2009年12月7日月曜日

『まんがタイム』2010年1月号

『まんがタイム』2010年1月号が発売です。表紙はクリスマス、サンタクロースの格好をしたおとぼけ課長を中心に、プレゼントがテーマなのでしょう、『みそララ』、『すいーとるーむ?』、『Smileすいーつ』が周囲に配置されています。しかし自分がプレゼントになってるゆかりさんは凶悪だな。というのはおいておいても、『みそララ』粟屋のもらった『大島写真集』はちょっと欲しいなと思わせるものでありました。にぎやかではなやか。いい表紙だと思います。

『わさんぼん』。うわ、なんや、えらいええ男やないか。本編はいれば、根つめてるんでしょうか、目にくま作っている草太、それが扉では目元の涼しい色男になってて、あかん、なんか腹立つな。いや、怒ってるわけじゃないです。しかし本編の草太、彼の頑張りを見て萩くんも発奮するっていうね、いいライバル関係ができていて、これはすごくいい感じ。別に対立するわけでも勝負するわけでもないけれど、刺激しあえる関係にあるふたり、すごくよいです。つうか、ありがとすぐ風呂もらうよのコマの草太、えらいいい男やなあ。萩くん、惚れてしまえ。でもって、もうひとつ、牡丹にいいよる鍔輝が再登場したかと思えば、その妹の咲良も登場。彼女は萩くんの許婚らしい。それでもって、この兄妹がえらいよう似てるんですね。この漫画は、一族顔そっくり、っていうのが基本にあるみたいです。

『うえぽん!』、ゲストです。頭にキャノン砲をつけた女の子が転校してきたっていう、シュールというべきなんでしょうか、ちょっと正直なんといったものかわからず、とまどっています。これって、『まんがタイム』からは逸脱傾向にあるけれど、『きらら』系から見たら未満っていうようなポジションに位置しているように思うのですが、とりあえずあと2回ゲスト掲載されるみたいだから、それでなにか、おっと思わせるようなことがあるかどうかが分かれ目かと思われます。『びんちょうタン』とか『あふがにすタン』とかをふと思い出したのですが、けどそれらちゃんと読んだことがあるわけではないから、きちんと比較するまでにはいたらない。なので、とりあえずは様子を見ていきたいところです。

新年企画『とりかえっ娘4コマ』、これ面白かったです。互いに漫画を描きあうという企画なんですが、うまく雰囲気を似せながら自分の作風を出していくというところが面白いです。で、人によって相手と自分の作風の割り合いが違っているのも興味ぶかくって、川島よしおなんかは自分の作風の中で勝負しているという感覚が強く、だって有希が東北弁でしゃべってる。森ゆきなつもそんな感じ。対して、宮原るりあたりは相手の作風にうまく近付けていて、本編であってもおかしくなさそうな雰囲気。中間は東屋めめかなあ。それぞれに見せ方が違って面白かったです。で、あの、すいませんテーマまちがえました…。え? なんで、と思ったら、ああ、ひとりだけクリスマス関係ない! 身をはって落ちになる、その態度、感涙にむせびました。っていうか、!!?で強調されてるのもすごいなと。でもって、そのテーマまちがいをサブタイトルでうまく拾っているというのもすごいなと。なかなかにすごい落ち、感動しました。

『しぇあっち!』、ともち、新作です。シェアハウスでの交流ものみたいです。これってつまり下宿屋みたいなものなのかな? 大学生、大勢での同居、そうしたところに昔の学生ものっぽさを感じたりしながら(昔は大学生下宿屋住まいというジャンルがあった、と思う)、けれど今の雰囲気も感じられたりするだろうか。などと思うものだから、ちょっと興味深く、期待もって読みたいと思えるものでありました。

『ねじゆるゆる』、特別ゲストです。父ひとり娘ひとり? のうちに、ロボットがやってきた。なんか、これもどういったものかわからないな。ナンセンスな四コマです。ただ、私がそうしたナンセンスを読むモードに入れていないからなのか、どうもむこうとこちらで感覚が噛み合わないように思えて、取り残されたような感覚があるんですね。続けて読んでいればかわるのかも知れません。

『スクミッション!』、佐田静の新作です。雨の日にやってきた美女。水浸し、油断をすると触覚が出る。ジャンボタニシの恩返しだそうです。主人公もいってるんですが、確かにちょっと怖いよね。『まんがタイム』の2010年は、シュールとかナンセンスが目標だったりするのでしょうか。今のところ、これもなんともいいがたいものがあります。もっと普通で、もっと地味でいいんだけどな、なんて思うんですけど、多分それでは駄目になってきてるんでしょうね。こうした試行錯誤の先に光明があるなら、それもよいと思います。けれど、今は戸惑っている、そういうほかないような気分です。

みそララ』、驚いた。美苑さん、梨絵さん、すごく美人! 眼鏡かけてるから、ですよねきっと。でも驚いたのはそっちじゃない。『恋愛ラボ』から新聞部のふたりがやってきたっていう、おおう、驚いた。でもってテーマは言葉の誤用。ああ、これめちゃくちゃ難しいですよね。すべからくとか、私も間違えて使っていて、あとで気付いてどうしようかおろおろしたことがあります。

でも、確信犯はどうしたものか迷います。一般に多く用いられる、犯罪と判っていてあえてそれを実行した犯人という意味が誤用というのは知ってます。けど本来の意味での確信犯って、ちょっと聞いたり見たりした覚えがないんですよね。だから私がこの語を使うとしたら、誤用とされるものになる。ところが、Blogやサイトに確信犯って確信犯的に書いたりすると、それは間違いですって指摘にくるエージェントがいたりしたものだから、本当に使いにくい語になってしまって、いわゆる確信犯みたいに、誤用とはわかってるんだけど一般に流布している意味で使っていますという言い訳をこみで使うかどうか悩んだあげく、とりやめたりね、いや、本当に困る語であります。

的を射る的を得るもそうだな。この語に対する葛藤は、以前にも書いてます

そして、ほっこり。これも以前迷いました。私の知るほっこりは、疲れたではなく、人心地つくなんですよ。この語を使ったのは、『つくしまっすぐライフ!』で書いた時ですね。この時に人心地つくでほっこりを使うか、それともそれを誤用と判断して言い替えるか悩んで、実際いくつか言い替えを考えて、けれどそれではしっくりこなくて、仕方がないから、ここは地元の強みですよ。生きた用例に当たったんですね。父と母に聞いてみて、そうしたら父母ともに人心地つくの意味でほっこりを使っていたんです。父は嵯峨の出です(そう、嵐山です。『わさんぼん』の舞台のモデルですね)。母の実家は着物の絵柄を描いていた絵描きの家系で、やっぱり京都です(いわゆる市内からは外れているけど)。そのふたりともが人心地つくでほっこりを使っているんだから、これはもう人心地つくでいいじゃないかと、自分は人心地つく文化圏に育ったんだと、そう思って使用に踏み切ったんですね。

いろいろ調べてみたところ、滋賀の方では疲れたの意味でほっこりを使うんだとかいいます。けれど、京都では用法がもう違ってしまっているようだ、そういうことを書いているサイトもありました。ええと「ほっこりする」の本来の意味 - スノーのブログです。ついでに京都新聞の記事での用例も見付けました。これを見ると人心地つくの意味で使っているようです。で、広辞苑にはもてあまして疲れたさま(第4版、3番目の用法)が出ていて、大辞林には色つやがよく鮮やかなさま。また,ほっとしたさま(第3版、2番目の用法、続膝栗毛での用例つき)が出ています。でも辞書に出ているから正しいというわけでもないわけで、とまあ、かくも言葉は難しいなと思わせる話題であります。こんなBlog記事でさえこれだけ調べてるんですから、新聞雑誌というメディアにおいては、この比ではない苦労煩悶があるのでしょうね。

ところで、でも間違ってるのに使うのは抵抗が…。ええ、私にもどうしても抵抗があって使えない言葉があって、その代表格はまったりです。この誤用転用が発生して、もう十年以上経つというのに、未だに抵抗があって使えません。かくも言葉とは根深く難しいものであります。

えらいこと脱線したな。

『恋愛ラボ』ではしっかりしているように見える子らも、『みそララ』では中学生らしいと思える、そんな素直さフレッシュな印象を見せてくれる、その表情の違いもまた見どころであると思います。南桃香のあの一連の表情は、ちょっと本編では見られそうにないものでありました。なんか、ちょっと違った側面を伺える、そんなところが嬉しく思わせてくれる回でした。

