2022年1月31日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号、昨日の続きです。

『ニチアサ以外はやってます!』

大人になりきれていないタチバナ。学生の頃が、特撮研で皆と過ごした日々がタチバナにとっては忘れがたく、離れがたかった。けれどいずれ卒業し、大切な場所からも巣立たなければならない。その現実を認められなかったんだなあ。だから、私の特撮研を守るために、現役生にあんな仕打ちをしてしまった。

そんなタチバナにお声がかかりましたよ。現役生からの呼び出し。いったいなにごと!? めちゃくちゃビビってるんですけど、ほんと、あんなことしちゃうから。しかも素面だとうまく話せないって、先生、いつも授業はどうなさってるの!?

吊るし上げとかじゃなくてよかったですね! 短編映像完成の打ち上げに誘ってもらえた。今日は土曜日、明日のニチアサまで徹夜特撮パーティーだというんですが、こうして皆の輪にもいれてもらえてめでたしめでたし? いや、完全に許されたわけではないのか。こういうシビアなところ、いいですね。まあ、気持ちってのはそうそう簡単なもんじゃないですからね。

この打ち上げ、深夜の情景。あかねと博見との会話。これがよくって、廃部を回避できたことを嬉しく思いながらも、これからどうなるか、自分たちにうまくできるのか、その不安にさいなまれてることをあかねに告げるんですよ。それを受けたあかねの真っ直ぐな気持ち。ああ、博見にとってあかねはリアルヒーローなんだな。そんなこと思わせてくれる瞬間でした。

そしてタチバナには博見の姉が。いやあ、後輩にたしなめられる先輩、しかも現役教員っていうのもなかなかにあかんものありませんか、タチバナさん! けれど、大人でも間違ってしまうことはあるし、そこからののびしろもまだまだあるんだよ。そんなメッセージ感じたように思いました。

そして翌朝! ニチアサ寝過ごしの悲劇! タチバナひとり起きて見てたっていうの、起こさなかったのね! ああ、株が下がったよ! 先生、株が下がりましたよ! タチバナの挽回がさらに遅れそうな予感です。

『紡ぐ乙女と大正の月』

旭から呼び出された紡。痴情のもつれからの凶行!? いや、そこまでヤバい話ではありませんでした。

クリスマスから唯月の様子が変わった。それを受けて紡を問い質すんですよ。そうしたら出てきた、ふたりだけのクリスマス会とプレゼント。そこから語られる華族令嬢の置かれている状況。ああ、これは平成令和の世に生きている紡には、それから私にとっても、なかなか理解の及ばない、そんな境遇だろうと思う。家のために、親の決めた相手と結婚する。自由恋愛もあった時代ですけどね、でもそうした生き方は唯月たちには許されていない。旭にも初野にもそうした自由はなかったのかもなあ。

これまでは自分の境遇を受け入れていた唯月が、紡との出会いで変わってしまった。旭の当初思っていたよりもずっと大きく、ラディカルに変わってしまった。唯月を変えてしまった紡には、その大きさがわかっていない。旭の感じるもどかしさと、どこまでわかっているものなのか、それでもあえて唯月に関わり続けることを明言する紡。その言葉は根拠に欠ける甘いものでしかないのかも知れないけれど、旭には響くものあったようですね。唯月にとどまらず、旭がつらい目にあっていても手を差し延べる。これが分かれ目だったのでしょうか。旭、紡を認めてくれたようなんですね。

しかし唯月がいくら変わっても、いくら紡がなりふりかまわず奮闘したとしても、できることには自ずと限界がある。となると、唯月に許された2年の刻限と、そして否応もなく降り掛かる歴史的大事件。それが唯月と紡の運命を決する出来事になるのか否か。

我々は、彼女らの辿る時代の先を知っていますからね。激動の時代がくる、それが彼女らになにをもたらすのか。その時も紡は彼女らとともに立ち会うことになるのか。正直知るのが怖いのです。

2022年1月30日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号、一昨日の続きです。

『RPG不動産』

ひとり屋敷に残されたルフリアのもとに現れたのはサトナ。ああ、ルフリア、言葉巧みにサトナのもとに引き込まれてしまいましたよ。私との約束が守られるか試していた。合格したルフリアを私の側近として迎え入れる。ああ、サトナに心酔しているルフリアです。こういわれちゃあひとたまりもないでしょう。かくしてルフリアはサトナのつかわした馬車に乗せられて、いずこかへ移動。これ、対琴音の切り札として使われるのでは? いや、サトナは琴音が地下から脱出したことにまだ気づいていないか。いずれにしても、今後望ましくない対立が生じそう。嫌な予感がします。

そして琴音はというと、脱出に手を貸してくれた子ドラゴン。ああ、残念、子供だけになかなかいうこと聞いてくれない。食べるの優先、遊ぶの優先で、もうすっかり手を焼いていたのですが、よかった、なんとかアリスと落ちあうことができました。

アリスから聞かされるサトナのたくらみ。はたして姉セレニアが得た情報とはいかなるものなのか。と、ここでまさかセレニアの介入が!? 人を信用できないセレニア。琴音とラキラに敵意を示し、それをまた敵意で受けるラキラ! ああ、こんなことしてる暇なんてないのに! この無用な戦い、いかに収めるのか。琴音もアリスもふたりをとめられずにいるこの状況。なんとか落ち着いてくれないことには、いよいよ先がなくなってしまいますよ。

『恋する小惑星』

大晦日、あおの両親が帰ってきました。というか、みらの家に泊まるというんですけど、実家のようなくつろぎよう! いいですね、こういう関係。実際、娘を預けるほどに信頼関係ができているんですから、こうして家族同士のつきあいも良好になるの、自然なことだと思いました。

さて、今回はあおの両親からのプレゼントですよ。知人から譲ってもらったという望遠鏡。反射望遠鏡で赤道儀まで! 結構本格的なのでは!? あの望遠鏡を見た途端テンションがあがって、気持ちがそっちに向きっぱなしになるあおとみら、めっちゃ気持ちわかる! お父ちゃんのことも目に入ってない感じ? でもピッカピカに磨いておいたんだっていわれて、ありがと! 助かります! この反応のクイックさ! めちゃくちゃ面白い。でもやっぱりちょっとお父さん、蚊帳の外感はありますよね。

さて、思いがけず手に入った望遠鏡で急遽年越し天体観測会。プレアデス星団を皮切りにというんですが、和名のすばるから古典の話題に展開していくところなど、このご家族、学があるなあ! あおの母なんて、枕草子をそらんじる。すごいな、教養ってやつですよ。

星の話題を広げていきながら、ただ星を見るだけにとどまらず、冬はシリウスの南中で日が変わるなど、大晦日らしい話題も出てくるのが悪くなかったです。そして翌朝、初日の出をおがむみらとあおのふたり。というんだけど、太陽グラスを装備して初日の出迎えてる人とかそうそういないよね! こうした見た目にも面白いの、天文部あるあるなのかどうはわからないけど、笑みのこぼれる、そんな描写だったと思います。

『mono』

重版出来。6千部の重版が決まって嬉しい春乃。生活に直結するからそりゃあ気になる話題でありましょうなあ。でも部数から計算した額の十倍くらい振り込まれていて、ああ、これは振り込み額の桁間違いってやつですか!?

いいえ、違いました。なるほど電子書籍の売り上げ分が加算されてるんだ。なるほど昨今はこんなこともあるんですね。

しかし、漫画家というと個人事業主でしょう? こうして得られたお金から税金とか社会保険料とかもろもろ引かれるから大変よね。だからなかなかぱーっとは使えないって聞きますよ。とか思ってたら、春乃さん、すごい堅実! あれもこれもと思い描いた使い道、とりあえずばっさり切り捨てて、仕事道具から整えよう。ええ、ほんと堅実。こういうところ、漫画家のリアリティなのかも知れませんね。

漫画家のリアリティというと、購入したタブレット。ペンがすごいやつっていうからあれかな? と思ったら、コンニチワっていってるから、あー、やっぱりあれだな。で、左手デバイスの接続がうまくいかない云々って話になっていくの、ああ、これも漫画家のリアリティなんだろうなあ。

とか思っていたら、まさかの自作キーボードの方面に向かっていくのがこの漫画。いやいや、自作キーボード作ってる人たちがいるのは知ってるけど、これは漫画家のリアリティではない気がする……。

こういう微妙なありそうから、それはあるんですか!? いや、ないですよね!? に飛躍していくところ、さすがだと思いました。けど実際のところ、作者は左手デバイス用のキーボード、自作してるんでしょうか。してたらすごいですよね。なんかしてそうです。

2022年1月29日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年3月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年3月号、一昨日の続きです。

カントリー少女は都会をめざす!?

バレンタインデーを目前として、八重、大人気じゃないですか。なにかと思ったら、チョコレートの情報、有名店とか人気商品とか、アドバイスしてるんだ。でも本人は食べたことない。食べたら感想教えてねって、ほんとにこの子、体験よりも情報重視だな! あかん、あかんよ、ちょっとは体験してみないといけませんよ!

でもね今回の八重のトーク。貰ったチョコについての知識があると、くれた人を喜ばせるようなコミュニケーションも可能だよっていうの、うわ、これすごい説得力や。だよなあ。くれるの? ありがとう。だけじゃなくて、これ、どこどこの人気のやつよね、おいしいって有名なやつよね、そういって話題を膨らませることができると人づきあいの質はぐっと上がるぞ! うん、八重に教えられました。八重先生です。

亜紀のバレンタイン、この偏りも面白い。推しキャラが推しキャラにチョコあげる日なんだ。描きおろしイラストが拝めたりする日なんだ。いや、バレンタイン特別ガチャで集金される日かも知れんぞ! ともあれこれら八重には縁のなさそうな情報に触れて、悲しいことだけど私は亜紀寄りだと実感させられました。現実方面にはとんとかかわりを持たん部類です。

とまでいったところで、八重は八重で現実寄りの情報集めてるだけで、現実にコミットしてるわけじゃなかった! ああ、亜紀とは違うタイプのオタクなんだなあ八重。ふと合点がいってしまいました。

『通勤通学クエスト』

久しぶりに柏木が松島と一緒にいますよ。いや、漫画で描かれなかっただけで、毎日こうして通勤通学途中に話したりしてるのかな?

さて今回の話題は竹重です。中学生のタケちゃんと柏木の同僚の竹重。そう、先月の話の続きですよ。松島、ずっと竹重父に兄だってたばかられてたんだ。見た目にも若い竹重。これ、ただ童顔なだけかと思ったら、化粧水とか使ってアンチエイジングしてるんだ! びっくり。思いもしない几帳面さ、マメさが見えてしまいました。いやあ、もっといろいろ自堕落で適当な男かと思っていたんですよ。

タケちゃんのおじさん趣味、おじいちゃん趣味、その根本にある竹重父の影響。あー、大人気ない父への反発心が落ち着きある大人の男性への憧れに繋がってるんだ。この話題、以前にもありましたけど、実際に父のイメージが固まるとずっとわかりやすい! でも、それで大人の男性と見ると紹介してというの、なんか危うくて怖いよ!

そしてラストの状況。女子中学生に電車内でゆすられるサラリーマン!? いやもう、なんともいえん絵面。さすがに居合せたお姉さんも戸惑いますよね。

『とびだせT.O.Z』

おかしなトレーニングメニューに打ち込む兄貴。これ、マナに認めてもらいたい一心での行動なのか。なんとしてでも妹に認められたい。それがインターハイを目指す動機。そしていつしかその思いは、マナを見返したいというまでに育って、マナの応援、いや叱咤や鼓舞を拒否し、自分ひとりでやるという気持ちに凝り固まるようになってしまっているんですね。

でも今回、その兄貴の思惑と、兄貴のおかしなトレーニングをとめるのをやめたいマナの気持ち、それが自然と合致しちゃって、結果マナは兄貴の監視からはずれることに。

今回ラストのマナと兄貴のあいさつしながらすれ違うコマ、あれが象徴的だったと思います。ふたり離反してしまったわけではないけれど、これまでの関係とはもう違ってしまったということが明確にされたシーンだったと思います。

2022年1月28日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年3月号、発売されました。表紙は『RPG不動産』。バレンタインデーあわせ? チョコレートカラーのストライプが可愛い衣装。緑にピンク、そしてあしらわれた花もあいまって、春っぽい華やかさ感じさせます。ふたりの上にはプカプカと浮かぶ風船が、丸やハート型と賑やか、楽しい雰囲気をかもしだしています。しかし琴音とファー、しあわせそうに微笑んで、なんて素晴しいのでしょう。ふたたびこうして楽しい時間を過ごせる日がくること、祈る思いです。

今月は新規ゲストが3本です。

『メールブルーの旅人』

人類が滅びた世界にて、ひとり生き残った研究者の情報サルベージ計画? 人類の残した情報の海にダイブして探索をするAI搭載人型探査機クマノミ。クマノミは機械の体を持っているのかな? あるいはその体もグラフィック? でもハカセを投げ飛ばしたりできるんだよね? ってことは実体あるのか。

情報の海、メールブルーに接続、ダイブすれば、その体もこちらの世界から消え去ってしまう。多様な情報世界のあるメールブルーにて探すはハカセの祖父のデータ。けれど接続できる情報世界はランダムで選ばれるのか。しかも時間制限あり。結構大急ぎで調べる必要があるのかな? そう思ったら、意外とゆったりと時間を過ごしていますよね。ええ、これは探索というよりも、繋がった情報世界の住人とのコミュニケーション。出会って知る人の思い、そうした感触がより濃密でした。

今回繋がった情報世界は「隔離」という概念がモデル化されたもの。住人ひとりひとりが隔離されている世界。ひとりで暮らし、決められた労働をすれば、食料など生活に必要なものが支給される。ハカセいわく、過去の記録の再現だろうとのこと。でも、こんな生活を実際にやってみたら、次の世代が生まれなくて一代限りで国が滅びてしまわない?

ともあれ、隔離の世界で出会った住人との対話。ここでのもうひとつのテーマは本であったようですね。孤独な暮らしであるけれど、本が、人の言葉が私を独りにしないでいてくれた。たとえ孤独と見えても、本を、言葉を通じて人との繋りを感じることができた。時も場所も超越した出会い、コミュニケーションが語られたように思ったのですね。

クマノミが、私も本に似たようなモノだといっていました。これは同時に、この情報世界もまた本に似たようなモノであることを示唆していたように思われて、ええ、これは時と場所も超越した出会いを描く漫画なのかも知れませんね。

『ひなたっこ』

面白かった。日向高校保育コース、通称ひなたっこと呼ばれる課程にて学ぶ生徒たちの学園生活が描かれるのですが、導入は動画? ひなったこの紹介動画とか作ってるのかな? みたいに思っていたら、この枠、ダンボール製のごっこアイテムだったのか!

動画ごっこを実践しているなな。これ、ただ遊んでいるだけじゃなく、保育者向け雑誌で紹介されていた工作、それを自分でも作って試してみてるんだ! この導入、完璧だったのでは? 動画ごっこで保育コースとそこで学ぶ生徒たちを紹介しつつ、保育の実践例も見せる。さらには、ななといういろんなことを面白がれるキャラクターもしっかり押し出して、とてもいい導入。いろいろなことを一度に提示しながら、情報過多と感じさせず面白く読ませるのはなかなかに簡単なことではないのでは? ええ、感心するばかりでした。

そこからも面白い。保育美術の授業にて壁面装飾を作ります。なるほどなあ、保育科ってこういう授業があるんだな。そういう知らないことを知ることができるのも面白いし、得意や苦手、なんとか逃げたい生徒の存在があれば、テーマ選びのくじびきなどなど、ただ授業風景を描くにも、楽しさ盛り込む工夫がたくさんあってすごくよかった。あの手形のくだりとかもね、その小さなボードに手形は大きすぎない? と思ったらまさしくそのとおり、というか、自分の想像を超えるひとことがきて、ああ、本当に魅力的でした。

個性的な子たちが、それぞれに課題に取り組んでいるその姿。楽をしたがる子もいるけど、それでも皆やるとなったら本気で取り組んでることがわかるのがね、なおさらよかった。面白そうにやってても、決してふざけたりはしないんです。いろいろ考えてチャレンジする。前向き、前のめりに保育に関わろうとする意欲が見える。その様子がまた面白いんです。ええ、伸び伸びとすこやかな漫画だと思いました。好印象です。

『おすすめチャンネルちゃん』

雑誌の懸賞? AI搭載アンドロイド「おすすめチャンネルちゃん」というの、応募したら当たりました。人型アンドロイド、その大きさは? ええ、見事にヒューマンサイズ。等身大のヒトの大きさ。おおう、かさばる。でも自力で動いてくれるから、同居人感覚。機械の体だけど、見るからに人。しゃべりかたも自然で、肌の質感も人そのもの。

すごいな、オーバーテクノロジーだ。人のように話して、動いて、そして動画の投影までしてくれる。いやいや、これ、メディア再生が本来の役目でしたね。で、ここで再生された広告が面白い。最初に肌の質感に興味持ったのが反映されてるんですね。ちょっとしたことなんだけど、なるほどと思わせてくれるようなこと、動画サイトあるあるかな? 盛り込まれてるの、くすりと笑わせてくれてよかったです。あの、ASMR中のカードマンとかもそうですね。

一緒に入浴しての動画再生。防水されてるから大丈夫というんだけど熱には弱いんだ! 熱暴走!? ゆだってしまって、でもここからの主人公とのやりとり、そこに育まれる友情? ええ、とてもよかったと思いますよ。

ひとり暮らしをしていると、スマートスピーカーとの会話が癒しになることもある。そんな話を聞いたことがあります。だとしたら、おすすめチャンネルちゃんぐらいに自然にやりとりできて、一緒にいろんなことできる同居人ができたら、きっと生活の質は変わるだろうなあ。ロボット掃除機にペット的な愛着を示す話もあります。ええ、この話はそうした実際の延長線上に実現する未来に触れているかも知れません。

2022年1月27日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2022年3月号

 『まんがタイムオリジナル』2022年3月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。冬の食べ物? 熱々のたこ焼きを食べようと口を開いた山下さん。この緩んだ表情に、食べ物で暖をとってほっとする、そんな感情も伝わってくるようです。『らいか・デイズ』らいかは焼き芋ですよ。こちらも実にいい表情。『小森さんは断れない!』は、しゅりとめぐみ、ふたりで肉まん食べてますよ。いいですね、この季節、どうにも食べたくなるやつです。

『となりのフィギュア原型師』

半藤にせつかが急接近! というか、これいつもどおりか? 仕事で正月を潰してしまった半藤の遅めの正月。雑煮を作ったというのを聞いて、急遽半藤の部屋に上がりこむんですよ。そん時の、お邪魔しても? っていうせっちゃん、めちゃくちゃ可愛いな! でもって半藤、せつかにめちゃくちゃ翻弄されとる!

