2009年10月31日土曜日

アットホーム・ロマンス

 アットホーム・ロマンス』、ついに最終巻です。強烈なインパクトのある漫画でした。だってよ、連載で全部読んできたっていうのに、単行本、久しぶりに触れたら、あんまりにノリが過激すぎて、おおっと、こんなに高高速度ノンストップ展開だったっけ!? よくこんなの普通にのめりこんで読んでたな、鈍った身にはちょっとついていけないんじゃないかと心配したくらいであるのですが、ここはさすがといいますか、しっかり私を掴んで、ひっぱっていってくれました。最終巻、第3巻はこれまでに描かれてきたことの総決算といってもいい、そんなフェイズにはいっていて、いわば収穫の巻。その出来は、まさしく豊穣。豊かで、素晴しい。本当にいい作品であるなと思う、そんな感覚に震える思いでいます。

 3巻巻頭のカラーページ、ちょっといつもよりもページ数が少ないものだから、これは後日談がくるに違いない。本編でさえあれほどに感動的だったんだ、だからきっとすごいことになるに違いないぞ。そう思って読み進めて、やっぱり感動したあのラストを迎え、そして、そして、ページをめくって、ええーっ、なんてこった! やられました。あんな展開に持ち込むなんて! いや、面白かったですよ。ああした遊びは、これまでに描かれた充実があってこそ輝くものだ、そう思います。でも、後日談とか欲しかったなあ — 。

いや、それは嘘だ。私はこれ以上のものを求めていはいない。なぜって、本編で充分以上に描ききられていたからに他なりません。竜太朗も暁子も、親父も母さんも、なっちゃんをはじめ友人たちも、皆が歩こうとする道筋の確かさ、それは本編、そのラストにしっかりと描かれていました。あえて語られることはなくとも、誰もが容易に彼らの将来、行く末を思い描くことができるだろう、それほどに確かな足取りがあった。だからそれ以上はもう必要ない。ええ、あの本編にて完成した『アットホーム・ロマンス』は、そのうちに大きなものを抱え、この本を読もうとするもの、すべてに対して開かれている。読み、触れたものが、自分の身に、心に引き付けて思いさえすれば、自ずと辿りつくものがあるだろう、そうした作品になったというのです。

思えば、大きな家族愛を描いた漫画でした。マザコンの少年が主人公。度を過ごしたマザコン少年は、同時に常軌を逸したシスコンでもあって、しかも姉が尋常でないブラコンであったものだから、ふたりはどんどん深みにはまっていく。けれど、彼はただ母を姉を慕い甘え愛を乞うばかりではなく、周囲の人たち、友人たちに惜しむことなく愛を注いできた。彼は確かに自らの愛に足をとられ、ぬかるみのなか進むように、苦しんだのだけれど、その苦しみから彼を引き上げたのもまた愛であったのですね。誰かに注いだ愛は、強い手となって戻ってきた。ああ、この漫画は母、姉、そして父に対する愛を描いたものであり、そして愛は軽がると家族という領分を超えていくのです。その愛は、恋人に向けられる愛であるよりも、むしろ隣人愛とでもいうべきものかと思う。困っている人がいたら、手を差し延べずにはおられない。そうした、深い慈愛に似た、大きな愛を持った少年、それもまた主人公竜太朗であったのだと思います。

 愛をふりまき、愛に繋がれた、そんな竜太朗は自立を目指して、それゆえ孤独にさいなまれることになるのだけれど、もしかしたらこれは、竜太朗と暁子、竜太朗と母明美の関係にとどまらない、すべての人が抱える、そうした状況を反映しているのかも知れない、そんな風に思うこともありました。私たちは、究極のところ、ひとり、でしかありません。世界という舞台の上で、気付けば孤独である自分に気付くことがある。孤独を怖れ、孤独に苦しむ私たちは、孤独を慰撫しようとあの手この手で繋がりを志向し、それは時に過剰なものとなって、繋がりという嗜癖 — アディクションに陥ることもしばしば見られるほどになると、果たして私たちは竜太朗や暁子とどう違うというのだろう、彼らを変態といって笑っていられる立場なのだろうか。そうした疑問さえ湧いてきます。

竜太朗は、暁子は、繋がりを過剰に志向しながらも、それを乗り越えます。孤独を抱え、苦しみながらも、引き剥がされる痛みに耐え、自分の足で歩くことを決意し実行し、互いに送り出します。距離は自分たちを引き離しはしない。会えなくとも、言葉を交わすことがかなわなくとも、それでも竜太朗は姉を愛し、暁子は弟を愛し、父を愛し、母を愛し、そう、その思いさえあれば、人は孤独にはならない。たとえひとり奮闘することがあっても、その心は支えられているのだ。だとしたら、これはどれほどに大きなアットホームであることでしょう。揺らぐことのない愛に包まれている。そう思える者が、そしてそうした愛を誰かに与えられる者が、もっとも豊かな世界を手にしているのだ。そうしたメッセージがひしひしと身に打ち寄せてくる最終巻でありました。

解説には河原木志穂さん。私は寡聞にして、そのお仕事について知らずにいたのですが、けれどエピソードは聞いて知っていて、その河原木志穂さんによる解説。しんみりとさせて、ユーモアもあって、あたたかなものでありました。巻末、謝辞を見れば、河原木志穂さんだけでなく、多くの人がこの漫画を愛し、支えていたということがわかって、それはおそらくは、この漫画ひいては作者その人が与えたものがあって、それを受けて、自分たちも与えたいと、受けたものを返したいと、そうした相互の与えあいの結果が、あの人の輪であったのではないか、そのように思われて、ええ、こうしたところにもなんだか感動してしまうのですね。

ところで、今日、『アットホーム・ロマンス』のサイン会があったんですよ。実はいきたかった。けれど、今日は『今夜も生でさだまさし』があって、それも京都であって、その観覧募集に応募してたものだから、サイン会への参加は見送らざるを得なくって、けどNHKは見事落選したから、こんなことならサイン会に参加すればよかった! 名古屋なんて、電車でピューっだよ!

残念。本当に残念。けど、これでいい。そう思う気持ちもあって、こうして読者として関わりを得て、読者として応援してきて、読者として最後まで立ち会うことができた。そのしあわせだけで、もう充分なんじゃないかって。それ以上を求めることは、それこそ過剰なものなのではないかって思うから、一読者としてこの漫画が好きだったという気持ちを、この漫画を作り届けてくれた人たちへの感謝とともに、この胸に抱えていこうと思います。

2009年10月30日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年12月号

『まんがタイムきららキャラット』12月号、昨日の続きであります。いやね、実は昨日の昼の時点で力尽きるに違いないって予測ができていて、いやね、どうも体調が悪いんですよ。喉が痛くってですね、もしかしたらインフルエンザ!? まだ身近に新型インフルエンザに罹患した人はいないのですが、別部署にはすでに何人も出ているらしく、それに学校なんかは休校したりしてるって聞いて、もう本当に時間の問題だなって思っている次第。なので、大事をとって今日は休みにしたのですが、昼まで寝て、いや、午後4時まで寝て、多分大丈夫とあたりをつけて、けどインフルエンザならおそらく明日明後日くらいにがつんとくるんじゃないかな。

といったわけで、ちょっと体調に心配があった。ほんと、この文章をお読みの皆さんも、気をつけてください。

『Aチャンネル』で、るんちゃんがナチュラルにMIXジュースを作っていますが、ドリンクバーを頼んだ時は、私もミックスジュースやってしまいます。全部まぜるのはさすがにあれですけど、二三種類を混ぜるってのはやっちゃうんですよね。だから、これは別にるんはそんなに変じゃないと思います。でも、猫に炭酸はないよなあ。

『ねこみみぴんぐす』が、なんだか妙にシリアス展開? 一年前にさかのぼって、そしてなんだか不穏な関係。プライドがあるために、選ばれなかったことが納得できなくて、意固地になっちゃったんだろうなあ。それが桜。今の副部長。深刻といえるほどの話ではない。けれど、本人には譲れなかったり納得できなかったり、けれどその考えはよくないってこともわかってる。わかってても素直になれないのは、それだけ卓球が彼女の中で大きなウェイトを占めてるからなんでしょうね。なんだかいい話でした。蘭の愚直といってもいいようなアプローチ。その真っ直ぐさもよかったです。でも、なんで突然こんな展開? と思ったら、これが前振りだったというのだから驚きました。大会に参加とのこと。じゃあ、次回から大会編なのかな。楽しみです。

『かためで!』、ゲストです。女子高生が帯刀する世界が舞台。こちらにおける携帯電話のようなポジションにあるらしく、でもなんだかよくわからない。これは、最初にインパクトを与えたいという点ではいいのかも知れないけれど、出落ち的な、一発ネタ的な、そんな印象もあって、だから続くほどに帯刀という設定は重荷になるんじゃないかなあというような印象です。もし、この先、帯刀設定を生かし続けることができたら、すごいと思う。だから、ちょっと期待してみたいと思います。

『ぽっとらっく』は、漫画家兼雑貨屋のお姉さんのお家に下宿することになった娘さん三人の話でした。今回は引っ越しをする。けれど、荷物がぬいぐるみしか届かなかった。といったわけで、メイドの衣装を貰いましたというような回でした。まだプロローグといった感じで、実際に話が動くのは次回なんでしょうか。今回も動きはじめている雰囲気、登場人物の個性を伝えようとするエピソードもあったのだけど、けれどまだ本格始動という感じではありません。だから、次回を楽しみにしたいと思います。

空の下屋根の中』。おおおお、やめたのか。普通に皆で食事、飲み会なのかと思ったら、歓送会なんじゃないか。バイトを辞めてしまったかなえ。思い切りがいいのか、要領が悪いだけなのか、多分後者なんだろうなあ。ちょっと普通の人と常識が違ってるような娘です。でも、かなえのいうこともわかります。今、生活がなんとかちゃんとできている、そんな状況にあると、やりたいことや、やらねばならないこと、それに向けて踏み出す気持ちが薄れてしまうのは確かにそのとおりなんです。このままずるずる状況を先延ばししててはいけないってわかってても、今の最低ではない状況を捨てられず、時間ばかり過ごしてしまっているうちに、状況はだんだん最低に近付いていくことにもなってしまうんですよね。後先考えずにバイトをやめたことは私も過去にあるけれど、ほんと、むずかしいですね、仕事というか、生活するってことは。貯金が多少あったから、できたのかもしれない。けれど、今はあんなこともうできない。けれどそれではいかんのだろうなあ。やりたい事が仕事になっていない一人として、そう思います。

『ひよぴよえにっき。』、理想的といってもいいのでしょうか、ひとつのストーリーとしてまとまっている、良い回だったと思います。ハロウィンのお面を学校で作ることになった。できあがったお面の、意図しない怖ろしさ。けど、子供の作るのってこういう感じになりやすいですよね。というか、これはスプー的な怖ろしさがあります。あのスプーを描いた人は、子供じゃありませんでしたけど……。

対して、あの可愛くできた方、友達が手伝ったからっていう、その差がまたちーちゃんのお面の味わいを深くしていたと思います。それで、家に帰ってからのこと、はるの反応も面白ければ、またちょっとほのぼのとした気持ちにもさせてくれて、そして最後の自分のお面に驚くっていう展開もとてもよかったです。地味ながらも、この雑誌の中では異色ながらも、安定した面白さ、よさを保って、とてもいい漫画だと思います。

ふら・ふろ』、食べ物と見せかけてだます。それは、人をちょっと本気にさせてしまう危険な行為だと思います。うん、人は食べ物に関しては、本気にならんではおられないものです。そして、歯医者。実は私は酷い虫歯になったことがなくて、だからこうしてまで歯医者を忌避する気持ちが理解できません。最初の、しみるかな? ってくらいで受診しておけば、ちょいちょいってやって、特に痛みもなく治るもんなんですが、そこで我慢して、我慢して、もうこれ以上悪化したら命に影響するってくらいになって受診するから、治療も大変なことになるんじゃないかなって、いつもいつも思っています。ほんと、初期虫歯だと、削るにしても麻酔なんていらないし、一二回で終わる楽なもんなんですよ。

『アヤシげ?』、ゲストです。見た目に怖い、それで誤解されている女の子。本当は怖がりで、可愛いもの好きっていう、こういう設定ももはや定番になってますね。この漫画では、そこに妖怪を加えて、このお嬢さんと、見た目可愛い妖怪がどういう風に関係していくんだろうという、そこに独特の感じが出るのかな、そうなったらいいなって思いました。

『かんぱけ』、終わりです。ぎゃーっ! 結構好きだったんだけどなあ。あ、終わるのは来月、今回は最終回の一回手前です。タイトルのかんぱけ、その由来が明かされて、放送に使えるカンパケ、完全パッケージを作りなさいという課題に取り組もうという彼女らの様子は悪くなかったと思います。そこで完全オリジナルでないというのは、一種のアマチュアっぽさを感じたりしたのですが、けれど憧れているものがあって、その憧れに近付きたいという気持ち、それが原動力になっていたのだとしたら、こうしたのも不自然とは思わない。でも、この憧れに接近しつつ、それを超えていけたりすると本物になれるのかなって思うから、うん、そういうところにまで展開していってくれることを期待してたんだと思います。

好きな漫画だといいました。だから、やっぱり終わるのは寂しい。残念。けれど、好きだったからこそ、次回を心待ちにしたく思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第12号(2009年12月号)

2009年10月29日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年12月号

『まんがタイムきららキャラット』12月号、買ってます。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』、カートゥーンっぽい表現と、日本漫画の表現が折衷されたような絵はちょっと面白く、リキテンシュタイン思わせる網点表現あり、けれどトーンワークっぽくもあるという、この見せ方、とてもいいと思います。ちょっとコントラスト強めでめりはりのある色彩、躍動感のある構図。白黒原稿と彩度の低い背景は地味といってもいいくらいだというのに、その地味さが如月を浮かび上がらせて、動きはあるけど派手でなく、落ち着いた雰囲気だというのにビビッドでもあるという、やっぱり面白い表現になっている表紙であると思います。

GA — 芸術科アートデザインクラス』、本編ははがきの話。絵はがき作ろうという話であるのですが、その前段として如月がお婆さまと絵手紙文通やってるというエピソードがあって、しかしそこにちょっとした謎を持ってくるのがらしくてうまいです。白いはがき。それが伝えるのはなんなのか。そこに自分はなにを見ようというのか。観賞という行為は、対象を仲立ちとして自分に問い掛ける、そういう営為であるのだなあと思わせる展開はとても素敵で、そして表現とは伝えたいものをかたちにする行為であると再度確認させられる。そんな展開は、伝えたい思いと、感じ読みとりたい思いの反響するそこに芸術という営為は成立するのだという、ものごとの基本に立ち返らせるものであったと思います。

で、落ちまでおいしい。いい漫画です。

CIRCLEさーくる』は軍人将棋を紹介して、これ昔、スーパーのおもちゃ売り場で見て、欲しくて、やりたかったんだけど、買わずじまい、やらずじまいで今まできてしまいました。軍人将棋の問題は、プレイヤーふたりに判定役ひとり、三人必要ってところなんですね。その後、ファミコンのソフトで『帰って来た!軍人将棋なんやそれ!?』というのが出ましてね、やっぱり欲しかったんですけど、普通の軍人将棋も買えない子供がファミコンソフトなんて買えるはずがない。だから、こんな風に部活でわいわい遊べるっていうのはちょっと羨ましいなって思います。やっぱりボードゲームは、人とやるのが楽しいですよね。

『チェルシー』。友人がバイトしているとわかると、皆で押し掛ける、これは基本だと思います。私も高校の時分、やったもの。喫茶店でバイトしている先輩をひやかしに、四人くらいでいったんかなあ。それはそれで集客になるからいいんだろうけど、また、あんまり酷いことすると復讐されるから、おとなしくしてましたね。懐かしい。しかし、『チェルシー』の面々は、おとなしくしてるとはいえ、やっぱりちょっとわいわいとして、華やかでいいなあ。そう思います。でもさ、友人から突然大声とか出さないでと釘さされるっての、いろいろ問題のあるお嬢さんだなあと思います。

キルミーベイベー』は、めずらしくソーニャちゃんが劣勢で、やせがまんするなんて、らしくないなって、けれどなんかいつもと違う様子がよかったです。というか、やすなのパンチってそんなに効くのか。あるいは、ソーニャちゃんって鍛え方たりなかったりする? まあ、筋骨隆々のソーニャちゃんとか見たくないので、そのままでいて欲しいと思います。ところで、マジ泣きやすな、ちょっと可愛いなあ。可愛くて面白い。ああいう、やりすぎて泣いてっていうの、子供そのもので、見てて本当に楽しいです。

ひだまりスケッチ』、巣立ちの話。ナイーブななずなと、ちょっと荒っぽい乃莉と、ちょっとふたりがいい感じ。ゆっくりでも、変わっていける。そういう気持ちの描かれて、なんだか悪くない雰囲気でした。

『アクアリウム』、連載になったようです。きっとなるんじゃないかなって思ってました。これまで目立っていたのはヒロイン、熱帯魚店の娘と、そしてなんか不調法な男子。けどそこに、それぞれの友人、関係の輪を広げていくという様子がうかがえて、ちょっとこれは面白そうだぞと、そんな気分になっています。私はまだこの漫画のテンポにのりきれていないのだけれど、うまく歩調があうようになるといいなって思っています。

うらバン!』、劇中でもいわれてたことだけど、この時期から新部員募集するんだ。ちょっと驚きました。そして、なんだか非常識な新キャラの気配をさせて、いやいくらなんでもスカートは忘れんだろう。いや、作中でも非常識と認定されてるから、これはこれでありです。しかし、今回の見どころは、ちゃんと授業やってるところ。それは冬美、コハルもそうだけど、そう、黒目先生ですね。やっぱりこの人、音楽の教員だったのか。出鱈目な大人といわれてるけど、ちゃんとするときにはちゃんとしてるんだなあ。その意外な側面、といっちゃあ失礼だけど、ちゃんとしたところもいいなって思って、ええ、なおさら好きになりました。

そして、新部員。ケースからしてトロンボーン? はじめての中音域? いいじゃん。アンサンブルとしてのかたちができていきそう。なんかわくわくさせる展開でありますよ。今回のばたばたとしてにぎやか、楽しい雰囲気に、ちょっとした期待させてくれる要素が加わって、これからどうなるんだろう。いい回だったなって思います。

『アイノテ』。ネガティブな女の子が、田舎に転校してきた話でしたね。学校では起きられないけど、好きなアニメなら起きられる。その気持ちはわかります。最近、アニメでは起きられなくなってる私ですけど。だらだらとして覇気のない、そんな娘がヒロインだけど、新しくできた友人につれられて、あちこち、お寺など見てまわって、それは事件というのでもイベントというのでもない、そんなささやかな体験だけれども、ささやかなことにもささやかながらの楽しみや面白さがある、そんな雰囲気に私も楽しさ面白さをおぼえる思いでした。

『ラッキー・ブレイク』。不況から芸大中退を余儀なくされたヒロインが、バイト先での出会いをきっかけに仕事を決めた。はたしてその会社とは? デザイン会社でした。ところで、この漫画の舞台、大阪みたいなんですけど、ってことは大芸大? と思ったけど、名前からすると京都精華大? まあ、そんなことはどうでもいいや。はじめての職場、はじめての仕事に、戸惑ったり舞い上がったりする様は、なんかいいですね。憧れた職業といってもいいのか。そうした現場に立って、技量を発揮していくところはすごくいい。そんなヒロインに嫉妬を感じる人もいる、そうしたところもすごくいい。嫉妬だけではあかんけど、けれど嫉妬や悔しさがないのもあかん。そう思います。天真爛漫なヒロインの思った以上の能力の高さ。そいつを目の当たりにして、このちゃこという人はどう対していくんだろう。

まあ、人の能力に嫉妬したり、落ち込んだりすることはあるんだけどさ、それでも自分にできることをできるようにするしかないわけで、不器用なら不器用の、歪ならいびつのありかたを見付けるのがいいんだろうなって。そうした話になったらいいななんて思って読みました。

かくしてここで力尽きて、残りはまた明日。最初からわけるつもりだったから、全部にコメントしようと思ったけど、やっぱり無理。明日はとびとびにします……。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第12号(2009年12月号)

2009年10月28日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2009年12月号

『まんがタイムオリジナル』12月号、発売されてます。表紙にはカニを食べる山下、その表情がもうやたらめったらしあわせそうで、見てると私もカニを食べたくなってくるくらいですが、でも実はそんなにいうほど、カニは好きじゃなかったりして。そして、師長。なにされてるの? 今号表紙は鍋とお酒がテーマなのか、ふたりで鍋をやっているらいか竹田組があれば、ひとり酒を飲んでいる榊、なんか色っぽいのはいいけど、むしろ危険な感じがするカナさん。って、髪まとめてるのカニじゃないか。あれは飾りなのか、飾りと見せて確保しているのか、いずれにしても後ろからは見たくない姿だと思います。

『ささきまみれ』、いつぞや笹木まみのバイト探しスキルの高さが羨ましいだなんていってましたが、けれどそれは運がいいとか要領がいいとかいう話ではないんだなというのが今回わかって、なんと毎日面接に落ち続けられる人、それが笹木まみであったというんですね。そうかあ、簡単に見付けられるのではなくて、失敗を怖れず、失敗してもくじけない、それが笹木まみであったのだなあ。雑草みたいだけれど、そうした生存にかかる意識の確かさ、それはちょっと羨ましく思います。というか、見習わないとな。

『今日から寺バイト』、やっぱりあの奥さんは可愛い。で、この奥さんの常識人であるところ、あるいは寺の娘としての意識がいわせてるのかも、不幸が仕事になる、それを喜ぶかのような反応は駄目だよと、夫に、そして弟にきつくいってきかせる、その態度の凛々しさ。素晴しいですね。ところでこの弟、かなり駄目なんじゃ……。奥さんの可愛さだけがいいってわけじゃなく、それこそお寺、僧侶の仕事のひとつである葬儀においての風景描いて、雰囲気を重くさせず、けれど葬儀のしめやかさも少し感じさせて、など。悪くなかったです。

あ、思い出した。私、女性のどんな格好が好き? って聴かれたら、喪服って答えるような人間でした。そりゃ、奥さん、魅力的なわけですよ。あの、記帳お願いしているところの表情、大変に素晴しかったです。

開運貴婦人マダム・パープル』は伸子大活躍。微妙に能力の高い伸子、相変わらず味わい深いキャラクターだと思います。そして、まさかの反魂香。こんな展開になろうだなんてちっとも思わず、やられました。でも、ゾンビになって返ってくるだなんて、ちょっとした『猿の手』展開ですね。

『恋は地獄車』。後藤さん、素晴しいな。社内一のモテ子かどうかは知らんが、私はああいう女、大っ嫌いでありまして、それを後藤さんったら、流石だ。けど、私はああはいわん。ああいうこというと、女子の派閥に巻き込まれかねんからな。しかし、この漫画に出てくる人、男も女もろくなのいないなって感じなんですが、そのろくでなしどもがこんなにもおかしくて、こんなにも愛おしいと感じられるのはなぜなんでしょうか。とりあえず、万里子は魅力的だと思う。それで、高橋君。彼のことちょっと好きになってしまいそうです。まあ、身近にいると困るタイプなのは確実なんですけども……。

ただいま勉強中』。良い子が好きです。あの掃除中の上だけジャージ姿、旅行代金差額についての疑問呈するところなど、素晴しく魅力的であります。さて、本編、修学旅行のいきさきの疑惑なんですが、よくこういう展開にしてみせたもんだという、ナンセンスなんだけれど、それをぎりぎり現実的なラインに置いて、あっちにこっちにいったりきたりさせられるような感じがよかったです。しかし、理事は面白い人だなと。この人がでると、ありえない、ありにくいラインがありえると思えてしまう。そうしたところが最大限に発揮されたと思わせる落ちでした。

『たまき恋愛妄想族』。四コマ誌にまたも眼鏡ヒロインが増えました。芳文社って眼鏡強化年とかに入ってるの? 失恋をして、男を避けようと異動を希望したヒロインが配属されたベビーブランド、そこは男だらけだった。しかもいい男ぞろいという。恋愛体質のヒロインは我慢できるのか? そんな話であるみたいです。

『ハッピーエンドではじめよう』は、いわゆるコレクターといわれるような人には共感できる話のように思えて、ええ、私もこの主人公の思ったようなこと、時に思うんです。自分は過ぎ去るものを、過ぎ去るままに送ることに耐え切れなくて、ものを手放せずにいるんですね。記念物型のコレクターなんだと思います。失われること、損われることがつらくて、けれどいずれすべてを手放す日がくるってことはわかってるんですね。今までためこんだもの、それだけでももう消費、観賞しきれないのに、まだまだ増えていくだろうという、この無意味。この虚しさに気付きながら、捨てられないのは弱さなんでしょうね。解放。この漫画では生まれ変わりがあることになっているから、死んで解放でいいけれど、現実にはそんなことないんだから、だから、死んでから解放では遅いんです。わかっちゃいるんです。わかっちゃいるんです。

L16』。おおお、千本兄弟の運命が動き出したのか? きっと芽は出ないだろうって思うんだけど、どうなるんでしょう。基本はふたりだけで充足している姉妹。それがためか、千本兄のアプローチにはちっとも気付くことなく、だからもしかしたら次回は上司同伴とかか!? スムーズに運ぶにしても、とんだひっくりかえしがあるにしても、どちらにしても面白そうです。

『(仮)アイドル!』。やっぱり往年のアイドル白井さくら、社長じゃん! 元タレントという経験ゆえか、それとも能力なのか、リアクションについて実演してみせる社長。そしてカラオケ。ところで、私、思うんですけど、社長に関しては、アイドル時代よりも、今の方がずっと魅力的じゃあないかって。まあ、好きな女性の格好はって聞かれると、フォーマルなスーツって答える人間ですからね、私は。そりゃ、社長の姿の方がいいっていうのも、当たり前かも知れません。

『マチルダ! — 異文化交流記』。バードコールだけど、これ知らない人いそうだな。思い立って製作。柱を削ったら、家の強度が下がっちゃうじゃんか。しかし、やりたい放題のマチルダだけど、悪気がどうもなさそうというところがいいのか、見ていて嫌な感じはしないです。肌スコープから鳥の餌。そして肌の拡大写真。ナンセンス、確かにナンセンスなんだけれど、そのナンセンスさがすごく好きです。

『アトリエZOOへようこそ!』、終わっちまうのかと思ってハラハラしました。いや、ゲストか。いずれにしても怖ろしいな。次号最終回と告げられてモチベーションを低下させる先生。テンションさがるのはなんだかよくわかります。けどアシスタントがはげまそうとがんばってくれたりするところ、人望はあるんだ。そして、悪事の告白。これ、めちゃくちゃ面白いな。対応しきれなくなってる、その様子が電話ごしにありありとわかる。めちゃくちゃ面白かったです。基本的には空騒ぎ。けれど、空回りにはなっていなくて、読んでいてすごく楽しいです。

『おかまん研』、だんだんまとまりがよくなって、すっきりしていって、読みやすくなったのはいいけれど、最初のあの混沌としたノリも捨てがたい。キャラクターは可愛くて、岡山という土地がそうなのかどうかはわからないけれど、地味に落ち着く、そうしたところも悪くないです。がんばろうという姿勢を見せて、けれどぎらぎらとしていない、そうした塩梅がどうも気にいってるみたいです。

『ひよりすと』。この弟、妹は、どんだけお姉ちゃんのことが好きなんだろう。目がクリっとしてショートヘアで小さい子が好きよ、って、これだけだとなんだか凶悪だな。でも、このお姉さん、扉絵のとおりなら、ただちんまくって可愛いわけじゃないんだと思う。普通に、あたりまえに可愛いのだと思う。だもんだから、そりゃ弟があんなに怒るのもわかる気がします。愛する相手なら、吐瀉物もしっかり受け止めるがよいよ。

『先生のたまご』、やったぜ、連載だ! お昼ご飯をめぐる騒動。というか、弁当忘れて財布も忘れる化野先生がわるいのか。というか、ボールが出てくるってどういうシチュエーションなんだろう。大学の先輩のお家が、高校の食堂を経営してるんだけど、こんなに皆が食べてくれるんなら、さぞ商売としてはおいしいだろうな。大きく発展したりはしないと思うけれど、つつましく生活するにはよさそうだな、なんて思ってしまった自分がちょっと悲しいです。しかし、食事に関してのことはどうも人間を本気にさせるところがありますよね。この間、職場で注文した弁当の配達が遅れたんですが、そのときの皆の絶望感思い出して、だから化野先生も保取先生も、あの落胆、そしてあの幸福感、大げさでもなんでもないなって思いましたよ。しかし、シンプルな騒動。楽しくっていいですね。ああ、こんな学校なら、私も働きたいくらいです。

そこぬけRPG』、困った社長だな、相変らず。こういうわたくしと経営をごっちゃにするような会社は危ないと思います。って、そうか、だからか……。ところで、妻と姑の話。私は母に、もし自分が結婚することがあったら、あんたは間違いなくその相手を悪し様にいうに違いないから、自分は妻の人の味方をするよと、絶対あんたの味方はしないよと既に宣言してあります。でも問題は、当面結婚の予定がないところだな。それどころか相手もいないところだな。

悲しくなってきた……。というわけで、また来月! とはいきません。もうちょっとがんばる。

『花咲だより』の卓上コンロは、この作者の真骨頂だと思います。こういう無茶、思い付いてもやらないこと、それどころか思い付きそうもないこと、しかしやろうと思えばできること、それを絵にしてくれる。このシンプルに絵で笑わせるという基本がすごくいいと思っています。そして鍋奉行ならぬ鍋独裁者が登場して、けれど失脚。子供っぽい、そんなお姉ちゃん、実にこの人の味が出ていて面白かった。ところで、コーンフレークだけれども、プレーンすなわち味のついていないものなら、そんなに酷いことにはならないように思います。どうなんだろう。絶対試したくない。だからその答を知る日は私にはきっとこないと思われます。

  • 『まんがタイムオリジナル』第28巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 魔神ぐり子「ひよりすと」,『まんがタイムオリジナル』第28巻第12号(2009年12月号),112頁。

2009年10月27日火曜日

レンタルきゅーと

 はじめまして、こんにちは! お馴染みの人もこんにちは!! 『レンタルきゅーと』が出ましたよ、というわけで買ってまいりました。なんだかすごく懐かしい。思えば、『ROM-レス。』と『レンタルきゅーと』が、この人の出世作というか、お目見えだったんですよね。代理原稿だったかゲストだったかとか、そういうことは覚えていませんけど、なんだか印象に残る、そんな漫画で、気付けば単行本も巻を重ね、そしてついに『レンタルきゅーと』も出版されました。やれ、ありがたいことであるなと思って、しかしこの漫画は他のに比べてもずいぶん毛色が違ってるなと思います。底にあるものは一緒、風合いもそう変わるところはないんだけど、けれど開けっ広げな面白さというのが最大限に発揮されているように思います。

中盤くらいから、アクセルの利きがよくなったというか、これは!? というようなネタがばんばん出てくるようになった『レンタルきゅーと』。いや、もともとから、ちょっと狙い目、際どい目のネタが多めの漫画だったように思うんだけど、一気にそうした傾向が加速したと感じられる時期がありまして、あの首輪とかさ、もう思いもしないもんが思いもしないように突き付けられて、笑わずにはおられない危険さです。これ、ちょっと人前では読めないなって、我慢できずにきっと笑ってしまうから、そんな具合なんです。で、カバーをとった下、恒例の解説ですが、それを見ると、加速したと感じられるところ、そのあたりで連載になってるんですよね。それまでがちんたらしてたみたいなことは決してないのですが、連載になってからのノリはそれまで以上に前向きにテンポよくなって、ああ、このテンポのよさはよいなと思ったりするのでした。

さて、レンタル・キュートっていうのは、ヒロインらびたちが働いているお店の名前です。この世界には、ハーフペットという人と動物の合成種が存在していて、彼ら彼女らとの交流を求める人たちのところへ、らびたちハーフペットが派遣されるという、そうしたサービスがなりたっているんですね。うさぎのらびや、犬のポチ、ほかにも猫、インコ、狐とあって、彼ら彼女らが中心となって活躍するってわけなんですが、その活躍というのも、種の能力を生かしたものあり、あるいは幼さや世間知らず、あるいはただただその当人の個性発揮するものありといった多様さで、ちっとも飽きさせない。むしろ、個性の見せ方、立たせ方がうまいものだから、種の特性なんてものも個性に溶け込ませるようにして自然に見せて、ただこんな能力持ってます、ってだけに留まりません。ええ、面白いです。ポチとらびの確執に発する大喧嘩、ちまの恋心、などなど、そこにはもととなる動物のらしさが描かれ、ハーフペットという設定にもとづいた展開が見られ、そしてそれらをキャラクターの魅力が包み込んで、ほかのなにでもない『レンタルきゅーと』の面白さを作り上げているんですね。ぴりりと辛かったり、ほろりと苦かったり、けれどとてもスイートな、そんな味を楽しませてくれるのです。

悪ノリっぽいもの含めて、すごく面白くて、けれど最初の数年は、これがこうして連載化するなんて思ってなかったし、ましてや単行本になるなんて夢のようだって思います。いや、ほんと、ありがたい。こうしてまとめて読めば、想像以上の破壊力。気楽に読めるのに、気付けばぐいぐいと引き込まれてしまってる、そんなところがある漫画であります。

あ、そうだ。こないだの『MAX』で一話扉と見比べてみようっていう話ありましたよね。見比べましたよ。いや、なんだ、どちらも悪くないですよ。笑うなんて、ありえません。今の絵の方が目が縦に大きくなって、こころもち可愛さが強くなっているって感じなのですが、じゃあ昔はどうだったんだっていわれたら、ちょっとお姉さん風、これはこれですごく魅力的と思えます。いや、悪くないですよ。これはもう好みの問題で、今がいい、昔がいい、両方いい、ちまがいい、いやほんと、悪くないです、よかったです。

  • 白雪しおん『レンタルきゅーと』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月26日月曜日

『月刊アフタヌーン』2009年12月号

 『月刊アフタヌーン』、今月も買っております。それから、もちろん先月も。いやあ、すっかり書くの忘れてましたよ。買った時には、きっと書くつもりだったと思うんだけど、Sweet Homeに押し退けられたみたいです。さて、今月はうまいことKRコミックスの発売が明日、一日あいたものですから、忘れずにすみました。『アフタヌーン』は忘れてしまうほど印象が薄いとか、そういうわけではなくて、この雑誌はいつも発売日前に店頭に並ぶから、そのタイミングで読んで、公式の発売日は写真の更新をするのが常、その一日あくために、意識からこぼれてしまうみたいなんですね。ともあれ、今月は忘れずにすみました。

『日下兄妹』、面白かった。読み切りです。野球やってる少年、肩を故障してしまった。ここまではよくある漫画かなと思ったら、ここからがちょっとよそにはないという雰囲気がぷんぷんとしてまして、まずこの肩壊した少年が、別に衝撃受けるでもなく、妙にひょうひょうとして達観していて、そしてそんな彼のところにやってくる謎の物体? ほんとによくわからない。その奇妙な物体は成長して、彼の妹というポジションにおさまるのですが、けれどそれは萌えとか理想の妹とかではなくて、ずっと謎の奇妙ななにかであり続けて、けれど読み終えようとする頃には、なぜかすごく身近に感じられる。そんな感触は信じられないほどにあたたかで、ほっとさせる、そんな優しさ、思いやりか? そうした気持ちにあふれてて、ちょっと泣けましたよ。いい漫画だったと思います。なんとなくパラパラ、ページめくってたらひっかかった。ひっかかってよかったと本当に思える漫画でした。

無限の住人』、主役そっちのけで展開。けど気になりません。逸刀流を追う燎と伴が、果心居士の罠にはまるまでを描くのだけど、この燎、吐の娘ですけど、危機に際してそれを乗り切るだけの実力はあるみたいだけど、なんだかあかんたれで、変なキャラクターだなっていうのが前面に出て、もっとシリアスでハード志向と思ってたんだけどな……。でもこの漫画らしいなと思います。次回、伴は死んじゃうんかな?

