2020年7月31日金曜日

『まんがホーム』2020年9月号

 『まんがホーム』2020年9月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。素麺を食べるらいかであります。あのガラスのうつわ、さくらんぼが添えられていたりするのね、ああ、たしかに素麺というとこうだった。なにか懐かしさ感じさせる、そんな雰囲気。思えばらいかの袖のないワンピース、こうした服装もレトロさをかもしだしているのかも知れません。『孔明のヨメ。』、孔明、月英夫妻はといいますと、たらいで冷やした瓜であります。素朴な夏の果物。これとは対照的に豪華絢爛フルーツを楽しんでるのが『キャバ嬢とヒモ猫』ボンちゃんであります。ほんと、この対象、見事です。

天国のススメ!

胸の痛みを訴える男性。ん? 病院かな? と思ったら、相談相手は太一ですよ。なぜ!? なんで!? と思ったら、この男性、お盆で帰ってきた故人だってのか! これ、キャプションで説明されないとわかんないぞ。だって、太一のところ、生きてる人も相談にくるものなあ。

胸の痛みといっても病気やなんかではなさそう。だって幽霊だものなあ。思い残しがあるのでは? 祖母のアドバイスを受けていろいろ聞き取りするんだけど、スイカの話でギュっ。雪ダルマでもギュっ。チューリップに桃にリンゴにサンタクロースと続けばもうさっぱりわからない。でも、太一の友人の橘の名前を聞いてきゅん。ここから解決に向かうのがめちゃくちゃおかしかったです。

橘の家で情報出しあって、それで判明したのがアイドル立花こももの存在。なるほど、アイドルが好きだったんですね。でも家族にも誰にも隠していた。あまりに隠していたため、自分自身の記憶にも鍵をかけてしまった。この人の生前の記憶、思いがけなく気持ちの揺れた瞬間、ただひそかに応援することが楽しかった気持ち、それがほのぼのと嬉しさ伝えて、そして隠していたつもりが全然隠せてなかったアイドル好き! ああ、娘さんがちゃんと知って、応援する気持ちを引き継いでいてくれたんだ!

きゃーっと叫んでうずくまる娘。ああ、父と一緒に参加する卒業コンサート。娘さんはそうと知らぬままだけど、思わぬ親孝行。いいお嬢さんですなあ。

『スナックあけみでしかられて』

朝顔って、そうそうひとつのお家に集まるものなのか!? 朝顔市で買ってきたら義母も通販で買っていた。さらにそこに娘の学校で育てているのも加わって、華やかでいいですね! と思ったら、なかなかそうはいかん事情もあるのか。マウント合戦はつらいなあ。それでお母さんの鉢があけみさんのところにまわってきた。しかし、あけみさんは早起きして水やりをまっとうすることができるのか!?

最初はしょぼしょぼしてたあけみ。でも花に癒されてる感じがよく出てて、すごくいいんですね。いつもどことなくゆるさ感じさせる人だけど、いつも以上にゆるくなってると思う。そんなあけみを可愛いと思う乃里もまたいいんですよね。

朝顔をどうするか。朝咲く花だからお客さんには見せられない。ここで、日中は暗いところに置いておいて昼夜逆転させてやればいいのでは? なんて思う自分は情緒に欠けるのだろうなあ。あけみさんは写真に撮って、店内に貼り出して、そうしたら皆が自慢の花を続々写真に撮ってもってくれてと、こういう気持ちの広がりが嬉しいエピソードでした。

『孔明のヨメ。』

多くの民を引き連れての行軍となってしまった劉備一行。このままではまずいと、江陵を押さえるべく動く孔明。陸路を進む劉備本隊と、船で向かう関羽分隊に分かれることになるのですが、月英が補佐として関羽隊につくことになる。劉備のみならず関羽、張飛、趙雲皆が驚いて、これ、夫婦が別々にというの、よほどのことなのでしょうなあ。しかし、月英に対する孔明の信頼は厚い。船の知識は自分よりも上とまでいわれては異論もないというやつなのでしょうなあ。孔明の妻への信頼はさらに厚く、深く、自分の思考を読み最善の策を選んでくれるに違いない。ああ、月英は孔明にとって妻であり、そして同志であるのだなあ。そのふたりの特別な縁。互いに思いあう気持ち。素晴しかったです。

そして孔明、ピンチですよ。曹仁が負けを喫した。なぜ負けたのか、果たして本当に負けたのか、振り返ってなお状況つまびらかにならず、ただただ困惑するばかりの曹仁。その報告を受け状況を検証していく過程で浮かびあがってきたのは、これまでの劉備になかったもの。新たな軍師の存在を感じとる曹操に、さらに具体的に諸葛孔明と名があがってしまった。ああ、ついに知られてしまいました。徐庶の語る孔明の人となり、優秀と聞いてかっと火の灯る曹操の胸中。ああ、本気になりましたね。この反応は、それだけ徐庶の優秀さを買っているからでもある。それだけに孔明に対する追求は苛烈なものになりそうでハラハラです。

『恋はリベンジのあとで』

意味深な導入に、なんだろう、泉はなにかに物思いするのだろうか。などなど思ってみたらですよ、ああ、太っちゃいましたか。自分史上最重量。なるほど、夜中にラーメン食べちゃうんだね。そりゃあ太るわ。ショック受けてる泉に追い討ちかける梅ちゃんに、優しくなぐさめてくれたかと思ったら、暑いから寄るなと物理的に拒絶する竹ちゃん。このふたり、よいねえ。この作者らしいチャーミングな女性キャラ。こういう人がいるとなんか安心できるんですね。

しかし泉、どんだけ太ったの? 直売所から会社に車で戻る途中、歩いて帰るといった泉。たまたま出会った石田に拾われて車で戻ったんですが、そうしたら梅ちゃん竹ちゃんがゴールテープ持って待っててくれるのね! いいなあ、すごくいい。石田、割ってしまった吾亦紅の鉢を持ってきていて、さらにお詫びの水ようかん。躊躇せず食ってる泉がいいなあ。

しかし、泉よ、石田に心揺れるのかい? ほんとにそれでいいのかい? だって、石田、恋人がいるのよ? ともあれ、いろいろ気を配ってくれる人がいろいろいるということ、そのありがたさを思う泉。しかってくれる梅ちゃんがいい相棒感出してますよね。泉、ちょっと無神経なところあるからな。梅ちゃんみたいな友人がありがたいよね。

2020年7月30日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年9月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年9月号、一昨日の続きです。

『アニマエール!』

いよいよクライマックス。あこちゃんの手術を応援しにいくかチアの大会に出るべきか。両方を選ぶことはできない。択一を迫られて揺れる子たちのその気持ち。なぜチアをはじめたのか、初心に立ち返って決意をかためるものがあれば、助けを求める気持ちを無下にはできない、そうした気持ちもあって、ああ、大会派の花和、この子ひとりでは旗色悪かろう。

そう思ったのだけど、なぜ大会出場を選んだのか、その理由に見える仲間への思いがね、すごく切実で、ああみんな自分のことではなく誰かのためを思って答を出そうと頑張ったんですね。それがこんなにもはっきりとしたからこそ、こはねもひづめも、こうして花和の気持ちに寄り添って、その思いを大切に受けとめることができた。ええ、皆それぞれに仲間の気持ちを大切にして、だからこそこうして気持をひとつにして、あこの手術の応援に向かうことができたのでしょうね。

『恋する小惑星』

今回は石の整理ですね。みらとあおが石垣島で拾ってきた石。今はまだただの石であるそれらを、きちんと整理して標本にしていく過程が描かれるのが面白く、実に魅力的でありました。

みらとあおの性格の違いなんかも面白いですよね。いつどこで採集したか、それをきちんと記録しているあおに対し、みらはすべて記憶頼み! というか、めちゃくちゃ克明に覚えてるね! チャート6号とか礫岩4号とか、その名付けも面白い。なんかみらは思いもかけないことして驚かせてくれる。今回のこの記憶力も、それだけみらが石への興味を持って楽しんでるってことの証拠と思わされるところあって、ええ、見ているこちらも引き込まれるのです。

途中で石の見分けについて説明されたところ、先生が差し入れてくれたクッキーの特徴でもって石の個性を表現するっていうのね、これわかりやすくて面白かった。ええ実にためになりました。

こうした石の知識、情報を得られる面白さあり、石に対する愛着しめすみらと共感する面々、そうした行動の面白さあり。魅力的な回だったと思います。すっかりやわらかくなった悠の様子もいいですね。いい感じにツッコミ? 常識枠として頑張ってくれていましたよ。

『RPG不動産』

彼女らにとっての新天地。新しい家ではじめての夕食をいただきます。その時、窓を叩いたのは見知らぬ女の子。迷子? かと思ったら、RPG不動産の新メンバー! 住み込みで働くことになるというこの子、いや子供扱いされると怒る、自称大人の女、アリス。琴音を英雄と仰ぐ、そんな子で、職業はまもの使い。何頭もの魔物を使役して、しかし魔物たちは見た目にもごつくて怖い。めちゃくちゃ懐いているけど、ルフリアは心配が拭えないようですね。ええ、わかります。そうそう安心はできない情景ですよね。

アリスの仕事風景。一人前に働けると張り切るものの、頑張りすぎて失敗するアリスに、さらに事態をややこしくする琴音。表情が死んでいくルフリアがすごい。口元がHになってるの、あれは可愛いよね。というかしまいには、感情まで死んでしまっちゃう? 仕事全般うまくできないって自信たっぷりにいっちゃう琴音にあきれちゃってるんですなあ。ルフリア、苦労人。みんなをたばねて、時に頼られて、見るからに大変そうです。

新しい職場は、周囲の物件もほぼ空家、ご近所さんもほとんどいないみたいですね。はたして仕事はあるのかと琴音が心配していますけど、なるほど、ここでRPG不動産が頑張れば、人気の少ないこの土地にも住人が増え、活気もわいてこようというものですね。

アリスの失敗とファーのフォロー、落ち込むアリスへの琴音のはげまし。こうした先輩後輩のつながりができて、仲が深まっていく様子は見ていてとても心動かされて、いいですね。元気になったアリス。和気あいあいとした食卓の風景が、これからの彼女らの活躍を期待させてくれます。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

ねねがショック受けてるのがもうはなっから面白い。うさ耳の女の子に抱きしめられながら眠るしずね。あまりの状況に、なにがおこってるのか掴めずとまどうねね。そしてしずねはというと、マシュマロの海に溺れる夢を見ていてというの。えらいことちぐはぐなことになってます。

しずねに悪夢を見せてしまったマシュマロおばけさん、うさぎの抱き枕が人の姿になってというのですが、ねねと同じようなこといいだすのがおかしくって、あのお店の抱き枕、というかぬいぐるみは自我を持って人に化けるのがデフォルトなのでしょうか? ねねだけが特別ではなかったのですね。

自分はあかりに捨てられたのか? 不安に涙こぼしたり、自分の正体がバレたらあかりに気味悪がられるのではないか、嫌われたらどうしようと、なるほどこの子はずいぶんネガティブ傾向なんですね。なにやってもポジティブ、むしろ悩みなどないのではないか、そう思えるくらいのねねとは正反対。ああ、だからこそあかりに自分のこと秘密にして、それでも隠しきれない行動が怪奇現象と思われて……。なかなか因果なものでありますね。

とりあえず、しずねがあかりにコンタクトして、いろいろ事態を解決に向かわせようとするのだけど、なかなか簡単にはいかないみたい。しずね、こういうの苦手そうだもんなあ。けどこの頑張りの先に、友達ができたり、理解者ができたりしたらしずねのためにもなりそう。さらにはマシュマロおばけさんの問題も解決するわけで、ええ、ここは俄然しずねを応援したくなりますね。

2020年7月29日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年9月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年9月号、一昨日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

八重さん、いったいどうなさったのか。体重が増えました。それで、なぜ縦ロールをとけばなんとかなると思いましたの? 八重いわく、縦ロールには都会への憧れ、夢や希望が入っているのだそう。増量したのがあまりにショックで現実逃避しているのかな。でもここからのくだらない与太話、希望が消えて夢だけ見てる縦ロールとか、妙に語呂のいい、でもなんともよくわからん軽口が楽しくて、こういうの八重の持ち味ですよね。なんでも楽しむ子だけど、その根っこには、ちょっとしたことをふくらませて面白くアレンジしてしまう。縦ロールジェットとかね、あまりにも馬鹿馬鹿しいんだけど、でもなんか楽しい。八重のいいところがよくよく出ていました。

ツッコミというか、話す相手が変わると面白さの方向性が変わります。大河を前にすると際限なくおかしな方向にいってしまうけれど、亜紀が相手となるとちょっと追い詰められた感じが出てくる。これ、大河のなんでも受けて面白がってツッコんでくれる性格と、ちょっとシニカルで現実路線の亜紀の性格、ふたりの傾向の違いが反映されているんですね。

そして最後にみなちゃん。この子はいいですね。すっかりうちひしがれて、髪を巻くのもやめてしまった、夢も希望もない八重に、ふたたび夢と希望を与えた優しい子! ほんと、それぞれ違う個性がそれぞれに反映して、その違いごとの面白さ、よさを見せてくれるのが素晴しいです。

『通勤通学クエスト』

ほんと、面白い。突然降り出した雨をさけて、子供たちがマンションの玄関、軒先に集まっています。そこに帰ってきたサラリーマン、柏木の脳裏によぎった心配。子供たちにはちょっとのいて欲しいけれど、自分から声をかけたらやばいよね。ああー、わかります。たとえ親切心からの行動でも子供に声をかけるのに躊躇するというのは避けたい。そういう気持ち、私にもありますから。

共感からスタートした今回の『通勤通学クエスト』。でも本番はこれからで、雨宿りをしている子らにあまってる傘をあげようと思い立った柏木。躊躇しつつも松島さんの経験からくるアドバイスを受けて動き出すんだけど、ああー、あれだ、リコーダーの練習をしている子を町の皆で見守ってた時の話ですね。こうして、人やできごとが重なって、物語世界が広がっていくのはわくわくさせられるものありますね。ちょっと話がそれました。

柏木のクエストですよ。思い切って声をかけたーっ! と、ここでフーコに怪しまれて、ピンチ! ピンチです! と思ったら、今度はウミが理性的に判断するというんですよ。どんだけ理性的、というか理詰めだったかを、あのデカい吹き出しが物語る。コマをほぼすべて覆わんとする吹き出しと、隙間にちんまり描かれた子供たち。これ、ウミの雄弁さを物語ってますよね。ほんと面白かった。

そのウミの雄弁。柏木にとっては頼もしい弁護、応援でしたよね。そしてその翌日、柏木のもとに届いたお礼の手紙。最後まですがすがしく嬉しいエピソード、素晴しいクエストでした。

『とびだせT.O.Z』

マナ、陸上の練習を頑張ってますね。でも練習の方向性がどうにもこうにも自分向けではない。むしろ兄貴向けなのではないか? そんなドMメニュー。というか、あの縛られてるの、どんなトレーニング効果があるんですか!? 謎すぎます。

今回は特別コーチによる特訓です。浅葉先パイが抜擢されて、マナにカトリンに茶山さん、3人で先パイのトレーニングメニューに取り組むんですが、先パイがとにかく感性の人すぎて、いってることがさっぱりわからない! 私のおこしたさざ波にのれ! 意味がわからない! カトリンがめちゃくちゃいい返事するから、感性が近いと意味も伝わるのか!? と思ったら、まったくわからんままについていってるだけか! この勢いまかせの展開。見事でした。

基本、浅葉先パイは超人カテゴリーですよね。笑顔で軽々こなしているトレーニングメニューだけど、マナはもとより、カトリンも茶山もまるでついていけていない。でも、茶山はむしろそれが喜びなのか……。なかなかに危ない子たちです。エンドルフィンハイ? それにしても過剰すぎますよ。兄貴に、というか兄貴のトレーニングメニューに接近させないようにしないと。危機感に頭かかえるマナがなんかよかったです。

『大奥より愛をこめて』

今回は史実パートといった感じでしたね。松前での日露会談。その行方を憂う大奥の様子こそ描かれるけれど、将軍家斉と松平定信の関係にこそ重みが置かれたと感じられた今回。国の行方を思い粉骨砕身する定信を見る家斉の胸中やいかに。定信の活躍を労わるのか、より高い評価がなされるのか。と思っていたら、老中及び将軍補佐役の解任でありましょう。定信にかかる負担のあまりの大きさを思い、背負う荷を減らそうと考えた? いや、違うのか。そうか、定信を疎む勢力が抑えられないほどに大きくなってしまったというわけですか。それで定信を解任せざるを得なくなったというのですね。

道場にて竹刀をまじえる家斉と定信。そこでかわされたふたりの会話。持つもの、持たないもの。能力を持つが人望を得られない定信と、人に好かれる資質を持った家斉。その互いに持たないものに苦しんできたのかも知れませんね。望んだ資質を持つものを前に、よりいっそう苦悩を深めてきたのかも知れませんね。

と、歴史の流れとそこに浮かぶ思惑に焦点があたった今回でしたが、次回こそは我らがヒロイン、蒔乃をめぐる物語が語られようというのでしょうか。ロシア船から引き渡された漂流民。そのひとりである光太夫と呼ばれる青年。明らかにマキ、すなわち蒔乃の関係者でありましょう。しかも捕まえる? 穏やかでない物言いに、なにが起ころうとしているのか、あるいは蒔乃の正体とは? この漫画の核心に近づきつつある、そんな予感がしますよ。

2020年7月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年9月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年9月号、発売されました。表紙は『紡ぐ乙女と大正の月』。レトロデザインの表紙。その中央には、頬を寄せあう美少女ふたり。なんら躊躇することのない唯月と、照れて腰の引けている紡という、そのバランスが面白い。しかしほんと、唯月さんはご自身の心のままにお振舞いなさるようになって、それはそれは輝くような魅力を放っておいでであります。しかし、金の特色インクも絢爛な表紙。堂に入ってますね。表紙イラストを用いた図書カードもね、すごく凝ったデザインしてるでしょう。ほんと面白い。こういうの、工夫、見せ方、大好きです。

今月は新規ゲストが2本です。

『ミカラコイ』

大家と書いておおいえと読む。その子が大家をしている家に突如現れたのは、過去改変を狙う未来人! いや、過去改変を狙ったけれど過去にいけず未来にきてしまった天保7年出身の鬼もいましたね。このふたり、突如風呂場に裸で現れて、というか、鬼のコイは普通に風呂につかってくつろいでましたよね。未来からきたロボットのミカはターミネーター、T-800っぽい登場してきたところだったんですかね。

ミカの目的は、人類絶滅の回避なのだそうですよ。争いと大気汚染が人類を絶滅させてしまった。過去に飛び、人類滅亡の未来を回避する。その思惑が、鬼のコイの野望と微妙にリンクする。人に滅ぼされた鬼の生き残りであるコイは、過去に戻り人に復讐を果たすつもりであったのだけど、ミカの時間遡行の影響でこの時代に流れついてしまった。コイに働きかけて人と鬼の共存する世界を成立させれば、人類絶滅の未来も回避できるかも知れない……。ミカの策略にコイの存在が組み込まれた?

こうした思惑の交錯するところ、なかなか面白いかも、なんて思わされましたよ。

いろいろ気をつかってくれる大家。この人に取り入るためにいろいろ演じてみせたコイだけど、決して自分のためってわけじゃなく、大家の気持ちの隙間を感じとって、その寂しさを埋められないか、そうした優しさ? 共感を描いたのもよかった。この三人の同居で得られるもの、変わるもの、とりわけミカの変化が楽しみに思います。

『ネコのてはかりるべき』

助けた猫が恩返しにやってきました。鶴の恩返しなんかは、自分が鶴だとは明かさなかったけれど、この猫の子は自分があの時の猫だってちゃんと明かして、というかそうしないと警察沙汰になりそうだったものな……。こうしたところ現代的だ。でも、野良猫時代に保健所に連れてったというの、それ一歩間違えれば……?

猫耳の少女だなんてと写真を撮る主人公。SNS映えとか意識してるんですね。でも、作り物の動画なんてバズりませんよ! って、猫さん、SNSにやたら詳しいな。

なんとか恩返ししたい、そう願うものの、なにか助けになるようなこともできず、むしろご飯用意してもらったり、恩ばかり積み上がる。そんな猫の空回り恩返し。ちょっと焦りぎみの猫のこと、にこにこして受け入れて、いろいろ世話も焼いてくれる主人公。その気さくさ。自然に親切する感じが好感あっていいですね。

『紡ぐ乙女と大正の月』

いよいよ軽井沢へと向かいます。上野駅から汽車に乗るんですが、待ち合わせの情景が実にいい。おお、皆の洋装、とても美しい。初野は可憐だなあとか思ってたら、旭がえらいこと化けてきました。

蒸気機関車にはしゃぐ紡。これ、当時の人から見たら汽車も知らない田舎者みたいに見えたのかも知れないけれど、紡にとってはめったに走ってるところなんて見られない過去のテクノロジーなわけでしょう。この意識の差ですよ。紡が未来人と知ってる、同じ前提を共有しているからこそ共感できる紡の興奮という、この構造が面白かったです。

そして車内の情景ですよ。ものすごい客車がきた! さすがの紡もびっくりするレベルの内装で、すごく高そうな指定席とか思ったら、まさかの車両丸ごと特別あつらえだっていうの、ここでのカルチャーギャップね、ほんとこれもまた紡の感想に気持ちがリンクしましたよ。

かつて七緒に取り押さえられたのが心のしこりになっている旭の、だんだんに自分のペース取り戻していくところ。紡の尻叩きとかね、めちゃくちゃ面白かったのだけど、愉快そうに笑っている唯月も結構肝が太いよね。そして駅弁をもりもり食べる初野ですよ。この子、このグループの中では上位に入る身分の御令嬢だっていうのに、それを感じさせないわんぱくさ。庶民思わせる親しみやすさがあるの、なんか面白いよなあ。あと、やっぱりこの子も肝が太い。

列車事故の話にちょっと怖くなる紡の手をとって安心させる唯月が素敵でした。でもって、そのたび心を乱される旭嬢! ほんとこの子も大変だ。そして最後に登場してきた唯月の因縁あるお相手? 雪佳嬢。おお、この再会がいかなる展開を導くことになるのか。気になります。刮目して待て、ですね。

2020年7月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年9月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年9月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。海の中? 水に潜っている山下さんと吉田さん。色鉛筆タッチ? の彩色がいつにない雰囲気で、淡く、繊細で、実に素敵な風合い。涼しげで、どこか夢見るような非現実感。魅力にあふれるイラストだと思います。他には『小森さんは断れない!』、『らいか・デイズ』のカットもございます。小森さん、ものすごいな。なにがとは申しませんが。

『おしかけツインテール』

日中に出歩くことの増えた俊郎。そこで見掛けたのが、子供と本気でカードゲームやって、思いっきり負けている波留人。これはいったいどういう展開が待ってるのだろう。そう思いながら読み進んだら、ああ、これは本当にいい話。ふたり意気投合して、今後の展望語りあったりしてね、ゲームに関わる仕事をしたい俊郎と、自分ならそれを手伝えるという波留人。ふたりの思惑が合致する瞬間とか、もうすごく気持ちの盛り上がるものあって素晴しかったですよ。

将来について不安に思う俊郎の背を押す花梨の母、この人の言葉もよかった。必要に迫られた、そんな状況ではあったけれど、手探りのがむしゃらでここまでやってこられた。力こぶ作って見せるこの人の表情が、ちょっと無理してるところもあるのかな、無理に元気に見せてるところもあるのかな、でもそこには確かにこの人の自信や自負のようなものがあったと思うのですね。

この母の思いの最後にちらりと見せたところもね、もう素晴しかったと思う。駄目な人、ちゃらんぽらん、そんな印象強めの人ですけど、そうじゃないところがさりげなくね、こう示されて、ほんと、最終回が近いのかい!? いろんところで冷や冷やします。いや、ほんと、それくらいに感情のクライマックス、盛り上がりを見せるんですよ。

『ネコがOLに見えて困ります』

動物が人に見えてしまうミコト。そうか、その能力はこういうところで困るのか。最近毛羽立って見えるOLさん。そして部屋中に落ちている毛。コロコロで毛をとりながら、この白いのは兄貴の白髪では!? いやいや、普通は猫の抜け毛を疑うよね? でもミコトにはこの抜け毛が人の姿のOLさんと結びつかない。だよなあ。ミコトにはOLさんが制服姿の女性に見えてるのだものなあ。

遊びにきたリコが抜け毛についてアドバイス。というか、コロコロで掃除してるリコ、めちゃくちゃ可愛いな。コロコロしてるところを凝視してるOLさん(猫姿)もまた可愛い。でもって、これはOLさんの毛でしょう。換毛期だから抜け毛がすごいんだよって、正しい理解に導いてくれて、ここからのブラッシング。ミコトにはいろいろ刺激強めだったみたいですが、端から見てると、ずっとクールなOLさんに、ひとりハアハアしてるミコトという、なんともいえない状況が発生してたのもまたおかしかったです。というか、ミコト、可愛すぎるな。

ここから兄がOLさんをお風呂にいれて、そうしたら光り輝くその姿! どんだけなんだよ! いやもう、ミコトの視界は大変そうだけど面白いです。

『となりのフィギュア原型師』

今回はフィギュア作りません! いやね、CG雑誌に代表のライバル、飯塚イスカが出てるの見てね、いや見せられてね、引き離されている気さえする、危機感覚えるおこめ代表ですよ。ここから代表、一念発起、飯塚にできることは私もできたい! 頑張りを見せるというんですけど、あれ? CGでのモデリングじゃないの? あれ? おしゃれに挑戦なの?

ほんと、これ、迷走だと思う。でもそれがめちゃくちゃ面白かったから迷走も全然気になりません。

はぐとせっちゃん、ふたりで代表を着せ替えます。はぐはスケボーキッズ風に仕上げて、めちゃくちゃ可愛いな! そう思ってたら、せっちゃんプロデュースのメッセンジャーボーイ! ぎゃんかわ! いやもう最高だと思う。いやもう、この代表でフィギュアを作りなよ! 売れる! 絶対売れるよ! いやもう見事に最高でした。

代表、普段は前髪ごと後ろにまとめてぞんざいに結んでますけど、普通に前髪を左右に流しても可愛いですね。でもやっぱりメッセンジャーボーイだよなあ。ほんと最高だと思います。

『敷金礼金ヤンキー付き』

また無茶な話! 大家が適当な思い付きで、アパート住人にプールを作るよう指令を出すんですね。しかも3日で!? さすがの無茶苦茶ぶりに当惑するも、やらないとぶっ飛ばされる。ビニールプールなんかじゃ満足しないぞ。からの、駐車場全体をプールにする案が出るの、これすごいな! 水の流れ出るところを土嚢やなんかでふさいで水をいれればまるごとプールになるぞ! って、ほんとにそんなのできるのなら、いっぺん見てみたい! これはわくわくもののチャレンジですよ。

そこからの皆の頑張り。土嚢のかわりにタイヤを積んだり、できることをできるだけ頑張ってみたっていうんですが、まさか水の調達が近所の公園の水道総動員って! それ罪にならん? いや、本編でも心配されてますけどさ、大丈夫じゃなさそうですごい……。そして送り込まれる水。ひとまずは成功しそうに見せてですよ、水を送るホースをミニパトで踏む姫子ですよ! いやいや、破裂する! パンパンになったホースがですよ、いやすごいな、こんな展開予想もしないよ。ミニパトも姫子もすっとばしながら鉄砲水がごとく駐車場プールに押し寄せるんだ!

実際にはなかなかこんな風にはいかないだろうけど、すごく夢のある話。これは面白かったなあ。実際にこういうことが可能なのか、誰か試してみてほしい。YouTuberとかでやってくれる人、いないものかなあ。

ふと思いついたんですが、関西ならモータープールをプールにするって感じで、もうひとネタいけますね!

2020年7月26日日曜日

世界のアソビ大全51

 世界のアソビ大全51』、細々と遊んでいます。前回記事から今日までの間に、コネクトフォー、ドット&ボックス、ドミノ、ヒット&ブロー、ナインメンズモリス、ヘックス、ルドー、ゴルフ、6ボールパズル、トイベースボール、7ならべ、大富豪、たこやきをクリアしました。これでトータル28種類のゲームをクリアして、リバーシとスパイダーは惨敗してるけど一応遊んだから勘定に入れるとしたら30種類。ピアノも触ってるから、残すは20種類という状況であります。ほんと、これ、遊べるゲームが尽きないな。

以前、このソフトに収録されているゲームは、長い時間をかけて遊ばれてきた中でバランス調整がされているので、遊びやすい、片方に異様に有利など、そういうのが少なくてよい、みたいなことをいっていました。けど、さらに遊んでいくと、これめちゃくちゃバランス悪くない? 一方的になりすぎるとか、先制点とられると逆転不可とか、そういうのも出始めてきて、たとえばナインメンズモリスがそう。これはバランスが悪かった。あと、たこやきはプレイヤーの介入できる要素が本当に少なくて、どう楽しんだものか……。ええ、収録されているゲーム50種類、すべてがゲームとして優れているというのはさすがに難しい模様です。

6ボールパズルが人気みたいですね。先日、任天堂のゲームニュースで、世界で最も多く遊ばれたのがこれだって紹介されていたものですから、ほうほうどんなのだろうと試してみたら、なんといわゆる落ちものゲーム。カラフルなボールを落として6つ繋げれば消えるというのだけど、ただ消すだけでは勝てないルール。特定のかたち、円形(六角形)に並べたヘキサゴンや三角形にしたピラミッド、一直線に並べたストレートを成立させてはじめて相手方にボールを送り込めるようになる。つまり、速攻でこの3種のかたちのうち、どれかを成立させた方が一方的に勝てるというゲームで、本当、マジで先手必勝、一方的に大量のボールが降り注いでゲームがすぱっと終わるのは美点だと思う。

CPUのやばいにまあ本当に勝てなくて、それでもなんとか粘って勝ってクリアにまではもっていけたんだけど、今日久しぶりに再戦したらほんとまるで勝てなくて、しかたないからオンラインデビューしてみたんですが、そしたら猛者揃い! CPUやばいほどではないけど、すごい以上やばい未満みたいなプレイヤーばっかりで、基本負け、たまにラッキーで勝てるみたいな状況になっていました。

現在残しているゲームは、なんかいろいろ考えないといけなさそうなもの、チェスとか将棋とかなのですが、このあたりはまあおいおい挑戦していこうと思います。まだ遊んでなくて期待しているのはカーリングで、楽しみにしてるからか後回しにするという悪癖が出てる模様です。とっとと遊ばないとですね。

2020年7月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号、昨日の続きです。

『観音寺睡蓮の苦悩』

今回の睡蓮、やたら可愛いな。放課後、降り出した雨に傘がないと困っている紫陽花、椿に自分の傘を差し出した睡蓮。自分は迎えを呼ぶからと、常識的なこといってたのに、なぜ雨の中立ち尽くしてしまったのか。というか、傘渡した時は屋根のあるとこにいたよね? ふたりを見送りながら雨の中に歩み出てしまったの!? まあ、それはいいとして、冒頭の紫陽花、椿。お互いに相手の傘を当てにしてたよね? 目論見はずれた果てに謎のドヤ顔見せた椿の心情思うと、なんだか笑えてきます。

とまあ、それはいいんですよ。これ、まだ導入なんですよ。本題はここから。翌日、発熱してきた睡蓮がおかしい。というか、普段ひた隠しにしている、紫陽花、椿のふたりを見守る時のハート目睡蓮、こっちがこの人の本質なのか! ダダ漏れになっとる。ふらふらなんだけど、なんだかウキウキにも感じられる挨拶シーン、あそこからもう可愛かった。どこか退行してる感もあって、この人、完璧な私を演じるために随分無理してるんじゃないか? と、それはいいんだけど、情念がドライブするハート目睡蓮と、完璧を装う外面睡蓮。脳内会議でやりあってるけど、表現手法が違ってるだけで基本なんら変わってないじゃん!

睡蓮がひた隠しにしている自分をあらわにすると、紫陽花、椿が泣くはわめくは喧嘩するはで大騒ぎ。これってコミカルで、睡蓮の奇行も可愛くて実によかったんだけど、ここまで周囲が困惑してしまうというの、それだけこの人が完璧に本来の自分らしさを隠蔽してきたからに他ならんのだよなあ。睡蓮は自分らしくいられる場所を持てているんだろうか。自分らしく振る舞った睡蓮をただただ認めて受け入れてくれる誰かはいるのだろうか。みたいなことも思ってしまって、ええ、睡蓮、想像以上に苦労してるのかもなあなんて思ったりもしたのでした。

そして最後にボーナス。威嚇する牡丹! 最高やん。これ、アクキーかなんかにしたらいけますよ。

『あいらいく俳句』

えらいもの見せられてますよ、これ。父と離れて暮らしているあい。ああ、父は今も旅の空の下。俳句に生き、人に句の心を伝えている。あいの心の中に、別れてなお残る父の面影。つのる父への思慕の思いも切なくて、おお、あいよ。なのにこの漫画は、見開き右にあいのいじらしさを描いて、そして左には父の駄目さをこれでもかと詰め込んでいくというのだからすさまじい。右で上げ、左でこれでもかと落としていくスタイル。というか、たとえ落差を利用しなかったとしても、あいの父、相当だよ。

基本、うさこの趣味とかぶってるんですな、あいの父。文化祭エピソードで登場したセクシー女優の麻倉なまのイベントに、うさこもあい父も参加してるというの、うさこの言動もたいがいなのに、それを軽く上回って、むしろ迷惑行為だよ、父! このヤバさ、よくぞ出禁にならずこれまでこれたものだ。というか、うさことのツーショットは絵面からしてヤバい。警察沙汰になりかねん雰囲気をかもしだしていますよ。ヤバい。

と、この状況であいの父、娘と遭遇するんですかい? ヤバい! 親父はもうしゃあないけど、娘がかわいそう! ほんと、どんなことになるのか。しあわせな決着が見えないんですけど、これ!

2020年7月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号、昨日の続きです。

『限界ゲーム飯』

お外に出たくなくて、冷蔵庫のストックシチューアレンジでしのぐ毎日の食事。ああー、ステイホーム事情かあと一瞬思ったけど、違うな、違うね? 君たちは、ただ家にこもってゲームしたい系人種だね。わかる。わかるわ。連休となったらまるで外に出ない、靴さえはかない。ゲームはそこまでやらないけど、外出したくない系人種である私はこの人たちの気持ち、すごくよくわかる。極力出たくないんだ。家から出るとMPが減る。HPだって減るかも知れない。

冷蔵庫のストックシチュー。いったい最初にどんだけの量を作ったんでしょう。今日で3日目。シチューからカルボナーラ、ドリア、グラタンとアレンジしてみせたというのだけど、ずっとクリーム系の味というのも飽きてきた。というの、まさかここでカレーに転向させようとするのがおかしい。なるほどな、ルーで仕上げるところからカレーを発想したってわけだな。でも、これ、きっと悪くなさそう。カレー粉で味つけ追加だけだからわりと楽なのかなと思ったらソースだなんだと寄り道、寄り道!? したり、さらにはめんつゆ。塩分増えちゃった! この紆余曲折の末にちゃんとカレーになるのがさすがカレーってやつでしたよ。

そしてここからのさらなるカレーツリー。ほんと、もともとのシチューどれだけ作ったのか。ここまで残るものなんですか。

『SA07』

たまり場ができました。飲み会後に運び込まれた田町の部屋。男も女もどばっと詰め込まれて、最初は化粧崩れとか気にしてた女子も、最終的にはぐだぐだになっていくの、ああー、これが慣れというものか。もしやカガリだけは完璧を維持していますか!? と思ったんだけど、あ、駄目だな。起き上がってもこないじゃないか。なるほど、こういうのが学生らしい生活? 学生時分にしか持てない時間だったりするのかもなあ。と、こうした時期を過ごしてきていない自分には、なにか遠くの夢物語のように眺めるばかりでした。

ちょっと主題とはズレるんだけど、円盤買ってサブスクで見るというの、これめちゃくちゃよくわかる! わかるんだけど、画質、音質からしたらやっぱり円盤なんだよなあー。それと、映像特典があるじゃないですか。あと、コメンタリー。なので、一度は円盤で視聴するようにしています。でも、気軽に見る時はサブスクだよなあー。

今回も若干漏れでるカガリのただものでなさ。男子ふたりを前にエロ同人誌を読み熱く語るそのスタイルやすさまじい。化粧崩れは気にするが、世間体とかいろいろは気にしないスタイル! ある意味、割り切ってますよね。

皆で集まったからといってとりわけなにか有意義なことやろうってわけじゃない。そんな感覚はわかる気がする。こういう時間を共有できるというのが、仲を深めるためには大切だったりするんだろうなあ。と、こうした学生のたまり場というのを経験していない自分などは思わされたのであります。

2020年7月23日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号、昨日の続きです。

『球詠』

稜の出塁率アップ作戦、左打ちに転向っての、さっそくやってきましたね。でもそれで困惑してるのが味方たち。ふざけているのか? 監督、芳乃からは、練習試合をなんだと思っているのか、試合前に教えておいてくれないと、などなど、わりと明確に不評? いや、そうじゃないですね。まだぎこちない左打ちに、甘い球だけ打てばいい。希のアドバイスが生きて、稜のどんな球でも振ってしまうという傾向が抑えられて、じっくり粘って投げさせる、これまでになかった持ち味が出てきているんですね。

こうした若手の変化あれば、上級生たちの心情など、見応えある描写も多々あって、熊谷実業の久保田の前のめりに練習に取り組んでいく様子や、落ち着きあるその様子、アドバイスなんかも頼もしい、この先輩らしさは今の新越谷には得難いものであったかも知れないって思わされました。

実際、これが怜に、ひいては光に影響を与えていきそう。とりわけいろいろ負い目を感じてしまってる怜にとっては、現状を突破するきっかけに辿り着く、ひとつの光明になってくれるといいなって思います。

『ちょっといっぱい!』

凪とエリカが遭遇です! 出会っていきなり神作画と口走るエリカ。これ、オタク語彙だ! 普通の人相手には通じない系だ! 実際、エリカの謎挙動の数々が凪には通じず、自分を前にすると明らかに態度がおかしくなるエリカのことを誤解して、怖がられてるんじゃないかって、嫌われてるんじゃないかって、ええ、この気持ちのすれ違いですよ! 文化圏が違うというのは、こんな悲劇も引き起こしてしまうのですね!

