2010年9月30日木曜日

Lights, taken with GR DIGITAL

GR Blogの恒例トラックバック企画。今回のフリーはテーマを決めず、自由に写真を選ぶことができます。しかし3点まで、ということでこれまで2枚を公開して、これが最後の1枚です。トラックバック企画「フリー」に参加します。

3枚目、コンサートホールの照明です。

Lights

先日、友人の演奏会の手伝いで写真を撮りにいったのですが、その時に撮った一枚です。コンサートホールは、音響を考えて多角多面的にできてる、その幾何学的なかたち、とても面白いと思います。

Dayflower, taken with GR DIGITAL

GR Blogの恒例トラックバック企画。今回はテーマなしのフリー、なんでもいいよというわけで、じゃあ最近の写真から、ちょっと気にいってるのをピックアップしよう。よって、今日はその2枚目。トラックバック企画「フリー」に参加します。

2010年9月29日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年11月号、昨日の続きです。

『ハニーズレッスン!』、ゲストです。最近、花嫁修行とかはやってるんでしょうか。高校にて、立派な女性を目指そうという姫野まゆり。彼女は上級生に誘われるままに花嫁修行部に入部することとなって、とここまでが第1回です。癖のある先輩たち、長谷川春香、西園さき、鳴瀬アキラ。面倒見よく常識人っぽい友人結城美琴。あまりにも素直、疑うことを知らないかのようなヒロインまゆりの性格、行動、その味わい面白み、どういう風に出てくるかなっていうのが気になるところです。

『九十九神いりませんか?』、ゲストです。九十九神の話。ついに九十九神になれた手鏡が、仕舞い込まれた蔵からなんとか脱出しようとあの手この手を講じるといった話です。小さく見た目にも可愛い神様。いやね、付喪神ったら、そのものに手足がはえて動き出しましたって印象があったものですから、こうした可愛い姿はちょっと意外。けれどこの作者らしい可愛さ、見た目だけでなくその行動とかもですね、とてもよいと思いました。古物の買い取りにみえた骨董屋、そのふたりに買い取られて蔵から出ようと画策するも、見透かされて拒否されて、そうしたやりとりがあって、気にいって手にとってもらえる嬉しさ喜びみたいなものも描かれて。なかなかに悪くない感じです。

『ちはやとまお』、将来の夢で作文を書かないといけなくなった千早。それで万桜のなりたかったもの、なりたいもの聞いて、千早に向いてそうなものはなんだろうといろいろ想像してみる。そのやりとり、ちょっとごっこ遊びっぽくて楽しかったです。でも一番面白かったのはお嫁さんだと思う。いつか結婚するだろうし、お嫁さんでいいか。消極的な選択、むしろ無難、あたりまえの答のつもりであったのだけど、それが先生に大きなダメージを与えたっていう、その展開、シンプルけれど効果的。面白かったです。

『Felice』、前回、お祭りで大地と知り合った女の子、白鐘玲亜が本格的に登場です。雨宿りの駅で凜と出会って、フェリーチェにいきたい、それですっかり意気投合して、仲良くなって、いや、凜が餌付けされただけなのか? ともあれ仲良くなりました。玲亜は大地のこと気になっているんですね。それでなんだかモヤモヤしている凜、その様子に気付いている、面白がっている灯里とお姉さん。ちょっとドラマの種がまかれたって感じですね。玲亜と凜、仲いいんだけど、けれどそこにちょっとうまく処理されない気持ちを残しておくっていう、面白い関係ができたなって思います。

『めいめいドミニクス』、ゲストです。いや、驚きました。アパートでひとり暮らしすることになったヒロイン。管理人やってる友達に甘えているんだけど……、という普通の女の子の同居ものコメディかと思っていたら — 。アパートに住む同年代の女の子たちと仲良くなって、みんなでわいわいとやる、そんな漫画かと思っていたら、わあ、違うんだ。驚きました。どういう風に展開していくのだろうかなあ、漠然とそう思っていたのが、最後にはこれどういう方向に向かうんだろう、ちょっと戸惑ってるといった感じになって、いやけれどインパクトを与えたという意味では成功だったかも知れません。記憶にはしっかり残った。あとは、その方向性次第かなと思います。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第11号(2010年11月号)

2010年9月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年11月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年11月号、発売されました。表紙『GA — 芸術科アートデザインクラス』、これはお誕生会なの? いえね、右肩のコメントにそんなことが書いてあって、ああ、なるほどねと気付くんです。『まんがタイムきららキャラット』5周年! おー、これはとてもめでたいこと。そうしたわけで、表紙はこれでもかと祝祭的雰囲気につつまれて、なかなかによいものですね。中央にて花びらをまいている如月さん、素敵です。

ひだまりスケッチ』、夏の帰省の話。ずっと実家暮らしの私には、こうした感覚は実はちょっとわかりにくいんです。帰省する。家族に会いに帰る。ああ、それはよいものなのかどうなのか。多分ですが、私がひとり暮らししたとしたら、きっと面倒くさがって、帰省とかしないと思うんだ。

でもって、さてさて、ひだまり荘からはふたり帰省しないお嬢さんが出まして、夏期講習に全部出たい、受験を優先に考えているってことなんですね。しかし、夏期講習、やはり美術を専攻してるだけあって、そうした実技なんですね。今回は、実家に帰る帰らないといった個々人の事情、その様子も面白いのですが、ひだまり荘に三年生がたくさんやってきて、受験勉強。そこにまじるゆのさん。ゆのさん、奇行が光っています。慣れない人を前にして緊張してるみたいです。そして、沙英さんヒロさん、ふたりの気持ちの語られるところ、これがよかったんです。自分の気持ちを素直に伝える、そうしたふたりの様子、それがとてもしみたんですね。

『せいなるめぐみ』、乙女の内面と外面、あいかわらずすごいギャップですな。もう、必ず面白いネタ、みたいになっています。今回は、みなで祠に石を納めにいくという話。祠にて、なにか聖の過去の思い出が刺激された? ただのデジャブ? いや、なにかの転換点になりそうなエピソード、そんな感じがするんです。さっぱりとした聖、なにか不思議とすっきりしていて、そうした表情、ああ、この人は魅力的なお嬢さんだなって、心底思わされたのでした。そして、ひよりのコンプレックス。いや、背が低くてもいいじゃんか。こよりをそそのかす聖、一生懸命お祈りしてくれるこより。そのたびにいい反応を見せるひよりが素敵でした。けど、今回は聖ちゃん、彼女が一番でしたね。

ねこみみぴんぐす』、最終回でした。部活の最中、世界卓球の話をしていたかと思えば、教室での雑談、そして舞台は一気に未来に……。いや、これ夢オチだろう、絶対そうだろう、そう思って読んでいて、世界卓球の舞台にて苦しい戦いに打ち拉がれそうになっているひより。そこにやってくるのは、昔の仲間。葵で、花で、先輩たちも先生も、ライバルの穂咲さんもいて、その現場での様子は、いつものごとく紆余曲折、シリアスとおかしみの間をうろうろとしながら進むのですけど、それでもね、シリアスに落ち着いていくところ、じんとさせられたんですね。

夢オチなんです。予想のとおり、夢だったんです。けれど、ただ夢といってしまうには、あまりに深く印象が胸に残って、それゆえに夢を夢と確認するひよりの姿、しんみりと切なさをそえて感慨が胸に広がるのですね。彼女らの未来は、可能性をともに大きく開かれている。けれど、今はまだ私たちのそばに、変わらぬ彼女らのままいるのだよ。そうした、今によりそうかのようなラスト。変わっていない、けれど変わりゆくもの感じさせる、開かれている、とてもよいものであったと思います。

『inote! — アイノテ!』、怖い話! で、お姉ちゃんは怖いのあかんのか。怖いもの見たさというんでしょうか、怖い怖いいいながらみんな怖い話は好きだったりしますよね。夏にやってた心霊再現ドラマ、あなたの知らない世界、みんなで見てたなあ、懐かしく思い出しましたよ。

というわけで、怖い話を軸に学校の情景、そしてちえの自宅へ話が進んでいくのですが、学校でのこと、幽霊相手だとやたらにクールなちえちゃん、おかしくて、で、なんでかーこは花子さんにそんなに肩入れしてるのか? 思い余ってかかとおとしまでしてしまう始末。で、これがなんだかちょっと色っぽい。なんでだろう。

自宅にて驚かそうと待ち構えて寝てしまった三人。って、おばあちゃんも気持ちが若いです。このやりすぎる感じ、その後ナチュラルに晩御飯に突入してるところ。この仲のよさ。気のおけない感じ。これはものすごい魅力だと思います。で、最後の最後、大オチもよかったです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第11号(2010年11月号)

2010年9月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2010年11月号

『まんがタイムオリジナル』2010年11月号、発売されました。表紙、テーマは山であるようですね。山登りする『ラディカル・ホスピタル』山下さん、『明日もひまわり荘!』みずきさん、『ひよりすと』ひよりさん、そして『らいか・デイズ』らいかさんです。山を登っている、歩いているだけでなく、お弁当食べたり、そして山頂でしょうか、やっほーと叫んでいる。ひとくちに登山といっても、いろいろな景色が見えてくるものだと思います。

『アトリエZOOへようこそ!』。冒頭扉にて駄目出しされる先生の、げんなりとした様、そして怒り出す、そのテンポが素晴しいです。担当氏も電話をがちゃ切りしないではおられんほどでありましたか。もう、仲がいいんだから、なんて思ってしまいますね。

今回のテーマ、ドリルの結婚。おばが持ち込んだ見合い写真にのりのり。しかしさ、30過ぎて売れ残り、なにか問題があるに決まってるって、その決め付けは非常にきびしい。読者の首もしめてますよ。私、母からゲイと疑われてるっぽいですよ。でもって、本編。ふりそでドリルは、どのへんがドリルなのかちょっとわからなくなってますけど、とてもキュートであるまいか。しかし今回は、結婚という可能性を匂わせて、結婚式ではどうするか、スピーチしてよ漫画描いてよ、いろいろ思い付くまま夢膨らませて、最後きっちりしぼめてしまう。典型的空騒ぎ、理想的な収束です。けれど、最後にちょっと恋愛がしたいって夢語られて、こうしたところ、ちょっと胸を打ちますね。ああ、恋愛したいですね。いや、ほんと。私はダメな解決してしまっていますけどね。

『マチルダ! — 異文化交流記』、マチルダ、帰ってきました。妹のミラを伴って、いや、しかしこれがめちゃくちゃ可愛いじゃありませんか。11歳、ちゃんとしたお嬢さん、に一見みえた……。姉に劣らずなにか不穏なこといってるし、高校通うといってるし、裏工作とかやってるし。とことんまともなお嬢さんたちではありません。このおかしさ、あやの友達と出会うことでどんな広がりを見せるのか。楽しみです。

『(仮)アイドル!』、最終回でした。都路くんの、保育士を目指そうという夢、それに具体的に取り組んでいますよ、そうした姿勢を見せながら、 ヒロインをはげまそうっていうのですね。マネージャーという立場は変わらないものの、都路くんの練習に付き添い、一緒に技量を磨こうと努力している。そうした可能性が与えられてるっていうのがよかったなと思います。この漫画は、都路くんの成長ものという色が強くなっていたけど、みんながみんな、隠していた表情ひきだされて、笑顔になっている最終回。それがなによりだったなって思いました。

『先生のたまご』、体育祭です。担任副担任も競技に参加する。それでたまこ先生はきっと成績悪いんだな、そうに違いない、そう思っていたら、ごめんなさい、まったく違った展開が待っていて、これはちょっと笑ってしまいました。うまいというか、虚をつかれた感じです。でも、やっぱりうまいです。今回は生徒もたくさん出てきていて、先生に太刀打ちできなかったり、あるいは一緒にわいわい楽しそうにやっていたり、いつも以上ににぎやかで、楽しかったです。しかし障害物競争に見る先生の悪ノリ、これは面白かったです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第29巻第11号(2010年11月号)

2010年9月26日日曜日

Cat, taken with GR DIGITAL

Cat毎月恒例のGR Blogトラックバック企画。なにかひとつテーマが決められて、それにそった写真をトラックバックするというものなのですが、今回はテーマなし、自由であるとのことです。ただし今回かぎり? の特別ルールがありまして、ひとり3点まで、トラックバック1回あたり写真1点ずつとのこと。といったわけで、なにを出してもいい! とはいっても、あんまりに昔のを引っ張り出すのもなんです。よって、この数ヶ月に撮った写真から3枚ほど選んで、トラックバック企画「フリー」に参加してみることにしました。

1枚目、猫の写真です。

Cat

撮ったのは8月の10日。まだまだ暑い盛りです。といっても、今年の夏は長いこと、それこそ数日前までえらい暑かったのでありますが、やはり8月ともなれば格別、朝から夜まで、もう焼けつくような暑さでした。

といったわけで、猫もへばります。少しでも頭を冷したかったか、腕をまくらに、暑いコンクリから浮かしている? いや、本当に不機嫌そうで、これは絶対暑さのせいでしょうね。ええ、猫もたまらん暑さでした。

2010年9月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年11月号

『まんがタイムきららフォワード』2010年11月号、昨日の続きです。

少女素数』、劇中ではまだ夏、よってプール回です。って、全然違和感を感じない先日までの暑さ、ええ、ものすごく自然に読んでしまってました。

あんず、すみれはお兄さんと一緒にプールへ、こちらをメインとして、有美ちゃんとぱっクンの関係、すごく自然に近しくある、そうした様子をサブとして、このふたつの流れがあわさった時に、すみれの気持ちが少し揺れます。意識はしないようにしていても、有美ちゃんとぱっクンが気になるのか。あるいはまだまだ少女であるつもりが、知らず時間は過ぎようとしているのか。その過ぎゆく時間に光のあてられた回であったように思います。

子供でなく、けれど大人でもない年頃。それをさして、すでにそうした時期を過ぎた者のいう3年、未だその渦中にいるものの3年、たった、まだ、感じ方の違いが現れてくるのですね。3年をまだと感じる彼女らの今、それが短い季節であると暗示されるようでした。あるいは、3年をまだと捉える感覚、そこには瑞々しさが溢れている。富士夫のふたりを見る目は、そうした特別な日々の輝きをとらえていたように思います。

ところで、梗子さん、着痩せするタイプ? 脱いだらすごくてびっくりしました。

わたしたちは皆おっぱい』、順調に話が進んでいます。前回のショッキングな展開、ジュリーが紗彩に酷いこといった。その理由とはなんなのだろう。それが明かされました。スケープゴートとな。本気で頑張る人が嫌がらせされないよう、あらかじめ決められたいじめられ役。No. 2のゆかリン、彼女も以前いじめられ役だった。ああ、なかなかに重い、胸にのしっとくる、そんな展開であります。

しかし、誰をいじめられ役に選択するか、そこになにかジュリーのわだかまりがありそうな気配です。そしてさらに様子を探る貴子に明かされる真実。やられた……。ジュリーは予想どおり。けれどドリーは予想外だったよ。で、それはいいんだけどさ、貴子のあまりにダイレクトな確認行為。ひるまない娘だなあ。変態呼ばわりされて、さらにジュリーにもまた違ったダイレクトな確認行為をするという。これもまた変態のひとつのありかたなのか……。

そしてもうひとつ。いけ好かないといっていた、星丸コスモ。ああ、すまんかった! もう、やられっぱなしですよ。ひとつあからさまに謎ぶらさげられると、他がまったく見えなくなるのな。ああ、もう、完敗です。

2010年9月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2010年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2010年11月号、発売されました。表紙は『空色スクエア。』。読書の秋? 窓辺にて本を読んでいる文香であります。セーラー服、髪には黒のヘアピン? いくつもついていて、それが明るい髪にちょっとしたアクセントとなっています。また、深く青い目に、赤いフレームの眼鏡がいい対照をなしていて、印象的。美しいなと思わされるのでありますね。青の強い、静かな雰囲気のイラスト。涼やかで、たいへん魅力的と感じます。

『はじおつ。』、おお、卯花つかさが帰ってきた! はじめてのおつきあい、である模様です。女子高育ち男子が苦手なヒロイン向日葵は、友人にそそのかされるまま、度胸試しに、よく知りもしない男の子に告白する。って、おおい、それはえらいこと無茶するな。断わられる予定で、しかし通ってしまった! って、そりゃそうだと思う。ちょっと親切にした女の子に付き合ってくださいといわれたら、それもどえらい美少女にいわれたら、誘われるままホイホイとついて行っちゃうに決まってるじゃありませんか。しかしこの漫画は、向日葵が男子苦手なら、告白された男子甲斐悟にしても特に女子得意というわけでない。ものすごくスローな、進むのか進まないのかわからない、そんな状況が面白くなってきそうです。それに加えて、そそのかす女子柊子、また向日葵のことが好きなのか? 向日葵が男子と付き合うことに強烈な拒否感情もよおしているゆりちゃん。こちらの動向もなかなかに面白くなりそうです。

純真ミラクル100%』、最終回目前、これまでなんとか避けようとしてきた事務所の解体、モクソンの本社移籍でありますが、力及ばず悲しい結果となってしまって、けれどモクソン本人はライブを成功させ、アルバムも長期に売れまた評価もされるようになってきて、ええ、仕事がうまくいっているからこそ、事務所廃業という決定が切なく感じられますね。感情を露にするモクソンに対し、クールに徹する所長。それも親心であるのでしょう。そして、次回フィナーレ。これは、皆のその後が描かれるのか。なんというんだろう、オフィスTの皆が独立して新しく事務所おこしてとかある? なんかそんな予感、いや私がそうなって欲しいと思ってるんだろうな。いろいろ期待してしまうんですね。

据次タカシの憂鬱』、めちゃくちゃ面白かった。自分の番でもだえるっていう、その描写、展開が最高でした。でもって、エーベルージュの設定、まるっきり忘れてましたよ。そうでした、そうでした。私の中でこうしたネタは、『天秤は花と遊ぶ』に上書きされている模様です。

2010年9月23日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2010年11月号

『まんがタイムスペシャル』2010年11月号、昨日の続きです。

『ヒツジの執事』、単行本が出るということで特別にゲスト掲載、というんですが、読んでみればさすがの切れ味とでもいいましょうか、めちゃくちゃ面白いんですけど。それこそ、このタイトルで連載再開でいいんじゃないか、そう思うくらい面白いです。

お屋敷で一番偉いのは誰かを調べるリオン。子供らしい無邪気な視点から繰り出されるシビアな序列が実にシャープで、親方も大笑いですが、私も大笑いですよ。それでもってサフォーク氏、山羊のカシミア氏との会話にて実にいい顔見せてくれるのですが、もうこの人は一種の変態だな。昔はそうでもなかったのに、どんどん開花していった。その道のりが実に素晴しかったです。そして、ミセスコリーのプライベート。必死で隠そう、誤魔化そうという姿が可愛く、そしてそれがサフォーク相手となると……。実に見事な転換でありました。

『セーラー服でもあいしてね』、ゲストです、多分。助けてもらったのをきっかけに、ちょっと強面のおじさんに恋してしまったお嬢さん。追いかけて、一緒に働きたい、そうした一途さ、それは可愛いなあと思いました。ちょっと、いや、かなり? 世間知らず。なにやってもどんくさい。それで追い出されても、ちゃんと優しくしてくれるおじさんに、ああそりゃもう好きになってしまうだろうよ。なかなかに甘酸っぱいとでもいいましょうか、悪くないなあ、そんな感想。しかし、ふわふわの髪、まとめ髪、可愛らしいお嬢さんであります。

『ないしょのミルクティー』、ゲストです、多分。雨の中、出会った女の人、ゆかりさん。ヒロインのチカ、彼女とゆかりさんの、微妙に近く、けれど詰めきれない距離感、それは私に非常によく訴えるのですが、圧倒的に雰囲気優先の漫画です。好き嫌い、強そうだなあと思ったんですね。こうした漫画は好きなので、続くなら読みたいとそう思うのだけど、広く支持されるかといえばさすがに微妙なのではないか。そんな立ち位置。けど私は、そうした立ち位置さえ好みであったりするんですね。

『いじっぱり愛!』、これもゲストでしょうか。大賞最終選考作家とのこと。気になる女の子に素直になれない男子針川湊と、そんな針川にきつく冷たくあたる天野さん。これ、天野さんが気になる男の子に冷たくあたる性格とかだったら、完全に両思いですよね。もしかしたらそうかも知れん、そう思いながら、天野さんはただいたぶってるだけっていうのもいいなあ、など思いながら読みました。普通なら、両者ともに恋愛向けの性格ではないのに、それがこのふたりだと、それなりに相性よく見えるっていうのが面白いなと思いました。っていうか、天野さん、針川くんのこと、嫌ってこそはないだろうけれど、単純にいじめて楽しんでる、そんなような気もします。

  • 『まんがタイムスペシャル』第19巻第11号(2010年11月号)

2010年9月22日水曜日

『まんがタイムスペシャル』2010年11月号

『まんがタイムスペシャル』2010年11月号、発売です。表紙には『恋愛ラボ』のヒロインふたり。秋っぽい色、もみじも散って、まさに秋の装いであります。右下には『パンむすめ』のヒロインふたり、さんまを使ったパンを試作? しているところ。左下のちるみさんは、秋の落葉を掃除しているといったところ。表紙全体に秋。しかし、こうした風情に実際の季節が追い付いてない。はやく追い付いて欲しい、心からそう思います。

『東京!』、いい感じに自由に展開していますね。今回は新宿先生と六本木先生の特別編。生徒はほとんど出てない、もう無視してかまわない程度。さて、かつてキャバクラに勤めていたふたり。その経歴ゆえに、今も互いをライバル視しているわけですが、これがいがみあってるってよりも、仲良くけんかしてるように見えるというのが味になっているわけです。で、今回はそうした要素を前面に押し出して、なんだかんだいって仲いいよね、というかふたり付き合っちゃえよ、などと思ってしまう展開。これには、なかなかにやられてしまいました。

『シュガービーチ』は、数学6点からはじまる物語。いやもう、それ進級できないだろう。といいたいところですが、期末で頑張ればなんとかなるもんですよ。って、これ小テストか。いらん恥かいた気がするな。さて、漫画の話。友達は早々に匙なげちゃってるのに、なんとかしろといってくれる先輩、優しくていいじゃありませんか。仮にそれが部活のためとしても、親身になってくれる、いい先輩でありますよ。というわけで、試験勉強。いらん妄想含みの勉強風景、ちょっといいなあって思って、厳密には勉強会の前ですけど、面倒見のいいエミちゃん、エミちゃんが男だったらなあというみなとに対し、逆の想像してみたエミちゃんの表情が、いかにもありそうで素敵。ちょっと変わりものの娘たちだけど、突飛な想像の合間に、これはあるなと思わされるようなもの飛び込んできて、それが実に面白かったです。

『早乙女寮別館ものがたり』、はさみを求めて、他の人の部屋を訊ねる松子。それで店子みんなの性格がより見えてくるっていうの、すごく楽しかったです。つくづく乙女のあきらさん。いや、すごく魅力的でありますよ。で、あきらさんが買ってしまったミシン、ちゃんと活躍の機会が与えられたっていうのがですね、実によかったなあと思います。部屋のアレンジ。ありものでやるのだけど、布を渡されてダダダダと素敵カーテンを作っちゃう。ああ、ミシンっていうと、こういう魔法の道具みたいなイメージありましたよね。布をカーテンに、ドレスに、見事に変身させてくれる。そういった憧れ、今もあるのかな? どうなんだろう。ちょっと懐かしさをともに、ミシンの魔法、思い出させてくれました。

『放課後エア部』、これ大好きです。文化祭前夜、いい加減な雰囲気トークからスタートして、だんだんに文化祭の様子を見せていく。いろいろな演目がある。ステージができあがっている。こうしたこと、ひとつひとつがわくわくする気持ちを盛り上げていきますよね。でも、この子たちはいつもどおりとでもいうべきでしょうか、楽しそうに、さざめくように、なんでもない話をしている。ほんと、魅力的だなって思います。なんでもないことが楽しい、これは本当にすごいこと。ええ、素敵だなって思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第19巻第11号(2010年11月号)

2010年9月21日火曜日

Demon's Souls

 なんか『デモンズソウル』が名作だ、ハード目のアクションゲームで、ポールウエポンや鈍器が強いから剣以外の武器が好きだって人にはおすすめだ、っていう話をちょいと小耳にはさみまして、ハルバードもあるの? って聞いたらあるとのこと。おお、これはちょっと興味深い。しかし、あんまり難しすぎるとそれはそれで困るわけで、そのあたりはどうですかと確認したら、レベル上げてごり押しでもクリアできますよとのこと。ああ、それはよいなあ、調べてみたらベスト版がリリースされている。じゃあ、ちょいと買って遊んでみるか。ええ、プレイ開始しています。

しかし『Demon's Souls』、確かになかなかにハードです。序盤に、軽く操作方法についてのガイダンスがありましてね、それが終われば即座に死亡するというナイスバランスです。というか、死んでからはじまるっていうべきでしょうかね。死後の世界みたいなところで、ソウル体という幽霊的ななにかになって、自分の体を取り戻すためにボスを倒しにいく、みたいなゲームみたいなんですよ。で、また死んでソウル体になって戻ってくると。そういう構造らしいです。