『友達100人できるかな』、友人の弟と友情を育もうという話なんだけど、ああ、確かにどんなにいい子でも、こうした年少の頃は残酷さを持って動物に相対するものですよね。成長して、とりわけ大人になってからは、そうした残酷さ、無邪気さには付き合いにくいと思えるようになって、と、そういう話でした。いつもは、自分よりも親愛度の低い相手に向き合うのが、今回は逆というのも面白かったのだけれど、小さな子に付き合って過ごした時間が新しい気付き、あるいは忘れていたものを取り戻させて、なんかいいラストでした。子供のころっていうのは、見るもの、知るもの、すべてが輝いていたんだろうなと、取り戻せない時間を懐しむ、そんな思いにさせてくれました。

そして『百舌谷さん逆上する』。ついに運動会当日がやってきて、これ前回からの続きなんだけど、百舌谷さんに対する皆の態度に嫉妬? 千鶴が復讐とでもいうべきか、後ろ向きに進んでしまったその状況が、やわらかに千鶴を苦しめるという、その空回り感、もがいている感じが素晴しくて、まさに裏目ってやつです。どうしても千鶴は苦しむほかないという展開は、しかしその実、むしろ状況をよくしているという、妙な両面性を抱えていて、そして千鶴の百舌谷さんへのアドバイス。これが将来に効いてくるんでしょうね。しかし、本当の騒動は次だと思うんです。千鶴の仕掛けた罠、それがまだ回収されてない。どうなるんだろう。ほんと、どうなるんでしょう。

いもうとデイズ』、おお、赤毛のアン的展開だ。けどさ、まあ色がついてない漫画キャラだからかも知れないんだけどさ、金髪カッパなディアナ、めちゃくちゃ可愛いじゃないかと。姫盛りとやらよりもはるかに可愛いじゃないかと。過剰な装飾がなくても可愛くなるようデザインされてるってことなんだろうとは思いますけど、素朴で素直な綺麗さがあって、そしてそうしたいじらしさはどんな時にでも発揮されて、あのお母さんとの会話、いいですね。それを見たお兄さん、彼もまたいいですね。この漫画は、ディアナの可愛さもあるけれど、このお兄さんの人のよさ、真面目さ、それも魅力だわってつくづく思わされるんですよ。

2009年10月25日日曜日

Creeping lady's-sorrel (retouched), taken with GR DIGITAL

Creeping lady's-sorrel月末恒例となりましたGR Blogトラックバック企画。今月のテーマはレタッチであります。ああ、レタッチ! なんてことでしょう。私はレタッチもトリミングもしない。ただ撮るだけというのを数年やってきて、つまりレタッチに関してはなんの経験の蓄積もない。どうしようか、今回はパスしようかと一度は思ったけれど、まあなんでもチャレンジしてみればいいじゃないか。といったわけで、トラックバック企画 レタッチ に参加します。

参加しようと思えたのは、ちょっとこれは面白いかもと思える写真が撮れたからということもありまして、その写真というのは、冒頭にかかげておりますカタバミです。雨の日の外出、植え込みの下、カタバミに雨の雫がふりかかっておりまして、いいなと思って撮ってきた。左肩には黄色い花もあって、けどここにもピントがあってたらよかったね。などと思うけれど、メインの被写体は葉の表面に玉となっている水であるわけですから、まあ花はこれでいいや。

といったわけでレタッチしてみました。

Creeping lady's-sorrel (retouched)

まずは、トーンカーブで補正。若干全体に暗くしたあと、カーブがS字になるよう、つまりコントラストを強調しました。次いで全体に軽くノイズを加えて、そしてレベル補正でグリーンのガンマを補正して、少し緑が強くなるようにしました。最後にトリミング。これで完成です。

コントラストを強調した以外の修正は、本当に若干量。よく見れば違ってるかな、そんな程度に留めています。私がレタッチをあまり好まないのは、レタッチを続けるうちに、補正がだんだんと過剰になりがちになるからで、そうなると写真の自然さは失われてしまいます。今回のカタバミにしても、レタッチ後の方がぱっと目をひいて印象深いですけど、こんな色のカタバミはないやろと。カリカリすぎて気持ち悪いやろと、そんな風に思うので、過剰なレタッチはやっぱり好きじゃありません。

普段からレタッチするなら、ここまで強調するのではなく、さらっとした、軽いものにとどめるだろうと思います。でも今回は折角の機会ですから、ちょっと思い切ってみました。たまには、こんなのもいいななんて思ったりしています。

2009年10月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2009年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』12月号は本日発売です。表紙は前号に引き続き『夢喰いメリー』であります。で、やっぱり主人公が表紙に出ないというね。いや、主人公はメリーでしたか。どうも私は夢路が主人公と思いがちでいけません。背景に流星が描かれてるのは、今、ちょっと話題のオリオン座流星群が意識されてるのか、それともただの偶然なのか。どちらかわからないときは、意図的と思っておいた方がいい。なので、この表紙はオリオン座流星群なんだって思うことにします。

さて『夢喰いメリー』本編は、絵を描くサナと、そしてエンギのもとで特訓する夢路。ふたつの場面が描かれて、しかし夢路は当初に思っていた以上に努力型主人公で、なかなかに恐れ入ります。この漫画は敵がどうこうよりも、圧倒的な状況でも立ち向かおうとする、そういう登場人物の心情がいいなと思って、夢路なんかは本当にそんな感じ。前向きな姿勢というのは、それだけでなにかひきつけるものがあるのかも知れません。そして、メリーの描いた絵。そこになにか次への展開の鍵があるようで、動きがあるだろうと予想させる、そんなところがちょっと次回を楽しみにさせるのでありました。

S線上のテナ』。オスティナートを連れて逃げるデュオンの意図があきらかとなって、そうか、そこになにかはかりごと、裏切りの影などを見てしまっていましたが、それは考え過ぎであったようです。そうしたものよりも、もっと純粋で素朴な思いがあったのだなっていう、こういうところは岬下部せすならしいっていっていいのだと思います。

『トランジスタティーセット — 電気街路図』は、エミ太くん、大暴走。いや、別に暴走したわけじゃないけれど。数ページにわたり、上半身裸で過ごすエミ太くん、けれどちっともいやらしくならないっていうところが、彼女のいいところだと思います。私は、この漫画ではほかならぬエミ太くんがお気に入りなのですが、可愛いものにあこがれて、けれどちょっと縁がないみたいに描かれるけれど、実際、この人は充分以上に可愛いよな、いつも見ていてそう思います。だから、この人がこうしてメインで活躍すると、私はちょっとしあわせ気分です。

純真ミラクル100%』は、以前からの不穏な動き、その詳細がだんだん見えてきて、しかしそこで二宮さんの恋心もばれてしまうっていうところ、いや、実にいいじゃないか。私はなんでか二宮さんがお気に入りで、不器用そのもの。現実に存在するタイプの、しかも悪いタイプのツンデレ。女性、すなわち末澤の側のドロドロとした感情に比べ、なんとストレートで飾り気がないのだろう、二宮のそれは。やっぱり私は彼が好きだなと思わないではおられませんでした。

ところで、無粋なつっこみするけれど、あのタイプのギターは、たとえエレアコであっても、普通に音出るので、シーンってのはさすがにないです。でもまあ、本編に描かれるもの、彼彼女らの心の動き、絡みあい、そうしたものには関係のない瑣末な部分であります。私は気にしません。

『少女素数』は、すみれの戸惑い、有美との確執、それが深まるのかどうなのか、一触即発の気配がぐっとたわめられたままに進行するものだから、なかなかの緊張感。で、読者である私だけでなく、この漫画の男性陣、兄貴さんもぱっクンもそうだっていうところ。気にして、気になってしかたなくって、それで気もそぞろ、目の前のことに集中できなくなって、ああ男はしょうがねえなあ、と思う。自分もおんなじなんですけどね。

今回は、女子三人の意思の疎通、意識の確認が再度なされたっていうこと、それから思いもかけなかったあんずの狼狽。ああ、これまではすみれのウィークポイントが表立つことが多かったけれど、今回描かれた、こうしたところにあんずのウィークポイントはあるのかな。どちらもこれから、発展途上の彼女らの、言葉にして気持ちを咀嚼して飲み込むだけの段階にいたっていない、そんなところの色合い、そしてそこから変化していく様、といったあたりが魅力となりそうです。けど、きっと変化していったら寂しく思ったりするのかも知れませんね。特に兄貴さんあたりが。

『となりの柏木さん』は、柏木さんの友人が動いて見せて、しかし柏木さん、ああした面を見せている友人があったのですね。趣味においては、もっと孤独なのかと思っていました。そして主人公。カマかけられて、しかし誠実を貫いて、まあいつも真っ正直であるのがいいかといえばむつかしいところだけど、こと今回の件に関しては、桜庭いいじゃんと。おびえながらも、きちんとした対応。いいやつじゃん。そう思わせてくれました。けど私はあのカマかけた友人、清花がなかなかによいじゃないかと。あの手管! なかなかに印象的でありました。

『大江山流護身術道場』、ゲストです。いや、ほんと、これが『まんがタイムきらら』系列誌でよかった。もしこれが成年誌掲載なら、あれですんだとは思われません。睦月も夏も本当に運がよかったです。しかし絵柄がちょっとそれ系に思われて、でもってヒロイン睦月が痴漢やら変質者の類いに狙われやすいときているものですから、当然それっぽいシーンも描かれて、私にはちょっと過剰と思われました。でも、話の流れは結構嫌いじゃなくて、やっぱり悪いのんがばたばたやられるってのはいいなと思う。まあ、ちょっと物騒だけどさ。でも実際、ああいうシチュエーションで身を護るとなれば、なにより多勢に無勢という状況を解消しないことには勝目が出ないわけだから、殺しちゃったらごめんね? となるのも仕方ないよなあ。仮に殺しちゃったとしても、正当防衛が成立しない? あの状況で過剰防衛とはならんと思うけどどうなんだろう。

ゲスト掲載で、この印象。もしこれが連載になるなら、同様の傾向で続くことになるのかも知れないけれど、『きらら』系列誌でこういうのはちょっとつらいように思います、とりあえず私が。やっつけました、めでたしめでたし、といった楽観がなくて、やっつけました、逆恨みされました、ふたりは付け狙われます、ってなることがしっかり描かれて、まあこういうのは現実味があるんですけど、けれど私は現実的ななにかを見たくてこの雑誌を読んでるわけじゃないからなあ。中学生の女の子が木刀手にして悪いやつらをボコボコだ! っていう、それだけでよかったんじゃないかなんて思うんですね。それで悪いやつらは改心する、そうでないと、なんか爽快さがない。陰湿な暴力性がふたりにつきまとうというのは、やっぱりちょっと読んでいてつらいんです。安全が脅かされた状態が、一時的に緩和されただけに過ぎないっていうのがね、やっぱり不安を解消させず、ゆえにすっきりさせない、そんな風に思います。

キャラクターは結構好みなのになあ。いや、そうだからこそ、すっきりしないのかも知れません。それが証拠に、悪い彼らが大変なことになってるの、どう考えても後遺障害は免れないくらいにやられてるというのに、ちっともなんとも思わない。それこそ、汚物は消毒だー、くらいでちょうどよかったんじゃないのか。そんなこと思ってるくらいです。うん、消毒しちゃえばよかったんですね。とりあえず、最初の三人の段階で消毒しとけばよかったんですよ。というわけで、次回があれば、消毒方向でよろしくお願いします。あ、それから、欄外の解説はないほうがよかったと思います。そのへんのことは、本編、漫画で充分に表現できていたと思います。

据次タカシの憂鬱』、おおう、『ラブプラス』っぽいものが……。私の知るかぎり、漫画でこれを扱ったのははじめて? いや、ゲーマガですでに出ているのか? わからんけど、一般誌一番のり? どうなんでしょう。

どうでもいいけど、でーえすを前にしたタカシ、めちゃくちゃキュートなのが気になります。そしてこの展開、ええと、つまりは勘違いの連鎖と、そこで取り残されたわかな、そして暴走する周辺。これはなんか急展開する? 私はこのところ、ちょっと急展開を怖れるようになってしまっているのですが、これも今回もちょっとそんな感じで、ちょっとはらはら。なにごともなく普通に続いていってくれたら、それで満足なんだけどな。もちろん、タカシに彼女ができて、それで続いていってくれてもかまいません。安定して面白い漫画です。気に入ってるんですよ。

銘高祭!』、これまでの準備の期間に描かれた、銘高祭に関わる皆の心情、それが祭の日を迎えて、はたしてどのようなものとなったか。まさに実りの収穫といった様子。もう大きな事件もなさそうで、大団円目前といった感じに、読んでいる私もなんだかほだされて、ええ、よい雰囲気ですよ。以前、私が、この人どうだろうといった灰原先生も、やっぱりこの人どうだろう、プロとして、教育者としてどうだろうとは思ったりもするのだけれど、けれどこうして素直さを見せて、ああ、だからやっぱりこれはこれでいいのかも知れませんね。そして、ちょっと切ない情景も。ああ、桐原。すべてなにごとも丸く収まるわけじゃない。それもまた青春であろうと思われて、ああ、桐原。私はあんたのこと嫌いじゃないよ。いや、別に嫌われたってわけでもないんだろうけれどもさ。

かくして、祭の夜はふけて、高校の学祭で花火なんていうのは夢だけれどもさ、そうした夢を描いたものとして、『銘高祭!』は悪くない。そう思うのですね。

『暴君!日下部ゆう』、前回の続き? ゲストなのか連載なのかはちょっとわからんのだけど、曖昧なのはあんまり好きじゃないから、じゃあいっそ連載でという風にはならんものかな。ともあれ、下僕にされた少年が、解放を目指して奮闘、可愛いもの好きの日下部ゆうに猫の写真で迫ったりと、いろいろがんばるんだけれどむくわれない。いや、下僕として確保されているというその状況が、すでにむくわれてるってことじゃないのんか? という私はだいぶ駄目になってしまっているようです。

とりあえず、猫の写真を入手すべく、殴りとばした上に踏み付けにする、その踏み付け時の表情、おお、なんとかわいらしいのだろう。私も踏み付けにされたいものだ、なんてことはいわないけれど、実際この漫画は、日下部ゆうの可愛さにドライブされているなと思います。

引用

  • KAKERU「大江山流護身術道場」,『まんがタイムきららフォワード』第3巻第12号(2009年12月号),242頁。

2009年10月23日金曜日

「けいおん!」第4巻

 アニメ『けいおん!』、待望のBlu-ray Disc第4巻が出ましたよ。しかし、なぜ待望なのか? それはですね、私の大好きなエピソードが収録されているからなんですね。やっぱり『けいおん!』は演奏があってこそ楽しい。そんなこと思う私ですから、もちろんお気に入りのエピソードは第7話「クリスマス!」で決まりですよ! いや、嘘じゃない。「クリスマス!」大好きなんです。本放送時、地上波で何度もリピートして、BSでまたリピートして、もう何度見たかわからないエピソードなんです。そして、第8話「新歓!」。ああ、あの回は泣ける。あの回は本当によかった。大好きな回なんです。

って、そもそもあんたに嫌いな回があるのかいって話でもあるのですが、これらエピソード、どちらも好きだっていうのは本当です。どこが好きなのかというと、まず「クリスマス!」、これ、序盤の紬がですね、とんでもなく素晴しいんですよ。クリスマス会をやるよって話が出たとき、まず唯がやろうやろうってはしゃいで見せる、それに追随して紬もやろうやろう! ってはしゃぐんですが、それが本当に唯のやったそのままで、ああこの子は本当にこうした普通のことを普通にやるっていうのが楽しいんだなって。それで、喜んだ顔がちょっと変になってて、あのきゅってなった感じ。嬉しすぎて、目がきゅってなってるの。あの表情。もう、りっくりっくと喜んでる、そんな感じが最高で、大好きなんです。

もちろん、これでとどまるわけがありません。商店街のくじびき、あそこで紬が大当たりを出してるわけですが、あの出会った瞬間に紬がわっと相好を崩すところ、その表情、くしゃくにゃって感じ、私、あの時の紬が一番原作の雰囲気に近いって思ってるんですけど、最高だった。もうなんて可愛いんだろう。なんて魅力的なんだろう。

で、ここにジングルベール、ほい。ジングルベール、いえーと書いたら、前にも書いたとおりになってしまうので、別の話題。憂の腹話術。あの、唯が、本気にしちゃったの? ごめんねと謝ったときの憂の返答。ぬいぐるみに「いーよー、気にしないでー」ってしゃべらせるところ、ピンポイントで見ても楽しい、嬉しくなる、すごくお気に入り。他にも見どころはいっぱいあったと思うんですね。何度見ても飽きないエピソードです。

そして「新歓!」。これは、やっぱりあの演奏がよかったですよね。あの、リフレインで左右に揺れながら歌うふたり。あれが本当に楽しそうで、やあ、これは素晴しいなって。Blu-ray Disc特典のコメンタリーによると、唯が歌詞を忘れたことを受けて澪が歌い出すところは、本当にそんな感じになるようにレコーディングしたと日笠陽子さんが。豊崎愛生さんは、この曲はふたりで歌うことになるってわかってたから楽しみで楽しみでって。やっぱり演じている人も楽しみに思ってたんだなって、そうした様子がまたよかった。ええ、あれは屈指の名シーンだったと思います。

キャストコメンタリーは、クリスマスの思い出、もらって嬉しかったプレゼントなど、キャストの個々人にフォーカスが当たっている、そうした話はやっぱり聞いてて楽しいです。犬のエピソードなんてすごくいいなって思えるものだし、電子ピアノのエピソードもなかなかに味わい深くて、味わいといえば、年末年始の過ごし方、寿家はなんか楽しそう、本当に面白かった。それから、やっぱり映像に対する感想、Tシャツとかさ、あとかたつむり。そうそう、あの折り紙の輪っか繋げるのとか。「新歓!」では、リボンの色が学年で違う話とかね、面白い。ジャージの色とか、上履きの色とかに派生して、けれどあの学校も上履きの色、学年で違ってるんだけど、そこには目がいかなかったみたいでちょっと残念でした。梓が出てくるたびに、あずにゃーん、あずにゃーんっていうのは、もう定番って感じ。正直、コメンタリーは2倍欲しい。もっと聞いていたいと思ってしまうくらいです。

今回のスタッフコメンタリーは、7話コンテ・演出の北之原孝将さん、撮影の山本倫さん、8話背景の篠原睦雄さん、以上の三名なのですが、北之原さん、めちゃくちゃ面白い人ですね。「クリスマス!」の演出をされたわけですが、サンドイッチのところだったかなあ、唯と憂がじゃれあってるところで、めっちゃ仲いいよなあ、ふたり、とか。プレゼントを買いにいったファンシーショップ、骸骨に対して、ピンクは思い付かんかったわ、俺、とか。和が唯の家にやってきた場面、さわ子先生に襲われる澪の姿を見て和が発した台詞に、声優さんの演技がよくて、めっちゃ笑ってもうたわ、とか、こんなのりなんですね。唯の服については、でんでん虫、季節外れやけどそれが唯らしいかなとか、色もいろいろ試して、これが可愛かったなどの解説があったかと思えば、折り紙の輪っか、学校とかしょっちゅうこんなん作らされるよな、とか、味わい深すぎます。ちょっとファンになってしまいそうです。

「クリスマス!」の見どころは、綺麗で優しいさわ子先生の秘密が、軽音部外者である和にまで知られるところ。コメンタリーでも触れられていました。そして、あの破壊的なさわちゃん。でも、女性らしさを失わないようにとの配慮があって、握りつぶされたびっくり箱の人形、よく見たら指の跡が残ってる。って、おっしゃるとおり、あれはわからんです。いわれんとわかりません。

撮影においては、7話冒頭は回想なので、四隅にケラレのような光量落ちをやっているとか、回想フィルターとかおっしゃってましたっけ、それから冬の吐く息ですね。出方、消し方に工夫をするとか、そして雪。研究が進んでどんどんよくなっているそうですよ。背景については、光は窓など外から射し込む自然光を意識しているようなところがあるとか。天井から落ちる光だけでなく、斜光、逆光が多く見られる。光の回り込みを意識して、色鉛筆で表情をつけたりなどなど、これもいわれないと気付かないです。帰りのシーン、夕方の空の表情。合格発表のシーン、桜が咲くには早いのだけれど、やっぱり桜が欲しいからと描かれた桜がいい感じ。緞帳のおりたステージでは、蛍光灯の光を受けて緑かぶりしている、その緑のつけ方で怖くなったりするので結構難しいなどなど。そして、8話は演奏シーンの後半、学校の風景が次々と映し出される、あそこでは背景こそが主役であるから、だから4巻のコメンタリーには篠原さんが選ばれたのかな、なんて思ったりもしました。

8話といえば、あの着ぐるみも印象的ですが、最初に絵コンテだったっけか見せられたときは可愛いかと思ったのに、実際にはあのインパクト。あれは怖いわ、これも怖いわ。で、めっちゃ笑ったわ、という感想がきて、いや、本当に楽しいコメンタリーでした。

