2016年10月31日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号、昨日の続きです。

『トモダチヅクリ』、関係がギクシャクしてしまってる静と麻乃。先輩に相談して、今日こそ謝って仲直りしよう。そう思ってる麻乃だったのに、静、体調不良で欠席。ああ、悪いめぐりですね。病気で弱気になってる静がよかったですね。誰も看病してくれないことに心細さ感じてね、それで無遅刻無欠席が途絶えたこと気にしたり、そして麻乃に謝れてないこと気にしたり、そうしたいろいろ、なんだかよくわかる。病気になると、ほんと、気弱になりますよね。ちょっとのことでグラグラ揺れる。そんなところに麻乃が看病にきてくれて、これ、ほんと、どれだけ嬉しく思っただろう。友達だっていってくれてね、自分が悪かったんだって謝ってくれて、そんな麻乃に静も感極まって泣いちゃって、ほんと、こんな静、ちょっと予想もしませんでした。ふたりのねやりとりね、静が恥ずかしいといったりね、そういいながら自分も同じこと、同じようにいったりね、ほんと、ふたりさらに仲良くなれたのではないか。そう感じさせる今回。静も麻乃も健気でいいお嬢さんでした。

『アニマエール!』は早速応援しますよ。というんだけど、あんまりチア、関係ないな! これ、入部希望者募るとともに応援の依頼受け付けてるって、ポスターに書いてあちこちに貼り出しまくってるからなのか。クラスの友達、秋常さんと舘島さん。秋常さん、告白の応援してほしいっていうんですね。でもチア部、さっぱり役に立たない。というか、今回はひづめがめちゃくちゃ光ってて、家庭教師、略してカテキョ、それ聞いて、ひとりウグイスを思い浮かべている。でもって大学2年生。それ聞いて、やたら偏った大学生像を口にして、え、それ、兄なの? ほんと、今回は、ひづめのものを知らない? 知識が偏ってるところがおかしくて、そしてチアを導入するこはねの、アイラブユー! に、ノーサンキュー! すぐさま返す秋常さんがめちゃくちゃ面白かった。今回は告白、少し年齢の離れた恋愛、それだけじゃなく相手の性別。女性を好きになってしまったということも問題にされていたのだけど、これをまったく意に介さないチア部面々! うおお、すごいな。この感覚、気持ちのニュートラルで素直な様! 素晴しいと思いましたよ。

『急須の暇神様』、これ、扉、なに? めちゃくちゃ怖いんだけど! こんな漫画だったっけ!? 本編、急須の神様、桜の急須がすごいんですね。小さな急須から、布団だの箪笥だの、どんどん出してきて、部屋を可愛くレイアウト。でもひみつ道具はないっていう、その時の桜のひばりに対する辛辣な評価、あれ、よかったです。桜の宝物も、すごくささやかで、でもそれだけに、それらが好きなんだ、大切に思ってるんだっていう気持ちがよくよく表現されていたように思いました。今回の扉、後半のこれだったんですね。桜が廊下で遭遇した恐怖。桜に紹介したい子がいるといって、寿音がくらがりの廊下にずっと待っていたっていうんですね。こうした非常識に対するひばりのつっこみもよかったです。そして、寿音の友達、日本人形、どうも霊がらみっぽい子らなんですが、ほぼ無理矢理にフランソワーズを預ることになった桜の過ごす夜がですね、ほんと、おどろおどろしくって面白い。なんでしょう。見た目は可愛いが、中身は可愛いばかりじゃない。こういうの、いいですね。

『黒髪巫女とマリアウィッチ』、ハロウィンの話。しかも2本立て! 面白かったですよ。1本目はハロウィン当日、頼子プロデュースでクロエはカボチャに、マリアは小悪魔に仮装しまして、それがこれでもかってカラーで表現される、このゴージャス空間! 素晴しかったです。ハロウィンをめぐるもろもろ、ルクセンブルグからきた彼女らにとっては、ここまでハロウィン、大々的にやったことはなかった。そういうのからね、ご近所にすごく溶け込んでるマリアの様子、おお、すごく愛されてます! カワイイものは記録に残したくなる、みたいなわけで、可愛いを前面に描きだしたのが1本目であったと思います。

そして2本目。こちらはハロウィンの準備の情景。主に頼子の様子ですね。ああ、眼鏡頼子は可愛いな。美しい。ともあれ、暴走する頼子の様子がこれでもかと畳み込まれて、大迫力ですよ。頼子の部屋が、見事なマリア・クロエ部屋になってしまってたり、特注のマリア抱き枕カバーとか、添い寝して血塗れとか、お風呂でマリア・クロエの衣装について考えてたら、またも血塗れとか。鮮血の美原家情景だったわけですが、でもこれ、この家では普通、日常なんだなあ。マリア、クロエ、ふたりの衣装に注力して自分のことはすっかり忘れていた頼子が、一旦、気落ちして、自信なくしながらも、憧れの魔法使いの記憶に励まされて立ち直るのがね、なんだかとても感動的。すごくいいと思ったのでした。そして画面にはほとんど映らないよっちゃん。よっちゃんに対する頼子の思いやりも素敵でした。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第12巻第12号(2016年12月号)

2016年10月30日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号、一昨日の続きです。

まちカドまぞく』、のっけから肉ですよ、肉。真っ赤! それにすごい量。でも吉田家では、これを貰い物と思わず、眺め、拝んで満足しようっていうんですね。いや、食べようよ! ちょっと焦ってる桃がおかしいですね。皆ですき焼きパーティーをしますよ。それでハイになってるお母さんが素敵。ほんと、この嬉しそうな様! 見てるこちらもわくわくさせられます。桃の料理下手は呪いのレベル。そしてミカンはなんでも柑橘系の味にしちゃうっていう、その攻防おかしくて、ほんと、このなんでもない食卓を囲む風景。そこにいたるまでのドタバタ、そして食事を通して深まる仲。本当、なんでもないことが素晴しい。ところで、シャミ父の箱。これ、出どころわかっちゃいましたね。これ、なにかに今後に繋がる情報なんでしょうね。

『担当編集ボツ子さん』、ああ、これゲスト回か! なのに、こんなに大きなイベント描いちゃって、おおう、これは必読。刺子と田中、なんとふたりきりで夜を過ごします! とはいっても、場所は会社、ネームをあげるために缶詰にしてるっていうんですね。それでも刺子はいろいろ意識しちゃって、いろいろアプローチしてるわけですよ。応援したり膝枕を申し出たり。でも、編集のこころ作家知らず? 田中にとってはいろいろ不都合あって、その様子がほんとに面白い。今回、重要なイベントっていうのは、田中と刺子が、いろいろ私事、昔の話を楽しそうにしたりね、そうした交流があったこと。そして、先生、やればできるじゃないですか。おお、いい笑顔ー! これ、ほんと、なんでゲスト回でやっちゃうの! まさしく本筋、メインルートじゃありませんの!? 驚くレベルで、いやもう、必読。ボツ子さんファンなら必読でしょう、これ。

『はやしたてまつり』、お囃子本番前夜からドキドキしたりで全然寝付けなかったさなみ。翌朝案の定寝坊して、っていうのはお約束ですよね。本番を前にしてのさなみとふうの会話。ああ、さなみ、緊張してきてるね。失敗したらどうしよう。ええ、自然な感覚だと思います。こうした緊張、他のメンバーはないのかな? そう思ってたら、当の巌がやばいんだ! あの緊張の描写、素晴しい。あんな残像描写、なかなか見ないよ! しかも麦茶が攪拌されてノンアルコールビールと化してるとか、そんな表現もはじめて聞いたよ! いやもう、ほんと、不思議な力がある。不思議と引き付ける魅力があって、それはきっとキャラクターのそれなのだろうなあ。生き生きとしている。なんだか放っておけない。そんな心を掴むものがある。そこに描写、絵の魅惑も加わって、ほんと、お囃子に、太鼓に触れて震えるさなみの気持ち、ぱっと開かれていく感触なんかも素晴しい。ええ、まだまだ足並みそろえてとはいかない彼女らですが、これからの本番、どんなもの見せてくれる、いやさ聞かせてくれるのか、楽しみにさせられる今回でした。

すわっぷ⇔すわっぷ』、おお、前回の春子、夏子入れ替わり宿泊の続きがきましたよ。大歓喜。夏子 in 春子で登校。夢芽に一目で見破られてるの、さすがですよね。これ、春子の成績とかノートとか、ちゃんと気にしてる夏子、真面目でいい感じ。そうか、授業必死の思いで受けてたんですね。というか、普段は気を抜いてるのか……。こうしたところに、夏子という人のらしさが見えてくるなど、やっぱり面白い。対して春子 in 夏子は病欠を満喫していて、だらだらとパジャマで食事、だらだらとゲームに興じるこの人の、どんな場所、どんなシチュエーションでもマイペースというのがよくよくわかって、ああ、この人、とてもいいですよ。夏子の使っているボディソープのくだり。なんだか不思議で面白かった。不安込みではありながら、双方入れ替わりを満喫してるこのエピソード。私もまさしく満喫でありました。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第12巻第12号(2016年12月号)

2016年10月29日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2016年12月号

『まんがタイムオリジナル』2016年12月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』、なんだか気にいっていますよ。遅刻しそうになってる八重。髪のセットに時間かかったっていうんですが、それも都会を意識するってことなのか。よくわからんのだけど、それくらい都会に憧れてるっていうのがね、それとちょっと空回りしてる感じがね、なんだか好きなんですね。今回はコーヒーショップにいきます。スタードーム、略してスタド。そうか、スタドは都会のイメージなんだ。けど地方のスタドは地方オーラが凄いっ! って、八重、この極端さが愛おしい。八重はバリバリ都会だ田舎だって意識してますけど、友人のみなちゃん、この子のことね、私より田舎育ちとか思っちゃうのね、ああ、そのコンプレックスの現れよ。都会からきた大河さんと一緒に遊べて、とりまきレベルもアップだわ、って、駄目駄目、ほんと、おかしいから。コーヒーショップでお金出し合ってワッフル頼んで分け分けして食べるとかね、ほんと、そういう庶民的なところ、背伸びしてる風が表現されててグッドでした。

『コスプレ先生の絵画教室』、今回は風景画。先生もコスプレの必要ないかな、とか思ったら、無理矢理だな、もみじのポーズ!? これ、先生、コスプレする口実に教室やってる嫌いがあるな。写生の当日、キツネになってくる先生。いや、可愛いけどさ、公園をキツネスタイルでうろうろしてるとか、やっぱりおかしいよ。でもってまなもタヌキの格好させられて、子供には好評。丸々? 複雑だな。絵を描くにあたっての心構え? 水を利用しやすい場所がいいとか、そういうなんか外れてる発想が好きです。それと生徒募集に熱心なところもね、なるほど、これなら目立つ格好する理由もわかる! とはいえ、これ、趣味よね? 先生の趣味よね? そして最後のサリー、あれはちょっと素敵でした。というか、いつも奇をてらったコスプレが多すぎるんですよ!

『学食の花子さん』、なんだかいいですよ。小鉢パーティーをやりましょう。それでオバケの彼女、おおはりきり。姿が見えるのは七海だけなのかな? でも、声は皆にも聞こえるようで、というか、聞かせるつもりの時だけ聞こえるのな? 人避けの木。そいつのせいで人がこない。そう聞いて、りっくんさん、木を切ろうか、そういったらすかさずダメッ! 小鉢について相談する時も、甘いものはないかのぉ…。ほんと、オバケが小鉢パーティーを満喫してます。小鉢パーティー当日になれば、お客さん、いっぱい! そうか、みんな気になってた。これをきっかけに、にぎやかになるといいですね。この作家さんのスタイルをかんがみても、こうしたにぎやかさは魅力になるでしょう。そしてこのりっくんさんにこの部屋を託した先輩。え? それがあのオバケ? 生霊? だとしたら、そんなに怖れなくてもいいんでしょうか。いや、今のままでも、そんなに怖がらなくてよさそうですけどね。

『かがやけ!工学女子』、終わってしまったかー! 独特のノリが好きでした。なんか不思議なニュアンス、うきうきとしてる? わくわくとしてる? そんな浮き足だってるみたいな感触が楽しくて、今回も、ぽんぽんぽんと話が、テーマが、発想が、次々展開していって、そして今回はというと、彼女らの進路? 卒業後の展望など語られていました。工学が活躍する場所はいろんなところにあるよ。工学が関係するものもいっぱいあるよ。そうした工学メインで物事が発想されていくのは、もちろん彼女らが工学徒であるから。女子の決して多くないジャンルだけれど、こうして、いきいきと工学に取り組んでいる彼女らが楽しく、まぶしい。そんな漫画でありました。

  • 『まんがタイムオリジナル』第35巻第12号(2016年12月号)

2016年10月28日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2016年12月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』、コウとりんです。ですよね? なんだかコウさん、やたら幼なく感じられて、髪形のせいでしょうか。このところ朝夕に寒さ感じさせられることも増えました。そんな季節の様子とでもいいましょうか、セーター、カーディガン、そしてマフラー。長いマフラーをふたりでシェアする、その様子がなんだかただ暖まってるだけじゃない、もっとなにか親密なもの思わせるんですね。ちょっと赤面しているふたり、その雰囲気が意味深です。

Aチャンネル』。扉のこの可愛い女の子は誰ですか!? ああ、ユタカは可愛いなあ。ほんと、この子、すごく魅力的。今回の扉では、いつもはちょっと見せない、そんないたずらっぽい表情見せてくれて、ああ、なんて魅力的なのでしょう。そんなユタカ、るんちゃんと遭遇します。って、酷いな! ステーキハウスの換気扇に焼けた肉の匂いだけでもと楽しみにいくという発想が酷ければ、そこにすでにるんちゃんが待機してるって、ほんと酷い。しかし、このふたりが組み合わされるとすごいですよね。わけのわからないノリが発生する。ふたりケーキを食べにいく。るんちゃんがクイズを出し、ピンポーン! ユタカが答える。ホットケーキ!! ホットケーキのご注文ですね、かしこまりました!! もう、これ、めちゃくちゃ面白い。なんだこれ。ミポリン合流、トオルンも合流。それがいい具合に繰り返し作ってて、この対照もよろしいなあ。ほんと、この人間関係。見ていて全然飽きませんよ。

ブレンド・S』。今回は皆でスキー旅行にいきました。いつもどおりといっていいのか、上げて落とされる店長がいいですよね。かっこいい、そういって登場してきたのに、痛ボードで店長とばらされる。この、あーあ、って感じがね、すごくわかるのね。いいわあ。というか、店長に対する指摘が酷い。かっこいいでいいじゃんか。損したみたいないいようが実によかったです。そしてかっこいい麻冬さん! 多才すぎるオタク共っていいようもおかしいんですが、ほんと、麻冬さん、素敵すぎますよ。しかし、今回、こうしたゲレンデの情景描いて終わり、それだけかと思ってたら、店長、苺香に告白するとかいう! え! どうなる、どうなる!? 断られて、あるいは通じなくて、さらにいえば結局告白できなくて、とか、そんな話になるんじゃないの? と思ってたら、苺香から!? いや、これ、なんかの誤解だと思うんですけどね。でも、今回はここで終了。ああ、ひと月ここでじらされるっていうんですか!

『それでも有栖川花子は夢を見るか?』、これ、してやられましたね。第1話、最後まで読んでみて、この展開、どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。最初は夢落ちとか想像夢想とか、そういうのかとも思ったんですけど、いや、そう思いたいのは、最初に感じた印象、そいつを崩したくないからかも知れません。SFとかオカルトとかが好きな女の子たち。和気あいあいとタイムマシンについて話しして、もし時を遡れるならなにを見たい、知りたい、立合いたい、そうしたロマンを語って楽しむ、そういう漫画だと思ってたんです。いや、実はいまでもそうではないかって思ってるんですが、それが、ところが最後に一転、宇宙からの侵略者、花子がパイロットに抜擢されて、こんな運命、おおもとから変えてやるんだ! そこに登場するタイムマシーン! って、待ってくれ、これ、本当にこういう展開だって飲み込んで読み進めていいんですかーっ!? ほんと、どう受け止めていいのだろうか。戸惑いながらの第1話。もう、すっかり翻弄されてしまっています。

『柊家の五人姉妹』、ゲストです。知らない街の新しい家、新しい学校、新しい生活に頑張るんだと意気込み見せている女の子。柊蛍は引っ越し初日から憂鬱です。引越し先の家が、可愛い家と聞いていたのに、どう見てもお化け屋敷。夢や期待が破れて大変。趣味や嗜好の違う家族の中、ひとりこの家に違和感感じてる蛍の様子。この家にいるとなにかおかしいと思われるんじゃないかとか、ひとり心配してくよくよして、そしてみんなには秘密にしようと決意する。この、ちょっと心配性な女の子の学校デビューとか、今後があれば描かれるのでしょうか。学校での人間関係とか出てくると、ここにまた違う魅力が加わってくるかも知れませんね。

『ハッピーフォーチュン!』、キャンディショップに集う女の子たち。星と書いてステラと読ませる女子高生に、ホイップと名乗る店長。そして占い師の礼子さん。ああ、この占い師がキーマンですね。ちょっとミステリアスでサディスティック。そんな礼子の占いで皆の運命が転換していく! と見せかけて、なんだ、礼子さん、なんちゃってなのか! 占いなんかできないのに、なんか適当なこといったら、ぽんぽん勝手に事態が好転してしまった。それでホイップもステラもすっかり礼子の占いの虜になってしまって、けれど礼子は占いなんてできないからと、ほんと、この事態に困ってしまってるっていうんですね。この礼子の焦り、事態が変化するたびに、どうにか大事にしないように腐心する、常識的というか気弱というか、そういう様子、面白かったです。というか、ホイップさん、この人、元ヤンなのか……。思いもしないものぶち込んでくるな……。これ、礼子はまだまだふたりで楽しむつもりみたいですけど、いつか化けの皮がはがれるのか。あるいはこのまま成功街道を突き進んでいけるのか。よくはわからんけれど、なんのかんの礼子の思いどおりには運びそうにないのがいいところだと思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第12巻第12号(2016年12月号)

2016年10月27日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2016年12月号

『まんがタイムオリジナル』2016年12月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下ナースがメインで、パンを焼いているんですね。パンのいいにおいにすっかりやられてしまってる、その表情が実にいい。ほんと、どんだけいいにおいなのかって思わされるくらいで、すごいよなあ、ものすごい威力です。『小森さんは断れない!』小森さんは、なんだこれ、びっくりするくらい大人の女性! サンドイッチを食べてまして、そして『らいか・デイズ』らいかはトースト食わえて走ってますよ。ああ、竹田とぶつかるのですか!?