さて、プレイヤーキャラクターは何種類かある生まれ — 、職業と考えていいと思いますが、そいつを選んでプレイ開始するのですが、そのキャラクタープロファイルの作成がなかなかに充実していまして、具体的にいうと顔の作成ですかね。西方、東方、北方、南方と選んで、顔かたちを細かくエディットして、結構好みに近付けることができるんですね。とまあ、これはゲームの本質には関係のない話。ゲームにおいて大切なのは生まれでありましょう。戦士であるとか魔術師であるとかを選んでやることで、初期パラメータと装備が決まるのですね。

私が選んだのは魔術師でした。いやあ、これ、きつい。魔法が使えるので、ロングレンジの攻撃が可能、はいいんだけど、魔法も無限に使えるわけではないし、戦闘は当然得意でないしで、全然先に進めない。なので、いい加減いやんなって、神殿騎士というハルバードを装備してるキャラクターを作成してみたら、どんどん進めて驚き。やっぱり脳筋有利なのか? いや、神殿騎士は回復の奇跡が使えるから脳筋じゃないだろう、といいたいところだけど、私の使い方を見るに、あれはどう考えても脳筋。でも、打たれ強く、攻撃が重い、そうしたキャラクターの方が、今プレイしている序盤あたりでは有利なのは間違いないようです。

このゲームはオンラインにも対応しています。オンライン協力プレイや対戦プレイもできるそうですが、私はまだそうしたところまで達しておらず、普通にステージを走りまわってるところ。けど、ここにもオンラインの面白さがあるんですね。例えば血痕というのがありまして、最近ここで誰かプレイヤーが死んだということがわかるようになっています。さらに、死ぬ直前の行動を見られるようになっているので、どこが危険なのか確認できるんですね。さらには、他プレーヤーの動作もうっすらと表示されるので、その動きを観察することで、どこに敵が潜んでいるかなどもわかる。うまいなあって思います。

そして、もうひとつ、メッセージが面白いですね。いくつか定型文を組み合わせてメッセージを残しておけるんです。「この先に罠がある」とか、落下すると即死しかねない場所の前に「足元に気をつけろ」とか、注意を残せるんですね。いや、もちろん罠みたいなメッセージもあって、信用すると酷い目にあったりもするんですけどね。で、このメッセージの面白いのは、誰かが評価してくれると体力が回復するんです。なので、できるだけ評価してもらえそうなメッセージを残そうとするし、有用な情報とか貰えたら積極的に評価しようとするし。どこの誰かとかは全然わからないんですけど、こうしてゆるやかにコミュニケーションできるってところ、すごく面白いと感じました。途中、評価されましたとかいわれると、すごく嬉しいんですね。ええ、これはよくできています。

私は『Demon's Souls』はオンラインでしかプレイしていないのですが、これは断然オンラインでプレイした方がいいと思います。それも、なるたけ多くの人がプレイしている時間帯に遊ぶべき。っていうのは、人が多ければそれだけ評価してくれる人も増える、体力回復のチャンスが増える、攻略に有利っていうわけです。いや、ほんと。この仕組みはすごくよく考えられてる。心の底から思いましたですよ。

書籍

2010年9月20日月曜日

『まんがタイムファミリー』2010年11月号

『まんがタイムファミリー』2010年11月号、先日の続きです。

『美大道!』、今回は吉野さん、白衣ちゃんの話。スランプらしい。絵が描けなくなってしまって……。こういう気持ちはわかるように思います。稽古しても稽古しても思うようにいかなかったり、あるいはやらなければいけない、そうした気持ちが強くなりすぎて、目的、方向性を見失ったり。好きなことを仕事にすると辛いという話はよく耳にしますけれど、今回の吉野さんは、まさにこうした状況であったのでしょうね。吉野さんに対して先輩のアドバイス。おお、この人が先輩らしいと思えたの、これがはじめてだったりしないか? しかし、こうした良い反面少し重く深刻にもなりかねない展開に、彩のおかしなリアクション、奇妙な行動がいい緩衝材となって、しんみりしつつも面白く読めて、大変よかったです。この漫画、いい感じに青春を描いているなあ。そう思うところ多くてですね、なんだか目が離せないのです。

『ももかアンコール♪』。学業とアイドルを両立させなければいけません。ももかの、仕事に打ち込みつつも試験勉強を頑張る、その姿、描かれようが大変面白かったです。身のまわりのものに単語カードや元素記号一覧を貼るというの、工夫はなるほどと思わせるものだけど、その貼る場所には笑ってしまって、そして周囲の皆の応援してくれるところ。兄さんの口では厳しくいいつつも、実際には応援していますという、あの姿は実に微笑ましかったです。キャラクターの可愛いというところ、それも売りでしょう。けれど、ちゃんとキャラクターが動いて、そこに魅力や面白さ、楽しさが生まれてくる、そうしたところがしっかりしている。とてもよかったです。

『やどかり君』、これ、まだゲストなのか? とりあえず、貧乏ニップレスというのにひどく笑わされて、いや、あかんわ、めちゃくちゃ面白いです。こうした語感の面白さや、絵に見える動き、やってることの面白さもありますけれど、あのちょっと変な家族、ものすごく仲がいいんですよね。みんな一緒におかしなことやってる。その姿がすごく好きで、エレベーターの話とか、もうなんともいえん魅力があります。

今回のエッセー企画は「部活でファイアー!」、学生時分の部活動についての思い出なのですが、意外にといったら失礼ですけど、運動部に所属されていた人、多いのですね。佐野妙は水泳部、さとはバスケ部、三浦芳野、卓球部。水井麻紀子、バレー部。おお、みんな活動的。で、みな面白かったんですが、水井麻紀子の憧れの先輩、これは実に面白い。ドおたくだよ!? いかす! 先輩に憧れて、エースならぬオタクになっちまったというのですか。高校では文芸部、ああ、第2漫研とか第3漫研とかいわれたりすることの多い部活ですね。思えば私も部活がらみで、オタク、マニアの傾向を深化させたものだったなあと懐かしく思うところありまして、ええ、私は第3漫研とかいわれたりする吹奏楽部でした。文化系部活はマニア、オタクの巣窟である。しかし、運動部も例外ではないのですね!

『ともえ一本背負い!!』、ゲストです。高校時代、女子高柔道部にて青春を燃焼させたお嬢さんたちの約束。もう… スポーツなんてやめて絶対彼氏作ろうね! って、これは面白いなあ。お嬢さん、三人が三人とも魅力的、可愛いんですが、恋愛に発展させることができない、って、一連の行動見たら、そらあかんわ、としか思えない。男性に慣れてないってのもあるんだろうけど、どこか間違っている。それは、女子高かつ運動部的価値観のためかも知れないものの、その割合は半分くらい、いや以上かな? 本人の問題が大きいですよね、どう見ても。あのジャージ生活とかさ、私は好きだけど、そりゃ駄目だろう。そうした駄目さが描かれるところは面白く、あの土下座告白とか最高だと思います。

三人が三人ともにちょっとずれてて、いや、あの背の高いお嬢さんだけはまともだったような気もしないでもない。けど、ふわふわひらひらの女の子、瑤子さん、この人、まともに見えてそうじゃなくって、まさに友恵に同類。頭突きとか気合いとか、最高でした。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第11号(2010年11月号)

引用

  • 三浦芳野「やどかり君」,『まんがタイムファミリー』第28巻第11号(2010年11月号),142頁。
  • 芦浦だんご「ともえ一本背負い!!」,同前,159頁。

2010年9月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号、昨日の続きです。

『おにさん、こちら』、新連載です。できのいい姉、悪い妹。なにやってもお姉ちゃんにはかなわないって、コンプレックス持っちゃってる妹の神頼み。しかし、鬼神様。缶ジュースはお気に召さないんだ。っていうか、缶ジュースというものをご存じなのか。娘の体を借りないと、社の表には出られない。その鬼神様が缶ジュースを知ってるっていうことは、ここ数年数十年のうちに、誰かの願いを叶えた実績があるってことなのかしら。かくして、現代に生きる神様の話。しかし、この神様、もみじ様、鬼だっていうのだけれど、娘の体、手に入れて、やることが猫の猫背をなおしたり、ひげを押してまわったり、お茶目で実に面白いです。でもって、取り憑いたまま娘に体の制御を奪い返されてしまって、このひとつの体にふたつの心が同居するっていうのね。定番ながら、なかなかに面白そう、見せてくれそうだなって思わせてくれる第1回でありました。

『もっかい』、今回は卓球であります。いつもの遊ちゃんの思い付き、今回はスーパーボール卓球として結実して、おおう、この漫画は地味に前の話をひっぱってくるな。スーパーボールは夏の縁日からの流れ、そして衛が運動部に目をつけられるっていうのは、いつぞやの工具ジャグリング以来の流れですね。運動に関しては抜群のパフォーマンスを見せる衛。けれど、あんまり表には出たくない、そうした心情が描かれた回でした。どうしてもやりすぎてしまう。ぶっちぎってしまう。できるが故の疎外感というか、やっかみみたいのもあったのかもなあ。特異といえるほどの能力があるせいで、自分がひどく場違いと思えてしまう。そうした思いをしなくていいのが遊ちゃんだったというのですか。ああ、遊ちゃんと仲良くしている理由でありますね。いつも迷惑かけられてばっかりに見えるのに、けれどいわば救いでもあるのか。本当にいいコンビなんだなって思わせてくれる、そんなエピソードでありました。

『かふわ!』、ゲストです。借金のかたに家をとられたために、下宿先を探さないといけなくなった主人公、欅。そのいきついた先が喫茶店「ポプラ」であります。くるみさんと、椛さん、お嬢さんふたりの喫茶店。しかし、椛と書いてもみじと読む。いやあ、最初ルビを見逃がして、え? ヒロインの名前、かば? ええーっ! もみじと知って、安心しましたよ。

ダイナミックに動いて見せる椛に、おっとりしておとなしそうだけど、なんだか妙に個性的、食えない感じのくるみさん。喫茶店なのにコーヒー系カクテルばかり充実している。こういう、ちょっと毛色の違った店、ちょっと常識のずれている人達、なかなかに面白そうだと思います。主人公の男の子が、結構しっかりしてそうで、常識人? ふりまわされそう! ってところに期待しているようですよ。

『はる×どり』。はると京子の関係の、あらためて見直されるところ、よかったです。いつも京子に迷惑かけて申し訳ないなあと思ったはる。それで、京子に頼らなくてもちゃんとできるんだよって、お世話ばっかりかけないようにするよって、いやあ実に健気じゃないですか。私は、どこかできない人が、それでもちゃんとできるようになろうって頑張る、そういう話がやたら好きなようでして、だから今回はもう直撃でした。はるの健気な頑張り。かといえば、はるの様子にいろいろ悪いこと思ってうろたえちゃう京子も面白く、ああ、この子らも持ちつ持たれつなんだなあ。ふたりそろってB判定。そうしたところにも、彼女らの関係のほほえましさがあらわれていた、そんな感じがしたのでした。

さて、『ぼくの生徒はヴァンパイア』、『ぽすから』、『おしおきっ!』、以上が次号にて最終回です。ああ、好きなのばっかりですね。終わること、それを必要以上に嘆かない。私はそう決めていて、だから感傷的にいいたてることはしませんが、でも『MAX』の誌面、ちょっとずつ変わっていきますね。ええ、その変化していくっていうこと、それもまた楽しみと受け入れていきたく思います。ええ、いつかきた道でありますよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第11号(2010年11月号)

2010年9月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号、発売です。表紙は『かなめも』。ハロウィン表紙ですね。魔女の衣装着たかな、みか、代理の三人で、みかのかぼちゃ帽子、これなんかすごくいいなあ。衣装の黒が効果的に画面を引き締めて、素敵だと思います。また、この黒があるからこそ、みかのオレンジがアクセントになるのかも知れませんね。それはそうと、代理の帽子についてる耳がえらいこと可愛いです。

『きんいろモザイク』、前回のホームシックって、こういう展開するための布石だったんか。金髪さんが増えました。うわあ、やったあ。見境のないしのが素敵。まったく躊躇なく深く踏み込んでいく。あたかも昔からの知り合いのように! しかし、意外と背が高いんだな、しの。さて、アリスの友人、カレンに興味津々のしの。それでアリスがやきもち焼いて、ええい、もう、やたら可愛いなあ。表情やら発言やら、そうしたもので、ああ右往左往してるなって様子がちゃんと伝わってくる、それがいいなって思うのです。名前の話とかもいい。なんでもない、他愛のない会話といえばそうなんですけど、そうした会話に面白みがちゃんとある。そうしたところが気に入っています。

『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、前回読んで、コミュニケーションが微妙にうまくいかない、そんなやり取りを前面に押し出していくのかと思っていたのですけど、いや、もう、まったく違いましたね。ものすごく真面目にトレーニングしています。そして、初っ端のLSDって気持ちいいっ! これは面白かった。このLong Slow Distanceっての、実際にある用語なんですね。知りませんでした。

それで真面目にトレーニング。ランナーズハイとその後、足が動かなくなる。震えてしようがない、っていうの、ああ昔、高校生のころ持久走でなったことある。足がもう全然あがらなくなるんですね。気持ちは走ろうとしてるのに、体が全然ついていかないっていう、ああ、なんかいろいろ思い出しましたよ。こうした描写に加えて、経験者と初心者の差、それはもう圧倒的なのかと思わせてくれる。いいですね。しっかりした陸上部ものとしての描写があって、そして浅見さんなど、ちょっと色物っぽいネタがあり、実にいいバランスだと思います。連載になって欲しい。ええ、本当にそう思います。

『けいおん!』アンソロジー。おお、こっちも終わるのか。もっとひっぱるかと思ってたのに。意外にドライですね。さて、今回は真田一輝、茶菓山しん太、未影の御三方です。茶菓山しん太の「下級生」は、梓ひとりが残された軽音部。そのこわれっぷり、素晴しいです。ネタを絵でもって、展開の仕方、見せ方でもって、何段も面白いものに変えている。ええ、見事でした。あの大落ちも素晴しかったです。

でもって未影「えぬじょ!」、先輩なのか。あの、ちょい吊り目美人さん、この人の絵にはすごくマッチすると思う。でもって、好きが高じてかなりおかしい人になっている。ええ、見事見事。この異常な愛の発露、しかし本人目の前にするとてんでだらしないっていうの、可愛くっていいじゃありませんか。けど、現実にいたら困りますよね。漫画ならではで、それがすごくいい。そういう味、好きなんですね。

『ラッキーストライク!』、扉が部長のお姉さんですよ。ボウリング誌の表紙みたいですね。期待の新人だったころ? で、作者の名前がイラストに溶け込んでしまってるの、なかなかに面白かった。って、これはネタじゃないと思うんですけど。

さてさて、本編。雑誌からマイボールへ、マイボールからスコアへ、そして点数計算、ルールについて自然と話題がうつっていくのですが、なるほど、次のフレームでストライクを取る、じゃなくて、そのフレームの2投目でストライク取るっていってたのか。最初が0で次が10、つまりスペアのことですね。で、スペアとストライクの違い。またストライクだとなにがいいのか、スペアなら? いやあ、全然知りませんでしたよ。ストライクだと10点加点、スペアだと5点、とかいう風になってるかと思ってたら、違うんですね。次の1投、ストライクならさらにもうひとつ、それが重要になってくるのですか。いや、ほんと、ためになります。ありがとうございます。

解説するレイレイ、静かに怒ってるレイレイ、スペア4つで良いですといってちょっと笑ってるレイレイ、そもそも撫で肩で華奢なレイレイ、素敵です。そして練習。部長のお姉さんに頼るわけですが、いやあ、なんかにやにやしてしまいました。具体的な目標(今回なら130点)が示されて、そのために練習する。その練習においても、具体的な課題、指摘がなされる。実にいい。なるほど、そうなのかと思う、そして、こういうところもいいのですけど、ただ説明に終始しているわけでもないところ。説明や練習の風景にも面白さやキャラクターの個性がしっかり表現されて、ええ、いい漫画だと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第11号(2010年11月号)

引用

  • ほた。「LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす」,『まんがタイムきららMAX』第7巻第11号(2010年11月号),57頁。

2010年9月17日金曜日

『まんがタイムファミリー』2010年11月号

『まんがタイムファミリー』2010年11月号、発売されました。表紙は、芸術の秋? 音楽がテーマでありますね。『ぽちゃぽちゃ水泳部』のカツ代、中央にてマイクを手に歌っておりまして、他には『キラキラ☆アキラ』のアキラが鍵盤ハーモニカ、『教師諸君!!』西名先生がリュート弾いて、『うのはな3姉妹』の末娘がモンキータンバリン、お父さんがマラカスです。この楽器の中では、リュートだけやったことないけど、こうして見れば雰囲気あるいい楽器。やれるときにやっときゃよかったなあ。と思いながら、今はちょっと鍵盤ハーモニカに興味があります。なんか楽しそうでいいんですよね。

『教師諸君!!』、文化祭であります。扉絵にちょっとした漫画があって、オクトーバー・フェストについて触れられてるんですが、へー、200周年なのか。いつ、何年にはじまったとか、ちゃんと記録に残ってるんですね。そして、文化祭の様子が描かれる本編、完全に先生たちの世界であるのがすがすがしいですね。建前がある、本音もある。その本音が素敵な漫画です。もうほんと、好き放題って感じで、実際先生たちがこんななら、学校はすごく楽しいところになると思う。この、好きなことがあるっていうの、こんなにも好きなのっていうの、こういう姿勢は素晴しいですよ。

さて、ぼたぼたと泣く城先生。しほしほと泣く西名先生。なかなかに見られない表情。城先生のコスプレもまた珍しく、けれどそれやるなら目隠しもしませんと。って、目隠しすると地味っつうか目立たなくなるからオミットされたんでしょうね。

お祭りと、祭りの終わりの寂しさと、こうしたちょっとアンニュイな気分語られるところも、なかなかによかった。その一日のその時のために頑張る。失敗があってもそれもまた楽しかった。そうした気分、ああ、わかりますね。やっぱりなにか懐かしく感じるんですね。

『ひよっこシスターの安息』、やっぱり面白いです。なんてことのないシスター雛形たちの日常の様子を描いている。けれど、シスターみながみな個性的で、力の抜けて自然な素振り、雰囲気、そこにあらわれる、ちょっと常識からはずれて、けれどそれがすごく親しみやすいと感じさせる。その人柄が素晴しいです。今回は、幼稚園の様子、子供の要求全部飲んだら、だらけてるようにしか見えない。子供の問いに、ちょっとずれた、けどすごく普通の返答してしまうシスター雛形ね、ああ、面白いです。なにげないことをやってるように見える。けど、これらをなにげないことと感じさせる、それがうまさなのだろうなと思います。

『めがねのキミと博物館』、再登場です。私、この漫画の雰囲気、すごく好き。ものすごくのんびりとした時間が流れている、そう思わせてくれるところがよくて、またこれも人柄なんでしょうね。けれど、ただただのんびりした情景描いているだけでなく、香坂さんと内藤さん、ふたりの個性の違い。夢中になれる香坂さんに、器用貧乏っていってもいい? 内藤さん、お互いが相手のこと、いいなあって思ってる、その気持ちのゆきあう様、とてもよかった。こうしたところに、気持ちのなにかに縛られることなく自由である様、感じて、いいなって思ってしまうみたいなんですね。

『ひなたフェードイン!』、車の免許でありますよ。教習所を選ぶのに、教習後のご褒美? なぐさめ? お菓子屋、ベーカリーの有無で選ぶひなた。ああ、けど気持ちはわかる。私の場合は、ワゴン車のたこ焼屋でした。教習の様子は、なんだかちょっと懐しい。あの、適性検査とか、ねえ、失礼な、って結果が返ってきますよね。そして、話題はダイエットに移って、前回のグラフ、今回にも生きてきて、おお、みながグラフに記録つけてる! こういうものごとが伝染していくっていうの、単純なんですが、好きなんですね。面白いです。

『はなまるドロップス』、こちらでも文化祭。笑顔の写真を展示します、っていう、こういう企画はなかなかよいな、いや現実には難しかったりするところもあるように思うんですけどね、昨今の風潮やらで。でも、笑顔を撮る、身近な人の笑顔、そうしたものを意識するっていうの、よい心掛けであるなあ、そう思わされるところ大でありました。そしてひまわりの笑顔が魅力的という。こういう笑顔の素敵さ、ああ、本当によいですね。コーナーまで作られてしまう、調子にものってしまう、ええ、実によい感じでした。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第11号(2010年11月号)

2010年9月16日木曜日

SANYO eneloop music booster DC9V音楽用バッテリー KBC-9VS

 今は、電池を使うとなると、一次電池よりも二次電池、充電池ですね、そっちの方が経済的でいいという風潮があって、エコの観点から見ても好ましいって風になっていますね。実際私も電池は二次電池、SANYOのeneloopを使っているのですけれど、これ、9Vのは出ないのかなあ。ずっと思っていたんです。いえね、音楽、ギター関連の小物って9Vの角電池、006Pの出番がやたら多いんです。私はエフェクターは持ってないから、使うとなるとamPlug Cabinetくらいなんですが、以前使ってたチューナーなんかも9V電池だったんですね。で、私は極力電池使いたくないからACアダプタで使っていたんです。で、問題はこれ。私が持ってるのはZO-7という7弦仕様なんですが、こいつに限ってはACアダプタが使えないんですね。

とまあ、そんなわけで、eneloopあたりで9V電池が出てほしいなあとか思っていたのです。まあ、eneloopからは出ないようなので、別のメーカーので探すかどうかしないといけないようなのですが、ところがある日ですよ、なかなか面白そうなものを見付けたのです。楽器店でのこと、eneloopの文字におやおやと思ってみたら、music boosterとかいうものがあるみたいではないですか。これ、9Vの充電池、けれど乾電池の代用ではなくて、ACアダプタの代わりっていったところですね。しかし、これ、かなりいいんじゃないかなあ。ACアダプタって、けっこうノイズが入ったりするのだけれど、これならそうした心配がありません。

でも、安定して使える時間はどれくらいなのだろう。使ってみた感想っていうのを知りたいなあ。そう漠然と思っていたところ、テルミンの演奏をされる大阪大学の菊池誠氏eneloop music boosterを購入、実際に使ってみたとのレポートありまして、それによると、エフェクター5個で4時間程度なら余裕、とのこと。計算上エフェクター10個で3時間使えるだろう、ええかなり使えるっぽいです。

けど、私はさっきもいったように、エフェクターを持ってないから、今のところは出番がありません。ZO-3に使えたらいいんだけどな。など、かなわぬ夢を見ています。

2010年9月15日水曜日

マンドリン用ピック

 私はギターを弾いているわけですが、実は最初に手にいれた弦楽器はギターじゃなくてマンドリンだったんです。母がどっからかもらってきた、鈴木のすごく古いやつ。弦を緩めていなかったためか、ちょっとネックが反ってる? 弦がフィンガーボードからかなり離れてて、当時弦楽器をまったくやっていなかった私にはよう押さえられるものではありませんでした。それでも一時期、駄目になったリードで作ったピック使って、じゃかじゃかやっていたんですが、ちゃんとマンドリンのチューニングで弾いていたわけでもなく、それにやっぱり指が痛くて押さえられない。メロディもきつい、コードなんて到底無理、といったありさまで、しまいこまれたままになっていたんですね。

けれど、少し前からマンドリンも弾けるようになったらいいなと思うようになって、いえね、ギターとは全然違う楽器、完全にメロディ弾きに特化されてる、そんな風に思ってるんですが、あの独特の響き、ちょっといいなと思ってたんです。で、出してきて、今度こそマンドリンのチューニングで弾いてみてるのですね。

しかし参りました。やっぱり弦がきつい。マンドリンの調弦って、かなり強く巻き上げるので、ともない弦の張力もかなり強くなる。さらに複弦、1コースに2本あるわけでしょう。これはきついわー。でも、これってすべてのマンドリンがそうなのかな。この個体の問題なんじゃないのかな。なにせ他のマンドリンを知らないものですからわからないんです。で、わからないままに弾いていて、しかし指、痛いね。ギター弾いて、それもアコースティックギター弾いてきてこうなんだから、ギター弾いてない頃に駄目だと思ったのもしかたない。いや、マンドリンからはじめる人は、この辛さを経験し、乗り越えていくんでしょうけどね。

さて、マンドリンの特徴といえばトレモロですが、私、ピックでのトレモロはどえらい苦手、できるかなあと思ってたんですが、さすがマンドリンは複弦だけあってトレモロがやりやすい。と、最初はギターのピックでやってまして、けれどこれをもしマンドリン用のピックでやったらもっと弾きやすかったりするのかな? そう思い買ってきました。馴染みの楽器店にいって、適当に一番安いマンドリン用ピック、1枚100円のを買ってきて弾いてみたら、いつも使ってるトライアングルよりもやっぱり弾きやすく感じて、試しに使ってみてたJAZZ IIIよりもよいなって。やっぱり専門のものはそれだけの意味があるのかな? いや、気のせいかも知れないですけどさ。なんせ、マンドリン用ピックを買ってからギターのピックでは弾いてないもんですから。

マンドリンは、はじめての5度調弦の弦楽器です。これ、メロディ弾くのには適してるのかな。調でいえばG Durがやりやすい。低音側2コース、高音側2コースが同じ運指になる。マンドリンの調弦はヴァイオリンと同じなんですが、こいつらがシャープ系の調の方が得意というの、ちょっと弾いてみただけでもわかるように思います。こうして弾いて、雰囲気、特徴捉えて、その楽器の奏法に慣れて、ギターにも輸入できればよいな。そんな感じ。こういうと、マンドリンはちゃんとやる気がないみたいですけど、マンドリンでメロディをきれいに弾けるようになりたいなって、そう思っているのも事実なんですよ。