長くなりすぎたので、そろそろ終わりにしましょう。『うらおん!』は、ちびゆいちゃん。面白かったです。そして、8話についてもうひとこと。この回、クラス分けのシーンとかですけど、大胆に水平を傾けているような構図があって、あの絵にはひかれるものがありました。安定を崩す、けど不安定にはしない。あれはうまくやらないと危険だなあと。で、ここで可愛い娘さんがいたとか、オカルト研最高とかいいだしそうになるところをストップして、今日はこれまで。

Blu-ray Disc

DVD

CD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2009年12月号

『まんがタイムスペシャル』12月号、発売です。表紙は胡桃ちのの『ミッドナイトレストラン7to7』。大皿片手にして、そして見れば、他のイラストカットもオムライス? そしてケーキを乗せた皿、つまりは食欲の秋なのでありましょう。食べる、太る、ダイエットの流れもきちんとできあがっており、このあたりも秋の定番です。でも、実をいうと私は、食べても太らない体質だったりします。むしろ減っている。このままでは、いつかなくなってしまうのではないかと心配するほどです。

『スーパーメイドちるみさん』は、なんだかこのところ順調に演劇漫画化していますが、裏方ながらもがんばる大樹に、がんばりたいけれどがんばれる余地がないお嬢さん紅林、なかなかによい青春って感じです。さて、今回はといいますと、大樹にいいところ見せたくてがんばりたかった紅林、なんという可憐さだろう。というか、大樹ってめぐまれてるよな。真面目にいっている自分に幻滅です。紅林が出てくると、やっぱりちゆりも出てきて、当然ふたりが絡むのですが、そっけなく見せて全然そうじゃないちゆりは今回も健在。このふたり、いい関係だなあと、いつも思います。ところで、佐々木。いつになく必死で、面白かった。そうか、妹が敵なのか。

『あつむトイタウン』は、ちょっと懐しいベーゴマの話題。ベーブレイド、ええと、ベイブレードのことでしょうなあ。私はこれを遊んだ世代ではないのですが、また懐かしいものが出てきたなと、そう思ったら、なんと、今また新しくやってるんだ。おもちゃはいくらでもリバイバルするんですね。と、ベーゴマですが、実は私はベーゴマで遊んだことがありません。普通のコマならあるんですけどね。ただ、ベーゴマは高校のころ、誰に習うこともできないまま、とぼしい情報を頼りに見様見真似で練習したことがあって、そうか、あのやり方、正しかったんだ。ようやく疑問が晴れた。そのように思います。

ふたご最前線』、懐かしい人! けど、実は最初ちょっとわかりませんでした。忘れちゃうものなんです。しかたないです。しかし、はにかみ南帆、久々のように思います。そして、マセてる北斗、南帆の氷の微笑、怖ろしい子らだ。まさにアンファン・テリブル。けど、そのこしゃくなところがいいですね。

あいどく!』、驚きの最終回!! って、本当に驚いたよ。ろくでもない社長。そしてかずやの正体も明かされて、うん、実はこの展開は予想してました。けど、ここまで駄目な男だとは思っていなくて、だからきっぱりと見限る展開になっても、むしろそれでオーケーといった具合でありました。そして女の都さん。私はこの人の乙女なところ好きでした。なんか、唐突に恋愛的状況にシフトして、それでなんだか成就しそうな感触で、ちょっと駆け足なのは残念だけれど、でもこうあるべき終わり方であったのかもなって思っています。

恋愛ラボ』。ヤンが本領発揮。正直、ここまで駄目な男だと思ってなくて、だから存分に振り回されて酷い目にあえばいいんだと、むしろそれでオーケーといった具合になりました。けど、ヤンのような奴は危ういよね。こういう、自分は人よりできる、優秀なんだというプライドでもって自分を支えてるような奴は、そのプライドの根拠が損なわれると立ち直れなかったりする。そのへん、変な女マキは優秀であるけれど、駄目なところもちゃんと出してる。マキの方がバランスよかったりするんですね。そして、ヤンはというと、変な女と見下してた相手に負けるかも知れないとなって、いよいよ危ういかも。多分、いい感じに回収されて、なんか改心するでもないけど、人として成長したりするんだろうと思うんですけど、展開しようによっては、この漫画最大の落ち込みを見せるキャラクターになりそうで、ちょっとはらはらと同情しかねない状況です。

『ベツ×バラ』は、冒頭のミリミリミリ、これだけでもう面白かった。で、本編は結膜炎。2色を最大に活用できる、そんな話であったと思います。なんか今回は、たまちゃんがしっかりセンパイだったなと、そんな風に思える展開でした。

『ミニパトっ!』、思い出されない後輩の名前。これは、このまま名前が思い出されないキャラクターになるのか!? と思ったけど、そこまでじゃなかった。それよりも、春香がメールをやったことがないという、さらにはケータイ持ってないという。でも、ケータイないって、別に普通よね? いや、普通じゃないの……? そうか、持ってないと驚かれるのか。で、ケータイを仲介にして春香と奏太が接近するという流れなのでしょうか。あの、ちょっと恥じる春香は、なかなかに魅力的であったと思います。

『蝴蝶酒店奇譚』。いや、これが『まんがタイム』系列誌でよかった。もしこれが、ええっと『シグルイ』の載ってる雑誌ってなんでしたっけ? ええと、『チャンピオンRED』か。そういった系統の漫画なら、あれですんだとは思われません。マンナは本当に運がよかったです。でもって、オーナー、なんのかんのいって、面倒見のいい、いい人ですよね。

陰影香は本人が最も恐れる未来を見せるとのことですが、こうしたものが実際にあるなら、私はどんな夢を見るんだろう。そんなことを思って、私は私の深層心理の底を覗いてみたいと思っているようですよ。

『視界良好』が帰ってきました。やったあ。今、この漫画は、『ラブリー』で掲載されたりしていますが、そちらはOLになった成田。こっちは、学生時分の成田。私は、学生成田の方が好きかなって思います。いや、OLが嫌いなわけじゃないです。

本編後半では、眼鏡といえばどんなイメージ? 委員会所属眼鏡について語られて、でも眼鏡の典型は知的であるのもそうだけど、鈍臭くってできが悪くて怠けものというのも典型ですよ。私が眼鏡に開眼したのは、まだ幼稚園児だったころですが、それはその駄目な眼鏡少年があったためでした。でもって、運動神経のいい眼鏡。それはさすがに典型ではないけれど、陸上に打ち込んでる眼鏡少女というモチーフもないわけじゃない。それはそれでとてもよかったりしたから、やはり眼鏡というものは規格、典型なんてものを超越して素晴しいのだと思います。もちろん成田も素晴しいです。

『さんサンと!』。困った姉ちゃんだな。でも、渾身のボケを、ちゃんと可愛くアレンジしてしまうところ。この無駄にしないところ。いいですね。ところで、制服はヒザ丈だと可憐だねえ。げにまっことそのとおりだと思います。で、お姉さんのシスターみたいな服。子供っぽい、確かに子供っぽいかも知れないけれど、それはそれで似合ってるんだからいいじゃないか。そのようにいっておきたいと思います。

『姫ちゃんのOL日和』、おおう、みおピンスタイルときましたか。もちろん前身は『レイさんのお局日和』であります。入社11年の柴崎麗さん。先月までは彼女が主役。けど、今月からは後輩の長谷川姫が主役となって、いや、いいんだ、レイさんさえお元気なら。この主役交代は、やっぱりみんな若くて素直で可愛い女性が好きってことからなんでしょうが、ええ、そりゃもちろん私も好きです。でも、レイさん好きなんです。いや、眼鏡だからじゃないよ? 姫が主役となって、レイさんは頼れる先輩に、そして眼鏡の向こうの目、美人度がアップしてる、ってまたレイさんかよ。といった具合に、どうしても私はレイさんが気になるみたいです。だから、あの三宅くんとやらは、見どころのある青年であると思います。まあ、一種のマニアだよな。

『コトノハ』。ゲストです。極度に人付き合いが苦手な女性がヒロイン。対面が苦手、電話対応も苦手。ある種、典型的なキャラクターです。これで話が広がるならいいのかなって思っています。現時点では、いまいちなんともいえない、そんな状況。次を楽しみに待とうと思います。

『瞬け!シャイン』。もう様式美の世界だと思います。齢800歳にして、若さを失わないビクニさん。というか、そろそろ落ち着いてください。今回の白眉は、当社には同性同名が3名おりまして、だと思います。特に何もしてない山田。そういって紹介されるために、いつも同じことを聞かれてしまう。悲哀感じさせるけれど、でもこういわれると、やっぱり何かしないの? って聞いてしまいたくなるものだと思います。でもって、ゴノレフ。新たな局面を迎えて、素晴しいな。ところで、東京五輪が実現してたら、きっとゴノレフもオリンピック競技になったでしょうに。それだけがただただ残念と思っています。

『MISHIMAデパートメンズ館』。結婚したというのに、まるでなにごともなかったかのようにいつもの展開。で、最後の四コマですけど、確かに今のなんたら男子とかいうの、この漫画でおちょくり気味に取り上げられたものの中に、多々ありそうですね。で、これって確かに先見でありますが、一部界隈で発生していた前駆状況をすくいあげる、そうした嗅覚が優れていたってことなんでしょうね。あるいは、作者の所属するコミュニティと、そうした流行を仕掛けた人間の属しているコミュニティが近接していたってあたりなんだろうかななんて思ったりしています。

『ゆたんぽのとなり』。私、吉谷やしよの漫画では、これが一番好きであったりします。で、今回は外食の話。が、外食!? いや、本当に外食。で、テーブルマナーなど、定番っぽい流れを感じさせながら、この漫画固有のらしさに落ち着けるというところ、やっぱりいい漫画だって思います。ゆたんぽさんのとにかくいい人ってところ。世間知らずであるかも知れないけれど、大切なことは知っているというようなところ。そして、非常識でけれど常識的でもある兄妹、みんないい感じ。好きだなと思いながら読んでいる、ほんと、いい漫画です。

『卓上雑貨店あるにかや』。姫草かやさんのネットショップ繁盛記。売れない、それで空回り、そう思わせて、けれど今回は売れたっていう、そうしたがんばりがむくわれるような描写は、読んでいてこちらも嬉しくなってくるようです。面白かったのは、あのゴマ油のびんを花瓶にするっていう話。ああいう、ちょっとした工夫がなんでもないものをよく見せるというの、ありそうだなあって思わせて、よかったです。空き瓶が売れたらいいけど、売れないっていうのがもどかしくて、そういうところもよかったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第18巻第12号(2009年12月号)

引用

  • ゆふこ「さんサンと!」,『まんがタイムスペシャル』第18巻第12号(2009年12月号),118頁。

2009年10月21日水曜日

「けいおん!」イメージソング 真鍋和

 アニメ『けいおん!』関連CD、最後の一枚にたどりつきました。キャラクターイメージソング、真鍋和。ああ、なんだか感慨深いですね。主題歌、Cagayake!GIRLSDon’t say “lazy”からはじまって、そうか、あの2枚は4月のリリースだったんですね。半年のお付き合い。CDが出るたびに、どんな歌だろうとわくわくして、ああだこうだと感想書いて、楽しかった。そして、最後のCD。収録のタイトルは、Coolly Hotty Tension Hi!!、そして『プロローグ』。最後の最後にプロローグとくる。やっぱり、狙ってのことかな。だとしたら、このセンス、とてもいいと思います。

真鍋和。唯たち軽音部員の友人。これまでイメージソングは、キャラクターの担当楽器がモチーフになっていたわけですけれど、憂と和はそういうわけにはいきません。だから、憂はお姉ちゃん、和は眼鏡になるんじゃないかなあ、と予想してたら、憂に関しては大当たり。では和はというと、最初にいった友人としてのポジションがあって、そしてちょっとだけ眼鏡にも触れられて、だから中当たり?

和に関しては、他のキャラクターのように劇中に印象深いエピソードが少なかった、わけでもないんだけど、結構重要なポジションではあるものの、こうしてイメージソングに印象をちりばめるようなものはなかったのかな。そのためなのか、2曲ともにすごくニュートラルな感じにしあがって、そしてその未来を志向するような歌詞は伸びやかな歌唱をともに広がって、その素直さ、色付けされていないまだこれからの人であるという印象が素敵でした。真鍋和がそうなのかも知れない。けれど、彼女だけでなく、同年代の人たち、可能性を持っている誰もの心情を歌っているように思われて、そして、あるいは、真鍋和を演じ、この歌を歌っている、藤東知夏という人がそうなのかも知れない。

アニメ『けいおん!』はとうに放映を終え、あとの展開はこうした関連商品の発売スケジュールを消化していくのみ。新規の展開は、年末12月30日のライブイベント、それからBlu-ray Disc / DVD最終巻に収録される新エピソード。そうした、徐々に終わりに近づいていく、片付いていくという印象が強まる中、『プロローグ』という歌は意味深で、ああ、プロジェクトとしての『けいおん!』は確かに終わってしまうのだけれど、彼女らはこれから未来に向かって進んでいくんだって、そんなメッセージがのせられていると感じられて、なんだか涙が出そうになる。そういえば、アニメ『けいおん!』がそうだったように思います。見えない未来に対し、心配することはないよと。不安もなにも乗り越えていけるよ。だから、前に進もう。そういって、手をとって駆け出すような、そんなみずみずしさがありました。なんだか完成されたように見えた彼女らだったけれど、まだまだ発展途上、できあがってなんかいない、未来はこれから先に開かれているんだよと、あのアニメはいっていた。そうしたことを『プロローグ』は、そしてCoolly Hotty Tension Hi!!も、同様にいっているのかも知れない。この終局とも思える状況を前にして、あらためて彼女らの世界を開こうという、そんなタイトルが「けいおん!」イメージソング 真鍋和であったのかも知れません。

聴くほどに、伸びやかな歌声が心に沁みてきます。これは、これからを生きようという人への応援歌です。未来を目指し、明日を開こうとする、そうしたすべての人に向けられたメッセージソングであります。

CD

Blu-ray Disc

DVD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月20日火曜日

「けいおん!」イメージソング 平沢憂

 アニメ『けいおん!』、関連商品もいよいよラストスパートかなといった状況。明日はキャラクターイメージソング、待望の平沢憂、真鍋和の発売。ああ、こうしてCDが先にゴールして、残るは芳文社から出る『TVアニメ公式ガイドブック』、そしてBlu-ray Disc / DVDを残すのみ。でも、BD / DVDももう折り返しでしょう? こうして次々と一段落ついていく、なんか寂しいかもなって。けど、人気が出た、それこそ私の事前に予想したどころではない人気が出た、そのおかげでこうして憂や和といった、もしかしたら普通の当たりでは出なかったかも知れないCDも出たわけで、だから寂しがるだけでなく、こうして触れることができることを喜ぶほうがずっといいなって思います。

さて、正式な発売日は明日、です。平沢憂、キャラクターイメージソング。大変申し訳ないんですけど、フライングで一日はやく触れることをお許しください。

平沢憂、収録曲はLovely Sister LOVE、『Oui!愛言葉』の二曲です。憂のことだから、きっとお姉ちゃんソングでくるんだろうなあって覚悟していたのですが、Lovely Sister LOVE、想像以上のお姉ちゃんソングでした。

憂の人、可愛い声質で歌う、そのはつらつとした感じはとてもポップで、聴いてて心地いい。なんかね、きゅっと心を掴んで離さない、そんなキュートさがあって、それでさ、これですよ。

好き! 好き!! 大好き!!!
お姉ちゃん大好きっ

なんだ、この威力。もう、なんだ、ちょっとあらがえない、そんな力にあふれていて、けれど私はこのフレーズを口にすることはできません。だってよ、実姉がある身です。誤解されてはたまらない。そりゃ、姉が唯ならかわいくて ほっとけないと思いますよ、私だって。けどなあ、うちの姉はそんなんじゃない。それこそ姉のどこがいいんですか? と真顔で問い掛けたくなるようななにかだ。

話がそれました。

この歌がはじまると、なんでかわからんのだけど、アニメ3話「特訓!」の、澪ムギ律の想像にあらわれた、ゴロゴロ憂の「おねーちゃーん」を思い出してしまって、笑いそうになってくるんだけど、聴いているうちにそうしたの消え去って、あの劇中の憂の笑顔の数々がまぶたに浮かぶように思える、そんな多幸感に襲われるんですね。いや、いいよ、これ。すごいよ。歌詞がアニメ本編の印象的なシーンをうまく拾い上げているのは、これまでのイメージソングに同様なんだけれど、歌詞に呼び起こされる憂のイメージがほぼすべて同一のラインに並ぶものだから、ブレなくまっすぐ憂のキャラクターが浮かんでくるようなんですね。それで、好き! 好き!! 大好き!!! でしょう。君、どんだけお姉ちゃんのこと好きなんだ、っていいたくなってくるくらいに、お姉ちゃん大好きってのが伝わってくる。で、2番がこうですから。

好き? 好き?? ちょっと好き???
がんばる自分が好き…!?

