『まんがタイムきららMAX』2014年3月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』、ってなにこれ!? 素晴しい! 妹たち揃い踏み! 皆、それぞれに眼鏡をかけて、くつろいでいる。その雰囲気、そして表情がすごく魅力的。チノのちょっと驚いたような顔、メグの穏やかに落ち着いた表情、その笑みも魅力的なら、真ん中の一番前、うさぎのぬいぐるみ? 抱き枕? 小脇に抱きながら寝そべっているマヤですよ。片手にチョコレート菓子、ペロリと見せた舌、上目使いのその笑顔、いやもう、三人ともに皆それぞれ可愛いのですが、マヤ、すごい威力でした。セーター、ショール、フード、湯気をたてる飲み物、結ばれた髪。そうした小物、ひとつひとつも多くを物語る、そんな素敵な表紙であります。
今月のMAXは新作ゲスト多めですよー。なので今日はゲストのみ、って、いやほんと、多いな! 頑張らないといかんな!
『水月堂のふたご雨』、これまで別々に暮らしていた双子が、これから一緒に生活することになりますよ。なんかお母さん、あっけらかんとした感じでそんなこというんですが、困ってるのがお嬢さんたち。藤宮つゆりと藤宮しずく。つゆりは、自分の母親、なつほのことを叔母と教えられていたみたいだけど、実際のところ、なつほ、しずくとは初対面みたいです。喫茶店をやっていた。けど経営不振でもう営業はやめていて、けどしずくはコーヒーをいれるのが得意? ということは、いつか復活とかあるんでしょうか? 人見知りで、けど本が、物語を読むのが好きなつゆり。彼女の書く物語、その魅力なども描かれて、ぶつかりながらも仲を深めることができたふたり。こうしていろいろな問題を解決して、進んでいく、そんな話だと嬉しいな、そう思いましたよ。
『めぐるめぐって』、お母さん、面白いな。男に頼らず生きる、そういい続けていた母親が再婚するという。その相手というのが女性で、おおう、いいじゃん! 母さん! その決意、その割り切り、実に応援したい! といいたいところだけど、メインは息子ですね。巡。母親の再婚で、向こうのお嬢さん、双子のお嬢さんと一緒に暮らすことになります。あの、写真見せられてイチコロ、見事にチョロい巡。下心全開の息子にひく母親。これはおかしかった。キメェって、あんたの息子ですよ。しかし向こうのお嬢さん、環に鈴は男嫌い。だから巡は女に化けていなさい。娘のめぐるとして暮らしなさい。絶対無理、いろいろ思いながらも、結局は環、鈴の魅力に負けてしまうというチョロさ。しかし、同居で女装暮らしとか、なかなかハードな状況。どう切り抜けるものか、興味深いです。
『きさまのまなざし』、器械の物件です。おう、なんかまたタイトル違うぞ、月替わりなのか? ともあれ今回は、目つきが怖いせいで誤解されてきたお嬢さん、畏ヒルミの物語。いろいろあって、今ではすっかり皆と友達、しあわせです! おわり。おわりって! いや、終わったのはヒルミの物語ね。ここから、ヒルミと誘木ショウコの物語ですよ。見た目がエロい。けどそれは見た目で誤解されてるんじゃないか? なら、同じ境遇を乗り越えてきた自分こそが彼女の理解者たりうるのではないか、暴走するヒルミですよ。思い込みだっていう、その一人相撲感、面白かった。あのショウコに話しかけて、手をぐりぐりされる、あの場面とかちょっと絶品。自分の勘違いに気付いて落ち込むヒルミもキュート。あのくだくだしい男子、きもッって! ちょっと勘弁したげてください! 彼も面白かったですよ。で、これが次号から連載? それとも連載でも内容は月替わり? わからぬ……。わからんが、いや、でも連載は嬉しいですよ。なんだかんだいって、ここ三ヶ月のゲスト作、どれも面白かったわけで、だからどれがこようと、なにがこようとウェルカムであります。
『迷彩JK』、迷彩セーラー服の女の子たちです。って、陸上兵力? それとも海兵? 謎だ! 謎の制服だ! 飯盛こばちが転校してきた学校は、普通の学校とはちょっと違うみたいですよ。寮? 部屋の扉を開けたら防爆スーツがお出迎え。マニアなの? マニアの子なの? と、そういうわけではないみたいですね。登場人物は、山野辺あいみ、シンシア・フロスト、潮田みちお、そして大河内早苗先生。やたらミリタリー色の強いこの学校は、国防のために軍事を教えている模様です。給養員になれたらと思っていたこばちは、指揮幕僚科に決まったとやらで、ええ、指揮官候補生であります。まだこれと物語が動いた感じはなく、だから本領はこれからかも。そんな感触でありますよ。
『歴史迷子な少女たち』、卑弥呼との同居ものでありますよ。拾った古文書? 歴史の本? それを見てみたら、どうも卑弥呼と読めた。この本、卑弥呼を、というか昔の偉人を? 召喚する本かなんかなのでしょうか。卑弥呼が本から出てきて、戻れなくなってしまった。かくしてなつめの家に居候することになった模様です。偉そうで、けどまじないで雨を降らせるなど、結構な実力者。ちびっこくて、偉そうながらもあかんたれで、なつめにうまいこと操縦されてる。そんなちびっこ卑弥呼が可愛い、といった感じであります。
『ギャルと乙女と魔法使いなわたし』、なるほどなあ、ギャルゲーと乙女ゲーから、それぞれ登場人物を召喚した、そういうタイトルでありますか。主人公しいなは魔法使い。使い魔を召喚するにあたって、ギャルゲーと乙女ゲーを使ったものだから、ギャルゲーからは妹役のヒマリ。乙女ゲーからは兄役のユウが呼び出されて、けれどなんだか相性がよくないみたい。なので、買い物を命じて打ち解けさせよう、そう思ったけれど、うまくいってる? いってない? ユウはなんだかんだで親切だし、ツンデレ気味のヒマリは、それはそれで感謝してる? デレかけてる? ところどころに、それぞれのゲームジャンルのお約束、典型的な展開などをちりばめながら、ひとつのエピソードを盛り上げて決着させて、過不足ない導入。そんな感触得ましたよ。
『幽霊部員もょ子さん』、幽霊部員がいるオカルト研究部。その幽霊部員というの、比喩やなんかでなく、本当の幽霊というんですね。もょ子さん。見事に足がなくって、けど可愛いな。仮入部の折冷ぽぷら。部長の大原。もょ子は幽霊なので頭数に入らず、ゆえに部員不足でオカルト研究部は存続の危機。入部しないと呪わせるぞ、物騒なこという部長です。幽霊部員もょ子は、幽霊としては不完全だそうで、壁を抜けたりはできない。自分は駄目かも、そういうもょ子に、大丈夫、しっかり怖いわよ! 勇気づけるぽぷらとかおかしかったです。もょ子、ぽぷらの入部に安心してあの世にいくという。ああ成仏か、そう思わせてそうじゃなかったという肩透かしはよかったと思います。これ、続くとしたら、まずはさらなる部員獲得を目指す、そんな感じになるんでしょうか? そんな気がします。
- 『まんがタイムきららMAX』第11巻第3号(2014年3月号)