2010年4月30日金曜日

円卓の生徒

 私の応援しているゲームブランドは今やTeam Muramasaだけ、なんていっていましたが、先日、そのTeam Muramasaの新作『円卓の生徒』がリリースされました。もちろん私も買っていて、けど、没頭できるだけの時間の余裕がないんですよね。遊びたい気持ちはあるから、睡眠を削る方向で、ちびちび少しずつ進めているところです。いや、ほんと、全体像が見えてないものだからなんともいえないのですけど、まだ序盤を過ぎた程度なんじゃないかなあ。そんな具合のゆっくりモード。いったいクリアするまで、どれくらいかかるんでしょう。

さて、『円卓の生徒』、以前体験版をプレイしてみた時の感想、わりと面白いとかいってましたけど、実際にリリースされたものプレイしてみれば、なるほど確かに面白いです。難易度をベテランにしてることもあるかも知れませんが、結構敵が手強くて、かといって手も足も出ないってことはない。バランスがいいんでしょうね。パーティは6人制なんですけど、フルに揃うまで結構時間がかかるというのも面白く、最初は2人パーティ、まあすぐに3人になるんですけど、この3人の期間が結構長い、いや、その次の4人もそうかな? そのメンバーの増えていく具合が実によくできていて、つまりは、このあたりもバランスがとれているのでしょうね。

このゲームの売りは、パーティメンバーとそれを率いる主人公の間に好感度が設定されていて、それを上げると経験値にプラス補正があるっていう、そのあたり。最初、なんかめんどくさそうだなあ、とか思ってたんですけど、いやいや、これ、面白いです。新規参入してきたメンバーは好感度がまだ低いから、得られる経験値も少ない。これでは育成が遅れるから、好みを調べて料理をこさえて一緒に食事することで、ちょっとずつ好感度をあげていく。その料理に対する反応がですね、結構面白いんです。人となりがわかるっていうんでしょうか。ああエルサはいいこだなとか、ああエルサは可愛いなとか、ああエルサのために戦ってるな、とか、いろいろ思うところがあるんです。そんなわけで、エルサえこひいきモードで遊んでいます。まあ、エルサだけ突出して好感度が高いとかいうことはないんですけど、でも、明らかにエルサはひいきされてます。

実際にプレイしてみるまで、どうだろうかなっていう気持ちが強かったタイトルでありますが、プレイしてみれば面白い。気にいって遊んでいます。メンバーがさらに増えたら、また違った面白さが出てくるんだろうなあ。この先が楽しみです。

引用

円卓の生徒応援バナー

2010年4月29日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年6月号、昨日の続きです。昨日は『ふら・ふろ』まで、これを前半として、後半は『ねこのひたいであそぶ』からですね。このBlog、記事冒頭はネタバレ緩衝地帯として、内容には触れないことにしてますが、けれどそれでもこのタイトルについて書きたい、今ここで書きたい。いやね、結構好きなんです。女の子がわいわい楽しそうにやってる漫画なんだけれど、一般の女の子とはいえない、そんな彼女らののんびりというか、ちょっとはずれた様子、楽しいんですね。昨今はこういうテイストの漫画多いですけど、中でも独特の味わいもってると思っています。けど、それはなにかって具体的に書こうとすると難しい。ええ、印象で語るしかない、そんな感じなのであります。

『勘弁してください』、冒頭柱にかにかま先生の自宅では冬に蚊が出ますとの説明があって、それは嫌だなあ。南方在住? それとも年中暖かい地下街とかが近所にあるとか? というわけで、本編は一足はやく蚊の話題であります。寝ようとすると羽音が耳につく。嫌なものです。漫画で、絵として描かれてても、なんか嫌なものです。あの、蚊の巣とかね、あんなのないって知ってるんですが、それでもなんだかね。というわけで、私もちょっとかゆくなったのであります。

チェルシー』、私は結構好きなんですが、この娘らのお笑いのネタ、これがあんまり伝わってこない、そう思うことがあるものだから、ちょっと惜しいなあ、そんなこと思うことあるんですね。普段お笑いとか見ない私です、そのためにお笑い感受性が育ってないということもあるからなんともいえないんですけど、いや、もしかしたら彼女らのコントがすべってるぽいっていう状況がネタの根幹なのかしらん? だとしたら、すっかり私ははまってしまっているのか。これはちょっとまずい状況だぞ、きょろきょろしながら、うろたえてる気分です。

『ちはやとまお』、これ気にいっています。麺好きのお嬢さんが好き。ぐいぐいと押してくるような感覚はなく、むしろ淡々と、状況を提示していくような低いテンション。登場人物のテンションも低いんですよね、万桜は比較的テンション高めに出てきましたけど、それでも低いんですね。その低いテンションで、どれだけ麺が好きか語る千早がいい。パスタと蕎麦しっかり持ったうえでしゃべってる、その様子がすごくいいんです。彼女らが可愛いのもあるのかと思います。けど、それ以上にこのふたりのゆったりした掛け合い、それが好き。このテンポが私にあっているのでしょうね。

ねこみみぴんぐす』、四コマ漫画は一度にたくさん語れない、そうした特性のためでしょう、前回からの因縁ともいえる試合の状況、がっちり描くことができなくて、惜しかったなあって。期待される展開であった、きっかけは前回、今回は一度目の挫折、そして次に雪辱戦がくる、いい展開だなって思うんです。だからこそ、負けがしっかり描けてないと思うこと、ことさらに残念と感じます。でも、小ネタ多めで面白かったんですけどね。あの、いい加減にしないと失格にしますよ! すまぬすまぬ ごめんなさいのテンポ感とか実に好き。それから穂咲さん。もう大好き。いわば典型的ライバルをやってる彼女ですけど、それが常にちょっとはずしているという、そのポジションが大好きです。

『Girls f/2.8』、これ、かなり好きです。犬のかたちした雲を見て、カメラ用意する間にかたちが変わってしまって……。写真やってると、一瞬のチャンスを逃がすことって、いや、ほんとにしょっちゅうです。とはいっても、使い切りカメラで空を撮っても、なんかぼうっとした写真になって、結局なにを撮りたかったかわからない、なんてことになったりするんですけどね、経験上の話です。

今回は現像です。そういえば、私の通ってた高校の暗室も化学準備室だか生物準備室だったかに併設してました。薬品使うから、それが都合いいんでしょうね。友人が写真部だったので、中に入らせてもらったりしましたっけ。現像の様子も見せてもらったりしたものですが、ほんとちょっと懐かしいです。さて『Girls f/2.8』ですが、あの先輩が怒られる展開、面白かったです。あの、普通に現像とかできちゃうお嬢さん、しっかりしてるし、ちょっとというかかなりのマニアみたいだし、魅力的だなあ、そんなことも思ったりして、いい感触です。それでもって、匂いが残る。ああ、残るらしいですね。こういう写真部らしい写真部の話、いいなあ。こういうのすごく好きです。

ラジオでGO!』は白玉あんみつさんにスポットライト、ですよ。常連の投稿者、高校生、クラスに同じラジオ聞いてて、自分のことファンだっていってる友人がいる。サブタイトルにある「変身ヒーローの気持ち」、ええ、この秘密のヒーロー的構図、私、大好きなんですよ。誰も知らない知られちゃいけない、白玉あんみつが誰なのか。情報の非対称性といったらいいのでしょうか、あるいはヒーローと秘密を共有してる感がたまらないのでしょうか、そしてその正体が明らかになるっていう瞬間、それが最高なんですよね。ええ、最高でしたよ。しびれましたよ。もうちょっと引っぱるかと思ってたら、意外とあっさりとばれまして、今回そのための仕込みがあったから、ばれるのは来月かな? って思ってたら、今回ですよ。けど、これはいい、とてもよかったです。っていうか、えらく聴取率の高い番組なんだなあ。いや、これは以前にも思ったことであります。

『ONI-ONI』、ゲストです。鬼のお嬢さんの出てくる漫画。人里にやってきた鬼の娘コクリと人の娘マナの出会って、なんだか仲よくなってという、その様子、よかったです。しかし、妄想癖のある妹ミツキが痛ましい、いや違った、可愛くて楽しくてよかったです。鬼という、本来非常識な側にいるコクリがついていけないくらいに非常識なこといいだす妹。いい味出してます。けれど、こういう今どきのネタを扱いながら、コクリとミツキの喧嘩が、なんだか昔懐しい感じの表現だったりしましてね、そういうところも味だなあって思うのです。これは結構よかった、ちょっと気にいってしまったみたいです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第6号(2010年6月号)

引用

  • かにかま「勘弁してください」,『まんがタイムきららキャラット』第6巻第6号(2010年6月号),125頁。
  • まりも「ねこみみぴんぐす」,同前,156頁。

2010年4月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年6月号、本日発売です。てなわけで、連休前ということもあります、今回は前後編でお送りします。いや、ちょっとスローペースにいきたいもので。キャラットに関しては、いつも書きすぎて量がえらいことになるか、書ききれなくてフラストレーションためるか、みたいなことになってますし。

さて、表紙は『GA』であります。きみがまぶしいとの文字が踊っていますが、初夏の日射し感じさせる、そんな絵。眩しく見上げる青空の広さが印象的です。

空の下屋根の中』、最終回です。前回描かれた面接、その時の面接官と再度出会って、そして採用。なんにしても実感の薄いヒロイン、かなえがいまいちしっかりしないままに初出勤する、そんなところで終わった最終回でした。もしかしたら、この続きのエピソード、単行本で描かれたりするんでしょうか。そうだったらいいなって、ちょっとでもいいからこれから先を知りたいな、そんなこと思います。

Aチャンネル』は、トオルのクラスでの生活が描かれまして、具体的にいうとミホとユタカでありますね。このふたりから見たトオル、その評価たるや驚きのもの。ファンだっていう、けれどトオルは照れてしまう。これ、普段見られないものでありますよ。また上級生組に対する下級生からの評価などもあって、これ、いいなあって思いました。ものごとは、一面的ではなく、多面的な見え方がするものだ。そういった感じ、ほんと、よかった、面白かったです。

うらバン!』、体育祭であります。でもって、萌葱は出落ち要員なんでしょうか。いや、でも可愛いなあ。さて、吹奏楽部といえば、体育祭や入学卒業式等、学内イベントにかりだされるものと相場は決まっておるようでして、今回はまさにそうした状況描かれてました。マーチングで行進を先導するのですね。そして、今回は部活以外の状況、体育祭に出場する彼女らの様子も描かれて、ハルくんは水を得た魚のよう、対してナツ先輩、もう苦手で苦手でしようがないという様子。ハルくんはいつもどおりだと思うのだけれど、千夏はなかなかに見られない表情見せてくれて、ああ、いいですね。それからつつじ先生、この人もある意味いつも通り、車が故障するのは定番になってしまってますね。いつも以上にわあわあとして、このお祭り騒ぎ、実に楽しかったです。

『inote! — アイノテ!』は海での話。お姉ちゃんが保護者、受験生だからと勉強しようとするのだけど、一貫できないっていうところ、実によかったです。うん、楽しい時、楽しい場所でそれはしかたないと思う。で、妹とその友人たち、みんなマイペース、ハイテンションに騒いで、それがまた楽しそうで、あの砂の城とかね、その熱中するところもそうなら、あのつっこみもよかったなって思うのです。でもって私は、ことちゃんが気にいっている模様です。

ひよぴよえにっき。』、はると保育園の話を展開して、ちあきの昔を描くという今回、ふたりの関係やちあきの思っていることなど、よく伝わってきて、とてもよかったです。ちあきはお母さんと一緒にいたかった、保育園は苦手だったんですね、だからはるのお世話をするって決めたのか、そうしたことがよくわかる。いいお姉さんだなあって思う。またはるも、そんなちあきを好きなんだなってわかる。またふたりともに、お母さんのことが好きなんだなって。きずなだなんだというと大げさと感じられるけれど、この家族の仲のよいというところ、それがこの漫画のよさ、そのものであるんだろうなって思える、そんな回でありました。

ふら・ふろ』、最終回でした。最終回だけれど、いつもどおり。そんな様子にらしいなと思えて、けれどこうした普通で当たり前の一日も、それが宝ものと思えるかどうかで違ってくる、それこそその一日を過ごす自分次第なんだなって思える、そんなラストでありました。この漫画は、当たり前の日々を描いて、けれどそれらは確かに特別な一日であった。そうだったんだなって再度確認するようで、ああ、いい最終回だった、そう思います。私がいいと思った。ええ、いい最終回でした。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第6号(2010年6月号)

2010年4月27日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2010年6月号

『まんがタイムオリジナル』2010年6月号、発売です。表紙は、ええと、なんでゴルフ? これからゴルフシーズンなのかな。フルスイングの山下。他にも『トリセツなカテキョ』のヒロイン井原さんとか、『マダム・パープル』のマダムがアイアン? パター? 持っていて、そしてらいかはキャディをやっている。ゴルフはもともと動きの多いスポーツではないから、ある程度の定番ポーズに落ち着くって感じがする表紙でした。

『先生のたまご』は一足はやく連休明けの風景描いていまして、いや、確かに長く休むと身体が鈍るのか、なにをするにも億劫だったりしますよね。エンジンかからない感じ。というような状況、定番といえばそのとおりであると思うのですが、しかしまさか最後にああいう落ちがくるとは予想外でした。ああ、最初からずっとネタふりだったんだって、感心して、そして素直に面白いと思ったのでした。いい落ちだったと思います。私も休日は1日パジャマ派です。

『ヤング松島喜久治』が最終回でした。意外というか、もうちょっとひっぱるのかなって思ったのですが、想像以上にあっさりとした終わりでした。当然、あたりまえではあるのですが、喜久治は千歳のもとに、そんな終わりですよね。あの仲のいい夫婦、その出会いから結婚までを描くと思っていたものですから、やっぱりあっさりとしたラスト、そのように感じます。これで、喜久治の昔の話が終わって、今度からまた現在の派遣編に戻るんでしょうか。それともまったく違うものがくるんでしょうか。いろいろ思ってしまいます。

今回は東屋めめ特集? 『満開!Sister』に加え『すいーとるーむ?』の特別編も掲載、美好さんにスポットライトが当たっています。いつもはしたたか、そんな美好さんですが、今回は独特のマイペース、移り気? なところが描かれたりして、面白かったです。『満開!Sister』もそうなんですが、見た目にはおとなしそうで、けれど実際は策も弄するし、決してやさしいばかりでないという、そういうお嬢さんの描かれるところ。私が東屋めめが好きと思うのは、こうした要素のためなんだろうなって思います。

『ひよりすと』、熊がですね、えらいこと可愛いなって。いや、もう、なんで草介なびかないんだろうって、自分だったらもう駄目だろうなあ、なんて思ってたら、なんと『そこぬけRPG』もそんな感じの展開に。この、男たちの反応の違いは、どれだけ駄目になっちゃってるか、その違いであるんでしょうね。ああ、私も駄目ってことか……。しかし、草介の友人たち、若いのに随分と駄目で、いや、もうほんと駄目で、けれど人っていうのはああしたあり方こそが自然なのかもって思います。

『今日から寺バイト』、終わっちゃいました。ああ、ちょっと残念だ。この漫画、好きだったんですよね、奥さんが可愛くて。っていうのは半分冗談ですが、お寺のこと、僧侶の資格をとろうっていう展開、そういうなかなか触れることのない世界描かれるところがよかったんだろうなって思うんですね。だから、残念です。次回作にご期待くださいとありますけど、ほんまですよ、お願いしますよ。次回作あるなら、また好きになれる漫画だといいなって思います。

