2009年7月14日

Pioneer ブルーレイディスクプレーヤー BDP-320

 先日注文したBlu-ray Discプレーヤーが届きました。Pioneer BDP-320。いやね、もう買うことは決めていたし、だから後はいつ注文するかだけという状況であったのですが、このままいつ注文しようとタイミングを見ていたら、きっとぎりぎりまで待ってしまって、そうしたら市場から払底してしまって、みたいな最悪の事態もあるかも知れない。なので、ちょっと早めに、目標の二週間前に到着するくらいのタイミングで買うことにしたのでした。二週間前なら、もし初期不良が出たとしても、どうにか対応できるだろう。そうしたことも考えての決定でした。

さて、到着して、パッキングリスト確認して、それでテレビと接続するのですが、一本しかないHDMIケーブルはケーブルテレビのセットトップボックスが押さえてしまっているので、セットトップボックスを外して入れ替え。セットトップボックスは来週返却するので、これは予定どおりです。BDP-320に繋がるケーブルは、電源ケーブル、HDMIケーブル、それからLANケーブル。LANケーブルは最初のアップデートに使うだけだから、ケーブルは最終的に2本まで減ります。これは本当に便利でいいなと思います。映像ケーブル、音声ケーブルと3本繋いで、電源ケーブル繋いで、まあそんなにはかわらないとも思えますが、テレビ側からすれば劇的に少なくなるわけで、このHDMI一本で片付くというのを知ったときには、時代は進歩したんだなと思いましたよ。

最初の電源投入時にはセットアップ画面が表示されて、これはほとんどおまかせで完了。ネットワーク設定も、うちはDHCP使えるし、プロキシ設定も必要ないから、ケーブル繋ぐだけ。ファームウェアアップデートは20分ちょっとかかるよみたいにいわれたけど、そんなにはかからず、いや、どうだろ。ダウンロードよりもファイルの展開に時間がかかってるように感じました。しかし、カーネル書き込み中みたいな表示が出たりしてたけど、中身はLinuxだったりするのかな。現時点での最新バージョンは3.25。私はなにも考えずネットワーク経由でアップデートしたけど、ファームウェアをPCでダウンロードしてCD-Rにコピー、それを読ませるという手段も使えるみたいです。よくできてるなあ。ただ、提供されているファイルが自動解凍書庫で、Macintoshユーザーにはやさしくない。StuffIt Expanderにドロップしたら展開できるんだけど、けどこういうの知らない人もいるだろうしなあ。なんで素直にZIPで公開しないんだろう。

使用してみた感想を少々、とはいうけれど、まだBlu-ray Discは持ってないので、DVDとCD-Rを試してみただけなんですが。まず起動に関して。結構時間がかかるという印象です。BDP-120はクイック起動に対応しているので0.8秒で起動するんだそうですが、BDP-320は12秒くらいかかってますね。で、DVDのロードにもちょっとかかる。でも、HDMI連動がかかるから、うちのテレビだと再生にあわせて自動でテレビの電源も入る。ディスクは基本的にトレイを閉じてロードがすめば自動で再生されるから、電源ON、ディスクをケースから取り出しつつ待つ、ディスクをセット、ロード中に視聴位置に移動、こんな具合にしたらよいのかなあ。でも、多分、Blu-ray Discだともっと時間かかるんだろうな。そのときは、お茶でも用意するか。

DVDのアップスケールは、問題ないかな。テストに使ったのは山崎まさよしの『ONE KNIGHT STANDS on films』、やしきたかじんの『Yashiki Takajin — 50 Years Old Anniversary Special Concert』、『ウォーキング with ダイナソー — 恐竜時代 太古の海へ』。音楽ものは、もともとそんなに気にならんですね。でも、以前PS2で見たときのような、ああ、やっぱり画質が悪いなと思ったような感じはなくて、でもちょっとかすんだような、ぼやけたような感じはあるんですけど、まあ、それは気にしない方向で。

CD-Rを試したというのは、母が海外旅行で撮ってきた写真をCDに保存しているのですが、そういうのを再生できるんですね。ただ、展開がすごく遅い。これはもうしかたないんだろうとは思いますが、たくさんある写真を一覧したい、そういった用途にはPCが断然いい。だから、家族でゆったり写真をながめたいという場合にはBDプレーヤーをという使いわけがよさそうです。発色も、ぎらぎらしたような感じはなく、自然な感じ。悪くないねというのが、母と私の感想です。

ところで、画面表示を切り替えると、映像と音声のビットレートが表示されたりして、ちょっと面白いです。映像(MPEG-2)のピークは7Mbpsくらい。音声(リニアPCM)は1.53Mbpsで動かない。こんなの意識したことがなかったので、なんだか意外な感じです。最大レートはどれくらいなんだろう。明るくてよく動く画像だと、きっと7Mbpsではすまないように思うんですけど、まあいいや、ちゃんとうまいことやってくれるでしょう。

このプレーヤーの真価は、あくまでもBlu-ray Discを見てみないとわからないわけですが、それには7月29日を待たないといけないわけで、なので今はこれくらいの感想にとどめておきたいと思います。

2009年7月13日

『まんがタイムラブリー』2009年8月号

今日は13日。『まんがタイムラブリー』の発売日です。季節は夏、花火がテーマなのか、あるいは浴衣がテーマ? なんか一人だけ迷彩装備の人がいますが、それはまあ気にしない方向で、ええと、浴衣です。手にしている小物は、うちわ、わたあめ、金魚すくいの袋、そして89式小銃ですか? いや、銃器とか詳しくないんですけど、自衛隊で制式採用されてるっていったら89式かなと思ったんですけど、けど、どうも調べたらこれは64式小銃みたいですね。って、どうでもいい話でした。ともあれ、私としては短期集中☆ゲストである『視界良好』が表紙に出てきているというところに驚いて、人気あるのかな。もしそうなら嬉しいことであります。

『天使な小悪魔』、驚きました。なんと、カイトの迷走はまだ続くんではないか、そう思っていたんですが、なんとひとまずの決着がなりました。身近な誰かをモデルにして、一気に過去に決別。けれど、人ってのはこうして経験から答えを導いていくものなんだろうなあ。いずれにしても、カイトは立派になって、うん、ちゃんとしたいい話であったと思います。この後は、母親との決別ないし決着が待ってるんかも知れませんね。

うさぎのーと』はフリーダム教師陣があいかわらず楽しくて、ビート板に立つは転ぶは、やりたい放題。そのやりたい放題っぷりがよいなあと思うのですね。最後の落ちは期待の片岡でしたが、やっぱりこの人、人気があるんだろうなあ。可愛けりゃ、男も女も関係ない時代に入ったのかも知れません。いいことですね。

『だんつま』は、海、子供会のバス旅行。しかし、参加せずとも、タオルの汚れで妻の食事動向を把握する旦那はすばらしい。でも、きっと、世のお母さんがたは、子供の食事動向をこういった汚れから推測したりしてるんでしょうね、って、この人はどこまでいっても大人にして子供なのか。大人といえば、サブタイトルの「大人ですよ」はちょっと嬉しかったり。

サクラ町さいず』は好例のお盆の帰省。いや、これは帰省っていうのかな。デコられたミニ仏壇、あのデコるっていうんですか、あれ正直なところいいまして気持ち悪いんですけど、はやく流行りが過ぎてくれないかなあってずっと思ってます。しかし、この漫画の幽霊たちは、皆ゆったりと自分の死後を満喫して、死がこのように穏やかでやさしいものならどんなにかいいだろうと思うんですね。授業参観のコマなんて、なんと幸いであろうかと、そんな風に思うのですね。

『ペンとチョコレート』は、ちょっとヒロインに恋愛の目が出てきたと思ったら、まさかの展開でひき。ここはやっぱり、明るくもう一回同じの描いてくださいっ!! 一度描いたものですから、楽勝ですよね! といって欲しいものだと思います。この人の仕事振りに関しては、大ポカをすることもまれにある私は決して責めようとは思いません。けど、なんかいやな展開を思わせる、いや普通に発見されるんだと思いますけど、でもなんかちょっといやな展開になりそうで、どうなんでしょう。異動かな。

先生はお兄ちゃん。』、これまでたびたび見掛けてきたピョコたんの着ぐるみと、その中身が判明して、それでまゆの気持ちが先輩に傾いていくって、思いがけない展開と思えます。実際これまで匂わされていたムーンチャイルドの関係者の話、そのへんも含めて、まとめてしまうのかな、なんて風に思えて、でも動きがあることは悪くないのかも知れない。などと、前向きにとらえておこうと思います。

『縁側ごはん』のキー坊、この人のバックグラウンドがちょっとずつ見えてきているのか。つまりは画学生ってことなのかな? 自由な気風の姉弟と、厳格な過程に育った娘さん、その三人で話を進めていくのか、ふたたび姉弟メイン、というかキー坊メインか、に戻るのか。なんとも掴みどころのない人たちの、掴みどころにかけるストーリー。その掴みあぐねてしまう、その感触がいいのだと思います。

『カフェらった!』は、なんか不幸っぽい設定がなくなったと思ったら、ずいぶんと普通の感じになって、けど、普通でいいんだと思います。わがままっぽく振る舞うお母さんは可愛いな。

『きまぐれオフィス』、なんとみんなで創業したっていうのか。けど、そんな会社だっていうのに、女子社員に制服があるっていうのが古めかしくて、趣味? まあOLの記号的表現なんでしょうけど、それにしても意外な設定出たって感じで、ちょっと驚きました。

『視界良好』、眼鏡。眼鏡に対するフェティシズム溢れるお姉さんの漫画なんですが、あれ? お姉さん、OLになっちゃったの? 驚きました。以前に別の雑誌でゲスト掲載された時は学生だったのに、でも、OLになってもあんまり問題ないって感じで、普通に読んでいけますね。学生の方も連載になるといいのに、などと思います。

『アイムホームあかり』は、大家さんヒロインのアパートもの。ちょっとどじで、けれど明るくてっていうキャラクターはベタだけど、それだけにあんまり揺さ振られることなく、安定して読めるように思います。こういうタイプの漫画は四コマらしいと思えて、結構好きです。マザコン疑惑とか、結構いい感じでした。

『できる女には秘密がある』、眼鏡。できる人を装っているけど、実は……、って漫画。けれど、その正体を怪しむ人が出て、しかしそれでもロッカーを勝手に開けちゃいかんだろう。とはいうものの、その逆境になりかねないところを機転でひっくり返す、それはやっぱりできる人ならではなのかも知れません。というか、女性のロッカーをさぐってたのがばれるようじゃ駄目だろう。そんなのは、もっとうまくやらないと。こんなじゃきっと、いい感じにヒロインの下僕的ポジションに安定しそうな感じがします。

『ヒーロー警報』、もうY、大好き。絵本を読んであげているシーン、困惑した表情なんて、もう最高じゃないか。いいじいさんだなあ。しかし、いつもいい子で手のかからないかおりが、毎落ちで大泣きするっていう、それは実にいい感じでした。ぎゃーんって! なんかいい話風にまとめるけど、そこにはあんまりいいことばっかりでもない裏がちゃんと描かれていて、きっとじいさんが金で解決したんだろうなあ。それと、あのワンリンガルは台詞の選択が駄目すぎると思う。大人には受けそうですけど。

『ミニっきえにっき』、子供の気紛れ。実際、子供が喜ぶのを見るのが嬉しくてならないんだろうなって思いますけど、けど子供は実際に気紛れだもんなあ。こういう、本当の子供を思わせるもっともらしさ、よく観察してらっしゃるなあと感心するばかりです。バナーナ!

