2013年6月30日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2013年8月号

『まんがタイムオリジナル』2013年8月号、先日の続きです。

『かでん屋さんの基礎知識』。前回のコンシェルジュ、そいつがいよいよ活躍するのかと思ったら、そうじゃなくってびっくり。今回は冷房事情でありますよ。暑いと思ったら、展示品、ひとつしかついてない。だからタコ足で複数台一気に稼動させてみたら、見事にブレーカーが落ちたっていうんですね。いや、エアコンの電源って分配して大丈夫なのか? いや、大丈夫じゃないからブレーカーが落ちたわけか。暑さのせいで、いつもよりポンコツになっていたりするんでしょうか。園宮、いろいろやるけどどれもいまいち有効じゃない感じ。裏目? 微妙にはずして、妙におかしいんですよね。空調服、これは園宮オリジナル? 有線だから行動範囲に限界があったりと微妙。羽根のない扇風機に頭突っ込んでみたりとか、とことんポンコツで、けどそうしたところがおかしくてよかったです。

『ヒミツの家光』、いよいよ修羅場ですよ。おキヌの働く汁粉屋にいくと、なんだか妙に騒がしい。いったいなにが? 家光の正室、鷹司孝子が汁粉屋にて騒動巻き起こした、まさにその現場にやってきてしまったというんですね。家光からしたら知らない女。けれど妻だという。事情知らない人間からしたら、妻もいるのにおキヌをたぶらかした悪いやつ、あるいはおキヌを口説きながら別の女との結婚を進めていた、どちらにしてもろくでなしってな風ですよね。それと女嫌いだった家光、その性格はいまだに変わってないんですね。忘れてましたよ。ただ男色家で十兵衛を掘ってただけかと思ってました。ともあれ、ちょっとシリアスに踏み込んだ展開。いったい家光の恋はどうなるのか。おキヌ側室に迎えました、じゃすまないだろう。どういう風に持っていくものか、これは楽しみです。

『鈴木くんさん』、面白いです。アホな方の鈴木といわれて、男鈴木をつつく女鈴木。ああ、女鈴木がアホな方の鈴木だっていうのですね。男鈴木は入試1位なのか。塾やら習い事やら沢山やらされてきたという。習い事に関しては女鈴木も同様のようで、方向性こそは違うものの、ピアノ、茶道、お琴、ってやるじゃん。お茶は検定を持ってるとのこと。それが今回の騒動の種になるですね。面白かった、検定を持ってる鈴木リンに用という人がくる。検定、ああ茶道のことか、そう思ったら珠算の検定だった。女鈴木、できないのにわからないのに珠算部にていろいろ聞かれてやらされそうになって、最初は調子よくやってたのに、しまいには泣き言。いいですよ、面白い。状況説明して、わかってもらって、それで珠算検定持ちの男鈴木はといったら、女鈴木と間違われて茶道部にいるっていうんですね。ややこしい、それで混乱、そうした状況を作るために、いろいろ条件工夫して、それで男鈴木の茶道部志願に決着させるとか、ほんと面白かった。ほんと、魅力的ですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第32巻第8号(2013年8月号)

2013年6月29日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2013年8月号

『まんがタイムきららキャラット』2013年8月号、昨日の続きです。

『NEW GAME!』は、青葉の歓迎会でありますよ。とはいうものの、未成年であるため酒の飲めない青葉が酔っ払いどもを見守る、そんな話になってしまっております。彼氏いるのか? そういわれて、いないと答えれば、先輩方々、次々いないとカムアウト。ビールの注ぎかたでやいやいいわれ、お酒の名前がわからない。頼むのも大変となって、お酒に振り回される青葉、その初々しさが見どころとなっておりました。しかし、まったく飲んだことがないというのはめずら、いや、それが当たり前ですよね。ちょっと興味を持ってみたり、それでやたらとドキドキしてみたり、そして二次会、最後の落ち。うまいことまとめられてたと思います。

『ハレルヤハレルヤ!』、みずほが部活にいったらば皐月がばったり倒れてた。身体測定があったそうで、泉は身長が伸びたと、0.1mm……、喜んでいて、皐月は、ああ、つまりはそういうことか。というわけで、部活がほぼ持久走になる。花壇の見回り? 学校をぐるりと一周したかと思うと、土も肥料も台車使わず手で運ぶ。水やりもホース使わずバケツとじょうろ。見事に皐月の都合でありました。かと思えば、結構ちゃんと園芸部としての活動もしてまして、コスモスの話、あれは面白かった。みずほの失敗も、これはどうだったんだろう。植えなおしたのかな? そのままにしたのかな? そして意外やしっかりもののしな乃、元バスケ部で走るの平気、惚れ惚れしますね。頼れる先輩って感じ。ラストでも見事そんな感じでした。

『フレラジ☆』、よいですね。ラジオの出演者、4人全員で浅草にいく。大阪からきた墨田さん、浅草とかどうかなという茜の言葉に喜んでしまって、あれはほんと可愛いなあ。浅草での風景、それも面白い。各国語あやつる葵とか、かっこいいな。スケッチブックにNo speakと書いて首から下げてる墨田さんが一々可愛い。で、お店にラジオ番組のポスターが貼られてる。茜の兄貴の仕業なのか。緋色っていうんだ。商店街歩いて、交流して、最後に茜のうちに泊まる。浅草近くなんだ。観光中のやり取り、茜と葵の関係なども面白く、なるほど、そして意外やしっかりものの茜。もっと駄目な子かと思ってた! 意外でした。

『あまゆる。』はアヤ大活躍。学校の授業で、田植え体験をするんだそうです。準備はもう整ってるから、あとは植えるだけ。経験者はアヤひとり。見本を見せるその手付き、かっこいい。喝采ですよ。あの苗を手にとる、あの人差し指中指で苗を保持するあの姿から、もう素敵であります。で、田植え初体験のハルたち、泥が気持ちいいと、それではしゃいでぐちゃぐちゃにして植えられない。って、これどうしたんだろう。ほんと、この展開面白かったです。その後も、農業って大変そう、そう思いながらも頑張ったり、あとアヤがハルのこと農家向いてるかもって、あの表情などいろいろ、それから汚れた顔、拭いてくれたりね、こういったやりとりほんとほのぼの、楽しそうで、すごく気にいっています。あと、田植え機に乗るアヤね、あれもよかった。可愛いですよ。

ネガ→ポジ』は体育祭。お弁当作った時点で力尽きる知沙とか素敵。ジャージ登校を忘れてた綾乃の早着替えとか、定番っぽいネタ挟みつつも、苦手ながら体育祭に頑張る皆の様子、それが描かれて実に楽しかったです。二人三脚における真白の反則技。あれ有効なのか? そして黒瀬先輩のこと、組が違うのに素直に1位を喜ぶ綾乃。先輩のために手を抜くか、正々堂々頑張るか、その合間で揺れるのね、ほんと一人相撲なんですけど、それがよかったです。そして白熱の障害物競争。あの展開、あの見せ方があって、その落ち? いやもう意外な、けど彼女らしいといえばらしいのか。思わず笑って、なんだか納得でした。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第9巻第8号(2013年8月号)

2013年6月28日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2013年8月号

『まんがタイムきららキャラット』2013年8月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』、ユー子とるん、夏らしく水着、じゃないや! けど、なんだかそんな感じよ! 背景は、メリハリつけたイラストらしい表現、ちょっとわたせせいぞうの絵を思ったりなんかする、そんな雰囲気で、そして前景には帽子が可愛いユー子とホースで水を撒くるん。ふたりとも、強い日射しの下にいる、そう思わせる雰囲気、印象ふりまいて、そしてなんだろうやたら色っぽいな。どうしよう。ユー子さんが、なんだかいつものユー子さんじゃないみたいですよ。とてもかっこいいお姉さんであります。

Aチャンネルは、ナギさん、めちゃくちゃ可愛いなあ。扉ではミステリアス? 本編はというとちょっと調子が悪そうで、なんかしぼんでる。可愛いなあ。くち? ちゅー? 危険だなあ! しかし今回はナギがメインであるけど、佐藤先生もちょっとフォーカスされていて、ああ、るんちゃんを前にしてない時はこんな感じなんだ。って、ナギさん、あなた、気力が弱ってるわよ! 気をつけて! しかし今回は体調不良、そして60kgと、ナギの表情も豊かで、ほんと、素敵でした。好きになってしまいそうです。いや、もうとっくに好きですけど。

『ごきチャ』は美術室にお邪魔です。赤い絵の具を頭からかぶるごきチャ。よかれと思ってどんどん状況が悪くなるのはいつもどおりなんですが、絵の具の赤を見ておいしそうから、白で修正しようとして失敗。雑巾の存在を知り、そしてクロスに手を出すまでの流れはよくよく練られてて、よどみなく見事です。しかしあのお嬢さん、ごきチャの存在に気がついてからの狂乱、めちゃくちゃ面白い。先生も、そんな絵の描き方教えてないわよって、そこを心配するんはおかしいと思う! けど、結果オーライでいい感じというの、こういう終わり方がなにより。いいんだと思うんですね。

『ののかノート』は体育? かと思ったら、身体測定だそうですよ。カラーページは着替えの風景、それを覗こうとするののかの姉あやかの変態性発揮されて、うん、この漫画の肝はこの姉だと思います。さて身体測定といえば、定番ですよね、身長を伸ばしたい、体重が気になる、胸囲あたりも気になる。ののかが牛乳と鉄棒、そいつでもって身長伸ばしてやると頑張ってきたそうなんですが、結果はともあれ、あのチャレンジ、その表情、実によかったです。でも身長は変わらない? むしろ減った? いや、ずるをしようとしたのがいかんのですけど。明日からあだ名がコーギーです。体重をめぐる攻防や、そして視力検査も面白かった。視力検査のランドルト環、それを見てCと答えるののか。先生がねその都度、右な、と言い直してくれるの、あれがなんだか気にいってしまいました。そして、玲緒奈に直してもらったリボン。玲緒奈を敵視する姉。ええ、やっぱり姉がいい味を出していますよ。

『ぷらいまりィずむ!』はしずのんですよ。めちゃくちゃ可愛いな! なんという可憐さ。扉のしずのん、本編のしずのんも素晴しい。レオーネも、あの目がいいよ。こういうのん→><。最高です。しかしなにがいいといっても、しずのんのマイペースさでしょう。レオーネの散歩にいくというので着替え、ニコちゃんに会うかも知れないからとしっかりおめかしして、ほんと可愛い。で、ようやっと散歩に出たかと思ったら、レオーネのもふもふとお日様のぽかぽかで、そのまま寝てしまうっていうんですよ。めいふ、さゆらに双子ってよく似てるわよねえ。あれもめちゃくちゃ面白い。ノルウェーに対するめいふとさゆらのイメージ、それを軽く裏切って普通のしずのん父。ナイスですよ。でもってニコちゃん。ベストパートナー。本当、暴走気味のしずのん、最高でした。ニコがいないとのんびりマイペース、ニコがいると暴走マイペース。いやもう、たまらん可愛さ、面白さでした。

『いろはステーション』、ゲスト前編であります。冒頭の滑舌練習。よく噛むわねから飲み込みがわるくってというやりとり、それに対するまぜっかえしまで、実にナイスでしたよ。広報部、校内放送をしたりする部活ですね。その主要メンバー4人のうちの3人、これだけのやりとりで雰囲気、性格、役割をちゃんと伝えてた、そう思います。真面目なんだけどミスが多いりん。しっかりものでちょっときびしい? まり。そしてお調子者のよしの。まずはこの3人中心に進めていって、厳しいこといいすぎたと反省、よしのがそういってる風にしてりんのことはげますまりとかね、なんだろうこのほのぼのというか気恥ずかしさ? 実にいい。りんとまりの仲がいいんですね。間接キスとひやかされたり、それでいろいろ意識したりと、まあそんな感じの仲のよさ。よしのにはれいという子がいて、とにかく大人しい子。よしのにぺったり。この子だけ1年生なのか。こういう女の子同士の仲のよさが描かれると思ったら、放送のこと、失敗したこと気にしてるりんが、大丈夫みんなちゃんと聞いてなかったからと安心して、その直後同じ理由でもって落ち込む。こういう部の活動にまつわるもろもろも描かれるところ、悪くないなあって思ったんですね。広報部は放送だけじゃなく新聞部の手伝いとか、広報に関するものいろいろに関わっていくんですね。活動の場、ともない人間関係なんかも広がりそうで、面白そうです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第9巻第8号(2013年8月号)

2013年6月27日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2013年8月号

『まんがタイムオリジナル』2013年8月号、発売されました。表紙は七夕でありますね。『ラディカル・ホスピタル』をメインに『トリセツなカテキョ』、『らいか・デイズ』、『社外秘!神田さん』、皆がそれぞれ七夕にちなんだ格好もろもろしています。山下ナース、榊医師はまさしくメイン、織姫と彦星でありますよ。そして『小森さんは断れない!』の単行本発売告知のカットもございます。

『満開!Sister』、七夕でありますよ。扉絵のカンナ、乙姫様の格好で短冊持って、どんなお願い書こうかと悩み中。ええ、素敵な扉であります。さてさて本編。さくらの策略はもう大変に見事ですよ。そしてサツキさん。けっこうながっかり系美人でありますが、たけしには随分とよいように誤解され続けていて、その落差、彼女の実際とたけしの理想ですね、それが面白くてたまりません。そして舞台はたけしの家に移って、七夕の笹は後で川に流す。けど今となっては難しい。だからといってトイレットペーパーで笹を作って、水に流せるようにするというのも変な感じ。って、流すのはトイレなのかー! いやもう、わびしい伝統もあったもんですよ。あの、ジャーッ、と流される笹飾りのわびしさ、ちょっと忘れられそうにないですよ。

『よゆう酌々』、急展開ですよ。女将さんが美容室でカットモデルをやりました! じゃなくって、いや、そういう話ではあるんですけど、後半です、後半。戸田くんの携帯に、以前いた店の社長の娘から、やたらたくさんの着信があったっていうんですね。娘さんと仲がいいから出世したんじゃないか、以前の店ではそんな噂をたてられてたなんて話なんですが、そのお嬢さん、もう東京についている。いや、きれいなお嬢さんやありませんの。って、関西の人? みもりの噂を聞きながら店に向かっているっていうんですが、ああー、ここでカットモデルの意味が出てくるわけか。なんともろくでもない噂が広がっていて、そしてお嬢さん、税理士の中川さんにつれられてみもりに向かうっていうんですね。戸田くん、ピンチなのか? それともラッキーなのか? 見た感じ、悪い人じゃないみたいだから、ええ、いいじゃないですか。うらやましいくらいです。

『小森さんは断れない。』、よいですよ。もうすぐ夏祭り、というわけで、小森さん準備を手伝うことになるんですけど、ここで大谷くん、いい役割りを担ってくれます。頼られたい大谷くんからしたら、いつも誰かから頼られてる小森さんはちょっと煙たいんですが、大谷くん、夏祭りでは小森さんのこと助けて、それがですね、ちょっと照れくさかったりするんでしょうか、憎まれ口なんてきいてた癖に、ここぞという時には本当に頼りになる、そうした姿見せてくれて、いやあ、いいやつじゃん! いつも頼られてる小森さん、けどそんな彼女の重荷を少しでも肩代わりしてくれる大谷くん。いや、そういうつもりはないんでしょうけどさ、ちょっとかっこいいじゃんって思ったんですね。で、最後の小森さん。意味深でありますよ。

『ゆらゆら薬局プラリネ』は、高校時代のみさきです。演劇部だったのか。入部の動機はアレなんですが、結構頑張ってたみたい。そんなみさきが校内で出会った王子様、先輩なんですって。藤吉さん、ハンサムなお嬢さん。化粧して衣装つけた姿は絢爛で、化粧落としてもキレイなんだそう。ちょっと男っぽい人なんですね。で、藤吉先輩、今頃どうしてるかなー、池田を見たみさきがそんなこと思ってたんですが、え? もしかして、同じ人なのかな? かも? そんな予感させる展開でしたよ。

あねぐるみ』、面白いな。錦さん、風邪で休み。ズル休みかも知れないと疑うタケロー、悪いやつだなあ。さて、そんなタケロー、姉ちゃんのさしがねで錦さんの見舞いにいくことになって、とりあえず必要なデータを作らせる、それが目的なんですが、親切なんだか不親切なんだかわからんな。さてさて、錦さん、めちゃくちゃよいな。買い出しとなればくじ引きメイン。部屋にはぬいぐるみがいっぱいで、錦さんもぬいぐるみに同化してるっていうんですね。スプーンはお気に入りじゃないと嫌だ。ゲーム内の庭の手入れをタケローにやらせて、そしておすすめのゲームなどなど。あの流れはすごくいい。おすすめ、アドバイス、そして対戦。もう最高です。で、仕事はきっちりこなしてくれてて、錦さん、無茶したな! ともあれ、今回は錦さんの魅力がてんこ盛り、最高でしたよ。

『機動教師アルファさん』、ゲストです。なにをやるにもものぐさな物理教師が、自分のかわりに授業をさせるべくロボット教師を作ったというのですね。作った人、森部有葉、作られたロボット、アルファ。自分の思考パターンをベースに作られたAIが搭載されている、というわけでアルファもものぐさだっていうんですね。さて、教室には有葉の弟、米太、ええと、これでべいたと読むんですが、がいて、こっちはえらいこと真面目真面目で、姉ちゃんとアルファにとにかく振り回されるといった具合でした。しかし、このアルファさん、その出自がナイスでした。どこか見覚えがある。そういう米太に姉ちゃんいわく、アンタの初恋の人さ。それは誰かといったら、昔の私、って、おお、確かに可愛いお姉ちゃんだ! いや、17歳の時もそうだけど29歳の今もかなりの可愛さよね。ともあれ、あのショックを受ける米太、姉ちゃんがそんな彼にかけた一言、そんなに、その効果は抜群で、面白かった。いや、ほんと、このくだりで、一気にもっていかれましたよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第32巻第8号(2013年8月号)

2013年6月26日水曜日

ガールズ&パンツァーモデリングブック — ザ・スターティング・ガイド・フォー・パンツァー・モデラーズ IV号戦車D型&38(t)編

 ガールズ&パンツァー』に感化されて、戦車のプラモデル作りたいなあ、なんてことをいっていました。けど、時間がないとか、塗装をどうするかとか、いろいろ理由をつけて先延ばしにして、ええ、いまだに作ってません、買ってさえいません。けど雑誌や本だけは買っていて、『モデルグラフィックス』と『アーマーモデリング』、結局毎月購読してしまっていて、そしてついに別冊、といってもいいのかな? 『ガールズ&パンツァー モデリングブック』を購入。やあ、ついにIV号戦車を作る気になったか? いやいや、なかなかそうもいかない感じでありますよ。

この本は、本当の模型初心者、それこそまったくまるっきり模型なんて作ったことない、それくらいの人を対象にしているみたいで、正直驚くほどの内容でした。だって、あんなに細かい模型製作ガイド、見たことない。そう思うくらいの詳細さで、対象キットはプラッツから出ているIV号D型38(t)なんですが、ニッパを使ってパーツを切り離す際にどのあたりから切ればいいとか、パーツの貼り付けやヤスリがけの際の注意点なんかが、それこそこと細かく、手取り足取りといった具合の丁寧さでもって説明されているんですね。豊富な写真で、最初の工程である転輪の組み立て、これだけで見開き2ページを費している。だって、ランナーからパーツを切り離して、接着後パーティングラインをヤスリがけして消す、それだけの作業に見開き2ページ。すごい! 読むだけでくたくたになる! いやほんと、プラモデル作りって割と面倒くさい作業が多かったりしますけど、その面倒くささが逐一写真に撮られ、語られているというこの本。作るだけでも大変だろうに、その工程ひとつひとつに何枚ずつといった単位で写真を撮って、ひとつひとつ解説をいれて、編集して、本にしてる。大変だったろうなあ。普通だったら要所要所だけの解説ですむところが、この本のコンセプトがそれを許さない。小さくて切った時に飛ばしやすいパーツがあれば、その都度注意喚起する。パーツの合いが悪くて隙間ができるとなると、どこをチェックしてどう削って合わせていくか、丁寧に解説する。とにかく詳細という印象の一冊でありました。

IV号、38(t)ともに、組み立て編と塗装編があって、そのどちらも欲張らず基本的なところをきっちり押さえていこうという方針が見て取れます。組み立ては基本的に素組み。このプラモデルは劇中の仕様と違ってるところがちょこちょこあるんですけど、合わせて改造するとかはなし。とにかくきちんとキットを組むという基本に留まっています。塗装も同様で、缶スプレーもしくはエアブラシで吹いて、仕上げはスミ入れとデカールくらい。チッピングだとかドライブラシだとかはやりません。いや、IV号のデカールにドライブラシやってたか。とにかく、それくらいです。最初からいきなり難しいことに挑戦して、うまくできない、もう駄目だあ! と絶望させるんじゃなくて、とにかく完成させる。少しずつステップアップしていけばいい、そうした入門の第一歩をサポートしようという意図がしっかりと感じられたのですね。

そういえば『アーマーモデリング』8月号は中級技術指南と称して「戦車模型を創ろう」DVDが付録でついてくるんだそうですよ。プラモデル製作のノウハウを映像で見ることができる。基本編に続くステップアップ編でありますね。このタイミング、よく考えられていると思いますよ。

2013年6月25日火曜日

Sunset, taken with GR DIGITAL IV

Intravenous drip月末になりました、ということでGR BLOGのトラックバック企画であります。今月のテーマは瞬間。というわけで、なにか瞬間を思わせるような写真はないものか、探してみたんですけど、これがない。自分の写真の撮り方というのもあるんだろうな。ゆっくり電源を入れて、ゆっくり構図を考えて、それでようやく撮るものだから、どうしても動きのある写真、その時、その瞬間を狙ったというようなものにはならないんですね。とはいいながらも、こういうのは参加することに意義があるんだ、そう思ったりするものだから、なにかそれっぽい写真をみつくろってトラックバック企画「瞬間」に参加します。

3枚ほど。けど正直こじつけで、どこがどうなって瞬間か説明できる自信がないので、なにも語らないことにします。

Weeds

Azalea

Sunset

2013年6月24日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2013年8月号

 『まんがタイムきららフォワード』2013年8月号、発売されました。表紙は『夢喰いメリー』。メリーさんと勇魚さん、ふたりとも水着で、南国気分? メリーさんが華奢で、いやもう大変によろしいですよ。対して勇魚姉さんは肉付きしっかりして、それでちょっと日焼けしてるの? メリーさんとはまた違った魅力。素敵であります。

夢喰いメリー』、日常に帰ってきましたね。ちょっとだけかも知れない、いつもどおりの毎日というわけでもない。けど、それでもずっと続いていたエルクレスとの戦い、息苦しくもあった探索と激突、そうした異常状況から戻ってこれた、たとえそれが束の間でも、すごくやさしげでやすらぐ、そうした時間が心地良いと感じられたんですよ。STOを訪れた由衣、いやさエンギですよ。ちょっと凛々しく見えるエンギ由衣、けどちょっとちぐはぐで可愛いなあ。姉様の仇討ち、それがかなったというので礼がしたい。それでSTOにやってきたっていうんですね。まあ、おやっさんの本領発揮ですよ。エンギさん、ウェイトレスデビュー。って、めちゃくちゃかっこいいよ! エンギ由衣とメリーさん、揃い踏みって、なにこれ、パラダイス? そしてエンギ渾身の床磨き。あかん、これ反則だろう。もう、ものすごく面白かったです。さて、夢路は夢路で、ジョンとともに次の展開を伺っている。そこに白儀が関わって、いやもう、ちょっと冷や冷やしますね。戻ってSTO。いやもうエンギ、めちゃくちゃ可愛いし。ウェイトレス、駄目か! きついか! 自分の昔を棚にあげてるメリーさんも最高で、いや、あんた、もっと酷かったよ! ほんと、最高。それだけに、エンギの決断。それを断わるメリー。その言葉の確かさ。ああ、メリーさんもしっかりしたなあ。迷ってた頃がずいぶん昔だ。ほんと、由衣もエンギも、そしてメリーも、真っ向から向き合って、それで揺らがないものを持ってるんだ。いい仲間じゃん。ほんと、いい仲間でありますよ。

『はじおつ。』は、向日葵になんと恋愛課題が出たよ! 甲斐くんを花火大会に誘え、そして間接キスをしろというもの。期限は……、いや、期限は特にない。花火大会を前にして、甲斐くんと向日葵ふたりで会うことになるんですけど、キスだなんだいわれてるもんだから、甲斐くんの唇まわりが気になってしかたのない向日葵ですよ。というか、なまめかしいな、甲斐くん! しかし向日葵がやたら意識するように、甲斐くんは甲斐くんで緊張してるっていうんですね。夜はやらしい。可愛いなあ、甲斐くん。私はどうしたらいいんだ。なんかむらむらするんだけど。そして向日葵、課題の間接キス、どうもこうも完遂できず、駄目か、諦めかけたところに最後のチャンス。いやもう赤面向日葵のあの威力。そして甲斐くん。ああ、ふたりともに可愛いなあ。平気なふりして見せていた甲斐くん、もうほんと、素晴しいです。最高でした。

はぢがーる』は二人羽織のその後ですよ。菊花が島村くんと付き合うことになった。対して紗江は自分は駄目だって最初から決め付けちゃってるんですね。けど悩みを菊花に聞いてもらって、アドバイスしてもらって、少しでも前に進めるのかな。ええ、進みましたよ。というか、びっくりした。紗江、落とした携帯電話を受け取りにバスの営業所に向かう途中、本田くんにこれまでのこと、全部やれといわれてやってきたのだといっちゃったんですね。心苦しくなってしまった。いわないではおられなかった。けれど、もっと早くいっておけばよかった。紗江の不安、それが本田くんのことが好きという気持ちに根差している、痛いほど伝わってきて、ほんと、このふたりの気持ちの行方、それはどうしたものになるのか。きっとハッピーエンドに違いない、そう確信してるのだけれど、でもこの着地する場所の見えない状況にハラハラとさせられっぱなしです。

『愛しの花凛』、じわじわと進んでいっていますね。このところ会えない花凛。テスト期間だったからバイトにこれなかったっていうんですが、その間、まったくコンタクトしてこない豊に対してちょっとおかんむりの模様。いや、でもそうした表情も実にいい感じでした。そして花の約束。ちょっと枯れたらしい。おおう。前途多難だな。それでメールアドレス教えてもらうことになるんですが、あの流れ、花凛さん危険やわ。なんという威力でありましょう。そして後半の急展開。いや、なんというんだろう。じわじわ展開していくのかなとか思ってたら、動く時には、ちょっと強引にでもぐっと動く。今回もちょっと唐突で、せっかくいい感じだったのに、花凛泣いちゃって、ほんと、どうなるんでしょう。

『トモダチログイン』、いいですね。学校休みたい、そう思ってたのにましろの強襲をうけて登校することに。登校途中、どんどん合流していく友人たち。ほんと、転校してきてあやめの生活はがらりと変わってしまったんですなあ。孤独と闇に愛された黒い百合、アホなこといってたのに、今はもう友達に囲まれてるのが普通になってきて、避けよう、孤高であり続けよう、そう思っても、なかなかそうはいかない。ええ、素直になっちまうといいよ。この子の、あきらめて状況受け入れて嬉しそうな様子見れば、あやめよ、よかったなあ。そう思うんですね。

2013年6月23日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2013年8月号

『まんがタイムスペシャル』2013年8月号、昨日の続きです。

『どろんきゅー』はアキちゃんメインですね。お化けも怖れされるお嬢さん。幽霊の出るアパートに好んで暮らし、出没する幽霊怪異をおびえさせているというんだから、一種の豪傑ですよね。今回も、クモ女、壁を這ってくる怪奇をものともせず、虫採りの粘着シートで撃退、さらには捕獲まで試みる。で、その捕獲、どう考えても面白半分なんだよなあ。しかし、それで自信をなくしたクモ女、佐倉さんで自信取り戻したり、そして前向きになったクモ女を再びアキちゃんが恐怖に陥れたりと、ほんと、このゴタゴタした状況が大変に面白かったです。そうそう、合コンの話ですよ。男全員呪われて死ぬらしい。いや、ほんと、ストーカー幽霊は悪霊なのか。いやほんと、凶悪ですよ。

特別企画「恋愛ラボのススメ!」です。参加者は水森みなも、吉村佳、クール教信者、はなこ、とく村長、水瀬るるうであります。原作のお気に入りシーンなどを聞きました、って企画なんですが、作家それぞれのタッチで描かれるマキやリコたちが新鮮でいいですね。表情が好き、エノ先輩が好き、そうした出だしを見せたのに、おいおい、いきなり存在しない名シーン集が出現して、面白いなあ、ほんと、最初、そんなシーンあったっけ? とか思っちゃいましたよ。続いてギャップ萌え、ええと中学生萌え? そしてリコが好きと、なるほど、けど皆さん、この子だけが好きというんじゃなくて、登場する皆が好き、そうした雰囲気があって、その感触、大変によかった。ええ、アニメに向けての期待、高まっていきますよね。

『先生のすみか』は、見事ヤマトのハーレム的状況が成立しておりますね。いや、そんなことないか。まりちゃん先生だけか。今夜は七夕、というわけでみな浴衣を着まして、笹に飾りつけをするっていうんですが、祭イコールおみこしの人がいたり、そして笹のてっぺんにベツレヘムの星! あの星はよかったなあ。ツッコミもまたナイスでした。まりちゃん先生のヤマトに対する思い、それが地味に暴走してるのが面白かったです。短冊の願い事、直球だとバレちゃう、かといって書かないではいられない。結果的ににじり寄りたいって、茶席? まりちゃん先生の視点がやっぱりよかったと思うんですね。管理人さんとヤマト、ふたりを見て心乱れる。しみじみと願う。そうした気持ちの見え隠れするところが、実にいい見せ場となっていました。

『アテナの初恋』はお料理教室。面白いなあ、って、ヘスティア主催と告知するあのポスター、電柱に貼ってある? いや、建物の円柱なのか? 謎のギリシャであります。嫉妬に狂うヘラがナイスでした。ヘスティアには敵わない? それでも対抗心燃やして、ゼウスに自分の料理を食べさせる、その必死さが逆に健気で、結局この人は情が篤いってことなんでしょうなあ。それはアテナに対する態度を見てもよくわかる。いきなりの流血、どうしようもなく下手。そんなアテナを見て、厳しさ重視で指導する。ちゃんと面倒見てくれるんですね。そうしたところ、いい人だと感じさせてくれて、だからこそ最後のアテナのトラブル解決、それが大変に心に沁みるものになった。そう思っています。思えば、ヘラとアテナは義理の母娘ともいえるんですよね? それだけにゼウスの感想、幸福な食卓、そうしたラストが演出された? ええ、よかったですよ。

『メェ〜探偵フワロ』、ヨシュア君、大変だな。少年探偵団所属ということ秘密にしてた。なのに村中に知れわたっていて、やりやがったなフワロめ、そう思って抗議したら、フワロ氏もアーサーも知らないっていう。田舎の伝播力のおそろしさ、ふたりともちゃんと考えてふせてくれてたのに、まさかの伏兵レモンさんでした。今回は少年探偵団の基礎固めでしたね。装備品を考えてみたり、って、レモンさんがやるとなんかちょっと違った感じになってしまう。渓流によくいる人だ。で、フワロ氏が手を出すと金金金から猟奇な世界に流れて、実に教育に悪そうだ。頼りになるのはアーサーでした。アジト、探偵手帳、バッヂといった憧れアイテムを次々提示して、ああ、そうだったなあ、小さくたためる縄バシゴとか、望遠鏡とかもあったっけ? よかったよなあ。で、コバーン少年、少年探偵団団長として、団の組織化をまかされる。予算までつくんだ! いや、ほんと、これはよいよ。ただのごっこでなく、もっときっちりとした責任ややりがいが発生して、ともない団長もやる気をいきいきと見せて、ああ、これはなんか見ててこちらが嬉しくなる。昔、少年探偵にはまってたころのこと思い出してにまにましたりするラストなんかも、ああ、こうした気持ちよくわかる。ほんと、少年のころの気持ち、それが見事に刺激されるエピソードでありました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第22巻第8号(2013年8月号)

2013年6月22日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2013年8月号

『まんがタイムスペシャル』2013年8月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、裏表紙も『恋愛ラボ』。なかなかに意欲的な表紙ですよ。表はマキリコの原作絵、裏は同じマキリコでアニメ絵。ちょこっと違いはあるんですけど、同じ構図、同じポーズ、あれ? どっちが表紙だっけ? もう両方が表紙といった感じ、リバーシブルなんであります。しかしこうして比較して見てみると、アニメ、いい感じにキャラクターができあがっていますね。ちょっと違う、けどそれっぽい。細かく書き込まれた原作絵、それをブラッシュアップして、けど大きく違えていないアニメ絵、どちらもにそれぞれの魅力が見られて、ええ、これはなかなかに期待でありますよ。

『銀河系女子高生ありすちゃん』は、海ですよ、海。あの初っ端からのハイテンション、おおおおおお ウォ ウォオオオオ ウォオオオオオオオタアアアアアアアー!! にはやられました。いや、ほんと、最初なにがなんだかわからなくって、はるちゃんのつっこみでやっと理解できたのでした。ウォーターか! すごいな! 臨海学校かなにかなのかな? 海が楽しみでしかたのないありすちゃんは大荷物で、対してゆせはクールに手提げひとつ。でも、カップとコーヒーをどこからか出してきたり、あいかわらず謎の人です。ああ、ブラックホールだったか。ありすちゃんが海に興味を持った理由。面白い。そしてゆせの謎、魚大量死? おそろしいなあ。あのですね、ふたりがB組男子から大人気。対し、実情知ってるA組男子たちの反応。この差にも笑って、そして告白の風景。ああ、ありすちゃん、気体なのか。気体なのか!? 海やらなにやらに対するありすちゃんの興味があり、そしてありすちゃんとゆせの謎めいたところもあって、ええ、魅力的、そして面白かったです。しかしゆせの暗転、ありゃあなんだったんでしょうね。

『ピンポン☆ブー』、面白いなあ。前回のクイズ対決、ちゃんと持ち越すんだ。10点先取のクイズ対決で、現在0対-52点。最低だ! ふざけてた佐原に、ああ、あややとみうは本気だったのね……。で、ここから景二ですよ。万里穴の用意した問題に文句もいわないどころか、むしろハンデなしで戦えると喜ぶ景二。その姿が本当によくって、それだけに彼の生き生きとしてクイズに答えていく、その様が見事、爽快でした。本当にクイズが好きなんだとわかる。まさしくクイズ馬鹿、その真っ直ぐさが気持ちよく、魅力的であります。

『趣味じゃない園芸』はグリーンカーテンの話題なんですね。職場でもやってて、日当たりのいい部署は夏の終わりごろにゴーヤを配ってたりします。うちでもグリーンカーテンはゴーヤで、だから夏はニガウリだらけ。うん、なんでゴーヤなんでしょうなあ。毎日はちょいときついです。さてさて、植物園では区画ごとに違った植物を植えて、お客さんにどれがいいか投票してもらおうという、企画にしちゃった。面白いですね。江戸時代の朝顔ブームは聞いたことありましたけど、変化アサガオ? 当時、どうやってこんな変種を作ったんだろう。そして対決の行方。実部門はおよそ失策が目立って、結局アサガオが勝つっていうね。ええ、ちょっとアサガオ植えてみようかなって気になりましたよ。そしたら、もう種蒔きの時期、終わってた! 花を育てて愛でる。花なんてお腹の足しにはならないですけど、それはやはり楽しいものだと思ったんですね。

『信長のおよめちゃん』、ゲストです。ヒマだと山道を散策していた青年が出会ったお嬢さん。不思議な人、帰蝶と名乗って、なんだかすごくのんびりしていて、ところは尾張。ここにやってきた理由、それがわからないっていうんですね。話してみれば、美濃からきた模様。時々記憶が曖昧になる、城の中にいたはずなのに、気付くと知らないところにいる。そうしたことが度々で、そしてその理由、明かされるんですね。首から下げてるお守りを、はずせばがらりと人柄が変わる。おだやかなお嬢さんが、ワイルドの君に変化するっていうんですね。こちらの人格が城から逃げ出す、出た先で大人しい人格に戻る。これを繰り返しているのだそうです。青年は織田信長。あの信長なんでしょうね。というわけで、帰蝶、この人はといいますと……。いや、誰かわかってるんですけど。歴史もの、ファンタジー? っぽく一味加えて、これをどういう風に調理していくんだろう。見せどころでありますね。

『すしっ娘』、ゲストです。寿司屋の朝は早い。いや、そういうわけでもないんだけど、ともあれ息子鯛介が表に出たら、そこには地面に突っ伏した女がいたっていうんですね。弟子入り志願。前田さより。未成年ながらも、寿司職人になる意思をしっかり持って、昔食べたこの店の味が忘れられない。いや、ちゃんとした動機じゃんか。彼女の職人を志望してることについて親御さんがどう思ってるのか、それはいまいちわからないんですが、力も強い、やる気もある、大将もいろいろ気にいってる? なかなかどうして、しっかりした寿司職人ものになりそう? そんな感触もあって、期待ですよ。あの最後の、まずは掃除からっていうの。大将、はっきりしない人だったけど、どうなんだろう。そう思ってたもんだから、この落ちがいいアクセントになって、ええ、よかったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第22巻第8号(2013年8月号)

引用

  • サカザキ原作,はなこ作画「銀河系女子高生ありすちゃん」,『まんがタイムスペシャル』第22巻第8号(2013年8月号),21頁。

2013年6月21日金曜日

さよなら 海腹川背

 『海腹川背』の新作が出たっていうんですね。通販で買ったけど届かないよ、他のみんながもう遊んでるのが悔しいよ、そういう声が巷にこだましていたのを聞いて、ちょっと欲しくなった。ええ、『海腹川背』、名作と聞いています。ジャンルはラバーリングアクション、らしい。ルアーでロープを打ち出し、そいつを頼りにアスレチックフィールドをクリアしていく、そういう類のゲームなんですが、タイムアタックが熱いらしいですね。標準のルートを辿るだけじゃなく、ショートカットを探索し、それこそ数秒でクリアしたりも可能という、そういうやりこみ、チャレンジが面白い、そういう話を聞いてて、ずっと興味があったんです。なので、これを機会と思って、近所のゲーム店、ひょいっと寄ってひょいっと買ってまいりました。

タイトルこそはさよならだけど、私にとってははじめての『海腹川背』です。なんとなく、めちゃくちゃ難しいアクションゲーム、そういう印象を持っていたのですが、プレイしてみれば、おやおや、どうにもならないみたいな難しさ、いわゆる無理ゲー的なめちゃくちゃな難易度はないのかな? みたいな感触ですね。とはいえ、クリアしたのはおそらく最も低難度のルート。エンディングまでは進んでみたんですが、このルートの途中、どう考えてもあのリュック取れそうにないみたいなのをいくつか目にしているので、まだ知らぬテクニックやルート、山程ありそうで怖れています。

しかし、ラバーリングアクション、リール操作は奥が深いですね。ひゅーっと伸ばして、飛び降りて、その途中リールを手繰ることで振り子を大きく振るとか、理屈はわかった、けどやってみてもうまくいかないよ! そんな感じ。ジャンプのタイミングも結構シビアで、あれー、これで届かないのか! 結構な厳しさ、難しさがあります。とはいっても、無理ゲーじゃない、いうならば昔ながらのアクションゲームといった具合で、ほら、ブロックから半キャラ分出たところでジャンプとか、昔のゲームだったら当たり前だったじゃないですか。そうしたシビアなジャンプタイミングやルアー操作を要求される、それだけにやりこみがいがある、ゆえに面白い。そういった感触があったんですね。

さて、3DS版『海腹川背』はネット対応。タイムアタックのランキングに参加できるよ! なんていうんですが、いや、私はもうとっくに諦めています。買う前から諦めてるくらいの勢い。だってさ、今の時点でランキングの上位が3秒とか4秒とか、ええーっ、なにそれ、どうやったらそれが可能になるの!? 信じられないタイムが出ていて、もうめげそう。そのリプレイをネットからダウンロードできるとか、そういうのがあったらよかったのになあ。いやね、だってさ、想像もつかんもの。自力でルートを探索する面白さもあるとはいえ、3秒とか、想像の領域超えてますから。せめて参考にしたいなあ、みたいなこと思うんですね。動画サイトに投稿する人もいるでしょうけど、そういったのではなく、オフィシャル対応して欲しかったなって思ったんです。

ああ、そうそう、操作系のこと。最初は標準のものを使ってたんですが、これだとリール操作がYかRなんですね。Yでやってたら、ジャンプした時に一緒にボタンを離してしまって落下という事故がやたら多かったので、途中でRを使うようにしたんです。それでとりあえずエンディングまで辿り着いて、けどセッティングを見たらクラシックというの、LとRで斜め上にルアーを打ち出せるというじゃありませんか。なんてこった。立ち止まった状態から斜め上に確実に打ち出すの、結構意識してやらないといけないのが、ボタン一発で楽々か!? というわけで、クラシックにするべきかどうか、大変に迷っておるところです。とりあえずクラシックにしてみたんだけど、充電残量がレッドゾーンに入ったので、試すのは充電後になりますよ。

もしお薦めセッティングとかあったら、教えてください。

2013年6月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2013年8月号

『まんがタイムきららMAX』2013年8月号、昨日の続きです。

ご注文はうさぎですか?』は、顔面蒼白のシャロちゃんですよ。めちゃくちゃ可愛いな。シャロの家で怪現象が! というのでラビットハウスに避難してきたというんですが、ココアのマイペース! チノのうさぎ説に恐慌きたすシャロもまた最高です。しかし面白いですよ。リゼがやる気になって、それが嬉しいシャロ。無視されたとショックの千夜に対するシャロのつっこみ。見事見事、テンションも高く、すごく楽しかったです。そして結局はうさぎ。あの草を差し出したのを受けて泣き崩れるシャロのくだり、まさに山場でした。うさぎ、ワイルドギース、うさぎが苦手なシャロの相棒になるのかな? うさぎ恐怖症も収まっていく? シャロにとっての転機、そんな回だったのかも知れませんね。ワイルドギースを受け入れてからのシャロ、表情の変化も見どころでありました。

『うにうにうにうに』、連載になりましたね。不憫な妖怪、うにの物語。家に帰りたい、けど帰れない。その理由は大体姉ちゃんのせい。血も涙もないユキ姉ちゃんが、とにかく最高だと思います。別にうにをいじめてるわけじゃないんですけど、なんだろう、このうにの追い詰められてる感じ。おいしいご飯につられて、それからあたたかい布団につられて、この家の子にならんとするうにの可愛さ。ユキの考えた苗字の酷さやら、うにの扱いの適当さ。じわじわとうにが追い詰められていくんですね。加えて、そのうにに、お兄ちゃんはいらないといわれてショックっぽいいわなもナイスでした。あと、ユキが20歳というのも、うにが夜にトイレひとりでいけないのも、ちんまいネタなんですけど面白くて、そして最後の住民票。泣いてやめてと頼むうに。いや、でもこれきっと、願いは聞き届けられないんだろうなあ。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、合宿ですよ。きっとお母さんが反対するだろう。そう思ってちょっと気落ちしてる? そんな晶が可愛くて、そうでした、中学では合宿に参加できなかったんですよね。で、今回はパパを味方につけて交渉するっていうんですが、いやいや、晶、家だとこんな感じなんだ。なにこれ、めちゃくちゃ可愛い! 髪形も違う、あの涙目でパパっていうとことか、どうしたらいいのか!? いや、どうもせんでいいんですけどさ。晶のママ、ちょっと誤解していました。もっと、こうなんというか、気持ちの狭い人なのかなって? 晶を束縛したがる人なのかなって思ってた。でも、見た感じそこまでじゃないんですね。ただ、勉強しなさいと、とにかく成績あげなさいと、そういうところに厳しい。ああ、なるほど、晶の性格、このお母さんと一緒だ。お母さんは成績を気にしてるけど、晶はそれが陸上に向いてるんだ。ママさん、勉強を一種勝ち負けと認識なさってるのかも知れないなあ。などなど、ちょっとのことでいろいろわかる。そんな含みがあった冒頭、実によかったです。ああ、パパっ子晶、可愛いなあ。

さてさて、晶、よっぽど朝岡先輩のこと好きなんだな。英語についての評価ですね。椿のいないところでも、朝岡先輩朝岡先輩っていってるんだな。合宿での風景も面白かった。晶はママ似で負けず嫌いだなんていってましたけど、いやいや、やっぱり競技やってる人はみんなそうだよな。2時間のジョグがビルドアップ走になる。これ、涼しい顔して見せてるけど、浅見さんもそうなのか。密度高く読ませる合宿序盤、ちょっと無茶して、気分もちょっと高揚してるのかな、浅見さんも飛ばしてる! ほんと、こうしたやりとり実にいい。お風呂での柘植ちゃんとの会話なんかも、ほんと、最高だったと思います。そして翌日の晶、あの柔軟中に寝てしまうとか、そして前へ前へ出るだけじゃなく、ペース落として走ると決めた、そうした気持ちの変化。晶にとっていい合宿になってる、なるんじゃないかなって思わせるエピソード。たいへんによかったです。

『らぶ・おーる!』、面白いですよ。まったくの初心者星見珠華がいよいよ卓球に取り組むっていうんですが、いやいや、かすりもしてないじゃん! おっとり系に見せて実は辛辣な綾ちゃんのつっこみが素晴しいです。そして目下のライバル、津川さんなんですが、しゃぼんちゃんなんだ! 驚きの弱点発見だな。というか珠華がいろいろヤバい感じで、行き過ぎちゃうのか。しゃぼ、津川さんの怯える様子、珠華がちゃんと約束守ってくれるかあやしいところなどなど、彼女らのやりとり面白くて、そう思ってたら、卓球のレクチャー、これがなかなかにしっかりしてて、いいですね。さっきまでのマイペースな展開があって、しっかりと卓球に取り組もうという場面がある。メリハリがついて、珠華の卓球に対する気持ちの入り様、気持ちよさ、面白さを知って、ちょっとずつのめりこんでいく、そんな様が読み取れて、ええ、しゃ、津川さんとの対決、そこに向けての盛り上がり、期待できそう、いけそうじゃん、そんな風に思えて楽しみになってきましたよ。しかし、珠華、実際すごいじゃん。出来の悪かった自分なんかはそう思うんですが、さすがの綾ちゃん、にこにこと辛辣で、いやもうこの子、最高です。

『いちごの入ったソーダ水』、杏奈さん、イメージチェンジ! 最高や! 最高や! もう一生ついていきます! いやもう、ほんと、あの写メ、どうしたらいいでしょうね、本当に。というわけで、今回は携帯電話なんですね。なるほど、流石の導入だなあ。こひめのスマートフォンは常時充電が切れています。って、あのじゃーんと出してくるこひめ、素晴しいな。あんなに自慢気なのに、使い方はいまいちわかってないんだ。で、充電したら電話とメールが山ほどきてる。返事しといた方がいいといわれたら、いっぱいメールくれなくても大丈夫です。もう、最高だ、このやりとり。あと素直になれない委員長もいいですよね。2連続ガーン。この人も可愛い人だと思います。そして最後に真夜ちゃん先生。こひめにおすすめの本をといわれて、『走れメロス』を勧めてみせる。酷い、酷い人だ! ほんと、キャラクターひとりひとりがいい味持って、それが見事に発揮されて、素晴しいです。最高でした。

『R18!』、酷い内容だ! レズ展開について。うん、コメントは遠慮しときます。じゃあなんで今回感想書こうと思ったかというと、これですよ、これ、貧乳好きな人は女の子自身が小さいことにコンプレックス抱いているのがいいとか言うタイプしかいないのかね? これね、実は、どことはいわんけどとあるネット上の掲示板だとものすごい批判受ける類の発言で、胸の小ささにコンプレックス持って恥じるところが萌えだなんて一言でもいおうものなら、ものすごい批判リプライがぶつけられる。いわく、それはコンプレックスフェチとでもいうべきもので、胸のサイズについての嗜好とは関係ないだろ云々。そもそも、そのスタイルやシルエットの美しさがいいのだから、コンプレックスなどは無関係などなど。擁護批判飛び交う火種になったりするんですね。またコンパクト、ミニマム、トランジスタ、小柄なタイプがいい人いれば、長身スレンダーがいいという人もあって、ほんと、嗜好の幅、許容の範囲は様々。それで常に内紛の火種を抱え込んでるような有り様で、結果としてどんどんスレッドが分裂していくというわけのわからなさなのであります。

自分なんかもチーム有象かチーム無象かどちらかと問われれば、うーん、強いていえば無象かなあ、そう答えるような人間でありますが、コンプレックスの有無は気にならない、むしろ自分のスタイルに自信を持つくらいでいいんじゃないか? そもそもサイズの小さなことを貧などと表現する、そうしたところに既にネガティブが背負わされる前提からしておかしいだろ? そう思っとります。

で、なにが意外だったかというと、これまでいろいろ、ひとつの事柄に対しても多様な嗜好があって云々とやってきたこの漫画が、ことつつましい胸に関しては、こうした一面が一言で語られてしまうにとどまるっていう、そのことにですよ。ああ、なるほど、ああ、無象どもの嗜好は業界には理解されていないのだ、そうしたことを痛く感じ取ったのであります。

ああ、批判的に書いてるみたいに読めると思うけど、これは漫画が面白かったからなので、それでもってノリノリで書いてるだけなので、勘違いはなさらないでくださいましよ。もしつまらなかったりしたら黙殺するのがこのBlogの常であります。

  • 『まんがタイムきららMAX』第10巻第8号(2013年8月号)

引用

  • ぷらぱ「R18!」,『まんがタイムきららMAX』第10巻第8号(2013年8月号),197頁。

2013年6月19日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2013年8月号

『まんがタイムきららMAX』2013年8月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』、木陰にたたずむしのに駆け寄るアリスがかわいくて、いいですね、このミニマムぎみのふたり。しのの、黙ってるとすごく落ち着いてしっとりと可愛らしい、そうしたところ、そしてアリスの元気な笑顔、ぱっと輝く、そのまぶしさがたまらない。背景の、真っ白に飛んでしまっている陽の光、それを背負って負けないアリスでありますよ。しかし大変に美しい表紙、美しいふたり。素晴しいです。

今日は初登場ゲストをとりあげますよ。

『水瀬まりんの航海日誌』、航海ものなんですね。地球とは違う世界、陸よりもずっと海の多い星、海球 — アクアスにて繰り広げられるまりんの海洋冒険譚。異世界もの、ちょっとファンタジー、けれど船に関することはほぼ我々の世界の常識に同じであるようですね。なんといってもカレーが主食(すみません、いいすぎました)。日本の海軍でもカレーが食べられていて、海上自衛隊にもその伝統は続いてるっていいますね。まりんの迷い込んだ世界においてもカレーは船乗りの常食である、ということで、乗艦陽炎でも独自のレシピがあるのだそうです。乙カレー! 艦船の描写がいいですよね。近代艦あり帆船あり、船の種類も時代を超えて多様に存在している模様。まりんが乗り込んでいる陽炎は戦艦、というには小さいか。とりあえず戦争しているような様子はないのですが、カレースパイスを採集しに降りた島にて遭遇した恐竜? ドラゴン? そいつらを威嚇すべく砲撃加えるところなどは、ううん、かっこいい。見せ場もしっかり作って、ええ、面白かったですよ。まりんが自分の世界に帰れるまで、陽炎乗員とともに旅するわけですね。友情? 恋愛? そうしたところも含めて、しっかり見せてくれた、そんな第1回でした。

『ナースegg!』、ナースの卵、看護学校の生徒神居と成香の物語。っていうか、いきなり憧れのナースキャップを否定される展開、あれは面白かった。わりとしっかりした看護学生ものなのかな? そう思ったら、しっかりとゆるいの半々って感じですね。授業はいきなり止血鉗子の紹介から。ふざけて先生に怒られて、こうしたものを基本としている、そんな感じがしますね。看護学生の学ぶ内容として介護が出てくるとか、起こして、清拭してなど、また清拭でよくある? 失敗事例みたいのが描かれて、これは作者がなんらかの知識とか体験とかあるってことなのかな。なんかね、想像だけで描きました、みたいな感じがしない。不思議とリアリティがあったんですね。そして最後には採血の練習まできて、いやはや、すごい駆け足、そんな感じ。もっとひとつ学ぶことのテーマに区切って、器具なら器具、介護なら介護みたいに、ふくらませていったらよかったのに。そうしたら、読みごたえも出るだろうし、次から次に手持ちのネタを打って消費してといった感じもなくなりそうに思いました。というか、一気に手持ちを使いはたしたりしたらもったいない、そう思わせる感触があったんですね。

