2009年10月3日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年11月号

『まんがタイムジャンボ』11月号が発売です。表紙はみながそれぞれ楽器を手にしていて、なんと、ジャジャーンボ♪ らしい。ともあれ、朝倉さんがストラトキャスター、みちるはSG、あおいちゃんキーボード、ってさすがにキーボードはわからん。なにか資料見て描いたとしたら、わかる人にはわかったりするんしょうけど、私にはちょいと無理です。で、コミカプういちゃんはモンキータンバリン。これ、教員みちるも持ってますけど、ロックボーカルがモンキータンバリンを持ってたりするのって、レッド・ツェッペリンのロバート・プラントとか、あのへんからの流れなんでしょうか。昔はGSあたりでも使ってましたね。わりとポピュラーな楽器っぽいから、ひとつくらい持っててもいいかななんて思い始めています。

『ダブルパティシエール』は、『パティシエール』時代の人たちが少し出てきまして、また雰囲気も昔のようで、舞台は四ツ葉製菓専門学校。宮本先生は婚約していて、お相手はずいぶんふくよかな人ですが、これは最初からふくよかだったのか、この人と付き合いはじめてからふくよかになったのか。後者のような気がします……。そして今回の見どころは夏井先生のような気がします。思えば私は、こうしたケーキを作るみたいな話が好きだったように思い出して、とりわけ今回のケーキは凝りに凝ったものだったから、自分も見て、ちょっとすごいなと、わくわくするものがありました。

『制服あいどる』、ゲストです。友達に勝手に応募されたオーディションがきっかけとなって、アイドルの道を歩きはじめることとなったメリコのお話。彼女と、常識的な女の子あきら、そしてちょっと現金? 浮世離れしてる? 変わりもののかおり、この三人で、ええと、どうするんだろう。とりあえずこれが出だし。この後どうなるか、それはこの先にわかるだろうと思われて、だから次号にもあるのかな? それを楽しみにするのがよさそうです。

あおいちゃんとヤマトくん』。なんだよ、ふたりともラブラブじゃんか。しかし今回は、太い描線でラフに描かれた茫然香澄さんとか、ラストの白目あおいとか、見ただけで笑いそうになる絵の威力にやられ、他にも正拳突きだのおまえバカだろだの、投げつけられるセーター、都合のいい悟り、面白かった。テンポよく、小気味よく、いいノリで、楽しく読めて、そこに白目あおいがとどめをさす。素晴しいです。本当に面白かったです。

『ちょいのり。』、アンコールゲストです。人気があったのかな。実際、面白かったと思います。ちょっとあぶなげな新米ドライバーちよ姉さんと、彼女をサポートするいのりちゃん。このふたりもよかったのだけど、今回はそこに教習所時代の仲間なのかな? 友人の姉妹が加わって、この四人のやりとり、なかなかに悪くないです。素直じゃないのか、意固地なのか、妹あゆむと、やけに素直あるいは気弱ないのりが、今後親しくなっていったりするんだろうか。そこに、新米ドライバーお姉さんふたりはどう関係するんだろう。そうしたところ、すごく興味をひいて、この先にも面白そうなことがたくさんありそうだと思わせてくれるのですね。

Boy’sたいむ』に関しては、もう素直になっちゃえよ置島、そうとしかいえない感じで、いや本当、とてもお似合いのふたりだと思います。ひろむが女子っていうのがおしいところだよなあ。しかし、寮長のがんばりがふいになる。寮長の愛情はいつも空回り。けれど、この漫画に関しては、みなのそうした空回りっぷりが楽しいのかも知れません。なにかあっても、元の黙阿弥。変化しつつも、変わらないという、そうしたところがいいのかも知れません。

『パドラーズハイ』。前号に引き続きゲストです。ラフティング部を作って、みんなで川を下ろう。まずは部員を探しますというところからはじまって、川遊び大好きって感じの娘がひとり、そしてなんかちょっと騙され気味に入ってきた娘さんひとり、総勢四人で川くだりをする。そうした展開がパドラーズ・ハイにてクライマックスに達するというあたり、とてもきれいな流れにのれているという感じがして、読んでいる私も楽しかったです。とりあえず今回読んで、ラフティングって面白そうだなと思わせた作者の勝ちだと思います。ええ、きっと私にはきつい遊び、スポーツだと思いますけど、けれどやれば絶対楽しいと思う、そんな気がしたんですね。魅力的な漫画であると思います。

『中2限定!?ガールズトーク』。女子校教員の兄と年の離れた妹。妹をはじめとする中学生に振り回される先生の様子、先生のことが好きな生徒もいたりして、けれど思いが通じることはちょっとなさそうだったりして、こうした恋愛模様も含め、楽しそうな雰囲気にあふれています。とりあえず、酷い妹は気にいりました。いや、別に酷い女性が好きってわけじゃないです。

『太陽くんの受難』。おおう、この人、『先生のたまご』の人か。気付いてなかったよ。『先生のたまご』の人と気付いたのは、美人双子姉妹、特にその妹弓月の雰囲気からで、とりあえずこの姉妹に関しては間違いなさそう、きっと好きになれるキャラクターという感じがひしひしとしております。だから、多分、この漫画はいけます。きっと気にいるに違いない。そんな予感がしています。

『みちるダイナマイト!』。新連載です。昼間は大学で経済を教え、そしてライブとなればゴスパンクロックのギターボーカルとして大活躍。本当は気弱なのに、過激強気なアピールを強いられる、そんなヒロインの様子を楽しめばよいのかな。ちょっとエロまじり、けどそればかりじゃないって雰囲気はとてもいいと思います。ヒロインがなんのかんのいって前向きなところ。それがいいんだろうなって思っています。

ごちゃまぜMy Sister』。お兄ちゃん、36番は松坂さんのことすっかりお見通しだ。そうした関係はすごくいい。そして、純に関しても悲願達成? 今回は36番優位で運んだ回。よかったじゃん、36番、と思ったら、結局そううまくは運ばないという、この典型がいいのですね。しかし松坂さんは魔女の衣装がお似合いで、素敵であらせられました。

『アトリエB』、絵の勉強をしにアメリカからやってきたヒロイン、ベルの日本語がよくわからないことにはっするいろいろを楽しもうという漫画であります。とりあえずベルは、気を抜くとアメリカ人ということを忘れてしまいそう。そういう無国籍的な雰囲気はちょっとおかしくていいです。

『恋する猫は爪を隠さず』。生徒会長の都古先輩に恋する少年、常葉くんがストーカーチックに愛を振り撒いて、殴られたり冷遇されたりする漫画です。しかし彼は常にポジティブで、ほんと困ったやつだな。けどそうした彼を可愛いと思えたらきっとこの漫画への評価は違ってくる。ちょっと危うい、けれど一途な彼の恋愛。その迷惑と純粋の狭間。その境界線の揺らぎを楽しむのが面白そうです。

なのはなフラワーズ』。運命の赤い糸。私の運命の相手は、多分まだ生まれてないか、あるいは死んじゃったかどっちかだと思うのですが、さて、運命の糸は誰に繋がっているのだろう。今回は、ギター弾き語りしてる里穂がメイン。これまでこの漫画を読んできて、一番世間擦れしている、一番たくましそう、そんな印象のあった彼女の意外な一面が明らかとなって、いやあ、思いもしなかったことが、思いもしなかったタッチで描かれたから、効きましたよ。切ないねえ。本当、胸がぎゅっとなった。好きになるっていうのは、難しい。理屈じゃない。相手が自分のことを好きになってくれるだろうか。それはきっともっと難しい。好きになってくれたとしても、その愛はいつまで続くのだろう。心変わり、状況の変化。愛は難しい。好きになるということは難しい。好きでい続けることは難しい。ただでさえ難しいというのに、彼女においてはさらに!

けれど、こうしたままならないことに向き合おうとする、怖れながら、不安におののきながら、なんとか真っ直ぐに立とうと気持ちをふりしぼる。そうした姿はとても素敵だと思わせるものがあって、そうか、『なのはなフラワーズ』のヒロインたちが魅力的なのは、皆がそうした気持ちを抱いているからなのか、そんなことを思わせる回。心に沁みるものがありました。

ただいま勉強中』。来年のバレンタインは日曜日ですか。すまん、私の人生にはバレンタイン関係ない。ともあれ、教師に恋する美術部員、初音のちっとも素直でなくて、けれどその表情態度には素直さが見えるというアンバランスさは、不安定ゆえに美しいと感じられて、ええいああ、とてつもなく魅力的だ。この漫画は、シリアスに傾きそうになっても、シリアスに落ちることはないのだけど、そうした真面目とおかしみのアップダウンの中に、この人の心も揺れて、恋に揉まれて、揺れに揺れて、なんという鮮烈さ。素敵すぎ。素晴しい。振り向いて、眼鏡ごしに投げられる視線は、凛々しさにまじる期待、甘い予感に、かたくなさもふわりと溶けて、ああ今まさに咲かんとする花だ。健気にして可憐な花。あまりに魅力的すぎる青春のスナップショットに、私の心臓は止まりそうです。

