2022年3月31日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年3月30日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号、昨日の続きです。

『ひなたっこ』

この漫画、やっぱりといいましょうか、面白いです。日向高校保育コースにて学ぶ子たちを描いた漫画。今回は、なぜ保育の仕事を目指そうと思ったか。その問いからはじまって、ちょっとカオスな入学式の日のことを回想することになったのですが、その回想が本当に面白い。

自己紹介ならぬ、くじでペアになった相手と話して得られた情報をもとにして、ペアの相手を紹介するという試み。他己紹介というのですが、これがね、すごく楽しいの。というか、この子たち、初対面から自由だったんだな! ってのがわかる。5分のインタビュー時間を利用して作った輪飾りにお花で教室を飾りはじめる那奈。やたらおにぎりを押し出してくるつきの。いやもう実に個性的。のびのびしてるなあ。にじむ個性もチャーミング。人好きのする、そうした子たちのわいわいとにぎやかに夢に向かって頑張っている姿がとても素敵な漫画です。

今回は授業の様子まではいたらなかったのですが、続く保育演習では絵本の読みきかせをやるという。皆でね図書室いって絵本を選ぼうというところで終わるんですが、この続きもきっと楽しいことになるんだろうなあって想像させてくれる余地がある。ええ、いい膨らみがあるのです。

『トゥーBEE オア ノット トゥーBEE』

農業部で世話している蜜蜂。どうもこのところ元気がないので心配しているんですね。スズメバチに襲われていたのが原因かも知れない。こういう時には、蜂に栄養を与えるべく給餌器使って砂糖水を与えます。へー、こういうのもあるんだと勉強になる。こういう知らない分野に触れられるの、すごく嬉しく感じます。

そして今回は蕗の話題もありまして、すごく大きな蕗の葉っぱ。仮面を作ってみたりしてね、そして降り出した雨を避けるべく、蕗の葉を使って傘を作ります。あの大きな蕗の葉を手にしている絵、なんか夢があるなあ。雨も思い出に残るイベントになる。そんな感触。蕗の葉を持った子たちが列なして歩いてる様子、それだけでもなにか楽しくなってきます。

ここからがまた面白い。ただ蕗の葉を傘にしましただけじゃなく、それを使って料理をしよう。塩もみして茹でて酢蜜に漬け込んで、そして皆で食べるところまでしっかり描いてくれる。農業部の面目躍如たる描写。酢蜜に蜂蜜使っているのも、この漫画のタイトルにもあるBee、蜜蜂の存在感感じさせてくれてまたよかったです。

そして最後に蜂をいたわる花子。虫が苦手だったこの子にしても、こうして蜜蜂を身近な存在、仲間と捉えている、そんな様子にほっと温かい思いのしたのでした。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

人の姿になれなくなってしまった抱き枕のねね。夢の中では、しずね姫を助けるべく走ってみたり、謎のふわふわと戦ってみたりと、どうにも落ち着かない様子。しかもそのふわふわが嫌なこというんですよ。しずねはもうねねのことなんて忘れてしまってるよって、しずねの独り立ちが叶い、ねねの役目も終わってしまったんだよって。

そうした声にくじけそうになりながらも、しずねの力になろうと奮闘し続けるねね。この子の、自分の存在に迷いを抱きながらも、気力振り絞るようにしてしずねのために頑張り続ける様子を見れば、ああ、どれほどにしずねがねねにとって大切な友達であるのかがわかろうもの。だからこそ切なくもあるのですが、じたばたし続けるねね、涙のとまらないのの。ふたりの弱気になりながらも負けじと抗うその姿に涙でありました。

そしてここでしずねがねね、ののたちのために動きますか! あかりにも声をかけて、ふたりを救う儀式をする! って、いったいどんな!? いやもうまるでわからんのですけど、この思いがけないことやらかしてくれるしずねの頼もしさ! ああどうか、ねね、ののを救ってさしあげて! なにをどうするのかさっぱりわからないけど、しずねの助けがふたりに届くこと、願う気持ちでいっぱいです。

2022年3月29日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号、昨日の続きです。

『紡ぐ乙女と大正の月』

卒業式にてしみじみこれまでを振り返る紡。え!? もう卒業だっけ!? いや、そんなこたあない。紡たちがいるのは在校生席。先輩たちを見送る立場であるのですね。

しかし大正の御代、卒業式といっても学内の式典というにはちょっと想像を超える出来事がいろいろあったようで、皇后様がいらっしゃったりする。すごいな、市会議員とかじゃないんだ。で皇后様がいらっしゃるとお菓子がグレードアップ、初野大喜びですよ。紅白まんじゅうにしょんぼりげっそりしてた去年の初野に対し、今年の初野は生き生きとして、しかも過去10年の傾向から今年のお菓子の店まで予測する。どんだけのモチベーションなのか。ええ、そんな初野が最高です。

大正の頃の卒業式を描く、それだけではなく、唯月を妹にしようとした島津嬢、この人との絡みを通じて当時のS事情を垣間見させてくれた。娘たちの恋愛事情。自由な振る舞いが許される学生時分ゆえの割り切った恋愛ごっこ、そうした関係もあらば、思い詰めた末に心中にまで至る、それほどの切実さに貫かれた情愛まであったのだそう。島津嬢は断然前者で、学生時代の楽しい思い出、若き日の徒花として青春の一ページに残し先へと進んでいく。それはまたひとつの進歩的な女学生の嗜みであったのかも知れませんね。

紡と話している島津嬢、けれどその視線の先は紡ではなく唯月があって、女学生間の恋愛話で紡を翻弄しつつも、唯月の心境をこそ意識している。紡はまだそうした恋愛ごととかよくわかっていない。ましてや女学生同士のものとなればなおさらでしょう。対し紡に対するただならぬ思い抱えている唯月。この気持ちのミスマッチ、今後どういう波乱を生むのか。

といったことはさておいても、島津嬢の一挙一動に気を揉んで、そして紡に焼き餅焼きまくる唯月。めちゃくちゃ可愛いかったです。というか、紡、なぜ気づかない! なぜ、そうまで鈍感ですか!?

『ササエルの中には誰もいない』

クローゼットに隠れる怪しい女! ササエルコスプレのこの眼鏡女子はいったい誰なのか!?

いや、どう見ても小依の姉、日和子なんですけど、でもなんでそんな格好してるの? しかもなんで隠れてるの?

ササエルの新衣装を作っていた日和子。気の迷いで着てみたら、頭につけた笹かまぼこパーツがとれなくなってさあ大変。いや、なんで両面テープ使ったの!? ヘアピンとかでとめればよかったじゃん! なんとかとろうと奮闘していたら、まさかの小依の帰宅。しかも友達まで連れてきた! 隠れざるを得なくなった日和子のやきもきし続ける様。いや、それはもう面白かったんだけど、この人、どんどん自分を追いつめる方向に進んじゃってますよね?

しかしどれだけ混乱しちゃってたというんでしょうね。ササエル衣装さえどうにかできれば誤魔化せるとか思っちゃった? で、それで衣装を脱いだらまさかの全裸? なんで!? なんでそこまで!? あ、もしかしたら冒頭の笹っぽいビキニっていうの、慌てて落とした下着だったりしたの? 部屋着の半纏にシャツ、その下はなにも着てなかったりしたの? まあ、ゆったりして楽だもんな。

いや、それにしても、隠れてしまったのは大失敗だったよなあ。日和子がササエルに関係してることは皆も知ってるんだからさ、普通に着心地確かめるために試着してみたんだよー、そっちの方向で誤魔化せばよかったんだ。なのに隠れてしまったもんだから出るに出られない。で衣装オフでさらに苦境に追いやられて……。ああ、日和子、背丈こそはあるけれど、やっぱ小依と姉妹なんだな、よく似てる、そう思わせてくれるところありました。

でもねこれ、まさか通報までいくとは思わなかったよ。容赦なく通報したの誰!? 小依!? いやもう、今回見事なカオス回。でも姉ちゃんの可愛いところ、たくさん見られてよかったです。

『死神ドットコム』

この漫画、ほんとものすごいな。風邪をひいてしまったタマを襲う理不尽の数々。大家がくる、優しくするといいながら地味にタマにダメージ加えてくるのすごいよな。さらにミライもやってくる。タマのこと大好きなこの子なら、タマをちゃんと看病してくれるかな? と思ったら、輪をかけて酷くないか!?

というか、大家のミライ煽りがすごい。言葉で煽り、行動でもって煽る。タマにチューのコマは、見た目だけは可愛いのにな。でもって極めつけは、あの写真のくだりですよ。笑顔でビリビリ、目の前で破ってそれをミライに拾わせるのな! 拾わずにはおられないミライの心情、それを見越した煽りの手管、いやもうものすごいわ。弱み握られた悔しさと屈辱と怒りと憤りと、様々な気持ちがないまぜになったミライの表情。あのやりとりは本当にすごかった。大家、こんなこと続けてたらいつか刺されるよ? いやほんと、この人、いつか取り返しのつかないことになりそう。やらかす方か、やらかされる方か、どっちかはちょっとわからないけど。

タマの受難回。汗をふいてくれと頼まれたメルメルの見せた怒り! いや、それはかわいそうよ! メルメルだけはタマに優しくやってくれよー。ほんと、さすがにタマの気の毒が過ぎる、そんな回でした。

タマにおかゆを作ってくれたミライ。ここまでは好ポイントだったのに、まさかのピザ味? いや、ドリアみたいな感じで悪くないのでは? と思ったけど、それは健康だった場合か。タマ、気持ち悪くなっちゃって嘔吐するはめになっちゃって、で、ミライが袋用意して介抱してくれるんですが、ですが……、これ、袋持って帰ってますよね、絶対持って帰ってますよね、ミライ……。

いやほんと、タマの周囲の人間関係、その酷さが際立ってました。安息を確保するため、体調悪くしてるのに必死で大丈夫なふりをしてみせたタマ。ほんと、今回はお疲れ様でした。今度こそ、メルメルにはタマのこと優しくしてあげてほしいです。

2022年3月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年5月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。4月からのアニメ放送を目前に、主要キャラだけじゃないな、懐かしいあの人もこの人も一緒にわーっと表紙に登場ですよ。中心にはもちろん我らが琴音が元気にジャンプしていまして、その周辺にRPG不動産のスタッフが。背景の青にオレンジという強めの配色が勢いをより一層印象づけて、その勢いを背に受けるように推進している、そんな様子が気持ちいい。ええ、生き生きと元気に溢れた表紙であります。

今月は新規ゲストが1本です。

『働きたくない!!聖女様!?』

魔王により崩壊目前となっていた世界。そこに現れ、世界を救った妖精国の聖女ルミナリア。平和になった世界でルミナリアはなにを思うのか……。

メロンパンになりたい? おおう、意味がわかんねえな、聖女様。

ルミナリア、仕事が嫌なんですね。妖精国にひきこもって食っちゃ寝生活をだらだらと満喫したいというんですが、わかる、わかるわ。でも、世界を危機から救った、それだけじゃあかんかったんかな。なぜその後も世界の平和を守る仕事をさせられているのだろう。それこそ侍女? のティアがいうようにルミナリアは身を引いて、後は勇者に任せてしまえばいいのでは?

それができない理由があるのか。いや、魔王相手ならともかく、魔王不在の世界においてなら、たとえ弱くとも勇者に任せておけばいいんですよ。でもそれができないの、なんだかんだで世界を守った強者のプライドみたいなのがあるのかな。人に任せられないタイプの上司なのかな。でも、その後の勇者の振る舞い見れば、任せられなかった理由はわかる気がする。ルミナリアばかりがちやほやされることに嫉妬して、聖女を亡きものにしようと軍を差し向けてきたですって!?

でもこれ、ちやほやして、生活その他保障して、悠々自適な隠居生活に入っていただいていればよかったのでは。それをせず、むしろこうして喧嘩売るような真似するからこんな酷い目にあうわけで。

どんなにぐーたらでもふりかかる火の粉くらいははらう。やる気を出さないルミナリアが出した実力。おそらくこれでも全力じゃあないんだろうなあ。あまりに過ぎた能力は、自身をも蝕むのか。世界統一後の仕事生活見るに、この人の性格と能力は微妙にミスマッチなんだろうなって思いました。ほんと、統一した世界を誰かに譲ればよかったんですよ。でも勇者のくだり見るかぎり、それができない性分だったりするんでしょうね。

『またぞろ。』

あまりにも私服がダサいと駄目だしされた殊ちゃんの、私服を見繕うべくアウトレットに繰り出す面々。そのやりとりが楽しい回でありましたよ。

今回の見どころは、殊をとりまく友人たちの和気あいあいと買い物を楽しむ情景や、殊をいい感じに着せ替える、その目にも楽しいファッションショーイベント。けれどそれと同時に、麻里矢が殊の置かれている状況、その人間関係の実際を知り安心するに至るところが重要だったように感じています。いわば打ち解けるきっかけですよね。当初は、殊を囲い込むやばいやつなのでは!? みたいなイメージだった麻里矢が、このメインの4人、その人間関係の輪に自然と入り仲を深めていく、そうした新しい関係性の兆しに期待もふくらむエピソードだったと思いました。

さて、肝心の殊の衣装ですよ。誰コーデが一番よかった!? どれが好み!? といわれたら、巴のちょいお姉さんイメージですよ。どうもちょっといいとこのお嬢さん系衣装が好みのようです。殊以外だと麻里矢の私服、これがかなりキてました。

『ニチアサ以外はやってます!』

ぶつかる唯と苺。特撮研のSNSアカウント。苺が管理しているんですが、この前作った予告編の惹句に女子高生と入れたものだから、軽く炎上。女子高生を売りにしている、可愛さアピールで媚び売ってると、唯からも反発されてしまったんですね。

今回は苺という人を知る回でした。あかねは、唯や博見が知らない苺の側面を知っている。苺は可愛さを売りにするような子じゃない。むしろ、可愛いと思われることを嫌がっているとさえ。その理由は彼女の生い立ちにあって、ああ、男の子向けの特撮が好きだったのに、母の好みで可愛いもの、可愛い格好を強いられてきたんだ。

本当は可愛いよりかっこいいの方が好きなのに、そうした気持ちを表現することに後ろ向きになってしまっていた。そんな苺が変わろうとするきっかけを作ってくれたのが、中学時代のあかねだったんですね。そして一歩踏み出そうとした苺の勇気を挫いたのが、中学時代の唯だったんか!

いやでもしかし、これは唯も悪いよ。相手が好きといってるものを初手から否定したら、そらこじれるって。高校生になった苺は、あの時の自分の対応をあまりにも子供だったと反省していたけれど、これはきっと唯も同様だったんでしょうね。互いに相手の嗜好、自分とは異なる感性に対し、受け入れ、尊重することができずにいた。けれど今回のできごとがふたりを一歩前へ進ませて、過去のわだかまりからも、それぞれ自身をしばっていた頑なさからも自由になれたようですね。

そして今度はあかねの番? あかねの抱える向きあわなければいけない過去とはなにか。予告編でヒーローを演じるあかねを見ている女性は誰なのか。

しかし今回思ったのは、特撮とかに熱中してると子供っぽいとか馬鹿にされがちだけど、女子となると男子以上の大変さがありそうってことでした。だって、今回のトラブル、女子というラベルがあってこそ生じたものばかり。苺の母の嗜好の矯正もそうなら、唯の苺に対する女子を売物にしているという決めつけもそうだった。実際、SNS上での特撮女子に対する偏見なども見たことありますものね。いやはや、ただ好きなものを好きと表明したい、それだけのことがこんなにも不自由なんて。シンプルなはずのものが、いろいろ難しくされている。難儀な話です。

2022年3月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年5月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年5月号、昨日の続きです。

『通勤通学クエスト』

松島、客観的に見ても美少女なのか! いやまあそうだよなあ。その通学の途中、同じ電車を使っている他校の男子から熱い視線送られているんですね。かわいいと、よく知りたいと、恋心抱かれて、いろいろ想像されて、声かけたいな、そんなこといってた男子ふたりだけど、いざという時に動けなかったんだ!