『春日さんとメイドくん』は学生ものですね。深層の令嬢、春日ひなのは、あまりにもお嬢様なので押しボタン式信号も知らない。そんなで、よく鉄道が使えたな! ともあれ、たまたま通り掛かった森下豊、主人公に助けられて、無事学生寮に到着。そうしたら寮の管理人やってる親戚のお姉さん、森下聖子のさしがねで、豊、ひなのの専属メイドにさせられてしまうんですね。って、問題だー! 着替え風呂身だしなみ、すべてメイドだよりだったひなの、そんな状況を心配した親御さんが、ちょっとでも常識をつけさせようと青葉荘に入寮させることになって、で、豊に世話をさせようという流れ? 風呂にしてもなんにしても、ひなのがまったく動じない、誰かに介助させること、それが当たり前だから恥ずかしいと思わないっていうんですね。豊からしたら、えらい困った状態なわけですが、こうしたひなのも、いずれちょっとずつ変わっていったりしそうな気がしますね。

『サイドチェンジ!』、サッカーものでありますよ。潰れてしまっていた女子サッカー部を再興しよう、そうしたお話。ヒロインミドリは一種天才的なサッカー少女? ルールとかはさっぱりみたいだけど、そのあたりは妄想過多の浜崎空がサポートするみたい。なんとかして女子サッカー部を復活させて、ミドリを押し出していこう、そうした意図がもうばっちり描かれて見事でした。サッカー部を潰した張本人、生徒会長はドイツ出身。サッカー愛はなかなかのものっぽいですね。部を潰したのは、一時のブーム、盛り上がりを背景に安易に作られたものだったから。じゃあ、実力がともなっていたらどうなのだろう。ミドリと勝負するんですね。おそらくは諦めさせるためなんでしょうけど、会長がキーパー、ミドリがキッカーのPK戦。キッカー有利のためゴールはフットサル用の小さなものを使うことになって、こうした描写、なるほど、しっかり勝負を成立させる要件整えて、しかもミドリに勝たせる、そのためのポイントもしっかり描いて、なるほどしかり、納得させる勝負の行方、これはいい感じでしたよ。サッカーとなると11人? これから部員集め、大変そうですけど、ちょっと期待したくなる、そんな感触がありましたよ。

『もみじ色ステイション』、普通の学園もの? そう思ったら、なんかちょっと違うっぽいよ? あの、背景の効果を撒いてる人がいる!! その導入にいきなりやられて、油断するとやられる!? 腰を落ち着けて読まなければと意識させられるインパクト。実際、このテンションは持続して、面白かったですよ。見た目から予想した雰囲気、見事に裏切られて、じいめうせやがれ!! じいさん連呼、めんどくさいパターン、などなど、可愛いフリして結構ひどい。めんどくさいと思ったら当たり前みたいに放置するし、妄想中の葵、ひどい顔してるし、お金持ちのお嬢様、綾小路とかそういう名前だろうって決め付けてたり、いや、よかったですよ。予想される、あるいは期待されるパターンってありますでしょう。つっこみの形式や感動の形式、あとはよくある設定、そういうものをうまく使って、その都度裏切っていく。その引っくり返し方がうまいと思った。意外とね容赦ない感じがあって、それが面白みをよく引き出していましたよ。

『カラフルアクトレス!』、面白かった。よくなってますよね。小中高一貫校の特性いかして、各世代の学生の交流を持たせる、そんな特活クラブ活動なる制度があるっていうんです。トモカ高校2年生、アカリ中学2年生、ななる小学5年生、そしてあいる小学2年生、この4人があいるの宿題「将来の夢」を手伝う、一緒に取り組むのですが、うまいことそれぞれの個性を提示して、その個性でもって成立する彼女らの関係描いてみせて、その様子は丁寧。読めば自然に彼女ら登場人物の存在感感じとることができる。やさしいお姉さんトモカはちょっと夢見がち? ちょっとクールに見えるアカリ、ツッコミ担当? だけど、格好から入るとか、自意識の見え隠れするところなど、実によかったです。スポーツ少女ななるもいい。あいるの将来なりたいというアニメのヒロイン、朝から試合や練習をするので見たことがないっていう、そういう子。努力家、真面目、けどそういうところをアカリにつつかれる。そのアカリもなんだかいい奴で、ええ、やりとりを通して人となり、彼女らの距離感、意外な近さといいましょうか、それが感じられて、悪くないんですよ。実際、よく練られていた。そう思います。この感触、彼女ら4人の可能性、なかなかのもので、ちょっとしばらく見ていたい、そう思わせる引力がありました。アカリ、彼女がいいポジションをとっていたと思います。いや、彼女が眼鏡かけてるからとかじゃなくて、真面目にそう思ってる。彼女がうまく他の子らの個性もろもろ引き出していた、その役割がよかったんですね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第10巻第8号(2013年8月号)

2013年6月18日火曜日

『まんがタイムファミリー』2013年8月号

『まんがタイムファミリー』2013年8月号、昨日の続きです。

『宅飲み残念乙女ズ』、いい感じにパターンができてきてますね。今回はゆみみメイン。10時ごろに、男なんてシャボン玉、合コンから撤退して宅飲みに合流するところまでがいつもどおりなんですか。しかし、ゆみみという人、もうほんと面白いな。合コンハウトゥで予習しまくってからの参加。けどどれもやりすぎというか、偏執狂的というか、もうとにかく裏目裏目っていうんですね。あのクルトンの数まで平等にとか、途中までよかったのに! バカそうな男だったら釣れたろうのに! いやもう、下ネタに積極的に飛び込んでみたり、上目使いがものすごかったりと、いやもういかしました。で、今回の料理ですが、へー、ライスペーパーでフォーっぽい料理が作れるんだ。面白そう。いっぺん試してみたい。駄目駄目女子会のナンセンスと、ちょっと気のきいたレシピ。なんだかお得感の高い漫画であります。

『純情小町』、素晴しいな。ゆっきーがお花の準備。お茶席に季節感を、ということで季節の花を生けてるんですね。部活動としては、明後日のボランティア茶室に向けての練習。高い抹茶使いたい放題だから参加するっていうんですが、けど目的思惑はどうあれ、お茶席開いてお点前してという、そういうのとてもいい。人前が苦手というゆっきーをらしくないとはげましてみたり、それからみんなで着物。切り柄杓を決めてみたいという都、あの絵はたしかにかっこいい! ほんと、お茶のこと描いて、可愛く、面白い。華やかさもあって、ほんと、見事です。

『地味なコ、派手なコ』、面白いですよ。なんでまだゲストのままなんだ。西條サンが熱中症で倒れて、保健室に運び込まれるっていうんですが、西條サン担いだ千草も一緒に目をまわすとか、ほんと、千草の一生懸命さ、それが見えてよいなあ。グルグルの目も最高です。今回は西條サンの片思いしてる男の子、彼の言葉がよかったなと。千草のような地味なコが好き、そういっていた彼が西條サンに、元気な方が西條サンらしくていい、そういったんですね。彼の言葉があったため、地味になろうと地味活はじめた西條サン。けれど、西條サンの魅力ってなんなのだろう。西條サンらしいということ、それが彼女の魅力が一番発揮されている時なのじゃないか。地味になるべきか、あるいは自分らしさをつらぬくべきか。どうしたらよいのか、迷う西條サンがとてもよかったと思ったのですよ。この漫画は、派手がいい、地味だと駄目、そうした単純な線の引き方をしない。その人がその人らしくあろうとしている、そこに発する魅力、それをよく描いて、とてもよい。元気で明るい西條サン、地味かも知れないけど友達思いで細やかにいろいろよく気付く千草、ふたりともがそれぞれの魅力を持って、ともによい友人であろうとしている。そうしたところが眩しくてしかたないんですね。

『かしこかしこみ』、もう最高です。彼氏のフリをして欲しいと頼まれてムクがデートに出向くんですね。そしたら、ダブルデートの相手、一緒にきたのが山椒だった。うん、いい感じで似合いのふたりです。エリナとユカ。仲良い友達。ムク、山椒と一緒にデートして、見事に発揮される山椒の女子力ならぬお母さん力。もう本当、山椒、最高ですよ。ユカも山椒のこと好きみたいですね。ええ、可愛いですもんね、山椒。で、男ども、狛犬の桜とデートしたい。そう思って祈願したら山椒が女装してやってくる。最高だな。女子に人気なのは橘。皆から愛されてる神社の動物たち、ほんと皆可愛くて素晴しい。そして最後に奏衣さま、ムクと山椒にデートに誘われて、楽しそう。奏衣さまの愛されぶりも実によい。ほんと、ほのぼので楽しくて、面白い。大好きです。

  • 『まんがタイムファミリー』第31巻第8号(2013年8月号)

2013年6月17日月曜日

『まんがタイムファミリー』2013年8月号

『まんがタイムファミリー』2013年8月号、発売されました。表紙は、夏を先取り、水着でありますよ。って、いやもう、先取りもなにも体感的に夏真っ只中というこのごろ。いやほんと、水でも浴びたい。ええ、今月の表紙は水着ですよ。『ぽちゃぽちゃ水泳部』の面々がカラフルな水着で勢揃い。はっつー先輩の水鉄砲はいいけど、カツ代のタコ型墨鉄砲はやばいっす。他に『村ドル』あおいと紅子の水着姿、って、スクール水着と競泳水着。いや、ふたりともによく似合ってる? 悪くないっす。そして連続ゲスト『大家さんは思春期!』チエちゃんのカットもあるんですが、おおう、えらいことアクティブ、最初誰かと思いましたよ。

『ひかり!出発進行』、夏服、衣替えでありますよ。って、みはらし駅ってずいぶんな山奥という印象ありますが、それでも30度超えるのか。今年の夏もきついなあ。さて、ひかりの制服についてのご高説。夏服はあんまり好かんらしい。セーラー服を隠してしまう着方も好かんらしい。あの、女子高生の価値はほぼ制服というの、わりきった娘なんですなあ。あるいは高校生とはこうしたものなのでしょう。あの、ただのブラウスじゃありがたみ薄いというの、あれー、そうなの? ぽか鉄の詰襟制服の秘密なども面白い。夏服についても一家言あり、袖から手袋の間に萌える、ときめくという話。へー、そうなんだ。自分はさっぱりわからんとです。そうしたわいわいと楽しいパートあり、鉄道関連知識満載のパートあり、このバランス、とても面白い。太郎ちゃんがハワイは嫌、ドイツからデンマークに向かう列車がいい、って船に乗るんですね。へー、こんなのあるんだ。ほんと、面白い。友達、鉄道、振興案もあって、そしてお客さんとの交流。あの浴衣のね、なんか悲しい話!? と思ったらシンプルな落ち。いや、よかったです。ぴったりでなによりでした。

博士の白衣女子攻略論』は漏斗だそうです。赤星さんの目付き、なんかやばいですよ。ほっといたらあかんのかな。試験の種類によって濾紙を交換してもいい、いけない、落ちたものが必要なのか残ったものが必要なのかなどなど、いろいろ細かく決まっているらしい。なるほど大変です。で、ここから日常の濾過話。ドリップヨーグルト、聞いたことあります。今度やってみようかな。ボールとザルとクッキングペーパー。なるほど、これは楽そうです。さて漏斗の種類、分液ロート。見たことある気がするけど、使い方わからないなあ。そして吸引濾過するための漏斗、ってこんなの知らない! 最初の詰まってしまった赤星さんの試験、白銀くんのヒダ折りというのにしたらいいのかな? それとも決まりで駄目とかあるのかな? そうそう、学会の推薦の話、昔を思い出しましたよ。せっかく推薦してもらったのに、数年後、追放されたのが私です。

『春夏秋冬こよみの献立』、今回とてもよかった。こよみの親戚が送ってくれたスイカ。店のみんなに一個ずつっていうので懐も貰って帰るのですが、それで思い出す子供の頃の思い出。ああ、明るさを演じていた子供時分。平気と笑ってみせて、けどあのスイカを食べているチビ懐のモノローグ、あれは切なさ感じさせて、うんよかった。今回はちょっとしんみりとした、そんな雰囲気ただよわせて、けどそれもよいものだと思います。こよみのいう、いつもポジティブじゃなくてもいいというその言葉の重み、優しさ、それが大変によかったと思うのです。

『ダ・ヴィンチ系女子高生』、駒倉葛尾の新作ゲストです。黒中みどり高一が、焼きそばパンをくわえながら落ちていくその先は、ルネサンス期のミラノだった。って、これ、もしかして焼きそばパンじゃない? レオナルドと弟子マルコがむしむしと食べたその感想、中のこの果物、果物に言及してるんですが、ええと、なんだ、トマトのことか? そうか、レオナルドの存命中にはまだトマト、ヨーロッパに渡っとらんかったか。ということは、トマトケチャップで味付けするナポリタン、この時代のイタリアにはなかったというわけかーっ!? 冗談さておき、実際、今のソースとか調理法とかもろもろ、ルネサンス頃の人間に体験させたら、もう別世界だろうなあ。学校の図書室の古い本、その効能? でルネサンスナポリに飛んでいってしまうみどり。たいへんに駄目な子っぽいですが、この子が体験するイタリアルネサンス、それは面白そう。どんどんマニアックになっていくのかな? おおいに期待するところですよ。

特別企画は「髪は漫画家の命です!?」、参加者はおーはるい、佐野妙、春日ゆら、水瀬るるう、コナリミサト、あろひろしであります。髪に関する話題もろもろですね。って、おーはしるいの語る過去の経験、これが面白い。なるほど、自分で切って酷い目に。だから娘の髪をカットするのは避けてるっていうんですね。けど自分の髪を自分で切るのは難しいでしょう。パーマの話はいいですね。流行ったりする、そうしたら憧れたりする。けど髪質のせいでうまくいかないというのは佐野妙、なるほど、こんなこともあるんだ。三つ編みをほどいた、いわゆる貧乏パーマ。水瀬るるうのエピソード。なるほど、ふわふわウェーブは確かに可愛いかも知れません。ソバージュとかが流行ったころも、小学生や中学生は貧乏ソバージュとかやってたんでしょうなあ。最後のコマのクラスメイト、友達、先輩のふわふわ、あれは確かにいいものだと思います。でも、ストレートもいいよね。で、パーマ編の最後、コナリミサト、これはものすごい。叔母さんにたてロールにされてしまったっていうの、おそろしい。それで天パ少女たちに呼び出しくらったとか、ほんと、おそろしい。というか、叔母さん、無茶するなあ。叔母さんにやられちゃったって素直にいっときゃよかったんですよね、結果論ですが。あ、パーマ、まだあった。あろひろし、手入れのいらない髪形と叔父にリクエストしたらアイパーになった。って、アイパーはあれやろう。時代もあるんでしょうけど、まさにセーガクがアイパーで反抗をアピールする、そんな風にとられたんだろうなあ。そして春日ゆら、おおう、走査型電子顕微鏡だそうです。ああ、キューティクルの写真、なるほど、練習にぴったりとな。普通の髪を見て、そればっかりじゃつまらないから傷んでる髪を探す。最終手段は引きちぎる。あの手この手でいろいろ見たいと工夫する、そうした様子、楽しそうです。

  • 『まんがタイムファミリー』第31巻第8号(2013年8月号)

引用

  • 駒倉葛尾「ダ・ヴィンチ系女子高生」,『まんがタイムファミリー』第31巻第8号(2013年8月号),56頁。

2013年6月16日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2013年8月号

『まんがタイムきららミラク』2013年8月号、昨日の続きです。

桜Trick』は、前回、優と春香の秘密、美月会長に知られてしまって、ああ、それ以来がっちりガードされるものだから近付くことも難しいんですね。キスのことは周囲には知らされていないけれど、ふたりの行動はあちこちから監視されている。でもそれでもなんとか隙を見てはキスをしようというんだから、この子ら無茶しすぎです。けど、今回の見せ場はやっぱり会長でしょう。ついに自分の気持ちを確信した。高山春香のことが好きなんだと、はっきり気付いてしまった。ええ、これは楽しみ。というか、これまで気付いてなかったんか! 驚きですが、いやもう今後の会長の動向から目が離せませんね。

幸腹グラフィティ』は、露子さんの回でありますよ。いや、メインで動くのはいつもの三人。椎名の呼び掛け、というか依頼? 罠? とにかく、露子さんの誕生日を祝いたい。だから一緒に料理を作って欲しいというんですね。その過程で語られる露子さんと椎名の関係。椎名からしたら、露子さんは寂しい気持ちを料理でいやしてくれる、大切な人だった。だから料理でお返ししたい、そういうんですが、それが露子さんからしても同じだったっていうんですね。椎名が母親に見せる表情。けれど露子さんにもそうした表情向けてもらえる瞬間があった。料理だったっていうんですね。なにもかもお見通しの露子さん、今回も流石と思わされる描写の連続なんだけど、いつだってクール、そう思ってた露子さんが見せた素直な表情、これは本当に椎名のそれと重なりあうものだったんだろうなあ。素敵でした。そしてラスト、椎名母の指摘。あれは面白かった。感謝しちゃうんだ!

城下町のダンデライオン』。茜さま! 茜さまーっ! さて、今回の主役はむしろボルシチです。あの飼い猫。時間の経ったカリカリ、それを食うくらいならビニールをかじってた方がずっとマシという、あのくだりなど最高でした。動物の言葉がわかる栞、いい通訳でありましたよ。素直になれない奏さまも素晴しい。ほんと、ボルシチという猫の動向通してわかる、王家の皆の個性人柄、あとなだらかさ、そうしたところが最高で、葵さまもボルシチにはかなわない。いやもう本当素晴しい。そして夕飯はボルシチです。ええと、シチューの方。それを聞いて必死で逃げる猫ボルシチとか、もう、本当に面白かったです。

『TEI OH-!』、琴音さん、すごいことになってるな。グラマラス、そういう他ない、そんな彼女ですが、不思議とあんまりいやらしくないんですよね。ほら、今回上半身をパージして見せてますけど、あれもいやらしいとかそんなんじゃなくて、むしろかっこいい、そんな印象であります。しかし、琴音の印象、それがもうとてつもなく悪くって、家に招かれた瞬間、身の危険を感じる葵と雪乃。最高です。お茶をおいしくいれられる、ええ、かっこいい雪乃さん。けど、ほんと、お茶だけでどんなに驚かれるのか。本当面白かったです。いつもクールで、行動がアレな琴音さん、今回もまあいろいろアレなんですけど、反面かっこいいところや可愛いところが描かれて、面白かった。ええ、いいお姉さんですよ。いろいろアレですけど。

『ラスボス兄貴!!』、面白かったです。妹とその友人たち、兄貴と友達、そして兄貴のことが好きな女の子、三勢力がそれぞれの思惑を持って動いてるところが実にいい。妹あづみの友達絢芽が、あづみの恋を邪魔する兄貴におかんむり。そう思えばキューちゃんは兄貴にちょっと接近? 久里浜智代。屋上の兄貴に突撃していって、邪魔にされながらもいろいろ話して、それをひっそり偵察する兄貴ラバーの戸津谷。もうみんなすごくいい。ひとりひとりが思惑持って、気持ちのままに動いて、それが有機的に彼女彼らの関係をつむぎ、描き出す。うまくやらないとゴチャゴチャしてわかりにくくなりそうなのに、ひとりひとりのキャラクター、それがちゃんと整理されているから、すんなりスムーズに読めて、そして行動思惑のひとつひとつも面白いんですね。これは描くの大変かも知れない、そう思うけど、それだけに期待します。ほんと、楽しい、より楽しいものになりそうな予感がしています。

  • 『まんがタイムきららミラク』第2巻第8号(2013年8月号)

2013年6月15日土曜日

『まんがタイムきららミラク』2013年8月号

『まんがタイムきららミラク』2013年8月号、発売されました。表紙に衝撃の速報、『桜Trick』TVアニメ化決定!! の文字が大きく、どーんと書かれてまして、おお、快挙であります。春香と優、ふたりがちょっと抱き合っている、そんな感じの表紙イラスト。喜びあふれる、そうした雰囲気感じられるのは、ふたりが軽くジャンプしている、その雰囲気からでしょうね。髪、ジャケット、スカートが軽く舞い上がって、晴れやかな優の笑顔。それがとてもいい。落ち着いた春香の笑顔も魅力的。これは大変なことになりました。おおいに期待でありますよ。

さて、今日は新連載およびゲスト、初登場のものを取り上げたい、そう思うのですが、ひとつだけ触れておきたいものが。

茜さまっ! 茜さまーっ!

『シロクマと不明局』、『月曜日の空飛ぶオレンジ。』のあfろ、新連載でありますよ。今日から高校生、満開の桜の並木、期待に胸膨らませてるヒロインの笑顔がまぶしい! そう思ったら、ええー! なんじゃこりゃー! 一筋縄ではいくまいとは思ってましたが、いきなりこうくるとはなあ。熊本チエコ、死んで、騙されて、なんか自分の役割を果たさないといけない煉獄に送り込まれて、ほんと、なんともいえない展開です。こっちの世界での有名人、歴史上の人物も煉獄に暮らしているようで、聖徳太子とナポレオンはコンビで漫才やってるらしい。チエコが世話になることになった? お家の主の樋口さんは一葉らしい。ああ、なるほどそれで財布から五千円札。ちびっこでふわふわ甘ロリのマリーなど、可愛いキャラクター揃って、けどテイストはやっぱりシュールなんですね。ほんと、どういった感じに展開していくのか。きっとなんともいわれん感じになるんだろうな。ええ、楽しみであります。

『ジンジャーにゃん』は、カミサビなるものに出会った女の子たちの物語。ヒロインふたり、安斎響紀と吉馴尋、彼女らが神社で聞いた猫の鳴き声、それを頼りに見付けた小箱、開けたらそこには不思議な神様? 猫っぽい不思議生物。生物じゃないかも知れない。小郷るなと名乗っています。最近、尋の身におこった不思議なできごと。傘をさすと血が垂れてくるようになった。空を見ても雨しか降っていないのに……。怖くて傘を持てなくなって、って、なるほど雨の日、昇降口で佇んでいたわけです。響紀の傘にも怯えていたしと、ここまでの描写に納得したところで次の展開です。るな曰く、カミサビの仕業という。るなによって変身させられたふたりは、たくさんの傘の妖怪、付喪神? の中から自分の傘を見つけないといけない。子供のころに貰って、嬉しくて、大事に使っていた傘を学校に忘れてしまっていた。それが、尋の身におきた怪異の原因だったというんですね。この漫画、学校に彼女らの周辺におこる不思議なできごと、それをるなと一緒に変身して原因見つけて解決していく、そういうものになりそう。人と人だけではなく、人とモノの間にも通いあう気持ちはあるんだ。そうした第1回、よかったですよ。面白かったです。

『ゆき×はる』、ゲストです。これも状況説明を後に持ってきて、最初はどういう状況なんだろう、わからないながら読んでいく、その感覚は面白い。友達? はるるをはるる様と呼ぶ女の子、ゆきがはるるを雪の降る屋外へと誘うんですね。ゆきんこ帝国のPVを作ってネットで公開しようと思ってる。カメラを前にしての自己紹介、雪の妖精のゆきなんだそうですよ。はるるは寒がり。けれどゆきに誘われて外に出て、そこに加わるのははるるの友達えみちゃん。みんな可愛らしく、仲よく遊ぶ風景、それは楽しくとてもよかったです。あのひっこみじあんのえみがですね、はるるに見事に篭絡されたり、結局撮影されて狼狽えたり、そうしたところなど、ほんと見てるだけで楽しいと感じさせてくれました。もちろんはるるもゆきも同様です。ゆきが雪の妖精というの、自称ではないようです。はるるを雪の女王にして、ゆきんこ帝国を拡大させるといっている。けど、はるるはあんまり帝国拡大には興味がなくて、むしろゆきとえみと一緒に遊ぶ、そこに楽しみを見出してる模様。ええ、よいですね。和気あいあいとした感じは、実によかったです。

『まひるのヒツジ』、ゲストです。女の子ふたり、帰省先から帰ろうというところからスタート、なんですが、乗り物が船、本州との別れを惜しむってことは、つまりこれから本州を離れるってわけか。行き先は宵ヶ島、東京から片道6時間の離島なのだそう。そこに離島留学なるものをしてるんですね。日向まひると、船酔いに苦しむつきよ。宵ヶ島には地元の子、あさひもあって、3人での離島暮らしであります。つきよは都会っ子なんですね。コンビニがない宵ヶ島での暮らし、ちょっと不満もあって、徒歩中心の島での生活も大変そう。けれど、一緒にアイスなど買って食べて、夜には学校に通ってという、その日常。ちょっとほのぼの。背の低いまひるの、寸暇を惜しむように寝る、授業中も寝る、そうしたところなどにほのぼのさ強く感じられて、よかったです。最後に明かされる、つきよが離島留学を決めた理由も、ああ、そういう! 続けて読みたい漫画でありますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第2巻第8号(2013年8月号)

2013年6月14日金曜日

乙女ほるもん

 はじまった時の印象と、その後の感想、それがずいぶんと違うのですよ。『乙女ほるもん』は、男子校から共学校に転校してきた男子日渡良介が、一人暮らしの部屋に女の子連れ込めたりしないかな、そんな不埒なこと思っちゃうところから始まる漫画なんですが、いざ本編に入ってみればそうした展開ほぼ見込めないっていう、あれ? あれれ? なんか随分違うぞ? どんどん朴念仁になっていく良介、いやさ女子力のほのぼのラブコメなんでありますよ。女子力、なぜ女子力なのか? それは単純に良介の家事技能の高さ、それでもってつけられたあだ名なのですが、いや、風波さんしか女子力って呼んでないか、ともあれ、女子力良介の新たな学校での生活、そして彼のもとにあらわれた地底人、不思議な出会いをきっかけとしてどんどん変わっていく良介の暮らしの風景、彼の気持ち、それがなかなかによいのですよ。

しかし、最初、地球防衛部とか、それからあの戦闘着が出てきた時はどうしようかと思いました。正直地底人ミミの出現よりも衝撃で、けど読んでいくうちに、そうした設定は後退していき、かわりに前に出てきたのはヒロインたち、地底人ミミや香川花華、風波優、彼女らの気持ち、その動き。それがよかったんですね。地上の人間と結婚し子供を作るために地底からやってきたという、そのわりに恋愛とか男女のことにやたら疎いミミ。またハナも優もどこか恋愛について奥手で、そんな彼女らが女子力、良介と一緒に過ごす中で、彼に対する恋心を少しずつ膨らませていくんですね。

ハナも優もかなりの美少女であると思うんですが、本人はその自覚がない。ないどころか、むしろコンプレックスを持っていて、ハナに関しては、優が寄ってくる男子をことごとく撃退していくものだから、自分はモテないと。地味で魅力もないと思い込んでいる。優に関しても似たようなもので、胸の小ささを気にしている。そんな彼女らが、自然良介に引かれていったり、あるいはかわいいといわれて意識するようになったり、そうした恋心に揺れ、また自分の恋心に気付かなかったり、あるいは否定したりする様子がいじらしかったりで、大変に魅力的なんですね。

けれどヒロインはミミなんだと思います。ミミは良介と結婚するといって地底からやってきた。もしふたりが結ばれなければ地底に帰って、二度と地上にくることはないだろう。そうした背景を持っているんです。あまりに常識からかけはなれていたりするミミだけど、良介といつも一緒にいたい、そうしたところをわずらわしくも思われたりするミミだけど、けれどただただ良介に気持ちを向けて、ひとりになれば寂しさに良介を探しにさまよい出て、そうした様子はさすがに健気で、そりゃ良介だってほだされるよな。そりゃ当然、気持ちだって揺れるよな。ええ、このふたりの不器用というか無自覚というか、その恋する気持ちのすれちがったり、時に寄り添ったり、そうしたところに強く魅かれているのです。

さてさて、1巻後半には新たな地底人、タマキなんぞも登場して、彼はミミの婚約者というんですが、彼の扱い、そいつが詫びしかったり悲しかったりしまして、けどタマキもまた悪くないんですね。ほのぼので、けれどちょっぴり切なくて、そうした恋心の描かれるこの漫画に、ひと味添えるタマキの存在。悪くないじゃんと、気にいっているのであります。

ああ、一番気にいってるのは、風波さんです。いや、一応いっとかないといかんかなと思った。

  • 津々巳あや『乙女ほるもん』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊

2013年6月13日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2013年7月号

『まんがタイムジャンボ』2013年7月号、昨日の続きです。

『桜乃さん迷走中!』、こりゃまた面白い展開になってますよ。水沢さんがですよ、あんまりにも桜乃さんがすごいすごいと友達に自慢するものだから、紹介しろという話になってしまいまして、女子高生ぞろぞろ引き連れての桜乃さん詣でとあいなった。しかしその友達3人、したたかというかなんというか、自分なんてたいしたことないっていう桜乃さんに、わかってて面白いからのっかりましたと、ええい、失礼なやつらめ。でも、桜乃さん、モヤモヤしながらも許すのか。大人だ。今回の見どころは、桜乃さん、女子高生に戻る、ですよ。制服着せられて、そしたらそれがえらい恥ずかしい。外に遊びにいきましょう。大変なことになって、もう、見るからに挙動不審。ほんと、年増といわれて落ち込んで、おだてられて喜んで、素直な桜乃さんもよければ、教師に見付かってからの苦しい強弁も素敵。ほんと、面白かった。しかし、ほんと、桜乃さん、大江さんに見られてしまって、いや、もう、最後まで最高でした。

『ヒタキあやかしゆき』、雨の季節であります。雪女の雪に見張られて、まんざらでもないヒタキ少年。雪がその蓄えた冷気でもって雨を雪に変えてる現場を見て、驚きですよ。いいですよね、この幻想的な情景。けどヒタキ、それは人にはできないことだからとやめさせて、雨に濡れてもいけないと自分の傘を貸すんですね。ほんと、愛がありますよ。ヒタキは雪のことを気にしていて、雪もヒタキを見張ってるといいながら、結構ヒタキのこと気にいっていて、人間であるヒタキからすれば雪はあやかし。雪女である雪からすればヒタキこそが妖しい存在。互いに相手に不思議さ、異質さを感じながらも、それでも気持ちは引かれあっている。そうした様子、今回も実にしみじみと描かれて、ほんと、素晴しい。ほんと、この漫画、大好きです。

『マネーちゃんず』、面白いですよ。今回は衣替え、というわけではなくて、物持ちの持ち主が押し入れから取り出したる長財布でありますよ。リストラを怖れるマジックテープ財布ですが、持ち主はとりあえずその気はないみたい。長財布はお婆ちゃんに持たされたようで、それだけにずいぶん古いもののようです。そして擬人化。もういきなりの昭和ネタ。昭和どころか年号変わってる、じゃあノスタラダムスの大予言は!? って、そうか今の人はもう知らないのか。この長財布、昭和の常識といっていいのか、ってどんだけ昔なのか、ドルが360円時代でとまってるっていうんですね。ああー、自分も知らないわ。いつもは日本の硬貨、紙幣についての話が、今回はドルについて語られて、あの昔のドルの扱われ方と今のとの違いなど、なるほど、面白い。ほんと、意外なところにジェネレーションギャップ。最後の新聞なんかもナイスでありました。

『テイクアウト!』は、ほんと可愛い、そして面白いです。晩ご飯がすき焼きだと喜ぶこのみ。それを聞いて、すき焼きは最近食べてない、両親の多忙をしみじみ思う楓。それで楓をおまねきするんですね。いやほんと、なるべくカジュアルに、そういいながら、ものすごいドレス着てる楓。それでいくのかと思ったら、おお、ちゃんと普通になってる。かと思ったらこのみがドレスで、いやほんと、ふたりとも相手の出方考えて、それではずしてるのが面白いです。そしてすき焼き、あの肉の取り合い、そのにぎやかさを見て嬉しそうな楓が、ほんと、よかったんですね。それで夜のお茶、メイドさんと一緒にお話ししようという。楓、孤独をちょっと癒されてるんですね。ちょっとずつ変わっていく。その気持ちの変化など、とてもよかったです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第19巻第7号(2013年7月号)

2013年6月12日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2013年7月号

『まんがタイムジャンボ』2013年7月号、発売されました。今月のテーマはジューンブライド、花嫁姿の『レーカン!』天海さんが真ん中にドーン! ですよ。ベール、白いドレス、染めた頬、美しい、そうしたイメージが全面にあふれていて、そしてそんな天海さんを祝福するのはフラワーガールの『花の任侠物語しずか』の静花、『じょしもん』美々であります。静花と美々、同じフラワーガールでも随分雰囲気が違って、要請みたいな静花に質素な美々、どちらも可愛く仕上がっています。

『乙女ほるもん』は嬉し恥ずかし、下着の話ですね。体操服を着るのはじめてと喜ぶミミ。それはいいんだけど、その下に下着をつけてなかったっていうんですね。それでハナちゃん、風波さんがミミを下着屋さんに連れていってくれる。しかし、女子力999の男、良介もそのあたりには疎いのですか。いや、まあ、そうかも知れませんね。なんのかんのいっても女子ではないし、どちらかというと朴念仁だし。そんな良介の興味がブラの構造に向かうっていうの、あれは面白かった。下着とかその中身とかには意識向かわないのね。今回の見どころは、そうした良介のはずれっぷりと、対照的に意識しまくりのタマキ、そして地底人ふたりの大活躍、そしてミミに対して優しい良介でしょう。ほんと、このふたり、ほのぼのながらも、じわじわ気持ちが近付いていっている、そんなところがいいなって思う。そうしたところ見て穏かでないハナちゃん、風波さん、ふたりの気持ちの行方はどうなる? なんて思いながらも、結局下着まで作ってしまう良介、その落ちが全部をまるごと持っていってしまいましたよ。

『びあ充!』、ゲストです。多分。大学生、乾あさひがバイトの面接にと向かった店は木林泡店。もともとは酒店だったのを、ビール専門を謳い、泡店と改名した模様です。店に入ればばったり倒れている女性がひとり。店主か? 店主なのか? 一見子供に見えるお嬢さん、見事酔っぱらってるんですね。アラサーらしい。木林麦。話を聞かない系女子。引っ込み思案のあさひんと麦、ふたりのちょっと噛み合わなくて、っていうか、麦が話聞かんからやねんけど、ともあれ、あさひがビールを飲めるようになるまでの物語? いや、店の常連さんとかが出てきたりするのかな? これからの仕事の様子、それが楽しみですね。

『お隣さんゲーム』、ゲストです。多分。幼なじみの恋愛ものですね。12年前にお隣に引っ越してきた鶴岡さん一家。姉ひとり妹ひとり、みたいですね。あ、さらに妹がひとりいる。そのうちのひとり、真ん中の子、舞子が主人公ですね。お隣の男の子、圭介に思いを寄せている。好きだなんて決していわないんだけど、わりとあからさまに気持ちが漏れ出してる、そんな感じです。圭介の兄貴、楓に関しては別になんということもないようで、ええ、とにかく圭介なんですね。あの圭介と楓に対する態度の違い、その温度差、あれが面白かったですよ。舞子、高校生になってはじめて圭介のこと気にしはじめたんですね。対して、全然そんな風にならない圭介。これ本当に単純に子供っぽい、鈍いだけなのかな? わからんのだけど、ともあれ好きがだだもれの舞子、この子のキャラクター、これが面白くよかったです。

『僕のロイヤルなメイドさま』、ゲストです。オーストリアからやってきたメイドさんと同居する主人公。メイドのヴィオラは貴族の末裔、それがメイドということは没落したのかな? そう思ってたら、ちょっと違うみたい。主人公の妹が留学した先の学生寮、それがヴィオラのもとお城なんだそうですよ。城を寮として明け渡し、城の維持は学生たちがやっている。なので、自分も人の役にたとうと思って、主人公のところにやってきてメイドをすることになった。って、なんで? よくわからんのだけど、いや、なんで? 常識をあまり知らない、そんなヴィオラの頑張り、その可愛さを愛でる、そうした漫画でありましょう。

  • 『まんがタイムジャンボ』第19巻第7号(2013年7月号)

2013年6月11日火曜日

サンカクep

 アニメのですね、『はたらく魔王さま!』が面白いんです。勇者に追い詰められて、異世界から逃げてきた魔王とその腹心が、現代日本でバイトクルーとして働く、そんなアニメ、もともとはライトノベルですね。あなどってましたよ。やたら評判がいい、面白い面白いという感想がいっぱい流れてきて、おおう、第1話もう終わっちまってるよ。しかたがないので、第2話から録画して、第1話はweb配信で見たの。そしたらなるほど確かに面白くて、そして音楽もまたよかったんですね。とりわけ気にいったのはEDテーマ曲、『月花』。これは買わずにはおられない! ええ、買ってしまいました。

歌っているのはnano.RIPE。結構アニメの主題歌を歌ってるバンド、そういう印象があるのですが、調べてみれば、『花咲くいろは』、『さんかれあ』、『人類は衰退しました』、『バクマン。』、そして『はたらく魔王さま!』。もっと歌ってるものと思ってたんですが、意外、たまたま見てた番組が、たまたまnano.RIPEとタイアップしてただけだったのか。

正直なところをいいますと、自分はバンドの名前とか全然覚えられません。主題歌は知ってるけど、タイトル知らない、歌ってる人も知らないっていうのが普通で、けど印象的な人となると知らず覚えているものです。nano.RIPEもそんな感じでした。はじめてこの人たちの歌を知ることとなった『花咲くいろは』、この時点できっちり覚えていたようで、だから別の番組で聴くたびに、ああ、よく耳にするなあ、そういう印象を持ったのだと思います。技巧派といった感じではなく、元気で真っ直ぐに伸びる女声が気持ちいい、そういった覚え方をしていたのだと思います。実際、『魔王さま!』以前、どの時点でCDを買っていたとしてもなんらおかしくなかった。今となってはそう思っています。

『月花』は、ちょっとスローなテンポ、シャッフルのリズムが気持ちいい。歌詞にして月の影に隠してたからはじまるリフレイン、これが気付けば頭の中、何度も何度も繰り返されて、シンプルなメロディ、けれど不思議と心に残る。シャッフルの裏拍、そして半音階的に揺れるそこに生じるメロウな情感。歌い手、きみコの声の質、歌い方ともよくマッチして、長調の曲なのに、切なさがたなびいて美しい。いい曲だなあ、そう思いながら聴いていたんですね。

構成もいい。印象的なドラムのみのイントロ、ボーカルのカウントを経てギターが入り、そしてコーラス。導入は落ち着いて、それが嘘つき 臆病者のフレーズから色を違えていく。そしてリフレインに向けて盛り上げていくというこの流れ、短い時間、決して多くはない小節数で、うまいなあ、感心しています。

技巧的とは感じない、そういっていたのはまったくもって間違いだな。今ではそう思っています。『サンカクep』に収録された3曲、どれもに工夫があり、どれもが、ここと印象に残る瞬間を持っている。メロディに美しさがあり、歌詞、ことばがリズムに、メロディにそって、いきいきとしている。本当、『月花』のために買ったシングル、けれど『スターチャート』も『ツマビクヒトリ』も、耳に、心にしっかりと跡を残して、自分はnano.RIPEがかなり好きだな。そう認識させる一枚になりました。

引用

  • きみコ『月花

2013年6月10日月曜日

『まんがタイム』2013年7月号

『まんがタイム』2013年7月号、一昨日の続きです。

『鉄仮面のイブキさん』、カラーですよ。素晴しい。伊吹さん、超きれい。表情が硬い。表情が変わない、そのため表情が、ひいては本心が読めない。ミステリアス・ビューティですよ。ウソをついてもバレないんじゃないか? 喜多くんにそういわれて、いろいろウソをついてくれる伊吹さんが、ほんとつきあいよくて、すごくいいんですよ。スパイなの、アイドルなの、美少女怪盗なの、それがもう可愛くて、そして、表情硬いのは演技よ。ほんと面白い。喜多くん、振り回されっぱなしですよ。そんな喜多くんのお気に入りのウソは、未来からきたアンドロイド。今回は伊吹さんも楽しいみたいで、まぶしい笑顔なんだそうです。そして伊吹さんのウソ、先生には通じない。この先生をからめる展開、ちょくちょくありますけど、面白いですよね。ほんと、シンプルながら面白い、魅力的、いい漫画です。

ジムメン!』、いいですよ。征一が女の子と一緒に登校してる。夜には下校してるところも目撃されて、うらやましがる花巻。彼女に違いない、勝手に思い込んで、ジムでもいろいろ憶測ふりまいて、けど見事に空振り。普通のクラスメートなんだそう。けどちょっと好きだったりするんだって。いいねえ、青春だ。征一なら問題なくいけそうなのになあ。そして今回、葉子さん、ちょっと花巻のこと誉めたりして、自信をつけさせる作戦だったそうですが、匙を投げられたって思うのか。いやほんと、この人に関しては、厳しさ重視でいいかも知れないですね。

恋愛ラボ』は、リコをメインにコマ割り漫画、ショートストーリーですよ。庭で遊ぶリコとレンを見て眼福眼福とつぶやく爺さんからスタート。って、いや、孫じゃない、その向こうに見える藤女生の制服姿、それを見てたのか。えらい爺さんだな。孫からもエロジジイ呼ばわり。けど、なんか楽しい爺さんです。リコがですね、この爺さんのこと、本当に好きっていうのがわかるんですよ。一緒に散歩したり映画見たり、本を選んでもらったり、そうしたやりとりは微笑ましくて、そして爺さん、リコのことをよくわかってる。藤女への憧れを抱いているリコ、けれど無理だと諦めてしまってるところに、そっと背を押してくれるんですね。なにがリコにとっていいのか、なにがリコの支えになるのか、爺さんの気持ちを通じてよく見えてくる。本当にリコもお爺さんも、相手のことを思いやって、なんとまあ、なんとまあ、本当に、切なくもよい話だった、そう思います。爺さんのリコに残した手紙、あの、リコにこそ通じたもの、伝わった気持ち、それが実に確かで、ほんと、うまい作家だと思いましたよ。

  • 『まんがタイム』第33巻第7号(2013年7月号)

2013年6月9日日曜日

『まんがタイムきらら』2013年7月号

『まんがタイムきらら』2013年7月号、一昨日の続きです。

チェリーブロッサム!』は人工呼吸の件があちこちに動揺をもたらしてますね。はたしてあれは誰なのか? その解明が待たれる!? ってな展開でありますが、ささのんが御機嫌斜め。三葉はその場に居合わせてないっていうから違う、先生でもないっぽい。となれば先輩のどちらか? そこまで大咲目星をつけて、そうしたらあからさまに挙動不審な大倉山先輩。いやもうこの人、めちゃくちゃ可愛いな。大咲でなくとも、それから大倉山兄でなくとも、大倉山先輩がそうだと思うよなあ。しかし予想外でしたよ。兄貴さん、抵抗や妨害したりするんじゃないのか! 既婚者の余裕? いや、余裕なんて微塵もないな。けど、それが妹の恋ならばと、しっかり後押しするんですね。まあ、それで状況はこじれていくんですけど……。ほんと、どうなるんだろう。とりあえずお兄様は半殺しにされる模様。でも、ほんと、これまで大咲を中心とした恋愛模様、そいつに一番距離を置いていた大倉山先輩が、一気に中心に投げ込まれて、いったいどういう方向に進むのだろう。いやほんと、自分のこととなればからっきし駄目な大倉山先輩、最高でした。花でも贈りたいくらいです。

箱入りドロップス』、今回は身長の話。ああ、雫さん、背丈伸ばしたいの。伸ばしたい派が雫に純ちゃん。低くなりたい派が萌と関さん。いやいや、萌さん、可愛いよ。ほんと、けど、小学校の頃とか成長はやいと、とりわけ女の子だといろいろからかわれたりして、コンプレックスになったりしますよね。で、萌さんがその典型。ああー、けど萌さん、可愛いよ。さてさて、陽一はちゃんと雫が気にしてること察して、小さい方が好きといってあげるんですね。いいやつだなあ。ショタもいけるのか! しかしね、身長高い女子組。一生お姫様抱っこしてもらえないって悲しんでますけど、よほどじゃないかぎりできますから。自分みたいなひょろひょろでも、けっこうながたいの男、お姫様抱っこ状態で運べますから。いやほんと、気を失ってるとかでない限り問題ないですから。しかし今回は相ノ木、陽一、萌が脱兎のごとく逃げる。ナイスですよ。雫に関しては、なんかちょっと脱兎って感じじゃないなあ。そしてほのかに香る純ちゃんの恋心。ナイスですよ。

『Pretty Prison』、おお、新しく配属された刑務官ですよ。マーブル。黒髪おかっぱ、最高だな! ピカピカの新入生、そんな雰囲気が眩しいお嬢さんですが、モモ所長の駄目さ見て、若干不安に。この子の視点を導入することで、この刑務所の状況が整理された、そんな感じ。よいですよ、よいですよ。そしてコハクの悲壮感。よいですよ、ほんと、よいですよ。最初はコハクとリンネ、ふたりの関係に焦点が当たってた、そんな感じでしたが、リンネ側にはビスカが、コハク側にはマーブルがといった具合に、だんだん人間関係広げて、って、そんなに広がってるわけでもないんですけど、関係のバリエーション豊かにして、面白さも変わってきた、そう思います。ああ、所長はちょっと別格というか、どっち側って感じでもないですね。第三極? いろいろ駄目な刑務所コメディ。コハクもなんのかんのいって甘い。そこに堅物っぽいマーブルが入って、ますます面白くなっていきそう。おおいに期待しますよ。

『女子大生生活様式』、柚ちゃん、しっかりしてるなあ! ことねと柚が一緒の授業受けてるの、なるほど、よくよく理解できました。ことねひとりが単位落としたんですな。おなかすいたと弱音をはくことねをはげます柚ちゃん、その他もろもろ雰囲気からも柚の方が先輩ぽくって、最後の怖がりこよとふたりで帰宅もね、ほんと柚ちゃん、しっかりしています。しっかりしてるといえば、ねね、いいですよね。すごく真面目に授業受けてる。そう思ったら違った。講義終わってからも質問しにいっている。そう思ったら、やっぱり違った。あの先生とのやりとりとかもね、いい雰囲気。ねねのこうしたところ、本当によい、とても気にいっています。

『帰宅るまでが学校です!』、楽しかった。帰宅部の皆で買い物にいきます。そしたら葵が酷いセンスで、一緒に歩きたくないなんていわれるレベルなんだそうですよ。その葵を、皆でいい感じにしちゃいましょう。そうした展開、シンプルなんだけど、可愛く楽しく、各人の人柄もよく出てきて、すごくよかった。葵によるカンナ、夏芽、しおんのファッションチェック、その評価ポイント、なるほどとてもよくわかる。ナイスでした。そして後半は下着チェック。基本葵が残念女子ってことなんですね。それでもって自爆カンナさん。とどめの葵からの爆撃。カンナさん、すごくいい味出してますよね。ほんと、面白かったです。

JOB&JOY』、面白いなあ。まーくん来店。優也がね、まーくん相手に話してる、そのやりとりがほんと面白くて、可愛いなあ。まーくんも優也、しっぽのおねーちゃんも、それからピンどめの舞花もすごく可愛い。かしゅっ、カチューシャ!! あの顔は、ほんと、すごくよかったです。あと、まーくんの綾奈に対する時の態度、あれはいいなあ。いや、どんだけ可愛いんだ、まーくん。まーやん、まー坊、まー君、呼び方のネタ、これもすごくいい。まーくんだった。そして安定の店長。いやもう、ほんと、最高に面白かったです。どんどん、どんどんよくなっていきますよ。

『すいまさんといっしょ』、すいまさん可愛いなあ。このところ睡魔としての仕事ができてない。それでユウをはやいうちに寝かしてしまおうっていうんですね。けどその策略の数々。あんまり効果的って感じじゃない。むしろ逆効果? すいまさんがこんなに焦ってるの、いじめっこあくむさんのせいなのか。そうした話聞いて、ちゃんと協力しようとしてくれるユウくんはいい子だなあ。しかし、それにしてもすいまさんが可愛い。あのネグリジェで膝枕。めくれば大変なことに、かといってシャツを着せても大変なことに。ほんと、すいまさんの可愛さと、ユウくんの焦り恥ずかし、そうしたもの、すごく面白かったです。

スマイル・スタイル』、今回は増ページ。面白かった。それと、ちょっと感動した。ひとりで下校することになった歩が、百合の妹、桜とちょっとお話するんですね。百合になかなか会えなくて寂しい桜をはげまそうという、いい先輩ぶりですよ。意図してかっこつけたらうまくいかなくって、意識せず自分のやりたいようにやってた方が先輩らしいというのが歩らしくていい感じ。しかし、この会話でね、桜の悩み、ちょっと軽くなって、素直になれて、それが本当によかった。途中途中ギャグタッチ、面白がらせようというコマがはさまれるんですが、それが逆にシリアスなところ、歩の過去、桜の寂しさ、そうしたところを強調して、あのラスト、歩と桜の心が近くなったっていうところなんて、本当によかった。いいエピソードだったー、そう思わされたんですね。うん、けど、先生、は、まあいいや、うん、感動的ないいエピソード。じわっと涙が浮かぶ、そんなしみじみとした暖かみに溢れていましたよ。

『みらくるえじそん?』、めちゃくちゃ面白かったです。女子寮は警備がしっかりしてるのに、男子寮はザル。男女平等にすべきじゃないかと提案したら、女子寮のセキュリティを下げろという風に誤解された拓海。そこからすでに面白い。しかし素晴しいのはむしろこれからですよ。美咲、拓海に同調して、厳重な警備は漢のロマン! 凶悪なセキュリティを築きあげた。寮内に入りたければ数々の罠を突破して、拓海の部屋にある停止ボタンを押さないといけない。いや、ほんと、なんてことしてくれた! そういう感情と、拓海が喜ぶと思って、そういう美咲の気持ち、実際大喜びしてる拓海、この交錯、最高でしたよ。寮内の罠、その強固さと、どえらい抜け道、その落差、手作り感があって、もうほんと、すごく笑える。ちょっとしたイベントですよね。最後の最後、一転寮生に評価されたと思ったら、落ちでしっかりペナルティを食らうところまで、みっちりぎっしり中身の詰まった面白さでした。元気で明るい、読んでてスカっとする、そんな底抜けさが実によく、あと美咲ですよ、この人、ものすごく魅力的。スカートパタパタ、別にエロくなんてないのにね、ドキドキするよね。それであの表情、潜入時の格好も、超グッドでした。

My Private D☆Vは『リリウムあんさんぶる』のあそかであります。いや、この人の描く絵、すごくいいですよね。さらりとした感触、さっぱりとしてさわやかで、奇麗、そして華やか。今回のMPD☆Vで明かされたこの人の萌えポイント、これ、ああ、なるほど自分の印象、それを支えてるものがこれなのか、実感させられる思いでしたよ。普段は隠れて見えないものがふいに見える、それが前提であるのだけど、それでいて見せない、なるほどそうかと納得させられました。見たいと思うものがある、それが見えるとなるとドキっとする。けど、ドキっとするシチュエーションだけ提示して、その肝心のものはこちらに見せない。感情をはっと刺激しながらも、描かれないから美しい。チカっと灯る感覚の火花、それが美しさを彩って、よりいっそうの華やかさを演出している。そんな感じがするんですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第11巻第7号(2013年7月号)

2013年6月8日土曜日

『まんがタイム』2013年7月号

『まんがタイム』2013年7月号、発売されています。表紙は、うわ、なんだこれは、珍しいな。枝豆がテーマ、ということで『恋愛ラボ』リコが枝豆の扮装をしているというんですね。ほんとこれは珍しい、そんな表紙であります。さてさて、メインは『おとぼけ課長』でありますね。さやから飛び出した豆が課長の口に飛び込もうとしてるっていうんですが、これ、豆は背景だな。この他には、『秘書の仕事じゃありません』、『絵本とママ』のカットがございます。

『大家さんは思春期!』、大家さんの学校での生活、それがメインになって描かれて、いやはや面白いですよ。チエちゃん争奪戦が繰り広げられている。料理部で作った大量の豚汁、あれが呼び水にあって、あっちの部活、こっちの部活から声がかかって、見事な人気ものじゃありませんか。マネージャーとして、またプレーヤーとして嘱望される。っていうんですが、きっかけは部の仲間のかけもち先の部活、そいつを見にいったことだったんですね。よかったですよ。皆の料理部での表情、雰囲気とはまた違った側面、それが新鮮で、眼鏡の森ちゃん、びっくりするぐらい違う、って友達なら気付いてあげようよ! さらにユキ、さっちゃんと続いて、それで見にいった先で勧誘される。帰り道にも勧誘される。ほんと、人気ものでなにより、大変によかった。そしてチエちゃんの決断、アパートに帰って店子と今日あったことを話してる、その様子もまたよくて、ええ、いい回でありましたよ。

『ノコひけ!工業娘。』、今回は工場見学。I科の女子全員が使ってるタオル、おそろいの、衛生機器ってことで便器柄なんですね。いやもう、のっけからなかなかのインパクトでした。そして本編、工場見学の様子、もう、面白いなあ。どこかで見たことのある女性。誰? 有名人? って、あー、先輩かー、ってその態度のかわりよう。そして先生の目のつけどころ。動線計画に感動するとか、ほんと面白いなあ。神菜先生の差し入れも、もうめちゃくちゃ面白い。CADをめぐるやりとりなんかもナイスで、そして誘われる先生。あー、学生に見えるものなあ。そして次回は技術センターの見学。これもまた楽しみですよ。

『ゆとりノベライズ』、今日は都が里美さんのとこにいくんですね。突然降られて、それで突然。いつもいきなりくる里美さんが、いきなりくるなよと、自分の番となると勝手なものいいであります。さてさて、都さん、濡れてしまった服、その着替えというのが資料用らしい制服、ブレザーで、いやいや似合ってるじゃん、可愛いですよ。その後の攻防、里美さん、絶対書いてるところ見るなよっていう、それにつっこみいれる都への答えがいちいち面白い。飛ぶのはお前でここは5階だ。しびれました。そのカッコの写真はとってあるぞ。ああ、送ってください。そして里美さんの執筆風景、ああ、これもとてもいい。ほんと、いい回。ばたばたするところは面白く、ぴりっと緊張感見せるシーンもよく効いて、ほんと、最後まで楽しく読みましたよ。

『もいんの高校野球日誌』、いい感じに牽制してきましたね。アウトカウントを間違えてタッチアウト、もいん激怒の流れか!? そう思わせて、おや、もいんさん、なんかボーっとしてる。目の前に転がってきたボールにも反応しない。どうした羽田さん、どうした!? もう、みんなが心配しちゃってるっていうんですね。ウメ子が確かめようとしてみたところ、なるほど野球への情熱は失ってないみたい。親父さんが転勤しちゃうっていうんですね。よりによってドイツ。あー、アメリカならなー! けど、ほんと、ネガティブなんかポジティブなんかわからんもいんもナイスなら、もいんを慕う皆の健闘。かけがえのない子なんだって思わせる、いいエピソードでしたよ。というか、改めてもいんさん、何者!? そしてたった一時間で音をあげる部員たち。ほんと、見事な展開でした。

  • 『まんがタイム』第33巻第7号(2013年7月号)

2013年6月7日金曜日

『まんがタイムきらら』2013年7月号

『まんがタイムきらら』2013年7月号、発売されました。本当だったら9日発売のところ、今月は9日が日曜日。前倒しされる土曜も流通の休みの関係なんでしょうね、さらに1日前倒しされて本日7日の発売となりました。いや、思いっきり『まんがタイム』とバッティングして、一緒に買ったんだけどさ、思わず『きらら』から読み始めてしまったので、今日とりあげるのは『きらら』であります。さて、表紙は『ゆゆ式』でありますよ。ゆずこと縁、ついさっきまで雨の中、ひとつの傘で登下校? ふたりともに片袖が濡れてしまっているんですね。雨がやんで、晴れ間、安心したように傘をたたむゆずこ、濡れた手をなぞる縁、背景にはあじさいの花が咲いていて、いい表紙。梅雨時、けれどじめじめしてるばかりじゃないっていう、この雰囲気、大変よいですよ。

今月は、新連載とゲストが多めですよ。8本中6本が新規掲載、ということで今日はその6本、です。

『ほかかわーくす』、新連載です。部活ものといっていいのかな? 湯ノ花中学温泉部にてお風呂に入る女の子たちの漫画。おお、温泉部か。って、え? いつだったか『きららMAX』に掲載された『湯ノ花高校温泉部』の人? じゃないな。あれ? 偶然? ちょっとびっくりした。すなわち第3の刺客というわけか。可愛い女の子たちが温泉にはいります。基本お風呂シーンだけで構成されている第1回、下着、巻かれたバスタオル、そして裸、といったところです。いっしょにホカってなかよくなることを目標にしてる温泉部。一緒にお風呂に入って、ちょっと百合っぽいところもあって、胸の大きさ身体の大きさもバリエーション持たせて展開してます。とりあえず、無限の可能性に期待いたしましょう。

『スロウスタート』、新連載です。新しい季節、高校生になった一之瀬花名。クラスには知らない人ばかり。人見知りで、ちょっとネガティブ。そんな子が、友達と知り合って、だんだんに心を開いていく、そうしたストーリー。スロウスタート、ゆっくりと変わっていくんですね。クラスメイトに千石冠、十倉栄依子、百地たまて。この子らは中学や小学校時分からの知り合いなのね。ちっちゃい可愛い千石さんが素晴しいです。一之瀬だから座席が一番。自己紹介も一番。けど話すことなんてなくて、そしたら先生に今日が誕生日っていわれてしまって、戸惑う一之瀬さんにかけられた暖かい声、拍手、それがなによりよかったなって思ったのです。お誕生日おめでとう。まだ全然知らない仲なのに、人が集まって、プレゼント、手持ちのものでごめんね? 贈られて、その様子、花名の心がやわらいで、軽くなる、その描写。それがとてもよかったです。

『萌え系美少女殺人事件』、湖西晶のゲスト作。科学捜査研究施設に持ち込まれた奇怪な骨格のデータ。異常に大きな眼窩、小さな鼻腔、それらをもとにして生前の姿を復元してみると、アニメ系萌え美少女になったー! って、おい! 主任と若手、ふたりのおっさんが真剣な面持ちで萌美少女を復元していく。その会話が、もうめちゃくちゃ面白くってですよ、20年前っぽさというのでことぶきつかさ的ニュアンスが追加されたり、けど、あの特徴的な輪郭、成立させるのって心底難しいんだなあ、そう実感させられましたよ。しかしおかしい。世代の少し違うオタクの対立あれば、わかりあえる部分だってある。ロリ小柄で巨乳に走るか幼児体型に走るか、それで主任のつっこみ、それは推測ではなく願望だろうというのとか、めちゃくちゃ面白くて、そしてエルフについての印象、その違いによる対立も面白く、ああ、自分は主任側だわ。しかし、面白いコメディでした。これ、連載とかになるのか? 連載でふくらませていけるのか? わからんのだけど、この勢い、この面白さが毎月読めるとかになると、それは嬉しいことだなあ。そう思いましたよ。ところで、最後の助手さん? あの落ちは、ちょっとわかりにくかったです。アニメ系萌え美少女の特徴持ったこの人が自然に成立してるから、ここに理想の萌え系美少女ががが! みたいな感じがあんまりなかったんですね。リアル寄りのおっさんだけじゃなく、リアル寄りの女の子もどっかで出しといて、この漫画の女の子のスタンダードはこっちと印象づけといた方がよかったんじゃないか? みたいに思いましたよ。

『こんかつ!』、ゲストです。人付き合いの苦手な女の子、屋根裏とんぼさんは、心優しい子なんだけど、人との付き合い方がよくわからない。いちゃいちゃしてるカップルを見ても、自分には絶対無理、そう思ってしまうような女の子なんですね。そんなとんぼ、つい最近にお婆ちゃんを亡くしてしまっていたんですが、そのお婆ちゃんが帰ってきたんですね。噴水からかむばっく。恋への憧れ、青春への憧れから復活。見た目も若くなって、その婆ちゃんが髪を染めて、服装も整えて、そうしたらやたら美少女になって、とんぼの恋愛の応援をする? とんぼがね、恋とか結婚といわれてどぎまぎしている、その様子がよいですね。

『ぼたっち。』、ゲストです。女の子たちの、ちょい百合あり、日常友情もの? みたいに思ったら、おお、ぼたっちって、鳥なのか。ボタンインコ、名前がぼたもち。あすかと文子、ふたりが中庭のベンチでお弁当食べてたら、木の上からヒマワリの種が降ってきた。ぼたもち、ボタンインコを探していた真菜香との遭遇です。無茶する真菜香を世話してる? お説教? するのは陽菜。ボケ気味のあすかと真菜香、しっかりものの文子と陽菜、つっこんだり保護者みたいだったり、そうした様子、定番ながらもよい感じやも。あとあすかと文子はちょっとラブいんですね。そしてぼたもち、あすかに懐いてしまったわけですね。

『ごゆっくり!』、ゲストです。病弱な女の子、その子がいきない死んじゃうところからスタートです。この世にちょっと未練があって、通うはずだった桜峰高、それを眺めてからあの世にいこう。そう思って化けて出てみたら、しっかし見られて、しかもつかまってしまうんですね。幽霊の方が怯えるのか。わずか数秒の会話で伝わってくる…この地雷臭、あの台詞、見せ方は面白い。三十木毬子と咲杜夜季、毬子が除霊師の家の子で、けどなんかおかしな刷り込みがあって、人が怖い、幽霊の方が安心するっていうんですね。で、お祓いするんじゃなくて、幽霊を現世に引き止める能力を持っている。夜季もその引き止められている幽霊で、そしてふたり目の幽霊を引き止めようとしているところ。うん、ヒロインのことですね。許斐まり。死んでしまって、学校をひと目見たらそれで成仏しよう、そう思っていたのに、引き止められてしまう。で、その引き止めようという毬子がものすごい癖のある子で、いいよいいよ、めちゃくちゃ面白いよ。ぼんやり眼、引き止めるための苦しい嘘、いろいろがおかしくて、そして引き止め成功。まりは不服そうですけど、これで憧れの学校生活を送れる? ちょっとよかったじゃん、そう思えるエピソード。ネガティブから入ってポジティブに抜けたのは、印象としてもグッドでしたよ。

  • 『まんがタイムきらら』第11巻第7号(2013年7月号)

2013年6月6日木曜日

『週刊文春』2013年6月13日号

 話題の雑誌、『週刊文春』2013年6月13日号は本日発売です。なんで話題? なにが話題? 夏の参院選がらみですよ。居酒屋チェーンで有名なワタミグループ、その創業者にして会長、渡辺美樹氏についての特集が掲載されていまして、端的にいいますと、ワタミグループはいわゆるブラック企業なのではないか。渡辺美樹会長が自民党から参院選に打って出るとなって、ブラック企業ワタミの会長を公認するだなんて!? うわっとショックが広がり、実際自民党にも苦情がたくさん寄せられてるんだそうですね。そうした批判や非難に対し渡辺会長が、ワタミはブラック企業ではないと反論されたこともあって、とにかく注目のトピックに育ってしまっていた。そうしたところに批判記事が投入されたわけでしょう。わーっと一気に話題になって、あちらこちらで取り沙汰されてるんですね。

批判の内容に関しては、twitterにて要約をtweetされた方(NPO法人POSSE雑誌編集部・坂倉昇平さん)がいらっしゃったので、それらtweetsを以下に引用します。

要約だけを読んでわかったつもりになるのもなんなので、『週刊文春』、買ってみました。記事は149ページから151ページまで、3ページだけなんですが、けっこうしっかりとした内容。ワタミの退職者からの聞き取りや渡辺美樹会長自身がこれまでに書いたり話したりした内容、それらを豊富に取り上げて、なるほど、どういう状況にあるのか、その雰囲気がよくわかります。よくワタミはカルト的だといわれたりしますが、そういわれる理由もよくわかった。あの理念集なるものや、内定者に配られたという質疑応答小冊子、そこに記されたワタミにおける常識、その特異性。研修等で、この常識を社員に叩き込んでいくわけですね。そうした手法や、宗教や自己啓発セミナーを思わせる情景、イベントで、みんなで涙を流しながら「よかったね」と言っている会社といったものなどひっくるめて、この会社、このグループの内部は、なにか私の常識では推し量れないようなことになっているなと思わされたわけです。

会長は、ワタミグループはブラック企業ではない、そう反論されますが、けれど自分には到底そうは思えず、だからやっぱりきっちり批判しておくことは重要だろう、そう思っています。それは、ワタミという企業や会長をただただ叩けばいいというのではなく、ブラック企業といわれるような会社の実践やその経営者が弄する詭弁に対して、ちゃんとノーを突き付けていく。もっと違う社会のありかたを望み、よりよい社会状況を模索していかないといけない。私たちの社会や私たちの生活、私たち自身を守るために、きちんと問題を問題として認識し、考えていかないといけない、と思ったのですね。

ところで『週刊文春』という雑誌、普段は読まないんですが、これはいったいどういう層をターゲットにしてるんでしょう。なんかセンスや雰囲気がずいぶんおっさんくさいというか、なんか自分はターゲットじゃないなあっていうアウェイ感がものすごかったのですが……。ともあれ、該当の記事に対しては、なんらかの反応を示しておきたい。こうした問題に意識を向けている人間がいるのだと、きちんと反応を届けたいと思います。

  • 週刊文春』第55巻第23号(2013年6月13日号)

引用

2013年6月5日水曜日

『まんがタウン』2013年7月号

『まんがタウン』2013年7月号、発売されました。表紙は、愛されて30年!! 『鎌倉ものがたり』をメインに配置して、おお、誕生三十周年なんですね。大仏に江の電、鎌倉の風物押し出して、そして一色先生と亜紀子。まさしく『鎌倉ものがたり』といった表紙です。他に『新クレヨンしんちゃん』、『うちの大家族』、『研究所ライフ』、『涙の数だけ輝いて!』のカットもございます。

『研究所ライフ』、坂巻あきむの新連載であります。製薬会社の研究所に勤める新人研究員、名取なこが主人公。努力家だけどちょっとドジ、なのだそうです。まだ研究所のレイアウト把握できてなくて迷ったり、そんな時には認証カードの履歴が役にたつ。探してくれたのは木瀬乃さん。ちょっと仏頂面? 182cmの彼と、145cmのなこ、ふたりのやりとり面白く、あの室長の名札を見たいと思うなこ。胸にのっかっちゃってるもんだから、下からじゃよく見えない。木瀬乃さん、上から覗けますか? って、胸元を!? このやりとりは、ほんと、面白かったです。室長は尾住。クールな人? ともあれ、木瀬乃がなこの教育係。で、この木瀬乃、微生物に名前つけてたりするのか。そういう研究者? あるいは趣味? なかなかに一筋縄ではいかない、そんな人たちが面白そうです。

『押しかけ時姫』、時姫の美しいこと! さて、いつまでも海斗のことを家来扱いしてる姫ですが、読み進めていけば、どうもそれだけじゃない、そんなところが見えてきて、いやもう可愛いですよね。今回は学校にいきたいと申される。中学の制服を試してみて、それでスカートが問題に。いやまあ、そりゃ恥ずかしいよなあ。パンツを、なんとシュシュがわり。って、シュシュは知っとるのにパンツは知らんのか。どうしてもパンツは履かない。短いスカートも困る。ということで、巻きスカートを手直ししてロングのタイト。うわ、これはいい。姫、エレガントであります。しかしやっぱり見どころは誉めてもらえなくてお冠な姫、守ってもらえると知って喜ぶ姫、そこですよ。

『涙の数だけ輝いて!』、連載ですよ。苦労人のアイドル日比野直子が主人公! っていうんですが、残る4人のメンバーのインパクト、これがいいですよね。自分が気にいってるのは川村唯、ドMという彼女の言動がもうめちゃくちゃで、正直最高だと思う。おしおきしていいよ! しばいてくれていいから! 全然事態の解決に寄与しない申し出。もう、完全に自分の欲求を見たすことしか考えてない。もう、最高だと思う。そして風間晴香。この子の性格の悪さ。もう、これも最高だと思う。いやほんと、メンバー5人、この子が面白い、そう思えるキャラクターがいれば、きっとぐっと面白みも増してくる。そんな漫画であります。

『居間には今外国人がいます。』は、基本日本と外国の違い、そいつをピックアップしていくという感じなんでしょうか。今回は正解と間違いを表す印ですね。日本では丸とバツが使われるわけですが、海外だと逆になる。洋ゲーやると、決定ボタンが×でキャンセルが○、日本の仕様とは逆になるみたいな話であります。万希のテストが問題だったんですね。チェックマークがたくさんあるから、いい結果だったのだろう。そう思う面々を前に、そうじゃない、これは間違いだらけなのだと申し開きしないといけないマキの心境やいかに! いやはや、ほんと気の毒ですよ。さてさて、国によってはcorrectのCをつけるところもあるのか。こういうのは知らなかった。こうした、なるほどと思わせるネタ、情報を盛りながら、マキのあかん子であるところ描いて、この子の逃避したり、楽天的性格? そういうのが見えるのがいいですね。いやもう、全然大丈夫じゃないって、みんなが指摘しようという、その様子など、笑いましたよ。

『ケイくんとアヤメさんがルームシェア』、新登場人物ですね。ケイくんが廊下で出会ったお姉さん。ぶちまけられた薄い本を拾って集めたら、それがまた素敵な御本。ボーイズラブの同人誌。ケイくんに見られてお姉さん、逃げていっちゃって、ああ、エロサイト見てたケイくんもそんなでしたね。そうでしたそうでした。2階の西青山さんらしい。可愛いよな。おどおどしてる。眼鏡のお姉さん。なんだかアヤメさんと仲良くなって、残念系大人はどこか引き合うものがあるらしい。で、このお姉さん、西青山さん、仕事ではやり手なのか。アヤメさんのライバル社に所属している。これ、今後もかかわってくるのかなあ。楽しみですよ。いつばれるんだろう。ほんと楽しみですよ。

『思春機13号』、めちゃくちゃ面白かった。ラララ機械の子、ひとみの好みは救急車さん。あのネタがですよ、まさかラストに効いてくるとは思わなかった。細かい単発ネタを並べつつ、最後にひとつしっかり回収する。この流れは実によかった。バスケ部の犬塚先輩。もう大人気なんだけど、彼のすごさがひとみにはわからない。というか、むしろひとみがすごい。遠くから、どんどんシュートをきめていくひとみ、あの力の抜けた絵、めちゃくちゃ面白くて、そしてダンクシュート。いやほんと、それ単体でも面白かったバスケエピソード。それをしめる救急車さん。これにはまいりました。

  • 『まんがタウン』第14巻第7号(2013年7月号)

2013年6月4日火曜日

オリンライジング!