凪の健気さですよ。エリカに向かって歩み出て、きらいにならないで……。私せんぱいがんばるから……! ああ、エリカよ、その反応よ! そこからのエリカのマシンガントーク、とどまるところを知らない萌え語りが圧巻で、変わった子だなあ、困った子だなあ、でもいい子だなあ。ほんと、これだけ熱烈に愛を語られて、凪はどう思ったろう。ほんと、素敵、見事、キュートな展開でありました。

しかしエリカ、最初はあんなに距離置こうとしていたのに、一旦オープンになったらあんなにもぐいぐいいくんですね。ほんと極端な子。もう、わかりにくいんだかわかりやすいんだか、わかりません。

『スローループ』

バンガローに到着しましたよ。到着するやいなや釣りに出ようとする小春。対してまずはのんびりしたい恋といったように、それぞれ個性が出てるのがチャーミング。というか、ひよりがすごいよな。誰よりも準備万端じゃん。なにを置いても釣りしたい組と、ゆったりとひとりの時間を過ごしたい恋。ほんと、まったく違った個性が見える。ちょっと恋が大人っぽいのかな。

釣りに出た先でのいろいろも面白い。ここは釣り堀とか川釣りの施設があるんですね。エサはイクラを使うっていうの、それを聞いた小春が語るかつての悲しい思い出。あんなにキラキラしていたチビ小春の目が、今や輝きを失っちゃってまあ! ほんと。なんで魚は自分で産んだ卵を食っちゃうんだろうなあ。

そして釣りの情景ですよ。ひとり釣る小春は仕掛けもばっちり、釣り姿もきまってて、ほんとかっこいいですね。対して小春はというと、釣れなくてヘコんでる。かと思ったら、これまでに得た釣り知識を動員して、おお、釣れたじゃないですか。もうほんといい表情見せてくれて、ああ、自分で巻いたフライだったね、そりゃもう喜びもひとしおだ。初心者なのかな? 家族連れっぽい人たちにポイント指南なんかしちゃってさ、ほんと、小春、めちゃくちゃ楽しそうだよなあ。

と、そこにつっこみ入れてくる恋が面白い。ほんと、恋のクールな様、これもまた堂に入っている。ええ、この子、自分で釣るよりも楽しそうにしている人を見る方が楽しいんだな。自ら飛び込んでいくよりも、一歩ひいた位置から状況を眺める楽しみ。ええ、それもまた素敵な志向だと思います。

釣れた魚を調理するくだりもいいですね。塩焼きが一番という恋に対して、研究の成果を披露して見せる小春とか、おお、マヨネーズ使うのか、マヨネーズが勝ちすぎない? しかし、これ、確かにおいしそうだよね。

3人だけのバンガロー。釣って食べて、精一杯エンジョイしていることのよくわかるその姿が魅力的。夜中のアレもおかしくて、いや、それ、恋さん、怪談じゃないですよ? 翌朝の小春、恋の様子なんかも本当におかしかったです。

2020年7月22日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年9月号、発売されました。表紙は『ちょっといっぱい!』。もみじと凪、ふたりが大きなひとつのグラスから飲み物をペアストローでもってシェアしています。青い飲み物は涼しげながら、添えられたオレンジに大輪のハイビスカスが夏の季節感をこれでもかと感じさせてくれて目にも鮮やか。そこに水着姿のふたりが、寄り添うようにして、見つめあって!? その様、仲良さそうで、もみじと凪のくったくない笑顔と隠しきれない気持ちの高揚の交錯する瞬間!? みたいなのがね、実にいい感じのしあがりであります。

今月は新規新連載が1本、新作ゲストが4本です。

『キミと家族になるまで』

ストレートな恋愛もの、きましたね。父の再婚。そして毎週金曜日に電車であえる憧れのお姉さん。それでこのタイトルときたら、もう予想のとおりですよ。まさしく王道といえる。最初はね、お隣の幼馴染み? とか思ったんですが、この子は普通につきあってる男子がいるというのだから、なるほどここに割って入るとかはない。と、いうところで、今回のギミック、しっかり受け取りましたよ。

主人公、稔は高校生。電車であうお姉さん、智里は大学生。受験のアドバイスなどもらって、そして稔は智里のことが好きでという。その思いを伝えられずにいるのかな? とか思ったら、おお、第1回目にしてしっかり伝えて、しかも好感触っぽい!? と、この状況から一緒に暮らすことになる。まあ、別にそれ自体は驚きだろうけど、お互い悪くないのではなくて!? とりあえず、暮らしてはじめてわかる相手のこと。それ知ってどう印象など変わっていくのか、そのあたりが序盤の見どころになりそうですね。

『大好きなこと』

変化球ぎみの恋愛もの、きましたね。同性ながら昔から好きだった瑞希から悩みを聞かされた楓。なんと、Hなことの経験云々っていうんですよ。どういうこと!? 混乱する楓に追い討ちが。なんと、瑞希、つきあってる人がいるらしい。誰? 寝耳に水。あまりのことにヘコんでしまっていたら、相手のこと教えてもらえたんだけど、なんと、女性、大園先輩、美人の人、なんだよ自分にもチャンスあったんじゃないの!? オンナノコじゃんの叫びからは、そんな心の声を感じとっちゃいましたよ。

しかしこれ、わりと際どいね!? 大園先輩が求めているプレイ。その内容を知って激怒する楓だけど、それで一線超えてなお大園、瑞希ペアに弄ばれている感が強いこの漫画。当初は瑞希が先輩から酷い命令されてると、そんな感じに思わせていたのに、実はグルでしたーっ! みたいなこの展開には、楓のみならず私も手玉にとられたようで、うん、この感じは面白かったですよ。

しかし、ほんと思いきった展開でした。

『3時のおやつは神様と!』

見た目が怖くて損をしている男子。不良でもないのにそんな先入観で見られるし、お菓子が好きなのにケーキ屋にも入りづらくなってと、そんなこんなでちょっと鬱屈しちゃってるみたいですね。そんな彼の、自分自身を肯定し、好きなものにまっすぐでいられるようになるまでの話。神様を自称するちびっことのコミュニケーションに、気負うことなく、自分らしさを表に出せるようになっていくくだりなどは大変よいものがあったと思います。

見た目がどうとか似合うとか、そういうのは本来好きの嫌いのに関わりないはずなのに、周囲の目が、決めつけが、自分の気持ちを押し殺させるというのは確かにある話なのだと思います。そのあたりを少々強めに押し出して、そして押し込められていた気持ちを爆発させる。スイーツが好きでなにが悪い! その思いのほとばしり。ただこれだけのことをいうのに、これだけの勇気が必要だったんですね。ええ、ここでの思いきり、そして彼の気持ちに応える神様。いいお話でした。

『神崎さんちのちっちゃい姉』

これ、いいですね。高校生の姉が一番ちんまり小さい三姉妹。背が低いだけじゃなく、子供っぽさも残していて、次女からは小さい子扱いされてるし、三女からは使い走り扱いされるしで、それが面白くない。でも、面白くないといっても、どうしても妹に勝てない。勉強だって三女小学生に教えてもらう始末。これ、姉がだらしないというよりも、高校数学がわかる三女がすごい感じしますね。

そんな姉の愛されぶりを描きながらも、いざという時には頼りになるお姉ちゃんなんだよというのを見せていくところ、これが大変よかったと思います。普段の妹から、そしてクラスメイトからも可愛がられている、愛玩されてるといってもいいくらい、そんなちんまり可愛い感じも魅力的なんですが、ここぞという時に見せた姉らしさ? 小さな妹の心細さを放っておかなかった、そんな姉の、ずっと前から見守ってくれていたことのわかる瞬間。ええ、いいお姉さんぶりでした。

『3丁目の英雄と河川敷の魔王様』

魔王の座を継承するための試練として、ひとり地球に送り込まれた魔王の娘、マオ・デミル。やるべきことは人類を制圧し、人の世界を支配下に置くこと。ただ問題があって、マオは王位継承に興味がない。けれどそれでは困るので、父王はマオを突き放すことにしました。

そんなマオの地球侵略。でももともとやる気があったわけでもないから全然はかどりそうになくて、というか最初に会った人間が悪かったな……。思い込みの強い子? 虹野雫。悪いことに、マオが参考にしたのが雫の漫画のキャラクター。自分の漫画のコスプレしてる子と出会って、えらいこと興奮した雫に締め落とされて、そこからもずっと雫のターン。まったくイニシアチブ取れず、住まいから食事まで雫の世話になることになってしまいました。

そんな雫の交換条件、ヌードモデルをやらされたりしてね、もうわりと尊厳の危機。それでも雫から主導権奪うことのできないマオなのですね。

2020年7月21日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年9月号、昨日の続きです。

『のむラリアット!』

ほんと、いい感じですよね。冒頭が海の情景。お、プール回かな? と思ったら、おおい、これ、桃の夢かよ、と思ったら、夢どころか、気絶中かーっ! 危ねえ。しかもありすの介助がまたヤバい。それ、水浴びせてるのと一緒だから!

今回、桃の部活着ずぶ濡れで新部活着購入イベントが発生です。スポーツショップに繰り出して、プロレス向きの服とはどんなものなのか。そこからリングコスチュームにまで話題が広がっていくの、これ、面白かったですよ。今はレオタード系ばかりってわけじゃない。セパレート、しかも装飾もいろいろあってというのが一般的になってるというの、実際の選手を例に紹介されるんですね。その一コマが魅力的で、ああ、作者さん、本当にプロレスが好きなんだなって感じさせてくれて、ほんと素敵な回でした。

素敵といえば、変に先輩風吹かす海音がですよ、わりと真摯にプロレスについて話したりね、ああ、なんか心入れ替えてる! って思ったら、ただ先輩風吹かすだけでなく、先輩として後輩にできることはなんだろうかって、いろいろ考えてるんですね。こうした変化、成長なんかもまた魅力だと思います。海音と桃も、だんだん仲良くなっていけそうな予感もして、これはいいですよ。

『初恋*れ〜るとりっぷ』

生徒会の仕事が忙しくて、なかなか部活に出られない琥珀。その琥珀が、生徒会の休みの日に、皆でハーブティーを楽しみましょう。素敵なお誘いをしてくれるんですね。その時のそらの反応が面白くって、どんな鉄道由来なの? って! どんなことでも鉄道がらみと思ってしまうのが鉄研マインドというやつなのかも知れませんね。

けれど、お茶会を楽しみにしていた琥珀がね、急遽発生した生徒会の仕事に忙殺されて、この面倒見のよさ! でも、それは自分の時間を犠牲にしているわけで、ああ、もう下校時刻になってしまった。仕事はクリアしたけれど、部活には出られなかった。そんな琥珀の悲しみ、寂しさのつのる真っ暗の廊下。あれは本当に切なくて、だからこそ夜行列車モチーフにして皆が琥珀を待っていてくれたこと、それが嬉しい、その優しさがあたたかいと思われて、ええ、琥珀、むくわれましたね。本当によかった。ほっと安心する瞬間でした。

今回のゆうづるモチーフ。夜行列車だからってとにかくカーテンを引いてみました。そして三段寝台といって、実ははしごかけただけっていう、ほんと、イメージ先行すぎる! でもこうやって、できる範囲で鉄道の叙情を楽しむ皆の様子、それは本当に生き生きとした時間、輝いていたと思います。

そして寝袋。E5寝袋にE6寝袋。これ、本当にあったりするの!? 探してみたけど見つかりませんでした。もしかしたら先生の自作だったりするのでしょうか。連結してねよーって、足と足あわせるの? その連結という発想がまたいかします。

『カワイイ?女子にご用心!』

めちゃくちゃ面白いな! というか、ヤバい子いっぱいだ。駄菓子を食べてるヨウとエヴァ。エヴァにあーんっていってるの、そうか、ヨウさん、やっぱり君はヤバいな……。うん、アウト寄りのアウト、すなわちどう見てもアウトだと思います。

そんな彼女らに絡んできたユーチューバー、自称有名人の逢坂椛。本当に有名人なのかな? と思ったら、そこまで有名ってわけじゃないみたいだな……。駄菓子の食べてみた動画を撮ろうとするもみじに絡んでいくエヴァ。まるで話を聞きやしない。ジュードー見せてあげる! って、よくいえばマイペースなその様! 自由奔放! 有り体にいえば手がつけられない感! すごい。ほんと、見事でした。

撮影はじまってからの展開もすごい。ジャリジャリって、これはヨウのリベンジなのかい? そして流れるようにエヴァの一本背負いですよ。あぶない! 受け身とれない人に投げ技かけちゃ駄目ですよ! ほんと無茶な子らで、ヨウはヨウでエヴァにしか気持ちが向かわないときた! 完全に自分中心の世界観が逆に気持ちよくなってきます。

この動画が受けた、いつもより再生数が多いともみじが一瞬喜ぶんですね。でもエヴァ人気か! ヘコむもみじ。自信喪失のもみじ。もう本当に面白い。もみじとヨウの気持ちのすれ違いも抜群で、このチグハグなコミュニケーション。心がなかなか通いあわないなあ。でも、その通いあわないながらも、なんか強引に成立しちゃってる関係ってのがおかしいんですね。

『みわくの魔かぞく』

マラソン大会が憂鬱なミラ。いや、これは吸血鬼さんか。炎天下走るなんて死んでしまうと、仮病使ってお休みするというのだけど、ただ休むだけじゃなくベロ作のミラちゃんぬいぐるみβを投入させるのが面白い。一生懸命走るチビミラがほんと可愛くて、しゃべるのはスシとかテンプラとか食べものばっかり。あまりに目立つもんだからまいが回収しようとしたら、なんかしゅんとしちゃうのね。ほんと、これ、可愛いですね。

涼は本気を出すと世界記録を出してしまうから、念には念を入れて適度に手を抜こうとしてるとか、この真面目なのか不真面目なのかわからんのも面白い。というか、それでもついつい真面目に走ってしまうのか! ああー、涼の性格がわかろうものですね。

涼とは対照的に、まったくやる気のない沙夜香とかもね、こういうところに性格があらわれるのも面白かったです。

今回のラスト、くたびれて、ミラもいなくて寂しいまいが、ベロとミラちゃんβをかわいいって抱いてるところが可愛くて、でもってそれ見たミラがちょっと嫉妬してるの。ほんと、素直になればいいんですよ! 最後まで面白くって可愛かった。よかったですよ。

『ななどなどなど』

うわー、扉の小町ちゃん、すいし、いや人魚みたいで素敵ーっ! というわけで、今回はプール回です。プールにいたるまでの描写がいいですよ。球技大会で全身の筋肉にダメージを負った小町ちゃんが湿布装備、それを隠すために長袖。暑くてちょっとくたっとしてる小町ちゃんが本当に可愛い。でもって、家族旅行さえも不参加だったという小町ちゃんの幼少時代! めちゃくちゃ可愛い……。今ほどひねくれてないのかな? 表情がなんか素直ですよね。

小町とななどは水着選びから。ばあやさんが嬉しそうになさってるのがいいですね。そして選ばれた水着。ななどは躊躇がないよなあ! ものすごい露出過多! でもそれで負けてないのがななどのすごさだよな。そして届いた水着です。小町の水着、背中がっぱー! って、いや、イメージ小町ちゃん、似合ってるよ、負けてない、負けてない、いけてる、いけてますよ。実際着てみれば、髪が長いから、あんまり背中出てるの気にならないですね。いいチョイスなのではないでしょうか。

しかし今回、なんだかんだと文句いってた小町が、それはそれで楽しそうにしてたのがよかったなって思います。あと、ななど。めちゃくちゃ楽しそうだな。一応IP68防水というのだけど、これ、最新のスマートフォンレベルだな。メーカーによると、泳いだり水没は避けたいとのこと。うん、ななど、ちょっと心配だ……。ここの会話、じわじわと不穏な空気が流れだすところとか、ほんと面白かった。だって、当たり前に200m防水くらいの性能あると思ったんだもの。壊れたらどうしようどころか、もう壊れはじめてるんじゃないか、なんて物騒な会話が最高でした。

2020年7月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年9月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

人の心の本当のところは外からはうかがいにくいものであるということ。それが今回しっかり描かれて、くりすですよ。美姫からすれば、なんでもできて、自信たっぷりで、それゆえに悩みがちな自分の気持ちなんでわからない、わかるはずがない。そう決めつけて拒絶して、だからわかりあうなんてできなくて、というんだけど、美姫さん、この子も困ったちゃんでありますなあ。さすがにくりすがかわいそう。

そう思ったところで、ああ、かおすがくりすに助け船を出しましたね。隠している本当の自分のありのままで気持ちを伝えてほしい。怯えるくりすに力を与えたのが、かおすも同じだというその言葉だったんでしょうね。くりすのために頑張ったかおすもまたよくて、そして怖れる気持ちを克服して、真摯な手紙をしたためたくりすの気持ちが伝わるくだり。それが本当にしみわたるように感じられて、本当にいい場面でした。

しかしそれにしても、美姫さん、不器用な子ですね。お友達とかいますか? なんかいろいろと心配になってくる子たちですが、美姫もまさにそんな子で、だからこそこのくりすとの関係改善が、くりすにとっても、美姫にとっても、変わって、育って、伸びていく、そんなきっかけになってくれるとよいなあって思ったんですね。

『しょうこセンセイ!』

しょうこの髪を切ります! しょうこはいつもは母に切ってもらっていたんですね。でも今は母とは離れて暮らしている。ということで、自分でいっちゃいますか!? って、それ、酷い目にあうこと請け合いじゃないですか。ローゼスも変なことけしかけちゃあ駄目ですよ。

佐久間に髪を切ってもらいます。でも、カットは苦手なんですね。お客さん前にすると緊張してしまう。その苦手克服も兼ねてしょうこの髪をカットすることになったんですけど、途中で背中がかゆくなるしょうこ! いや、最初の時点で背中がかゆいってちゃんといおう? というか、佐久間も緊張してるんでしょうけど、コミュニケーションが壊滅的になってる! いやあ、なるほど、前髪ばっさりいっちゃうのはまさしくさだめであったというわけですなあ。

でも、前髪ぱっつん、可愛いですよね。前髪揃えて仕上がったしょうこ、ほんと、めちゃくちゃ可愛いじゃないですか。しょうこもめちゃくちゃ喜んでるし、と、それはいいんだけど、解体作業? なんか、評価の基準が謎すぎるよ? ほんと面白かったです。

そして、落ちのリベット。あれ? リベットには似合ってない……。そうか、あの髪形、やっぱり人を選ぶのですね。これ、リベットの表情次第では可愛くなったりせんのかな。次回にはいつもの髪形になってるかもだけど、前髪ばっさりリベットの可愛さの可能性も見てみたいものです。

