2009年10月8日木曜日

みそララ

 やっぱり『みそララ』、面白いです。デザイン会社で働く女性を主役にすえて、仕事をするってことをしっかり描いた四コマなんですが、ライターの麦田美苑、デザイナーの米原梨絵、そして営業の粟屋真琴。まだ一人前とはいえない、そんな三人だけど、仕事を通して少しずつ成長していくっていうところがですね、読んでいてなんだかたまらなくなってくるんです。別に感動を押し出したりするところなんてないのに、ギャグやおかしみ、くすぐりなんぞを交えつつ、仕事に取り組む姿、試行錯誤する様子を描く、そんな漫画だというのに、なんでか読んでると涙が出てくる。ああ、『みそララ』面白いなあって、涙ながらに思うんですね。しかし、なんで私はこの漫画で泣いてしまうんでしょう。

第3巻にはいって、なおも強くなる三人の結束? 最初はばらばら、それどころか険悪とさえ感じさせるところさえあった彼女らなのに、お互いの距離を段々に縮めてきて、そして今やもうすっかり仲間。チーム穀物、三人それぞれが影響与えあいながら、発想していくところなんていうのは、本当にいいチームじゃないかって思えてきて、そう、泣けてくるわけですよ。ああ、仕事というのは辛いばかりではない。仕事のなかに人生の楽しみが見出されることもまたあるのだと、彼女ら見てるとそう思う。それで、いいなあって。ほんと、私は自分の人生を生きていないなって、そんなこと思うほどに、彼女らはきらきらと輝いている。いいなあって、自分もこうありたいなあって、思って、うん、がんばろう。そんな気にもなるんです。

第3巻、表紙をはげば米原梨絵の独壇場。バーベキュー回の後日談。というか、翌日談か。酒飲んで、飲まれて、絡んで、そして後悔が押し寄せている様がさらりと軽く描かれているのですが、いや、しかし、なんという素敵さなんだろう。胸がないことを恥じる女性は超キュート、超破壊力だって、兄様が……。いや、別に大人の女性でも、胸が薄いことに引け目を感じることってないと思うんだけどなあ。スレンダーな女性が好きっていう人は少なからずいると思うんだけどな。などといっている私は、やっぱり米原梨絵が大好きです。ダブルエースでもいいじゃないか。撃墜王みたいで素敵よ?

『みそララ』の舞台は、東海地方です。岐阜がモデルになってるみたいですね。近隣の大都市としては名古屋があげられる。そんな土地柄ですから、食文化は味噌メインであるようでして、それはタイトルが『みそララ』だから、ってのは関係ないと思うんですけど、3巻の頭から味噌カツとか出てきて、わお、食べたことないけど美味しいらしいですね。ちょっと味が濃い目なんじゃないかって、薄味好きの私としてはちょっと心配しますが、このへんの話読むと、なんだか名古屋にいって、味噌カツ食べてみたくなります。以前ちょっと別の漫画で名古屋ブームが(個人的に)きたりしていましたが、『みそララ』でまたもや名古屋リバイバルといった感じです。こうした地方都市の魅力をちょっと感じさせたりするところ、わずかに垣間見える地域のよさというのも、『みそララ』の面白さを生みだす要素であったりするんだろうなと思っています。人のよさがあって、その人を取り巻く環境のよさというのもある。それらすべてが感じさせる空気感、それがよい感じであるというのですね。

  • 宮原るり『みそララ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 宮原るり『みそララ』第2巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • 宮原るり『みそララ』第3巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

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