『北斎のむすめ。』、前回の続きだ! 吉原に入り込んでたら、張見世に出ることになっちゃって、一生懸命変な顔してたんだけど、まさか、客がついちゃった! それではたしてどうなるの!? ハラハラさせられるんだけど、その時々に顔出してくる高尾花魁がすごくいい。なんてチャーミングなの! というか、こんなに焦ってる高尾花魁とかはじめてじゃない!? お客の名前は吉之助。よかった、別に女を買いにきたわけじゃないんだ。親にいわれて嫌々きたんだ。でもそんな吉之助、遊女らしからぬお栄、って、そりゃ遊女じゃないもんな、というか、あまりにも自由で男前で気風もよく、気持ちのいいお栄にちょっと揺らいじゃったみたいですよ。でも、ほんと面白かった。箱枕で枕投げはケガしちゃうよ! なんかいい雰囲気になった? そう思うたびに介入してくる高尾や、さらには栄の父ちゃん。って、回覧板か! もう、ほんとおかしい。最後もね、なんか艶っぽい展開!? と思ったら、追剥じゃねーかー! 最後の吉之助がもうほんとこの上もなくおかしかったです。

『スズちゃんでしょ!』は梨乃のために並ぶ機会もあるだろうと折り畳み椅子を調達したスズちゃん。でも、梨乃の興味は変身ヒロインからアイドル育成ゲームに移ってしまっていた! ああ、わかるわ。うちに出入りしていた小さいのもこんな感じだった。で、これね梨乃ちゃんもね、もう数年もしたらアイドルものに飽きてくんだよ。ほんと、子供の興味はどんどん移り行くんです。そして祭ちゃん。着物の着付けを習いたい。そうか、海外で着たいんだ。なんかね祭さん慣れてていい感じよね。でも着物には慣れてなくて、あわせが逆とかね、ほんと、裏に連れていかれるの意味がそれぞれ違うこの会話、面白かったです。祭さん、着物似合ってますよね。

『部屋にマッチョの霊がいます』。よろしくマッチョッチョ! ええと、ゲストなのかな? いや、違うね、続きますね、これ。アニメ大好きなお嬢さん、前田木葉の暮らす部屋にマッチョの霊が出るようになったっていうんですね。マッチョ、タンクトップ、ちょいヒゲ、オネエ口調のアッコさん。なんだかやけにフレンドリーで、いいじゃん、いいじゃん、悪くないと思うよ。なんか楽しそうじゃん! でも木葉は困ってるんですね。アニメ見てたら次から次から話し掛けてきて、気が散る、集中できない、全然アニメが見られない。なので、なんとか霊を追い出したい。地縛霊らしくこの部屋から出られないっていうので、こうなったら浄霊なのかな? 住人と地縛霊が一緒に浄霊の方法を相談してるのは、なんだかシュールでおかしかったです。人付き合いの苦手な木葉さん。この人の対人能力を鍛えましょう、そんな話になってきて、踏み込んだ関係が苦手、バイト先の気のあうお姉さん、藤沢涼さんにも今の状況相談とかできなくて、まずはこの人から親しくなっていきましょう。そうした木葉の、マッチョに応援される様がなんだか可愛らしい、そう思える漫画でした。

『ネガティブガール幸子さん』、ゲストです。ネガティブな女の子幸子さん。のっけから告白されてるんですが、それを受け入れない。根暗で可愛くない私を好きになる人間はいません。すごいな、ある意味割り切ってる。想像はことごとくネガティブで、アタックしても暖簾に腕押しな彼女に食い下がるユウ君が健気です。ユウ君、幼なじみの女の子がいるのね。さっそくその子との仲、疑われてる。お似合いの美人。比べて私は背も胸も小さいですし…。そういう幸子に畳み掛ける幼なじみ、ユウ君は貧乳好きで小さい子が好きだからサチちゃんは理想的だよ! 思いっきり警戒してる幸子がグッドでした。これ、幼なじみがいいですね。ユウが一日スマホでギャルゲーしてるとか、知られたくなさそうなこと、どんどんバラしていっちゃう。幸子のどこが好きなのかって話になった時も、幸子とふたりで面接する、ぐいぐいどんどん質問していくっていうのがおかしい。幸子もノリがいいよね。可愛いっていわれて、きっと特殊な性癖の持ち主なんですね、この受け答えも素晴しい。シンプルな漫画なんですが、このシンプルさ、悪くないと思いました。

  • 『まんがタイムオリジナル』第35巻第12号(2016年12月号)

2016年10月26日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号

『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号、昨日の続きです。

『ヨツコト』、今回はコトワリさんの謎にちょっと触れるお話。なんでもできるコトワリ。空を見て天気の予測もできれば、雨宿りできる場所を見つけるのもはやい。薪も魚も、それらしい道具もなしにぱぱっと集めて、火だって簡単におこしてしまう。いつだってクールなこの人の謎ですよ。あまりの有能さに人間なのかとヨツキが疑えば、今は人間だという。え? ということは以前は人間ではなかった? 技術があるのはそういう設定だからと、なかなか不思議なことをいう人。ああ、どうもこれは先生に魔法でもって作られたとか、そういうことなのかな? みたいに思わされますよね。はたしてこの想像が正解なのか、それともまったく間違いなのか。それは先へ進まなければわからないことでしょうが、この不思議なコトワリがヨツキとの旅で、なにか変わっていったり、なにか見つけたりしていくのだとしたら、それも面白そうです。

夢喰いメリー』、いよいよ核心に触れましたね。夢路と白儀の関係。ふたりの出会って、そして分かれた? その瞬間に、メリーはメリーで、面を通じて記憶を遡っていくことで触れ、そして夢路側では勇魚が介入して、ずっと胸中に抱えてきた疑問を確信を言葉にする。あんまりに不利、そう思わずにはおられない夢路、レガレクスのタッグ。しかし、王様気取りかも知れない、そんなレガレクスの夢路に投げかける言葉の格好よさ。不利だろうと、ピンチだろうと決してくじけない、自分の信じるもの、思うもののために体を張る姿は本当に格好いい。この漫画はいつだって、そうした無理を押してでも勝負に食い下がっていく、そんなヒーローが格好いいんだなあ。今回もそう思わされたわけですよ。そしてメリーの遡っていく記憶の先、まさにすべてのはじまりであるのでしょうか、夢路との出会いですよ、そこまで到達して、ああ、はたしてなにが描かれようというのか。いよいよ核心ですよ。

『鬼が出るか蛇が出るか』、ああ、確定した。村の女子から次々迫られ、そのたびに自問を余儀なくされてきた優がですよ、ついにひとつ答を出そうとする。真摯な男ですよね。この村の事情を利用して、それこそハーレム築いちゃってもいい、それでかまわないといわれても、なおきちんと守りたい一線というのを持っている。その彼が、鈴に頼んだこと。そして自分の胸の奥にある確かなものに手を伸ばそうとあがいたすえに掴みとった思い。ああ、これ、どうなるんだ。鈴はどう答える? 思いつめた霞の姿もあらば、本当、ここでひとつ決着、大団円とはならんのちゃう!? などなど思われて、ええ、優くん、ハーレムでもいいのよ? だって、霞、あんまりに可哀そうやんって思っちゃうんだけど、でも、それでもやっぱり鈴だよなあ、とも思われて、なにこの優柔不断! ええ、優柔不断に流されず答を出した優は立派であるなあって思いますよ。

『45分間の魔法使い』、すごいな、ほのぼの日常魔法もの! 千尋の家を訊ねた茅子。千尋は、これまで島では見たことのないような雑誌や文化を茅子に見せてくれる、そんな存在で、茅子の羨望のまなざし! 素直な憧れが感じられてすごくいいですよね。千尋のマニキュア、茅子も試させてもらうんですけど、わぁ、都会の女の子ってこういうことしてるんだっていうこの子のね、この言葉、表情、なんでしょうなあ、すごくわくわくさせられる。そんな気持ちが伝わってくるようですよ。ここからこの漫画の独自性出てきますよ。マニキュアを乾かすのに風の魔法が便利。そして茅子、千尋のふたりがクッキーを作る、その時に茅子が土魔法を応用して見せる。魔法が自然に暮らしに浸透している、その様子がすごく魅力的でした。そうそう、千尋のお母さんとそして先生、すなわち千尋の叔母、この姉妹のあのしみじみとした時間、様子、これ見れば、このふたりのこれまでが決して楽な道のりではなかったということ感じられて、ああ、しみじみと感じいる。そんなよさがありました。

2016年10月25日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号

『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号、昨日の続きです。

ゆるキャン△』。キャンプ場へと向かう道路が通行止め。迂回すればすごく遅くなってしまう! リンのピンチを眼鏡が救うんですね。そうか、この通行止め看板、置きっぱなしにされてるだけなのか。って、なにそれ、すごい罠! ともあれ、無事キャンプ場に辿り着いたリンが、暗いなか、ひとり風と格闘しながらテントを立てて、というか、これ、大惨事じゃん! ひとりキャンプだと助けがないから、こういうの大変になるんだなあ。景色を写真に撮って皆に送る。そして晩ご飯を作る。あ、これいいな、試してみたい。この豚まんっていうの、普通に冷凍食品のとかでいいのかな。これ、きっとおいしいと思います。景色をひとりじめする贅沢。おいしい食事の誘惑。そうしたものが誌面から溢れていて、そして電話でコミュニケーション。ああ、皆でキャンプにいかないか。グループキャンプだからグルキャンか。最初、乗り気でなかったリンが、斉藤とのやり取りでちょっとその気になる。そのやり取りの情景なんかもよくて、ひとりいるリンのシチュエーションがね、すごく印象的に描かれてるの。ほんと、この漫画、絵が、情景が語りますよ。

『なでしこドレミソラ』。私は三味線がやりたい! そう思ってね、楽器の価格調べてね、三味線の教室やってる知り合いに相談してね、やるんだったら私が教えるよって約束までしてもらってね、そのまま放ってしまってるのだよ! でも、この漫画見てると、ふたたび三味線やってみたい気持ちが盛り上がってきて、というのは、それだけこの漫画が、三味線の、邦楽の、音楽の魅力をばっちり伝えてきているからだって思うんですね。さて、和楽器同好会。メンバーが揃いましたよ。それでこれからなにをどうするのか。そういう話になりまして、というか、ならん方がおかしいわな。でも、それが見事に大雑把で行き当たりばったりでっていうね、ほんと、そのやり取りがおかしかった。しっかり者組とポンコツ組にわかれる部員。香乃はポンコツ組じゃありませんか!? 恵真さん! やりたいことはいっぱいある陽夜。そこから絞っていきましょう。それをね皆で話しあう様子が、だんだん寄せ集めからチームになっていくようでとてもよかったです。そして香乃と恵真、ふたりが箏の合奏して見せて、そこで香乃が主張する。ああ、このふたりの出会い。香乃にとって恵真との関係、それがどれだけ大切であるかが語られて、こうしてひとりひとりが、思い込みや決め付けでなく、それぞれのよさを互いに引き出していくのだとしたら、こんなに素敵な場はない。そう思わされたのですね。

『はるかなレシーブ』も面白いですね。あとひとりで部に昇格する。その最後のひとり、大城あかりを引き込むべく、はるかかなた組がチャレンジします。ひとりぼっちでお昼食べてるところに踏み込んでいって、寂しい? って、直球だ! その上、勝負を持ち掛けて、最初ははるかが申し出たんだけど、勝ち目がないと抗議された。で、かなたの挑発に乗ることになるんだけど、ねえ、絶対はるかと勝負してた方が勝ち目あったよねえ。初心者あかりの様子を見つつ、的確に対応していくかなたがすごい。アタック7球で一度でもコートにボールを入れられたら勝ちなんていう、あかりに有利と思える条件での勝負なのに、見事完封されちゃって、悔しい、負けたくない、ムキになって食い下がっていくあかりがほんと魅力的で、ええ、ほんと、いいメンバーになりそうですね。素直じゃないあかりだけど、なんだか可愛げが感じられて、こういうところも魅力ですよ。

Aチャンネル』がゲストで登場ですよ。皆の出会った頃のこと。ユー子の視点から見たトオルが描かれていましてね、出会いが最悪、それで敵視されているって、下から見据えてくる、その目の厳しさ、クールさが素敵! 画面いっぱいに描かれるトオルなんていうのもすごく新鮮で、コマ割り漫画というのは、こんなにも派手に、キャッチーに演出していくことができるんだなというのをまざまざ思い知らされました。しかし、ユー子の見つめるトオル。その表情のころころと移り変わりゆく様を発見しては心ひかれていくというのね、ああ、すごいね、ユー子の気持ちがよくよくわかる。ほんと、ちょっとしたエピソード。けれどそれがこんなにも魅力的で、私もすっかり魅惑されてしまいました。

2016年10月24日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』。なる、ハナ、ヤヤ、メイン3人揃い踏み。背後に絢爛、和傘を背負いましてね、それぞれに制服に衣装羽織って、手に鳴子、元気にポーズ決めているんですね。踊っている最中? それともラスト、ばっちり決めたところでしょうか。動きのあるポーズ、そして魅力的な表情。ぱっと目をひく華やかさが美しい表紙です。

『ハナヤマタ』がえらい展開見せてて、水着でステージにあがるか、それともいつぞやのガールズバンドにくきゅう復活するかを賭けてのソフトボール対決。よさこいチーム vs 先生チームだっていうんですが、次々裏切り者が出るわ、しかも試合が始まれば驚くほどの低レベル! でもそれがとにもかくにも面白くって、投球の予測は次から次へはずすわ、っていうか、これ、投げてる方も予測外だよね、絶対。わりと双方よく打つんだけど、守備がどうにも駄目だから、ばんばか点が入る。うん、これ、なんか気持ちいい。そしてラスト、勝敗を分ける打席にて、さっちん、ヤヤとのこれまで、よさこいで輝くヤヤの姿に感動したことなどいろいろ思い出して、ああ、この勝負の行方やいかに!? って、そんな終わり方するのかーっ! ほんと、面白かった。最高のコメディでしたね。そしてさっちん、背が低くてスタイルもよくないっておっしゃってますが、いや、それいいんじゃないでしょうか。むしろよいんじゃないでしょうか。

『あんハピ♪』は体育祭でありますよ。この日のためにトレーニングしてきた幸福クラスの皆。はたして活躍できるのか。って、なんだ、この学校の体育祭、すごいな、進行に秘密があるという。予告なしでなにかやらされるようで、いや、でも、これ、いつものことだよなあ。そして参加するクラスも体育クラスと幸福クラスのみ。そうか、体育クラスと幸福クラスの対決ということになるんですね。って、勝てるわけないじゃん! って、ほんと見事に勝てなくて、1点さえ入らない。点数3倍のハンデがあっても、そもそもの点が入らないってんだから、こりゃダメだなあ。でも、この負けっぷり、晴れやかなはなこなど、見ていて清々しいのはとてもいい感じでした。これ、秘密にされてる午後のプログラム、そこに幸福クラスのチャンスがあるんでしょうね。そしてチモシー、いやさ椿がどう出るか。震える彼女。けれどこの子がなんらかの鍵となるんでしょうね。ほんと、勇気出して見事その活躍見せてもらいたいものです。

『ブレイキンガールズ!』、ゲストです。なにに対しても夢中になれずにいた華。この子が体育の授業にてブレイクダンスをやることになって、だんだんとその魅力に背を押されていく。そうした模様の描かれた漫画です。相棒は伊織。この子のいう宿題事件、遊びにいっても宿題が優先された思い出みたいのね、それ、面白いな。なるほど、華という子がよくわかる。楽しいとか夢中とか、そういう理由で勉強してるんじゃない。ある種、実利的な子。この子がなぜ授業の課題に過ぎなかったはずのブレイクダンスにこんなにも入れ込むのか。その理由がちゃんと冒頭に示されてたんですね。授業でのダンス、練習して、けれどそれだけじゃなく、スタイルまできっちりキメて参加して、その楽しそうな様子とか、なにかはじまる、そんな感触ありました。先生が華の思い出のダンサーというのはちょっとしたサービスでありますよね。でも、これをきっかけに夢中になれるものを見つけた華、そして伊織。若々しさあるストーリーでした。