『ホレンテ島の魔法使い』

ホレンテ島に伝わる伝説。丘の上から奇跡の歌を届けたカトリネルエという少女の物語。これだけだといかにも西洋の物語のようだけど、彼女を祀って建立されたのがお地蔵様で、その名は香取観音。なんともいえないチグハグさがあるのね、ほんと、これどういうことなんだろう。ホレンテ島の昔話の本を読んでるあむも、このチグハグさを気にしてますけど、なんとなく納得しようといろいろ考えてるの。魔法使い伝説の真相も陰陽師っぽいのだったんじゃないかとか、そのイメージの変遷みたいなの、なるほどあむの解釈もあながちおかしくはないのかも知れませんね。

ユシャの手回しオルガンとともに、パペット装備のあむが歌って聞かせるカトリネルエの伝説。こういう見せ場、華やかで実にいいですね。創作を交えるのもいいのではないか、そんなあむの思惑を見透かす詠ならぬユシャ。このくだり、テンポもいい、きっちり締めて次の話題へスムーズに流すブリッジとなってるの、うまかったです。

この漫画の現実味ある要素。上級ガイドに要求されるスキルとかね、ほんと、魔法使いに必要なそれじゃないよね! 魔法使いを探してるあむにとっては、次から次に夢がぶちこわされるばっかりで、そんああむとかるてのラーメン屋台での語り合いなんかも、なんかまた現実味? おかしいんですね。このバランスの崩れそうで、けれどちゃんともってる感。それがいい味になってると思います。

というか、かるてさん、この島の残念さ、まだまだまだまだあるんですか? そっち側への期待もまた高まりますなあ。

2020年7月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年9月号、昨日の続きです。

『私を球場に連れてって!』

進路の話ですよ。第3希望まで答えるんですけど、タマの第3希望がおかしい! フードファイターって! 第2希望まではわりかしまともだっただけに、フードファイターの異色さが際立っています。そしてレオナはというと、ああー、諦めたらそこで試合終了ですよ……。大きくキャッツ優勝と書かれた調査票。これ、いろいろ駄目な感じですよ。普通に大学進学とかいったら、タマからファル子から先生にいたるまでネガティブな反応で、これにはさすがのレオナもこたえたみたいですね。

しかし、レオナはお家が病院。かつてはレオナも医者になる、スポーツドクターになるなんていってたけれど、今では父も諦めてるみたいですね。いやそれよりも、キャッツファンに育ったことが大切というこの父は、親バカなのか何バカなのか……。ともあれ、できの悪さで娘を見限るみたいな父上でなかったのはなによりよかった。というか、ほんと、娘大好きですよね。娘にデレデレの父と、弱りながらもそれを受け入れてるレオナの様子、あれ、よかったなあ。

今回はなんだかんだでレオナ可愛い回だったと思います。あと、くれあ、この子も有望! そして猫子、ほんとこの子、美少女っぷりがものすごいと思います。

『ぼっち・ざ・ろっく!』

デモテープも送って審査待ちの間、路上ライブをすることになりました、というんですが、やっぱりいろいろ危ういよね、この子たち! 投げ銭に物販、こういうことには準備万端で、さらには憐れみをさそうマスコットキャラまで! 肝心の演奏はどうなのか、不安になるところに泥酔廣井が投入されて、いや、これはあかんかも知れん……。そう思わせた序盤ながら、中盤からの伸び。ああ、喜多のその表情! 前回、この子の見せた模索、それがこの子に強さを、気持ちを下支えする力を与えたのですね。

こういうの見せてくれるのが、ほんと、この漫画のよさってやつと思いましたよ。

とはいえ、いろいろあかんところも多い。放置される泥酔廣井にエネルギー切れるぼっち! いや、これもまだまだ成長過程ならではですよね。あ、ぼっちのことね? 廣井さんは、うーん、もういろいろ手遅れだと思います。

『ぬるめた』

これはなんだろう、いつも以上に可愛さに寄せてきているぞ! しゆきと一緒に留守番してるくるみが見せてきた、ギャブソン隊長なる抱き枕。いつもどおり支離滅裂なくるみなんだけど、これ、しゆきが生真面目に受け取りすぎてるだけのような。なんだかよくわからない軽口、なんでもない面白トークとして普通に受けて流して、面白がっておけばただただ楽しいだけの話じゃないですか。そうですよ、幼稚園児とか小学校低学年の子と話してるんだと思おう! でも、それができないのがしゆきなんでしょうなあ。

今回はお隣のさきなの家に潜入して、あーちゃん、さきなの母ですね、いろいろお話したりするのだけど、緊張してるしゆきとか、ずっとだっこされてるくるみとか、そしてさきなの家の猫たち! なんだろう、ずっと和気あいあい! ちあきの改造の話も出るには出るんだけど、披露するまでにはいたらなくて、なるほど、今、ちあきが積極的にいろいろ改造しているの、しゆきの反応があるからなのか! そのへんをすっかり俯瞰するみたいに見ているあーちゃんがよかったですね。うん、ちあきの年相応な感じとか、それがよく出ていたように思います。なんかやって、なんか反応してもらえるのが嬉しいんだなって。それを見守るみたいなあーちゃんは、さすがの大人って感じがしました。

『エンとゆかり』

エンが家出! それでロッソが探しにきたんですが、しれっとゆかりは嘘ついちゃって、なるほど家出と。家出のプロのゆかりさんに任せなさい! って、ここからのボロ出しそうになりながらのいろいろ、面白かったなあ。

今回わかったこと。以前出てきたロッソの姉、この人がめちゃくちゃ強いっぽいこと。エンの剣技あっても容易に勝てなかった、それこそ戦力総動員でぎりぎり勝てた鍵の魔物を、ロッソの姉は倒しとるのか。すげーな。今後、その姉とやりあうことにもなる。エンの力は必須。姉以前に、鍵の魔物、残り1体との交戦もありうるというの、いろいろ情報が揃ってきましたよ。

そして、この世界のスマホ的なもの、リングについてもいろいろ見ることができて、お会計もできますよ! それでゆかりが買ってきた大きなハンバーガー! かぶりつくエンがめちゃくちゃ可愛いな! エンがかつて欲しがったけど買ってもらえなかった。それをゆかりがエンに贈ると。リングがあれば離れていても交流ができる。だからロッソとともにいきなよというその心意気。ああ、ここでいったんの別れとなるのかな、なんて思っていたら、ロッソも同じことを考えていたのか!

リング屋さんで出会ったゆかりとロッソ、そこでの対話。これが本当に名場面。ロッソはエンのこと、今のしあわせから今後のことまで考えてくれてるし、エンもロッソたちとのかかわりを大切に思っていることをその感情とともに吐露するし、互いに向けられた情と情の交錯するこの情景、こういうのもう大好きなんですよ。そして最後にゆかりの情の溢れる様よ! ヤバい、この子、ヤバい……。

しかし、ふたりの同居生活がはじまりますね。どんなことになりますことやら。いや、すごく楽しみであります。

2020年7月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年9月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年9月号、発売されました。表紙は『私を球場に連れてって!』。野球といえばスポーツ新聞、ということでスポーツ紙思わせるレイアウト!? 派手な色使いででっかい見出し風に今月の掲載作、いやさラインナップがドーン! いやあ、こうして見せられると結構な押しの強さですよね。びっくりする。たまツレって略すのかい!? コミックス発売の文字もまあ頼もしい。中央にいる応援スタイルのタマも実に可愛らしい! 表紙に埋没しない感、これはさすがですね。

今月は新規ゲストが2本です。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

これ、面白いです。妖怪の当たり前に存在する日本での話。無戸籍の彼らを戸籍登録し、社会に受け入れられる道をつける仕事をしている山本睦子の活動を描いていくんですけど、個性的な妖怪たちとのコミュニケーションが魅力的ではないですか。妖怪の特性? 人の常識とはかけはなれた彼らとのやり取りは思いもしない驚きに満ちて、それがまあ面白い。最初に描かれたペナンガランのナイワさん。ペナンガランってのは飛頭蛮みたいなのかな? って思ったら、内蔵ぶらさげてるんだ! 道理でモザイク処理。

この漫画、人畜無害そうな睦子が愛刀骨食手に妖怪に向きあってる一コマ見るに、結構な武闘派だったりするのでしょうか。わりかし物騒な妖怪相手でも、身を張って説得したりするハードな側面もうかがわせて、かつ妖怪の排除に躊躇することのない警察は妖怪対策課の刑事、藤原夏生との対立なども見せ、ただ楽しく、ほのぼのと交流するばかりじゃないというのを感じさせてくるんですね。

この第1回目で、背景から主要人物からきれいに整理して見せてきたこの構成、見事だったと思います。無駄なく、詰め込み感もなく、スマートにまとめて実にいい。落ちもすごく面白かった。これ、次回の期待感がすごいですよ。

『ゆるわけっ!』

のっけから御神木が倒れてるの、なんか切ないな。だってさ、台風やら豪雨やらで、御神木やらバタバタやられてるじゃんよ。そうかあ、漫画の世界も苛烈な気象に苦しんでるんだなあ。と、そういう話ではありません。田舎から憧れの都会に出てきた女の子。家賃の安さにひかれて事故物件に入居することとなったんですが、事故も幽霊もまるで意に介さない。そんなドライな三奈木さゆの幽霊同居ものでありますよ。

部屋に貼られた御札をはがすじゃないですか。それで出てきた幽霊が、もう本当の怖い系!? と思ったら、可愛い系で安心しました。というか、一度部屋から飛び出たさゆが戻ってきた時、ポルターガイストで物をとばしてる幽霊、あんまりに可愛くて普通だったから、あれ? 新しいご近所さん? とか思っちゃったくらい。

幽霊のオリ。底抜けの明るさで、わりと話せるいいやつじゃないですか。カラッとしてるし、うん、こんな幽霊なら同居もオーケーだよな! そう思わせる親しみやすさがある。でも金縛りかけてくるのか。そこは若干迷惑だな。と、最後に出てきた覆面と魔法少女みたいの、これが次回の話題のメインになりそうですね。エクソシストかなんかなのかな。

2020年7月17日金曜日

figma 究極! ニパ子ちゃん ニパ子

 まだ迷っています。figma ニパ子が再版ですよ! というので、あっちでもこっちでも大騒ぎ。可愛い、平たい、青い、白い、プレイアビリティに優れると評判のfigma ニパ子が再版となって、結構なプレミアついてましたからね、これさいわいと購入する人多数。で、まあ、自分もね、欲しかったりするのかも知れないなあとか思ったりしたとかなんとか。でもいまだ決断できず、予約締め切りは来週水曜の22日、ああ、もう一週間切ってるじゃん! と、そろそろ決断しないといくらなんでもまずいという状況になってきています。

再版ニパ子は塗装が変更されてるらしいですね。amazonのレビューを見てみれば、塗装に関する否定的なコメントがちらほら見つかるのですが、それが改善されてるとしたらまさしく買いなのかも知れません。また髪の色など、かなり青かったものが、薄めの水色になってる。これ、ニッパーの握りの色ですよね。でもうちにあるアルティメットなアレの握り見ると、これ、結構色が濃いな。多分再版ニパ子の髪色は、アルティメットなアレの握りよりも薄くなりそうです。

figma ニパ子購入で迷うのはですね、付属の物品、アルティメットニッパーのプラモデルなんですよ。これ、ランナーから切り離されていない状態でも残したい。でもせっかくだから組んだものも持たせたい。なのにひとつしか入っていないんでしょう? となると自分は絶対ランナー状態で残しますな。プレイアビリティ下がりますな。残念です。となると、ふたつ買えってことなのかい!? いやいやそんなあ。

迷うわけです。

迷うくらいならそもそも買わなくてもいいんじゃないかな。とまあ、そんなことも思ったりするのです。

グッスマ公式で買ったらニッパーキットとペーパークラフトがもうひとつついてきたらよかったのになあ。みたいなこと、いまだにぐずぐず思っています。

2020年7月16日木曜日

芳文社70周年記念キャンペーン アディショナルタイム

芳文社70周年キャンペーン、アディショナルタイムですね。これというの、少しでもピックアップしていきたいと思います。

7月15日分

タイム系、好きなやつ。『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、『恋は地獄車』、『ゲキカラ文化交流』、『宅飲み残念乙女ズ』、『たたかえ!WACちゃん』、『タヒチガール』、『だけど温田さんはひとりでデキない』、『つくしまっすぐライフ!』、『ひまじん』、『広島さん、友達になってください』

続き『部屋にマッチョの霊がいます』、『ペンタブと戦車』、『北斎のむすめ。』、『マツ係長は女ヲタ』、『まりかちゃん乙』、『ゆとりの町長』

たぶん、これでもまだ抜けがある。

そうか。『1年777組』とかがないんだよな。

ピックアップしながらずっと思ってたんだけど、きらら系成立に絶対抜かせないタイトルが、こういうアニバーサリーに出せなくなってるのがやっぱりつらいよね。芳文社のせいではないのだけれど。

COMICぎゅっと!からの移籍作というと『火星ロボ大決戦!』も抜かせないんだけど、残念ながら入ってなかった。『火星ロボ』の掲載されていたころのキャラット誌は、魔法がかかったみたいに面白かったんだよ。あの面白さは、残念だけど、後からはもう感じられないと思う。

MAXに魔法がかかってた頃もあったよ。

雑誌が総体として面白い。掲載されている漫画が単体としてではなく、それぞれ相互に作用しあって雑誌全体を押し上げてるみたいな感覚は、今後またありえるんだろうか。みたいなことをたまに思うよ。

雑誌が苦境といわれて久しい昨今だけど、雑誌の面白さというのは確実にあるので、その環境が失われるのは悲しいことだと思っています。

7月16日分

機械ではなく器械でした。器械さんにはお詫び申し上げます。

それはそれとして、器械の物件は買いなので、今日で終了の芳文社77円セール、お忘れなくお買い求めくださいますよう。

あれ? やっぱり77円キャンペーン、『看板娘はさしおさえ』あるんじゃないか。なんで抜け落ちてたんだろう。

え? みんな250くらい買っちゃうものじゃないのん? だって、77円よ? 既に電子で所有してるタイトルがあるから250で収まってラッキーだったな、みんなは300とか400超になるんだろうなあ、大変だ! とか思ってたのだけど!?

アディショナルタイム突入

一昨日、ジャンボから出た新人たちがきららへの道を作りあげたんだみたいなこといっていました。師走冬子も間違いなくそのひとりです。芳文社での代表作は『スーパーメイドちるみさん』だと思う。タイム系からきららに移ってまた戻ってきた漫画。『あおいちゃんとヤマトくん』は待望の単行本化でした。

まりかちゃん乙』、『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』はぱっと見きらら系っぽいけどタイム系です。テイストの違いはあっても、結構肉薄してたりしますよね。まりかの意地の悪そうな笑みとか最高ですよ。キャラクターの個性的なふるまいが、ウザさと愛らしさの間隙を突いてくる。そのバランスがいい。

『うにうにうにうに』と『ゴスロリJK無人島漂流記』、作者おんなじだった! ふたつ、シチェーションとか全然違うんだけど、キャラクターのふるまい、そのチャーミングさは通じるものあるよね。今やってる『限界ゲーム飯』も面白いです。

『夜森の国のソラニ』。なぜこれを落としていたのかわからない。ミラクに掲載されていた漫画で、独特の世界観、雰囲気、たたずまいが素晴しいものありました。『うらら迷路帖』はアニメにもなりました。

『江戸の蔦屋さん』。花のお江戸で出版を営む蔦屋さんのお話。歴史に名を残す絵師、戯作者を口説きおとしては本にしていくんだけど、そこで生きるのがこの人の特殊能力。憑き物が見えるのね! 憑き物で才能を見る、そのケレン味も手伝い、江戸の風俗を楽しく読んで味わえる漫画です。

『おしかけツインテール』について書いてたっけ? 77円で買える初期も面白いんだけど、最近の展開が本当にいいんだよねえ。77円で触れて、いいかもと思ったら続きも読んでみて欲しい。

乙姫各駅散歩』。ゆったりとたゆたうような時間? おだやかな雰囲気をともに描かれる、乙姫の地上の世界での暮らしぶりがほのぼのとして、情緒豊かで、チャーミングな漫画です。

『おひとり食堂』。父の残した食堂、せいちゃんを切り盛りする誠一郎とお客の交流が、ユーモラスに、コミカルに描かれて、そして時には人情の機微にも触れる、そんなところが素晴しかった。今は常連の女優、白石さんが主役の『瀬戸際女優!白石さん』が連載中。こちらも面白いですよ。

昼間、『看板娘はさしおさえ』あるんじゃん! とかいってたけど、買ってるよ! 初日に買ってたよ!

きらら系列誌のMAXは、創刊当初あまりに個性の強い漫画が揃っていたために、実験場とかいろいろいわれてましてね、そんな中、わりとオーソドックスめの風貌であらわれたのが『看板娘はさしおさえ』でした。

看板娘はさしおさえ』。でも、やっぱりこれも個性的で、時にシニカル、時にフェティッシュ、されど基本はチャーミング。ぐっと捕まれた読者は、質屋の一家のホームコメディをわくわくしながら読んだものです。この人の漫画は女性陣が強いのもまた魅力だと思う。あと眼鏡。あと無象。

『恋は地獄車』。主人公姉妹の姉がヒモを養ってるんだけど、悲惨とかそういう感情よりも、ヒモの兄さん、その人の過剰な愛を受け止めるの、すごいね!? という驚嘆の方が強いというのがものすごい。バレンタインエピソードとか強烈だよね。一度見たら忘れられない。最近、続刊が出ました。

今でもまんがタイム系にきらら系にと、たくさん四コマ誌がある、そう思ってる人も多いかも知れませんが、一昔前はこんなもんじゃなかった。誇張でなく今の倍くらいありました。それは盛況といえるけど、追うものとしては疲れることもありまして、四コマ疲れしていた時期が私にもあったんです。

四コマ疲れしていた自分が、それでも四コマを読み続けたのはやっぱり好きな漫画があったからでして、そのひとつが『サクラ町さいず』でした。ラブリーの巻末漫画。これがなかったら、自分は今、四コマ誌を読んでなかったりしたのかなあ。わからんのだけど、当時私の支えであり最も信頼してた漫画です。

『10歳からの家族計画』、『一緒に暮らすための約束をいくつか』。陸乃家鴨さん、好きやねん。本が出たら無条件で買う作家のひとりです。

『スパイの歩き方』。妙に気になる作家、速水螺旋人の漫画。あんまりまんがタイムに載ってる漫画っぽくない! 一癖あるけど楽しく読めるいい漫画でした。スパイコメディ。やっぱり結構シニカルです。

すわっぷ⇔すわっぷ』。とめきちさんは18歳未満には読めない呪いのかかった漫画も出していらっしゃるのだけど、それらよりも『すわすわ』の方が自分にはずっとアトラクトするのだから不思議です。女の子ふたりがキスで入れ替わるのですが、最初入れ替わりの手段だったはずのキスが……?