2010年9月14日火曜日

『まんがタイムラブリー』2010年10月号

『まんがタイムラブリー』2010年10月号、昨日の続きです。

『スイッチOL野口さん』、ゲストです、というか4コマフェスタ枠。普通のゲストとの違いがよくわかりません。

さて、『スイッチOL野口さん』。また『ラブリー』に眼鏡ヒロインが増えましたよ。一時期、『ラブリー』は眼鏡押し体制でいくのか? と思わずにはおられないくらい眼鏡ヒロインものが大量に押し寄せたわけですが、その流れ、まだ続いているのかも知れません。

というわけで、ヒロイン、野口さん、眼鏡ヒロインです。普段は裸眼、けれど仕事になると気合い入れるため眼鏡をかけるというのですね。仕事に一生懸命で、後輩に対しても面倒見よく、そしてちょっと頑張りすぎるきらいがあるみたい。で、野口さんは同僚新渡戸のことが気になってるんだろうか? そして新渡戸もまた野口さんのこと気になってるんだろうか? 一見真面目一辺倒の野口さんだけれど、意外に乙女だったりして気持ち揺れ動くところ面白く、そして女子の評価にぐらぐら気持ち揺らす新渡戸、この人はもうちょっと落ち着いた方がいい。よかったのは、ペットボトルの話。あれ見て、ああ、野口さんいい人じゃん! って思ってしまって、けど、やっぱりあきませんか。というか、それほどにか! 泣くこたあないだろう。私にはああいうの高評価ですが、それだけに新渡戸の様子がおかしかったです。

『放課後のピアニスト』は文化祭。あちこちからお呼びがかかるピアノ部。しかし、部員はいろいろ人の役に立ってるみたいだけど、顧問はまったくっていうのがいいな。さて、ピアノ部、比較的地味な部だと思うんですが、それがあんなにも盛り上げるんだから、演奏がよっぽどなのか、あるいは選曲がうまいのか。で、レミ、圧倒的。午前の部終わって皆の家族がやってくるんですが、山田のお姉さん。クールに見せて面白い人だなあ。ちょっと猫みたいな人。しかし、シドもレミも期待されてるんだな。プロになるだろうって前提で話してるもんな。それで、そのお姉さんのちょっと抜けたところ。それは弟も同じなんだなっていうラストの一本。いや、しかし、猫耳似合ってますよ。お姉さんもすごく似合っています。

『まじめの一歩』、おお、またも眼鏡もの。テンヤ新作、ゲストです。ヒロインは新人OL、石田直子。これ、石の直のって、性格に合わせてあるのかな? 真面目一徹、実に融通のきかなそうな四角四面なお嬢さんで、上役の主任が妙にやわらか、自由そう、有り体にいえば大雑把な兄さんだもんだから、微妙に対立生じて、ええ、こういう場合は生真面目な方が負けですよね。とはいえ、新人が大雑把上司にカリカリきてる、そんな漫画ではなくて、上司は上司で肩に力はいりすぎている新人に、もっと鷹揚にやりなよ、そんなこと思いながら暖かく見守っている、新人は新人で、ぶつかりながらも上司のそうした気持ちに気付いている。だから、不仲や不和は感じない。むしろふたりの交流、そのゆくえを見守りたくなる、そんな雰囲気があるんですね。面白かったです。続くといいな、というのは、ヒロインが眼鏡だからではありません。

『トノサマガアル』、眼鏡をはずすと信長に乗っ取られる女子、ふぶきの話。以前からちょこちょこ、ふぶきと信長の様子を見ていた藤吉さん、彼女がついに動き出して、このネタでもってひびきを家来にしようというんですね。しかし、ひびきはともかく、信長の怒りがものすごい。眼鏡に共鳴とかするんだ! ふつうなら親切と思いそうなことも、あれは褒美だ、敏感に察するっていうね、ああ、ほんと、この漫画、面白いです。

後半に、ものすごい大きな出来事、もりあげて、話としては一段落? ふぶきと藤吉の和解、というか、思いもしない大事になって弱気になってる藤吉がちょっと可愛い。で、それを許しちゃって、友達になろうって、ふぶきは人間ができてるな。

これ、信長様、なんだか昇天しちゃった? そんな風にも思えるのですが、もしこれが連載となれば、何事もなかったように戻ってくるんでしょうね。ええ、その戻ってくる日を楽しみにしたいと思います。ええ、面白かったんですね。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第10号(2010年10月号)

2010年9月13日月曜日

『まんがタイムラブリー』2010年10月号

『まんがタイムラブリー』2010年10月号、発売されました。収穫がテーマ、秋らしく葡萄をモチーフにしたイラスト、カットいっぱいで、『Welcome! つぼみ園』ことみ先生はかごいっぱに葡萄をつんで、『少女カフェ』も同様なのだけれどみおとつくしがつまみ食いしています。そしてここからお酒に進む。『だんつま』のお三人は葡萄を踏んでつぶす、伝統的ワイン造りの光景見せたかと思えば、『ただいま独身中』、『虹色占い師』のヒロインは、もうふたりとも飲むことしか考えていない。そんな様子、実に魅力的です。

『少女カフェ』は増ページで2本立て、人気あるんでしょうか。内容は、お父さん、風邪! いつにも増して弱気なお父さん、ちょっと魅力的。あの常連の宮嶋さん、見つめあう瞳と瞳、いつも見てますから……、ってどんなに意味深なんだろう。というか、宮嶋さんはわざとだろう。そして葉月さん。心配してくれる葉月さんはとてもいい人。けど、双子の大人しい方の子、みおにまで酷いこといわれて、このなんか気の削がれちゃったという表現、大好きです。今回は風邪ひいて、心配してされて、そういう親しさ、皆の距離の近さというもの感じさせるところ大きくて、つくしの本当に心配しているという表情も、殊勝で、なにかぐっと訴えますね。それで最後の風邪引きつくしの表情、これもぐっと訴えますね。ええ、大威力でした。

で、巻末には葉月さんメインといった4ページがあって、酒でトラブル? 見知らぬ男と昨夜なにかあった!? というのに、自分の心配じゃなくて、示談をまず考えるっというのがすごいなと。酒飲んで荒れる葉月さん、けど普段の葉月さんの言動から大きく離れるものでもない。この普段から自然体っていったらいいんでしょうか、素直、気取らない葉月さん。素敵なお姉さんだなって思いますよ。いや、ほんと、綺麗で可愛くて、このままじゃヘタレパパを葉月さんにとられちゃう!

『ぐだぐだしている女子高生の放課後 略して ぐだじょ』、はねる先輩、いいキャラクターしてるなあ。一年の教室に乗り込んできて、お昼に誘う。って、先輩には友達おらんのですか!? でもこの人の小柄で天真爛漫、なんかほっそい目で微妙な表情見せる、そうしたところがすごくよくて、この魅力はあれだな、猫のそれに似てるな。好き放題にしてる、その気ままさが見ていてすごく気持ちいいです。でもって、この人の自己評価。私相手に妄想する男子がいるとは思えん。って、それはとんだ見誤りですよ。実際、私、この人がなにやらかすだろう、その一挙手一投足に釘付けってな塩梅です。

『愛myファミリー』、これ、すごくいいです。今回は、お姉ちゃんが雫の彼氏を借り受けようとやってくる。この姉も妹もなんですが、お互いに結構ぞんざいなやりとりするところ、言いたい放題っていってもいいのかなあ、それが姉妹というものの独特の距離感じさせて、すごくいいんですね。私の知り合いの姉妹もこんな感じで、喧嘩すれすれみたいなところまで肉薄するのに、それでバランスとってる。実にいい。それに、あの「三者三様」、みんなが勝手にいいたいことだけ話してるっていうの、これもすごくらしくって、いやほんと、面白かった。あの雫の、可愛くてにこにこしてるばかりじゃないって表情たくさん見られたところ、これがなおよかった、そう思うんですね。

『この町のハテ』、素晴しかった。友達の彼氏からはじまって、イズミの家族、恋だのなんだの、うちの家族にはあんまり関係なさそうね、そんな感じの話になるのかと思ったら、いやいや、全然違いました。人を好きになる気持ち、恋やら愛やらははじめは大きく燃え上がって、けれどいつしかそうした気持ちは薄らいでいってしまうのかしら。そんな疑問。娘の表情に若いころの夫を見たり、ちょっとセンチメンタルになってしまったお母さんの、でも、娘の気持ち聞かされて、だんだんに憂いのやわらいでいくところ。そして思いがけない夫からの電話、なにげない日常の、素敵と思える出来事、その感動をふたりでわけあいたいと思った。その気持ちの届けられること。そして、愛は燃え上がるだけでなく、こうして深まっていくものなんだというような描かれ方に、なんだか涙が出てきてしかたありませんでした。そして最後のハテさんのモノローグ、これが効いていました。ほんと、いつでもこのようにあれればどれほどに仕合せだろう、そう思わされるエピソード、素晴しかったです。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第10号(2010年10月号)

引用

  • 板倉梓「少女カフェ」,『まんがタイムラブリー』第17巻第10号(2010年10月号),57頁。
  • 小池定路「ぐだぐだしている女子高生の放課後 略して ぐだじょ」,同前,67頁。

2010年9月12日日曜日

アサシンクリードII

 先日、購入した、プレイ開始したといっていた『アサシンクリードII』。クリアしました。想像以上にはやくクリアできて、けれどこれはボリュームが少なかったというわけではありません。いえね、連日睡眠を削ってプレイしてたんですよ。朝の4時くらいまでプレイして、睡眠は連日2時間程度。体力気力の限界に挑むつもりはなかったのですが、最終的に目が腫れるまでにいたりました。大ダメージ。まあ、疲れると出るアレルギー性の結膜炎なので、寝ると治るんですけどね。でも、まさかあんなことになろうとは、予想もしませんでした。

さて、クリアしてみての感想ですが、基本的に一直線のゲームです。若干のインタラクションは用意されているけれど、ストーリーは一直線。墓所など、クリアするルートのある程度決められてるところもあるから、一度クリアしてしまえば、二度目にチャレンジしようという気にはなかなかちょっとなりにくいかなという感じがあるんですね。実際私は、最初は日本語吹き替えで遊んだけれど、次は英語音声なりイタリア語音声なりを選んで、日本語は字幕にして遊んでみようかな、そういう風に思っていたんですけれど、クリアしてみた今、あえてもう一度はいらないかなあ。少なくともしばらくは。そんな風に思っているんですね。

けれど、一直線、一本道のストーリーではあるけれど、遊ばされてる感は少なかったと思っています。それは、メインのシナリオをあえて進めず、寄り道したければ好きなだけできる、そういう仕組になっているからだったんじゃないかなと思っていて、それこそ違う街にだっていける。まあ、サブのイベント一通りやっつけちゃうと、やることないからメインのシナリオに戻らざるを得ないんだけど、少なくともミッションこなしたら勝手にどんどん話が進んでいきますよー、ってな風ではないわけです。印象でもって話すと、シナリオ進めてるよりも、イベントマーカー求めて街を走りまわってる時間のほうがずっと長かった。で、そのイベントが、ちょっとの時間でクリアできる、そういうのが多いものですから、あとひとつ、あとひとつとついつい手を出してしまって、半徹夜になってしまう。遊ばせ上手っていったらいいのかな、手頃感があって逆にやめ時がわからなくなる、そういうゲームでした。

多様にあったサブイベント、何種類かにわかれているのですが、好きなのは制裁ミッションでしたっけ? 夫が浮気してるのでこらしめて欲しいというから、奥さんの代わりに殴りにいこうか! そんなイベントなんですが、このゲームでは珍しく人死にが出ません。ぼこぼこに殴ったら、すまん、心を入れ替える、改心してめでたしめでたし。まあ逆に殺しちゃうとミッション失敗になるんですが。

けれどやっぱりこのゲームの魅力は、そんなに難しくない操作で、ひょいひょい街中を飛び回って、屋根にまで駆け上がり、塔のてっぺんからダイブ! といった爽快感と、ターゲットを狙い澄まして暗殺! その爽快感、であるのは確かなんですけれどね。まあ、私は結構あっさりと見付かってしまって、必死の思いで逃げたり、あるいは観念して皆殺しにしたりと、まあこういう殺伐としたゲームであるわけです。そりゃ18禁になろうというものです。

このゲームのシナリオは、シリーズ通じて語られる、そうした大きなストーリーもあるものだから、現代にまでいたる抗争のゆくえに興味があれば、前作もプレイ、もちろん続編もプレイすべしということになろうと思うのですが、とりあえず現時点においてはこれでお腹いっぱいかなって感じです。なんせ、イベントの数も少なくないゲーム、ひととおりクリアするだけで結構大変なので、そんなに次々プレイしようという気にはなりにくい。けれど、ある程度時間がたって、ああ、面白かったなって思い返す、そんな気分になったらば、前作やってみよう、そういうこともあるんじゃないかなって思っています。というわけで、今は小休止。そういうメリハリつけて遊ぶのがよいようです。

PlayStation 3

XBOX 360

Windows

PSP

Nintendo DS

2010年9月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2010年10月号

『まんがタイムきらら』2010年10月号、昨日の続きです。

うぃずりず』のじいさん、おそらくは病気かなにかで、先が長くないのだろう、そう思っていたのだけれど、そして実際そうだったのだけれど、いや、先が長くないとはいってませんでしたね、失礼しました。

2学期がはじまって、そこにはリズの姿はなくて、大騒ぎになる教室。先生の抑えがきかないのはいつものとおり。そしてリズの家から病院に移動して、いや、爺さんの容態、もっともっと悪いもんだと思っていたから、ちょっと安心しました。しかし、爺さんがリズに相談なしでなんでも勝手に決めて、それはよくないよ、そういう気持ちはわかるけれど、娘どもいいたい放題だな。気持ちは、ほんとよくわかるけど。それで、本当に海外にいくの? 冗談抜きで? なんだか思い切った展開が待っているっぽい終わり方。けれど、これがリズにとっては救いになるんじゃないか、そんな気がするんですね。結構ダイナミックな展開予感させて、もしかしたら結局海外いくのは無理でした、ってなるのかも知れないけれど、でもなにか大きな山が作られるだろう、そんな期待がするんですね。

Sweet Home』は、伊織に届いたラブレター。わか姉に発覚して、それからの気持ちの動きの描かれるところ、実に面白かったです。弟が好きだということは大っぴらにしたくない。けれど気持ちは隠せない。不穏なこと口にしたかと思えば、狼狽したりして、その表に見せようとしている顔と、思わずあらわにしてしまう本音、そのギャップ。実によかったです。なかでも、家に帰ってから渡せばよかった、これが素晴しかった。なんて悪い表情するんだ。しかも図星とか!