しかし、私が好きになると、その漫画は終わるというジンクス、健在だなあと落ち込んで、というわけで、よしむらなつきさんはどうぞお気をつけください。『アトリエZOOへようこそ!』、大好きなんですが、いやほんと面白いと思ってるんです。どうぞ長く続いてくださいよ。

『アトリエZOOへようこそ!』、扉絵、いっつもきれいだなあって感心するんですが、今回はドリルさん、やっぱり魅力的であります。そして内容は、締め切り前の風景、いつも決まって一日足りないと嘆く漫画家の習性とりあげて、けど、東京住むとか代案いろいろ出してますけど、こういう人は一日余裕があったら、一日取り掛かるのが遅れるタイプだと思うんです。というわけで、データ入稿。絶対うまくいかないんだろうなって思ったら、予想以上にうまくいってなくって、なんでインク瓶の蓋あけてあるんですか! こういうナンセンス、大好きです。でもって、気合いの入ったアナログ画とペンタブ画の比較、これ、マウスで描いたんじゃないのんかという出来にしびれます。結局は慣れた道具にまさるものなし、そんな結論でしたけれど、今はデジタルへの移行期、アナログからデジタルへと移っていこうとする人はきっと多いのだろうと思います。慣れるまで、ノウハウが蓄積されるまでが大変なんでしょうね。ええ、私もデジタルへの移行期、その大変と思う気持ち、わかる気がします。

  • 『まんがタイムオリジナル』第29巻第6号(2010年6月号)

2010年4月26日月曜日

『月刊アフタヌーン』2010年6月号

 今月の『アフタヌーン』、とってもいい表紙。『武士道シックスティーン』、ヒロインふたりが桜を見上げている、そんな絵であるのですが、本編ではちょっと見られないような様子、雰囲気、とてもいい感じ。西荻の笑顔が素直で魅力的、というのは表紙に限ったことではありませんが、磯山の表情ですよ。険がとれて、ああ、こんな表情、はじめて見たんじゃないだろうか。そんななんだか特別な印象が鮮かでありました。あ、今月は6月号です。

百舌谷さん逆上する』、今回も少し以前の話からです。謎の新勢力、くーたんとモズモズ、このくーたんって人はいったいどういうところから出てきたのだろうと思っていた、その疑問への回答が得られたといった感じです。思ったより解明がはやかったなあ。さて、この人、葛原未来さん、どうも以前の学校での知り合いだか友達だか、あるいは何かみたいですね。今、物語は、百舌谷さんからはちょっとはなれ、番太郎と竜田の関係であるとか、またくーたん、モズモズの動きであるとか、それから竜田の兄貴か。複数の流れを描きながら、これら流れが関係をもって繋っていくという、そうしたところが実に面白く、この関係の中心には百舌谷さんがいるのでしょうが、はたしてこの流れが百舌谷さんのもとに戻された時、どのような状況が生じるのだろう、すごく楽しみであります。

で、それはいいんですけど、モズモズさんのメール、ちっとも判別できませんでした……。あれ、無理だと思います。

『ハルカカナタで』、読切前後編一挙に掲載であるのですが、108ページ、さすがにちょっと疲れました。未来からやってきた幼なじみが、あなたは明日殺されると告げる。それからの48時間? を描いて、それは確かに充実して読ませるものであったのですが、ちょっと描きすぎというか、思ったこと、いいたいことを、全部描いてしまったかのようないい過ぎ感があって、そのためかつみこみすぎ、そんな風に感じてしまったのかも知れません。ちょっと昔の少年漫画思わせるとかいったらいいのでしょうか、懐かしさ感じさせるものもあって、そういうところ、ちょっとよかったと思います。

『友達100人できるかな』は強烈な婆さん登場、ですよ。駄菓子屋の店主。なんというか、ものすごくあこぎ。子供相手に、無茶苦茶な商売してる、そう思わせて、実はそうではないんだよ、今のはやりでいえばツンデレでしょうか? そうしたキャラクターの描き方、なんともいえんものあっていいですね。この漫画はSFの体裁をとってるけれど、その実は人情もの。まっすぐに人に向き合い、人とわかりあっていこうという、そんな物語であるわけですが、その面目躍如たる回でありました。いや、ほんと、こういう話、大好きです。

2010年4月25日日曜日

GarageBand

 新しいMacBook Proが出た、ということで、いよいよLogic Studioを導入しようということになりまして、ええ、購入したのでした。購入を決めたのは4月15日ですね。到着はといいますと、カスタマイズをしたために少し遅れて4月24日。ええ、昨日の到着でした。到着初日はLogic Studioのインストールにあけくれ、さわってみようと思えるような気力残らず、よって実際に触ってみたのは今日とあいなったのでした。

私は、DAWというカテゴリのソフトウェアをさわるのは、これがはじめてです。といったわけで、正直な話、非常に難しい。昔、EZ Visionというシーケンスソフトで、短い曲を作っていたことがありましたけど、それどころではないややこしさ。まあ、インターフェイスも違いますしね。慣れたらきっと大丈夫になるのだ、そう信じて、とにかくさわり続けるしかないかなという印象です。

さて、MacBook Proを買った、ということはですね、同梱のiLifeが'09にアップグレードしたということでもあるわけです。実はこれを楽しみにしていたのでした。なぜかというと、GarageBandは'09でレッスン機能を搭載しまして、ギターやピアノを学ぶことができるのです。私は、この数年はギターばかりやっていて、キーボードなんてまったくさわっていませんでした。和声の勉強のためにGZ-5を買って、これは結構便利に使っているのですが、しかしこれをもってキーボードの練習というのは無茶すぎる。というわけで、Logicを使いはじめる前に、GarageBandのレッスンでリハビリをしよう、そんなことを思っていたのですね。

基本レッスンは無料でうけられます。なので、まずはピアノレッスンから。レッスン1は楽譜の読み方、レッスン2は右手、レッスン3で左手のレッスンに入り、そしてレッスン4では音価を学び、リズムをつけて弾きはじめます。とはいえ、曲を弾くというよりも、左手でベースを、右手はコードを押さえる、そんな感じであるのですけどね。非常に短い時間で、けれど結構押さえるべきところは押さえられているという印象、初心者にはよさそうなレッスンだなと思いました。

でも、残念ながら、自分には簡単すぎました。弾けないとはいえ、完全初心者向けくらいはなんなくクリアできそうです。けど、とりあえずレッスン9までは続けて受けていくつもり。これが終わったら、場合によってはアーティストレッスンですね。これは有料なんですが、ひとつ試して面白いとなったら、お金払ってレッスン受けるのも悪くはないな、そんな風に思っています。キーボードやギターを学ぶということも楽しみなのだけれど、一体どういうアレンジをしてるんだろうっていう、そういうののヒントを得られるのも大きいなって思っているんですね。

あ、そうそう、キーボードは昔使ってたRolandのPC-180という49鍵キーボード。レンジは狭いけど、まあ今のところは使えています。GZ-5に慣れた手には、めちゃくちゃ大きく感じられて、もう大変。はやく勘を取り戻して、普通のサイズのキーボード、弾けるようにしないと、ですね。音源は、Logic Studioに含まれているMainStageでピアノを選択して弾いています。これ、結構楽しいですね。これもまた期待してたのですが、期待どおりであったなって思っています。

2010年4月24日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2010年6月号、発売されました。表紙は『トランジスタティーセット』。この人の描く表紙はいいなって思います。前面にキャラクターがいる、その後ろには街が広がっていて、街もまたこの漫画における大切なキャラクターのひとつであるのだというかのようなありかた、それがとてもいいと思うのです。今月の表紙は夕刻でしょうか、あかく染まった、暖かみ感じさせる色合い。悪くないと思います。

『Good Game』、新連載とのことですが、これ、『コミックギア』に掲載されてた漫画ですよね。たしか、2話掲載されたんでしたっけ。だから、新連載とはいうものの、実質第3話目であるはずです。そんなわけで、いまいち状況がわからないっていうのは、ほんとどうしたものでしょう。せめて、これまでのあらすじを用意してくださらんものだろうか。いや、ほんと、そうでないとこれから読む人間、なかなか踏み込んでいけるものではありません。読者にとっても、作者にとっても、不幸な連載開始となった、そのように感じています。

となりの柏木さん』、先日発売の単行本の続きですね。主人公桜庭のいう別に僕が送らなくてもという気持ち、ああ、なんかわかります。と思ったら、彼のこの気持ち、私のものとはちょっと質が違うみたい。とはいっても、根っこには同じものがあると思われて、それがどう意識にのぼるか、そこが違っているのだろうなと、そんなこと思わされました。でもって、柏木さん、泣く。おーまい、なんてこった、謝るから泣きやんでおくれ。私が謝っても意味ないのですけど。これまで、情報を秘匿していたことで、少し優位な立場にあった彼女が、その情報を伏せていたということで、追いつめられることになったのかな? これまでにはなかった、彼女の気持ちの表され方に、なんだかドキドキさせられます。

少女素数』、おかあさんが妙に可愛くておかしかった。今回は、すみれ、あんずのふたりだけでなく、お母さん、そして桐生さんも登場、よく動いて、実にはなやかでした。イチゴ柄のスカート、これ取り出した桐生さん、これは完全にこの人の趣味なんでしょうなあ。ところで、桐生さん、名前は梗子、姓にも名にも植物ですね。搗栗という姓にも植物。ということは、富士夫って名前、富士って藤、もしくはりんごの品種だったり? 物語は、なにごともなく、平和に平和を重ねるかのようで、こういう平穏、よいです。

純真ミラクル100%』、この漫画で一番可愛い人は、絶対に二宮さんです。今回も、あのお姉さんふたりに振り回され気味に、モクソンにやさしさ振り撒いて、いや、もうほんと、いい人だ。この人大好きです。そして、この楽しげな情景、こういうのが描かれる理由というのもわかる気がして、それはつまり、この後に厳しい状況に投げ込まれるということなのでしょう。その変転、ついにはじまった、そんなラストの見せ方、ああ、この人たちの楽しかった状況、どうなるのだろうと、不安になってくるんですね。それはつまり、しっかり引き込まれてるってことです。

『わくてか☆Chu!』、ゲストです。動画サイトにて、歌唱動画を公開してる。そんなヒロインであるのですが、正直なところ、惜しかったなって思っています。ヒロインの動機がいまいち弱くて、またヒロインの相方に対する不信めいた感情、それもいまいち消化されていないって感じがして、それから先輩についてもそう。身近なファンが、もっと見たい、頑張ってっていうのは自由だし、いいと思うよ。けど、その言葉に揺り動かされるヒロインの気持ち、それがきちんと描かれてない、ただ勢いに押し切られてうやむやになっただけ、みたいに感じられて、惜しかったなって思うんです。悪くいえば、再生数が欲しい相方に利用されてたヒロインが、無責任なファンの発言に後に退けなくなった。他人のエゴに振り回されてるだけに見えてしまうんです。

ヒロインに、中傷されてもなお私は歌いたいんだ、動画サイトで歌いたいんだっていう、そんな動機が感じられたらよかったのにと思います。歌うということや、それを公開すること、それらは自分にとってどんな意味があるんだろう、そうしたことに切実に向き合うようなところがあったら、きっとずっと違ったろう。なんて思ったのでした。

引用

2010年4月23日金曜日

Azalea, taken with GR DIGITAL

Panda on LCDGR Blogのトラックバック企画、今月は25日が日曜日だからでしょうかね、二日前倒しされて、23日が最終日でありました。あぶなかった。というわけで、4月のお題は目覚め。ええい、またなんか難しそうなのが出てきました。この一年ほどをざっと遡ってみたのですが、このテーマに合致するような写真見付からず、でも参加することに意義があるというではありませんか。トラックバック企画 目覚め に参加します。

あんまりに目覚めに該当しそうな写真が見付からないものですから、最近撮った写真、つつじですね、をピックアップしてみることにしました。小さな株、葉っぱよりもずっと花の方が多いという、そんな様子がかわいくて、なるたけ寄って撮ってみたのでした。これを目覚めといっていいものか、それは謎だけれど、謎は謎のままにしておこうと思います。

Azalea

あ、そうそう。冒頭の写真は、うちの電話のディスプレイのパンダです。結構、気にいっています。

2010年4月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2010年6月号

『まんがタイムスペシャル』2010年6月号、発売されました。表紙は応援一色。チア、チア、チア、そして応援団であります。しかし、『トンネルの華子さん』、チアのポンポンかと思ったら、これ人魂なのかな? そして天子様、応援しているのはコミックスである模様。いや、実際、売れてほしいなって思います。

恋愛ラボ』の扉、一瞬全然違う漫画と思えて、それはなにかストーリーものとでもいった雰囲気だったからかも知れません。舞台はいりきみ塾、ヤンとマキの対立明確になって、しかしヤンがちょっと押され気味。そうした状況において、どんどん人の悪さを押し出していくヤンですが、リコと関わっていくことで、ちょっとずつ変わっていくとか、そういう展開が期待されそうな見せ方、されていました。しかし、結局ヤンもリコのこと好きなのか? やっぱりリコ、もてもてなのか? なかなかにいい展開であります。

『うぇざーはいつ』、ゲストです。気象予報士のお姉さんがヒロイン。明るいお嬢さんと同居している、大人しい女性なんですが、気象予報の現場、テレビにおいてはがらっと雰囲気かえている。しかし、それが普段は全然違うっていう、その落差がいい感じでした。最後の、コードにつまずくとかね、その見事に崩れちゃってるヒロイン、この味わい、実によいな、そう思えるゲスト第1回でした。

『ごめんね、委員長!』、ゲスト掲載です。新キャラクターの登場。ちょっと変わりもののパソコン部部長がうさぎの着ぐるみで現れて、そして委員長に微妙にからむというんですね。これ、好評だったら、スペシャルは委員長とパソ部部長編といった感じで展開するのでしょうか。それもまた面白いかもなあ。なんて思っています。

『キミ待ち!』、落ち込む二代目。なんでい そんなもん ツバつけときゃ治らぁって、それは陽菜のツバなのか!? 自分ならこれで治るかも! とか思ってしまった私は、いろいろと残念です。しかし、春になるとなんだか憂鬱になるって気持ち、ちょっとわかる気もします。変化する季節、そんな中、自分だけ立ち止まっているような気がする。あるいは、望んだ変化の方向から外れている、などなど、そうした自分の置かれた状況に思い悩むのも春という季節なのかも知れません。だから、おかみさんがやったように、わからなくなってしまっている自分の位置、それを再確認させてくれるようなきっかけを作る。それがなによりの対処法なのかもなあ、そんなこと思わせてくれる話でありました。

ふたご最前線』、うわあ、次回最終回。うわあ、がっかりだ。南帆、北斗が育って、またこれまでと違った、そんな展開、表情が描かれたりするのかななんて思っていたものだから、えらいショックですよ。今回は、以前に出てきた、土地買ってしまった話です。いよいよ新居か? しかし先立つものがないっていう、そういう状況を描いて、面白いなあと思うんですね。面白いうちに惜しまれつつ終わるのが仕合せ? それはわからない。けど、私はなんだかえらく残念です。

『シュガービーチ』、ゲスト2回目です。ビーチバレー部に入部した1年生たち。入部の動機など語られて、しかし、どいつもこいつもろくでもないな。スポーツとしてビーチバレーをとらえていない。しかし、そんな1年生を前に、唯一の先輩、部長が頑張りを見せる。この、やる気のある部長と、やる気のない新入生たちという構図、今後どういう風にひっぱっていくんだろうと、その展開の次第、すごく気になって楽しみです。部長が勝つか、新入生に押し切られるか。ここは部長を応援したいところです。

『ほよほよセキュリティ』、最初はゆるくて可愛いが最前面に押し出された、そんな漫画だと思っていたのですが、だんだんに、ホームセキュリティとしての本分を逸脱しながら頑張るミトがいいなって思えるようになってきました。ちょっとゆるく、そして可愛いという点は維持しつつも、それ以外の面白さ、ナンセンス風であったり、また「変態お兄ちゃん」みたいなのね、広がりが見えて、よくなってるって感じ。すごくよいと思っています。

『ミニパトっ!』、面白かったです。沖縄からきたお嬢さん、伊瑠花さんがとてもいい感じ。素直で、可愛くて、そしてちょっとずれている。思わず強盗も会心してしまう清らかさです。いや、でも、こうした事件めいた展開描きつつ、いい話っぽく見せて、けれど現実的解決してみせて、この揺れ振れ動かして見せるところ、面白いなあって思いました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第19巻第6号(2010年6月号)

引用

  • 口八丁ぐりぐら「キミ待ち!」,『まんがタイムスペシャル』第19巻第6号(2010年6月号),102頁。

2010年4月21日水曜日

Apogee Duet

 先日、MacBook Proが出たというので、以前から考えていたLogic導入計画、実行に移そうかどうか云々いってましたが、結局注文してしまって、けど、まだMacBook Proは届いていません。キーボードとハードディスクのカスタマイズをしたものだから、ちょっと出荷に時間がかかっていまして、今日発送、クロネコヤマトの上海支店に着きました、という連絡もらったところです。今日上海ってことは、早くて金曜、普通で土日くらいに届くかなって感じかと思われます。

と、このようにMacBook Proはまだ届いていないのですが、一緒に注文したもの、Logic StudioやApogee Duet、ハードディスクはもうとっくに届いていて、記録を見ると17日ですね。注文の翌々日には手元にあったというわけですが、これだけあっても仕方がない。とはいうものの、せっかく届いたのに使わないのもつまらない。そんなわけで、Apogee Duetだけは使いはじめています。

 Apogee Duetはオーディオインターフェイス、録音に使うような機械なのですが、当然インプットだけでなくアウトプットもできるわけです。なので、音楽聴くのに使っています。

これまではM-AudioのFast Track Proを使っていたのですが、それをやめてDuetにした理由は以前にも書いてましたね。で、当初はFast Track Proはリスニング目的で使い続けようと思っていたのですが、これについていてDuetについていないインターフェイス、MIDIのIn/Outですね、こいつがあるからFast Track Proも現役続行と決まりまして、しかも使う頻度はMIDIの方が多いんじゃないか? っていうくらい。だから、普段リスニングにはDuetを使うということになりそうです。まあ、高品位なインターフェイス使ってる方が、耳が肥えていいような気もしますから、普段からDuet使っとけって気もするんですけどね。

一応聴き比べもしています。CDからAAC 256 kbpsに圧縮した音源。『はなまるなベストアルバム childhood memories』から『キグルミ惑星』と、『点呼する惑星』から表題曲を選んで視聴。結果からいうと、自分の耳では、印象が違う程度としかいえない。そんな感じです。Duetの方が音に存在感があり、そのためオケ(伴奏)が厚く聴こえる、そんな印象です。対してFast Track Proは、音が硬い、あるいはタイトといった感じでして、だから好みによってはFast Track Proがいいという人があってもおかしくないなという感想でした。

Apogee Duetは、ドライバのインストールなしで使えるのが便利です。Fast Track Proもそうなんですけど。両者ともドライバなしで認識するから、聴くためだけなら手間いらず。もちろん、両方の機能を充分に使いたいと思ったらドライバいるんですけどね。でもって、Duet、見た目からしてそうですが、非常にシンプル。つまみはボリュームひとつという簡単さで、これ押しボタンにもなってるんですが、押すことで入出力のチャンネルを切り替えて、それぞれの音量の調節ができるという仕様です。そして、これ最初、ちょっと戸惑ったのですが、長押しすることで、ミュートのオンオフができるようになっています。電源が入った直後にはミュートされてるっていうの気付かなくて、最初の音出しに手間取って、今から思えば笑い話なんですが、まあ、説明書はちゃんと読んだ方がいいってことですよ。

あと、ちょっと使いにくいなって思うところもありまして、どうもDuetには電源オンオフという概念がないみたいなんです。FireWireケーブルで繋げば電源オン、抜けば電源オフ。電源スイッチとかないみたいなんですよ。なんらかの方法で電源切れたらいいのですが、その方法がない? もしくはわからないので、FireWireケーブルの抜き差しで対応しています。丈夫そうな端子だから大丈夫と思いますけど、頻繁な抜き差しが故障の原因になったりしたらいやだな、なんて考えもあって、ちょっとうまい手を考えたいです。

といった感じ。ほぼ第一印象、って感じですね。実際、Duetの真価はこれから判明していくのだろうと思います。

2010年4月20日火曜日

ひよわーるど

 その存在は知っていたのだけど、どんな漫画かはまったく知りませんでした。『ひよわーるど』。そのタイトルから、ヒロインの名前がひよなのかなって思ってたら、もーりとかじゃっくとか呼ばれてるらしい。でもって、じゃっくだもんだから、男の子主人公なのかなと思ってたら違った。いやあ、ヒロインの名前がひより、それはいいんですけど、その名前もタイトルも、ひ弱に由来してるのか……。さらに、じゃっくという呼び名。これ、虚弱貧弱の弱なのか……。『ひよわーるど』は、とてつもなく身体の弱いお嬢さん、守屋ひよりが主人公の漫画であります。

しかし、それにしても弱い。体力がない。とにかく非力。低空飛行で生きている、そんなヒロインの様子を見て、こりゃさすがにありえない、と苦笑するのですが、なんと、作者の実体験が結構はいっているらしいとかいうじゃありませんか。うわあ、こんなに虚弱な人って世の中に存在するのか! と、もっともらしく驚いてますけど、実は私、こんな感じでした。小学生の頃、通学の途中で体調悪くなって、知らないお家の玄関先でへたりこんでたりね、大学に通うようになってからも、朝の授業、体調崩して寝込みながら受けたりね。そんな具合ですから、ちょっと他人事とは思えないようなところもあって、いやもうほんと、懐かしみながら面白がっているのです。

しかし、『ひよわーるど』、これいいなって思うのは、そんな虚弱なヒロインなのに、悲観するような様子がまったくないっていうところですよ。具体的に日常生活に困りそうなくらいに貧弱なのに、それはそれで折り合いつけて、楽しく毎日を過ごしています。こうした弱いヒロインなら、それこそ深窓の令嬢っぽく、ちやほやされるみたいな展開になってもおかしくなさそうなところが、そんな素振りまったくなし。周囲は、じゃっくが授業中にぶっ倒れたとしても、そんなもんだとわかってるから、そのありのまま受け入れて、そうっと放っておく。じゃっく、いやさもーりにしても、頑強じゃないからって引っ込んだりしない。アピールするところはアピールし、自分のポジションというものをしっかり確立させている。このしたたかさですよ。弱い、確かに弱い。けれど、気持ちまで弱々しくはない。こういう守屋ひよりのキャラクター。とにかくマイペースであるところ、自由人そのものといった気風、それが気持ちいいなあって思って、すっかりこのお嬢さんのファンになってしまいました。

ところでだ、冬になるとコートやらなんやらいっぱい着込んで丸々となる守屋さんですが、これはわかります。体脂肪が少なすぎて、普通の人よりも体感する寒さがきびしいんですよ。いや、もう、ほんときついですよ。私、体脂肪率10%割ってます。今、体重、50キロないもんな。だから、もう、寒い寒い。まだセーター着てます。コートだって着てます。夏だって長袖だ。いや、もう、半袖とかにすると体調崩したりして、通勤途中にリタイアしたりするんですよ。いや、もう、守屋さんの気持ちはよくわかります。

あとは、ちょっとした余談。てっきり関東舞台かと思っていたら、大阪舞台で驚きました。あの、遠足をみんなで決めるという話、関西では普通なのかどうか知りませんけど、私の通ってた高校もそうでした。私の住んでるのは京都なので、行き先は嵐山だったのですが、もーりが日本橋でゲーム機買ったように、私も自由行動、それこそ自由に振る舞って、墓参りにいった(うちの墓は嵯峨野にあります)。こんな私だからか、もーりのアグレッシブさは面白い。お茶だといいはって、校内ご禁制の品を持ち込んだりする、そういうちょっと悪いところも実に魅力的で、やっぱりこの漫画のよさは、したたかなヒロイン、これであるなと思うのですよ。

  • 橘紫夕『ひよわーるど』第1巻 (バンブー・コミックス) 東京:竹書房,2010年。
  • 以下続刊

2010年4月19日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年6月号

『まんがタイムきららMAX』2010年6月号、発売されました。表紙は『ひろなex.』。ぱっと白い背景が、明るくて、さっぱりと清潔感あって、魅力的であります。公園、すべり台にのぼったひろなと、下から見上げる三人。自然と視線が、ひろなに集まる、そんな印象のある表紙、なかなかによいなと思います。でもって私は風優夏の明るい髪の色と若草色のカーディガンが気にいって、ええ、とてもきれいだと思います。

『くすりのマジョラム』、かわらず面白いです。今回は、ちょっと疲れたお姉さん登場で、目のしたのくまをなんとかしたいっていう切実な話です。ってのはいいとして、あの隈についての説明、食い入るように読んでしまいました。私のは、血行不良の透過、なんだろうなあ。見た目ととのえて、気持ち盛り上げて、それで乗り切れることもあるよって話。でも、限界は当然あるよっていう話でありました。その結論に辿りつくまでの紆余曲折、というか雫の暴走、ラムの扱われ方、そのへんが面白かったです。で、クリスマスのプレゼント、ちゃんとどちらも健在である模様ですね。実によい感じです。

イチロー!』、最終回です。めでたく合格の最終回は、予想されたとおりでありましたが、これまでお世話になった人たち勢揃いといったにぎやかさ、ああ、これはなにかめでたいなあ、そう感じさせてくれるラスト、大変よかったです。最終回ではあるけれど、これで終わりというよりも、彼女らはいよいよこれからなんだって感じさせるような溌剌さがあって、それがすがすがしかった。ええ、いいラストだったと思います。

『けいおん!アンソロジー』、石見翔子、鈴城芹、玉岡かがりときて、この鈴城芹の「のどさわ♪」って、もう本当に揺らがない人だな。三人三様の『けいおん!』を見せてくれて、オリジナルの雰囲気しっかり継承しつつ、独自の味も加わって、見応えある三本でありました。しかし、「のどさわ♪」は揺らがないな。先生と和ちゃんのキャラクターの持ち味、うまく引き出して、いかにもこういうシーンありそうっていうエピソードを作りあげる。面白いなあ。でもって玉岡かがりの寿司。ああ、ああ、これにはやられました。面白かったです。

『すせそのWA!』、ゲストです。女の子三人が、楽しそうにやっている。ちょっと変わってる、マイペースといったらよいのかな、そういったお嬢さん、魅力的だなって思うところあって、よかったです。あのですね、麩なんですけど、子供のころ、私もさくさくぼりぼり麩をかじってたこと思い出してしまいましたよ。結構おいしいものなんですよ。でも、食べすぎると口の中がかわいてしまいます。でもって、麩、そして猫。かばんから出てくる。ちょっとなさそうな話を、なんとなくありそうな感じに面白く見せてくれて、いい感じだったなって思います。

『SUNNY SIDE UP.』、登場人物および舞台の紹介といった回でしょうか。剣持さん、そしてメレニアさんと出てきて、そして朝顔。この三人による部活勧誘合戦、そのやりとりでもってキャラクターがうまく提示されていく。メレニアの人見知り、しかしその本性、落差が素敵。で、あだ名がメレンゲなんだ。で、朝顔はもーぐりって呼ばれてるんだ。このふたり、実によいな、そんなこと思ってしまう、ちょっと楽しい回でした。

『きんいろモザイク』。カラーがきれい! 新連載です。アリスがどえらいこと可愛いです。どや顔っていうの? もうこういうの大好き。それから、しののどえらいマイペースっぷり。なんだかのんびりとしたいい子たちだなあっていう感じがですね、すごくよくって、それに、この子ら大丈夫なのかなあと思ってしまうほどの素直さ? のんびりさ加減? もう最高だと思います。打ち水するアリスにかけられた、しのの言葉。こういうの、本当に面白い。大好きです。

『ラッキーストライク!』は、これまでもそうだったのだけど、今回は特に説明が多めでありまして、それを食い入るように読む。なんで私はこういう説明もの好きなんだろう。子供時分、学習まんがで育ったという経緯とか関係してるのかなあ。とか思いながら、とにかく読んで、それでもって余裕なくしたレンの様子が楽しくて、クラスの友達にはボウリング部って内緒にしてるんですね。で、ばれたくないんだ。面白いなあ。恥ずかしがる、引っ込み思案、テンションなかなかあがらないどころか、異常にネガティブ。もう、ほんと、極端なお嬢さんです。大好き。でもって、部長のアドバイス受けながら、とにかく投げて投げて投げるところ、ああ、頑張ってるなあ。こういうの、なにをやるにも大事だよなあ。そう思って、なおさら好きになるのでした。

ぼくの生徒はヴァンパイア』、これはすごい。これは素晴しい。ガブリエラが酷いことをする。のはいつものことなんだけれど、被害にあうのはミナと相場が決まっているのに、なんとメイベルに波及。メイベルがブラム先生に恋しちゃってるみたい、っていうのは、もうずっと前からありありと見てとれていたわけですが、しかしその好きという気持ちを素直に表現すると、この人はこんな風になるんだ。ああもう、えらいこと可愛いな。ああもう、えらいこと可愛いな。ああもう! で、次回、マスターと対決? それはそうと、ガブリエラの作ったのって、どう考えても自白剤だよなあ……。

『もっかい!』は、なんともいえない独特の味があって、それは回を重ねるごとに薄められていくんですけど、けれどまだまだ健在。ちょっと読みにくい、表現されてることがすっと入ってこないという弱点はあると思うのですが、それでも遊と衛、ふたりのキャラクターの対比は面白く、そしてなにかあると遊が悪いと決めつけられて、ああ、かわいそうなんだけれど、これが日頃の行いってやつでしょうか。でも、今日は散々といっているところ、ちょっと同情してしまって、けれど同情しつつも面白くて、この漫画、実にいいですよ。気にいっています。

と、ここで力尽きました。もう何本か書きたかったのだけど、欲張らない生き方を目指します。また来月ー。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第6号(2010年6月号)

2010年4月18日日曜日

はなまる幼稚園

 『はなまる幼稚園』BD第1巻、買いました。いやね、買おうかどうしようかずっと迷っていたのです。正直なところ、テレビ放送録画して、何度も何度もリピートするくらいに気にいってたものですから、BD買っても充分もとはとれてるだろう。というか、あんなに見るくらい好きなら、BDくらい買おうよ。そんな気持ちもあったのですね。そしてもうひとつ理由がありまして、ええとですね、応援したいなって思ったのですよ。静かでもいい、人気が出て、第2期に繋がってくれたらいいなっていう気持ちがあったのですね。私が買う1枚、これにどれほどの意味があるのかわかりませんけど、少しでも足しになればいいなって思ったのでした。

さてさて、これまでに買ったことのあるアニメのBDっていったら、『けいおん!』しかなかったものですから、この『はなまる幼稚園』は当然ふたつめのタイトルであります。いやあ、オーディオコメンタリーのスタイルとか、意外に違うものですね。『けいおん!』はキャストとスタッフそれぞれに別録りされていて、コメントもその回についてのものが中心であったりしましたが、『はなまる幼稚園』は司会役の人があって、そしてキャスト監督が一緒になって、BD/DVD収録話にしばられず自由なコメントをしていく。第1巻は杏役の真堂圭さん、土田先生役の日野聡さん、水島精二監督、そして劇中にも登場していたコメディアンの三平×2氏、この方が司会ですね。語られた内容はオーディションや収録の話、また歌についてなどなど。エンディングを毎回凝ろうと決めたのはいいけれど、第1話のがえらくいい出来だったので、後が大変になったとか、そういう話も面白く、また柊役の高垣彩陽さんのこと、いやあ、驚きました。というか、謎がとけたっていった方がいいかも。って、これはちょっと別に説明が必要ですね。

『キグルミ惑星』ですよ。私、この歌、『はなまるなベストアルバム』で聴いた時に驚いたんです。わあ、まるっきりプログレじゃん。っていうか、途中のソプラノのパート、誰が歌ってるの? 本人歌唱? なんでこんなに歌えるの? ライナーノート見ても、特別扱いといったら変だけど、ちょっとしたリスペクト感じさせるコメントが寄せられていて、なになに? どういうこと? と思っていたのが、コメンタリーで解消したのです。音大出てるんだ! オペラとかやってたってことは、声楽専攻か。そりゃ歌えるわけだよ! いや、もう、本当に驚いたのでした。

とまあ、知らないこととかいっぱい知れて、めちゃくちゃ面白かったです。けれど、コメンタリーもよいのだけれど、本編もやっぱりよくて、BDで何周も見てしまってるんですけど、私ですね、特に第2話の「はなまるな天才」が好きなんですよ。ラストで柊がですね、昔の人は星を道標にしていました、っていうところあるでしょう。あの場面が本当に好き。世界がぐっと拡がるように感じられて、そしてなんだかじんと感動してしまうんですね。だから私は、うちに出没する3歳児にこの回こそを見せたいのだけど、どうもおばけのくだりが怖いみたいで、「はなまるなすべりだい」が終わったら、さっとどこかにいっちゃう。おちびが、すべりだいの話が好きなのはわかります。私も好きですから。入園のシーンで、幼稚園のあちこちを珍しそうに杏が見てまわりますけど、そういう、わくわくとした気持ちをともに、新しい世界と出会っていくちびっこたちの、その様子がものすごくいい。すべりだいの回でも、幼稚園を探検して、そして大きなすべりだいを感動とともにすべりおりていく。ああ、いいなあって思うのですよ。

あと、「はなまるなすべりだい」の冒頭で、幼稚園児にいっぱい話し掛けられて土田先生がいっぱいいっぱいになってますけど、あのシーンもかなり好きで、がんばれー、と思わず土田先生を応援したくなってしまいます。それにですね、目に一杯にためた涙を、手の甲でくいっくいっとはらう柚菜ちゃんの仕草が可愛くてですね、また子供がちゃんと説明できないところ、「はなまるな天才」冒頭の杏のせりふ、「えっとね、ひーちゃんがすごいの!」とかもそうなんですけど、そういうのがもう本当に好きだったりします。

とまあ、書いても書いてもとまらないので、ここらで無理やり終わらせたく思います。2期に繋がってくれるといいなあ。2期もおちびと一緒に見ますよ。

Blu-ray Disc

DVD

CD

原作、他

  • 勇人『はなまる幼稚園』第1巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2007年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第2巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2007年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第3巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2008年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第4巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2008年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第5巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2009年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第6巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2009年。
  • 勇人『はなまる幼稚園』第7巻 (ヤングガンガンコミックス) 東京:スクウェア・エニックス,2009年。

2010年4月17日土曜日

『まんがタイムファミリー』2010年6月号

『まんがタイムファミリー』2010年6月号、発売されました。まだ4月なのに6月! って、『ファミリー』が発売されるたびに同じこといってる気がしますが、でもさ、だってさ、思ってしまうのはしかたないじゃん。表紙のテーマはサッカー? でも全体にはあんまりまとまりのない感じで、これは新連載ものの告知カットが、それぞれの漫画の売りを前面に押し出してるから、でしょう。とはいえ、サッカー、水泳、弓道、それとこれは体操着? 全体にはスポーツを意識した表紙になっているように感じられます。

『ぽちゃぽちゃ水泳部』、第2回目です。前回のショックな発言をうけて、ダイエットを決意するヒロイン。それはいいんだけど、ダイエット、きっと成功しないと決まってそう。そして、ヒロインに対照的な人物あらわれて、大食いけれどやせぎすのお嬢さん。ふたりで水泳部に向かうのだけど、その体型は向いてないと入部を断わられる。って、学校の部活でさ、こういう却下ってあんまりないよな? ともあれ、最後には入部するのでしょうから、それまでの展開、どういう風にするのだろう。ちょっと興味深いです。

『となりの工学ガール』、ヒロインの昔からのロボットに対する憧れ語られて、そうか、これが和解のきっかけとなるのか。そう思われたのだけど、その日はなかなか遠いみたいです。けれど、いずれはうまくいくのだろう、そう思わせるところあり、また森山に嫉妬する男ありで、いろいろこの後に影響あたえそうな前振りもあった、そんな風に思える回でした。

『的中!青春100%』、新連載です。弓道部、部活ものですが、第1回から充分以上に面白く、これは期待できそうです。弓道にかなり入れ込んでる少年と、弓道経験はなさそうだけど、弓道に興味持った女の子が入部しようと見学にいく、その部活の様子がたいへんによかったです。真面目であることは疑うべくもなく、けれどちょっとお気楽なところもあり、そして冗談大好きというところ、なかなかに楽しくて、これ、ちょっと期待したいな、そう思える出来でした。

『よめヨメかなたさん』、母の日のエピソード。はいいのだけど、やられた。感動して流した涙を返して欲しい。いや、めちゃくちゃ面白かったのですけれど。定番とも思えるネタをうまくあしらい、面白み充分に引き出しながら、最後に山を作って、落ちは崖に突き落とすかのよう! うまいと思わされます。もう、本当、すっかりやられました。

『一緒にかえろう』、単行本になるそうで、これは嬉しい情報です。でもって本編、ピクニックといいながら熊よけの鈴を装備してくる詩緒が素晴しい。父との楽しい一時。娘の父に向ける思い、そして父の願い、描かれて、しんみりとさせる瞬間あり、けれど全体にあたたかな思いあふれる素敵な回であったと思います。

『美大道!』、めちゃくちゃ面白いな。なんか、このところ、吹っ切れたとでもいうのか、はじまった当初、こんなヒロインだとは思わなかった。ちょっとはちゃめちゃ、けどめちゃくちゃ魅力的。ああもう楽しいなあ。病院の壁に絵を描こうという話。入院している少年との交流もあり、心あたたまりつつも、なかなかに切ない叫びもあって、この振り回すかのようなアップダウンが面白かった。そして、最後のまとめ。いい話。自分を省みて、そして絵の力を再認識するかのようなヒロインの描かれ方、こうしたことを経験しながら成長していくのかもな、そう思えるところなど、とてもよかったです。

『教師諸君!!』、西名先生と城先生のわだかまり? ちょっとシリアスな展開? と感じさせて、そればかりではなかったというバランス。面白かった。主に城先生の気付きとでもいったらよいのか、あるいは西名先生に対する勘違いとでもいおうか、それが描かれるとともに、少しずつ西名先生との距離も縮められるようで、けどやっぱり苦手なんだ。今回は学校をはなれての先生たちの様子描かれたのが新鮮で、実によかったと思います。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第6号(2010年6月号)

2010年4月16日金曜日

となりの柏木さん

 これは、まさに夢の状況が描かれた漫画であるなあ。オタク系少年が、学内でも屈指の美少女と知り合い、仲を深めていくという漫画。まさにボーイ・ミーツ・ガールといった展開、それがひとつ目の夢であります。ひとつ目ということは、ええ、ふたつ目の夢もあるってことで、それはなにかといいますと、お絵描きSNSですよ。イラストSNSピクティアで好みの絵に出会った。その作者を応援する主人公、気持ちはだんだんに高まっていって、すっかりファンになってという、けれどこれがなんで夢なのだろう。ただファンになるっていうのなら、誰にだってありそうな、それこそ珍しくもない話ではありませんか。

ところがちっとも珍しくない。いやあ、世の中って狭いよねっていう話でありまして、けれどこれは漫画なんだから、こういうこともあってもいいよね、そんな気持ちにさせられて、一方の側はすべてを知って秘密にしている、もう一方は一部状況を伏せられた状態で、それゆえに本音を思いっきり吐露できたりしてね、この情報の非対称が生み出す状況が面白くて、だからこそ私はこの漫画を魅力的と感じているのですが、しかし、主人公に対し伏せられている事実、それこそが夢であるというのです。

好きな漫画家、好きなイラストレーター、どんなだっていいのですが、この人の作るものが好き! 応援したい! という気持ちがまずあって、それがちょっと暴走気味に加熱しちゃうっていうこと、あるでしょう。いや、あなたにはないかも知れないけど、私にはある。応援のコメント、感想でもなんでも、えらい沢山書いちゃって、それこそweb拍手の10回制限オーバーしちゃうくらい書いてしまうなんてことさえあるくらいで、しまったやってしまったあ! 病的なコメント送っちゃったよ! と申し訳なく思うのが私という人間です。だから、主人公、桜庭少年の気持ちはよくわかる。わかるからこそ、面白いのかも知れません。わかるからこそ、会ったこともない、声さえ聞いたことのない憧れの人に向けてしまう気持ち、その高まり、意識的に強く断固として否定しつつも、拭いきれないこの人に近付きたいという思い。そうしたものが、いろいろもろもろ、読んでいる私を苛んでたまりません。

現実において、そうした憧れの人と会って友人になって……、という展開は、まあないわけでもないけれど、そんなにあるわけでもないといったところで、だからこそこれは夢であり、こじらせるととてもとても困ったことになるもの、自制すべき感情であると私などは理解しているわけです。ですが、この漫画において桜庭くんは、実に理想的状況にあって、その夢をまさに描いてくれちゃうんですね。もう、なんともいえない気分で読んでいます。彼のやってしまった感には、ああわかるわかると、応援していた人が評価されて、遠くにいってしまった、自分だけが支えてるわけじゃないんだなと実感させられた瞬間のもやもや、ああ、わかるわかる — 。

こうしたちょっと寂しくさえある気持ちを共感しつつも、けれど桜庭くんはこのもやもやを超えていく可能性を掴んでいるんだなと、決定的な違いを認識している。だからこそ彼が事実を知る時のこと、情報の非対称が解消されるに際して、どういったドラマが用意されるのか、どういった感情の動きが描かれるのかと、がぜん興味も高まる。夢の夢にして、夢のごとく描かれるその様を、心待ちにしてしまっているのです。

  • 霜月絹鯊『となりの柏木さん』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 以下続刊

2010年4月15日木曜日

オヤイデ d+FireWire

Logic Studio、買ったー! いやあ、もう、なんかがくがくする。座ってるから足腰は大丈夫なんだけれど、気持ちががくがくしてる。うん、Logic買ったってことは、つまるところMacBook Proも買ったってわけでして、名前にProってつくAppleハードウェア買ったのこれがはじめてだから、もう気持ちががくがくです。さらにいうと、Apogee Duetも注文しちゃって、ああ、これはもう後戻りできない……。なんか、すごいこと気持ちががくがくです。

そんなわけで、なんも手につかない感じなので、先日知った話題をちょいと紹介してお茶をにごしたく思います。

先日知ったことっていうのはなにかといいますと、オヤイデ(小柳出電気商会)がですね、音楽制作に最適化したFireWireケーブルをリリースするっていうんですね。発売の日付を見れば、2010年4月16日、すなわち明日であるのですが、データの欠落を避けるため無酸素銅のケーブルを使い、ノイズの混入を避けるべくしっかりシールドした。端的にいうとそういうことになるのだと思うのですが、その分値段も高めで、1メートルで五千円を超えるくらいだそうです。

けど、ケーブルは太く短くが鉄則でありますから、1メートルじゃなくて0.6メートル選ぶべきだろう、なんて気もしますけれど、しかしそれ以前に、デジタルの信号を転送するのに、ケーブルの品質ってどれほど影響するのだろうかっていう疑問があります。よくいわれることですけど、オーディオの界隈でいうケーブルの質って、結局のところオカルトだ、みたいな言説も手伝って、こういう高品質ケーブルって実際どうなんだろうって思ってしまうんですね。

ですが、ケーブルで実際音が変わるという意見、あちこちで見るものですから、自分で確認しないでいろいろ決めつけちゃうのはいけないなと。けど、このあたりのものに凝りはじめると、それこそきりがない。だから最初は割り切って、いつか少しでも音質の向上を図りたい、そう思った時にいつでも思い出せるよう、メモとしてこの文章を残そうと思ったのでした。

2010年4月14日水曜日

Logic Studio

 気分はやっとこさです。昨日、AppleがMacBook Proの新モデルを発表しました。これで、数ヶ月前から考えてたこと、Logicの導入がはたせるな。そう思って、わくわく、といいたいところですが、予算を考えてくらくらというのが本音だったりします。LogicはDAWの中では格段に安いとはいえ、それでも5万くらいします。さらにこれにオーディオインターフェイスとMacBook Proと外付けハードディスク、とかなったら、もう結構な価格、投資ですよ。いずれ買う、いずれ導入するといってきたけれど、実際具体的に考えると、なかなかほいと踏み切れるものではありません。

Logic Studio、デジタル・オーディオ・ワークステーションです。音楽作るためのソフト。統合環境みたいにいったらいいんでしょうか。シンセサイザーやサンプラーが入っていて、シーケンサーが入っていて、録音や加工もできて、というソフトウェアです。もちろん、これがあったら誰でも即座にミュージシャン、なんて話はないわけで、結局は使いこなすためのノウハウ、工夫、努力が必要なのはいうまでもないことです。

Logicがいいなと思ったのは、値段が安いのがひとつ。プラットフォームはMacintoshに限られますけれど、これは別に自分には問題となりません。けど、別に値段だけで選んだつもりもないのです。他のDAWについて詳しいわけではないのであれですが、アンプシミュレータがはいってたりするの、面白そうです。物理モデリングっていうのかな? Sculptureっていうシンセサイザーも興味深いです。また、簡易DAWといっていいのかな、GarageBandのファイルをそのまま開けるらしいというのもいいなと思って、簡単にスケッチするだけならGarageBandでっていうのもありだと思うんです。で、そのスケッチを捨てずに利用するとなったら、Logicで読むとか、そういった展開ができそうなのはよいなって。などなど、ちょっとは考えたのですよ。

で、考えたのはいいのだけど、実際に触ってみないとわからないことだってたくさんあります。だから、はやく触れる環境を整えたいなって思っていて、けれどMacBook Pro、そろそろモデルチェンジするよっていう噂を聞いていて、じゃあちょっと待とう、そう思って、ついに出たとなったら躊躇する。ああもう、馬鹿じゃないの? などと思うものですから、近々に決断したく思います。

