2010年9月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号

『まんがタイムきららMAX』2010年11月号、発売です。表紙は『かなめも』。ハロウィン表紙ですね。魔女の衣装着たかな、みか、代理の三人で、みかのかぼちゃ帽子、これなんかすごくいいなあ。衣装の黒が効果的に画面を引き締めて、素敵だと思います。また、この黒があるからこそ、みかのオレンジがアクセントになるのかも知れませんね。それはそうと、代理の帽子についてる耳がえらいこと可愛いです。

『きんいろモザイク』、前回のホームシックって、こういう展開するための布石だったんか。金髪さんが増えました。うわあ、やったあ。見境のないしのが素敵。まったく躊躇なく深く踏み込んでいく。あたかも昔からの知り合いのように! しかし、意外と背が高いんだな、しの。さて、アリスの友人、カレンに興味津々のしの。それでアリスがやきもち焼いて、ええい、もう、やたら可愛いなあ。表情やら発言やら、そうしたもので、ああ右往左往してるなって様子がちゃんと伝わってくる、それがいいなって思うのです。名前の話とかもいい。なんでもない、他愛のない会話といえばそうなんですけど、そうした会話に面白みがちゃんとある。そうしたところが気に入っています。

『LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、前回読んで、コミュニケーションが微妙にうまくいかない、そんなやり取りを前面に押し出していくのかと思っていたのですけど、いや、もう、まったく違いましたね。ものすごく真面目にトレーニングしています。そして、初っ端のLSDって気持ちいいっ! これは面白かった。このLong Slow Distanceっての、実際にある用語なんですね。知りませんでした。

それで真面目にトレーニング。ランナーズハイとその後、足が動かなくなる。震えてしようがない、っていうの、ああ昔、高校生のころ持久走でなったことある。足がもう全然あがらなくなるんですね。気持ちは走ろうとしてるのに、体が全然ついていかないっていう、ああ、なんかいろいろ思い出しましたよ。こうした描写に加えて、経験者と初心者の差、それはもう圧倒的なのかと思わせてくれる。いいですね。しっかりした陸上部ものとしての描写があって、そして浅見さんなど、ちょっと色物っぽいネタがあり、実にいいバランスだと思います。連載になって欲しい。ええ、本当にそう思います。

『けいおん!』アンソロジー。おお、こっちも終わるのか。もっとひっぱるかと思ってたのに。意外にドライですね。さて、今回は真田一輝、茶菓山しん太、未影の御三方です。茶菓山しん太の「下級生」は、梓ひとりが残された軽音部。そのこわれっぷり、素晴しいです。ネタを絵でもって、展開の仕方、見せ方でもって、何段も面白いものに変えている。ええ、見事でした。あの大落ちも素晴しかったです。

でもって未影「えぬじょ!」、先輩なのか。あの、ちょい吊り目美人さん、この人の絵にはすごくマッチすると思う。でもって、好きが高じてかなりおかしい人になっている。ええ、見事見事。この異常な愛の発露、しかし本人目の前にするとてんでだらしないっていうの、可愛くっていいじゃありませんか。けど、現実にいたら困りますよね。漫画ならではで、それがすごくいい。そういう味、好きなんですね。

『ラッキーストライク!』、扉が部長のお姉さんですよ。ボウリング誌の表紙みたいですね。期待の新人だったころ? で、作者の名前がイラストに溶け込んでしまってるの、なかなかに面白かった。って、これはネタじゃないと思うんですけど。

さてさて、本編。雑誌からマイボールへ、マイボールからスコアへ、そして点数計算、ルールについて自然と話題がうつっていくのですが、なるほど、次のフレームでストライクを取る、じゃなくて、そのフレームの2投目でストライク取るっていってたのか。最初が0で次が10、つまりスペアのことですね。で、スペアとストライクの違い。またストライクだとなにがいいのか、スペアなら? いやあ、全然知りませんでしたよ。ストライクだと10点加点、スペアだと5点、とかいう風になってるかと思ってたら、違うんですね。次の1投、ストライクならさらにもうひとつ、それが重要になってくるのですか。いや、ほんと、ためになります。ありがとうございます。

解説するレイレイ、静かに怒ってるレイレイ、スペア4つで良いですといってちょっと笑ってるレイレイ、そもそも撫で肩で華奢なレイレイ、素敵です。そして練習。部長のお姉さんに頼るわけですが、いやあ、なんかにやにやしてしまいました。具体的な目標(今回なら130点)が示されて、そのために練習する。その練習においても、具体的な課題、指摘がなされる。実にいい。なるほど、そうなのかと思う、そして、こういうところもいいのですけど、ただ説明に終始しているわけでもないところ。説明や練習の風景にも面白さやキャラクターの個性がしっかり表現されて、ええ、いい漫画だと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第7巻第11号(2010年11月号)

引用

  • ほた。「LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす」,『まんがタイムきららMAX』第7巻第11号(2010年11月号),57頁。

0 件のコメント: