2024年11月4日月曜日

『押しかけギャルの中村さん』

『押しかけギャルの中村さん』、今月分を読みました。

『押しかけギャルの中村さん』

第54話

中村の、秋山のことお婿にもらってあげる発言その後ですよ。

秋山もわかってるんです、この状況を利用すれば中村と新たな関係に進めることを。今なら抱きしめたとしても拒否されることはない。中村に思いを寄せる秋山としては、絶好のシチュエーション。普通だったら、強気で押してゴールイン。ふたりはつきあうことになりましたで、ハッピーエンドにも持ち込める。

でもそうはしないのが秋山なんですね。この自制心よ! 中村に手を伸ばしたい、その気持ちを自身自覚しながら、圧倒的な優位を理解しながら、それでも関係を前に進ませない。でもそれは秋山に意気地がないからではなくて、第一に優先するのが中村だからというのがすばらしいなって。ほんと、こんなにできた人間いやしないでしょ。自分を優先しない。今後の気持ちの行方も考慮にいれて、中村を一番に考える。流されない、つけ込まない、後悔させたくない。

秋山がこういうやつだから、この同居を安心して見ていられるんだなって思わせられました。

で、ここから思い悩む中村のターンですよ。よりにもよってウテナに相談もちかけた! 大人の冷静で公平な意見を求めてというんですが、気をつけて! その人はただ大人なだけで、冷静でも公平でもないよ!? あくまでも友達の話という中村だけど、ウテナにはまるっと全部バレていて、駄目だ! 速攻で1キャラロストしてる! さらには通話に気づかず秋山乱入。必死でごまかす中村だけど、やっぱり駄目だ! 2キャラ目ロストしているぞ!

ウテナは二度死ぬ!

でもウテナの穏当なアドバイスのおかげで、中村にはいい指針が得られたようですよ。たとえそれがウテナの状況引き伸ばし策だったとしても、状況に流されてではなく、穏やかな気持ちで確かなこたえを中村が見出す、その一助になったのだとしたら、たいしたグッジョブだったと思います。

2024年11月3日日曜日

『まんがホーム』2024年12月号

 『まんがホーム』2024年12月号、昨日の続きです。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

長いのは病院の待ち時間。それは動物病院でも変わりなく、と思ったら、診察が長引いてるのではなくおしゃべりが長い飼い主さんがいたためなのか。先生の会話下手がゆえに、うまくおしゃべりを切り上げられない。これは問題だなあ。どうやって解決するのだろう。

やる気を見せるキョウスケに期待するも、問題の永田さん、キョウスケにはまったくなびかないんですね。そのあたりの状況、飼い犬のペコちゃんがめておに説明してくれて、そうか、永田さん、夫を亡くして息子も家を出て、さみしいんですね。でもそれで先生をずっと独占ではたくさんの人が困るから、なんとかキョウスケに乗り換えてくれへんもんかなあ。

と思ってたら、まさかのあおいが救い主となってくれて、よかったよかった! はいいんだけど、まったく状況が飲みこめていないあおいよ! ほんと、めでたしめでたしなんだけど、誰かはやいことあおいに説明してあげてください。

『座敷童子あんこ』

うわー、幸太、学校ではモテモテなんだ! 弁当を忘れた日のことですよ。たまたま偶然弁当を多めに作ってきていたクラスメイトの飯作が幸太にわけてくれるっていうんです。その弁当にはKOUTAの文字! いつ幸太が弁当忘れてもいいように、毎日準備していたというのですか!

おお、幸太、モテモテじゃなあ。つまりはこれからは、飯×幸を期待していいというのですか!

そして続くお弁当。重箱三段重ねでお弁当を持ってくる小娘! いつもこんなに食べるのかと思ったら、いつ幸太が弁当忘れてもいいように、って、用意周到な連中が多いな!

かくして弁当をあんこに食われても問題なかった幸太です。さあ、ここでどちらの弁当を選ぶのか。それが問題ですね!

ところで、マッスルあんこ(★ノーマル)大好きの彼。はいいとして、★★レアのあんこ、これまで出てましたっけ!? 全然記憶にないんですけど!? 私が忘れただけですか!?

『歌詠みもみじ』

もみじ、金欠です。すべてはもみじのおこづかい管理がなってないのがいけないのですけど、お昼ごはん食べるにも事欠くのは問題です。

現在の手持ちは252円。これで10日をしのがなければならない。この苦境をまりながまったく理解しなかったりするところ。さすがは上流の人だ! 対してもみじはすっかり取り乱してしまっていて、千恵がいろいろ確認してくれたら、やっぱり悪いのはもみじのむだづかいと判明する。

もう完全にもみじ立つ瀬なしです。

おこづかいの前借り、あのママさんだけあって相当に厳しいってのがおかしくって、利子もそうだけど、手数料めちゃくちゃ高くない!? このお母さんの娘なのに、もみじは浪費家というの、最後までなおってないのが実にらしくって、こういう部分はお父さん似なのかも知れませんね。

2024年11月2日土曜日

『まんがホーム』2024年12月号

 『まんがホーム』2024年12月号、昨日の続きです。

『へなちょこお嬢さん世話焼きオネェさん』

満員電車で出会ったうずちゃん。この子、かわいいなあと思っていたら、まさかのスリをとっつかまえる! すごいな、うずちゃん。でもさすがにちょっとびっくりです。

うずちゃんとスミレのこの遭遇。スミレの目立ちたくない気持ちとか、ちょっとネガティブ、内気な部分がよく描かれていたと思います。しかしうずちゃんの行動、いろいろ変わってる! ワンピースを返すために毎日持ち歩いていたの!?

そのワンピースをめぐるやりとり。返さなくてもいいというの。けれどまた着たくなったらいってくださいね! こうした気持ちの変化も受け入れてくれるうずの発想がスミレの心を慰撫するところ、本当によかった。決めつけられる窮屈さからも、あり方をはっきりしなければならないプレッシャーからも自由になれるスミレ。

うずとの対話の場は、スミレにして発見の連続なんですね。

『ガチ恋カウント2.9』

プロテストを目前に、将来についていろいろ考えるリコ。プロになればファイトマネーで生活できるんじゃないか? そうした甘い展望に釘を刺していくえれめんつリーダーにしてチャンピオンの虹光リズム。ルルにいい影響を与えてくれたリコのこと、気になって会いにきてくれたんですね。

ファイトマネーだけでは暮らせない新人時代。けれど、えれめんつなら育成に人気獲得など、いろいろサポート、メリットがあるという。デビュー直後のリコを支える、そうした約束をしてくれているようなものなんですが、けれどリコにはメイデンしか見えていない。メイデンとタッグを組みたい!

でも、今のメイデンは様々なことに一線引いている。王座争奪戦、仲間との連携もそう。そうした変化の影にかつてのタッグパートナーの存在があると聞いて、穏やかでないのがリコです。しかもリズムがメイデンの元タッグパートナーのこと、忘れられない恋人みたいだなんていっちゃったもんだから余計ですよ! リコ、リズムの肩をつかんで迫っちゃって、それを見たメイデンが、また誤解を招く一言を!

この誤解が誤解を、さらなる勘違いを広げていく状況。本当におもしろかったです。リズム、メイデン×リコと勘違いしちゃった!? そしてメイデンの山田さんに対する誤解の行方は!? ほんと、あらぬところで大混乱です。

『うちの秘書さま』

お絵描きセットを買った七瀬。これから絵をはじめるんだっていうんですけど、ああ、この人、かたちからはいるタイプなんだ! 実際に描かせてみると、すごく微妙なのが出てきてしまった!

今回のおもしろポイントは、皆の描く絵ですよね。メイドたちの描くはじめの絵。あの、もこふわはじめ様はかなりよいのではありませんか!? さらに田中さんのリアルタッチ動物! 植木造形だけでなく画力もあるというのですか! 実際、七瀬の似顔もかなりいい雰囲気出していて、さすがですよ、田中さん!

七瀬の絵は残念。残念美人としてのポイントを増やした七瀬でしたけど、静物画、あれはよかったのではないでしょうか。不得手がある。なら、得意を伸ばしていけばいいんですよ! だから七瀬は絵をあきらるんじゃなく、静物、抽象メインでがんばってほしかったなあ! と思ったエピソードでした。

2024年11月1日金曜日

『まんがホーム』2024年12月号

 『まんがホーム』2024年12月号、発売されました。表紙は『孔明のヨメ。』。柿を集める孔明、月英夫妻です。秋といえば柿。ということで、この柿にまつわる話題、目次横の四コマでも語られておりまして、さあ今ふたりが持っている柿は渋柿でしょうか甘柿でしょうか。きっと現代の柿ですね。他に『へなちょこお嬢さん世話焼きオネェさん』、『かわいいユミくんとオドオド尾堂くん』。鍋に焼き芋、秋の味覚を楽しむカットがございます。

今月は新規ゲストが1本です。

『幻のファイブスター』

サブタイトルに異世界ケーキ店。人間だけでなく動物に似た異種族の住まうこの世界で、ケーキ店を営む主人公です。けれどその立地がよろしくない。皆は口を揃えていうのだけど、ケーキ店の店長にはこの場所でないといけないわけがある。それは、ここがかつて店長の両親が営んでいたケーキ店だから。はやくに亡くなった両親の後を継ぐべく、パティシエとしての修行を積んで、ようやく同じ場所にケーキ店を開くことができた。

そんな店長の意気込みとは裏腹に、お客がぜんぜんこなくてこのままだと潰れそう。かつて繁盛していた店なのに、愛嬌がないのが悪いのか、あるいは知られていないせいなのか。まずは知ってもらうべくチラシ配りをするものの、誰もチラシをもらってくれず、うちひしがれる店長の前に、手伝いを申し出る若者が。

この愛嬌ありそうな青年が店長のピンチを救うのか。まずは店が軌道にのる、そのための一歩になればいいですね。

『孔明のヨメ。』

周瑜を激怒させた劉備の人事。いったいなにごとだったのか。抗議のために公安へと向かう魯粛ですが、なかなかガツンと強気に出られない状況が次々と明かされて、すっかり出端をくじかれています。けれどいうべきことはいわねばならぬ。どういう了見かと劉備、孔明に問えば、すらすらと答が返ってくる。

いわく、曹操対策。さらには、周瑜の立場を守るため。すっかり魯粛の怒りはいなされて、むしろ気づかいに感謝するほど。

でも、こうしたやりとり、今回の怒りも和解も、すべて荊州に劉備陣営の拠点を確保するため。むしろこうした揺さぶりがゆえに、無下に劉備たちを追い立てることもできなくなったように見える。となれば、一度は怒らせ、その後なだめるこのすべてが、孔明の策だったのでしょうね。

そう考えると、今は同盟のかたちをとりながらも、いずれは荊州すべてを掌握しようと狙う周瑜の思惑など、決して簡単にはいかない他勢力とのバランスを際どいところで保つ。そうした労の思いやられる顛末でした。

『はなまるゲーセン飯!!』

得意のはずのリズムゲームが不調で悩む田貫くんです。簡単なところ、なんでもないところ、普通にできてたはずのところで失敗してしまう。それですっかり落ち込んでしまって、それはそれは沈んでしまっていたのですが、そんな田貫を元気づけたのが園香の父でした。

エアホッケー台の修理が完了。テストプレイに落ち込んでる田貫を誘って、そうしたら見事にボロ負け。そうか、田貫は動体視力がいいだけに、エアホッケーも得意なんですね。で、ここからが樺恋の見せ場です。自信たっぷりに登場して、田貫に挑む樺恋。けれどやっぱりボロ負けして、ああ田貫に勝てる人はいないのか! と思ったところで、大量パックモードの発生!

こんなのあるの!? と思って検索してみたら、ほんとにこういうギミック搭載してる台があるんだ! 大量のパックが投入されたカオスなフィールド。ピンボールでもマルチボールとかありますけど、高速にパックが滑るエアホッケーだとそれどころじゃない大混乱でしょうね。実際田貫もこの尋常じゃない状況には対処しきれなかったみたいで、樺恋、ついに勝利を収めました。

こうしてエアホッケーを楽しんで、ミニカツサンドで腹ごなし。これがちょうどいい気分転換、リフレッシュになったみたいですね。数日後にはすっかり調子を取り戻して、ああこの状態を維持したままサウンドビート全国大会に挑むのでしょうか、田貫くん!

ぜひとも、好成績を収めてほしいですね。そして園香もがんばってほしいですね。

そうそう、検索といいますと、イカの動画ってこれですか? これすごいですね。イカくん、このままイソギンチャクになってしまうのでしょうか!?

2024年10月31日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号、昨日の続きです。

『このままモブじゃ終われない!』

コモナにめちゃくちゃなスケジュールを組まれてしまったピコ。1ヶ月かけて練習、次の1ヶ月で漫画を描く。3ヶ月目の製本とイベントは印刷屋に任せられるからまあ安心ですよね。ということで勝負は2ヶ月間。一日のスケジュールは、睡眠3時間を除いてあとすべて漫画を描く。

いや、これ、ピコがいうように死にません? 少なくとも、いろいろあれこれ壊れそうな予感。と思っていたら、2ヶ月たっての締め切り日。そよかぜが陣中見舞にきてみれば、ボロボロになったピコがコモナに調教されている! 気を抜くと首がしまるシステム、酷い! 睡眠不足をエナジードリンクでごまかす生活、ヤバい! しかもさらに電流まであるの!? って、これはピコ自身が望んだものなのか。にしたって、いくらなんでもめちゃくちゃすぎる! ほんと、これで死なないの、サキュバスだから? ピコだから!?