2010年4月13日火曜日

『まんがタイムラブリー』2010年5月号

『まんがタイムラブリー』2010年5月号、発売されました。表紙はこどもの日、こいのぼりや柏餅、ちまきが描かれたもの。ええ、もうじき5月ですからね。ちょっと季節を先取りといった様子。けれど先取りはいつものことでありますね。季節は人を待たず、刻々と変わりゆくのだなというのを、四コマ誌の表紙で実感する。っていうのもちょっと変な話でありますね。

うさぎのーと』のうさぎ先生、この人のどこまで本当でどこから嘘かがわからないところ、食えなくって面白いです。と、その前に犬飼兄弟ですが、弟のいう連休の過ごし方、あの自信満々、してやったりといった様子はいったいどうしたものでしょう。この人にとっては、よほどのことなのだろうということはわかる。しかし、弟はもうどうしようもないとして、兄貴ですよ、兄貴。付き合いいいっていうか、包容力あるなあと感心します。で、うさぎ先生。この人ならやりかねないと思わせる、そういうキャラクターが確立されている、そこがすごいと思わされるところです。

『だんつま』、単行本出るそうで、嬉しいことであります。さて、本編、妻ひなよさんはなんだか無邪気にお泊まりしてのろけてみたり、またゴールデンウィークで帰省やら旅行やらで家をあけている人の用を聞いたりと、留守番ながらもエンジョイしている模様。その様子はなかなかによい感じでした。しかしなにがいいといっても、あの効率の悪いルートですよ。全然へこたれていない。生き生きとしてる。その元気そのものといったところ、大変に魅力的で素敵でした。で、最後にちゃんと最初のふりが回収されるのね。あ! と思いました。

『少女カフェ』、今回のテーマはロリコンです。メインとなるのはひとりのお客さん。この人がまた食えない人で、ひょうひょうと表情ひとつ変えずに冗談をいう。それもまた、どこまで本気でどこから嘘かがわかりにくい、そんな人。めちゃくちゃ面白かったです。こういう冗談、人が悪いなあ、なんて思わせながらも、いい味出していてよかったです。そしてよかったのはもちろんお客さんだけでなくて、双子もまた可愛く、お父さんも素敵でした。もちろん葉月さんもですよ。

『放課後のピアニスト』、かわらず面白いです。今回はレミの家庭での様子など垣間見えて、いいお父さんだなあ。そして、ただピアノを楽しく弾いてますって漫画じゃないんだなというのがわかるエピソード。ああ、朝練で走り込みとかするのか。体力がないという弱点を克服しようと頑張る、そうしたところ、ちょっといいなと思います。また、ララ先輩の演奏から、皆がどういう風にピアノに、音楽に向き合っているかというのが描かれる。この流れはとてもよかった。それぞれに個性がある。得意がある、苦手がある、足りないものがある、他の誰も持ってないものを持っている。自分にないものがあれば憧れ、悔しがる。そうした気持ちはよくわかる。ソラくんは、レミのこと認めてるんだなあ。この漫画は、レミの天真爛漫に、ソラくんの達観したようなところがいい組み合わせになっているのだなと思いました。で、なんかちょっと感動してる。なんでかわからないけど、心が動いてる。

『ちはる日和』、絵のゆるくやわらかな感じが、内容のほのぼのにマッチしていて、またこのちょっとゆったりのテンポ、けっこう気にいっています。特にとりたてて特別なことが描かれるわけじゃない。なんでもないようなことの連続。けれどそこに、ちはるという娘のちょっと変わってて、けれどそこが可愛いと思えるような描写が加わるから、いいなって思うのかも知れません。

『イタタ鍼灸整骨院』、ゲストです。タイトルにあるとおり、鍼灸整骨院での様子を描いた漫画であるのですが、これがなかなかに面白くてよかったです。整体師の資格に関する説明、それを聞いた患者の不安と見事回復のダウン、アップが素晴しかった。結構なお調子者ヒロイン。不真面目なんだかそうでないんだか、その合間をつくかのような言動の数々、とてもよかったです。で、あの、酸素カプセルっていうの、ちょっと入ってみたいです。肩凝りとか治りそうな気がします。

『さくら応援団』、ゲストです。イジメの現場に駆け付けた女の子ふたり。詰襟姿。応援団みたい。でもって、ちょっと強引。ネタもちょっと強引? あの、草野くんがエールをおくられるところ、なんというのだろう、いたたまれないというか、自分がこれやられたらきついなあという気持ちになって、なんだかちょっと赤面気分。でも、この明るさはいいですね。イジメといった、ちょっとシリアスなものとりあげて、けれど重くならず、そういうところもよかったと思います。

『この町のハテ』、ゲストです。味のある絵柄。ちょっと固め、けど可愛くていいと思います。爺さんが孫娘イズミに犬を託した。よくできた犬。自立心旺盛な犬。けれど、爺さんにほだされてしまったみたいですね。イズミの不安や迷い、犬、ハテの自問自答、それがうまく噛み合って、面白かったです。で、爺さん死んじゃうのかなあと不安になってたら、ああ、よかった。ええ、本当によかったです。

『ペンとチョコレート』、ちょっと待ってくれ。先月、新展開か! と思ったら、一気に時間が進められて、次号最終回、って、なんですかそれは! 思いもしない展開はあった。そして、ヒロイン、フタバトワコの木ノ下オレンジとしてうまくやってる様子描かれて、そうか割り切ってやってるんだな、そういう風に思わせて、けれど、けれど、実はそうじゃない、そんなわけなんてない、そうした彼女の心情がほとばしるシーン、大変よかったです。自分が見たかったもの、これだったんだなって思える展開。それだけに、一気に話が進んじゃったのは惜しい! いや、ほんと、惜しいって思います。

サクラ町さいず』は、なんと新キャラです。黒髪の可愛いお嬢さん。転校生、ちょっとどんくさくて運動が苦手。可愛いなあ、そう思わせる娘さんで、で春田くんと相性がよさそう? といったことでひろえが焦るという展開です。この漫画は、本当になかなか好きと切り出せないひろえを愛でる、そんな楽しみ方するようになってきました。けど、実際、ひろえの恋が成就すればよいなあ、そんな気はするんですね。

ヒーロー警報!』は前回の続き。昔の恋、少年Hの初恋が再燃!? といった回だったんですが、あんまり恋愛のどうこう描かれないところがさすがです。むしろ、お嬢さんふたりのこと、微妙な名付けであるとか、そうしたところが面白く、特にアイさんですね。中川オボとペンネームを告げる場面の表情、めっちゃくちゃ可愛くってまいりました。でもって規定どおりといったところでしょうか、Hがふられるというの、予想してましたけど、まさにその予想ど真ん中とまでは思いませんでした。しかし、ちょっといい話。面白かったです。

『ごめんね、委員長!』、委員長をめぐる攻防。委員長に憧れるお嬢さん登場して、そして恵理咲と対決するっていうのね。なんだかよくわからない競技に持ち込むというのはいつものことだけれど、今回は珍しく恵理咲が圧倒的に不利っていう、なかなかの面白さでした。しかしそれ以上に、ちょっと内気のお嬢さんと思われた美化委員の岸井結花、この人もなかなかの変わりものですね。ええ、よかったです。とてもよかったです。

『ものかき倶楽部』、大変いい感じ。押切もえみのノートに書き溜めている小説、間違って先生に提出してしまってた! ショックな出だし、読まれて添削されて、さらにショックといったところはなんだか同情感じる気がして、けれどそれが後に続くのだからいいですね。しっかりした批評をもらう、その意味。そして頑張っている人を見て、忘れてた気持ちが目覚めてしまった。先生のそうした気持ちがなんだかすごく清冽で、顧問としてものかき倶楽部に参加することとなって。こういう、教師が自分から参加したいといって顧問になる展開、それがすごくよいと思えたのでした。この漫画、ゲストで掲載された数回で、ぐっと面白くなったと思います。

『空に唄えば』、結構まじめな合唱もの。今回は、ピアノで練習、でありました。ラしか出ない音叉での練習は難しい、ということで、合唱部の留守を狙って音楽室のピアノを使おうというんですね。その、こっそりと潜んで、そんなに悪いことしてるわけでもないんですが、秘密という感じはなんだかわくわくさせてくれるものありまして、こういうの好きです。そしてひばりの駄目なところを次々指摘していくなつき。うまくない、だからうまくなりたい。そうした気持ちがはっきりと見えるのがいい。うまくなるための方法考えて、目的のためには手段も選ばないよ! みたいなスリル。すごく楽しかった。この、伸びよう、伸びたいという彼女らの姿勢。みずみずしくって、まぶしいです!

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第5号(2010年5月号)

2010年4月12日月曜日

バグダッド・カフェ

 先日知って嬉しかったこと。『バグダッド・カフェ』がBlu-ray化するっていうんです。『バグダッド・カフェ』は私のとても好きな映画で、大学卒業後働いていた図書館で、映画好きのお姉さんから、私のおすすめはこれや! と教えてもらったので、LDを借り出して見た。そうしたら、これがもう本当に素晴しい。一発で好きになり、そして私のおすすめ映画にもなったのでした。というわけで、私はこのBD買います!

しかし、なぜ今『バグダッド・カフェ』なんだろう。それはわからないのですが、この映画は一定数のファンがあって、静かに支えようとする、そうした人たちのあるためにこうして繰り返し、メディアをかえながら、リリースされ続けるのかな、なんて思ったりしてみると、なんだかちょっと嬉しい。この映画を好きという人はきっと多いのだと思います。はじめて見た時には驚きました。なんか花のない映画だなあって。ヒロインのジャスミン、どうみても映画のヒロインって感じじゃない。おばさんだし、太ってるし。しかしこれがなんといいますが、映画見てるうちにわかってくるんですよ、なんて魅力的なんだろうって。それは映画の設定がそうだからとかじゃないんです。確かに設定がそうなのだろうということはわかる。けれど、そういったこと抜きにして伝わってくるチャーミングさ。それがもう本当に素晴しいのですよ。

うらぶれたカフェ、バグダッド・カフェにやってきたジャスミン。そのバグダッド・カフェ、すごく荒んでるんですね。場所も荒んでれば人も荒んでいて、悪い意味で個性的な人ばかり。けどさ、そんな人たちがだんだんに変わっていくという、その様子の描かれかた、それがもう本当に素敵で、最初はもう無駄な努力にしか思えなかったジャスミンのやることなすこと、そいつをいつしか見ている私からが、次はなにをやるのだろうと心待ちにして見ている始末。本当にチャーミング。そして、変わっていったカフェの皆、彼らもまたどんどん魅力的になっていくのです。

『バグダッド・カフェ』は、すさんだ心にはうってつけの映画だと思います。乾いた土に水をやる、心にも潤いを、そうした思いのする映画。今、この時にBD化したというの、なにかの巡りのようにさえ思えてきます。

2010年4月11日日曜日

Thinkin’Of You

 なんかこのところ気落ちしてまして、まあこんなことを大っぴらにいってまわるような真似、あんまり好きじゃないんですけど、たまにはいいよね、と思って許してください。ダメ? 落ち込むまではいってないけれど、ちょっと忍耐の限界に達したと思った瞬間があって、それでちょっとがっかり気分なんですね。と、こういう時にはそうした気分にマッチする音楽がいいですね。そんなわけで、有山じゅんじの『Thinkin’Of You』聴いています。先日、iTunes DJが『碧い夜』と『いつかあの娘が戻ってきたら』をぽんぽんと流してくれて、ああ、有山じゅんじ、よいなあと思って、すっかり引き込まれたのでした。

有山じゅんじは、ギター弾きながら歌う人。ジャンルとしてはブルースでいいんだろうか。泥臭さは感じられない。素朴、朴訥といった印象が濃厚で、気取らない飾らない、そうした歌声が鮮烈なギター伴奏とともに、ひしひしと迫ってきて、しかしそれはちっとも重くなく、けれど軽くもないという、絶妙のバランス。ほっとして、心から打ち解けてしまうような、そんな感触に酔ってしまう思いがします。

歌われる内容からは、人生の悲哀とまでいってしまえば大げさかも知れない、けれどどこか哀愁感じさせるストーリーが感じられて、そして人間のちょっとなさけなくて、けれど愛しいと思える、そんな表情が浮かびあがってくるような感覚が、もう素晴しくって、なんか胸が切なさに満たされてたまらないんですね。なにか夢のような感覚もある、希望のようなもの、生きていくために必要な力も感じさせてくれる。ああ、人間って多様だなあって思えて、すごく沁みるのですよ。

ゆったりと過ごしたい時、嬉しい時、そんな時にもきっとマッチする。そして、悲しい時、疲れた時、くじけそうな時、そんな時にはそっと寄り添ってくれるような、そんなあたたかさが嬉しいアルバムです

2010年4月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2010年5月号

『まんがタイムきらら』2010年5月号、昨日の続きです。後半、『境界線上のリンボ』が終わって、広告をはさみ、『かみさまのいうとおり!』から、であります。

Sweet Home』も身体測定回であります。こちらには明快なテーマがあって、それはわか姉なのですが、背の小さいことを悩んでいる。いかに大きくなるか、大きく見せるか、よい数値を記録に残せるかにチャレンジするという試みの数々が、切なくけれどひたむきであるだけに面白かったです。ぎりぎりの直前になってもあきらめない、ごく僅かな、ごくごく僅かな上乗せのためにも全力を尽くし、けれどすべてが通じない。それだけだったらよくあることかも知れないけれど、葉澄さんと同じ環境にあって伸びた人がいる、同じ環境なのに効果のない人がいるという明快なコントラストが、わか姉の努力の通じなかったことを後押しするものですから、本当に面白かったです。そしてわか姉の悩みの解決、価値観の変更が、また違った悩みの種になるという、この宿命めいたラスト、ここにも見えるコントラスト、大変面白かったです。

『アビスライフ』、ゲストです。深海の生物擬人化ものであるのですが、ヒロインがダイオウグソクムシ、おおう、それだけで受け付けない人も出そうな設定でありますが、絵を見るかぎり問題なし、ちょっとデフォルメ可愛い系です。キャラクターは他に、フクロウナギやコウモリダコ、ジュウモンジダコ、そしてシーラカンスと、好きな人にはきっとたまらんものがあるのだろうなと思わされる面々であります。ただ見た目がそれっぽいだけでなく、それぞれ元になった生物の特徴が持たされているのも面白いところで、フクロウナギの一貫したキャラクター付け、こういうのとてもよかったです。自分の気にいったのは、ダイオウイカの件、マッコウクジラに……、っての。ああ、捕食されたんだ。そして、ジュウモンジダコの行方……。見た目は可愛いけれど、結構ブラックでハードだぞ。こういうところ、なかなかに好みなので、この路線でやっていただけるなら、きっと楽しんじゃいそうです。

『Clover Bear』、ゲストです。伯母が理事長をやっている女学に編入してきたヒロイン。メイド科があるなどという、なかなかに面白い設定でありますが、そのメイド科設立の経緯がちゃんと語られるっていうところ、こういうのいいなって思いました。しかし、校内の労働によって、奨学金の一部を返済するというシステム、面白いなあと思って、現実的には難しいでしょうけど、探したら似たようなのあったりするかもと思わせるような感じがあるのが好感触でした。それでもって、ヒロイン有栖川奏が友達を求めているというところ、そしてその候補が現れたところ、第1回はそれが提示されたところで終わりでしたが、うまくころがっていけば面白そうかも、そう思わせてくれるところ、よかったです。

