2007年2月27日火曜日

教艦ASTRO

 Amazon.co.jpにいったらですよ、お勧めがあるっていうんです、お勧めが。ほんで、トップページに表示されたうちの一冊が『教艦ASTRO』ときましてね、おおお、なかなかの選択じゃありませんか。ちょうど今日、この漫画、買ってきたところでありますよ。というわけで、今日は『教艦ASTRO』。この漫画、『まんがタイムきららキャラット』にて連載されている学園ものなんですが、実はちょっと異色です。主人公が教員、メインの四人でいうと保健体育科、国語科、外国語科、そこに養護教諭が入って、学生そっちのけで教員同士の楽しい世界を繰り広げている。いや、まあね、そりゃ漫画だからちょっと現実的な話からしたらどうよってなところもあったりなかったりするんだけど、でもそんなの振り切るぐらいに面白いから気にならない。むしろ、これ読んでると、こんなに教員が楽しいなら今からでも教員目指しちゃおうっかなあなんていう気にもなって、いやいや、危険です、危険。なにしろ私は教員という職には向かないのですから。

四コマって単行本を出せるまでページが溜まるのにずいぶん時間がかかるから、久しぶりに見た初期の『教艦ASTRO』、すごくシンプルでむしろ子供っぽさの感じられる絵に驚いてしまいましたよ。はじまってから、もう二年近く経つんですね。これまで経過した時間の分だけキャラクターはよりその存在感を明瞭にして、奥行きというか屈折の度合い? というかも増して、まあいっちゃえばどんどん生々しくなってるなあとそんな感じがします。実際、その生々しさというかは四コマ誌の中では異色だと思います。表紙見ていただいてもわかると思いますが、頭身の高いキャラクターは幼さも抜けて、だから雑誌の傾向からしたらちょっとチャレンジ気味なのかも知れません。いや、そうでもないか。ちょっと年配(三十代くらい)のマニア向けとしか思えない小ネタが踊る漫画があちこちに見受けられるきらら系であるから、むしろ狙いとしてはありよね、って思う。実際私は、読むごとにこいつは悪くないなあって思ってきたわけですから。

この漫画の面白いところってのは、いい大人が大人としての分別忘れて、自分の趣味やら楽しみやら優先でわいわいいやってるまさにここだと思うんですね。ただわあわあ騒いでるのなら、高校生ものでも大学生ものでも可能っちゃあ可能でしょうけど、それが社会人ものとなるとやっぱりちょっと違ったニュアンスというのが出てきて、けど職業人ものといえるほどに教職色が強いわけでもないから、なんか独特の雰囲気が出ています。いい大人が体面やらいろいろ取り繕いながらも駄目な部分をちょいちょい見せてるという、まあ私も自分で社会人といいきれるほど社会人らしいわけじゃないですからね、そういうちょい社会人ぶってる大人の自適ぶりが真っ向から描かれている漫画読んで、共感覚えるのもまあおかしかないよなあ、なんて思っています。

さて、この漫画、意外と皆さん体育会系で驚かされて、バスケ、弓道、テニス、卓球ってとこかい? 作者がスポーツ好きなのかなあ。けど、なんか健全な感じがしていいんじゃないでしょうか。で、その反面、特に牧兄貴がその方面を強調するんですが、不健全ぽいネタもあって、このあたりもきらら誌じゃ異色だよなあと思いながら読んでいて、けど私はわりと嫌いじゃないです。でも、一番好きなのといえば、やっぱり烏丸先生牧先生がらみかなあ、後は南雲先生妄想爆発、荒井先生のゲーム絡みのネタも共感性高くていい感じです。デモムービー中に話しかけるなあ!!!は至言かと思いました。

蛇足

烏丸先生がいいな、と思っとります。いや、なんつうか、凛々しさとかわいさのハイブリッドがすばらしいです。

  • 蕃納葱『教艦ASTRO』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 以下続刊

引用

  • 蕃納葱『教艦ASTRO』第1巻 (東京:芳文社,2007年),100頁。

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