でもって、この手紙の騒動から、また次の騒動に移っていくのでしょうか。あんまりおかしなことにならなかったらいいな。けれど、これがまたなにか空騒ぎに似たてんやわんやの面白さを引き出してくれるのなら、それはそれでいいな、なかなかにアンビバレントな気持ちがいりまじっています。

My Private D☆V、『お願い神サマ!』の守姫武士であります。ずっとヨーロッパ好きだったという、ああ、そのヨーロッパ色ばりばりの絵も見てみたい。そんな気になってしまったのは、描かれたのが最近ブームだという巫女の装束アレンジであったからだったりします。でも、これ、いわれなければ巫女モチーフだって気付かない? いや、そんなことないか、特徴的なところは押さえられてるもんな。可愛いイラスト。もしこれがカラーなら、もっと強烈に訴えるんだろうな。などなど思ってしまって、ええ、私はこの人のカラーイラストが大好きです。すごく雰囲気のある、そんなところが気にいっているんですね。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第10号(2010年10月号)

引用

  • やまぶき綾「Sweet Home」,『まんがタイムきらら』第8巻第10号(2010年10月号),181頁。

2010年9月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2010年10月号

『まんがタイムきらら』2010年10月号、昨日の続きです。

『きみにカケル』、3回連続ゲストの3回目。しっかり一区切りつけてきましたね。下手だけど描きたくてしかたのないカケル。ちょっとクールなつぐみ、感情を抑えているのかな? このふたりで、恋愛のロールプレイみたいなことさせられる。けれど、その恋愛ごっこ、互いに照れてるつぐみとカケルの様子をにやにやしながら眺める、そんな展開かと思っていたら違ってましてね、ラストにこの経験が生きてくる。カケルの絵が上達? いや、丁寧に気持ちを絵にこめたといったらいいのかな、描くということの意味合いが深まって、そしてつぐみも同様で。ああ、これはとてもいい。この3回にわたって描かれた、きれい、きっちりのテーマにそった展開、たいへんよかったです。

『モコモコニンニン』、ゲストです。忍者マニアの女の子まやが、コンビニで忍者と出会った。モコ、忍者の娘、けど秘密だったらしい。それを一発で流派まで指摘されて、もうばればれ。こうして忍者とマニアの交流がはじまります。忍者であることをちょっと恥ずかしく思ってるモコに、断然憧れちゃってるまや。ふたりの温度差が面白い。街のことを知りたいモコが、なんとしても帰らない、街に残るんだっていう。で、それをあっさり許しちゃう頭領のきさくさが、その登場のいきなりさ、格好の奇抜さもあいまって面白かったです。

基本は、街の知識がなかったり常識の違う女の子が、とまどったり変なこといったりしたりする、そういうコメディなんだと思います。結構、いい感じにふくらんでいくんじゃないかなって感想。わるくないなって思っています。あ、それとどうしても書けなかったので、ここでいっときます。もうひとりメインの登場人物があって、その子の名前はみはるです。

境界線上のリンボ』、妖精アヴリルの恋、決着しました。人に恋してしまった妖精、アヴリル。人のサイズになりたい。魔法でなんとかできないか……。無視できないほどに大きなリスクがあると告げられても、気持ちを変えようとしない彼女。彼女の気持ちが凛として見事でした。

片思いかも知れない。けれど、それでもかまわない。どのような結果になっても、彼が仕合せであればそれでいい。自分の見付けた自分の恋のため、他でもない自分のために、私は前へ進むのだというその真っ直ぐさ。行動するヒロインとしての貫禄揺るぎなく、人にとっての仕合せとはいかなるものであるのか、あたかもそう問いかけるかのような展開に、私も自然ひきこまれないではおられませんでした。ラストのアヴリルの内心を語るモノローグは圧巻。騒々しいアヴリル。わがままで気まぐれで、けれど深く強くしなやかな思いを胸に秘めた魅力的な女性、その愛は瑞々しく実に鮮やかじゃないか。そうした思いの自然とわきおこるエピソード、素晴しかったです。それはそうと、クラウスはほんと果報者であると思いましたよ。

PONG PONG PONG!』、最終回です。帰ってしまったリコ。その事実を知らされて、それがお前の選択なのだと告げられて、駆け出していく祐太。たくさんの女の子にもてたかったとはいうけれど、特別な誰かというわけではない女の子の群でなく、他の誰でもないリコにいてほしい。人っていうのはわがままだなあ、って思いますけど、失ってわかる大切なもの。あるいは、自分の望みがリコの存在と引き換えということに気付いてなかった、その浅はかさといったほうがいいのでしょうか。祐太の駄目さ加減。最後まで駄目で、それこそ、この一連のできごとを通してひとまわり大きくなりました! みたいな要素の皆無であること、実に祐太らしいのでありますが、それでもリコの戻ってきたこと、よかったなって思います。

正直なところをいいますと、物足りないです。もっと読んでいたかったし、もっと展開しえたろう要素、たくさんあったと思って、だからもったいないとも思っていて、けれど、そうした恨みごとつらみごと、ここに並べたてたって意味ないじゃないですか。だから私は、この最終回をさみしく思いながらも、一抹のハッピーが描かれたことを喜びたく思います。そして、10月27日の最終巻、その刊行されることを喜び、心待ちにしたく思います。

でも、祐太とリコの物語だったのはちょっと意外。実は祐太と真由の物語、リコはいわゆるキューピッド的ポジションなのかなって思ってました。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第10号(2010年10月号)

2010年9月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2010年10月号

『まんがタイムきらら』2010年10月号、発売されました。『けいおん!』最終回。卒業式後の記念写真といったイラスト。派手さはないけれど、なにか記念の一枚って感じがしまして、いいものですね。仲のよかった5人。と、ここではこのへんでとどめておきまして。ええ、実は今月も先月に引き続き、いつものコンビニで買えませんでした。どうも、付録がある関係で発売日朝には店頭に並ばないみたいなんですね。というわけで、とらのあなにて購入。このせいで、『きらら』が入荷しなくなるってことないよね。ちょっと心配に思っています。

けいおん!』、最終回です。卒業式の日、梓も呼び出されてみんなでお茶会。ああ、軽音楽部の3年を総括するといった会話に、懐かしく思うこともあり、そして梓の感情の一杯に表現されるところ、ああ、卒業っていうのはこういうことだったなあ。そういう気持ちかきたてられて、ええいああ、私ももらい泣きでした。一緒に演奏してきた、一緒に長い時間を過ごしてきた先輩たちが卒業していってしまう。これをとどめることはできない。そうした抗えない変化というもの、それがきっちり描かれて、別れはつらい、悲しい、切ない。けれどこれでお別れではないよって、そして律ひとりの思い付きからはじまった軽音部、梓ひとりからでもきっとまた作っていけるよ。そうした、部が、皆で作りあげた空間、世界が、受け継がれて、また新たにはじまっていくんだよっていうところなんて、とてもよかったなって思うんですね。

『けいおん!』は、いうまでもなく、アニメ化されて、大大大ヒットして、それで原作はアニメの七光、みたいなこという人が出たりして、けれど私は漫画の『けいおん!』が好きだったんですよ。はじめっから好きだったんですよ。思い出します、第1話がゲスト掲載された時のこと、レスポール持った女の子の扉絵に、これは、これはいいぞ! 興奮してweb拍手に、アンケートに、これはすごくいいって気持ちぶつけて、ああ、私も若かった。その『けいおん!』も変化しながら、アニメはアニメの、原作は原作のよさ、味を持って、展開されて、ついに卒業まできたんだなって思うと、一読者でしかない私にしてもなんだか感慨深くって、それにあのぐえーっていってる律、紬、キューっていってる唯、こういう表情の現れるところ、そして最後の澪の先輩としての意地見せていたところ、そして梓に届けられた歌のプレゼント、瞬間瞬間が輝いていた。いい最終回だったなって思います。

『たべる部』、ゲストです。調理部に入部しようと思った江戸川橋円、1年生。しかし、そこは調理部ならぬたべる部であった。いえね、2年生で部長の真間みなみが、とにかく食べるのが好きで好きで、それでたべる部。作った料理、お菓子、片っ端から食べていく。だから、たべる部。ええ、これ第1回にして好感触ですよ。レギュラーは3人。以上のふたりに3年生市川千佳子が加わって、部長がぼけで先輩がつっこみ? けどそんなに単純ではない感じです。女の子3人ともに可愛くて、絵柄も可愛い、ちょっと昔の少女漫画思わせるような表現もあって、これは胸きゅんだ。表現したいことに対し絵がしっかり機能している、そんな印象もあって、メリハリがある、ネタや見せ方の工夫もある、部長の妄想展開といった定番になりそうな流れもあって、これはきっと面白くなる、というかすでに面白い。すごくよかったと思っています。

『ヤマトナデシコ』、ゲストです。はやりの男の娘もの。双子の兄が、妹の替え玉として女装させられるという、無理矢理女装ものといったジャンルですね。兄はオタクで引きこもり体質。表になんか出たくないのに、学校だっていきたくないのに、無理矢理妹に女装されられて、ついにはそのまま学校にいくことになって、この非主体的な女装状況がなかなかに面白いんですね。体育の着替え、女子の更衣の現場に立ち合って、けれど真っ赤になっちゃってもう駄目だったり、カーテンの裏でこそこそ着替えたりっていう、その行動の内気さがいい感じ。さらに、キモイといわれて涙目になる、そんなところが可愛くって、女装男子もののいちバリエーション。けれど、ただバリエーションっていってしまうにはもったいない、そんな独自の味もあると思う。ええ、よかったです。大変気に入りました。

  • 『まんがタイムきらら』第8巻第10号(2010年10月号)

2010年9月8日水曜日

数学女子

 『数学女子』は、理学部数学科にて数学を学ぶ内山まなと友人の女子3人、彼女らの大学生活を描いた漫画であります。でもって私、この漫画のこと、まったく知らずにおりまして、けどどうしても手にとらないではおられませんでした。表紙買い? いえ、いうならばテーマ買い。日本では、女子は理系学問が苦手という偏見があるために、理系進路を選択する女子の割り合いが他国に比べて目立って低い、なんていわれています。この漫画は、そうした理系女子にスポットライトを当てている。女子にとって数学科とはいかなる世界であるのか? それだけで興味がわいたのですね。

まあ、理系の女性が好きだっていう理由もあるのかも知れませんけどね。というのはどうでもいい話。K大学理学部数学科の女子4名、内山まな、坂崎ゆみ、酒井とも、渕上さえこ、それぞれに個性的な女の子たちであります。数学科なのに数学苦手であるとか、ミステリー好きが高じて暗号に興味が向かっちゃったとか、確率駆使してギャンブルに挑戦するだとか、そういった基本の性格もなかなかにいいのですが、日常の出来事として描かれることが面白いのですね。目にした数字をすべて計算してしまわないでは気がすまない。ものごとを統計的に判断する癖がある。ケーキを四分割するのにシビアに面積計算しはじめるかと思えば、素数やフィボナッチ数など数に対してのフェティシズムが見え隠れする。こうしたもろもろが彼女らの個性を彩りつつ、その存在の確からしさを後押ししていると感じられるのですね。