PONG PONG PONG!』、祐太の置かれている状況の、ぱっと見には理想的で、けれど実際には全然そうではないというギャップ、うまく表現されていていい感じであります。しかし、祐太にとって、高坂先輩は身近にあって嬉しい女子ではないんですね。まあ、気持ちはわかる気がします。さて、今回は、というか今回も江上さんの奇行が目立つけれど、それ以上に祐太のネガティブに振れる自己評価が切なく、そして面白かったです。結構、というかかなり、祐太は酷い目にあってるけれど、それがあわれでありながら面白いのは、なにか同情なり共感のようなものがあるからなのかも知れないですね。ええ、祐太、今回もいい味出していました。でも、一番の立役者は真由のような気がします。

うぃずりず』のおじーさん、入院。おおう、えらいことになったぞ、と思ったのだけど、決して楽観はできないものの、まあ大丈夫らしいという雰囲気、ああよかった。扉絵に見る爺さんとリズ、こういう関係がいいなと思うものですから、どうか悲しい話には振れないで欲しい。そう願ってしまいます。今回は、爺さんとリズのこと心配してお見舞いにいった連中の、無事とわかったら結構酷い態度っていうの、一見ろくでもないんだけど、心配して、大丈夫と知ったらいつもどおり、いい関係なんだな、そんな感じもしたものでした。リズがお師匠さんのお宅に泊まる、これは次の展開へのステップになるんでしょう。なにが語られるのか、それは直接には描かれないかも知れないけれど、なかなかに楽しみです。

『相沢家のえとせとら』は、キャラクターの個性を前面に押し出した展開ではないため、少々大人しく、けれどキャラクターを把握していなくても面白いと思える、そんな回でした。私は、休載明け以来、どうにも踏み込みにくいと感じるところもあったため、今回はその関係修復というか、キャラクターに親しんでいくきっかけになるという感じがして、実によかったです。あのドレープ、ドルマンの流れなど、大変によかったです。

『さかさましすたーず』、姉が小さく妹が大きい、ゲストです。姉は見た目に小学生、天真爛漫なところもまるで小学生というの、ちょっとやりすぎとも感じつつ、全体には妹のしっかりものであるというところを過剰に描きながら、実際には中学生で、姉は高校生でという様子描いて落ち着かせる。このへん、よかったです。設定なんかは実際よくあるものなんだけれど、そこにキャラクターの特徴うまく絡めて違いを出せれば、面白くなったりしそうなんじゃないのかな、なんて思いました。

そして、My Private D☆V、『あっちこっち』の異識登場です。萌えがよくわからないという告白にはじまって、自分の好きなシチュエーションが語られるというの、確かに視覚に訴えるというよりも、その関係を思い、いいなと思わせる、そういった感じ、わかるなと思いました。思えば、こうした傾向は『あっちこっち』にもあるなあ、そう感じられたものですから、なかなかの説得力でありました。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第5号(2010年5月号)

2010年4月9日金曜日

『まんがタイムきらら』2010年5月号

『まんがタイムきらら』2010年5月号、発売です。で、これが困った。いつものコンビニ、なんかね、ハードに縛られちゃってるの。えーっ、なにがあったの!? と思ったら、あー、付録かあ。今月号には付録にクリアファイルがついてきて、それでいつもよりちょっと値段もお高く450円。まあ、気にせず買うんですけどね。とはいうものの、ゴムのバンドで縛られたためにちょっと傷みが出てしまっていて、こういうのは気にするんですよ。ということで、今日は仕事帰りにとらのあなに寄ったのでした。

私はいつも通勤時間に雑誌を読んでいるのですが、そう、つまり今日は読むための時間が半分しかありませんでした。というわけで、半分しか読めていません。具体的にいうと、『境界線上のリンボ』を読み終えたところでストップです。なので、必然的に前後編です。

けいおん!』、意味深律っちゃんですよ。なんといったらいいものか、普段明るく元気にしてる女の子が、こうして照れたりしてるの、えらいこと可愛いものだなあと思ったりなんかしまして、その上、いつも以上に美人さんに描かれてますし。それはそうと、紬はヘテロカップルでも大丈夫なんだ。なんか意外でした。

しかし、どんどん音楽から離れていく『けいおん!』ですが、それでも3時までつきあわされる唯とか、その後ずっと眠そうな唯とか、また自分を見失う澪とか、確かに面白くて、そして曽我部さん。ああ、この人、きれいな人だなあと再確認する思いでありました。で、いったのはドーナツ屋? ドーナツに感動している紬が地味に面白かったです。

ゆゆ式』、ポリアネスで検索したらヒットなし、という話、Googleで検索したら本当に0件だった! らしいというであります。へー、本当に0件だったんだ。それがあっというまに0件でなくなる。私の検索した時点で3件になってましたよ。

さて、今回の扉絵、おかーさん先生の学生時代だそうです。現時点における学生ヒロイン三人とはえらい雰囲気が違いますな。でも、可愛いなあ。こういうお嬢さんいいなあって思います。でもって今回はゆずこがおかーさんに甘える話。執拗にセクハラ的発言を繰り返す、のもなんだけれど、あの最近泣いた話とか、こういうちょっとした日常のできごとを、ていねいにゆったりと話してくれる先生、いいなあ。こういう時間の過ごし方、なんかよいなあって思って、いやほんと、こういう友人があったら人生は仕合せかも知れないなんて思いましたよ。ほんと、なんだか羨ましく思えるエピソードでありました。

『ましゅまろ×タイフーンッ』は身体測定回でした。いつもどおりにセクハラ的展開の畳み掛けかなと思って読んでいたら、途中内科の先生のくだり、意表をつかれて面白かったです。心配して動揺して怖れられる、その三段が実によいと思われたのでした。ところで、相撲とりの話、ああ舞の海秀平は偉大だったと、懐しく思い出しました。だって、頭にシリコンを入れたんだもんなあ。それくらいの根性があると人生は変わるのかもなあ、と、脱線した話題で関心したりして、いや、もちろん漫画も面白かったです。

『うちのざしきわらしが』、なかなかに面白さ深まってきました。大家さんところのお嬢さんが主人公のこと好きらしい、っていうのはよくあるパターンにも思えるけれど、その好きという気持ちの表されかた、動揺してるっていう様子が描かれるところとかね、それがいちいち面白くて、よかったです。しかし、この主人公、のんびりマイペースというか、感動が薄いというか、でもってこの無表情で、という妄想に取りつかれてるんだとか、すごいインパクトでした。これは本当に面白かったです。

『少女公団アパートメント』、ms、ええと『おまもりんごさん』の人です。新作。扉絵、すごくきれい。この人の絵は、やわらかで暖かみがあって、それでいてはなやかだなあ。いい絵であると思います。そして本編、田舎から東京にやってきたお嬢さん、桜堤ちさ、彼女が頼ったおばさんのお家で出会った女の子。扉絵で一番可愛いと思った女の子。なんだかエキセントリックな少女でした。『おまもりんごさん』もそんな感じだったけど、可愛くてエキセントリック、それがこの人の味みたいですね。でも、『おまもりんごさん』ほどには突き抜けていない。いい感じでしたよ。これは好きになりそうです。

『きんいろモザイク』がMAXでの新連載開始を目前にゲスト登場です。これ、もう大好き。日本人形思わせる可愛い女の子しのは外国の風物大好きで、イギリスからホームステイしてきているアリスは日本のものが大好きで。その互いに自分にないものに憧れているかのような様子がとてもよくて、ほんと、可愛く素晴しい。アリスは金髪碧眼、ああもう可愛いなあ。けど、可愛さだけじゃない。しのの駄目さ加減とでもいいましょうか、そうした特徴をはじめ、面白さ感じさせる要素たくさん盛り込まれていて、読んでいてすごく楽しいのです。かなり期待している漫画であります。

境界線上のリンボ』、そうか、そっちの世界も仕事なくって大変なのか。今職場の人、ええと常駐のSEさんで、外部の方であるのですが、その人と話せば、今は人間の価値がどんどん下がっていってる時代だ、っていう話になってずーんと暗くなるんですよね。というか、病院いった方がいいよ、ふたりとも。といったところで、リンボに戻りましょう。この世界においても、技術革新が人の労働の価値を下げてしまった。産業革命時代にもあった話ですよね、ということはこれからラッダイト運動がおこるのか?

生きるためには働かねばならぬ。仕事がないなら、どこかに仕事はないものか、仕事を求めて人の集まるところへとやってくる。それでも仕事はないっていうのは切ない話で、けれどそうした、都市の人を集める力が、ふたりの再会を生んだ。今はまだ物語の端緒が開いたところに過ぎません。これからどうなるか、それは楽しみで、そして私は『ゆゆ式』のおかーさん先生よろしく、泣いてしまったりするのかも知れません。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第5号(2010年5月号)

引用

  • てっけんとう「うちのざしきわらしが」,『まんがタイムきらら』第8巻第5号(2010年5月号),71頁。

2010年4月8日木曜日

ヒーロー警報!

 『ヒーロー警報!』は『まんがタイムラブリー』に連載されている漫画。けど、主人公が全然ラブリーではありません。表紙を見れば美女抱き抱える好青年。でも実際は、おっさんですよ、おっさん。カバーめくればわかる。ページめくって、本編読んでみればわかります。かつては世界を救うために戦ったヒーローJ、しかし二十余年の歳月はあまりに長過ぎた。美青年だった面影は見る影もなく、こんなにもおちぶれて、とはいうのだけれど、大変ながらも本人は結構楽しそうに暮らしてるみたいだから、まあいいか。

『ヒーロー警報!』、主人公はラブリーじゃないといいました。けど、これはちょっと嘘です。ヒーローJ、本名大川次郎、ヒーローの力を残しながらも、ただのおっさんになってしまった。でも、持ち前の人のよさ、憎めないキャラクター、それが微妙に可愛いんです。食べるものがなくなれば、かつてのライバルであるYや助手Hに金を無心する、もうどうしようもないんだけど、けれど愛されてるんだなあこの人、って思えるような親しみやすさがあるんですね。ええ、ほんと憎めないおっさんだなあ、そんな感じなんです。

さて、そんなJよりも可愛い人がいるんです。それは、ああレディA、川田あんずのことじゃない。Yのお孫さん、かおりちゃんでもないよ。いや、かおりちゃんも可愛いんだけどさ。といったわけで、J以上に可愛い人、それはYその人であります。かつて悪の総帥としてJと戦っていた男。今はなんだか大きな会社の社長になってる。この漫画における最大の成功者でありましょう。しかしこの人が面白いんです。Jとは命のやりとりをしてた仲だというのに、今ではお金貸してあげて、ご馳走してあげてと、すごく仲良くしてる。気のあう友人って感じがひしひしとしています。しかし、この人の魅力はこの先にありまして、孫のかおりのことがもう大好き。かおりのこととなったら、歯止めがきかない。自分の立場も忘れ、かおりへの愛を全身で表現する。その様子がもう最高で、笑わされて笑わされて、もうどうしようもないのですが、しかし、こうした時のYが本当に可愛いのですよ。ええ、おっさんが可愛いくてしかたないんです。

世界征服を企む悪の総帥がいて、悪の秘密結社と戦うヒーローがいて、ヒーローをサポートする助手の少年やヒーローを手玉にとる妖艶な女盗賊がいて。由緒正しいヒーローもの風であり、また少しアメコミ風でもありという設定を作って、二十年たったらすっかり立場が変わってしまったという、そんな漫画です。ヒーローはただのおっさんに、悪の総帥はなんかきれいなイメージの会社おこしていて、助手の少年は普通の会社員、女盗賊だけはあんまり変わってない、みたいな、夢がうまいこと削ぎ落され反転させられた今の様子は微妙にくすぐったくて、おかしい。そして、ここにみんな仲良しという様子が加わることで、ただのナンセンスな反転ヒーローものではない、独特の味が出てくるのですね。独特の味、それは遅れてきた青春ものとでもいいたくなるようなものであります。この味わいは最高。私はすっかりひきこまれるようにして読んでいます。

  • トノ・アンナ『ヒーロー警報!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2010年。
  • 以下続刊

2010年4月7日水曜日

『まんがタイム』2010年5月号

『まんがタイム』2010年5月号、発売です。表紙は『おとぼけ課長』が連載350回を達成したことを祝うムードにあふれています。『みそララ』の面々は課長家族のコスプレをして、天子様たちは鏡割り。そして『わさんぼん』は紅白饅頭であります。ページ開けば『おとぼけ課長』第1回目が再録されていまして、ああ、確かに昔はこんな感じの絵だったとちょっと懐しいです。30年続いている。それは本当にものすごいことです。それでもって、今も面白いっていうのが、もっとすごい。350回にまで到達されましたこと、本当におめでとうございます。

ラディカル・ホスピタル』、なんと瀬尾先生、耳下腺炎ですよ。感染発覚の場面、榊先生が実に頼りになるといった感じにかっこいい。これまで、病院のスタッフが急病っていうのなかったように思うのですが、もし急病ともなればこうなるのか。スタッフ一丸となって、心配すべきところを心配する。その意識が共有されているようなところはいいなと思う、同僚を心配するというところも、それから仕事ものとしても、いいなと思ったのでした。今回は内科のスタッフも結構出てきて、内科の師長、どっしりと落ち着いて素晴しい。いいキャラクターだなあ、本当にそう思います。そしてラスト、瀬尾先生、しっかり腫れ上がってる。ぱんぱんでまるまるです。

『わさんぼん』の京都のことば。あの、いや、っていうやつ。『おこしやす』を読んでる時も思ってたんですけど、このいやっていうの、私もよく使ってるんですよね。けど、この語感、どれだけ通じてるんだろう、よく考えるんです。ほら、25ページで草太のいういや? とは違うんですよ。否定の意味はなく、どちらかといえば肯定的な驚き表現と思うのですが、こういう京都のことばの文脈で使われた時ならまだしも、私は一応標準のことばっぽく書いてますから、誤解されたりしてるんじゃないかなあ、なんて思ったりするんですね。

さて、今回の『わさんぼん』、草太、実にいい感じです。萩くん相手にしゃべりながら、咲良へのお返しを考えようとしているところ、草太の方向性のはずしっぷり、このへんで駄目な感じを押し出して、しかし実際に作るとなったら器用で優秀、かっこいいとさえ思えてしまう。このあたりのバランス感、よろしいなあ。木型のくだりとか、本当によかったです。そして東さん、いい感じのお姉さん、こういう感じの人、私、大好きです。いや、ほんとうに大好きです。

『マチルダ! — 異文化交流記』は五月の節句、こいのぼりをはじめ、兜かざりやらいろいろ扱って、それに対するマチルダのちょっと外した解釈や、問題行動、面白かったです。マチルダに付き合ってあげるあや、この人は本当にいい娘さんだなあと思います。

天子様が来る!』、こちらでもこいのぼりですが、吹き流しの説明、たしかにあれよくわからないものでしたが、だからといってああいう解決をするかと。この強引さに感動です。そして和尚様。素晴しい。この人、フォースもなかなかだったりするのかな。いや、もう本当に素晴しいです。そして結婚資金の話。将来の夢がついえるだけでもつらいのに、さらに追い討ちといった感じ。むごい。この感覚、最高です。