『こたつの女神さま』、自宅に帰れば、そこにあるはずのコタツがなかった……。そうか、なおちゃんはコタツが好きか。というわけで、捨てられるはずだったコタツを自室に回収。これね、ただコタツでぬくぬくするのが好きとか、そういうのだと思ったら、まさかのお婆ちゃんの思い出とかね、そうか、コタツがお婆ちゃんの記憶と結び付いてるんだ。そう思ったら、それどころじゃなかった! コタツの神様がお婆ちゃんの記憶と結び付いて、そのまま人の姿をとるっていうんですね。これ、なおにしか見えないのかな? そう思ったら、あ、普通にお母さんにも見えるんだ。この人、ええと、神様か、姿と記憶こそお婆ちゃんのものを引き継いでいるけど、神様らしい奇跡? そうしたものも起こせて、それはなにもないところからミカンを取り出すことができる! いや、すごいよ? すごいけど、なんとなくしょぼくって、庶民的、そうしたニュアンスがなるほど面白い。そう感じられました。ところで、この神様と出会うにはコタツを出しておかないといけない。ということは夏も? うん、なおの部屋は一年中手狭になりそうですね。

2016年10月23日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2016年12月号

『まんがタイムスペシャル』2016年12月号、昨日の続きです。

『課長と私のおかず道』。南条課長に気のある女性、蓮見が登場して、保志周辺の恋愛状況、動きが出てきそうですね。南条課長と仲よくなるにはどうしたらいいか。南条課長はどういう女性が好みなのか、そうしたことを調べている蓮見。調査の状況ははかばかしくなく、保志に頼ることになる。しかし蓮見氏の決め付けすごい! 好きな小説の主人公、メリュート様を南条課長に重ねて、ほんと、夢見る乙女というべきか、ありていにいうと妄想というべきか、ほんと、おかしい。今回、保志が課長のいとこである橘由依に話を聞く。それで昔の彼女の話とか、そして課長、還もまた男だといわれて、それをちょっと意識してしまう。ああ、保志と課長、おかずの追求しながらもいつもと少し雰囲気が違っちゃってますね。蓮見が加わって動きはじめた関係にいつぞやの椎名も加わって、この4人で恋愛のなんのって話にいっちゃう? いや、あの課長のことだから、そうそうそっち方面に話が向かいそうには思えないんですよね。

『お役所忍務のススメ』、これ、実にいい。今回は手裏剣打ちの話。人手が足りないというので駆り出された百地が、もう大活躍。ちびっ子向けの手裏剣教室なんだ。その技披露して、その知識も披露して、もう輝いてるね! まぶしい! そんな百地に、忍者なんている訳ないって、男の子が食い下がる。すげー、百地、相手が子供といっても手加減しねえ。ともあれ、マイ手裏剣出して、少年に解説。手裏剣とはどういう位置にある武器であったのか。とうとうと歴史について語って、あああ、ロマンだ。歴史のロマンがある。そして、今もきっと忍者はいるよ、いなくても私が忍者になるって、ロマンだ! この漫画は、百地の忍者に対する愛、ロマンが素晴しい。キラキラして、ほんと、その情、豊かであります。

『ちんまり経理のヒメ先輩』、これも面白い。銀行にいきますよ。そういって若林を引き連れていくヒメであります。お金を扱う大仕事。そのいろいろを解説しながらの往復なのですが、往路では犬の散歩をまかされ、銀行においてはフロアのお姉さんが万全の警護をし、そして復路ではジャギングお爺さんが一緒に帰ってくれる。これ、ヒメは全然わかってないけど、街の人が総出でヒメのこと見守ってるんだよ! さすがに若林は気づきましたね。こうやってヒメの事情もろもろわかった上で、それとなく見守ってくれてる人たちがいる。そうしたことがなんだか心強く思われる、そんなよさがありますね。しかし、今回の銀行の用事、若林の給料を用意していたっていうんですが、せっかくわざわざこうやってお金用意したのに、来月から振込でって、いや、そりゃ、その方が便利だろうけど! ほんと、最後のコマの社長にヒメ先輩の表情、これが最高でした。

メェ〜探偵フワロ』は、ミスレモンが見つけた置き手紙。捜さないで下さい。それがフワロ氏のものと勘違いしていた時はニコニコ顔だったのに、アーサーのものと知ったら大慌て。うおお、落ち込みアーサー! 水に濡れた仔犬みたいになってるアーサー! しかし、それ見てレモンさん、可愛いじゃないですかあぁ! って、いや、気を使ってあげて! アーサー、崖なんて登ってるんですね。アイカツ? ともあれ、首つっこんできたラウールとのやりとり、結構遠慮なくなってきてますよね。小説のアイデア出ないんだろとやり返すくらいで、このふたりの関係、なんかいいですよ。アーサーがこういう面を出すの、ラウールの前だけじゃないですかね。ラウールのコミュ力、確かにすごい! すごいけど、アーサーはアーサーのよさがあるから! でもって、アーサー、村の人達との交流やラウールの言葉に触れて、思うところあったみたいですね。元気になりましたよ。帰ってきて、みんなでカードやボードゲームで遊びましょう。和気あいあいとした時間を過ごして、恋愛だなんだって方面こそは影を潜めたけれど、また暖かで落ち着ける、そんな関係が取り戻せましたね。こうしたところからいろいろ育んでいくといいんですよ、アーサーみたいな人は。

  • 『まんがタイムスペシャル』第25巻第12号(2016年12月号)

2016年10月22日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2016年12月号

『まんがタイムスペシャル』2016年12月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、リコが一生懸命おにぎりにぎってます。これは、食欲の秋だからってことですかい? 『ミッドナイトレストラン7to7』オリさんはタルトタタン? ええ、これからの季節感じさせるケーキですね。そして『おしかけツインテール』中学時代編の告知カットもありますよ。

光れ!メシスタント』、え? これ? 終わっちゃう? みたいな心配するんですが、ほんと、驚きの転換点。担当編集者とバトルの果てに、一部条件を飲みつつも自分のやりたいものを描くことになった檜山。なるほど、今回は編集者との相性とか関係を築くということとか、そういう話なのかと思ってました。けれどテーマはもうひとつあって、檜山氏、なぜか中辻にやさしい。その理由は2ヶ月後にわかって、ああ、連載コンペの結果が出た。駄目だった。そうでした、この人、しばらく前から連載コンペに挑戦してました。けれどそれでひととおりやったというかのごとく、次のには出さない、実家に戻る。就職して、兼業で漫画を続ける。そういうんですね。ああ、人の節目だ。先生も連載畳んでしばらく休もうとかおっしゃる。ああ、人の節目ですよ。これ、ある程度納得している先達ふたりと、見事に取り残されてる若手ふたりの温度差がすごい。ほんと、これどうなるのか。ふたりは、そしてふたりもどうなるのか。ほんと、やきもきさせられる展開です。

『難関女子と恋愛参考書』、いいキャラクター出てきましたね。アルバイトをしようかどうか迷ってるマコト。そんな彼がとっつかまったの、すごく可愛い女の子。誰かと思ったら中学時代の友人で、ずいぶん変わった、すっかり娘らしくなったっていうんですね。これ、この子、リコ、マコトとはずいぶん親しかったんだな。好きな子とかできた? そう聞くリコの様子見れば、なるほどマコトのこと意識してると見える。マコトたち、いやマコトの友人はっていうべきか? 例の女子校の彼女に夢中なわけですけど、これをリコが知れば、いったいどういうことになるのか。いずれは例の彼女をめぐる人間関係に飛び込んでくるのは必至。ええ、ラストもいい感じ。いたずらっぽさがチャーミングでよかったです。

『おしかけツインテール』、ゲスト掲載かと思いきや、短期集中連載だそうです。花梨の中学時代を描きます。勉強でクラス1位。いつもクールで、と、そんな彼女のこと気に食わないという女子がいます。花梨のせいでクラス2位。そんな彼女、佐々木杏夏が花梨にからんでいって、勉強の邪魔をしよう、遊びの味を教えよう。つきまとって、買い食いに誘って、でも、これ、花梨には親切とかそんな風に受け取られてるんですね。素直なお礼。でもそれがちょっと嬉しい杏夏がいいじゃないですか。悪い子じゃないよねー。そんな杏夏と花梨の友情育まれていくっていう話? いずれにしても、なかなかに面白そうな序盤ですよね。ええ、杏夏。すっかり仲良くなるとよいです。

『穂積くんは猫に勝てない』。ゲストです。目を覚ましたら、憧れの職場の先輩が目の前に眠っていて、なんだこの状況は! 混乱する穂積涼。ほう、倉木先輩。バリバリ働くできる女性。悪くいう人もいるけど、穂積はそんな先輩のことを尊敬していて好きだという。で、目を覚ましたら、そんな彼女とお近付きになっていた。先輩のオンとオフの差、それがいい感じですね。そして大量の猫! 先輩は猫が好き。穂積は猫が苦手。会社ではオフのことは秘密にしてといわれて、なんだか他の人は知らない先輩を知ってる、自分と先輩だけの秘密がある、そんなこと思って喜んでる。なかなかに押しの弱そうな彼ですが、シェアハウスしてるという先輩のもとに転がりこむことになりそうですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第25巻第12号(2016年12月号)

2016年10月21日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2016年12月号

『まんがタイムきららMAX』2016年12月号、昨日の続きです。

はんどすたんど!』、なにこのカオスな扉絵! と思ったら、おお、全部本編に関係してる……。北海道の短い夏休み。とっとと夏休みの課題をやっつけて後半楽しようぜ、って目論見なんですが、いいだしっぺのななみが居眠り、寝言、土俵? うん、扉絵のカオス度、これななみの夢のせいか……。みんなで勉強しながら、いろいろ話していく。他愛もない話あれば、部活のこと、秋の大会についてとか、そして先日の文化祭のステージ、その感想のアンケートとかね。そうした話をしながら、微妙にネガティブ度増したり、そしてアンケートの好意的な評価にやる気を出したりと、小エピソード、箸休め的な展開ながらも、しっかり今後への推進力、それを溜めてるといった感じもある、いい話でした。そして湯豆腐! ああ、ゆかちー! いい笑顔やなあ!

『すくりぞ!』、メンバーが増えたよ! スクール・リゾート部にはじめての宿泊客が訪れます。台場ルル。民宿の娘なのだけれど、リゾートにお客をとられてしまって……、って、それ、リンの家かー! ともあれ、スクール・リゾートにてリゾートを知ろうと思った彼女。その思惑はどうもうまくいっとらんみたいで、まあ、そらそうだよなあ。狭い部屋一室だけだもん。しかもスタッフは押し入れに退避。あまりのことに怒っちゃって、と思ったら、満田リゾートのケーキで丸め込まれちゃった! しかしケーキで機嫌なおしたとはいえ、駄目なところは駄目と指摘するルル。ああ、布団、きっちり整えてみたりね、それで家が民宿と知られたことで入部させられてしまったりと、ええ、まさかここで部員が増えるとは予想外でした。ルルとにゅうが同じクラスで、クラスに友達いないと椿山にからかわれて怒ってるにゅうが魅力的。そしてルルと寝子が急接近! ああ、椿山が椿山が! これ、そっち方面にも発展しちゃうのかな?

『こみっくがーるず』、進路調査の話。皆はプロの漫画家。当然進路も漫画家一択だろう、といったら、そうか、第二希望とかもあるのね。一生漫画家として生活していけるかわからない。そんなるきのシビアな意見。そうか、それで需要なども考えて保育士の資格をとろうとか考えてるんだ。これをきっかけに、漫画家以外の道を考える皆の様子がですね、漫画家一本であるいは関連する職業と決めてる人あれば、とりあえずではあるといえ、別の職業の可能性を思ってみたりする人もあって、こうした様子、ほんと、ほろりと苦い切実さ思わせたりしてくれ、ただ面白いだけでない深みなど感じさせるところありました。そして寮母さん! 昔、漫画家だった。けれどプロの漫画家であることをやめた、そうした理由語られて、ああ、ほんと、なんだろう、仕事を選ぶということ、人生における大きな選択についての思いいろいろが、こんなにも豊かな魅力もって描かれて、素晴しかったです。次回は翼とお母様の対決!? なにを見せてくれるのか、これも楽しみでありますよ。

ペンにまします神サマの』、猫屋敷さんと委員長が寿実の家に潜入したわけですが、猫屋敷の背景説明されて、マスターとやらにも言及されて、そして神様のペンを探そうという彼女。ああ、見つけられないんだな、だって、寿実もどこにあるかわかってないもんな。みたいなこと思ってたら、まさかあんな展開になるなんてまったくの予想外で、すっかりそっち方面のキャラになっちゃってるんですね。ちょっと気の毒ではあるんですけど、おかしかった。と、そう思っていたら、ああ、この一連のエピソードは委員長メインだったんだって気づかされて、ああ、委員長、その胸に去来する感情やいかに。ほんと、この漫画、油断できないって感じですよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第13巻第12号(2016年12月号)

2016年10月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2016年12月号

『まんがタイムきららMAX』2016年12月号、発売されています。表紙は『ステラのまほう』。TVアニメも好評博してるようで実によいですね。表紙イラストは珠輝に歌夜、ふたりがちょっといい服着ましてね、珠輝はマフラーも可愛く、歌夜はヘッドホンもなんだか素敵です。余裕ありそうな歌夜に対し、ちょっとなんだか慌ててるみたいな珠輝。この対照も面白いですね。

いちごの入ったソーダ水』、よいですなあ。こひめの様子が変ですよ。月に内緒で、なんかやってるみたいですよ。って、月にはバレバレなんだ! 気づかないフリしてあげるんだ! 月さん、優しいなあ。まるでお母さんだ。こひめ、ひとりで出掛けるというのをね、いい傾向だって見守ってる月の視線の暖かさ。ほんと、お母さんだ! こひめと雛菊が一緒にケーキを作ります。ああ、レアヨーグルトケーキ。この無理しない感、とてもいいですよね。そして雛菊のこひめに対する告白。ああ、入学式の時、声かけるのに緊張した。え? でも、いきなり彼氏いるかとか聞いてたよね!? そうかあ、緊張してたんだ。いきなり月にあだ名つけようとしてたよね!? そうかあ、そういうの得意なんだと思ってた。実は緊張してたんだなあ。こひめの成長いちじるしい昨今。彼女がしっかりしていく、それと並行して、他の子たちの苦手だったり不得意だったり、そうしたところも見えてくる。ええ、これが知り合っていく、仲良くなっていくってことなんだろうなって思わされました。ほんと、この子たち、いい友情を育んでいると思いますよ。

『きらりブックス迷走中!』、ほんとおかしいわ。ひいきにしている本の2巻が出る。それできらりがやる気出してるんですが、そういや、これ、前、きらりが買い占めてたよね。金の力でものごと好きに運ぼうとする、その発想がやばくって、サクラの調達、ジェットで宅配、優待つきのフレンド券の果てに私たちはファミリー……。最初、いらないっていってたフレンド券、優待がついてくると知ってとたんに欲しがるふわり、ここみがよかったです。そして極めつけはwebサイト。あー、これ、ホームページって感じがしますよ。ほんと、この発想なんだろうって思ってたら、作者からのクレームが! って、ほんと、おかしい、楽しいエピソードでした。

『魔法少女のカレイなる余生』。おおう、しじまが本気だ。国際魔法少女博が開催された、というので、しじまが臨戦体勢。憧れの魔法少女アイドルのライブが目当てだっていうんですが、あんまりにハイで、あんまりにいつもと違いすぎるテンションがやたらおかしかったんですね。ところで、資料展示、917年の魔法少女の乱とか、1523年の条約締結とか、あれ? なんか、見知った人がいる、よね……。これ、小ネタなのかな? そんな風に思ってたんですが、終盤に繋がるんですね。そうか、しじまの憧れるすぴかちゃん、歴史の転換点に立ち合ってきたミミの後輩だったりしたのか! ミミの評価があがってすぐ落ちる。それがねおかしかったんだけど、いや、でも、総量としては評価上がってそうですよね。

『どうして私が美術科に!』は、今日から夏服、けれど雨。テンション下げてる蒼とすいにゃんが可愛かったです。あの口元! 今回は部室、美術X室の掃除ですよ。そういわれて、とたんにやる気なくして、雨に降られながらでも帰るつもりになってる蒼、黄奈子、すいにゃんもおかしかったです。掃除に向いてないこの子らの掃除風景。雑巾をしぼれない桃音にすいにゃんとかおかしくて、と思えば、パレットから絵の具を剥がすとかね、へー、こんなことできるんだ! ちょっとバタバタ気味の掃除だけど、部屋もキレイになって、心機一転って感じですね。この伸び伸びとした気持ちのよさ。雨のじめじめをすっかり一掃した、そんな感触ありましたよ。

『ぱぺっとコール!』、市の演劇祭に向けて動きますよ。『ロミオとジュリエット』をやります。それで配役を決めていって、練習してと、部活ものの面目躍如といった様子なのですよ。しかしそこで、つるちゃん、なにか思うところがありそうです。ほとりんがね、いった方がいいって促すんですよ。エスパーだからとかいっちゃうの、可愛いなあ。つるちゃん、ロミオをやりたがってる。それをきっかけに、上級生たち、昨年の演劇祭のこと思い出したりしましね、ああ、去年には去年の、今年には今年の、思いがあるんだって。そしてその思いの行き先も面白かったです。この役をやりたい。思惑はいろいろあれど、そうしたやる気を尊重して、チャレンジさせてくれる。うん、よいなあ、よいですよ。青春を感じます。

ご注文はうさぎですか?』。印象的なエピソードでした。ハロウィンのお話です。皆で仮装を楽しむ、そうした情景をコミカルに描写しようというのかな? そう思っていたらですね、ああ、そうではなかった。そこからさらに先を描いてくれた。迷子になったココアが出会ったお姉さん。魔女の格好したその人は、頭にティッピーに似たうさぎをのせていまして、不思議な人、手品でココアを和ませてくれて、しかしこの人誰なのだろう。そう思ってたのですが、ああ、消えるマジック、そこではっと気づいたのでした。そうか、ハロウィンは死者の魂が戻ってくる日。そうか、もう亡くなった人。それでいて、いつも身近にいてくれる、そんな人。チノのお母さんか。最後の、ティッピーが、お爺ちゃんがチノにいった言葉。とてもよかった。そしてココアの手品、それがチノに母を思い出させて、ああ、なにかちょっとした奇跡でありますね。