作者自身が数学科に在籍されている、のでしょうか? ヒロインたちにもモデルがある? いえね、男性に向ける視線であるとか、女性としての自分に対する見方に生々しさ、実にリアルと感じさせる感触がありまして、だんだん見た目に気を使わなくなってる! なんとかしないと、合コンするぞ! とか、うちの科の男性、アベレージ低っ! それから、こういうタイプはちょっと、かといってこういうタイプも苦手、などなど、男性の望むように作り上げられたヒロインではなく、自然な女子としての存在感がにじみ出ていると思ったんですね。男性にとってはあんまり優しくないところもある。けれど、それでも嫌な子たちではなくて、各人各様に魅力的で、みな数学を、学生生活を楽しんでいるなあ。そう思えるところが実によかったんですね。

数学科4人だけの女子。だからか、みんなすごく仲がよくて、そしてなんのかんのいっても真面目で頑張り屋。素直に読んで、そのまま応援したくなる。そんな子たちであるのですね。また、ちょっと知らない数学科のこと、よく知らない数学のこと、ちょっとずつ知ることのできるという、そうしたところもすごくいいなと思える漫画でありました。

  • 安田まさえ『数学女子』第1巻 (バンブー・コミックス) 東京:竹書房,2010年。
  • 以下続刊

2010年9月7日火曜日

『まんがタイム』2010年10月号

『まんがタイム』2010年10月号、発売されました。表紙のテーマは、食欲の秋ですね。いや、収穫なのか? 『おとぼけ課長』は梨、『みそララ』は栗、『だって愛してる』は葡萄で、『天然☆無農薬一家』はさつま芋です。この表紙に出てきた中では、梨が好きですね。あのしゃりしゃりした食感、それから独特の香味、甘味。ああ、こういうの書くと、梨、食べたくなってしまいますね。

『川辺のぼっち』、創刊30年目スペシャルゲストです。作者は旋川ユウキ。名前だけは知っていたのだけど、読むのはこれがはじめてです。主人公はニホンカワウソ。最後の一頭。自分が死んだら種が絶滅する。その絶滅寸前という状況や、仲間がほかにいないという、ちょっと切ない気持ちを扱ったひとり語り。爆笑をさそうギャグ、というような風はなく、むしろ淡々として静かなおかしみの沸き起こるのを待つ? そうした印象のある漫画でした。これは長く読んで、触れて、慣れて、親しめば、なにかもっと違った感想が出てくるんじゃないかなあ。そんな風に思わせるものがありました。

はこいり良品』。「読んではいけない本」フェア。ああ、こういう批判的タイトル、多いですよね。でも、書店古書店なら、読んではいけないという前に、なんらかの前提がないことには逆効果になりそうで、じゃあどんな前提がいいんだろう。怪奇ものなら、夜ひとりで読んではいけないとか、あるいは大人になるまで読んではいけないっていうジャンルもありそう。そうした発想ひき出してくれる、なかなかに刺激的な一本目でありました。

そして、電子書籍への言及。電子書籍が一般的になったら、古書はそれこそ希覯本であるとか電子化されなさそうな本、あるいは冊子体を愛するマニアのための店になるのかなあ。安く読みたいという人があるかぎり、古書店は存続しそうな気もしますが、新刊はどうなる? 当分冊子の本はなくならないでしょうけれど、そう遠くなく大きな変化に直面せざるをえない、そんな業界であるのだろうなあ。など、いろいろ感じるところあったのでした。

すいーとるーむ?』、台風の日の出来事。水浸しの永井くん。そして水浸しの秋さん。いつもちょっと色気のある、そんな雰囲気の漫画ですけれど、今回はことさらでした。秋さんの秘密。ばれるんじゃないか、ばれたんじゃないか、気付いてやがるんじゃないか、ていうか見てないだろうなお前。気持ち、感情がくるくる変わるその様が彼女の魅力ひきだしつつ、漫画としても面白い。けど、そうしたちょっと色っぽいのだけじゃなくて、基本に辛辣な視線があるのがいいなって。この作者の味だと思ってるんですが、秋さんの出社の理由や社長の方針、実にいい味でありました。

『マチルダ! — 異文化交流記』、マチルダ帰国。ひとりでいると、部屋が広く感じるよ。って、本当に広くなってるし! お別れした後の定型ともいえる台詞、状況描いて見せて、それ全然気のせいじゃないよって逆転してみせる。『マチルダ!』は確かにこうした手口で見せる漫画だったけれど、冒頭の一本は見事にやられてしまいました。今回は、マチルダのいたころをあやに振り返らせながら、徹底して感傷にひたらせない。ちょっと可哀そうな気もするけど、でもこれがこの漫画のらしさなんでしょう。最後に、マチルダが帰ってくるよって展開になって、ああまだ続くのか。これは私にとっても嬉しい便りでありました。

  • 『まんがタイム』第30巻第10号(2010年10月号)

2010年9月6日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年10月号

『まんがタイムジャンボ』2010年10月号、一昨日の続きです。

『パドラーズハイ』、大会当日です。初っ端から、先生の蛾が苦手設定出てきて、そうでしたそうでした、あの嫌いようが本当にいい感じ。でもって、大会の様子なんですが、本当にこんな風にしてる大会ってあるんでしょうか。最初に料理を作る。それで半分、お隣と交換する。親睦もはかっているからっていうんですが、本当に楽しそう。髪をまとめた先生は可愛いし、弟への嫌がらせにグリーンカレーを投入するあいちゃんもいい味出してるし。あの、水転メンバーがいける、うまい! といっている、そのコマがなんだか好きです。

調理コンテストが終われば、いよいよラフティング本番で、視差を調整する、難関のゲートに挑戦するも撤退を余儀なくされる。ラフティングの知識伝えて、またその実践を生き生きと描いて、やっぱり面白いなって思うのですね。

で、特別編。以前紹介されていた、ラフティングの世界大会。なんと、日本のチームが総合優勝をはたしたらしい。すごい。というか、プロチームなんですね。実績もすごい。で、このチーム・テイケイがゲスト出演する漫画、いつもの四コマとは違うダイナミックな表現、ああ、すごいなって、面白いなって。それに、あの2段階発進、あれも面白い。本当に魅力的な掌編でありました。

『あまぞねす?』、ピースラ社、再登場です。新人ふたり、こずえとユカが客先に出向いて、大丈夫なのか!? ふたりの能力も心配だけど、向こうの担当者、この人もまた心配で、具体的な要望がまるでない。ああ、一般的なクライアントだと思います。それで、雰囲気トークして、わかった風に見せながらなんもわかってないっていうね、はったりなんだけれど、こういうの面白い。その見せ方も大変よかったです。

『剣道ガール』、とりあえず最終話、だそうです。とはいえ、多分戻ってくることはないんだろうなあ。わりと好きだったんだけどなあ。残念です。弱いけど剣道に打ち込んでいるヒロインと、やたら腕のたつ幽霊。ベタといえばベタなんですけど、彼女らの醸し出す雰囲気、それは悪くなかった。ちょっとごちゃごちゃしてる、そんな印象もあったんですけどね、それでも楽しみにしてたところあったんですね。

『おしのびナース』、ゲストです。忍者でナース。それからお医者もひとり忍者みたいです。とはいえ、なんだか超常能力者といった描写。天井で眠り、分身の術を使う。そして、雲を突き抜けて星空に出る。こうしたオーバーな表現に、戦場とも思える看護の現場や、拷問なみ採血とか、からめて、こういうの面白かったです。申し訳ないけど、絵柄や表現に好みではないなと思うところあったのですが、それでも漫画全体としては悪くないかもな。そう思えるところありました。

『オトメベヤ?』、兼業小説家と専業漫画家ふたりの同居もの。BL作家ふたりといった方がいいかも知れませんね。小説と漫画という媒体で違ってくるペンネームの傾向であるとか、兼業だからこそ締め切りを守る、専業だけど守れない、これは性格の違いでしょうけど、そうした違いの描かれるところ、面白いかもと思いました。けど、私はこういう題材好きだからいいんですけど、好きじゃないっていう人もあるでしょうから、残るかどうか、それはわからないって感じ。けど、残ってくれたらいいなと思っています。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第10号(2010年10月号)

2010年9月5日日曜日

『まんがタウン』2010年10月号

『まんがタウン』2010年10月号、発売されています。本来は5日の発売が、今月は5日が日曜だったからその前日、4日土曜に出たのですね。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。しんのすけが一番前に、後ろには野原ファミリーが。ちょっと家族スナップ思わせるイラストです。そして右肩には佐野妙の新作『しましま日誌』のヒロイン、島野望のカットがあって、新連載の告知がなされています。

『無敵なおかん』、神奈川のりこ、新連載です。東京に住む主人公家族のもとに、大阪から母がやってくる。夫の母。ものすごくマイペースで、服の趣味とか価値観などもろもろがあわない。そんなカルチャーギャップものですね。ちょっと迷惑、けど悪い人じゃない。できれば同居したくないけど、母は住む家を失ってここにやってきたものだから、同居せざるを得ない。いろいろ合わない嫁姑ものでありますね。

『しましま日誌』、こちらは佐野妙の新連載です。『二十四の瞳』を思わせる新人教師もの。離島の高校に臨時採用された島野望。家族に心配されながらも、新しい職場に赴く、そんな望先生のカルチャーギャップものでしょうか。これまで住んでいたところとは、あまりに違いすぎる土地での、慣れない暮らし。まずはその洗礼を受けましたといったところです。

以上2作ともに、まだ導入といったところ。これからどうした展開になるのか、それは次号以降でありましょう。楽しみにしたいと思います。

『鎌倉ものがたり』は、最近問題視されている所在不明の高齢者。生きていたら百何歳とかわあわあやってますけれど、それを西岸良平がとりあげたらこうなりますという、まさに面目躍如たる一本でありました。

戸籍に残る超高齢者たち。鎌倉市にはそれがやたら多いから確認してきたまえと命じられた窓際万平。さすが西岸良平といいますか、その大半が生きている。死んだままゾンビとして在住している(むしろ元気そう)。魔物だから普通に生きている。最高年齢798歳。こういうネタが生き生きとしている、そう感じられる面白さがありました。けれど、時事問題をコメディにして、ただ面白いだけに終わらせないのも西岸良平であります。窓際氏の昔の思い出。子供のころに生き別れた祖母の消息、それが明らかとなる、その様子、ああ人情ものとはこうしたものであるか。なかなかに訴えるものあり、いい話であったなと思ったのでした。ええ、とても面白かったです。よかったです。

『みねちゃんぷるー』、なんか面白いことになっています。峰が雅を好きと気付いた。それで、ちゃんとガミガミ君に決裂宣言? 宣戦布告? しっかり自分の気持ち、今の状況伝えて、それでライバルとしての友情深めあうっていう、このふたり、実にいいキャラクターしています。もう、大好き。で、雅がわりを食う。雅一家巻き込んだヨメ決定戦がおこなわれ、わかばまで参戦。で、予想どおり、わかばがどえらい強敵というのがおかしいんですね。きっとわかばは面白がっているだけだろう。そう思いながら、峰とガミガミ君、ふたりの雅を取り合おうと頑張りすぎる、その結果、どのようになるんだろうなって、雅を気の毒に思いながら、同時に楽しさ感じられてならないんですね。

  • 『まんがタウン』第11巻第11号(2010年10月号)

2010年9月4日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年10月号

『まんがタイムジャンボ』2010年10月号、発売です。表紙は『じょしもん』をメインにして、これはカヤック? カヌー? それともラフティング? ボートに乗った美々がパドルを手にして、なかなかにスポーティなイラストであります。周囲には、『パドラーズハイ』から先生、『おねがい朝倉さん』から朝倉さん、どちらも表紙のテーマに関係してるのかな? そして『はなな大増刷』、『ヒツジの執事』から主役がピックアップされています。いやね、このナントカ復帰。私、すごく、ものすごく喜んでいるのですよ。

『でり研』、合宿の続きであります。前回は海原、そして今回はあきらと接近する大仏くん。この漫画は、大仏くんがサークルの女子たちにもててもてて困っちゃーう、っていう展開になるのか!? などと思ったんですけど、どうもこの女子、浦飯屋と大仏くんを比較して、それで大仏くん、いいよね、となってる感じがありますでしょう。つまり、ええい、羨ましいな! しかし、あきらさんは思い切った娘さんだな。ちょっと無茶目なハーレム展開を、あえて自分から沈静化させてさせてしまう大仏くんの真面目さ、それがよいのかも知れません。そして、合宿仕様の南部長、すごくいい感じ。でも踏まれたいとかは思いません。

