『まんがタイムきららフォワード』2016年12月号、昨日の続きです。
『ヨツコト』、今回はコトワリさんの謎にちょっと触れるお話。なんでもできるコトワリ。空を見て天気の予測もできれば、雨宿りできる場所を見つけるのもはやい。薪も魚も、それらしい道具もなしにぱぱっと集めて、火だって簡単におこしてしまう。いつだってクールなこの人の謎ですよ。あまりの有能さに人間なのかとヨツキが疑えば、今は人間だという。え? ということは以前は人間ではなかった? 技術があるのはそういう設定だからと、なかなか不思議なことをいう人。ああ、どうもこれは先生に魔法でもって作られたとか、そういうことなのかな? みたいに思わされますよね。はたしてこの想像が正解なのか、それともまったく間違いなのか。それは先へ進まなければわからないことでしょうが、この不思議なコトワリがヨツキとの旅で、なにか変わっていったり、なにか見つけたりしていくのだとしたら、それも面白そうです。
『夢喰いメリー』、いよいよ核心に触れましたね。夢路と白儀の関係。ふたりの出会って、そして分かれた? その瞬間に、メリーはメリーで、面を通じて記憶を遡っていくことで触れ、そして夢路側では勇魚が介入して、ずっと胸中に抱えてきた疑問を確信を言葉にする。あんまりに不利、そう思わずにはおられない夢路、レガレクスのタッグ。しかし、王様気取りかも知れない、そんなレガレクスの夢路に投げかける言葉の格好よさ。不利だろうと、ピンチだろうと決してくじけない、自分の信じるもの、思うもののために体を張る姿は本当に格好いい。この漫画はいつだって、そうした無理を押してでも勝負に食い下がっていく、そんなヒーローが格好いいんだなあ。今回もそう思わされたわけですよ。そしてメリーの遡っていく記憶の先、まさにすべてのはじまりであるのでしょうか、夢路との出会いですよ、そこまで到達して、ああ、はたしてなにが描かれようというのか。いよいよ核心ですよ。
『鬼が出るか蛇が出るか』、ああ、確定した。村の女子から次々迫られ、そのたびに自問を余儀なくされてきた優がですよ、ついにひとつ答を出そうとする。真摯な男ですよね。この村の事情を利用して、それこそハーレム築いちゃってもいい、それでかまわないといわれても、なおきちんと守りたい一線というのを持っている。その彼が、鈴に頼んだこと。そして自分の胸の奥にある確かなものに手を伸ばそうとあがいたすえに掴みとった思い。ああ、これ、どうなるんだ。鈴はどう答える? 思いつめた霞の姿もあらば、本当、ここでひとつ決着、大団円とはならんのちゃう!? などなど思われて、ええ、優くん、ハーレムでもいいのよ? だって、霞、あんまりに可哀そうやんって思っちゃうんだけど、でも、それでもやっぱり鈴だよなあ、とも思われて、なにこの優柔不断! ええ、優柔不断に流されず答を出した優は立派であるなあって思いますよ。
『45分間の魔法使い』、すごいな、ほのぼの日常魔法もの! 千尋の家を訊ねた茅子。千尋は、これまで島では見たことのないような雑誌や文化を茅子に見せてくれる、そんな存在で、茅子の羨望のまなざし! 素直な憧れが感じられてすごくいいですよね。千尋のマニキュア、茅子も試させてもらうんですけど、わぁ、都会の女の子ってこういうことしてるんだっていうこの子のね、この言葉、表情、なんでしょうなあ、すごくわくわくさせられる。そんな気持ちが伝わってくるようですよ。ここからこの漫画の独自性出てきますよ。マニキュアを乾かすのに風の魔法が便利。そして茅子、千尋のふたりがクッキーを作る、その時に茅子が土魔法を応用して見せる。魔法が自然に暮らしに浸透している、その様子がすごく魅力的でした。そうそう、千尋のお母さんとそして先生、すなわち千尋の叔母、この姉妹のあのしみじみとした時間、様子、これ見れば、このふたりのこれまでが決して楽な道のりではなかったということ感じられて、ああ、しみじみと感じいる。そんなよさがありました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第10巻第12号(2016年12月号)
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