松島にぶつかってきた酔っ払い? ふらふら歩いてたと思ったら、そのまんまホームの下に落っこちてしまった。皆が慌てる中、冷静にホーム非常ボタンを押し軌道に飛び降り救出に向かう。って、あかん! 降りたらあかん! 非常ボタンで列車はブレーキかかるから、そこで降りちゃあいけないよ!

手伝って! 松島が助けを呼ぶも少年たちまたも動くことができず、そこに駆けつけるのが柏木。見事全員助かったわけですが、いやもうこれは本当に危ないからあかんよ。冷や冷やのシチュエーションでした。で、少年たちはクエスト失敗してしまって、なかなかに珍しい! ええ、大抵はクエスト成功させていくのに、この少年達はというとちょっと内向きすぎた感じですね。

カントリー少女は都会をめざす!?

原付登校に憧れを示す大河さん。歩くのが面倒だからなのか。でも実際原付、便利ですからね。ちょっとの距離でも、さっといってさっと帰ってこられる。登校にしても、距離があったりしたら自転車よりも原付が楽だよなあ。でも振り返ってみるに、自分の学生時代、原付登校してる人、いなかったな。禁止されてたのかな? もっぱらみんな自転車でした。あと電車。これ、私鉄駅が近くて交通の便がよかったからかも。そう考えたら、八重たちの学校はちょっとアクセスが大変なのかも知れませんね。

さて、亜紀の原付登校についての見解、これが面白い。アニメのキャラに憧れて。実にわかりやすい。そしてコラボ商品を探してコンビニ巡りする時に原付が欲しい。自転車だと疲れ果てちゃうか。いや、でもわかるわ。昔はネットで買うとかできなかったから、漫画の新刊探して何軒も書店をはしごしたりしてました。でも今は書店がもうなくなっちゃっててね……。という悲しい話はどうでもいい。ああやって自転車でぐるぐる書店を巡るとか、今じゃあもう無理だなあ。

今回よかったの、八重が大河にいったこと、一緒に登下校できなくなるから原付登校は寂しいっていうの、これ素晴しかったよね。大河と一緒にいるのが楽しくて好きって、あの満面の笑顔! 最高だと思う。一発でほだされる大河も素晴しかったです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

たえの学校での様子描かれましたよ。明るくてしっかり者、頭もよくて親切と、友達からも好かれていて、さらにはヤンキーに動じない! これ度胸があるといえば美点だけど、バイクの爆音気にしてないところだけ見ると、無頓着なだけにも思えてしまう。それで友達の夏帆と刹那から不思議に思われてるのが今回のキーポイントですね。で、擬態真夜がいよる! 夏帆ともども、たえのお友達、可愛い子が多いなあとか思ってしもうた。いや、別に真夜が可愛くてもなんら不都合ないんですけど。

夏帆の家での勉強会。たえと刹那が集まったんですが、そこで夏帆がもらした悩み。家の隣りの公園でヤンキーが縄張り争いしてるらしい。うるさいし物騒だし迷惑だし、というのだけど、たえがまたもやけろっとしてる。いや、たえさん、大人物では?

今回はたえの行動力というか揺るぎなさが際立っていましたよね。グループ同士の抗争のさなか、喧嘩をとめるべく割ってはいっちゃうんだ! いや、知りあい、友達、血縁者と馴染みの顔だもんなあ。それに普段から結構躊躇なく注意したりつっこみ入れたりしてるいるし。そのたえのヤンキー慣れ、喧嘩にも動じず、なにいわれてもびしばしはねつけて、ついには大家の威光で場を納めてしまう!

サンライズ荘のこと友達には内緒にしておくのかと思ったら、ちゃんと話したんですね。こういう隠し事しないところ、これもまたたえの美点かも知れませんね。学校の友達も、アパートの住人、ヤンキーたちとも、区分することなく自然体で向きあえる。こうしたところにたえのよさ、人間としての幅というのが見えるように思います。というか、あのアパートで暮らしてるおかげでどんどん幅が広がっていってますよね。

『とびだせT.O.Z』

兄貴のインターハイ挑戦。妹からの発破も応援も不要と、自身を追い込むかのようにストイックを通してきた兄貴。いよいよインターハイ、準決勝のレースに臨んで、さあこの結果やいかに!

まさか、マナの声援を受けていろいろ思ってしまった。それがきっかけになったってことはないのかな? 脚がつってしまって、敗退を余儀なくされてしまった。ああ、兄貴のインターハイが終わってしまいました。

この漫画のタイトル、テーク・オーバー・ゾーンですが、バトンの受け渡しゾーンですよね。そこから飛び出しちゃあいかんのでは!? とか思ったこともありましたが、いや、そうじゃないな、しっかりバトンを受け取って、そして前へと飛び出していけばいいんだ。

兄貴のこれまでの挑戦は、後続にバトンを渡す、そんな行為に繋がるのかな。そのバトンを受け取るのは誰なのだろう。宇佐美たち後輩全員なのか、あるいは妹マナであるのか。兄貴の夢は破れてしまったけれど、準決勝のレース中、その目的が揺らいでしまった瞬間があった。兄貴、自分のあるべき姿、目指すところが変わっていくのかも知れない。そんな兄貴の根本からの変化を感じた瞬間でもありました。

次回、最終回! ああ、兄貴と妹、その関係はどうなるのか。バトンは渡されるのか。終わるのは寂しいけれど、物語の行方、その決着を楽しみに待ちたいと思います。

『オネェの恋のはじめかた』

うわーっ! うわーっ! なんかすごいことになっちゃってる。翔人を口説く時宗!? ぎゃーっ、いつのまにそんなことに!? と思ったら、文化祭の出し物、その演技指導でありましたか。というか、そんなBLシナリオでいいんですか!? いや、これ指導目的の即興で、文化祭の演目そのものではないんですね。ふー、安心した。

しかしそれで火野淡子に大ダメージ。いや、ダメージこそは入ってるけど、むしろこれあえてライフで受けにいってるやつだ! そしてここから淡子が積極介入! 淡子が提供するシナリオ。それが翔人、時宗によって演じられるの、うわーっ! うわーっ! 素晴しい。淡子、あなた素敵よ! 輝いてる!

めっちゃダメージ受けて、情緒ぐらぐらさせつつも、いい笑顔見せてくれた淡子。いやマジ今回は淡子回でした。

そして時宗の八神ちゃん呼びに触発されて、一気にスランプを脱した淡子。ええ、あなたとても素敵よ! 今回は見事に淡子のためのエピソード。淡子の存在ともども、私にもめちゃくちゃ刺さりまくりました。

2022年3月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年5月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年5月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。今回のテーマは帽子なのかな? 「面白さに脱帽!!」とのキャプション。山下ナースはナースキャップ、他に牧村、桃山、咲坂師長も、それぞれ思い思いの帽子をかぶって登場です。『小森さんは断れない!』しゅりはベースボールキャップですね。『可愛い上司を困らせたい』恵はエレベーターガール? 『らいか・デイズ』らいかは安心安定、体育の赤白帽が似合っています。

『おしかけツインテール』

花梨のうちにある不安が悪夢を見せる。とはいうものの、見た感じ、そんなに悪い感じの夢ではないですよね。俊郎が課金をひかえめにするとか母が禁酒をするとか、ありえないとまではいわないけど、まあそうそうなさそうなことをふたり揃っていっている。合格のお祝いでというんですが、それがこんな不条理な発言につながるなんて、花梨はそんなにもふたりに課金とお酒をやめてほしいと思っているの?

いや、これ違いますよね。ほんと、びっくりしましたよ。今回のラスト、完全に課金を、お酒を断つというふたりを前にした花梨。このあまりにありえないことを脳が拒否している。それほどにありえないことが繰り返し花梨の夢に現れてくる理由、それは、自分の受験の失敗、恵まれた環境にある自分がもし受験を失敗したらという恐怖があるからなのか。

この自身を追い詰めていくもうひとりの花梨、その凄み、さすがのものがありました。花梨、気楽にいこうというのも気がひけますが、確実性がないということをこんなにも怖れるとは。こうしたところに垣間見える花梨の性格。本当に真面目な子ですね。それゆえに、自身で自身を縛ってしまう。今回は裏目に出ちゃったケース。なんとか立ち直って、不安もなにもかも超えていってほしいですね。

『ネコがOLに見えて困ります』

美術部の葛飾くん、いい感じに馴染んできてますね。ミコトの家での勉強会。ミコトの友達とは面識のなかった彼だけれど、以前ミコトが描いてもらったOLさんの絵、それがみんなに大好評。それで皆が飼ってるペットの絵を描いてほしいと口にしたら、その特徴を聞いただけで見事に絵にしてくれて、でもその絵、動物じゃなくて人の姿なんだ!

でもこの人の姿が、ミコトの見ている姿によく似ていて、それで驚いてるミコトがすごい顔してるの! 葛飾のイメージを的確に掴む能力にびっくり!? そしてさらに、自分の見ている姿にかなり寄ってくることにもびっくり。

ここからの、社長ちゃんとOLさんを人の姿で描いてもらおうとするくだりがめちゃくちゃ面白かった。社長ちゃんはすごくいい線いってたけど、OLさんがちょっとゴージャス寄りで、それをミコトがイメージ伝えて修正してもらっていくの。そこでね、好みのオネーサンを描いてもらおうとしている疑惑が飛び出したり、でもってさらにリコから、ミコトにはOLさんがそう見えてるんだろうと指摘されたり、いやこれ結構重大な指摘では!?

いや、おそらくはそういうイメージで見ているんでしょう? ってことなんだと思うけど、とりあえずリコの思惑やいかに! ええ、これ、先が気になる展開見せています。

『となりのフィギュア原型師』

半藤が卑屈だ! 前回の雛人形について代表がいろいろこじつけ気味に語ってみせたこと。それが半藤に刺さってしまった。専門教育を受けた者へのコンプレックス!? あー、でもわからんでもない。ちゃんと学んでいる、体系的に構築された知に憧れる気持ち。それがあれば、自分ももっと先に進めるのではないか。今自分がいまひとつうまくいかないのは、そうした知に欠けているからなのではないか。

いや、まあ、それをいうときりがないからなあ。とはいっても、半藤の気持ちはわかるんだよ。ということで、半藤の体系的に学びたい欲を満足させるべく、おこめ予備校が発足されました。モデルを呼んでデッサンしようぜ、というので、モデル台作ったりイーゼル用意してきたりと、突発にしてはえらいこと本格的だなおい。そして斉藤が声をかけたモデルが飯塚イスカ。この人、バイトでデッサンモデルとかやってるの!? あれ、相当キツいっていうよ? それをこうも慣れた風にこなしてしまうの、すごいな飯塚さん。でもって、結構デキるやつと思ってた半藤がこんなにも苦戦!?

いやもう、アカデミズムってのは大変なんだなあ。造形とか、これまでも結構しっかりやってきたように見える半藤も、リアル人体を表現するとなったらそううまくはいかないのかあ。いやもうこれ、半藤にとってはいい勉強になったのでは? 半藤だけでなく、皆それぞれに得るものあったかも知れませんね。頭部の塑像に取り組んでる斉藤も結構四苦八苦してますし、こういう勉強会、定期的にやると工房メンバーの能力の底上げに繋がりそうだって思いましたよ。

でもそのたびに代表が飯塚にさらわれることになるの? いや、まあ、そうそう悪いこともおこらんでしょう。なのでちょくちょく勉強会、やってくれると面白そうです。

『氷室君は板野さんの事が覚えられない』

大学で氷室に声をかけた女の子。中学生の頃の知り合いだっていうんですが、絶対的な記憶力を誇る氷室がこの子のことを思い出せない。名前は佐伯あゆみ。まるで覚えがないというのですが、板野以外にも記憶から抜け落ちる人物が現れて、こりゃもう大騒ぎですよ。

で、ここから何度も板野のことを思い出す儀式が繰り返されるの、本当におかしくって、いやもう毎回大変ですよね。

でも板野と佐伯はちょっと違う。毎度毎度記憶から抜け落ちる板野とは違い、翌日になっても佐伯のことは覚えていた。

ここからの謎解き編。面白かった! なるほど、佐伯、姓が変わっていたのか。中学の頃は西田だった。西田歩。といわれて思い出す氷室。いや、待って、男だったろって、姓だけでなく性別まで変わってるの? と思ったら、ボーイッシュだった西田歩のこと、卒業までずっと男だと思い込んでいたっていうの!