『だけど温田さんはひとりでデキない』。どこかあぶなっかしい温田さんの、けれど放っておけない! という感覚が読者にもひしひし共感されるという、そのキャラクター性。見事だったと思います。温田さんが可愛いんですよね。あぶなっかしいけど。いや、だからなんでしょうね。

『TCGirls』。トレーディングカードゲーム、TCGのコアなマニアである主人公が、TCGショップでバイトするお話なんだけど、わりと暴走気味の主人公がうまいこと皆とコミュニケーションとって、イベント成功させて、みたいにその能力発揮させていくところとか、なかなかの見どころであります。

鉄仮面のイブキさん』。表情に乏しいイブキさん。そんな彼女のことが気になる喜多くんが彼女のいろいろアタックしていく漫画なんですが、無表情なはずのイブキさんがべらぼうに可愛いんよな。このチャーミングさ、特筆ものです。

となりのなにげさん』。困っている人がいるとささっと現れて、トラブル解決してくれるなにげさん。何者!? 妖精とかなんかなの!? この謎のキャラぶりとこの子をとりまく人たちの関係も面白い漫画です。

トモダチヅクリ』。ぼっちふたりが友達になる過程を描いた漫画、といえばありきたりとも思えるけれど、その初々しいふるまいとか、感情の揺れは絶品でしたよね。

どろんきゅー』。基本的に可愛いキャラクター、でも霊が怖いの! って漫画なんだけど、ほんとに怖いの! めっちゃおどろおどろしい! なのに不思議といいやつらっていうギャップもおかしいんです。

夏乃ごーいんぐ』。強引キャラ夏乃の強引な行動が面白い漫画。この漫画でたかの宗美に出会い、『派遣戦士山田のり子』のために『まんがタウン』購読にいたりました。そう、こうして四コマの購読誌は増殖する。

なり×ゆきリビング』。女性ふたりの同居もの。奔放なかなりと大人の魅力のゆき? お酒飲んだゆきがイケメンムーブとか、めっちゃいいよね。違った個性、違った魅力のマリアージュが素晴しいんですね。

ハートフルとかハートウォーミングとかを表現する言葉を私は持ちあわせていないのですが、『にじいろフォトグラフ』はまさにその私の説明しづらいところに魅力の核を持った漫画だと思います。一気に読み切れるのは完結後ならではのよさですよね。

『ねことちよ』。こないだ出たばかりの単行本が77円!? いやもう、心底びっくりした。この漫画、ねこという名前の女の子がとにかく愛らしいの。もう、ほのぼのの極地! 同じく77円になってる『まんがタイムきららフォワード』を数号買えば、単行本の続きもすぐに読めるよ!

『初春が咲く』。ボーイ・ミーツ・ガールものなんだけど、男の子も女の子も恋愛に縁遠そうなところからスタートするのがこの漫画独特の味となっていました。すごくね素朴なの。それでほのぼのなの。なんかほっとあたたかくなるみたいな、懐かしむみたいな感覚。年齢の近い人だとどう感じるんだろう。

ハナイロ』。花の魔法を使う女の子たちの物語。皆の個性がよく出て、愛らしく、華やか。目にも美しい誌面が素敵な漫画ですよ。

ハルソラ行進曲』。工業高校でもの作りにいそしむ女の子たちの日常? 作業着着て実習して、そして部活動に頑張る子もあってという、そのいろいろがわりとスローなテンポで心地良く進んでいくのがいい感じでした。同じ作者の『ラストピア』、これがまたテイスト違って驚き!

はんどすたんど!』。ゲスト掲載第1回目ですっかり心わしづかみにされた漫画です。新体操に取り組む女の子たち。経験者はひとりだけなんですが、できないながらに得意な要素を伸ばしチャレンジしていく姿が美しい。ななみのだばだば走りなど、見どころいっぱい、愉快な漫画でした。

光れ!メシスタント』。漫画のアシスタントで入ったはずが、主に食事面で頼られることになった主人公の頑張り、工夫が楽しい漫画。四コマ漫画にはかつて主婦にレシピを提供する生活ジャンルがあったのですが、そうした要素が昨今の料理漫画ブームを受けて今風になってリバイバル? おすすめです。

ひまじん』。基本、屋内でくりひろげられるミニマムなコメディですよね。あまりに外に出ない、登場人物も基本ふたり。それでこんだけ話をふくらませて、面白さ提供しつづけるってものすごいよね! オーソドックスな四コマらしいといってもいいのか? 作者の地力が光る漫画だと思います。

広がる地図とホウキ星』。魔女の学校に入学した女の子リンが、友達と一緒に課題に取り組み、ちょっとした冒険? したるするその様子が実に素敵な漫画でした。キャラクター、設定、それらが世界を物語る、そんな魅力がありましたなあ。ものすごく支持していたんですよ。生きた世界が素晴しいと思う。

ビビッド・モンスターズ・クロニクル』。MMORPGビビッド・モンスターズ・クロニクルの世界で出会った子と仲を深めていく過程が魅力的。学校では内気な子がゲーム内だと雰囲気全然違うのな! 大好きでしたよ。全巻が77円! これは買いですわ。

『ふじょ子とユリ子』。腐女子のふじょ子のことが好きなユリ子。仲を深めようと頑張るユリ子のいじらしさ。そんなユリ子を振り回すふじょ子のBL趣味。そのせめぎあいが楽しかった。頑張れ、ユリ子。

プレフレ』。どっかに微妙さ、隙のある女の子3人が可愛い漫画でした。どっちかというとあけすけで、可愛さよりも楽さ、自由さを重視してるみたいな子たちでしたよね。でもその自分たちらしさ前面! ってところが魅力でしたわ。

『部屋にマッチョの霊がいます』。めちゃくちゃ好きだった漫画です。もうタイトルのとおり。部屋にマッチョの霊がいるんですが、その霊がですね、弱気な主人公をはげまして、そして主人公も頑張って変わっていくの。その過程がすごくいい。ヒロインの健気さに打たれまくりでしたね。

『ペンタブと戦車』。ノモンハン目前の昭和14年にタイムスリップした主人公が持てる知識、持てる能力を駆使して、歴史に運命にささやかながらも立ち向かっていく。その頑張る姿がよかった。ほんと、その決断はバッドエンドじゃーー!? みたいな瞬間とか、ハラハラさせられましたよね。

『北斎のむすめ。』。江戸時代、葛飾北斎の娘、栄が画業で身を立てんと奮闘する漫画なんですが、基本コミカル、洒脱、そして時にシリアス。その時々に見せる表情、情景がぐっと読むものをひきつける。実に力のある作家だと思います。だから『春雨日記』も単行本にしてください。買いますから。

『ぽんこつヒーローアイリーン』。火星を追われたヒーロー、アイリーン。この子が地球で一緒に活動するラブリーメロンとの生活、交流がおかしくて、でもなぜか時に泣けてくるという、そのふくよかな世界の優しさ。全2巻! 全巻77円! 買うしかない!

宮原るりは『恋愛ラボ』と『僕らはみんな河合荘』がアニメ化したので知ってる人も多いと思う。『みそララ』はかつて芳文社で連載されていた仕事漫画。デザイン事務所に勤めるOLたちの頑張りが気持ちいい漫画でした。完結してるわけじゃないので、いつでも再会してくださっていいのよ?

最近だとtwitterで発表した漫画が話題になって商業デビューみたいなことも珍しくなくなりましたね。twitterが出現する前には、web漫画がそうした役割を担っていた時代がありまして、例えば宮原るり、そして東屋めめも、web漫画で人気のあった作家でした。

みそララ』は宮原るりの芳文社での第一弾コミックスでしたが、表紙に大きく書かれているように、第1巻はオールカラー。本当に珍しい試みで、どれほど芳文社が期待して、力を入れた一冊であったかがうかがえるように思います。だって、表紙にオールカラーですよ。作者名かと思うデカさですよ?

東屋めめは、疑似家族をテーマにしたweb漫画を自身のサイトで発表されていました。私はその漫画が好きで、つまり芳文社デビュー前に存じ上げていたのですが、だから芳文社で連載がはじまった時は嬉しく思ったものでした。

東屋めめの持ち味は、どこか奇妙な設定といったらいいんでしょうか。『すいーとるーむ?』は会社に住み着いてるOLが主人公。どこかちょっと独特なフックがあるんですね。どれも面白い。現行の連載も最高。そうそう、『リコーダーとランドセル』の作家です。アニメにもなりました。

べたーふれんず』。『まんがタイムナチュラル』という隔月誌で連載してた漫画なんですが、雑誌の終了とともに完結、1巻ものとして単行本化。多分、伸びると思われてなかったんじゃないかな。移籍しなかったんだけど、後に『Moreべたーふれんず』として復活したというエピソードがあるんですよ。

『ゆとりの町長』。職にあぶれて故郷に帰ってきた町本ゆとりが町長選に挑戦するという夢のある? お話。現職有利の状況にいかに立ち向かうのか。無謀、奔放のゆとりと、ゆとりを支えるブレインかなめの策! ちゃらんぽらんに思えたゆとりが段々としっかりしていく、いってた? さまが魅力でした。

『リトル・リトル・アリス』。人間になりたいヴァンパイアの姫と、彼女の目的を阻もうとするロリコン軍団。言葉にするとアレだな……。リデル姫の奮闘と、もうほんとどうしようもないロリコンたちのしかたなさ、それが楽しい漫画。なんかラストがよかったよね。すごく印象に残ってる。

『私を球場に連れてって!』。野球観戦に目覚めた野原タマと、彼女に野球のなんたるかを教えるレオナとの友情が光る漫画。嘘です! むしろレオナはライバルチームのファン、ファル子を煽ったりする悪いやつ。でもこれが面白いんですよ。昨今人気の女子野球もの。ファンサイドを描いて楽しい漫画です。

芳文社70周年記念キャンペーン、通称77円セールはあと1時間で終了です!

まだまだ間にあいます。KRコミックスが77円だなんて、こんなチャンスはそうそうないよ。ガンガンいっときましょう! まんがタイムコミックスも、芳文社コミックスもよろしくな!

箱庭ひなたぼっこ』が抜けてるね……。なぜ……。これもとてもいい漫画……。読んで……。読んで……。

2020年7月15日水曜日

芳文社70周年記念キャンペーン きらら系編

芳文社70周年記念キャンペーン、きらら系でおすすめというたら、もう好きなん買うたらええんちゃう? みたいにしか思えんのやけど、うん好きなん買うたらええと思う。なので好きなのを好きなように書いてみるよ。

アキタランド・ゴシック』。機械の物件は買いですよ。独特の世界観。これは癖になる。機械の物件は買いですよ。

アットホーム・ロマンス』。いまだにNHKあたりでドラマ化されないかなあと夢見てるタイトル。前作が尻上がりに面白くなって、いいぞ! いいぞ! と思ってたら大量打ち切りで大量絶滅したの。もうがっかりきて、なんでこんな思いしながら漫画読まんといかんのじゃって世を呪ったの。

あまりにつらくて、でもこれまでアンケートを出してこなかった自分にも原因がある。そう思ったからアンケートを出すようになった。今、自分がアンケートを出すようになったのは『DESTiNATiON!』があったから。『DESTiNATiON!』がなかったら、今もアンケート書いてないかも知れない。

アットホーム・ロマンス』は過剰なマザコンとか過剰なブラコンとかが目につきやすいけれど、家族とはどういう関係であるのかに踏み込んでいく中盤からが圧巻なので、ぜひ読んでほしい。そしてマムーンを知ってほしい。

『RPG不動産』は、国産RPG的世界で不動産業を営む主人公たちの物件紹介ものなんだけど、まさかこんな展開してくるだなんてね! びっくりしたよ! 異種族とのコミュニケーションを物件紹介という視点から描く発想はすごく面白いと思う。

『エン女医あきら先生』。きらら系ちゃうやんけ! ってなりそうだけど、今は亡きジャンボに掲載されていたこれら漫画の先にきらら誌は生まれたのですよ。『ななみまっしぐら』なんかもそうやね。プレきらら的な存在がジャンボで、そこから出た新人が後にきららの地平を開いたんですよ。

かみさまのいうとおり』。初期の立ち上げ時期を抜けて、それから数年にわたり、きららという雑誌のベースを作り上げたタイトルのひとつ。湖西晶は素晴しい漫画多いのだけど、気楽に楽しく読める『かみさま』は湖西晶入門にもいいんじゃないかしら。

『まんがタイムきららミラク』という一風変わった隔月誌がありまして、その立ち上げタイトルのひとつが『きしとおひめさま』。独特の雰囲気。ミラクには特定のファンがついていたんだけど、自分もそのひとりでした。

教艦ASTRO』もミラク組。これ、途中で自然終了しちゃった漫画なんだけど、ファンは多くてね、いや実際面白かった。学校ものなんだけど、教師視点で描く教師もの。でもシリアスな学校ものじゃあない。楽しい、アクティブ、そんな印象が残ってる。教艦とあるけど艦船とは無関係です。

キルミーベイベー』キルミーベイベーです。

Good night! Angel』もミラク組。怪盗の話。

ぐーぱん!』は、ちんまい女の子が目付きの悪さとすぐ手が出てしまう性格のせいで誤解されてたところから、友達増やして、誤解もなくなっていく、みたいな漫画。可愛い、コミカル。そういった初期きららのベースをよくよく感じさせる、きらら系クラシックのひとつ。

けいおん!』。ゲスト初回の扉絵が、マーシャルMG10とレスポールスタンダード装備の女の子で、うおー、これはすごいー! と興奮ぎみにアンケートに応援メッセージ書いたものですよ。アニメ化するまでは人気なかったみたいにいう人いるけど、それは嘘です。ゲスト時から大反響でした(サンプル1)。

『月曜日の空飛ぶオレンジ。』、『ゆるキャン△』が大ヒットしたあfろのミラク時代の漫画。みんな当然『ゆるキャン△』は大好きだと思う。だったら『空飛ぶオレンジ。』も『シロクマと不明局』も押さえておくべきだよね。『ゆるキャン△』とはまた一味違うあfろ漫画を食らえ!

幸腹グラフィティ』。アニメにもなったので説明はいらんかと思う。これもミラク組です。うっわー、どえらいうまい絵だなあ! しかも難しい構図山盛りじゃん! みたいなインパクト。読者プレゼントのクッション持ってます(自慢)。

こずみっしょん!』。『ぐーぱん!』買ったならこれも。嗚咽するシミというめっちゃ萌えキャラが出てきます。もう嗚咽するシミ、大好きだった。

桜Trick』。これもアニメ化されました。女の子同士でキスをするという、一種突飛なシチュエーションに読者は皆怖れおののいた。マジかよ! 毎回キスするのかよ! これもミラク組。意外とミラクからのアニメ化、多いな。

三者三葉』は、きらら序盤でゲストとしてはじまり、その後長期連載化。アニメ化もしたので知ってる人は多いと思う。実をいうと、『三者三葉』読みたさできらら誌を購読するようになった。これがなかったらきららを買うの、もっと遅れたことだろうと思う。

ふおんコネクト!』、『しかくいシカク』、『ふたりでひとりぐらし、』。ざらのきららデビュー作『ふおんコネクト!』は、すごいの出てきたぞ! と思わせるインパクトのある誌面、細かな小ネタ山盛りのサービス精神溢れる漫画で、実際、一部読者を熱狂させた。誇張なしで。

こういうのはざらさんにも失礼かも知れないけれど、『ふおんコネクト!』のインパクトは、あの人の再来となるのではないかといった期待などを読者に抱かせたりしたよね。なんというか、期待の星みたいに思った人は多かったと思う。

城下町のダンデライオン』。これもミラク組か! ほんと、アニメ化率高いなあ、ミラク。

GA 芸術科アートデザインクラス』。COMICぎゅっと!からの移籍作。きららキャラットにおいても支持されて、看板作といっていいほどの人気があった。アニメ化もされている。きゆづきさとこはマストだと思う。これと『棺担ぎのクロ』を買わないという選択はありえない。77円だよ? 買うしかない。

天然女子高物語』。有名イラストレーター、門井亜矢さんのきらら掲載作。これも初期のきらら誌の雰囲気を思い出させてくれるよね。ほんと懐かしい。この漫画でもハワイにいきましたっけ? ぜひ皆も確認してほしい。

とらぶるクリック!!』。これね、最初、単行本買わなかったの。で、後悔したの。これも初期きららっていっていいのかなあ。機械を爆発させてしまう女の子がPC部で頑張る話なんだけど、友達の輪を広げていくところ、もう感動の嵐ですよ! ぜひ読んでほしい

『ハナヤマタ』、これ全巻77円か。アニメにもなりました。作者の現行作もアニメになります。これはフォワード掲載なのでコマ割り漫画です。

あかん、好きすぎて、個人的好みが勝ちすぎて、ピックアップできてないのがある。

『おとめサキュバス』、『黒髪巫女とマリアウィッチ』、『ゴスロリJK無人島漂流記』、『佐藤さんはPJK』、『しましまライオン』、『すくりぞ!』、『すわっぷ⇔すわっぷ』、『先パイがお呼びです!』、『トモダチヅクリ』、『ねことちよ』、『箱庭ひなたぼっこ』、『初春が咲く』、『ハナイロ

好きすぎてピックアップしなかったタイトル。とりいそぎ前半分。

ひろなex.』も初期きらら掲載作? と思うんだけど、もっとなんか最近のイメージがある。ちょっとおバカなひろなのどたばたな毎日、可愛い、楽しい、面白い、そんな雰囲気がきららの初期キャッチフレーズであるDOKIDOKI☆VISUALを体現していると思います。

○本の住人』。kashmirもマストなんじゃないかな。あまりに独特の雰囲気。普通の世界を異質な目で見るみたいな雰囲気が、おかしくて、あやしくて、ちょっと他に替えのない作家がkashmir。『ななかさんの印税生活入門』は『○本』よりももうちょっと常識寄りだと思う。

『みゃーこせんせぇ』。マッドな養護教諭が無茶する漫画。主人公のみゃーこ先生は非常識なんだけど、常識から完全に離れてるのではない、装うべきところでは装うみたいな、そのバランスに見どころがあったのだと思う。

ハルソラ行進曲』、『はんどすたんど!』、『ぱぺっとコール!』、『広がる地図とホウキ星』、『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、『ふじょ子とユリ子』、『ぽんこつヒーローアイリーン』、『また教室で』、『みわくの魔かぞく』、『ゆーま』、『ラストピア』、『私を球場に連れてって!』

好きという理由が勝ちすぎるタイトル、後半分。

『落花流水』。序盤から初期を通じきらら誌を牽引した作家があったのだけど、その作家の持ち味のひとつであった軽妙なやりとり、軽口の面白さ、それを引き継いだのはこの人だったと思ってる。本家は重厚路線、緻密路線にいってしまっただけに、『落花流水』は初期きららを理解するためには重要。

HR ~ほーむ・るーむ~』。初回を読んだときに、うっわー、すごいな! 一気に気持ちをつかんで持っていかれた感のあった漫画。隅々までゆきとどいた細工に考察。策士キャラの見事な手並みを実際に見せつけるところなど、あれはまさしく巧みな技でした。

作者は、細部に凝る人という印象があるのだけど、それは登場人物の心情にも及んで、そこに人の心の動きあらばより深く分け入って描き出そうとする、そうした筆致が魅力です。この傾向は『HR』にもあるけれど、『少女素数』はより濃厚に感じさせます。『そこテス』も77円、いっとこう。

