2014年1月19日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年3月号

『まんがタイムきららミラク』2014年3月号、先日の続きです。

『アンネッタの散歩道』、ほんと、これよいですよ。お茶の話。故郷から持ってきたお茶を切らしてしまった。アンネッタへのお土産の分を残すんだと我慢しているメイヴ。本当にお茶が好きなんだな。故郷の皆でお茶を摘んだことなんか思い出して、ちょっと故郷恋しかったりする感じですよ。と思ったら、モリーがやたら元気がないんですね。はっ、これはホームシック!? メイヴは彼女のことなんとか元気づけたい、そう思うんだけど、モリーの好物を思い出せない。ええ、長く一緒にいた友達のことを改めて思う。話して、そしてわかりあう。ああ、モリーはメイヴを心配していたのか。この展開は、ちょっと予想外。嬉しく思える、そんなエピソードでした。そして、ダブリンのアンネッタですよ。ホームシックのメアを元気付けよう。そんなアンネッタの心配り、ああ、こちらでも長く一緒にいる大切な人のことを思っている。ほんと、この見せ方、この展開、素敵だなって思いましたよ。

幸腹グラフィティ』は、なんと、リョウのお母さんが突然やってきたというんですね。あの大汗をかくリョウ、どんな驚きようなんだろう。しかし、お母さんを恋しがっていたリョウですよ。きりんの前では、そうした様子、前面に押し出していたというのに、お母さんの前だと、心配させちゃいけない、ぐっと飲み込んでしまうんですね。この子もまた不器用ものですよ。そして、その不器用はおそらくは母に似たんでしょうね。自分のことを求めない娘を前にして、自分の価値に迷う。リョウには自分はもういらないんじゃないか。不安や心配を飲み込んでしまって、面と向かっては問えない。ええ、似たもの母娘なんだと思わされましたよ。けど、だからこそ、あの鍋焼うどんでわかりあう。自分の気持ちを素直に表す、その展開、よいものでありました。

『ゆずりはコーポレーション』、ゆずりは頑張ってるなあ! 仕事を知るため、バイトをやってみる。亜紀乃先輩の家、ラーメン屋でバイトして、それから会社設立についてを学ぶというんですね。定款の作成。おおう、想像以上に本格的だ。100%自己資本とか、なるほど、資金調達については考えなくていい。だから必要なのは、あれとこれとそれと、と、いやもう、結構勉強になるな。会社なんて起こしたことないからな。さてテーマはもうひとつ。彩音が、取り決めたはずの事業目的、それを変えたがってる。なぜか? 試しにネットショップを利用して販売してみたら、売り上げがさっぱりあがらない。不安になって……。ええ、この動いてみる、試してみる、その結果をもって考える。それが後ろ向きにさせたりもするけれど、とにかくそれぞれが考えて動いて、話して、再び歩き出す。ええ、ほんと、よくできてる。彼女らの頑張りが見えて、それゆえに読ませる。いい漫画だと思ったんですよ。

『ワケありずむComplex』、いいですね。繭子はじめての金縛り。それ、金縛りじゃないから! 幽霊がなにか悪さを? そうした問に、心の中で人間の方と答える繭子がおかしかったです。小巻と同室だと、金縛りにあわされて眠れない。だったら幽霊と同室の方がまし? はやくもそう思いはじめている繭子ですが、ほんと、小巻の寝相、よっぽどなわけですね。学校がはじまったら、繭子の部屋にいたスケバン幽霊も登校するっていう。クラスでは、新しいお友達、北条南に武者小路姫子、どちらも個性的。そして担任の谷田先生。ぱっとしないおっさんなんですが、ああー、スケバン幽霊、彼女が待ってたのこの人なのか。同級生だったのか。恋ですか! 恋ですね! 人も幽霊もそれぞれワケあり。ああ、なんか面白かったな。なんか人好きする人たちです。

寄り道ファミリ』、お父さんが眼鏡を買いました。わあ、素敵! なんて素敵なんだ! 扉の史夏、夕希もナイスです。けど本編はコタツであります。史夏の部屋、宿直室には掘りごたつ。新しいコタツ布団を買って、準備万端。そうしたらすっかりさな子が堕落した。放課後、さっそくコタツイン。試験勉強そっちのけで寝る。史夏もつられて寝る。家族と暮らしていた頃の夢を見たりして、なんか懐かしい感じ。ちょっと悪夢っぽい展開もそれっぽい。ええ、コタツってそんな感じになりますよね。そしてさな子。コタツにこもって、出るに出られないところ、お父さんにしてやられる。そのなんでもないコタツ日常、それが不思議と微笑ましくて、なんだろう、これもコタツの魔法なのやも知れませんね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第3号(2014年3月号)

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