2009年10月26日月曜日

『月刊アフタヌーン』2009年12月号

 『月刊アフタヌーン』、今月も買っております。それから、もちろん先月も。いやあ、すっかり書くの忘れてましたよ。買った時には、きっと書くつもりだったと思うんだけど、Sweet Homeに押し退けられたみたいです。さて、今月はうまいことKRコミックスの発売が明日、一日あいたものですから、忘れずにすみました。『アフタヌーン』は忘れてしまうほど印象が薄いとか、そういうわけではなくて、この雑誌はいつも発売日前に店頭に並ぶから、そのタイミングで読んで、公式の発売日は写真の更新をするのが常、その一日あくために、意識からこぼれてしまうみたいなんですね。ともあれ、今月は忘れずにすみました。

『日下兄妹』、面白かった。読み切りです。野球やってる少年、肩を故障してしまった。ここまではよくある漫画かなと思ったら、ここからがちょっとよそにはないという雰囲気がぷんぷんとしてまして、まずこの肩壊した少年が、別に衝撃受けるでもなく、妙にひょうひょうとして達観していて、そしてそんな彼のところにやってくる謎の物体? ほんとによくわからない。その奇妙な物体は成長して、彼の妹というポジションにおさまるのですが、けれどそれは萌えとか理想の妹とかではなくて、ずっと謎の奇妙ななにかであり続けて、けれど読み終えようとする頃には、なぜかすごく身近に感じられる。そんな感触は信じられないほどにあたたかで、ほっとさせる、そんな優しさ、思いやりか? そうした気持ちにあふれてて、ちょっと泣けましたよ。いい漫画だったと思います。なんとなくパラパラ、ページめくってたらひっかかった。ひっかかってよかったと本当に思える漫画でした。

無限の住人』、主役そっちのけで展開。けど気になりません。逸刀流を追う燎と伴が、果心居士の罠にはまるまでを描くのだけど、この燎、吐の娘ですけど、危機に際してそれを乗り切るだけの実力はあるみたいだけど、なんだかあかんたれで、変なキャラクターだなっていうのが前面に出て、もっとシリアスでハード志向と思ってたんだけどな……。でもこの漫画らしいなと思います。次回、伴は死んじゃうんかな?

『友達100人できるかな』、友人の弟と友情を育もうという話なんだけど、ああ、確かにどんなにいい子でも、こうした年少の頃は残酷さを持って動物に相対するものですよね。成長して、とりわけ大人になってからは、そうした残酷さ、無邪気さには付き合いにくいと思えるようになって、と、そういう話でした。いつもは、自分よりも親愛度の低い相手に向き合うのが、今回は逆というのも面白かったのだけれど、小さな子に付き合って過ごした時間が新しい気付き、あるいは忘れていたものを取り戻させて、なんかいいラストでした。子供のころっていうのは、見るもの、知るもの、すべてが輝いていたんだろうなと、取り戻せない時間を懐しむ、そんな思いにさせてくれました。

そして『百舌谷さん逆上する』。ついに運動会当日がやってきて、これ前回からの続きなんだけど、百舌谷さんに対する皆の態度に嫉妬? 千鶴が復讐とでもいうべきか、後ろ向きに進んでしまったその状況が、やわらかに千鶴を苦しめるという、その空回り感、もがいている感じが素晴しくて、まさに裏目ってやつです。どうしても千鶴は苦しむほかないという展開は、しかしその実、むしろ状況をよくしているという、妙な両面性を抱えていて、そして千鶴の百舌谷さんへのアドバイス。これが将来に効いてくるんでしょうね。しかし、本当の騒動は次だと思うんです。千鶴の仕掛けた罠、それがまだ回収されてない。どうなるんだろう。ほんと、どうなるんでしょう。

いもうとデイズ』、おお、赤毛のアン的展開だ。けどさ、まあ色がついてない漫画キャラだからかも知れないんだけどさ、金髪カッパなディアナ、めちゃくちゃ可愛いじゃないかと。姫盛りとやらよりもはるかに可愛いじゃないかと。過剰な装飾がなくても可愛くなるようデザインされてるってことなんだろうとは思いますけど、素朴で素直な綺麗さがあって、そしてそうしたいじらしさはどんな時にでも発揮されて、あのお母さんとの会話、いいですね。それを見たお兄さん、彼もまたいいですね。この漫画は、ディアナの可愛さもあるけれど、このお兄さんの人のよさ、真面目さ、それも魅力だわってつくづく思わされるんですよ。

0 件のコメント: