2009年11月10日火曜日

RICOH GXR

  全然情報を追っていなかったので、いきなり知って、ちょっと驚いているのですが、RICOHが新しいデジタルカメラをリリースしたんですね。GXR、レンズ交換式であるのですが、面白いのが撮像素子がボディにではなく、レンズについてるっていうところ。レンズが交換できるといえば、一眼にせよ二眼にせよ、ボディに撮像素子が格納されているというのが当然、常識であったのですが、考えればレンズに内蔵してもいいよなあ。フィルムと違って巻き上げ機構いらないんだから。そして、私はちょっとこのカメラに興味を持っています。それはGR DIGITAL出してるRICOHのカメラだから、ということもありますが、けれどそれだけではないのですよ。

レンズユニット交換式というアイデアが面白いからという理由でもありません。このカメラに興味を持っている理由、それは、レンズです。標準レンズ、35mm換算で50mmという画角、それが私に訴えるのです。以前、GR DIGITALを買おうという時に、最後まで迷わせたのが画角でした。

GR DIGITALの画角、28mmというのが私の好みにあわなかったのです。私の好み、それはシンプルであること。操作が簡単でちゃんと写る。ズームは嫌い。歪みが酷いし、面倒くさい。だから単焦点がいい。ここまでならGRでばっちりですよね。でも、私の好きな画角は標準レンズ、50mmなんです。素直な写り、パースペクティブの強調も圧縮もない、見たままに近い絵が撮れる。やっぱ、カメラは50mmだろうよ。といったわけで、銀塩時代は、24-85mmのズームレンズも持ってたのに、もっぱら55mm F1.7のマニュアル古カメラを愛用していて、だってそっちのほうが自然で素直で好きだったんだもの。例えばそれはこんな感じに撮れて、イタリアにいった時の写真。

Duomo di Milano, Italia

ミラノのドゥオモですね。ゴシック建築の、天に向かうかのごとき尖塔。それらがぴしっと真っ直ぐ立っている。この非常に素直に、ありのまま写してくれる、そうした描写が好きなんです。その自然な様が好きなんですね。

とはいうものの、GXR、ちょっと簡単に買ってしまうには高くてですね、ボディが五万円くらい。まあ、それはいいです。問題はレンズかと。50mmは七万五千円といったところで、ああ、やっぱりいい値段するなあ。それだけの価値のあるレンズなんだろうと思いますし、実際高品位なレンズで七万って安いと思うんですけど、けれどそれだけの予算をぱっと工面するというのは難しく、だからやっぱりちょっと迷ってしまうんですね。魅力的なんですけどね。

ところで、GXRのレンズユニットですが、これ、レンズに限らずつくようで、GPSやプロジェクター、ストレージ(HDD)、プリンター、ファイバースコープ、ワイヤレスなどが例として展示されたんだそうです。ファイバースコープユニットは、過去にちょっとなかったと思えるもので、こういうのが出てくるところ、普通のレンズ交換式カメラではありません。可能性を感じさせてくれて、面白いなと思ってしまうんですね。

引用

2009年11月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2009年12月号

本来はここに書くことではないのですが、感動が薄れないうちに書いておきたい。ええと、『ふわふわ時間』のハスキー唯バージョンが当たりました。正直なところを申しますと、アニメ『けいおん!』Blu-ray Disc第1巻が初動で3万3千だかを売り上げたと聴いた時に、ああ、これは駄目だ。はずれたなって覚悟した。実際、抽選の様子、会議机にうわっと積み重なっている端書を見て、ああ、こりゃ駄目だと思った人は多いのではないかと思いますが、私もそのひとりでありまして、これは期待しない方がいいと思っていたら、当たった。今日、届いてた。なんということでしょう、神さまに感謝します。といったわけで、『まんがタイムきらら』12月号、本日発売。『けいおん!』、唯と澪のふたりが映える表紙であります。

そして『けいおん!』本編は学園祭に突入して、このあたりの着々と進行するところ、流石ですね。いやね、実はためを作るんじゃないかなって、今回は学園祭の演奏直前で止めて、それで次号ステージの幕が上がる! みたいなのをやるんじゃないかと思ったら、いやいや、普通に進行して、クラスでやる演劇の舞台も描いて、先輩がこないことを心配する梓の心境も描いて、そして恒例の前日泊まり込みからステージ、そして終演までを一回でやってしまった。おおう、すごいな。これ一回でやるなんてもったいないとか思ってしまうのは、私が貧乏性だから? 実際、今回は3年生にとってはこれまでの集大成であり、漫画にとっても堂々のクライマックスであったと思います。

みんな、すごく表情が豊かでね、本当によかったのですよ。いい回だったなあ、と思うのだけど、気を抜くと最終回? みたいに勘違いしてしまいそうです。ほんとう、いい回でした。

ゆゆ式』。タオルを顔にあてて感じる人ん家のにおい。ああ、人の家のにおいってありますね。友達の家にあがるたび、その家のにおいを感じるんだけど、それが気にならなくなったら、親しさも深まった証拠。そんな風に思ったり。いやね、昔の話。そして話は、昔の唯、縁の回想になって、友達をうちに呼ぶ、恥ずかしい、その気持ちわかります。それも、いいとこのお嬢さんだと思っていたならなおのこと。でも、いいとこのお嬢さんは人ん家でタオルケットかぶったりはしないような気が……。こういう子供時代のエピソードみたいなの、なんだかいいですね。実はこういうの大好きです。

ふおんコネクト!』、こいつは驚きました。これ、正規の設定ってことでいいのん? なんだか謎めいた雰囲気もってる夕姉さんでしたけど、こんな設定だったのか。正直驚いて、謎めいたどころの騒ぎじゃない。ほんとにこれなのか。ちょっと錯乱しそうなくらい驚いて、へー、ほー、うーん、話としては面白いけれど、『ふおんコネクト!』は現実と非現実の端境くらいを突く漫画なんだと思ってたら、思いっきり非現実に踏み込んでいく、すこし不思議どころではない、もうまったくもってしっかりと不思議。そんな世界であったのかと、いや、もう、驚きました。でも、その思い切った設定。いや、思い切ったとか、私が思ってるだけなんですけど、これはこれで悪くはないなって感じ。話自体もよくできてたと思います。ただ、驚いた。驚いただけです。

『PONG PONG PONG!』。えらいこと面白かったです。またも暴走するたぬき。後始末する祐太。けど、なかなかに悪くない展開じゃん。いい感じじゃんかとわくわくしました。なんだかこの人の描くお嬢さん、可愛いんですが、荷物運んでた子さん、水ぶちまけられた子さん、コピー機つまらせた子さんに、ポスターボロボロにされた子さんふたり、そして蛍光灯替える子さん。わお、みんな可愛いな。そんな子たちと祐太は自然に知り合っていって、ああこれは下心なんてなしに、無我夢中で、困ってる人、まあ発端は祐太といってもいいんでしょうが、大変なことになってる人を助けようとした、その姿勢がきっとよかったんでしょうな。でもって、好青年度をプラスした祐太、しかしなぜか人をいらつかせるらしい。なんでなんだ。身についてないからなのか? 不憫よな、祐太。しかし、あの状況でモテてるわけじゃないっていう、そのくだりが一番不憫だったと思います。

そうか、ああいうのは便利に使われてるだけなのか。そうか、今、我が身を振り返った気がするよ……。

表紙、図案きてますね。これに色がつくんでしょうか。こうして見ると、たぬき、思ったよりも大きくて、けど可愛いなあ。こんな美少女に手をつないでもらってるだけで、もう充分人生いききったといっていいんじゃないか、祐太よ。それ以上は贅沢ってもんだと思うぜ?

『つかえて!コハル』、MAXからゲストだそうです。そうか、ゲストだったのか。普通に読んでしまってました。しかし、今回面白い。雨の日。忘れられる傘。ずぶぬれ。粗忽もののせいでずぶぬれが伝染して、しかし笑いごとじゃないっすね。この状況が悪化するところ、笑いごとじゃないといいながら、すごく面白かったです。うん、こはるは粗忽もんなんですね。そういう表現がすごくしっくりくる娘だと思います。

三者三葉』は、体育が苦手な葉山先生の話から。いやね、ほんと、運動が苦手なものにとって、体育とかいうのは鬼門も鬼門。実技系ですからね、やりすごせない。無理矢理に参加させられる。もう、嫌いだった。けど、葉山先生ほどではありませんでした。もしあそこまでいったら、とりあえず授業参加拒否するだろうなあ。そして話は葉山と西山の対決、猫写真の可愛さで競おうという、そんな方向に動いて、しかし葉山ちゃんの…しねぇ…、えらい物騒だなって、最初読んだ時、えらいこと驚きました。しかし、ふたり、こんなにも趣味があうのなら、いっそ友達になっちゃえばいいのに。

こどもすまいる!』、きっと、おつかれさまです、で見送ろうと思った最終話。将来の夢はなにという話、こどもたちに聞いて、絵にしてもらっての、そうした流れはまさに王道であるといってもいい、そうしたものであったのだけれど、それゆえに決まるとがつんときますね。登場人物の紹介、毎回のお題、今回はおつかれさま、それ一色で、だんだんに最後に向けて話を持ち上げていって、そこであの絵が開く。ああ、いい話でした。これまで読んできて、楽しいなと思ってきた。それを最後をこう閉じて、ああ、この先生はむくわれているのだな。そう思えて、やっぱりおつかれさまでした、そういいたい。そんな話。ちょっとほろりときちゃいました。

『まいにちアップデート』。これ、好きです。志信が漫画にはまって、それで今回は絵を描いてみせて、そうしたらそれが結構うまかった。ノエリアさんが気にいって、そのいきおいでWebに公開しようということになって、なんだかほうけた娘、そんな印象だった志信の世界がだんだんに変わっていく。ああ、これはよいよ。素晴しいね。そう思いました。そして、志信がこうした世界に踏み込むきっかけとなった兄、彼がちょっと関わってきて、ああ、この展開、ベタといえばベタだろうけど、いいよね。そう思える。なんか、楽しいぞって、そんな感じにわくわくしています。

ところで、どうでもいいけど、サイトやBlogというのは反応を求めてやるものじゃない。これは、真っ暗な井戸の底に向かって叫んでいるのと同じなんだ。ただ井戸なら反響が返ってくるだろうけど、インターネットは底が見えないから、なにも返ってこないのね。それが私のインターネット観。だからこそ反響するなにかに出会えると、嬉しくなっちまうんでしょうね。志信の喜び、すごくよくわかるんですよ。

『境界線上のリンボ』、とてもよかった。アポジーさん、月の人だったのか。しかも、本当に月にいく。その月の描写、静かで、暗くて、ファンタジーと科学的のいりまじる感覚、ちょっとしびれちゃいましたよ。そして帰還。いや、今回、すごく素晴しかったです。これはちょっと、ほんと、いいなあ。この漫画における世界の広がり、それがものすごくて、雄弁でした。

『涼宿チェックイン!』、登場人物が増えて、人見知りの女の子、チカゲ、旅館で働くことになった。その娘さんとうちとけていく、その感触は実際いいなと。こうしてキャラクターの個性が細かく描写されることで、より近付いていくと感じられる。そのだんだんに親密になっていく感覚、チカゲの感じているものを、読者である私も近しく得ている、そんな感じもして、読んでいて悪くなかったです。

『天狗ちゃんとあととり娘』。神社の娘、蛍が神社に祀られている天狗さま、ちっちゃい美少女、ひよを連れて外に遊びに出ていく。それだけのことといえばそれだけのこと。けれど、ただ公園で遊ぶ、そうしたところに面白さ、ひよが感じているだろう楽しさ、わくわく感ですかね、それがあらわれていて、よかったです。そして、真面目な娘、若葉とひよの距離がちょっと近付いて、なんかこの距離感に戸惑いながら近しくありたいと思う、そうした心情の描写、よいなあって思えて、面白かったです。

『ハッピーホームベーカリー』、この漫画もキャラクターが動いてきて、悪くない感じです。パン屋の娘なのに、パン焼くのは苦手、けどカレーなんかは得意っていうアキラ。けっこう皮肉屋だったりする彼女ですが、それをまったく受け付けず、素直に素直に反応するユエ。いい感じじゃんかと思うわけですよ。そして、猫を拾う。ただ拾うだけじゃなくて、ちょっとすっとぼけた落ちもつけて、こういうところもよいなあと思います。ちょっとゲスト、いい感じと思うのが多くて楽しいです。

そしてMy Private D☆V。『おまもりんごさん』のmsの描く、セーラー、カーデ、タイツの女の子。このちょっともったりとした、垢抜けないんだけど、そのほわっとした質感、すごくいいなと思います。実際、スカートは短いよりも膝下くらいのが魅力的。それは本当です。いや、このイラスト、すごくよいですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 荒井チェリー「三者三葉」,『まんがタイムきらら』第7巻第12号(2009年12月号),99頁。

2009年11月8日日曜日

BAYONETTA

 発売前から話題になっていた『BAYONETTA』。Xbox 360とPlayStation 3向けのアクションゲームなのですが、眼鏡黒髪長身の美女が敵を華麗に倒す。コンボを繋げ次々と攻撃を叩き込む爽快感を売りにしているのですが、実際プレイしてみれば楽しくて、敵の攻撃を紙一重で避ければ、自分以外の時間がスローに流れるようになるから、止まってるような遅さの敵にコンボ叩き込み、魔力が貯まれば拷問攻撃だ! って、それ拷問じゃなくて処刑だから。ギロチンなんてどう考えても拷問用の器具じゃないから。といった具合に、ちょっと過激な演出も魅力のうちなんですね。というわけで、『BAYONETTA』買っています。それも、ちょっとケチの付いたPlayStation 3版を買ってます。

ケチの付いたってどういうことかといいますと、『BAYONETTA』はもともとXbox 360向けに作られていたのだそうでして、それを移植するというかたちでPlayStation 3版がリリースされた。でも、その出来の具合がちょっと違うという話で、画質においても、また快適性においてもXbox 360版が上回るんですってよ。私は発売前にこの情報を知って、正直どうしようかな、見送ろうかなとも思ったんですが、それでもまあいいかと思って買った。どうせ自分は眼鏡のセクシーお姉さんを見たくて買うんだから、多少の劣化には目をつぶろう。まあ、ちょっとした賭けをしましてね、発売前日に予約して、予約特典を入手できるようなら買おうと。そうしたら、普通に買えちゃったっていうね。なんだ、熱狂してたのはネット上だけなのか。

プレイしてみて、面白かったですよ。事前にデモ版もプレイしていて、ベヨネッタがあんまりにイカしてたものだから、これは欲しいなって思ったわけで、だからベヨネッタの魅力に関してはオッケー、ノープロブレムです。けど問題は別のところにあって、いやあ、ロードが長いね。デモ版はハードディスクにインストールしているわけですが、それでも若干ロード時間をとります。それが、製品版はハードディスクへのインストール機能がなくってですね、そのせいで長い長い。武器やアイテムの切り替えにサブ画面に切り替えようとしたら結構ロードする。面倒くさいので、よほどのことがない限り力押しするかって感じになる。ステージ途中にアイテム買えるショップの入り口が出現。体力回復アイテムを買えるだけ買って、店から出て、回復後、アイテム補充のためにまた店に入る。その出入りがめちゃくちゃ長い。せめて店の中でアイテムが使えたら。そう思ったんだけど、どうもそれは無理みたい。だから、その後の展開を有利にしよう、つまり体力を全快しつつ、アイテムも確保したいなら、2回にわたる出入り、長いロードを我慢するしかない。

ロード時間さえ短縮されれば、きっともっと遊びやすいのに。本当に残念と思われます。

と、これはPlayStation 3版の話です。Xbox 360版はインストール可能なんだそうでして、だからロードも短いらしいですよ。そうかあ、両機種持ってるって人は、迷わずXbox 360版を選ぶべきだと思う。実際、逆はありえないらしい。聞いた話によれば、Xbox 360版のロード時間は1/2から1/3くらいに短かくて、稼ぎにおいても差が出るらしく、70万以上の差が出たそうで。それから、もっさり感がないんだって。その人は、買いなおすっていってました。そうかあ、ゲームを十全に楽しみたいというなら、買いなおしも選択肢に入るかあ。それほどに違うとその人はいっていたんですね。

そう、買いなおしてでも快適にプレイしたいと思わせるくらいに、面白いんです。巷では、ボリュームがないとかいう話も出ています。実プレイ時間は3時間ほどだとか、そういう話もありますが、それはその人が上手いだけですから。私は、ノーマルのクリアに、発売日購入で、今日までかかりましたよ。もちろんムービー見てる時間もあるんだけど、ひとつ章をクリアするのに三十分から四十分くらいかかるんです。死んでコンティニューした場合、巻き戻される分の時間が消えるから、記録はちょっと短くなるのかな? へたしたら一時間以上やってようやくクリアとかかも知れません。で、もういい加減いやになったって思いながらようやくクリアして、けれどそうした大変さはプレイを繰り返すごとになくなっていって、慣れれば章あたり十分くらいでクリアできるようになったりする。ネットに繋がる環境があればランキングの参照もできるんですが、6分台の人とかいますもんね。どうやったらそんな速度が出るんだ。はじめて見た時にはたまげましたが、破壊可能オブジェクトを無視して、敵の殲滅に集中すれば不可能な時間ではないなという感じ。こんな具合に、タイムアタックしてみたり、あるいはコンボを繋いで高ポイントを叩き出す、スコアアタックしてみたり、クリア後にこそ楽しみはあると思えるゲームであるのです。だから、実際、繰り返し繰り返し遊んで、敵の動きが、なにもしないでも止まって見えるようになってからが勝負なのかも。そうなれば、もうめちゃくちゃ面白いだろうなあ。攻撃を回避しつつコンボを途切れさせないで、敵をばんばん始末していく。私はまだまだですね。まだまだそこまでには至っていません。

繰り返しプレイして、最短解が見えるようになってきたら、ショップも利用する必要なくなるし、アイテム使えばポイント減りますからね。こんな具合ですから、ロードが長い、コンティニューする時にもあんなに待たされるなんて、というような文句も出なくなるんじゃないかと思います。死んだら、ポイント減らされますからね。

とりあえずハードをプレイしてみて、自分の至らなさを思いっきり自覚させられて、だからまだまだ修行ですね。でも、あんまり遊んでる時間ないんだけどな。ほんと、贅沢な悩みですよ。

Xbox 360

PLAYSTATION 3

CD

2009年11月7日土曜日

『まんがタイム』2009年12月号

『まんがタイム』12月号が発売です。表紙中央には温泉卓球するおとぼけ課長が大きくあって、やっぱり冬は温泉というのが定番であるのでしょう。今日は立冬です。いよいよ冬となって、ああ寒くつらく寂しい季節であります。ですが私は冬生まれ。冬は嫌いではない。冬枯れの木立、吹き抜ける冷たい風。そうした景色は、寒々として凛々しく、空を見上げれば美しいと思う。空虚な胸を慰撫してくれる、そんな昔の思い出が今は少し懐かしいです。

タマさん』はスケートの話。このふるるの父、先生の氷の上に立てなくなっててショック受けるというの、以前私も同じようなこと経験して、いや、本当にショックなもんなんです。スケートというのは、日常使わない筋肉を使うもので、だから普段運動してない人は立てなくなるんですね。いや、あれはショックでした。もうちょっとましに滑れるもんだと思ったから、あれは本当にショックでした。

天子様が来る!』、意外に交渉術に長けた天子様。ってのはいいとして、まりもを丸めるバイトなんて本当にあるんですか。北海道土産の定番、あのまりもっぽいのが入った小瓶。あれはまりもじゃないって聞くけれど……、ということはつまり……。知りません。そんな話は知りません。

『おかんでGO!!』が最終回を迎えました。私はちょっと大阪のおかん的ステレオタイプは苦手なので、この漫画には微妙に踏み込めないところもあったのですが、けれど今号でいえば「勢い」のような話は嫌いじゃない、つまり好きだったりしたものでした。次号には新作もあるそうです。どういうのがくるのか、それはちょっと楽しみに思います。

おはよ♪』、最終回です。こちらは子供たちがメインなんですね。森君が沖縄へ引っ越していって、そして言葉少ななハガキを貰って、そうした光景は確かにあった。けど、大抵は自然消滅してしまうんですけどね。そして美咲が八嶋をちょっと意識して、けれどこれでおしまい。これから先はなくて、このあたりは小学生の微恋愛ものとしてのらしさなのかも知れません。

『わさんぼん』。なかなかに面白いじゃないですか。和菓子だといっても、伝統に胡座かいているわけじゃない。新しいものがあれば取り入れるよ。それは昔からやってきたことだという話から、草太のチャレンジにフォーカスがシフトする。草太、なんのかんのいっても真面目に製菓の学校で勉強してきただけはあるんだな。旦那、大旦那にしても、新しいアイデアに興味を示し、それを受け入れる余地は持っている。みなのこの菓子に向き合っているという感じ。ちょっといいなと思いました。

ところで思うんだけど、牡丹ちゃん、あんまりいてる意味ないなあって。なんか、しっくりこない感じがあります。

みそララ』、えらいこと驚いた。梨絵さん。ショートもいいなあ。けど、こういう時にこういう変化は妙に誤解されて、私も昔あった。たまたまやねん。まさかそんなことになってるなんて思ってなかったっていうのに、またまたー、素直になりなよー、とかいわれて、誤解がとけない。そうしたポジション、この梨絵という人のキャラクターにはばっちりと思います。でもって、ただの遊び、交流に見せて、それだけではなかったりするところ。決して番外編ではないというところ。さすがだなって思いました。

『放課後のアインシュタイン』。いいじゃないですか。連載ですよ。なので、登場人物のおさらいといった雰囲気で、これは概ねちゃんと把握できていたと思う私にもちょっとよかったなと思います。先生のことが好きでたまらない秋山こずえ、おしゃれに興味津々の若苗ミキ、そしてつっこみ役、駒井なつみ。で、先生は松戸梨花。マッドな理科なのか。校長先生の名前ははじめてじゃないかな、城戸譲。はじめて聞いたように思います。エキセントリックな先生と、暴走する生徒たち。今後、どんな風にその活躍が描かれるのか、本当に楽しみです。

すいーとるーむ?』。ゆかりさん、パンフレットに載る。けれどそれだけではなく、永井君のがんばり、そして結果に繋がって、こういう風に広がりを見せるところ、とてもいい感じ、面白く、そしてよかったです。しかし、パンフレットを床に敷き詰めます、から、タイルの写真を!? と流れる、ああしたテンポのよさは素晴しい。今回は特によかった。そんな風に思える回でした。

PEACH!!』はいつもどおりの味、かと思ったら、なんと武田のお嬢、あの人が仕入れしてたんだ。なんだかいつもがんばりがむくわれない、なんだかぱっとしない、なのにお嬢。そんな立ち位置が持ち味と思ってたら、なんと仕入れに才能を発揮してるのか。まさに意外性の人だなあと思わせてくれる、そんな武田が面白かったです。

  • 『まんがタイム』第29巻第12号(2009年12月号)

2009年11月6日金曜日

凛 ― COCORO NAVI Another View

 実は買おうかどうか、直前までずっと迷っていました。『凛 — COCORO NAVI Another View』。『コミックエール!』にて連載されていたのだけれど、雑誌の休刊をうけて連載途上で終了。完結は単行本でという運びになって、実に不遇な漫画であったのですが、しかし、そのラストを読みたい? と問われると、ちょっと足踏みしてしまって、なんでかって、単純に、去る者は日日に疎しっていうやつですよ。連載の終了すなわち『エール!』の休刊は2009年5月のことで、単行本が出たのはつい先日の10月15日。申し訳ないけど、どんな漫画だったかほとんど覚えていない。だから、どうしようかなって思ったのでした。

けれど、店頭にいって、新刊のコーナーに平積みされているのを見て、よし、わかった、買おうじゃないか。その気になったのでありました。理由? よくわかりません。表紙のせいかも。あるいは、書店店頭の雰囲気がそうさせたのかも。わからないけれど、迷うくらいなら、買ったほうがいいという判断が急遽なされて、そして読んで、ああ、いいじゃないか。これはBlogに書こう、そう思ったのだけど、思わぬ悲しいことがあったために書けなくなってしまい、あとはなにやらばたばたと、めずらしく書くことが立て続けに続いたもので、今日まで書けずにきてしまったのでした。

『凛 — COCORO NAVI Another View』、サブタイトルにあるように、ゲーム『こころナビ』をベースとした漫画であります。複数いるヒロインのうち、主人公の妹、凛子シナリオをピックアップして、聞けばかなり忠実にイベントをとりあげて、そして凛子の心情などを掘り下げているのだとか。そうかあ、そういう話を聞くとゲームもプレイしてみたくなるな。ゲームの出たのは2003年6月27日。ずいぶん以前と感じられますが、これもしダウンロード販売とかされてたら、買ってたろうなと思います。ネットワークごしのやりとりは、考えるよりもはやく決済がすんでしまうので、つくづく危険であるという話です。

ゲームの出たのは2003年6月。仮想空間での生活を大々的にアピールしたSecond Lifeの正式公開も2003年6月。『こころナビ』は、ラウンダーと呼ばれるアバターを介してWebの世界を経験しようという、そうした仕組みが物語を動かす大きな要素として存在していて、これは当時の、MMOに慣れ、アバターに慣れたネットワーカーが望んだ世界のありかたを映したものであったのかも知れませんね。あるいは、かつて流行したペルソナウェア。そのエージェントの発展形として夢見られたもの、それがラウンダーであったのかも知れません。

『こころナビ』において、ラウンダーは自律的に思考し行動する人工知能を備えたものとして描かれており、ユーザーの分身としてよりも、アシスタントとしてとらえるべきもののように見えるのですが、突然どこからか送られてきたソフトウェア、こころナビによって、凛子は自分のラウンダー、蘭煌と同化してしまいます。凛子の感覚を伴ったまま、自由に振る舞う蘭煌。その様子に戸惑い、また振り回されながらも、蘭煌の感じたことを受けて、それまで心の奥底に沈めてしまっていた自分の感情、寂しいという感情に気付かされてしまう — 。そのプロセスは、現実において疲弊してしまっている凛子の状況をうけて、どこか切なく、そして寂しさを否定しようとする凛子の姿が、ことさらにその状況を強調していたように思われます。人に疲れ、人を拒絶しているけれど、人を欲してしまっている。そうした内心を、蘭煌の意識により掘り起こされてしまう。そして、兄の変化。なにかが動いている。その動きを生み出したものがこころナビであったのですね。

でも、こころナビはきっかけにすぎなかった。そうしたところがよかったと思っています。こころナビや、ラウンダー蘭煌、ラウンダーリュウヤといったギミックは、凛子や兄勇太郎に影響しながらも、彼らを支配はしないんですね。いずれ気付く。兄は、ネットで出会っている蘭煌の向こうに自分の妹がいると。そしてふたりともに、自分の抱えている感情の正体にいきあたって、凛子はだんだんに昔の感情を取り戻していって、こころナビを失って — 。

これは漫画で、もともとはゲームで、だから願望や夢がそのままに優しく描かれていると思うのだけれど、現実にはありにくいと思えることも自然さをともなってありえてくれる、これはつまらないリアルに対するせめてもの抵抗なのかも知れません。でもこうした理想とも思える甘い世界に触れて、こうした理想に美しさや憧れめいたものを感じてしまう私を発見して、そうか、私も、誰とも触れあうことのできない寂しさを意識の底に埋ずめてしまっているひとりであったのですね。ゆえに、凛子の気持ちに共感を覚えて、だからあの甘いラストに、自分を受け止めてくれる誰かがいてくれるというしあわせに、ほっとあたたかな気持ちを得たというのでしょう。

  • しんやそうきち『凛 — COCORO NAVI Another View』Q-X原作 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ) 東京:芳文社,2009年。

引用

2009年11月5日木曜日

『まんがタウン』2009年12月号

『まんがタウン』12月号、発売です。毎月の頭は、『ホーム』、『ジャンボ』、『タウン』ときて、ちょっと落ち着く。そんな印象があるんですね。もちろんすぐさま『タイム』、『きらら』とくるので落ち着いている暇なんてないのですが、けれど、『タウン』は双葉社から出ている、私にとって唯一の芳文社以外の四コマ誌です。ちょっと毛色の違う、そうした雰囲気に落ち着きと感じるのかも知れません。

『ちっちゃいナース』は、洋子の姉が登場して、この人もまた美人。洋子よりも好みに合致して、そういえば私の好みって若い人妻だったな。いや、人妻が好きなんじゃなくて、この人いいなって思った人がたまたま人妻だったんです、連続で。だから、洋子姉が素晴しいと感じるのも当然なのでしょう。

さて、洋子姉ですが、姉が怖ろしい、横暴だっていうのは、弟に対してだけでなく、妹に対しても同様なんですね。その姉の理不尽に憤る洋子さんのカットは、いつも以上にスレンダーが強調されてこれもまた素晴しい。結局今回は、姉や兄のいるということが描かれて、一人っ子で育った人は兄弟が欲しいって思うってことも触れられて、つまりはないものねだりなんでしょうね。そして、お姉さまの帰還。ちょっとよれよれになったお姉さまは、やっぱり美しくて素敵なのでありました。

『商☆魂』、胡桃ちのの新連載です。勤め先が倒産してしまって実家に帰ったら、あんなに賑やかだった商店街はすっかりシャッター通りになっていました。かわりはてた姿にショック、老け込んだ母にもショック。 — なんだか、経営コンサル時代の人脈やらお客様志向のアイデアとかで、商店街V字回復、みたいな話になりそうな予感がします。で、昔の男が出てきたりする予感がします。

私の予感は当たるわ! 当たるかな? とりあえず乞うご期待ってやつですね。

『70's 愛ライフ』は、家電やら家具やら昔は拾ってたんですって話。いや、私の使ってるスピーカー、拾いものよ? 昔は大ゴミの日にひとまわりすればギターなんていくらでも拾えたっていうけど、最近はそんな感じじゃないみたいですね。残念です。出物があったりするのも大ゴミの醍醐味で、今でも金のないときは大ゴミ探したりする人はあるんじゃないかなあ、学生さんとか。あるいは、リサイクルショップとかで買うもの、案外大ゴミ出身だったりするみたいですね。

光の大社員』。ああ、中華まん、おいしそうです。けどさ、私の期待が大きすぎるのがいけないんだとは思うんですけど、中華まん、買って、手にするまではわくわくするんだけど、一口食べて現実に戻って、昔はもっとおいしかったと思うんだけどなって思う。いや、思い出補正でしょう。けど、思い出がある限り、おいしいと思える夢のような中華まんにはもう出会えないんじゃないかって、そんな気がするからちょっと悲しいです。

CO2の削減目標、25%ってやつですが、真水で25%じゃないってのが味噌だとは思うんですけど、けど、まあ無理だと思うよね。例えば私の場合、夏に冷房使わなくて、冬に極力暖房を使わない。夏扇風機、冬毛布に湯たんぽみたいな生活してるからさ、これ以上減らすとなると、本当に呼吸しないとか、しゃべらないとか、そういうドラスティックな手段に訴えるよりないなって思います。まあ現実的にはコンピュータ使わない、風呂入らない、冷や飯を食らう、一日寝てる、エレキギターはやめてアコースティックにする、あたりでしょうか。しかし、この社長、めずらしくまじめっぽくていいなあ。普段は不真面目っぽいのに、たまに真面目だとこんなになる。顔つきだけでこんなに笑わせるのは反則です。

ほほかベーカリー』は、かつて見たことのない妖艶なホホカさんが扉。いいねえ。本編でも猫耳祭といった様相を見せていますが、そうした催しが性に合わないふわさん。そんな彼女が焚き付けられてうまくいくっていうのは定番展開だと思います。しかし、その焚き付ける際に凛さんのいったこと。大人になったらもうできないから、子供のときに子供っぽさを満喫しておけばよかったってこと、実は私もそう思ってる。子供のころに分別くさかったりすると、後悔すること増えますよね。だから、そうした気持ちを共有できる人がいると、なんだかちょっとほっとします。取り残された、遠巻きに子供時代を見過ごしにしたのは自分だけじゃなかったのかなって、そう思えて、だからこういう話、ベタなんですけどね、しみるんですね。

『子供失格』はまたまた危険な話で、しかし幼稚園や小学校の教諭を目指す人って、子供が好きだからっていう人は多いですが、そうした中には潜在的に新人沖田のような要素を秘めている人が少なからずいたりして、そしてなにかのはずみで解放されたりすると制御できなくなったりする、なんて話は聞きますね。自分は危険な子供好きだと自覚していれば、普段からある程度の自制をしている、危険な暴走状態の監視も自ら意識的にやっている。ところが、無害な子供好きだと思っている人は、自らの欲望に無防備だったりするから、とっさの暴走にブレーキをかけられなかったりする。だから、新人沖田のような先生は、逆説的に安心安全なのかも知れません。ほんとかどうか責任持てませんが。だって自覚的で意識的みたいのもいるだろうからさ。

そして、私は生きているだけで精一杯組みたいです。でも、この先生は恋愛は人生の浪費と思ってそうだ。なんとはなしにそうした雰囲気が感じられて、このシニカルさ、ひねくれた感じ。やっぱり松山花子はいいなって思うのでした。

『みねちゃんぷるー』。前回までの状況をうけて、先生が恋愛的状況に前進したっていう、なかなかによい展開でした。結局先生はまごまごしてただけで、中学生に押されて、負けて、白状したって感じではあるのですが、この人のあかんたれなところ。ちょっといいなって思いました。人間、開き直れる時にしっかり開き直ることが大事なんだなとも思ったりしました。

  • 『まんがタウン』第10巻第12号(2009年12月号)

2009年11月4日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年12月号

『まんがタイムジャンボ』12月号が発売です。一足はやくクリスマスですね。サンタコスチュームの朝倉さん、『ちょいのり。』のいのりもサンタクロースで、そうかあもう年末かあ。なんだかちょっとあわただしく感じてしまいますが、こうした気持ちも毎年の恒例というものでしょう。クリスマス、年賀状、年末年始のもろもろ。きっと、あっという間に突入して、あっという間に突き抜けていることでしょう。ああ、時間のたつのははやいよね。矢のごとしとはいったものです。

『みちるダイナマイト!』。人気あるのかしら。ずいぶん前の方に出て、けど私も結構嫌いじゃなかったりするんですね。母親がライブハウス経営、インディーズレーベルもやってるの? そのために、ゴスパンクでギターボーカルをやることになったみちる。ステージ上での腹をくくった姿と、大学で講師やってる普段の姿とのギャップ。それはちょっといいように思っています。今回は、ファンの女の子に、それが当の本人とも知らず、自分のバンドのCDもらったりして、それを喜ぶ表情はただただよかった。ファンの娘さんの、自分の好きな人に自分の好きなものを知ってもらいたいという気持ち、ちょっとわかるから、こうした展開もなんかいいなと思ってしまいます。

『じょしもん』、重野なおきの新連載です。高校生の女の子、半分むりやりに生物部に入部させられたら、そこはなんだか不思議というか奇妙な生物がたくさんいて、そうした生物たちと、それから次回以降に増えるのかな? 部員たちとのコメディになるのかな。ともあれ、まだはじまったばかり。先が楽しみです。

『レーカン!』。ゲストです。霊感のある女の子、天海響がヒロイン。霊の姿を見、声を聞くのですが、もう慣れっこという。そんなヒロインの辛気臭い雰囲気は結構好みです。それで、おどろおどろしいと思われた、そんな霊の声に優しさで応えるという、そういったラストはちょっとよかったです。私は、前々からいってるように、霊が存在するならその姿を見たいし、声を聞きたいと思っていて、いいやつがいるようなら、知りあいたいなんて思ってるものだから、この漫画の、この設定はちょっと気にいりました。ちょっと羨ましい。

『天使な小悪魔』。ホストの本音がいかします。我々ホストはお客様のご要望を真摯に受け止め日々業務に取り組んでいるだけです!! いや、実際そうなんでしょうね。大変な客商売なんだろうなって思って、なんかその印象とのギャップに笑ってしまいました。私には無理な職業であります。

『あまぞねす?』、ゲストです。Web系のデザイン会社に就職が決まった女性ふたり。小学生の妹がお手伝いしてるみたいなの、しっかりしてそうなのに、意外と泣き虫だったりするところ、悪くないなと思ったけれど、まだ全貌はよくわかりません。最近の漫画は、四コマでも状況や設定を説明する必要があったりするから、どうしてもスロースタートにならざるを得なくって、けどスタートがスローすぎるのもよくなさそうだから、このへんのバランスをとるの本当に大変そうですね。ところでさ、性格だけを見て選んでくれる会社っていいなあ。いや、それだと私落ちるか。自慢じゃないけど、面接で落ちることたびたびよ?