『HR』の登場があまりにも鮮烈だったせいで、他社から出てた既作も買って、mixiでファンコミュニティを立ち上げるまでにいたったのでした。

イチロー!』をあげておくべきでした。野球選手、ではなくて、一浪です。浪人生の漫画! きらら系というと女子高生がメイン、みたいな印象を持ってる人も多かったけれど、決してそういうわけじゃないんだよっていう、切ない状況に置かれた主人公系代表作。きららの多様性ですよね。

『うにうにうにうに』、なんか好きだったよ。

『お願い!ロイヤルニート』って1巻で完結だっけ? これも好きだった。

きらら系好きなやつで『TCGirls』が入ってなかったし、フォワード掲載でアニメ化もされた『夢喰いメリー』が抜けてたし、あげてないやつにもまだまだ良作たくさんあるので、ちょっとでもひっかかったら買うくらいでいいのだと思います、77円だし。

夢喰いメリー』は、アニメのクライマックスはきっとあの場面に違いない! だって、連載読んでるときに、うわー、すっげーっ! って大興奮したもんな、あのシチュエーションからのあの展開! って思ってたら、アニメオリジナル展開でその場面なかったの……。だから、読んで、原作、読んで……。

あれ? 『ミソニノミコト』も抜けてた? これね、昨日どばっと77円で大量に買ったじゃん。そうしたら購入済みタイトルが背景グレーになるから見落としちゃうんだよー。Bookwalkerの話ね。Bookwalkerは初回購入半額キャンペーンやってるから、77円キャンペーンとあわせて大量買いするといい。

2020年7月14日火曜日

芳文社70周年記念キャンペーン まんがタイム系編

芳文社が70周年というので、電子書籍77円セールが実施されています。はたしてなにを買うべきか、わからず戸惑う人もあるでしょう。ということで、7月14日の関連tweetsをまとめてみました。

芳文社70周年で電子書籍が77円セール。どれがおすすめみたいな記事は多いけど、あまり辻灯子が推されていなくてビビる。『ふたご最前線』は見たけど、他は皆無。あまりのことにビビる。辻灯子は当然全買い推奨と思ってたから、意外なことに本当にビビる。

おねがい朝倉さん』1巻と『らいか・デイズ』初期は、『朝倉さん』後期、現在の『らいか』とは本当に違うテイストがあるので、知らない人はぜひ触れてほしい。開始当初の『らいか』は、スタンダードな四コマジャンルにドえらくうまい人が出てきたな! と心底思わせるすごさがあった。

作者の名前で全買い推奨といえば、辻灯子の他にナントカがあって、『新釈ファンタジー絵巻』、『影ムチャ姫』があればなあ! と思うのだけど、ないんだから仕方ない。『ヒツジの執事』、これ買っとこう。もちろん残業もだ。

作者名で全買い推奨。ひらのあゆさんもそうだわ。『ラディカル・ホスピタル』、『島の人』、『航海王子』もあるのか。『ラディホス』は冊数があるから、これで一気に揃えるの、最高のチャンスだと思う。

おーはしるいの『夫婦な生活』は、初期、複数誌で連載されていたのだけど、掲載誌によって四コマだったりコマ割りだったり、その形式が違ったので、単行本も四コマだったりコマ割りだったり、それぞれ形式違いの面白さが味わえる。きらら出現前のかわいい系四コマだと外せない人だと思う。

Oに点々ÖYSTERの『毎週火曜はチューズデイ!』は、この作者らしいといえばらしいのだけど、コミカル? 勢い抜群? でとにかく面白おかしく読める漫画。この漫画の読者は、今でもスーパーチューズデイというフレーズに過剰に反応を示すほど。深く心に印象を穿った一品。皆もぜひ続いてほしい。

芳文社70年記念77円セールのラインナップ。本来ならここに加わって当然の作家、タイトルがいくつも含まれていないのが惜しいよね。事情があるのはわかるから惜しい以上のことはいわないけど、いや、やっぱり惜しいよね。

芳文社77円セールのなにが怖いって、例えば、『牧場OL』最高だよな。よっし、まとめて買っちゃおうかなあ、と思って紀伊國屋で確認すると当然のようにコンプリートしてる。あぶねえ。ってのが山のようにあるから。

『牧場OL』というと、同じ作者の『となりのフィギュア原型師』これがまた最高です。

カントリー少女は都会をめざす!?』とか、一緒に売れてほしいよね。これ、大好きなんだよ。

芳文社セール、200冊のカート上限を超えました。

芳文社セール、冊子で持ってるものを電子で買いなおすいい機会になりました。冊子でも電子でも持ってなくて買ったの、5タイトルに満たないと思う。

2020年7月13日月曜日

『まんがタイムきらら』2020年8月号

 『まんがタイムきらら』2020年8月号、昨日の続きです。

『ゆえに、アイドル革命!』

ひとつのクライマックス、きましたね。楽団をともなっての祭典ライブ。新衣装もあつらえて、やる気は充分。10万人を前にしてのステージと思っていたのが、実は前座で会場キャパも1000人とあてが外れたなんてトラブルもあったわけですが、それでも自分たちは自分たちらしくやろう。その時その場のお客さんに一生懸命届けると、皆で同じ気持ちを確かめあってステージへと向かうその横顔の凛々しさ、素晴しかったです。続くステージシーンも躍動感じさせるもので、ああ、この子たち、ひとつの山を越えました。やりきった充実感とそしてこの成果が次にどのように繋がっていくのだろう。さらなる展開を、広がりを期待させるものを実感として得て、しかしここでこうなりますか!? ほんと、これはまったくの予想外でした。

本から発された光につつまれ、次に気がついた時はかつて過ごした日本、事務所にいたっていうんですよ。あれれ、帰ってきたんだ。この思いがけない帰郷に、はたしてここからどう物語は動くんだろう。帰ってきたのは、CHU♥IN GAMと城戸プロデューサーの4人。ああ、やっぱりユメはあの世界に残らざるを得ないのか。この予告なしでの突然の別れ。これ、帰れた! という喜びよりも、え? 帰れた? といった当惑に近い感情が出るんですね。私のこの感想は、劇中の彼女らのものに添うのか添わないのか。次回に描かれること、心待ちでありますね。

『下を向いて歩こう』

さざれ、アホでいいなあ。まさかの金属探知機導入。バイトの給料で買うたん!? なかなか女子高生の買う物品じゃないよ? というか、女子高生じゃなくてもこんなの買わない。でも、金属探知機って、思ったよりも安いのね!? それこそもっと何十万とかするもんだと思っていました。

ビーチコーミングで金目のものを探そう! そのために導入したわけですが、金目は金目でも、そのまま放置すると危ない針金とか釣り針とか、注射器! とか、さざれの思惑が見事に外れるわけですよ。でも、まさかの指輪発見! しかも高そう! 大事そう! で、こういうの見つけると動揺しまくって、泣きそうになってる、いや泣いてる? そんなさざれが面白可愛い。

でも、ほんと、今回のさざれは人助け全力でしたね。警察で恥ずかしい思いもしたみたいですけど、でもそれでも金属探知機遊びをやめないの。その不屈のガッツと、思いがけなく露見した常識人なさざれの側面、いろいろ見られたの充実でしたよ。

『みらいちゃんねる』

新境地だ! 明日香から告白されたミライ。その返事をどうするべきか。悩んだ結果、秘密を明かすことにしたんですね。ずっと性別を偽っていた。その決意を姉に話した時のやりとり。姉がね、嘘つかせちゃってごめんねって謝るの。ああ、これなんかよかったな。でも、続きの会話ですよ。女子とバラしてなおつきあうかどうするかって、なるほど、未来はその可能性は思ってなかったのか。そりゃあないよね? 自分だってなかったもの。でも姉のあの強い信念。あれは見事でしたね。

明日香とミライのやりとり、どういう返事が返ってくるか、緊張の明日香ですよ。ごめんねといわれて、覚悟を決めたら想定外の展開が待ってるってわけで、明日香もびっくりだよね、これ。でもってそこからの展開。ああ、姉のアドバイスが生きましたね。こういうの、漫画だから、きららだから、そういう向きもあるかも知れないけれど、これからの時代、こういう向きあい方も当たり前になっていくのかも。そう思わせるものあって、これは素敵な展開であったと思いました。むしろ、女子とわかって、それで明日香の気持ちも割り切れないままご破算です。そういう展開の方が不自然とも思える、そんな気持ちにさえなって、それはこのふたりの関係の積み上げ、それが確かだったからかもなあ。自分でも意外なくらいにシリアスに、真面目に受けとめることとなったのでした。ええ、真摯さを感じたのですね。

次回、最終回なのだそうです。これ、ちょっと驚きました。これからか!? と思ったら、そうかあ、物語の畳まれる、その流れにあったのかあ。残念ですね。新たな関係を築くふたりの様子も見ていたかったです。

My Private D☆V

『ぬるめた』のこかむもです。

今回のD☆Vポイント、わかりやすい! というか、すごく納得いくものでしたよ。

「仲良しの物騒な会話好きすぎる」

それでイラストが、女子ふたり、喧嘩売ってる? だの、ごぼうで刺し殺すだの、それはそれは物騒な文言が飛び交ってるのですが、肝心の女子ふたりはというとにこにこして、和やかな雰囲気させているんですね。あくまでもこれは冗談で、気の置けないふたりだからこそ安心して振り回せる物騒会話、そんなテイスト。ええ、なるほど、これが作者の好みであるわけなのですね。

と、なにが納得かといいますと、『ぬるめた』ですよ。あれがまさしく、仲良しの物騒な会話漫画ではありませんか! というか、物騒さは会話に留まってないわけですが、改造だなんだ、ああしてこうして手を切っちゃったりとか、まあすぐ生えてくるんですけど、もういろいろ物騒で、そうした女子のやりとりが好きすぎるとのこと。なるほどなあ! まさしく作者のD☆Vがこれでもかと盛り込まれたのが『ぬるめた』であったわけですね。

いやほんと、すごい納得感でした。そうかあ、なるほど、そういうことかあ! 作者理解が、作品理解がぐっと一歩前進といった感じです。

2020年7月12日日曜日

『まんがタイムきらら』2020年8月号

 『まんがタイムきらら』2020年8月号、昨日の続きです。

『えあ○バルーン』

ゲスト3話目に、どーんと大きなイベントを持ってきましたね。九州は佐賀に遠征して気球を飛ばします。今回のタスクはJDG。ターゲットに砂袋を投げ落とす競技なんですね。なるほどなあ。定められた離陸地から飛び立ちターゲットへと向かう。この次々と気球が離陸していく様子が実に壮観で、そして47番、我らがアスハルカも大地を離れて、空へ空へと昇っていく。その情景が実に素敵で、ああ、きっと作者はこの瞬間、この光景を描きたくてこの題材を選んだんじゃないかな。そう思えるほどに心ひかれるものありました。

ターゲットにマーカーを投げる大役を担うことになった絵亜。うまく投げられたと思ったのに風に流されてしまったり、こういう難しさもあるんですね。また片付けの様子、空気抜きとかね、気球にかかわるいろいろな面白いこと、今回描かれたことにとどまらず、きっといろいろたくさんあるんだろうなあ。こうして競技の様子が描かれると、さらに、もっとと興味が広がっていく。ええ、この子たちのわいわいと楽しんで取り組んでる様子も、絵亜の探している気球人さんのことも、そしてもちろん気球にまつわるいろいろも。それぞれが魅力となって動き出している。そんなゲスト3回だったと思います。

『夢見る!ルネサンス』

ついにリーチャもバイトデビューです。レンのバイト先で人手が足りなくなって、絶望に暮れるレン。そこに引き込まれるリーチャ。とにかく、誰か知ってる人がいてくれるだけでもいい、そんなレンの追い詰められた感。尋常ならざるものありますね。

バイトということは給料が出る。憧れのペンタブレットが買える! 一気に気分が高まるリーチャがいいですね。よほどの意気込みなのでしょう、いろいろ予習していったりね、ほんとこの子のこういう頑張り屋なところ、とても微笑ましい。そしてバイトがはじまってからも、メニューを出して、注文の品を運んでと、そのたびに緊張してるのがまた面白い。でもこうなるのもわかる気がする。うまくやろう、しっかりやろう、そうした気持ちが先走ってるんですね。

喫茶店にクラスの友達がやってきて、レンにリーチャを見て、高貴なお店なのかって驚くの、その誤解、いまだ解けずにいるのか! 貴族みたいなのは桃花とかだから、そういったらすぐ後ろに桃花がいてるというのも面白い。コーラを注文する桃花のシンプルな表情が可愛い。気合いをいれたレンの輝きもすごい。ええ、ふたりそれぞれにいい刺激になってるみたいですね。だんだんにリーチャのこわばってたところもなくなって、その仕事ぶりも評価されてたところ、こういうのもまたよかったと思ったのでした。

『そらコミュニケーション』

お祭りにいきます。皆、浴衣を着ましてね、カラフル、実に魅力的。とてもいいと思います。お祭りに期待すること、楽しみにしてること、そこに個性が出ますよね。アトリアは全屋台制覇とかいってますが、すぐさま入る冷静なツッコミが実にいい。だってね、この人ならなんかできそうじゃないですか。でも、そうか、やっぱり限界があるんですね。なんか意外に思われました。

金魚すくいをやってみたサラの、うまくすくえなくて超能力でズルするところ。あのむーってしてるその表情がいいですね。そして屋台のお面。ソラはポワルリンのお面、アトリアはおかめ。おかめのお面が怖いソラ。なんかおかしかったんだけど、これ、盆踊りの後で迷子になってたのね、お面のせいだったんじゃないの!? いや、それはないかあ。盆踊りの場面ではお面つけてませんでしたもんね。

迷子になったソラが出会った女の子。私が「わかる」なんて意味深なこといってましたけど、お盆だからあの世から帰ってきた人なのかな? いや、この土地から出たことがないっていうから、土地の神様? あえてはっきりさせなかったところがよかったと思います。外の世界のことを教えてとせがまれて、ソラが話すのがこの町どころか星を超えるほどに遠大な世界にまで広がるのがおかしい。そして友達になったふたりが交換したもの。ソラはりんごあめを、そして謎の女の子からは赤い玉? をもらって、でも、その玉、葉っぱに戻っちゃったんですね。

神様なのか幽霊なのか、あるいはそれとも狐狸の類なのか。ええ、意味深にして謎なのです。

2020年7月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2020年8月号

 『まんがタイムきらら』2020年8月号、一昨日の続きです。

『スロウスタート』

花名のカムアウト。前回、まさにクライマックスもクライマックスであったわけですが、そうした感情の盛り上がりが過ぎればすぐさまこれまでどおりの日常に元通り、みたいにはいかないものなんですね。泣きに泣いて、すっきりしたように思われた花名だけど、先生、一目見てなにがあったかわかったんですね。花名を早退扱いで家に帰らせて、この子のメンタルを心配してくれてたんですね。

家への帰り道、いつになく高揚していた花名だけど、そりゃあずっと心の重荷になってた案件が円満解消してくれたんだものなあ。それはそれは気持ちも軽くなったことでしょう。でも思っていた以上に心はいっぱいいっぱいだったみたいで、気が抜けたらバッタリ。熱出しちゃって、ええ、先生の見立て、正しかったですね。

翌朝、目を覚ました花名の心配。あれは夢だったんじゃないかっていうの、これもまたわかります。どこか現実味を持てないんですよね。大事をとって休んだ方がいいんじゃないか、心配する志温に対し、学校にはいくべきと強く押す万年さん。その言葉の真っ直ぐに花名に向かう様は、この人の花名の今、これからを思う気持ちに溢れていたと思う。もう、こうした周囲の人たちの気持ちも嬉しくて、泣けてくるようでした。

この一連のできごと。花名にとっての次へのステップを開きましたね。見たくないといっていた中学の卒業アルバム。母に連絡して送ってほしいっていう花名。お友達を見たいというその言葉の意味。ええ、この子のここ数年閉ざされていた気持ちの扉が開こうとしていますね。ええ、これもまたもうひとつのスロウスタートなのですね。

『むすんで、つないで。』

今回は小学校のクラブ活動の話。花ノ子がどの部に入るかって話なんですが、ここから話のメインがつなぐになるのが面白くて、というか、苺よ、君の中でつなぐはどんな娘さんになっとるのだね。苺が手芸部、そしてつなぐも手芸が得意というの聞いて、そんなに驚く必要がある!? ってくらい驚くの。というか、趣味があったんですかって、えらいいいようだよ。失礼! 失礼! でも、そんな苺が好きです。

つなぐのつけてるリボンの髪飾り、あれ、手作りだったんだ。さらには白百合のリボンも手作り。でも、つなぐ、なにかいうとネガティブが顔を出すよね。負の要素とか苺にいわれてますけど、うん、確かに負だわ。

基本的にリサイクル。そうか、つなぐの髪飾り、もとは花ノ子の服だったんだ。ここで苺が重いといったの、花ノ子にまつわるものをいつも身につけてたいって解釈? それとも形見みたいな感じ? どうなんだろう。つなぐはかたちを変えたおさがりっていってますね、よく言えば。じゃあ有り体にいうとなんなんだろう。私、気になります。もしかしなくても、やっぱりつなぐ、ちょっと重い女の子なんでしょうか。でも、そんなつなぐが好きです。

今回のラスト、花ノ子と白百合のやりとり、あれ、よかったですよね。花ノ子が花を咲かせる、その気持ちの動き、あれ、すごく美しかったです。

『ぎんしお少々』

しろにつきまとっていたもゆる。でも今はまるで状況が逆転して、もゆるが逃げ惑う番なんだ。なんで? と思ったら、なるほど、猫と人を取り違えてること、それをしろにいいづらくて逃げてるんだ。突然もゆるの態度が変わったもんだから、しろも当惑していますね。うん、でも、これは混乱しても仕方ないわ。なんかしちゃったかなって心配にもなりますよね。

しろともゆるの関係改善? 勘違いのこと白状するにいたるまで、面白かったですよ。人間関係に苦い思い出のあるもゆる。鬱々と思い悩んでいたけど、こないだ現像に出した写真、できあがってきたの見ながら前向きな気持ちに変わっていくところ、これ、よかった。そしてしろ側の誤解! 霊感少女と思いましたか! ほんと、こういう気持ちのすれ違い、あるいは単純に勘違い? そういうのが面白くて、実にチャーミングでした。

『しあわせ鳥見んぐ』

今回は、前回不穏な動きしていた鳥好きのお姉さん、時庭翼サイドがメインに描かれて、そうか、この人、鳥のこと皆に知ってもらおうと、動画を作って公開してたりするのか。トリさんなるキャラクターがじたばた頑張る様子は可愛いですね、って思ってたら、これ、着ぐるみなの!? 予想以上だった。イラストとかなんかだと思った。着ぐるみか。尋常じゃない頑張りだよ、翼さん。

前回、翼が出会った美術の人、宮内すず。この人の描いた絵、それ、絵画展に出したんですね。それが、翼の友人、ひな経由で翼に届いて、ふたたび翼はひなを探しに美大にいく。勝手にモデルにしたこと文句いいにいくのかな? って思ったら、違うんだ! カワセミのできがよかったっていいにいったんだ! このちょっとズレてる翼が面白い。そして、鳥への興味がすっかりひなを変えてしまってるの、すごく晴れやかでエネルギーにあふれてる! ええ、このふたりの出会い、それがまたなにか新しい地平に向かわせそうな予感に満ちて、実に楽しくなりそうです。

しかし、翼のスズメクイズ。あのひっかけ感、すごかったですね。スズメに似てる鳥、あんなにいるんですね。

2020年7月10日金曜日

『まんがタイム』2020年8月号

 『まんがタイム』2020年8月号、一昨日の続きです。

『午前0時のおねだりごはん』

米沢、兄とあえるというのを楽しみにしている。そうかあ、兄と疎遠だったというの、なにか軋轢があってとかではなかったんですね。喜びが溢れて、その輝きがあちらにもこちらにも影響及ぼしてる。社内はあっちでもこっちでも沸き立って、その理由を知ってるのが牛喰ひとりというのが面白いです。

さて、米沢兄ですよ。どこかちゃらんぽらん? いい加減そうな兄さんで、牛喰もわりと兄のいうこと半分くらい聞き流してるんですけど、米沢が読んでいて、牛喰も好きだという作家、それが兄だっていうのね。またからかってー、みたいに流そうとしたら、冗談みたいだけど本当だって妹、米沢からお墨付きが。いやもう実にいい感じ。妹が自分の本読んでくれてるって、兄からしても嬉しかったみたいで、それでぐいぐいいったらちょっと妹からウザがられてるっぽいのがね、でも米沢、これ本心からの拒絶でもないって感じなんですね。

米沢兄妹。牛喰のご飯を食べた時の反応がまるで一緒なのもおかしかったです。似たもの兄妹なんですね。でもって、なんだかんだで兄妹の仲も回復していって、牛喰、いい仕事しましたね。でも兄貴さん、牛喰のこと気にいっちゃってるんですね。なかなか大変なことになってきた感じですね。

『ご主人様!確保します♡』

メイド喫茶も衣替えなんですね。でもこのメイド喫茶の制服、ひとりひとり、ちょっとずつ違いがあるんですか? コトコなんかは年中半袖で、やる気の証拠!? 意識の高さ? と思ったら、まさかの年中半袖人間。小学生男子みたいですね。でも、その男子っぽさ? この子のくったくなさ、あのえっへん! なんかにあらわれて、これがまた可愛らしくてとてもいいと思います。

心子の夏服だけ皆と違うというの。旧制服とか? と思ったら、そうじゃないのか。たまたまあったコスプレ風メイド服。でもそれで個性が出たら、お客からの覚えもよくなるのでは? これを怪我の功名としてステップアップしていきましょう。

しかし今回面白かったの、愛未クールビズver. お披露目のくだりですよ。メイド同僚からは可愛いと、お客からはエッッッッッ!! と、好評なんだけど、娘からはキッツいかあ! 実母のミニスカは地獄。これ、ほんとに面白かったです。

そしてラストのハンコで遊んでるコトコとヒメの様子。ああ、冒頭のタバコはここに繋がってくるんですね。しかしそれで根性焼きって! ほんと、違いますのコメントがいいツッコミになってました。

『茨城ってどこにあるんですか?』

森戸、大活躍! この子、ただ絵がうまいってだけじゃなくて、漫画の仕事に憧れがあったんですね。心底集中してる、その姿、とても魅力的。そして森戸の生み出すキャラクターがまた実にいい感じ。今回は東京先輩と千葉、埼玉、神奈川が登場して、いやもう素晴しい。東京先輩に憧れる茨城に、ふーん私は東京のかわりってワケなんだ、仲良しの千葉が問い掛ける。このくだり、森戸が生き生きしてるでしょう! ほんと、素晴しい。実に面白いです。

この劇中漫画、擬人化のアイデアやキャラクターの取り回しももちろん魅力的で、心奪われっぱなしなのですが、そのキャラクターを生み出す際のやりとり、楽しそうにアイデア出しあって、ちょくちょくツッコミいれたり暴走ぎみに盛り上がったりするようなところがねすごく面白かったんですね。劇中漫画の面白みあり、それに引き出される多恵たちの面白みあり、重層的なおかしみ、魅力、楽しさがたまらないエピソードでした。

関東都県擬人化漫画、毎回毎回これをやるってわけにもいかないでしょうけど、またたまにはこれをやってほしい。そんなこと思うくらいに気にいったトピックでした。

2020年7月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2020年8月号

 『まんがタイムきらら』2020年8月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。これは可愛い。ユウと海果ふたりの世界。照れて赤面している海果の頬を、両の人差し指でちょんちょんとついているユウのそのいたずらっぽい笑顔が本当に可愛い。よく見てみれば、これはおでこぱしー? ひたいとひたいをぴたっとあてて、それで気持ちを送受信。だとしたら、今ふたりの間に共有されている思いというのはどういうものなんでしょうね。しかし、ふたり、実にいい距離感であります。

今月は新規ゲストが2本です。

『ライフハック』

ライフハック? 生活や日常のいろいろに役立つちょっとした工夫? と思ったら、もっと切実なものでありました。

うっかり? 遭難してしまった大場初美が、同じく遭難中の薫子、小糸とともに生き抜いていこうというお話でしょうか。ここでは生きるための技術が必要。なるほど、それがライフハック。初回は火おこしから。もみぎりで火をおこそうとするも失敗した薫子が、小糸の拾ってきたペットボトルを使い日光を収斂させて火をおこすというのですね。

しかし初美はなぜ普段着でこんな山の中にいたのか。そして薫子、小糸は、なにか目的があって山中に? ただ遭難してるというだけでない、謎なんかもありそうな様子です。

『エルフのるすばんサプライズ!』

学校から帰ると家にエルフがいた。家ぐるみでつきあいがある? ひいては、父の出張中の留守番をしてほしい、そう頼まれて小夜の家にきたというのですが、わりと人の世界に慣れている? と思わせておいて、携帯電話の常識が一昔前だったりするという微妙なズレ。なるほど、ごく稀にしか人の世界にはこないって感じなのかもですね。

エルフのティナの服装が、あまりにファンタジー寄り、こちらの世界では目立ちすぎるというので服を買いにいくことに。スマートフォンで父に連絡。目的地にはマップアプリを活用してというその頼れる様子、ちょっと得意気な小夜が可愛らしい。けれど買い物の帰り、ティナとはぐれて、さらにはスマートフォンの電池が切れて心細くなっていたときに駆けつけてくれたティナ。小夜の年齢なりの表情見せてくれるところ。ティナが頼りになること、小夜のしゅんとして、そしてほっとした様子など、多彩な表情、感情描いてみせたところ、大変よかったと思います。

『星屑テレパス』

海果とユウのおでこぱしー、学校で結構知られてるのか! 昇降口でおでこぱしーしてたら、いつものおでこの人達だと、ちょっとした話題になってるの。瞬からはやめろっていわれるんだけど、ユウと海果にとっては譲れないですよね。そして遥乃の瞬攻略? おでこぱしーのこと説明するのに、おでこをくっつけていくのね、おお、おお、あの強気の瞬が押されていますよ!? これはすごいことですよ。

さて、いよいよ部活動開始ですよ! と思ったら、そうですか、実績がないからと同好会に格下げされてしまいましたか。部費は出ない。部室も放課後の空き教室。瞬はがっかりしてますけど、ここで前向きポジティブな動きを見せる海果、素晴しかった。これから実績を積み重ねていこう! この子の、こうして気持ちのぐっと上向いて動いていくところ、これもまたユウとの出会いがあって、他の皆との出会いがあったからで、そしてこの子自身の頑張りがあったからで、それら積み上げてきたこと思うと、ほんと感動的でありました。

会の活動は、例の灯台の秘密基地でやります。あの、段階踏んで驚いていく瞬が最高でしたね。そしていよいよ同好会始動。会長海果の最初の仕事、乾杯の音頭、ああ、その様子だけでもう充分に伝わるものありましたよ。人を引っぱる、そういう存在になりつつある海果。海果を見守るユウの頼もしさ。実にいい。素晴しいですよ。

『けいおん!Shuffle』

ちょっと浮かれてますね、紫。動画に撮った自分たちの初演奏、何度も何度も見返して、さらには姉にまで見せつけて、可愛いなあ紫! と思うけど、姉からしたらウザいのか。うまくいかんもんだな。しかし、この姉がすごい。最初はおざなりな感想しかいわなかったのに、もっとないのかと揺さぶると、テクニカルな指摘をビシビシ繰り出してくるというのだからものすごい。経験者なの? しなのからもいわれるレベル。ほんと、姉、何者なのか。

今回はドラムのリバウンドについてです。スティックが打面で跳ね返る。それがリバウンド。で、バスケというから、ああー、リバウンド! バスケにもあるよね! って、バスケのそれは違うよね! ここで例に出てきたのはドリブルでした。ボールをついて跳ねる、そのイメージ。そしてバスケのこと話したら立ち現れるのがバスケ部の花凛。真帆と紫を連行していくのだけど、ボールを使った説明で、なるほど、紫、自分のドラムの問題をはっきりしっかり認識したみたいですね。この流れ、とてもいいですよ。

しかしここからがおかしくて、紫のドリブル、バスケ部の花凛よりもうまい? 真帆の言葉に火がつく花凛。紫と勝負することになるんだけど、めちゃくちゃ平静な真帆がおかしい。しかも勝負にジュースのおごりまでくっついて、ああー、紫、大ピンチ? 泣いちゃってるじゃん、大丈夫!? と思ったら圧勝かよ! これは花凛があかんのか、それとも紫の天才肌が発揮されとるのか。わかんないけど、実に面白かったです。

2020年7月8日水曜日

『まんがタイム』2020年8月号

 『まんがタイム』2020年8月号、昨日の続きです。

『六畳一間の憑き物石』

自分の出自が判明したものの、祠に帰るべきか瞬のもとに残るべきかと悩むこいし。いや、悩む時点ですでに答は出ているのではなくて? 祠に戻るべくして、その祠のありかを探していたはずなのに、せっかく見つかった祠に戻るのをためらっているわけですからね。そしてそのことをこいし自身もよくわかっていて……、というのに洗濯物が生乾きの臭いとかね、日常のもろもろがシリアスを持続させてくれないっていうからおかしいんですね。

しかし、今回、大進展を見ましたね。こいしも物思いなら瞬もまた同様。出先ですっころんで泥だらけで帰ってきた瞬の、その考え事ですよ。こいしのこと。戻ってほしくない、ここにいてほしいと、こいしを前にはっきりと言葉にしてみせて、ああ、その理由こそは瞬にもまだわからないとのことですが、こいしを大切に思ってること、それは伝わったのではないでしょうか。

これまで、ふたりの関係においては、こいしひとりが思い悩んでいるみたいな節もあったわけですが、これでついに両者対等って感じになりましたね。ええ、こいし、よかったですね。

『ハニトラなんか怖くない!』

もう完全に新しいフェイズに入ってる! いまだ昔の山田さんのこと思い出せない綾小路だけど、その関係はずいぶんこなれて、こなれてるか? いや、でもね、水木部長からの拒絶に落ち込む綾小路をはげます山田さんですよ。背中をポンポンってね、その感触にちょっと昔を思い出す綾小路ですよ。ああ、肩の力抜けましたね。なんか、すごく自然体、気張らない感じになりましたね。

このふたりの関係、それがもうたまらなくチャーミング。でもって水木部長攻略の秘策をさずける山田さんですよ。この人、どんだけ有能なの!? ともあれ、これで見事に問題解決! って、水木部長、基本この人は一人相撲だな! いやほんと、おかしかったです。

しかし、山田さんと綾小路の関係、ずいぶん近しく、フランクになりました。いや、綾小路からはまだちょっと遠慮があるみたいですけどね、でも心を許したのには間違いないですよね。いやあ、長かった! 山田さん、ついにですな! やっとですな!

『良倉先生の承認欲求』

ほんとに面白い。先生、なにか悩み事。でも、星畑はまるで深刻に受け取ってなくてですね、いや、まあ、それが正解っていうんですから、さすがですよ星畑。

上枝に相談するくだりとか最高でしたよ。本当にSNS関連だった! っていうやつ。ぶんちょー紳士に加え新キャラを投入しようと考えてるっていうんですね。どうしてもいいねを獲得したい良倉と、自信があるためか周囲からの評価に揺らぐことのない上枝、ふたりのこの対照的なることよ! でも、上枝と話したことが良倉の狭くなっていた視野を再び開くことになったの、それがよかったなあって思えて、でも完全には解脱できてないのも良倉らしくって実によかったです。

良倉の悩み、新キャラをどうするかですが、ひよこ紳士に決定。好評でなによりなんですが、上枝の推したぶんちょーレディを避けたの、上枝の面白がったアレのせいだよね!? やっぱりちょっと憤慨していたっぽい良倉が最高です。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

ほんと、この漫画、素晴しいですね。皆葉の家に遊びにきた笹本。透視のできる笹本のこと、妹ふたりはしっかり受け入れて、いやしかしこの妹ふたり、ちょっと生意気で、ちょっと押しが強くって、いいですよね。

最初仲良くやっていた妹ふたり、もみじとかえでのちょっとした仲違い。飛び出してしまったかえでを、もみじとともに追う笹本の頑張り、それがなんだか嬉しくて、しかもかっこつけてなんでもないふりしてるのがね、皆葉にはバレバレ! うん、こういう関係もほんとよいと思ったんですよ。

最後の、笹本と皆葉の語り合うくだりもね、ふたりの関係、互いに理解しあってる感が出ているの、それがすごく魅力的でした。最初は若干うさんくさそうに見えた笹本だけど、ほんとはそんなやつじゃないんだよっていうのを皆葉がしっかり引き出していてくれる。ふたり、本当にいい友人になりましたね。それがなんだか嬉しく思えるのです。

2020年7月7日火曜日

『まんがタイム』2020年8月号

 『まんがタイム』2020年8月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』がメイン。夏のエネルギー源? 焼き鳥にビールジョッキ、活力補給している部長代理であります。『軍神ちょんとよばないで』虎千代は食べるのが専門? 両手に焼き鳥? バーベキュー? つくね? 串をいくつも持ちましてわんぱくな食べっぷりです。対照的なのが『ローカル女子の遠吠え』りん子。カクテル手に、ずいぶんと大人の雰囲気です。異色なのが『花丸町の花むすび』花子ですよ。なんと、提供する側ですか。じゃんじゃん焼き鳥を焼く花子の様子。これ、またよく似合ってるものですからさすがです。

今月は新規ゲストが3本です。

『お酒は20日になってから!!』

あれ? 20歳? と思ったんだけど20日で正しいんですね。ホテルにて働く赤坂さん。この人、自分にちょっとした制限を課していて、それが20日だけお酒解禁! お酒にあう料理を数日かけて用意して、とっておきのお酒ですよね、それを大事に大事にいただこうというんですね。

こういうの、とてもいいと思う。めりはりなく飲むのではなく、ここぞ、この日と特別な機会に飲む。願掛けだっていってますね。それまでは毎晩居酒屋をめぐっていたというこの人が、月一20日だけ飲めるよう制限かけた、その願というのはなんなのでしょうね。

今回はそのあたりは語られず、むしろいつになくイキイキする赤坂の姿になにがあったといぶかしがる後輩の戸惑い? そちらが印象的。いずれ願やらなんやらが語られたら、それもまた面白みになりそうですね。

『女神に胃袋つかまれた!』

主人公、江戸端太郎が気になるお店は、お客の肌の様子から栄養不足に睡眠不足、健康状態がかんばしくないことを見抜いて、足りない要素をおまけの追加メニューでおぎなってくれるというのですね。看板娘の小酒井円さんが、ぐっと頬をつかんで、ぐっと顔を寄せてきて、それは単に健康状態の確認みたいなんですけど、太郎はというとそのたびどぎまぎしたり、ちょっとひとりじめしたくなったりと、いろいろあわただしい。いや、でも、だよねえ。そうなるよね。みたいに思わせてくれる、そんな魅力があるのはまあわかるわけです。

円の兄、優司が店主なんですね。クールな人。けど、ただ不器用なだけなんですね。その兄と、表情豊かな妹のコンビ。そして常連さんのいう、円の好きな人? 渡辺さん。気になる人、気になる関係。落ち着かない太郎。これ、女性だったりしないかな? なんかそんな予感がするんですが、あるいはただの願望かも知れません。

『書類憐れみの霊』

社内でよく見る男の人。これ、実は霊なんだ。それもボツ書類の魂。本人も自分のことよく理解していて、短期間でできるお手軽付喪神みたいなもんらしい。愛称? がカミくん。ボツ書類を出せば出すほどよく見えるようになるというの。なるほど、主人公、不二が人と間違えたのもむべなるかな。この人、よっぽどボツ書類を出しているってわけなんですね。

別に恨みやなにかがあるわけじゃない。むしろボツを出すごとに心配してくれる。そういう点でカミくんは、座敷童子とかに近い存在なのかな? ちょっと人と感性の違ってる不二を憐れみ、よくなるようアドバイスして、しかもその際に不二を傷つけないよう言葉を選んでるのがいい感じ。面倒見のよさそうなところなども好感でした。

2020年7月6日月曜日

ダイキン うるさら7

 エアコンを買っていました。ダイキンのうるさら7。湿度のコントロールに定評のあるうるるとさららシリーズ、というのですが、実はそこまで考えて選んだわけではありません。もともとはというと、リビングのクーラーが相当に古いもので、もう30年以上? それこそ今年の夏、一番暑い盛りに故障して動かなくなってもおかしくないみたいな状況に、エアコン購入を検討してみるべきではないだろうか、なんて話をしたのがきっかけでした。ただ、なにを買えばいいとかわからない。なので電器店でエアコンを検索して、価格と機能、そして省エネにおいてバランスとれてそうなのを選択した。それがたまたまうるさら7だったというわけです。

価格とのバランスがよかったのには理由がありまして、うるさら7というのはモデルチェンジ前の、いわば在庫だったんですね。最新モデルはうるさらX。加湿水洗浄機能が売りなのですが、あればいいなと思いながらも価格の面で前年モデルを選択。冬場の洗浄は断念することとなりました。

エアコンの購入にあたって給付金を投入する予定はなかったのですが、結果的に定額給付金で買ったことになってしまいました。でも、タイミングとしてはよかったのではないかと思います。おそらく今年の夏も暑くなることでしょう。それを、30年以上前の、いつ壊れるかわからないエアコンを高い電気代で運転することを考えたら、思いきって新しい省エネタイプに置き換えた方が長期的に見てもよいだろう。ええ、結果論ですがエアコンの更新は正解だったと思っています。だって、安心感が違う。

エアコンを設置する前は暑い日が続いたのに、設置したらなんか涼しくなってしまいまして、なかなか使えずにいます。とはいえ雨が続いての気温低下だから、わりと蒸し暑かったり湿気が酷かったりするわけで、除湿目的での運転もちょいちょいしています。

運転時は昨今のエアコンらしくAIまかせの快適運転ってのをメインにやっていまして、基準温度からの気温差を指定しておくと、それくらいの温度に随時調整してくれる。風向き、風量も機械まかせ。最近のエアコンだからといっていいんでしょうかね、あんまり風をごうごうと吹かせたりはしない感じなんですね。むしろ直接当たる風はおさえめに、急激に冷やすみたいなこともせず、あくまでもマイルドにさりげなく冷やしてくれるものだから、ガツンと冷やしたい! みたいな人にはちょっとものたりないかもなあ! いや、そういう人向けの急冷、強風モードみたいなのもあるのだと思います。自分が調べきれていないだけで。