尊厳やらいろいろを失いながら脱稿に向けてラストスパートするピコ。このシチュエーションをいいことに、自分の欲望を満たすコモナ。あまりに両者ともに人に見せられない側面を全開にしてるもんだから、いやもうひどいカオス感。でもこれが面白いというか、気つけの漫画のチョイスを間違えて昏倒しちゃうピコを目覚めさせるためのコモナの策と、そよかぜの思い切り!

もうめちゃくちゃ面白かったです。しかし今回、コモナのいろんな表情見られてよかったな。この子、本当にかわいいと思う。そしてラストの照れコモナ! いやもうなんて純情なのでしょう。やってること無茶苦茶なのに、肝心なところでは純情。いいですよね。

『のけもののまち』

マキちゃんがいい役割演じてくれましたね。るいの秘密を知ったマキ。この世界のヒトではないこと。帰る世界があるということ。新事実が明らかになって、しかしそれでもるいのこと考えてくれるマキちゃん。直情径行だけど、それだけに気持ちがまっすぐにくる。いい子だなあってあらためて思わされました。

けれど、るいのこと突き放すようなこといったネルが悪いわけじゃないんです。るいが煮え切らないのもそうなんです。相手のことを一番に考えてる。まわりの皆のことを大切に思っている。それゆえに自分の気持ちに素直になれない。なんせ、ちょっと遠い実家に帰るとかじゃないんです。これが今生の別れとなる。その前提で考えないといけない。

だからこそ迷いもするしためらいもある。でも、だからこそ真っ直ぐに、直線的に動いてしまうマキのようなヒトがいてくれてよかった。そう思ったんですね。

いよいよ別れのとき。いざこの世界を去ろうとするるい。その扉をくぐった先にあるのは、もとの生活? そして皆との別れのその先に彼女が経験することとは。次回最終回。そこで描かれるものがなんなのか、心待ちであります。

『ずんだもんTV』

こどものいる家は大変だ!

動画編集に疲れはてたきりたんがですよ、ストレス発散のためゲームするのはいいけれど、人が、人が変わってしまっていませんか? あるいは、これが本当のきりたん? CP相手に無双、大きな声で勝ち誇る! ずんだもんの乱入は予想外だったけれど、ずんだもんをダシにゲーム三昧もいいだろうと、いろいろ教えながら遊んでみたのはいいけれど、ハメ技に苦しめられた挙句の場外乱闘!?

電源ケーブルを抜く! からのリアルファイトにまで発展して、な、仲よく遊べないものかい!? と思った矢先に泣き出すきりたん! な、泣くのはズルいよ、きりたーん!

でもこの勝負、結局はゲームの勝ち負けに持ち込まれて、熱い戦いのその先にあったのは両者KO、でもってコントローラー破壊! け、結構な損失ではないんですか、これ!?

知らないあいだに生配信されていたきりたんの羞恥は計り知れないですが、こうして自然体の姿というのもまた好評だったというの、冒頭の無理しすぎていたきりたんにはいい経験だったかも知れないですね。そしてきりたんの露出も増えれば、いつかは立派な人気者ですね。

2024年10月30日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号、昨日の続きです。

『mono』

理想の座椅子製作、佳境にはいっています。

もうすっかりかたちはできあがり、さあ完成かといえばさにあらず。使ってみてはじめてわかる不具合というのがあるんですね。それらを確認次第ひとつひとつ対策していく。この試行錯誤を楽しいと思えるか、面倒と思ってしまうか、それがDIYに向くかどうかの分かれ目だなあって思いました。

なんだかんだ面倒と思いながらも春乃と華子はアクティブに動いて、問題を解決していくでしょう。ああ、これだよ、自分ができないやつは! そう思えばなるほど自分は完成品を探して妥協したほうがいいユーザーなんだなって思い知りました。

そして完成した座椅子。これでDIY編は完結かなと思ったら、おお、イスズスズコが反応を示しましたよ。車中泊がキーポイント? これはまたなにか大掛かりなものを作成することになったりしそうですか!?

『押しかけ女房、コドモ付き!』

ノゾミが立って歩くようになりました! というので、そろそろ靴を買おうと思います。華子とミライ、ふたりで出掛けるショッピングモール。ベビー服に興味をひかれて、どれがかわいいと思う? せーので指差したら同じのを気にいっていて、この気持ちの一致性。ああ、ふたりの絆など感じちゃいましたよね。

この調子で靴もとんとん拍子で決まるかな? そう思ったらですよ、せーのでまさかの不一致です! これ、予想外でしたよね。で、ノゾミ自身に選んでもらうことにして、と思ったら、こちらも不一致!? 第三の選択肢が示されて、この好みの別れるところ。これもまた皆それぞれの個性なんだなと微笑ましく読みました。

そして最後にちょっとアイスなど食べまして、この和気あいあいとした雰囲気もまたよいものです。と思って読んでたら、ラストに華子からデートしようか発言。しかもノゾミ抜きですか。さあ、これ、どうなりましょうか。なんだか楽しみですね。

『魔法少女は羞恥心で強くなる』

転校生がきましたよ。日向らいむ、通称らいらい? この子、いろいろと型破りで個性を押し出してくるタイプ。明るくハキハキ。堂々として物怖じしない。実に真侑とは正反対のタイプであるんですね。

らいらいにちょっと憧れる真侑です。あんな風に堂々としていたい。それを危ぶむ零とチラ太郎。そしてノクタンはそんな変化の兆しを逃すことなく、らいらいに接触、真侑との仲を深めるよう工作しようというのですね。

ノクタンの策により、真侑との距離を縮めるらいらいです。カラオケにいくことになって、人前で歌なんて恥ずかしくって歌えない! 最初はおどおどしていた真侑がですよ、らいらいと一緒に歌ってるうちに恥ずかしさがなくなっていって、おおあんなにも伸び伸びと楽しんじゃって、よかったね、真侑さん! めっちゃかわいいじゃん!

でも羞恥心が弱まれば、魔法少女としての弱体化を招いてしまう! 今がチャンスと乗り込んでくるノクタン。ああ、真侑のピンチですよ! と思ったら、ノリノリの姿を見られるのはこの上もなく恥ずかしい!

いやもうほんと面白い。実際、この恥ずかしい気持ち、わかりますもんね。わかるからこその真侑への共感、羞恥の度合いも実感される。ええ、いい描写でしたよ。

2024年10月29日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号

 『まんがタイムきららキャラット』2024年12月号、発売されました。表紙は『mono』。秋の味覚ですね。トレイに乗る3種のスイーツ、そこからモンブランをフォークですくいあげている春乃です。しかしこうして見ると、春乃もかわいいですね。背中にしがみついているたいしょうが、またいい味を出しています。スイーツのまわりには、さつきにアン、桜子がちんまいミニキャラとなって、それぞれマイペースに楽しみ見出しているようですよ。

今月は新規ゲストが3本です。

『アイドルノブナ☆ガール』

天正10年、本能寺にて命を落とした織田信長が、現代日本によみがえった。ただよみがえっただけでなく、性別も転換、若い女性となってこの日本に降り立ったのですね。

しかも降り立った場所が場所。アイドルフェスの現場、はじめて見るアイドルのステージにひきつけられた信長。そんな彼女を、道がわからなくなった出演者と勘違いしたアイドルグループ、ヨツボシの笹木りんが控室へと案内したことからはじまるアイドル立志伝。知らぬ令和の世、知らぬ文化、テクノロジーに触れ、それを持ち前の能力でもって吸収していった信長が、りんとともにステージに立つ。

慣れないダンスを即席で身につけるのではなく、持ち前の技、敦盛の舞で観客をひきつける。そして圧倒的なカリスマが満場に火をつけ、熱狂させる。

この時代も場所も飛び越えた信長のアイドルとしての活躍の火蓋が切られた。そして信長を知るものがひとり? ああ、これは仲間を増やし、より力を増していく予兆でありますか。

『ラナナさんは厄介エルフ!』

異世界からエルフが転校してきた! あまりにも唐突で異常なシチュエーションだと思うのですが、この世界ではわりとよくある話なのかな? 戸惑いながらも、受け入れていく生徒たち。なかでもファンタジー好き朝比奈あまねは興味津々で、ぐいぐいとエルフ、ララナに接近していくのでした。

ララナ、パーティから追放されたというのですが、ということは最近はやりの見返し系!? と思いきや、実際ポンコツであるのは間違いないようで、追放の理由もパーティメンバー全員に累を及ぼす呪いのアイテムを身につけてしまったのが原因。このままでは勇者パーティは魔王に勝てない。というので、追放、しかもこちらの世界に流されてしまった。

こちらの世界には呪いを解く方法があるのかもしれない。それを、エルフと知りあいになりたいあまねがサポートしようというのですが、呪いのアイテムに仲間認定されてともに呪いに苦しめられる関係に! けれど乗りかかった船? とばかりに、寄る辺のないララナの面倒をこれからも見ることになりそうなあまねです。

しかしララナの呪いは解けるのか。そしてあまねの未来やいかに。とりあえずはララナはあまねの家に居候することになるんでしょうかね。

『フィギュア製作部活動日誌』

変人の集まりと知られるフィギュア製作部。1年生の茉幸は、汚名をそそぐべくイメージアップ作戦を提示するのですが、なかなか乗り気にならない先輩たち。いや、そうでもないな、自分のやりたいことしかしない先輩たちばかりみたいだけど、やるとなったらやる人じゃないか。文化祭の展示に、部員たちをそれぞれ作りあおうと提案したら、結構なやる気になってくれたんですね。

それから製作に入るまでのいろいろ。水着着せようとしてみたり、趣味のフィギュアに自分の趣味を優先です。これ、先輩たちだけでなく、唯一の常識人と思わせた茉幸も部長ラブに邁進して、結局は似たものたちの集まりであるようなんですね。

そして完成したフィギュアたち。これ、結構ないいできで、すごいな、さすがではありませんか。でもやっぱり常識はずれの行動は変わらなくって、またも職員室に呼び出しです。

2024年10月28日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号、一昨日の続きです。

『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』

岬の携帯に残るルナと一緒に撮った写真。最後に飲みにいったとき、銭湯に寄った後に撮ったものなのですが、岬もまるで覚えていない。

そのときの記憶を呼び覚まさせようと奔走してくれたスラー。岬の、そして同じく忘れていたルナの、かつて交わされた会話を思い出させることに成功して、一緒にサウナ旅をしようと語りあったあの夜のこと。けれどなぜこんな大切なことを忘れてしまっていたのか。

それは命の灯の消耗によるもの。憔悴し、思いつめてしまっている、その状態が大切なことを忘れさせ、さらにはここ異世界に迷い込ませてしまった。ルナは仕事での消耗が、岬は友人ルナの失踪が、自分の命の灯を弱らせてしまった。そして今ここに、大切な記憶を取り戻して、ふたりはともにあるべき場所へ帰るという選択をしたのでした。

異世界サウナの皆との別れ。それは悲しいことで、けれど同時にルナの新しい旅立ちで、日本に帰ってからのルナの選択もまた喜ばしいと思えるもの。これからどうなるか、その前途はいまだわからないままではありますが、以前よりもずっと明るい表情を見せてくれたルナ。この子の前に、明るい未来が広がってほしい。そう思える最終回でした。

『ウクレア!』

BGMを頼りに二人三脚のテンポをキープしていた舞帆。しかし放送機材のトラブルで、BGMがなくなってしまった! このピンチに立ち上がったのがほかならぬ空子であります。ウクレレを手に放送部のテントに直談判をしにいった空子、けれど別にBGMはなくても大丈夫かな? と返されてしまって、ああどうなる空子、そして同じくどうなる舞帆。

ここにウクレレ部の皆が集まるところ。ほんとよかった。部の仲間のこと、ちゃんと見ていてくれている。そして一緒に動いてくれる。いいチームだなあと思えた描写。また生き生きと楽しそうにしている、その様子が素晴しかった。というか、里桜がにっこにこ! この人のこういうところ、本当にいいですよね。魅力的です。

さて、BGMを取り戻した舞帆ですよ。完全に舞い上がってしまっていた舞帆がですよ、聞こえてきたウクレレの音、そのテンポから空子たちの意図を汲み取って、笑顔で伸び伸び走りきる。この顛末、もう完全にハッピーエンドではありませんか。体育祭の組分けでは別々になったけれど、それでも気持ちは一緒にあるという仲間のきずな。ああ、いいエピソードだったなと思ったのでした。

今回、楓に絶対音感があることが判明しましたね。これ、小さいころに音楽教育受けてないと身につかないといいますが、ということは楓もピアノかなにか習っていたのかな? ということで、もしかしたら生徒会長の音羽と学校以外での繋がりなどあったりする? なんてこと思わされたりしましたよ。

そして風谷楓さんとちょっとした縁のある翼さんの思いつき。フラダンスチームリペララとウクレレ部との共演なる? ここにまた次の動きがはじまっています。

『ネコかぶりアンコール!』

この漫画の核心とでもいうべきテーマに近づいてきている? 以前音子が導き出した答。人には色んな一面があって、全部含めて本当のその人。そういいながらも、音子自身は猫かぶりの自分は偽物で、本当の自分ではない。頑なにそう思おうとしている。その疑問について、部長が迫るのですね。

自分の思う理想の女の子像を印に見出した音子。けれど知りあって話してみた印は、自分の想像とは違っていて、ということは音子の理想像は印の真似なんかではなく、音子自身の中にあったものではないのか。そもそも人の真似をするのはいけないことなのか。変わらず頑なな音子であるけれど、牧奈の言葉にじりじりと追い込まれていくんですね。

さて、追い込むといっても別に押しつけたりはしませんよ。今回は音子の中に、自分自身の可能性の種をまいただけ。いずれ芽吹いて、育っていくかもしれない可能性を音子自身に認識させるにとどめたのですね。

そしてラストにちょっとしたサプライズ? 印と音子の双子コーデ! ああ、いいですね、赤面の音子。まずは音子は自分のかわいさを認識してあげましょう。ふたり本当にお似合いですよ。

2024年10月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2024年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2024年12月号、一昨日の続きです。

『ムクカノ:無垢で無口な職人彼女と、静かでにぎやかなふたり暮らし』

賢太さん、どんだけ初心なのでしょう! とはいえ、彼くらいの年だったときの自分だったらどんな反応するのだろう、といえばそれもまたわからぬ話。やっぱりこれくらい意識しちゃうんだろうか。それともやっぱり賢太は標準よりもずっと初心なんだろうか。なんてことを思ってしまった今回。そんなに気になるんだったら見ちゃえばいいのに! とか考えてしまう自分は、やっぱり賢太よりもずっと不埒なのでしょう。

さて、先日の飲み会であてられて以来、椎奈のことがやたらと気になる賢太です。下着が気になる。お風呂が気になる。その他いろいろの生活音なども賢太の悩みを刺激して、いろいろあれこれ憔悴気味? それにしてもまずかったのは、様子が変と椎奈から迫られて、説明するいとまもなく距離詰められたものだから、近づかないで、なんていっちゃって、ああ、椎奈さんを傷つけた!?

言葉が足りなかった! 会話が足りなかった! これはもう、双方ともに不器用だから! ってな感じではあるんですけど、この状況からなんとかリカバーできるのでしょうか、賢太さん。たとえ不器用だろうとなんだろうと、ここで挽回できねばダメですよ!

『かつては最強無敵の勇者様~姫には内緒のレベルダウン生活~』

ジュローのもとにやってきたふたり組。ああ、これはジュローの旅の仲間だったりするのかな、と思ったらまさしくそのとおり。オーク族とゴブリン族の公認勇者にして、どうもジュローに思いを寄せている? 女子ふたりとの旅の話も盛り上がって!? と思ったら、ほんの数日の旅だったのか。ともあれ、予想のとおりステラ殿が狼狽なさっている。そして若干嫉妬なさってる!?

いやまあ嫉妬する気持ちもわかります。ジュローのことを自分より先に知っていて、しかも浅からぬ因縁まであるふたりなんですから。で、このふたり、かっこつけていいかっこしたジュローにすっかり参っちゃってたのか! いやまあ、これはジュローが悪い! いや、悪いんかな? ちょっとわかりません。

ジュローとの会話で、彼がステラをどう思っているか察したゴブリン族の勇者にあ。ベリコを連れてそそくさと退散するのですが、この女子ふたりの到来はステラ嬢の意識になにかしら影響を及ぼすのでありましょうか。及ぼしそうな気がする。ええ、なにかしら動きがありそうな予感です。

『アイドルはお忍びCHU♡』

メジャーデビューの決まったフルールクレール。さっそく一花のもといたグループ、レゼルとのコラボ配信が打診されて、元メンバーの一花と新メンバーに似ていると話題の芙蓉、注目度も高かろうという算段だというのですね。

この共演にレゼル側も快諾。無事コラボすることにあいなったのですが、ちょっと緊張? 舞い上がってしまっている一花。レゼルサイドはどうかというと、素直じゃないもののやっぱり舞い上がっている紗鳥。ええ、ふたりの対面、楽しみでありますね。

楽しみといえば木槿もそうです。けれど今回はまったく木槿が登場せず、当然その気持ちやなんかもわからない。芙蓉と木槿が出会ったとき、いったいなにが起こるのか。姉妹共演の起こす波紋。あるいはそもそも姉妹なのか!? というところから、予測つかない木槿ショック。ハラハラしつつも楽しみです。

2024年10月26日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号、先日の続きです。

『球詠』

夏の大会を目前としていろいろ動きがありました。神川、上里、長瀞混成チームを見学してみたり、そして幕鈴との練習試合があったり。この幕鈴は昨年度の全国覇者。強豪を相手にいい勝負どころか勝利してみせた。その試合の流れが新越谷メンバーの繋がりをぎゅっと強くする。その描写がとてもよかったのです。

ドラマがあったんですね。背番号が決まった。よい番号が欲しい。それ以上に、自分の認める人によい番号が当たってほしい。希にとってはそれが光先輩。光がもらったのは11番。それが悔しくて、納得いかなくて、芳乃に食ってかかるかと思うもなんとか我慢。同じく投手で1番をもらったヨミとの確執など発生するのか?

という予感を退けたのが幕鈴相手への投球で、その実力をもってヨミこそがエースと再確認させるにいたった。けれど思いは裏腹、光への気持ちも消えず、それだけに光、希、ふたりの会話はずっしりと重みを持って、しみました。

1番という番号は重いのですね。ヨミを奮起させ、そして希にもあれだけの影響を及ぼして、それだけに今回の顛末は、彼女らの今、今後についてのしっかりとした礎となったように思います。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

紗菜とロゼ、麻衣の3人でお祭りに繰り出します。3人ともに浴衣姿で、目にも華やか、さぞや楽しいひとときとなろうと思いきや、ロゼの気持ちは曇ったまま。自分と一緒にいると紗菜に危険が及んでしまう。その心配が、ずっとロゼの重荷となっているのですね。

紗菜のもとから去ろうと考えるロゼ。ひとりで先走らないよう月渚に忠告されたものの、迷いは晴れないロゼです。そんな彼女の決定に、紗菜はどのように答えようというのか。その仕掛けとして、小木祭りの花火のギミック、花火を寄付した人のメッセージが読み上げられるという決まりごとが効果的に働いて、紗菜に一緒にいられないことを告げた涙のロゼに届く紗菜からのメッセージ。空に咲く一輪の花火とともに伝えられた思いは、これ以上もなく美しくて、ああこれは、ロゼならずとも涙を絞られる。とてもよい場面となったのでした。

これからのロゼと紗菜の暮らし、それがどういうものになっていくのか、それはなおわからないところはあるとして、それでも選んだふたり一緒の暮らし。苦難があろうとふたりでともに乗り越えよう。こここそがロゼの居場所だと確認しあうふたりの姿がまた美しく素敵でありました。