『たまのやすみの』、眼鏡。というか、市井先生じゃないか! この人、大好き。女性にとっての嫌な現実がコミカルに描かれる、って感じなのですが、けど二十代ならまだまだ問題ないのでは? と思うのが間違い? でもこのお母さん、ゆうか(市井先生)にはあれこれグチグチいうのに、妹みちかもそれを許容してるように見えるのに、いざ自分に話を向けられたらやめてよなんて、勝手なもんだ。でも、この姉妹、オタク受けがよさそうなのは姉の方だと思います。というか、オタク受けのよさそうな適齢を超えようとするお嬢さん、婚活とか関係なしに、四コマのジャンルではブームなんでしょうか。実際、市井先生みたいな人は魅力的だと思います。いや、魅力的だと思うからこそ、安心して読んでられるのかも知れません。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第8号(2009年8月号)

引用

  • 島本和彦『吼えろペン』第9巻 (東京:小学館,2003年),122-123頁。

2009年7月12日

GA 芸術科アートデザインクラス, かなめも

  アニメの話題です。先日第1話が放送された『GA』と『かなめも』、ちゃんと両方見ましたよ。『GA』は、なんか放送時間が当日になってみないとわからないみたいな話だったので、予備でセットトップボックスにアニメ放送枠を全部録画することにして、それがもう大正解。雑誌にあった放送時間から15分ほど遅れて始まったみたいで、こんなことならテレビの側を枠録画にしたらよかった。後の祭りであります。しかし、タイトル単位で番組の情報出してくれないの、不便だなあって思います。

さて、アニメ『GA』、アニメ『かなめも』の感想であります。

まずは『GA』。あまりのテンポのはやさに驚いたりたまげたりしながら、第1回目視聴を終了。ものすごい詰め込み、それこそ1.3倍速再生をしているんじゃないかというような密度で、これ、もうちょっと間があったらいいのにな。時間に対して台詞もネタも多いから、どんどん早口で消化しないと追い付かないような状況になってしまっていて、見ていてちょっとしんどい。これ、同内容で1時間とかだったら、きっとすごくよかったと思います。

というのが、初見での感想だったのですが、2度目の視聴。セットトップボックスが0.8倍速再生できるってわかりまして、よし、これだ! 0.8倍速で『GA』を見てみたら、おお、違和感がない。如月なんて、まさしくこのテンポでこそ如月! そんな感じでありまして、しかしこの速さでは、ノダミキのあのキラキラとした感じが失われてしまう! なので通常再生に戻して、けど2回目ともなると、特に問題ないなあ。確かにテンポははやいと思うけど、この畳み掛けるようなネタの流れ、結構悪くない。ぽんぽんと矢継ぎ早に出てくるネタの数々、ピクトグラムとか、落ち着いて確認してというような余裕はないけれど、考えるのではなく感じることで対応できる。仮に見落しても、大きな流れには影響がないから、これはこういうテンポのものとして、勢いもろとも楽しむが正解っぽい。実際、2度目は問題なく見ることができました。そうなれば、もともとが面白いと思っている『GA』ですから、楽しい、面白い、いいじゃんか、となるのも自然なことかと思います。

しかし、ピクトグラムならピクトグラムで一話構成するくらいのゆったり加減でもよかったと思うのに、それをあんなに一度に一気にいっぱいやってしまうっていうところ、考えてみれば贅沢だなって思います。

『かなめも』は、オーソドックスな感じだなと思いました。けど、ゆめゆうきの描写がちょっと苦手かなと。具体的にいうとゆうきなんだけれど、この人のちょっと病んでいるんじゃないかと思うくらい過度に示されるゆめへの偏愛。あの甘いカレーを食べる描写とか、なんかうっと思ってしまって、でもそれがこのキャラクターの持ち味だっていうのなら、私はゆうきは避けるようにしよう。反面、心配だったはるかが、大丈夫とはいわないけれど、問題なく受け入れられる、そんな感じになっていて、でもまあ、あのパンチラ対策のアイコンとか見ると、ちょいやり過ぎな気もしないでもない。DVDだったら外れるんでしょうね。けど、多分DVDまでは買わないなあ。

個別のキャラクターのうんぬんよりも、かなをめぐる皆の態度であるとか、そういうのがよかったと思っています。かながもう身寄りのないことを告白する、その時にゆうきがかなのカバンについているリボンに目を落す。代理が受話器を置く。そうした流れや、かながほぼ着の身着のまま出てきたことをいうと、次々と援助の物資が出てくる、そうした描写にはなにかぐっとくるものがあって、そして寝ようというかなの布団に涙がぽたりぽたりと落ちるところなんかね。『かなめも』は、表に出てくる色、はるかのあれっぷりとか、ゆめとゆうきの関係とか、そういうのの裏にこういう人間味のようなものがある。そればっかりだと辛気臭くなってしまうかも知れない、そうしたものがそっとにぎわいのそばにたたずんでいる、そうした感じがよいなと思うんですね。

さてさて、動いて声がついて、誰がよかったか? 『GA』ではノダミキ、『かなめも』では代理であります。というか、『かなめも』は代理とひなた以外に常識人がいないっていう感じだから……。原作ではひなたが好きだったんだけど、とにかく花がないというか、目立たないからな、この人。『GA』は、原作ではこれという贔屓はなかったのですが、けれどアニメではノダミキの印象が一層に強くなって、あの声が可愛いなあ。って、こないだは如月の声が可愛いっていってたじゃないか。とまあ、考えの落ち着かない私のアニメ視聴、最初の印象でございました。

  • 石見翔子『かなめも』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社.2008年。
  • 石見翔子『かなめも』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社.2009年。
  • 以下続刊

2009年7月11日

美女、ときどき野獣

 最近、男の娘ってのがはやりなんだそうですね。でもって、ネタばれになっちゃ悪いから具体的になにかはいわないけれど、人気のゲームに出てくるキャラクターが男の娘だと判明したそうで、その筋の人の間では大盛り上がりなんだとかいうことを聞きおよびました。そうかあ、男の娘かあ。以前、そういうキャラクターがいると聞いて、買ってプレイしたゲームがありましたっけ。といったわけで、実はちょっと件のゲームにも興味が……。いや、買いませんけどね。で、かわりといってはなんだけど、漫画をひとつ。これ、書店で表紙を見て、おおっ、と思って買ったんです。『美女、ときどき野獣』。男の娘か? っていわれたら、いや、そりゃさすがに違うんだけどもさ。

女性アレルギーの主人公が、学祭で出会った美女。しかし、彼女は実は男でした、っていう話なんですが、いやいや、どう見てもでかすぎますから。がたいよすぎますから。しかしですね、凛々しすぎる、どうみても男、こういうやつが女装していますっていうシチュエーションもなかなかいいなって、それで学祭終了後、普通の格好で出てきても、またそれがいい感じ。さばさばして、人懐っこくて、ちょっと押しの強い、そんなやつなんだけど、なんか可愛げが感じられて、お、いいじゃんって感じであるのですね。で、彼が主人公に迫るんだけど、ナイーブな主人公、男なんてありえるかっ、みたいなことを思いながらも、だんだんひかれていく。その描写はわりと薄めだけど、自分の身が危ないっていう状況でさりげなくサポートしてくれる、助けとなってくれる、そんな男に心が揺れるのは仕方ないと思う。そして、女が大丈夫になっても、考えるのはあいつのことばかり。うん、実にいいと思う。

特によかったのは、主人公雪路がとにかくナイーブすぎるところ。こういうのをヘタレって呼ぶの? ケツに入れるのが怖くて嫌なんだ…!!は名言だと思う。いや、知らないことっていうのはやっぱり怖いことだと思うんだ。で、その知らないことを怖がりすぎて、それでぎくしゃくしてって、いやもう、いくらなんでも避けすぎだろ、雪路。でも、クラスでホモ扱いされるのを怖れて、いや、怖れるだろうけどさ、それでなんか酷いこといっちゃったりしてさ、それでハルを傷つけたんじゃないかって悩んじゃったりしてさ、けどそれでもハルを馬鹿にするやつに思っていることをぶちまけた、そのシーンはちょっとかっこよかったよ。でも、次の次のシーンではやっぱりなんだか弱々しくって、目に涙なんてためちゃって、それがなんかすごくいい。ああ、もう、可愛いやつよ。

あまり突っ込んだ描写はないのだけれども、ささやかな気持ちの揺れのようなものはよく表現されていて、なんだか微笑ましい、それでちょっと気恥かしい、そんな感触がよかったです。もう一本の収録作、「迷える子羊に大吉を」も、先輩がなんかすごく優しくてですね、で、主人公もなんか繊細でね、そのなかなか接近しないところ、相手の思っていることがわからなくて、不安になっていく、そんな描写がなんかよかった。あくまでもライトなBLなんだけれど、ライトな分、その気持ちの揺れ動きの描写が多くなって、切ないなあ、なんて思えるところも多かったな、なんて思うんですね。

面白かったです。これが初単行本なんだそうですが、ちょっと作者覚えておこう、そんな風に思える漫画でした。

引用

2009年7月10日

『まんがタイムきらら』2009年8月号

『まんがタイムきらら』8月号の続きであります。先月、一度力尽きてから、こうやって中断するのもありかなって思うようになってしまった。それははたしていいことなのかどうなのか。それは正直、どうだっていいことだと思っています。さて、昨日は『境界線上のリンボ』まで書きました。ということは、再開は『ネズ巫女ちゅー』から、ということになりますね。

『ネズ巫女ちゅー』は、あの狛ネズミのふたりに名前ありましたっけ? 眼鏡かけてない方の狛ネズミのですね、わーっと強気につっかかっていって、抵抗、反撃されそうになるととたんに弱気になるっていう様子がいいなあと。かまってほしい子供ってこんな感じじゃありませんか。無茶するくせに、結構あかんたれ。その落差が可愛いんだろうなと思うんです。

『PONG PONG PONG!』は、前回リコと祐太が師匠に会いにいった、その頃、真由と高坂先輩はなにをしていたのか? ってな感じに話が進んでいくのですが、真由、いい娘だなあ。ちゃんと反省して、謝ろうって決意して、けど祐太、いろいろと残念なやつですよ。けれど、その残念なところ、もうどうしようもねえなあこいつっていうところ。それがこの男のよさなんだと思います。懲りない男と、素直な娘と、食えない女。そこに頼りない神さま見習いが加わって、このでこぼこな関係が面白いと感じます。

うぃずりず』の、ひとつの典型的な構図がここにあって、爺さんと孫ってやつですが、このふたりの関係っていうのは、見ていてなんだかいいなあといつも思ってました。今回も、爺さんの誕生日を祝おうとするリズと、そして感極まりながら思うところある爺さん。あんまり悲しかったり、つらかったりするような展開にならないといいな、そんなこと思わせるふたりです。

『あしぇるで、りんっ!』。あしぇるは魔王少女らしい。人の心を操ったりするらしい。人の願いを叶えるといいながら、世界を滅ぼすなどともいっている、しかもそのどちらについてもよくわかっていないようだ。話の通じてるか通じてないのか、それがよくわからないっていうところが面白さの軸になるのかな。あしぇるの可愛さ、無邪気というかイノセントというか、そういうところに物騒な発言がついてまわる、そこが売りなんだろうというように感じてます。