  • 『まんがタイム』第30巻第1号(2010年1月号)

引用

  • 佐藤両々「わさんぼん」,『まんがタイム』第30巻第1号(2010年1月号),29頁。
  • 宮原るり「クリスマスは中止です(by月子)」,同前,52頁。
  • ほっこり」の項,『広辞苑』新村出編,東京:岩波書店,1955年;第5版,1998年。
  • ほっこり」の項,『大辞林』松村明編,東京:三省堂,第3版,2007年。
  • 宮原るり「みそララ」,前掲書,133頁。

2009年12月6日日曜日

魔法少女☆皇れおん(仮)

 『魔法少女☆皇れおん(仮)』は女装少年ものであるのですが、見た目にも可愛い主人公皇れおん、しかし彼は好きで女装するわけではないというところが肝であります。ある日突然、強制的に変身させられてしまうというギミックが発動したれおん。マッド系の科学者である母による改造であるというのですが、しかし一体なにが目的なのか!? いや、全然大げさな話ではなく、単に母の趣味であるというんですね。この実にどうでもいい理由。可愛い男の子が突然女装状態に放り込まれて恥じらう様子を愛でようという、ただそれだけの理由が逆になんだか面白く、結構楽しみに読んでおりました。

面白いのは、れおんの恥じらう様子もそうなのですが、それ以外の要素、同居してる幼馴染みの女の子ささめがれおんを助けようと活躍する、というか振り回されてる様子も面白いし、れおんの友人ナツメが女装れおんを好きになってしまうところも面白かった。他にも、れおんを目の敵にする風紀委員桜園さくやとか、なかなかによいキャラクターが揃っていて、そのばたばたと騒いでいる様子が楽しかったのですね。

私が特に好きだったのは、ささめでありました。家が道場やってる関係で、やたら強い女の子。強い、凛々しい、頼りになる。そんなかっこいい系女の子であるのですが、この彼女がれおんの可愛さには弱いときているのですね。変身したれおんにドキドキする。背の小さく運動も苦手な彼が一生懸命背伸びし、じたばたする様に萌えて悶える。そんなささめがどうしようもなく可愛いくて、この普段はクールな女子が可愛いもの前にして、抗えないっていうのね、もう見ていてたまらん。といった具合に、私にとってこの漫画は、れおんの可愛さ、ささめの可愛さに悶えるという二段構えの萌え構造を持っていたのでした。もう、このふたりが本当によいの。

しかし、終盤、ちょっと急ぎ気味と思える状況は残念ではあったけれど、れおんを守るのは自分だと意識しているささめ、そしてそんなささめに釣り合う男になりたいというれおん、その関係が変わろうというところなど、なかなかに素敵でした。このふたりが、幼なじみ的状況から恋愛的状況に移行する、そういったストーリーが感じられて、あの時のれおんは可愛いだけでなく、立派に男の子だったなあと、ちょっとにやにやしてしまうのでした。ふたりの仲が進展することを期待していたんでしょうね。だから、このラストはすごく気にいっています。最後の最後こそは、ああした再びもとの騒動に投げ込まれるというものでありましたけど、でもその繰り返しに似た状況の中、れおんとささめの関係はちょっと違っちゃってるんだろうなって思うと、なんだか微笑ましくて、ほんと、このふたりのことが好きだったんだなってあらためて実感するのでありました。

2009年12月5日土曜日

『まんがタウン』2010年1月号

『まんがタウン』2010年1月号、発売です。今日は土曜、雨が降ってちょっと寒い、外に出たくないなあ、なんて思ったのですが、けれど『まんがタウン』買いにいきたい。がんばって、気力ふりおこしてコンビニまで出向きました。雨は小雨が時にぱらぱらと降り掛かる程度だったので、特に問題はなし。けれど寒さはいかんともしがたく、ああもう冬だなあという思いを強めました。

三色だんご』の、よもぎが熱を出して楽しみにしていた遊園地にいけないというネタは、よくある話、かと思ったら、原因が別にいるのか。なでしこのために割を食ってしまうよもぎのポジションは、なんともいえずあわれであるのですが、けれどよもぎをはげまそうとする家族のいろいろは、なんだかちょっとよいなと思わせるものでした。まあ困った家族だなとも思うんですが。このよい話になりそうなところを阻止するようなバランス。山田まりおらしくて気にいっています。

『70's 愛ライフ』。ああ、昔の年末年始は、確かにどこの店も休業していて、お年玉もらって、使いたくてしかたがないのに、店は休み。子供のころは営業の始まる4日が待ち遠しかった。今は、仕事の始まる4日は、きて欲しくない日になってしまいましたけど。

この、店が休みになって、しんと静かになる正月の風景というのは、今やもうなくなってしまいましたけど、あの雰囲気は私は好きだったんです。今の方が断然便利だし、にぎやかだしで、昔に戻った方がいいかといわれたら、うーん、私はそれでも戻って欲しいと思います。24時間営業もなくていい、365日営業もなくていい。もっと静かでスローだった昔を懐かしむ、そんな気持ちにさせてくれる話でありました。

光の大社員』の本棚の話は、ああ昔は私もそうだった。今は本棚がいっぱいで入らないのが普通になってしまっているので、ああしたことで悩むことはなくなりました。というか、それ以前に問題がありすぎます。伊達のようなありかたが一番しあわせなのかな、などと思うのは、こういう感動を得ることが減ってきているからなのかも知れません。感受性がどうも鈍っている模様です。

『よせ☆あげ』は瑠璃華の存在が、本当に無視できないなと思えるくらいに大きくなっていると感じられます。誉められて嬉しいほのか。それはとても自然な感情で、けれど舞い上がっている様子をつけ上がってるだけだからと切り捨てられて、しぼむ。そんな彼女を再び奮起させる瑠璃華は、そのキャラクターでもって話をアップダウンさせる、本当にいい刺激として機能しています。話を動かすというだけでなく、前向きさや素直さ、そうしたよさを持っていて、自然に応援したくなる。そんな憎めないところもとてもいいのだろう、そんな感じに思っていて、けど、多分、『いれ☆かえ』になったら、瑠璃華のよさは薄れちゃったりするのかもな、なんて風にも思っています。ああ、永遠の二番手。けどそうしたところも私は気にいっているみたいです。

  • 『まんがタウン』第11巻第2号(2010年1月号)

引用

  • 笹野ちはる「よせ☆あげ」,『まんがタウン』第11巻第2号(2010年1月号),176頁。

2009年12月4日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年1月号

『まんがタイムジャンボ』2010年1月号が発売です。すごいな、もう新年ですよ。表紙は重野なおき新作『じょしもん』がメインで、サブには『おねがい朝倉さん』、『中2限定!?ガールズトーク』、『パドラーズハイ』とあって、『じょしもん』ヒロイン美々と朝倉さん、そして『パドラーズハイ』のふたりが毛筆手にしています。いやね、これ、最初なんだろうって思って、最初に筆を意識したのが『パドラーズハイ』だったものだから、部員勧誘のポスターでも書いてるのかと思いました。いやいやいや、どう考えても書き初めでしょうよ。しかし、いよいよクリスマスが近付いてきたなあと思いはじめたこの頃に、新年。雑誌というのは実に気が早いものでございます。

『じょしもん』。新入部員がひとりはいりました。ミジンコ好きのクールな女子。五所ヶ原和泉。第2話読んでみての印象は、『のの美捜査中!』っぽいって感じでしょうか。そして『中2限定!?ガールズトーク』、こちら連載になりました。主人公、でいいのかな、教師ヒカルはどうも同僚教師百合子先生のことが好きなようで、で、百合子先生はヒカルのこと、別に好きでもなんでもないという、そんな関係です。携帯小説で泣くヒカル、追求する生徒たち。どたばたとした感じが面白いです。

『みちるダイナマイト!』、みちる変装中の扉絵が可愛いです。しかし、この人は背が高かったのですね。なんだか意外な感じでした。でも、背の高い女性も魅力的だと思います。パンクロックバンドでギターボーカルしていることを隠している人のいい大学教員。彼女と、知らず両方のファンである学生のふたりが、だんだんに知り合いながら、自分の価値を確かなものとしていく、そうしたくだりはなかなかによいなと思えるものでありました。