この展開、めちゃくちゃ面白かった。で、あゆみさん、いい感じのお嬢さん。板野のこともちょっとなにか知っているっぽい雰囲気ですが、ということはこれからもちょくちょく出てくるのかな? これは期待されます。なんか素朴な愛らしさある子ですよね。

2022年3月25日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年5月号、昨日の続きです。

『球詠』

美学の攻撃が続きます。初球エンドランで一塁走者が二塁へと進塁。珠姫、確実に刺すと気迫をともに二塁に送球するも、予想を上回る走力で盗塁を許してしまう。この初回からじわじわと追い詰めてくる感覚にじりじりと焼かれ、そして美学の4番、諸積の打席がとりわけ熱かった。諸積の発するプレッシャーに詠深が呼応する。その互いに通じあっている感覚。同じ場にいる珠姫の立ち入る隙もないふたりだけの世界、まさしくライバルと認めあっている、ゆえに相手の最良をこそ打ち崩したい。自身の最良でこそ打ち取りたい。

そうしたふたりの気持ちのせめぎあう様。そして緊張感の中、楽しそうに投球する詠深。充実の時間でしたよ。初対決こそは打ち取らた諸積にしても、まったく気にしていない。むしろせいせいとしているんですね。詠深の決め球こそを打ちたいと、あの楽しそうにベンチに帰っていく姿を見れば、ああこの人の真価はいよいよこれからだと思わされるわけです。

手強い美学を相手にする新越谷。攻撃においては、カットすらしないという作戦。これが後にどう生きてくるのか。それが対美学戦における勝利に繋がってくることになるのだろうと思うのだけど、今回ばかりは芳乃もちょっと自信なさげですね。

『追風のジン』

忍術を駆使しスパナを追うジンに、カエルモチーフの忍具でもって対抗、上回っていくスパナ。忍術を使う忍者はいわば超人。人並みはずれた運動能力を前に肉薄されながらも、都度的確に動いてジンを退けていくスパナの判断力。ここに彼女の経験の高さをうかがうことができて、ええ、スパナ、相当に場数を踏んできているんでしょうね。

スパナとジンの対決は、目当ての本をジンが取り返したことでジンに軍配があがりましたね。けれどここに忍者を取り締まる侍、マサムネが介入。その刀、月虹が発する強大な力でもってジンを叩き伏せて、これ、忍者という存在の業がジンに災いしとるなあ! ジンは取り締まられるような悪いことしてないのにな。むしろマサムネと同様に、悪辣な忍者に対立しているというのにな。この誤解がどのように解けるのか。今はこうして対立しているジンとマサムネだけど、このふたりが同じ敵を前にして協力する、その時のことを考えるだにわくわくさせられるというものです。

しかし今回、いろいろなことがわかりましたね。スパナが、七虹架ゲンナイの孫だということ。なるほど、スパナは散逸した祖父の発明を取り戻そうと動いているわけですね。そしてユザワ村にやってきた商隊。その頭領が忍者と裏で手を組んでいることも。この事実を知ったユザワ村村長とココロは捕われの身となってしまい……。

この次へ次へと気になる状況が発生していく流れ、この推進力。ぐいぐいと読み手を引っ張って、ああ、このピンチをいかにジンが引っくり返してくれるのか。次の展開が気になって、楽しみで、来月がもう待ち遠しい。ええ、見せてくれますよ。

『ねことちよ』

前回、お店やさんをやっていたねこ。なにか目的がありそうだなあって思っていたら、ああ、ちよの誕生日をお祝いしたかったんだ。教えてもらいながら、お祝いのカードを書いてね、そしてふみと一緒にケーキ屋さんにいくそのくだり。自分のお金でなにか買うのはこれがはじめて。ふみから、ちよがきっと喜ぶっていわれてすごく得意そうな顔してるねこが可愛くて、いやもうこの子、すごくいい表情見せてくれますよ。

ケーキ屋さんでは、たくさんあるケーキに圧倒されてね、けどそこからちよが好きないちごのケーキを選び出すの、ああちよのことよくわかっています。そしてねこが財布からたくさんの10円玉をジャラジャラ出してからの店員さんとのやり取りがまたいいの。大人がよくねこのこと見守ってくれていますよね。こうして健やかに育まれていくねこの様子が、ほのぼのとした温かみとともによく描かれて、見ているだけでなにか安心できる、そんな気持ちになっていくのです。

ちよの誕生日のお祝いは次回に描かれることになりそうですね。ちよの喜ぶ様子、それを見るのが楽しみです。

『最果てのともだち』

キヨが救われる日は果たしてくるのでしょうか。アサヒへの執着をいよいよ強めていくキヨ。いずれくるアサヒとの別れを思えば、穏やかではいられない。いずれ小学校を卒業していくアサヒ。4年生から5年生に進級して、残り時間は刻一刻と失われていく。置いていかれることに苦しむキヨの心情、いかばかりでしょうか。

アサヒはアサヒで不安を抱えているんですね。新学期、新しいクラス。いつもうまくいかないと沈んでいて、けれどキヨはそんなアサヒをはげまして、放課後キヨに会いにきてくれたら笑顔にしてくれると、しあわせにすると、アサヒの学校生活はこれからも楽しいと笑顔でいってくれるのですね。

別れに苦しむキヨと、明るくふるまうキヨ。どちらのキヨがよりこの子の本質に近いのでしょう。誰にでもある両面性、それをキヨも有している。しかし、ただ両面性というには苛烈にすぎるキヨのありよう。信じていいのでしょうか。それとも、深みにはまるその前に、距離を置いておくべきだったのか。わからない。今いえるのは、嫌な予感しかしない。ここからどうやって、しあわせな未来を指向していけるのか。その道筋がまるでわからないんですね。

新しいクラスで、アサヒが日暮と友達になれたことも不安材料に思える。悪い状況にあっても立ち向かえる、そんな強さを持った子。また霊の存在を感知することのできるこの子が、キヨとアサヒの関係にもなんらか働きかけて、よい方向へ向かわせてくれるかも知れない。そういう希望がありながらも、クラスに友達ができたことでアサヒのキヨに対する依存心が薄れていけば、キヨはまた豹変することにもなるのではないか。

今はもうあらゆることが不安をかきたてて、ああ、なんとかよい方向に向かってくれることを望みます。そしてその先に、キヨの、先生のさいわいもあればと思うばかりです。

2022年3月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年5月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年5月号、発売されました。表紙は『スローループ』、ひより、小春、恋の3人が春の野原に寝転んでいるその様子。手に手を繋いで、いい笑顔を見せてくれているのが実に素敵な表紙です。3人のまわりには白詰草、クローバーが茂っていて、これ、よく探したら四葉があったりするのかな!? 春は芽吹きの季節。この子たちにはよく似合う、そんな情景でありますね。

今月は新規ゲストが1本です。

『はざまサンドイッチ』

人が人に向ける好意を、数値として視認できる狭莉理。たとえ喧嘩をしていても、そのふたりが互いにどう思っているかは一目瞭然。幼少の頃より、こうした環境に身を置いているために、人と人の好悪の機微は感じとるものではなく視認するもの。客観的に外部から観察する。そうした振る舞いが自然身についてしまっていたというんですね。

そんな彼女にふりかかった恋愛ごと。友達の陽彩芽依から告白されて、ああ、自分に向けられる好意については視認できなかったことを実感させられ戸惑う莉理。これまで、恋愛とは第三者的視点から見守るものだと思っていたのに、自身もまたひとりのプレイヤーであったと思い知らされた。さあ、どうする。莉理は、芽依のことを思っている友人、紫日葵を応援してきただけに、その関係に介入したくない。

いろいろ思い悩んじゃうんですね。

莉理の能力は、一昔前の恋愛シミュレーションゲームに出てくる親友キャラを思わせてくれますよね。電話をするとヒロインたちの好感度や攻略状況を教えてくれるやつ。いうならば莉理は、そうしたポジションに自身を位置づけていたのに、自分も誰かの攻略対象となるえることに気づかされて、そこからの動揺。一旦は断わるも、決して諦めない芽依に、不審な行動をとりはじめる日葵と、途端に騒がしくなる莉理の周辺。ええ、莉理のプレイヤーとしての日々がついにはじまろうとしている。身の置きどころが変化するということ、それこそが見どころでありました。しっかり読ませていただきましたよ。

『スローループ』

ひとり釣りに出かけるひより。言葉少なに、ただただその行動を追うかのような描かれ方は、淡々と釣りに臨むひよりのスタイルがそのままかたちになったようで、またこういう表現も面白いなと思わされました。

満開の桜の並木を抜け川縁を歩くひよりの姿は、大きな景色の中、ぽつりと小さくて、それがまたこの子のあり方を物語るように感じられます。自然を前にひとり対峙している、そんなこの子の向き合い方が不思議とこの子の気負わない姿勢を浮き立たせて、ロッドを手に魚と格闘する様子も、あたかも対話しているかのよう。ひよりにとって釣りとは、魚とのコミュニケーション。魚とのやりとりを通じ、その相手のことも、自分のことも、知っていこうとする、そんな試みのように感じられる描写の連続でした。

そしてこのまま家族でのお花見に移行していく、その流れもまたよかった。ひとりを楽しむひよりと、また同じくらい小春たち家族との時間も大切にしているひより。ふたつの側面がこの子のうちに同居していることがよく伝わってくる、好エピソードであったと思います。

2022年3月23日水曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年3月22日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年5月号、昨日の続きです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

いつもクールなイトちゃんも、むっとして桔香と喧嘩して、なんてことあるんですね。売り言葉に買い言葉的な展開。イトちゃん好きすぎ桔香ちゃんが、このところハマっている折り紙にしもべのみんなを引き込もうとしたところ軽く反発されまして、イトちゃん自身はそこまで嫌がってたわけじゃないんだけど、なんか決定的に決裂することになっちゃった。

イトちゃんも素直じゃないから。桔香は桔香で意地っ張りだから。だからおそらくこういうことは、これまでもちょくちょくあったんだろうなあ。でも今回はイトの交友関係が広がったがゆえの掛け違い。友人関係っていうのも、なかなか難しいものですね。

陽キャでギャルのカネポンの誘いで、みんなで花見にいくことになりました。桔香もイトも喧嘩中なのに、距離とりながらもなんだかんだ律儀に参加するのがおかしくて、でもってカネポンと一緒にいる子たち。この子らも相当だな! 桔香の周囲の子らもたいがいだけど、カネポン周辺もすごい。なだっちすごいな。イトちゃんとはまた違ったベクトルのクールガールだ。キリちゃんもすごくいい子だし、ほんと楽しい友人の輪が広がりますよ。

そしてイトちゃんと桔香の仲直り。素直になれないイトちゃんの、不器用なコミュニケーション。可愛いやん、泣けるわ。そして取り出すおりがみセット。ああ、この子の感情の発露。桔香のこと大事なんやな、好きなんやな、素直じゃないし気持ちの表現ヘタだけど、それでもいろんなところから漏れる思い、それがすごくいたいけで、最後にはほっとできる、そんなエピソード。よかったです。

『のむラリアット!』

双子の選手を替え玉に使ってまで、翼と一対一の状況を作り出したヴェスパー。翼を相手に、正々堂々と挑むのだろうか。まさかここでも卑怯な手を使うのか? いや、この期に及んでそれはないだろう。ヴェスパーの求めているのは完全勝利に違いない。自身の力で翼に打ち勝つ。ケチのつくようなつまらない勝ちなんて望んじゃいないだろう。

ヴェスパーの思惑はまさしくその完全勝利。これはもう、待ってました! でしたね。自分の中に残る甘さ、弱さを克服し、翼にも勝ってみせるとその気迫や尋常ではない。対する翼もここで負けてはいられない。目指す戦いは、ヴェスパーを降したその先にこそあるのだと、全力を振り絞るようにヴェスパーに対峙する。

その一挙一動が熱い! 本気と本気のぶつかりあいを制するのはいったいどちらなのか。マットに倒れたヴェスパーに翼のフィニッシュムーブが炸裂、試合が決着を見ると思ったら、これをチャンスと反撃に出るヴェスパー。技と技の応酬。必勝の決め技をいかに返し、上回れるかで勝負は決まる。決め手となるのは意地なのか、仲間の期待に応えたい一心なのか、憧れの存在に向ける思いがゆえか、そしておそらくはプロレスが好きという気持ちも乗せての一撃からのフィニッシュホールド。

いや、いいものを見た、その思いでいっぱいでした。

でも次回、最終回なのかあ。これは正直、驚きでした。

『今日の授業は恋愛です!』

さがり、かつて名雪との間に起こったこともすべて受け入れ、消化することができましたね。ずっと後ろ向きだった恋愛学にも前向きに取り組もうと動きはじめて、そうしたさがりの助けになってくれる人も現れて、というか最初さがりが思いっきり敬遠してるのがこの子らしくていいですよね。ええ、この子、こういう距離感持ってる子でした。基本的にソロ行動。知らない人を前にする時は警戒から入る感じ。でもその人、白百合会副会長の二ノ瀬ひなは屈託なく距離を詰めてきて、この踏み込み! コミュニケーション強者の風格感じさせます。

今回からはじまるエピソード。また一波乱あること予感させてくれまして、さがりに恋愛学を教えてくれていたひな、この人の悩みがさがりにも関わりがないことではなかった。このところ、ひなのカップル、パートナーの元気がない。そのパートナーというのが名雪。さがりが名雪の不調に関わっている。名雪のいうさぁちゃんがさがりのことであると気づいたひなの豹変。

ああ、真っ向からの宣戦布告じゃないですか。さがりはきっちり断りをいれているのだから、ここでひなと対立するいわれはないんですけども、名雪の中ではさがりへの気持ちは解決していない。となれば、ひなも退けない。この恋愛感情に突き動かされる激情。まだこの漫画においては描かれてこなかった恋愛の苛烈な一面に踏み込もうという、そんな予感をさせられます。

そして気になるのがしらべです。転科を考えている? なにを思い悩んでいるのだろう。その真意こそはまだわからない。この、ひなとさがりの問題に、どのように関係してくるのか、それもまるで見えない。けれど、情報の提示される流れからするにまったく無関係に進行するとは思えない。今回のキーパーソンこそはしらべであろう。そう思えばこそ、この子の行動、今なにを思うのか、それが気になってなりません。

2022年3月21日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年5月号、昨日の続きです。

『SAN値直葬!闇バイト』

相変わらずヤバい雰囲気ただよわせていますよ。仕事のお供にショゴスを提供されたあかり。あまりのおぞましい姿に恐慌寸前、涙目で抵抗してたらこよは正気度のチェックに失敗してしまっていた……。しかも2連続で失敗してるんですが、こよは大丈夫なのかな。今後、なにかしらの悪影響が続くのでは? ええ、この漫画の雰囲気だと、あとあとまで尾を引くようなこと、あってもおかしくない……。

ショゴスとちゃんとコミュニケーションできるんですね。暗黒端末なるスマホ似の機械でメッセージのやり取りが可能。で、これがいわゆるおじさん構文で出てきて、ショゴス、お前、古きものの下僕というのは知ってたけど、ネット古参でもあるの? あの思いっきり引いてるあかりが気の毒で、しかもこのおっさんショゴスが自分の制服に同化、まとわりついてくる!

ヤ、ヤバい……。あかりが恐慌状態に陥らずにすんでるのが奇跡のようでは!?

今回のあかりの任務は、学校に棲息するという半魚人の確保。皆には知られないようにと釘を刺されていたあかりだけれど、友達のうらんが半魚人の噂を追ってしまっていて、あああ、この子が巻き込まれるの!? と思ったら、こ、このタイミングできよるか! この一気に距離を詰めてくるの、びっくりしますよね。ダゴンの時にも思い知らされたことですが、毎回がこの距離感、この踏み込みなの!? いやあ、やられまくりですね。これ、ほんと、心捕まれまくりです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

新しい町にやってきたアヤたち。本格的に探索を開始しているのですが、残念、なかなか食料が見つからないようですよ。

そんな腹ペコパーティがたどりついたのがいたち商店。駄菓子屋さん! 作者の実家!? たまごボーロにリル感動。充分な食料が得られて一安心ですが、持ち運びには向かなそうなのが玉に瑕かな? でもお菓子あり、おもちゃありで、文明の滅びつつある状況においては心の栄養も補給できた、そんな貴重なスポットであったように思います。

前回明かされたアヤの過去、この世界がゾンビ禍に沈むまでの状況、その重さを受けてなお健全であろうとするアヤがとてもよかったです。これまで食料をいただいてきたアヤ。それを全部ノートに書き留めている。いずれ世界がもとに戻った時にお金を払えるように。この異常な状況において、せめて正常であろうとつとめているのか。親御さんの教育あってのことか。こうしたアヤの健やかさに救われる思いがしました。

そして今回のピンチ、リルが迷子に! この問題解決に笛ラムネが活躍するのね。ええ、描かれたこと、それがのちに生きてくる。これもまた嬉しいところであります。

『うちのババアしか勝たん!』

女子高生にまで若返ってしまった祖母のウメ。同居することになった孫、にこの生活ががんがん改善されて健康路線になっているのがおかしくて、いやいや、よかったではないですか。規則正しい生活リズムに栄養に配慮された食事。健康もそうだけど、美容にも効果ありだよ? ええ、にことウメの同居、ふたりそれぞれにメリットありではないでしょうか。少なくともにこには得しかなくなくない?