『SweetHome』、完璧と思わせてそうではないという、実際、弟大好きで、けれどそうした内心を隠してクールに振る舞っている姉さんが素敵です。伊織の言葉を過大解釈して、スクール水着だって、なんかそれっぽい理由つけて肯定するっていう、なんだかすごい力技みせてくれる。そういうところなど、実にいいキャラクターだと思うんですね。冷静にみせているが、ちっともそんなことなっていうところ。その無理してる感じがよいんだと思います。

ダブルナイト』の冒頭の、『ぼくパイ』って略称。これ、先月、『ぼくバイ』じゃないのんかっていってましたが、『ぼくパイ』で正しいですね。『ぼくの生徒はヴァンパイア』、ぼくの生徒はヴァンパイア、だから、ぼくパイ。これ考えた人はすごいと思う。『ダブルナイト』は、ユキを意識しすぎて参ってしまった稲穂、かつてないほどにメロメロのフラフラになって、なんだかこういう表現がよいです。一段落ついたら、初期の凛々しい稲穂に戻るのか? 今後の紆余曲折も楽しみです。

『びすとろふぃーゆ!』、いい感じ。悪くないよ。引っ込み思案ヒロインと明るく元気すぎヒロインが、互いに足りない部分をうめあって、それでひとつの結果を出すってな展開。ベタといってくださるな。私、こういうの好きなんです。いい感じでした。なにがいいといっても、偶然から生まれた奇跡の配合! みたいに盛り上げながら、前からあるんだけど…、静かに訂正が入っている、そういうのがなんか、いいバランスと思えます。気に入りました。ちょっと好きな感じです。

『メロ3』、素敵すぎ。だいたいが私、かっちりした白ブラウスとか好きでして、地味な黒エプロンとか好きでして、もう、最高じゃんか、とか思ってたら、なんと可愛い制服を用意するみたいな話になって、ああ、それはやめて、地味がいいんです、だからそういうのやめて、と思ってページめくったら、うわー、もう、こりゃ、なんといったらいいの? 私が間違っておりました。あー、もー、可愛いなあ。胸なんて大きくなくていい、足なんて長くなくていい、そのままの君でいてっ! って感じですよ。

ところで、かっちりした服装が好きな私は、やっぱりポン太も気になって、こいつちょっといい男よね。妄想癖あったりするけれど、泣き言みたいなこという癖に、やけに真面目だし、やるべきことはきちんとやろうとするし、で、あんな爽やかな笑顔見せるし。ちきしょー、悔しいなあ。でも、ポン太はむくわれないようになっているから、なんか哀れで、けれど今回は木ノ子だけが得だったんですね。むくわれなかったのは残りの女子ふたりもそう、ってちょっとなんか珍しいな。いや、メインにならなかったヒロインはいつもこんな感じですね。だから、結構シビアなバランスなのかも知れません。

そしてMy Private D☆V。これはいいイラストレーション。描いた人は、『ふら・ふろ』のカネコマサル。うがったところのない、素直な可愛さが感じられる。本当、いい絵だと思います。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号)

引用

  • 天城七輝「びすとろふぃーゆ!」,『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号),173頁。

2009年7月9日

『まんがタイムきらら』2009年8月号

『まんがタイムきらら』は本日発売です。8月号、表紙は『けいおん!』、水着の唯と澪が並んだ構図で、ええと、作者はちょっとふっくらした女性が好みなのでしょうか。全体に肉付きのいいという印象があって、それは本編においても同様。おおっと、本編については、後で書きます。まだ、ネタばれ緩衝地帯を通り過ぎてないので、本編には触れません。というわけで、ちょっと小耳に挟んだんですけど、アニメ『けいおん!』で山中さわ子を演じた真田アサミさんって、でじこやってた人だったんですってね。わお、全然気付きませんでした、って、そんなに『デ・ジ・キャラット』に詳しいわけでもないので、それも仕方ないといえば仕方ないんですけど。

しかし、どこででじこのうんぬんいう話を聞いてきたというんでしょう。それは、巻頭のTVアニメけいおん! 最新情報ページであります。いやね、三上小又氏によるアフレコリポートにそれっぽいことが書かれていて、それで調べてみたらそうだったというね。へー、知らんかった。リポートで描かれていたのは、梓初登場というところから推測するに、第8話「新歓!」っぽいですね。ああ、あの話はよかった。あの、『わたしの恋はホッチキス』が — 、って書きはじめるときりがないので、次いきましょう、次。ガヤ録りの様子、なんか楽しそうだなあ。

けいおん!』。ああ、夏はきついですね。なんか、太陽が極大期から極小期に入ったんじゃないかって、だからこれから寒冷期がくるんじゃないかって、そんな話が出てますけど、夏が過ごしやすくなるんだったら嬉しいかも。いや、不作とか疫病とか、問題もいろいろあるから、喜んじゃいられないんだけども。マウンダー極小期! 漫画に戻りましょう。部室の暑さをめぐる騒動ですが、8ページで主要キャラそれぞれに見せ場用意して、大きな流れも、お約束的パターンもきちんと意識して、しかも音楽についてのネタもあって、これはいい、これはいいです。いい感じにまわっている、そんな回が続いていると思います。でもって、クーラーつらいですよね。私、クーラー大の苦手なんです。気持ち、わかるわ……。

ふおんコネクト!』は、渦中の問題をダイレクトにうけてみましたっていう感じがして、ちょっとぎくっとさせられました。『ふおん』は、ホワイトカラーエグゼンプションがそうだったように、時事の話題をのせてくることもあるんだけど、そうしたものや小ネタへの傾倒があまりに強くなりすぎると、それはそれで読んでいてしんどい。正直いうと、今回はちょっとしんどかったです。でも、それでもまじめにこのことについて声をあげたかったんだろうなと思った。これを受け付けないっていう人もあるだろうってわかりながらやったんだろうなって、そんな風にも思った。だから、私もまじめにうけてみようと思う。しんどいと思いながらも、この態度には敬意を表します。

ややこしい話を飛ばす

ヒステリックな言説に流されて、ちゃんとした議論も話し合いもなされないまま、なしくずしに絶版された絵本とか過去にありました。あの時は、人種差別というものが題目でしたっけね。しかし、そこに本当に差別的な表現があったのか、それが差別を拡大するものであったのか。そうしたことを疑問に思う人も多かったというけれど、異論を唱える声はかき消されるようにして排除され、そして本は絶版されました。そしてそれは、市場から消えただけでなく、公共図書館からも消えた。すべての図書館がそうであったかはわからないけれど、少なくとも私の調べた図書館はそうであった。その本が本当に差別的であったのか、そうしたことを検証する機会さえ失わせてしまうほどに、あの時の状況は急進的でヒステリックでした。

あの時も盾にとられたのは人権でした。けれど、いったい誰の人権が侵害されていたのか。ただ不快と思った誰かがいて、その誰かが自分の思いを遂げるために、筋違いな「人権」を全面に押し立てただけなのではないか。あの騒動で失われたものはあまりに大きかったと思っている私には、やはり今回のヒステリックと思える、また筋違いとも思える騒動は、好ましいものではありません。

私は司書の資格をとって、いっとき図書館で仕事をしていました。図書館について学ぶ、その過程で図書館の自由に関する宣言というのを知りました。私の好きな文章です。ここに少し引用します。

第4 図書館はすべての検閲に反対する

  1.  検閲は、権力が国民の思想・言論の自由を抑圧する手段として常用してきたものであって、国民の知る自由を基盤とする民主主義とは相容れない。

     検閲が、図書館における資料収集を事前に制約し、さらに、収集した資料の書架からの撤去、廃棄に及ぶことは、内外の苦渋にみちた歴史と経験により明らかである。

     したがって、図書館はすべての検閲に反対する。

  2.  検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。

  3.  それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。

そして、こうまとめられます。

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

今日、たまたま読んだ漫画にこういう台詞がありました。

逆境に負けず這いあがった者こそ
文化の担い手にふさわしい……!!

今が逆境であるのなら、今をこそ踏み止まって、打てる手、策を講じるべきなのだと思います。そう思っている私には、ある種直球で勝負をかけたように見えた今月の『ふおん』は、評価しないではいられない。それは、漫画自体への評価とは違う軸なのかも知れないけれど、しかしこの表明を見過ごしにはしたくない、そう思うから、応援する! ここにその表明をしておきたく思います。

かなめも』、これもアニメ化されて、第1回見ましたよ。思ってたよりも悪くない。そんな印象で、代理が素晴しかった。漫画に戻りまして、今回は結構シビアな仕事の話。でもきっと、実際にこうしたことはあるんだろうな。ライバル他紙への攻撃とかもそうだけど、とられちゃったりとかね。でも、この漫画では誰も悪い人はいなかった。いや、帽子にしたりおいしく頂いてる人はあったかも知れないけど、今回の件に関しては、ちょっと微笑ましい、そんなところに落ち着いて、いや、頼みますよ、飼い主さん、って気持ちはあるけど、でも誰も悪い人はいなかったんだ、そうしたところはちょっと和やかでさえあって、悪くなかったと思います。いや、まあ、振り回された面々にとっては、微笑ましいも和やかもあったもんじゃないって話だとは思いますけどね。ただね、代理はあの悪い顔してる時が最高だと思うんだ。

ゆゆ式』は思いがけない懐かしのネタ。あれ、大はやりしましたよね。こういう突然のネタふりに対応してもらえると、なんだか嬉しいものがあります。おお、わかってもらえてる! みたいな嬉しさだと思います。今回の部活は鯨の話で、私は鯨、結構好きなので、鯨本なんかも持ってたりして、海洋生物ってなんかロマンがあります。よくわからない、本当にわかってないことも多いんだけど、けれどそれがいいんだろうと思うんですね。でもって、最後に前回の流れが決着して、そうかあ、友達になったんだ。よかったよかった。素直にそう思います。

『天然あるみにゅーむ!』、学校のプールが川、っていうのはなんかすごい。本当にこういうところあるのかな? それとも想像の産物? いずれにしてもいいなあ。こういう自然を利用していますって感じの描写、なんだかいい味を添えていて、とてもいいと思います。『三者三葉』は、双葉と辻兄が大接近!? な、なんてこった……。でも、どう見ても鴨られてるようにしか見えない。なんか、不憫な兄だなあと思います。

『ましゅまろ×タイフーンッ』、テンポよくって面白かったです。ちょいエロ? 無防備で大胆な友達に振り回される気弱なヒロインといった感じで、このヒロインの困り顔がたまらんという人には、もうたまらん漫画だろうと思います。

こどもすまいる!』、扉に向かう流れ、素晴しい。いつになくシリアスな表情のみく先生は、ちょっと大人っぽくて、ちょっといい感じ。でも、あの黒のタートルしばりっていうの、夏には暑そうにも思うけど、でもスタイルとしては悪くないなって思います。うん、そのままのほうがいいね! どたばたとネタ盛り込みながら、最後に仕事優先っていう内心を吐露する、この展開が好きです。

『空の下屋根の中』がゲスト掲載されて、単行本の宣伝できたんだと思いますけど、ええと、カラーの表紙、色合いが暗い! 死体みたいとはいわないよ? けど、そのくすんだ色合いは、投げやりな感じを一層強調して、うわあ、なんだろう、たまらん。本編は、ちょっと昔の話。まあ、ついこないだって感じでもありますけど、現実に打ち拉がれている、そんな彼女がいたましい。いや、でもなんかわかるような気がするんですよね。私もがんばらないといけないんだけど、明日明日と先延ばしにしてきて、そして明日明日と先送りしていくのかなって思うと、ああもう、駄目だね! ということで、私もちょっと求人に応募してみました。いやね、ちょっと面白そうな仕事があったから、やさを変えようかと思って。けど、落とされるんだろうな。こんな具合に、自分は駄目だ、それどころか社会は自分と離れたところで動いている、そんな風に感じてしまうところ、もしかしたらかなえもそうなんだろうなって思えて、ひとごとのように思えないんですよね。というわけで、7月27日発売の第1巻、頭っから読んで、だんだん社会にかかわるようになっていく、そんな彼女の姿を見て、応援しつつ、自分も元気出していこうと思います。

『境界線上のリンボ』、きっとこうなんだろうな、こうなるんだろうなって思ったように展開して、けれどそれはありきたりというよりも、望ましい展開であった、そのように感じるものでした。自分のあまりに強すぎる力を怖れるあまり、娘に触れることができない。それは、あくまでもお話であるけれど、しかしそうした不器用な話はどこにでも転がっているんじゃないだろうか。傷つけることを怖れて、人と深くかかわることができない。傷つけない、そう思っての行動が、逆に傷つけてしまっている — 、切ない寓意であったと思います。

この漫画は、ファンタジーの顔をして、けれどその実、現実的な問題意識も持っている、そんな感じを持っています。それが本当かどうかはわからない。けれど、ここではないどこかの世界を描いて、そこに私たちに通ずる心情を浮かびあがらせる。それはとてもいい触感である、そのように思うから、私はこの漫画が、読むほどに好きになっていって、ええ、好きな漫画です。

と、ここで今日は中断。続きはまた明日!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号)

引用

2009年7月8日

『まんがタイム』2009年8月号

昨日は七夕、『まんがタイム』8月号の発売日でした。毎月の7日発売。『おとぼけ課長』の表紙の雑誌。今月の表紙は、氷菓子で統一されていたようで、そういえばかき氷なんていつ以来食べてないだろう。まあ、夏に出歩かないから、かき氷を食べようという機会がないんですけどね。夏の暑さに負けて喫茶店に入っても、冷房はいってるから熱い飲み物を頼んでしまったりすることも。ほんと、かき氷なんていつ食べたのが最後だったろうって感じです。

『おとぼけ課長』は「俳優」において、現実と非現実をごっちゃにすることのナンセンスを描いて、そうたしかにそうだよな、現実は現実、そこに非現実との区別をなくしてしまうというのはちょっと危険でこっけいです。そういう話はよくわかる。ええ、よくわかりますとも。

『アサヒ! — 動物園に行こう』がゲスト掲載です。人気あるんだ。私も好きな漫画なので、ゲスト掲載はちょっと嬉しいかも。しかし、この動物たちが人の言葉をしゃべってるのって、あさひが教えたからだったのか。今まで普通に、気にもせずに読んでました。たしかに思いかえしてみれば、あさひ以外にも言葉通じてましたっけ。私はパンダが好きだといってますが、きりん、四郎もいい感じで、すごく紳士的なきりん。動物のキャラクターに、なんかちょっと独特の味がある、そうしたところがいいんじゃないかって思っています。

『はこいり良品』の、商店街復興を狙う三人のお姉さんがいい感じ。商店街復興というか、規模拡大の野望を密かに持っているっていうところでしょうか。共同経営してうんぬんという話は、なんか夢があっていいなあと思います。ところで、「今後の予定」、人生ってたしかに短いです。今ある自分の蔵書をすべて読み切ることはない。そんな気がします。新しい本は次々出るからなあ。贅沢な意見そのものですね。ああ、罪だわ。

『小悪魔ティーチャー』、面白くなってきました。これはいいかも。いや、扉が眼鏡だからそういってるんじゃない。無茶なくらいエネルギー感じさせるキャラクター、ちょっと迷惑、けれどそれも許しちゃおうかっていうような愛嬌があるんだと思います。私の好みはもちろん次女です。けど、スーツに眼鏡の長女は次女を上回ると思うんだ。いや、どうでもいい話ですけれども。

みそララ』は、ケーキが無事でよかった。きっと、なにかあるって思ったんだ。で、期待はうらぎらない。カメラマンの腰を傷める話、そういえばNHKのさだまさしの番組のカメラマン、腰を駄目にしてました。スチルとビデオは違うけど、重い機材、無理な姿勢、大変だなって思います。しかし、このカメラマン氏、好きです。なんか、ひょうひょうとして、ちょっと駄目な感じで、けどいつもにこにこして、いいなって思ってます。

『天然☆無農薬一家』、面白くなってきました。連載とのこと。とにかくこの漫画は、親父がいい味出してるなって思って、もっと親父がフィーチャーされますように。というか、息子の影うすいな……。

タマさん』の回想編が終わって、現在に戻りました。あれって、杏の回想だったのか。枕の仕掛けと杏の策略。しかし、実物よりもお姉さんに、美人に描いてもらえてて、それはそれでよかったのではないか。いや、ちょっとよく描くのは似顔絵の基本らしいからな……。朴念仁の先生に、意識させるきっかけになったんだから、杏にとっては結果オーライだったような気がします。しかし、似顔の杏は美人でいいな。美人さん、大好きです。

すいーとるーむ?』、美人さん、大好き。着替えが退社プレッシャーになるっていう話、真面目に残業を減らそうとしてるんだ。いい会社じゃんか。経費を減らしたいだけかも知れませんけど。そして、夏の女性美は! [中略]袖ぐりに有り!! あらためて思い知った気分です。バブルの頃の記憶。ここは建築資材とか扱ってる会社でしたっけ。さぞ羽振りがよかったんでしょうね。けど、部長の若いこと。もう二十年くらい経つのか。実におそろしい話だと思います。二十年たって、景気が戻るどころか、どんどん悪くなってるっていうのが一番おそろしいっていうね。

『乙女プレス』。新人営業の成長話になっていくのだろうという雰囲気で、ヒロインに自信がついて、アクティブに動く、そんな面が自然にどんどんでてくるようになったら、よさそうだなあって、そんな感じでした。中盤から最後にかけての感じがいいなと思ったんですね。ところで、にこにことして人使いがうまい、水野さんは素晴しいと思います。私もかくありたい。そして、こんな人に使われたい。

『放課後のアインシュタイン』。プールがないからこの学校選んだのにー。私の通っていた学校は、中学高校ともにプールがありませんでした。その高校、卒業後にプールができまして、それを聞いた姉がいった言葉、よかった、卒業してからで。うん、本当によかった。好きでもないのに入らないといけないプールなんて嫌いです。漫画では、ショックをうけている校長がいい感じ。しかし、プールにはいりたくない一心でいわれた、プール否定の言説の壮大さ。この漫画に出てくる、スケールの大きな表現。そういうの大好きです。確かに地学とかやってたら、数万年なんて最近ですし、火星なんて目と鼻の先です。そういった、大きなスケールでものごとをはかってしまうっていう感覚が自然に出ているところ。いいなって思っているんですね。

『ラブじゃらし』には驚きました。え、そんな前提ありましたっけっか。しかし、どうするったって、今はもう家族の一員ですっていっちゃえば済むような気が。いや、そんなこといったら先に繋らないのでいいんですけど。

『スーパーヘルパー美空』、ゲストです。世相を微妙に反映して、なんだかきびしい状況からのスタートです。けど、ヘルパーっていうけどちっともそうした描写は出てこないな。そう思ったら、ちょっとした番外だからですか。じゃあ、本編見てみよう、そう思ってまんがタイムWebにいってみたのはいいけれど、思わず『腐道』読んじまったい。最近は、台詞も覚えなくなったなあ。アニメとか、漫画とか、好きになると、なんべんもリピートして見るから、覚えちゃうんですよね。タイミングまで覚えちゃうの。じゃないよ。『スーパーヘルパー美空』ってどこに掲載されてるの!? あった、フレッシュ!4コマギャラリーか。もとから家事全般どんとこいっていう人が、ヘルパーを目指すっていう、それはたしかに適職かも知れません。けど、大変らしいですね。私も以前知人から、いざとなったら(つまり職がなくなったら)おいでよっていわれてまして、けど話を聞いてしりごみした。でも、いくなら自分が使いものになるうちじゃないとな。って、関係ないことばっかり書いてますね。漫画、面白かったです。

PEACH!!』、武田の地所。すごいな、武田。そして、今号のラスト「燗冷まし」は、まさにあの懐かしの展開で、そう、これが好きだったんです。いや、もう、感無量。しかし、2コマ目の武田の可愛いこと! 夏休みあけの初日にやらかしたのは、夏休みはさんで、油断しちゃったんかも知れませんね。しかし、本当にいい展開。大好きです。

  • 『まんがタイム』第29巻第8号(2009年8月号)

引用

  • ナントカ「子うさぎ月暦」,『まんがタイムジャンボ』第15巻第8号(2009年8月号),122頁。
  • 仁川志帆「放課後のアインシュタイン」,『まんがタイム』第29巻第8号(2009年8月号),157頁。

2009年7月7日

毎週火曜はチューズデイ!

 今日は七夕、いやその前にチューズデイ。そう、『毎週火曜はチューズデイ!』でありますよ。『まんがタイムオリジナル』に掲載されていた漫画。登場するのはネズミ、通称チューズ。このちっこくて、なにに対しても興味津々なやつらが、チーズ目当てに奔走してみたり、あるいはアグレッシブな遊びを開発する。そのやつらの暮らしぶりがいかにも楽しそうで、面白そうで、実際には猫に仲間をやられたりもする危険な暮らしみたいなんですが、それゆえでしょうか、妙にハイテンション。その勢いも手伝って、やたらめったら面白い漫画でありました。

忘れられないのは、2008年1月1日です。2008年子年の初日、1日は火曜日で、もうこれはチューズデイしかない。そう思って、わくわくしながら待っていたら、やっぱり漫画でもちゃんと意識していて、門松からあらわれて新年の挨拶。さらには、アメリカの大統領選挙で話題になったスーパー・チューズデイ。私はニュースでこれを見るたび、聞くたびに笑いそうになってしかたがなかったのですが、これもちゃんととりあげられて、いや、そうしたことも懐かしい。チューズデイはじまりの子年、それもスーパー・チューズデイのある年に掲載されていた『毎週火曜はチューズデイ!』。それはいかなるめぐりであろう。ちょっとしたミラクルを感じさせる、そんな漫画であるのです。

あ、そうだ。挨拶わすれてました。チューッす! こうした毎回の繰り返しがあり、そして思いもしなかった、というかあんまりチューズに関係しないようなネタもあり、それがぽんぽんとテンポよく展開される、それがよかったんだと思うんですね。ÖYSTERという人の、ちょっとひねった発想も、それからわりと直球の駄洒落みたいなものも、あの独特の四コマのテンポでやられれば、笑わずにはおられないって感じになって、そして気付けば扉絵のチーズとチューズを見るだけで楽しくなってしまうという塩梅であったのでした。

しかし、あの扉を見ていると、チーズが食べたくなって困ります。それが理由でもないのですが、今晩のご飯のともはチーズでした。サン・レミという名前? カマンベールとかブリーのような、白カビ系のチーズ。よく熟成して、ご飯にあって、おいしかったです。

あ、そうだ。後描きっていっていいんでしょうか。あの、絵本を思わせるようなイラストレーション、あれは素敵です。チューズたちの背後に広がる風景に、彼らの生きる土地の歴史も社会も風土さえも感じられるようなふくらみがあって、本当に素晴しいです。

2009年7月6日

Surrealistic Pillow

 このあいだ、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの『雨を見たかい』を聴いて、CD買おうと思ったなんていってました。狙いはボックスセット。そうしたら、輸入盤CD2点買うと25%オフやってるじゃありませんか。おお、じゃあ、なんかついでに一枚買おう。なににしようかなあ。ジャズにしようかなあ。など、いろいろ考えて、せっかくアメリカのロックを買ったんだから、もう一枚もアメリカンロックにしよう。ということで、ジェファーソン・エアプレインのSurrealistic Pillowを選びました。ジェファーソン・エアプレイン好きなんですよ。以前よく聴いていたクラシカルロックの専門チャンネル、そこで耳に覚えたのですね。

Webラジオで聴いて覚えた曲、それはWhite Rabbitでした。ええと、ほら、映画『プラトーン』で流れてくる曲なんですが、オーディオコメンタリーによりますと、軍事アドバイザーのデイル・ダイがいってたんですけど、マリファナ派が好んで聴いたのがこの曲だったんだっていうんですね。もうひとつの派閥、アルコール派はカントリーを聴いてたんだそうですが、みんなで煙を吸ってラリってる、そんなシーンで流れる曲はジェファーソン・エアプレイン。あ、White Rabbitだ、いい曲だなあ、なんて思った私は、どうやらマリファナ派らしいってことがわかって、我ながら意外でしたよ。

ジェファーソン・エアプレインで知っていた曲は、White Rabbitと、それからSomebody to Love、このどちらもSurrealistic Pillowに収録されている曲です。前向きにどんどん進んでいくような、なんだか勇ましさ感じさせるようなSomebody to Love、対してWhite Rabbitはどことなく陰鬱で重苦しい雰囲気が支配している、そんな曲。どちらも、やけに力強い女性ボーカルが印象的で、ぐーっと気持ちを盛り上げてくれる前者、じわじわと盛り上げが精神を下支えしてくれるような後者、もうなんかすごいな、いい曲だなあ、と思って、ちょっと変わったバンド名も、それからやっぱり変わってるアルバム名も、しっかり覚えてしまったのでした。

しかし、こうしてアルバムで聴くのははじめてのことで、そうしたら意外とブルース色が強かったりして、あるいは妙にさわやかで健康的なのもあったりして、むしろWhite RabbitSomebody to Loveは異色作なのかも知れないなんて印象がありまして、けれどそれでも当時の音楽としては、全編がシュールレアリスティックと感じられる曲だったのかも知れません。なんせ、四十年前のアルバムです。当時標準的に聴かれていた音楽ってどんなのかっていわれたら、さすがにピンときません。煙とともに酩酊をもたらすような、そんな印象を与える、陶酔的な音楽、それが当時のジェファーソン・エアプレインなのかも知れません。それとも、多彩な表現、音楽性がひとつのアルバムに詰め込まれている。明るい曲あれば、なんだかすごく陰鬱な曲もある、その感情のアップダウンが、シュールレアリスティックやサイケデリックといった印象に一役買ったのかも知れません。

今聴いても、力のあるアルバムであると思います。たしかにちょっと古めの音楽、でも今にも通じてくるものがあるなと思う。しみじみとしみる曲あり、そして高揚させる、そんな曲あり。私はマリファナなんて吸いたいとも思わないけれど、このアルバムは何度でも聴きたいな、そんな風に思います。

12 inch Analog

2009年7月5日

『まんがタウン』2009年8月号

『まんがタウン』、昨日発売です。5日発売のところ、今月は日曜日ということで、前日に前倒しされたのであります。しかし、ついこのあいだ7月号で書いたと思ったところなのに、もう8月号。時間は驚くほどの速さで過ぎていきます。

うちの大家族』は大吾がひどい落ち要因として定着しちゃっていて、いや、気持ちはわからんでもない、わからんでもないけど、みゆ美、もう本当に惨いな……。それはそうと、娘から父への素朴な評価、それであんなに喜んでしまうあの人は、日頃どんだけそうした感謝に飢えているんだろうと思って、けどこの人がそうであるように、大吾にとってもそんな日がいつかくればいいなと、そんなことを思ったりする話でした。

そんな2人のMyホーム』は、異常に濃密で異常に閉じられた、そんな感触さえあった都築の父娘関係の基礎を築いたエピソードの、娘のがわからの心情が描かれて、そしてついにこの娘はその昔のしばりから抜けようというのですね。正直な話、この漫画のはじまった当初の雰囲気からは、こんなシリアスな話に展開するなんて思ってなかった。しかし、このシリアスを抜けたとき、そこにはどんな展望がひらかれるんでしょうか。それが楽しみであります。

『ちっちゃいナース』、私にとってのヒロインはやっぱり洋子であるのか。この作者の描く絵の、あのスラリと伸びた手足の魅力とでもいいましょうか、それはこの洋子というキャラクターに顕著であるように思われます。まあ、今回はどう見ても手足とかスラリとか関係ありませんが。しかし、眼鏡はいいものだけど、やっぱりかけると煩わしい。目が疲れるし、光量落ちるし、重いし。あれは自分がするものではなくて、人のしているところを眺める、そうしたものだと思います。

『天下無双!恋メガネ』、ひどいインタビューの話。実際、いってる言葉をそのまま使っても、編集ひとつで違う印象を作れたりするっていう、そうした話と、自分のやっていることを認めてくれている人がいる、それだけで頑張れる、そうした話が裏表になってる回でした。いずれも、きちんと見てくれている人がいる、それはなんと嬉しくありがたいことなのだろう、そういうことがテーマになっているのかと感じました。そういえば、この漫画はつねにそういう、その人のらしさをきちんと見よう、そうした意識がどこか底のほうに置かれているように思います。だから、私はこの漫画が好き、よいと思うのかも知れません。

三色だんご』は、ミーハーなでしこの真骨頂だと思う。トイレが見つかった!! とかまずい! フロが見つかった! とか。馬鹿馬鹿しくてしかたがないけど、好みっていうのはあるものなあ。なでしこ好み、でもこれは市川さんの好みでもあったんじゃないのか? 似た者同志でいいじゃんか。お別れパーティーのにぎやかさと、パーティーが一段落ついて、なでしこと妹よもぎ、なでしこと市川さんが語らうシーン、感じられる互いの距離感みたいなものがいいなと。ちょっとライバルでもある姉妹、そして悶着ありながらもどこかつながっているふたり。いいなと思いました。

『70's 愛ライフ』、シャービックは覚えてる! っていうか、まだ売ってるのか。偉大だなあ。カルピスの濃度については、もう定番の話ですね。フルーツカルピスは、なんだか特別な感じで、私は好きでした。その存在が特別でよかったんでしょうね。ところで、フルーチェって牛乳使わないと固まらないことないですか? たまごアイスはほとんど記憶にないです。かき氷器はうちにもありました。うちのは電動だったなあ。さすがにもう残ってないと思います。

『ほほかベーカリー』に新人がはいって、意外。今回はまだ顔見せ、こんなキャラクターですっていう紹介みたいなものだから、動くのは次回かな、どうなるんだろう、ちょっと楽しみです。『りさいくるくる繁盛記』の、2コマ目で壊してしまう姉の思考は、ちょっと参考になる。そうか、機械ないし道具の稼動範囲というものを理解しないか過大に評価して、考えなしに動かすから壊れるんだな。いやね、その人がいるだけで故障品が増えるっていう現象が職場であるんです。そうか、このお姉さんみたいな思考で道具に対してるんだな。参考になります。

光の大社員』、ゲリラでゴリラを思い付いてゴリラ豪雨はよくある発想だけど、それがこういう絵になるとよりいっそう面白くなるんだから不思議です。この人のネタは、そんなに突飛ではないけれど、絵での見せ方がうまいんだと思う。ああいうのだ!! ああいうので掃除するんだ!! とか、なんで面白いのかわからないけど面白いですから。不思議な作風だと思います。

『だめよめにっき』、シェフ!? シェフ!!

『龍天寺夫妻の生活』、自作のポエムを贈るのは、まさに時代というものでしょうか。意中の人からだと、気持ちわるくはないのかも知れない。けど、一郎さんは、結果的にはよかったのかも知れません。愛されているなあ。けど、この優子さんがどう老いるか、それもまた未知数だから、なんてことをいっている人は基本的にもてません。

『ママのお気に入り!』、ゲストなのかな? 旦那に対する仕打ちが酷くて、なんだか読んでて辛いです。でも、現実にこんな家庭もままありそうだから、 — そう考えるとなおさらつらいな……。

『よせ☆あげ』のラバーカップの話、現実にそれをする、もしくは同様の発想で作られた豊胸器は存在するそうですが、はたしてそんなんで本当に効くのか……。人間の身体ってそんなに単純なものとは思えないんだけど、どうなんでしょう。なんどもいうけど、胸なんて別にそんなに必要なものとは思えないだけど、やっぱり重要なんでしょうか。以前、ジェーン・バーキンが自分の胸が小さいことをコンプレックスに思っているっていっていて、へー、ヨーロッパでもそうなんだって思ったんですね。いや、でもほんと、大きさなんてどうでもいいのよ。

『子供失格』は、不幸な子供が増えた! きっと、よりシビアな女性視点からのシニカルさを展開するつもりなんだろうな。ちょっと楽しそう。那良江の妹計画がなんともいえないひねくれかたで、けど、これはこれでありなのか? 友人は、現実の妹に絶望して、シスプリに理想の妹を探すはめに陥ってました。私は弟だけど長男だから、次男の気持ちはわからない。古い家庭だと、親の目が長男である弟に向かっているさみしさとか、あるいは男ふたりの場合なら、常にスペアであり続ける弟のさみしさとか、そういうのもあるのかも知れませんね。子供は、親の興味が兄弟の誰に注がれるか、敏感に反応するから、こういうものは意識的無意識的問わず、むごいことになりかねない、そんなことを思います。

『みねちゃんぷるー』、富士野家の夫婦のありかた、複雑でけれどラブラブ。愛のかたちはいろいろだ。素直でないおかあさん、なんか可愛い。両親が仲良いというのは、なによりだと思います。こうした、素直な仕合せさが感じられるところ、とてもいいなと思っています。

  • 『まんがタウン』第10巻第8号(2009年8月号)

引用

  • 山田まりお「三色だんご」,『まんがタウン』第10巻第8号(2009年8月号),67頁。
  • ÖYSTER「光の大社員」,同前,110頁。

2009年7月4日

『まんがタイムジャンボ』2009年8月号

本日、『まんがタイムジャンボ』発売です。2009年8月号。いよいよ夏といった感じの表紙であります。まあ、ありていにいいますと水着ですが、しかしこういうの本当に縁がない。水着なんて、メディア以外で見たのいつが最後だろう。夏といっても、プールやら海やらにいかない私には、水着という文化がそもそもないんですね。というか、中学の時にいったプールが最後か? かくも季節感というものから外れている私にとって、水着というのは、夏という季節をアピールするための記号でしかなくなっている模様です。というか、そもそも水着とか好きじゃないからなあ。うん、ドレス派なんだ。

『天使な小悪魔』、なんかつらい話だぞ、おい。なんというのか、共感性がすごいというか、心の水が涸れてしまった状態、生きるってのはなんでこんなに嫌なことなんだろう、わずらわしいんだろうって思ったりする瞬間はあるもんなあ。そんな時には、めぐの正論がつらい。自分だけの癒しの時間かあ。自分もなにか趣味をみつけよう。

『ダブルパティシエール』はニー本が製菓学校の体験入学に参加して、しかし、これは最初からの予定だったんだろうか。この人がパティシエールになるからこそダブルパティシエールなんだろうと思うんだけど、だからこういう展開があっても不思議ではないんだけど、でもここにいたるまでにえらい時間がかかったなあって感じがしています。宮本先生が出てきたのはちょっと嬉しいけど、こうした昔のなじみが主みたいに思うようになったら、さすがにニー本がかわいそう。

ボクの社長サマ』、ビル建て直したんじゃなかったのか。ところで、昨日テレビでエヴァンゲリオンの映画やってたけど、あの地中から伸びてくるビル群見て、あ、羽衣商事だ! と思ってしまって、いや、もう、なんだろうなあ。そういえば、はじめてあれを見たときは、『エリアル』思い出したもんだったっけ。話を戻して、こういう変なギミックを軸に、どたばた大騒ぎする展開、実にあろひろしらしいと思って、とてもいい感じです。焼き肉、夕立を伏線に、鰻重から水没に決着させる、ああいう動かしかたはすごく面白かったです。

ただいま勉強中』、オカルト研の会長は、どうもオカルトを信じちゃいないようだって感じでありましたけれど、実際多分、百物語のうんぬんも信じてないだろうなあ。イスのからくり、あれはよかった。ポジティブな意味合いも、それからネガティブというか現状も、どちらもこの人らしくていいと思いました。なんか、本気だかどうなんだかわからない、つかみどころのなさそうなところ、それがいいみたいです。

『笑って!外村さん』、見覚えがあると思ったら、第3回まんがタイム新人4コマまんが大賞の人ですね。中学のころの話、そんなことないのに外見で損してるタイプの女の子がいました。背が高くて、ちょっと派手な顔付きで、それで髪が赤くて、けどそれは天然で赤いのね。話してみると、ぜんぜんすれてない、それどころか誰よりも素直で素朴な、可愛い感じの女の子だったんだけど、私がそのことに気付いたのは卒業間近のころで、外村さん見て、その人のこと思い出しました。

なのはなフラワーズ』、しんみりとさせる話でした。恋愛色の強い漫画だけど、それだけではない、豊かに感情を描いて心地よいと感じさせる、そんな漫画だと思います。あえて言葉にしないで、あえて明確な決着もさせないで、それなのによいと思える、いや、だからこそか。いい話でした。語りすぎないところもよかったと思います。

ごちゃまぜMy Sister』は、もてもて兄妹の話、ってな感じになっていて、妹べったりであれだけれど人気のある36番は、小まめに気付いて動ける、しかもわりとちゃんとした人というキャラクターがしっかり把握されてるからなんでしょうか。体育はともかく、勉強なんかで頼りになるっていうのもポイント高いのか。しかし、優の可愛いこと。こうした多方面への気遣いと、それがどうやらむくわれないっていうところ、それがあの兄貴の魅力のように思います。

『あいにゆこう』、郡上にばれてしまったアル。けど、まあなんとか収束して、そして中居さん先生サイドでは、アルの前身というか出自というかが語られはじめていて、雰囲気とかは好きだから、この感じをたもったまま、わりとお気楽な感じで進んでいっていただけるとありがたいなあ、なんて思っています。というか、アルがかわいいなあ。

『手のり魔王』、なんだか最近、というか結構前からだけど、面白いんだ。魔王は見掛け倒しというのが基本になってきてるし、っていうか最初からか。ともあれ、この人(?)のこうした口ばっかりなところが、いい感じにまわって、面白くなってきてると。それから、普通に酷い目にあわされていますっていうところ、けどそれでもなんでか知らんけど耐えてるところ、なんかよいなって。当然、そうした面白さに加えて、美由と仲のよいところ、それが見えるところ、それがいいんだろうなって思います。

『子うさぎ月暦』、夏の女性美は! サマードレスの袖ぐりに有り!! そう、水着とかじゃないんだ。ドレスがいいんだ! ところで、あのカメハメハ大王って、パズズじゃないか。ファンタスティックだわ。「万能の科学」における、ふたりの結論。やっぱり本物がいいんだろうな。どんなに素晴しい仮想が得られたとしても、本当に素晴しいものには敵わないんだろうな。まあ、素晴しくない現実に比べたら、よりましな仮想の方が百倍いいよななんて思ってしまう私のようなのは論外としてもさ。ナントカの漫画は、シニカルな笑いの向こうに、未知や不思議、自然や科学に対するロマンがあふれている。そのロマンが時に、ぐっと前に押し出されてくる。それがすごくいいと思うんです。

あおいちゃんとヤマトくん』は、あいかわらず酷い妹かえでが魅力的。いや、兄貴に対しては酷くない。教授に対してが酷い。そのギャップがたまらんなあと思う。心のメモリーまで焼却って、いかすね! ところで、一番可愛いのは香澄さんだと思う。『先生はお兄ちゃん。』は兄貴と神奈先生の恋愛方面が強く押し出されるようになって、この流れ、きっと人気あるんだろうなあ。自分は初期の、ぴょこたん前にしてパニック状態になっている妹が好きでした、なんていったら駄目なのかな? いや、兄貴は神奈先生とつきあえばいいと思うよ、とはいうけれど、そうはならないかもと思わせるくらいの距離感がよいと思うから、なかなかにコメントしにくく思います。結局なんでもいいんじゃないかって思ったりね。

『ますたぁDOG』は、おまわりさん、いなくなるのか。唐突の誘いに勘違いする勇は、充分に女の子だったと思います。でも、女の子は女の子女の子した人よりも、こういうさっぱりとボーイッシュなほうがいいと思うんだ。まあ、あとでこの感想ひっくり返しますけど。『ちょー!えど幕末伝』、池田屋事件がきましたよ。なんだか適当で、すごく平和な感じの池田屋事件。結構凄惨な現場を、こうしてほのぼのと描く、そうした持ち味がいいなと思って、屯所に帰って落ち込む副長とかですね、すごくいいです。

乙姫各駅散歩』、完結! 地上では四ヶ月たってた! そして乙姫も戻ってきて、以前のとおり、ではあるけれど、以前のままではないっていう、そうしたちょっとした変化がいいと、そんな風に思います。大きな物語ではなかったけれど、それが江太という男の子にはよくあっていた。ふたりの物語、そんな感じがする、その身のそばにあると思えるような近しさがとてもよいと思いました。

気分は上々』、第2巻とな! 今回は、仕事をする人たちからちょっと離れて、精一杯遊ぶ人たちの話でありました。仕事をすれば優秀と感じさせ、けれど遊びも忘れちゃいないぜっていう、仕事も遊びもどちらにも頑張る、そんな兄さんたちの姿がよい、そう思える回でした。2巻では、こうした部分、それから妹たち含めた家族の話、そういうのがたくさんでたらいいなと思います。

ひかるファンファーレ』、炎天下で海辺って楽器には最悪。でも、部活ならしかたない。私も砂塵吹き荒れる炎天下のグラウンドで吹いたりしたもの。今じゃ絶対嫌です。あの、アンコールの仕組み、たしかに新一年生など、舞台にのらないメンバーは、客席でサクラだったなあ。そういったことも懐しい。面白さに懐しさ、いろんなよさがいりまじった楽しさです。

『ぼくらは魔法が使えない』、大切なのは尻らしい。『俺の部屋にはウサギが居る』、今熱いのは美尻らしい。胸の時代は終わったのか。『ダマされて巫女』は、ミスター……。そういえば、前回だったかにもミスターって出てましたっけ。思ったよりも本格派だったじいさんと孫の式神戦とか、兄貴の由美ちゃん攻略だとか、見どころはいっぱいだけれども、やっぱり最高なのは清ちゃんのワーイ初体験♥だと思います。

『ふかふか』は、扉絵の、全然色気なんてないんだけど、というああいう感じが逆によいなと思います。大人っぽさに憧れてるんだけど、まだ大人にはなりきれてない、ってとこまで書いて、このふたり、高校生か。おおう、中学生かと思ってたよ。カレシだなんだいってるけれど、この罪のない感じってのがいいんです。

『なまけもの課長嶋さん』、安田弘之だ、意外! この人の漫画は結構好きなんだけど、これ、どうなるんだろう。今はなんともいえない。なんともいえないけど、まあ目次漫画だから、そんなに強烈なの押し出してはこないだろうなって思います。

そして、『ハッピーカムカム』。おとまり話。しかし、みずきの母の条件、なんかいいなあ。ちょっと、お母さん、好きになりそうです。いくつになっても、心は乙女なんだよ! お姉さま達に翻弄される弟がいい感じなんだけど、すぐに逃げてしまって、うう、残念。私はちえりが一番好きです! けど、みずきもとてもいいと思います。しかし、宿題をするはずが、そうは簡単に運ばない。お菓子食べて、花火見て、花火して、そうした普通のことがいいなと思える漫画です。それにさ、なにしてても女の子はやっぱりはなやかでいいね! って、ほら前言ひるがえした。はなやかでのびやかで、その時々にきらきらとした表情が見え隠れする、そうしたところがいいなって思って、うん、描かれるのは普通の風景でいいんだ。その普通で、けれど特別である瞬間っていうのが素敵なんだと思います。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第8号(2009年8月号)

引用

  • ナントカ「子うさぎ月暦」,『まんがタイムジャンボ』第15巻第8号(2009年8月号),122頁。
  • 真田ぽーりん「ダマされて巫女」,同前,182頁。

2009年7月3日

けいおん!

 関西での『けいおん!』の放送が終了しました。ああ、バットとグローブ買ってくるか……、嘘ですけど。とりあえず今後の買い物は、CDとバンドスコアと、それからBlu-ray Discとその再生機ってところでしょうか。Blu-ray / DVDとミニアルバムの連動キャンペーンとやらは、応募だけはしてみるけどきっとはずれるだろうし、でもまあいいや、なんでもかんでも手に入るって考えがもう間違ってるんだ。そもそも、昔は欲しくても手にできないなんてことが普通で、Blu-rayやらDVD、まあ昔ならレコードやCD、LDとかになりますか、ソフトは買った、けどプレイヤーがないから、友人に頼んでテープにコピーしてもらう、なんてこともありましたっけね、とちょっと昔ばなし。でも、今はコピー防止技術が発達しちゃってるから、Blu-rayからコピーとかできないんだね。なんか時代はどんどん厳しくなっていっちゃってるなあ。なんてことを思ったりして、けれどこれも関係ない話ですね。

さて、アニメ終わりまして、途中、第6話「学園祭!」の演出意図がわかんないとか、いろいろ思ったりしたことも懐かしい。けど、あれって、山場となるライブシーンを前半後半に二度置くことで、最終回「軽音!」が弱くなってはいけない、そういう配慮だったのかも知れないな、なんて思っています。ハードディスクに録りためた『けいおん!』を第1話から見返した時のこと、第9話「新入部員!」で梓が泣いてしまうところとか、第1話のリフレインのように感じたんです。泣いた理由こそ違うけど、軽音部でやっていけないかも知れない、やめよう、そういおうとする場面で泣いて、それに皆が演奏で応えてくれるという、そういう流れに1年目と共通するものを感じてしまったんですね。

思えば、「新入部員!」、「また合宿!」、それから「ピンチ!」の前半は「楽器!」でしょうかね、ちょっと1年目をなぞっている、そんな風に思わせる2年目でした。けれど、年中行事のようにめぐってくる出来事、それは去年のものと似ているようでも違っている、そんな、かけがえのない特別な出来事であるんだよ、そうしたことも感じさせてくれようとしていた、そんな風に感じるんですね。だから、最終回、2度目の文化祭。1年目でたくさんの人が期待していた舞台の描写を、あえて肩透かしを食わせても2年目に集中させた。もし、これが各回1時間とかだったら、初舞台と、2年目の舞台の違いも描けたのかも知れないけれど、短い尺での表現で、見るからに1年目とは違った2年目を演出したかったんだろうなって思った。原作では、酷い演奏だったってことにして、1年目との差別化をはかったところを、アニメではハプニングを加え、けれどそれがよりクライマックスに気持ちを集中させる、そんな効果を担ってた。第1回の冒頭のリフレイン、昔の自分に語りかけるモノローグを被せて、ああ、おっさんはああいうのに実に弱い。泣くって、いや、もう、泣くって。ライブシーンの、これ評判悪かったみたいだけど、歌ってる顔が変な顔になっちゃってるところとか、もう一生懸命歌ってるって感じがして、すごくよかった。曲が終わって、紬が沈黙を破って鍵盤を弾きはじめる、あの表情もすごくよかった。いや、もう、泣くって、泣くから。

番外編の「冬の日!」、これはこれまで以上に原作の雰囲気からも、それからアニメの雰囲気からもはずれていて、あの彩度が低いといったらいいのかな、くすんだ色合いで淡々と描写される彼女らひとりひとりの暮らしの表情。なんか危うい感じもあって、けれどそれが後半にすっと抜ける。時間はどんどん過ぎるし、立ちどまってなんていられないけれども、それでも落ち着ける場所はある/あった、そこには気を許しあえる友人がいたんだっていう感じ、ちょっと忘れていた感じ、とてもよかったと思っていて、けれどこの落ち着いたなんて表現では追い付かないような暗さ、普段はにぎやかなの作ってるからか、こういうのやりたくなっちゃうのかなって思って、けれど面白かった。番外じゃないとできない、だからこそといった気持ちが感じられるようでよかったと思います。思いますが、でもなんか見ててさみしくなっちゃうんだよな。最終話「軽音!」の盛り上がりを一気にクールダウンさせて日常に引き戻す、そんな感覚を味わいました。

さて、音楽を扱った『けいおん!』、それゆえに楽しかった、そんな風にも思います。やっぱり、音楽っていいね。っていう私の一番好きな回は「クリスマス!」でした。あれは楽しかった。あの回には見どころがいっぱいで、打合せでプレゼント交換の話が出たところ、やろうやろうという唯を見て、紬がまったく同じに追従するんだけど、その時の顔がちょっと変になっちゃってて、それがもう本当に嬉しそうで最高だった。ああいう顔、『三者三葉』でむかし出てきたような覚えがあるんだけど、どうもこういう表情私は好きみたいで、いや違う『きつねさんに化かされたい!』だっけか? まあいいや、好きなんだ。で、さわちゃん先生の歌う『ジングルベル』。ジングルベール、ほい。ジングルベール、いえー。最高だ。

とまあ、まだまだいいたりない気分だけど、そうした気分もいずれ思い出になっていくのでしょう。三ヶ月の間、『けいおん!』があったおかげで楽しかった。HDRの威力を思い知り、そしてテレビはアナログからデジタルに。激動のようでした。まだ、BS-TBSでの放送は残っているけれど、それが終わったら、本当に思い出かなあ。でもそれでもいい。三ヶ月間、すごく楽しかった。この楽しい気持ちが薄れていくのはさみしいけれど、それでも楽しかったという思い出はずっと残るのではないか、そのように思います。

あ、一応ことわっとくけど、原作は原作で好きなので、これからも楽しみに連載を追っていきますよー。でもこういう感想が出るあたり、私はアニメと原作を、まったく違うものとして楽しんでいるみたいです。

Blu-ray Disc

DVD

CD

原作

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年7月2日

『まんがホーム』2009年8月号

慌しく7月。なんか、気づけば今年も半分過ぎてしまってましたよ。もう、まったくまいったなあ。なんて思いながら、月が改まれば『まんがホーム』が出ます。買ってみれば、漫画家のみなさんに聞いてみました、定額給付金の使い道、なんていうアンケートがあって、ああ、給付金、そんなのもありましたね、ってもうずいぶん過去の話に思えます。テレビにつなげるハードディスクを買ったんですよね。いや、ほんと、これ便利、って話それはじめてますね。給付金の使い方についてのコメントは、その人なりの考え方がよく現れていて、面白かったです。中でも好きなのは、佐波まおさんのテレビの話で、本当に物持ちがいんだなって驚きです。うちの買い替え前のテレビは、1995年のものでした。いやあ、まだまだ修養が足りない、そう思いましたよ。

恋愛ラボ』は、前回に解決した事案、それがちょっと重圧持ってのしかかっていた反動か、とんでもなく馬鹿なのりになってしまって、けどそれでこそ『恋愛ラボ』の真骨頂という感じもするから、素晴しい。サヨをみんなで可愛くしよう! って、うわ、これは可愛い。あの変眼鏡じゃなくて、普通の眼鏡かけたら、屈指の美少女なんじゃないのか。他の四人ぶっちぎりで引き離す可憐さなんでないのか、などと思わず取り乱してしまうくらいに馬鹿馬鹿しくも楽しい話でした。ところでさ、眼鏡が本体って馬鹿なこといってるよ、って思って、けどちょっと気になって検索してみたら、過去に私がいってました。おおう、なんという馬鹿発言。

今回の『恋愛ラボ』は2本立て。後半は巻末にあるのですが、今ついでに書いておきます。エノとサヨの子供時分のエピソード。サヨを気にしながら、けれど気にしすぎるあまりに誤ってしまったエノ。そのエノの心情を表現する数ページ、もうなんだろうなあ。泣きそうになる。こういうことは、実際にもありそうな話。けれど、それだけに、訴えかけるのかもなあって。大きなできごとではないけれど、でもことエノに関しては、小さな問題ではありえなかった。その素直さ、自分だけが思ってるんじゃないかって不安にかられて、けれど間違ってたって気付いて後悔して、その真っ直ぐな気持ちがいじらしくて、微笑ましくって、涙を絞るなあ。ささやかなエピソードに浮かびあがるものであるからこそ、そっと心に染み入るのかも知れません。ああ、エノはいい子だ。けど、サヨはもうちょっと素直でもいいかも知れない。いや、その一見ひねたところが彼女のよさであるのかも知れないけれど。

しまった、のっけから長すぎた。

『さくらんぼ。』は、そうか鰍おばさんはお父ちゃんのことが好きなのか。って、当たり前を当たり前と思い込んで、それを当たり前にするためのアクションを起こさずくよくよしてるっていうのはやっぱり不健全だよなと思った。こういう問題は簡単じゃないけれど、けれどややこしくしてるのは大抵人の思惑のような気がするんですね。でも、少女漫画でもなんでも、恋愛の紆余曲折を理性的に話し合いで解決するとかいう展開になったら、そこにドラマのようなものは生じないわけで、まあ、難しいなあと。ところで、おばさんはわりと若く見えるのに、父ちゃんはものすご老けてみえるよ? 苦労したから?

天子様が来る!』の「理想」は、なんか深いな。現実にこういうこという人、いわなくとも思ってそうな人っているけれど、それが偽善的に見えるのは、実際裏まですっきりきれい、ってことはありえないと思うからで、けれど天子様のいうとおり、本当にすっきりきれいな人だったらどうなんだろう。私がこういう人を警戒するのは、自分のきれいさを盾に、私の汚ないところを浄化されようとなったらたまらんなと思ってるからかも。考えてみれば、結構難しい問題です。

『お江戸とてシャン』、妖怪怪異の類について。なんか普通に怪異と共存しているみたいな生活。それは迷信かも知れないし、そうでないかも知れない。なんかおもしろいさじ加減。含みもあっていい話でありました。

『てんたま。』の、るーの出自の明らかになる、そんな回。それは、私らの世界にはありえないことで、けれどそれゆえにか、あって欲しいと願うこと、であるように思います。もう会うこともかなわない誰かに会いたい。そういう思いを抱いたことのある人なら、これをどう思うだろう。少なくと、ことさらに失うことを怖れている私には、ありえないこととは知りつつも、ありえて欲しい、そんな話。だからこそ、切ないなあって思います。

ヨメけん』、最終回! 好きな漫画だったよ! 駄目な人が、駄目なりに、その自分の駄目さを克服したいと、モチベーション上ったり下ったりうろうろふらふらしながら進んでいく、そうしたところの描かれるのがなんだか切実に感じられて、だからこそ好きでした。先生の問題は結局解決しなかったけれど、けれどそれでも時にうおーって克己心ふりだして、頑張ろうって決意して、ほどなくしてへこたれて、けれどまた頑張る気になったりして、うろうろするんでしょうね。その先に、少しでも理想に近づいた自分があるなら、それはとてもいいことだと思います。問題の完全解決なんて望めないけれど、それでも理想に近づこうと歩み続ける、そうした営為こそが人の生きるっていうことなんだと思うから、私は同じく駄目の仲間として、ひなた先生のように、うろうろふらふらしながら歩き続けようと思います。

楽しかったよ! さよならはいわないよ! これから先も、どこかで同じく歩みを進める同志として、折りに思い出すだろうと思うから!

『OHでりしゃす!!』、微妙に食べもののねたが減ったな。いや、ちゃんとあるんだけど、これまで以上に小ネタ感が強まって、けどそれでも面白かった。食べ物なら食べ物と、しばりにしばられすぎることで不自由になるくらいなら、こうして自由に話のふくらむにまかせるほうがきっといいな。そんな感じでした。

『イエス・マスター!』、とわはマスターが本当に好きなのだな、すべてなのだなって話。そうした思いの揺れ動く狭間で、自分をたしなめようとするとわさんが人間くさくて、うん、ロボットとかアンドロイドとかを描こうとする時って、やっぱりテーマは人ってなんだろう、人の思いってなんだろうってところに向かうんだろうな。そんなことを改めて思いました。

『コンビに天使』、ゲスト、実家がコンビニの双子の話。似てない双子、けれど時に同じような行動をとって — 。そういう話がコンビニを舞台に描かれて、悪くなかったと思います。ありがちといえばありがちかもは知れないけれど、そこに深夜のあいさつとか、おでんでテト●スとか、そういうのが加わって、ちょっと一押しって感じになっているのかと思います。

『東京!』、ちょっとギミックが強すぎると感じないでもなかったけれど、制服超ムシだねのようなつっこみや、言っておくがこの話は擬人化等の話ではないといった断り、そういうのは面白かったです。仕掛けの強さが生かされてるっていう感じなのかと多います。ところで、東京の地理に明るくない地方もんには、八王子といわれてもちょっとぴんとこない。とりあえず新宿からちょっと遠いことは理解しました。