『ちょいのり。』、ちよ姉の兄登場。今回は兄の運転。ちよ姉と兄、そしていのり三人で特売にいく話。仲のいい兄妹。いいたいこといいあって、けれど喧嘩したりはしない。いい距離感、いい関係です。兄はやっぱり兄で妹たちをあたたかく見守ろうという気持ちを忘れてはいないし、妹はなんのかんのいっても兄に甘えるような雰囲気ただよわせて、けどべったりじゃない。そのバランス、読んでてとてもよかったです。

『あまぞねす?』。前回、デザイン会社に就職したふたり。PC使えないと仕事にならないのに、まったくコンピュータ使えない。なので、小学生の女の子楓に教えてもらうのですが、その様子がすごく面白かったです。教室がはじまって拍手。起動して拍手。その度に照れる楓。目が線になって、顔の輪郭がゆるむのね。可愛いなあ。この人の絵は割とかっちりしてるのに、それがゆるむと印象が全然違って、いい感じ。大人ふたりも、いい感じに頼りなくて、その様子が面白い。期待してた以上に面白くて、ちょっと気にいってしまいました。

『太陽くんの受難』、まだゲストです。美人のふたご姉妹に翻弄される太陽くん。結構ひどい双子。けどその酷さがよいです。いい感じにざっくばらんで、また酷さのタイプが姉妹それぞれで違うっていうのもよくて、楽しいです。

『しすコン!』、ゲストです。妹が結婚すると聞いて、結婚に対する意識が急激に上昇した姉美紀の話。これ、結局はケンちゃんに決着するんだろうなって思うんだけど、というか、ケンちゃん、あんたどんだけあかんたれやねんと、それこそ素面の時にそれをいえんでどうするねと、思ったりしたのだけど、ケンちゃんがあかんたれじゃないと成立しない話でもあります。これ、ケンちゃんがいなかったらただ危なっかしいだけの娘の話になっちゃうし、保護してくれる人、それで信頼できる、そんなサポーターが必要なのでしょう。で、それがケンちゃん。必要だけど、ちょっとあわれなポジションです。

なのはなフラワーズ』。この展開を思いもしなかったなどといってしまうのは、それはつまり読者である私も、彼女たち同様にいつかきっと訪れることをうす目で遠くに見ようとしていたということなのでしょう。しかし人は悲しい未来、切ない未来が刻々と近付いてくることをしっかりと理解しながら、それに目を向けることをいさぎよしとしないもの。いや、理解しているからこそ、直視することに耐えないのかも知れません。大泣きのモーリー。切ない告白。これは涙を絞りました。これは、切なさに胸をしめつけられる思いでありました。

Boy’sたいむ』は、いつもどおりのひろむのドタバタかと思ったら、なんと置島が核心に近付いた!? 驚いた。これは!? と思って、そうか、置島はついにひろむが最近はやりの女装少年と気付いたか。女装した自分に恋してしまっているひろむを思って胸さわがせたりなぞするのか。なんて感じにわくわくしてたのに、ちょっと状況は巻き戻されて、いやあ、なかなかにいいじらしっぷりであります。

『江戸川スイートエージェンシー』。私は恋人がCGですが、心配なんざこれっぽっちもありませんことよ? ところでカマ男、なぜか違うカマ男かと思ってしまい、別の意味で郁巳クンを心配したりして。けど、まあ、あれがあれば一撃ですわな。

『パドラーズハイ』、やっぱり面白い。やってることは、川に出て、ラフティングやって、水サイコー! ハイになっての繰り返しなんだけれど、けれどまったく同じことやってるわけじゃないっていうところがよいのですね。今回はというと、スタート地点とゴール地点の設定、速やかな撤退可能態勢を事前に構築しておくなど、そうか、なかなかに深いものがあるなと感心してみたりですね、そして水に落ちた時の対処など。いろいろ知れるのは楽しいこと。そして、そのいろいろを教えてくれる様子、それがそのつど面白いという、そこが最高です。いろいろとステップアップはかろうという動きも見えて、とても楽しみ。そういえば今号から連載ですね。すごく嬉しいです。あ、眼鏡の彼女の眼鏡はバンドかなんかで固定されてるのかしら。飛んじゃうんじゃないかって、心配してしまうのであります。

『子うさぎ月暦』、いよいよ子うさぎが関係なくなってきていますが、サフォーク実家での出来事。しかし、いつにもましてインパクトあるな。クロ子さん、最初どうなってるのかわからなかった。面長でいらっしゃるのね……。しかし、面長、目はぱっちり、結構な美人さんじゃなくって? まあ生態系の力学的にいろいろ問題があるような気もしますが、でもまあ愛があれば、ある? あれば大丈夫ですよね。しかし味わい深い。サフォークは徹頭徹尾紳士であるし。そしてクロ子さんは淑女であるし。なんともいえない味わいです。

『ぼくらは魔法が使えない』。ゲストのまま時間は過ぎて、なんかすごく惜しいよ。この漫画、すごく面白いのに。最後に語られた魔法の時間という意味。それは、タイトルのぼくらは魔法が使えないということにつきるのでしょう。素晴しい時間、素敵な時間、けれどそれを留めることは誰にもできない。切ない。けれど切なさを前面に出さず、シビアでシュールな笑い面白さを追求して、けれどその若い日々はいつまでも続かないんだっていう、そうした現実が切ないね。でも、続かないからこそ貴重、続かないからこそ素晴しいのだとも思うのね。だからこそ、この漫画に描かれる情景は素敵だと思うのですね。

『でり研』、ゲストです。でりしゃす研究会。『OHでりしゃす!!』に関係ある? と思ったらそうではないみたい。とりあえずは序盤も序盤。状況はまだほとんどわかっていないのですが、とりあえず海原先輩がろくでもないってことがわかりました。しかし、大仏っていうの、おさらぎさんなのかなって思ったら、ほくろから連想して勝手につけた名前かよ! この展開にはちょっと驚きました。なんか期待できるかも。そんな出だしでありました。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第1号(2010年1月号)

引用

  • 青木俊直「なのはなフラワーズ」,『まんがタイムジャンボ』第16巻第1号(2010年1月号),101頁。

2009年12月3日木曜日

ねこみみぴんぐす

 『ねこみみぴんぐす』が素晴しい。とはいうものの、はじまった当初はいったいどうしたものかと途方に暮れたような覚えがあります。ヒロイン、小春ひよりはねこみみの女の子。いや、もうなんの説明もなく普通にねこみみつけてて、いや、つけてるんじゃないよ、天然のねこみみなんだっていうね。ええーっ、これは一発ネタかなんかなのか? ひよりの友人も友人で、クールな女の子紫陽花はうさぎのぬいぐるみをいつも抱いていて、うさたんが手元を離れると取り乱してしまうし、熱血キャラ向日葵はなぜかヘッドホン標準装備。こんな一癖も二癖もある、というかありすぎる娘たちの卓球部活もの。どうなんだろうなあと思っていたら、これが面白い。癖のあるキャラクターで読ませるのかといえば、そうじゃない。部活ものとして真っ当に面白い。これは、これはいいな。すっかり引き込まれてしまったのでした。

部活ものとして面白い。それは卓球に対する彼女らの取り組み方、それが実に素直で真摯だからに他なりません。癖のあるキャラクター、色物? と思わせておいて、真面目に部活やっているその姿がいい。練習試合のエピソードが最初の一撃でしたっけね。隣の高校のライバル、穂咲さん、彼女に焚き付けられて、トレーニングに励む部員たち。試合においても、絶対に負けてたまるものかと、もう必死。試合途中の状況こそは描かれなかったけれど、戦い終えた時の様子、息も絶え絶えになって、勝った方も負けた方も、ああなんかいいよね、こういうの。

負けて悔しい、だから頑張る。長年続けていてもなかなか上手くはならない。けれど頑張る。明日の自分は今日の自分より上手くなれるように頑張りたいですー。この言葉には感動しました。いや、冗談とかじゃなくて、本気で感動した。負けたくない。少しでも前へ進みたいと思いながら、もがくみたいにして頑張って、そして昨日の自分にできなかったことができるようになっていることに気付く。その喜び。それが人をより深みへと導くのですね。ええ、彼女らの卓球に対する取り組み方の、だんだんに深まっていく様子、彼女らの卓球に引き込まれていく様が、私をも引き込んだのです。

けれど、彼女らも年がら年中卓球ばっかりやっているわけじゃありません。練習試合や合宿、そして市民大会といった見せ場、山場の合間には、卓球から少し離れて、学校の、あるいは遊びに出たりの様子も描かれていて、それがまたいい緩急をつけるのです。熱血というほどではないけれど、しっかりと卓球に取り組んでいる彼女らです。部活の様子ばかりだと、さすがに息が詰まるかも知れません。卓球でお腹いっぱい、みたいになったらあんまりです。けれど、合間合間に日常の情景が差し挟まれるから、そこでちょっと一息ついて、彼女たちともどもリフレッシュできる。そして、このゆるんだ時間にも卓球は無関係でないっていうのがいいんですね。卓球をまるっきり忘れたりはしない。気持ちのどこかに卓球はあり続けていて、ああ、この子らは本当に卓球が好きなんだなって伝わってくる。さらにいえば、作者、この人も卓球が好きなんだろうなって、そんな感じがひしひしと伝わってくる。卓球が好き、卓球は楽しいんだよっていう気持ちが、読んでいる私のうちにも生まれてくる。それほどに雄弁な卓球愛が素晴しいです。

で、ここでいっちゃうけど、私、小学生中学生のころ、卓球やってました。けど、嫌々とまではいわないけど、決して真面目なプレイヤーじゃなかった。だからこそ思う。もっと真剣に取り組んでいたら、きっと卓球に対する意識は違っていたんだろうなって。もったいないことしたなって、ひよりや花、葵、そして穂咲を見ていて、ちょっと悔しいです。ええ、彼女らの得ている好きという気持ちについていけない、それがなんだか悔しくて、それはつまりは、こんな気持ちになるほどに、魅力的な卓球の情景が広がっているってことなのです。

  • まりも『ねこみみぴんぐす』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用

2009年12月2日水曜日

『まんがホーム』2010年1月号

『まんがホーム』2010年1月号、発売です。表紙はクリスマス一色。プレゼント抱えたらいか、サンタクース思わせる赤い衣装のリコ、マキ、同じく赤い衣装の紫乃先生に、プレゼント抱えたみえことしゆき夫妻。ああ、すっかり12月、年末であるなあという実感を深めます。しかし、このリコ、可愛いな。この人、モテないことになっているけど、それは嘘だろう。マキに比べても勝るとも劣らない立派な美少女っぷりであります。

『おしのびっつ!』が忍者コメディとしての本道を歩んで、それが面白くてよい感じです。一般常識という観点からは逸脱している兄しのぶ、忍者的にも妹好き的にも一般的ではないというのに、社会的には妹くないよりもちゃんとしてるように見えるという、その工作ぶりがよいのですね。趣味でやってるわけじゃないけど、女装も得意。よいじゃん。そして妹独占工作のしたたかさ。ろくでなしであります。しかし、最後のくない、あれはあのまますっぽかしたらよかったのだよ。評判がさがるのは兄貴で、あんたじゃないよ? でも、そういう真面目さが彼女のよいところなのでしょう。

『ミライカナイ』の舞台が高校に。そうか、あの主人公、高校生だったか。でもって、主人公ひろしに気になる女の子が関わってきて、そして学校にフェイもやってきてという、王道といえば実に王道的。なんかテイストが違うから、王道といいながらも、ワンパターンというようには感じない。ちょっと面白そう。どうなるのだろ。楽しみです。と、それから、「く」の字より真っすぐの方がずっとよいかと思います。

『ゆとりの手もかりたい』、豊田アキヒロ新作です。没落お嬢様の話。ゆとりというのは、元お嬢様についてきたお手伝いさん。メイドの格好して、少々なまけながら、お嬢様を支えています。没落だなんだ、貧乏暮らしだなんだいうけれど、深刻さよりも、コメディとしての面白さが目立って、それで絵柄のせいもあるんでしょうか、ちょっとあたたかみ感じさせるようなところもあって、悪くないなというのが第一印象でありました。

恋愛ラボ』、やられた。あのハンカチがあったか。忘れてましたよ。そして本編は、ああ、これは効きますね。これまでも親しかったふたり。けれど、だましていたことが明らかになって、そしてそのわだかまりが流されて、本当にいい話でした。しかし、いい話なのはいいんですけど、姉に追求された件を告白するマキ、なんともいえん味わい深いいい顔してますね。こんな顔、これまで出たろうか。実によい表情でした。そして、エノは期待を裏切らない。素晴しいな。実にいい子たちであります。

で、アフレコレポート、あのガヤの台詞、冗談でしょうけど、妙にリアリティある会話が味わいあります。答に自信がない時、aにもdにも見えるように書いた書いた。eとbも似てるよね、筆記体にしたら。そして、スズ視点の特別編もあって、これもまた面白い。エノ、凛々しくてよいなあ。親しい間柄だからこそ見えるもの、感じとれるものがある。スズが皆をどう見ているか、そしてリコに勇気づけられるシーンなど、なんだか心に満ちるものがありますね。とてもいい。とてもいい話でした。

『お江戸とてシャン』。わお、単行本が出るんだ。これは朗報です。そして物語も大団円に向かって、江戸、大火、火消しの纏持ち虎吉の選んだもの、そして通じあった気持ち。いい話じゃないか。いや、以前からいい話だったんだよ。ずっと好きだったんだよ。だからこそ、単行本になるという話が嬉しくて、好きで追っていたものが認められたように感じられると、やっぱり嬉しいものですよ。よかった。そして、ラストの大ゴマ。とてもよかった。虎吉、やっぱりこの男、べらぼうに色っぽいよなあ。

ひいばぁチャチャチャ!』が終わりました。曾祖母と曾孫との暮らし。とりたてて盛り上るわけでなく、けれどその穏かに日々を楽しく暮らしているという、そうした様子がよかったのでした。そして、最終回においてもそのテンポは変わらず、それはとてもこの漫画らしいと思えます。そのらしさが今は逆にありがたい。そんなように感じます。

『紫乃先生美録』、連載になったとのことです。したたかな姉は小説家。オンではフルメイクの美人を演じ、オフでは素朴に可愛さを見せて、しかし姉としては酷い。けれど、その酷さはむしろ心地よいと思わせるようなものですから、オフ姉のほうがよいなあ。男の子っぽくて可愛いよ? しかし、フルメイクフル装備でないと外に出られないっていうの、不便だよなあ。大学時代の後輩思い出しちゃったよ。

『ちまさんちの小箱』、最終回です。とり子と雪宮の関係、どうなるんだろうと思っていたら、特に進展もなく終わって、けれどあの箱の作者であることが明かされるだろう可能性はしっかり描かれて、いやねとり子がちまさんちのスタッフになるという、ちょっとステップアップしての終わり、終わり方としては悪くないなって思えるものでした。私は、この漫画のアットホームな感じ、ちまさんちに通いつめるとり子の素直でほがらかなところ、好きでした。だから、終わってしまったのは、正直なところ、寂しいです。ふかさくえみという人、機会があればまた読みたい作家として覚えておきたく思います。

『イエス・マスター』も最終回。ちょっと覚悟してた。剛造じいさんにとっての転機が描かれて、そしてとわとの別れがほのめかされて、けれどそこにとわの意思というものががつんと描かれて、ああちょっとよいね。きっと私は思うのです。私は、こうして人の意思が状況に抗しようという物語が好きなのだなって。とわが選択した未来。その未来を受け入れた剛造。このふたりの信頼で繋がれた関係、それが好きだったから、このラストシーンはすごくよかった。ちょっと自由になった感じのとわさん。その自由の風がとてもよいです。

そして『えきすとら以蔵』も最終回。以蔵の半生を描いて、過去これまでから今にいたる、その時間が以蔵を作ってきたんだなっていう、そんな印象に、いつかスターになってくれればよいなあと思う気持ちを強めたのでした。そう、以前の特別編に見られたスターとなった未来を期待してしまうのですね。連載の間にはエキストラであり続けた以蔵、連載が終わって、そして彼らの時間が動き出すのだとしたら、それは喜ばしいことなのかも知れない、などと思います。ただ寂しがるだけではなく、ちょっと前向きにとらえたい最終回でありました。

  • 『まんがホーム』第24巻第1号(2010年1月号)

2009年12月1日火曜日

毛玉日和

 お久しぶりの櫻太助。ああ、私、この人の漫画、好きだった。だった。過去のこととして話してしまっている — 、それはつまりもう今は好きじゃないとか、そういうわけではないのです。私の購読している雑誌、『まんがタイムきららキャラット』にて連載されていた『鳩町まめっこイグニッションズ』、これがもう好きで好きで、好きで好きでしかたがなかったのですが、残念ながら連載も終わってしまい、そして氏は活躍の場を『まんが4コマKINGSぱれっと』に移されたのでした。『ぱれっと』で連載がはじまったって聞いた時には、すわ『ぱれっと』買うか!? などと思ったりしましたっけ。けれど、生活の圏内に『ぱれっと』を安定入手できる店がなく、だから『毛玉日和』、単行本が初読となりました。

