2023年2月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年4月号、発売されています。表紙は『RGP不動産』。闇の中、湧き上がる光に包まれる琴音とファーであります。それは魔法の光なのか、あるいは時を越える奇跡の光なのか。砂時計や剣、書物など、多くのものが一緒にふたりのまわりを舞っていて、それはあたかもこの世の理を超越する、そうした様を描き出そうとするかのようです。しかしこのイラスト美しいですね、と思ったら、読者プレゼントで図書カードとタペストリーになってるーっ! これ、タペストリー、絶対いいやつですよ。当たったら家宝にするやつです。

今月は新規ゲストが3本です。

『はらぺこ少女と探偵と』

肉まん大好き早月女音都さん。落としてしまった生徒手帳など気にもかけずに限定肉まんゲットすべくダッシュです。しかし残念、肉まんはすでに売り切れ。落胆する音都の前に現れたのは、肉まんを手にした謎の少女。なんと、これは音都を探偵の助手に引き込むためのリクルートであったというのですよ。

しかしこの探偵を自称する晴野律歌。さっきは少女といったけど20歳、成人なのか。なのにこの常軌を逸した行動。肉まんで女子高生を釣り上げて、檻に閉じ込めるという所業。これ、音都がその気になったら事件化可能な案件ですよ!?

ともあれ、律歌の奇行にも負けぬ音都の食い意地。律歌のヤバさを実感しながらも、差し入れられたおにぎりのおいしさに惑わされて、助手(仮)になることを承諾。大丈夫か、この子!

ともあれ初回では、律歌を出し抜く音都のしたたかさが描かれて、反面律歌の方は探偵としての技量の説明はほぼ皆無、ストーカーまがいの調査力こそ描かれたものの、奇行の方が目立ってるというの、ちょっと問題なのでは!? さらには律歌のストーカー? つきまとい? 謎の女まで現れて、いよいよ事態は剣呑に。ほんと、これ、ちゃんと探偵業をやるところまでいけるんでしょうか!?

『推しが炎上するのでアイドルはじめます!』

アイドルオタク、一ノ瀬葵。推したアイドルは必ず炎上する呪われた男。というんですが、これ、多分、そういう炎上傾向のあるアイドルに魅力を感じるタイプのオタクなんだよ、葵くん。葵が推すから炎上するのではなく、炎上の気配に魅了された結果、推しアイドルが炎上、退場、葵は傷心のパターンが続いてきたんじゃないかな。

かくして、アイドルを信じられなくなった葵がとった行動は、自ら女装し可愛くなって、トップアイドルを目指そうというもの。

奇行だ! それで実際、可愛い女子に擬態できるようになったのは才能があったというべきか適性があったというべきか、それはそれでいいのですが、スカウトされるのを期待し街へ繰り出すも空振りの連続。いや、君、ここは自らオーディションやらなんやらに打って出るべきですよ。

と思ったら、見知らぬ女子から声をかけられ、私と一緒にアイドルをしないか、念願のアイドルデビューに一歩近づいたというんですね。

その女子、星咲怜那は元アイドル。フェリシテというグループに所属していたというのですが、葵はそのフェリシテのメンバー、小鳥遊ひなを推していた。で、当然ひなは炎上してしまったっていうんですが、同じグループに所属していた怜那を知らないということは、かなりの大人数のグループなのかも知れませんね。

ともあれ、こうしてアイドルへの道が見えてきた葵。しかし葵は男。それを怜那はいまだ知らず、ということはこのまま女子としてデビュー!? ああ、葵自身に炎上の火種が! これ、いつまでも隠し通せるものなのか。あるいはやはり炎上の運命は避けられないのか。葵のこれから、茨の道かも知れないですね。

『まほらの幽霊部員』

吹上るう、ホラーやオカルトが怖くて苦手というものの、ドキドキするのは好きという、ちょっとアンビバレントな女の子。そんなるうが進学した先の高校には心霊研究部なるものがあって、これはもう入るしかない。もうノリノリで部室を訪れるのですが、無人!? いや、ちゃんと活動はしてました。部室が古い一軒家に変わったっていうんですね。

部長、淡嶋幽々子。萌え袖の可愛いぐるぐる目の女の子なんですが、まさかこの人が幽霊なんてことありませんよね!? もうずっと疑っていたんですが、案内された部室には思いっきりくつろぐ一年生の奏南。まさか、この普通に見える子も幽霊だったりしませんよね!?

いやもう、誰もが疑わしい。

けど、幽々子の弟、可愛い服大好きの女装男子、ねむが出てきて、ああ、この子らは幽霊じゃないっぽいな。いや、そう思わせておいて実は! みたいなパターンかも知れませんけどね!

かくして4人集まった部員。4人集まったらやりたいことがあったと幽々子がいうんですが、それがスクエア。部屋の四隅にひとりずつ立って、ひとりずつ順に隣りの角に移動していくという、本当なら5人いないとできないはずの行動です。

その足りないはずのひとりが幽霊だ! っていうわけですがはたしてこの場に霊は現れるのか!? とと思わせて、手酷い幽々子からのサプライズ! すっかり驚かされたるうですが、それでうっとりしてるのすごいですよね。さっそく奏南からつっこみ入っていますよ。

で、誰ひとり気づいてないけどそこにひとり謎の少女。ええ、ちゃんと幽霊はいるというんですが、これ、次回にも誰も気づかないままなのか、あるいは自ら姿を現す? 気づくよう仕向ける? どうなるかはわかりませんけど、なにかしらの動きは期待できそうですね。