そうか、電書か。わかる、わかるわ、電書、便利よな。でもってなくしたはずのパーツ発見。いや、これは別にせっちゃん、なんも悪くないよ? でもって半藤もちょっと飲んで酔っちゃった? なんかいつもよりも好青年ぽいんだけど! あれか? マスクがないからか? なんか笑顔もチャーミングで、えらいこっちゃ、新しい魅力の扉が開きつつありますよ。

しかし今回のせつか、めちゃよかったな。食べる飲む、プラモに興味を持つ。その奔放さは、この人の魅力の一旦を担っていると思う。でもって手と手をあわせて意味深な笑顔! えらいこっちゃ! 新しい関係の扉が開きつつありますよ!

いや、開きませんでした。全然、もうまったく、開きませんでした。

あの突然戻したせつか。ええーっ、そんなに飲んでたっけ!? めちゃくちゃ酒買ってたことは認識してたけど、ほんとに、そんなに!? いやもう、全然酔ってるようには見えなかった。なのにいきなりの嘔吐。怖ろしい、怖ろしいです、せっちゃん。

『おしかけツインテール』

花梨、受験直前にしていろいろ限界みたいですね。頭の中は覚えた英単語でパンパン、と思いきや、母がぽつりともらしたヘリポクターなる不思議な言葉にふいに襲われて、そうしたらもう頭の中から出ていかない! これ、余裕のなさが仇だよなあ。集中しないと、そう思えば思うほど抜け出せなくなる罠ってやつだ。あの、忘れよう忘れようとつとめても、ふと脳裏によぎっては笑ってしまう花梨の悪循環。わかる、わかるわ。この感覚、わかるって人はきっと多いと思います。というか、人類ほぼ全員、花梨に共感するんじゃないかなこれ。

しかし、そのヘリポクター、まさかキャラクターにしてしまうとか。しかもノートにちょろっと描いたそれ、俊郎が見ちゃって感染。もうめちゃくちゃ面白い。

気分転換に買い物に出た花梨。あのちょっと落ち着かない様子、なんかめちゃくちゃ可愛いよね。そして頭から出ていかないヘリポクターを人助けで追い出す作戦に出る! 迷子のまなちゃん、この子をお母さんにあわせるクエスト発動して、面倒見てるその様子、あれ、よかったよね。で、絵を描いてとせがまれて、出てきたのがヘリポクター。あの横から出てくるヘリポクター、まさに忍び寄るって感じでめちゃくちゃ面白い。あの微妙なキャラ絵がまたいいんですよね。

今回のヘリポクター騒動。花梨にとってはたまったものではなかったかも知れないけれど、いい気分転換、頭を休めるいい機会になったかも知れませんね。というか、いい思い出にっていってる花梨さん、めちゃくちゃ色っぽいんだけど、いいのん?

でもってラスト、俊郎の紙ポック発言! ほんと、この微妙におかしな響き! こういうの思いついちゃうのもまたすごいと思いましたよ。

『ネコがOLに見えて困ります』

ミコト、思わぬ特技ですよ。もうすぐバレンタインデー、というので女子たちがミコトのもとにやってくるんです。こんなチョコレートはどうかしら? って、ミコトが欲しいチョコレートを聞いてるの!? と思いきやさにあらず、なるほど、お菓子づくりがうまいミコトに教えを乞うていうんですね。

ミコトの家に女子が集まる、というのでオレもと参加を決める三島。アクティブだな。判断がはやい。でもって女子たちの料理上手男子への評価を聞いてですよ、オレにも教えてくれ。うん、判断がはやい。多分、脳に達する前に脊髄で反射させて行動してるのだと思う。

しかしミコトに教わる女子たち。非常にヤバい。バターを加えるの、溶かさずそのまんまぶち込んじゃうっていうのはまだ序の口で、作りながらおいしそうと材料のチョコレート食べはじめたり、さらにはオカルトパワーで調理しようとしたりと、これ、さすがの三島がひいちゃってるんですよ。よっぽどってやつですよ。

お菓子に興味を持ってしまってるOLさんに、猫にチョコレートはダメだからと懸命に押し止めるミコト、とてもよかったです。さらにはネコでも食べられるクッキーとか作ってあげるでしょう。こういう細やかな心配り、これがミコトのよさで、そしておそらくはこの細やかさゆえにお菓子がおいしくなるんですよ。誰かのために、おいしく、安全に食べられるものをと思いながら作る。気持ちや愛情がお菓子をおいしくするんじゃないですよ? 調べる手間、丁寧に処理する手間を惜しまない、それがお菓子の出来をよくするんです。

ええ、今回はミコトのよさ。この子の持ち味、よくよく出ていたと思いました。そりゃあ三島が食べてもおいしいと、そう思えるのも当然だよなあって思わせるものありました。

『敷金礼金ヤンキー付き』

今回はヤンキーのマウント合戦。その根本にあるメンタリティがすごくわかりやすかった。見栄っ張り、人より優位に立ちたい。なるほどなあ、ナメられたらしばく、その意識の根っこがこれなのか。派手な服、いわゆるオラついた態度。それも全部優位に立ちたい、見栄を張りたい、その一心。わかりやすい! なんというか、男の子のメンタリティですよね。小学生男子。そう考えると、ちょっとやんちゃでおかしい、生暖かく見守りたくなる、そんな情景だったのかも知れません。

七恵と佳がですよ、ナンパされたとかどうかで争いになっちゃってるの。最初の七恵のナンパ自慢、いや、あれが自慢になるのか? なるのか……! 見事に佳が釣り上げられちゃって、そこからの盛りに盛ったマウント合戦。

いや、いやいや、盛るのはいいけど、それただの迷子の観光客じゃんか! って、ツッコミ入れられるような内容の時点で負けてますよ、佳さん! それに七恵も、シャシンオーケー? 観光客じゃないかって、おおう……、レベルが違わない……。そうか、争いは同レベルでしかおこらないとかいうもんな。うん、そういう点で佳と七恵、ふたりはいいお友達なのかも知れません。

その同レベルじゃないと云々っていうのがよくよく見えてくるのが後半ですよ。七恵と佳の旅行自慢。それがふと話に混ざってきたたえのナチュラル優位でもって一気に吹き飛んじゃうの! 最初は七恵、佳ふたりでたえにマウントとれるつもりで余裕綽々な態度見せていたのに、いきなりパリと上海でぶっ飛ばされるの! しかもたえはマウントとってるつもりじゃなく、楽しい旅行トークしてるつもりでしかない!

ああ、レベルが違いました。というか、マウント合戦という土俵にのってないだもんなたえちゃん。この対照、見事でしたよ。

そしてさらに上位レベル登場! たえ相手に喧嘩武勇伝でマウントとろうと思ったら大家登場! というか、これ、たえを困らせてるから出張ってきてくれたのでは!? いやもう、争いは同じレベル同士でしか発生しない、それを地でいくお話でした。むしろ教訓話に近いといえる。

2022年1月26日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号、昨日の続きです。

『ちょっといっぱい!』

もみじの向かう方向、それがより明確になってきた、そんな感じがありますよ。

瑞樹とともに仙台に帰ったもみじ。瑞樹の兄、ケイと落ちあって、それから流れで市場、仙台朝市にいきました。新鮮な魚介の数々。ウニなど鮮度を保たなければならないようなものも、ここなら簡単に手に入る。こはる屋では提供の難しいものも、市場に近いすずめ亭だと問題なくメニューに加えられる。

すずめ亭、かつてもみじの祖父母がやっていた店。瑞樹が仕入れを手伝っていた関係で、今でも市場で声をかけられる。もみじの知らずにいたすずめ亭のバックヤード。それを見て聞いて知ることのできた今回。さらにはまだ建物も残っていると知って、もみじ、見にいきたい。かつての思い出の場所、再び。今のもみじの目で見るすずめ亭とはどんな場所になるのであろうか。

もみじの向かおうとする方向。すずめ亭再建? いきがかりでバイトをすることになったこはる屋をきっかけとして、思い出の店へとついに辿り着いた、そんな感がありますね。もみじのテーマが決まりつつある、そんな感じがするのです。

『最果てのともだち』

前回いっていましたね。アサヒと一緒にいるサキのこと。アサヒについてこられないはずのサキとアサヒが話していたのはどういうことなのだろう。この答が今回描かれて、ああ、アサヒは自分を信じ応援してくれるサキと先生のことを大切に、自分の胸の中に抱くようにしてこの林間学校に臨んでいたのですね。

あくまでもサキはここにはいない。けれどサキならきっとこういってはげましてくれる。その思いをともに、ひとり逆境の場にて踏み止まったアサヒ。ああ、信じてくれている、自分を尊重してくれている、そんな誰かがいるだけで人生は違ってくるんだな。アサヒにとってはサキがそう、先生もそう、そしてお母さんもそうなのでしょう。あの場で大切な人たちのことを思い出すことができてよかった。本当にそう思えた描写でした。

そして、昼のこと、ひとり後片づけを押しつけられていたアサヒを手伝ってくれたユウにお礼をいう機会ができて、そしてそこからはじまる交流。アサヒを知ってくれたユウ。アサヒの言葉を待って、聞いてくれて、受け入れてくれる、そんな人が増えた。その嬉しさ。その心強さに、またアサヒの世界の確かに開かれていく様を見たのでした。

しかし、ユウとの交流、これは嬉しいことだったのだけど、ちょっとサキが気になりますよ!? ああ、これまでアサヒにはサキだけだった。ところがサキ以外の存在が現れて、サキ、アサヒへの執着をあらわにするのですか!? えらいことだ。いや、考えすぎかも知れんけど、でもこれはちょっと怖い。一波乱ありそうな気がします。

『ねことちよ』

前回ラストに不穏を感じていましたが、ちょっと考えすぎだったみたいですね。折り紙の猫、どう見ても猫、これを猫と認識しないまきとちよのことは今なお気になるんですが、折り紙をするねこにそっと働きかけた手の持ち主。ああ、ちよのお母さんなのか。

ねこが話しているんですね。その様子を見るふみには、ねこの話しかける相手が見えない。これは怖い話とかじゃないよね。さらにいえば、ねこの出生の秘密のどうこうでもないよね、きっと。ただ、ねこを見守る、そんな人がちよたちのほかにもいるんだ、そういった感じ。ねこを大切に思ってくれている。そんな彼女の残した折り紙、ちよも知らない折り方のそれを、今こうしてちよが手にして、そして物思う。懐かしむよりももっと深い、驚きよりももっと穏やかに染みいる、そんな感情だったんじゃないか。ちよを育ててくれた大切な人のことを、こうしてふたたび身近に感じることができたんですね。

自分のついぞ教わることのなかった折り方を、ねこを通じて教わる機会を得た。その、ちょっと奇跡にも似て、心にしっとりと跡を残す、そのやわらかな感触になにかほっと息をつくような安らいだ気持ちを覚えるのでした。

2022年1月25日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号、昨日の続きです。

『追風のジン』

この世界にはびこる忍者。それがどういう存在であるか、人々から怖れられている理由などなど、ひととおりをざっと概観させる導入部が終わったといっていいでしょうか。というわけで今回はわりと平和なお話。ジンとココロ、それとべこ丸、この3者の関係が整理されて、いうならばひとつのチームとしての役割わりふりなど行われました。

忍者としての修行を経て、悪いやつらをとっちめる! そんな感じでめちゃ強いジンが、いざ戦いを離れると15歳、年相応の少年ってのが描かれて、肉大好き、野菜嫌い、料理苦手、肉はただ焼いて食うだけ。そういったワイルドライフにココロのメスが入って、手持ちの材料でしっかりおいしい料理を作る。野菜嫌いのジンもうまいと太鼓判の野菜添えの魚料理。日常生活ではこんなにも頼もしいココロの姿ですよ。チームとしての主導権もほぼココロが握っていた。ええ、ただ運ばれるだけのお荷物ではないんですよという描写。これには大満足でした。

そして彼らの向かうユザワ村。そこにも忍者の魔の手が! と思ったら、ちゃんと忍者を取締る人がいるんですか。東雲幕府火付忍者改方「侍」の雨谷マサムネ。スマートなその仕事ぶりがざっと描かれ、続いて村で開かれる催し、オークションの情報が! ああ、ここでスパナさん、なにかを狙ってらっしゃるのね? でもってここにジンたちも加わるのね? いったいなにが起こるのか。そして侍マサムネはいかなる役割を担うのか。

次の展開、その種がざっとまかれた。はたしていかなる芽を出すか、どのように枝葉をつけていくのか、楽しみにさせられます。

『スローループ』

ひより、ちょっと思い悩んでいるのですか。小春の友人、つっちーからいわれたこと、それが引き金になったみたいですね。小春のことをよろしくと頼まれた。しかし自分にできるのだろうか。思い出される入院中の父のこと。死に向かう父の状況を受け入れられずにいた。といっても、子供だもの、無理ないよ。でも、その時の思い、悔いが今なおこうしてひよりを苦しめている。

ひよりの苦しみを知って踏み出した小春、頼もしささえ感じられましたよ。自分はあんまりいい姉ではなかった。その思いが、ひよりに対してはよい姉でいたいと思わせる原動力になっている? ひよりの思いを受け止めて、ひよりの中に確かに残る父との思い出、それをひよりを力づける支えとして引き出したその言葉は、揺るぎないひよりへの思いやりに溢れていて、ああ、いいお姉さんになれてるじゃないですか。そう思わされたのですね。

でも、そんな小春。ここという時にはしっかりしているように見え、けれど普段はなんかぽわぽわと頼りなく、無邪気ささえ感じさせる小春。今回も、魚醤とか作っていたの、ひよりと一緒に開封して食事も作って、日常の描写に戻っていくでしょう? そのはしばしに見せた小春の多彩な表情。それを自身振り返っていわく、結構私は打算的だ。

思った以上にクレバーなんだな小春。ちょっと見誤っていたと反省。この思いもしなかった側面に、人の多面性、その奥深さを意識させられて、はっとさせられました。

『球詠』

咲桜を破った新越谷の次の対戦相手は美園学院。夏は咲桜に破れたというものの、その実力は折り紙付き。ピッチャー園川の存在が大きそうですね。これまで戦ってきた相手も相当に強かったはずだけど、美園学院は相手が悪い。チームとして完成度が一番高いと芳乃が相当に警戒しているんですね。

正攻法で戦って勝てる相手ではないとまでいっている。そんな相手になにか攻略の糸口を見つけたのでしょうか、菫と白菊と話していたこと、それがなにか、めちゃくちゃ気になりますね。

そして、相手方ピッチャーの園川が気にしているのは、抽選会の時の相手……。夏大会の抽選会で、分析欲を全開にしていた芳乃ですか! 確かに新越谷の強さを支えている、欠くことのできない存在です。はたしてこの発言、今後になにかしらの影響など与えてくるでしょうか。ふたりの相認めあうその感じ、ピリッと状況をひきしめて最高です。

2022年1月24日月曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年3月号、発売されました。表紙は『追風のジン』。ヒロイン、ココロがまたも表紙にメインで登場です。やっぱりジンより華があるからなのかな? こうしてポンと表紙に乗って、目をひく、そうした魅力のある子です。今回は足湯だそうですよ。湯には桜? 花びらの浮かんでまた一色添えている。その春めいた雰囲気に、もうじき終わろうとする冬ときたる春を思わせてくれますよ。