 先日書きました、『アイドライジング!』と『オリンライジング!』。戦うアイドル、アイザワ・モモをヒロインとして展開される『アイドライジング!』の物語があって、そしてアイドライジングという舞台の上、多様な物語の生まれる可能性を伺わせた『オリンライジング!』。どちらかだけ読んでも面白いだろうけど、両方読めばきっともっと面白い。そんなこといっていました。けれど、それは、片方だけだと不完全ということを意味しないのです。とりわけ、スピンオフである『オリンライジング!』。『アイドライジング!』に対し副次的な物語に留まるのかいなか? そう問われればこういわざるをえない。ええ、ハセガワ・オリンの戦いの物語、しっかりひとりだちして、見事であるのです。

ハセガワ・オリンは戦う女でごわす。そりゃあたりまえだ。だって、アイドライジングは戦うアイドルの話じゃないか。そういいたいところでありますが、彼女の戦いはアイドライジングの舞台に立つ以前からはじまっているんですね。オリンは、一種プライドだけでいきているような女。本心を隠して、強がりばかりいってるせいで、学校ではひとり。本当は寂しいくせに、その寂しさを表に出すようなことはしない。かっこいい自分であり続けたい。みっともない自分なんて見せたくない。けれど、そんな彼女がアイドルの世界に魅了されて、変わっていくのですね。最初は地下アイドルだった。突然引っ張り込まれて、右も左もわからない、そんな中、ずっと望んでいたなにかを掴めるかも知れない、そう思ったら差し出された手をとらずにはおられなかった。その体験が決定的にオリンを変えてしまったんですね。

誰かを魅了しその視線を釘付けにする快感を知ってしまった。隣りには仲間がいて、共にひとつの目標に向かって取り組む。その心強さ、面白さ。そうしたすべてが、手をのばせば掴めるってことを知ってしまった。けれど彼女の知ったこと、それは望まなければなにも得られない、自ら進まなければなにも掴めないってことでもある。ええ、それからのオリンですよ。なりふりなんてかまっていられないとばかりに、自分がこれと決めたものを手にするために戦う。知ってしまったアイドライジングの世界、その高揚。自分もそのステージに上がりたい。そうと決めたら、もうとまってなんていられない。暖かで優しい仲間やファンたちに後ろ髪ひかれながらも、前へ前へと進む。その決意、意思がオリンの強さなんだと思うのですね。

決して楽な道のりではない。失敗や挫折を繰り返しながらも、自身を、状況を分析し、プライドもかなぐり捨てて、勝ちを掴みにいく。ええ、これはそうそう簡単には運ばない世の中に対し食い下がり、傲慢で理不尽に振る舞う社会、システムから、自分自身の人生を取り戻すためのオリンの戦いなんです。彼女の武器はしたたかさ。勝つためにはなにをすればいいか、その方法を見極めたらば、時にはポリシーを曲げてでも、作戦を遂行する。度重なる失敗にくじけそうになり、また有り得ないほどの理不尽に腐ってしまいそうになりながらも、求める気持ち、夢を支えに、何度でも立ち上がって、彼女の戦いに身を投じる。その姿は、そうそううまくいくもんじゃない、そうした人生を生きるものにこそ眩しく映るんじゃないだろうか。時にくじけてしまい、もう嫌だ、やめたと腐ってしまう。そうした気持ちを繰り返し味わってきたものほど、オリンの挑戦する様に心とらわれてしまうんじゃないだろうか。

一途に目標へと向けられたオリンの眼差し。その確かさが、私の心をとらえて、ひっぱっていってしまうのです。応援しないではおられない。高揚させられる。やってみせろ、やってくれ、やらかしてくれ! その気持ちの高ぶりが、オリンの生き様、彼女の投げかけたものへの反響なのだと思う。彼女の挑戦、彼女の冒険、いよいよはじまらんとする彼女のステージ、彼女の掴みにいく勝ち、それら全部が心を気持ちを波立たせて、落ち着いてなんていられない。それは、私のうちにも、オリンに共鳴するなにかがあるからなのだと信じたい。彼女のいう、勝手に身体が動いてた、自らの背を押すほどの好きという気持ちが、オリンの生き様に呼び覚まされてしまうとでもいうのだろうか。そうなれば、もう、オリンのこと、ひとごとなんかではなくなって、まるで、近しい友人が頑張っている、大事な仲間が戦っている、そうした気分にさせられて、ああ、オリン、頑張れ — 。いてもたってもいられない。じっとなんてしていられないんですよ。

  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第1巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第2巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第3巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 広沢サカキ『アイドライジング!』第4巻 CUTEGイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2012年。
  • 以下続刊
  • 藤島真ノ介『アイドライジング!』第1巻 広沢サカキ原作 CUTEGキャラクターデザイン (電撃コミックスNEXT) 東京:アスキーメディアワークス,2013年。
  • 以下続刊

2013年6月3日月曜日

機動戦士ガンダム サンダーボルト

 機動戦士ガンダム サンダーボルト』。書店にいったら2巻が並んでいたものですから、これは買わずにはおられない。第1巻がですね、めちゃくちゃに面白かったのですよ。ガンダムの漫画、オリジナル展開で、モビルスーツの考証などあまりに独自だったために、受け付けないという人もちらほら見受けられるほどなのですが、けど自分はそのあたりの違和感、まるですっとばして読んだ。戦争という過酷な状況においては、人の権利も尊厳も嫌になるほど軽くなって、弱者からその持てるものすべてを搾取しようと国家が、共同体が牙を向く。理不尽の真っ只中に飛び込んでは散っていく命、命が、嫌になるほど悲しくて、本当、戦争とは嫌なものだなあ。身に沁みるように思わされる、それが太田垣康男のガンダムであるんですね。

第1巻で描かれた戦場、それも過酷だった。しかし第2巻では、その悲愴さをなお一層に増して、連邦はムーア同胞団に配備される40名の学徒動員兵。戦場の英雄に憧れ志願した少年少女たちが、促成で兵士に仕立て上げられ戦場に送り込まれる。彼らの仕事は、ガンダムを敵陣中央に到達させるための捨て駒となること。対しジオン、リビング・デッド部隊においては、ガンダムに対抗しうる新兵器を投入すべく、ダリル曹長の腕が切断されていた。

人命が、人の尊厳が、消耗品として、兵器の部品として、モノのように消費されていく。戦争というものの非人間性、やりきれなさがこれほどまでに押し出されて、これほどの説得力を持つのは、死に直面する彼らの人間としての表情が、いきいきと描かれているからなのだと思うのです。彼らには過去がある。今を楽しむ心がある。戦友と、恋人と通わせる情がある。憧れの機体、ガンダムを見て大喜びする少年兵たちの様子、その高揚は画面のこちらにも溢れてくるようで、そしてダリルの二階級特進を祝う仲間達の馬鹿騒ぎ。感情はこうも極まって、喜びも楽しさも、優しさも、そして悲しみも、絵になって、言葉になって、切々と刻まれていく。刻み込まれた彼らの存在が確かと感じられれば、それだけ、戦争の理不尽も確かなものとなるのは道理です。殺し殺される連邦の、そしてジオンの連中も、決して悪いやつじゃあないんだ。けれど、それでも殺し合って、その命がゴミみたいに散っていく様は、あまりにも過酷で無慈悲であるなあ。読んでいて、つらい、そう思うほどの描写が続くのですね。

ところが、同時に、モビルスーツのかっこよさ。とりわけ、リユース・サイコ・デバイス装備高機動型ザク、こいつのかっこよさは極まっていて、ほんと、悲惨な戦場を描いて、なおそこにかっこよさを盛り込んでくる。こうしたところに、エンターテイメントとしての魅力が際立って、実に見事であります。

2013年6月2日日曜日

『まんがホーム』2013年7月号

『まんがホーム』2013年7月号、昨日の続きです。

『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』。月夜野さん、コンビニではいまだになんちゃって吸血鬼と思われてるんですね。って、まあそりゃそうか。普通のご飯は食べない。興味がないわけではないけど、おいしいとかまずいとか、そういうのがわからないっていうんですね。映画の中の吸血鬼たちは甘いのなんだのいってるのに、え? 自分は? 疑問に思うんですが、わからんならわからんでもういいじゃんねえ。映画の中のは、吸血鬼でない人間が想像してしゃべらせてるだけなんだから。とはいかないみたいです。レンタルビデオ店のバイトも続けてるんですね。映画を探していたおばあさん、説明を聞いて探し出したところ、晩餐会の様子、それがおいしそうだっていう。おばあさんは食事制限、月夜野さんはご飯食べない。けど、ふたりがおいしいってどういうことだろう、話し合って、それでちょっとおいしいがわかった気がする。月夜野さん、200年生きてなお知り、学んでいく意欲があるんですね。そのいろいろと気付いて、生活? を豊かにしていく。そういうのはとてもいい感じ、そう思いましたよ。

『黒い大家さん』は、ここのところ華織さんというより日向和田さんが中心になってますね。お嬢様学校に通っているけど、本人は貧乏。それで身につくのは節約の技術。たとえば裁縫だっていうんですね。千花のピンチを助けてくれた。つれてしまってボロボロのスカートを、見事既製品みたいに仕上げてもらえて、家庭科の課題、見事にクリア。その過程で見える、日向和田さんのつつましい暮らしや、学校に対応する大変さ。その懸命さや健気さが可愛く思えて、大変によかったです。明るく元気な千花に、いろいろ面倒見てくれる日向和田さんに河辺さん。アパートの住民たちが、本当に個性豊かで楽しいです。それだけに203号室、気になりますね。すごいのがくる? 楽しみですよ。

『鉄仮面のイブキさん』、いやほんと、伊吹さんがたいそうよいです。あの思い出し笑い。いきなりフフフはちょっと怖いなあ。伊吹さん、喜多くんに観察されて、ちょっと嫌だったり恥ずかしかったりっていうのね、ぜんぜんそうは見えないっていうのが相変わらずでとてもいい。あくびもいいですよね。小さいながらもあくびして、そしたらちゃんとうつる。ほのぼのだなあ、そんな感じがして、こういう雰囲気、すごく好きです。伊吹さんの逆襲も、そして最後のいつかという言葉、それが意味するところを思うと、ほんと、ふたりの仲、わかりづらくともじわじわと深まってるのかも知れませんね。

『半熟やおよろず』、面白かった。鳴の家って発電所なのか。雷神だから、太鼓を叩いて雷出して、それで高天原一帯に電気を供給する。なるほどなあ、独占事業か。食いっぱぐれがないのね。そりゃ笑いの神になれるなれない別にして、雷神としての修行、おこたらない方がよさそうです。ああ、そうそう、前回スカウトされてた彼、詐欺だったのかあれ。神様の世界も大変だな。あと貧乏神もいるのね。それで、神様の家に居着いたりするのね。面白いなあ。神様間でもいろいろあるんだな。そしてお父さんのピンチ、ぎっくり腰で太鼓叩けない。それで鳴が代理で叩くというんですが、なかなか踏ん切りつかなくて、そんなところをはげましてもらって、半熟ながらもだんだん育っていくその様子、そいつが実にいいんです。

  • 『まんがホーム』第27巻第7号(2013年7月号)

2013年6月1日土曜日

『まんがホーム』2013年7月号

『まんがホーム』2013年7月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』をメインに雨の季節でありますね。らいかは黄色のレインコートに赤い傘、『天国のススメ!』太一は水色のレインコート。てるてるぼうずみたいでなんか可愛いですね。そして『黒い大家さん』、大家さんは蕗の葉でよいのかな、大きな葉っぱを傘にして、うん、ミステリアスです。

『主任の一ノ瀬さん』、盾山ヒロコの新作です。ヒカリ飲料営業課の主任、一ノ瀬さんが主人公。とにかく元気、勢いのあるお姉さん。仕事もばりばりやって、趣味もかなりのもの。今、夜釣りがマイブームらしい。それで会長が釣り仲間、って、釣り馬鹿か!? いや、きっとそのあたりも意識しての設定なんだろうなあ。仕事についてはきびきびと、自分の分が終わったらさっさと帰ろうとする、って、それ正しいから。本来そうあるべきだから。部下が残ってるんだからとかいう課長、あんた馬鹿だろ。ともあれ自由闊達、生き生きのびのび、一ノ瀬主任はナイスな人。気持ちいいですね。

『ただいま独身中』、竹本楓、勇み足! でしたね。姫くんとの恋愛状況、そいつに翻弄されてしまってるんですね、楓。あちこちで相談する。けど、結局姫くんに誤送信メールについて聞いてしまうんですね。いや、面白かった。汐理ちゃんは後輩の女の子。しっかりしてて、失敗したくないから相談してて、で、その作戦が成功したらどうなってたんですか? って、あー、急患呼び出しを避けたかったのね! 楓との恋愛、そのかけひきについて相談してたとかじゃないんですね! いやもう、しびれました。これは私も想像外。というか、楓のことだと思うよなあ。まったくもって勇み足、楓も私も勇み足だったわけです。しかしこのことがいろいろ社内同僚にも漏れて、あの桂さんのこと狙ってる彼女、楓にアプローチしてきて、いやもう面白いな。あの子、いい性格してるわ。桂さんが楓のこと気になってるとわかってて、楓に協力してもらっていいですかー、とか、ほんとしたたか。って、楓側のあの対応、あれも笑っちまうけどなあ。嫌味とか皮肉とか通じる相手じゃないってのがね。しかしほんと、楓の恋、どうなるんだろう。どうにもならない、それでもいいんですけどね、それじゃちょっと楓がくたびれもうけって風に思えちゃうから、いいように動いていったらよいなって思ったりするんですね。

企画エッセーは「○○のススメ!」、私のおすすめでありますね。参加者は宮成樂、松田円、ÖYSTER、ミナモ、けんち蛍、トイシキです。それぞれおすすめは、味噌、ストレッチ、ジョギング、お風呂、北の銘菓、そしてDC扇風機。ああ、味噌ラーメン食べたい。さて気になったのはストレッチ。ほんとに3ヶ月でそんなにもなるの? 自分もめちゃくちゃ体が硬くて、立位体前屈とか、数十センチですよ、マイナス! こうもべったりになれるんなら、ほんとにしっかりストレッチしてみようかなあ。なんていいながら、未だに硬いままなのは、その決意が長続きしないからですね。ついでジョギング、これは自分のやってるのに近いです。実際、軽く走るってのはいいと思う。自分はやせる必要ないけど、体を動かすのはいいと思う。いや、ただアスファルトの上を走るから、足腰の負担がなあ。いろいろ考えないといけません。しかし、おすすめ、「○○のススメ!」ってタイトルのためでしょうか、健康のために気をつけてることの紹介っぽくなってるの、多かったですね。

『はっち・ぽっち』は写真ですね。デジカメを買います。起動がはやくて、ボタン押したら即起動。気になるハチの表情も逃さないっていうんですね。一眼レフにしなかった理由、言い訳してますけど、使いこなせない! なるほど、いや、実際コンパクトカメラで充分いけたりもしますから、大丈夫ですよ。メープルが面白いですね。たいていカメラ向けたら嫌がる、そんな印象があるんですが、犬って、でもメープルは飛び付いてくるんですね。性格なのか、それだけ人慣れしてるのか。両方なのかもなあ。あの店長のいい顔、よかった。ポチ子、持ち歩いてるという写真集、これハチだけじゃなく、まつわるもの、小物情景が撮られてるの、いいよなあ。ハチが嫌がってるの、あれも可愛かったです。そしてポチ子の台詞、思い出写真より今のハチ、これは素晴しい。ほんと、写真を撮るのがメインになってしまうと、撮影が目の前にあるものよりも重要になってしまう、そんな瞬間があったりして、けどポチ子はそうじゃないんですね。これはよい。こうありたい、そう思いましたよ。最後にはおばあちゃんの勘違い、それがきちんと訂正されて、あのひとり理解して納得したところが、ほんと面白かった。このおばあちゃん、大好きです。みんな可愛いですよ。

  • 『まんがホーム』第27巻第7号(2013年7月号)