今回はウメの生活用品を買いにいきます。ご近所のショッピングモール? にこは衣料品店にて服を物色、ウメは陶器市にて食器を見てまわって、その陶器の見立て、知識についても折り紙つき。若い子に壁を作っていた陶工の心を開かせるのがとてもいい。素朴さと素直さと、謙虚さと、穏やかさ。そしてにこへの情愛。そうしたウメの情緒が、にこならぬ他の人たちにも伝わっていく、そんな温かみがとても心地よい漫画であると思います。

今回のラストに登場した、にこの友達とウメとのコンタクト。それもまた楽しみですね。きっと悪いようにはなるまい。そんな予感がするのですね。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

お、おそろしい。今回の怪異戸籍課は過去一おそろしい。愛三女学園にて帝華たちを出迎える尚美がおそろしく可愛らしい……。等身大ポップを作って芳文社入り口に展示すべきでは!? それくらいに可愛かったです。

さて、今回は皆でテスト勉強ですよ。一学期の期末テストを前にして、楽しみにしている帝華と、はやくも諦めている饗子。え? 饗子、勉強あかんの? なんかひょうひょうと乗り切ってる、そんなイメージあったけど、そうか、テストとなるとそうもいかんのか。

というわけで、帝華の友達と饗子の友達、合同で勉強会することになりました。場所が饗子の学校、愛三女学園。饗子の友達ならぬ保護者、尚美がうまく場を取り仕切ってくれて、この子、クラス委員長やってるだけあってさすがの手腕です。というか、委員長スキルというより饗子の世話で身についた能力って感じなのかな? 細かいところにまでゆきとどいて、しっかり皆をリードする。ええ、しっかり者の尚美。帝華の友達ともすっかり打ち解けて、いい勉強会になっていましたよ。

そしてめでたく帝華も饗子も、友達みんなも赤点回避。帝華のちょっと悪ぶりながらも真面目で前向きな個性も見事に発揮されて、ほんとこの子、いい子ですよ! そんな帝華が虎の扱いに憤慨した時に、すかさずなだめてくれた饗子もいいお姉さんしていたと思いました。また睦子の勉強についての姿勢もいい感じで、こうした皆のあり方に伸びゆく若さや瑞々しさ、しなやかさを感じて眩しかったです。

2022年3月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年5月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

必死の表情でおまんじゅうを運んでいる割烹着かおすちゃん。ああ、これ、幼い頃の思い出なのね? と思ったものの、いや違うな、いくらなんでも違う、だって扉の幼かおすちゃんと髪型も違ってるし、それに表情もやっぱ違うもんなあ。

いやもう、かおすちゃん、なにをやるにも大仕事な子ですよ。でもその歩みを温かく見守ってくれているご両親。ええ、いいご家族です。そしてかおす父の手仕事。魅了されるかおすがいいですよね。そして、この父の姿と娘の姿、ふたりの姿勢を重ねあわせて語ってくれるお母様。ええ、かおすちゃんがくじけそうになってもまた頑張れる、その根っこを知ることができたように思いましたよ。

そしてかおすちゃんの着想。次の漫画のとっかかりができた。けれど次に続かなくて、悩んでいたところに編沢さんのアドバイス。誰かをモデルしてみれば? ええと、自分自身をじゃないよね? と思ったら、まさかのお父様!

この発想が閃いた時のかおすちゃんのあの表情! ええ、名作の予感では? ええ、なんとしてもこれをチャンスとはばたいていただきたいところです。

『ぬるめた』

カオスのお話だ! 猫耳を装備したくるみ。耳だけじゃなくヒゲやしっぽもつけたんだ。でもこれがまさかのトラブルの種に!? 思いもしない展開、ガチケモナーしゆきが次々と駄目出し、辛辣批評をはじめたと思ったら、さきながしゆきにダイレクトアタック! でもってこの辛辣さがくるみにも炸裂。

なんだなんだ、今回はギスギスモードなの!? と思ったら、なるほどそういうフリと思ったと……。いや、いやいや、くるみがマジへこみしてますやん。思いっきりすねちゃってるし。

と思ったら、ここにれあが介入。で、さきなとれあがえらいこっちゃに!? いやもう、ここでも再び思いもしない展開に微笑ましく(?)思っていたら、まさかのギスギスモード継続ですか!? からの、れあ可愛い発言でとどめ刺しちゃうとかね、さきな、どれだけ人を翻弄してしまうのだろうか。このアップダウンの激しさに、見てるこちらもつりこまれてしまった感ありましたよ。

そしてまさかの落ち。ゆうかが、なんらかのガチ反応示しちゃってるよ!

ほんと、これ、毎回といえばそうかも知れないけど、カオス回でした。くるみ、ちゃんと返却されるのでしょうか。

『コンビニ夜勤あくまちゃん』

連勤の果てにいろいろ駄目になってしまってる店長多田の大ピンチ。まさかの誤発注、12個のつもりで123個発注しちゃったパンが押し寄せてきた午前4時。いや、こういう話、ちょくちょく聞いたりしますけど、やっぱりフェイルセーフを設けておくべきなのでは? 通常の発注量に比べて大幅な増減があった場合、なにかしらの確認をするとか、そういうの。もうあったりするのかもなあ。でもこういう失敗をやらかしてしまう時って、そのフェイルセーフも余裕でぶっちぎっちゃったりするんよね。ほんと、たまにそういうことあるから、取り返しのつかない操作には二重三重の対策が欲しいところです。

さて、123個のパンを前にした店長。思いっきりブロック長から詰められとるわけですが、こういうことやると失敗が隠蔽される組織になるよ? いや、システムで監視できるのなら発注が通る前に確認したれよ! ってのはまあいいとして、店長、ヤバいな、全部買い取るつもりでいる……。

この店長のピンチを前に、門音さん、いやさねね姉さんの段取りで123個の新商品を売り切るべく皆で動くのがね、ほんとよかったですよ。この店、組織としてはブラックかも知れんけど、店員は仲がよくて団結できるのが本当になにより。それぞれの持ち味、得意を総動員して見事にパンを売り切った! このやりきった感。いやもう、すっきりと気持ちのいい展開見せてくれました。

『ななどなどなど』

いや、おだんごの子、めっちゃ可愛いですよ。いやもう、めっちゃくちゃ可愛いですよ。

さて、ステージに立った小町ちゃん。緊張したところをね、ななどが手をとってはげましてくれるの、これ本当によかった。ななどの小町に向ける気持ち。手だけでなく、気持ちが繋がっている、そうした感触がその笑みからも伝わるようで、このふたりの関係性、繋がりに心持っていかれる思いがしました。

ステージを成功させた小町たち。続いては、茶々の問題を乗り越えないといけません。これ、茶々と真っ向対立するのかと思ったら、小町、妹の抱えている悩みを見抜いて、ああ、茶々の傷ついた気持ちに触れて、そのつらい気持ちから抜け出せるよう妹をはげまし、背を押してあげるんですね。ええ、小町ちゃん、いいお姉ちゃんしていたではありませんか。小町の立ち直りにななどが支えになってくれた。そしてそれは同時に、茶々のお姉ちゃんとして振る舞えるだけの成長を小町に対しうながしていたんですね。

宮前このみとのいろいろも清算されそうな雰囲気ですよ。このみから返却された500円。いや、すぐさま400円の返却、100円の貸しになってしまうんですけど、いろいろこじれはしたけれど、ふたりはまた違った友達のありかたに踏み出していけそうな気がする。萌やるる、ななどたちとは異なる、気づかうことなく、思ったことをいいあえる、そんな関係ができていけそうに思います。

そして今回のよかったの、ばあやさんのあの笑顔! ああ、ばあやさん、報われましたね。大事に面倒を見ている子たちの頑張り、活躍を目にして、どんなにか嬉しく思ってらっしゃるか。その気持ちのひしひしと浮かぶあの一コマ。最高の瞬間だったと思いましたよ。

しかしこの文化祭のエピソード、多くのできごとがあって、多くのことが落着して、これは、これはグランドフィナーレが近いのではないか……。ハラハラしながら最後のページ、下のコメント見てみたら、セ、セーフ!? セーフということでいいのですか!? いやもう、これからの小町ちゃんも見ていきたい。お願いしますよ。ほんとにお願いしますよ。

2022年3月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年5月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年5月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。ココアとフユがふたり手を繋いで、一緒にジャンプ? 色違い、揃いの衣装。ピンクのココアに青系のフユ、そのコントラストがそれぞれの個性、キャラのカラーを強調していていい感じです。チェックのスカート、ストライプのリボンにネクタイ、制服っぽい格好のその上に着ているパーカーがカジュアルさを追加して、そのポケットにはチノぬいぐるみ! ココアとフユでちょっとずつ違うんですよね! なんか緩いチノぬいの表情もまた面白い可愛いイラストです。

今月は新連載が1本、新規ゲストが2本です。

『サキュバスなんてもうこりごり!』

両角裕香はサキュバスハーフのお嬢さん。ある日、突然ツノが生えてきてびっくり。そして明かされる出生の秘密。サタンから、人間の精気一年分を納品すれば人間に戻してくれるとの確約を貰って、しかしこれまで誰かとつきあった経験さえない裕香にはあまりに酷な条件。でも、母が性奴隷に堕とされる、いや違った、母はむしろ自分から立候補しとる。ともあれ、家族を守るためには自分がなんとかするしかない。

ここからの裕香の活動。まだサキュバスとしての能力は未知数だけど、いや、思いっきり幼なじみの女の子を落としてしまってこれはこれで大変なことに。なるほど、サキュバスとはいっても相手が男である必要はないのか。しかし接触で人を発情させることができるという能力、危険では? 満員電車とか乗れないよ!?

ともあれ、裕香の方向性、決まった感ありますね。なるほど冒頭に描かれたように、女子ハーレムを築くことになりそう、というか、裕香は完全に暴走する女子たちに翻弄されてますな。純情サキュバスの、望むと望まざるとにかかわらず女子に迫られ大変なことになる、そんな漫画。とりあえず第一話は幼なじみが、いや、幼なじみの毒牙にかかって……。でもってこれ、どうもどんどんエスカレートしていきそう。サタンに課された条件、わりと楽勝で達成できそうな予感がしますよね。

『メイドさんはハジメテの友達』

2022年1月号からゲスト掲載されていた『メイドさんとおたのしみ』が改題、設定も少し変更されて連載化されたようですよ。

友達のいない桜井フブキ。新しくできた喫茶店になかば無理矢理入店させられて、店員のお嬢さんから私とお友達になりましょうといわれてしまう。この店はちょっと特殊で、ギャンブルの勝ち負けで飲食代が無料もしくは全額支払いとなる。でも今回は特別に、友達になるならないを賭けよう。かくしてブラックジャックを遊ぶことになったフブキ。でもルールを知らんのだろう? そりゃ勝てないって。駆け引き以前の問題じゃないですか。

しかもこの店員、イカサマ疑惑がある!? イカサマも技術? それ、カジノで客がやったら裏に連れてかれるやつだよ!? ともあれ、金銭賭けてるわけでもないこの勝負。そこまでしてフブキと友達になりたい!? いや、イカサマしてるかどうかは確定してないグレーな状況ではありますけどさ。案の定負けて友情を差し出すことになってしまったフブキ。ここからどういう関係が育まれることになるのか。なかなかに剣呑なシチュエーションではありますよね。

『食べちゃいたいくらい××』

サキュバスハーフに続き、マンイーターハーフのお嬢さんが登場です。赤喰かるまはマンイーターと人間のハーフ。この世界には怪物、モンストラムが人に紛れて暮らしていて、ルールさえ守っていれば大丈夫、けれど人を襲うなど規律に違反すれば怪物狩り、ヴェスパに取り締まられることになる。かくしてかるまは、ぎりぎりルールを超えないよう注意しながら人のエキスを奪っているわけです。

そんなかるまがある日出会ったのが、イケメン美形と見紛う美少女ヴェスパ、狩屋蜜蜂。なんとか逃げおおせはしたのだけど、翌日すぐさま再会。女子高生連続失踪事件を調査するため、転校生として潜入してきたというのですね。

わりと無害であるため見逃がしてもらえているかるまと蜜蜂の交流。そして蜜蜂に迫る脅威!? 事件、隠れた危険、調査潜入にバディもの。結構好きな要素がずらりと揃って、ここからの展開やいかに! 蜜蜂のピンチ? そこでかるまがいかなる助力をしようというのか。即席デコボコバディの活躍、期待しますよね、これ。

2022年3月18日金曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年3月17日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年3月16日水曜日

テムパル〜アイテムの力〜

Twitterで流れてきたプロモーションがきっかけとなって読み始めた漫画『4000年ぶりに帰還した大魔導士』。ここからのおすすめで『テムパル〜アイテムの力〜』を知って以来、この2作を楽しみに読み続けています。『テムパル〜アイテムの力〜』、タイトルにあるテムパルってなにかというと、ゲームで用いられる用語で、アイテムの力で強くなること。自分は知らない言葉だったんですが韓国語だそうですよ。単純にアイテムの使用効果によるものだけでなく、固有スキルとかを活用して戦いもろもろを有利に進行させること、それをテンパルというようです。すなわち、この漫画の主人公、グリードがそうしたプレイングをしているってわけですね。

この漫画の主人公、ゲーム内でのプレイヤーネームがグリードなんですが、強欲というだけあって金に汚なかったりと、わりかし人格に問題ありなのが面白いところです。偶然っていってしまっていいのだと思う、特殊なユニーク生産職への転職を果たしたことをきっかけに、職業固有のスキルにアイテムの能力を上乗せして自身の置かれた状況を覆していく、そうしたストーリーが痛快で、ずっと先を楽しみにして読んでいます。

序盤、導入部が終わるくらいまで、主人公があんまりにもがめつくて、人格的にも問題がありすぎて、どうしたものかみたいに思うことも多かったのですが、不遇な身の上にあった彼が信頼を得て、また仲間との交流や様々な出会いを経て、だんだん成長していくところは素直に好感が持てまして、それでもどこかしら憎まれ役みたいなところのあるグリードの開き直ったような大暴れ。いわゆる俺ツエー的な展開にもなるわけですが、これは主人公寄りの立場となる読者にとってはむしろ願ったり叶ったりですよね。時に苦戦しながらも強敵を降し、さらなるパワーアップに繋がる強アイテムを獲得していくのはわくわくさせられる。このアイテムが、得られたスキルが、どのように使われるのだろう。それをもってグリードがどのような活躍を見せてくれるのだろう。

ゲームをやっていて、強い装備を入手した時、強いスキルを獲得した時、試してみたいとうずうずする気持ち。これで状況が打開できる! 手強かった敵を圧倒できる! そうした面白さに通じるものがあるわけですね。

現在、自分は無料で読める分を読みきって、毎週火曜日に新しく開放されるエピソードを心待ちにしています。現時点で無料で読める分の最新状況は、テムパルでもって活躍するのが、グリードひとりではなく、グリードの属するギルドメンバーにまで拡大したところ。苦境にあるメンバーが、無名であるため侮られていたプレイヤーが、グリードの開発したアイテムのポテンシャルで能力を底上げされ、強敵を圧倒する。

いやもう、これは面白いですよ。

アイテムの力でパワーアップして敵に勝つ、スキルの特殊効果でもって敵に勝つ。この連続だと飽きるんじゃないか? 同じパターンが続いてしまうんじゃないか? そんな懸念もありそうなところですが、これまで読んできた感触では、同じようなパターンに陥らないよう気配りされているように感じます。でもまあ、最終的には必殺技ともいえる強スキルで相手をぶっ飛ばすことになる、そこはワンパターン的かもはしれませんけれども、いやむしろこれこそは待ってましたの必殺技というべきでありましょう。

