートスキンっていうんですね、首の羽毛を使うから極力ヘッドショットで仕留めてほしい。なるほど、冒頭で見学ずみの小春と恋が話していたヘッドショット、こうした事情からあえて狙っているんですね。

今回の猟の描写。雉を見付けて、車の窓からライフルで狙い撃つ。その一連の様子を見て、なんだか可哀そうという気持ちがわいてしまって、それと同時に、普段の魚を釣ってさばいて食べる、それとどう違うというのか、自問自答する瞬間があったのが自分のことながら印象的でした。

また楓の周到さ。狩猟の様子をなるたけ人に見られないようにしたい。違法ではないけれど、銃を持ってる人間を不審に思われてひとたび問題化すれば、猟禁止区域になってしまうかも知れない。釣りとはまた違う、よりマイナーな狩猟の事情というものも見えてきて、なるほどと学ぶところの多い話でした。

『球詠』

新越谷と深谷東方の試合です。深東のピッチャーはノビのいい球を投げてきて、その攻略はちょっと大変そう。プロのスカウトが注目してるピッチャーなんですか。なるほど強敵なわけですね。

この漫画の面白みは、そうした相手選手のいろいろについて、様々な目から見た分析的な評価がわかりやすく示されるところでしょう。今回は光が打席で感じたこと、相手投手の配球のパターンからストレートとカーブの特徴など、端的に解説されて、それがあるからこその後の展開が納得を持って飲み込める。ええ、野球に明るいといえない私のような読者にもやさしく、だからこそ面白く読めるというんですね。

一巡目、ゴロを打てたのは息吹だけだった。その理由が芳乃から説明されて、そこから導かれる白菊の優位性ですよ。さらにここから左打席に転向した稜に繋がっていく。相手方のエラーは予想外ではあるものの、それでもこれまで彼女らが取り組んできたことが、実際に点に結びついていくというこの流れは、ずっと読んできたからこそぐっと胸に迫って感動的でした。ほんと面白いんですよ。

『ちょっといっぱい!』

もみじと凪を訪ねて学校までやってきたエリカ。ちゆりのお疲れさまパーティをサプライズで開きたい。その相談にやってきたというのですが、これがですね、もみじたちがこれまでちゆりと共に経験したこと、それを思い返させるきっかけとなって、さらにはもみじにとってちゆりがどういう存在であったか、それを改めて意識させることになって、素晴しい。

ああ、もみじをこはる屋に引き入れたのはちゆりの勘違いがもとでしたね。もみじの、ひいては彼女たち皆の物語の最初のページを開かせたのがちゆりであった。そのちゆりが卒業するの、感慨深いですね。そうか、この卒業はちゆりにとってもひとつの区切りであるかも知れないけれど、もみじたちにとっても、そしてこの漫画、物語にとってもひとつの区切りとなる出来事であるのかも知れません。

エリカがちゆりのためにパーティを開いて送り出そうと思ったその気持ち、ちゆりとの入れ替わりになってしまう自分が、少しでもちゆりとの思い出を作りたい、そんな思いを口にしたところ、それがまたよかったのですよ。ちゆりのための会である。けれど、ちゆりのためだけじゃない、自分のためでもあるのだということで、もみじや凪に気を使わせたくなかったのかな? いや、そうじゃないな、きっとこの子の本心でもあるんだろうな。

そしてこんなエリカを見て思うもみじの胸中、それもまたこの子のこれまで、積み重ねてきたことの先に生じる思いなのだと思うと、それもまた感慨でありました。ほんと、ちゆりの卒業が引き起こすいろいろ、その折々につのる感慨。読者である私にとってもひとつの区切りであるようです。

2021年4月24日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2021年6月号

 『まんがタイムきららMAX』2021年6月号、一昨日の続きです。

『留東さんには敵いません!』

体育祭! というので、扉絵、えらいがんばってますね千紘さん。本編ではなにがどうあってもありえないだろう格好で、なんてったってへそが出ている。でもなんだろう、とても可愛くて似合っていると思います。いや、そういわれてこの子自身嬉しいと思うかどうかはわからんですけどさ。