『すぱいすきっちん!』、ゲストです。ん? お好み焼き屋? と思ったけど、違う、全然違ったよ! バイトがやめて人手不足のスパイスキッチン。店員が椅子で、そして天井から下げた布を使ってヨガをしている。そんな店。人手が足りないのは困るというので、バイトをハント、ってハント? スカウトじゃなくてハント? やり口がひどいよ! 当たり屋まがいの手法で女の子をひっかけた! けど、なんだか歓迎ムードですよね。豪華な座席に飲み物、マカロンなんかも振る舞って、ついにはバイトに引き込みました。制服はサリーなんですね。個性的というには奇矯すぎる店員たち。歌って踊って、ヨガをやって、という、この歌にダンスというの、インド的要素として欠かせないっていうやつなんかも知れませんね。そしてナンで食べるカレー。ヒロインサリーも気にいったみたいで、次回はいよいよ仕事の情景でありましょうか。

  • 『まんがタイムきららMAX』第13巻第12号(2016年12月号)

2016年10月19日水曜日

この世界の片隅に

 見てきました、アニメーション映画『この世界の片隅に』。昨年の春、クラウドファンディングにて支援を求めたところ、予想外の資金が集まったことでも話題になった映画です。ですが、この映画に関しては、そうした金額の多寡によって語って欲しくない。あれだけの支援が集まったのは、他でもなく、原作漫画『この世界の片隅に』を愛している、大切に思っている人が多かったから。そして、この漫画がアニメーション映画となることで、その表現がどのような広がりを見せるか、そうした可能性に期待をした人が多かったから。お金が集まった、それはひとつの結果で、大きな成果でありますが、お金だけでは語れない気持ちがいっぱいあるんだよ。クラウドファンディングでいくら集めた、そうした情報に触れた際には、どうかその向こうにある支援者たちの気持ちにも思いをいたらせてほしい。そのように願っています。

この映画、期待されているのでしょうか、注目されているのでしょうか、今朝のNHKで特集が組まれていまして、映画のシーンが紹介され、監督や主演ののんさん(本名能年玲奈さん)そして原作のこうのさんのインタビューが放送されるなど、思わず見入ってしまうとともに、あまりのタイミングに驚いてしまいました。ああ、これを機会に広く知られて欲しいな、多くの人に見てほしいな、そして自分自身、この映画をはやく見たいと気持ちがはやるばかりでした。ああ、あまりのタイミングというの、他でもない今日が大阪での先行上映の日だったからです。昨日の夜から、今日に向けてコンディションを整えて、心待ちにしていたら、朝から特集だよ! もう我慢しちゃいられねえ! って、アホですね。でも、ほら、それだけ期待していたんですよ。

これがどんなアニメになるのか。そこに不安はありませんでした。折々に送られてくるメッセージ。そして昨年夏に参加した制作支援メンバーズミーティング。それらによって制作の状況を知ることができたのに加え、完成している分のアニメーションにまでも触れることができていたからです。原作の雰囲気が損なわれるのではないかという心配などはまるでなし。むしろ原作をベースにしてそこにさらに加えられるアニメーションの魅力や、より作り込まれるすずさんのいる世界の質感、それは同じ『この世界の片隅に』でありながら、同時に異なる魅力を備えたそれぞれ独自の作品となりうる — 、そうした広がりや可能性に胸踊らせたのです。

きっとすごいものになる。きっとすごいものになる — !

そう思いながら鑑賞した、映画『この世界の片隅に』は、本当にすごいものでした。

第二次世界大戦を呉にて経験した女性の物語です。少女期を広島に過ごし、そして年頃になって嫁いでいく。あたり前の、別に特別でもなんでもない普通の人の人生の節目のエピソードが、ポツリポツリと少しずつ語られていくその様は、ちょっとユーモラスで、チャーミングで、なんだか放っておけない、そんな感じの愛らしさに満ちていて、ああ、人の一生というのは、こんな具合に、あの時はこうだった、この時はこんなだったと、小さな出来事、思い出、記憶が、ちりばめられるようにしてかたちづくられるものなのかも知れないな、などと思えるような見せ方。その時々の出来事はというと、楽しいことがいっぱいで、不思議なこともいっぱいで、けれど楽しいことばかりではなくって、最初のうちはほのぼのと、いたいけな人を見守るみたいにしていたのが、いつしか日常の憂いにも触れることが増えてきて、ああ、人はいつまでも子供ではいられないし、大人になれば、生活を自分で負うようにもなれば、苦労もまた増えるのが人生でありましょう。けれどそれにしてもあんまりじゃないか。そう思うこともありながら、主人公のすずさんの持ち前の明るさや、あっけらかんと、のんびりと物事に対するおおらかさに救われるような思いもしながら、彼女と彼女の生活と、彼女の生きた時代とを、その身のそばに立つみたいにして感じていました。

しかし、それにしてもあんまりと、そういうことは本当に容易いんです。そういう時代だった、あんまりのことに、自分は今のこの時代に生まれて過ごせてよかったなあ、そういう風に片付けてしまうことはたやすい。だけど、自分があのすずさんの状況にあったらどうなのか。かつてこうした実際を経験し、乗り越えてきた人たちはどうであったか。思えば気持ちがとまらなくなる。それはひとえに、すずさんや、すずさんを囲む人達のありようが、ありありと手に触れて感じとれるような近しさを持って描かれていたからなのだろう。彼女らの思い、感じている多くのことが、胸に切々と訴えてくる。私のからっぽの胸にも、それはそれは大きく響いて、ひとごとでなんていられなくなる。すずさんという人の物語を、身近な人のそれ、まるで家族の身に起きたことのようにして受け止めて、それだけに重くのしかかってくる。それは、すずさんが普通の人であるがために、普通の、誰にでも起こりうる、起こったかも知れない、起こるかも知れないこととして、彼女の経験することごとを見ている私が自分のことのように生々しく引き受けてしまうからなのだろうと思います。

運命に、あるいは状況に翻弄されたひとつ個人が、懸命にその時々をこそ踏み越えていく、そうしたすごみさえ感じさせる映画でありました。

人生というのは、その規模こそはまちまちだけれど、あんまりなことが多すぎて、そのあんまりなことになげきながらも、嬉しかった気持ちや楽しかった思い出、誰かにしてあげたこと、誰かにしてもらったこと、日々の小さなしあわせなんかを支えにして、ようやっと進んでいくものかも知れないね。泣きながら、笑いながら、ただただ今日を暮らして、きっとくる明日を迎えては越してゆくものかも知れない。けれどそのあんまりが、あまりにも過大であった時、人はいかにして生きていけるものであるのだろう。そんな思いにとらわれて、胸苦しくなることもある映画でした。けれど見終えたときに、生きるということの本質とはこれなんだよと、そっと伝わるものがあった。そんな思いのする映画でありました。

  • こうの史代『この世界の片隅に』上 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2008年。
  • こうの史代『この世界の片隅に』中 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2008年。
  • こうの史代『この世界の片隅に』下 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2009年。
  • こうの史代『この世界の片隅に』前編 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2011年。
  • こうの史代『この世界の片隅に』後編 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2011年。

参考

2016年10月18日火曜日

『まんがタイムファミリー』2016年12月号

『まんがタイムファミリー』2016年12月号、昨日の続きです。

『あまてる!』、おお、終わってしまいました。宮崎に引っ越ししてきて、この町の、土地の魅力に触れた舞。神様と出会ったり、そして友達と毎日を楽しく過ごしたりと、その生活の様子は魅力的で、そしてこの街の魅力を残したい、伝えたい。そうやって未来を見つめてきたこれまでがどのように閉じられるのか。ええ、まさかの転校生。スウェーデンからきたマリー=ルイス・アッペルクヴィスト。しかもこの子にも神様がついていて、おおう、イドゥン、北欧の神! ああー、これは舞の転校、それを最終回にもう一度なぞろうという趣向なのでしょう。舞が転校してきた当時を思い返したり、そしてマリーとイドゥンとの交流、それが町の、日本の魅力を再認識させたり、そして明日の楽しみを思わせる、そうした開かれた描写で閉じられた最終回。ええ、好きな漫画でした。日々の生活に見出される楽しみに魅力、土地や町への愛着。しんみりとする、そんな描写もアクセントになって、舞たちの過ごす素敵な時間をともに感じることができた。そうした感触、とても気にいっていました。

『レオタードって、恥ずかしくないですか?』。ついにレオタードが届きましたよ。地味と不評。着てみれば、恥ずかしい、寒いと、またまた不評。面白いなあ。あんまりに恥ずかしいからと、スパッツ装備、上にもシャツ着てね、うん、いい感じ。というか、レオタード着てる意味、よくわかんないな。着て練習して慣れるのが大切なのかな? 後半の計量の様子も面白かったです。おなじみなんだ、恒例なんだ。新体操部体重測定。そうかあ、スタイル維持についても考えないといけない。それで計量して、結構つまめる、わりかし重めの莉奈。ああー、減量が余儀なくされてしまった。計量の際に、上に着ていたシャツを脱ぐまで頑張った、いや、切羽詰まったといった方がいいのかな? そうした様子も面白くって、ほんと、この子、誘惑に弱そうなんだけど、よりによって家に帰ったらケーキが待ってたりしたんだけど、いやあ、無理しちゃ続かないからねえ。莉奈に対し、小柄の千夏の軽さ、それが最初に見せられるのがね、ほんと、莉奈へのプレッシャー強めてますよ。ナイスコントラスト、ナイス助走でした。

『きみちゃんの味じまん』、手繰のお家に呼ばれたきみちゃん。いったいなにかと思ったら、兄弟の趣味の話でありました。釣り好きなんですね。長兄、もう社会人、この人が結構なもので、釣った魚を業務用ストッカーに入れて保存している。マイナス20度まで下がる! すごいな。鮭は昔は刺身とか駄目な魚でしたが、最近は冷凍過程をへることで、刺身でもいけるようになりました。そういう話がなされましてね、うん、いい感じじゃん。実際に一本おろして試食する、その時の感想、批評と、欠点を改善する工夫の提示。こういうプロセスもすごく面白い。兄弟も多くてにぎやかというのも気持ちをくすぐります。これね、手繰ちゃんから提供された新巻鮭。お店ではどういう風に使われるんでしょうね。プロの技、期待しちゃいますよ。

『かしこみかしこみ』は絵本にあこがれて、焚き火します、焼き芋も食べますというお話。ムクにお願いして、落ち葉をもらってきます。子供たちは落ち葉がもらえる。お家の人は庭の掃除がはかどる。うん、素晴しいね。そして焚き火は神社でやります。奏衣様が乗り気でして、さらには桜と橘、山椒もやる気まんまんで、いや、これ、ほんと、楽しいな。落ち葉の焚き火とかやったことないんですよ。落ち葉って、ばーって燃えちゃうでしょう? あんな強火でちゃんと芋とか焼けるのかな。表面だけ焦げて、中まで火が通らなかったりしないのかな、そう思ってたら、そうかおき火になってから! さらに一時間かけて蒸すのか! 勉強になりましたよ。うん、子供たちの驚きがそのまま私の驚きでしたよ。ワンダーってやつだ! 山椒の料理上手も光ってました。焼きリンゴが出る。晩のおかずまでそつがない。今回は絵本の憧れのシチュエーションを実際にやってみようという話でした。それが、ムク、山椒と一緒にお芋を食べている、その情景が絵本そのものだっていうのね。これ、ほんと、そうですよ。メルヘンだわ。ファンタジーだわ。ですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第34巻第12号(2016年12月号)

2016年10月17日月曜日

『まんがタイムファミリー』2016年12月号

『まんがタイムファミリー』2016年12月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期』、チエちゃんが三味線を弾いておりますよ。いつものセーラー服に三味線、でもこれが不思議と似合ってるんですね。『軍神ちゃんとよばないで』、虎千代は笙を手にして、その装束もあいまって実に決まってる。『ふみのさんちの大黒柱』、にあが正座でリコーダー。これ、学校の笛のテストの練習とかかい!? なんか黙々と取り組んでる風なのがいいですね。

大家さんは思春期!』、チエを労うために、なのかな? いや、それ口実ですよね、マユがホテルのビュッフェの優待券持って誘いにくるんですよ。けれど問題が。子供だけでいけるのか? 大人に同伴してもらおう。って、そこで前田か? と思ったら、おお、麗子さん。すごいぞ、今回。頼れる麗子さん、素敵な麗子さんが大活躍。ホテルでのランチなんてまるで当たり前、みたいに、というか、当たり前だよな。中学生組があれもこれもって、目移りしちゃうって大騒ぎしてるのに、麗子さん、静かに支払いはまかせて? クール、スマートにカードで決済して、うおお、すごい、できる女だ。かっこいい麗子さんだ! 今回は背伸びする中学生組と大人の女性の対比際立って、ほんと、中学生らは愛らしく、大人はかっこよい。シンプルながら見せてくれる回でした。

『おしかけツインテール』も、なかなかにしっかりした話。というか、俊郎が頼れる大人やで! 花梨たち、そろそろ進路について考える時期。花梨、高校生とは思えないほどシビアに進学について考えていて、それはそれは頼もしいのだけれど、でもちょっと問題がある。この子がなにをやりたいか、それがないんですね。そうした相談を俊郎に持ち掛ければ、今はお金の心配があるから切り詰めプランでいこうとしているけれど、もしお金の問題がなくなったらどうするか。ああ、俊郎、駄目人間の代表みたいな大人になっちゃってますけど、それでもちゃんと大人なんだな、そう思わされたエピソードです。花梨は花梨で、自分のこと、視野の狭かったことを知って、まだ子供だと思ってみたり、また俊郎は俊郎で、自分の苦い過去に思いを馳せたり。このあたり、いい描写だったなって思ったんですよ。ひとつのテーマで、ふたりがそれぞれ違った振り返りをする、それがもとのテーマを力強く支えてと、よかったって思ったんですね。

『牧場OL』、なんかいい話だったな。スアンさん。すごくいいよ。日本語の勉強してる。その様子見てちょっと笑ってしまった南を笑ったでしょ、詰問するのがいい。そしてスアンが日本にきた理由や経緯、聞いて泣いてしまった南をスアンが詰問する! 素晴しい、素晴しいわ、この展開、この流れ。忘れがちですけど、スアンさん、昨今問題も指摘される技能実習生でした。けれどスアンに関しては問題ないよ、クリーンだよ、それがしっかり説明されて、よかった、スアンさん! ちゃんと学んで、いつか夢を叶えたいって、そんなスアンの状況に、きっちりしっかりサポートしているおっちゃん、管理団体の存在示されて、うん、安心させてくれるこの親切さ。そしてスアンと南、その関係。寂しさを隠すスアンに、自分が寂しいんだっていって寄り添ってくれる。そんな南はちょっと大人でいい友達だったなって思います。

『感染!ウイちゃん』。擬人化コンピュータウィルス。そのウイが、部屋中に広告貼ってるっていう、ほんと、なんだ、面白かったですよ。セキュリティーソフトの彼女がすっかり手玉にとられていたり、と思ったらあつしもすっかりやられてて、この相手の興味をひく広告を選ぶ手腕。マルウェアやるより広告のマッチングやった方がいいよ、才能まっとうに活かせるよ、ウイさん。しかしあつしの親父さん、ろくなことせんですね。とはいえ、それであつしの身の回りにぎやかになってるんだから、これはこれでオッケーですよね。

『かなみ育成中』、叶美が風紀委員に抜擢されました。ああー、過去のいろいろが叶美の風紀委としての資質を裏打ちしている! いや、そうなのか? ともあれ、ここからの叶美の活躍ですよ。ゴミをポイ捨てする先輩をしかる! それこそ3歳児相手にするように! さらに校内の恋愛事情に対処する叶美と結がまるっきりのおばちゃんで、いいのか? いいのか君ら? 若さがないよ!? 風紀委員の先輩がちょっと叶美のこと好きになっちゃった? そんな意外な展開と、そいつをズバッと断わる叶美、このあたりはほんといつもの叶美らしさが現れてました。で、まさかここから続きがあった。これ、びっくりしました。叶美のこと、男の娘だっていう男子、いつもの叶美のこと誤解してる彼ですよ、現れたかと思えば、その上に結と叶美が百合カップルだっていう男子まで出てきて、そうだ、そんな話あったよ! でもってその上に重なる誤解。うおお、これ、どうなるんだ。ほんと、学校では結、叶美がカップルってその認識浸透させていくことになるのかい!?