このエアコンは調べておかないとわからない機能っていうのも多くて、たとえば売りのひとつである、ストリーマ内部クリーン。エアコン運転終了時に、内部に残る水分を乾燥させてくれる洗浄機能なんですが、これがデフォルトだとオフになってる! カビを抑制するっていうから期待していた機能なので、はやいうちに気づけてよかった。

あと気づいてなかったのがエアコン連動換気。室外機から吸気して換気してくれるっていう機能なのですが、これもデフォルトだとオフ! もったいなくない? ともあれ、説明書はよくよく読まないといけないってことを実感させられました。

2020年7月5日日曜日

『まんがタウン』2020年8月号

 『まんがタウン』2020年8月号、昨日の続きです。

『部長と2LDK』

部長、撃沈。なんでかと思ったら、ああー、前回の飲みでの失態。それが心に深い傷を負わせたっていうんです。しかも悪いことに、自分がなにやって、なに話したか、さっぱり覚えていない。でもですよ、あんなに落ち込んでおびえていた部長が、菜々のいう癒しスポットに興味ひかれて、なんかわくわくした無垢な表情見せるところね、ほんと、この人、菜々大好きになっちゃいましたな! とてもいいと思います。

行き先は銭湯なんですね。菜々行き着けの湯。常連さんは皆見知った仲で、ご近所だからか、菜々が部長と同居してることも筒抜け。末永くよろしくとか、まるで結婚したかのような扱い。うん、とてもいいと思います。

銭湯に慣れてる菜々と、慣れず恥ずかしがる部長。この対比も相変わらず。でも部長、思い切って、そしてだんだんに慣れていくのがいいですよね。というか、途中、なんかえらい混乱したことおっしゃってましたけど、こういうちょっと抜けたところもこの人のチャームポイントなんだと思えるようになってきましたよ。

部長、お風呂でしっかり気持ちをリセットできたみたいですね。なによりなにより。と、それはいいのだけど、飲み会のうっかり発言が効いてくるの、次の出勤ですよ? なんか出社してからあたふたしそうな予感がします。

『立ち呑み布袋でもう一杯』

雨の季節ですね。ほんと、最近は降れば土砂降り。風もごうごうと強かったりして、そうなれば客足もかんばしくない。客商売は大変ですよね。店長もなんだか元気なくてっていうの。楽しみに飲んで食べにきてくれる人がいないと、やっぱり気持ちもあがらないですよね。

舘の呼び込みで入ってくれたお客さんも、焼きとんははじめて、というので要領を得ず、でもこうして知らないところから入って、おいしかったと、好きになっていってくれるの、これもまた嬉しいことですよね。ほんと、ちょっとのことで元気になる店長。というか、実のところ元気ありあまってますよね。

そして舘のツイートが呼び込む常連たち。この店、もしかして舘でもってる? ともあれ、こうして集まってくれる常連がいるの、とてもいい感じ。なにか仲間といった風。それがいいんですね。

『平日休みの堀出さん』

こちらも雨、それも土砂降りですよ。でも雨は雨で楽しんでしまうのがこのふたり。というか、もうやけくそ感ただようんですが。どうせならびしょぬれになろうをコンセプトに、ありったけの着替えとタオルを用意して運動公園を散歩し、ボートに乗り、さらには流しそうめん。って、屋内じゃないのか、そうめん。雨がかぶったそうめん食べるのはちょっと抵抗あるなあ! でも、だからこそ雨の日は2倍サービスなのかも知れませんね。向こうもちょっとやけくそなのかも知れない。

今回のおかしかったの、替えの靴忘れてみじめな感じになったりね、そして雨中の露天風呂であたたまりながらも頭だけは妙にクールで冴えてるっていうの。ほんと、ちょっとしたことなんだけど面白かったです。

最後の落ちですよ。ブラウス全滅、靴下全滅。企画時には頭が冴えてなかったわけですな! いい感じのしくじり感。このふたりはむしろこうじゃなきゃいけません。

2020年7月4日土曜日

『まんがタウン』2020年8月号

 『まんがタウン』2020年8月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。夏! 海! 水着! 夏の熱気と気持ちの盛り上がり感じさせる躍動感あるイラスト、実に素敵でありますよ。ビーチボールを頭上に掲げて伸びやかないろはの肢体は実に眩しく、その奥にいるはじめくんはというと、浮き輪片手に前のめりに駆けている。その気持ちの前へ前へと向かうような感じがね、まさに表紙の惹句、ワクワクだー!! を体現するかのようで、いい躍動感! でしたよ。はじめの視線の向かう先、それを想像させるのがね、なんかいいんですよね。

『新婚のいろはさん』

新型コロナによるステイホームも手伝って、全世界的に大ヒットしたゲームがモチーフですね。しかし作家にそのゲームで漫画を描かせるために、ゲーム機本体送りつけるみたいなこともあるんですか。これ、フィクションだから! ってわけじゃないですよね。こりゃあちょっとした投資ってやつですか。

ゲームというのにはじめがあんまり乗り気でないのが意外でしたよ。それこそ、こんだけ話題のゲーム、はじめが興味持たない、それ以前によくわかってないというのも意外で、相当に興味、嗜好の範囲外だったんだな。対していろはが興味持ってて、なるほど早倉母から教えられましたか。

最初は乗り気でなかったはじめが、いろはのプレイを横から見ているうちにだんだんと興味持っていくくだり面白かった。知ることで興味も出る。そうなれば、ちゃんとプレイしてみようということになって、ここでいろはとちょっとすれ違い? 家庭内別居とかいわれてますけどね、おかげで手紙のやりとりできるのがまた嬉しいじゃありませんか。

なんだかんだで楽しんでしまう。ふたりのそんな姿勢がよく出てた今回。ええ、このゲームはそういう楽しみ方がいいだろうなっていうの、よくよく思わせてくれるようなエピソードでした。

『私たち同じ人を好きになりました』

いやもう、まさかこんな段階で出会っちゃうの!? いや、そうだよな、同じ会社、同じ建屋で仕事してるんだものな。一緒の演劇見にいくの、仕事を終えて約束の時間に最寄り駅に向かうとなったら、そりゃ鉢合わせしちゃうよな! と思わせてのあのニアミス回避。これは見事にやられました。だって、同じページの四コマの右と左で時系列あわせての展開して見せるでしょう? 3コマ目でエレベーターが止まって、4コマ目でふたり一緒に「あ」でしょう? いやあ、バレたわ、これバレたわ、と思ったら、なんだよ! 出会ってないのかあ!

ほんと、見事にスリル味わわせてくれました。

待ちに待った芝居の当日、その高揚感や落ち着かない感覚、さらにはいつも以上にテンションもやる気も高まるその感触はよくわかる。ええ、こういう気持ちになったことのない人って、そうそういないと思うんですね。それだけに共感もするし、ふたりのこと近しくも感じられたりね、ほんと、楽しみに待ったその日のついにきた気分、こちらも一緒になってわくわくとした気持ち味わっていましたよ。

2020年7月3日金曜日

『まんがホーム』2020年8月号

 『まんがホーム』2020年8月号、昨日の続きです。

『座敷童子あんこ』

海にきた幸太たち。雪女の目撃情報に踊らされた父親に連れられてっていうんですが、これきっと雪女、本当にいるんだろうなと思ったら、まさかのアイスキャンディー売りやってるというね。しかもわりと能力を隠す気がない? 居候して働く必要もないあんこに、すごい嫌そうな顔しながら嫌味いったりするのもおかしくて、しかし服に金かけすぎてピンチなんですね。この俗というか人間くさいというか、こうしたナンセンス妖怪たちがおかしくてたまらんです。

雪女、幸太の父に見つかったら確保、解剖、ホルマリン漬けの未来が待ってるというの。まさか、あんこが似顔絵を父に渡していたりね、のっけから詰んだ状態にあるわけですが、きっとあんこの絵が下手すぎて助かるなんだろうなあ、そんな予測してたらですよ、はるかに上回る展開がきてもう見事にやられました。

豚足。いや、それを信じるなよ幸太の父よ。あまりのことにプライドが傷ついた雪女の血迷った行動、これもまた涙です。

『甘党映画看板絵師』

大作の依頼が入りました。大きな看板描くことになるっていうんですが、その大きさ、ベニヤ板換算! というか、実際にベニヤに描いていくわけだから、換算どころかそのままズバリのサイズなわけですね。

通常はベニヤ4枚に描くところを今回はさらに4倍の16枚。相当な大きさですね。元絵を分割して、それをベニヤに拡大しながら写しとって、そして描いていく。

外国人と違って日本人は描き分けが難しいとか、力の入れどころとか、こういうの、作者のおじいさまからの聞き取りにもとづく話なんでしょうか。また主人公和菓子の師匠、この人の業界入りのくだり。速攻採用からの、住み込みで休みなし、給料もなし、食事はタダという条件。今の常識からするととんでもないブラックですけど、当時ならわりと普通だったりしたのかなあ。とりわけボーナスは映画というところ、これが殺し文句になったりもしたのかも知れませんね。

こうした話、ただ情報を絵にして伝えるというだけでなく、ノスタルジーとともになにか慈しみのようなもの感じさせてくれる。映画が時代の憧れだった時代の空気感。この作家の持ち味が感じられるように思うのですね。

『歌詠みもみじ』

なんか珍妙なのが登場してきましたよ! 学校帰りに目があってしまった捨て犬。犬? もみじたち、子グマではないかとかといってますけど、ウーフウーフと唸ってる怪しげなやつ。今後の生活がかかってるからとにかく必死で、可能性のありそうな相手、もみじですね? こいつと見込んで、箱ひきずりながらついてくる。

おそろしいな。こいつ大丈夫か。相当知能が高いというか、人間が入ってるんじゃないか?

もみじと母ちゃんの攻防よかったですよ。目があうと情がうつる。なので頑として目をあわせない母ちゃんですよ。そしてついには母ちゃんも折れる。あの、子供時分を思い出すくだり、ああ、なんだろう、いいですね。ぐっとくる、そんな郷愁じみた感覚ありました。

かくして山城家に家族が増えました。名はマックと決まって……、それはいいんだけど、やっぱりあやしいよね。二足歩行してるし、バレそうになったらしれっとごまかしてるしで、怪しい。ほんと、これ、幸太のパパ上案件ではないのか? それくらい怪しいです。

『うちの秘書さま』

はじめ、七瀬を上回ってきたぞ! 夏祭りに誘うのだけど、七瀬の難癖を先回りして全クリアしてるっていうんですよ。やればできるんだな、はじめ様! でも、これをいつもやらないからこんななんだぞ? みたいなことも思ったりしてしまいました。

七瀬の発案で田中と山田も誘います。人混みが苦手という田中は食べ物に見事に釣られて、そして山田ははじめを神、ゴッドと呼び出す始末。それはいいんだけど、山田の悪行が次々明かされていくのね、はじめ、ちょい怒りながらも絶交しないのだから、こいついいやつだよなあ!

今回の可愛いは、はじめの甚平、そして田中の浴衣でありましょう。ほんと、田中、めちゃくちゃ可愛い。で、山田、変態の度合いがどんどん上がる。ヒモをつけて犬扱いみたいなの、想像するの自分が犬サイドなのか! レベル高いな! でも、田中を犬扱いしないところは大変にグッド。素晴しい紳士ぶりだと感嘆いたしました。

ラストの型抜きのくだり、これもすごくよかった。山田が型抜きを頑張ってた理由。ああー、田中にいいところ見せたかったんだね! でもここからが田中のターン。型抜き、めちゃくちゃ得意なんだ! ゲットした激ムズぬいぐるみを山田に贈って、おおお、いい雰囲気! と思ってからのあの大落ち。的屋のおっちゃん泣きが入るレベルですか!? ほんと、これ、最高の最高でした。大好き。

2020年7月2日木曜日

『まんがホーム』2020年8月号

 『まんがホーム』2020年8月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがメイン。夏の情景、水着姿で登場。これは学校のプールの授業ですね。頭の上にはビート板。これ、ただ運んでるだけなのか、あるいは日傘がわりにしてるのか。ちょっとしたところに表情、感情みたいのが生じるものと感じます。『孔明のヨメ。』月英は白いワンピース。手持ちのカゴには桃でしょうか。夏の装い。しかし、普段のこの人とは全然違う雰囲気。面白いです。『天国のススメ!』は太一、麦、ふたりで昆虫採集? 『2年B組オネェ先生』は、ええと、これ、プールの授業とかじゃないな。なんというか、なにやってもやたらゴージャスに見える、そんな宗次郎、フルパワーですね。

『ちくちく推して』

アイドル好きのお嬢さん? ライブに揃いの参戦服で臨むというのですが、そうか、こういうの参戦服っていうんですね。友人たちと揃いの服を仕立てて、というんですが、生地から作ったですって!? これ、特注品なのか。だとしたらえらいこと張り込んだんじゃないのかな。

主人公は新人漫画家で、なかなかネームも通らない、そんな苦境にあるわけですが、服作る才能の方があるんじゃないかと妹にいわれて、でも漫画家の方を否定されたからヘコんでる。まあ、そうだよね。

姉はファッションオタってやつなんでしょうか。自分のこれという一着を無造作に妹に着られるわ、その上汚されるわと散々な目にあってて、これ、胸が痛むな。妹が天真爛漫とかじゃなく無神経に見えるので、より姉が可哀そうに見える。で、この時の喧嘩が原因で家出、転がりこんだ友人の家でアイドルにハマって今にいたる。

これ、つまるところ、姉、アイドルにハマり、服づくりに開眼する、そんな話になるってことなんでしょうか。タイトルに「ちくちく」とあるところからしても、針仕事メインになっていく話なんですよね。実際、この姉のいろいろ見るに、服飾に精出す方がしあわせになりそうに見えました。

『孔明のヨメ。』

樊城を出て南下する劉備軍。その後には新野や樊城の民が続いて、大変なことに。さすがの劉備も困ってるわけですが、さあこうなったらとにかく落ち着く場所を得ないことにははじまらない。孔明は襄陽をとれといいますが、劉備は首を縦にふらない。それどころか、途中民を受け入れてほしいと寄った襄陽城でのいざこざ。よほど蔡瑁と蔡夫人に人望がないのか、民どころか劉琮の側近までも劉備の一向に加わって、なおさらすごい大群に。これ、どう収拾つくというのだろう。

というか、曹操軍の追撃に民も随分な被害を受けたと思うんですけど、そのあたりがどう描かれるかが気になります。それと阿斗のくだりなどもどうなるのか。などなど、ここからの展開、見せ場でもありピンチでもあり、描かれようによっては相当なことになるので、この漫画での解釈、どのエピソードがどのように拾われるかなど、興味が尽きないです。

『恋はリベンジのあとで』

石田の恋人、佐倉。石田が浮気をしてるのではないかと不審に思っていて、それとなくうかがったら石田が不機嫌になった……。ああ、こないだの専務の覚えめでたからずの接待話だね。泉ばっかり専務にウケて、自分はさっぱりふるわなかった。でも、それがいくらショックだったとしても、恋人に不機嫌ぶつけちゃうんだ石田くん。うーん、佐倉さんよ、悪いことはいわんからその男はやめた方がいいんじゃないかな。婚前でそうなら結婚してからはもっと悪くなると思うよ? パートナーの不安をろくに受け止められない、すぐに感情的になる、うん、器が小さいよ。その男はやめた方がいいと思うんだ?

バリバリ石田の株が下がってしまいました。

専務からの吾亦紅、泉へのお礼の品だっていうんですが、使い走りといやあそうかも知れないけど、専務のお気に入りとのパイプになってると思えばそれでいいじゃあありませんか。ともあれ、これがきっかけで話しがちゃんとできて石田と佐倉、仲なおりできたみたいでなによりですけど、でも感情的に怒鳴る男は嫌だなあ!

うん、やっぱり石田の株は下がるのでした。

2020年7月1日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年8月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年8月号、昨日の続きです。

『かぐらまいまい』

神社にて舞の練習をする舞姫部の面々。神社のアピールのための演目に紅葉伝説はどうだろう。神楽の動画を参考に見て、自分たちでもできるかといろいろ試してみるくだりが、ちょっと遊んでる風でもあって、でもいいかげんにやってるわけでもないという様子。どんな状況でもまずは楽しもう、そんな雰囲気があっていいなって思ったのですね。

そしてそこへ例のお姉さんが登場ですよ。おお、こふくと美夜の前にしか現れなかったこの人が、部のメンバー全員がいるところに出てきて、ちょっと状況が違ってきた感じしますね。一緒にお菓子を食べたりね、なんだか和気あいあい。そして舞の手本になってくれて……。と、このお姉さんの存在、やっぱり謎のままではあるんですね。神様? こふくがそう聞こうとしたら内緒にっていうんだけど、それってやっぱり? ええ、とてもミステリアス。これ、最後の最後まで明らかにならないのかも知れませんね。

『アニマエール!』

手術の日にも応援にきて欲しい。そう頼まれたチア部の皆。花和の機転で回答を先延ばしすることはできたけれど、はたしてあこの手術の応援と大会の出場、どちらをとるのか。どちらもとることはできないということはしっかりばっちり釘を刺されて、ああ、きっとなにか時刻表トリックめいたやり方であこの応援も大会の出場も両立させていくものだと思っていたものですから、これは意外な展開でした。

今回、皆の葛藤が描かれるんですが、いつもなら真っ先に誰かの応援をしたいとなりそうなこはねが立ち止まったりね、みんな少しずつ変化していってる、いろいろ考えるようになってきているというのが明確になってきています。ひとりだとついついネガティブ寄りになってしまうひづめには花和が寄り添うようにサポートしてくれて、そして兎和には虎徹といった具合に、皆それぞれに支えあう誰かができたのはとてもいいことだと思ったのですね。

今回はこうして一対一の関係ですけど、こうして一緒に話して考えることで得られるなにかもあろうと思うのです。そしていよいよ結論を出そうということになって、応援派、出場派、中立派、って、虎徹が逃げた! いやまあ、話し合いはこれからですよね。どちらも選びたい、それが皆の本音でしょう。はたしてここからどんな結論が導かれるのか。これは大変な見物でありますよ。

『精霊さまの難儀な日常』

人の世界に生じている異常気象。異変を感じて海へとやってきたノムとルカですが、その異変というの、精霊力の異変だというのですね。水の一族の領域である海なのに、炎の力が猛威を奮っている。その力にあてられそうになりながらも、ノムに背を押され、海中に原因を探りにいくルカ。

そしてその頃、サラは精霊力の衰えに直面していて、このふたつの現象につながりはあるのだろうか。

なかなかにシリアスなことになってきてますね。ルカが探ってきたこと。海底火山の存在と光の神の影響。この問題に対し乗り気でないように見えるサラだけれど、この状況がこれまでの自分の行動によって引き起こされたのではないか。そしてこの先に、自分が消滅する未来があるのではないか。そうした予想の果てに、ひとり動き出そうとしている。ええ、これがサラの思い過ごし、考えすぎならいいのですが、こうしてひとり思い詰めたままだと、なにか大変なことになりそうな気がします。