手にとって、久しぶりだからなんだかどきどきしたんだけど、けど読んでみれば、ああ私の好きな櫻太助のらしさがいっぱいで、ああやっぱりよいなと思ったのでした。好きなもの愛しいものにまっしぐらで甘やかしまくるヒロインに、クールに振る舞う猫の娘。ああ、それをツンデレだとかはいいたくない。ちょっと気位高くて、けれどヒロインもなかのことを嫌ってるわけじゃない。自分にとって心地いい距離感を守っている、そうしたところに猫のぽさを感じさせます。

猫、名前は小豆、人の姿をしています。この世界では、動物が人の姿をとることが、そんなに珍しいわけではないみたい。玄関先に行き倒れてた、それを自然に受け入れるもなかには最初えらく驚いたものですが、けれど読んでれば、まあそんなものなのかと思えるようになってきて、そしてしまいにはそれで当然といった具合になってしまって、すっかりとりこまれてしまったっていう模様であります。登場する動物は、猫の小豆、犬のコロン、リスのリス子。それぞれにもととなる動物、猫、小型犬、リス — はちょっとわからないけれど、の特徴を反映したキャラクターづけがなされていて、しかしこれが動物の擬人化かといわれると、それもまた違うなというのが素直な感想です。むしろ、動物と人の関係を思わせながら、そこには個性の強調された人対人の関係性が見えてくる。猫可愛がりするもなかとクールな小豆の関係。高圧的に振る舞うゆきとじゃれたい遊びたいコロンの関係。そして、静かながらも思いをしっかりと受け止める堤先生と甲斐甲斐しいリス子の関係。それぞれが違った感触、違った距離感を表現していて、そのどれもによいなと思える暖かみがあるのですね。

それらは、人と動物という前提があるためか、友人のようで友人でなく、恋人のようで恋人でなく、妻かといえばそうでもなく、強いていうならば家族だな、血縁者ではないけれど家族なんだ、そういった手触りが独特です。それでもって、彼らはあくまでも動物だから、躾や習性に関する話もあるのだけれど、むしろそういった面では小さな弟、妹に対するような感じが強く、けれど彼らは常に年少者かといえばまたそうでもない。達者にしゃべるし、子供っぽくともまま子供ではないといった不思議なポジションにあるのですね。とても近しい、人と人の関係ではちょっと成立しにくいような密接さを表現しつつ、けれどそこに若干の相容れなさ、人とは決定的に違っている様子も匂わせる彼らとの生活は、ありそうでちょっとない関係の可能性を感じさせてくれて、非常に面白い。こんなのと一緒に暮らしたらきっと楽しいぞ、そう思わせるようなわくわく感がすごいのですね。猫でも、犬でも、リスでも、それぞれに、現実にはちょっとないって思える親しみの深みが描かれていて、好奇心をかきたてるのです。

彼ら、人の姿をした動物たちの個性は、普段の行動においても充分に発揮されていますが、あのなぜ人の姿をとるにいたったかという理由、その情報をどう扱おうとしたか、その違いにこそはっきりと表れていました。あの時に描かれた感情の機微には深く感じ入るものがあり、そして私はこのテーマに触れた時に、ああ彼らはただ単なる動物の擬人化ではなく、それぞれ個というものを備えた人格なんだって、思いをもって行動するものたちであるのだと諒解したのでした。その感触こそが、櫻太助の描く漫画のキャラクターの魅力でありらしさであるのです。そう、絵に描かれたものにして、画面に留まらない思いをあふれさせる、そうした魅力が私をひきつけてやみません。

  • 櫻太助『毛玉日和』第1巻 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス) 東京:一迅社,2009年。
  • 以下続刊

2009年11月30日月曜日

PONG PONG PONG!

 『PONG PONG PONG!』の単行本が出ましたよ。『まんがタイムきらら』にて連載されている漫画であるのですが、これが面白いんです。主人公は浅子祐太、男子高校生。彼がたまたま見付けたお社に祈ったら、神さまがあらわれましてね、それがなんと狸の神さま。お稲荷さんなんだけど、狐じゃないんですね。しかも、ただの狸ではなくて人の姿してる。ものすごくキュートな女の子。巫女っぽい装束身につけて、胸元には勾玉、頭には狸耳、そして尻尾だ。ものすごくキュート。さて、そんな狸に祐太が頼んだ願い事というのがモテたいというもの。かくして狸の神さまリコが、祐太の願いを叶えるべく奮闘するという感動の物語がはじまります。

いや、奮闘はしていないか。少なくとも第1巻では巻末にいたるまで頑張ってない。願いを叶えるといって祐太にとり憑いたというのに、邪魔にされて家から追い出されたかと思えば、新聞部部室に住むようになってからも堕落して、もうほんとどうしようもない。けど、それでもご利益はあるのか、綾瀬川真由というクラスメートと親しくなったり、それから高坂先輩っていう美人のお姉さまと知り合いになったり、これまでとはまるで違った環境に身を置くこととなって、やったじゃん祐太、といいたいところだけど、モテてるかといったら決してそんな感じでもないっていうのが味噌です。特に高坂先輩、彼女は人物紹介にてヘンタイさんと書かれるような人ですから、もうたいがいです。

この漫画、キャラクターの味わいがいいんだと思います。可愛いかといわれたら、リコも真由もすごく可愛い。けれど、ただ可愛いからいいってわけじゃないんですね。リコの、見習いとはいえ神さまであるというプライドがそうさせるのか、ものすごく尊大に振る舞おうとするのだけど、全然身についてないところとか。それどころかかなりあかんたれであるところとか。見ていてすごく微笑ましい。主人公の祐太にしてもそうで、お前さん、もうちょっと考えて行動したまえよといいたくなるようなところ、よくいえば素直、悪くいえば雑。けど、けっこう感動屋だったり照れ屋だったり、男子高校生相手にこんなこといいたかないけど、可愛いやつだと思うですよ。こうした傾向は真由にもある。すごく素直ないい子。自分の欲求に素直で天真爛漫で、笑顔が最高で、明るくて、やさしくて、世話好きで、人好きのする性格で、過去の自分の行動振り返って反省したりする殊勝さなんかもすごくいい。

こんな具合に、素直であっけらかんとしたいい子たちが、真っ直ぐに向かいあって、わいわいとやっている。折々に協力してことにあたる、その時の楽しそうなところがすごくいい。時折見られる、厳しいつっこみ、駄目出しなども、効果的にアクセントをそえて、小気味よい。もう本当に楽しい。仲いいなあって思いながら読んでいます。あとヘンタイとの誉れも高い高坂先輩。彼女のリコを猫可愛がり、狸可愛がり? するところ、直情がすぎるところ、祐太を粗末に扱うところなどは、この漫画における酷さを一身に引き受けようとするかのようです。しかし、彼女が酷いといってもなんだか心地よい酷さとでもいったらいいのでしょうか、ナチュラルに祐太を袖にしたりするところなどそんな感じで、けどこの人も根は悪くないんですよね。ただリコに対する執着が強すぎるだけ、そのせいで他が目に入らないだけで。

こうした、個性的ないい子たちと、強烈に個性的なひとりの織り成す日常の風景がきらきらと輝くように楽しくて、私は毎号を楽しみに楽しみにして読んでいます。また、最近加わったリコのお師匠様。彼女もまた一癖二癖ありそうで、リコに、祐太に、漫画の展開に、いい刺激を与えてくれています。日々の出来事が描かれたかと思えば、祐太の願い叶えようと無茶するリコの嬉しくない頑張りなど、見せ場はほんとにいろいろあって、それがすごく面白くて、きっと私の今一番に気にいってる漫画って『PONG PONG PONG!』なんじゃないかなってくらいに好きになっています。

  • リサリサ『PONG PONG PONG!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年11月29日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年1月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年1月号、昨日の続きです。なんだかエネルギー切れをおこしたみたいでして、昼まで寝て、ご飯食べて、『キャラット』読んで、夜まで寝て、どこぞの狸のごとき堕落した生活を送っています。今日もだいたい同じ様子。いや、今日はちゃんと勉強もしたしアンケートも書いたしで、けど練習はできなかったな。こんな日だってあります。

『アイノテ』、ゲスト3回目です。これ、都会からきたお嬢さんが、友人つくって、携帯電話持ってっていう話だったんですね。で、アイノテっていうの、携帯電話の機種名、iNoteってわけだったんですね。この漫画、まだプロローグが終わったって感じですが、ここで終了ではちょっと惜しいなと思ってしまう、そんないい雰囲気があって、続いてくれたら嬉しいななんて思っています。

『Felice』、門瀬粗の新作です。主役は氷室凛。小柄で、男の子っぽくて、ちょっと粗雑? めちゃくちゃ可愛いヒロインです。Feliceってのは、イタリア語でしあわせ、でいいのかな? 喫茶店の名前。幼馴染みなのか、大地という男の子が側にいて、大地はFeliceのオーナー? であるみー姉の弟。で、ここに九条灯里という、ちょっと暴走系の女の子が加わって、凛を素敵な女の子にするんだそうです。作戦コードは「フェリーチェ」。そりゃいいんですが、私はこの粗暴で粗雑な娘が気にいってるんで、素敵な女の子になんてしてもらいたかないんですが……。

とかいいながら、きっと一筋縄ではいかないだろうってわかってるから、この先、すごく楽しみであるんですね。凛は凛らしくきっと突き進んでくれるに違いない。そういう予感に期待をふくらませているところです。

『かためで!』、こいつは驚きました。前回、帯刀は出落ちか一発ネタか、みたいなこといってましたが、今回はばっちり帯刀という文化のある世界をアピールして、ものすごく面白かったです。相変わらずナンセンスではあるのですけど、そのナンセンスをしっかりやろうっていうスタンスはすごくよいと思います。直刃と乱れ刃などという刀ネタがきたかと思えば、網棚置き忘れというよくあるネタもあって、しかしよくあるネタがすごくナンセンス。これは面白いです。まいりました。

『かんぱけ』、最終回です。最終回は、暖めていたプロットをすべて出したというような感じがあって、その力出し尽しましたっていう感じに、ちょっとほろりときた。もっとゆったりと長く見ていたかったといえば、まるでいさぎのよくない発言ですね。憧れの人に出会い、憧れの人に聞いてもらい、そして好きだったって告げることができた。そういった展開、理想といえば理想で、夢といえば夢、まるで甘い展開なのですが、こうしたものも悪くないって思う。まだまだこれからな彼女らですが、それでも終えるにあたって、ひとつの区切りがあったというのは、すごくよかったと思っています。

『アヤシげ?』。またなんか妖しいのが増えた! 見た目が怖くて、誤解されがちなお嬢さん。その子が妖怪、狐と一緒に特訓して、それでようやく人間の友達ができたと思ったところで、まさかの引っくり返し、やられました。この人の絵の雰囲気は、こうした妖怪ものやるには適してるかも知れない。そこに、ドタバタとしたコメディとちょっとほのぼのとした頑張る風景を加えて、いい感じであるなって思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第1号(2010年1月号)

2009年11月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年1月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年1月号、発売されました。表紙は『ひだまりスケッチ』、ゆのを中心に下級生ふたり、これは歩いてるところ? なんだか楽しげな雰囲気がいいですね。で、ちょっと思ったんだけど、表紙すみにいつも書かれてる一言、クリスマスが好きな人もキライな人もってあって、ああ、だから背景緑で制服赤なんだ! って、いや、それはないだろう。多分ないと思います。でも、背景がクリスマスイメージなのは間違いないと思います。

ひだまりスケッチ』は小論文がテーマになっていて、ああ、私もやったなあ。受験、推薦とかだと小論文があるからって、その対策でした。語尾をいいきるというのは、小論文、作文だけでなく、論文の作成においても注意されることの多いポイントですが、私はここでは意識的に思ったり考えたりするようにしています。字が人柄を表すというの、大学生の時分、私の字がらしくないと人からずいぶんいわれたものですが、つまり私はひどく猫かぶってたんだろうなあ。ひだまり荘の彼女らが、らしい字といわれるのは、それだけ互いに人間性が開かれているってことなのかもなって、そんなことを思ったりしたのでした。実体験を絡めて書いてみました。

『ラッキー・ブレイク』、実にいい感じです。どういう会社なのかわかってきて、そして入社早々大活躍と思われたヒロインでしたが、今回はそんなに社会は甘くないっていうことを実感させられる、実にいい揺り戻しであったと思います。頑張れる職場、頑張りたいと思える仕事、そういう素地がきちんと描かれて、ヒロインのモチベーションもきっちり伝わってくる。キャラクターも面白いけれど、仕事ものとしての面白さがよいなと思っています。

『チェルシー』。やっぱりこの人の絵は素晴しい。制服だとかっちりと描かれてるけど、先生のセーターとかやわらかそうで、生地風合いの違いもちゃんと伝わってくる。そして、色の鮮かさ。黄葉する銀杏並木。すごくきれい。で、俳句なんだけれど、テングザルの落ち、鼻がじゃま、ですね、あれはちょっと笑ってしまいました。いやね、以前どこだかの高校生がゴリラでこういうの書いて評価されてたよななんて思ったところに鼻がじゃまとくるんです。まったくの不意打ち。やられました。

『ねこみみぴんぐす』、まさか卓球場のあの人が帰ってくるとは思いませんでした。ろくでもない人。非常勤講師でも顧問とかやったりするの? この人の役にたつんだかたたないんだかわからないところが面白そうです。

『ほわほわクエスト』、ゲストです。謎の地図を手に入れた。で、冒険するのかと思ったら、なかなかそんな風にはならない。想像とか途中で出会った猫とか、興味のおもむくままに動いてしまうお嬢さんが、遅刻するまでの話だったわけだけど、このふわふわというかふにゃふにゃな彼女らを愛でる、そうした読み方が期待されるような、そんな漫画だったと思います。

『のんびりマスタリー』ってまだゲストなのか。犬に友人を紹介する、そのために、犬の名前が勘違いされる。このパターン、ちょっと面白かったです。いや、だって私も自然に勘違いしたので。で、まもるくんはその勘違いで、飼い犬に自分の名前がつけられたと思って、どんな感想もったんだろう。ちょっとショック。それとも嬉しかった? 実は犬になりたい? おもしろかったです。

うらバン!』、トロンボーンの娘さん登場。ちょっとセンスが独特の、強気けどどこかとぼけたお嬢さん、大変すばらしいです。しかし、この人が登場して、できることの幅が広がったっていうのは大変にいい感じ。活動予定がしっかりと組まれて、アンコン — 、アンサンブルコンテストも視野に入りました。でもさ、先生のいうボーンが入ったからアンコンいけるかな? って、それ、以前に吹奏楽コンクール出たくらいなんですから楽勝でしょう。そして、先生のひとりに対するコメント、あれ見ると描かれていない昨年の状況、いろいろ思ったりして、すごくいい感じ。顧問ひとり、部員ひとりで頑張ってたのかな。なんて思うんですね。『うらバン!』はこれまでも面白かったけれど、今回は今後への弾みをつける、そんな感じもあって、すごくよかったです。どうなるのだろう。その描かれるだろうこと、楽しみです。

と、ここでいったん中断します。続きはまた明日。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第1号(2010年1月号)

引用

  • まんがタイムきららキャラット』第6巻第1号(2010年1月号),1頁。
  • 都桜和「うらバン! — 浦和泉高等学校吹奏楽部」、同前,115頁。

2009年11月27日金曜日

『まんがタイムオリジナル』2010年1月号

『まんがタイムオリジナル』2010年1月号が発売です。表紙は『ラディカル・ホスピタル』の山下。ぱっと見、白衣かと思ったら実はそうじゃない。ああ、聖歌隊なのか。表紙のイラストは『タマさん』、『らいか・デイズ』、『マチルダ』とありますが、その全員が示し合わせたようにベレー被っていまして、いや、示し合わせたんだろうとは思いますけど、でも聖歌隊で発注したとしても、ベレーまで指定されるものなのかな。誰もの心に、聖歌隊といえばベレーというイメージがあるのかも知れませんね。

『トリセツなカテキョ』、ゲストです。クールな眼鏡美人、井原先輩に17点のテストを見られてしまったのがきっかけで、個人指導を受けることになってしまったラッキー少年、春吉が主人公の漫画。井原先輩いわく、留年者が出たレベルの高校と人から思われたくないかららしい。その動機にいまいち共感できないのだけど、続くのなら馴染めるかな、いやどうだろう。そんな印象でした。

開運貴婦人マダム・パープル』、「不幸な流派」でありますが、足相といっていいかはわかんないんだけど、足で占ってくれるところは実際にあるんですよ。それは、神楽坂治療院。東京は新宿区神楽坂にて開院しているこの足つぼ治療院、足つぼマッサージもさることながら、その足でもって占ってくれるっていうサービス? が好評だったりするのだそうですよ。私も以前いったことがあって、それは確か『ラブリー』で連載されてた浜口乃理子の『のんコレクション』で見て知ってだったと思うのだけど、なかなかに面白い体験でした。などと、懐しいことを思い出しました。

L16』、最終回です。ある意味、思ったとおりの展開。上司同伴はなかったけれど、向こうの社長が出てきて、そして千本姉弟はやっぱり食い込めませんでした。姉妹ふたりで充足している漫画。姉妹ふたりで充足して完結して、このふたりの関係が変わりゆきつつも、変わらぬままであったところが、とりわけよかったなと思っています。

そこぬけRPG』、合コンが成立したのはいいけれど、やっぱりというか案の定というか、酷いことになってますね。そんな中、55cm藤崎さんが可愛くて可愛くて、いや、あの前髪斜めカット、まさか言及がはいるとは思わなかった。あれやっぱり変ですよね。でも、藤崎さんに関しては、とてもキュートだと思う。いや、今回はキュートな藤崎さんを楽しむ回であったと思います。

『アトリエZOOへようこそ!』、扉のホワイトロリータ、素晴しいな。おんなのみりきは三十こえてかららよ? いや、本当素晴しい。あの失笑の表情の美しさ。素晴しいです。しかし、夢や希望を商売にしながら、夢も希望もない会話してるっていうのね、めちゃくちゃ面白くて、ちょっとした開き直り。そう、女性の魅力を決定づけるのは、開き直りの有無だと思います。開き直った女性は素敵だ。だもんだから、あの担当氏を辱める電話トーク、もう最高でした。

『極限ラボ』、ゲストです。落書きみたいなロボットが酷い目にあう漫画です。ちょっとナンセンスな雰囲気。妹ロボの方が出来がいいとか、それで物騒とか、面白いのだけど、意外と個性的ではないとも思いました。あと2回続きますが、それでどんな風になるのかな。期待を超えるものがきたらいいなあと思います。

『マチルダ! — 異文化交流記』。ついに学校へいくことになって、ということはあやとマチルダ以外の登場人物も出るんでしょうか。多分、あやがマチルダに困らされるというパターンは変わらないと思いますが、そこにあや以外の視点、思惑がかかわってくるとどうなるんだろう。ちょっと楽しみです。

『今日から寺バイト』、奥さんが可愛い。奥さんがとろんとして色っぽい。内容はというと、葬儀にかかわる仕事の事情を、きちんきちんと描いていく、そんな感じであるのだけど、キャラクターの雰囲気、そして見せ方が印象を変えてくれるから、読んでいて楽しいのかな、そんな感じです。しかし、奥さんが寺の娘でしっかりしてるというのに、なんで弟はあんなに駄目なんだろう。いや、弟が駄目だから、あの旦那に期待がのっかったわけか。なるほど。がてんがいった感じです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第29巻第1号(2010年1月号)

2009年11月26日木曜日

最後のニュース

 デアゴスティーニのCD付きマガジン『青春のうたベスト・コレクション』、第100号が刊行されて、これにて完結しました。隔週で100号。創刊は2006年1月31日、ほぼ4年をかけたわけですね。その4年という時間、思わぬこともありました。このシリーズの監修者加藤和彦氏が亡くなりました。その前には忌野清志郎氏が亡くなって、そして最終号に収録の『最後のニュース』、『筑紫哲也NEWS23』のエンディングテーマ曲。井上陽水にこれを依頼した筑紫哲也氏も亡くなりましたね。この数年、たくさんの人が亡くなって、ああ、鈴木ヒロミツもそうか。すべての人の命には限りがあって、それはわかってる。わかっているけど、こうして偲べば切なさに胸がしめつけられます。

先月だったか、NHKで数日にわたって井上陽水が特集されていたことがあって、そこで歌われた『最後のニュース』。いつ聴いても、なんど聴いても印象的で、胸に切々とうったえるものがあって、そして昨夜、また同様にNHK、Songsで井上陽水が歌っていました。そのうちの一曲が『最後のニュース』。筑紫哲也についても触れられて、そして歌唱。ああ、いい歌だあなって、やっぱりそう思ったのでした。

この歌は、井上陽水の歌い方、彼独特の表現もよいのですが、その歌詞にあらわれる陽水の社会に対する視線が力強く素晴しいのです。歌の生まれた当時の問題意識を如実に反映しつつ、そして同時に事件やできごとを受け止める私たちの意識までも写し取ろうとするかのような歌詞です。この地上におこっているできごとを、ただただ見つめ、しかしその視点に同化していない。一種超然とした位置にあって、できごとに向き合っている自分さえも観察しているような、そうした乾いた感覚があるのに、同時に夢見るような感性を匂わせて、ああ、素敵であるなと思うのです。自分の問題意識の希薄であることに苦しさ覚えながら、この世界の断片を眺めるような、映像が生々しく広がるかのような感覚に酔います。

そして、今あなたにGood-Night、ただあなたにGood-Bye。世界に向けられていた意識が、突然の語り掛けにはっと正気に引き戻されて、ああ私はいつもの現実に生きている — 、深く感じ入って、そして世界の大きさ、そこで起こっていることの遠さを一層強く思わされるのでした。しかし、たとえ遠くとも、それは私の現実に地続きなのだな、そうした感覚をともに思わされるのでした。

DVD

引用

  • 井上陽水『最後のニュース

2009年11月25日水曜日

『月刊アフタヌーン』2010年1月号

 『月刊アフタヌーン』2010年1月号が発売されました。表紙は漆原友紀の新作『水域』がきて、水に漬かった木に腰掛ける少女のイラスト。実は私は『蟲師』を読んだことがないので、この人の作風ってあまりよくわかっていないのですが、『水域』第1話を読んだ感触は悪くないなって。まだ序盤も序盤、1話ラストにいたってようやく物語が動き出したか? あるいは状況がわかるかなというような雰囲気。次回以降、続けて読んで、それでわかっていくのかなあ。好きになれるといいなと思っています。

『ヴィンランド・サガ』、実は結構好みっぽくて、わからないながらも楽しみに読んではいるのですが、なにぶん最初の方を全然読んでないので、ちっとも状況がわかりません。既刊に手を出せばいいんでしょうけど、8巻かあ。どうしようかな、すごく迷いながら、とりあえず連載を読んでいます。いやね、今月なんか、トルフィンがすっかり気力なくしてるかと思っていたのに、用心棒の頭領についと誘われて、本気を出してしまった。あの周囲の驚く様子とか、いいなあって思って読んだわけですよ。わかるわからないを度外視して、まず読むものをよくひきつける。そして楽しませる。うまいなあ、いい漫画だなって思っています。

百舌谷さん逆上する』、なんだか表紙が大変なことに。誰!? と思って、あおりで理解して、今はやりの女装男子!? 一発ネタ? かと思ったら、おおいに本編に関係してきた。素晴しいな。この馬鹿といえば馬鹿、ろくでもないといえばそのとおりなんですが、しかししっかりと見せ場用意して、千鶴が仕掛けた罠が発動しても、それがなんだか充分に予見された演出であるかのような有り様。きりりとして立派、というか、なんでそんなにしてやったりって感じに得意気なんだ竜田は。あれは笑わないではおられません。

と、そうした馬鹿な展開を見せ付けながら、その合間に、竜田と勇次郎が邂逅。竜田が勇次郎のおかれた状況を理解して、助け船を出す。なんだよー、竜田、すげーいいやつじゃんよー。今回は、本当に竜田の見せ場が多かった。そして百舌谷さんにもスポットライトは当たって、韮沢さん、珠ちゃんの妹ですよね、彼女の百舌谷さんを慮った行動、落ち着いたその態度にじんとさせられて、そして本当に嬉しかったのだろう百舌谷さんのその後の行動にまたじんとさせられて、しかしこうした仕合せな光景、見るほどに不安もまたつのるのですね。この吊り下げられた感覚、たまらないです。

