『まんがホーム』2016年11月号、昨日の続きです。
『男子の花園』、父が見ているもの。それを高い果物と勘違いした息子だけれど、父は自分のついぞ果たせなかった妻との老後の一時。それを見ていたというのですね。そうか、1年半前なのか。父の妻、樹の母でありますね、亡くなってしまったのは。あっという間だった、介護もさせてもらえなかった。意外と父はしっかりしてるんですけど、でも冒頭のあの情景見れば、さみしさを内に抱えてるのは間違いないですよね。父、家事やらなにやら、ばりばりできるの、妻を亡くしてから身につけたのかと思ってたら、そうか、そうじゃなかったんだ。家庭を省みない父だと息子には思われていたけれど、決してそうじゃなかった。そうか、妻がそれをさせなかったんだ。ええ、実は熱愛夫婦だったんですね。そんな父の少し前のこと、話し相手は息子の妻で、けれどこの人ももう亡くなってしまった。そうか、この漫画、息子の助けに父がきてくれたってだけじゃなく、お互い妻に先立たれた男ふたりが身を寄せあう、そんな漫画でもあるのかも知れない。息子はまだバタバタしている。そこに、同じ立場で、先にそのバタバタを脱している父がきてくれた。そういう話でもあるのかも知れないなあ。そう思わせるエピソードでした。
『マツ係長は女ヲタ』、うおお、マツ係長、CDを箱買いか! 業だなあ。シークレットライブの抽選応募券がついてくるんだそうですよ。カラ☆ワンもムゴいしのぎをする……。で、大量に買ったCDの行き先がおかしくて、叔父さんの店。寿司屋? カウンターにてくばられてるっていうんですね。叔父さんがアイドル好きと勘違いされてるのもおかしかった。今回のハイライトは、マツ係長の願い事、ひとつ叶うなら当選をといったところに、しろたんの幸せじゃないんですね。痛いところ突かれちゃった! いやもう、あの落胆、落ち込みよう、ぐいぐいきますね。もうね、最高でしたよ。CD買いまくった娘に、厳しいのが母、理解があるのが父、これも面白い。そして食費まで削ったマツ係長、落選と決まって、でも会社の饅頭生活を仕事に活かして……。こういうのがおかしいですよね。社での評価も高まって、でもそんなのより、カラ☆ワンライブの方がよかったのだろうなあ。
『スナックあけみでしかられて』。ハロウィンですよ。あけみさんもコスプレしますよ。それはいいんだけど、でっかいジャック・オ・ランタンの置物。買ってみたら思ったよりも大きくて持て余してる。こいつの行方、最後のオチが、もうほんとおかしかったです。今回、懐かしい人の痕跡が描かれましたね。そうか、あのコウモリの持ち主、彼か。商店街でのイベント情景やら描かれて賑やか。スナックあけみの人間関係、そういうのもさらに広く見てとれてよかったです。しかし、ほんと、ラストのパンプキン氏。いい味出してますよ。
『ようこそ!オーロラ百貨店』、ちょっと話を動かそうというのでしょうか。いつものように、個性豊かなデパートの面々とのやりとり、それを楽しく、おかしく読んでいたのですが、デパートにスパイが入り込んでるかも知れない。そんなこといってるんですね、社長が。デパートの乗っ取り? そうしたキナくさい話があって、でもってそうしたもろもろ、ひとりで引き受けて、さらにはもう調査を開始している。静香も知らないうちにって、まさか、社長、有能!? しかし、その様子を見つめる竜崎主任、この人がミステリアスですね。いかなる関わり方をすることになるのか。ちょっとハラハラしますね。そしてえにちゃんと水菜。ふたりの写真を父上に送る、そうした話をしていたえにちゃんが、今度の休み実家に帰ってみようと思う。なにか意味深なこといって帰っていったえにちゃんに、なにかあるの!? 不穏なもの感じさせる演出が加わって、どうなる!? いや、どうにもならんかったか!? いや、ほんと、これ、どうなんだろう。えにちゃんに関しては安心してていいのかな? とにかくラスト、振り回してくれました。
- 『まんがホーム』第30巻第11号(2016年11月号)
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