気に入ってるポイントがありまして、グリードはプレイヤー相手にはわりと失礼な態度をとるのに、なぜかNPCのおっさん相手には親切だったり共感的だったりするところがあって、これ、この人の人間不信が原因!? ともあれ、どこかコミュニケーションがへたくそというか、なにか間違ってるというか、それでいて、そっち方面には親切なの!? みたいなね、彼がなにを大切にしようとしているか、その軸が面白く感じられます。

でもこれは、おそらくは韓国の年長者を敬うという文化的背景、それがあるんだろうなあ。みたいなことも感じていました。ピッコマで読める日本語版では日本のプレイヤーとなってるグリードですが、オリジナルだと韓国プレイヤーだったりするのかも知れませんね。

2022年3月15日火曜日

今日は休みます

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2022年3月14日月曜日

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2022年3月13日日曜日

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2022年3月12日土曜日

『まんがタイムきらら』2022年4月号

 『まんがタイムきらら』2022年4月号、昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

学校、空き教室が暑い! というので、涼を求めにゲームセンターに移動。蛍のゲーセン知識が妙に偏ってたりするんですが、ゲーセンにきたらきたでそれなりに楽しんでる様子なのがよかったですよ。

しかし、ずっと元ヤンを隠していたすずめなのに、蛍と咲姫の前だとほぼ地が出まくってますよね。その気取りのない態度に、親しみや気を許した感じがあってすごくいいんですよね。で、蛍が顕著ですけど、そんなすずめをうまいこと転がしてるところが滅茶苦茶面白い。たこ焼き台ってのの攻略で軽く煽ってみたりね。ほんと、すずめの性格をよく理解してる。これもまた蛍のすずめに対する距離の近さみたいに思われて、いいんですね。

ふたりでガンシューやった時も、ゾンビをすずめに押しつけて面白がったりね、そりゃあすずめは盛大に文句いうわけですけど、それで怒ったり仲違いしたりすることはないわけで、そうしたやり取りの塩梅。ちょっと甘えてる? なんかそんな感じもする。ええ、咲姫にはすさまじく申し訳ないけど、蛍、すずめの関係、ぐっときまくりなんですね。

そんな3人が一緒にプリを撮ります。テンションあがるすずめ。ダチといわれて嬉しい蛍。そして、もっとこっち寄れと肩を抱かれる蛍! きましたね! 咲姫は咲姫で、いわれもせんのに身を寄せてるし、ああ、すずめさん、モテモテですね。素晴しい。

最後にすずめが蛍の欲しがってたぬいぐるみを取ってきてくれたりね、そうしたところも男前。ああ、蛍、軽口でまぜっかえしちゃってますけど、きっとこれ嬉しいんだろうなあ。素直になれないとこも、この子の愛らしさだと思います。

『ぎんしお少々』

もゆる、食えないお嬢さんだ! コンテストに出す写真をどうするか。その判断に迷ってせつなに助けを求めたわけですけれど、いやあ、まさかコンテストが目的や目標でなく、ただの手段であったとは予想もしない展開でした。

コンテストに出した写真を学校の廊下に展示してくれる。部の活動実績として掲示されるのだそうですが、これこそが目的だったというんですよ。姉、まほろに写真を見せる、それはコンテストの結果がどうこうではなく、この掲示でもってだったのですね。

ここでせつなが驚いてますけど、自分もめっちゃ驚いていますよ。姉まほろのコンテストに対する意識。それとまた違ったものをもゆるは見出していったりするのかな? とかいろいろ考えてた。いや、これからそうなっていくかも知れないけども、でもコンテストは通過点でも目標でもなかった。もゆるはもゆるで、写真を撮るという行為にこそ意味を見出していて、その行為を意味づけるというところでトイカメラの魔法がすごく役立っているというのがね、面白い。面白いわ。わかるといっていいんでしょうか。わたくしにとって意味のある、大切な営為としての写真。できあがる写真にも意味がないではないけれど、それ以上に撮るという行為にこそ愛着を持っている、そんな感触があってぐっときます。

そしてもゆるの写真を見に帰ってくるまほろ。すずはすずで、しろが半分撮影して、自分がその続きを撮った写真を持って帰ってくる。そのふたりそれぞれの帰結。ほんと、なにがどうなるかわからんから、すごく楽しみです。また同時に、もゆるのコンテストの結果、これも楽しみだったりして、なんか思いもしない結果が出たりしたらそれはそれで面白そう。いや、わからんですけどね。でも今はそのわからんことが楽しいと思えます。

My Private D☆V

『ニチアサ以外はやってます!』の猫にゃんです。

D☆Vポイントは「かわいい子のアクションがすきです」。で、イラストがですね、すごいダイナミック! 放たれたキックの勢いに、ぶっ壊されている機械の描写もかなりキてるんですが、その女の子の肉体の表現。みっちり感じられる筋肉の量! 脚まわりとかすごいよね!

ニチアサと一口にいってもプリキュアから仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズと幅があるわけですが、『ニチアサ以外は……』がそもそも特撮指向であるところからもわかるように、人の身体感を強く感じさせるところにこそ、強くアピールされるところありそうですよね。

これ、たとえば同じプリキュアでも、アニメの表現よりステージで衣装着てヘッドをかぶって演じられるショーの方がよりぐっとくるみたいな、そんな感触ありそうで、可愛い見た目とはうらはらに鍛えられた身体の躍動する様、そのギャップに、なんかすごいもの見たぞ! みたいなことを思う。そうした感性は少なからぬ人が共有しているようにも思うんですね。

ということで、かわいい子のアクション。その身体のリアリティに魅了されるということ、強く共感するものありました。

2022年3月11日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年4月号

 『まんがタイムきらら』2022年4月号、昨日の続きです。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

アスレチックフィールドに現れたカチカチモンスター! あまりの硬さにエルたちの剣も魔法も通じない。ああ、どうする!? と思ったその時、薪割り用の手斧を武器に飛び出していったセリの攻撃が敵を砕いてみせた!

これ、セリの開眼、クラスチェンジイベントだったんですね。かくしてセリは村娘から戦士に転職を果たして、そこからの活躍! しかし敵もなかなかにしぶとく、押し勝つことは叶わないのか!? と思った時に現れる加勢。同じく手斧を持った戦士のイーリアが参戦して、モンスターを見事に撃退してみせるのですね。

しかしイーリア面白いな。かっこいい登場なのにピザくわえてるしさ。でもってエルたちのことも知っている。エルたちをこちらの世界に送り込んだ謎の穴の調査がきっかけで、こちらの世界にくることとなったイーリア。エルたちのパーティに参加することになるのかな? と思ったら、単身調査を続行するとのこと。でも、イーリアのおかげでいくつか新情報が得られましたね。

穴に落ちるイーリアを見て、焦っていたという魔女。彼女が黒幕ではないのか? いや、むしろ今回終盤の様子を見れば、倒されることを待っている!? そしてかつてエルヴィーラを知っていた謎の女の子がアルバイトをしたいとやってきて、いろいろ訳有り? 謎を抱えた人たちが、一挙に動き出しました。これら動きがどのように繋がっていくのか。その先になにが待ってるのか。楽しみにさせられます。

『むすんで、つないで。』

つなぐの家に招かれた七色。いやいや、そこまで緊張しなくてもいいのでは!? でもって待望のクリスマス会。つなぐがバイト先から貰ってきたケーキを食べて、おしゃべりに花を咲かせて、そしてついに出し物の発表!

七色、ほんとにカンガルーの鳴きまねやったんだ……。その出来がもう残念極まりないものだった模様で、でも花ノ子と白百合、ガチ小学生コンビはわりと楽しんでたりしてるのかな? このふたりの素直さ、輝いていると思う。対して苺よ……。苺よ……。その反応、どんだけ真面目に受け取っていいのですか……。

つなぐはオカリナ、花ノ子、白百合は歌とリコーダー。うん、こういうのでいいのだと思う。白百合はなんか期待に添えなくてごめんみたいになってるけど、いやいや、こういうのがいいんだよ。罪がなくて素晴しいじゃない。ねえ、いたいけで心が洗われる思いでしてよ?

今回のクリスマス会、思えばつなぐにとっては皆と一緒に楽しい時間を過ごせる、これだけのことがそれこそ奇跡のように感じられたのではないでしょうか。去年のつなぐからは想像もできないような夢のような一時。花ノ子の失踪を受けて憔悴するつなぐに花ノ子のご両親。白百合も寂しい思いを抱えていた。だけど今年はもうそんな悲しい気持ちにならないでいいんだ。そうしたつなぐの気持ちの語られたくだり、ふいに胸に押し寄せるものあって、たまらず涙ぐむ思いがしました。

それだけに、ラストのつなぐ。皆の思いやりが災いしたというのかい!? 楽しい時間はすべて夢だった!? あの驚き、あの狼狽。いやもう、ねえ! 現実だったよと、誰か、誰か、この子に伝えてさしあげて!

『ほぐして癒衣さん。』

えらいことになってない!? 夏鈴がいたわっていたメディア事業部の八潮さん。そのふたりの会話が誤解を招いて、大変だ、癒衣さんが大変だ! 修羅場ってやつよ!

と、それはいいんだけど、八潮さん、部長なの!? てっきりさ、職場に恵まれない若手社員かと思ってました。見た目の若さもそうだし、孤独とかいっていたのも、長く続いた不況時代の採用抑制が中堅層の薄さを招いて云々、みたいな話じゃあなかったのか!

とはいえ、中堅どころか先輩連中がことごとく退社しちゃって、メディア事業部唯一の生き残りみたいなことになってるみたいではあるんですが……。うん、もっと状況悪いよね。というか、この会社、大丈夫なんかな……。

そんな八潮と癒衣の夏鈴争奪が開始です。八潮は部長だけあって人事異動の会議でも発言できる。かくしてメディア事業部に引き抜かれそうになる夏鈴。はいいとして、能力とか適性とか、そういうのんまるっきり考慮しない配置とかどうなの!? いやもう、この会社、いろいろヤバいな。労働環境の悪化が人材を流出させる悪循環に加え、残る従業員からも判断力を奪っているように感じる……。

で、ここからが本番? 夏鈴から癒しを得る、その代わりになにを与えられるのか? なんて問が癒衣から八潮に投げかけられてもう大変。私は夏鈴を気持ちよくさせられるとか意味深なことまでいっちゃって、どうしたの、癒衣さん、ぐるぐる目でかつてないほど赤面して、どっからどう見ても大混乱だよ!? しかもこれ、わざととかあえてとかじゃないのか。なんとなく、よくわからないままいってたの!? いやはや、罪なお姉さんでありますよ。

八潮部長、見事に誤解してしまってるわけですが、この三角関係、しばらくは混乱から抜け出せる目処立たん気がしますね。

2022年3月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2022年4月号

 『まんがタイムきらら』2022年4月号、昨日の続きです。

『推しごとびより』

最終回を迎えました。ロゼとの合同ライブ。緊張しながらも、しっかり歌いきってみせたカラフルリウムの皆。観客席には、そんな彼女たちを推してくれるファンたちの姿があって、そしてこのライブが、彼女たちのパフォーマンスが、客席へ、中継で、遠くへと広がりオーディエンスの心を掴んでいく。

最終回にして、さらなる躍進を感じさせるカラフルリウム。ステージ上でのトークでも、自分の推しについてがっつり語っていく心町。こうした姿勢、ファンの人たちの気持ちも掴んでいたんじゃないかな。ステージ上のパフォーマーが、自分たちと同じくロゼを推している。そうした親近感はカラフルリウムの武器であるのかも知れない。取り入るための演技とかじゃなく、本心から自分の好きにまっしぐらな彼女たち。そうした姿勢は、きっとそのままに伝わっていくものがあるのかも知れないって思わされたのですね。

しかし、今回、ライブ後の展開がおかしくて、ロゼが打ち上げ提案するも、心町となるはももかのライブ、空はネットの生放送、彩姫はゲームに柚葉はレポ漫画。もうね、自分のやりたいことが決まってて揺らぎもしない! そして茜とましろもももかのライブにいくことになって……、という、このカラフルリウムのパフォーマンスだけでなく、推しごとにおいても広がり見せていくというの、本当に彼女たちらしいといえる最終回だったと思いました。

『スロウスタート』

たまてがえらいことになっとる! 花名と創が仲よさそうに話している様子を見た綴とたまてがですよ、しゅんとしたり嫉妬に歯噛みしたりと、もう大変! でもふたりの会話、それがもうどうしたものでしょう、足がつる話題なのか。ちょっとのことで手足がつる、それどころか背中までつる。実際、目の前でふたり揃ってつってみせて、しかしこれがふたりの共通項とは。落ち着きを取り戻したたまてから、運動不足にもほどがあるなんていわれてしまっています。

今回は、冠の会長就任挨拶の回想あり、そして間近に迫る体育祭、生徒会も部活対抗リレーに出てみようかなんて話になって、ああ、次の展開に向けての布石ですね。自分が足を引っぱってしまうんじゃないか。とにかく不安にかられる花名ですよ。気にしないでもいいのに、といいたいけれど、散々学校体育で叩かれてきた人間にとっては無理な話。ええ、わかりますよ。そうか、これが自分と花名の共通項か! 悲しい、悲しいな、花名さん……。

ともあれ、創も頑張るからと、運動不足仲間の創が一緒ならきっと大丈夫だと、後ろ向きなこと思ってる花名ですよ。で、すぐさま創に裏切られる!? ああ、花名よ、強く生きよ。気持ちはわかるが、頑張るんですよ。

『それでは、ステキなセッションを。』

ボーカルの伴奏をした時に、歌いづらかったといわれてしまった芽依。以来思い悩む日々を送っていた彼女を見兼ねて、一色たちが力を貸してくれた。芽依にマイクを渡して、伴奏をするから歌ってみろと。緊張に足がすくむ芽依の背をてんちゃんが、そして伴奏をする皆の気持ちが押してくれる。そこからの芽依の伸びやかに歌う姿。気持ちを前へと、さらに前へと進ませていく、そんな姿に瑞々しさ感じて、ああ、いいですね。人の伸びゆく様、それは心踊らせてくれます。

ラヴ演千本ノック、2時間やりきったその後の会話。一色に指摘されたこと、それが芽依にしっかり刺さって、でも今回の経験でなにがいけなかったか、どうするべきだったかが見えた。ああ、人の成長が見えるのはわくわくとさせてくれる、喜びがあります。

そして芽依が見たドレス。伴奏をしてくれた星田に徳庵、ふたりがドレスをまとっているように見えたというの。奏ドレス。ミュージシャンのまとうオーラ、それがドレスのように見えるのだというのですね。

てんちゃんからのパワー注入で、一色のまとうドレスがかすかに見える。徳庵、星田のそれははっきり明確に見える。けれど芽依のドレスはまだ見えなくて。というところから一転、芽依がなりたいミュージシャン像を自覚した瞬間のあの映像!