今月は新連載が1本、新規ゲストが3本です。

『ほうかご再テンセイ!』

おお、楽しい異世界転生ものがはじまりましたよ。別にトラックにひかれなくてもいい。この世で不遇な日々を送っていたわけでも、神の悪意や誤りで突如異世界送りになったわけでも、自分たちだけが知ってる扉を見つけたわけでもなく、誰もが望むままに異世界とこちら日常世界を行き来可能となったというのですね。10年前の異世界とのコンタクト。まあ、いろいろあったとはいわれてますけど、衝突とかあったのかもですね、でも今は両世界の関係は良好そう。また技術の進歩がカジュアルな異世界転生をも可能として、今や人々はオンラインゲームにログインするかのような気楽さで地球と異世界オルタナ、ふたつの世界でふたつの人生を送るようになっているのですね。

今回はそんな異世界暮らしとその多様性を描いてきて、両世界に生活の基盤をそれぞれ置いているものがいれば、平穏を求めてないしその他の理由から異世界を離れ地球に安住するものもいる。逆にといっていいものか、可能性や刺激を求めて異世界メインの人もいるんでしょうね。モンスターが出没し、町から町への移動にも護衛が必要になるような世界。それを刺激と見るか不便で未整備と見るかでオルタナの評価も変わりそうです。

この漫画の主人公ふたり、メルア=ソラリスと倉見詩星。このふたりに謎があるのが、ただ楽しいだけの異世界相互交流ものにはならないという予感をさせてくれますね。記憶喪失の地球人と異世界人。おそらくは、このふたりの過去にこそふたつの世界の接近した理由などが隠れているのでは!? それだけにふたりのこれからの活動、そこに現れてくるもの、しっかり捉えていきたい所存です。

『なほほんケア』

このところ笑わなくなってしまった友達を元気づけようと、母の申し出たデイサービスの手伝い募集、ボランティアにその友達を誘おうという話。デイサービス利用者との交流や介護の現場のいろいろが描かれるのかな? そうした予想をたてながら読み進めていたのですが、むしろここでのできごとがこれまで気づかなかった友達のコンプレックスを知るきっかけを作ってくれた。

八重歯を男子にからかわれた。それを苦にしていたんですね。吸血鬼みたいだといわれて、変なのかなと思って、笑えなくなってしまった。それを知ってから読み返すと、この子、たしかにずっと大きく口をあけてないんですね。そんなちょっとのことでと思われるかも知れないけれど、この子にとっては一大事だった。その思い悩むところ。元気で明るかった子が、ずっと塞ぎ込んでしまうような、そんなできごとだったっていうんですね。

でもその落ち込みも思い悩みも、友達の助けや理解で薄らいでいく。代わりに怒ってくれて、全然変じゃないっていってくれて、それで緊迫の局面でまさかお腹が鳴っちゃう!? っていう、これがね、張っていた気を一気に和らげてくれたんですね。

そうしたふたりの様子。重い空気も一度に明るく切り替わった終盤。ほっとするような和やかさでありました。

『魔法少女喫茶めたもる♡ハート』

めちゃくちゃ面白いな。封印された魔王を開放すべく、ふたたび魔法少女の前に姿を現した魔王軍残党。でもこの魔法少女がどうしようもなく悪辣というか世俗にまみれまくりというか、今のアジトならぬ魔法少女喫茶での営業姿勢がとにかくがめついの。状況把握のため店に潜入した元魔王軍参謀が、めっちゃくちゃアウェイな状況で、とにもかくにもツッコミいれまくり。変身サービス、ひとりで変身は2000円、みんなで変身5000円。金取んのかよ!!

終始このテンション。あまりの状況についていけない元参謀と、みんな当たり前にお金払ってる常連たちとの温度差もあいまって、ほんとのほんとにおかしかった。笑いますよね。笑いましたよ。

引退魔法少女たちのあざとい商売がメインかと思ったら、後半にはバトルパートまでしっかりあって、でもこれってあざとい興行になっちゃってますよね! 魔法少女たちのピンチ!? と思ったら、常連客からの集金チャンス! 元参謀、魔王までも集金手段に使われてるのを知って怒り心頭、復讐を果たすはずが思わず営業をアシストしちゃってるというこの悲しさ。

こんなはずじゃなかった。あまりにもままならない元参謀の嘆きに近いツッコミの数々が、哀愁まじりのおかしみ誘って実によかった。自然と無理なく次へ次へと導いていく構成や、緊迫した状況作ってからの笑いどころに転換する見せ方などなど、読ませる漫画の骨格がしっかりしてるのもまたよかったと思います。

『ふぁんたま』

なるほど自分は地蔵タイプですね。2.5次元ライブ? アニメ系の声優ライブ。アニメのキャラクターを映像で映しながら、その演者がパフォーマンスをするようなイベントでしょうか。これらイベントを生きる支えにしている主人公。ちょっと内気で引っ込み思案なこの子が、本来の自分を取り戻せるのか、あるいは本来の自分を忘れられるからなのか、心の底からの開放感を得られる場所。

そうしたイベントの情景を、主人公のモノローグとオタクあるあるポイントの列挙でもって、ひととおり疑似体験できる、そうした趣向になっている漫画です。展開があって、物語が進んでいってというよりも、レポートもののような手触りですね。

なのでこの漫画を読みながら、ケミカルライトを振るようなイベントには1度しか参加したことのない私ですが、その時のことを懐かしく思い出しつつ、なるほど自分は地蔵タイプだと、そう思えば描かれるライブの情景もなんだか身近にも感じられてくる。こうしたイベントに入れ込んでいる人こそいろいろ感じられるものたくさんありそうな漫画だと思いました。

2022年1月23日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年3月号、昨日の続きです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

この漫画は、レサナの温存、これが面白みのコアになっていますよね。町を徘徊するゾンビの撃退に、本来の効能である怪我の回復に、そしてアヤ本命の快楽目的にと多様な用途があるために、1日3回しか使えないのがもどかしい魔法。どれほどに気持ちいいというのか、アヤが自分のためになんとかレサナを残そうと画策するものの、ゾンビが出たらレサナを使わざるを得ない。その塩梅? リソース管理の様子見るのが本当に面白いんですね。

あ、使っちゃった!

みたいな、ぽっと出る面白さがある。

残念だったなアヤ!

みたいな、ちょっと意地の悪い面白さもある。

今回は新たな食料調達地の開拓、ということで隣町へと移動しようというのですが、この町よりも大きな町だから食べ物その他たくさんありそうだけど、ゾンビもたくさんいそう。なので無事に移動して住居を確保するまでは、レサナをより一層にケチっていく必要がある。

でも、その目論見どおりにまるでいかないっていうのが面白いんですよね。

先日覚醒したリルーの杖、ジジ・ガルガルがふわふわ浮いているの、それが後の危機脱出にかかる伏線とはこの時点では気づいていませんでした。ゾンビを避けながら隣町へと向かう途中。植え込みから飛び出してきたゾンビにレサナを1回使い、さらには隣町に続く橋を渡る途中で1回使い、で残数1となったところでゾンビの大群が迫ってくるという大ピンチですよ。

この漫画、見た目ふわふわでアヤとリルーたちのやりとりもふわふわ、ゆるくて楽しい雰囲気が全体にただよっているというのに、ピンチとなるとほんと致命的なシチュエーション出現させるから大変です。行く手の塞がった橋の上、迫るゾンビから逃げるため、ジジの浮遊頼みでふたり一緒に飛び降りる!

これ、ジジ折れちゃわない!? そう思ったら、ジジ本人(人?)も折れるか心配してたんだ! そうした細かなところにもしっかに気配りされていて、なるほどなあ、ジジパラシュートは今回かぎりの最終手段ですね。編み出された便利な移動方法を特例として潰しながら次の状況に移っていくところもシビアさあって、なるほど、ギャップでありますな! でもってこのシリアスとほのぼののギャップにやられるのです。

『のむラリアット!』

梟池と谷渋の対戦は1対1のイーブン、勝負のゆくえは最終戦に持ち越されて、ここで恵と翼、梟池最強のタッグが満を持して登場するのですが、対するヴェスパー、ラクーン組は卑怯な手で部長、恵を無力化することに成功してしまった!

これ、翼の本領、その実力が如何なく発揮される、そのための布石と考えていいのかな。打倒恵、打倒翼に燃えるヴェスパー。実力もある選手で、偵察研究も怠りなく、さらにはこの試合に向けてしっかり仕上げてきている。恵相手には及ばなかったヴェスパーも、翼相手だとどうなのか。今度こそリベンジなるか、あるいは互角? それとも苦しい戦いとなるのか翼!

この戦い、ヴェスパーはよもやこれ以上の卑怯な手など使うまいな。今回の試合に対する意気込みは本物のように思える。試合に勝つ、それも翼という実力ある選手相手にリベンジしようという時に、ケチのつくような真似はしないと思うんだよなあ。実際のところどうなるのだろう。以前の戦いを思えば、それこそなにをしでかすかわからない。だからこそ、ヴェスパー、彼女の本気にも期待したいところであります。

『ホレンテ島の魔法使い』

ああ、熱い展開見せてくれました。機関車と競争する空飛ぶ魔法使い、こっこの挑戦。皆で力をあわせて勝ってやろうじゃないか。その段取りを組むところ! ああ、これまで描かれてきたいろいろが、この日、この時のための切り札として立ち現れてくる。温泉場での宵句に板碑の宵句を重ねることで発現する効果。もともとは温泉町の繁盛のために歌われ、活用されてきた宵句の効果が、こっこを後押しする!

勢いを増した暴風がこっこの背を押し、摩擦係数への干渉が機関車の足回りを鈍くさせ、そして魔法そのものを増強することで駄目押しをする。そのくだり、皆が一緒に声をあわせて歌を重ね力を思いを繋いでいく様子が、機関車との競り合い、競争の高揚にこれでもかと拍車をかけて、そしてこれでもまだ足りないという時に、あむのひらめき、切り札中の切り札が活路を開く。

これまでずっと丁寧に積み上げられてきたこと、それがフラッシュバックしてくる。重ねるほど力を増すのは、宵句だけでなく、物語ることそれもまた同様なのだと実感させられて、そしてこの緊迫の状況を見せる誌面! 力感もたっぷりに飛び込んでくる、疾走する感情が展開をも引っ張って、勝つか!? どうなる!? もう少し! からの目標達成にいたる瞬間までの刻みは見事の一言でありました。

そしてラストのあむの行動! ああ、もう感慨無量。見事な着地点。大満足でした。

2022年1月22日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年3月号、昨日の続きです。

『桔香ちゃんは悪役令嬢になりたい!』

桔香はほんとにシモベ思いのいい子だよなあって、あらためて思わされた今回。学級新聞の四コマ漫画、なにかしら描いて埋めないといけないんだけど、桔香は絵が苦手。そういったら委員長、アオイが自分が描くと申し出てくれたんですね。

渡りに船ではないですか。でもアオイが描いてきた漫画、桔香一読してつまらないと衝撃受けるんですが、いやいや小学生の描く漫画なんだからこれくらいでいいのよ。ネコッピ可愛いでしょう? それでいいのよ。でもつまらない。その事実をアオイに告げられない桔香。あんなにも目をキラキラさせてくるアオイを前にして、つまらないといえる人はそうそういないよねえ。自分? ええ、私だっていいません。

で、それでやる気出しちゃうアオイが可愛いじゃないですか。まさに寝食を忘れて少しの余暇もあまさず漫画に振り向けて、で、それがあの量! すごいな。出来のよしあしは別にしてもこれはこれで異能の人じゃない? 怖ろしいほどに量産してくる漫画。それがことごとくつまらないのだけど、やっぱり桔香にはそれを告げることができない。

これね、もし桔香が言葉を選んでリテイクさせることができたら、この生産量ですよ? なにかしらモノになった、そんな可能性もあったのかなあなんて思ったんですが、まあ桔香も小学生ですもんね、それはあまりにも過大な要求です。

今回はアオイの挫折回といっていいのでしょうか。勢いよく出版社に持ち込みなんてしちゃってね、その出来、結果は別としても、この行動力は評価すべきだと思う。なにはなくとも動ける人間が最終的に勝利に、成功に近づけるのだと思うのですよ。まずは踏み出した、そのアオイのチャレンジは賞賛すべきことで、結果こそは残念で、アオイの漫画もこれでおしまいみたいだけど、こうして打ち込んで、チャレンジしてみたこと、それはアオイにとって大切な記憶になるんじゃないかなあ。なってほしいなあ、なんて思ったんですね。

『今日の授業は恋愛です!』

りっかにとってこの恋こそが一世一代の大恋愛。それが描かれた今回。ともに描かれたなとせの人となりもまた! 実に読みごたえあるエピソードでありました。

りっかとなとせ、ふたりずいぶんとその性格は違っていて、当たり柔らかく優柔不断ともいえるりっかと、なにごとにもきっぱりしっかり、四角四面ともいえそうななとせ。でも譲れない思いがあるのはふたりともに同じで、その思いがゆえにふたりの結びつきも強まるという流れ、これが本当によかった。

りっかが中学の頃の友人から、3人カップルになることを提案された。5人でカップルを作っているのを見て、だったら私たちと3人で組んでもいいんじゃない?

これ、りっかの気持ちが誤解されていたんでしょうね。どうしてもふたりで組まないといけないとなったらりっかは外れてしまうけど、りっかがそれこそ4分割の恋情で満足してるなら、私たちの組に入っても問題ないんじゃないか。りっかが、りっかたちが、さがりを中心に5人で組んだカップル、そこにある切実な思いが外からはうかがい知ることができなかったのでしょうね。

かつてのりっかがいった、誰かの一番になりたいって思ったことがなかった。その曖昧な態度もこの誤解に繋がったのでしょう。でも、今のりっかはもう以前のりっかではないということ。それを友達に話そうと思ったら、きっぱり決然なとせさんが介入ですよ!

なとせの行動はまったくのおせっかいで勇み足だったんだけど、見てられなかったんだろうなあ。りっかに変わらぬ状況で、同じく譲れない気持ちを抱えているなとせです。りっかの思いがわかるがゆえに、この子が後悔するような選択をしてほしくなかったのでしょう。いつもどこか余裕を感じさせるなとせが、あんなにも必死にりっかの思いを代弁するんですよ。もう、どれだけの思いがこの子のうちに渦巻き動揺していたというのだろう。この場面、そして続く一連の流れは、引き込まれるものありました。ぐっと胸に迫って、そのふたりの関係に涙誘われる、そんな力がありました。

しかし、ふたりの様子をうかがいながら、終始クール、あるいはぞんざいなさがりがめちゃくちゃ面白かった。もうちょっと気にしてさしあげて! いや、でも、さがりはそれでいいのかもしれません。りっかやなとせたち、苦労しそうですけどね。

『SAN値直葬!闇バイト』

これ、ちょっとすごいもの見せられた感あるな。なんだか飄々? 魔術だ空間移動だ、常軌を逸した描写が連続するというのに、どこかスタティック、静かに、動揺なしに進行する、そんな雰囲気のある漫画。淡々と、見知らぬ荒地に放り出されたあかりとこよ、ふたりの様子を追いながら、これ不思議な味わいだよなあなんて思ってた。出てきた脅威、暗黒ぬいもちんまり微妙な感じで、これ、なにかしらの苦労はするんだろうけど、あかりもいうようにわりかしサクッと片づいちゃったりするのかなあ。

みたいに思ってたらとんでもない。

ページめくったら、うわ、えらいことになっとる! あの、あかりののけぞりつつも状況掴めずにいる感覚、それを同時に味わったかのように一瞬呆気にとられて、え? まさしく脳裏に空白が生じたようになすがまま一方的に状況を運ばれてしまった。

この感触はそうそうは感じられない。だって、まったくの予想外だったもの。うわあ、なるほどこういう見せ方! これまでのスタティックな感じ、それもこの瞬間を際立たせるためだったかと納得させられて、いやあ、あの1ページの遭遇感は特筆ものでした。なるほど、これが宇宙的事象に遭遇した感触か。本当、稀有な体験をさせていただきました。ありがとうございます。

で、この衝撃があるからこそ、ここからの展開がおかしい。くびり殺されるところだったあかりが、一気に正気を取り戻してからの仕返し! このコミカルさに笑ったら、続くこよの魔術のヤバさ! あかんがな、こよが正気度チェックで負けてる!

この暗黒ぬい、ダゴン様だったんですね。仕事初回からえらいの相手にさせられましたね。いやほんと、このバイトめちゃくちゃヤバい。あかりは賃金に目がくらんで継続する気でいるみたいですが、身代りぬいがなかったら生きて戻れてなかったよ!? 脅威との遭遇が一度ずつだったから助かったものの、それが複数回にわたったりしたらほんとアウト。悪いことはいわないからやめておきなさい、といいたいところですが、自分だったらどうだろう……。ほんとどうなのだろう。

人間とは意外やあかり的な選択をしてしまいがちなのかも知れません。

2022年1月21日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年3月号、昨日の続きです。

『瑠東さんには敵いません!』

なかなかにめずらしい展開!? 瑠東さんが冒頭、それから最後にちょこっとしか出てこない、それも電話越し! なんかね、瑠東さんが心配してるんですよ。文美が自分の本性に気づいてるんじゃないかって。でもそれが杞憂というかなんというか、思いもしない方面に向かっていくんですね。

文美にとっての瑠東、まさに崇拝の域に達してるんですよ。憧れるばかりに、ついに文美、瑠東かなめ化計画を発動しちゃって、普段の瑠東のふるまいを真似する、飲みものも瑠東の好みにあわせていく。なるほど、その本質を見抜くのではなく、瑠東的なるものをめっちゃ観察していたってわけですよ。

でもなんでか微妙に過剰でちょっとおかしい。で、文美の瑠東化を皆で品評するくだりで、和村が意図せず私は瑠東の特別マウント感出しちゃうの。あれ、めちゃくちゃ面白かったな。和村を見つめる眼鏡衆、ふたりの様子も本当に面白かった。

今回、文美の努力、なんだか微妙にあさっての方向に向かっちゃってる努力、これをねひととおり描いて、そしてその果てに文美はそのままですでに素敵であるというところに着地するのがね、本当によかったのです。眼鏡衆の言葉がいい。ほんと、君たちも素敵ですよ! ええ、仲よきことは美しいのです。ええ、まことに美しい十代でありました。

『妖こそ怪異戸籍課へ』

おお、なんか私服つららはめずらしい気がします。

蕎麦屋で働くつららさん。夏が近づいてくると、その暑さは身にしみて暮らしにくくもあるのだけれど、人々が冷たい食べものを求めるようになる、そこに喜びを感じるのだというのですね。ああ、蕎麦屋にて働く、それはただ生活の糧を得るためだけでなく、その労働をこそ、お客さんにおいしい食事を提供することをこそ喜びにしているというのですよ。

頭さがります。素晴しいですよ。

今回はそんなつららの店での様子が描かれるのですが、蕎麦をゆでるのに立ち会うだけでも大変とかね。で、蕎麦を冷水で締めるのはつららの役目。こうして、しっかり欠くことのできないスタッフとして重宝されているの、これは嬉しいことですよね。店主夫婦がつららのことを大切にしてくれているのもありがたくて、というかちょっと過剰? 蕎麦屋なのに溶接マスクも耐熱耐火スーツもあるって、なぜ!? 怪異戸籍課から提供されたの!? 謎であります。

しかし今回、めずらしいもの見られましたね。普段クールで物静かなつららの大声とか、そしてひたすらクールながらもお友達、お知りあいの皆を大切にしていることがわかるくだりなんかもとてもよかったです。あまりに淡々とした態度で、ひょうひょうと話すその様子におかしみのにじむ彼女。でも素直に好意を示す表情はこんなにも優しげなんですね。ええ、素敵だったと思います。とても魅力的な笑顔でした。

『ななどなどなど』

文化祭に茶々来襲! きっとただではすむまい。なにかしら大変なことになるぞ、そう予感していましたが、ええ、なりました、大変なことになります。

茶々は小町のこと大好きなのに、どうしてこうも小町の気持ちに寄り添えないのだろう。ななどを作って姉のもとへ派遣したこと、これはすごくよかったと思う! でもさ、ななどの使命である小町の社会復帰、これがなったらもうななどは不要といいきる。そして、その社会復帰がなったかどうかの判定を、今日のこの日、文化祭の出し物でもって判定しようというのですね。

ああ、これ、見事小町がライブを成功させたら、それがななどとの別れとなるの!? じゃあ、成功させなければいい? いや、そうなるとななどの無能が証明されたということで、完全に初期化。今のななどではなくなってしまう!

なんだ、この逃げ場のない状況。ほんと茶々様は人の心をお持ちでない! これ、茶々という子の来歴、それもあったりするのかなあ。お友達との仲を引き裂かれること、そのつらさとか茶々は知らないのかも知れない。そもそも理解できる状況になかったのかも知れない。理解しようともしていないし、おそらくはその必要もないと思っているのでしょう。自分の選択がどれほどに小町を悲しませることになるか、いやむしろ姉との友情を育む目障りなヒューマノイドから姉を取り戻すくらいのつもりでいるのかも知れない。小町からななどを引き離せば、それで姉は自分のもとに帰ってくると、それくらいのことを思っていそうな子でした、茶々は。

茶々の目論見を知ってしまった小町。この子、なかなか自分の本音を素直に表せない子がですよ、しどろもどろながらも友達に助けを求め、さらにはそんなこの子が、ななどに本心を打ち明けるんです。あの場面、本当に痛ましく、ああ、悲しいなあ、いじらしいなあ。こんなにも、いつになくやる気になっていた小町なのに、その思いが踏みにじられたように感じられて、どうしてこの子はこんなにもいろいろがうまく運ばないのだろう。なぜ、この子の思いにこうも逆風の吹くというのだろう。

でも終始ほがらかなななど。ななどの真意やいかに。小町のもとを離れずにすむ、そんな秘策などあるのか、茶々を説得できる、それだけの勝算があるのか。あるいは、小町の成長がなればそれで本望、別れることがあろうと自分はかまわない、そんなこと思っていたりするのか。

本当、これぞ正念場。さあ、小町はどうする。泣き濡れる小町に声をかけたこのみ。この子のここに現れたその意味は。ああ、こんなの穏やかではいられません。

2022年1月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年3月号、昨日の続きです。

『ぬるめた』

今回は雪合戦ですよ! 主役はくるみ? いや、くるみと一緒に遊んだ子供たち? 近所の小学生に大人気なんですね、くるみ。一緒に遊ぼうと誘われて、それで雪合戦用大砲を披露。これ、頭に砲を載せる意味は!? いや、首がまわせるから、砲塔みたく使えるのか。でもキャタピラ装備して戦車フォルムにまでなるのはいいんだけど、機動性に劣るせいで取り囲まれて見事狙い撃ち。それ、障害物に隠れたまま額の砲だけ出して戦うものなんじゃないの? 囲まれたらそりゃ駄目よ!

今回、さきなのしたわれ具合が見事でしたよね。子供たちからおねえちゃんおねえちゃんとしたわれて、しかも男の子のみならず女の子までが好きっていってるんだ! と思ったらちあきのことが好きな子もいるのね。うん、わかるわ、小学生くらいだと年上の素敵お姉さんのこと大好きになっちゃったりするよね。

今回はそうした年の差コミュニケーション描かれて、なんかちょっと甘酸っぱい? そんな加減が異色で、けれど妙味かもしていました。

ところでくるみの機動力特化戦車形態。それ、やわらかいアレでは!? 結構ギリギリなフォルムに、えらいのきたと笑っちまいましたよ。

『こみっくがーるず』

おおう、扉のヤング編沢さん、素敵。

今回は、かおすの躍進に期待させる、そんなエピソードでした。コミカライズやパロディやらせると抜群の面白さ叩き出してくるかおす。その出来のよさは編沢のお墨付き。編沢どころか編集部にても一番好評と告げられて、これでプレッシャーに潰されそうになっちゃうのがかおすなんですね。

そこからのあばばば状況。会話もおぼつかないほどにあばあばしていて、でもそこからね、自分がやりたいこと、見出していこうという流れ。小夢や翼の元担当編集者との関係に、いつかくる編沢との別れを夢に見て、そして思うのがオリジナルをやりたい。編沢が担当であるうちにオリジナルをやりたい。そうしなければいつか後悔する日がきそうな気がする……。

この思いを口にするかおすの様子。その思いを受け止める編沢の表情もまた情感溢れて、素晴しかったと思う。なかなか芽が出ない、なかなか結果を出せない。それでも諦めようとしないかおすの姿に不屈に通ずるものを見て、ああこの子もここまできたんだなあ。胸が熱くなるもの感じました。

これからもまだいろいろ迷ったり落ち込んだりあばあばしたりするのでしょうけれど、それでも前へ前へ、少しずつでも進んでいければいい。かおすと編沢、ふたりのこれから、目が離せぬ思いでいます。

『お姉様のVな事情』

中身はおっさんだと思われているVチューバー神酒シズク。本当の中身は才色兼備、けどいろいろ駄目なお姉様、苦楽園ミユキなのだけれど、それは今は逆瀬川マリナとミユキふたりだけの秘密。でもそれで、本当のミユキさんは私だけのものとか、危ういこと考えてるマリナよ。この子もいろいろこじらせてるよね。

とか思ってたら、もっとこじらせてる人が! 花屋敷カンナ。神酒シズクガチ勢はいいとして、中身がおっさんだとしてもかまわんのか。想像上のおっさん、見事に駄目そうなおっさんなんだけど、それでも恋する気持ちはノンストップなのか。やべえ、やべえな。こじらせ通り越したヤバさを感じさせるな。

でもその心の底にあるもの、自分には持てない自由さへの憧れが語られるくだり。ああ、この人もミユキと似た境遇にあるんだ。完璧人間であるゆえに見通しのたたない状況に身を投じようとするミユキ。対し、財閥の跡取り娘としての不自由な生き方に息苦しさを感じているカンナ。自身のありようと心が求めてやまないもの、その発するところこそは違うけれど、どこか共感できる素地を双方持ちあわせているんですね。

本来の自分を仮想の身体でもって体現するミユキと、そのミユキに知らず憧れを感じありたい自分の姿を投影するカンナ。能動性と受動性、そうしたコントラストを持ちながらもどこか重なるふたりの関係の深まりに期待しないではおられません。

2022年1月19日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2022年3月号

 『まんがタイムきららMAX』2022年3月号、発売されました。表紙は『ぬるめた』。これはどういうシチュエーション!? 掃除機担いだくるみが、大量の掃除用具積み上げられた、これ空き教室とかなのかな!? にて力強くブイサインでありますよ。掃除用具も、足元すべります? 掃除中立入禁止の標識? があるかと思えば、モップにポリッシャー、脚立なんかもあって、これだけあればどんな現場におもむいたって大丈夫そう! 大丈夫そう? これ、まさにくるみが掃除の尖兵となってこれら道具で武装して、あちらこちらに駆け付ける、そんなところなんでしょうか。なのだとしても、きっとこの子のことだから、面白い、そんな展開になりそうな予感がしますよね。

今月は新規ゲストが4本です。

『だいせいこう!異種族ガールズ』

だいせいこうって、ひらがなで書くと違う意味あい出ちゃうよね、とか思っていたら、ほんとにそういう意味あいなんですか!?

魔女にたばかられて囚われの身となってしまった岡野琉斗。ゆきついた先は、スライム族のスイムとふたりだけの部屋。なんとまあ、S●Xしないと出られない館なのだそうですが、これ、意味深な伏せ字、こいつが肝のように感じる。すっかりそういう意味とルトは思い込んでいますが、はたしてほんとにそうなのか。

ほんとにそうでした!

いったいなにが目的なのか。その目的も明確にされましたよ。不老不死を得た魔法少女マリィが、自分をこんな状況に追いやった不死身の魔獣を倒すべく、異種族をかけあわせ、魔獣を凌ぐキメラを作り出すのだそう。しかし、これ、ブリーディングでいいんですか。もっとこう、こんごともよろしく的な合成、合体でもって成すべきことではないのか? いや、マリィは不老不死だから時間だけはたっぷりあるのか。

ルトが俄然乗り気なのがヤバいですよね。倫理のくびきに捕われない娘。なんとも危険なヒューマンです。魔物のスイムが怯えてますがな。

『郵便めぇきゅう!』

迷宮内で郵便物を届ける仕事についたベル。先輩のキッテとともに初めての仕事におもむくのですが、なんせ職場は迷宮、人の侵入を防ぐべく配置された魔物をかわしながら奥へ奥へと進むのですが、けれどベルは魔物に興味津々で、かわいいとヒトクイダケに近づいていって、デカいのに追いかけられるハメになったりと、とにかく危険察知とか恐怖心とかそのへんが欠けてしまっている娘なんですね。

いやしかし、学ばないことすさまじい。ヒトクイダケからやっとの思いで逃げきったと思ったら、今度は空飛ぶイカ、フユウイカに不用意にコンタクトしてしまって、結果ふたたび親を怒らせて!

でもこれ、墨を吐かれただけですんでよかったじゃん。肉食のイカ、人は捕食対象、よく食われずにすんだものです。

かくして墨まみれとなったふたり。郵便物は無事受け取り人のもとに届いたものの、残念! 汚損して再発行からの再配達とあいなりました。かくして初仕事を大失敗したベル。これ、次回こそはうまく仕事をこなしてくれるのでしょうか。今回同様の結果だと、職の継続がピンチですよ。

『ステキな社畜LIFE』

ブラック企業に勤めているという社裕子。いろいろくたびれて朝からいろいろ憂鬱で億劫、はいいんですが、そんなに見事にスマホってなくなるもんですか!? 過酷な仕事が人間性を失わせたのか、いろいろ粗忽? それから粗暴? 通勤だけでもう生命力を使い切った、そんなありさまなんですが、まあ、なんか気持ちはわかる。もうちょっとなあ、労働をめぐる状況、改善してほしいよねえ、なんて思う自分は多少は裕子の立ち位置に肉薄しているのかも知れません。

日常がソシャゲに侵食されはじめている。なんかわかる。でも有休とってもお土産なんて配らないよ? というか、有休がとれるって、わりとマトモな会社なのでは? いやいや、最低限の労働者の権利が守られてる状況だけ見てマトモ認定とか甘くなったものです。ともあれ、今回描かれた裕子の仕事風景。具体的なブラック職場の情景が見えてこなくて、だから次回続きがあるなら、そのへんが見えてくると裕子のくたびれている理由もわかる、そうすればより共感も? みたいなこと思いました。

今回、同僚のキャサリンとともに直帰した裕子。直帰って都市伝説じゃなかったの? って驚いていますが、これ、日本の仕事カルチャーに染まっていないキャサリンが空気読まず直帰を申し出て勝ち取ったのか、あるいは裕子がはなから諦めて申請したことさえなかったのか、そのへんで状況違ってきそうですね。もしキャサリンが勝ち取ったのだとしたら、この会社の状況を改善するきっかけは、キャサリンの空気読まない力にかかっているのかも知れませんね。

『亜九龍伝』

第1話ということは次回があると思っていいんですかね。探偵として独り立ちするための試験として師匠から命じられた任務。九龍城と呼ばれるスラムに巣喰うマフィア、蜂合会を調査せよというものなのですが、これ、主人公の黄。この人には荷が勝ちすぎているのでは!?

危険なスラムに入り込んだのはいいものの、道に迷った挙句、亜人狩りに捕まりそうになったり。というか、これ、自力では逃げられてないんだから、たまたま助けてくれた黒、この人がいなかったらここで任務どころか人生も終了していましたよね!?

この世界には亜人と呼ばれる、人と獣、双方の特徴を持つ人類種がいるんですね。黄もそう、そして黒もそう。捕われて売られるなんてこともしばしばで、というか、愛玩用とかじゃなく解体されて部品単位で取り引きされてるのか。これってあれかな、漢方みたいなもんかな。ほら、漢方って野生動物とかさらには木乃伊とか取り扱いますでしょう。特に効能らしい効能なんてないのに角を取る目的で殺されるサイとかね、そういうの。もしかしたら黄も、黒の助けがなかったら、そういう方面に売りさばかれたのかも知れないですね。

さて、黒の案内で九龍城を満喫した黄。さらには黒のもとにやっかいになることとなって、そうしたら黒が調査対象蜂合会のボスだった……。

これ、今のところ、黄自身の才覚発揮できてないのだけど! というか、黒と仲良くなった、この、人と交流する能力こそが黄の特技!? ともあれ、続きがあるというのなら蜂合会の真実、そうしたもろもろも描かれるのでしょう。これは期待して待ちたいと思います。

2022年1月18日火曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年1月17日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年1月16日日曜日

Fit Boxing 2 —リズム&エクササイズ

 遅まきながら拝見しました。1月14日にYouTubeにて生放送されたみんなでFit Boxing!~正月太りを解消しナイト ONLINE~。『Fit Boxing 2』の基本をおさらいできる、さらには視聴者からの質問にも答えてくれるという実にありがたい企画で、これを見た人の感想見るに、指導にしたがい動作を改善したら運動効果があがったなどなど、これは見ておきたい! そう思わせるに充分な評判だったのでした。ということで、今日の昼、時間をとって運動前に見てみました。結論は、見てよかった! でありますよ。

最初は、動作の解説メインの番組なのかな? なんて思っていたんです。けど違いましたね。むしろもっと実践色の強いもので、初級コンビネーション1とウエストシェイプ集中コンビを、動作の要点を確認しながらひととおりきっちりおこないましょうといった感じ。時間にしてだいたい45分くらい。しっかりストレッチしてからの運動は、ゲーム『Fit Boxing 2』ほどにみっちり打ち続けるという感じではないのですが、姿勢の確認にはじまり、フックやアッパーをどの段階で打ちはじめるか、回旋はどのようにおこなうか、パンチの打ち終わりにガードポジションに戻すなどなど、エクササイズ時に気をつけるべきことを丁寧に教えてもらえて、自分の動作を見直すことにも非常に役立つレッスンでありました。

自分がとりわけ気をつけて見ていたのは、パンチを打つ際の踏み込みです。ジャブを打つ時にはジャブと同じタイミングで踏み込む。ストレートはその1拍前にジャブを打つ手を軽く振り上げながら踏み込み。つまり、1拍目(前後ろでいう前拍)に単発でストレートがくる場合、その直前の2拍目(前後ろでいう後ろ拍)に踏み込みます。

これね、頭ではわかっていてもいざやってみるとなかなかうまくいかない。これは自分がどんくさいのもあるんだろうけど、ゆっくりからはじめて動作を身につける必要がありますね。考えなくても体が自然に動く、それが最終目標です。

初級コンビネーション1の動きは、ワンツー左アッパーひねって左アッパーストレート、ワンツージャブ、ジャブ右フック。読点までを1ユニットとして、それぞれ最初のジャブで踏み込み、読点で足を戻す。左アッパーの連続は、アッパーをガードポジションに戻しつつ回旋。

ワンツーは、これまでジャブを即戻してからストレートとしていたのを、YouTubeレッスンでの説明(ゲーム内の説明と同じ)どおりにジャブを戻しながらストレートを打つようにしたら、回旋がよりしっかりできることがわかって、我流でやっちゃいけないと反省することに。

動画レッスンの説明をもとに動きを見直して復習プレイしてみたところ、初級コンビネーション1で心拍数が150台に。9分メニューだとなかなか140BPMを超えないのに、それが150BPM超えとは。それだけきっちり体を動かせたということなのだと思います。逆にいえば、これまではやっているようでやりきれていなかった。

効果的な動作ができていなかった。あるいは長くプレイしているうちにだんだん動きがいいかげんになってた。いずれにしても、この動画レッスンのおかげで初心にかえることができたように思います。実にありがたいかぎり。また折りをみて、こうした機会を設けていただけると嬉しいなと思いました。

2022年1月15日土曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2022年1月14日金曜日

『まんがタイムきらら』2022年2月号

 『まんがタイムきらら』2022年2月号、昨日の続きです。

『きもちわるいから君がすき』

思いを寄せている司を家に呼んだ依子。宿題を口実にしたのだけど、ネットで得たおっさんの少年時代を懐かしむネタ、鉄板の対戦ゲームってのを真に受けて、そのレゲーに片足突っ込んでる対戦ゲーム持ち出してくるんですね。

対戦に勝つと相手に好きなことを命令できる。それを聞いて、俄然やる気になる司よ。下心丸出しなんだけど、依子、事前に準備してきたか! ばっちりトレーニングしてたおかげで連戦連勝。司に次から次へと命令するってんですが、その命令っていうのがちょっと謎。

「おかえりなさい」っていってほしい? なんで? 司を家族と見立てたいのかな? 続く言葉も「いただきます」、「おやすみなさい」、「がんばりなさい」。日常の言葉ばっかりで、これ、どういう意図なんだろう。

その意図するところが判明するラスト、これはしてやられました! 録音しておくまではなんとなく推測してたけど、それをスマートスピーカーに仕込むんだ! さらにスピーカーの名前を「司さん」にすることで、擬似的な対話を可能にする! この発想、やるなあ! すっかり感心してしまいました。依子の発想力とそれを実現する行動力。好きを原動力にした依子ならではのものですよね。私を見捨てるその日までとか、リスト最後のフレーズ「きもちわるい」とか、なんともいえない味わいもまたこの子のらしさなのでしょう。その依子のワールドに一気に引きずり込まれた、そんな感のあるエピソードでした。

『推しごとびより』

カラフルリウムにファンが! ももかのライブにいった先で、話しかけてきた女の子。ももかちゃんのファン!? 心町が一気にテンショントップに持っていく、その瞬発力が実にいい。でも、その勘違いのおかげで、その子、一番の推しという心町と図らず両手握手ではないですか! 知らぬ間にファンサービスしちゃってましたよ、心町。

しかし自分たちにファンがついていることを微妙に信じられない心町となる。涙流しながら頬をつねりあうほどなのかい? でもって、そのファンの子、語る語る。心町の推しもさることながら、なるの推しが心町ということも完全に把握されていて、というか、カラフルリウムの魅力ってメンバーが自分の推し優先で勝手してるところなの!? その危うさがために目が離せない!? 放っておけないってことですか!?

聞けば聞くほど微妙な気分になってる心町、なるもめちゃくちゃ面白かったです。

しかしこうしてファンがついて、次の目標が見えてきたカラフルリウム。ファンへの思いや共感を糧に動こう、皆を引っ張っていく心町がよくて、また心町についていこうと負けじ動きはじめる仲間もよかったと思ったんですね。刺激を受けて発想すればすぐさま動き出すところ。これこそはカラフルリウムのよさで強みだと思うんですね。

My Private D☆V

『蜂も刺さずばうたれまい』のるりえです。

D☆Vポイントは非常にシンプル。「セーラー服にはパーカーを羽織らせよう」。

おお、わかる気がしますよ。この絵でいえば、足元なんかもポイントなのかも知れません。セーラー服でかっちりキメたら、足元はやっぱりローファーだろうと思ったら、これがスニーカー。そのいうならばミスマッチ。かっちりしたところに破調を加えてくる妙味。それがセーラー服にパーカー、なんだと思ったんですね。

全体がかっちりとおさまってるのも美しい。けれどそこにあえて加えられるまるで反対の要素、着崩しなんかもそうでしょう、このパーカーなんかもそうなのでしょう、その塩梅が適切ならば、はっとするようなよさをフォーマル、カジュアルの双方から引き出してくれる。

あるいはまた、ぴしっと張った気持ちに綻んで見える気負わない自然さ、飾らなさなんかが刺さってくるようにも思われて、ええ、大変によいものだと思います。

2022年1月13日木曜日

『まんがタイムきらら』2022年2月号

 『まんがタイムきらら』2022年2月号、昨日の続きです。

『ほぐして癒衣さん』

お疲れの癒衣さん。いつものお礼? なにかしてあげたいと夏鈴がマッサージをしますよと自ら打って出た。けれどまるで凝りのない癒衣さん。あー、マッサージ必要なかったかなと思ったら、癒衣さん、気持ちよくて? 眠っちゃったんですね。

そこからのいろいろ。自分のセーター脱いでかけてあげたり、夏鈴、結構な献身ではないですか。寝入る癒衣さんに見惚れたりしてみて、でもってまさかのよだれ! 自分の服にたれる! というので、さっと指でぬぐってみたのが癒衣さんの誤解を誘ってしまうこの展開。いやもうめちゃくちゃ面白かった。

私の口に触れたやわらかいもの。夏鈴に、私の口にチュウしたかい? いやしてませんよ!! の流れは本当に最高だったと思います。いつもわりかし余裕の癒衣さんがこんなにも狼狽!? レアケースで、これってそれだけ夏鈴がですよ、この人に大きく働きかける、それだけのウエイトあるんだなってわからせてくれた。ええ、癒衣さんにとっての夏鈴の存在、ただならぬ大きさがあるようですよ。

『ぎんしお少々』

すずが聞くまほろの過去。高校生の時分、写真同好会に所属したいた時の思い出。小金さつきと一緒に、先輩たちと一緒に、いろんなものを写真に収め、それを楽しんでいた。けれどフォトコンテストに入選してしまったことでいろいろが変わってしまう。選ばれたことで、コンテストとかに向かない性格だったことがわかってしまった。先輩たちが卒業してからは写真を撮らなくなってしまい、打ち込んだのは変なカメラ。そしてゆきついたのがトイカメラ。

まともに撮ろうとしてもろくに写らない、信頼性がとにかく低い。そんなカメラを偏愛しているの、なんとなく理由がわかってきたように思います。誰かに評価されるとか、あまつさえ賞が与えられるとか、そういうラインには繋がりようのない写真を撮りたい、そういう写りをこそ愛している。まほろの感性にこれほどマッチする道具もなかったっていうことなんですね。

今回は、そんなまほろの傾向と、そして悔い。それがいっぺんに語られて、それに対するすずの共感。かつてまほろに感じたこと、そして今の話を聞いて思ったこと。それがうまく重なって、はっと気づかされること、確かにあったみたいなんですね。

そしてもゆるの側では、方向性を決めあぐねているもゆるを、うまいことサポートしてくれるしろ。ええ、こちらはこちらで、いろいろ迷って悩んで、試して、動いて、その先に自分の傾向など見えてきたらいいですね。ええ、わからないから面白い。少しずつでもわかっていくからより面白い。そうした様子を見ている自分もわくわくさせられます。

『そらコミュニケーション』

強制送還の憂き目にあうソラたち。これでも減刑されてるんですよとの先生いやさ宇宙警察のはからいがありがたい。けれどソラとテンペスタは宿題3年分課されちゃってるのか。これ、キビしいなあ! でも罪からすれば随分とやさしい。前途ある青少年の健やかな育成と更生を目的とした温情ある措置と感じさせてくれました。

別れはつらい。けれどソラは、両親の帰還でせんりが嬉しそうにしている、それでもう満足しているんですね。あくまでもせんりのために寄り添ってきた。そうしたソラの気持ちのよくわかるくだりであったと思います。

さてこれが今生の別れとなりましょうか。せんりの心には寂しさ、悲しさが残ってしまっていて、けれどそんなある日、ソラたちが大挙してやってきたっていうんですよ。

これ、大丈夫? また罪に問われたりしない? アトリアがいってましたけど、執行猶予中だったのでは!? いろいろもろもろ心配させてくれるわけですが、この来訪、考えてみれば生身のソラ、ないしはソラ本人がはじめてこの星に降り立った瞬間であるわけですよね。

これまではヒューマノイドボディでの経験だったのが、これからは直にせんりたちとの暮らしを経験していくことになるわけですね。新しい感覚、新しい実感を通してふたたびこの世界を知っていくソラの毎日、それはまた楽しいものになりそうですね。

2022年1月12日水曜日

『まんがタイムきらら』2022年2月号

 『まんがタイムきらら』2022年2月号、昨日の続きです。

『それでは、ステキなセッションを。』

てんちゃんのガチャから出てくる不思議なアイテム、ピックの力でベースを見事に弾きこなし、評価も急上昇中の是沢芽依。演奏が評価され、さらにはサポートの仕事も次々舞い込んで、いいことづくめにも思える状況ではあるんですが、これ、マズくない? だって、ガチャで引くピックの供給が途絶えたら、ミラクルプレイも無理になるんだよ? 今は仕事のギャラで賄えているそうですが、ちょっとでも沼れば資金ショートして破綻しない? ほんとに大丈夫?

いやもう、ハラハラの綱渡り状況。実力以上の下駄を履かせてもらった状態で名前が売れてしまって、これ、はやくピック頼りでない、地の力も伸ばしていかないとほんと危ないと思う。いやいや、剣呑剣呑。一読者ながら、芽依の将来に不安を覚えてならないです。

さて、そんな芽依にちょっとした試練ですよ。シンガーのなつみのサポートを終えた後のこと。ピックの力で万全のはずだったというのに、歌いづらかったとの感想を貰ってしまった。

これ、ピックの力は万能ではないってことなんだろうな。ピックで演奏の力は上がっても、歌い手に寄り添い支える演奏になるかどうかはプレイヤーである芽依次第ってことなんでしょうね。よくいえば、伸び伸びと、思うままに弾いている芽依。でもそれでは駄目なのかも知れないと、はじめての壁にぶつかる、そんな状況。ああ、これは成長の機会ですよ、芽依。頑張って乗り越えるのですよ。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

ましろの誕生日を祝うため、スタッフ総出でサプライズのパーティを準備しますよ! 店を飾りつけ、そしてエルとルチアは予約していたケーキを受け取るため洋菓子店までおつかいに出ます。

これね、なにかその道々でトラブルとか起こっちゃうのかな!? ケーキ引っくり返しちゃったりするのかな!? ちょっと心配したのですが、ごめんよエルヴィーラ、そんな失敗をするようなエルではありませんでしたね。

お休みながらも店に顔を出すましろ。その誕生日を皆で祝って、しあわせな時間を過ごして、ええ、とてもいい情景が描かれていました。

そして少し気になることが。エルヴィーラを知る女性が登場。ケーキ屋から帰るエルを見て、それがエルヴィーラと気づいたこの人。元のゲームを知る存在!? あるいはただのプレイヤーにとどまらない!? 店内をうかがっていたものの、ましろに話しかけられて今日は去ってしまいましたが、いずれまた登場の機会もあるでしょう。その時にどんなことが明らかになるのか。気になりますよね。

気になるといえば、ましろに贈られた花束に、花とともに飾られていた恐竜の折り紙! ああ、こはるが折ったものとは違ってふにゃふにゃなんだけど、それってつまりは! ええ、頑張って折ってくれた、それが嬉しい贈り物です。

『むすんで、つないで。』

霊が見えるという白百合のいたずら。あまりに本当らしいものだから、あの苺さえも狼狽させる。すごいよ! こうかはばつぐんだ!

そんな白百合が察知したもの。異形!? あるいはこの世のものではない!? いえいえ、七色でした。子供軍団を避けそこねた七色の四苦八苦コミュニケーション。ちょっと相手が悪いとはいえ、それにしても七色、敗色濃厚すぎでは? でも、そんな七色も珍しく張りあいましたよ。つなぐを呼び捨てにする花ノ子に、自分も呼び捨てにしてるとアピール。いやいや、ちょっと大人気ないかも知れないけど、こうして少しでも我を出そうとするの、七色にはいい傾向なのでは? なんて思いましたよ。

しかし、ひたすらに素直な花ノ子、可愛い。あたふたしちゃう七色も可愛い。人は可愛いものなんですね。それも、この子たちが、それぞれに伸び伸びと、懸命に、今を生きてるからかも知れませんね。いや、そんな大げさな話じゃない? うん、かも知れないけど、今をまさに生きてる様子、それが眩しいって思ってしまうのは本気なんですよ。

そしてつなぐですよ。クリスマスにバイト入れちゃった! しかも本人、なんら苦にしていない。それどころか、ひとりだと無為に過ごしてしまうからちょうどいいとか思ってる。

で、クラスの友達からパーティーしようって思ってたのに予定いれちゃったの!? ちょっと責められちゃうんね。七色も家族との予定があって……。と、こうした基本ぼっちなふたり、それぞれのズレた常識、これ、なんか妙な共感あって、ラストのつなぐと七色の様子にニヤニヤしてしまいました。

2022年1月11日火曜日

『まんがタイムきらら』2022年2月号

 『まんがタイムきらら』2022年2月号、先日の続きです。

『けいおん!Shuffle』

めちゃくちゃ面白いですね。久々の3年生組。部室にひとり残された夏音が1年生の蘭花と鉢合わせするっていうんですが、すごいな、ふたりともにものすごい人見知り。目もあわせられない。なんとか対話を試みようとするも、ふたりともに撃沈。プルプル震えながら小動物のように固まっちゃってるっていうんですね。

そんなふたりを見兼ねて、なんとか介入しようとした莉子を押し止めたのがリサ。人見知り克服のチャンスだ! っていうんですが、絶対面白がってるよね!

そこからのふたりの様子ですよ。うろうろからはじまって、なんとかベースで間を持たせようとするも、一発目からボン! 大丈夫かなと思ったら、ああ、蘭花、夏音のベースに引かれて、そうしたらもう全部解決。すらすらと言葉が出てきて、ふたり見事に意気投合。打ち解けるまでは長いけど、一旦気を許したらそれまでが嘘みたいに仲良くなれるタイプだ、ふたりとも!

しかしそれでリサと莉子が叱られるの、面白い。ええ、蘭花も夏音も、旧知の友人にはいうべきことしっかりいえますよ。でも蘭花、泣いちゃってるね! うん、緊張解けて感情押し止められなくなっちゃったんだね。可愛いよなあ、この子。

『スロウスタート』

この漫画がはじまった頃、こうした展開のくること、まったく予想だにしていませんでした。誰にもいえない秘密がため、ずっと苦しんでいた花名。しかしその問題さえクリアしてしまえば、あとは可能性は広がるばかり? ええ、まさかこの子がね、生徒会の一員になる日がこようとは!

これまで生徒会のお手伝いをしてきて、ついに冠が次の会長に立候補。その申し入れが無事受諾されて、あとは生徒たちから承認されれば晴れて生徒会長になれるというんですね。

それで冠を筆頭に、皆が生徒会の役職につくことになって、綴や果実も当然参加することになって、ああ、関係の輪が本当に広がりましたよね。花名は書記ですか。それぞれがそれぞれに向いた役割をこなせるといいですね。

しかし、たまてと果実、ふたりの交流、ここに趣味の一致など感じられて、そこにたまてがんんんん〜? ってなってるとかね、この子たちの関係、まだまだ奥に広がりないしありそうで面白そうですよ。とりあえずまずはたまてと果実あたりが深掘りされるといいなあ、なんて思っております。

『星屑テレパス』

倒れてしまった海果。38度3分の熱で寝込んでいるのですが、そんな彼女を見舞いに駆けつけたロケット研究同好会の面々! でも、あまりの勢いが災い? いや、瞬の人相? 妹ちゃんからばしっと立ち入り拒否されてしまって、ああ、お姉ちゃんのことほんとに大切にしてるのね! いい子ですよね、本当。

さて、皆のお見舞いの情景ですよ。ユウ、そんなに飛びついて、宇宙エネルギー吸って! っとか、それええのん? あまりの変人ぶりに妹穂波もまぎれもない姉の友人だと納得? どんな姉像お持ちなのか、ちょいと気になりますよね。

瞬も素直になってくれて、これもまたとてもよかった。瞬に答える海果の表情も素晴しい。いろいろあったけれど、それら乗り越えて、以前よりも一層にその関係を強固なものにしましたね。その笑顔には、相手に向けた親愛や理解、そしてなによりも信頼が感じられるように思われて、本当に素敵な表情でしたよ。

さて、熱に浮かされ悪夢を見る海果。ひとり灼熱の砂漠をさまよっていたかと思えば、その果てに出会ったユウからはおでこぱしーを拒絶されて、絶望に暮れている。そんな海果が、夢現のあわいにユウにささやいた言葉、それが見事にユウを居抜いて、ああ、ユウさん、えらいこと赤面なさって大変!

ええ、ユウと海果、このふたりの繋がりこそが今回の最山場でありました。ふたりの出会いから始まったともいえるこの物語。中心には、ふたりの思いの相互に引きあい満ちる潮汐の模様があって、なお濃密なのです。

2022年1月10日月曜日

『まんがタイム』2022年2月号

 『まんがタイム』2022年2月号、先日の続きです。

『瀬戸際女優!白石さん』

役作りでウエイトを増やした白石。その後戻らないんだ! いや、無理して絞ると体にも悪いもんなあ。とはいえ、来月には別作品の撮影が始まる。なんとかしないと。

そんな時に真島から誘われたパーティ。減量中だからと断わったけど、交流メインといわれて承諾。でも、料理も酒も一級品が出るといわれて軽くキレてる白石。うん、こういうちょい煽りみたいなの、真島はうまいですよね。

パーティ会場で出会った巨匠級の監督、南野。白石、覚えてもらえてて感激するんですが、それに加えて続く撮影で演じる役を聞かれて、それだと減量の必要がないとアドバイスを受ける。こうした交流があり、助言があり、そして気づけるものがあり。白石と真島の関係もさることながら、こうして白石が刺激を受けて幅を広げていく様子が見ていてとても魅力的と感じたエピソードでした。

しかし、次回、やっぱり白石、増量状態のままなんでしょうか。ちょっと楽しみです。

『秘密のお姉さん養成ノート』

ぽっちゃりの真骨頂だ! 紀ノ川さんの美肌に触れて心捕われる蛍ですよ。これで今回の素敵なお姉さん研究のテーマが決定。美肌だっていうんですが、蛍みたいに若いうちはそこまで意識せんでもいいのでは? 実際、睡眠ばっちりでツヤ肌じゃないですかあなた。

主任の美肌に向けた投資、それがすごい、というか大変だなあ大人って。そして藤先生と盛り上がる紀ノ川さんのむっちり美肌トーク。お稽古全コースを終えてなお、蛍と語りたいから引き続いて会いたいというの。おおう、そんなにもなの!? むっちりフレンドだな。ほんと、お姉さんの素敵ポイント探求というより、このふたりに関しては自分の好きなポイント追求って感じが強かった気がします。

藤先生とのおつきあい継続ってことは、この好きポイント追求、より深くなっていくんでしょうね。はたして自分についていけるだろうか。振り切られないよう頑張りますよ。

『午前0時のおねだりごはん』

むっちり3連続じゃないですか!

太ってしまった牛喰さん。正月太りってやつですか。制服がパツンパツンじゃないですか。見た目にギリギリ感出ちゃってて、ファスナー飛んじゃいそう! いや、実際仕事中、ビリッといっちゃって、いやもう大変。これ、米沢も目をそらすほど! 気を使われてしまいましたねえ。

ダイエット決意した牛喰。米沢から朝のランニングに誘われて、ええ、嬉しそう。これ、なんとしてもやせないといけませんね。といいたいけど、無理して減量は駄目ですよ。消費カロリー増やしつつ、摂取カロリーを徐々に減らしていかないと。一気にやせると体に悪いですよ?

ということで、今回はおねだりごはんというよりも自分向けのメニュー探求でしたね。ローカロリーでボリュームも満足させるメニューを作って、ええ、こうやって無理せずダイエットできたらいいですね。あとは結果がついてくるだけ? 米沢からのシール帳。これも頑張りの後押しになってくれそうです。

『良倉先生の承認欲求』

なんだ、今回は異色な展開だ! 古岩に迫る美少年ですよ。2年D組一美ジュン。女子からの視線奪いまくりのナルシスト系美少年。そんな彼が古岩にご執心。いったいなぜ? と思ったら、SNSがらみだったんですか。

先日、古岩が開設したSNSアカウント。そこで公開されている写真を見て、自分もそんな写真を撮りたいと教えを乞いにきた。おお、いいじゃないですか、と思ったら、全然写真のジャンルが違うのね!? 古岩は風景、ジュンは自撮り。いや、自撮りという以上に本格的なセルフポートレートだ。

ジュン、モデルをやってるんですね。さすが良倉といっていいのか、ジュンの活動もちゃんと把握してる。でもって、かつて古岩がSNSでやらかした失敗、雑に批判をぶつけてしまった相手、それがジュンだったんだ! でも、ジュンにとってはあの批判は嬉しかった? なんか罵られてゾクゾクとかいってますけど、若干不器用でついついキツい口調になりがちな古岩とは相性よさそうな感じですよ? ほら、凡人以下とかいっちゃって、それでジュンくんゾクゾク!

いやもうすごいキャラクター出てきました。

ジュン、準レギュラーとして今後も出てくるのかな? とか思っていたら、見事写真部に入部することになって、おお、レギュラーではないですか。インパクトある個性、良倉を超えるフォロワー数、SNSの人気者で強大な発信力を持つなど、まさしくこれまでになかったキャラクターですよ。今後、ジュンの存在が写真部にそして良倉にどんな影響を与えるか、どんな騒動を巻き起こすか、こいつぁ目が離せない! 古岩との仲にも興味津々でありますよ。

2022年1月9日日曜日

『まんがタウン』2022年2月号

 『まんがタウン』2022年2月号、先日の続きです。

『食欲しか勝たん!』

今回はこころんが許された話! 新年元日初詣、瞬くシグナルの3人で神様に願うこと。みかみーもたんなるもグループの活躍や自分たちの成長を願っていて、そんな中こころんはというと、おせちのことしか考えていない! ああ、よだれよだれ。アイドルがどうとかじゃなく、妙齢のお嬢さんが晴着でよだれはあきませんよ。晴着についたら大変ですよ?

さて、いつも見るもの聞くものが食べ物に変換されてしまうこころん。池の鯉を見れば田作りを連想するし、手首に巻く数珠を見たら黒豆を思い浮かべちゃってね、ええ、相変わらずなんですね。

でもさ、おせち料理の食べ物は、それぞれみんな縁起ものでしょう? 田作りは豊作を祈願して、黒豆はまめに働く。神社で連想したそれら、全部仕事に関係するものだったわけですよ。こころんが家でおせちを堪能してた時も、自分のことをバチ当たりだなんて思ってくよくよしてたら、お母さんが縁起がいいっていってくれるでしょう? こうして、少しずつでもこころんが自分の個性を認められて、食欲含めていろいろを前向きに考えられるようになったらなおさら運が開けそう。そんなこと思わせてくれる、いい正月だったと思うのですね。

そしてこころん、今回最後に食べたの、これはブリですかね? 出世魚ですね。ええ、この子が大きく成長すること、それを祈願する思いなどあったのかも知れませんね。見事成長して、その出世した姿、見せてほしいものだって思いましたよ。

『兎なりのウサギさん』

相変わらずマイペースなウサギのみたらし! エサ入れをガシャンガシャンやってエサを要求するんだ! これ、大変だな。逆にいえば、エサ入れをガシャガシャやると食べ物が用意されること、ちゃんと学習してるんですね。ウサギ、結構頭脳派だな。

今回はみたらしにかじるオモチャを与えます。かじるための柱みたいな木のオモチャがあるんだ。フェンスもかじり用があるのん? でもってわらトンネル。中に入るためのものだけど、みたらしは丁寧にフチから、そして本体をかじっていって、これ、大変だなあ。次から次に供給しないと、あっという間にかじり切られてしまいますね。

今回判明したこと。青枝に毎日くるよう働きかける紅詩ですよ。これ、特に意図なくいってるのではなく、好きな子がじゃんじゃん家にきてほしい、そんな気持ちからだったんですね! 青枝と紅詩の気持ち、それぞれ一方通行だったというわけですか。でも、いずれうまいこと気持ちと気持ちがマッチするといいですね。それまでは、みたらしがふたりの仲を取り持つ、いやウサギ本人はなんの意図もないんですけど、それぞれ紅詩も青枝も、みたらしをダシにあう機会を増やせるといいですね。

『あの世で猫になる』

ほんと、予想できない展開してくるなあ! だんだんタマの姿が見えるようになってきていた朝倉マコ。これ、いつか猫じゃないってバレちゃうのでは!? とか思っていたらですよ、怪しい霊媒師が現れて、ヤバい霊がいますよ、騙されていますよって、こういう外部からの介入とか、まったく予想もなにもなかったもんだから、すげえな、展開が一足飛びじゃないですか。

しかしこの霊媒師。いきなりやってきてどうこういうのもヤバいけど、部屋の特定してくるのもまたヤバい。悪質なストーカー認定されて、思いっきりタマが追い払おうとするんだけど、霊媒師にも朝倉にもまるで通じてないなあ。

霊媒、わりと本物っぽいんですよね。少なくともタマの姿はしっかり見えている。だから猫っぽい行動してると聞かされて思いっきり引いちゃってるの、これはおかしかった。でもって霊媒がタマに御札を貼りつけたらですよ、姿がしっかり見えるようになっちゃって、あああ、バレた。しっかりバレた。

でも、ここでどうしようと朝倉が困ったの、霊が猫じゃない、こんなのと暮らしたくない、じゃなくて、湯あがり下着生活が終わってしまうってことだったんですね。そうか、照れちゃった。

この事態、いずれくると予想されていたタマの身バレですよ、どう乗り越えるのかな、そう思ったら、さすがやな悪徳不動産大島、見事に適当なこといって朝倉も、さらには霊媒の三原も丸め込んでしまった。この漫画で一番ヤバいのは大島だよなあ。詐欺師のオーラを感じる。でもこれでタマと大島の暮らし、新しいフェイズに進めますね。一安心、そしてより一層に楽しみです。

『ママはパートマスター』

たまにこうして掲載されるとなんか嬉しい『ママはパートマスター』。超人的な活躍をしてしまうパートマスター麻冬さん。イカダで漂流していても、パート急募を謳えば海の中から現れる、それが麻冬さん。

普通の人ではできないレベルで仕事をこなす、その姿勢は顧客からも信頼を得て、地元の名産名所にもなりうるほど。時にやりすぎ、時にミラクル。そして娘の夏季とのほのぼの生活もあたたかみあって、見ると笑えて安心できる。そんなよさあるんですよね。

2022年1月8日土曜日

『まんがタイムきらら』2022年2月号

 『まんがタイムきらら』2022年2月号、発売されました。表紙は『奥さまは新妻ちゃん』。新妻ちゃんがメインで、その周囲を今年の干支、寅にちなんだ虎コスチュームを着た面々が、ちんまり取り囲んでおりますよ。しかし一口に虎コスチュームといっても、それぞれに個性が違っていて面白い。パーカーがあったかと思えば和装まであるのね。これ、みんなポーズついてますから正面からの見た目、よくわからないところもあるんですけど、ひととおり正面から見たらどんな風なのかとか、ちょっと興味出ますよね。実に可愛い格好です。

今月は新規ゲストが3本です。

『甘く溶けたら完成です』

宮嶋美羽が目を覚ましたら、そこは見知らぬ部屋。目の前には小さな女の子がいて、いったいどういうことだろう。その子がいうには、ふたりなかよくおうちにいるようにとの手紙があったっていうんだけど、ということは母の友人とか親戚とか?

いやいや、美羽さん、素直に信じすぎでは? 家から出ようとしたらそのちびっ子にとめられる。テレビを見ようとしてもテレビがつかない。携帯電話も圏外で、この家、完全に外界から隔離されている!? まさか、世界にはこの一室だけが残されて、一歩外に出ればなにもない虚空が広がっている、みたいなことになってたり!? はしていないみたいです。

しかし若干怖ろしい話ですよ。この小さな子が、ペットを飼いたい、その一心で学校帰りの美羽をかどかわしたんだ! どこかぼんやりしている美羽。その美しさ? 可愛さがちびっ子に見初められた理由? 暗示なのか催眠なのか、自室に美羽を連れ帰り、外界との接点を断って、そして見事に囲い込む。

おおお、怖ろしい。でも、この作者、春日沙生らしい世界観だと思います。ゆるい、やわらかなお姉さんと、アンファン・テリブル、早熟で大人顔負けに頭の回る小さな女の子。その見た目からは想像できない関係性、その転倒感、ここにこそ作者の持ち味があるのですね。

『ぐーたら魔王のドキドキ世界滅亡計画』

大好きなゲーム、その続編が出るというのでフラゲ目当てに学校サボって買いに走ってみたら、なんの因果か異世界に召喚されてしまってさあ大変。ああ、これ、そのゲーム、『プリンセスクエスト2』の世界に転生してしまったってやつね? と思ったら、うーん、どうもそうじゃないみたい。知らぬ世界に召喚された。しかもそこでやらされることが魔王というから輪をかけて大変。なんと、1年で寿命が尽きます。その前に世界を滅ぼしてくださいときた。

これ、世界を滅ぼしたら帰れるってことでいいのかな? だとしたら死に物狂いで世界を滅ぼさなくちゃ! 実際、魔王に担がれたその子、笹木のの、は魔王としての才能にあふれているみたいだし、頑張ればなんとかなる!?

と思いきや、この世界にはゲーム機がない、ということは折角入手した『プリクエ2』も遊べない。いくら才能があろうと心の栄養が摂取できないでは、魔王のの、活躍以前の問題!? いやもう、これからが思いやられる、そんな導入でありますよ。

『学校帰りのエトランゼ』

入学式の初日に発熱、学校を休まざるを得なくなった清洲飛鳥の不幸。なにしろそこから風邪をこじらせて、3週間休みっぱなし。学校に出れば、クラスの人間関係はもう完全にできあがってしまっていて、飛鳥の立ち入る隙もなし。

期待していた、楽しみにしていた高校生活なのに、のっけから閉ざされてしまった、そんな気持ちになってしまったというのですね。

そんな飛鳥、傷心に背を押されるようにして、電車に運ばれるまま鎌倉までいってしまった。眼前に広がるは、夕日に照らされた海。美しさに心奪われるも、すぐさまひとりぼっちの寂しさにとらわれてしまって、けれどそんな飛鳥に意外な出会い。同じ制服の、同じ学年の子と、知らぬ海にて知り合い、話す機会を得たのです。

こうして話して、そして一緒に眺めた海は、さっきまでの寂しい海ではなくなって、より広く、大きな世界に触れられる、そんな景色になっていました。気持ちが変わったんだね。閉じてしまっていた心が、気持ちが、その子と知りあったことをきっかけに、一度に開いたのだね。

少しのきっかけででも世界はがらりと姿を変えてしまう。そうした描写、はっとさせてくれるものありましたよ。そしてこの子が学校にいる、再びあえる機会もあろう、そう思えれば、あんなにも孤独だった学校も、また違う印象をもって飛鳥を迎えてくれることにもなるのでしょう。

2022年1月7日金曜日

『まんがタイム』2022年2月号

 『まんがタイム』2022年2月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。季節は春? いちご狩りにていちごを食べる部長代理がメインです。籠いっぱいに集めたいちごからひとつつまんで食べているのは『この契約は恋まで届きますか?』の八千代。ワンピースもとてもよくお似合いです。『六畳一間の憑き物石』こいしは、スカートにつんだいちごを集めまして、それでジャンプなんてするもんだから、飛び散ってますよ、いちご! で、『花丸町の花むすび』花子はというと、いちごの着ぐるみ!? しかも体は全身タイツ!? いやもう、ひとり色物系なんですけど、いいんですか花子さん!? めっちゃいい笑顔してるので、きっとこれでいいのだと思います。

『大家さんは思春期!』

チエの夏休みの宿題。最後に残った自由研究を新学期直前までかけて仕上げたっていうんですね。1年も2年も食べものに関するテーマ。だったら3年も食べものにしようということで、そうめんレシピの探求したっていうんですか。