『ちょいのり。』。ヒロインのいのり、この子のやぼったさがたまりませんね。太い眉。今は手入れされた細い眉が流行りだけど、そうした状況にこうした自然っぽい女の子がくると、印象が違って、いいなって思います。さて、先月知りあったあゆむとの帰り、そのお姉さんの真相があきらかになって、おおう、なんだ、微妙だな、怖ろしいな。そりゃ人には見せたくないだろう、そう思わせるところ大でした。

『パドラーズハイ』。みんな、頭身高くてスタイルいいなあ。部活ものの定番ともいいますか、部員の募集をしようという話。プールにラフト浮かべて写真とか、がんばってる、工夫してる、そういうの伝わって、これはとてもいい、面白いです。で、せっかく部員募集したっていうのに、移動手段の問題から人が増やせないとわかって、これ、がんばりをきちんと描きながら、人いっぱいになってわかりにくくなるという事態も避けるという、うまいなと思いました。新キャラいれる時には先生が車買い替えたらいいわけね。いい雰囲気の漫画、大変に気にいっています。

『しすコン!』。仲のいい姉妹、その妹が結婚することになって、愕然とする姉。私も結婚を、となる。そこに幼馴染みの青年加えて、くっつくのくっつかないの、そもそも恋心に気付いてないのというコメディっぽい展開。悪くはないなって思いました。とりあえず姉妹が可愛い。けど幼馴染みのケンちゃんはだらしないな。こやつが踏み切ったら決着つくんだろうな。そんな感じもしています。

『女の子定食』、『ふかふか』のかわぐちけいの新作ゲストです。極端に男が嫌いな店長に問題がある定食屋。ちょっと勢いがつきすぎて、なんともいいがたいのだけれども、落ち着いたらよくなるのかな。基本はベタなんだと思います。だから、うまくはまればよいのかもなって思いました。

『恋する猫は爪を隠さず』。都古先輩に一心不乱の常葉少年。普段は優等生で紳士そのものといった雰囲気なのに、先輩がからむと異常になる。でも、肝心の先輩はその態度をこそは問題にしたけれど、この人自体は嫌いじゃないってことみたいです。これはやっぱり、常葉少年のちょっと間違った一生懸命さをどう思うか、そこに分かれ目があるように思います。

『笑って!外村さん』。見た目の怖さ、人付き合いの苦手さから誤解されている外村さんだけど、この設定をうまくきっちり維持しているところ。外村さんの実際を知っている春野さん、彼女だけが特別というところ。両方がうまく展開されて、悪くないなあって思って読んでいます。ずっと険のある表情で描かれる外村さんが、最後にちょっといい笑顔を見せてくれる、その雰囲気もいいなと思って、この漫画は読むほどに好きになっていく、そんな感じです。

先生はお兄ちゃん。』、ついに月子先生がムンチャイ関係者と明かされて、けれどそれ以外のこともはっきりとして、そうか兄貴、ついに自覚しましたか。これで、次のステップに向かうのかどうなのか。このふたりはうまくいくといいなと、そう思わせるところがあるから、ちょっと楽しみだなって思います。漫画の展開とは別のところで、ちょっと不安になったりもしてるのですが……。お、終わらんよね?

『甘木出版ニンジャ課』、ゲストです。いや、しかし、またすごいのがきましたね。忍者課なる課がある出版社。すごいエキセントリック。主に雑用で各課をサポートするのが業務。てっきり産業スパイが仕事かと思いました。今回は、忍者課の活躍はほんのちょっとだけ。とりあえず怖れられてることはわかった。こういう突飛な設定でどんな風に展開していくのか。突飛でも面白ければいいと思うので、いっそ存分にやっていただけるとよいんじゃないかな、それがきっと楽しいんじゃないかなと思います。

だって、『ジャンボ』には水没したビルに鯨が泳いだりする漫画がありますから。ああいう常軌を逸したネタというのは好きなので、思いっきりやってくださいと思う次第です。

ひかるファンファーレ』。ああ、寒い日は楽器にとっては最悪だ。メカニズムに問題が出そう。少なくとも、結露しやすく、水たまりやすく、木管ならタンポがびしゃびしゃになって、演奏にも支障が出る。クラリネットやオーボエなど木製の楽器は割れの心配もある。最低よね。でもストーブにあてるのはどうだろう。これはこれで傷めそうな気もします。学校や部活ってのは、つくづく楽器にはやさしくない環境だったなって思い出しました。そして、風邪をひいた結衣。この人の本性のなんのっていうけれど、実際素直にしてればいい子じゃんかって思って、だいたいこの漫画に出てくる人はみんないい子ばかりだ。そうしたところがきっといいんです。

ところで、結衣が風邪だからきっと亮子が出てくると思ったけれど、出ませんでした。このふたりの関係結構好きなんです。

『ぼくらは魔法が使えない』。クリスマスはベツレヘムで救い主がお生まれになった日です。そうだそうだ。ってなわけで、クリスマスは歌いにいきたい。クリスマス向けの曲はいくつか仕込んであるんだ。けど、私、クリスチャンでもなんでもないからなあ。

今回はビンボーダンボーがあって、それが後に生きてくるっていう流れ。実によかった。あの貧乏先生、いいキャラクターしてて好きです。全然思わせ振りみたいなところなくってね、とにかく真っ正直って感じがいいです。そして、最後のモノローグ。ああ、そうだね、我々は永遠の今には暮らせない。だからこそ、今という時は掛け替えないんだろうなあ。そう思わせてくれて、しみじみとしました。いい漫画です。

だまされて巫女』、最終回。まさか、本当に監禁されてるとは思わなかった。結構な駆け足、そんな展開だったけど、こうして晴風を好きになる相手が出たりっていうの、当初の予定にあったんでしょうね。あの、巫女好きの彼がそのポジションにこなかったのは、彼の資質に問題があったからか。面白くて好きな漫画でした。終わったのは残念。ラストの春風、かわいかったです。

Boy’sたいむ』。ちょっと思ったんですが、龍太郎が女ひろむのために編んだセーターが置島の手に渡って、これ、さすがに龍太郎が気付かないってことはないだろう。ここから一波乱もりあげられそうな話なのに、ここで終わってしまうとは。すごく惜しい、そう思わせる回でした。しかし、めずらしく龍太郎が好青年でした。いつもこうならいいのになって思ったりしましたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 芳原のぞみ「天使な小悪魔」,『まんがタイムジャンボ』第15巻第12号(2009年12月号),35頁。
  • ゴンドウケンジ「ぼくらは魔法が使えない」,同前,180頁。

2009年11月3日火曜日

まん研

 まん研』、好きだったよ! タイトルにしめされるように漫研を舞台にした漫画であるのですが、部活ものというにはなんだかちょっと毛色が違いまして、たしかに部活動はしているっぽいのですが、けどそれ部活じゃないよね。困った先輩ふたりが、後輩にコスプレさせたり、全身タイツ着せるなどして、自身の妄想を具現化しようという、そういうノリが独特でした。そして私はそうしたノリが好きだったのですね。そのノリは、うおなてれぴんという作者独特のものといってもいいのかも知れません。同じ作者に『しすこれ』という漫画があるのですが、この漫画の持つ雰囲気、それは『まん研』に通ずるものがありまして、だから、『しすこれ』が好きだった私は、『まん研』が『きららMAX』ではじまった時には、やった、と思ったものでした。ええ、好きな作者の連載です。そりゃ好きになるのも当然でしょうよ。

登場人物、メインは三人。しいな、レイコ、このふたりが先輩。咲、この子が後輩。当初はこの少人数で進めていたのですが、じきに第1漫研の部長くーちゃんが加わり、その後輩ふたりや顧問も加わって、世界が広がった? いや、あんまりそんな感じがしない、実に相変わらずな感じではあったのですが、けど、基本テンションが異常な第2漫研のノリがあって、そこに穏やか、あるいは普通のテンションである第1漫研の人たち、あるいは第2漫研顧問の友里先生としいなの対話シーンなんてのも挿入されるようになって、なんか味わいが深くなったのでした。コスプレだ、萌えだ、暴走ぎみのテンションで展開していった末に、なんか穏やかな小シーンでしめられる。それが、しみまして、好きでした。

この漫画は、当初は先輩ふたりで咲をいじろう、そうしたものだったと思うのですが、だんだんに登場人物が追加され、咲たちの所属する第2漫研とはまたちょっと印象の違う第1漫研など、ちょっとしたコミュニケーションものになっていって、それぞれコミュニティの雰囲気の違い、温度差というものも含めて、面白かったのですね。第2漫研にいい印象を持っていないくーちゃん、彼女の態度は、第2漫研の特殊性を強調していましたし、また第2漫研では薄い咲、彼女と第1漫研の後輩がクラスで話しているその時の緩さ、普通さは、なんだかすごくリラックスできて、けど咲が随分毒されてるってことも見えて、このだんだんに異端? 異質なるものに染められていくというところもよかったのかも知れません。第2漫研の面々、彼女らの言動がおかしいことは誰しもわかっていることだろうけれど、それが作中においても普通じゃないってきちんと表現されていた。そのおかげで、悪ノリしているという感覚がちゃんと伝わって、楽しいのはこの悪ノリを共有できるからなんだろうなって、そんな風に思うのです。

この漫画が終わってしまって、こうした悪ノリの共有ができる場がなくなってしまいました。いや、悪ノリを売りにしてる漫画は他にもあるけれど、うおなてれぴん的な悪ノリは、やっぱりうおなてれぴんしかっ、ないと思うんですね。だから、とりわけこの人のノリが気にいっていた私には、この漫画が終わったことが残念と思われてならなくて、またどこかで新しく連載とかされないものかな。そんなことを思ってしまいます。

この漫画の最終回については、以前にも書いたから、これ以上重ねようとは思わないけれど、日常、それも第1第2漫研のみなで一緒に遊びにでかけようという、これまであったようでなかった、そんなちょっと特別なシーンを予感させるものとなっていて、その期待感は最終回を彩る実にはなやかなものでありました。そしてちょっぴりしめやかで、ああいい最終回だなって。私の理想の最終回とは、きっぱり決然とした最終回、終わりったら終わりというピリオド感あふれるものであるのですが、けれどこうした日常に融けていくようなラストも悪くないなって思いましたよ。それまで、ぎりぎりまでいつもどおりで、ちょっと特別と思わせる、そんな雰囲気にて終わる。残った余韻に静かにひたれる、そんなところがよかったです。

  • うおなてれぴん『まん研』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • うおなてれぴん『まん研』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • うおなてれぴん『まん研』第3巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。

2009年11月2日月曜日

『まんがホーム』2009年12月号

『まんがホーム』12月号は本日発売です。表紙は『らいかデイズ』、らいか入浴中であります。今月のテーマは温泉なんでしょうね。『メルヘン父さん』のお父さん、『恋愛ラボ』主役のふたりは湯上り浴衣姿。『夫婦な生活』みえこさんは湯あたり浴衣姿であります。これから寒くなります、というか今が既に寒いんですけど、ものすごく寒いんですけど、こんな季節にはやっぱりお風呂がいいですね。でも、基本冷え性の私は、風呂に入ってもマキリコのように火照るというようなことがなくって、これが温泉だったらどうなのかなあ。寒くなると、指が冷たくなって、ギター弾くのに支障が出るので、あったかくしておきたいんですが、そうか、温泉地でギター合宿とかしたらどうだろう。いや、思っただけ。実現はしません。

『おしのびっつ!』。忍者の家系に育って、すっかりくノ一であることが自然になってしまっているくない。そんな彼女が脱忍者を図るのだけどけれど、それがなかなか難しいという基本の線を維持しながら、キャラクターの個性もうまく見せて面白い漫画であると思います。双子の兄しのぶがいいのかも。彼は身も心もすっかり忍者であるのだけれど、くないよりも要領よく振る舞うものだから、むしろ秘密の保持が危ういのはくないだという、そうしたところは王道ながらもとてもいいと思います。しかし、今回はカンペのネタが秀逸で、こういうのが次々くるとなると、きっといいだろうなあ。そんな期待もさせてくれる漫画です。

恋愛ラボ』、扉のマキは雰囲気作って綺麗だけれども、本編はいれば、なんだか非常におかしな感じになっていて、そうか、前回の話が後をひいてるのか。リコとも自然に向き合えなくなってしまうほどにやられてしまったマキ。そんなマキに戸惑うリコ。ふたりともにダメージを受けていて、そんな彼女らを導こうというのがサヨっていうのは実にらしくて、この人、いいポジションにいるなと、改めて思ったエピソードでした。サヨってちょっと引いた位置にいるけど、決して冷たく距離置いてるわけじゃないんですね。

さて、本編はなにやら重かったりするからか、今月は2本立て。なんと、スズの兄貴が、兄貴が。この兄貴、幼いスズを膝に乗せてたりすると、ちょっと犯罪ちっくだな。いや、まだ若いころだから、そこまでじゃない。けど、今の兄貴じゃアウトだろ。で、スズ姉。ふたりの妹大好きといった様子、それはすごく見ていて楽しくて、スズの取り合いで喧嘩してしまうほどだけれど、でもこの兄貴はこの妹のことも好きで可愛くてしかたないんだよなあ。普段ろくでなしっぽく描かれる兄貴ですが、こうして見ると、いい兄貴だなって、そんなこと思ってしまいます。

しかし、エノの兄貴は徹頭徹尾ろくでなしだな。

『東京!』。はじめて見た時よりもずっと面白くなってます。キャラクターに馴染んだからではないと思います。だって、秋葉原正親の印象が強すぎて、他があまり記憶に残らないです。土地の雰囲気に絡めたネタを出しつつも、そうでないネタも展開して、どちらも面白いと思う。バランスがすごくよくなってると思えて、それでキャラクターもいきいきと表現されて、とてもいいと思います。

『お江戸とてシャン』が、思いっきりの佳境っぽさを見せて、纏持ち、命よりも大事な名誉を手放しても女のもとに走ろうという虎吉、やっぱりこいつかっこいいなあ。男惚れったあ、こういうことだな。おヒナを助けに向かう虎吉の背には、艶やかささえ漂って、この漫画、やっぱり面白いと思う。すごくいい漫画だって思います。

『OHでりしゃす!!』、なぬー、これまだゲストなのか。今回は執事喫茶にいくという話。田尾ちゃんの乙女なところが全開になった回なのですが、うわ、なんだ、これ、めちゃくちゃ可愛いな。眼鏡だからじゃないぞ。序盤、割り切ってるように見せて、実はそうじゃないっていうところ。恥じるところ、気をつかうところ、雰囲気を楽しもうというその姿勢、すべてが素晴しい。実は私はそういうの苦手なんですけど、こういうごっこができる人って素敵だと思います。

サンドイッチはまあ普通、デザートは美味しいというところ、女性向けのツボを押さえてるって話だそうですが、男性向けのツボは食べ物にはないのか、以前一度だけいったメイド喫茶は酷かったよ! しかも壁に向いた席に座ったものだから、ただ高くて不味い安普請喫茶でしかなかったっていうね! でも、ああした雰囲気を楽しもうという気持ちはよくわかりました。私が、もっとごっこできる、趣向を楽しめるたちだったら、きっと違ったんだろうなって思いました。

ところで、古い趣きのある建物で、きちんとサービスできる執事っぽいウェイター置いて、ちゃんとした食事、飲み物を提供できたら、ちょっと高くてもいく人はあると思う。流行り廃りを超えて生き残るのは、意外に執事喫茶なのかも知れませんね。執事なら、年配の男性でも働けるでしょう? 色物だけど、色物というには惜しい、そんなところもあるんじゃないかなあ。あるのならいってみたいものだと思います。

『みそらスマイル!』、ゲスト、再登場です。離婚した夫婦が再婚。元の鞘へ収まったわけですが、離婚後オーストラリアで暮らしていたため、日本語が6歳時点でとまってしまった姉という設定が面白いです。言葉が子供っぽいので、なんだか残念な娘みたいに見えてしまうけれど、そうじゃないってところ。意思疎通はしっかりできるし、ちゃんとお姉さんでもあるんだけど、まだそんなに大きくない弟と、対等っぽくつきあえて、いいなって。いいお姉ちゃんだなって思えて、すごくいいです。

ところでカレーですが、日本のカレーは世界にはばたく優秀な日本料理、それもがつがつとスプーンで食べられる! どういうことか知りたい人は、この素晴しい記事を読んでください!

  1. 「日本のカレーライス」を熱愛する米国人記者が語る『ゴーゴーカレーNY店』 | WIRED VISION
  2. 「日本のカレーライス」を熱愛する米国人記者が語る『ゴーゴーカレーNY店』(2) | WIRED VISION

『ときめけ!女塾』、前回も結構面白かったけど、今回もよかったです。今回は、心配性の夫に手を焼く美女さんがメインになって、なにやっても優秀、毅然として、立派で、けれどそんな美女さんが夫にかけた一言、うわ、泣くほどなんだ! けど、この展開は面白く、それでまたなにか心に訴える、ほろりとさせるような、そんなところ、とてもよかったです。この漫画は、途中のうんぬんも面白いけど、最初の振りと、それを回収する大落ちのコンビネーション、そこにこそ味があるように思います。実際、私はおだてられるのは苦手だけど、でも悪い気はしないんだろうなって。そう思った。そして、美女さんの夫、おだてとか作為なしに、素直に妻を褒められるっていうところ、そうしたところはとても素晴しいと思う。いい夫だなあって、ちょっと思ってしまいました。

あ、そうだ。四足歩行する猿は、性的に成熟したことを尻の腫れでアピールするのですが、二足歩行を獲得した人間は尻に目がいきにくので、かわりに胸の盛り上がりでアピールするようになったとかいう話ですね。だから、あの講師の言い分は非常に正しい。それは本能、古い脳にインプットされた行動だから、男が女性の胸に目をやってしまうのは仕方ないんです。と、なぜ私はこんなこと力説してるんだろう。

そして、物より思い出を大事にしたいから、ガラクタを集めてしまう。これは、男によく見られるけれど、女性も同じだってことが巻末に載っている漫画からもわかります。

『物持ちがいいにも程がある』、佐波まおの漫画、最終回を迎えて、これまでを振り返ろうというのですが、いい話でした。この漫画は、ものもち自慢ではあったけど、ただ古いものを持っている、レアもの持ってるぞってだけではなかった。そこがよかったんです。最終回にいう、

人もものも永遠ではないのです

ものには「ものがたり」があります

ひとつにちゃんとひとつずつ
思い出すたびホッとしたり
きゅんとしたり
いつか手放す時がきたとしても
「ものがたり」だけは大切に憶えていたいと思います☆

じんとしました。そのものを大切に思うのは、そのものを通じて思い出、かつて出会ったあの人やできごとと対話できるから、なんですね。ええ、この連載とても好きでした。私と同じような人がいる。他人からしたら、どうしようもない、くだらないものにしか見えないとしても、その所有者にとっては掛け替えのない大切な思い出の品である。そうした様子を、楽しいなと、面白いなと、自分のことのように読んできたんですね。人もものも永遠ではないのです。それがわかっているからこそ、ものに心を置いてしまうのかも知れませんね。

だから、私もずっと憶えていたいと思います。佐波まおというお名前と一緒に、この漫画のあったこと、大切に心の奥にしまっておきたいと思います。

『3×ROOM』、なんか不穏な終わり方をした第1話、その雰囲気にあんまり好きでないと思ったものでしたが、第2話はそうした雰囲気見せず、素直で無邪気とも思えるヒロインの様子や、個性の違う女性三人、それぞれの関わり方など、これだけ見てると悪くないなって思います。けど、なんかやっぱりいやな予感がするんだ。あの野菜のくだりとかね。だから微妙に距離を置きがちになって、あの不穏なほのめかし、どう決着させるんでしょうね。吊り下げられた状況が落ち着かないです。

『ミライカナイ』、連載になりました。未来からきたお嬢さんとの同居もの。これは、あれなのか? ある日突然異世界から美少女が現れボクの家に強引に居候しお風呂や着替えを偶然見ちゃったりの都合の良い生活ってやつなのか!? この漫画、今のところ、お姉さんの未来からきたという設定がいきてないように思えるのだけど、特に異文化ってわけでもなく、普通の綺麗で天真爛漫なお嬢さんとの同居ものって感じ。でも、まあこれはこれでいいんだろうなとも思います。

『イエス・マスター』、ちょっと大きな変化がおこる気配を感じさせて、それはいつぞやの妻の話、それが関わってくるのでしょう。旦那様の思いにひとつの区切りがつくのか、どうなんだろう、なんかすごく気になるんですね。不穏な展開なのか、それとも、ふたたびここに帰ってくるのか。この漫画こそは、時の止まったような、永遠の現在を志向する、そんな雰囲気をたたえていて、それが悪くないなと思っていたのだけれど、その安定が揺らぐ。読者としても、ちょっとした事件であると思います。けれど、あまりに永遠の現在を求める姿勢も不健全で、だからこの動きのあとにどういう結果が描かれるのか、それはちょっと興味深いと思います。

『ちまさんちの小箱』。これ、よくよく考えたら、タイトルの小箱、作者は雪宮。ということは、タイトルロールはちまさんというよりもむしろ雪宮なのか! さて、とり子からプレゼントをもらったゆーちゃん。ちょっとの誤解のあとに、ちゃんと和解があって、いいなあ、ふたりの関係。で、知らないうちに雪宮が傷ついてる。そういう雪宮がすごくいい。小箱の作者がゆーちゃんに知れて、知らぬはとり子ばかりなりという状況になったわけですが、とり子と雪宮の関係、今後どうなっていくんでしょう。ちょっと敵対してたようなこと、すっかり忘れてましたけど、今やなんだかいい感じであるんだから、ばらしちゃってもいいだろうになんて思うんですが、そうなるとどうなるんだろう。

今は、このままでいいのかも知れません。ただ、いつかは知られる日がくるんだろうな。それはこの漫画が終わる時なんじゃないかって思いますけど、純情雪宮の本領が発揮されるのかな、なんて思うとその日もなかなかに面白そうだと思ってしまいます。だから楽しみは、ずっと後にとっておきましょう。

  • 『まんがホーム』第23巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 佐波まお「物持ちがいいにも程がある」,『まんがホーム』第23巻第12号(2009年12月号),179頁。
  • 安堂友子「天子様が来る!,同前,53頁。

2009年11月1日日曜日

とらぶるクリック!!

 過ぎ去りし10月は好きな漫画とお別れする、そんな月でありました。最終巻ラッシュとでもいいましょうか、好きだった漫画の完結巻が一度にリリースされて、『アットホーム・ロマンス』が終わりました、『まん研』が終わりました、そして『とらぶるクリック!!』が終わりました。人を捨てるなら九月といいますが、漫画と別れるなら十月、なのでしょうか。けれど、終わることは寂しいことだけれど、こうして終わりにまでたどりついたこと、その終わりの円満であり幸いであったこと、それは大いに喜ぶべきものであると思います。ああ、だから私はここに喜びを高らかに告げたく思います。

『とらぶるクリック!!』オワタ\(^o^)/

 私は当初『とらぶるクリック!!』を見誤っていたのでした。最初の数ヶ月、あるいは一年以上も、この漫画を読もうという時には、心を石のようにして、頑なに対していたものだから、面白さに触れつつも、それを認めることができずにいて、その自分の態度については今思い出しても釈然としないものが残っている、後悔の気持ちを拭えないくらいなのです。そして、これはひとつの教訓になったのでした。私は、新しい漫画、新連載にせよゲストにせよ、そうしたものに触れる際には、なるたけよいように見ようと、敵視するような、軽視するような、そんなことはすまいと決めているのですが、それは『とらぶるクリック!!』の経験があってのことなのではないかって、振り返って思うことがあります。

『とらぶるクリック!!』が終わって、後書き読むと、その時々にテーマのようなものが設定されていたとのことですが、けれどもしその全体について私ならどう思うだろう、自問してみたら、スタートという言葉にいきあたりました。『とらぶるクリック!!』は、スタートするということを描いてきた漫画なんじゃないかって、そんな気がするんですね。

 スタートする。出発する、開始する。『とらぶるクリック!!』の主役たち、一年生4人にとって、PC部はたくさんのはじめてを経験できた、そんな場なんじゃなかったろうかって思うのです。そうした面が一番に押し出されていたのは他ならぬ杏珠で、PC部に入って、はじめてのPC、はじめてのインターネット、彼女の世界は一気に変わりました。さわるだけで機械という機械を破壊してしまう杏珠にとって、それまで望みながらも得られなかったもの、それを手にした時の思いはいかほどだったでしょう。新しい世界に触れ、わくわくするできごとに出会って、そんな杏珠の気持ちのさざめきは読んでいる私にも伝わってくるように思われて、ああ、そうだ、はじめて知ること、経験することっていうのは、もう心が浮き立つようで、楽しい! 面白い! 落ち着いてなんていられないものだよね。そんな気持ちを思い出させてくれた、それが杏珠であったと思います。

 柚もなつメロもPC部に入ったことで、たくさんのはじめてを経験することとなるのですが、人見知りの柚は友達づきあいにおいて、なんだか意固地だったなつメロも、杏珠のペースに巻き込まれることでどんどんその人当たりを違えていって、彼女らにしてもだんだんに世界を広げていったんだろうなって思った。杏珠、茉莉のふたりが持っている空気。その親しみは、柚を、そしてなつメロを加えて広がっていって、いつも部室で遊んでいる、けれどそうした遊びから広がっていくものもあった。また、部活の枠からはずれての活動においても開かれていくものはたくさんあって、そのたびにまごまごしながら、けれどなんとか立ち向かっていく柚、なつメロの姿がまぶしかった。結局柚は、完全に人見知りを克服することはなかったけれど、でもそれでもいいんだと思う。誰だっていつまでたっても苦手ってものはありますもの。けれど、それでも少しずつでも踏み出せる、そんな可能性を持っている。可能性を眠らせながら、折りに少しずつ目覚めていく。それは、柚にも、なつメロにも、そしてもちろん杏珠、茉莉にもいえることだったと思います。皆が、各人各様の可能性を開いていって、その時気がついたものに気持ちを新たにしている。知るということは、いつだってなんてワンダー。そうしたエピソードが連なって、『とらぶるクリック!!』という漫画の雰囲気は編まれていったのだと思っています。

『とらぶるクリック!!』最終巻にはその後が少し描かれて、新たな部員を迎えるエピソード。最初の、ちょっと長かった杏珠たちの一年間、そこで彼女らが出会い、経験してきたようなはじめての体験、可能性が少しずつ開かれていく、そんなできごとを、新入の彼女らもまた辿っていくのでしょう。それはまた一年目とは違う、新しい可能性を見せてくれるに違いない。そう思わせてくれるもので、また杏珠ら新上級生たちも新しい経験をしていくでしょう。ああ、彼女らの新しい一年がはじまる。その様子を私は見ることはできないけど、でも彼女らならきっと大丈夫さ。そんな予感がして、だからベタながらも最後にこういいたい。

最終巻にして、『とらぶるクリック!!』始まったな。ネガティブにではなくポジティブに、文字通り前向きにそういいたいと思います。

引用

  • 中島みゆき『船を出すなら九月

2009年10月31日土曜日

アットホーム・ロマンス

 アットホーム・ロマンス』、ついに最終巻です。強烈なインパクトのある漫画でした。だってよ、連載で全部読んできたっていうのに、単行本、久しぶりに触れたら、あんまりにノリが過激すぎて、おおっと、こんなに高高速度ノンストップ展開だったっけ!? よくこんなの普通にのめりこんで読んでたな、鈍った身にはちょっとついていけないんじゃないかと心配したくらいであるのですが、ここはさすがといいますか、しっかり私を掴んで、ひっぱっていってくれました。最終巻、第3巻はこれまでに描かれてきたことの総決算といってもいい、そんなフェイズにはいっていて、いわば収穫の巻。その出来は、まさしく豊穣。豊かで、素晴しい。本当にいい作品であるなと思う、そんな感覚に震える思いでいます。

 3巻巻頭のカラーページ、ちょっといつもよりもページ数が少ないものだから、これは後日談がくるに違いない。本編でさえあれほどに感動的だったんだ、だからきっとすごいことになるに違いないぞ。そう思って読み進めて、やっぱり感動したあのラストを迎え、そして、そして、ページをめくって、ええーっ、なんてこった! やられました。あんな展開に持ち込むなんて! いや、面白かったですよ。ああした遊びは、これまでに描かれた充実があってこそ輝くものだ、そう思います。でも、後日談とか欲しかったなあ — 。

いや、それは嘘だ。私はこれ以上のものを求めていはいない。なぜって、本編で充分以上に描ききられていたからに他なりません。竜太朗も暁子も、親父も母さんも、なっちゃんをはじめ友人たちも、皆が歩こうとする道筋の確かさ、それは本編、そのラストにしっかりと描かれていました。あえて語られることはなくとも、誰もが容易に彼らの将来、行く末を思い描くことができるだろう、それほどに確かな足取りがあった。だからそれ以上はもう必要ない。ええ、あの本編にて完成した『アットホーム・ロマンス』は、そのうちに大きなものを抱え、この本を読もうとするもの、すべてに対して開かれている。読み、触れたものが、自分の身に、心に引き付けて思いさえすれば、自ずと辿りつくものがあるだろう、そうした作品になったというのです。

思えば、大きな家族愛を描いた漫画でした。マザコンの少年が主人公。度を過ごしたマザコン少年は、同時に常軌を逸したシスコンでもあって、しかも姉が尋常でないブラコンであったものだから、ふたりはどんどん深みにはまっていく。けれど、彼はただ母を姉を慕い甘え愛を乞うばかりではなく、周囲の人たち、友人たちに惜しむことなく愛を注いできた。彼は確かに自らの愛に足をとられ、ぬかるみのなか進むように、苦しんだのだけれど、その苦しみから彼を引き上げたのもまた愛であったのですね。誰かに注いだ愛は、強い手となって戻ってきた。ああ、この漫画は母、姉、そして父に対する愛を描いたものであり、そして愛は軽がると家族という領分を超えていくのです。その愛は、恋人に向けられる愛であるよりも、むしろ隣人愛とでもいうべきものかと思う。困っている人がいたら、手を差し延べずにはおられない。そうした、深い慈愛に似た、大きな愛を持った少年、それもまた主人公竜太朗であったのだと思います。

 愛をふりまき、愛に繋がれた、そんな竜太朗は自立を目指して、それゆえ孤独にさいなまれることになるのだけれど、もしかしたらこれは、竜太朗と暁子、竜太朗と母明美の関係にとどまらない、すべての人が抱える、そうした状況を反映しているのかも知れない、そんな風に思うこともありました。私たちは、究極のところ、ひとり、でしかありません。世界という舞台の上で、気付けば孤独である自分に気付くことがある。孤独を怖れ、孤独に苦しむ私たちは、孤独を慰撫しようとあの手この手で繋がりを志向し、それは時に過剰なものとなって、繋がりという嗜癖 — アディクションに陥ることもしばしば見られるほどになると、果たして私たちは竜太朗や暁子とどう違うというのだろう、彼らを変態といって笑っていられる立場なのだろうか。そうした疑問さえ湧いてきます。

竜太朗は、暁子は、繋がりを過剰に志向しながらも、それを乗り越えます。孤独を抱え、苦しみながらも、引き剥がされる痛みに耐え、自分の足で歩くことを決意し実行し、互いに送り出します。距離は自分たちを引き離しはしない。会えなくとも、言葉を交わすことがかなわなくとも、それでも竜太朗は姉を愛し、暁子は弟を愛し、父を愛し、母を愛し、そう、その思いさえあれば、人は孤独にはならない。たとえひとり奮闘することがあっても、その心は支えられているのだ。だとしたら、これはどれほどに大きなアットホームであることでしょう。揺らぐことのない愛に包まれている。そう思える者が、そしてそうした愛を誰かに与えられる者が、もっとも豊かな世界を手にしているのだ。そうしたメッセージがひしひしと身に打ち寄せてくる最終巻でありました。

解説には河原木志穂さん。私は寡聞にして、そのお仕事について知らずにいたのですが、けれどエピソードは聞いて知っていて、その河原木志穂さんによる解説。しんみりとさせて、ユーモアもあって、あたたかなものでありました。巻末、謝辞を見れば、河原木志穂さんだけでなく、多くの人がこの漫画を愛し、支えていたということがわかって、それはおそらくは、この漫画ひいては作者その人が与えたものがあって、それを受けて、自分たちも与えたいと、受けたものを返したいと、そうした相互の与えあいの結果が、あの人の輪であったのではないか、そのように思われて、ええ、こうしたところにもなんだか感動してしまうのですね。

ところで、今日、『アットホーム・ロマンス』のサイン会があったんですよ。実はいきたかった。けれど、今日は『今夜も生でさだまさし』があって、それも京都であって、その観覧募集に応募してたものだから、サイン会への参加は見送らざるを得なくって、けどNHKは見事落選したから、こんなことならサイン会に参加すればよかった! 名古屋なんて、電車でピューっだよ!

残念。本当に残念。けど、これでいい。そう思う気持ちもあって、こうして読者として関わりを得て、読者として応援してきて、読者として最後まで立ち会うことができた。そのしあわせだけで、もう充分なんじゃないかって。それ以上を求めることは、それこそ過剰なものなのではないかって思うから、一読者としてこの漫画が好きだったという気持ちを、この漫画を作り届けてくれた人たちへの感謝とともに、この胸に抱えていこうと思います。

2009年10月30日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年12月号

『まんがタイムきららキャラット』12月号、昨日の続きであります。いやね、実は昨日の昼の時点で力尽きるに違いないって予測ができていて、いやね、どうも体調が悪いんですよ。喉が痛くってですね、もしかしたらインフルエンザ!? まだ身近に新型インフルエンザに罹患した人はいないのですが、別部署にはすでに何人も出ているらしく、それに学校なんかは休校したりしてるって聞いて、もう本当に時間の問題だなって思っている次第。なので、大事をとって今日は休みにしたのですが、昼まで寝て、いや、午後4時まで寝て、多分大丈夫とあたりをつけて、けどインフルエンザならおそらく明日明後日くらいにがつんとくるんじゃないかな。

といったわけで、ちょっと体調に心配があった。ほんと、この文章をお読みの皆さんも、気をつけてください。

『Aチャンネル』で、るんちゃんがナチュラルにMIXジュースを作っていますが、ドリンクバーを頼んだ時は、私もミックスジュースやってしまいます。全部まぜるのはさすがにあれですけど、二三種類を混ぜるってのはやっちゃうんですよね。だから、これは別にるんはそんなに変じゃないと思います。でも、猫に炭酸はないよなあ。

『ねこみみぴんぐす』が、なんだか妙にシリアス展開? 一年前にさかのぼって、そしてなんだか不穏な関係。プライドがあるために、選ばれなかったことが納得できなくて、意固地になっちゃったんだろうなあ。それが桜。今の副部長。深刻といえるほどの話ではない。けれど、本人には譲れなかったり納得できなかったり、けれどその考えはよくないってこともわかってる。わかってても素直になれないのは、それだけ卓球が彼女の中で大きなウェイトを占めてるからなんでしょうね。なんだかいい話でした。蘭の愚直といってもいいようなアプローチ。その真っ直ぐさもよかったです。でも、なんで突然こんな展開? と思ったら、これが前振りだったというのだから驚きました。大会に参加とのこと。じゃあ、次回から大会編なのかな。楽しみです。

『かためで!』、ゲストです。女子高生が帯刀する世界が舞台。こちらにおける携帯電話のようなポジションにあるらしく、でもなんだかよくわからない。これは、最初にインパクトを与えたいという点ではいいのかも知れないけれど、出落ち的な、一発ネタ的な、そんな印象もあって、だから続くほどに帯刀という設定は重荷になるんじゃないかなあというような印象です。もし、この先、帯刀設定を生かし続けることができたら、すごいと思う。だから、ちょっと期待してみたいと思います。

『ぽっとらっく』は、漫画家兼雑貨屋のお姉さんのお家に下宿することになった娘さん三人の話でした。今回は引っ越しをする。けれど、荷物がぬいぐるみしか届かなかった。といったわけで、メイドの衣装を貰いましたというような回でした。まだプロローグといった感じで、実際に話が動くのは次回なんでしょうか。今回も動きはじめている雰囲気、登場人物の個性を伝えようとするエピソードもあったのだけど、けれどまだ本格始動という感じではありません。だから、次回を楽しみにしたいと思います。

空の下屋根の中』。おおおお、やめたのか。普通に皆で食事、飲み会なのかと思ったら、歓送会なんじゃないか。バイトを辞めてしまったかなえ。思い切りがいいのか、要領が悪いだけなのか、多分後者なんだろうなあ。ちょっと普通の人と常識が違ってるような娘です。でも、かなえのいうこともわかります。今、生活がなんとかちゃんとできている、そんな状況にあると、やりたいことや、やらねばならないこと、それに向けて踏み出す気持ちが薄れてしまうのは確かにそのとおりなんです。このままずるずる状況を先延ばししててはいけないってわかってても、今の最低ではない状況を捨てられず、時間ばかり過ごしてしまっているうちに、状況はだんだん最低に近付いていくことにもなってしまうんですよね。後先考えずにバイトをやめたことは私も過去にあるけれど、ほんと、むずかしいですね、仕事というか、生活するってことは。貯金が多少あったから、できたのかもしれない。けれど、今はあんなこともうできない。けれどそれではいかんのだろうなあ。やりたい事が仕事になっていない一人として、そう思います。

『ひよぴよえにっき。』、理想的といってもいいのでしょうか、ひとつのストーリーとしてまとまっている、良い回だったと思います。ハロウィンのお面を学校で作ることになった。できあがったお面の、意図しない怖ろしさ。けど、子供の作るのってこういう感じになりやすいですよね。というか、これはスプー的な怖ろしさがあります。あのスプーを描いた人は、子供じゃありませんでしたけど……。

対して、あの可愛くできた方、友達が手伝ったからっていう、その差がまたちーちゃんのお面の味わいを深くしていたと思います。それで、家に帰ってからのこと、はるの反応も面白ければ、またちょっとほのぼのとした気持ちにもさせてくれて、そして最後の自分のお面に驚くっていう展開もとてもよかったです。地味ながらも、この雑誌の中では異色ながらも、安定した面白さ、よさを保って、とてもいい漫画だと思います。

ふら・ふろ』、食べ物と見せかけてだます。それは、人をちょっと本気にさせてしまう危険な行為だと思います。うん、人は食べ物に関しては、本気にならんではおられないものです。そして、歯医者。実は私は酷い虫歯になったことがなくて、だからこうしてまで歯医者を忌避する気持ちが理解できません。最初の、しみるかな? ってくらいで受診しておけば、ちょいちょいってやって、特に痛みもなく治るもんなんですが、そこで我慢して、我慢して、もうこれ以上悪化したら命に影響するってくらいになって受診するから、治療も大変なことになるんじゃないかなって、いつもいつも思っています。ほんと、初期虫歯だと、削るにしても麻酔なんていらないし、一二回で終わる楽なもんなんですよ。

『アヤシげ?』、ゲストです。見た目に怖い、それで誤解されている女の子。本当は怖がりで、可愛いもの好きっていう、こういう設定ももはや定番になってますね。この漫画では、そこに妖怪を加えて、このお嬢さんと、見た目可愛い妖怪がどういう風に関係していくんだろうという、そこに独特の感じが出るのかな、そうなったらいいなって思いました。

『かんぱけ』、終わりです。ぎゃーっ! 結構好きだったんだけどなあ。あ、終わるのは来月、今回は最終回の一回手前です。タイトルのかんぱけ、その由来が明かされて、放送に使えるカンパケ、完全パッケージを作りなさいという課題に取り組もうという彼女らの様子は悪くなかったと思います。そこで完全オリジナルでないというのは、一種のアマチュアっぽさを感じたりしたのですが、けれど憧れているものがあって、その憧れに近付きたいという気持ち、それが原動力になっていたのだとしたら、こうしたのも不自然とは思わない。でも、この憧れに接近しつつ、それを超えていけたりすると本物になれるのかなって思うから、うん、そういうところにまで展開していってくれることを期待してたんだと思います。

好きな漫画だといいました。だから、やっぱり終わるのは寂しい。残念。けれど、好きだったからこそ、次回を心待ちにしたく思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第12号(2009年12月号)

2009年10月29日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2009年12月号

『まんがタイムきららキャラット』12月号、買ってます。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』、カートゥーンっぽい表現と、日本漫画の表現が折衷されたような絵はちょっと面白く、リキテンシュタイン思わせる網点表現あり、けれどトーンワークっぽくもあるという、この見せ方、とてもいいと思います。ちょっとコントラスト強めでめりはりのある色彩、躍動感のある構図。白黒原稿と彩度の低い背景は地味といってもいいくらいだというのに、その地味さが如月を浮かび上がらせて、動きはあるけど派手でなく、落ち着いた雰囲気だというのにビビッドでもあるという、やっぱり面白い表現になっている表紙であると思います。

GA — 芸術科アートデザインクラス』、本編ははがきの話。絵はがき作ろうという話であるのですが、その前段として如月がお婆さまと絵手紙文通やってるというエピソードがあって、しかしそこにちょっとした謎を持ってくるのがらしくてうまいです。白いはがき。それが伝えるのはなんなのか。そこに自分はなにを見ようというのか。観賞という行為は、対象を仲立ちとして自分に問い掛ける、そういう営為であるのだなあと思わせる展開はとても素敵で、そして表現とは伝えたいものをかたちにする行為であると再度確認させられる。そんな展開は、伝えたい思いと、感じ読みとりたい思いの反響するそこに芸術という営為は成立するのだという、ものごとの基本に立ち返らせるものであったと思います。

で、落ちまでおいしい。いい漫画です。

CIRCLEさーくる』は軍人将棋を紹介して、これ昔、スーパーのおもちゃ売り場で見て、欲しくて、やりたかったんだけど、買わずじまい、やらずじまいで今まできてしまいました。軍人将棋の問題は、プレイヤーふたりに判定役ひとり、三人必要ってところなんですね。その後、ファミコンのソフトで『帰って来た!軍人将棋なんやそれ!?』というのが出ましてね、やっぱり欲しかったんですけど、普通の軍人将棋も買えない子供がファミコンソフトなんて買えるはずがない。だから、こんな風に部活でわいわい遊べるっていうのはちょっと羨ましいなって思います。やっぱりボードゲームは、人とやるのが楽しいですよね。

『チェルシー』。友人がバイトしているとわかると、皆で押し掛ける、これは基本だと思います。私も高校の時分、やったもの。喫茶店でバイトしている先輩をひやかしに、四人くらいでいったんかなあ。それはそれで集客になるからいいんだろうけど、また、あんまり酷いことすると復讐されるから、おとなしくしてましたね。懐かしい。しかし、『チェルシー』の面々は、おとなしくしてるとはいえ、やっぱりちょっとわいわいとして、華やかでいいなあ。そう思います。でもさ、友人から突然大声とか出さないでと釘さされるっての、いろいろ問題のあるお嬢さんだなあと思います。

キルミーベイベー』は、めずらしくソーニャちゃんが劣勢で、やせがまんするなんて、らしくないなって、けれどなんかいつもと違う様子がよかったです。というか、やすなのパンチってそんなに効くのか。あるいは、ソーニャちゃんって鍛え方たりなかったりする? まあ、筋骨隆々のソーニャちゃんとか見たくないので、そのままでいて欲しいと思います。ところで、マジ泣きやすな、ちょっと可愛いなあ。可愛くて面白い。ああいう、やりすぎて泣いてっていうの、子供そのもので、見てて本当に楽しいです。

ひだまりスケッチ』、巣立ちの話。ナイーブななずなと、ちょっと荒っぽい乃莉と、ちょっとふたりがいい感じ。ゆっくりでも、変わっていける。そういう気持ちの描かれて、なんだか悪くない雰囲気でした。

『アクアリウム』、連載になったようです。きっとなるんじゃないかなって思ってました。これまで目立っていたのはヒロイン、熱帯魚店の娘と、そしてなんか不調法な男子。けどそこに、それぞれの友人、関係の輪を広げていくという様子がうかがえて、ちょっとこれは面白そうだぞと、そんな気分になっています。私はまだこの漫画のテンポにのりきれていないのだけれど、うまく歩調があうようになるといいなって思っています。

うらバン!』、劇中でもいわれてたことだけど、この時期から新部員募集するんだ。ちょっと驚きました。そして、なんだか非常識な新キャラの気配をさせて、いやいくらなんでもスカートは忘れんだろう。いや、作中でも非常識と認定されてるから、これはこれでありです。しかし、今回の見どころは、ちゃんと授業やってるところ。それは冬美、コハルもそうだけど、そう、黒目先生ですね。やっぱりこの人、音楽の教員だったのか。出鱈目な大人といわれてるけど、ちゃんとするときにはちゃんとしてるんだなあ。その意外な側面、といっちゃあ失礼だけど、ちゃんとしたところもいいなって思って、ええ、なおさら好きになりました。

そして、新部員。ケースからしてトロンボーン? はじめての中音域? いいじゃん。アンサンブルとしてのかたちができていきそう。なんかわくわくさせる展開でありますよ。今回のばたばたとしてにぎやか、楽しい雰囲気に、ちょっとした期待させてくれる要素が加わって、これからどうなるんだろう。いい回だったなって思います。

『アイノテ』。ネガティブな女の子が、田舎に転校してきた話でしたね。学校では起きられないけど、好きなアニメなら起きられる。その気持ちはわかります。最近、アニメでは起きられなくなってる私ですけど。だらだらとして覇気のない、そんな娘がヒロインだけど、新しくできた友人につれられて、あちこち、お寺など見てまわって、それは事件というのでもイベントというのでもない、そんなささやかな体験だけれども、ささやかなことにもささやかながらの楽しみや面白さがある、そんな雰囲気に私も楽しさ面白さをおぼえる思いでした。

『ラッキー・ブレイク』。不況から芸大中退を余儀なくされたヒロインが、バイト先での出会いをきっかけに仕事を決めた。はたしてその会社とは? デザイン会社でした。ところで、この漫画の舞台、大阪みたいなんですけど、ってことは大芸大? と思ったけど、名前からすると京都精華大? まあ、そんなことはどうでもいいや。はじめての職場、はじめての仕事に、戸惑ったり舞い上がったりする様は、なんかいいですね。憧れた職業といってもいいのか。そうした現場に立って、技量を発揮していくところはすごくいい。そんなヒロインに嫉妬を感じる人もいる、そうしたところもすごくいい。嫉妬だけではあかんけど、けれど嫉妬や悔しさがないのもあかん。そう思います。天真爛漫なヒロインの思った以上の能力の高さ。そいつを目の当たりにして、このちゃこという人はどう対していくんだろう。

まあ、人の能力に嫉妬したり、落ち込んだりすることはあるんだけどさ、それでも自分にできることをできるようにするしかないわけで、不器用なら不器用の、歪ならいびつのありかたを見付けるのがいいんだろうなって。そうした話になったらいいななんて思って読みました。

かくしてここで力尽きて、残りはまた明日。最初からわけるつもりだったから、全部にコメントしようと思ったけど、やっぱり無理。明日はとびとびにします……。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第5巻第12号(2009年12月号)

2009年10月28日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2009年12月号

『まんがタイムオリジナル』12月号、発売されてます。表紙にはカニを食べる山下、その表情がもうやたらめったらしあわせそうで、見てると私もカニを食べたくなってくるくらいですが、でも実はそんなにいうほど、カニは好きじゃなかったりして。そして、師長。なにされてるの? 今号表紙は鍋とお酒がテーマなのか、ふたりで鍋をやっているらいか竹田組があれば、ひとり酒を飲んでいる榊、なんか色っぽいのはいいけど、むしろ危険な感じがするカナさん。って、髪まとめてるのカニじゃないか。あれは飾りなのか、飾りと見せて確保しているのか、いずれにしても後ろからは見たくない姿だと思います。

『ささきまみれ』、いつぞや笹木まみのバイト探しスキルの高さが羨ましいだなんていってましたが、けれどそれは運がいいとか要領がいいとかいう話ではないんだなというのが今回わかって、なんと毎日面接に落ち続けられる人、それが笹木まみであったというんですね。そうかあ、簡単に見付けられるのではなくて、失敗を怖れず、失敗してもくじけない、それが笹木まみであったのだなあ。雑草みたいだけれど、そうした生存にかかる意識の確かさ、それはちょっと羨ましく思います。というか、見習わないとな。

『今日から寺バイト』、やっぱりあの奥さんは可愛い。で、この奥さんの常識人であるところ、あるいは寺の娘としての意識がいわせてるのかも、不幸が仕事になる、それを喜ぶかのような反応は駄目だよと、夫に、そして弟にきつくいってきかせる、その態度の凛々しさ。素晴しいですね。ところでこの弟、かなり駄目なんじゃ……。奥さんの可愛さだけがいいってわけじゃなく、それこそお寺、僧侶の仕事のひとつである葬儀においての風景描いて、雰囲気を重くさせず、けれど葬儀のしめやかさも少し感じさせて、など。悪くなかったです。

あ、思い出した。私、女性のどんな格好が好き? って聴かれたら、喪服って答えるような人間でした。そりゃ、奥さん、魅力的なわけですよ。あの、記帳お願いしているところの表情、大変に素晴しかったです。

開運貴婦人マダム・パープル』は伸子大活躍。微妙に能力の高い伸子、相変わらず味わい深いキャラクターだと思います。そして、まさかの反魂香。こんな展開になろうだなんてちっとも思わず、やられました。でも、ゾンビになって返ってくるだなんて、ちょっとした『猿の手』展開ですね。

『恋は地獄車』。後藤さん、素晴しいな。社内一のモテ子かどうかは知らんが、私はああいう女、大っ嫌いでありまして、それを後藤さんったら、流石だ。けど、私はああはいわん。ああいうこというと、女子の派閥に巻き込まれかねんからな。しかし、この漫画に出てくる人、男も女もろくなのいないなって感じなんですが、そのろくでなしどもがこんなにもおかしくて、こんなにも愛おしいと感じられるのはなぜなんでしょうか。とりあえず、万里子は魅力的だと思う。それで、高橋君。彼のことちょっと好きになってしまいそうです。まあ、身近にいると困るタイプなのは確実なんですけども……。

ただいま勉強中』。良い子が好きです。あの掃除中の上だけジャージ姿、旅行代金差額についての疑問呈するところなど、素晴しく魅力的であります。さて、本編、修学旅行のいきさきの疑惑なんですが、よくこういう展開にしてみせたもんだという、ナンセンスなんだけれど、それをぎりぎり現実的なラインに置いて、あっちにこっちにいったりきたりさせられるような感じがよかったです。しかし、理事は面白い人だなと。この人がでると、ありえない、ありにくいラインがありえると思えてしまう。そうしたところが最大限に発揮されたと思わせる落ちでした。

『たまき恋愛妄想族』。四コマ誌にまたも眼鏡ヒロインが増えました。芳文社って眼鏡強化年とかに入ってるの? 失恋をして、男を避けようと異動を希望したヒロインが配属されたベビーブランド、そこは男だらけだった。しかもいい男ぞろいという。恋愛体質のヒロインは我慢できるのか? そんな話であるみたいです。

『ハッピーエンドではじめよう』は、いわゆるコレクターといわれるような人には共感できる話のように思えて、ええ、私もこの主人公の思ったようなこと、時に思うんです。自分は過ぎ去るものを、過ぎ去るままに送ることに耐え切れなくて、ものを手放せずにいるんですね。記念物型のコレクターなんだと思います。失われること、損われることがつらくて、けれどいずれすべてを手放す日がくるってことはわかってるんですね。今までためこんだもの、それだけでももう消費、観賞しきれないのに、まだまだ増えていくだろうという、この無意味。この虚しさに気付きながら、捨てられないのは弱さなんでしょうね。解放。この漫画では生まれ変わりがあることになっているから、死んで解放でいいけれど、現実にはそんなことないんだから、だから、死んでから解放では遅いんです。わかっちゃいるんです。わかっちゃいるんです。

L16』。おおお、千本兄弟の運命が動き出したのか? きっと芽は出ないだろうって思うんだけど、どうなるんでしょう。基本はふたりだけで充足している姉妹。それがためか、千本兄のアプローチにはちっとも気付くことなく、だからもしかしたら次回は上司同伴とかか!? スムーズに運ぶにしても、とんだひっくりかえしがあるにしても、どちらにしても面白そうです。

『(仮)アイドル!』。やっぱり往年のアイドル白井さくら、社長じゃん! 元タレントという経験ゆえか、それとも能力なのか、リアクションについて実演してみせる社長。そしてカラオケ。ところで、私、思うんですけど、社長に関しては、アイドル時代よりも、今の方がずっと魅力的じゃあないかって。まあ、好きな女性の格好はって聞かれると、フォーマルなスーツって答える人間ですからね、私は。そりゃ、社長の姿の方がいいっていうのも、当たり前かも知れません。

『マチルダ! — 異文化交流記』。バードコールだけど、これ知らない人いそうだな。思い立って製作。柱を削ったら、家の強度が下がっちゃうじゃんか。しかし、やりたい放題のマチルダだけど、悪気がどうもなさそうというところがいいのか、見ていて嫌な感じはしないです。肌スコープから鳥の餌。そして肌の拡大写真。ナンセンス、確かにナンセンスなんだけれど、そのナンセンスさがすごく好きです。

『アトリエZOOへようこそ!』、終わっちまうのかと思ってハラハラしました。いや、ゲストか。いずれにしても怖ろしいな。次号最終回と告げられてモチベーションを低下させる先生。テンションさがるのはなんだかよくわかります。けどアシスタントがはげまそうとがんばってくれたりするところ、人望はあるんだ。そして、悪事の告白。これ、めちゃくちゃ面白いな。対応しきれなくなってる、その様子が電話ごしにありありとわかる。めちゃくちゃ面白かったです。基本的には空騒ぎ。けれど、空回りにはなっていなくて、読んでいてすごく楽しいです。

『おかまん研』、だんだんまとまりがよくなって、すっきりしていって、読みやすくなったのはいいけれど、最初のあの混沌としたノリも捨てがたい。キャラクターは可愛くて、岡山という土地がそうなのかどうかはわからないけれど、地味に落ち着く、そうしたところも悪くないです。がんばろうという姿勢を見せて、けれどぎらぎらとしていない、そうした塩梅がどうも気にいってるみたいです。

『ひよりすと』。この弟、妹は、どんだけお姉ちゃんのことが好きなんだろう。目がクリっとしてショートヘアで小さい子が好きよ、って、これだけだとなんだか凶悪だな。でも、このお姉さん、扉絵のとおりなら、ただちんまくって可愛いわけじゃないんだと思う。普通に、あたりまえに可愛いのだと思う。だもんだから、そりゃ弟があんなに怒るのもわかる気がします。愛する相手なら、吐瀉物もしっかり受け止めるがよいよ。

『先生のたまご』、やったぜ、連載だ! お昼ご飯をめぐる騒動。というか、弁当忘れて財布も忘れる化野先生がわるいのか。というか、ボールが出てくるってどういうシチュエーションなんだろう。大学の先輩のお家が、高校の食堂を経営してるんだけど、こんなに皆が食べてくれるんなら、さぞ商売としてはおいしいだろうな。大きく発展したりはしないと思うけれど、つつましく生活するにはよさそうだな、なんて思ってしまった自分がちょっと悲しいです。しかし、食事に関してのことはどうも人間を本気にさせるところがありますよね。この間、職場で注文した弁当の配達が遅れたんですが、そのときの皆の絶望感思い出して、だから化野先生も保取先生も、あの落胆、そしてあの幸福感、大げさでもなんでもないなって思いましたよ。しかし、シンプルな騒動。楽しくっていいですね。ああ、こんな学校なら、私も働きたいくらいです。

そこぬけRPG』、困った社長だな、相変らず。こういうわたくしと経営をごっちゃにするような会社は危ないと思います。って、そうか、だからか……。ところで、妻と姑の話。私は母に、もし自分が結婚することがあったら、あんたは間違いなくその相手を悪し様にいうに違いないから、自分は妻の人の味方をするよと、絶対あんたの味方はしないよと既に宣言してあります。でも問題は、当面結婚の予定がないところだな。それどころか相手もいないところだな。

悲しくなってきた……。というわけで、また来月! とはいきません。もうちょっとがんばる。

『花咲だより』の卓上コンロは、この作者の真骨頂だと思います。こういう無茶、思い付いてもやらないこと、それどころか思い付きそうもないこと、しかしやろうと思えばできること、それを絵にしてくれる。このシンプルに絵で笑わせるという基本がすごくいいと思っています。そして鍋奉行ならぬ鍋独裁者が登場して、けれど失脚。子供っぽい、そんなお姉ちゃん、実にこの人の味が出ていて面白かった。ところで、コーンフレークだけれども、プレーンすなわち味のついていないものなら、そんなに酷いことにはならないように思います。どうなんだろう。絶対試したくない。だからその答を知る日は私にはきっとこないと思われます。

  • 『まんがタイムオリジナル』第28巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 魔神ぐり子「ひよりすと」,『まんがタイムオリジナル』第28巻第12号(2009年12月号),112頁。

2009年10月27日火曜日

レンタルきゅーと

 はじめまして、こんにちは! お馴染みの人もこんにちは!! 『レンタルきゅーと』が出ましたよ、というわけで買ってまいりました。なんだかすごく懐かしい。思えば、『ROM-レス。』と『レンタルきゅーと』が、この人の出世作というか、お目見えだったんですよね。代理原稿だったかゲストだったかとか、そういうことは覚えていませんけど、なんだか印象に残る、そんな漫画で、気付けば単行本も巻を重ね、そしてついに『レンタルきゅーと』も出版されました。やれ、ありがたいことであるなと思って、しかしこの漫画は他のに比べてもずいぶん毛色が違ってるなと思います。底にあるものは一緒、風合いもそう変わるところはないんだけど、けれど開けっ広げな面白さというのが最大限に発揮されているように思います。

中盤くらいから、アクセルの利きがよくなったというか、これは!? というようなネタがばんばん出てくるようになった『レンタルきゅーと』。いや、もともとから、ちょっと狙い目、際どい目のネタが多めの漫画だったように思うんだけど、一気にそうした傾向が加速したと感じられる時期がありまして、あの首輪とかさ、もう思いもしないもんが思いもしないように突き付けられて、笑わずにはおられない危険さです。これ、ちょっと人前では読めないなって、我慢できずにきっと笑ってしまうから、そんな具合なんです。で、カバーをとった下、恒例の解説ですが、それを見ると、加速したと感じられるところ、そのあたりで連載になってるんですよね。それまでがちんたらしてたみたいなことは決してないのですが、連載になってからのノリはそれまで以上に前向きにテンポよくなって、ああ、このテンポのよさはよいなと思ったりするのでした。

さて、レンタル・キュートっていうのは、ヒロインらびたちが働いているお店の名前です。この世界には、ハーフペットという人と動物の合成種が存在していて、彼ら彼女らとの交流を求める人たちのところへ、らびたちハーフペットが派遣されるという、そうしたサービスがなりたっているんですね。うさぎのらびや、犬のポチ、ほかにも猫、インコ、狐とあって、彼ら彼女らが中心となって活躍するってわけなんですが、その活躍というのも、種の能力を生かしたものあり、あるいは幼さや世間知らず、あるいはただただその当人の個性発揮するものありといった多様さで、ちっとも飽きさせない。むしろ、個性の見せ方、立たせ方がうまいものだから、種の特性なんてものも個性に溶け込ませるようにして自然に見せて、ただこんな能力持ってます、ってだけに留まりません。ええ、面白いです。ポチとらびの確執に発する大喧嘩、ちまの恋心、などなど、そこにはもととなる動物のらしさが描かれ、ハーフペットという設定にもとづいた展開が見られ、そしてそれらをキャラクターの魅力が包み込んで、ほかのなにでもない『レンタルきゅーと』の面白さを作り上げているんですね。ぴりりと辛かったり、ほろりと苦かったり、けれどとてもスイートな、そんな味を楽しませてくれるのです。

悪ノリっぽいもの含めて、すごく面白くて、けれど最初の数年は、これがこうして連載化するなんて思ってなかったし、ましてや単行本になるなんて夢のようだって思います。いや、ほんと、ありがたい。こうしてまとめて読めば、想像以上の破壊力。気楽に読めるのに、気付けばぐいぐいと引き込まれてしまってる、そんなところがある漫画であります。

あ、そうだ。こないだの『MAX』で一話扉と見比べてみようっていう話ありましたよね。見比べましたよ。いや、なんだ、どちらも悪くないですよ。笑うなんて、ありえません。今の絵の方が目が縦に大きくなって、こころもち可愛さが強くなっているって感じなのですが、じゃあ昔はどうだったんだっていわれたら、ちょっとお姉さん風、これはこれですごく魅力的と思えます。いや、悪くないですよ。これはもう好みの問題で、今がいい、昔がいい、両方いい、ちまがいい、いやほんと、悪くないです、よかったです。

  • 白雪しおん『レンタルきゅーと』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