『アイカツ!』、終わってしまいましたよ。ふー、なんといったらいいんだろう。そもそもがたまたま見始めた、そんな感じのアニメだったんですよね。アニメ新番組、いったいなにを見ようか、そんな季節の変わり目のこと。一般に女児向けとカテゴライズされるアニメには、結構良作多いよと、その当時耳にすることが多くて、そうかあ、じゃあ今度はじまる『アイカツ!』というやつ、試しに見てみようかね。それくらいの気持ちで見始めて、気づいたらまわりのみんな、全員はまってた。『アイカツ!』とはそんな特異なアニメでした。
だって、話なんてシンプルなんですよ。アイドル学校に通うことになった星宮いちごが、いろんなアイドルと友達になりながら、アイドルとしてステージで競い合って、だんだんとその活躍の場を広げていきます。ゲームの販促アニメとしての一面もあって、データカードダスですね、遊ぶと出てくるんですか? カードが。そのカードでもってステージドレスをコーディネートするというのをアニメでも軸にしていたし、また時々のキャンペーンに連動するエピソードいれてみたりと、そういう点においても実に児童向けらしいアニメであった、そんな印象も強いです。
話題になったの、最初はその展開でしたね。だって、アイドル候補生である星宮いちごのアグレッシブさ、それがもうはんぱじゃない。有名どころでは崖を登る。伝説みたいになってるのだと、クリスマスエピソードで斧をふるう、ですよ。友達を元気づけるために、山から大きなモミの木を伐り出してきてスターライト学園にクリスマスツリーとして立てよう! で、斧で伐採。その手順が林業的に正しいとかいって話題になって、そういう、え? これ女児向け!? というかアイドルものなのに!? 驚きをもって流布される文言が次から次へと人の心に飛び込んでいって、気づいたら毎週を楽しみに見ている、そういう人が増えていた。当初はそんな印象でした。
次に話題になったのは、ステージシーン、CGで描かれた歌唱&ダンスであります。最初はね、あんまり褒められたものじゃなかったんですよ。先行する『プリキュア』のEDや『ラブライブ』のCG表現、それらに比べると明らかに劣っていて、なんでこんなにショボいんだろう。これ、ゲームとの差がつきすぎると、ゲームで遊ぶ子供ががっかりするから、クオリティを揃えてるんじゃないかな? みたいに思ったりしたのも今は昔。いや、だってね、どんどんCGのクオリティが上がっていくの。モデルがよくなる。動きがよくなる。演出がよくなる。もう、ステージシーンに夢中、釘付け、そんな有り様。すごいな、すごいね、話題になって、CGの専門誌に特集が組まれたりして、といっても、これはCGでステージを描くという技術的な話ですけどね。ともあれ、ぐいぐいCGの質もハートのボリュームも急上昇していって、ほんと、なんだろう、振り返れば泣けてくる。いや、自分が泣いてどうすんのって話であるんですけどね。
キャラクターが魅力的でした。当初のメインキャラ、主役の星宮いちごはもちろん、脇をかためる友人たちあおい姉さんや蘭さん。他にもいっぱい、おとめにユリカ様にしおんにさくらにかえでに……。いちごの弟、らいちの初期のアクティブさ、これも面白かったのだけど、いちごメインからドリアカのアイドルとの2校対決がメインになってからは彼の活躍は減ってしまった。さらにいちごに憧れてアイドルを目指したあかりの世代となってからは、なお減ってしまった。うん、主人公いちごから、ダブル主人公セイラ、そして新主人公あかりと、世代を交代しつつ続いてきた数年間、実に充実していましたよ。
書こうと思えばまだ書けそうなんだけど、今日はとりあえずこのへんで。いや、だってきりがないし、初期のテレビ番組やイベント準備の情景、打合せの様子とかやけにリアルだったねとか、伝説のアイドル・マスカレードといちごの関係、その特別さとか、思うところはたくさんあって、書こうにもそれら全部とりとめないものになってしまいそうで、ね、ほんと、穏かじゃない! んです。
P.S.
S.H.フィギュアーツ、迷っています。