『天文むすめ』、3回ゲストの3回目。山での合宿、前回はオカルト、今回は昆虫採集メインって感じですね。さて、自称宇宙人の女の子、レティちゃん、どうもこの子、ただの不思議ちゃんではないようだよって語られて、なんだかちょっといい感じ。それに、ひとりの怪我にみんなで心配するっていう、その様子もとてもよくって、仲のよさがうるわしい。ええ、すごくいいと思います。しかし、レティちゃんはそういうことなのか。ところで私、地球の女に飽きたところです。

『輝け☆星の川高校自由形』、ゲストです。水泳部もの。変な水泳部。双子の姉双葉を心配して、一緒に入部した翼。熱血求愛あり、お色気発言あり、微妙にセクハラもありで、にぎやか元気な漫画であります。キャラクターの個性は強めに押し出して、それで引っ張っていこうという、そんなタイプの漫画のようです。可愛らしい絵柄。変を変として押しているそれがちょっとわざとらしいけれど、うまく馴染んで落ち着いたら、そのあたりも気にならなくなるように思います。

『ヒツジの執事』。ナントカさん、復帰ですよ。完全にサフォークメインでありますが、これは嬉しい。単行本の続編が出るとは聞いていたのだけど、こうして連載が復帰すると嬉しさもひとしおであろうなあ。いや、ほんと、すごく嬉しいのです。実際、単行本は売れたのか。その後もろもろ反響あったのか、それはわからないのだけれど、続刊が出て、こうしてゲスト掲載? もされて、実に嬉しいです。

内容は、今年の暑すぎる夏を思わせるもの。夏風邪をひいてしまったサフォークの、自前の羊毛に苦しめられている様子がおかしくて、どんどんおかしくなっていくところなど、絵柄含めたおかしさ、かなりのものでありました。

これがゲストなのか、反響あればまた掲載もありうるのか、それはわからないけれど、好きだ、面白い、よかったという声は届けたいと思います。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第10号(2010年10月号)

2010年9月3日金曜日

ぱんつぁープリンセス

 書店にて新刊探していましたら、平積みに見付けたのが、下から若干見上げた構図、パンツの見えているお嬢さんの表紙でありました。で、パンツには黒丸で隠しが入っていて、それ見て私は、こういうのんで目をひこうだなんてなげかわしいなあ、嘆いたんですね。しかし、これ、なんて漫画なんだろう。タイトルは『ぱんつぁープリンセス』。作者は鬼八頭かかし。ああ、鬼八頭かかし! これは買っとかないといけない。購入したのでした。

で、それはいいんですが、Amazon.co.jpに画像がないのは、表紙のパンツのためでしょうか。そういえば、『魔法の呪文を唱えたら』の1巻も、表紙画像用意されてませんでしたっけ。

(いつの間にか画像が追加されてました!)

さて、『ぱんつぁープリンセス』。これ、コモンズ王国のお姫様が、王家に伝承される魔法を完成させるべく、お供をふたりつれて旅に出る。そういう漫画なんですが、そのいく先々で悪党をやっつける、決め手はパンツにプリントされた王家の紋章。頭が高い、ひかえおろう! ええ、水戸黄門のパロディなんですね。

とはいえ、こうした水戸黄門パロディの要素はあまり前面に出ておらず、見どころはといいますと、ううむ、やっぱりパンツなんでしょうか? さすが学研、ぱんつに関してはオーソリティだぜ。やっぱりこの漫画にもパンツをはじめとする露出、そこそこありまして、剣劇魔法取り混ぜたアクションと露出で押し込んでくるって感じであるんですね。そもそもにして、ヒロイン、ミーティア姫の習得しようとしている魔法の体系からしておかしくて、その名も羞恥魔法。脱げば脱ぐほど強くなる。恥ずかしさが増すほどに魔法の威力も増すという、なんだそのアホな設定は! ミーティアの決め魔法も羞恥雷撃、シューティング・サンダー。けど、こういうのをやることこそが鬼八頭かかしに求められていることで、またご本人の求めることでもあるのでしょう。

とはいえ、パンツ一辺倒というわけでもなくて、そうした見せ場を確保しつつ、敵国の存在であるとか、また秘宝を巡る思惑など、物語を見せて盛り上げる工夫されていて、こうしたところもこの作者らしいところであると思っています。アホな設定で、けれどアホばかりでもない。そのアホでないところ、こうしたところにも私はひかれているみたいなんですね。ええ、もちろんアホなところにもひかれていますよ。けど、アホ一色ではない。それが結構重要なのだと思います。

引用

2010年9月2日木曜日

『まんがホーム』2010年10月号

『まんがホーム』2010年10月号、発売です。表紙には十五夜でありましょう。うさぎを抱いた『らいか・デイズ』らいか、うさぎコスプレの『つくしまっすぐライフ!』なずな、そして『夫婦な生活』の夫婦ふたりであります。らいかはかぐや姫でしょう。和風、雅なお姫様。着物には月、笹、それから団子? があしらわれています。

『センセイあのね?』、ゲストであります。高校2年生のお嬢さん、加藤つぐみさんがヒロイン。ボーイッシュな女の子、笑顔が素敵で、後輩女子から大人気。陸上部の短距離選手で、王子様でもあるらしい。でもね、凛々しいタイプの女の子というよりも、可愛い少年風。いや、でもやっぱり可愛い女の子であると思いますよ。いや、ほんと。

この、つぐみさんが、石沢先生にかわいいといわれたことで、なんだかどきどきしちゃったり、きゅんとしちゃったり、そんな話みたいなんですね。でもって、そんなつぐみさんがどえらい可愛いときたものだ。もう、扉の時点で陥落してたのが、本編読めば追い討ちの連続でありましたもの。四コマ漫画的テンポにはちょっと欠けるけれど、なかなかに面白そう、よくなりそうなんじゃないかなと期待してしまう。そんな第1回でありました。

『恋に鳴る』、山名沢湖のショートストーリーなのですが、これが第8話。ええーっ、もうそんなにやってたのか。今回は凝視する女の子。こういう凛々しい感じの女の子、いいなあと思って読んで、それで実はなんだかわあわあとちょっとにぎやかな子でしたという、いやいや、可愛いですよね。山名沢湖のヒロインは、いつだって可愛いので、もう大好きでありますよ。しかし今回は、じっと見つめている、それできっと目の前の男のことが好きなのだろう、そうヒロインのこと誤解してた主人公が、実はまるで逆、自分がヒロインのこと気になってたんだって気付く、その状況のひっくりかえるところ、面白かったです。この逆転を自然と受け入れさせるのは、つまりはヒロイン臼井の可愛さなのであるのかも知れないなあ。などと思ったのでした。

『ゆとりの手もかりたい』、今回は伝書鳩。しかし、伝書鳩について、結構ちゃんとしていますよね。脚環に手紙入れて、鳩を放つ。帰巣本能を利用しているわけだから、外から自宅のゆとりに連絡つけるのに使う。でもって話はデジタル・ディバイドの此岸と彼岸といった方向に展開して、古い情報、古い印象、あるいはまったく今の動向を知らないゆとりが、いちいちたかこさんを誤解する。お嬢様とゆとりは、ICTなるものに遠く隔たっていたのだけれど、そうした便利がなくっとも、繋がるものはありますよという、こういうしめかたはとってもよかったです。

『こむぎみっくす』。こちらも機械が苦手という話。 で、苦手なのはお母さん。ああ、あの夫に厳しいママさんですね。いい逆襲のチャンスと調子にのったパパが、しっかり罰を受けるっていうね、こういうところいい感じ。というか、ちょっと怒ってるママさんが可愛いんですね。最近は、家電も携帯電話も使いやすくなっているっていいますけれど、それでも使えなくって、4歳の娘に頼るっていう、そうした弱味見せるところなんて、実にいいじゃありませんか。で、苦手を克服すべく頑張ることになって、嫌んなりながらもなんとかメール一本打って、送って、それを受けたパパの様子がよかったです。ああ、本当に妻のこと好きなんだな、大切なんだなってわかる。そうした愛情の描かれ方、素直だったり素直になれなかったり、これが一味そえているなって思うのでした。

  • 『まんがホーム』第24巻第10号(2010年10月号)

2010年9月1日水曜日

大正野球娘。

  アニメ『大正野球娘。』、ただいまBS-TBS放送分を一年遅れで視聴しておりまして、第6話「球は広野を飛び回る」、ちょうど半分を見終えたところであります。さて、『大正野球娘。』は努力練習の連続が光る野球アニメであったといっていたわけですけれど、また同時に必ずしも努力が報われるわけではないよともいっていました。実際、目標に向かって頑張っている彼女らですが、その頑張りがすべて報われたというわけではなかったんですね。そして私は、報われなかったからこそ、このアニメはよかった。そう思っているのであります。

すべての努力が報われるわけではない — 、第5話「花や蝶やと駆ける日々」のテーマがそうしたものだったと思っています。ええ、胡蝶です。胡蝶ははじめ陸上部でリレーの選手を目指していた。けど、その夢を掴むことはできませんでした。才能がなかったのかどうかはわからない。あのまま続けてたら、後半での追い上げにも負けない、そんな選手にもなれたかも知れない。けれど、彼女は考えたあげく桜花会に転身するんですね。

私はこの回がすごく好きです。練習が光っていました。基礎練習の走り込みやってるストイックさの中に、繰り返し同じシーンを見せる面白さがある。人力車でレースするという、文句なしに楽しいシーンがある。そして、胡蝶のことがある。壁に直面していた彼女 — 。

誰しも挫折した経験ってあると思うんです。やりたいことがあった、なりたい自分があった、けれど断念せざるを得なかった。ええ、私にもあります。演奏家を目指して大学に入ったけれど、芽が出そうにない、研究に転じた方がよいのではないか。担当教官と話して、学科を変えたのですね。そうした過去があったから、胡蝶のことを自分のことのように感じていたのかも知れません。ひとごとではあれなかった。アンナ先生のとりあげたグラハム・ベルの扉の話。可能性は常にどこかで開かれていますよという語りかけには、見ている私にしても胸を打たれるものがありました。ええ、とてもいいエピソードであった。何度見ても思います。

そして、もうひとつ。努力が常に報われるわけではない、それは彼女らの試合もそうでありました。最終回、工夫と努力で掴んだ序盤のリード。それを失っても、食い下がった彼女ら。今、野球ができることが嬉しい。最後になるかもしれないこの機会を大切にしたい、その一心で果敢に立ち向かって、そして同点なるか! ヒロイン小梅の滑り込み。アウトか? セーフか?

わずかに届いていませんでした。ええ、負けてしまうわけです。

けれど私は、負けてしまったからこそ、このアニメはより優れたものになったのだと思っています。彼女たちの目標はなんだったのかを考えてみればわかります。野球で女子は男子に勝てるのか? ええ、野球で男子に勝つ、これが彼女たちの目標だったら、このラストでは不満でしょう。しかし彼女らの目標、それは女子が人として男子に対等であると認めさせる、というものでした。野球で勝つというのは、目標ではなく手段であったのです。

もし彼女らが勝っていたら、岩崎ら男子は彼女らを認めてめでたしめでたしでした。もちろんそれでもよかったわけですが、実際には彼らは勝ってなお彼女らを認めてめでたしめでたし、でした。そうなんですね。彼ら男子は、負けたから彼女らを認めたわけじゃないんです。野球では男子が勝った。しかし彼らは試合を通じて彼女らの頑張り、気迫を知り、勝敗なんか関係なしに、とっくに彼女らを認めてしまっていたんですね。彼女らに対し真剣に勝負しようと誓い合うことで、彼女らへの敬意を表した彼ら。彼らにあの気持ちを起こさせた時点で、桜花会彼女らの目標は果たされていた。野球の試合には勝てなかったけれど、人としての尊厳を賭けた戦いでは見事に勝利を収めていたのです。

試合に負けて勝負に勝つというラスト、これが結果的に、どちらが勝者で、どちらが敗者であるだなんてことを、とてつもなく小さなものにしてしまったと私は感じています。ラグビーにいう、ノーサイドの精神。勝敗というものを超えた和解、試合が終われば敵も味方もない、皆、対等の仲間なのだ。そうした爽やかさ感じさせるラストは、野球に勝つために続けられた努力の連続、それが報われなかったからこそ得られた、そう思っています。負けてなお凛々しい。負けたからこそ女性の尊厳というテーマは際立ち、彼女らはより一層に輝きをみせることになった。私はそのように思っています。

コミックス

  • 伊藤伸平『大正野球娘。』第1巻 神楽坂淳原作 (リュウコミックス) 東京:徳間書店,2009年。
  • 伊藤伸平『大正野球娘。』第2巻 神楽坂淳原作 (リュウコミックス) 東京:徳間書店,2009年。
  • 伊藤伸平『大正野球娘。』第3巻 神楽坂淳原作 (リュウコミックス) 東京:徳間書店,2009年。
  • 伊藤伸平『大正野球娘。』第4巻 神楽坂淳原作 (リュウコミックス) 東京:徳間書店,2010年。
  • 以下続刊

CD

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DVD

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