『花唄メモワール』

藤野の身請け話を受けて、竹子に助けを求めた梅。身請けとはいかなるものなのか。そうした事情を知ることからはじめて、そしてさらに身請けの相手や藤野の気持ちなどに探りをいれていく。その顛末の果てに辿り着いた地点、それが他ならぬ梅自身の気持ちであるというところ、ああついにここにずっと蓋をされていた梅の本心が明らかにされる。藤野の生存を願うばかりに口にすることができなかった思い。そのシンプルな答こそ、藤野の求めたものだった。はたして梅はその気持ちを藤野に伝えることができるのか。

という今回。竹子のアドバイスを受けて自ら仲居たちに聞き込みをしていく梅と、将来の目標探しを兼ねて皆の夢を聞いてまわるアイリスの収穫。それはどちらも身請けの相手と藤野の夢という情報を得るためのものだったわけですが、竹子は最初からそのどちらをも問題としていなかった。あくまでも竹子は、梅自身の心からの答えを求めていたのですね。

竹子、頼れる人だなあ! というのが第一の感想。そして竹子の問い掛けがあったからこそ、気持ちより頭を優先してしまった梅の遠回りが解消された。そのことへの安堵が続いて、ああ藤野のもとへと向かう梅が間にあってくれればよい。その思いでいっぱいになるエピソードでした。

2024年10月25日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2024年12月号

 『まんがタイムオリジナル』2024年12月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。山下さんと牧村さんが、白衣の上に上着はおって、少し温かくしているイラストです。本当だったらもう涼しくなっているくらいの季節ですよね。温かい飲み物もありがたい、そんなはずだった時期を飾るふたりの姿。愛らしくて素敵です。他に『元アイドルのハロー!ワーク』、『はらぺこ母娘と元カレ家主』、そして新連載の『うちこもり妻はコスプレ配信者』、『クールな氷上さんに迫りたい』のカットもございます。

今月は新連載が2本です。

『うちこもり妻はコスプレ配信者』

コスプレ好きの妻とのふたり暮らし。妻はコスプレ趣味が高じて、ネット配信なんかもやっているのですね。フォロワーは30万人。人気コスプレイヤーというのですが、そのコスプレのクオリティに加え本人のキャラクターもまた人気のもとである模様。そんな妻いぶきと夫駿の天然な日常。ほのぼのとして愛らしいふたりの関係が描かれる連載でありますね。

しかし妻いぶき。こののんびり具合。ぐーたら自堕落といった風ではなく、なんだかエネルギーが足りない系? ゆったりマイペースに消費少なめにして暮らしてる風なのが魅力的。これ、趣味の衣装製作にかかるカロリーを捻出しないといけない、無駄には使えないぞってことなのか、いやそういう打算がないからこそのほのぼのさというか、ええわざとらしさ、あざとさのないチャーミングさがあると思ったんですね。

うっかりやらかしてしまうその失敗も愛らしい。コスプレのまま外に出てしまいそうになってしまったり、夫のリモート会議にうっかり写り込んでしまったり、そうしたうっかり。気づかってみたら空振りという、がんばってる姿とむくわれない結果のギャップ。いい人だな、かわいい人だな。そう思うからこそ、夫の人にはもっとがんばって、かわいいかわいいとベタ褒めしていただきたい。ええ、言葉少なではいけませんよ。もっと、もっと、褒めるのです。

『クールな氷上さんに迫りたい』

少女漫画を読むのが好きな栗園拓哉。38歳にして独身、勤務先では課長を勤めている。そんな彼が、部下の氷上結衣、27歳とつきあうことになるまでの顛末が描かれた今回導入編。つきあうといっても恋愛的なものではなく、恋愛お試し、練習としてのおつきあい? いやいやそう思ってるのは課長の理性部分だけ? もしかしてという期待どおりに、氷上さんのなかでは有り寄りの有りのおつきあいだったりするの!? という、ちょっと本心がわかりかねるところに面白みのある関係性が魅力となっていきそうな予感であります。

本心がわかりかねる。クールにしてドライ。そんな氷上はその美貌からも社内で大人気。若手の山田からも気持ち寄せられていて、けれど山田と氷上の線はなさそうだな。というのは置いておいても、この氷上が少女漫画に興味を持ったというのです。恋愛の機微にうといから漫画で学ぼう、ひいてはいつかは肉食女子に! というのですが、それはちょっと無茶な目標ではない? でも、間違ったチョイスを経て課長の選書に辿り着いたのは上々。あとは研鑽と実践でありますね。

『となりのフィギュア原型師』

はぐちゃんに春到来!? 同じアパートの住人に声をかけられて、いっそ退居をとまで思っていたのが、同好の士と知って一気に気持ちが近くなる。その描写、マイペースながらものびのびとしたはぐの気持ちの動きが見てとれて、面白かった。それにちょっとほほえましいとも思えたのでした。

お相手は畷浩平。二十歳の新人会社員。夜、早朝に出会うお姉さん、はぐちゃんにちょっとした興味を持っていて、挨拶したりするのだけど、それがはぐから敬遠される理由になっているとは露ほども思っていないのでありました。

はぐのこと、模型関係とは思ってないのがいいですよね。その見た目からバンドマンと予測をつけて、けれど楽器を持ってるところ見たことないからボーカルかな? とか仕事中に妄想している。

そんな畷とはぐを近づけるきっかけとなったのが、畷の趣味であるソフビフィギュア。気づいたはぐ、食いついてくるはぐ、その表情が強いな! そこからのやりとり、ころころと表情をかえるはぐが本当に魅力的で、ああ、ついにはぐちゃんにも恋の予感か!

と思わせて、そう思ってるのは畷と周囲のみ。はぐちゃんはまったく露ほどもそうしか感情持ってないのがらしいですよね。ええ、畷の恋心は実るのでしょうか。それ以前にはぐに恋心など芽生えるのでしょうか。なかなかに苦難の恋となりそうですよ。

2024年10月24日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2024年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2024年12月号、一昨日の続きです。

『わからせろ!ナマイキツネ様』

わあ、コメントしづらい展開が! 壱与のもとに参拝に訪れたひとりの女性。毎日の願掛けが叶わなかったと恨み節。そこに正論ぶつけていく壱与なんですが、そうか、つらい状況にあるのですね。漫画が打ち切りにあった。もうすぐ無職になる。泣き言にもまた正論をぶるける壱与。ああ、桜子が優しくしても気休めに、壱与が正論いうと大ダメージに。どう声をかけていいかわからない、そんな状況になってしまっていますよ。

このメタな描写。どこまで本気にしたらいいのか! なんて思っちゃうけれど、この『ナマイキツネ様』に関しては、好きな漫画、面白く読んできた漫画だったので、最後に持ち直してのご挨拶、切なくも嬉しくうけとりました。壱与のがんばりとやらかし、その顛末が好きでした。

かわいいキャラクター、楽しいやりとり。ときにやりすぎる壱与に桜子。お気に入りでした。これからも、誌面に描かれることがなくとも、この子たちが同じく楽しくやっているといいなと思う、そんな最終回でありました。

『エイティエイトを2でわって』

美弦たちの学校にやってきた咲雪。訪れてすぐに奏渾身のお化け屋敷に通されるという不幸! でも奏が考えたと聞いて、ああそこまで反応が変わるのか! 現金です、咲雪さん! でもそんなとこもかわいいです。

咲雪が見てまわる美弦たちの文化祭。見知らぬ人になってる来夢とか笑いますよね。そりゃ咲雪じゃなくてもその反応になりますよ。そして多目的ホールで、本日の目的、ピアノ発表に臨みます。来夢とゆずの連弾を聞いて、その将来性を思うところなど、この人の懐の深さのようなもの感じて、いいですね、こういう好意的な評価できる人、大好きです。

そして本命といっていいのか、美弦の演奏です。自分の書いた曲が演奏される。しかもその曲は、憧れの奏をイメージした曲で、さあ美弦はどう表現しようというのか。

と、ここまでじっくり盛り上げて、それなんですか美弦さん! ニコニコ笑顔でズンドコドンドコ。曲調とかまるで斟酌せずに楽しく嬉しく弾いちゃって、奏も当惑してるじゃないですか。そして咲雪の点数は……、2点です!

参加賞とのこと、ああ、やさしいですね咲雪さん。なんなら減点だってありえたかもですよ。

『ななどなどなど』

いい話でした。

体育祭のあれこれ描いた今回。なんだかんだで学校行事もこなすようになっている小町ちゃん。騎馬戦の騎手になって喜んでる小町ちゃんと対照的に、あまりに重くて潰れそうになってるななど組の悲哀とか、もう見てるだけで面白い。ほかにもこうした小さく気の利いた描写の楽しい、そんな回かと思って読んでいたらですよ、バトンパスの失敗が一気に状況を変化させて、ああ小町ちゃん、この子の成長が、人の気持ちに触れようとするその思いが、しみじみと素晴しい。そう感じたのですね。

いつにないシリアスな表情を浮かべる小町。誰かの努力が無駄になることを許さない、その意思が、常には見せない本気の走りに繋がって、それは努力していた誰かのためで、そしてその事実を知っている自分のためで、皆のために走ろうと奮起するその姿は、立派で、なにより美しかったと思ったのです。

小町の思いの皆に伝わったこと。少なくとも、新井に星野、ふたりの気持ちが台無しにならなかったこと。皆にとってもいい思い出になったこと。調子にのってしまう小町こそはいつもどおりか、あるいはシリアスになりきらないためのストッパー役だからか、それにしたってこの子の心の成長が見られた、いいエピソードだったと思います。

小町ちゃんはたまにはちやほやされていい。そう思う私にとっても、願望の満たされた、いいお話でした。

2024年10月23日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2024年12月号、発売されました。表紙は『魔法使いロゼの佐渡ライフ』。自室のベッドで寝そべりながら、これはロゼと通話してるんですね? 月渚がメインの表紙です。月渚の周囲の小物類。充電のケーブルに漫画? 着替え? そしてブリのぬいぐるみ? それらがみんなこの子の普段を感じさせてくれて、愛らしくもほのぼのとして楽しげな表紙となっています。しかしあのぬいぐるみ、いいですね。あの目、あの口、ただものならぬ存在感であります。

今月は新連載が1本です。

『gg!』

主人公、三船優香は得意のゲームで動画配信してるんですね。銃を手にゾンビを倒していくゲーム。軽く全Sを叩き出す腕前は視聴者からも評価されていて、けれどそんな彼女が慣れないゲーム環境で苦戦!

学校で知りあったゲーム同好会のふたりに連れていかれたのはeスポーツカフェ。ずらりと並んだPCに圧倒される美優は、PCゲーに関しては初心者。マウスの扱いにもキーボードのWASD使った操作にも慣れてない。ルールにも不慣れ、PvPでの駆け引きもわからないという、まさに初心者の洗礼を受けてプライドずたずたな美優の、ここぞというところでの作戦立案。

これまでずっとソロプレイしていた美優に、チームプレイの面白さが伝わった? そんなエピソードだったのですね。

ゲームを媒介に広がる美優の世界。これ、負けず嫌いの彼女ですから、そう遠くないうちに結構な上達を見たりするのではないでしょうか。けど、その前に自分専用のゲーミングPCが欲しいところですよね。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

夏休みの宿題に苦しむカンナ。美術館レポートとはなんぞや、というレベルでカルチャーショック受けているのですが、そんなカンナの初美術館での出会いですよ! って、美都、幸町じゃありませんか! なるほど、幸町が宿題の美術館レポートのために姉と一緒にお出かけしていたってわけですね。

幸町がいるから邪魔しちゃいけない。そう思って身をひこうとしたカンナを呼びとめる幸町。協力しようという申し出ですが、幸町の目的は姉とカンナの関係を探りたい。そしてその目的は、美術館を出てから、激辛ラーメン店で果たされるのでありました!

というか、美都の秘密よりも幸町の秘密が露呈しちゃってない? 超デカ盛りチャーシュー麺に心魅かれる美都です。流れるようにカンナが注文引き受け、ふたりがこうして食事デートしていることが妹にバレる! で、好きなものを我慢しない姉の生き生きした様子に触発されて、幸町も我慢をやめた。

激辛八寒地獄ラーメンひとつ、注文はいりました!

ここからの妹の告白。激辛料理に挑戦した日のこと。その達成感にハマってしまっていたこと。たまにひとりで激辛店を訪れていたこと。これまでずっと秘密にしていたことを美都とカンナに受け入れられて、安心した幸町の心情。誰かと一緒に食べる楽しみ。それを知った彼女のこれから思うと、もっとしあわせになってほしいなって思いましたよね。

しかし、美都と幸町、ふたりは似た者姉妹ですね。

『スローループ』

一花さん、楓の店のバイトさんの出産を祝うべく鯛を釣りにいきますよ。乗り気の一花と、若干不安まじりの楓。ふたり一緒に釣り船に乗って沖へと出るのですが、そこでの釣りの様子が面白い。だって、一花、祝い鯛とかすっかり忘れちゃってる! もう完全に眼前の釣りに夢中ってやつなんですね。

楓が釣り上げたアナハゼの突起物に、光の消えた目でオスの生殖器という一花。本当に!? と思って調べてみたら、本当なのか! このふたりのいいあいに青くなったり面白くなっちゃってる他の釣り客が面白かったです。

他に釣れたのはサバ。きれいなサバですね! しかし、楓のアタリにサバであれと念じる一花よ。自分が一番釣りたいという釣り人の精神性をよく表した名場面でした。

最後にはふたり一緒に鯛を釣り上げめでたしめでたしなのですが、ここからの他の釣り客とのコミュニケーションも面白くって、この同好の士の心通いあう様、素敵でした。いや、他人を呪っても自分が釣りたいとか、物騒なこといっちゃってるんですけどね!

2024年10月22日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2024年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2024年12月号、昨日の続きです。

『追放令嬢は技能実習生となりました。』

アーシャ様、はじめての給料日というのでウキウキしていますね。髪も特別にかわいく結ってもらって、待つは管理団体からの担当者。やってきたのは、先日の講習でであった江端真尋。たまたまの偶然かと思いきや、アーシャたちの担当になるために土下座までしたんか! よっぽどの異世界愛であります。

お金を貰って、見るもわかりやすく喜びを見せるアーシャたち。私欲に走るアーシャがいれば、自腹を切ってでも生活費を工面しようとするクロエ。この極端な振れ幅よ! でも自分の分は自分でと、貯金も含めてお金の管理、運用を適切にしましょうというアドバイス。これ、そだちも、さらには真尋も、身に覚えがあるからこその親身のアドバイスなのかもしれませんね。

かくしてアーシャたちと打ち解けていく真尋です。これは今後もたびたび出てきてくれそう。そのたびに、アーシャに羨望の眼差し? 向けてくれたりするのでしょうか。だとしたら、アーシャ、ちょっと嬉しいですね。というか、悪いこと考えてますけどね、アーシャ様。

『ラスボスは逃げ出した▽』

ついにおとずれた最終回。なぜ普通の子、モブとしかいいようのないポップルが魔王となってしまったのか。その顛末が語られて、そして魔王軍四天王がひとり、死神がもくろむ勇者抹殺計画。死神にしてそうせざるを得なかったのは、今の魔王を守るため、ひいては世界の均衡、平和を守るため。しかしそのやりかたは正しいのか、割ってはいる妖狐に、そして勇者の告白が魔王を赤面させた!

この赤面のさらに果てに、この魔王ポップルが望む世界のありかた、平和が示された。それは四天王を含む魔族皆に向けられた思い。そして勇者への気持ち。それらが一緒になって、この世界の今を、これからを、魔王に選択させた。

誰かにそうするよう決められたからじゃない。他の可能性が閉ざされたからでもない。ほかでもない彼女の選択。それがこの結末だった。ええ、誰もの望みをかなえた、そんな魔王の物語でした。

『てくてくっ!秘密リサーチ』

今回の目的地は皇居。桜田門を待ちあわせ場所としたひぐれたちでしたが、なんとすかいがお寝坊さん。ふたりで先にまわっててと、ひぐれ、マリンを先行させるのでした。

これで困ったのがひぐれ、ちょっとマリンとは距離がある? どうにも打ち解けきっていなくって、かくしてどうにも落ち着かないひぐれウォークになりそうです。というところから、皇居のいろいろを知るにつれ、近くなっていくふたりの距離。最後、すかいが合流したときには、もうすっかり打ち解けている。こうした展開、実によかったです。

さて、今回紹介された皇居について。二重橋の由来って、橋がひとつふたつとかかってるからじゃなかったんですか! 木橋だった頃の絵を見て、まったく知らなかったこと、おもしろく学ぶことができました。ここからの信任状捧呈式の馬車のくだりなど。最後の道路標識にまで繋がる息の長い見どころになっていて、これもたいへんよかったです。

知らないことを知ることができる。ただ知るだけでなく、マリンとともに知る。そうしたところにも親しい仲間のような感覚得られて、それもまたこの漫画の魅力なのだと思います。

2024年10月21日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2024年12月号

 『まんがタイムきららMAX』2024年12月号、昨日の続きです。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

これ、扉絵、プリントシールですね。ピースサインが目つぶしになってるユーリがめちゃくちゃカワイくて、寄り添う昼日中倫がまた美人。

今回は倫に誘われてゲームセンターにいく話なんですね。両替した小銭いっぱいで豪遊するのですが、最初理性があったユーリが、遊んでいるうちにゲーセンの魅力に飲まれていったというのがおかしくて、そうか、ユーリ、楽しかったんですね。

遊んでいる途中の、ゾンビを撃つゲーム、銃器の扱いには長けててもゾンビが怖いというのかわいくて、そしてプリントシールのフラッシュに危険察知して伏せるとか、こうしたはしばしの面白みもとてもよかったです。

しかし今回のラストのユーリの感想。胸に迫りますね。ええ、本当によかった。本当によかったです。

『アイドルビーバック!』

ひよと新生アイビバの4人、邂逅です!

緊張の一瞬! と思わせて、その緊張を速攻で溶かしにかかるあんじゅがすごい。発言するたびに深刻側に引き戻そうとするひよだけど、あんじゅにまったく太刀打ちできてない。あいかわらず全肯定ほめほめマシーンですねっ! に続く、ともこさまの、あんじゅと揉めるの不可能だからあきらめろ発言がとどめを刺して、本当に面白かったです。

しかしこうして憂いがすべて消えさって、変わらず仲間だという気持ちを確認しあったこの流れ、すばらしかった。あんじゅの、ともこの、じうじうの、それぞれのひよを思いやる姿がよければ、続く椿の発言も鮮烈で、ああアイビバは強いな。その強さに触れたからでしょう、ひよの負けないというその決意がまた際立って美しい。

今回はアイドルとして日々をがんばる皆の輝きが、これでもかとあふれていた。そんなエピソードにすっかりまいっています。

『さうのあっ!』

ルミ、冒頭からかわいいなあ! さてルミと過ごす日本の夏。あまりの暑さにへばってしまうフィンランド組ですが、暑くても無理なくできるフィンランドのスポーツ、モルックを皆で遊ぶことになって、自堕落な夏からぐっと動きが出てきましたよ。

12本のスキットルにモルックを投げて倒すスポーツ。倒した本数、あるいは1本だけ倒した場合はスキットルに書かれた数字が点数になる。合計して50点になったら勝利という、ボウリングに似て、点数のあたりはダーツにも似た要素のあるスポーツです。

感覚としてはペタンクやボッチャに似ていますね。最初、ぴったり揃えて立てられているスキットルを見て、どうやってここから1本だけ倒すんだろうと思ったら、投げて倒しているうちに広がっていくのか。というのも面白い。そしてこれならできそうと、あんなにしぶしぶだったこかげがやる気を出していくのが、本当によかった。ええ、学校スポーツってこんな感じでいいと思うんですよ。

チーム分けのトラウマを越え、芹香の知識先行がバレるところとか愛らしくて、そして皆で楽しんだあとはサウノアです。

ここまでのくだりで、勝敗に触れなかったところ、よかったなって思います。勝てれば楽しい、負けても楽しい。一緒に楽しんで親睦を深めていく。それがスポーツのよさなんだと思うんです。