いもうとデイズ』は、お母さんがたの衝突が派手に盛り上がって、けど仲悪いのに、険悪になりきらない。そういうところ、ちょっといいなと思って、そしてセーラー服に憧れてるディアナが可愛くて、ほんと、罪のない感じで、すごくいい。罪のないといえば、純情ホスト。彼はとてもいいなと思います。純朴で、人がよくて、すごく真面目。すごくいい。ディアナの成長に戸惑って、きっと兄さんとしては、ずっと小さい可愛い妹でいて欲しかったんだろうなって、そんな感じ。すごくよい。この兄さん、大好きです。それから、石田さんのお母さん、大好きです。

2009年11月24日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2010年1月号が発売です。表紙は『トランジスタティーセット — 電気街路図』。いや、この表紙、実にいい感じだと思います。いや、別に見上げ構図がいいっていっているわけじゃなくて、メイドさんみどりのちょっと驚いたという表情もよければ、あの、袖やリボンの質感も印象的で、ぱっと目もひけば、動きも感じられる、いいイラストだなあと思える表紙であるのですね。メイドの衣装、布が沢山というのもよいのかも知れません。もともと布のひらめく感じが好きといっている私です。この表紙がよいと思うのも当然なのかも知れません。

『空色スクエア。』、文香の田舎に戻ってきた理由というのがはっきりと明かされました。作りもので取り替え可能な存在としての自分。どんどん本当の自分とかけはなれていく、そうした状況に耐えられなくなって戻ってきたと告げられて、そうか、これでようやくもうひとりのヒロイン深雪との対比がなりました。ふたりともに、本当の自分を失っているっていうのですね。片やふくれあがる虚像がために見失って、片や記憶もろともに失ってしまったという、その自分自身を見付けて欲しいと願う、そうしたところがテーマであるのでしょうか。虚勢やごまかしをとりはらった文香、そのニュートラルな表情、こちらを見つめる素朴な視線はいじらしいと思えて、ああこうしたふたりに修一は挟まれるというのか。

状況がはっきりとしてきて、読み手としても、それでどうなる? とのめり込むような感覚になって、これはいい緊張をはらんだ状況であると思います。でも、正直、私は、あんまり修一くんのこと期待してないよ?

さて、表紙で触れた『トランジスタティーセット — 電気街路図』でありますが、本編、エミ太くんが素晴しいな、というのは置いておいて、アフレコレポートのとりしらべ室って本当なんでしょうか。お疲れさまです……。

『キスメグルセカイ』、新連載です。勇気を出して先輩に告白した女の子、めぐるが平行世界を渡っていくという話のようです。行き着く世界は、めぐるのもともといた世界に近似しつつも確かに違う。けれど、その世界世界にいるめぐるの思い人環先輩が彼女を助けてくれるだろう。ちょっとロマンティック、すこしふしぎ、な話です。

『少女素数』。パパが帰ってくる! で、今回はサイレント展開? と思ったら、途中からトーキーになりました。ちょっと着せ替え風味もあって、パパをお迎えするためにおめかし、そんな様子がなかなかによかったのでした。でも、私の一番気にいったのは、文句いいながらじゃが芋の皮剥きするあんずでした。素朴で、所帯じみてて、とても魅力的だと思います。あの、エプロンの大きな木のボタンがかわいいですよね。でもって、鉈。

据次タカシの憂鬱』がなんだかシリアス展開? いや、いい感じだと思う。いつもは意図しない誤解に振り回されて、結構な酷い目にあってしまうタカシを暖かく見守ろうというこの漫画が、今回はなんか、誤解ではあるものの、結構いい感じに進んで、よかったじゃん、タカシ。むくわれたじゃん。と、思わず拍手喝采です。いや、タカシは憎めないいい奴です。たまにはいい事あってもいいじゃないかって思うんですね。

『わたしたちは皆おっぱい』、ゲストです。っていうか、すごいタイトルだな。ちょっと怖い雰囲気がチャームポイントのヒロイン、鎌上さんの秘密は、おっぱい大好きということだ、そうです。クラスの女子のおっぱいを触りたい、そうした思いはつのるばかり、あまりに思い詰めるものだから、視線は自然するどく研ぎ澄まされて、その雰囲気が周囲に人を寄せ付けないときた。しかし、そんな彼女に転機が訪れます。転校してきた女の子、野原紗彩と親しくなった。しかも、おっぱいの大きな女子ときた。もりあがる鎌上さん。しかし秘密を知られたら、変態と思われるかも知れない。葛藤する彼女。なんかすごいよね。

基本的には、自分の本心が明らかになることで友人が離れるかも知れない、そうしたテーマのバリエーションであるのですが、あまりにおっぱいおっぱいいうもんだから、なんだかなあって思っちゃいまして、けど面白かったです。思い詰める鎌上さん、至福の鎌上さん、そしてハッピーエンドの鎌上さん。それぞれの表情、とてもよかったと思っています。馬鹿馬鹿しいなかに、不安に揺れる気持ちとかうかがえて、そのギャップ込みで面白かったです。

銘高祭!』、終わりました。のっけから桐原の引導わたされるシーンがきて、正直ちょっと驚きました。前回で彼の落胆は語られた、そう思ったのに、駄目押し!? と、その後にみちえとたけるふたりだけの後夜祭とでもいったらよいのでしょうか、祭の終わった後のさみしさと、けれどそれでも確実に残るだろうことの語られるシーン、ああ、やっぱりこれは思い出の物語でもあったのだ。とてもよかった。ノスタルジー感じさせる、味わいのある漫画でした。

2009年11月23日月曜日

CASIO GZ-5

 和声の勉強、がんばってますよ、なんて自分でいうのもおこがましいですけど、いまさらの復習。しかし、これ久しぶりに触れると面白いんですね。今のところ、まだ入り口も入り口、基本も基本ってところをやっているんですが、あまりにも基本すぎて、使用可能な和音が少なすぎ。進行が束縛されて、ああ、ここであれを使いたいのに! みたいに思うのもまたちょっとした楽しさです。そして、進めるごとに思い出される昔のこと。和声を教えてくださった先生のアドバイス、あれは今も役にたつなあ。やっぱり習うっていうことは素晴しい。すごく感謝しています。

でもって、今はただただ課題を実施しているわけですけれど、今はまあ簡単だから音も出さずに、楽譜、五線紙上で視覚的に取り組んでいるわけですけど、でもできれば音を出していきたいなあと思っているんですね。ピアノを使えばいいんだけど、もう長く調律してないし、ものに埋もれてるしで、ちょっと使いにくい。キーボードも持ってるのですが、RolandのPC-180というやつ、しかしこれシンプルな入力用キーボードで単体では音が出ません。音を出そうと思えばMIDI音源、うちにあるのはRoland SC-88VLですが、こいつに繋いで、しかもこれにスピーカーないしはヘッドホンを繋ぐ必要があって、あまりに面倒くさすぎる。もっとね、書き物机のうえにちょんとのせて、課題を実施しつつちょこちょこ確認できるようなのが欲しいなあ。なんて思ったんです。

欲しいのは小型キーボード。小さくて、使い回しのよいものがいい。加えて安いのがいい。この安さに重点を置くと、そう、貧乏人の味方、CASIOですよ。CASIOの出してるキーボードを調べたら、SA-45という32鍵キーボードがありました。しかも三千円程度で買えます。素晴しいな、さすがCASIOだと思ったのですが、これに加えてさらに調べたらGZ-5というさらに小さなキーボードがあることがわかりました。両者ともに4音ポリ発音。もう少し欲しいというのが本音ですが、でも和声の確認なら4音出れば用は足ります。四声体だし。で、小ささでいえばGZ-5。音色はSA-45が100音色、GZ-5が10音色だけど、音が鳴りゃいいんだから、こんなのどっちでもいい。どっちにも素直なオルガンっぽいのはあるだろうし。で、GZ-5にはMIDI端子が付いてるんですね。そうか、MIDI出力も可能なのか。ベロシティには対応してないみたいだけど、しかも結構大味なスイッチらしいけれど、でもなにかのトリガーに使うとかいうような用途なら充分使えるかも。まあ、おまけとしての使い道がありますよという、これは魅力かもなあと思ったりしたんですね。で、値段も安く、だいたい五千円くらい。重量600グラムで、電池でも稼動します。

てなわけで、どうしたものかなと思っています。今はまだ楽勝で実施している和声だけど、いずれ音を確認しながらやりたいと思うこともあるだろう。買っとこうかな、どうしようかな。迷っているわけです。