音楽という絵に表しづらいもの、音楽性、パフォーマンス力というものをこうして可視化してみせる奏ドレスの効果。それが見事に発揮されていたと思います。人の、大切なことに気づいて、明確な目標を抱いたことがきっかけとなって、一段高いステージに押し上げられる。その瞬間がこんなにも印象的に描かれた。はっとさせられる一色とてんちゃん、彼女らの驚きを読者もともに感じることができた。この気持ちは、ちょっと言葉にできない、それくらい心動かされるものでありました。

2022年3月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2022年4月号

 『まんがタイムきらら』2022年4月号、発売されました。表紙は『しあわせ鳥見んぐ』。双眼鏡を手に鳥見にきているすずと翼です。ふたりの目当ては、桜の枝にとまっているメジロ? 鳥見と花見、両方を一度に楽しめる絶好のシチュエーション。桜の淡いピンクに緑のメジロが浮き立って見えますね。そういえばこの配色、翼の上着が黄緑で、すずのシャツがピンク。ここにも同じように配されているんですね。すずのシャツ、模様がトリさん。本人の前でオフィシャルグッズ身につけてるという、なかなかに素敵な情景です。

今月は新規ゲストが1本です。

『綺麗な陽花には毒がある』

学校にては優等生として知られる羽柴陽花。教員どころか生徒たちからも慕われ、憧れられている、そんな完璧美少女なのですが、実はこれ、全部上っ面。学校では猫をかぶってる。そんな取り繕いにだまされてる皆のこと、アホじゃないかって思っている陽花。実はちょっと孤独なのかも知れませんね。

そんな陽花が公園で出会ったのが、行き倒れていた安藤梨花。ほっとこうかと思ったけれど、外面のよさが災いして食べ物をめぐむ羽目に。しかし、自分とは縁もゆかりもないだろう、今後二度と会うこともないだろう人物を前に体裁気にしていたって仕方がないと、地を出していくことに決めたのですね。

そしたら、すごいぞんざい! いや、でもそうした様子もいいのでは? むしろ、気取らないよさがある。悪い口調だったりするけど、人の悪さは感じないでしょう? それだけに、人の話を聞かない、気をつかわない、空気読まない梨花にはよく作用したっぽい。ええ、調子狂わされっぱなしの陽花に、なんだか陽花のこと気にいったっぽい梨花。このふたりの本音のつきあいが始まろうという状況です。

思ったこと好き放題に話せる相手ができた。これ、陽花にとっては結構代え難い相手なのではないのかな。ええ、うまく関係育んでいけるといいですね。

『しあわせ鳥見んぐ』

あすかから寄せられたタゲリ情報。岬に頼んで、彼女のバイクで現場へと向かうすず。当然翼も誘うというのですが、あら、翼は翼ですでに現地入りしていて、しかもその格好はトリさん! ひなと一緒に配信用の動画を撮るべく、準備万端であったのですね。

これ、トリさん身バレの危機では? すず、ひなにとっては既知の事実でも、岬は大好きなトリさんの中身が知り合いであることに気づいていない。これは、トリさんの正体が翼と気づかず交流しちゃう系? あの無言の圧からのサイン要求。いやいや、ふたり、そこ立ってたら配信動画に写り込んじゃうから! でもってトリさん公開収録。ちょっと慣れないシチュエーション。頑張って解説を続けるけど、知り合いの前だとやりにくい。でもこの経験がトリさんぽchのさらなる発展に繋がったりするのかな?

と思ったところからのまさかの身バレ展開! ですよね! やっぱこうなりますよね! いやもう、驚きの頭部脱落、岬硬直。これ、どうなる、どうする? 撮影続行? いやもう、見事に大混乱の種が撒かれてしまいましたよ。

『けいおん!Shuffle』

後輩たちが加わって、なお面白さが増していますね! 蘭花の悩み事。秘密にしていたつもりなのに、リサにバレ、楓にもバレてというの、いやこれ蘭花からしたらそんなにバレバレ、わかりやすいの!? って感じでしょうし、リサからしたら自分だけが知ってる蘭花のクセと思ってたのが、先輩たちにもバレバレ、面白くない! っていう気持ちが見えてくるの、すごくよかった。

しかし、入部した当初はなにを考えてるのかわかりづらいと思われていた蘭花がですよ、今ではもうこうして皆からその考えてること、思っていること察してもらえるようになってて、ああ、打ち解けましたよね。でもって、リサにしても真帆にして、蘭花のテンポ考えずグイグイいくでしょう? それで真帆ったら泣く寸前まで追い込んじゃうの、ああー、蘭花の泣く直前の表情。ほんと、この子は可愛いなあ!

そんな蘭花の悩みですよ。そうか、楓とつきあいたかったかあ! いや、違うの? 誤魔化さなくていいんだよ? なるほど、先輩たちのバンドに入れてほしいんだね。ここからの驚き、喜びの濁流。歌のうまさで真帆を黙らせるリサの底力などなど、ほんと、面白かった。こうした交流、リサと蘭花の友情なんかもね、皆のよさがすごくよく引き出されていて、読んでいて嬉しくなってくる。とても魅力的なエピソードでした。

2022年3月8日火曜日

『まんがタイム』2022年4月号

 『まんがタイム』2022年4月号、昨日の続きです。

『瀬戸際女優!白石さん』

真島監督から一緒に暮らさないかといわれた白石。それで舞い上がっちゃって、頭の中が真島のことでいっぱい。いや、もうゴールしちゃってもいいんじゃないか、そう思うんですけど、18年の一人暮らし期間が、ちょっと弱気にさせてるんですね。

よくいえば、自由な毎日。風呂上がりに裸でウロついたり、落ち込んだ時に転げまわりながら大声でひとりごといったり、そういうのきっと引かれちゃう! ちょっとでもいいように見られたい、みっともないところ、嫌なところは見られたくない。

わかる! ものすごく共感できるんだけど、真島に対しては、白石さん、今さらでは!? だって、この人は警察時代にレディース時代の白石と交流あったわけで、それでもなおこうしてつきあいが続いている。だから真島に関しては信じていいのでは?

自分の申し出が白石を困らせてるのではないか。そう思った真島の対応はよかったですよ。なかったことにしてもいい。白石の心配も、偽った姿なんて魅力的に見えない、気にしない、大丈夫と言葉を尽くしてくれるところ、こういうところは年長者といっていいのか、そういう余裕を感じさせてくれて、ええ、白石には真島がいてよかった。そう思わせてくれる展開でありました。

しかし、こうしていざ同居となれば、この漫画どうなる!? そのあたりも気になりますね。でも、このまま当たり前に続いてもそれはそれでありだと思う。変化していく白石も見てみたいですよ。とか思ってたら、同居話そのものがご破算なんてこともありそうで、どうなるかまだまだわかりません。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

いよいよ最終回ですね。テレパスを制御できるようになってきた皆葉。これまで人の考えを読んでしまって申し訳なく思ってきた、そんな後ろめたさからも開放されるのだとしたら、よかったですね、皆葉。でも妹たちから面白いようにからかわれたりね、こういう素朴で実直なところは以前どおり。ええ、皆葉の皆葉らしさはなお健在なんですね。

その上でアップデートされているのだと思う。澄花と一緒にいった映画、感動して泣いちゃってね、そんな自分に驚いている皆葉。共感する力が増しているんだろう。わからないながらも相手の思いを汲もうとする、そんな気持ちも強くなっている。テレパスがなくても、相手の考えてることがわからなくても、それでも前へ進もうと思える力。不安でも怖くても、それでも立ち止まらない皆葉を見ていると、きっとこれからも大丈夫だろう、そう思えてくるのですね。

そんな皆葉と澄花のこれから、どんな関係になっていくのだろう。今のまま、より深まっていくのか。あるいはこれまでにはなかった動揺、浮き沈みなどもあったりするだろうか。きっとあるかも知れない。でもそれでもふたりなら大丈夫だろう。ええ、ラストシーン、彼らの後ろ姿にそうした思いをするのでした。

『良倉先生の承認欲求』

かわいいオジサン。身近にいるかと問われた星畑が思い浮かべたのは良倉。でもちょっと溜息? やれやれ感が見られるのは、星畑の良倉を見てきた期間の長さがための気がします。

かわいいオジサンの話題に、乗るのか乗らないのか、めちゃくちゃ不安定な良倉が面白い。こうしたところ、良倉らしいと思う。そもそも自分自身がかわいいとか、そういうポジティブな評価されることを受け入れられない心理があるから、自分をOLと偽って活動するはめに陥ってるのかも。と思ったら、自分でもちゃんと理解してるんですね。そういうところ、良倉らしいと思いました。

今回明らかになった、良倉自身やってみているOLさんの努力。スキンケア! 基礎化粧品は毎日欠かさない! オジサンなのに肌ちょーキレー! さらにはまつ毛美容液!? このマメさ。OL設定にリアリティを持たせるのが主目的だけど、それだけではない、努力すること、それ自体が目的になってる感もありますね。

そしてぶんちょー紳士の小物作成。ああ、星畑に褒められてえらいこと嬉しそう! やっぱりこの人は自分自身じゃなく、自分の手掛けたもの、その仕事にこそ評価を求めるタイプなのかも知れませんね。あのぶんちょー紳士に話し掛けてるところとか、すごくよかった。自分の作ったものへの愛情、それが良倉への信頼になっているように思えました。

2022年3月7日月曜日

『まんがタイム』2022年4月号

 『まんがタイム』2022年4月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。新生活応援、ということで紋付袴に鉢巻しめた部長代理が全力応援でありますよ。『花丸町の花むすび』花子はチアガール。『冷めないふたりのひとりご飯』武蔵はユニフォーム姿で両手にメガホン。野球とかの応援風景思わせてくれますね。そして『まほろば小町ハルヒノさん』、本誌初登場、掲載告知カットもございます。

今月は新規掲載作が1本です。

『まほろば小町ハルヒノさん』

東京から奈良に引っ越してきた中西ちあき。街中に当たり前みたいにいるシカに面食らっていた彼が出会ったのは、鹿の頭をした女性。服装を見るに学生さん? 自分を見て驚いたちあきに、変化が解けたと一瞬焦った彼女。この人が春日野シロナ。どこからどう見ても普通の女子高生、と思ってるのは本人だけ。その実態は春日大社主祭神、タケミカヅチ大神の神使、神鹿なのだそう。人の姿に化けて学生生活を営んでいるんですね。

この人、普通の人からは普通の美少女に見える、といいたいけど、鹿角はそのまんまなの!? カチューシャ扱い! 見事な銀髪に後光まで差している。そのあまりの神々しさに今一クラスに溶け込めてないシロナ。皆が皆、畏れ多いとかしこまりまくったはりますやんか!

かくして皆に遠巻きにされてしまうシロナ、それで落ち込んでいるというわけですね。

そんなシロナと交流を深めていくちあき。ちょっと変わったボーイ・ミーツ・ガールもの。気安く接してくれるちあきに喜び隠せないシロナがやけに愛らしく見える、そんなお話でした。

『茨城ってどこにあるんですか?』

多恵、まさかの東京進出を決意!? 母が倒れたとの報せに急いで帰宅する多恵たち。でも、母ちゃん、ケロッとしてこたつでミカンとか食べてますよ? でも倒れたのは本当。過労なのか。東京への出社が続いて疲れがたまっていた。そこで祖母がいうんですね。東京に単身赴任するかって。それを受けて母、多恵に一緒に東京に住むかっていうんですね。

ここで揺れる多恵の気持ち。憧れの東京にいきたい。東京にいったらあんなこともしたい、こんなこともしたい、夢がめちゃくちゃ膨らんでいるんですが、そんな多恵が今回やるのはれんこん掘り。その卓越した技術で、次々れんこんを収穫していくんだけど、そんな生き生きした姿見せられたらですよ、君は茨城でこそ輝くのでは? そう思ってしまうじゃありませんか。

東京ゆきを応援してくれる森戸。でもそれって私と離れ離れになってもいいってこと!? 多恵狼狽するんだけど、いや普通に近いだろって、そうですね、鈴子も普通に通勤してますもんね。けどこれは多恵にとっては大きな決断。はたして多恵の東京ゆきはどうなるのか!

次回、最終回ですね。これ、多恵の東京進出が叶ってもいいと思う。同時に茨城残留が決まってもいいと思う。この子のこれから、それはどちらに決まってもきっと大丈夫だと思うんですよね。そんな可能性や信頼に似たものがこの子にはあると思います。

『この契約は恋まで届きますか?』

野田くん、ちょっとキモチワルイぞ! いや、手芸趣味なのはいいんですよ。八千代さんモデルのマスコットもいいと思うんですよ。でもそこから発展していく思考! そこは、そこは、もっとこうナチュラルにというかニュートラルに、当たり前に、考え込むような感じじゃなくさらっといってくださいよ!

ともあれ、このマスコットが八千代さんにも好評で、是非SNSにあげるべき。ハッシュタグをつけて、届けるべきクラスタにアピールすべし。

いやね、これで見事に好評を博すのですから、野田の手芸力は本物なんだろうなあ。でも、野田のバズりを嬉しく思いつつ、複雑な思いを抱く八千代ですよ。なるほど、推していたインディーズバンドがメジャーデビューして、自分の手から離れたみたいな寂しさを八千代も感じちゃってたわけですね。いや、これ、マイナー趣味者には避けられない感情だと思う。でもここであえて寂しさを押し殺し、推しのメジャーに羽ばたく様を見守る、それもファンのあり方ですよ!

と思ったら、野田、バズりに戸惑って、ひっそりに戻るっていうんですね。

この時の野田の言葉、それが八千代を喜ばせてるの、よかったと思う。ええ、わかってくれる人がいればそれで充分、そういうこともあると思う。そうした思いに至れないと、良倉先生みたいになっちゃうぞー!

でも一度手芸クラスタに認知された野田くん。きっと今後もしばしば話題になることはあると思う。そうしたファンもまた大切にしてさしあげてください。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

琴音のお天気中継に乱入してきた視聴者さん。琴音を思うがあまり、ラブレター持って突入してきちゃったんだ! いやあ、人気者も大変だ。きっとこうして思いを寄せるものも少なからずあることでしょう。でも、こうしたことがエスカレートしたら琴音に危険も及びかねない。皆、大事になるの心配しはじめちゃうんですね。

幼なじみのタケちゃんがまああかんたれ! 中継への乱入を見て心配に思い、琴音に連絡とったまではいいのだけど、素直に思ってることいえずに憎まれ口利いてしまうのね。ほんと、温厚な琴音も電話ブツ切りです。しかもここからさらに悪い展開! なぜ、なぜ、フード被ってこっそり琴音を見守ろうとするのですか! どう見ても不審者。現場の警戒度あがってるのに、そんなことしちゃうもんだから、中継まで中止になっちゃって!

今回は、琴音のどんな場所、どんなシチュエーションでもお天気コーナーの魅力を盛り上げていける、そんな持ち味の発揮されたのがとてもよかったと思います。で、本心では琴音を心配してるし、琴音の中継も楽しみにしてるタケちゃん、その本音が明らかにされたところ、それもよかった。というか、タケちゃん、次からは素直にはじめっから言葉にして伝えよう! 琴音のまわりの人たちも、琴音を守るために懸命になるところもよかった。のだけど、真由さん、習いたての護身術で不審者に立ち向かっていくの、あなたのことも心配よ! ええ、でも最後にはすべてが丸く収まってなによりでした。

2022年3月6日日曜日

『まんがタウン』2022年4月号

 『まんがタウン』2022年4月号、一昨日の続きです。

『兎なりのウサギさん』

みたらしの爪を切りますよ。でも、みたらしは断固として拒否。なのに、キャリーを置かれたら興味本位で自分から入っちゃう! って、ウサギ、大丈夫なのか。こんなので、野生環境を生き抜けるのか。

キャリーに入れられたみたらしが不愉快顔してるのが面白いですよね。で、なんでキャリーなのかというと、ウサギ専門店に爪切りを頼むんですね。そうしたら、まあ個性的な店長さんがいらっしゃる! すごい目付き、すごい圧! でもウサギ思いであることはうたがうべくもなく、そしてウサギの扱いにも長じているというんですよ。

あの、爪切りの手際のよさ! あまりの鮮かさにみたらしされるがまま。というか、なにされてるかわからずぼーっとしてる。すごいな!

犬や猫は爪にも血管や神経が通っていますよね。ウサギはどうなんだろう。と思って軽く調べてみたら、ああ、やっぱり通ってるんですね。なのにそれをものともせず、手早く的確に爪を切っていく。やっぱり相当な上手なんでしょうね。

そしてその後のみたらしですよ。なんだかんだで気疲れしてる? でも、ちょっと走ってみたら爪を切ったおかげで走りやすい。それでずっと走りまわってるのね。面白いな。この、ちょっとなにかが気になったら、それで頭がいっぱいになってしまうところ。切り替えのよさなのか、単純なだけなのか、そうした個性が面白おかしく、可愛らしいです。

『食欲しか勝たん!』

アルバムリリースの告知を兼ねて東名阪ツアーに出ている瞬くシグナル。今回は名古屋会場の様子が描かれまして、ということは名古屋名物の食べ物が出てくるんだな。なんだろう、なごやん? と思ったら、もり揚がっていきましょうからの歓声受けて、揚げ物、みそかつに思考が飛んじゃった!

この連想、テクニカルですよね。いやもうほんと、そこから次々みそかつに連なるキーワードが出てくるの。めちゃ染みた、ガチ恋もんだよ、これが濃い味噌だれが染みたかつを連想させて、そこに加えて時間カツカツ、どっぷり、ひたってといった言葉がこころんの思考をみそかつ一色に塗り潰していくってんだから、ほんと、この子、食が原動力。タイトルにいうとおりなんですね。

そして今回、まさかのたんなるとの店内遭遇! みそかつで頭いっぱいだったことバレちゃう!? かと思ったら、たんなる、こころんが勝ちにいきたいとの験担ぎでかつを食べにきてるんだと勘違いしてくれちゃって、ほんと、この毎回なんだかんだうまいこといくのが面白い。それに今回は、たんなるとのプライベートでの絡みたくさん描かれたの、嬉しかったです。

『ルナナナ』

月世界は、なんとまあ、テレビの番組枠が買えてしまいます。ひと月100万で週イチのレギュラー番組を持てる。これ、カメラマンや音声、照明などのスタッフを借り受けられるのは大きいよなあ。撮影もろもろのノウハウを1本25万で調達できるっていうわけですよ。スタジオ代もそうか。いやあ、これで100万とか破格の安さだと思います。

さて、なにをやるかはこれから決めます。って、やりたいことあるから枠買ったんじゃないんだ! この行き当たりばったり感。うん、いつもの彼女たちらしいと思わされます。だいたいが規模の小さな月社会。街ブラしようにも、たいていのところは取材済み。どころか、月イチペースでテレビ取材されたりする。なるほど、このテレビというの、我々の感覚からしたらコミュニティFMみたいな感じですね。

そう思うと、今回のチャレンジ、俄然身近感が出てきましたよ。

今の月のテレビに欠けていて自分たちで実現できそうなもの、それを絞っていく過程とか面白かったですよね。ちょっとしたマーケティング? でもやりたくても不可能なのが多いんだ。それで結局はトークバラエティになるんですけど、これ、よっぽどじゃないと内輪受けで終わっちゃうやつじゃない? と思ったら、アカン、ほんとに最悪の結果になってしまわれた……。

こういうところ、シビアに現実的なところに落としていくの、この作者らしいなあって思いましたよ。

トークバラエティはとりあえず不評。わりと好評だったのが、やむにやまれず放送することになったバイト先の紹介。これ、いろんな月の仕事紹介みたいなのやったらいいのでは? と思ったけど、月社会は狭いから広がりに欠けそう、すぐにネタ切れがきそうではありますよね。

それで結局最後は、飛び入り歓迎の飲み会。こういうのができるの、月のテレビのコミュニティFM感あってこそだと思う。で、これが一番好評だったというの、月にはこういう場が少ないみたいなことでもあるのかな? 知らない人でも一緒に飲んで騷げるような場、それをプロデュースできるとなにか面白いこと、新しいことできそうですね。

2022年3月5日土曜日

『まんがホーム』2022年4月号

 『まんがホーム』2022年4月号、先日の続きです。

『座敷童子あんこ』

家賃払えなくてアパート追い出された雪女が空き地に築城した氷の城。この城からも追い出されちゃうわけですけど、これがまさか最後の最後に迫害された霊たちの逃げ場になるとか、まったく予想もしない展開。いやだって、冒頭一発で消費しきっちゃう単発ネタだと思っていたんだもの。こうして息長く、最後まで引っ張ってくるの、見事でした。

今回は住処のなくなった雪女の住まい探し。あんこのところに転がり込もうとか思ってたみたいですけど、あの父ちゃんのいる家だよ? ちょっとおすすめできない。で、ここでまさかの幸太の嗜癖に誤解が発生。いや、まあ大筋には関わらないからどうでもいいか。あんこも同じ判断してるの、ほんとにおかしかった。

雪女の無茶な希望条件。これを満たす物件、はさすがになかったみたいだけど、1件だけ近いのがあった模様。でも訳あり物件。幽霊が出るというのですが、うわ、めちゃくちゃいっぱいいる! なんでこんなに!? ってくらいいる! でもなんら頓着しない雪女の強さですよ。めちゃくちゃ面白い。部屋の綺麗さに興奮して目が開いてるのいいよな。で、霊をものともせずどけるわ踏むわ引っぱるわ、さらにはあんこも参戦してというんですけど、なんだこの霊にとっての天敵みたいなやつら。踏まれた霊を仲間がいたわってるとことか、もう見るだに面白かったです。

この雪女、いろいろとにかく問題ありまくりの困った人ですけど、それだけにこうして出てくると面白い。ええ、非常識と打算の塊。あんことは違うベクトルの面白さが実に魅力的です。

『うちの秘書さま』

今回のエピソード、ドタバタ感あり、ふくらみもありで、すごくよかった。

ホワイトデーのお返しを買うために学校帰りに寄り道します。それをいぶかしがる七瀬。結局白状するはめになったはじめなんですが、さすが七瀬だデリカシーに欠ける! と感心していたら、その後反省なさってるのね。で、すぐさま失敗するの、ほんと面白い。最高ですよね、この展開。

買い物に出た先で出会った本家の執事、高倉さん。彼と一緒の買い物風景。意外や? 人気のある高倉とか、妄想爆発山田くんとか、そして心配りがいきとどいているはじめ様! それぞれの個性、持ち味がよくよく発揮されて、生き生きと魅力、親しみが広がっていきますよ。また、はじめがメイドたちに慕われているその理由も、これ見ればよくよくわかろうもの。愛されてるがゆえに、人に報いるために動くこと、躊躇しないのかも知れませんね。これ、はじめの美徳だと思いましたよ。

そして最後に高倉の失敗。ぼっちゃんと一緒にゲーセンにいったこと、大旦那様に話してすねられちゃったんだ! 可愛いな大旦那様。で、七瀬に着火! ほんと、登場人物ひとりひとりがしっかり動いて面白い。楽しさもまた充実して素晴しいです。

『歌詠みもみじ』

こちらもホワイトデーの情景ですよ。思い詰めている二瓶。いったいどうしたのかと思ったら、坂和に思いを寄せている。ホワイトデーのお返しをきっかけに告白したいと思っているのですね。

でも、バレンタインデーになにか貰ったわけじゃないのか! いや、まあ、きっかけはなんでもいいよな、出ない芽でもなにもしないより可能性はあるわけで。でも同じ告白するなら、逆バレンタインってのやればよかったのでは。まりなの的確なアドバイス。あ、いや、二瓶は逆バレンタインの風習、ちゃんと知ってたのか。知ってたけど動けなかったんだ。

この判断が吉と出るか凶と出るか。ひと月遅らせたことで、坂和の状況が変化してるってこともありえるもんな。

土壇場で日和る二瓶に、背後からプレッシャーかける面々。で、ようやく勇気を出したと思ったら、坂和さん、放課後にデートの約束ですか!? ああ、やっぱりひと月遅らせた弊害がここに出てるじゃないですかあ……!

と思ったら、別にそういうわけでもなかった。というか、もう単純に坂和ちゃんが恋愛方面にあまり興味なし? 二瓶が単純に対象じゃなかった? ともあれ、今回は二瓶本人もそうですが、彼を取り巻く周囲こそが面白い、そんなエピソードでした。宇賀神の凶悪さに、シビアなまりなさん。まりなのこういう現実的で、いうべきこときっぱりいっちゃうところ、好きなんですよ。

2022年3月4日金曜日

『まんがタウン』2022年4月号

 『まんがタウン』2022年4月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。ピンクの忍者装束のしんのすけが、手にポテト持ちまして、これは新しいデリバリースタイル!? と思ったら、4月公開の映画とオレアイダがコラボをやるというのですか。コラボ期間は2022年4月1日から5月15日まで。Twitterでリツイートキャンペーンもやるそうですよ。このキャンペーン、Twitterキャンペーン以外にもなにか展開したりするのでしょうか。コラボパッケージとかあったりする? いや、Twitterだけなのかな? いずれにしてもちょっと面白そうです。

『押しかけギャルの中村さん』

あー、中村さん、ご機嫌ななめだ。秋山が友達とゲームするっていっちゃったからだね。自分のことかまってくれない、自分じゃなく他の人と一緒になにかやるの面白くない。子供か! という気持ちと同時に、どんだけ秋山のこと好きなんだろう。その後の秋山の対処とその効果見てみれば、子供っぽさ、どうもこちらが濃厚っぽく感じます。

しかし、ゲームしている秋山見てる時の中村見てると、子供っぽさの中に好きという気持ちが強くにじんでますよね。秋山の一挙一動に表情ころころ変えて、はしゃいで、でも秋山はマイクに声が入るからしゃべらないでっていうでしょう? 内緒なのはいいとしても、なんかないがしろにされてる感じがする。面白くない。かまってほしさと、ゲームしてる相手に女の子いるじゃん! ダブルで面白くなくなっちゃてるよ、中村さん!

で、負けじと自分もゲームやろうとするんですよね。ほんと、わかりやすい直情お嬢さん。翌朝の榎本の前での会話もね、意味深なこと、まあゲームしてたって話なんですけど、大きな声で話しててね、こういう方面への無頓着さも子供っぽさ感じさせてました。もしかしたら、こうした無垢さがあるから、この人の押しかけ行動についても作為的とか感じさせない、ほのぼの感があるのかも知れませんね。

『猫またはごはんを。』

猫またのフク。サチが眠っているのをいいことに、ひとり晩酌しようというのですね。

でも、猫なのに格子を抜けられない!? 猫は頭が抜けたら体全部いけるって聞くけど、まさかの腹でひっかかるの、猫まただから? デブだから!? うーん、後者なのだろうなあ。猫らしからぬふくよかさ。でも、猫まただから健康の心配はしなくていいのかな?

今回のフクの晩酌。ブランデー梅酒の紅茶割り!? なんかぜいたくなもの飲んでる! で、つまみはポテトチップ。それもただそのまま食べるのではなく、ディップを用意。サワークリームに明太子とゆずコショウ、めかぶとワサビのアボカドディップ、クリームチーズにはちみつと砕いた柿の種。どれもハイカロリーではなくって!? サワークリーム、アボカド、クリームチーズって、どれも結構な脂質含んじゃってない!? で、それをほぼ油そのものといっていいポテチにあわせるわけでしょう?

そらうまいわ、という感想と一緒に、そら太るわと思わざるを得ないメニューですよこれ。

でも、月を眺めながらしみじみ食べて飲んでいるフクを見ていると、なんだかしあわせだなと。ちょっと切なさ、物悲しさも差す、そんなビターな日常の中にふとおとずれる穏やかな時間。ただしあわせ一色でないところに、感情の寄る辺があった、なんて思わせる描写でありました。

『派遣戦士山田のり子』

うわー、なかなかにめずらしい展開きましたよ。なんと、山田のり子、今回は欠席です。なんでまたー、ああ、きっとどっか高地に登ってるとかそういうのね、と思ったら風邪なの!? こんなことってあるの!? 思わず、劇中の皆と同じような感想抱いてしまいましたよ。

のり子の不在がのり子の存在感をこれでもかと感じさせてくれるのがよかったですよ。そらそうだよなあ。のり子の人智を超えた能力で仕事を回してるのだもの、のり子が抜けたら破綻するのも当たり前。やってもやっても終わらないし、のり子の気遣いもないでは頑張る気持ちもなかなか出ない。でも、それでものり子の仕込み? いろいろ置いてる備品とか、そういうのがのり子圧を持って迫ってくる。いやもう、不在どころの騷ぎじゃないな。不在と代理品、双方がタッグを組んでのり子という存在を押し込んでくるかのようではありませんか。

のり子が復帰したらいろいろ頼もうと楽しみにしている同僚たち。その気配を受けて休みが一日延長。のり子がいない現実を受け入れて覚悟決めたら、またのり子の休みが延長。この皆の気持ちが自宅で静養しているのり子に働きかけて休みを延長させるっていうのが本当におかしくって、で、この極めつけが君江和佳か! ほんと、この人、なかなか報われないな! のり子も超能力めいた勘を働かせて全力警戒じゃないですか。

のり子復帰時の皆の反応がよかったですよね。ああ、のり子、この職場に受け入れられてる、愛されてるんだなあと思った。のり子の帰還に喜び、のり子の仕事ぶりに感涙する。ほんと、その能力、キャラクターともに愛され、頼りにされてるんですね。

2022年3月3日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年4月号、先日の続きです。

『ニチアサ以外はやってます!』

なんとまあ意味深な導入! いったいふたりになにがあって、ここまで関係が進展したのですか!?

とか思っていたら、本編はわりと普通の、というか学生ものの定番ですね。定期考査が取り上げられまして、ああー、あかねは勉強駄目なのね。中学までは成績よい方だったのに、高校では置いていかれて下の下。非常によろしくない。とにかく勉強が苦手で嫌なあかね、この子を補習、追試地獄に送らないためにも、先輩たちが協力してくれるというんですよ。

勉強会! 唯も博見も勉強は得意。って、ちょっと待って、ということは特撮研で勉強駄目なのあかねだけじゃん! でも勉強が得意だからって教えるのが上手とはかぎらない。勉強会をはじめるも、博見の教え方、到底人に伝わる類じゃない! しあわせとか嬉しいとか、そういう感覚で数学とか普通やらんよ? 常人とは違うものが見えてるよね?

というわけで、唯ただひとりがあかねの味方でありました。

この勉強会の休憩時間、博見とあかねのやけに近い距離感、それが話題になるんですね。お菓子をわけてあげます、っていうところで、あーんまではまあいいとして、そんな雰囲気にまでなるんですか! 意味深な会話、苺が見事に赤面。唯はというとちょっと悪ノリしちゃって、それに応えたのが冒頭のアレだったわけですか。

でももう今回は苺の反応が可愛いの一言でした。でもって、からかう唯に鉄拳! いやもうこれは笑うよね、すごい顔になっちゃってますよ。

『mono』

自作キーボードについてのレクチャーが繰り広げられますよ。一般的なのは組み立てキット。ガチ勢は基盤からとかいってますけど、ちょっとそれはハードルが高いどころじゃないですよね。ともあれ、キー数から選ぶ、レイヤー切り替えすればキー数は減らせる。ということは、指の届く範囲を広げなくてすむから、使いやすくなりますね。

かくして春乃が選んだのは、ホイールがついたパッド。へー、いろんなのがあるんですね。けどこれはボードだけ。スイッチはまた自分の好みで選んで、これ、メカニカルですね。静電容量方式とかはさすがに選べないのかな? スイッチを選んだら次はキーキャップ。これもいろんなのがあってというのですが、猫がついてるみたいなのもあるんだ。凝ろうと思えばいくらでも凝れる、それが自作キーボードの世界。

いやあ、ハマったらマズいやつです。自分はちょっと遠巻きにしていたいと思います。

とりあえず方向性決まって、あとは作るだけ? ちょっと迷走してるところも春乃らしいですけど、これ、きっちり作って使うところまでいくかな? できればその出来、使い心地までレポートしてほしい展開です。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

抱き枕、ぬいぐるみの姿に戻ってしまったねね。もういつものねねにはなれないの? なんか元気がないというか、力がはいらないんだ。それで人の姿にはなれないんだ。ぬいぐるみの姿のまま、動いて筆談でコミュニケーションするのは可能。でもそれではどこか寂しいんですね。

これ、ねねが自分の役割の終わりを自覚しつつあるのかな? 学校でのしずねを見たねね。友達と一緒に、楽しそうにしているしずねを見て、自分がいなくてももう大丈夫なんだと思ってしまった。ねねもそう、またあかりのところにいるののも同様で、このままふたりともにずっと抱き枕状態なの? あるいは、いずれはただのぬいぐるみになってしまうの?

なかなかに不安のつのる展開であるんですよ。

ねねのいなくなるかもという不安から弱ってるしずね。そんな彼女をはげますべく人の姿になってみせたねね。でも、これ、本当に最後の最後の変身なの? 本格的に役目の終わりを実感しはじめるねね。ああ、これは悲しいなあ。本当にどうなるのでしょう。あれだけ仲のよかったふたり。あの関係が終わってしまうのは、相当な喪失感に見舞われそうに感じます。

『ササエルの中には誰もいない』

小依の友達、茅はちょっと危ういなあ! 音ゲーに熱中している小依の前髪かきあげて撮影。その時の表情にセリフ! ヤバい! なんか妙にいやらしいよ!?

小依の友達多い発言から突きつけられる現実、その落差にショック受ける小依を独占できることに喜ぶ茅。危うい……。小依が自分に依存するよう言葉巧みに誘導する茅。アヤウイ……。でも妙にいい。このまま落ちるところまで落ちて……、と思ったところにヤッチー登場。ああよかった。茅の洗脳を解いてくれた。危なく私も茅の術中でしたよ。

しかし今回は茅のヤバさ、それがメインなんですか? 茅の見せるウザ絡みの手本。いきなりのコチョコチョ、お菓子をもらったその勢いで指までナメちゃう。ヤバい。さらにはヤッチーまで洗脳されかけて、いやもう、茅はこの漫画における最強の危険人物なんでしょうか。

でも、茅のおかげで小依とクラスの子との間に接点ができましたね。言葉少なすぎる小依をサポートして、話せる機会を作ってくれた。それで小依の可愛さも伝わって、ああ、こうなったら小依は強いな! このまま皆の妹になってしまえばいい!

今回はササエルはお休みでしたけど、その分小依の可愛さ、茅のヤバさがてんこ盛りで読み応え抜群でした。小依、なんだかんだで可愛い子です。

2022年3月2日水曜日

『まんがホーム』2022年4月号

 『まんがホーム』2022年4月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』。満開の桜の下、花より桜餅のらいかです。しかしこの子、おめかしするとこんなにも可愛い。チェックのスカート、暖かそうなカーディガン。風に吹かれて揺れる髪。この子の娘らしさがよく表れたイラストだと思います。『孔明のヨメ。』はいつにも増して色っぽいふたりです。月英の髪に桜の枝を飾る孔明。ああ、美しいイメージです。なかなか本編では見られない、そんな様子が素晴しいです。そして『幽霊さんのための科学的新仮説』巻中カラーの告知カットもございます。

今月は新規ゲストが1本です。

『幼馴染みなんてやってられない。』

幼なじみの女の子、ヒカリ。近しい、親しい、そんな女の子であるのだけど、カイトはその子のことが気になってならない。ヒカリのお気に入りのマフラー、試しに身につけてみれば、ヒカリの香りに幻惑される。さらには、夏休み中にヒカリと一緒に自宅で映画鑑賞してみれば、他愛もないホラー映画、でもヒカリは怖がって身を寄せてきて、やっぱりカイトはもんもんとして……。

このヒカリに対するカイトの、ただの幼なじみではいられない、そんな気持ちと、はたしてヒカリはカイトのことをどう思っているのが、いまだ見えないその気持ちの落差? いつか落着するのかどうなのか、その行き先が見えないところに面白みの根がありそうと感じました。

『天国のススメ!』

今回は草間案件じゃないのか! バイト談義だったはずが、桃園のバイト先のコンビニにオバケが出るという話になって、う、うらやむなっ! 草間っ!

人気の漫画雑誌の発売日に決まって出るので、立ち読み太郎とあだ名されているその幽霊。よっぽど漫画が好きなのか、子供なのかオタクなのか。そう思っていたものの、どうも様子が違っている。本は見ていない、入り口をずっとうかがっている、どうも目当ては小さな女の子? パパかと思ったらその女の子、パパと一緒に入店してきて、ということは幽霊にしてつきまとい案件!?

警戒した太一にあわやデコピンでふっとばされるところだったこの幽霊、話を聞いてみれば、なるほど死別した本当の父。今のお父さんはお母さんが再婚したお相手なんですね。

成仏しなければ、そう思っているこのお父さん幽霊。娘の成長を見届けられないことが心残りなのか。あまりの切ない話に、桃園のみならずコンビニ店長まで泣いちゃって、そしてこのお父さんの娘を守ろうとする思いの通じるラスト。ああ、もしやこのためにこのお父さんはこの世に残り続けたのかも知れない。

かくして、父は新しい父へと娘を託して成仏を果たすんですが、このふたたびの別れもまた切なさあふれるものでありました。思いの深さに泣けるのです。

『孔明のヨメ。』

月英の見つけた密航者。孫尚香の処遇をいかにするか。考えた末に、身分は隠した上であえて姿をさらさせる策を打つというんですね。驚いた孫尚香。隠れている限り見つかるリスクは常に存在する。しかしこちらから申し出て乗船許可さえ取りつければ、無用のリスクを抱える必要もなくなる。

ここからの月英の働き。なぜ孫家の兵がこの船に乗り込むことになってしまったかにはじまり、名を明かそうとしない理由までも皆の納得いくようでっちあげて、さらに船の責任者、孔明にだけは訳有り案件であることをそれとなく知らせる。

この月英の考えを推し量って、策を受け入れる孔明。さらにはなぜ月英がそんな行動に出ざるを得なかったのか、その理由にまで思い当たるという、さすがの洞察力。ここで月英に対する信頼がアップするのもまたよかったですよ。

さて、ここからしばらくは、孫尚香の見聞きする劉備とその周辺といった運びになりそうですね。まずは劉備との出会い、感情豊かで人情に厚く、そして腹が座っている人物。魯粛、周瑜、孫尚香、それぞれの見る劉備のひととなり、その評価がまた面白くて、とりわけ孫尚香ですよね。魯粛や周瑜と違ってどこかシリアスさに欠ける、そんな緩さに魅かれます。

『オレの愛で世界がヤバい』

突然現れて結衣のことぶちのめすとかいってきたちびっ子上級生。てっきり万丈の幼なじみとかかと思ったら、違った! 全然違った! かつて万丈に告白されて、きっぱりとふった女の子。でもその後、だんだんと万丈のことが気になって、気づいたら好きになってしまった。

小山葉月、自称万丈の元カノ。思い込みがはげしいタイプでいらっしゃる!? でもって過激派。結衣に対してはらわた煮えくり返ってるのだそうでして、法がなければ暴力に訴えたい。ああ、葉月、すごくいい……。カテゴリーとしては危険人物だと思うけど、この気持ちはよくわかる。普通はなかなか口にしないことだけど、同じ思いを抱く人はきっと多いよ。ええ、正直私も同じタイプです、と思ったけど、葉月ほど思い込み力は強くなかったわ……。

万丈が葉月にフラれた後、これがちょっとしたターニングポイントになってるんですね。万丈が父から受けたという人を好きにならない修行、それがこのタイミングだった。でも、この修行が完了するまでの間、そして葉月の気持ちがだんだん万丈に傾いていったことを考慮すれば、一瞬でも両思いになった時期があるのではないか。

結衣、なんか核心に迫りつつあるのでしょうか。しかし、最初は恋愛成就を目的に動いていた結衣なのに、気づけば万丈の謎を追おうとしているなど、この漫画、展開にかなりの幅があるなあ! ええ、いずれは世界の行方にまで絡みそうな勢いで、あちらへ、こちらへと行き先、目先が変わるのが楽しくてしかたありません。

2022年3月1日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年4月号、先日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

今回のオタク共感シリーズ、めちゃくちゃ面白かったです。都道府県別の名所を紹介する本、東京はぶ厚くてきっと全国どこにでも潤沢に出回るのに、地元のはというと薄いしきっとそんなに売り場に並ばない……。そんなこと八重がいってたんですが、これ、地元の扱いの悪さにがっかりしてるのかと思ったら逆なのか! 自分の推しの強さに感動系の話だったのか!

この八重の感情を読み間違える亜紀が面白かった。亜紀は、自分の推しの扱いが少なくてショック派なんですね。そしてこの亜紀の話を受けて出てきたみな。この子の場合は、推しの紹介がたったの一文、それでも嬉しいと、またちょっとずつ違ってくるんですね。

この感覚の違い、ベースとなる推しのポジションの差ですよね。八重はいわば主役を推すタイプ。主役でなくとも主要登場人物に推しを作るタイプ。亜紀はというと仮にそれがメインでも限りなくサブキャラ寄りのキャラクターを推して、みなともなれば、いやそれサブどころか限りなくモブでは!?

でもみなの気持ちわかるんだよー。最近でこそ自分もメイン格、あるいは主役を推すことも増えてきたけどさ、亜紀みたくサブ寄り、それこそグッズとかほぼ出ない、出てもなんかのついでみたいなんとか、それこそファンブックとかだと3人まとめて紹介みたいな感じになっちゃうの推しちゃうタイプでした。そんなわけで、みなみたく、ほんとにただの数回、セリフひとことあればヨシ、あるいは名前さえもないみたいなね、そういうの推しちゃう気持ちもわかるんだ。

だからこそ、その扱われ方に対する感想が違ってくるっていうのもわかる気がして、ええ、ええ、みなちゃん、健気だよなあ。

でも、この漫画での私の最推しは八重なんですから、自分は八重同様、主役を推すタイプってことになりますよね。なので、あるいはみなに共感するのも難しくなってしまってるのかも? なんて思ったりもしたんですよ。寂しいことです。

『通勤通学クエスト』

タケちゃん、面白いな。保育園の先生との別れに大泣きした子供の頃の話。またあそびにいく、といったその言葉、まさに有言実行しちゃうのね! 今、この子、中学生なわけだけれど、継続的に先生のお宅に遊びにいって、お話してるんですね。

で、先生がまた面白くて、タケちゃんから教えてもらったゲーム、その音楽がいいっていって、ピアノで弾けるよう譜面起こしたんだ! タケちゃんの前で弾いてみせて、すごくないよって、ピアノやってたら誰でもできるって、そうなの!? いやほんと、この交流、先生も友達感覚っていってますけど、こういう風に懐に飛び込んでいけるの、タケちゃんの才能だと思う。

で、この先生、どれだけ慕われていらっしゃるのか! タケちゃんのみならず、ふたり三人と教え子がやってくるのね! いやもうこの交流の情景、面白いわ、楽しそうだわ、素晴しかったです。

『葉山さんのまんがの泉』

漫画のネタを探している葉山。思いつめてもいいアイデアなんて出てこないよ、といって遊びに誘ってくれた泉の家を訪ねてみるというんです。泉の部屋は『魔法少女ゆめ』のグッズでいっぱい! なりきりグッズももちろんあるんだけど、遊んでもいいかとちゃんと断わる葉山に、いいけどキズつけないでよ、念押しする泉。このやりとりになにかわかってる感ある! とちょっと感動して、そして泉の披露する必殺技完コピー!

これね、背後にお菓子と飲み物持ってきてくれたお母さんがいるのがね、もうおかしくておかしくて、最高でした。ああ、泉さん、大ダメージだ。

漫画家としてデビュー、大成しようと頑張っている葉山。この子との出会いが泉に決心させたんですね。皆に反対されていた夢、声優へのチャレンジ。このふたりの相互に影響して、夢への後押しをする関係、これとてもよかったと思います。無二の関係、そんな感じがするのですね。

『オネェの恋のはじめかた』

テストの返却、赤点があったら補習テストが待っている。ハラハラドキドキの瞬間ですよね、と思ったら、見事に撃沈している人がいる。なんとまあ、八神桜子、全教科でやらかしてしまいましたか! 驚きです。いろいろ残念なところあるお嬢さんですけど、ここまでとは思っていなかった!

でも、このおかげで、といっていいのかどうかはわからないけど、時宗の関与する余地が生まれたわけです! あの、どんなことでも桜子を肯定しかねない時宗がですよ、まさかの顔面蒼白。どれだけの衝撃だったのですか? そしてここからの持ち回りで桜子に勉強教えていくくだり。ああー、桜子、その回答、危険球だ! あまりのことに、水面、教えるの放棄してしまった!

そこからも、森山の嗜虐癖、翔人の寄り添うことを知らないできて当たり前理論。誰ひとり、教えることに向いていない! 絶望的な状況描かれて、こうなれば時宗ひとりが頼みの綱か、と思ったら、わあ、眼鏡時宗、レアじゃない!? めちゃくちゃイケてない!? からの、桜子の一言で時宗あわやリタイヤのピンチ。ほんと、なんだろうこの大騒動。主に時宗に被害甚大です。

でも、桜子の頑張ろうという気持ち、それを聞いたら脇目も振らぬ鬼コーチにもなれるのですね。ちょっと気弱な眼鏡時宗から、目を爛々と輝かす姉御肌スイッチON時宗への変貌。見事桜子を追試地獄から救うという大活躍。なんだけど、今回もといっていいのかな、時宗の頑張りが親切、いい人ポジションへと自分を追いやってしまう悲しみですよ。ほんと、この人、なかなかすんなりと報われるルートに入れないでいますよね。もどかしくも面白い。人の愛らしさ感じさせてくれますよ。