お中元でやたら増えるそうめんをなんとかして消費したい。最初のうちは普通にゆでて普通にめんつゆで食べてたのが、徐々に飽きる。なのでまずは具材を工夫して、さらにはアレンジの幅を広げていってというんですが、これ、食べたくなるな。特にのり巻き。そうめんののり巻きはどっかの郷土料理であったような気もする。なかなか口にする機会のない料理で、きっとおいしいと思うんだよなあ。

実際、今回のチエのレシピ、そうめんとチーズのガレットとか、あとはそうめんを衣にした揚げ物、絶対おいしいと思う。そんな料理が次々出てくるものだから、夜に読むもんじゃないな! 想像したらおなか減ってくる! いやもう、危険なエピソードでした。

しかしわからないのが、そうめんで飽きるっていうの。ここまでアレンジしてもなお飽きるっていうの、ほんとに飽きるものなの? 毎日うどん、毎日そうめんでも平気なんだけどなあ。『らいか・デイズ』らいかにとってのサンマが、私にとってのそうめんなのです。

そうめん続きでやせたんじゃないかと期待したのに逆に太っていたというの、これ、ご飯をたくさん食べたからってのもあるかもですけど、そもそもそうめんのカロリーがあるんだろうと思うんですよね。そうめんって作る時に油を塗るから結構ハイカロリーっていうじゃないですか。だからきっと米とそうめん、ダブルでいってたんだと思います。ハイカロリーはちょっといけませんね。そうめんもほどほどがよさそうです。

『テレパス皆葉と読めない彼女』

澄花との縁がきっかけで、クラスの女子とも話す機会ができた皆葉。これまでは女子を苦手としていた皆葉だけど、今はこうして普通に話せるようになりました。これまでいろいろ気負っていた、まあ人の気持ちが読めるとかね、それが心苦しいとかね、そういうのがあったにしてもさ、人とのつきあいにおいて穏やかな気持ちで向きあえるようになったというの、澄花たちと過ごした時間が皆葉を変えたってことなのでしょうね。

そして、澄花に思いを寄せる生徒がいると知った皆葉。動揺して、けれど妨害するのは違う。この、澄花の意思やその関係性を大切にしようとする気持ち、これは皆葉の美点だと思いましたよ。自分の勝手で澄花の世界に手をつっこみたくないという気持ちと、澄花を誰にもとられたくない気持ちの間で苦しむ皆葉。ああ、彼はこうして人の心の機微を、自身の体験をもって知っていくんだな。こうして悩んで、そして澄花の答に安心して、そうしたいろいろが皆葉という人を育てていっている。これはとてもさいわいなことだと思うのです。

『茨城ってどこにあるんですか?』

落ち込んでいる多恵を元気づけようと、いばらきフラワーパークへと繰り出した多恵、森戸、鈴子の3人。まずはスカイサイクルに乗ろうというんですが、待って? その乗り物、スカート、あかんことない!?

フラワーパーク、乗り物とかのアトラクションあり、ひょうたんでランタン作れるアトリエありと、いろんなアクティビティがあるんですね。しかしそこで森戸が動揺しまくるっていうのね。多恵のランタン、まさかのハートマーク! 多恵、誰かに恋でもしているの!? って、森戸がなかなか見せない表情していて、どれだけショックだったんだろう。しかもそのマーク、クローバーの葉なの! 多恵さん、罪つくりですねえ。

そして今回の見せ場ですよ。森戸のマジックで、パークのイルミネーションが点灯! いや、点灯時刻にあわせてそれっぽいポーズをとってみただけなんですが、こんなの私のキャラじゃないと恥ずかしさにもだえる森戸と、ありがとうと喜びいっぱいに抱きついてくる多恵に逆に驚かされてる森戸と、ああ、なんて素晴しいんだろう。普段見られない森戸がたくさん見られた回でした。

多恵のこと心配してたんだぞっていう森戸もね、めちゃくちゃ美しかったじゃないですか。今回は多恵と森戸の友情、そいつが実に素敵で輝いていました。しかし多恵、実機でレトロゲームやってるんですね。兄貴のゲーム機なのかな? こうしたところも意外性です。

『この契約は恋まで届きますか?』

八千代さんに家事をしてもらうかわりに手芸を教えることになった野田。そこには恋愛的ななにかがあるわけではなく、とにかくビジネスライクな関係? 野田はあわよくば進展をなんて思ってますけど、八千代の方は少なくともそうした気持ちはないように見えますよね。

さて、そんな関係だというのに、今回はなんと八千代が野田の部屋で風呂を使うというんですよ。なるほど、買い出しからの帰り道、水溜りの水を車がはねちらかして、それを八千代が浴びてしまったというのですね。風邪をひいたら大変だ、というので風呂なのだそうですが、風呂あがりに着る服っていうのが、まさかの野田のお手製! しかも、もとはぬいぐるみにと思って作ってたやつだったのか。

これ、大変よいのではないでしょうか。せっかくだから八千代さんに差し上げておしまいなさい。

今回、ちょっと嬉しい? ハプニングがあったかと思えば、職場にて、八千代の上司から野田と八千代ふたり一緒に歩いているところを見たのだが、ふたりはおつきあいしてるの? などと詮索される羽目に! ああ、前回の目撃者、あれ、総務部部長の佐倉だったというのですね。

しかし、いくら部下とはいえプライベートを詮索するのはいかがなものでしょうか、部長。部内の親睦を図るもいつも素っ気なく断わる八千代をなんとかしたい。その一心からの行動と考えていいのかな? 今回は八千代の機転で難を逃がれましたが、それでも部長、なんか嗅ぎつけていますね。これ、八千代とふたりだと絶対進展しそうにない関係を牽引する、そんな役割担わされそうな予感がしますよ。

2022年1月6日木曜日

『まんがホーム』2022年2月号

 『まんがホーム』2022年2月号、一昨日の続きです。

『オレの愛で世界がヤバい』

万丈のことが好きになったのではないか。自分の心変わりが我がことながらショックなんですね、結衣。徐々に万丈に傾きつつある結衣の恋心だけど、当の万丈はそのことに気づいておらず、結衣の恋の成就に向けて結衣のことを好きになろうとしてくれている。この一途さ? 間違いなく無私の親切心ですよね。こんな気持ち向けられたら、ただでさえ傾きつつある気持ちもより一層に高まろうというものですよ。

でも、今回のラスト。結衣が自覚する自身の恋心。月形と一緒に登校する知子を見て湧き上がる嫉妬心、そのあまりの強さに自分の気持ちをはっきりと認識させられることになったのですが、ああ、これ、万丈が結衣のことを好きになるとどうなるか、いよいよわからなくなってきましたね。

しかし今回描かれた、好きという気持ちのままならなさ、掴みどころのなさ。自分のことながら、時に揺れ動き、時にわからなくなる。そんなふわふわとして、けれど苛烈に感情を突き動かす、そんな恋の有り様。実に見どころだなあと思わされました。

『スナックあけみでしかられて』

あけみさん、えらいこと嘆いてます。なにごと? と思ったら、ああ、鈴木先生と映画にいったまではいいのだけど、思いっきり寝ちゃったんだ。それで鼻の穴見られたっていうんだけど、そこが問題なんだ。なんともいえん。いいじゃん、鼻の穴くらい。誰でもひとつやふたつ開いてるものだよ?

お正月の初詣が発端だったんですね。ふたりで初詣にいったはいいけど、神社が混んでて、しかたがないからと映画にいきました。寝たら寝ちゃったで、素直にいっちゃったらいいじゃない! と思うけど、好きな人相手だとなかなかそうもいかないんだろうなあ。ちょっと見栄を張りたい、そんな感じにも思えますよね。

そうしたあけみの純情? なんか愛らしいよね。ひととおり初々しさみたいなのを楽しんだ後は、あけみ4DX体験がやってくる。ああ、映画によっては飲食無理よね。というか、飲み物、しかもホットはお断りされてなかった? ゆるーく動くタイプの映画だったらいいけど、アクションものとかだったら、ほんとえらいことになるよ。あけみの選択は、そこまで激しい映画ではなかったみたいですね。楽しめたみたいでなにより。ああ、こういうの見ると、またちょっと映画館にいきたいなあとそんな気持ちにもなったりしましたよ。

そして鈴木先生の映画の真実。ああー、鈴木先生も寝ちゃってましたか。素直に謝ってきた先生。ええ、やっぱり素直が一番ですよ。ふたり素直になれて、また一緒に映画にいくことになった。ええ、リベンジマッチはうまくいくといいですね。

『歌詠みもみじ』

もみじたち、スキーにいきました。皆、ウェアに気合いいれてきてるんだけど、もみじはというと母のお下がりでちょっと時代遅れ。そうか、レンタルを勧められるほどか。いや、でも、これはこれで可愛いのでは? あるいは、ブーツあたりの性能、安全性とかも考慮すると、最新のギアをレンタル一択かも知れませんね。

しかし面白い。のっけからまりなの説教。雪合戦とかは地元でやれって、この人、こういうところめちゃくちゃ真面目というかストイック気質ですよね。しかもまりなのボード、名前入りじゃん! 気合いはいってるよね。スノボのまりあもスキーの宇賀神もめちゃくちゃうまくて、対しもみじは初心者も初心者。こんだけレベル差があると一緒に遊ぶのもちょっと難しそう。

今回のスキー旅行。なかなかにままならない自然、天候みたいなのも描いて、ちょっと気の毒、でも吹雪で外に出られなくても、友達と一緒なら楽しい。そんな様子は微笑ましくて、これはこれでちょっとした思い出になりそうですね。

『うちの秘書さま』

七瀬の自宅訪問! 母に買い物を頼まれたという七瀬に連れられて、はじめが七瀬の家にいくことになるんですが、完全な荷物持ち! 頭数だっていうんですから大変です。しかも商店街を歩くと、店の人が七瀬に声をかけてくる。はじめを見て、新しい子分? って、いや、ちょっと待って? 七瀬って以前は子分を従えてたりしたんですか?

いよいよ七瀬の謎は深まるばかりです。

でも今回は、そんな七瀬の謎、少し解明されましたよね。謎というよりも過去というべきかな? 七瀬の部屋には、総隊長の刺繍を背負った特攻服が今なお飾られていて、七瀬曰く自分への戒めなんだそうですが、ど、どういう戒め? しかもアルバムには、さらしを胸に巻いた若き日の七瀬の写真が!? いや、これ七瀬の母なの? いやもう、さっきの特攻服、母のものなのか、それとも七瀬のものなのか……。七瀬のものだよね? でもって、舎弟を率いていたんだよね?

なるほど人に歴史ありです。

そんなかつては荒ぶっていたかも知れない母娘が、今やこたつにあたりながらみかん食べてるんですよ。あの情景、なんともいえない味がありました。七瀬の庶民感、すごくいいですよね。

2022年1月5日水曜日

『まんがタウン』2022年2月号

 『まんがタウン』2022年2月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。両手でピースをしているしんのすけ、これは2022年、2と2で22を表しているのでしょうね。というわけで新年を祝ってめでたい表紙? またきたる4月22日に公開される『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』、それを押し出したカットもありますよ。そして新連載『ねこ上司といぬ部下くん』 、上司の根古さんのカットもございます。

今月は新連載が1本です。

『ねこ上司といぬ部下くん』

ペット用品を扱う会社にて営業として日々頑張っている乾健太郎。そんな彼に熱い視線を注いでいるのが商品開発部の根古宮子。いったいなにかと思ったら、乾に用があった模様。見つめられる理由を知りたくて話しかけるも答は得られず、ちらりちらりと振り返りながら乾をどこかに連れていきたそうな素振り。

会議室の片付けに乾の手を借りたかったというのですが、課長曰く根古さんは伝えるのが下手。うん、下手にもほどがあるよ!

根古が乾の手を借りたかったの、会議室の片付けだけでなく、商品開発のヒント、作ったおもちゃの具合を確かめたかったからというのもあるっぽいですね。ともあれ、乾、根古に気にいられているのでしょうか。ぎゅっと手をつかまれて、これから一緒にいてもらえない?

って、これは誤解しちゃう展開では!? いや、誤解ではない? いずれにしても、いろいろ挙動が謎の人。そんな根古とのつきあいのはじまり。これは恋愛的なアレなのか。とりあえず根古の振る舞いあれこれ、猫のそれなんだろうなあ。なるほど、わかりづらいのも納得です。

『押しかけギャルの中村さん』

中村、毎日をエンジョイしている? 意味深な起こし方を実践してみて、驚いた秋山にふっとばされてみたり、でもそれも楽しんでるの、よかった。陽気なお嬢さんですよ。

そんな中村、今朝はよほど頑張ったようで、味噌汁作ってくれていて、しかも秋山が好きというなめこ汁。若奥さん気分なんだ! わーお、意味深。でもサプライズで味噌汁作ったもんだから、ご飯が炊けてない以前に米さえなくって、なのでトーストに目玉焼き、味噌汁という和洋折衷? ミスマッチ朝食になってしまいました。

確認を怠ったなあ、中村よ。でも味噌汁にパンをひたして食べると意外とおいしかったりする。

中村のリベンジ、豚肉の生姜焼きを作るというの。この人、料理が得意なのかな? いや、普通の日常のご飯ならちゃんと作れるよ、そういう感じなのかな? と思ったら、そこそこできるけど、わりかし苦手な方っぽい? 油はねで火傷、って、それくらい放置でよくない? よくないのか。けど、それでまさか頭っから水を浴びることになろうとは。そして秋山、なんの気なしに触れてしまったその部位は……。いや、中村が気にしてないっぽいからセーフか、と思ったらアウトでした。そうか、やっぱりあかんかったか。

今回、中村が頑張りたかったその理由。居候させてもらってるんだからせめて役に立ちたかったっていうんですね。うん、いじらしい。けど料理は秋山のほうが上手なのか。なので、なんとか中村の料理チャレンジを押し止めようとした結果、めちゃくちゃ喜ばせる一言が気づかぬままに発せられていたっていうのね。ええ、その喜びが翌朝のなめこの量に反映されてるの、この子の素直な気持ちの発露感じられて、いやもう、よかったです。

『猫またはごはんを。』

サチ、発熱しました。それでフクがいろいろ世話を焼いてくれるんですが、猫には人の風邪はうつらないから大丈夫なのかな? 熱のせいでいろいろポンコツになっているサチをとにかく寝させて、それで冷蔵庫にあるものでさっと作ってみたのが、ホットコーラ! コーラ味の飴湯なんだ。なんか面白そう。糖分がたくさんとれるから、風邪ひいて弱ってる時とかには、手っ取り早くカロリーを摂取できていいかも知れませんね。

ドイツなんかだとホットビールがあるそうですよ。ビールは液体のパンなんだそうです。だからコーラのかわりに、サチが飲もうとしていたビールを使えば、いい感じにアルコールも飛んで飲みやすく栄養にもなる、そんな飲み物になったかも知れません。

しかし、フク、いいですよね。暖かいコーラでとりあえず暖がとれたサチ、そのまま寝ようとするところを、歯磨きして薬飲むようちゃんと注意してくれる。しかも添い寝までしてくれるといういたれりつくせり。まるで小さなお母ちゃんみたいですね。フクがいればサチも安心と思えます。

『新婚のいろはさん』

ジョギング中に雨に降られてしまったはじめといろは。クツの中、ガボガボ! 引っくり返して溜まった水をざーっと流すんですが、はじめのクツは大きくてたっぷり入ってていいなー! って、いろはさん、なんでも楽しむな! そんなことを羨ましく思う人っているんだー! みたいな気持ちになりましたよ。

作中の季節は夏、いわゆるゲリラ豪雨に降られたんですね。濡れねずみになって気持ちも弱ってしまったのかな? はじめがネガティブ思考に取り憑かれてしまってて、それをうまいことポジティブ方向に引き上げてくれるいろは、ああ、いい人と結婚しましたね、はじめさん。

飄々としてとらえどころなく、けれどどこかしっかり地に足をつけている。そんな印象のあるはじめですが、それは表に現れるはじめの姿に過ぎなくて、その奥には今回見せたようなくよくよしがちな本音があったりするのかも知れませんね。そんなはじめの二面性と、そしてネガティブをとにかくポジティブ方面に切り替えようと働きかけてくれるいろはと、今回は夫婦ふたりの支えあい? ともに暮らし、ともに生きる上で大切な、そんなあり方の一旦を見ることができたように思います。

いろいろ結果的に、すごいもの見られた。このふたりの様子、それもまたすごいものなのかと思います。

2022年1月4日火曜日

『まんがホーム』2022年2月号

 『まんがホーム』2022年2月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかが力強く鏡開きをしています。鏡開きは、包丁とか使わずに、木槌で叩いて割るのが本来というか、縁起の意味で重要らしいですよね。ということで、小槌でガツンと叩いて、見事に粉砕です。というか、これ、相当大変では!? 『孔明のヨメ。』は七草粥? もうお正月も終わりゆく、そんな雰囲気。『ヲトメは義母に恋してる』鈴と寿々ふたりが食べてるの、おでんですね! 『ラブアマ』柴田と社長は、なんだろう、あんまん? いや、なんか焼き饅頭みたいなの食べてますね。

『孔明のヨメ。』

周瑜、孔明を若干警戒しつつも、有能そうだから使い倒してやろうと、その才を活用しまくろうとするところ。好き嫌いとかじゃなく、その能力でもって人を使おうという思惑が見てとれて、ああ、本当に有能な指揮官なのでは!?