『ぷちたみ』、こちらも最終回。順当に落ち着いて、子供たち大好きで、その一心でわりきっちゃってる先生はなんか見ていてすがすがしいな。大掛りなドラマ仕立てにしないのは、多分紙数の問題もあったのだろうけれど、ばたばたしすぎることなく、素直に結論にこぎつけさせるところは、持ってまわったやりかたよりも共感しやすくて、ああ、この人ほんとに子供たちのこと好きなんだなって感じさせてくれたように思います。好きの嫌いのって、こんな風に素直に表明できる場っていうのは、よいなって思ったりもしたのでした。

『ひなばと』は、おおおう、予想が外れました。きっと記憶喪失だと思ってたんだけどなあ。けど、物語は急展開して、そうだね、やっぱり相手の思ってることを、決め付けてしまうんじゃなくて、ヒアリングすることが大事だねって。思っていることは、ちゃんと伝えようとすることが大事だねって、そんな話でした。けどさ、あの梨々子さんは、ベーカリーで苦労してなかったらこんな境地には達してなかったと思うから、やっぱり紆余曲折も必要なのかななどとも思ったり。

『ふぁみにゅ?』、家族設定のしばりをはずれたかのような後半、ああいう自然さというか、その年頃なりの雰囲気というのはいいなと思ったり。けど、この人たちは、あの役割りを演じることで、すっかり型にはめられちまってるんだなあ。特にお父さん。でもそれが悪くないって思う私のようなのもいます。『えきすとら以蔵』の、劇団研究生のエピソードが目を引くのは、ある種、変化しないことを前提としている以蔵たちの関係の中で、この人だけが変化していく物語に乗っているからなのかも知れないななどと思いました。変化しない、その時々の今にとどまり続ける表現の面白さと、その対極ともいえる、成長していく人の物語、それが併存しているのが面白いと思います。

『物持ちがいいにも程がある』、昔のドラマのうんぬんですけど、ああいうの確かにぎょっとさせられますよね。今の細眉はさすがにちょっとと思うこともあるけれど、昔の眉もなんだろうって思う。そして肩パッドの盛り、あれはなあって。きっと今の風物も、あと十年二十年して振り返ったら、こんな風にぎょっとさせるようなものになっているんでしょうね。うわー、眉細すぎ! とか、思うようになるんでしょうか。時代を超えられなかったもの、それを振り返ろうという視線は、常に残酷であると思います。

  • 『まんがホーム』第23巻第8号(2009年8月号)

引用

  • カワハラ恋「東京!」,『まんがホーム』第23巻第8号(2009年8月号),129頁。
  • 同前,130頁。

2009年7月1日

未満れんあい

  雑誌の買い出しに出かけた書店、そこはそこそこの品揃え、けれど時には妙にマニアックなものが普通に置かれていたりもする、そんな店で、いくたびに、漫画ないし本が本当に好きな、そんなスタッフのいる店なんだろうなと思って感心します。ここは、もう十年以上も前から、単行本の冒頭数ページを試し読みできるようにしていまして、それで何冊買ってきたことか。既刊新刊に関わらず、欲しい、読んでみたいと思わせる、そんな雰囲気ができあがっている。ということで、買ってしまいました。高嶋ひろみの『未満れんあい』。そう、『まんがタイムスペシャル』にて『ポンチョ。』を連載している、あの高嶋ひろみです。

『未満れんあい』は、以前から知っていたんだと思う。少なくとも、まったく目にしたこともないということはないはずで、けれどあえて読もうとはしてこなかった。理由はわかりません。年の離れた男女のカップルものかと思って、くそう、こんちくしょう、そう思って心を背けてしまったのかも知れない。けど、読もうと思った。試し読みしたからじゃない。試し読みの1巻、用意されてるのに気づいてなかった。平積みの2巻を見て、そして1巻を探して、おっと試し読みがあったのか。けど、もう買う気だったから、ここで試そうとは思わなかった。こうした買いかたの裏には、高嶋ひろみなら大丈夫だろうという信頼があったのは疑いなく、長く『ポンチョ。』を見ていくうちに、そうした信頼というものが醸成されていった模様です。

さて、『未満れんあい』、読んでみて驚きました。ものすごく展開がスローなんですね。2巻の終わりで、いったい何日目? 第1話、出会い、つまり1日目。第2話、まだ1日目。第3話、翌日、つまり2日目。第6話で日付けが変わるんだけど、これが具体的に何日目とかはわかんない。ここで2巻に入って、第7話、6話の続き、つまり同日。ここで週末に会う約束をして、第9話から週末、日曜日、で、2巻はこの日曜日から出ることなく終わります。

こうした構成のためか、一日一日の描写はすごく丁寧と感じられて、純朴そのものといった感じの女の子、ともえちゃんのぴかぴかときらめくような魅力も、それから主人公、エロゲメーカーでプログラマしている黒瀬のまた朴訥としたいい人感もひしひしと伝わってきて、いや、もう、ふとした偶然で出会った女の子とのつながりを失うものかと必死になる姿は滑稽ながら切実で、けれど年端もいかない女の子をたぶらかそうみたいな悪意はまったくなくって、騙しちゃえばいいのにって、そんなことは微塵も考えつかない様子。それどころか、なんとかして自分の職業、ごまかせないかなあって、どうしたらいいんだろうーって、右往左往している。その姿は、はっきりいって痛ましいものがあります。

正直、読んでいてちょっと辛い。中学生の女の子から嫌われたくないっていって、じたばたしてる中年手前のおっさんの姿はきびしい。けれど、それをきびしい、辛い、痛ましいと思うのは、そこになにか自身を投影してしまっているからなんではなかろうか。黒瀬の気持ち、思いを、ひとごとのようにではなく、切実に感じとってしまっている? そうなのかも知れません。だからこそ、このおっさんがなんとかうまくあの子とのつながりを確保して、そしてそれが恋愛のどうのこうのということにならなくとも、微笑ましく、あたたかな気持ちで見守っていられるような、そんな関係を維持してくれたとしたら、なんか嬉しいなあ、そんなことも思ってしまうのかも知れません。

じたばたしてるおっさん、黒瀬が痛ましい。反面、なんだかかわいいなあ、と思ってしまうのは、高嶋ひろみのマジックかと思います。具体的に、この漫画で描写されてるようなおっさんが身近にいたらどう思うか。難しいものがありますよね。同じ職場で、仕事に対する姿勢やらを見ているというのならともかく、その外観やらだけで評価するとなったら、間違いなく可愛いとか思う余地はない。けれど、この漫画の黒瀬はすごく可愛い。いい年したいい大人なのに、中学生よりも純かも知れない、そんな心を持っていて、めちゃくちゃアンバランス。それは、多分、学生時分の経験が、現実に背を向けさせたからなんだろうな。彼岸に安らぎを見出してきた彼は、此岸においては充分に生ききってこなかった。それゆえに、汚れず、朴訥なままできた。そうなのかもなあと思いながら、だったら清純な彼女とともに、素朴さ失うことなく、歩き続けていって欲しいよね。なんて思う。うん、これは純朴な黒瀬を好きになれるか、彼の必死さを見て、なにか暖かい気持ちで見守りたい、そういう感情を持てるかで全然違った読後感になりそうな気がします。そして、私は、黒瀬がほっとけない。わりきれず、びくびくおどおどしたりする、会社のこといおうかどうしようか、踏みきれず、うろうろしたりする。そうしたところも含めて、なんかいいやつだなあ、そう思って、目を細めてしまう。ほんと、高嶋ひろみマジックだと思います。この人の漫画の持つ、読むものをほのぼのとさせる力、それが存分に発揮されている漫画であるなと思いました。

  • 高嶋ひろみ『未満れんあい』第1巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2008年。
  • 高嶋ひろみ『未満れんあい』第2巻 (アクションコミックス) 東京:双葉社,2009年。
  • 以下続刊

2009年6月30日

Pioneer ブルーレイディスクプレーヤー BDP-320

 買わなくちゃ、Blu-ray Discプレーヤーを買わなくちゃ。いやね、Blu-ray Discプレーヤーも持ってないのに、Blu-ray Discを買うと決めちまったものですから、決めたどころか予約しちゃってるものですから、プレーヤーを買わんといかんのです。けど、Blu-ray Discプレーヤーといっても、そうそうお安いものでもないからなあ。そんなことから、最初はPLAYSTATION 3を買うつもりでいたんです。プレーヤーとしての能力は充分。ゲームもできる。魅力的と思った。けど、ちょっとひっかかるところもあって、それは発熱、それを冷却するためのファンの音、などでしょうか。結構大きいといいますね。でも、映像見る程度なら平気だろう、そう思っていたら、いやいや、Blu-ray Discの再生でかなり発熱するらしいですね。そうかあ、うるさいのはいやだなあ。そう思って、新型の動向をうかがっていたんですけど、正式なアナウンスも一向にないわけで、だから、専用プレーヤーかなと思っていた。と、そこへ比較的安価なプレーヤーがリリースされたとの話を知って、これは、と思ったんですね。

 比較的安価なBlu-ray Discプレーヤー、それはパイオニアのBDP-320であります。って、BDP-120じゃないんだ。いや、最初はBDP-120に興味を持ったんです。二万円台で買えるBlu-ray Discプレーヤー。おお、PS3までの繋ぎに最適じゃなくって? そう思った。で、もうちょっと調べてみたところ、一万円ほど足すとその上位機種が買えることがわかって、まあそうなると、PS3と値段の差はなくなってしまうわけなんですが、でも、まあ買うなら、BDP-320かなと思ったんです。

その理由は — 、そんなにないです。ノイズリダクションがついてる、画質もよくなってるらしい、それくらいですか。起動に関しては、クイック起動のあるBDP-120の方が優れているらしく、またCMバック、CMスキップもBDP-120にしかついていない……。とはいっても、テレビ録画をディスクに保存したりはしないから、これはあんまり関係なさそうか。

起動に時間がかかるといっても、まあそんなに急いで見ようってこともないだろうから、気にはしません。それ以前に、今うちのDVD試聴環境であるPlayStation 2ですけど、ドライブが弱ってまして、なかなかディスクをマウントしないんです。だから、起動に時間がかかることに関しては気にならないです。それよりも画質が重要だよな、って思う。ハイエンドを求めるまでじゃないけど、そこそこの質は確保したいものだ。そう思ったから、BDP-320が欲しいと思っています。

しかし、同価格帯で他メーカーの製品もあるのに、なぜパイオニアかといいますと、パイオニア、結構好きなんですよ。LDプレーヤーもパイオニアを選びました。で、ちょっといい機種を買ったんでしたっけね。パイオニアにしたのは、音質とか画質とかにちょっと気の利いたプラスαを感じさせる要素があったからで、気にいって使って、それで故障したときのケアも満足いくもので、けどパイオニアっていいもの作るっていうけど、一般うけしないっていうか、なんか目立たない印象があるでしょう。だからこそ、応援したいなって思ったんですね。聞いた話によれば、BDP-120はシャープのOEM? 共同開発? どっちか忘れましたけど。対してBDP-320はパイオニアの最後の純正機になるの? なんかこういう話を聞くと、断然BDP-320を選びたくなって、いや、シャープが嫌いとかはないんです。そうではなく、パイオニアらしい製品をと思うとBDP-320になってしまうってことなんです。

さて、具体的に購入を考えているので、量販店にいって価格を聞いてみたところ、取り寄せで4万4千円ほどだそうで、対してネットだと3万3千円くらいにまでなる。ちょっとくらい高くても地上の店で、と思ってきたけど、一万円以上の差が出ると、さすがにちょっと考えてしまいます。さあ、どうしようかな。これはちょっと悩みどころのように思います。