2009年10月21日水曜日

「けいおん!」イメージソング 真鍋和

 アニメ『けいおん!』関連CD、最後の一枚にたどりつきました。キャラクターイメージソング、真鍋和。ああ、なんだか感慨深いですね。主題歌、Cagayake!GIRLSDon’t say “lazy”からはじまって、そうか、あの2枚は4月のリリースだったんですね。半年のお付き合い。CDが出るたびに、どんな歌だろうとわくわくして、ああだこうだと感想書いて、楽しかった。そして、最後のCD。収録のタイトルは、Coolly Hotty Tension Hi!!、そして『プロローグ』。最後の最後にプロローグとくる。やっぱり、狙ってのことかな。だとしたら、このセンス、とてもいいと思います。

真鍋和。唯たち軽音部員の友人。これまでイメージソングは、キャラクターの担当楽器がモチーフになっていたわけですけれど、憂と和はそういうわけにはいきません。だから、憂はお姉ちゃん、和は眼鏡になるんじゃないかなあ、と予想してたら、憂に関しては大当たり。では和はというと、最初にいった友人としてのポジションがあって、そしてちょっとだけ眼鏡にも触れられて、だから中当たり?

和に関しては、他のキャラクターのように劇中に印象深いエピソードが少なかった、わけでもないんだけど、結構重要なポジションではあるものの、こうしてイメージソングに印象をちりばめるようなものはなかったのかな。そのためなのか、2曲ともにすごくニュートラルな感じにしあがって、そしてその未来を志向するような歌詞は伸びやかな歌唱をともに広がって、その素直さ、色付けされていないまだこれからの人であるという印象が素敵でした。真鍋和がそうなのかも知れない。けれど、彼女だけでなく、同年代の人たち、可能性を持っている誰もの心情を歌っているように思われて、そして、あるいは、真鍋和を演じ、この歌を歌っている、藤東知夏という人がそうなのかも知れない。

アニメ『けいおん!』はとうに放映を終え、あとの展開はこうした関連商品の発売スケジュールを消化していくのみ。新規の展開は、年末12月30日のライブイベント、それからBlu-ray Disc / DVD最終巻に収録される新エピソード。そうした、徐々に終わりに近づいていく、片付いていくという印象が強まる中、『プロローグ』という歌は意味深で、ああ、プロジェクトとしての『けいおん!』は確かに終わってしまうのだけれど、彼女らはこれから未来に向かって進んでいくんだって、そんなメッセージがのせられていると感じられて、なんだか涙が出そうになる。そういえば、アニメ『けいおん!』がそうだったように思います。見えない未来に対し、心配することはないよと。不安もなにも乗り越えていけるよ。だから、前に進もう。そういって、手をとって駆け出すような、そんなみずみずしさがありました。なんだか完成されたように見えた彼女らだったけれど、まだまだ発展途上、できあがってなんかいない、未来はこれから先に開かれているんだよと、あのアニメはいっていた。そうしたことを『プロローグ』は、そしてCoolly Hotty Tension Hi!!も、同様にいっているのかも知れない。この終局とも思える状況を前にして、あらためて彼女らの世界を開こうという、そんなタイトルが「けいおん!」イメージソング 真鍋和であったのかも知れません。

聴くほどに、伸びやかな歌声が心に沁みてきます。これは、これからを生きようという人への応援歌です。未来を目指し、明日を開こうとする、そうしたすべての人に向けられたメッセージソングであります。

CD

Blu-ray Disc

DVD

原作、他

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • かきふらい『けいおん!』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

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