『コミカプ』、まだまだ波乱は続いて、勝負に出たチーちゃんを取り巻く状況はなおも悪く、しかし昔は編集部というフィルターを通して届いたものが、今は悪意も好意も直接到達するっていうんだから辛いよなあ。そして編集者との対話、なんというんだろう、これがリアルなのかどうかは私にはわからないけれど、現実味のようなものは感じられて、ああ、怖ろしいね。でもこうした怖ろしさに直面して、超えているのだろうなあ、皆。すさまじい、そう思う私はきっと甘いのだろう、そう思います。

『ちょー!えど幕末伝』は勝海舟が登場して、これ、幕末の事件や人物を可愛いキャラクター使って面白おかしく描く漫画かと思っていたら、意外とシリアスな要素も呑んでたりするのかもなあ。なんて気になって、ちょっとはらはらひやひやしながらも、その感覚を楽しんでいます。落としどころは開国、となれば上さまはお逃げになるのか? どうなるのかはわからないけれど、幕末の動乱、面白くも、シリアス含みに描かれるのなら、それはすごく興味深いです。

『子うさぎ月暦』。サフォークさんは相変わらずですが、そうか、そういう不文律ってあるのね……。私も彼と一緒に秋を見送ることにしますよ……。世話焼かれるの苦手なんですよ。コンパとかで、女の子が取り分けてくれようとしたりするの、すべて断わりますからね。合宿とかあったら、むしろ率先してご飯作ってる。そっかあ。

スコーン食べるふたり、あの絵はとてもよいですね。ドメスティックとかいう表現もいいですね。そして深くて暗い川。ああ、私はきっとサフォーク同様単身岸に暮らす身なのだな。と思ってしまえば、それはそれで悪くないものだとも思う。ともあれ、身につまされる話。その当事者感がたまりませんね。

『俺の部屋にはウサギが居る』。なんだかわがまま利己的なウサギだけど、そのウサギを住まわせて飄々としているこの主人公は意外と大物なのかも知れませんね。意外と悪かった住環境。問題ではあるけれど、結構気にしない主人公。吹っ飛んだ屋根。まあいいかですますとかね、大物だわ。ナンセンスな漫画だけど、そのナンセンスさはウサギ半分、主人公半分なんでしょうね。今回は、完全に主人公がウサギに勝ってしまっていた回でした。

『アイスボーイズ!』は相変らずの雰囲気で、けれどそれに馴染んできたのか面白かったです。しかし、カーリングするはずの話なのに、一向にカーリングするまでに至らない。やっても野良カーリングだものなあ。弱小部の真面目になりきらないダッチロールぶりが面白いのだと思います。

ひかるファンファーレ』はスランプの話。いや、しかし、自分の調子が悪いのか楽器の調子が悪いのか、それは大きな問題で、特に学校の楽器ってコンディションが悪いことも多いから。でも、楽器のせいにしたら上達しないような気もするし、でもコンディションの悪い楽器で練習しても上達しないような気もするし。悶々としながら練習したりして、これは非常に精神衛生によろしくない。だから、まだよくわからない初心者の間こそ、ちゃんと管理された楽器が必要なんですよね。で、ひかるは結衣、亮子の故郷におもむいて、心機一転気分転換をはかる。で、この漫画の舞台って秋田なの? いや、故郷が秋田ってだけで、学校がどこかはわからんか。ともあれ、結衣も亮子も秋田美人。特に最近は絵も洗練されて、可愛さにも磨きがかかっているように思われます。

だまされて巫女』、次回最終回です。そうか、終わってしまうのか。今回は、ブラザー同好会の面々が出てくるのだけど、晴風のその誤解は教義上問題になるような気がします。さて、教会を継ごうという兄さんが出てきて、その純粋さに打たれる晴風。おお、神社の娘としての共感か! それはお父さん、おじいちゃんにとってはすごくいい話ではなくって!? と思うのだけど、ふたりはもうどうしようもないなあ。娘可愛さに道を誤りそうです。

ところで、教会を継ぐというの、昔、学生時分、お父上が牧師をなさっているというお嬢さんがいたの思い出しました。で、なんて聞いた時だったのかな、お家が教会なの? って聞いたんだったかな。牧師は、教会に派遣されるとかそういうことを教えてもらって、そうかあ、教会を所有してるわけじゃないんだとかいったのかな、そうしたら、教会は信徒のものですよって、やんわりたしなめられたんですね。ああ、信仰のある人って違うなって、その人がちょっと眩しかった。

ところで、こないだから先輩に住職がいただとか、後輩にお寺の娘さんがいただとかいってましたが、今回はキリスト教。宗教的にバラエティに富んだ環境だったんだなってあらためて驚いています。神社関係者いなかったかな、って思ったら、教員に神社の息子がいました。本人も神職だそうです。おおう。山伏がいないのが惜しい。余談でした。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第11号(2009年11月号)

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