ああ、もう、なんという可愛さだろう。いや、これ、キャラクターのイメージを浮き上がらせて、補強して、ほんとよくできてます。ちょっと、中毒性のある、そんなところもあって、あかん、気付けばくちずさんだりしそうで、危険極まりないです。

『Oui!愛言葉』は、Lovely Sister LOVEとはうってかわって、スローテンポの曲調。こっちはお姉ちゃん色もなくて、憂個人の素直で家庭的でいい子という、そうした面がクローズアップされてるのですが、あのメールのところとかね、それこそ誘ってくるのは男子でも友達でもいいんだけど、なんでか唯しか思い浮かばんのは、ちょっと私に問題がありそうです。

しかし、原作でもアニメでも、よくできた妹、天才肌という印象の強いアニメ姉を上回る妹、けど姉を超えようとはしない。そっとそばにあって支えている、けどそれは日陰とかではなくて、ふたりともに魅力をたたえて、さんさんと輝いている。そんな憂の、唯とともにある時のお姉ちゃん子としての表情と、まっすぐに前向きでほがらかな女の子としての表情と、両方ともをしっかりとらえて、描いた、そんな2曲、すごくよかった。すごく好きになれる、そんな2曲でした。

CD

Blu-ray Disc

DVD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用

  • 大森祥子『Lovely Sister LOVE』。
  • ぶらぱ「R18!」,『まんがタイムきららMAX』第6巻第12号(2009年12月号),152頁。
  • 大森祥子,同前。

2009年10月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2009年12月号

『まんがタイムきららMAX』12月号が発売されました。ああ、もう年末、年の瀬ですね。っというには、まだ少々はやいような気もしますが、さて『MAX』今号の表紙は、実に秋らしいイラストで、おいも食べてるかなと代理であります。で、裏表紙は、ここ数ヶ月お馴染みのみかでありまして、この前も後ろもはるか好み。しかし、代理は私も好きだったりするから困ります。いや、代理だけがことさらに好きなわけでもないけど。それに、本当に困ってるわけでもないんですけどさ。

さて、巻頭『かなめも』は、しょっぱなから微妙に危険なネタからスタートです。こういうのに関しては、別に伏せる必要ないですよね、個人のBlogだし。これ、押し紙ってやつですね。新聞業界の暗部というか、ノルマとして送り付けられる余分の部数がこれで、二割とかいくことあるって? もちろんただでくれるわけじゃなくて、お金取るのね、販売店から。

昔、うちに新聞が二紙届いてたことがあって、新しく契約したのかと思ったらそうではなく、ひと月だけお試しで無料で配達されてたそうです。こういうのは店の負担にはならんのかなあ、なんて漠然と思っていたんだけど、今から考えれば、そいつは押し紙の処理でもあったのかもなって。それこそ、持ってても廃棄するしかないものなんだから、無料で配っても痛くも痒くもない。それが新規契約になればラッキーっていうようなものだったのかも知れないなあ、なんて思っています。

とまあ、冒頭のあれはそういう話です。ひなたはそういう話のまずさを知ってるわけですな。最近も、新聞社が押し紙問題を扱ったフリージャーナリストを訴えて、負けてました。著作権侵害で負け、名誉毀損でも負けたんでしたっけ? まだ裁判は続くみたいですが、こういうきな臭い話があるって、知った時にはなんだろうなあって思ったもんでしたよ。

さて、さて、本編、本編。本編は、金がないのは首がないのと同じ、みたいな話でありまして、原付が欲しい、金がない、エアコンが欲しい、金がない、チラシ折込機もビニール袋に入れて閉じる機械も金がないで導入されない。しかし、280万とかすごいですね。人件費と比べてどっちが安いか、その判断ってところなんでしょうけど、機械ならではの不備がもとでクレームになるっていう話、その怖ろしさ。そんなことでクレームになるんですね。手間が嫌か、理不尽なクレームが嫌か。クレームが嫌かなあ。いや、どうだろう。いや、ちょっと判別しにくいな。やっぱりクレームが嫌か……。

以前からも、業界のもろもろが描かれたりしたことはありますが、そういう話は面白いなって思います。当事者じゃないからかも知れません。当事者なら、笑いごとではすまなかったりするのかも知れませんね。

『くすりのマジョラム』。なんてこった。意味深な扉。なんてこった。こんな魅力的なお姉さんに助けられたら、そりゃ好きになってしまってもしかたないだろう。あの、ふにゃとかなんだ、もう。で、錠くんも半レギュラー化するのかな? こうして人物が増えるほどに面白くなるかなって感じで、今、いい感じに登ってきているところだと思います。

ぼくの生徒はヴァンパイア』。カミラとブラム先生の関係、いったいどうなるんだろう、と思ったけど、一方的に先生が意識しただけで、そんなに進行したりはしないみたいです。それよりも、クローディア、先生の幼馴染みが出て、しかも先生のことが好きみたいで、もしかしたらブラム先生とクローディアが関係を持って、それを知ったカミラは吸血鬼として覚醒。ひとつの街を滅ぼし、しもべと化した先生を伴って森の深くに消えていくのでありました。

そのXデーがお祭りの日!

って、ま、これはないよね。

フィギュ☆モ』は、秋葉原巡り。はいいんだけど、私、秋葉原は一度しかいったことないから、よくわかんないよ! なんとなくはわかるけど、ルートとか、正直わからんです。これ、詳しい人なら、このルートだけで個性が読めたりするのかなあ。だとしたら、うらやましいです。休憩で、メイド喫茶かと思ったら、自販機横のベンチというのはちょっと新しかったです。昔の電気街とか、喫茶店みたいな気のきいたものなかったから、それこそ自販機休憩みたいなのは普通だったなあって思い出します。

『ヒメとトノ』。クールそうに見せているお嬢さん、意外と積極的、というかちょっと変態ちっくに……。ツンデレなのかクーデレなのか、そういうのは正直よくわからんし、そういう分類に押し込む必要もないと思うけれど、好きを表立って表現するのにためらいながらも、その気持ちを抑えきれず、ときどきに暴発気味になるっていうのは、なかなかに面白いです。むしろ素直さが目立つ御姫、彼との対比であるんでしょうね。

『はる×どり』。勉強のできるできないっていう話ですが、ヒロインはるのやればできる子っていう話。私も昔はそういわれたものでしたが、これって結局、できるというのにやらないんだから、トータルすればできないってことになるんではなくって? 自分を振り返ってそう思います。けど、はるは私と違って、油断しそうになりつつも、がんばろうという気持ちを持続させている。この心境、気持ちの動きの描かれかたは、ちょっと好みでした。

『ハッピーステッチ』、ゲストです。被服の話。私、母が洋裁やってたから、こういう裁ち物とか、ミシンとか、自然に身の回りにあったんですね。それで小学生の時分、家庭科の授業、完璧に課題を仕上げたら、親がやったと判断されたんでしょうなあ、2がつきまして、ええい、もう学校なんて信じない! 人間、ちょっとしたことで曲ります。私の場合はすでに曲ってたから、大曲りです。さてさて、指を針でついてしまった時は、裁ち鋏の柄で叩けばいいと母から習いました。そんなだから、この漫画、いいですね。私はちゃんとやってないから服とか作れないけど、作れたらいいよね。なんか、読んでいてわくわくします。

ところで、チャコペンの名前、そうだったんですね。はじめて知りました。学校の家庭科では鉛筆様のものを使いましたけど、うちで馴染んでたのは三角形のでした。で、今、調べてみたんだけど、チャコってテイラーズ・チョークのチョークがなまったものなんだって。ごめんよー、粗探しみたいなことする気じゃなかった。素直に、へーそうだったんだー、って思って、懐かしくて調べちゃったんですね。思い出すものがある。調べてみたくなる。そうした刺激が嬉しかったのです。

『ラッキーストライク!』。いいじゃないか。冒頭でいきなりリスタイについての解説があって、思いっきり真面目に熟読。あれは、手首の固定が目的なんですね。しかし、1ゲーム目では調子のよかったレン、彼女の不調になる理由もちゃんと描かれていて、こうした結構真面目なところがいい。それで、ボール2個投げとか、そういう無茶も描いてというところ、真面目ばっかりでもない、いいと思いました。で、数百万なのか。世の中、金がないのは首がないのと同じだな……。

レンはハンデ100ピンで負けましたが、私なら150ピンで負ける自信があります。にぎやかなボウリング漫画。続くと嬉しいなと思っています。よく知らない世界を知るというのは、わくわくするもの。楽しいです。

『もっかい!』。ゲストです。ちょっとラフな印象を与える絵。けど見ると手の表現とかちゃんとしてるのね。独特なタッチ、印象。内容はひょうひょうとして、あほなことを真面目にやる、そんなところ。もうちょっと見て、馴染むと、よくなったりする? 実はちょっと気にいってるみたい。あの、黒を単純に塗り潰さなかったりするところ、気になってるみたいです。

『ぽすから』。ちょっと話は変わります。昨日、関西コミティアいってきたんです。初コミティアー! そしたら、結構な熱気で、で、めちゃくちゃ面白いのね。かたっぱしから買ってしまいそうになる、そんな自分を押し止めるのが大変といった感じ。あの、雰囲気、大好き。で、出展してる友人から、あちらにはコミティアの委託がありますよって教えてもらって、そうしたら、この作者さんの本が、本が!

いやね、絵を見た瞬間に、あ、あの人だ! ってわかるっていうのは、やっぱり強いなって思うんです。『ぽすから』と、買った本『ドラゴンステーキ!』は、現代日本ものとファンタジーもの、全然違うジャンル、雰囲気もそうなんだけど、でも絵を見たら、中村哲也だとわかる。で、『ドラゴンステーキ!』は5巻6巻しかなかったんだけど、ああ、調べたらやっぱり既刊は品切れかあ。将来、まとめて一冊になったりすることを期待するしかないなあ、って思ってたら、え、なに、この人ってライアーソフトに関係してる人なんですか。うわ、本当だ。どうしよう。『腐り姫』! 知ってたけど気付いてなかった。私もまだまだです。とりあえず、ダウンロード購入してみようか、どうしようか。

『ぽすから』。本編、本編。みんなで着せ替えしましたといったような話なんですが、服装というのは、ぱっと普段の印象を変えてしまう。がっかりする時もあるかも知れないけど、こと今回のような服装、私は大好きです。で、眼鏡? 眼鏡? ええ、愛がアップしますね。

『夏色スニーカー』、出だしの雰囲気、すごく好みです。なんか典雅? 風雅? しっとりとしたもの感じさせて、けど実は私習字なんてしてたくせに、古典とか全然駄目なんです。充分に味わいきれない自分がもどかしい。そして、典雅の雰囲気は過去へとおいやられて、なんかダジャレ合戦みたいになってます。ところで、ぺぺぺという呼び方、何度読んでもなんか面白い。そうした、細部ばっかり見てしまうのはどうかと思うけど、でもこの漫画は、細部に感じる雰囲気、そいつがいいと思います。

『R18!』。ちょっと待て。なんか聞き捨てならん台詞があった。嫌いな人がいるというのはわかる。けど、全体に人気ないって、なんだ、それは。それこそ登場人物に対する眼鏡の割り合いは、古典なら『終末の過ごし方』、最近なら『だめがね』くらいでちょうどいいと思ってるほどなのに。最近の四コマ漫画では、眼鏡ヒロインを見ることがやたら増えてるものですから、ブームなんだと思い込もうとしてたのに、そっち界隈ではそうじゃないんですね。残念です。

最後の話、理想の妹を探していた友人を思い出しました。私はまだ、理想の姉を探す旅に出る予定はありません。いや、それは現実の姉で満足しているとかいう意味ではなくて。

『レンタルきゅーと』は、扉がえらいことに。なんという自虐。でも面白いなあ、こういう趣向。笑うつもりはないけれど、1巻買ったら、きっと見比べてみます。で、本編は、もしもしばりの小ネタ15連発。全体にシニカル。もしもが出るたびに、面白さはあがっていく。不謹慎であるほどに面白くって、ほんと、いい味出してるなって思います。ところで、最後にヒロインが死んでるんですが。死ぬのはポチだけかと思ったのに、思いっきりのヒロイン死亡。素晴しいなと思いました。

『でびるステイ!』。ゲストです。独特の絵柄。わりと面白くて、あの犬抱いて再登場するところとか、素直に楽しかったです。悪魔のお嬢さんと、DVDの悪霊なの? 三人での生活もの? なんか、普通の生活ものにはならなさそうな雰囲気があります。それがよい方向、ちょっと毛色の違うと思える方向にむかえばよさそうかも。独自な感じが強くなれば、よいかも。なんて思います。

超級龍虎娘』。結婚式の話なんですが、龍楼の可愛いこと。扉が可憐、ご祝儀の振り返りがキュート、式当日の正装がプリティ、ってそれはちょっとやりすぎだ。可愛すぎて、自分の範疇からはずれたぞ。で、かわりに日高さんがインです。ところで、龍楼の不断着は、やっぱり不断着で正装にはならんのですね。

変化を予感させるモノローグがあって、けれど今はまだ現状がいいという、その今の楽しさ。それは私も同じく思います。それはわいわいとした楽しさだけでなく、なにか落ち着けるような、そうしたものも合わせ持っているように感じていて、この雰囲気、すごく気にいっているんです。変わらないといけない日、変化の時は、いつかくるのかも知れません。それはわかっているのだけれど、だからこそ、今のしあわせを長く感じていたい。そう思うのは、人の情として自然なように思います。

『魔法少女☆皇れおん(仮)』、最終回です。ササ、成就! なんだかいい話で終わるのかなと思ったら、そうでもなかった。むしろ、これまでどおり。いや、これまでよりもひどい感じに暴走して、といった終わり方。この漫画の、れおんを可愛くしたいという基本をあらためて確認したといった感じです。でも、私は旧れおんの方が好きなのでした。

独特の雰囲気のある漫画だったと思っています。そして、私は、嫌いじゃなかった。ばかばかしくて、楽しかった。その気にいっていた要素を最後にまでひっぱってくれたのは、むやみにしめっぽくなるよりも、ずっとよかったかもって思っています。お疲れさまでした。

表色89X系』は、紅葉のシンデレラの絵本からひろがって、誰がシンデレラに向いてるか。ひとりひとりの場合を次々と重ねていくの、テンポがよくて楽しかったです。原話のシンデレラとか、あれって魔法使いとか出てこなかったような。弟が殺されて、木になってたような。グリム版とかペロー版とかで、いろいろ異同があるそうですね。私が読んだのは、グリム版かな。

『89X系』では、ヒロイン葵が好きな私ですが、最近は雨音が実にいい役割りを演じていて、一筋縄ではいかない娘。そして健啖。魅力的かもなって思っています。落ちでは紅葉にお鉢が戻ってきて、そしてロードショー。あったら見にいきたいな。でも、このラストの紅葉は、サブタイトルとあいまって、魅力数割増しってところだと思います。素気なく見せて、実はそうばかりでもないっていうのは、いいと思います。どちらにも足がかかってるからか? いや、どうなんでしょう。わからないけど、紅葉は魅力的なお嬢さんだというのは確かだと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第6巻第12号(2009年12月号)

2009年10月18日日曜日

『まんがタイムファミリー』2009年12月号

『まんがタイムファミリー』12月号、買ってます。ほんとなら昨日書くつもりだったんですけど、ちょっとショックなことがあって、それどころではなくなってしまいました。けど、大丈夫。一夜たって、落ち着きました。どんなに悲しくて辛いことがあっても、生きて暮らしているかぎり、変わらずやってくる日常に落ち着くようにできています。さて、『ファミリー』の表紙は、収穫? 実りの秋がテーマである模様です。葡萄をつまんでいるお嬢さん。『はちみつカフェ』のヒロイン、蜂谷まりもですが、この人はじっとしてると美人ってやつなのかも知れませんね。

『はちみつカフェ』本編では、じっとしてないのでちょっと美人ではない蜂谷さんが大活躍です。これまで蜂谷を一顧だにしなかった常連に、ぐいぐいと押し込んで、ついにコミュニケーションに漕ぎ着けた。こうやって、店の雰囲気を変えていってというのがこれからの流れなんしょう。うまくいい雰囲気にたどりつくとよいなあって、思っています。今のところはいい感じかなって思って、だからちょっと安心です。

ラディカル・ホスピタル』はハロウィンを話題にして、けれどハロウィン以外の季節のイベントもろもろ、食、旬といった定番ものから、乳がん月間といった新規かつ医療ものまで広く展開したうえで、最後にすごい落ちを持ってきて、これ、いいなあ、なんかかっこいいよ。いや、防菌のマスクと思うじゃんか。それがこれで、しかもいつにない正装っぷり。最高でした。これは笑ってしまいます。

『教師諸君!!』、やっぱりこれ危険だ。これ見てると、教師講師の口を探したくなってきます。さて、西名先生、社会科の先生ですが、この人、地理は苦手なのか。歴史の人、そして比較文化、民俗学の人なのかな? そして話題は部活へと移って、被服部、茶道部、やっぱりなんか楽しそうだなって思います。ところで、私は道を聞きやすい人みたいです。でも、以前ローマで聞かれた時は参りました。いや、どう見てもアジア人だし、どう見ても観光客だろ? 道を聞きやすい人の雰囲気は、万国共通みたいですよ。

『うのはな3姉妹』、豆腐屋の三姉妹。出戻り次女。なんかクールで、なんか横着そうなお嬢さんなんだけれど、あの結婚の日の風景、ああ、なんかしあわせそうで、ああ、女の人はやっぱりしあわせそうにしているときが、一番魅力的だなって思いました。あの、カメラを手にしたドレスのカットとかね、もう、素晴しいものがありました。でも、だらだらごろごろしてるところもちょっと好きです。

『オシャレのきほん』、久保田順子の新作、ゲストです。下着通販会社で働くお嬢さんの話。悪い感じはしません。結構、地に足ついたと感じさせる安定感があって、わかりやすく、読みやすかったです。仕事をしているっていう感じがちゃんと伝わってくる、そんなところもいいなって思いました。

『椿さん』、『ハニーtheバンドガール』の楯山ヒロコの新作ゲスト。優秀、けれどちょっとマイペース、変わりもの? の家政婦さんがヒロイン。口数少なく、けれど妙に存在感のある。そんな椿さんは面白く、一癖ある、その癖がとてもいいです。

『ひとみとコットン』。着ぐるみさんに恋するお嬢さんふたり。ひとりはいい年した花咲ひとみ、といっても19歳か。もうひとりは、みよちゃん、5歳。ふたりで着ぐるみさんをプチストーキングして、しかしこのふたりがそう変わらないってところ、5歳がませてるのか、19歳が幼なすぎるのか、このどっこいどっこいな感じはちょっと面白いです。しかし、最後に、すべてお見通しだった着ぐるみさんの正体があかされて、そうか、みよちゃんは着ぐるみさんの正体知ってるんだ。このふたりの関係、ほのぼのとしてなんかいいですね。でも、ひとみもほのぼのとしてる。罪がない感じ。あたたかな感じ。それがいいのだと思っています。

『リフォーム!』、おーはしるいの新作です。ちょっと、中山思わせるお嬢さん。笑顔が怖い。さて、赤城茜の働くリフォームの店、そこにやってきたやり手、けれどPC使えない青木穂高、このふたりの関係に焦点が当たっていくのかな。ちょっと懐かしい感じになるのか、それともまったく違った風に展開していくのか。ちょっと楽しみに読みたいと思います。

『貴子のお茶のこさいさい』、怪我をしたダーリン。あの、妻に感謝するコマ、ちょっと色っぽくていい男よね。なんか、不安みたいなのもちらほらと面白おかしく描いているけど、それでもなんか大丈夫そうに思わせてしまうのは、ふたりの間に、感情、気持ちがちゃんとつながっていると感じさせるからなんじゃないかと思って、うん、いい夫婦だと思います。

『どっきゅん♥乙女荘』。ゲストです。最初、扉を見たとき、これは駄目かも! と思ったんですが、読み進めるうちに、いや、意外といけそうと思えてきて、乃々の弟が欲しい理由の酷さと、その妹音々のなんだか切ない独白。まさかそうくるとは、思いませんでした。動きは少なく、地味と思えるけれど、せりふに感じられる微妙ながっかり感。それがいいなと思いました。

『くるっとまわって営業中』、馬渡かの子に対する主任の態度、いいかわいがりかただなって思えて、そういえば大学のころ、鼻息荒い、私は出来る! みたいな感じを全身から感じさせるお嬢さんがやってきたとき、一二回ほど挫折を経験したらよくなりそうって思ったことがありました。で、その旨、助教授にいったら、いや、もうちょっと必要かなって。ええ、馬渡かの子も、がつんがつんぶつかりながら、丸く、そしてよくなっていくんだろうと思います。けど、この人が丸くなっちゃうと、漫画終わっちゃう? 今回の落ちで、またひとつかの子は壁、現実にぶつかって、いや、いいじゃん、気付けたんだから。こういう落ち込んじゃう素直さ、それがこの人のかわいさなんだろうなって思います。

『つれづれいーの』。マフラーを編む話なんだけど、やっぱりなんというか、メルヘン調シュルレアリスティックな展開。あの、ドーナツがほどけるところとか、ちょっとそのほどけたのを食べてみたいと思わせるものがありました。ほどける時の、ホロホロッ、ていうのがらしくっていいですね。でも、洗濯表示を気にするあたり、この人の独特さ表われてて、よかったです。しかし、この漫画の味にもすっかり馴染んでしまいました。最初はついてけるかな、なんて思ったものでしたが、心配することなんてちっともなかったんですね。楽しんで読んでいます。

『まかないガール』。ヒロイン、マイとともに働くしずく。おおう、可愛いなと思ったら、次のコマでダサいといわれて、おおうショック。超可愛いじゃん、とは思ったんだけど、よく考えたら、私はちょっとダサめの女の子が好きだったのでした。この垢抜けなさ。最高だと思います。そして、面白かったのは、あ それ空き瓶!! マイの気迫、それが空振りしてのがっかり感。シンプルだけど、確かに伝わるものがあって、よかったです。マイのキャラクターもそうだけど、店長のそれも負けず劣らずだなって思って、それが面白かったんですね。

おはよ♪』、ちょっと驚いた。まさか明ちゃんの思いが雪乃さんに通じる日がくるなんて。まあ伝わっただけなんですが。ちょっと意識しはじめたのか? なんか進展する日はくるのか? いろいろ思わされて、けど、本当にこんな日がくるなんて想像もしませんでした。応援はしません! それはうまくいかないほうが自然と思うからで、けどうまくいってもそれはそれでいいなあ。なんて思ってます。

  • 『まんがタイムファミリー』第27巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 樹下次郎「まかないガール」,『まんがタイムファミリー』第27巻第12号(2009年12月号),159頁。

2009年10月17日土曜日

悲しくてやりきれない

 思い出せないくらい昔のことなんだけれど、たぶん栄養剤だったっけ? チオビタあたりかのコマーシャルで使われてたことがあって、その耳に残る切ない旋律をすっかり好きになってしまったのでした。『悲しくてやりきれない』。この歌自体はずっと以前から知っていたんだけど、それが『帰って来たヨッパライ』のザ・フォーク・クルセダーズの歌だって後で知って驚いて、それでこの歌のできた曰くを知ってまた驚いて、これ、『イムジン河』の発売禁止を受けて作られたんですってね。『ヨッパライ』は早回し、『悲しくてやりきれない』は『イムジン河』の逆再生。発表機会を握り潰されたくやしさが反映された歌なのだとか聞いたことがあります。ゆったりとして、切なくて、とても美しい歌。作詞はサトウハチロー、作曲は加藤和彦です。

加藤和彦は、フォークやってる人にはおなじみの人ですよね。フォークルの加藤和彦。あるいはサディスティック・ミカ・バンドの加藤和彦。多くの曲を作り、プロデュースし、プレイヤーとしても活躍していました。

だから、辛いんだと思うんだ。過去の人じゃなかった。今もなお輝いている、そんな風に思っていたから、辛いんだ。いったいなにがあったのか、それはわからないけれど、だからどうしてもその選択は避けられなかったのかも知れないけれど、けれど聴くほどにショックは深い。ああ、本当にそうでなければならなかったのかなって、今、私は、悲しさに胸がつぶれそうです。

『悲しくてやりきれない』は、何年か前に集中的に練習していたことがあって、まるまる覚えるほどにやったから、もしかしたらどこかで歌ったのかも知れない。その時の楽譜はもちろん残しているから、また歌ってみようと思います。

2009年10月16日金曜日

天秤は花と遊ぶ

  あああ、『天秤は花と遊ぶ』、終わっちゃいましたね。私ね、この漫画が好きだったのですよ。『まんがタイムきららフォワード』に連載されていた漫画。舞台は全寮制の女学校。綺麗な絵、綺麗な女の子がいっぱい。ヒロインはミステリアスな美少女、愁と、元気いっぱいの女の子、謡子。ただ綺麗だからひかれたわけじゃない。このふたりの間に動き揺れる感情、それがあんまりに魅力的だったから、もう目が離せなかった。誰にも心を開いていなかった愁に、ぐいぐいと詰め寄っていった謡子があって、そしてついに愁のかぶっていた猫がとれた! それからのふたりの関係には、もうどきどきさせられっぱなしだった。ほんと、好きな漫画でした。

それだけに、終わったときにはショックでしたっけ。ほんと、予測なんてまったくしなかった。なんか不穏な動きがあるかな、そんな風に思ってたら、どんと終わって、いや、ちょっと待ってよ。ああ、もうちょっと読みたかったなあ。がっかりして、ちょっと落ち込んだりもしましたけど、だって私にとって『天秤は花と遊ぶ』は、『フォワード』で一二を争う、それくらいに好きな漫画だったんです。『天秤は花と遊ぶ』が読めてしあわせだなあって、いつも思ってた。それが、ねえ。ああ、あの日私は、ちょっとだけふしあわせになったんです。

けれど、悪いばかりでもないんです。この漫画最大のギミックである、愁の吸血症。18歳になるまでに摂取した血液の、男女比率によって愁の性別が決定されるというものなのですが、最終話において愁はきちんと自分はどう思って、そしてこれからどうしたいか、結論を出しているんです。その思いはおそらく成就するだろう、そうした予感をさせる要素もちゃんと劇中に用意されていて、それだからこそ惜しい、もったいないとも思うのですが、しかし中途半端に投げ出されたというような感覚はありません。ちゃんと拾われるべき感情が拾われていたというところは、すごくよかった。苦しんでいる愁のもとに、駆け付けた謡子。そのシーンには胸を射貫かれる思いで、そしてそれからの展開には身悶えせんばかり。ええ、いいラストであったなと思う。その気持ちは確かであるのです。

いいラストであったという、それはラストに向かっての流れが丁寧に描かれていたからなのでしょうね。愁を中心とした感情の動き。素直でないながらも彼女が謡子に傾いていたことは、充分に感じとれましたし、そうした感情の動きをフォローする周辺の出来事、蓮宮のアドバイスや愛華とリコの関係、そしてほかならぬみそらの介入などなど、そうした多くの人の思惑や行動が、愁の気持ちの流れを整えて、ラストのあの感動的なシーンに向かわせていたと思えるのですね。そして、この先に起こるだろう出来事は、描かれこそはしなかったけれど、おそらく蓮宮の過去に経験したであろうこと、そして今、彼が置かれている状況を思うと、なんとなく愁もそうなるんじゃないかなって思ったりしましてね、ええ、やっぱり愁の決意が叶って、そして愁の望みが叶って欲しいなって思うわけですよ。だから、きっとそうなるのだと、信じてしまうのです。

しかし、本当にいい漫画でした。もし機会があれば、謡子の身のまわりのことや蓮宮の過去にあった出来事なんかも読んでみたい。また、みそらの気持ちの行方も気になるし、といった具合に、思いが広がってしかたないのですね。ほんと、いい漫画でした。登場人物がみな気持ちのいい、ほんとによい漫画でした。大好きでした。

  • 卯花つかさ『天秤は花と遊ぶ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 卯花つかさ『天秤は花と遊ぶ』第2巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。

2009年10月15日木曜日

ラブフェロモンNo.5

 『ラブフェロモンNo.5』の単行本が出ましたよ。実は私、ずっと興味はあったんですけど読んだことなくってですね、というのも、連載しているところが『ケータイまんがタウン』です。ええ、私、いまだに携帯電話持ってませんから、興味があっても確認さえできないっていうね、この情報化時代に取り残されているような状況にあるのです。だから、これが初読となりました。これまで、『まんがタウン』に載る宣伝、そこでの紹介は見てきて、けれどいまいちどんな漫画であるのかつかめずにいたのですが、読んでみて、ああ、こういう漫画なのか。なかなかのシチュエーション。最初は、どうだろう、どうなのかなとおっかなびっくりで読んでいたのが、途中からは、もうこれいいな、素晴しいなと、すっかり虜になってしまいました。

ヒロインは香菜。眼鏡、ショートカットのお嬢さん。この人が転校した先で出会ったのが、人気絶大の生徒会長、かをりさんなのですが、この出会いというのが実にエキセントリック。登校中に軽くぶつかってしまった、そうしたら匂いをかがれて、しかもかなり執拗に! それで、私のモノになりなさいっですからね。なんと、かをりさんは匂いフェチだったのです。普通の人にはわからない。けれどかをりにとって香菜は、とてつもなくいい匂いのするお嬢さん。と、ここから香菜に対するかをりのアタックがはじまって、それはもはやストーキングの域に達しようというほどに猛烈なものでありまして、そして香菜には周囲からの嫉妬が突き刺さる。なんか、不憫だよな。かわいそうにな、というのがこの時点での感想でした。

けれど、ふたりはこの関係にとどまることなく、さらなる先を目指すのでした。香菜に向けられる嫉妬。その急先鋒はかをりの従兄弟、流々であったのですが、かをりの流々に対する態度、それがものすごく効果的に働くのですね。かをりに振り向いてもらいたくて、香菜の匂いを研究させ、自分の匂いを変えてまでアプローチする流々だけど、その匂いが耐えられないと頑として拒否の姿勢を貫くかをり。けれど、その態度は香菜のかをりに対する不信、不安を煽ることとなってという流れ、もう素晴しいと思った。香菜の悩み。そしてかをりの答え。それは、フェティシズムからはじまった恋愛における、ひとつの模範例といっていいものであった。そのように思われて、ああ、確かに愛とはこうしたものであるかも知れません。

最初に好きになったのは声。かをりにとっては匂い、私にとっては眼鏡。けれどいつまでも愛がそうした部分に留まり続けるわけじゃないのです。きっかけは、その人をかたちづくる一部分に過ぎなかったかも知れないけれど、知るほどに深まる、それが愛情なのではないか。私の愛しい部分を持つ彼女。けれどその部分だけが愛しいのではないのです。彼女という総体があってこその部分なんですから。たまたま好きになった人がその部分を持っていたのではなくて、その部分をとっかかりに彼女という総体に触れ、愛が生まれたのです。今や総体を愛する私は、たとえあなたの愛しい部分が変質し失われることがあったとしても、その総体への愛ゆえに、決して離しはしないよと、どんな変化だって受け入れてみせるよと、そうした言葉にはちょっと感動してしまいました。

この漫画は、なんといっても匂いうんぬんを前面に押し出す、そうしたところがエキセントリックで、また今でこそ百合として認知されていますが、ヒロインが女性、ヒロインに恋するのもまた女性という、そうしたところもエキセントリックといっていいのかも知れません。ヒロインそのものといった香菜、そしてなんだかむしろヒーローっぽいかをりさん。けれど、常に香菜が守られ庇護され振り回されるわけでもない、ちょっとした逆転も描かれるところなんかはとても魅力的でたまりません。全体にはコメディといった感触。面白おかしく、軽く、楽しく読めるのだけれど、時にぐっと胸にしみる言葉、展開もあって、ああ、もう、大好きだ。ええ、これはとてもいいです。エキセントリックだなんていったけれど、むしろ描かれる感情こそは王道的であるともいえて、まっすぐに愛情を表現するふたりはなんと輝いてみえることか。ええ、奇をてらったように見えて、描かれる愛は実に丁寧。むしろ、正統派であるというのですね。

あとがきによると、これはケータイコンテンツであったからこそ実現した漫画であるそうでして、そうか、ケータイって素晴しいな。ケータイってのもいいものなんだなと思いました次第です。ケータイでは、紙媒体とはまた違った表現もなされるといいますから、機会があればそちらも読んでみたい。そんな気持ちにさせる漫画でもありました。

  • 岩崎つばさ『ラブフェロモンNo.5』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2009年。
  • 以下続刊

引用

2009年10月14日水曜日

デュープリズム

 デュープリズム』10周年です。このゲームの発売されたのは、1999年10月14日のことでした。まさに、10年前の今日のこと。というわけでもないのですが、『デュープリズム』のプレイを再開しましたよ。いやね、『ガンダム戦記』に疲れてしまいまして、あれ、アイテムとか出なさすぎ。もういやだ、くじけてしまいまして、だからちょっと『デュープリズム』やろう。PlayStation 3を買ったときに、こいつで最初に遊ぶPlayStationのゲームは『デュープリズム』と決めていたのです。それはまさに今この時を置いてほかにない。意気揚々として開始したら、それがなんと10周年の日であったというのですね。素晴しい偶然! 私と『デュープリズム』は運命の糸に繋がれているのですか!? いや、本当、まさか今日がそんな節目の日であろうとは、思いもしませんでした。

思えば、私がこれを買ったのも偶然でした。今はもうない駅前のゲームショップ、店頭に山積みで半額の値付けがされていたのが『デュープリズム』でした。雰囲気のあるイラスト。ゲーム内容はといえば、主人公ふたりで、それぞれ違ったテイストのストーリーを楽しめる。ふーん、どうしようかな。安くなってるし、はずれでもまあいいか。そう思って買ったらこれが大当たり。年末年始の休みにプレイするつもりで買って、まさかそれが今もなおプレイしたいゲームとしてリスト入りしているのですから、ほんと、出会いというのは異なもの味なものだと思います。

主人公はふたり。打撃主体のルウと、魔法攻撃も多彩なミント。シリアスなストーリー、重さを抱えながらも深刻一色にはならないルウ編の絶妙なバランスは、今プレイしてもなお涙と笑いに心がほぐれる思いがするし、ミント編はというと、テンポよく、小気味よく進む話に、ミントの啖呵が効いて、楽しいは、面白いは、癖になるはで、ああ、ルウ編を終えてミント編に進むのが楽しみだ。そんな思いに、今からなんだかわくわくするものを感じています。いや、もうほんと、すごい落差があって、ルウ編はほんと、涙が止まらないほどに引き込まれてしまうものがあるんですけど、その後にミント編のあのノリでしたから、呆気にとられて、ほんとにこれ、同じ世界観のストーリーなのかと思ったほど。でも、プレイしてみればわかるんですが、ルウ編もミント編も、どちらもちゃんと『デュープリズム』なんですね。むしろ、このふたつの違ったテイストが、喧嘩せず、調和するところに、『デュープリズム』というゲームのらしさ。よさ。魅力があるのだと思っています。

PlayStation 2ではじめてプレイしたPlayStationのゲームは『デュープリズム』でした。ポリゴンの補完でしたっけ、それを試してみて、テクスチャの表現がちょっと違っちゃったので、残念に思いながらオフにしたものでした。そして、PlayStation 3では、アップコンバートが使えます。もしかしたら、ポリゴンが木目細かくなる? と期待したのだけれど、そういうものではないということがわかりました。ちょっとがっかり。というか、やっぱり昔のゲームなんだなあ、というのをこれでもかと思い知らされることとなって、なんせPlayStation 3用ゲームからPlayStation時代に逆戻りでしょう。ちょっとギャップがすごかったですね。スムージングも、ちょっとにじんだみたいになる? ブラウン管時代のテレビは、今のテレビと違ってちょっとにじんで表示されるものだから、そうした効果をエミュレートするものなのかな。いや、今、軽く調べてみたら、2D表示にこそ効果大なのかな? ということは、『デュープリズム』後は『Lの季節 -A piece of memories-』か? いや、そのへんはこれから考えます。というか、『Lの季節2 -invisible memories-』、まだクリアしきってない。って、このへんも今日は関係ないですね。先に進みましょう。

久しぶりにプレイして、ああ、やっぱり古いゲームなんだなあと、その見た目にがっかりとした。そんな話でしたけど、でもプレイしはじめると気にならなくなるんですね。引き込まれてしまって、そりゃ画質はいいにこしたことないですよ。けれど、ゲームのよさを決定するのは画質ではないのだと思い知った。今でもなお、このゲームの魅力は生きているんだと、色褪せないものがあるのだと知って、嬉しくなったのでした。久しぶりの『デュープリズム』。細かいところは忘れていて、昔つまったところは今もまたつまるし、昔感動したところは今もまた感動する。ああ、変わらないなあって思いながらプレイして、ああ、私はあとどれくらい、これほどに愛せるゲームに巡り会えるだろうって思って、なんか胸が熱くなりました。

『デュープリズム』。素晴しいゲームです。これに出会えたこと、そのことに感謝したくなる、それほどに好きなゲームであります。

CD

2009年10月13日火曜日

『まんがタイムラブリー』2009年11月号

『まんがタイムラブリー』、11月号が発売です。『まんがホーム』に続き、『ラブリー』でもハロウィンが表紙を飾って、今はもう普通にみなハロウィンを年中行事としてとりおこなったりするんでしょうか。イベント好きな若い人だとか、子供がいるお家なら、ハロウィンも身近だったりするんでしょうね。どうも私のまわりでは、ハロウィンを意識させるようなものっていうのは見当たらなくって、だからこうした漫画でその雰囲気を感じるのが毎年のならいになっています。

うさぎのーと』、秋の写生大会だそうですよ。私は実は苦手でした。うさぎ先生よりかはましだと信じたい。けど、ハニーには負けそう。まあ、写生大会とかあると、授業つぶれるのはよかったなあ。なんて消極的なこといってます。さて、漫画の本編ですが、うさぎ先生はえらい子供じみたところが強調されて、腹ばいとか、うわっ汚れてるとか。でもって極めつけはいえっはー。この人、野に放つと手がつけられないな。でもそうした天真爛漫な暴走が楽しくてよいんですね。でも、私は見習うのは遠慮しておこうと思います。いや、なんとなく。楽しそうでいいんですけれども。

『だんつま』、ひなよさんの旦那が大変なことになっています。家事があまりに好きすぎて、それも手間のかかればかかるほどいいという、ちょっとした中毒状態。凝り性なんだ。でも、ちょっと気持ちはわかります。毎日のことでここまで凝れるのは、正直ちょっとした才能だと思うけど、趣味でやっていることっていうのは、どこか際限のないところってありますから。でも、こういう人がうちにいてくれると、きっと私は堕落してしまうと思います。そうか、ひなよさんは堕落した奥さんなんだ。いや、でもほがらかでのびやかなところ、その明るさが堕落なんてことを思わせませんね。

『ただいま独身中』は、メインヒロインの脇をかためるニューヒロイン登場? 営業2課の課長さん。東有希子。この人は結婚しない人? そして20代女子佐藤操。おお、黒髪ショート、これはなんかすごくいいかもって色めき立ったら、なんとそういう趣旨の人。いや、私は大丈夫だよ、ってなにいってんでしょうね、馬鹿みたい。本編のテーマはボーナスからお金の使い道に流れて、欲しいものリスト、ああ確かに欲しいもの数え上げるとぞろぞろといくらでも出てきますが、はたしてそれは本当に欲しいのかっていわれると、ううむと立ち止まることもしばしば。本当に? と聞かれると、本当に! と答えられるものっていうのは、意外に少ない、あるいはほとんどのものはいらないのかも知れません。欲しいものがないっていうのは、幸福なんだと思います。いまある自分で充足できる。それは、やはりしあわせなんだと思います。

『ごめんね、委員長!』、連載になりました。すごく妥当だと思います。今回も甘言に篭絡される委員長。しっかりしているようで、そうでないっぽいところ。可愛いなあとは思うのだけど、やっぱり酷い目に……。基本はこれ、っていうのが見えてきて、委員長まきこみながら、恵理咲と、優里早都ペアが対決する。で、審判はぱん子さん。今回はボールふたつのバスケットボール。背中に背負った委員長でボール運搬するのは、重りで差し引き、トラベリングにはならんのか。でも、圧倒的に有利だよなこれ、と思ったら、委員長はお荷物だから、そうそう有利というわけではないのか。さすがはぱん子さんだ。

のりのいい、いい漫画だと思います。軽く読める、キャラクターも可愛い。続いて、それで面白さが持続するかどうかですが、今の感触ならいけそうだなって思って、だから連載になったこと、すごく喜んでいます。

