『まんがホーム』2016年11月号、昨日の続きです。
『ねーちゃんはぼくが守るっ』、これいいですよ。秋の大運動会。その花形競技である地域別リレーにお姉ちゃん、真矢が出てほしいとお願いされた。へー、地域別で走るんだ。村の皆も含めて一番盛り上がる競技なんだ。だから、今年こそ優勝したいと、足の速い真矢に期待してるって、友人の藍からいわれて、頑張る気になってる真矢ですよ。それがね、だんだん、ちょっとした言葉の行き違いとかでもって、自分は参加しない方がいいんじゃないか、残念ながら自分はまだこの村の人間ではないんだって、そうした気持ちの膨らんでいく過程がすごくわかりやすい。別に疎外感与えようなんて思ってない、なんの気もなしに発された言葉が、真矢にお前は余所者だって、そんなことを思わせるというの、あれはよくわかると思ったんですよ。それで迷う真矢のこと、晴一が自分の体験をまじえて話して、ええ、すごくいいアドバイスでした。次回はリレー本番ですか? いい結果出せるといいですね。
『歌詠みもみじ』は、もみじの幼なじみでいい子の宮野千恵子にスポットライトが当たりますよ。この子、他のふたり、もみじ、まりなに比べて常識人すぎるんですよ。ということで、普通だ、特段目立つようなところはない、無難にいい人とかいわれちゃう、そんなことに悩んでいる様子で、お、今回の歌詠みは千恵子さんですか。いい人ねつまりどうでもいい人ね。うまいですよ。続く一本もおかしくて、もみじちゃんじゃない方の人! 2人組目立たない方「じゃない方」。千恵子さん、不憫や。普通とか没個性とか、そんな風にいわれてるみたいな千恵子ですけど、あんだけ面白く、川柳でもっていろいろ表現できてる時点で、充分個性的ですよ。でもってすごく魅力的。後半に、そんな千恵子のよさが次々提示されて、そして密かに男子から大人気の千恵子。ああ、ほんと、そうなのかもなあ。なんとなく、この展開、納得なのであります。
『マチ姉さんの妄想アワー』、素晴しいわ。姉さんのハロウィンイベントに対する間違った理解! カボチャ頭は子どもをさらう妖怪? って、それ、トントン・マクート! 麻袋おじさん! そして本編もかわらず素晴しい。素直で誠実、友情に厚い、とてもいい奴。カメのこと、そんな風に見せて、最後にその底意をチラ見せするとか、すごくいい。荒れる親指姫もね、ほんと、可愛いじゃない! あの目がいいよ! タフなシンデレラ、ドイツ、日本の文化の違い、豪華なパンフ2冊、聡明な王様、ほんと、しびれるネタ連発で、そしてラストの極めつけが姉さん。素晴しいわ。枕に大落ちが面白い。その間を繋ぐ、本編、小ネタの連続も外れがない。ほんと、この漫画、すさまじいです。
『うちの秘書さま』、はじめの友人が泊まりにきましたよ。え? 家出? それで七瀬さん、家出に理解があるんだ! いや、まあ、ちゃんと家には連絡しておいてくれて、このあたりはちゃんとした大人ですよね。はじめの部屋探索とか、でもアレな本は出てこない。その理由が実にいかします。あいうえお順! これ、絶対、悪気もなにもなく、自分の仕事として誠実に取り組んだ結果だな! 夕食に出たご馳走、謙遜すればメイドが悲しむ、それで感謝を言葉にしてみれば、感動のあまり泣いてしまう。はじめの境遇、大変なんだなと理解する友人の図、実によかったです。しかし、いたれりつくせりの家出。七瀬に勉強教えてもらって、というか、友人相手にも容赦なくスパルタっぽいですね。しかし今回は、いつもちゃらんぽらん気味に描かれるはじめ様の、結構いろいろちゃんとしてる面もうかがえるようで、よかったです。ええ、人を使うということ、ちゃんとわかってますよね。
- 『まんがホーム』第30巻第11号(2016年11月号)
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