『ねじゆるゆる』、だんだん面白くなってきました。面白さの度合いが増してきたのか、自分が馴染んだのか、それはわかりません。扉絵はかわいく、内容はちょっとシニカルでナンセンス。そのナンセンス度合いがいいのです。でも、ねじこってネコ型だったんだ。でしたっけ? 最後の毛玉吐くところ、この奇妙なノリ、いいなあって思います。

はこいり良品』、ケンジがなんだか前向きだよ、おい。なしくずしになんとなくでいくんじゃなく、戦略考えて動き出してるところ、なかなかやるじゃんと見直し中です。しかしこのふたり。恋愛的関係のどうたらこうたらとか、あんまり似合いそうにない。最初から熟年夫婦っぽくなるのかなあ、と思ったところで、『あかるい夫婦計画』が思い出されました。ああいう感じになるのなら、熟年カップルもよいなあなんて思いました。そして二階は倉庫。これは恐しいです。いつか抜けそうで怖いです。

『ちょうほうケイ!』、袖山リキの新作です。なんと可愛い主人公! と思ったら、わお男なのか。いや、性別なんて小さなことは気にしません。製薬会社のスパイもの、とはいうけれど、シビアさなんて皆無、ゆるく、のんびりと、おかしくほのぼのです。こういう雰囲気、いいなって思いますよ。面白くなりそう、そんな気がするものですから、ちょっと期待しながら読んでいきたいと思います。

すいーとるーむ?』は会社のルール、ちょっと不思議な修繕に関するルール、ポイント制になってて、ポイント貯めきった人が文句いわれる役になるっていう、ちょっとそれ罰ゲームじゃないですか。そして工事部の人、なかなかにいい感じ、妙に打算的で、けれど仕事はきっちりしてるっぽい。こういう会社の風景描かれるところ、好きなんです。面白かったです。

『アサヒ! — 動物園に行こう』、動物がどんどん増えて、しかしそのどれもが一癖あるっていうのがいい。カンガルーの知世。無邪気に見せて、全然そんなことないっていうところ。太郎が打算をちゃんと見抜いてるっていうのはさすがです。そしてラストの四郎のエピソード。こういうの、少ない説明でしっかりと表現しきってるところとか、漫画として落ちまできちんと成立させながら、そこにプラスアルファされる感情のあるところなど、この作者らしいうまさだなあと思います。いい話。ええ、とてもいい話でした。

みそララ』、麦田さんが可愛くってしかたない。扉が可愛い、助手席で可愛い、コテージ見て可愛く、パンツ見られて可愛い。いやほんと。今回は麦田さん回だなあと実感しつつ、ちゃんと面白さも保証されているところ、さすがです。梶浦さんとの攻防なんてね、いやもう面白くて、しかし彼の足うんぬんいう発言ね、あれはもう照れ隠しだと思いたい。

『放課後のアインシュタイン』、新部員!? と思ったら、他校の生徒だった。いや、でも、またなんか変わった人登場して、ちょっときつめのお嬢さん、いや、こういう人も魅力的だと思います。しかし、ちゃんと実績出している人。対してこちらのサイエンス部は、むしろ楽しみを追求している感じで、でも部活としてはどちらもありだと思うですよ。そして、最後にはなんとなく仲良くなっている、その感じ、いいです。とてもよかったと思います。

『めもり*ON AIR!』、前回からの続きであります。夕方のニュースの収録、かわりもののおじさんが出てきてどうしようというのだけれど、それが結果的に、身近なもののよさを再発見させるという流れになって、これはちょっとよかった、そう思いました。普段、身近にあって、当たり前と思っているものでも、それが当たり前ではない人にとっては魅力的なものなのだ。こうした気付きのあたえられるところ、ヒロインの気付きが描かれるところ、それがよかったのでした。

『小悪魔ティーチャー』、最終回でした。好きな漫画だったんですよね。って、いや、眼鏡ヒロインだったからじゃない。姉妹三人ともに、みな可愛くて、キャラクターの違いもちゃんと描かれていて、そして長女明理の、ちょっと迷惑で、ちょっと暴走気味で、けれど自信満々に見せながらも決してそうではないところ、それが好きでした。最終回は明理の自信喪失から復活までを描いて、うん、やっぱり魅力的だったなって思って、ええ、やっぱり好きなのであります。もうこれで見納めなのかなあ。

『安堂友子の生きてます日記』。猫がいい味出してるなあ。犬も猫も怖れないっていうところ、まさに部屋飼いならではだなあと思って、しかし猫、ほんとうにいい味出してます。

  • 『まんがタイム』第30巻第5号(2010年5月号)

引用

  • 佐藤両々「わさんぼん」,『まんがタイム』第30巻第5号(2010年5月号),25頁。

2010年4月6日火曜日

YAMAHA ファイフ YRF-21

 どんどん楽器が増えていきます。最近では、なんちゃって三線が手に入ったといっていました。少し前にはキーボード買ったとかいってましたね。もちろんGZ-5もなんちゃって三線も、ちゃんとした楽器というにはあまりに簡単なものであるのですが、それでもそうした簡単な楽器には簡単なりのよさっていうのがあるのです。なんてったって気楽です。そのへんに転がしておいて、気が向いたら手にして弾く。身近にあって、気を張らずに楽しむことができる。このお手軽感は最高です。そして、そうした楽器がもうひとつ。それはファイフであります。

ファイフといってもなにかわからない人も多いかと思います。ファイフ、これ横笛ですね。以前、YAMAHAの総合楽器カタログ見ていた時に、リコーダーのカテゴリーに横笛あるの見付けまして、それがファイフ。小さなABS樹脂製の笛です。その時には買うまではいかなかったのですけど、面白そうだと興味を持って、記憶にとどめていたのです。

といったわけで、買いました。買ったのは2月の末。私は管楽器はサックスとリコーダーを吹くのですが、できればそれ以外にもできる楽器を増やしたいなあと思ったりしてましてね、それはトランペット欲しいなと思ったことがおおいに関わっています。いやね、新しい楽器をやってみたいという気持ちが起きちゃったわけですよ。けど、ほいほい簡単に安くもない楽器を増やすのは危険。途中で投げ出しちゃったら、もう目もあてられないじゃないですか。だから、手を出すに出せなかったんです。

その点、ファイフはうってつけでした。この楽器、千円そこそこで買えてしまいます。投げ出したとしてもダメージは小さい、美点です。構造は簡単、いわばただの樹脂の筒です。キーなどのメカニズムがついてないから、メンテナンス性に優れている、これも美点です。そして小さい。ソプラノリコーダー程度の大きさ。そこらへんに転がしておける、美点です。気が向いたら手にして、ふーふー吹いて、疲れたら片付けてまた転がしておく。この気楽さはもう本当に最高であります。

ひと月ちょっとですかね、毎日は吹いてないんですが、気が向いたら鳴らしてみて、とりあえず音は出るようになった、タンギングもできるようになった、第1オクターブなら簡単なものにかぎりなんとか吹けるようになった、というところでしょうか。けれど、音はまだきれいじゃない。息のノイズが多くて、これは無駄息が多すぎるということでしょう。このあたりは、慣れるしかないなといったところ。とにかく、長く続けるしかありません。

ファイフが吹けるようになったら、フルートにステップアップしたいな、なんて思っています。フルートが吹けるようになったら、ボサノバやりたいなあ。まあ、このあたりはただの願望ですね。けど、夢やら目標やら持って、続ける。それでいろいろ吹けるようになったら嬉しいなあ。と、この嬉しいと思う気持ちが私をさらなる器用貧乏へと追いやるみたいです。

2010年4月5日月曜日

『まんがタウン』2010年5月号

『まんがタウン』2010年5月号、発売されました。表紙はメインに、映画のメインビジュアルでしょうかね、『クレヨンしんちゃん』が中央に大きく、そしてその周辺に『かりあげクン』、『派遣戦士山田のり子』、『はいぱー少女ウッキー!』が配置されています。山田のり子はジョン・トラボルタ? かりあげクンはなんだか春闘? そんな感じに見えて、なんともいえない味わいです。

『せんせといっしょ!』、笹野ちはるの新連載です。幼稚園もの、主役は先生たちですね。ちょっとどじな卯月莉緒がメインのヒロインでしょう。彼女のほかには、しっかりもの? けどちょっと硬すぎるところもありそうな下条凛、そしておっとり系で実力派っぽく、割とやり手の仁科桃。あとは園児と園長先生ですね。このメンバーで送る幼稚園の状況描かれて、軽めのコメディ、けれどこれ、すごくいい感触だなと思います。先生の個性的なところ、うまく機能してるかなって思ったんですね。可愛いことも売りだろうけれど、それ以上に動きの感じられるというところ、そこに魅力を感じました。

三色だんご』に正代おばさんなるすごい人、登場ですよ。しかし、こういうインパクトの強いおばさんキャラを描かせると、この人はもうものすごい。この漫画においては、なでしこもたいがいなんですけど、それを上回るインパクト。やっぱり気合いなのか? でも、日本人はドン引きかも知らんけど、ああいう思いっ切り自分を表現できるというところ、それはやっぱり魅力なのかも知れないな、なんて思わせてくれました。いや、やっぱり身近にいると困る人かも知れませんけどね。

『くるりのこと。』、やっぱりこれいいですよ。九九を習ったくるり。暗唱して覚えようとしてる、その様子可愛らしくて、にごじゅー、が気にいってるらしいっていうのね、なんだかいいなって思ったんですね。でもって、なんでにごじゅーが好きなのか、その理由もちゃんと出てくるという、その流れができあがってるところ、実にうまいと思いました。で、7の段、私も苦手でした。なんか、途中がよくわからなくなるんですよね。そういったことも懐しいです。

『みねちゃんぷるー』、順調に進展するなあ、という印象。あまりに強引すぎる峰に、ちょっと仲違いしたみたいになってしまう雅だけれども、決定的に仲違いさせないために強引に話を進めるわかば。同じ強引さでも、ちょっと違った強引さ。そして結果の違い。対比感じさせて面白く、また三人の仲がこじれなかったこと、それがよかったなと思うのでした。

  • 『まんがタウン』第11巻第6号(2010年5月号)

2010年4月4日日曜日

にちようび

 先日のこと、私の手元に新たな楽器がもたらされました。というか、朝、いや昼過ぎか、に起き出してきたら、ぽーんと置かれていて、なんじゃこりゃ、三線か! こりゃ弾いてみなければなるまいと、うろ覚えで調絃して、というかなんの音に合わせるかとかも知らんので、適当に1-5-1(ドソド)にあわせて、楽しく弾いてみたりしたんです。で、その時に弾いた曲ですが、まずは『涙そうそう』ですね。このごろ、というか随分前からですけど、三線というとこの歌っていう印象あるでしょう、ということで『涙そうそう』弾きまして、で次はなんにしようと思った。そうさなあ、沖縄っぽいメロディーっていうと……、『にちようび』だな。ええ、懐かしのJITTERIN’JINN、ダーリン ラムネを買ってきてでありますよ。

けど、私、ちゃんと全部歌えないのですよ。どうしたものかなあ、とiTunes Store調べてみたら、おお、ちゃんと売られている。単体150円、シングルカップリングもあわせて300円。どうせならと両方買って、ヘビーローテーションしてみて、メロディ覚えて、それでもってなんとなく弾けるようにして。しかし、もう楽しい歌だなあ。

ここで三線の調絃について間違いが判明。CFCの1-4-1であわせるんだそうですね。なんてこったい。でも、別に長時間弾いてきたわけでもないから、時間的損失っていえるようなものはなく、なので1-4-1でやりなおし。弾きながら歌えるようにして、ああ、もう、楽しいなあ。

『にちようび』は、JITTERIN’JINNらしいっていっていいのかなあ、シンプルなメロディが軽快で、テンポもリズムもうきうきで、聴いてるだけで楽しいといった歌であります。ほんと、聴いてるだけで体が左右に揺れる、そんな歌でありますよ。でもって、この歌を歌ってみれば、やっぱりうきうきとした感じになりまして、あのラリルレリのところとか、ただただ楽しいんですね。あんまりに楽しいので、ギター弾く時間減らして、三線ばかり弾いてる昨今。練習にはなるからいいけど、あんまりこればっかりでもいかんなあと思いはじめているところです。

うちにある三線っていうのはこんなのです。練習用だそうで、張ってあるのが皮ではなくて板だから、あんまり大きな音出ません。だから、練習には最適なのでしょうね。いずれ、ちゃんとした三線が欲しくなったりするのかな、だったら危険だなあ、なんて思っています。

Wooden sanshin

シングル

アルバム

引用

2010年4月3日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年5月号

『まんがタイムジャンボ』2010年5月号、発売されました。表紙は『じょしもん』を中心に、『おねがい朝倉さん』、『すいーとプロミス』、そして『パドラーズハイ』であります。テーマはフィールドワーク? 遠足でいいのかな? サンドイッチいっぱいつめこんだバスケットも用意したり、そして飯盒炊爨。ピクニック気分からちょっとしたキャンプまで、こういうのも楽しいんですよね。まあ、私には縁のないことですが!

先月に引き続き、ゲストが多いという印象です。まあ、状況はそうそう変わらないですよね。けれど確かに変化はあって、それまで新作といった扱いだったものが、新人枠から抜け出したと感じられて、それはたとえば『みちるダイナマイト!』なんかがそう。掲載の位置が違うだけで、ずいぶん印象が違ってくると感じます。こうした印象の変化、これからも続くのだろうなあと思っています。

『中2限定!?ガールズトーク』、先生の作ったお弁当を妹から奪おうというゆずの奮闘。しかし、この娘はどちらかといえばできないというキャラクターと思っていたのだけど、自分で弁当用意するなど、意外なしっかりさんだな。そして、先生は百合子先生に接近しようとしている。こちらも意外なやり手でびっくりでした。

『パドラーズハイ』、まさかこの時点で試合という展開に突入するとは、先生ならずとも驚きでした。しかし、さすがに負けるのが前提、しかも手も足も出ない、そんな惨敗が当然のように予想されてるっていうの、いいですね。また、試合という目標ができたことで、練習も自然ハードになって、また課題もいろいろ出てくるというの、いいですね。そして、試合相手ですよ。あいちゃんの弟が出てきた。ほー、これはなんか面白そう。しかし、どうもお姉ちゃん大好きな弟のようですよ。

『コミカプ』、面白い。なんか、漫画家たちの裏話みたいなの、うまい感じに紹介されて、それで花の話とかも。花束とか荷物になって迷惑だから、とかよくいわれるけれど、そうした意見に対する違った意見。ファンの気持ちを汲み取りたいというようなその描かれ方、とてもよかったと思います。そして、目の前にいる人がその作者と知らないからこそいえる意見、ちょっと厳しいけれど、面白い。そして、その意見に対するういちゃんのこたえがよかった。この人の素直さ、人のよさ、とてもよく伝わってよかったです。

ボクの社長サマ』、いわゆるひとつのブラック企業とかいうやつか? 過剰すぎるほどに厳しい研修。しかし、あんな気合いで差し出される名刺、逆に迷惑だぞっていう、その過剰さには笑わずにはおられません。社長のコメントにもあるように、こういうの、いいんでしょーか? の世界であるんですが、現実にもこれに近いことさせるような企業はあるらしいっていうのだから、おそろしいよなあなんて思います。無茶な過剰さ、それはこういうギャグ漫画においてこそのもの、見て、なんという無茶! そりゃないよ! と笑える、そんな社会がいいなって思いました。会社でなくて、社会よ。

Boy’sたいむ』、やっぱりオレは女のコが好きなんだ! ああ、こんな悲しい台詞、置島の口から聞きたくなかった! しかし置島は本当にいいやつです。彼になら、ひろむを託してもいい!

『すいーとプロミス』、連載になりました。しかし、こいつは面白いな。ちょっと危ない従姉、小さなころの約束、結婚を現実的に迫るという、その態度こそは柔和だけど、決して優しくはないよな。暴走ぎみのお姉さん。あらゆる状況下でプレッシャーをかけられる光ちゃん。素晴しいな。でも、あんなに可愛いお姉さんなら、別にいいじゃないか。なんて思うのは他人事だからで、現実的にああいう目にあったら恐怖かもなあ。ひとつ間違えたら、ストーカーもののサイコホラーになっちゃう、そんな状況であります。でも、見るぶんには楽しいなあ。悪意のない、そんな綾姉。そしてまた全然違った態度を示す椿。その態度の違いも面白いです。口とんがらかしてる椿、可愛いなあ。

『交換留学生ルーシー!!』、悪魔のお嬢さんが地獄から留学してきた。そんな状況、漫画としてはよくあるけれど、その見せ方、漫画としてのスタイルは実によく出来上がってると感じさせるものだから、馴染んでいけば面白くなりそうだなっていう印象です。とりあえず、悪魔のお嬢さん、可愛いな。それと、悪魔のイメージアップという目標の示されているところ、こういう軸があるというのもいいなって思いました。

『家族猫娘団』、猫型宇宙人ものらしいです。地球の征服を図っているのだそうですが、妙にスケールが小さくて、その無害さ、可愛さというのを押し出そうというみたいです。わりと悪くはないと思います。けれど、もう一味、もう一押しが欲しいようにも思っています。

『大江戸えれきてる』、松本蜜柑の新作、ゲストです。松本蜜柑は好きなので、こうして連載があると、お元気でいらっしゃるんだなって安心できて、ちょっと嬉しい。平賀源内が主人公、であるのですが、ヒロイン、ええ、女性であるんです。長屋、お江戸で奇妙な事件が起こる、それを源内先生が解決する、っていう話の模様。最初にもいったけれど、松本蜜柑は好きなので、これ、続いてくれたら嬉しいなって思います。

『あまぞねす?』、会社の外に出ましたね。備品庫とあだ名されるコンビニ八神商店。タダで持ってきていいんですか? のやり取りは面白かった。そして、なにか間違えている八神商店の店長。どうも報われなさそうな人ですが、彼とふたりのやり取り、おかしくて、面白かったです。でも、この店、早々に潰れるんじゃないかね? なんて思うけれど、面白いのでどうか生き残ってください。

『ちょいのり。』、ドライブ旅行です。順調に車に関する話が続いています。それでもって、初の高速道路ですよ。本物は今日がはじめてとか、そうかシミュレータとかがあるのか。高速教習、私は実際に乗りましたけど、なかなかのスリルで、けれど飛び出しとかないし、昼間で車も少なかったから、むしろ安心して乗れました。で、高速運転に慣れると、一般道がゆっくりに思えて楽なんですよね。シミュレータは危険予測でやりましたけど、自転車をひいた覚えがあります……。でもって今回の見どころは、車に酔ったいのりだと思います。一般に同意を得られないことはわかった上であえていうけど、車に酔った女の子って、可愛くっていいよね!

『でり研』、今回は南部長です。なんだか緩くて、なんだかちょっとどんくさそうなお姉さんですが、どうにも食えない人でもありまして、そしてちょっとした過去のいろいろを思わせて、こういう話は好きですよ。また今回は、大仏くんMに目覚めるという素晴しい気付きの描かれた回でもあります。ええ、年上のおねーさんから叱られるのはイイものだと思います。でも、年下のお嬢さんから叱られるのもイイものだ、それを彼には伝えたい。そう思います。

空腹になったり、振り回されたり、叱られたり、大変ではありますけど、それで1ショット4500円のウイスキーにありつけるなら、それはいいなあって思いますよ。そんないいウイスキー飲んだことありません。一度飲んでみたいなあ、いやほんとにそう思います。

『剣道ガール』、ちょっとどんくさいお嬢さん杏子に、天才剣士の霊卯音がとりついている、ゲストです。今回は部活の話。練習試合で次鋒に選ばれた杏子。プレッシャーかけられて、弱気になって、けれどそれでもなんとか頑張ろうとする、その流れはいいなって思うですよ。卯音の動きを体感して、レベルの違いを実感して、それで皆で頑張ろうっていう、それはとてもいい。ベタだよ、ベタだけど、それがとてもいいと思ったのでした。

なのはなフラワーズ』、最終回でした。なのはな荘の由来語られて、それはとてもいい話でした。最終回を目前とした回などでは、モーリーの涙とかに、もうえらい貰い泣きしましたけど、でも最終回は明るく、気持ちよく、さっぱりと、けれどそうした表現の向こうに皆の思いや情があふれているように思えて、本当にいい話でした。終わりがよかったというだけじゃない。これまでを一気に思い返して、ああ、よかったなって思わせてくれる、そんなラストでした。ええ、本当にいい漫画でした。大好きでした。

『みちるダイナマイト!』、ベース、妹だったのか。はいいとして、寝る時間惜しんで練習しなさい、は身に沁みましたよ。今日は12時間寝た上に、4時間昼寝した。どこか悪いんかも知れん。バランスが指摘された、いやそれはバランスがよかったという好意的意見だったかも知れないけれど、その意見の大本がわかるところ。そしてその意見を受けてみんなで練習するところ、いいじゃないかって思いました。人間関係の輪がしっかりと描かれるのがいい。一人で練習ではなく、みなで練習、それが嬉しいっていう気持ち、それもよくわかります。わかるからこそ、いいなって思ったのかも知れません。

気分は上々』、最終回でした。ついに物件が完成。その打ち上げの様子など描かれて、建築の現場にはいろんな役割担う人がいるとわかる、そして皆がこの現場のこと好きだったんだなとわかる、そうしたアットホームな感じ、それがこの漫画のよさであったと思っています。わいわいとして、とてもいいラストでした。好きだったなって、今もなおそう思います。続刊出ないかなあ。

『レーカン!』、これ、結構面白いです。幽霊のバリエーションとでもいうのか。手だけとか、慣れっこになってるヒロインもすごいけれど、そうした幽霊のフレンドリーさ加減もなかなかのものです。そして、周囲の反応の違い、これがいいんでしょうね。レギュラーになってしまっている、通り魔に殺されて地縛霊になってしまった人かな。この人とのコミュニケーション、なんか切なくて、なんか悲しくて、けれどなんかすくわれるような気がするというか、なんともいえない味わいです。このしんみりとした感じにひかれている、そのように感じています。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第5号(2010年5月号)

引用

  • 藤凪かおる「Boy’sたいむ」,『まんがタイムジャンボ』第16巻第5号(2010年5月号),70頁。

2010年4月2日金曜日

『まんがホーム』2010年5月号

『まんがホーム』2010年5月号、発売です。表紙はらいかがバスガイドの制服着ている? いや、旅行社のガイドなのかな、手に旗を持って、ちょっと昔の旅行の雰囲気感じさせます。これ、はとバスとかなんでしょうか。昭和なんかには、海外旅行で旗持ったガイドにぞろぞろついていく日本人団体客が、現地の人から奇異の目で見られたりするということもあったと聞いています。今月の表紙は旅行がテーマのようですね。それも、バスツアーであるみたい。ということで、はとバスのガイドさんというのが正解のようであります。

『東京!』、なんだかいい感じにとばしてますね。表紙、扉といったほうがいいのかな、は1ページまるまる使った贅沢なもので、着物に袴、はなやかな出で立ちでお花見であります。そして本編、駅の名前がついているという設定は秋葉原正親にこそ色濃く残っていますけれど、他の人たちはそれほど強調されなくなっていて、けれどそれが逆によいように思います。自然に話が進むようになって、そして秋葉原が効果的に強調されます。で、なかなかの色っぽさ、それはいいんですが、新宿先生って、いや、いいや。今回は、ベタですが、秋葉原の妹、萌がよかったです。そして国分寺の壊れぐあい。面白かったです。

『おしのびっつ!』は携帯電話の話。うん、別に携帯電話はなくても困らないよ。急な連絡には狼煙上げればいいから、なくても別に大丈夫ですし。さて、この家ではお母さんが最強なのではないかと思っていたけれど、なんとお父さんか。あの影の薄いお父さん、しかしお母さんはそんなお父さんにべた惚れときた。面白いなあ。そして、しのぶは機械が苦手。きっと克服しちゃうんだろうと思ったら、見事に裏切られました。ええ、いつもとは違うしのぶの様子、とてもよかったです。

『ミライカナイ』に新しく登場人物が加わって、フェイのメイド、ムーであるのですが、普通にメイドが出て、住み込むというのもなかなかに今風な無茶ですが、しかしここまでくると未来人がどうこういう設定、どうでもよくなってきたな。でも楽しく読んでます。

先月、これは面白い! と思った『横浜物語』ですが、今月はちょっと主人公、南のキャラクター、過去が説明されたというところにとどまって、ちょっとものたりなかったです。もちろん、これが後に関係してくるのだとは思いますが、ストーリーとしては停滞していると感じられてしまいました。四コマは毎月のページ数が少ないから、こういう説明すると、それだけで一杯一杯になってしまうから、難しいですね。

『変スタイル』、ゲストです。変タイと略すのがいいらしい。けれど、いうほど変態でもありません。ちょっと変わりもののカップルの話。足ずっこけというの、はじめて聞いた用語だけれど、こういう漫画の約束ごとを使って新しい靴アピールとかは面白かったかな、と思います。けれど、こういうネタが出るというところなど、漫画の登場人物がこれは漫画であると意識して、その構造や約束ごとを利用することさえある、メタ的なギャグというやつでありますな、好みはわかれそうだし、このスタイルで長く続けると、シュールさはどんどん強くなっていくんじゃないかと思われて、ちょっと浮いちゃうんじゃないかな、なんていう感じもあります。けど、実際どうなるかは続けてみないことにはわからんわけで、どういう方向に向かうか、それはちょっと見てみたいとも思います。

『日常クロッキー』、ゲストです。タイトルが示すように、美術ものであるのですが、舞台は普通高校。実技じゃなくて、筆記が駄目だったらしい。まあ難しいよね。絵が好きで、そればっかりになってしまえば、他がおろそかになるというのもわかる。けど、絵だけ、というのは今はよくても将来いきづまる原因にもなりかねないから、気をつけるんだ。絵が好きなヒロインを、友人ふたりが応援する。そんな関係は悪くないぞと思いました。

『三日月の蜜』、これまた辛気臭くなってきましたよ。先月、好きよといってキスをした。それが原因で佐倉さんの気持ちは後ろ向きに後ろ向きになってしまって、はっきりいって煮えきらないその態度、いらいらする。けど、このいらいらさせるような性格、そして人間関係の割り切れないもやもや、それがこの漫画の味なんだものなあ。短期的に見れば、面白みの感じにくい、そんな回でしたが、これが後にどう拾われるかでがらりと印象は変わりそうに思います。

『じゃじゃプリ!』、ヒロインがめちゃくちゃ可愛いな。気を許した相手には、やんちゃさを最大限発揮するというところ、一種甘えてるんだろうなあ。で、そんなふみに頭の上がらない亮。これは、理解した上で受け入れているんだろうか。いや、そうじゃないな、自然と自分にとって心地いいと思えるポジションが今なのかも。しかし、ふたり、いい関係だなって思います。

『ときめけ!女塾』、続きました。追いやられてしまった女塾の先生。しかし、初代塾長があまりにも厳しすぎた。というわけで、先生を連れ戻すべく、初代塾長に勝負を挑む、っていうんですけど、なんかどれも微妙にしょぼいな。でもそのしょぼさが面白かった。そして、初代塾長の隠された意図、いや、これただの負け惜しみじゃないのんか? けど、いずれにしても、この変なのり、面白かったです。今回で、話としては一段落ついてしまったけど、続くなら是非読んでみたい、そう思える漫画でした。

そして、『プレミアム天子様』の広告漫画、めちゃくちゃ面白かったです。特に後半ののり。よりぬきというのは残念だけれども、単行本にならないよりなった方がいいに決まってる。けど、売れなかったら連載がなくなったりするんだよなあ、とか思ったら、作者もそれ心配してるって! 一気に切なくなった! この身を削るかのようなネタの流れ、切実さを笑いにかえて、こういうのもまた面白いなあと思うのですね。だから、『プレミアム天子様』、必ず買います。

  • 『まんがホーム』第24巻第5号(2010年5月号)

2010年4月1日木曜日

NHK チャレンジ! ホビー めざせ! ロック・ギタリスト

 さてさて、今年もNHK趣味講座にギターの季節がやってきましたよ。昨年はフォークギターでした。そして今年はエレキギター、それも特にロックギターと断っています。講師は野村義男であります。ああ、よっちゃんだ。この人、昔はアイドルだったのに、気付けばギタリストになっていて、けれどテキストに収録のインタビューを見れば、最初からギターが好きで仕方のない、そんな少年だったんですね。ギターが好きで、弾くのが好きで、そして集めるのも好きでっていう、ほんとにギターが好きでたまらんのだろうなあっていうインタビュー。ギターでお金稼いで、ギター買って、本当にギター中心でまわってるみたいです。

さて、NHKのテキストは説明やらなんやらが丁寧で、もちろんこれ一冊で充分ということはないのですが、道具、基本的知識、奏法解説に読み物まであって、入門者にはうってつけの本だと思います。それこそ、さすがNHKといったらいいのか、楽典やら記譜説明やら、やけにきっちりしていて、ほんと、変な入門書買うくらいなら、こっちの方がずっといいよなと思える、そんな仕上りです。

今回はロックギターということで、扱われる曲もロックの名曲が揃っています。ちょっと書き出してみましょう。

  • グランド・ファンク『アメリカン・バンド』
  • ディープ・パープル『スモーク・オン・ザ・ウォーター』
  • ドゥービー・ブラザーズ『ロング・トレイン・ランニング』
  • キッス『デトロイト・ロック・シティ』
  • イーグルス『ホテル・カリフォルニア』
  • Char『Smoky』

けれど、これら全部の楽譜が収録されてるわけじゃないのは残念でした。私がこうしたテキスト買うのって、楽譜が欲しいからだったりするのですが、だから今回のものはちょっと物足りないといわざるをえないです。

テキストを見てみたところ、パワーコードやブリッジミュートなど、少しずつ弾き方を習っていって、それらの練習に向いた部分の抜粋で稽古するというパターンであるようです。で、それはいいんですけど、最後にくる曲がCharの『Smoky』というのはものすごいなって。なんと、これだけはえらいきちんと楽譜が収録されているんですよ。でも、ギター入門みたいなテキストで、二ヶ月で、パワーコードからはじめて、最後に『Smoky』を弾きます、ってそれ無理だろう。どう考えても、無理だろう。でも、これくらいの大きな目標があった方がいいのかな。やりがいにもなるでしょうし、今は弾けなくとも、いずれは! みたいな感じで取り組むのもよいのかも知れません。

といったわけで、せっかくエレキギターも持ってるわけですから、ここはぼちぼち、ちょっとずつ習っていこうかと思います。『Smoky』が弾けるようになるかはわからんけれど、せっかくムスタング持ってるんですから、これを機会と頑張ってもいいかなって思っています。