『縁側ごはん』はおでん。おあずけくらってる姉。そして、姉の支配者的状況が回想から読み取れる。で、ちくわぶなんですが、関東では普通なのですか? 私は、ちくわぶっていうのは話に聞くだけで、見たこともないんじゃないかな? いや、姉にとられてた過去はないですよ? こうした地域差みたいなのもあるから、食べ物ってのは面白いなと思います。

『視界良好』は、風邪の話。でも、眼鏡は氷嚢のかわりにならんなあ。で、成田さん、可愛いと思います。さて、実は私は眼鏡でマスクで通勤しているのですが、いや、喉が弱いので。で、この格好でコンビニも銀行も利用しますが、意外と平気なもんですよ? ただ、眼鏡がくもるのは実際です。冬とかね、帰り道、坂を登ると息があがるでしょう。すると眼鏡がくもって前が見えなくなる。いつか事故になるのではないかと、ひやひやします。

『できる女には秘密がある』。綺麗な人だと思います。ところで思うのですが、こういうだらしのない人は、レンタルDVDとか利用しない方がいいと思います。というわけで、私はレンタルビデオやレンタルCD、利用したことがありません。この漫画は、外面のいい姉と弟、それから弟と弟を好きな二菜、このふたつの関係を軸にしていくんでしょうか。よくできた弟。二菜さんに関してはなんだか応援したい。そしてこの姉さんは、自宅での綺麗じゃない格好、このスタイルもまた可愛くていいと思います。でも、やっぱりレンタルとかは利用しないほうがいいと思うんだ。人には向き不向きというものがあります。

『アイムホームあかり』。この漫画は、温水さんのからまわりを楽しむ漫画であるみたいですね。きっとがんばるにしても、がんばる方向が違う。でも、それでも大家さんはにこやかに答えてくれる。漫画読んでる限りでは、あんまり成就しそうにない関係だけど、そうしたいきつかない小恋愛的状況は、罪がない感じでなんだかいいと思います。

先生はお兄ちゃん。』。まゆ、恋の目覚め。えらいこと可愛いな。見た目は天使に似て、中身はそっけない。そんなまゆが、自覚しない恋に戸惑いを見せて、そして友人Aがさびしさ感じたりして、ああ、兄貴には決して知られるな。この友人の反応。なんか、じんとしますね。決して遠ざかったりはしない。今も側にいるというのに、特別だった自分の場所が、少し違ってしまう。それで感じるさびしさ、せつなさ。ああ、これも青春、なんだと思います。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第11号(2009年11月号)

2009年10月12日月曜日

機動戦士ガンダム戦記

 PlayStation 3の『機動戦士ガンダム戦記』。この連休、ちょいと集中的に進めてみました。とりあえずシナリオはクリアしているので、ネタばれ気にせずいろいろ調べて、効率的に進めるにはどうしたらいいかなど、準備万端で臨んだのですが、いや、これ、効率がいい稼ぎ場所があるといっても、結局は同じところで戦い続けないといけなくってですね、もうそろそろ悟りが開けるんじゃないかというくらいに同じこと繰り返して、疲れました。でも、ガンダム入手したよ! それからゲルググも! で、なんだかもういいかなって気がしてきたような気もするんだ。

物資の購入価格が倍という、傭兵モードでやってるのが悪いのかなあ。ガンダムのサーベルが入手できるミッションを一日やり続けて、取っては売り、取っては売りの繰り返し。それでガンダム入手したら、感動的に楽になりまして、けどビーム飛び交う終盤ミッションはようクリアできませんでした。僚機が弱いままだからだなと思い、また一日中サーベル取っては売りの繰り返しして、ゲルググ入手して高機動型に改修、それからRX-81AS アサルトアーマーも購入して、しかし武装まで揃えるとえらい高いなこいつ。RX-81ASは格闘メインで、攻撃のモーションが独特なこともあって自分で使う分には面白いんだけど、あんまり戦力としては期待しにくい感じ。ということは、また別のを用意した方がよさそうか。うう、正直辛いな。モビルスーツ全機揃えようと思ったら、いったいどれくらいかかるのだろう。レベル200なんていけるんだろうかと思ってたけど、モビルスーツ,アイテムコンプリートを思えばそんなの楽勝ですよ。だって、もう130近くまで上がってるもんな。それよりも、オンラインに繋いで難易度HELLでクリアしないと入手できないアイテムがあって、その中に改修キットが含まれてるっていう状況だから、コンプリートは無理なんじゃないかと諦めてかかっています。

まあ、ぼちぼち続けますけどさ。とりあえずは、DLC、追加のダウンロード機体が鬼のように強いことを祈りたい。それなら、HELLでもなんとか戦えるでしょうしさ。

文句ばっかりいってるみたいですが、それでもむきになるというか、妙な中毒性があるのは確かなんです。ただただプレイして、同じこと繰り返すばかりなのに、とりあえずは嫌になったり、飽きたりはしていません。ちょっと疲れてるだけ。それに、今はもうポイント稼ぎや攻略は諦めて、初期のミッション、ノーマルからアイテムを拾っていこうとしてるところで、しかし、出ないときは全然出ないのね。PLAYSTATION(R)3「機動戦士ガンダム戦記」公式ブログ「オンラインプレイとは、こういうことだ!」(番外編)によれば、アイテム取得条件は「既定ポイント」と「確率」らしいので、全然出ないというのは、入手ポイントが少ないからというのもあるのかも知れません。けど、基本的に私は全滅させないと気がすまないものだから、ポイントが少ないというのは考えにくいようにも思うんだけどなあ。などといっても、出ないものは出ないんだからしかたがない。まあ、ぼちぼち、細々と続けます。オンラインでの協力プレイもまだやったことないので、アイテム入手目的で、いつかはやってみようかなって思っています。

とまあ、今はこんな感じですけど、もし疲れが限界を超えたときには、せっかくのPlayStation 3ですから、『デュープリズム』を高画質で遊んで、リフレッシュをはかりたいと思います。正直、かなり楽しみにしてたりしましてね、ええ、『デュープリズム』大好きなんです。何度クリアしても飽きません。『ガンダム戦記』もこんな風に長く楽しめればいいなって思ってるんですが、とりあえずコンプリートまでが長いのが困りもの。このへん、もうちょっと楽にいけるようにして欲しかったなって思います。

2009年10月11日日曜日

いもうとデイズ

 私は、篠房六郎のために『アフタヌーン』を買っています。それはつまりいいかえれば、『百舌谷さん逆上する』が終われば、購読をとりやめるということにほかならないのですが、けれど『百舌谷さん』しか読まないということもまたないわけで、ええ、全部読んでるわけじゃないけど、気にいって読んでる漫画も結構あるんですね。たとえばそれは『友達100人できるかな』で、そして今日とりあげる漫画『いもうとデイズ』であります。今、気にいってる漫画といったらこのふたつが双璧かなあ、なんて思います。

『いもうとデイズ』は、ホストやってる兄さんが、当然できた妹と同居するという話です。妹は、父親の再婚相手の連れ子。しかもフィリピン人ときたものだ。なかば押し付けられるように託された妹。全然乗り気でなかったのに、それでも無下にできない、そんな兄さんの人のよさがなんだかいいんです。複雑な家庭事情から、ちょっと荒んでしまっていた兄さんですが、妹ディアナと暮らすようになって、だんだんとやわらいでいく。面倒見よく、自分も仕事たいへんなのに、睡眠時間削ってディアナの勉強みてあげたりする。

最初、この漫画がはじまった当初は、可愛い外国人の妹ができました。ほら、可愛いでしょ? というような漫画かと思っていたのに、この勉強のエピソード、学校で孤立しかねないディアナの境遇につらいななんて思っていたら、それを兄さんが少しでもなんとかうまくいうように支えてくれてるように感じられたものだから、もうなんだかじんときちゃってさ、いい漫画だなって思ったんです。

兄さんのホストとしての生活や、それからディアナを取り巻く環境もろもろ、全体にやさしげで、苛烈な現実の厳しさというようなものは克明には描かれないけれど、現実の重さに疲れてしまっているような人には、逆にそうした甘さが嬉しいかも知れません。ホストの兄さんは、ディアナがきたのをきっかけとして、これまで避けてきた近所付き合いをするようになって、交友範囲を広げていったかと思えば、ディアナのクラスメイトの女の子にちょっと惚れられてしまったりとか、そういったところ、ちょっと面白い。実際、この人、不安定な仕事で、しかも成績もそんなによくないときているけれど、人のいいところとか、やさしいところとか、家庭人としてはむしろ当たりだよなって思うんですね。そうした、完全でないところ。けれど、それでもまわりから受け入れられていくところ。いいなって思いながら読んでいます。

ところで、単行本のおまけ漫画。ディアナの想像がちょっとブラックで、いや、この娘のことだからきっと悪気なんてまったくないと思うんだけど、それだけになおさらブラックで、面白かったです。本編ではちょっと見られないかも知れないディアナ、なんだかよりいっそう好きになってしまったのでした。

  • 田中ユキ『いもうとデイズ』第1巻 (アフタヌーンKC) 東京:講談社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2009年11月号

『まんがタイムきらら』11月号、後半です。さて、昨日、前半でツェラーの公式について言及していましたけれど、あの計算、実は自分ではやっていなかったりします。Pythonというプログラミング言語を使って、計算してくれるスクリプトを書いてたんですね。だから、1999年11月11日だとか、2020年1月1日だとかの計算は、それこそ一瞬で片付いていたりしたのでした。今日はそのスクリプトをJavaScriptで書き直してみまして、そしてブラウザ上で計算できるような仕組みも作ってみました。この文章の最後にのせておきますので、是非計算してみてください。

『まいにちアップデート』、ゲストです。これもまた女学生の日常を描いたものであります。いろいろ残念な志信がヒロイン。そして彼女の友人、学年トップの砂絵に、金髪眼鏡オタクのノエリア。おお、これはちょっといいかも。いや、眼鏡だからそういうんじゃない。金髪だからというのも違うよ? この日本語ぺらぺらの外国人ノエリア、彼女の日本に対する知識は漫画で覚えたというのですね。憧れの国、日本。そのいろいろ間違った日本像、現実と漫画とのギャップがちょいちょい取り上げられたりしたら面白いのかもと思ったのでした。そして志信がなんだかマニア向けの世界に足を踏み入れたみたいな展開があって、だからこれは志信のオタク世界に踏み込んでいく、そんな漫画であるのかも知れません。

といったところで、ちょっと期待したいところです。実は絵もちょっと好みだったりします。

『ちりめら』、ああ、やっぱり好きかも。バーン! って、なんだ、先生、可愛いなあ。演劇部の漫画だけど、むしろ演劇以前の状況で遊んじゃってるといったような、そんなところが結構気に入ってましてね、キャラクターの可愛さが大きいのかなあ。稚気溢れる先生、このでたらめな大人、ものすごく嬉しそうに生徒にからんでいく、その表情がたまりません。で、テンション高めの先生に、ちょっとクールな生徒。そういたギャップがいいのかなって思ってるんです。ええ、これはいい感じです。

『境界線上のリンボ』、先生の師匠が登場です。なんか、ふたり、仲が悪い? そう思わせて、そんなこともないところ。そしてフゥと師匠さんが親しくなって、うん、いい雰囲気、ちょっとこういうの好きです。さて、今回はこの漫画における魔法のポジション、それから魔導というものについて、少しはっきりとして、そうかなるほどと思った。こういうのがわかっていくっていうのも、やっぱりいいですね。

『ハッピーホームベーカリー』、ゲストです。パン屋さんの話。家業を継ぎたいアキラと、フランス帰りのユエ。ふたりのパン屋での暮らし、修行や店の手伝いといった、そうしたことを通して描かれる関係が見どころであるようですよ。ユエは、アキラの母、マシバの名前を呼び捨てにしていますが、ということは母の友人なのかな? こうしたところもじきにわかっていくのだろうと思います。

二丁目路地裏探偵奇譚』は、温泉回。最初、アリスがアリスと気付かなくて、なんでかショコラの姉と思ってました。考えたら、アリスが出てこないわけないですよね。でもって、武者の鎧が、どこかで見たような、有り体にいうとガンダムなんですが、こいつがお化け鎧かと思わせて実は、というところ。お決まりの展開、期待にこたえましたといったところ、実にいい展開です。で、アリスはお化けが嫌い、ガーネットはかっこいいのが好き。このへんの反応の違い、面白かったです。

『リコバド』、ゲストです。バドミントン部の話。中学生なのか高校生なのか、必殺技を編み出そうとがんばる、そんなヒロイン、リコの行動はどう見てもあほな男子だなあ。で、あほな男子をおさえて厳しさに徹するキャプテンがあって、このへんは結構ちゃんとした部活ものって感じです。部員のやる気を引き出すためにDVD、レベルの高い試合を見せるというのとか、なんからしくっていいなと、実際こういうの見るとやる気出ますものね。

メロ3』は文化祭であります。クラスでやった占いの館。スズメの才能が如何なく発揮される話、というか、これはなかなかにうまい展開。最後まで仕掛けに気付きませんでした。本当にそういう水晶玉なのかと……。いつもおっとりふわふわのスズメが魔女の装束身につけたらば、なかなかに魅力的、ミステリアスでいい感じ。で、いつもの不良がひどい目にあわされるという、それもまたいい感じ。っていうか、やつら、実は意外といいやつなんじゃ? こんな感じに、悪いばかりじゃない、実は、っていうところが見えてくるのは、すごくいい感じです。で、わかったところを前提にして話が進んでいく。前半のスズメに対する木ノ子の対応とかですね。そうしたところも面白くて、とてもよかったです。

『ねこきっさ』は店内改装する前に、お客さん含めた皆で落書きして遊びましょうという、そういう企画は現実にあっても楽しそうかもなって、いやとんでもないこと書くやつ出そうだからむずかしいかも知れませんけど、だから漫画ならではなのかなあ。強烈な御札あり、ちょっとした誤解あり、提示された状況の中で面白い展開をして、笑わせてくれる。そうしたところ、やっぱりいいなと思います。

ダブルナイト』は、おおう、変態執事の登場だ。いや、この人、本当に酷いな。酷ければ酷いほどに面白い。ほんと、変態執事というのはいいものだと思います。お仕えするお嬢様に対して敬意があるんだかないんだかわからんところとか、ひょうひょうとしてね、いうこと聞くんだか聞かないんだか。面白かったです。

まーぶるインスパイア』は、メインの三人がPCを見にいくのですが、なんとついにるくはが買い食いしませんでした。なんてこった。これはPC購入資金を食い潰す漫画ではなかったのか。で、だんだんに前面に出てきたもうひとつのグループ、三人組。彼女らもショップにやってきて、これはやっぱり彼女らもネトゲに参加してくるのか。それで、メイン三人と関係していくのか。これはちょっと面白そうだなあ。でも、そこまで辿りくまで、すごく時間かかるんだろうなあ。とりあえず次号は、お泊まりであるようです。ネトゲ? それとも想像もつかない展開? 楽しみです。

『からめるマフィン』、最終回です。『からめるマフィン』は私にとっては惜しい漫画であったのかも知れません。休載期間があって、その間にいろいろ忘れてしまって、復帰後、リハビリ気分で読んでいたのですが、以前どんな風に読んでいたのか、なにを感じていたのか、取り戻すことができなかったのです。そして最終回。最終回についても、どう思ったものかわからなくて、こうして関われなかったということがただただ惜しいと思っています。タイトルとかはしっかり覚えていたんですけど、それだけではやっぱり足りないのですね。

『脳内彼女のいる生活』、ゲストです。なんだか久しぶり。妄想の彼女を具現化させている男の話なんですが、これがすごいナンセンスで面白いんです。今回は、脳内彼女、霞子のモデルとなった女性の話であったんですが、おいおい、ちょっと、真面目に話聞いちゃったよ。なんだ、この徒労感というか、もう、ちきしょー、がっかりだよ。このやるせなさが面白さであるのですが、今回はそれが二段に用意されていて、初段は予測したんだけどなあ。すっかりやられました。しかし、主人公の姉。この人、いいな。実に姉らしいキャラクター。ちょっと尊大、実に素敵。OL? 本当にいい感じです。

『日本ちゃん』。まさか続くとは思わなかった……。意外と好評とかいってますけど、まあ、実際そうなんだろうなあ。私もアンケートに、すっかり騙された、けど面白かったとか書いたおぼえあるものなあ。本当のタイトルは『かたつむりちゃん』です。この悪ふざけなんだかよくわからん漫画、この本編のノリがあるから、ニセタイトルなんかも楽しんで受け入れてしまうんだろうな。次回、もし目次に『日本ちゃん』が載ったりしたら、それはそれで快挙だと思う。そうした悪ふざけは大歓迎です。

My Private D☆V。『空の下屋根の中』の作者、双見酔なんですが、水没するセーラー服女子。ええ? いや、これはなんともわからんなあ。いや、でも、なんだかひきつけられる、そんな魅力はあります。自分がどこに魅力を感じたか、それを追求していったら、見えてくるものもあるのかも知れませんね。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号)

引用

  • くるくまつづら「ちりめら」,『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号),117頁。

おまけ:ツェラーの公式をJavaScriptで計算できるようにしてみました

計算結果

2009年10月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2009年11月号

『まんがタイムきらら』11月号が発売です。表紙は『けいおん!』。ガラス? の向こうから指でけいおん! と書いている。そんな雰囲気、構図がちょっと新鮮で、なんだか楽しそうな梓もよければ、ちょこんと座って見ている唯も可愛くて、でもこうして一枚絵ながめてみると、やっぱりアニメとは違うなってあらためて思わされます。私はアニメも好きだけど、やっぱり漫画も好きだなと思う。アニメに比べて漫画の絵は、ちょっとしっとりとして落ち着いている、そんな感じがして好きなんですね。

けいおん!』、公式ガイドブックが出るそうですぜ。って、考えれば当然のようにも思うのだけど、なんで出ないと思い込んでたんだろう。とりあえず、買うことは決定。でも、ちょっと物入り、どこかで緊縮しないといけませんね。

漫画本編はといいますと、ちょっと部活を離れてクラス行事が取り上げられて、そうか、演劇やるんだ。部活離れての話といえば修学旅行とかあったけど、こうした普段の軽音部から離れての彼女らの様子が見られるのはなんだか面白いなって思えて、特に今回は、和やさわ子先生、そしてクラスの子もちょっと関わってきそう、そんな広がり感じさせるところがいいなって思います。しかし、こうしてクラスでのできごと描いて、部活も描いてってすると、物語内時間を遅らせるとかしないことには大変じゃないのかな。今は2誌連載だから大丈夫? いずれにしても、きっちりしっかりちゃんと思う存分描ききってもらえると嬉しいなと思います。

で、ラストの梓。クラス行事、学年行事となると、どうしてもあぶれちゃうんですよね。なんかちょっと可愛そうになってきた……。寂しいなら、コンビを組んで、ブルースしようぜ。おいらのギターで、あんたが唄えよ……。

ゆゆ式』は、おお久しぶりに部活だ。テーマは曜日。そう、サターンは農耕の神さまです。その名前からサタンとよく勘違いされて、ひどい扱いうけたりするサターンです。で、ツェラーの公式ですが、これは始めて知りました。曜日の取得はいつも日付オブジェクトまかせだもんなあ。でも、この公式、KとかJとかがなになのかわからないですね。mはmonth? でもそれじゃKとかJがわかんない。まさかツェラーだからドイツ語由来でJahrとかじゃあるまいな。

ちょっと知らべてみました。Jは西暦の上二桁。Kは下二桁、月がm、日がqだそうです。で、1月と2月は前年の13月14月と扱うの? ややこしいな。ええと、今日は2009年10月9日だから、計算してみると6だから金曜日。1999年11月11日は5だから木曜日。2020年1月1日は4だから水曜日。カレンダーで確認すると、よかったあってました。しかしこういう公式もあるんですね。ちょっと知識が増えました。なんだか、嬉しいです。

『相沢家のえとせとら』、2年間休載してた? タイトルとかはちゃんと覚えてるんだけど、なんか人間関係がどうだったかとか、すっかり忘れてしまっています。ちょっとリハビリっぽく思い出していかないといけないなと思ってます。まあ、こうしたキャラクター把握における問題は常につきまとうものですから、よくわからなくても、よくわからないなりに読んで、面白かったから大丈夫そうな気もします。

三者三葉』。竹園の坊ちゃん、えらい久しぶり。葉子様を前に頑張ってるところは、なんかほほえましい。で、竹園の坊ちゃんが出るってことは山Gも桜も出るってことで、でも今回はこのあたりの活躍は少なかったように思います。まあ、山Gはいつもどおりって感じではありますが。ちょっと以前風のやりとりが、なんだか懐かしく思えました。こういう感じでしたよね。

『涼宿チェックイン!』、ゲスト、旅館の話です。家族経営、ではなさそうですね。小さな宿? 詳しくはわかりませんが、リアリティ感じさせるホテルものという感じではなく、そこで働くお嬢さんたちの関係、仲良さを見て楽しむといったタイプの漫画であります。

こどもすまいる!』、保育園でのおやつ、遊戯、お昼寝、基本的なところを押さえてるなって思っていたら、次号で最終回なんだそうです。今回みたいなスタンダードな話の展開させかた、こういうの好きだったなってあらためて思います。そうかあ、終わっちゃうのか。うん、そのときは、おつかれさまです、この言葉でねぎらいたい。そう思える漫画です。

『天狗ちゃんとあととり娘』、ゲストです。神社の娘蛍がヒロイン。で、天狗がちっちゃい美少女。天狗といって思い浮かぶイメージとはまったく違う、とてつもなくいい子、そんな天狗の娘、氏神さま、ひよと、結構粗雑な蛍と、そして真面目そうな若葉。この三人で、わいわいとやる。引っ込み思案なひよをひっぱって、いろいろやろうよと、そんな雰囲気は結構よかったなって思います。

『PONG PONG PONG!』は、扉のたぬきがえらい可愛いじゃないか。やっぱり、この娘はこの娘で美少女なんだなって思わせてくれて、けれど本編はじまったら、そうした面影は消失する。それがいいんですよ。それがいいんです。

しかし、今回でひとつ状況に一区切りついて、これまでたぬきをめぐっての部内のどたばたがメインだったけれど、これからは外に打って出るというのですね。ちょっと楽しみだわ。祐太のイメージアップははかれるのか。そしてたぬきの成長は!? って思うんだけど、きっとあんまりうまくいかなかったり、下手な手で右往左往させられたりするんだろうな。すごく楽しみです。

で、今回ですが、祐太が素直になって、痒いとかいわれてますが、いや、彼、いいじゃないか。ちょっと勘違い気味の夢見がち。そんな彼が自己啓発セミナーまがいの吊るし上げ、まあ終わりの会状態ですよね、ずたずたに傷ついて、でもただ傷ついてるだけじゃなくて、気付いたところからなおそうとする、そうしたところ、とてもいいじゃないかと思ったんです。で、たぬき、リコの一生懸命に励ましてくれるところがいい。リコが落ち込めば今度は祐太が励まして、そしてあたたかく見守ってくれている真由、すごくいいと思います。実際、真由はすごくいい子だと思う。先輩はあれだけど、まあこの人はこうでないといかん。いいキャラクターが揃ってるなあと思うんですね。

単行本が出ます。どーんと売れてくれよって思います。だって、めちゃくちゃ面白いんだもの。今、楽しみにしている漫画。『PONG PONG PONG!』は、間違いなくそうした漫画に数えられるものになっているんですね。

といったところで、前半終わり。続く!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第11号(2009年11月号)

2009年10月8日木曜日

みそララ

 やっぱり『みそララ』、面白いです。デザイン会社で働く女性を主役にすえて、仕事をするってことをしっかり描いた四コマなんですが、ライターの麦田美苑、デザイナーの米原梨絵、そして営業の粟屋真琴。まだ一人前とはいえない、そんな三人だけど、仕事を通して少しずつ成長していくっていうところがですね、読んでいてなんだかたまらなくなってくるんです。別に感動を押し出したりするところなんてないのに、ギャグやおかしみ、くすぐりなんぞを交えつつ、仕事に取り組む姿、試行錯誤する様子を描く、そんな漫画だというのに、なんでか読んでると涙が出てくる。ああ、『みそララ』面白いなあって、涙ながらに思うんですね。しかし、なんで私はこの漫画で泣いてしまうんでしょう。

第3巻にはいって、なおも強くなる三人の結束? 最初はばらばら、それどころか険悪とさえ感じさせるところさえあった彼女らなのに、お互いの距離を段々に縮めてきて、そして今やもうすっかり仲間。チーム穀物、三人それぞれが影響与えあいながら、発想していくところなんていうのは、本当にいいチームじゃないかって思えてきて、そう、泣けてくるわけですよ。ああ、仕事というのは辛いばかりではない。仕事のなかに人生の楽しみが見出されることもまたあるのだと、彼女ら見てるとそう思う。それで、いいなあって。ほんと、私は自分の人生を生きていないなって、そんなこと思うほどに、彼女らはきらきらと輝いている。いいなあって、自分もこうありたいなあって、思って、うん、がんばろう。そんな気にもなるんです。

第3巻、表紙をはげば米原梨絵の独壇場。バーベキュー回の後日談。というか、翌日談か。酒飲んで、飲まれて、絡んで、そして後悔が押し寄せている様がさらりと軽く描かれているのですが、いや、しかし、なんという素敵さなんだろう。胸がないことを恥じる女性は超キュート、超破壊力だって、兄様が……。いや、別に大人の女性でも、胸が薄いことに引け目を感じることってないと思うんだけどなあ。スレンダーな女性が好きっていう人は少なからずいると思うんだけどな。などといっている私は、やっぱり米原梨絵が大好きです。ダブルエースでもいいじゃないか。撃墜王みたいで素敵よ?

『みそララ』の舞台は、東海地方です。岐阜がモデルになってるみたいですね。近隣の大都市としては名古屋があげられる。そんな土地柄ですから、食文化は味噌メインであるようでして、それはタイトルが『みそララ』だから、ってのは関係ないと思うんですけど、3巻の頭から味噌カツとか出てきて、わお、食べたことないけど美味しいらしいですね。ちょっと味が濃い目なんじゃないかって、薄味好きの私としてはちょっと心配しますが、このへんの話読むと、なんだか名古屋にいって、味噌カツ食べてみたくなります。以前ちょっと別の漫画で名古屋ブームが(個人的に)きたりしていましたが、『みそララ』でまたもや名古屋リバイバルといった感じです。こうした地方都市の魅力をちょっと感じさせたりするところ、わずかに垣間見える地域のよさというのも、『みそララ』の面白さを生みだす要素であったりするんだろうなと思っています。人のよさがあって、その人を取り巻く環境のよさというのもある。それらすべてが感じさせる空気感、それがよい感じであるというのですね。

  • 宮原るり『みそララ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 宮原るり『みそララ』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 宮原るり『みそララ』第3巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年10月7日水曜日

『まんがタイム』2009年11月号

『まんがタイム』11月号が発売されました。今号の表紙は、ワイン? いや、違うか。秋だから、食欲の秋ということで、ごちそうからレストランといったような発想になっているのかな。しかし、シンプルな植田まさし、手の込んだ宮原るり、どちらもちゃんと手にしているものがワインとわかる。特徴踏まえて描いてあるから、なのでしょうね。同様に、かがみふみをもモンブランとちゃんとわかる。で、メインディッシュ運んでくるのが、東屋めめ。そうか、ひととおり揃ってるんだ。笑顔のフルコースもあながち嘘ではないみたいですよ。

ラディカル・ホスピタル』は、アグレッシブでアヴァンギャルドな赤坂先生の話からはじまって、しかしこういう姿勢は私に欠けているものだなあ、なんて思ったり。私はスタンダード、基本から逸脱しない、できないというたちなんです。だからなにをやってもつまらない。凡庸に留まるのかもな、っていいながら、本当は最先端みたいなものには興味津々だったりもするんです。医者という職業は、新しいことを学び続ける、そんな姿勢が重要だっていいますけれど、最先端を志向する気持ちと、反面、基本を守るという気持ち。そのバランスをとるのは、大切なことだなって思わされました。

といったわけで、今回はどうもそういう意識が私のテーマになるみたいです。

はこいり良品』においても、慣習、伝統を守るか打ち破るかといったことが描かれて、しかしこの商店街もアグレッシブですよね。いろいろとやってみる、チャンスがあれば打って出る、そうした雰囲気は活気として伝わって、楽しそうだなあと思うのですね。商店街はどこも大変だって聞きますが、そうしたなか、この商店街みたいにいろいろとやってみる、そうした活気を持ったところは生き残れたりするのかなあ。いや、ぜひとも生き残ってほしいものだって思います。

すいーとるーむ?』。塩田さんところの受付お嬢さん、なんか魅力的、というか、この漫画ではじめてとなるまともな人なんじゃないかと思われて、だっていろいろと個性的すぎるんだもの、みんな。個性的な人があふれかえると、普通の人がなんかすごいように見えてしまう不思議ってやつでしょうか。ところで部長、普通にチェンソーとかいってますけど、普通に使えるんだろうなあ。この人の奥の深さ、それもまた魅力的で、けどやっぱり普通じゃない人だなあ。こうした人に囲まれてるせいか、楽しそうでいい職場だと思います。

ニッポンのワカ奥さま』。あのワカさんにきらいといわせてしまった一郎さん。しかし、ああしたものを気にする人だったんだ。わりとさばさばとして、割り切って、平気そうだと思ったのに、そうじゃなかったんですね。意外な魅力に触れた思いです。

『わさんぼん』。これこれ、今回のテーマうんぬんを思わせたもの、それは『わさんぼん』だったりしましてね、修行中という叔父さん。おっとりとした美青年っぽい人。いくつか知らんが、ずっと修行中。そして、旦那も勉強中。実際、職人というものはそうなんだろうなって思います。昔からのものを守る、伝えられてきたものを守る、そうした反面、その時代時代の流行り廃りもきちんと受け入れていく。新陳代謝しながら、今に生き続ける。暖簾、看板を守るってことはこういうことなんだろうなと思わせる回でありました。しかし、美青年っぽい叔父さんは、今は昔なのか。おお、時の流れとは残酷です。

天子様が来る!』。私もハンパになるけどあーい、の口です。なんせ、私のレパートリーは別れの歌がほとんどで、生き別れ、死に別れ、なんでもこいよ。というわけで、私に歌わせると、ずーん…、となること請け合い。でも、ちょっと評判よかったりしたのよ? で、「見てみたい」。ああ、これは実際そうだったんだろうなあ。そして、専門家ではあるけれど、それ一本では生きていけない人。そうした人は今もなおこうなんだろうなあ。身につまされます。

『めもり*ON AIR!』、今回の出だしを見て、そうか、私がこの漫画に感じた違和感はこれだったんだ。っていうのは、私はここに書かれているような女子アナウンサー像を共有していません。だから、どこかにピンとこないものがあったのかも知れませんね。私にはこうしたアイドルのようなアナウンサー像はないから、それこそニュースであれなんであれ、伝えるべきことをきちんと伝える、機能としてのアナウンサー像しかなかったから、ちょっとこの雰囲気を掴みにくいのだろうと思いました。でも、いずれ慣れていくのだと思います。

『プチタマ』、すごくシュールで、けれどなんだか趣きの深い回でした。インコちゃん、妖精、というか妖怪扱いされて、しかしこの常人ばなれした行動のもろもろ、そう思われるのもいたしかたないのかも知れません。今回はインコちゃんメインで、ゆるやかに話を作って、それがとても面白かったです。そしてとりわけ、落ちがよかったと思います。とりあえず都市伝説になるなって、そんなところがすごくよかったのですね。

『ふたりぽっぽ』、とてもいいですね。面白いですね。最高だと思います。これまでは、白ぽっぽくる優位であり続けていたのに、今回は黒ぽっぽこばとに優位が生じて、こばとの魅力もさることながら、くるの魅力がよく発揮されて、楽しい、愛らしい、とてもいい。くるはなんか愛を押し売りする子みたいに感じてたけど、そうじゃなくて、寂しがりやが過ぎるんだな。めそ…、って。もう、可愛いなあ。この人は、こばとに対する距離のとり方を覚えたら、きっといい友だちになれそうです。でも今は、全力でかまわれにいっちゃうんだろうなって思って、まあそれでもこばとは見捨てたりしそうにないから、結局はいい関係でありながら、最適な関係にはなり得ないのでしょう。思いは複雑で、繋りはシンプル。ちょっと不思議で、なんだか憎めない。そんなふたりの関係がとても好きです。

Smileすいーつ』は、塔子さんの友人が前にぐっと出てきて、さっぱりとした、そんな雰囲気。ショートの黒髪も素敵、であるのだけど、なんだか深刻な話を出してきて、こういう理想と現実のぶつかりを感じさせるような含み、ちょっとよいですね。でもって、最後にえらいことになってますが、しょっぱなからいいキャラクターだなあ。ちょっと気に入ってしまったので、半レギュラーっぽく定着したりすると嬉しいと思っています。

『ダンボール・レディ』。ええい、これ、えらい面白いな。きっと連載にはならない、それはわかっているけど、もしこれが連載になったら結構いいなんて思ったりしています。ばればれの変身、正義の味方だけどやたら地味、1.25倍で人並みになるっていうんなら、普段からつけときゃいいのに! って、つっこみながら読んで、いやしかし、めちゃくちゃ面白かったです。NHKあたりで、10分の帯アニメとかになってもおかしくなさそうな雰囲気。うん、これはとてもいいと思う。とてもいいです。

『小悪魔ティーチャー』。落ち込みながら戻ってくる葉子を見てつくづく思うのですが、私は黒ベタが好きです。黒髪、黒ドレス、最高だ。エレガントな女性が好きです。もちろん地味な眼鏡も好きです。そんな私には、この漫画はベストマッチかも知れません。

『らいよんパパ』。唯洋一郎の新作です。らいよんって聞くと、MBSのキャラクターを思い出してしまう。漫画の雰囲気は、賭け事しない『まんしゅう』って感じです。ちょいとナンセンス。父親はライオンだけど、他の人は普通に人間という、そんなところもナンセンスな漫画です。

『男子のための人生のルール』。これまでも思ってきたのだけど、女子のなかではマドンナタイプの彼女じゃなくて、眼鏡のあの子のほうがキャラクターもしっかり確立されて、可愛いです。前からも思っていたんだけど、今回ももうえらい可愛いですね。もうとんでもなく可愛いです。

PEACH!!』。カニを前にして、うんちくで攻められる。けど、こうしたうんちくっていうのは、そのものに対する興味をぐっと増さしめて、つまりは期待もぐっと大きくなるから、食べたときに、美味しい! となるのかも知れませんね。ということはつまり、期待に負けないだけのカニじゃないといかんわけか。結構大変ですが、そんなカニを私も食べたいものです。カニは好きなんですけど、あの殻を割ってむいてってのが面倒で、そうしたもろもろをものともさせないほどにおいしいカニが食べたいなあ。でも、今は梨のほうがずっと食べたいです。梨、大好きです。

  • 『まんがタイム』第29巻第11号(2009年11月号)

2009年10月6日火曜日

Apple iPod classic

  なんか、iPodの調子が悪いよのさ。再生開始後一分くらいしたら突然落ちたり、バッテリーの残量はまだ充分あると思っていたのに、突然電力が不足して起動できなくなったり。起動に失敗するのは、どうもバックライトがついた瞬間に、必要な電力を供給できなくなって落ちるからみたい。バッテリーが駄目になりかけているのかなあ。あるいは、コンデンサとかが劣化してるのかな。機械には詳しくないからよくわかんないんだけど、とりあえずこのままだと、そう遠くないうちに使えなくなりそうで、ああ、買い替えかとちょっと残念気分なのです。いやね、買い替えはいいんだけど、あんまりばんばか買い物したくない気分なのですよ。だから、せめてあと一年ほどもちこたえて欲しいって思うんですね。

私の今使ってるiPodは第五世代のホワイトです。前面にポリカーボネートが貼り付けられたその外観は結構気にいっていて、出掛ける際には必ず携帯している、つまり結構ヘビーに使ってるっていってもいいのではないかと思います。使い始めたのが2005年の10月22日だから、ほぼ丸4年たってますね。これは結構もったほうなのかなあ。でも、もう少し使い続けたいなって思います。

AppleがiPodのバッテリー交換プログラムを実施していることは、知っています。6,800円だったかな、それくらいの価格で交換してくれるって聞いて、だからここはバッテリー交換をするっていうのがよいかなって思ったりもするのだけど、ちょっと問題もありましてね、それはディスク容量なんです。私のiPodは60GBモデルです。で、持ち歩いている曲はといいますと、14,065曲、49.20GB。結構、いっぱいいっぱいって感じでしょう? この一万曲を超えるライブラリをシャッフルで聴くのが楽しいんです。思わぬ発見があったりなんかして、だから抜粋ライブラリはいやなんです、というか、これで既に抜粋ライブラリで、どうしても嫌いで聴きたくない曲と、CDドラマなどを抜いてこれです。フルだと、14,320曲、49.85GBですね。フルも抜粋もあんまり違わないなあ。

あと一年は使いたいという根拠は、おそらくあと一年ほどで満杯に近い状態になるんじゃないかなって思っているからで、そうなったらもう新しい曲は入れられない。あるいは、さらなる選別をしなければならない。それはいやだなって思った。だから、そうなったらもっと容量の多いiPodを買おうと思った。現行品だと、iPod classic 160GBですね。iPod classicはそろそろなくなるんじゃないかと心配してる人もあったんですが、なんとか生き残ってくれてよかった。だって、classic以外となるとiPod touch 64GBしか選択肢がないわけで、けど私には当座iPod touchの機能は必要ない。となれば、classicで充分、というか64GB買うくらいなら今のiPodのバッテリーを交換します。classicでなければ不足なんだというべきでしょうね。

iPod classicは結構値段も落ち着いてきているから、そういうところも嬉しいところです。だから、余裕ができたら買ってもいい。でもそれまでに欲しいものもあるかも知れない。いや、貯金もちゃんとしておかないといけない。だから、ここはやっぱりちょっと我慢しておきたいのです。でも、いよいよ使えないとなったら、iPod classic買っちゃうんだろうなあ。