2020年2月8日土曜日

『まんがタイム』2020年3月号

 『まんがタイム』2020年3月号、発売されています。表紙は『おとぼけ部長代理』がカニ鍋食べてる様子ですよ。ああ、カニ、いいですよね! 他のカットもカニにまつわるもので、『花丸町の花むすび』花子はカニのかぶりもの!? これ、意外な方向に切り込んできたな。手にはカニスプーンにハサミ、なるほどこれからカニを食べようという喜びであるわけだな。『午前0時のおねだりごはん』牛喰はカニの甲羅にカニスプーンで、味噌食べようとしているところ? エプロンしているところから、これ味見? つまみ食い? そんな感じなのかも知れませんね。そしてここに『ふたりが家族になるまでに』、最終回告知のカットもありまして、あさひとジロー、ふたりの背を見送るようなそのイラスト。これ、いい絵だなあ。これまでと、これからと、いろいろ思わせるそんなよさある絵であります。

『ローカル女子の遠吠え』

名々伏が不調。それを気づかうのか、東京に出たついでにいろいろ話してアドバイスして。雲春、いい友達ですよね。

そんな雲春が東京でであった静岡物産展。あんた、静岡に暮らしとるのに、それでも顔出しちゃうんだ! なんだかんだで静岡愛が育まれているというのか。あるいは長いものには巻かれる? 流れには逆らわない? そんな性質がゆえ?

東京で見た静岡の物産展に足りなかった要素。富士山と家康がなかったって発見もおかしかった。家康に関しては東京も本番のひとつだものなあ。というか、物産展で家康グッズ売っててもそれはそれで困る。想像をくすぐる面白味あるトピックだったと思います。

今回の静岡情報、パン祖っていうの、面白くてタメになりました。たまたま静岡にパンをもたらしただけじゃないの? と思ったら、はじめてパンが焼かれた日がパンの日になってるとか、雲春じゃないけど予想を超えてきましたよ。その後の当時のパンをめぐるいろいろもまた面白く、こういうトピックを個性的な登場人物まじえて面白く膨らませていく手腕、見事でした。

『ご主人様!確保します♡』

元警察官で今はメイド喫茶でメイドをやっているマミ。まさかのかつての部下の来店! マミ、今の仕事がバレてしまう!? さらにはガッカリされるまである!? と、そんな予想を軽くとびこえていくそこからのやりとり、面白かったです。

後輩のモナカが頼んだのがオムライス。ケチャップでなにを描きますか、そのリクエストが似顔絵で、でもマミが描くと指名手配用の似顔絵になってしまうってんだ! というか、うまいな。可愛さはないけどうまく特徴つかんでいます。

一瞬戸惑ったモナカだけど、自分も似顔絵練習中といって出してきたスケッチ。それがまた怖い表情で、犯人の特徴を描くときの描き方か! これも職業病なんかな。さらにそれがマミの似顔絵で、上司で練習してたの、マミの渾身のつっこみ! いい勢いでしたね。

マミの、直接触れることはできないからとエアなでなでで後輩をいたわるところなんかもよかったですよ。また、モナカのかっこいいところや、先輩への憧れ語るところ描かれたのもよかった。そして落ち! しっかりとした見せ場、面白さもビジュアル的にも充実して、ぐっとくるものありました。

『ふたりが家族になるまでに』

おお、最終回。あさひも大学生になる、それで家を出てひとり暮らしをはじめる。その引越しの手伝いにジローが呼ばれて、大活躍、さすがの手際じゃないですか、ジローさん! でも場数だけは踏んできたってジローの言葉、酷い顔して聞いてるあさひとか、のっけから面白かったなあ。

でも、やっぱり最終回といいますか、これまで暮らしてきた家、自分の部屋に感慨感じているあさひとかね、しみじみ感じ入らせる描写などもあって、そしていよいよ家を出ようとドアを開けたあさひのあのまぶしさ。素敵でした。あさひも大人になった。その成長、確かに感じられる、そんな描写は確かで、そしてあさひはこれからもいくらでも変わっていくんだよ、そんな未来の展望を語るあさひ、ジローのふたりの様子。これ、感動的だったよなあ。これまでこの漫画で描かれてきたこと、丁寧に積み上げられてきたこと、それがここに実を結んで、ああいい漫画だったなって、このふたりのいろいろ、懐かしくも思う、胸にふわっと暖かみわくような感情、自分もまた覚えたというのですね。

そして最後のあさひ! あさひ! あーさーひー!!

あの唐突に投げ込む殺し文句からいたずらっぽい笑顔の流れ! もう最高だったと思う。最高だったと思います。

『ハニトラなんか怖くない!』

綾小路、いいやつだよなあ。だいたいこの人、女子社員人気、これまでも決して悪くなかった。そこにさらに、山田さんからいろいろ聞き出そうと、これまでいろいろされてきたこと真似して返してみれば、女子人気爆上がりした! でもそれで肝心の山田さん嫉妬かい! 難しいね、綾小路くん!

今回も山田さん、謎多かったですね。電車がとまってさあ大変。このままじゃ会議に遅れちゃう。綾小路のピンチに都合よく駆けつける山田さん! すぐ側で見てるかのようにっていう綾小路のつっこみがまたおかしくて、そしてそこからのバイクふたり乗りをめぐる攻防。綾小路、山田さんにつかまるとかできないのわかるけど、ネクタイで手綱はほんと危ないから! で、あまりに強情な綾小路に業を煮やした山田さんの暴挙! ロープでグルグル巻きか! 魂抜けてる綾小路からいのちだいじのくだり、ここも笑ったなあ。

基本、やっぱり振り回される、いや自分で気苦労増やしてるみたいな感じもするけど、そんな綾小路の様子が愉快な回でした。けれど、最後の最後で山田さんの謎に立ち返って、ああ山田さん、綾小路のひとつ下。綾小路の子供時分のエピソードを知っている。その不思議にちょっと探りいれようとする綾小路。ということは、次回、ちょっとでも山田さんの謎、明らかになるのかな? なりそうでならんような気もするんだよなあ!

0 件のコメント: