2022年1月2日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号

 『まんがタイムきららキャラット』2022年2月号、先日の続きです。

『ササエルの中には誰もいない』

笹かまぼこだけでなく鯨ベーコンにも妖精いるのか! って、それ妖精なのか!? 鯨ベーコンが名産の天河市、その市公認のキャラクターがクジベェくん。例のご当地キャラマニアの稲井に連れられて小依も特設ショップにきたんだけど、なんとまあ、姉の計らいでササエルとの突発コラボが実現してしまうっていうんですね。

しかしこれ、いきなりケンカ売ってどうするんですか、小依。ブッ飛ばすぞコラー!! って、実に穏やかじゃない。いやまあ、姉も悪いよ、姉も。まずは向こうさんに小依を引きあわせて、どんな具合に入っていきましょうとか打ちあわせしときませんと。とにかくぶっつけ本番、まさしく飛び込みで参戦して、アウェイの地で完全に不審人物扱い。しかも司会のお姉さんが勝負を引き受けちゃうから大変だ!

唐突な相撲対決もアレなんですが、ずっとオロオロしているクジベェがめちゃくちゃ可愛いのな。でもって相撲、本気で勝ちにいくササエル、実におとなげない! まあ、子供だもんな。というか、自分で自分のこと子供っていってるけど、それええのんか? あんた、高校生やろ? 背丈低いの気にしてへんかった?

これね、クジベェの中身、女性がやってましたというんですけど、実際ゆるキャラ、ご当地キャラの中身って女性が多かったりするらしいですよね。背丈のある男性だと、着ぐるみがめちゃくちゃゴツくなっちゃって、威圧感出ちゃう。それを避けるために女性が入ってるんですよって、以前着ぐるみの付き添いの人に教えてもらいました。

というのはいいとして、いずれまたクジベェとも、またその中身のお姉さんとも再会できそうな予感させるラスト、実にいい。あのちょい落ち込んでる中身のお姉さんも微笑ましくて可愛かったです、背中しか見えてませんけど。

『ニチアサ以外はやってます!』

おお、特撮研の皆が作ったPV、『オン・ユア・ゲイズ予告編』の公開ですよ。四コマのフォーマットを踏襲しながらも、四コマ的な流れよりストーリーの展開をより強く押し出してくるこの描写。よかったのでは!? あえてコマの線を引かず、時間の経過を感じさせるべく2コマ連結してみたり、迫力出すために大きくどんとスペース確保して見せるなど、これ、見せ方の工夫、漫画の表現としても面白い。通常の世界を描く際にはコマ線を引いて、対しフィクション世界ではコマをなくして、描かれている世界が違うことを意識させる、表現の中の描写だということの強調も見事だった。また、その特殊な見せ方がフィクション世界の異質さをより一層に感じさせて、素晴しかった。

でもって、勝負を持ち掛けた先生、見事にしてやられましたね! タチバナ先生。なぜ特撮研を目の敵にするのか。その動機や背景にまで迫ってみせる後半の展開。なんとまあ、案の定というべきか、特撮研OG! しかも第1期生。後輩たちの頑張りを暖かく見守ろうとか、そういう気持ちが皆無なのすごいよね! しかも見事に負けを認めずに、ここは私の特撮研じゃない、私の居場所のない部室が許せない、だから圧力かけて自分の影響下に置くんだって、や、厄介極まりない……。いやほんと、面倒なキャラクター、どうあしらえばいいんだろう、と思ったら、ここで黒歴史映像の出番がくるんだ!

これ、一件落着と考えていいのかい!? 映像しっかり仕上げて、頑張り認められてハッピーエンドの流れを期待させながら、実際には若き日の恥ずかしい映像でもって屈服させる! いやもう、びっくりの展開見せましたよ。でも、黒歴史っていうけど、なかなか悪くないんじゃないでしょうか。生き生きとして楽しそうな表情いろいろ。開き直ったら楽しい、そんな映像の数々なのでは? とはいうものの、教師となった今、それを公開されるのはたまらないってところなのかも知れませんね。

けれどそれこそ、顧問が生徒たちに無理難題持ち掛けて、しかも駄々こねること考えたら、昔の映像なんて全然恥ずかしくないですよ。ほんと、土下座の1ページ前、それこそが最悪の黒歴史でしたよ、先生。

『あやしびと』

おおう、最終回。果たして、別れ別れとなったアヤとみぞれたち、再会はなるのか。

そう思いながら読み進めていたものですから、驚いた、彼女らの取り組みこそは描かれたものの、ふたつの世界を行き来する手段、未だ見つけることはできていないんですね。妖人サイドではサトリ校長の所属する組織への関与も視野に入れつつ、また違う可能性も模索。アヤサイドでは、オカルト研究部にて異世界がらみのいろいろ探っているという。一口にいえば、両者ともにわずかな可能性に賭けようと、日々自分にできることをコツコツこなしている。

この先に、再び出会える日がくるなら、それこそ喜ばしいことだと思うんですね。

世界を行き来する可能性、妖人サイドが実績も含めてかなり有望なわけですが、オカルト部部長の曾祖母があやしびとについてかつて話していた。ああ、アヤ以外にも妖人の世界を知る人間はいたんだ! もしかしたら部長は、曾祖母から聞かされた不思議な話がきっかけとなって、オカルトに興味を持つようになったのかも知れませんね。そしてこの情報が再会の可能性を開いてくれたらどんなにかいいだろう。などと思っています。

しかし、本当にこれで終わりなのかなあ。単行本最終巻に描き下ろしでもあれば、せめて再会の場面を描いたひとコマでもあれば、そう願っています。

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