  • 『まんがタイムファミリー』第34巻第12号(2016年12月号)

2016年10月16日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2016年12月号

『まんがタイムきららミラク』2016年12月号、昨日の続きです。

『広がる地図とホウキ星』、出色やわ。学校へと向かう魔法使いの卵ふたり。ホウキを飛ばす魔力がもうない、というかお腹がすいてきたんね? それで徒歩移動に移行するんですけど、途中遺跡に寄ってみましたらね、壊れたと思われてた古代ロボット、ゼルダとリンの合わせ技で復活させちゃったんですね。それで次々明らかになる遺跡の秘密。その時のリン、ゼルダふたりとロボットのやりとりが本当に面白くって、夢があるロマンがある、その上でコミカル、愛らしく、いきいきのびのびとした気持ちよさがある。ロボに助けられての移動中、ピンチがあっても助けあって乗り切ったりね、その時のロボの、助かりました、みたいな普通のやりとりがとにかくおかしい。そもそも遺跡を離れるのに有休申請してますからね。ロボのおかげで無事に街に到着、パトカーで学校まで送ってもらうふたりのね、そのやらかしたこと、それが大発見だって評価されて、ああ、このふたりのこれから、学校での活躍にも期待できるじゃないですか。そもそも、これまでは移動だけ。これで序章、導入は終わり。じゃあ、本編はどうなるの! おおいに期待される漫画であります。

『ななつ神オンリー』、どんどん神様揃っていきますね。天照のアドバイスうけて、七福神でアイドル活動やりますよ。それでみんな可愛い女の子になっちゃってるっていうんですが、今回登場するおが毘沙門天。ええと、凛々しい系女の子なのかな? みたいに思ったら、待って、待って、どえらいキュートなお嬢さんになってる! でも、これ、なんかキャラに違和感あるらしい。って、待って、待って、やっぱりもともとは凛々しい系お姉さんだったんじゃねーか! ほんと、この展開、イメチェン、さすがにこの世界においてもちょっと無理矢理みたいでおかしくて、そしてゲーセンでもってガンシューやらせれば、もともとの性格がドバドバ出てしまう。いいわ、素敵やわ。とりあえず5人揃いました。で、誰がセンターやる? それをカラオケリズムゲームで競います。ゲーセン慣れしてる自分が有利に違いない、そう考えてのハンデ戦。そうしたら弁財天、音楽の神様がいたー! って、この慌てぶり。そして結果出た時の落胆ぶり。いいよ、ほんと、おかしかったです。しかし、現状5人です。まだ出てないのは恵比須と大黒天。今後、このふたりも出てくるんでしょうか。

『拝啓、かしこ』、素晴しいわ。前回は北条恵がわの情景描いていましたが、今回は再びナオトのがわに話が戻ってきて、ああ、これ、文通の様子、毎回をナオト、ケイ、ナオト、ケイという風にいったりきたりするのかも知れませんね。今回のナオトの様子です。この子、内気で、いろんなことに消極的で、そんなだったのがこのところ、ちょっとずつ積極性を見せてるっていうんですね。ああ、手紙がこの子の気持ちに働きかけているんだ。返事を書かないと。そのためには、いろいろネタを仕入れないと。というわけで、外出、学校、いろいろに積極性が出てきてるんですね。なかなか言葉の出ない自分について思っている。経験が少ないから、言葉も少ないんだ。そういったら、おばあちゃんから違うといわれた。それが意味するところ。ええ、なにかわかるところもあるんですね。ナオトの気持ちがわかります。また同時におばあちゃん、ハツネさんのいうこともわかって、ええ、手紙には気のきいたこと書きたい、なにか特別な事件、できごと、発見を記したい。そうした見栄やなんかもあるのかもね。でも、そうじゃないんだ、それだけじゃないんだって、そういうことでもあるんだよって、そんなこといってる気がします。ええ、ほんと、やわらかに人の気持ち、その機微を描いてあらわす、そんな風が素敵です。

カラフル・マキアート! — 魔法少女は戦わない。』、新たな敵があらわれた。理子先輩がそういってるの、あー、副会長ねー、そう思ってたら、違うんだ! まいったな! 期末試験なのかー! でもカラフル・マキアートはいろいろ緩くって、赤点とらなかったら大丈夫。でも、みのり、栞、あぶないかも知らんのか。うお、すごい、理子先輩、学年2位なのか。花乃香もけっこう成績いいんだ。しかし、この漫画、面白い。基本、常識的な漫画。いや、魔法少女に変身してる時点で常識とかふっとんでそうなところなんだけど、でも根底に常識的な発想があって、それが今回は花乃香の金持ち設定に襲いかかる! 別荘があるっていうんですね。それを部員全員で、すごい、こわい、おののいてみたり、栞にいたっては倒れてみたり。ほんと、おかしい。こういうノリ、大好きですよ。みのりの家で勉強会するというのも、おおう、栞、花乃香が普通じゃないぞ! そうか、花乃香、友達いなかったか。常識から逸脱する、そういう言動、しばしば出てきますけど、それも根底に常識が意識されているからこそ光るのだと思います。たとえば花乃香、栞の台詞がそのパターンにはいってて、生徒会長もそうでうしょね。ほんと、面白かったですよ。変身のくだりなんかも最高でしたね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第5巻第12号(2016年12月号)

2016年10月15日土曜日

『まんがタイムきららミラク』2016年12月号

『まんがタイムきららミラク』2016年12月号、発売されました。表紙は『桜Trick』春香と優がふたり、ハロウィンの仮装でありますよ。優が魔女、春香は吸血鬼? 牙、生やかしましてね、それで狙うは優の首筋かと思いきや、手にしているキャンディーであります。後ろから優の腰に手をまわして、近しいふたりの距離と、それでトリックよりもトリートな様子。実に可愛らしい表紙でありますよ。

『しましまライオン』、前回の続きですよ。海でサメに遭遇!? まこといおん、ついつい沖に出ちゃってね、浜に戻れず困っているところに近づく怪しい影! ええ、新菜さんでした。でも、この3人、やっぱり浜に戻れなくて、ああ、大ピンチです。と、そんなピンチをボートで通り掛かった救助の姉ちゃんに助けられて、そこからの会話。サメとニーナ対決とか、それからワニの弱点やらね、動物なのか人なのか、あやふやな境界線上の彼女らの話してる様子がおかしくってよかったです。しかしなにがおかしいって、そのお姉さん、どうもサメから人になった、すなわちお仲間である模様。新菜といおんは気づいてて、でもそれをまこにはバラさない。その理由がねなんか可愛くて、ほんと、いおんにとってまこは特別なんだなって思わされましたよ。

ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、おお、今回は、前回の反省会からはじまって、続きは夢子とあずき、一緒にお祭り。夢子母から浴衣を借りましてね、恐縮するあずきが可愛い。お、夢子は甚兵衛なんだ。これも可愛いなあ。ナイスお子様だ。さて、夢子のビビモンでの探し人、姉のことがちょっと語られて、おおう、ちょっと待て、夢子の姉、空子、そうとうな変わり者じゃないか。母いわく、あんなポエムを心に秘めた子だなんて思わなかった。いや、ほんと、謎の人。けど、その話を聞いて、あずき、なにか思うところあるみたいですね。あずき、お祭りは久しぶり。友達と一緒で、すごく楽しそうで、ほんと、あずきはビビモンやって、夢子と出会えて本当によかった。そんなあずきの叙情と詩情と、そして失敗。メランコリック、泣いちゃって、でもほんと、夢子母、素直に感情出して、けれど根にもたない、気持ちのいい人だな。あずきの多様な側面、それを知る夢子の優越感? いや、友人になって、いろいろを知って、さらに深まる情の表れ。これもまた素敵でありました。そして、最後の、お寿司!! これ、最高じゃないですか。

『魔王城のお姫様』、おかしかった。仕事をしたいというメルル。そもそもあなたなにもできないでしょう。そういわれてむくれてるのもおかしかったけど、自分にできることはなにかないか、仕事を探す有能さを発揮ですよ! いや、大抵そういうことってうまくいかんもんです。きっと、大失敗しでかすんだろうな、そう思ってたら、いや、ちょっと待って、メルル、本当に有能じゃない? トラップ係を自称するメルル。見事なトラップ、山のように仕掛けてジーナ、ハルベルを迎え撃つ。ほんと、これ、およそクリアさせるつもりがあるのか疑問に思うデストラップの連続で、しまいにはメルル、城の防衛とかいう建前捨てさって、ただのサディストになってる! と、そんな目論見がちゃんと最後に因果応報、メルルに返ってくるという様式美。ここまて含めて実に楽しい、面白いエピソード。グッドエピソードでしたよ。

『本日のオーダーは?』、ゲストです。高校は食物科に進学した女の子たち、同じ学校から進学してきたはると紫乃をメインにして、調理について学んでいく様子が描かれてるんですね。ということは、ふたりとも料理が得意なんだろうな。そう思ってたら、おおう、はるはそうじゃないのか。普段、包丁とか握らない、そんな人なのか。なのに食物科に進んだ理由、食べられるからっていう、なるほど、この子がどういう子であるか、ばっちり伝わりましたよ。初回の課題としてサラダを作ります。なるほど、実力を見るため。先生おっしゃいます。誰かのを写したらすぐバレる。出来合いのものもすぐわかる。おお、厳しいですね。わくわくしますね。サラダが課題として選ばれた理由もちゃんと説明されてたの、よかったですよ。それだけに、はるの作ったサラダの問題。そつなく奇麗に作る紫乃のサラダと対比されてますからね、見事に表現されてて、ええ、ここからのはるの奮闘ぶりに期待させられる出発点でありますよ。

『お姉ちゃん計画』、ゲストです。おおう、冒頭のっけから、姉ちゃん死んでるって、なかなかハードであるな。と、そんな姉の忘れ形見、といっていいのか? 姉のクローンが妹、早来を訊ねてやってきて、なるほど、彼女、ミライには早来のところにこなければならない理由があったわけですね。不完全なクローンであるため血が必要。姉、未来はすでに亡くなっているので、その血を妹、早来に求めねばならない。夜、首筋に歯を沿わせるミライのなまめかしさは、昼間のふわふわとして明るい様子とは全然違っていて、ええ、ちょっと図々しくって、早来からアイアンクローくらったりしてる、そうしたコミカルさとの対照、しっかり押し出していました。

  • 『まんがタイムきららミラク』第5巻第12号(2016年12月号)

2016年10月14日金曜日

カルドセプト リボルト

 『カルドセプト リボルト』、これ、7月発売だったかー! 発売日前に序盤だけ遊べるスタートダッシュ版がリリースされて、早速導入。もちろん正式版もDL版で予約購入、発売日には遊びはじめていたというのですが、クエスト、メインとなるストーリーを全部終わらせたのが、つい先日の10月10日。長い! 長いんだよ! いやもう、ひととおりクリアしたと思ったら、さらに次のシナリオ群がオープンして、各章ごとに十数ステージあるというものだから、クリアしていくのも大変。一気にやればほどなく終わる程度の量かもは知れませんが、なにしろ『カルドセプト』ばっかりプレイするわけにもいきませんで、そんなこんなでクエスト一通りクリアに3ヶ月をかけてしまいました。うん、これだけ遊べたら充分もとはとれたといえそうです。って、とんでもない! オンライン対戦しないことには、このゲームの本当の面白さには触れられない! ということで、やっとこさチュートリアルを終わらせた、そんな塩梅です。

カードは、カードは……、まだ全部揃ってません! あと2種類、あと2種類出たらコンプリートするんだ……。とはいえ、このゲーム、カード50枚で組むブック、各カードを最大4枚入れられる、というわけで、本当のコンプリートのためには全4枚ずつを確保しないといけない。なので、効率よくカードを集めていきたいんですが、いやあ、これがわりかしつらいんです。もうね、クエストクリアの時からそうでしたけど、すっかり堕落してしまいまして、どれだけ短い時間で、どれだけ確実に勝っていくか。それだけしかもう考えてません。クエストはケルピー投入。有無をいわさず強引に通行料むしりとって、カード揃えるための稼ぎにはパウダーイーター投入しての思考停止状態。あかんよね。堕落だわ。ということで、とにかく今は、主要なカードを4枚揃えるだけ揃えたい。そんな状況であります。

カルドセプト、リボルトになってずいぶんルールが変更されました。正直、ゲームの質が変わった、そう思えるところもあって、いやあ、戦闘優位になったなあと。またクリーチャー置き換えたり土地に投資したりするのが、これまで以上にアクティブに、縦横に行えるようになって、うまく条件整えられれば、ほぼ毎ターン、領地に対しなんらかの働きかけができるようになりました。まあ、そうそう思いどおりにはいかないんですけどね。とりあえず、テンポよくなった。一発大逆転を狙えるカードが多い。ということは、堅牢なクリーチャーを配置した土地のレベルアップしてやれば、そうそう落ちない、もう安心、みたいなこともなくなったってことでもあるんですけどね。

最初は慣れなくてミスを連発したりしましたけど、さすがにクエストを一通り終えるくらいはプレイしたわけで、随分新ルール、新システムにも馴染んできたように思っています。とはいえ、まだ試してないシステムもたくさんあって、世界呪いも合成も、まったく全然これっぽちも試していません。効果のよくわかってないカードも多いし、絵を見てもどんなカードか全然覚えてないしで、ほんと、シリーズ通してのプレイ経験こそはそこそこあるものの、リボルトに関してはまだ初心者といっていい程度でありますよ。

さて、もうそろそろしたらカードも揃うだろうという状況。ここで問題なのは、カードが充実するまでオフラインで粘るか、あるいは不完全なブックでもいいからオンラインに打って出るか、であります。本当ならオンラインに出た方がいいんだろうなあ。そうは思うんですよ。なにしろ、オフラインでの稼ぎは正直ストレスがたまります。カードパック購入にかかる費用、それがなかなか集まらない。なんであんなにクリア報酬少ないの? みたいに思えて、ほんと、このあたりに関しても過去作とは全然フィールが違うなって思わされます。

2016年10月13日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2016年11月号

『まんがタイムジャンボ』2016年11月号、昨日の続きです。

『寄席ばいいのに』、落語家の新橋に恋している銀子。彼女に、やることといえばひとつ、そういって背を押そうとしたら、誤解されちゃった! エロすぎって赤面する銀子に、そんなつもりはなかった、告白を勧めたつもりだった、小路も赤面する、それがやたら可愛かったんですね。今回、小路の表情、面白かった。赤面あり、そしてニヤニヤ顔、自信満々の凛々しい表情も見られて、お、小路さん、なんか頼れる感じですね。恋だなんだも、落語が頼りの小路。ほんと、これで大丈夫なのか? そう思わされるところもちらほらだったんですが、銀子、告白までは無理だったけど、ちゃんと名前覚えてもらえました。遅々とした恋の歩みだけど、並行して銀子、小路の友情の歩みも確かに前進している。それがいいなって思える漫画です。

『シコふんじゃえば?』。杏子、悩みどころですね。舞に自分が相撲部屋の娘だと告げようか、悩んでるんですね。きっかけは、前回のピンチを助けてもらったこと。そして部屋の力士、金平島の負傷。やまいったっていうんだ。いや、負傷たって、ケガやなんかじゃない。失恋した。傷心だっていうんです。誰か紹介して。そういう金平島に、舞を紹介できないものか。でもそのためには家の事情を話さないと……。今回は「やまいった」をメインに話を動かしながら、杏子の葛藤を折々に差し込んで、悩みの描写を重いものにすることなく、それでいてじっくり見せてくれたと思います。そして落ちが金平島のお尻のハリ。あー、そこ重要なんですよね。って、本当に?

『大漁ガールズ』は見せ方工夫してますよね。基本四コマで、ところどころにコマ割り漫画をページ単位で差し込んでくる、その見せ方、特に珍しいとまでいえるものではないですが、ちょっと多めの構成は新鮮とも思われて、テンポの違いが生まれるのがいいのかな? 気にいってるのでありますよ。さて、栄子、すっかりハルキのペースに引き込まれてしまってるんですね。とはいえ、釣りしてるハルキの隣でゲームしてる。釣りに興味を持ったとか、そういうわけでないのがよい感じ。シーバス、スズキを釣りに海にいきます、船を出しますよっていうのも、栄子は全然いきたいと思ってないのがありありで、けれどそれでも付き合ってくるんだから、栄子はハルキよりも大人ですよ。今回初登場の女の子。珠子はお爺ちゃん子で、玉川玉三郎船長のこと、ハルキが狙ってるんじゃないかって心配してる。いや、いやいや!? 次回は釣りの本番ですね。栄子、見事に大物釣り上げてくれるのかな。

『同人デビュー』、面白かったですよ。女子中学生、ゆにこが同人誌即売会で出会ったのは、学校の先生、クラス担任にして従姉のるる姉。これが前回。今回はるる姉にゆにこがお願いします。帰りの交通費を貸してほしい。あー、前回は、欲しい同人誌に対し少ない予算。どう工面しようか、お昼抜こうか、みたいなこと悩んでましたよね。そうか、使い切っちゃったんだ。もちろん昼も抜いたんだ。喫茶店でのるる姉からのアドバイス。交通費はICカードにしなさい。お弁当も持ってきなさい。ええ、的確です。今回、るる姉に出会えてなかったらどうなったことか。るる姉、自分のオタク趣味、皆に内緒にしてほしいっていうんですね。うん、わかる。知られたくないよね。とりわけ学校で、生徒達に知られるとか避けたいよね。そうした話の中で、るる姉世代とゆにこ世代でのオタク意識の違いが示されたの、これ、確かにすごいわ。ジェネレーションギャップだわ。しかも、るる姉のオタク趣味、バレてる。あー、オタグッズ、常用してるんだ。眼鏡がそう。ネックレスがそう。時計もそう。おしゃれで使いやすい。オタグッズとわかりにくい。とはいうものの、生徒にはバレバレなのか。特定競争とかやってんだ! このくだり、めちゃくちゃ面白かった。たまらんですよ。最高でした。るる姉、固定厨ってのもおかしかった。推しカプ以外の同人誌を読むと寿命が縮むっておばあちゃんが…、って、そんなおばあちゃん、ほんとにいるのか!? ほんと、面白いわ。BLをゲームを語るるる姉、うるわしい。ほんと、るる姉、しびれますよ。大好きです。ちゃんと先生として振る舞う、そうしたところも素敵ですよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第22巻第11号(2016年11月号)

2016年10月12日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2016年11月号

『まんがタイムジャンボ』2016年11月号、発売されました。表紙は『レーカン!』天海さんと、『けいさつのおにーさん』穂苅くん、手塚さんのコラボレーションでありますよ。ドーンと中央に、西部のならずもの? 普通にカウボーイ? 思わせる格好きめた天海さん。その左右背後に保安官スタイルの穂苅、手塚組がばっちりかっこよく控えてるというのですね。画面右下には、可愛いお馬にまたがる『きつねとパンケーキ』紺乃であります。なるほど西部だ。見事に西部劇であります。

『けいさつのおにーさん』は柔道、剣道の大会でありますよ。へー、県単位でこうした大会開いて、それぞれの技術の向上をはかるなんてことやってるんですね。我らがほかりんはといいますと、剣道で参加です。初参加ということで緊張してる、その初々しさ、よろしいなあ。そんなこと思ってたんですが、さてもうひとりの主人公、手塚さんはといいますと、なんと、皆を指導してたっていうんですか。あのおっとりとして見える手塚さん。最初、ちょっと手塚さんのこと侮ってた若手たちが、見事打ち負かされてるって情景ね、ほんと、手塚さん、どんだけスーパーなのか。しかも、柔道、剣道どちらも優秀な桜井さんが剣道を避ける理由。それも手塚さんなのか! 今回は、大会の情景。応援する家族たち、頑張る選手たちもよければ、そして手塚さんのちょっと昔の思い出。なんか華やかさのなかにしんみりとする、そんな瞬間もあって、この読後感、とてもよかったです。

終活女子高生』。もう2月、ということで、沙羅が律の余命を心配しています。律が終活とかいいだしたのはいつだったっけ……。と、こうしたシリアスな導入から、沙羅の誕生日に突入です。ちょっとウンザリしてる沙羅だけど、律のときにやればいいって、そうしたらもうってね、ああ、沙羅、律のいうことちょっと疑ってたりもするわけですけど、それでもこんなこといわれたら無下にはできないよなあ。今回の沙羅の誕生会。結局飾りつけもケーキ作るのも沙羅ってのがおかしい。自身疑問に思いながら作業している沙羅がめちゃくちゃ面白かった。ほぼ律のためにといっていい沙羅の誕生会だったのだけど、酔って帰ってきた母からプレゼント贈られたり、翌朝の会話もね、沙羅にとってもよかった、そんな経験になったのよかったと思います。律、わかってやってそうだなあ。

『ペンタブと戦車』、いよいよノモンハン! なのだけれど、うおう、なんだこれ、予想外! ソ連の戦車旅団と接触したところ、なんと、相手の戦車に89式が、萌えアートがあしらわれているっていうんですよ! いや、撃てよ! かまわず撃とうよ! というか、これどういうこと? 諜報で負けてたってことなんですかい? ソ連の兵士に、ちょっと誤った日本人観を伝えたものがいるんですね。それがうみねこ先輩。って、里見の先輩か! この時代にきたの、里見だけじゃなかったのか! というので、これ、武田大尉の運命やいかに! ずっとシリアスにシリアスにやってきたのに、それがこんな展開になって、しかしこれ、どこまでシリアスに捉えたらよいのか。敵方のニコルスキー中尉。彼の学んだ日本語というのもえらいおかしなもので、ほんと、こっちでもあっちでも、えらいことになってますよ。と、思ったら、ラストに本当にえらいことになったー! いや、これ、史実どおりなのか。あるいはフラグの回収なのか。死んだりしたらやだけど、歴史には抗えないって展開もあるかもだからなあ。次号、刮目して待て、ですよ。

『大正みつば歌劇団』、ゲストです。大正の頃、みつば女学園に通うお嬢さん、高円寺茉莉はお芝居が好きで、学園内を芝居の衣装で練り歩く。しかしよりにもよって弁天小僧菊之助。片肌脱いで、桜の刺青あしらった襦袢が自信作って、なるほど面白いお嬢さんです。あまりの格好見咎められて、注意しにいったのは、眼鏡も麗しい委員長。茉莉に、演劇部を作りたいと打ち明けられて、そして芝居への情熱、とうとうと語る彼女に、高嶺の花と気後れしていたことが嘘みたいに近しく感じられて、と、ちょっとしたガール・ミーツ・ガール感じさせる出会いであります。そしてこの委員長、日野さん、部員募集のポスタア手伝ったことが縁になって、演劇部に引き込まれる。背景美術か! それ、ちょっと大物すぎない!? ともあれ、画伯画伯と、先生と持ち上げられるの、まんざらでもないっていう委員長がえらいこと可愛くてよかったです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第22巻第11号(2016年11月号)

2016年10月11日火曜日

『まんがタイムきらら』2016年11月号

『まんがタイムきらら』2016年11月号、一昨日の続きです。

『神様とクインテット』、終わるのかー! うららが出ていったっていうんですよ。え? なになに? なんと、うらら、実家に戻ろうと思う。え? 里帰り? え? そうじゃないっぽい? 学校やめちゃうの? うららがそれを明かした時の皆の様子。とりわけあかねが切実で、四コマ2本を使って、あかねとうらら、ふたりの向き合う表情、その変化をつぶさに描いていく、その見せ方がもうたまらなかったですよ。いや、しかし、脳みそ出たり、いろいろな液体振り撒いてきたこの漫画。まさか突然こんな描写、展開がくるとは思わなかった。そして最後のあかねの涙。ああ、なんだ、すごくいい漫画だったように思える。いえ、やっぱりすごくいい漫画なんだと思います。そうかあ、終わっちゃうか。寂しくなるなあ。

『ひなまるすまいる』、新しいメイドさん、登場です。朝霧風花さん。おっとりとした風貌、ちょっとお姉さんっぽくもあるんですが、なんともいえないマイペース。いや、この漫画、マイペースでない人がいただろうか……!? しっかりした人みたいで、しかも上昇志向を前面に押し出して、目指すはハウスキーパーだ、うらら様をお守りして、一番にかわいがられるんだ。そんなこといってた風花さん、カトレアに会って、話して、触れられて、目標がハウスキーパーからハウスキーパーの下僕にチェンジ。おかしかった。というか、カトレアさんもどえらいマイペースだよなあ。ドジっ子メイドのひな、コーヒー飲んでる時の一連の動作、めちゃくちゃ面白かったです。そしてカツ丼。ほんと、おかしい。で、お姫様お付きという目標、すでにひなに負けていたこと発覚して、いや、でも、あれ、特例よなあ。風花とひな、その秘密を探るということで同室になって、接触増えて、これ、うらら様以外の展開の種がまかれた、そんな感じがありますね。そしてもちろん、うらら様と出会ったらどうなるんだろう、そんな楽しみもできましたね。

『君の瞳に首ったけ!』、休日の風景ですよ。エイミがケーキ食べたいっていう。それで、小町に買いにいかせようと思ったら、そうは問屋が下ろさない。さらに小町、めぐりも召喚して、といった具合で、いつもの三人ですね。私服のめぐりを期待させて、制服着せてくるという、この上げて落とす感、よかった。さらに制服着るにいたった理由もコミカルでよかったです。喫茶店でのやりとりもおかしい。エイミが自由というか、きままというか、でもそれが可愛い。めぐりとケーキ、ひと口交換したいが、自分のはもう全部食べてしまった。それで小町のケーキをとっちゃうとか、ほんと、おかしい。甘えてるのかな。ええ、この三人の関係、なんかほのぼの、でもそれだけじゃないもの感じさせて、とてもいいと思います。ところで、三人が横並びになってるコマね、エイミ、小さいのね! いやあ、ちょっと驚く小柄さで、したたか衝撃受けましたよ。

『ゲーフロ!』、再登場です。書店バイトを希望してた本好きの女の子、あいの配属されたのはまさかのゲームフロア。最初はショックだった。でも、そんなあいが段々ゲームフロアでの仕事に真摯に取り組もうと変わっていく。ええ、今回はまさにその転換点が描かれた、そんな回で、最初はね売り場づくりの情景。フロアに陳列するダミーを準備してるんですけど、今週木曜発売の人気作。戦国ものとギャルゲーと、ともえ、ちまきの好みが激しくぶつかりあってるという、そこにまさかのあいも参戦することになるっていうんですね。予約したいと、お客さんが持ってきたパッケージ。そこに自分の好きな作家の名前があって、ああ、作家が関わってるゲームがあるということをあいが知った。それで、このゲームを推してみたい。あいの能動性に火がつく、この流れ、実によかったなって、ほんと、この瞬間にすべてが帰着する、そうした意図が感じられて、とてもいいと思ったのでした。さて、こうして戦国ゲー、ギャルゲー、そしてミステリ系のノベルゲー。三者の売り上げ勝負とあいなって、さあこの結果は!? 結果、見せてくれますよね? 見せてくれないとおさまらないですよ、これ。

My Private D☆V、飴色みそであります。ああ、『カラフル・マキアート! — 魔法少女は戦わない。』の人。この人の描く女の子、独特の愛らしさ、ふわんとしたやわらかさとでもいいましょうか、そういうのが感じられて実は結構好きなんですよ。MPD☆Vのイラストも、そうした雰囲気、ニュアンス、ばっちりで、詰め込まれたという好きな要素は、みだれた髪、わき、寝巻き、おなかにふともも、というのですが、それらに加えて、その表情、また線のやわらかさ、匂う雰囲気、さらには体温や触れた質感さえ思わせる、そんな色気が濃密で、ああ愛らしいと、やっぱり好きだなあって、実感させられたのでした。いや、ほんと、とてもいいって思いますよ。なんか懐にすっと入ってくる、そんな感じがあるんですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第14巻第11号(2016年11月号)

2016年10月10日月曜日

『まんがタイムきらら』2016年11月号

『まんがタイムきらら』2016年11月号、一昨日の続きです。

『泣きむしステラテジー』、クレアの魔力、解禁されました。魔力の使用が禁止されてた理由、どうもこれ、きっとクレアがやらかしてしまうだろうって予想からっぽいですね。うん、クレアさん、信頼されてないのだなあ。と、同時に、奴らにばれる? みたいなこともいわれてて、奴ら? なにか次の展開予感させるワードでありますね。さて、クレアの魔法、牡丹に悪夢を見せようというんですけど、さっぱり有効じゃない。ええ、さすがクレアです。そしてクレアにさらなるピンチ。テストの点数が悪い。このままだと追試必至。それで牡丹に勉強教えてもらうことになるんですけど、そうか、牡丹、友達と勉強会、やりたかったんだ。ひとつ夢がかなって、ほんとこれ、牡丹を泣かすのが目標なのに、喜ばせてばっかりです。そして牡丹、名前呼びに昇格。牡丹さん、牡丹さんって呼ばれて、感動のあまり泣きそうに。って、待って、感動の涙でもクレアの課題、やっぱりクリアしちゃうんだ。そして最後に謎の少女。ああ、これが奴ら? ええ、さっそく動いてますね。

『ぽんこつヒーローアイリーン』、これ、ほんと面白い。地球のヒーロー、ラブリーメロンの秘密をあばくべく、尾行、追跡を試みるアイリーン。しかし、メロンさん、マンションに帰宅して、お、これ一階じゃないのね、アイリーン、部屋を監視すべく外壁を登りましてね、これ、ベランダで出くわすのかな? それとも部屋に侵入するのかな? そう思ってたら、いや、アイリーン、落下しとる……。めちゃくちゃ面白かった。さすがに、ここで落ちるとか、そんなドジはないと思った。とかいってたら、ツインテール解いたら、メロンのことわからないんだ。私の事、髪形で判別してるわ!! この時のメロンの表情、すごくおかしかったです。メロン、孤独がそろそろつらいんです。それでアイリーン招きいれて、食事でもてなして、お風呂にいれて、髪乾かしてあげて、ほんと嬉しそう。ゲームで一緒に遊んだりもね、って、待って、それ、遊びになってない。一方的な初心者狩りじゃん! メロン、いやさ緑川枝織。この子の嬉しい気持ちがすごく伝わってくる、ハイテンションが見事に表されている、ええ、実に面白かったです。しかし、これでメロンのこと、普通の人と気づくのかな? 夜中にね卒業アルバム盗み見るんですよ、アイリーン。でも、それでもわからないんだ! ほんと、今の勘違い状況継続ですね。でも、ふたり、友達にはなれそうですよね。ああ、メロン、いやさ枝織が嬉しそうです!

『担当編集ボツ子さん』は、犬井とにじみ、打ち合わせてであります。待ち合わせの情景、犬井がすごく嬉しそうで、と思えば、にじみ、めちゃくちゃドレスアップしてやってきた! そうか、そうだなあ、この子、緊張しいだったよなあ。それで空回りしちゃうんだろうなあ。ってのがよくわかる登場です。喫茶店でのふたり見れば、いったん打ち解けたら、あとはもう普通に楽しくいけるってのもわかるんですが、そこに遭遇した刺子、田中。ああ! 田中が怖れられてる。しかも漫画家と紹介されたものだから、ライバル意識剥き出しにして、あー、あかん、緊張しいが裏目に出てる! ほんと、難儀な子です。でも、犬井にはちゃんとわかってて、誤解も解いてくれようとしてくれるから、ええ、理解者がいるっていいよねって思いましたよ。そしてにじみが席をはずしている間に、犬井が刺子、田中に彼女の仕事を紹介。これまでの実績、イラストを見て、ああ、田中が! ほんと、面白いことになってきました。田中とにじみ、ふたりがどんな実績出していくか。それもまた楽しみになりますね。

『おとめサキュバス』、面白いですよ。朝寝をむさぼるキュリアを起こすには、男の子がやってきたっていったらいいのか。それくらい男子が怖い。うん、あんまり脅かすの、やめてあげて? そんなキュリアの弱点克服、見た目ボーイッシュな涼香相手に練習すれば、っていうんですけど、涼香、みちるのふたりとも、相手がサキュバスと知りながら、練習もろもろにとつきあってくれるってんですから、肝が太いですよ。今回は、吸精の練習をして、おお、ルナはさすがに一撃昏倒級なのか。対しキュリアは、くすぐったくて笑わせてって、このぽんこつ感、癖になります。しかし、この漫画、絵がきれいだわ、女の子たちが可愛いわで、その上に距離が近いと、ほんと魅力的です。

  • 『まんがタイムきらら』第14巻第11号(2016年11月号)

2016年10月9日日曜日

『まんがタイム』2016年11月号

『まんがタイム』2016年11月号、一昨日の続きです。

『ボンジュール!仲居さん』。サラ、写真に目覚めるの巻、であります。とはいえ、写真家目指すとか、そういうハイレベルなのじゃなくて、もっとシンプルに、お客様に頼まれた記念写真、それを上手に撮ってあげたい。そうした気持ちから朋香に頼んで、写真を撮るコツを教えてもらうんですね。それからのサラの頑張りですよ。朋香をモデルに練習したりね、また旅館まわりの写真、そしてお客様の写真撮影の手伝いなどして、その様子がいきいきとして楽しそう。お客にも好評で、これ、サラの人柄なんかもあるのかなあ。その人柄通じて、写真撮られるの苦手という朋香の素敵な笑顔引き出したりね、そしてサラもまた素敵な笑顔、朋香に見せたりね。これ、読者には見えないんだけど、それだけに、ああ、どれほどにいい笑顔だったんだろう。想像が膨らむんですね。

『ゲンバ女子のおしごと!』、今回はお酒の話ですよ。見た目は幼いあかりは、これでも22歳。お酒も飲むんだけど、あんまり飲みにいったりはしないみたいですね。って、なるほど、夜、仕事が終わってからお菓子教室通ったりしてるからか。そうだった。そこで社長と出会ったんだった。今回はバーの改装の仕事なんですね。仕事をしながらお酒の話。酔うとケンさん、人が変わる。どんなふうに!? って、ああ、店の施工を指摘しはじめる! 困ったお客だなあ。つきあわされてる面々、げんなりした顔してますね。今回、ほぼ完成して明日オープンといったところでカウンターの高さの変更を申し出る店主。かかる費用はちゃんと払うのか。でも、突貫で徹夜でやっつけるにしても、現実には無理だろうなあ。漫画ならではといったところでありましょう。けど、こうやって頑張って、皆でそのお店に飲みにいってる情景で終わる。カウンターでスクリュードライバー試してみているあかりがですね、仕事の時とはまた違った表情見せてくれて、とてもよかったです。

『ひふみさんでもういっぱい』、ほのぼの系居酒屋漫画。真矢少年のひふみさんに向ける愛があの手この手なんだけど、いつもそこそこにあしらわれてるのがいいなって思うんですね。そんなひふみさん、たまたまお客さんにおかえりなさいといってしまった。それがどうにも好評で、もっといってと請われるままに繰り返したら、ああ、ホームシック。ひふみさん、お母さん思わせましたか。背の低いお客さんへの真矢からのサービスとかも面白く、そしてはるなの嫉妬。ひふみに大人の女を感じつつも、微妙に足りないものがあるっぽい。いや、でも、真矢は気にしないっぽいじゃないですか。ええ、はるなも、もちろんひふみも、気にすることないんですよ、きっと。

『パパは心配ご無用』。あらゆる決定事項に娘エリカが関わっているのではないか。そう思えるほどに娘大事なたらちね建設社長。この人の会社での表情。結構しっかりして見えるのがおかしくて、男のスケール! こういうの見ると、人に好感覚えさせる、そんな要素が社長にあるんでしょうなあ。でも、本人のスケールは小さい、小さい。エリカいきつけのお好み焼き屋。その大将が社長のスパイとか、この展開! ほんと、面白い。家政婦の鶴丸さんとエリカのやり取り。知らずエリカの仕事に駄目出しして娘の機嫌害してしまって、理由わからず悩む社長など、ほんとう面白かったです。しかし、この状況、今まだエリカが思春期まっただなかだからこうなだけで、もうしばらく時間がたてば、いい父娘関係に落ち着きそう、そう思わせてくれるところもいいんだと思うんですよ。いや、これ願望かな? 知らず父の側に立ってるのかも知れません。

  • 『まんがタイム』第36巻第11号(2016年11月号)

2016年10月8日土曜日

『まんがタイムきらら』2016年11月号

『まんがタイムきらら』2016年11月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』ですよ。伊御とつみきふたりがメインになりましてね、ペンキですね、こいつでもって、カラフルに絵を描いてる様子が描かれてるんですね。ハート描いてるつみきが可愛い。そして周囲には、ちんまりとディフォルメされた面々が、可愛く活躍してまして、ペンキ缶運んでる姫、はげしくハケを振る真宵などなど、他にも多くの個性溢れる活躍、はなやか、カラフル、元気な表紙。実に楽しいです。

『オリーブ! — Believe, “Olive”?』、うおお、話が動きました、動きましたよ。新しい局面に突入しましたよ。カグヤノクニが大変というあおばからのメールを受けて、急遽駆けつけたオリーブの3人。到着してみればそれは空のど真ん中で、おお、あおばが魔法使って戦ってるっての、ちゑったら一目でわかるんだ! さて、落下中の三人、そのピンチはコニーの魔法、フラッフィワッフルでもって回避。あのワッフルのふわふわ感! すごいな。アクションの躍動、表情も見事に生き生きとして魅力的で、映えるカラー、美しい、素晴しい。そして物語が追い付いて追い越していく。この疾走感。カグヤノクニに起こっている問題、それを適切に解消していくちゑがすごい。皆で協力して問題解決するぞと、杖閣へと走るその時に、スズの封印が見事に解けて、そして問題解決からのクライマックス。素晴しかった。スズの封印というテーマ、この子が皆のことを好きだと意識すれば解ける、その課題が見事クリアされて、そして彼女らのそれぞれの力が呼応して問題解決にいたる。そして無事帰りついて文化祭。その途上での先生とスズの再会。もう、ひしひしと、胸に迫るものあって、ああ、いい物語でした。訴えるものあり、そして響くものありました。

三者三葉』、海の家ふたたびでありますよ。葉子様が修学旅行のお金を貯めないといけない。なるほど、おこづかい。葉子様、自立なさってます。今回は双葉も照山さんも、積極的には参加しませんよ。というか、照さんはそもそも暑い日中に出歩く気がなくて、ああ、クーラー効いた部屋で猫と添い寝してる葉山ちゃんの美しさですよ。ああ、エレガント、もう、すごく魅力的。双葉の電話を受けてベッドに座りこむ照さん、おそろしくチャーミングです。さて、漁港近くだから猫が多いと、猫で釣られた照さん。でも全然活躍しないなあ、そう思ってたら落ち担当! ああ、ものかげ照さん、とても魅力的。素晴しく可愛いです。今回、たまたま遭遇した小芽。向こう見たら兄貴がね、あことハイジと一緒にいて、ちょっと、ふたりすごくキラキラしてるのに、なんで一芽だけそんな残念なの!? なんだかカースト高そうな人たち、って意外! 双葉ってそんな風なこといっちゃうんだ。けど双葉には、カーストだなんだとつまんないこと気にせず、のびのびと育ってくださいよ、そう思ったんですね。ええ、のびのびすくすく、それが双葉の魅力ですよ。

スロウスタート』、マジか。まさかの水着回。あの一日、ずっと続いてるんだ! しびれる! 家の中、水着で過ごしてる彼女ら。お、ペディキュアにチャレンジですか? 足のネイル乾かす時のポーズとか、たまて、面白いことやってますよ。こんなささやかなこと面白くできるのは、たまての才能だと思います。しかし今回もたまちゃん優位ですよ。イベントスチル。イベントスチル。何度もたまてのいうこの用語、なんとなくみんなが気にいっちゃったようで、えいこの寝起きトラブル、見事なイベントスチル情緒で、そして寝起きのたまての見た情景、これもまたイベントスチル感に溢れていて、と、まあこういうの面白いんですね。合間に、花名のコンプレックス、それ思わせる要素挟みながら、もうそれを慣れたといわせることで、結構納得できてるんだなと思わせてくれる。いや、けどまだそれでもひっかかりはあるんだという微妙な状況、それが伝わるようなんですね。そして最後にたまてのギャルゲー状況語られて、いやまあ、いいじゃん! 理解あっていいじゃん! ほんと、たまてはなにやっても楽しそうです。

箱入りドロップス』、うおお、前回の続きです。学校にいこうとして、けれど家から出られずにいる雫。対し陽一はというと、学校で死んでいた……。酷く傷ついて、そしてグモグモになってしまっている陽一を肴に、いや間違えた、陽一の助けになろうと、萌、純が張り切って大会議開いてくれるんですね。いやね、萌がね、途中で気づくんですよ。雫の反応、その原因は自分が関わってるんじゃないかって。でも、それでも、いつかちゃんと解決するだろうって、そう思うだけの信頼があるんですね。楽観? いや、そうでないといいなあ。いずれちゃんとなって欲しいなあ。ともあれ、今回、いろいろ面白がられながらも、それでもちゃんと陽一しっかり立ち直って、ええ、陽一、次はどう動くかな。雫に向かってぐいぐいとはいかないだろう、そうは思うのだけど、じゃあどうするのだろう。見守るんだろうか。時間が解決するのを待つという消極的解決はないと思うんですよね。さあ、陽一の頑張りどころですね。

  • 『まんがタイムきらら』第14巻第11号(2016年11月号)

2016年10月7日金曜日

『まんがタイム』2016年11月号

『まんがタイム』2016年11月号、発売されました。表紙は『おとぼけ課長』、課長がメインとなりまして、左手にご飯茶碗、右手には鮭ですよ。ああ、『おとぼけ課長』のタイトルも、鮭風味になってますよ。秋の味覚ですね。『まりあ17』は、猫に扮したまりあがサンマをくわえています。『さわらせてっ!あみかさん』は、どんぶりいっぱいの栗ごはん! 『ボンジュール!仲居さん』サラは、着物姿で大きな鮭をまるまる一匹抱えまして、ええ秋の味覚ですね! 料理になってないのがすごいな! 市場で買ってきたんでしょうか。あるいは!?

『おひとり食堂』、めちゃくちゃ面白いです。いつぞやのアイドルおっかけお姉さん。おお、この人好きなんですよ。と思ってたら、なんか元気がない。なんと、ひいきのアイドル、せいちゃんがスキャンダルですよ。アイドルの女とペアルックデート。それでショック受けちゃって、泣いちゃって、アイドルせいたろうじゃなく、ロッカー誠一郎をおっかけるってんですね。この人、誠一郎が目の前にいる食堂店主とは知らない。だもんだから、誠一郎トークがとことん面白くなって、誠一郎の曲褒められて照れてる店主とかね、それで店長もほめてほしいのー? アハハー、って、なんて可愛いんだ、このお客さん! もう、ほんと、これだけでも充分に面白かったんですが、後半にはアイドルせいたろうを元気づけるために食堂せいちゃんに呼びまして、トリプルせいちゃん、地味に面白い! それで、誠一郎、せいたろうの前で店主に早変わりですよ。ああ、誠一郎、とてもいいやつ! と思ってたら、仕事モードのおっかけ姉さん来店ですよ! ああ、せいたろうの幻が見えるって! ほんと、あの舞い上がりっぷり! もう最高で、ほんと、このお客さん、最高です。最後のうちわもね、ほんと、最高でした。

『はこいり良品』は、お店、リフォーム? 雨漏りとか、いろいろガタがきてるっていうんですね。リフォームするなら徹底的にしよう。本格的にブックカフェにしたい。しおりさん、ある程度こうしたこと考えてたのかな。ポンポン、どの工務店がいいとかどうとか情報、資料が出てきますよ。そこから各地のブックカフェめぐるところ、いろいろ参考にしようとしてるんだけど、お金かかってる! とか、ふき掃除が大変そうとか、お客視点じゃないからなあ、いろいろ見えるんでしょう。ほんと、なかなか思うようにいかないもんですね。店のガタは、龍ノ介さん、青空古書店さんですね、に助けてもらってなんとかクリア。青空さんはいろいろしおりさんにアピールするんだけど、まるっきり相手にされてなくて、ああ、ほのめかしとかじゃ駄目なんだよ! ええ、青空さんの恋はまあ実りそうにない感じです。

『さわらせてっ!あみかさん』は2本立てです。前半はまひろ編。兄と一緒に暮らしてるこの子。けれど、兄ったらすっかりおかんで、もっとおしゃれなお姉さんがいい、みたいなことあみかにいったら、見事直撃。姉属性ラッシュなんだ、これ! 姉の理想と現実って感じなんでしょうか。ともあれ、ちょっと姉に夢見てるまひろ。あるいは都会の生活にも夢見てたのかもですね。ところで、「絶対に許さない」。ああ、まひろさん、素敵ですよ! ぼっこぼこにされるのか……。そして後半は沙織編。仕事にくたびれた沙織。同僚の教師から、きれいだよな、彼氏いるのかな、憧れのまなざし投げ掛けられてる彼女ですが、本人の頭はあみかの肉のことばかり。あー、変態だもんね、彼女。あみかの妹かがりからもダメ人間認定されてる沙織。実際、猫の毛まみれになってみたり、そしてかがりのことぜいたくしてるって、えらい顔していってみたり、うん、やっぱりいろいろあかん人だと思います。あ、最後にもうひとりのあかん人。バス子さん、誤解なんだけどさ、あみかに避けられたと、警戒されたとショック受けちゃって、ああ、ここから新しい関係がはじまる? どうなんだろ? ええ、はじまりそうですよ!

『ひとみ見つめないで!』は、副会長の秘密を探ります。凍てつく氷のまなざし。優しい目などないといいきる彼女の秘密を知るべく、放課後、尾行するっていうんです。そうか、ヒカリ、友達ではあるようだけど、そんなにいろいろ知ってるわけじゃないんだ。しかし、この難航する尾行がおかしかった。困ってる人を見たら助けにいかないではおられないヒカリ。また自分の興味をひくものあれば、立ち寄らずにはおられない。おかしに猫にと、なかなかスムーズには運ばない尾行。と、観田が副会長に気づかれてしまうんですね。それで苦し紛れに拾ったマスクを装着してみれば、それがチュパカブラ。かわいい…、って、副会長、あなたがかわいい! そうか、この人、UMAが好きなのか。ちょっと変わった人。と、今回は観田がこうして冷たい視線を投げかけられて終わるのかと思ったら、ちゃんとヒカリも怒られる。しかも、本気で怒ると熱い視線になるんだ! ええ、今回は謎の副会長のこと、いろいろ知ることができましたね。

  • 『まんがタイム』第36巻第11号(2016年11月号)

2016年10月6日木曜日

『まんがタウン』2016年11月号

『まんがタウン』2016年11月号、昨日の続きです。

『新婚のいろはさん』。前回買った洗濯機。その初運転をとられたといういろはさんおかしくて、いやあ、旦那も好きだという新品の初運転。それ、いろはさんも一緒か。あの拗ねてるいろはさん? ちょっと理不尽で、いいなあ、面白い。さて今回は、このふたりが結婚するにいたった経緯とか、それからちょっと不安ないろはさん? それなりに家のこともこなしてしまう夫に、自分の存在価値を疑ったりみたいなのがね、けどそんないろはさんをはげます夫が、洗濯は好奇心でやってみただけで、もう別にやりたくないです!! なにその駄目な台詞を、すごくいい顔で! おかしかったです。しかし今回は夫婦の関係、告白始君での台詞、それを何度も聞こうとするいろはさん。ほんと、なんといい夫婦だろうってのが描かれて、面白いわ、むずがゆいわと、ほんと、いい連載になりそうですよ。

『ほぼほぼ商店』は、例の中学生ふたり、常連になってくれたんですね。とはいうものの、売上には全然つながりそうにないなあ。というか、このふたりしかいないのか。大丈夫なのか、この店。ともあれ、お嬢さんの言い分は、黒瀬がいるから友達なんて連れてこれない。黒瀬くん、嫌われたもんだ。黒瀬くんはリアル身近に友達おらんからなあ。今回は中学生ふたりが、この趣味の全然あわない夫婦に話を聞きます。なんで夫婦やってるの? なれそめとかノロケとか、夫婦はなんか盛り上がってるけど、中学生は全然そんなこと求めてなくて、でも夫婦ともに話聞いちゃいない。おかしかった。出会ったころのふたりの共通の話題。それからデートの情景、ほんと、よくこれで結婚まで漕ぎ着けたもんだよ! えらいこと面白くって、そうした話を聞かされてる中学生ふたりが固まってるのもまたおかしい。ええ、ほんと、なんともいえん味わいです。しかし、この中学生ふたり、ほぼほぼ夫婦のいうように、そのうち仲良くなっちゃうの? どうなんだろうね!

『あつあつふーふー』、このタイミングでこのネタは卑怯じゃ。面白いに決まってる! ええ、めちゃくちゃ面白かったです。広島カープ優勝目前にしたお好み焼き屋の情景。お父さん、地に足がついとらん。そんな中、母だけは妙に冷静で、優勝決まったらどこに気をつけるか、娘に伝えている。父が全品タダとかいいそうになったら口を塞げ、ビールかけも阻止しろ、なんていってるこの人が、もうほんと、優勝逃がした時にあんなすごい顔を見せる! そして翌日。カープ優勝から流れるようにどぽー。って、おっさんすごい顔じゃね! お母さんはというと、な、泣いたはる! もはや蘭に抑えられる状況ではありませんでした。全品タダー!! から、ビールかけ。冷えたビールは心臓に悪いけぇ、裏からビールケースごと持って来んさい!! って、お母さん! あんた、止めろといってたあんたが! もう、ほんとおかしい。ほんと、ものすごい。ほんと、強烈な一本でした。CS優勝、日本シリーズ優勝でも、またお願いします。

『あいたま』、素晴しいですね。リオに悩みあり。ミュージカルのオーディション。ダンスでは誰にも負けない。けれど、実力者はいくらでもいて、いつか自分のダンスも通じなくなる日がくるのではないか。そう思ったら怖くなってきて……。って、怖いのは妹をがっかりさせることかー! ひよこで幼女チャージ。また厳しいひよこのアドバイス。そうしたもろもろ面白い。そう思ってたら、妹ミオが極めつけでした。オーディション、落ちてもいいですけど。そしたら落ち込んでるお姉ちゃんのそばにずっといられますし。あかん。弱味に付け込んで支配するタイプの依存だ! しかし、今回、オーディション当落がらみのコメディ。コミカルさを心情としながらも、結構シビアでシリアスな色も添えて、そうした幅が魅力感じさせるエピソードでありました。

  • 『まんがタウン』第17巻第11号(2016年11月号)

2016年10月5日水曜日

『まんがタウン』2016年11月号

『まんがタウン』2016年11月号、発売されました。表紙は『野原ひろし昼メシの流儀』。どーんとでっかく野原ひろしが描かれて、その前には、やっぱりどーんとでっかく、カツカレー。しっかり緻密に濃厚に描かれたカレーがすごいインパクトで、一種暑苦しく、それでいてすごくそそるものがある。ええ、これ、絶対カレー食べたくなりますって! 他に『新クレヨンしんちゃん』に『派遣戦士山田のり子』、『照子ちゃんは恥ずかしがり屋』、『2年2組のスタジアムガール』のカットもございます。

『照子ちゃんは恥ずかしがり屋』は、照子が昔話のキャラクターを演じます。『シンデレラ』、『白雪姫』をはじめとする、昔話、メルヘンの古典のヒロインを次々演じては、持ち前の恥ずかしがり屋の特性で、話をことごとく進めない、序盤、導入の時点で展開を潰して終わらせていくというんですね。物語4つで、頭突き2回。恥ずかしがり屋だ、内気だというわりに、頭突きとは結構な乱暴者よね。そう思ってたら、本編でも友理から同じこといわれてて、実におかしかったです。しかし昔話編。テンポのよさと勢いがあいまって、面白かったです。

『恋するヤンキーガール』、アヤメちゃんが変です。語尾がにゃん。ハイキングで同じ班になった子らふたりから、彼氏とふたりの時はにゃんにゃんいって甘えるといい、なんて入れ知恵されて、その結果がこれ。ナギ、見事に混乱して、いきついた仮説が動物霊だ! アヤメちゃんは動物の霊に取り憑かれてるのかも知れない! って、アヤメちゃんのにゃんはオカルト導入しないと解決できないレベルなのか! アヤメちゃんを心配するナギの言葉、それが誤解されて伝わったりね、ほんと、なんだこのドタバタ。ふたり、にゃあだのにゃんだの応酬して、クラスがザワザワしてる情景とか、ほんとなかなか有り得ないシチュエーションで、めちゃくちゃ面白かったです。ナギ、結構猫娘モードも嫌いではなかったっぽいですね。最終的には落ち着くんですけど、自然体が一番? でもちょっとは甘えたい? そういうのが甘酸っぱい回でもありました。

『ようこそ!スマイリーバーガーへ』、今回はバイトを少し離れまして、たまことその友人たち、中山成瀬と大井町りんか、この3人の放課後情景が描かれますよ。成瀬はさばさばした感じのかっこいい系お嬢さん? りんかは、ちょっと内気? ちょっとオタク気質の眼鏡お嬢さん。でも3人気があうようで、放課後、いそいそとお菓子出して品評会みたいのはじめちゃったりね、ええ、なんでもない日常を楽しんでるってのが伝わりますよ。そんな彼女ら、スマイリーとは違うバーガー屋へいきますよ。たまこ、お客なんだけど、注文をとるスタッフのこと観察したり、それから汚れたテーブル、てきぱききれいにしたりね、ええ、たまこ、バーガー屋の店員として育っていってる模様です。そして友達。彼氏の話とか、ほんと、みんな可愛いですよね。りんちゃん、最高です。

