『まんがタイムきらら』2022年2月号、昨日の続きです。
『ほぐして癒衣さん』
お疲れの癒衣さん。いつものお礼? なにかしてあげたいと夏鈴がマッサージをしますよと自ら打って出た。けれどまるで凝りのない癒衣さん。あー、マッサージ必要なかったかなと思ったら、癒衣さん、気持ちよくて? 眠っちゃったんですね。
そこからのいろいろ。自分のセーター脱いでかけてあげたり、夏鈴、結構な献身ではないですか。寝入る癒衣さんに見惚れたりしてみて、でもってまさかのよだれ! 自分の服にたれる! というので、さっと指でぬぐってみたのが癒衣さんの誤解を誘ってしまうこの展開。いやもうめちゃくちゃ面白かった。
私の口に触れたやわらかいもの。夏鈴に、私の口にチュウしたかい? いやしてませんよ!! の流れは本当に最高だったと思います。いつもわりかし余裕の癒衣さんがこんなにも狼狽!? レアケースで、これってそれだけ夏鈴がですよ、この人に大きく働きかける、それだけのウエイトあるんだなってわからせてくれた。ええ、癒衣さんにとっての夏鈴の存在、ただならぬ大きさがあるようですよ。
『ぎんしお少々』
すずが聞くまほろの過去。高校生の時分、写真同好会に所属したいた時の思い出。小金さつきと一緒に、先輩たちと一緒に、いろんなものを写真に収め、それを楽しんでいた。けれどフォトコンテストに入選してしまったことでいろいろが変わってしまう。選ばれたことで、コンテストとかに向かない性格だったことがわかってしまった。先輩たちが卒業してからは写真を撮らなくなってしまい、打ち込んだのは変なカメラ。そしてゆきついたのがトイカメラ。
まともに撮ろうとしてもろくに写らない、信頼性がとにかく低い。そんなカメラを偏愛しているの、なんとなく理由がわかってきたように思います。誰かに評価されるとか、あまつさえ賞が与えられるとか、そういうラインには繋がりようのない写真を撮りたい、そういう写りをこそ愛している。まほろの感性にこれほどマッチする道具もなかったっていうことなんですね。
今回は、そんなまほろの傾向と、そして悔い。それがいっぺんに語られて、それに対するすずの共感。かつてまほろに感じたこと、そして今の話を聞いて思ったこと。それがうまく重なって、はっと気づかされること、確かにあったみたいなんですね。
そしてもゆるの側では、方向性を決めあぐねているもゆるを、うまいことサポートしてくれるしろ。ええ、こちらはこちらで、いろいろ迷って悩んで、試して、動いて、その先に自分の傾向など見えてきたらいいですね。ええ、わからないから面白い。少しずつでもわかっていくからより面白い。そうした様子を見ている自分もわくわくさせられます。
『そらコミュニケーション』
強制送還の憂き目にあうソラたち。これでも減刑されてるんですよとの先生いやさ宇宙警察のはからいがありがたい。けれどソラとテンペスタは宿題3年分課されちゃってるのか。これ、キビしいなあ! でも罪からすれば随分とやさしい。前途ある青少年の健やかな育成と更生を目的とした温情ある措置と感じさせてくれました。
別れはつらい。けれどソラは、両親の帰還でせんりが嬉しそうにしている、それでもう満足しているんですね。あくまでもせんりのために寄り添ってきた。そうしたソラの気持ちのよくわかるくだりであったと思います。
さてこれが今生の別れとなりましょうか。せんりの心には寂しさ、悲しさが残ってしまっていて、けれどそんなある日、ソラたちが大挙してやってきたっていうんですよ。
これ、大丈夫? また罪に問われたりしない? アトリアがいってましたけど、執行猶予中だったのでは!? いろいろもろもろ心配させてくれるわけですが、この来訪、考えてみれば生身のソラ、ないしはソラ本人がはじめてこの星に降り立った瞬間であるわけですよね。
これまではヒューマノイドボディでの経験だったのが、これからは直にせんりたちとの暮らしを経験していくことになるわけですね。新しい感覚、新しい実感を通してふたたびこの世界を知っていくソラの毎日、それはまた楽しいものになりそうですね。
- 『まんがタイムきらら』第20巻第2号(2021年2月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