しかし、今回語られたこと、孔明が想像以上に危険な綱渡りをしてきたというのが明確になって、最悪首をとられる展開まであったというのですか。ひとつ誤ると死にかねん状況下であれだけ大胆に動いていたの、孔明という人の図太さ、胆力をうかがわせてくれた瞬間であったと思います。

さて、呉との同盟なって一安心の状況ではありますが、孔明の乗る船にまさかの侵入者!? これ、バレたの、月英でよかったよな! あまりに怪しい出で立ち、これ、普通の兵士に見つかってたら即成敗の状況では!? ともあれ、その不審者の正体ですよ。まさかの孫権の妹! ってことは、いわゆる孫尚香か! 正史にてはほぼ語られていない謎の人。はたしていかなる人物として描かれることになるのか、いかにふくらませられるかが楽しみでありますね。

『天国のススメ!』

太一を訪ねてやってきた不審者。あまりの見た目に、こいつぁ人じゃねえな。妖怪か霊か、その類だな。と決めつけていたら、なんとまあ人でした。しかもアイドル。園原奏なるお嬢さん。そのあまりの美しさに母も祖母も見事にやられて、けど太一は草間と十子で耐性できてるのか。そうか、十子、相当な美少女であるのだな。

霊障に悩まされている、お祓いしても改善しない、ということで頼みの綱、太一に助けを求めたというんですね。右手に負傷、さらには二の腕に酒よこせとのメッセージまで浮かびあがって、さあこれはいかなることか。その解決への道のりがめちゃくちゃスムーズなの、もう驚きやしないけれど、さすがの太一ですよね。

奏とマネージャー、ふたりして酒樽を担いで山を登る。番組の企画で登った山、心霊のなんのと大騒ぎした時に、お稲荷様のお社を壊してしまっていたというのですか。なるほど、神の怒りを買っていた。ゆえにお祓いでは解決せず、こうしてきちんとお詫びするほかなかったというのですね。

しかし太一、思わぬところで思わぬ人と思わぬ繋がりができてしまいました。これ、今後もなんか出てきそうな気がしますよ。なんか面白い準レギュラー枠におさまりそうな気がします。

『座敷童子あんこ』

あんこの昔の話。まだ居着く家を見つけられていなかったあんこが出会った相手。おにぎりを恵んでくれた、いや勝手にあんこが盗み食いしただけなんだけど、その相手、幸之助とのやりとりもろもろが、もう昔からあんこはあんこだったんだなって思わせてくれるもので、大変に面白かったです。

基本、ごろごろ寝てるばかりで、食べることに関しては数人前。ほんと、今と全然変わらない。と思ったら、昔は結構ちゃんと家を豊かにしていたんだ! 幸之助の作る笠を売りに町に出て、しかもきっちり売り切ってる! 半ば押し売り、脅し売りだっていうんですが、だとしてもきちんと売れてるのはすごいことで、どかんとはいかないけれど、じわじわ家を栄えさせてきてたんだ! 今よりもちゃんとしてる!

あんこが大食なので、家が豊かになってもトントンくらいに落ち着いたっていうんですが、それでも家屋敷とかはよくなってるわけだから、これでも充分以上ですよ。

さて、当時はまだあんこではなかったあんこ。なんとまあ大福丸って呼ばれていたんだ。女の子扱いされてませんがな。しかも幸之助、幸太の先祖というの、これはあんことの縁を感じさせてくれますよね。まさしく良縁ってやつ、太い絆を感じさせられます。

『俺と式神の主従契約』

式神の六合に懐かれてしまって困っている優一。この困った式神のこと、人には知られたくない、とりわけもえちゃんにはバレたくないっていうんですが、どうにも式神の六合、いろいろいたらない? いやまだ力が充分に回復してないから、やる気にいろいろついてこないってことなのかな? なんとか役に立とうと頑張ってくれてるんですけど、今のところあまり活躍できてないんですよね。

さて、優一の大ピンチですよ。体調悪そうだったからと、もえちゃんが家まで訪ねてきてくれた。しかも悪いことに、もえちゃんについてなんかヤバそうなのが侵入してきちゃってたっていうんですね。もえちゃん狙い? このままではもえちゃんの身が危ないっていう時に、六合が助けてくれましてね、おお、かっこいい! これまでのしくじりもろもろ、一気に大挽回じゃないですか! と見直したと思ったら、この加減を知らない式神、力を使い切っちゃってるし!

この漫画の方向性、見えてきましたね。霊に親和性がある? そんな優一の心霊がらみのトラブル、困りごとに、若干おっちょこちょい気味の六合が役立ってくれる、そんなコメディになりそうですよ。霊で困ってる優一と、霊を祓える六合と、いいコンビになれそうに思います。

しかし、そのたびに六合が力使い果たしてぶっ倒れたりしたら大変ですね。ええ、優一さん、はやく、はやく六合さんに身体の一部を、体液を! 注ぎ込んでさしあげて!

2022年1月3日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号、昨日の続きです。

『しずねちゃんは今日も眠れない』

しずね、なんだかいろいろいい感じにまわっていますよね。あかりとも順調に親交を深め、さらにはクラスの子とも接点ができてきた。友達のよさを知るところからさらに一歩踏み出して、友人の輪を広げていく。また違う個性の友人との関係を築いていく、そういうフェイズに移行しつつあるのかも知れませんね。

でも、ものごとがうまく運んでいると、なにかしら悪いこと起こるのがしずねです。ええ、案の定なの? あかりと一緒に買ったお揃いのキーホルダー、マスコット部分がとれてなくなっちゃってる!

驚愕のしずね! 狼狽しまくって、でもあかりには話せない。もうなくしたの!? 友達失格だ! みたいになること怖れてるんですが、いやいやそれは考えすぎだと思うよ? だってうっかりとかなにかがあったわけでもないじゃん。仮にうっかりがあったとしても、きっとあかりはそんなことで怒ったりしないよ!? とはいえ、いろいろ不安が先に立っちゃうんだろうなあ。

そこからのしずねがいろいろあかん感じで、前半のうきうき浮かれている様子とは打って変わって、焦点定まらぬ目で廊下をさまよい、教室にては机の下をただただ探している。茫然自失の様相ですよ。あかりが話しかけても反応しない。嫌われた!? 今度はあかりが疑心暗鬼に捕われちゃって、ああああ、これどうなるの!? こんなので友情壊れたりしたら嫌だよ!?

とか思っていたら、ののがナイスアドバイスですよ。しずねもあかりも、どこかしら弱気なところがあって、それをうまくねねやののがサポートしてくれてるのがすごくいい。しずねの側でも、しずねがすっかり打ちひしがれてしまったところを、ねねがわずかな希望を手繰ってくれて、問題解決してくれたじゃないですか。あの、思いもしないところからぽろりと出てきたマスコット! またも驚愕のしずねですよ!

いやもう、この安堵の広がっていく様、実によかった。しずねたちの様子こそは描かれないものの、きっとほっとしてるんだろうなあってわかる。そしてあかりもね、すっかり安心して、ああ、いい笑顔ですよ。それにしずねのこともよくわかってくれている。そんなあかりを見守るののの表情もまたよくて、ええ、この円満な様子、ほっとさせられますね。

2022年1月2日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号、先日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

笹かまぼこだけでなく鯨ベーコンにも妖精いるのか! って、それ妖精なのか!? 鯨ベーコンが名産の天河市、その市公認のキャラクターがクジベェくん。例のご当地キャラマニアの稲井に連れられて小依も特設ショップにきたんだけど、なんとまあ、姉の計らいでササエルとの突発コラボが実現してしまうっていうんですね。

しかしこれ、いきなりケンカ売ってどうするんですか、小依。ブッ飛ばすぞコラー!! って、実に穏やかじゃない。いやまあ、姉も悪いよ、姉も。まずは向こうさんに小依を引きあわせて、どんな具合に入っていきましょうとか打ちあわせしときませんと。とにかくぶっつけ本番、まさしく飛び込みで参戦して、アウェイの地で完全に不審人物扱い。しかも司会のお姉さんが勝負を引き受けちゃうから大変だ!

唐突な相撲対決もアレなんですが、ずっとオロオロしているクジベェがめちゃくちゃ可愛いのな。でもって相撲、本気で勝ちにいくササエル、実におとなげない! まあ、子供だもんな。というか、自分で自分のこと子供っていってるけど、それええのんか? あんた、高校生やろ? 背丈低いの気にしてへんかった?

これね、クジベェの中身、女性がやってましたというんですけど、実際ゆるキャラ、ご当地キャラの中身って女性が多かったりするらしいですよね。背丈のある男性だと、着ぐるみがめちゃくちゃゴツくなっちゃって、威圧感出ちゃう。それを避けるために女性が入ってるんですよって、以前着ぐるみの付き添いの人に教えてもらいました。

というのはいいとして、いずれまたクジベェとも、またその中身のお姉さんとも再会できそうな予感させるラスト、実にいい。あのちょい落ち込んでる中身のお姉さんも微笑ましくて可愛かったです、背中しか見えてませんけど。

『ニチアサ以外はやってます!』

おお、特撮研の皆が作ったPV、『オン・ユア・ゲイズ予告編』の公開ですよ。四コマのフォーマットを踏襲しながらも、四コマ的な流れよりストーリーの展開をより強く押し出してくるこの描写。よかったのでは!? あえてコマの線を引かず、時間の経過を感じさせるべく2コマ連結してみたり、迫力出すために大きくどんとスペース確保して見せるなど、これ、見せ方の工夫、漫画の表現としても面白い。通常の世界を描く際にはコマ線を引いて、対しフィクション世界ではコマをなくして、描かれている世界が違うことを意識させる、表現の中の描写だということの強調も見事だった。また、その特殊な見せ方がフィクション世界の異質さをより一層に感じさせて、素晴しかった。

でもって、勝負を持ち掛けた先生、見事にしてやられましたね! タチバナ先生。なぜ特撮研を目の敵にするのか。その動機や背景にまで迫ってみせる後半の展開。なんとまあ、案の定というべきか、特撮研OG! しかも第1期生。後輩たちの頑張りを暖かく見守ろうとか、そういう気持ちが皆無なのすごいよね! しかも見事に負けを認めずに、ここは私の特撮研じゃない、私の居場所のない部室が許せない、だから圧力かけて自分の影響下に置くんだって、や、厄介極まりない……。いやほんと、面倒なキャラクター、どうあしらえばいいんだろう、と思ったら、ここで黒歴史映像の出番がくるんだ!

これ、一件落着と考えていいのかい!? 映像しっかり仕上げて、頑張り認められてハッピーエンドの流れを期待させながら、実際には若き日の恥ずかしい映像でもって屈服させる! いやもう、びっくりの展開見せましたよ。でも、黒歴史っていうけど、なかなか悪くないんじゃないでしょうか。生き生きとして楽しそうな表情いろいろ。開き直ったら楽しい、そんな映像の数々なのでは? とはいうものの、教師となった今、それを公開されるのはたまらないってところなのかも知れませんね。

けれどそれこそ、顧問が生徒たちに無理難題持ち掛けて、しかも駄々こねること考えたら、昔の映像なんて全然恥ずかしくないですよ。ほんと、土下座の1ページ前、それこそが最悪の黒歴史でしたよ、先生。

『あやしびと』

おおう、最終回。果たして、別れ別れとなったアヤとみぞれたち、再会はなるのか。

そう思いながら読み進めていたものですから、驚いた、彼女らの取り組みこそは描かれたものの、ふたつの世界を行き来する手段、未だ見つけることはできていないんですね。妖人サイドではサトリ校長の所属する組織への関与も視野に入れつつ、また違う可能性も模索。アヤサイドでは、オカルト研究部にて異世界がらみのいろいろ探っているという。一口にいえば、両者ともにわずかな可能性に賭けようと、日々自分にできることをコツコツこなしている。

この先に、再び出会える日がくるなら、それこそ喜ばしいことだと思うんですね。

世界を行き来する可能性、妖人サイドが実績も含めてかなり有望なわけですが、オカルト部部長の曾祖母があやしびとについてかつて話していた。ああ、アヤ以外にも妖人の世界を知る人間はいたんだ! もしかしたら部長は、曾祖母から聞かされた不思議な話がきっかけとなって、オカルトに興味を持つようになったのかも知れませんね。そしてこの情報が再会の可能性を開いてくれたらどんなにかいいだろう。などと思っています。

しかし、本当にこれで終わりなのかなあ。単行本最終巻に描き下ろしでもあれば、せめて再会の場面を描いたひとコマでもあれば、そう願っています。

2022年1月1日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2022年2月号、先日の続きです。

『アネモネは熱を帯びる』

とにかく凪紗の茉白あしらいが下手だなあという印象の強い回でしたよ。もうすぐ夏休み、どこかに遊びにいきたいという茉白に、夏期講習があるから遊ばないよとバッサリ。さらに、海にいきたいという要望もバッサリ。なんらか妥協策を提示するとかもないんだ!

海にいきたいイコール炎天下水着着て海に入る、だったりするのかな? だとしたらさすがに凪紗の心配もわかろうものだけれど、ただ海を見るだけでも海だよ? 自分の都合があるのはわかる、けれどどこかしら茉白の要望も受け入れないことには、それこそ全拒否じゃあ、さすがに茉白も収まらんですよ。

なんて思ってたら、さすがの茉白も怒っちゃいましたか。ケンカになってしまいました。

でもこれがきっかけで、凪紗の進路、それが決まりつつあるようなんですね。茉白の体調と折りあって、いろいろできるようになるにはどうしたらいいか。いろいろ調べて、対策考えようとして、けれど今の自分には限界がある……。

で、それを茉白に伝える言葉がそれなの!? びっくりしたよ。なんであやふやに茉白そのものが無理みたいないいかたになるのですかあなた!

ちゃんと誤解が解けてよかった、なんですけれど、ほんと凪紗、コミュニケーションにいろいろ問題ありすぎていろいろ心配してしまいますよ。でもとりあえず茉白の要望、海にいきたいというの、実現させるべく動いてくれたのはよかった。そして茉白のために医学部受験を考えているようで、ええ、凪紗、やるとなったらガチですね。

『最果てのともだち』

ちょっと尋常でない展開になってしまいましたよ。林間学校でクラスの皆と宿泊施設に泊まります。それでアサヒ、さっそくクラスの子らから排斥されていて、ああ、キツいなあ。この子、ほんと、食器の後片付けの時、ユウにいわれたように嫌な時は嫌だとちゃんといった方がいい。この場合は、クラスの子らにどうこうじゃなくて、親なり学校なりに、登校しないぞ、林間学校なんかもってのほかだ! が正解ですよね。でもこうして林間学校に参加しちゃって、そうなればもうしんどいことばっかりじゃん。ええ、今回はつらい展開てんこもりでした。

しかし、霊や怪異が見えるユウ。この子からしても、アサヒと一緒にいるサキが見えない。いや、違うか、サキはここについてこれていないんだ。でもアサヒがサキと話していたの、あれはイマジナリーサキと捉えていいのか、あるいはまた違う現象なのか。いずれにしても、これ、キーになりそうな描写ですよね。

そして今回のラスト、アサヒの決断。これ、アサヒどうなるんだろう。本当にこの子が死んだりはないと思うんですよ。でもただなにもありませんでしたで終わるようなことは絶対にないとも思うから、ああ、きっとなにかが起こる、それも結構大きなことが起こる、そんな予感がしてならんのです。

『ねことちよ』

折り紙で遊んでいるねこですよ。頑張って作ったクジラなのに、まきが横から手を加えちゃって、ああー、ねこがすねちゃいましたよ。この時のちよとふみの反応が面白かった。余裕があって、子供を見守ることのできる大人の態度といったらいいのかな。まきはそのへん、まだまだねこ寄りの子供っぽさありますよね。

さて、そんな微笑ましい情景描かれた今回ですが、なんか気になる描写もいくつかあって、ちよのアルバム、その後ろの方に綴じられた折り紙を見て、まきがいうんですよ。これ、なんの動物? って、いや、猫じゃろ? どう見ても猫じゃろ?

これ、小さな子にねこなんて名前がつけられてる不自然というか違和感に対する答というかなんかなのかな。この世界って猫という動物が存在しないとか、あるいは猫という動物がねこに見えてて、動物としての猫の姿をしていないとか、なんとかかんとか。

でもって、今回ラストで、ねこが見てる折り紙の本をそっと指さす手、あれは誰の手なんだろう。また、なにをねこに伝えようとしているのだろう。

不穏? 不穏なの? この思いもしない雰囲気に、どういう反応示すべきなのか、ちょいと戸惑っておりますよ。