『まんがタイムオリジナル』2020年4月号、一昨日の続きです。
『おしかけツインテール』
商店街の福引で二等商品券を当てた花梨。へー、今どきは商品券の転売とか避けるために名前書かせて、本人以外の買い物ができないようにしてたりするんか! これは世の流れってやつだなあ。
さて、まさかの5万円の商品券を手にいれてしまった花梨。それをどう使うかっていうの、家族に相談しようとするのはいいとして、友達の話ってことにしたりね、俊郎にはバレバレだったりね、この嘘をつききれないところ、それが花梨の正直さ、よさであったり、あるいはまだまだ子供、スレていないってところなのかなって思います。これ、花梨の母ちゃんなら、速攻使っちゃって終わりでしょう。それをそうしないのが花梨って子の真っ直ぐさなんだと、ほんと思わされましたね。
これ、5万円の価値の違いってのもあるんだろうなあ。大人からしたら、まとまった額ではあるけれど、まあ使う時には使う、それくらいの額ですよね。でも花梨には違う。あと瑠璃にしてもそうか。月の小遣いが5万になったらなにに使うか聞かれて、そんなに減ったらって答えてしまうその感覚のギャップ! しびれました。これ、自分にしてものけぞる思い。で、花梨はあきれちゃったか。泣いてる瑠璃さん、お可哀そう。
結局その商品券を自分のためには使えなかった花梨。これもまたこの子の美点なんだろうな。でも、俊郎じゃないけど、この子が自分のためにそのお金を使ってほしい、そんな気持ちもあったものだから、この埋め合わせ、またあったらいいなって思ったらですよ、まさかの一等、温泉旅行を当てちゃいましたか!
ということは次回、旅行回! どうか花梨さん、ゆっくり羽を伸ばしてあそばして? というか、酔いつぶれる母ちゃんがもはや見えるかの思いがします。
『コスプレ地味子とカメコ課長』
後輩泉谷ちゃんとのコスプレイベントに臨む紫ノ井ですよ。コスプレ衣装でばっちり決めて、肩幅より広めのスタンス、しっかりとした仁王立ち。この立ち方、紫ノ井は結構しますけど、好きなんですよ。わりと堂々としてるというか、なんか強さ感じさせて可愛いですよね。
さて泉谷とのイベントですよ。そうか、泉谷からしたら紫ノ井は憧れのレイヤーさんだから、あんなにも緊張しちゃうっていうんだな。そのあたふたしてる様子、レイヤー紫ノ井のことが好きでたまらないという高揚、そして泉谷のトラブルにベテランらしく対応してみせる紫ノ井の頼もしさ! このくだりは、ただ楽しいとか可愛いとかだけじゃなく、一緒に気持ちをアゲていく、そんな伸びやかさあって、読んでるこちらにしても気持ちよかったです。
そして撮れた写真のデキに、課長の存在のありがたさを感じるところ。なるほど、やっぱり課長の写真、いいのですなあ。あらためて確認した課長の存在の大切さと、そして紫ノ井が切り出した大事な話、これどういう方向に話は向かうのだろう。次へ次へと、よどむことなく進行していく、この引っぱっていく力、これは頼もしいですね。
それと、泉谷にバレないよう変装した紫ノ井ちゃん。このスタイルも可愛いです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
めちゃくちゃ面白いな! 姉ちゃん、八重が帰宅したのを察知して、プレイ中のゲーム、テレビを迅速に消す弟、日向。え? エロいゲーム? でも普通のコンシューマだろう? そんな姉ちゃんに隠さんといかんほどエロいのないよね? とか思ってたら、おおう、まさかの発想だよこれ。東京が舞台のゲーム! そうか、都会に憧れる姉にバレたらプレイさせろとせがまれるってわけか!
八重のあの剣幕。そして、ちょっと意味もなく歩かせて! もうおかしくってしかたない。日向からしたら、ミッションもクエストもなにも関係なしに、ただただ無為に移動するだけとか退屈でしゃあないよなあ。実際、こうして姉ちゃんが無駄にうろうろしてる時間は日向にとっての娯楽の時間だったわけで、ほんと、八重の楽しみ方、素人向けじゃなさすぎますよね。
でもって、このゲームをみなにも遊ばせてみたい。そこで弟を家から追い出す流れ。姉ちゃん、横暴すぎるよ! でも、八重ちゃん、可愛いから許す。自分の姉なら許せないな! でもって、みなの都会体験。助っ人が大河さんと亜紀ちゃんか。ふたりとも、微妙に役にたちそうにないよ!?
ここからの展開も実にカオス感じさせるもので、そうか、みなちゃん、仮想の東京でも人波にビビるのか! その辺の人に話しかけてみればという大河のアドバイスに対するみなの答え! あの鬼気迫りよう、ほんとおかしいわ。最高だと思う。でもってみな、まず駅から出られない。出口もわからず、かといってホームにも向かえず、ただただ東京迷子。下がりまくるみなのテンションに、元気づけようとして拒絶された大河のテンションも下がる下がる! この展開、珍しいな! ほんと、しびれる面白さでした。
ちょっと普通じゃないゲームの楽しみ方。でもそれはそれでこんなに盛り上がれるのですから、これで正解なんでしょうなあ。VR東京とかを八重に与えてみたくなりますね。
『僕は女心なんて知りたくない』
最高やん!
野尻にお願いされて、ホワイトデーの買い物につきあう春喜です。売り子のお姉さんの心を読んでいく春喜の困惑。あれがもう面白くておかしくて、曰く、恐ろしい場所。うん、あまりにたくましい商魂、そしてシビアな本音に野尻の現実! 全部が全部春喜をさいなむんですな! ほんと、面白がったら気の毒ですけど、でも面白かったですよ。
で、本番はこれから! 家に帰ったら、そこには佐藤の姿。おお、うちひしがれる佐藤くん。どうしたの? と思ったら、おおう、春喜が最近冷たいんだ。野尻ばかり相手して、つれない、浮気だ、可哀そう! 男だらけの三角関係キタァァァ! めっちゃ興奮してる望美さん、最高やん! 時期ははやいけど春喜が渡したホワイトデーのお返し、それがマシュマロだって、嫌いって意味だって、ついには泣き出しちゃって、でもそこに望美のサポート! おお、おお、最高やんか。春喜×佐藤ですか! 心がたぎるな! たまらん楽しさ、夢のような時間でした。
その後の樹里と夢乃の本音、これも面白かったんですけど、今回は望美バーが面白すぎました。成層圏を突破する勢いあったと思います。
『とびだせT.O.Z』
今回も面白かったです。
前回は兄貴が再評価された、そんな回でしたけど、もう下げてくるってんだからすごいよな! 兄貴、妹に褒められて、嬉しさのあまりオーバーワークしちゃったか! 筋肉痛があまりに酷いので、地区予選大会二日目はお休みです。って、なにしとるのー、兄貴ー! でも、まあ、あの兄貴らしいとも思えます。
二日目の競技。兄貴が不在だから自然マナの周辺が描かれるわけですが、3000mSC(障害)とか、これ兄貴向けじゃない? とか思っちゃうくらいには、やっぱり兄貴の存在感大きい。ええ、兄貴、筋肉痛もそれはそれで楽しんでそうですよね。
と、兄貴はええねん。女子200mの柳さん。あの緊張しまくるとこからユニフォームの布の少なさに動揺、走り出したら目の前がゆがんで、倒れちゃうの!? と思ったら、裸眼なんか! この、なにやってもうまくいかんみたいな悲しさ! 面白いんだけど、ほんと、ちょっと気の毒だなあ。
そして宇佐美さん。この人、めっちゃいいな! 毒舌系ツンデレ女子を脱してオチャメ系爆速女子デビューを図っとるのか。一位をとって、ライトニング・ウサミ・ポーズをきめるっていうのね、いや、これ、可愛いやん! で、見事一位を勝ち取って、くるか!? くるぞ! ライトニング・ウサミ・ポーズ! と思ったら、犬が乱入。めちゃくちゃ面白い!
この、ひととおり終わった後に最終成績がアナウンスされるの、これも地味に面白かったですよ。そうか、柳さんは予選落ち。宇佐美さんは都大会進出。おお、ライトニング・ウサミ・ポーズ、いけるよ! まだチャンスあるよ! でも、このへんは描かれることなさそうだなあ。
今はマネージャー、選手としては芽が出てないマナだけど、挑戦する楽しさ、それを羨ましく思ってるところ、これなんかよかった。マナ、なにかしら前に進めたらいいですね! そして兄貴。妹から見事に拒絶される! ほんと、兄貴よ、せっかく見直されたのになあ! 残念兄貴。でも、それでこそこの兄貴って感じもあって、なんか安心感です。
- 『まんがタイムオリジナル』第39巻第4号(2020年4月号)