さて、本編ですよ。そうか、体育祭となるといつものように授業中、前後の席でこっそりやりとりなんてできないから、ふたりの交流、ほぼ不可能になるんだ。うっかりタオルを渡したら、それだけで千紘サイドからも留東サイドからも疑念が呈される。そこからの苦しいいいわけ、ふたりともに焦ってるその姿、なんだかちょっとレアなもの見たように思います。

今回は千紘サイドのオタクコミュニティ、陽の光のもとではゴリゴリに削られる彼女らだけど、わあわあやって身体動かすのは楽しいっていうのね。その頑張ってる姿? のびのびとして素敵でした。角眼鏡の彼女が可愛いと思います。

そして千紘が負傷してからのこと。間違えて誰もいない保健室にいってしまった千紘を見て、留東が追ってきてくれたんだ。ほんと留東のこの千紘に向ける感情、なんなのだろう。素直になってはいけない理由がある? ともあれ、ふたりのやりとり、おそろいの指輪だなんだいっちゃってね、留東は千紘のこと大好きだなあ。いやもう今回は千紘優位といってもいいのか、ちょっと弱った留東が見られて、でもそんな彼女も保健室で回復できたみたいですね。めでたしめでたしです。

『いのち短し善せよ乙女』

おお、おお、今回の一日一善アイテムはウェディングドレスですか。胸小さいとかエリカがゆうてますけど、いいじゃないですか、アドバンテージですよ。

しかしこのドレス姿。宅配便の受け取りにドレス姿で出てみたり、猫ちゃん探すのにドレス姿で街中うろうろしたりと、ほんとなかなか見られないぞこんなの。と思ってたら、ちょうど花嫁を探していた新郎と遭遇!? そんなこと、まずありえないよね!? 見栄を張って結婚秒読みの恋人がいるんだよっていってたら後に退けなくなりましたか。それで相手もいないのに結婚式。困りはてていたところでドレス姿の乙女に出会ったというんですなあ。

ここからの展開。新郎がだんだん調子にのっていくのな! うん、こういうところ、実にこの漫画らしいと思う。当然のようにキレる乙女! でもそれがね事態を好転させてね、嘘に嘘を重ねてもよくないよ。というか、新郎、実の親からも友人たちからも、見栄張って嘘ついてること見透かされてたんじゃん! だからこそといっていいのか、こうして駄目なことは駄目っていってくれる乙女のこと評価して、感謝してくれて、また父と息子も見事にわかりあってね、なんだこの救われたような気持ち! ええ、実にいいシーンだと思ったんです。

今回の乙女、本当にチャーミング、素敵なお嬢さんだったと思います。最後の最後までエリカは乙女のこと胸がないとかいっちゃってますけど、いいじゃないですか、アドバンテージですよ。というか、今回、本格的にエリカはなんの役にも立ってなかったですね。うん、通常運転ですね。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

今回は夏生の仕事に焦点が当たりました。人に害を成す妖怪を取り締まる仕事、妖異対策課。人を襲う巨大犬の通報を受けて捜査をする過程で出会ったのが、大きな犬を連れた女の子。人を襲ったのはその犬かと問えばそうではないと少女が答える。人を襲っているのは別の個体であるというのですね。

送り犬の話は聞いたことがあります。たしか転んだら駄目なやつですよね。調べてみたら、なるほど長野県には送り犬に加えて迎え犬の伝承があるのですか。人を守るのが送り犬で人を襲うのが迎え犬。この子はその2種の妖怪に関わりを持ってしまったというのですね。

この漫画では、これまであまり描かれてこなかった妖怪の脅威。それが今回は明確な危険性をもって表現された。迎え犬が夏生の銃撃によって退けられる場面、殺害といった直接的な描写こそはなく、煙のように消えた、生存の可能性をうかがわせるようなものであったのですが、場合によってはこうやって排除せざるを得ない、そうした存在の住む世界に彼らは暮らしているのだと示されたのは大きいなあと思わされました。

妖怪に戸籍を与え人と同等の権利を保障する社会。どうしても怪異戸籍課がいいもので、妖異対策課、すなわち夏生はわからず屋みたいに見えてしまいがちだったのが、そうではないのだよと、妖異対策課の仕事もまた社会に必要とされて存在しているのだよ、そうしたメッセージを感じるエピソードでした。この世界に対する理解が深まる、そうした感触が得られてたいへんよかった、しっかりとした重みをともに伝わる良質なものありました。