『2年2組のスタジアムガール』。なんでも野球にむすびつけるスズ。例のボールでモンスターつかまえるゲーム、野球選手の全力投球とか、モンスターが退治されちゃうよ! 色んなボールで変化球の握りがずらりと思い浮かんでるのとかも大変面白かったです。と、これまだ導入です。あ、扉絵のスズちゃん、めちゃくちゃ可愛かったです。本編では、一試合の展開を追っていく、その見せ方が面白かったです。最初は、完全試合が期待されるシチュエーション。されがホームラン3本打たれて、花火こわいと震えるスズ。ジェット風船をあげる時、ツーアウトから連続四球を投げてしまったピッチャーに、フライングの風船もろもろがプレッシャー与えたり、そして最後には大逆転。それで、花火大好きとかいってるスズですよ。こうした試合の運びとともに、球場のルールや演出を紹介してくれて、野球に詳しくない私でも、そんな風になってるんだと楽しめる。野球への親しみ感じさせてくれる漫画であります。

  • 『まんがタウン』第17巻第11号(2016年11月号)

2016年10月4日火曜日

サクランボッチ

 『サクランボッチ』、表紙がめちゃくちゃ奇麗でびっくりしました。ヒロイン、木之花桜。ちょっとした天才少女ですよね。まだ中学生なんですけど、しっかりしなければいけないと、勉強に打ち込んで打ち込んで、どんどん先へ先へと進めていって、表紙見ればフランス語なんかも独習してる模様。そんな彼女、あんまりに勉強に打ち込みすぎたためか、ちょっと人付き合いの基本なんかが欠落してしまったようで、友達がいない……。そんな不器用な女の子たちが、なぜかひとつところに集まることとなって、そして深めていく友情。友情? ええ、友達ってどんなんだっけ。確認しながら少しずつ歩みを進めていく、そんな様が微笑ましくもいじらしい漫画であります。

桜も、人付き合いを避けてるとかじゃないんです。むしろ、自分なりになんとかしようと頑張ってはいる。話しかけてくれた友達には笑顔で受け答えして、と基本はちゃんとしてるんだけど、実践が伴わない。ああ、笑顔が笑顔になっていない。まったくの無表情にしか見えず、無理に笑えばむしろ怖くなってしまう。そんな彼女が、ちょっとした出会いをきっかけに変わっていくんですね。用事を頼まれて訪れた資料室。そこにいた先輩、文芸部の先輩に強引に入部を誘われて、最初はきっちりしっかり断る桜なんだけれど、もう一人ぼっちは寂しいんだよー、その言葉にほだされてしまった。ああ、先輩もそうなのか。ああ桜もそうなのか。きっと相通ずるものがあったのだろうなあ。そして、先輩からもらった髪留め、いつもと違う髪形が彼女にもたらしたもの。少し変化した、クラスでの人間関係。でも、このちょっとが桜には大きかったのだろうなあ。

などなど、こんな風に不器用で、友達を作るとか、仲良くなるとか、素直になるとか、そうしたことが得意でない女の子たち。桜に百合に小雪。期せずして花陽先輩のもと、文芸部に集まることとなったこの子たちが、それぞれに抱えている問題を相互に交流していくことで溶かしていく。ほんと、ほんと、ゆっくりで、ちょっとずつで、もどかしいといえばほんとそのとおりなんですよ。普通に挨拶すればいいだけのことじゃん! でも、ただそれだけのことができない、難しいとわかってるものにとっては、他人事ではない、まるで自分のことのように受けとめて、共感できる瞬間もあるのではないかな。もちろん、これは漫画だから誇張はあるでしょう。お嬢すぎて皆から高嶺の花扱いされてしまってる百合とか、小雪の思わずおかしな口調でしゃべってしまうとかも、さすがにそうそうありえない。でも、それでも、なにか近しく感じられるところあれば、きっと楽しく読める漫画だと思う。あるいは、彼女らのだんだんに距離を縮めていく不器用さすらを愛おしく思い、頑張れって応援するみたいに、見守るみたいに読める、そんな漫画であると思うのですね。

さて、私の気にいってるエピソードはキャンパスコンビニなんですけど、あれはいいよ。ゆっくりね、じっくりね、桜、花陽先輩、百合、小雪を描いてきて、そのひととなりが浸透したかなってところで、見事なコントを投入してくる。もう雑誌掲載の時に、うわーって、これはいいよ! って、すっかり魅了されてしまったのでした。ええ、いいキャラクターが揃ってる。そう思わされた小エピソード。こういうの好きなんですよね。ええ、じわじわきますよ。

  • 悠里なゆた『サクランボッチ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2016年。
  • 以下続刊

2016年10月3日月曜日

『まんがホーム』2016年11月号

『まんがホーム』2016年11月号、昨日の続きです。

『ねーちゃんはぼくが守るっ』、これいいですよ。秋の大運動会。その花形競技である地域別リレーにお姉ちゃん、真矢が出てほしいとお願いされた。へー、地域別で走るんだ。村の皆も含めて一番盛り上がる競技なんだ。だから、今年こそ優勝したいと、足の速い真矢に期待してるって、友人の藍からいわれて、頑張る気になってる真矢ですよ。それがね、だんだん、ちょっとした言葉の行き違いとかでもって、自分は参加しない方がいいんじゃないか、残念ながら自分はまだこの村の人間ではないんだって、そうした気持ちの膨らんでいく過程がすごくわかりやすい。別に疎外感与えようなんて思ってない、なんの気もなしに発された言葉が、真矢にお前は余所者だって、そんなことを思わせるというの、あれはよくわかると思ったんですよ。それで迷う真矢のこと、晴一が自分の体験をまじえて話して、ええ、すごくいいアドバイスでした。次回はリレー本番ですか? いい結果出せるといいですね。

『歌詠みもみじ』は、もみじの幼なじみでいい子の宮野千恵子にスポットライトが当たりますよ。この子、他のふたり、もみじ、まりなに比べて常識人すぎるんですよ。ということで、普通だ、特段目立つようなところはない、無難にいい人とかいわれちゃう、そんなことに悩んでいる様子で、お、今回の歌詠みは千恵子さんですか。いい人ねつまりどうでもいい人ね。うまいですよ。続く一本もおかしくて、もみじちゃんじゃない方の人! 2人組目立たない方「じゃない方」。千恵子さん、不憫や。普通とか没個性とか、そんな風にいわれてるみたいな千恵子ですけど、あんだけ面白く、川柳でもっていろいろ表現できてる時点で、充分個性的ですよ。でもってすごく魅力的。後半に、そんな千恵子のよさが次々提示されて、そして密かに男子から大人気の千恵子。ああ、ほんと、そうなのかもなあ。なんとなく、この展開、納得なのであります。

『マチ姉さんの妄想アワー』、素晴しいわ。姉さんのハロウィンイベントに対する間違った理解! カボチャ頭は子どもをさらう妖怪? って、それ、トントン・マクート! 麻袋おじさん! そして本編もかわらず素晴しい。素直で誠実、友情に厚い、とてもいい奴。カメのこと、そんな風に見せて、最後にその底意をチラ見せするとか、すごくいい。荒れる親指姫もね、ほんと、可愛いじゃない! あの目がいいよ! タフなシンデレラ、ドイツ、日本の文化の違い、豪華なパンフ2冊、聡明な王様、ほんと、しびれるネタ連発で、そしてラストの極めつけが姉さん。素晴しいわ。枕に大落ちが面白い。その間を繋ぐ、本編、小ネタの連続も外れがない。ほんと、この漫画、すさまじいです。

『うちの秘書さま』、はじめの友人が泊まりにきましたよ。え? 家出? それで七瀬さん、家出に理解があるんだ! いや、まあ、ちゃんと家には連絡しておいてくれて、このあたりはちゃんとした大人ですよね。はじめの部屋探索とか、でもアレな本は出てこない。その理由が実にいかします。あいうえお順! これ、絶対、悪気もなにもなく、自分の仕事として誠実に取り組んだ結果だな! 夕食に出たご馳走、謙遜すればメイドが悲しむ、それで感謝を言葉にしてみれば、感動のあまり泣いてしまう。はじめの境遇、大変なんだなと理解する友人の図、実によかったです。しかし、いたれりつくせりの家出。七瀬に勉強教えてもらって、というか、友人相手にも容赦なくスパルタっぽいですね。しかし今回は、いつもちゃらんぽらん気味に描かれるはじめ様の、結構いろいろちゃんとしてる面もうかがえるようで、よかったです。ええ、人を使うということ、ちゃんとわかってますよね。

  • 『まんがホーム』第30巻第11号(2016年11月号)

2016年10月2日日曜日

『まんがホーム』2016年11月号

『まんがホーム』2016年11月号、昨日の続きです。

『男子の花園』、父が見ているもの。それを高い果物と勘違いした息子だけれど、父は自分のついぞ果たせなかった妻との老後の一時。それを見ていたというのですね。そうか、1年半前なのか。父の妻、樹の母でありますね、亡くなってしまったのは。あっという間だった、介護もさせてもらえなかった。意外と父はしっかりしてるんですけど、でも冒頭のあの情景見れば、さみしさを内に抱えてるのは間違いないですよね。父、家事やらなにやら、ばりばりできるの、妻を亡くしてから身につけたのかと思ってたら、そうか、そうじゃなかったんだ。家庭を省みない父だと息子には思われていたけれど、決してそうじゃなかった。そうか、妻がそれをさせなかったんだ。ええ、実は熱愛夫婦だったんですね。そんな父の少し前のこと、話し相手は息子の妻で、けれどこの人ももう亡くなってしまった。そうか、この漫画、息子の助けに父がきてくれたってだけじゃなく、お互い妻に先立たれた男ふたりが身を寄せあう、そんな漫画でもあるのかも知れない。息子はまだバタバタしている。そこに、同じ立場で、先にそのバタバタを脱している父がきてくれた。そういう話でもあるのかも知れないなあ。そう思わせるエピソードでした。

『マツ係長は女ヲタ』、うおお、マツ係長、CDを箱買いか! 業だなあ。シークレットライブの抽選応募券がついてくるんだそうですよ。カラ☆ワンもムゴいしのぎをする……。で、大量に買ったCDの行き先がおかしくて、叔父さんの店。寿司屋? カウンターにてくばられてるっていうんですね。叔父さんがアイドル好きと勘違いされてるのもおかしかった。今回のハイライトは、マツ係長の願い事、ひとつ叶うなら当選をといったところに、しろたんの幸せじゃないんですね。痛いところ突かれちゃった! いやもう、あの落胆、落ち込みよう、ぐいぐいきますね。もうね、最高でしたよ。CD買いまくった娘に、厳しいのが母、理解があるのが父、これも面白い。そして食費まで削ったマツ係長、落選と決まって、でも会社の饅頭生活を仕事に活かして……。こういうのがおかしいですよね。社での評価も高まって、でもそんなのより、カラ☆ワンライブの方がよかったのだろうなあ。

『スナックあけみでしかられて』。ハロウィンですよ。あけみさんもコスプレしますよ。それはいいんだけど、でっかいジャック・オ・ランタンの置物。買ってみたら思ったよりも大きくて持て余してる。こいつの行方、最後のオチが、もうほんとおかしかったです。今回、懐かしい人の痕跡が描かれましたね。そうか、あのコウモリの持ち主、彼か。商店街でのイベント情景やら描かれて賑やか。スナックあけみの人間関係、そういうのもさらに広く見てとれてよかったです。しかし、ほんと、ラストのパンプキン氏。いい味出してますよ。

『ようこそ!オーロラ百貨店』、ちょっと話を動かそうというのでしょうか。いつものように、個性豊かなデパートの面々とのやりとり、それを楽しく、おかしく読んでいたのですが、デパートにスパイが入り込んでるかも知れない。そんなこといってるんですね、社長が。デパートの乗っ取り? そうしたキナくさい話があって、でもってそうしたもろもろ、ひとりで引き受けて、さらにはもう調査を開始している。静香も知らないうちにって、まさか、社長、有能!? しかし、その様子を見つめる竜崎主任、この人がミステリアスですね。いかなる関わり方をすることになるのか。ちょっとハラハラしますね。そしてえにちゃんと水菜。ふたりの写真を父上に送る、そうした話をしていたえにちゃんが、今度の休み実家に帰ってみようと思う。なにか意味深なこといって帰っていったえにちゃんに、なにかあるの!? 不穏なもの感じさせる演出が加わって、どうなる!? いや、どうにもならんかったか!? いや、ほんと、これ、どうなんだろう。えにちゃんに関しては安心してていいのかな? とにかくラスト、振り回してくれました。

  • 『まんがホーム』第30巻第11号(2016年11月号)

2016年10月1日土曜日

『まんがホーム』2016年11月号

『まんがホーム』2016年11月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかをメインにしまして、ハロウィンでありますよ。小悪魔スタイルのらいかは、いつもの素朴な雰囲気とはがらりと違えて、実に可愛らしく攻めてきています。そして他にはカボチャのランタンと魔女になってる『まなびやユーレイ』、『スナックあけみでしかられて』あけみさんもジャック・オ・ランタンベースの仮装でありますね。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は道士とキョンシーの格好をしていますよ。

『ローカル女子の遠吠え』は模型の話でありますよ。そうそう、静岡は模型がすごい。バンダイもあれば、タミヤやらハセガワやらフジミやらアオシマやら、もう盛り沢山。そのことに今さら気付いた雲春ですよ。静岡は模型の世界都市というのを聞いてね、まさか本当かと疑ってたら実に本当だという。静岡ホビーショーの話とか、あとサンライズのロボットの話とかちらほら出てきて、面白い。でもって、静岡が模型の街になった由来というのもね、まさかの徳川がらみ。確かに家康由来ではないけどなあ。しかも若干富士山にからんでる。すごいな、静岡。他に家庭を作る云々とか、あとは家庭を壊すみたいな話もちらほら。いやもう、こういうシビアさ、とてもいいですよ。

『孔明のヨメ』は、烏丸征伐に向けた動きが見えはじめましたね。奉孝が曹操にその作戦もろもろを提示して、急がねばならぬ、兵糧確保のために禁酒令を出す。ほー、そういう繋りは思いもしませんでした。そうか、確かに穀物の消費を減らすには酒造りは禁じた方がいいのかもなあ。と思うのだけど、同時にこれ、人心は荒れんかね? と思ったら、やっぱり隠れて飲むんですね。まあ、だろうなあ。この話、徐庶の耳にも届くのだけど、この背景になにがあるかまではさすがに思いいたらないのかな? 孔明だったらどうだったんだろう。などなど思わされました。孔明は孔明で荘園の防衛強化策に心砕いていて、うまくいきそうなんですけどね、お酒、ちゃんと確保できるのかな? この地方までは触れも効果はないのかな? そして黄家の武術師範に稽古をつけてもらう孔明。ぷるぷる震えてる爺さんだと思ったら、あー、孔明、そこまでガタガタになるほどの稽古なのか。すごいな爺さん。ただものではありません。

天国のススメ!』、のっけから素敵なお姉さん出ましたよ。お墓でね、妻に先立たれた夫が、その妻、渚に会いたいと、化けてでもいいから出てきて欲しい、なのにその気配もないっていって泣いてるんです。そしたら、そのかたわらに、出てる!! 出てるわよ!!! あらゆるところから出てるのに、あんたが気づかないんじゃないかー! 渚が叫んでるっていうんですね。それにたまたま通りがかった太一は気づくんですよ。おー、太一、霊と人とのメッセンジャー。坊や、いま目が合ったわね…。ああ、素敵。ほらおどろいた…、見えてる…。ああ、素敵! 強いお姉さん。ほんと魅力的。この人のこと、手伝うことになるんですけど、数学教えてくれるという約束で手伝うんですけど、この人の心残り。自宅に残した封筒。それを夫に伝えたい。今日がその期限。なぜならもうこの家は売ってしまったから。ああ、渚の強い思い。それを太一が代弁して、この合理的でさばさばとした人の、けれど深く豊かに注がれる愛、情、そうしたものがもういっぱいに描かれて、素晴しかったです。しかし、この人、太一との約束忘れて成仏しちゃった。ほんと、最後まで楽しくて、気持ちのいいお姉さんでした。

敗者復活戦!』は、桑原先生、あの日以来元気がないっていうんですね。生徒の間では失恋が疑われているのだけど、実際は祖母に会って、けれどもうここに来てはダメといわれてしまったこと、孫の自分が会えば喜ぶはずと楽観していたこと、思い上がっていたこと、そうしたいろいろが深くこの人を傷つけていたんですね。でも父とまた会わせられないのか、いろいろ思うところあるみたいですよ。でも、これ、当事者の問題だから、簡単ではないよなあ。こちらはシリアスを煮詰めた感じになっていて、かといって月穂サマがコミカルってわけでもないんですけど、その事情を知り心痛めてる夕記をいたぶる月穂サマ。ニーナも知ってるのではって思って、いろいろカマかけてる月穂サマが怖い。で、夕記のことも締め上げようかとか、ほんと、月穂サマ、油断ならない感じです。わだかまりが消えた、そう思ってたけど、やっぱりそう簡単には消えるもんじゃないって実感させられたんですね。なにしにきたのか、いろいろ思っている。ああ、いつか桑原先生と月穂サマ、出会う日がくるのかな。話をする機会を持つのかな。

  • 『まんがホーム』第30巻第11号(2016年11月号)