2023年2月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2023年4月号

 『まんがタイムオリジナル』2023年4月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。表紙のテーマは女給さん? 和装にエプロン、レトロモダンな雰囲気の山下さんが素敵です。『小森さんは断れない!』しゅりは、これはコックですね。ボウルに泡立て器持ったその様子、なんだかちょっと慌ててるようにも見えるんですが、手順が多かったり急ぎで作らないといけなかったりするんでしょうか。『らいか・デイズ』らいかはクラシカルなメイド衣装。昨今のメイド服という感じよりも、昔ながらの給仕さんといった趣き。そして『元アイドルのハロー!ワーク』は、ほっぺさまをしあわせそうに食べるあかりんであります。

『おしかけツインテール』

ファミレスに集まって、高校卒業のおいわい、うちあげ? やってる花梨たちです。しかし、花梨さん、乾杯のあいさつ、そんなにも長いんですか。友達から若干あきれられてるっぽいんですが、なんかしっかりしなければ、ちゃんと大人にならなくちゃという意識が先走ってなのか、校長先生みたいになってますよ。

卒業の実感がまだ持てない花梨たちです。後輩に追い抜かれてショックを隠せない由利とか、後輩に崇拝される瑠璃先輩とか、これまであまり見られなかった側面が見えたのはよかったですよ。杏夏とクラスの子の交流から、その子もうちあげに加わってさらに楽しくなる、そんな様子。わいわいとした賑やかさ中、だんだんと実感を得ていく花梨の切なさ、それが胸に沁みました。

しかし、このお祝いの情景、そのラストにまさか和風ガスパチョ〜朝比奈風〜が出てくるだなんて。ほんと、思いもしない落ちが待っていて、卒業気分とか全部ふっとんでしまいましたよ。

『となりのフィギュア原型師』

えにぐまちゃん、再来だ!

スカルプターズ・バトルトーナメントで我らが滝館おこめと戦い破れたえにぐまちゃん! しかしその経験が彼女に変化をもたらしたか、ずっと引きこもっていたこの子が造形のイベント、サンフェスに出てみたいというんです。

心配なのが黒子やってる兄ですよ。あまりの動揺ぶりに、そんなに!? とは思ってしまうんですが、認識が、認識が歪んでおる! からの、心配で引き止めすぎて逆に妹の社会復帰を阻んでやいないか、兄よ。その姿勢は妹を心配するというよりも、むしろ妹を自分の手元に囲い込んでおきたい、そんな歪んだ依存をさえ感じさせるぞ!

ついには兄貴、妹からもさすがに気持ち悪いといわれて、それでようやく落ち着いたのか、ちょっとまともに話せるようになりました。

ここからの兄の提案、着ぐるみ案がですよ、最初まさかのヤバいのできあがってきて、これは、これはあかん! やっぱり造形となると頼れるのは妹の方なんですね。いろいろ手伝ってもらって、ようやくできた着ぐるみ。いいでき! からの、兄も感動、えにぐまちゃんと黒子のフィギュア!

おお、これを持ってサンフェスに参戦。そこで出会うは因縁の滝館おこめだーっ! ここで再び争いが勃発するか、あるいはわかりあいよき関係を育むか。いずれにしても絶対面白いやつですよ。ほんと、次号、はやく読みたいですね。

『ヤンキー、ザコ男に片想い』

ゲーセンデートを楽しみに座子田を待つ比護に課せられた悲しき使命。なんと、テスト赤点だったからと補習、再テストが申し渡されたというのですね。

楽しみにしていたのに、ゲーセンいけなくなってしまった。落ち込む比護、座子田にゲーセンいけなくなったというんだけど、言葉のチョイスがよろしくない! センコーにぱくられたって、逮捕されるような案件と思われちゃうよ! からの、赤点とったの、とったのが赤点だってちゃんといわないもんだから、万引きだか窃盗だかと思われてるし!

どんどん深まる座子田の誤解。比護の17点というのをテストの点数じゃなく窃盗した品の数だと思われてるし、しかも幻滅までされてしまって……。

ここまできても比護の思い違いが正されないのもまたすごい。バカと思われて嫌われた!? からの必死に数学に打ち込みはじめるその様子。ああ、恋の力で苦手も克服できるのか。しかし、これだと座子田に誤解されていた方が比護はずっと成長できそう。でも、あんな悲痛な顔で教科書に向かう姿はかわいそうすぎて、やっぱりちゃんと誤解は解けてほしいですよね。

そう思っていたら、再テスト83点で窃盗疑惑は晴れました。よかった! と思うも、比護の恋する気持ちは伝わってないじゃん! ほんと、すれ違い続けるふたりの感情。いつかちゃんと伝わる日がくるのだろうか。今の状況見るに、その日は相当に遠そうですよね。

2023年2月26日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号、昨日の続きです。

『花唄メモワール』

藤野の命を救うため、大正時代に舞い戻った梅。大正時代の風物に戸惑うのは相変わらず。それでも、アイリスの願いを叶えて問題解決、信頼を勝ち取っているからか、身をくらませてしまっていたとはいえ皆の受け入れもスムーズでありました。

さて藤野のためにと梅が奮闘しますよ。情報聞き取りながら、問題の日を絞り込もうとするんです。令和の世で見た新聞には、藤野の死は19になってからだった。誕生日はと聞いてみれば、6月14日。まだ半年は安泰! と安心しているんですが、いやいや、数え年かも知れないよ!? 数え年なら大晦日の今日18歳でも、明日元日には19歳になってしまう! もしこの推測が正しければ、梅の予測はあてにならない。いつ何時事件が起こるか、予断を許さないってことになってしまいます。

今回は藤野の件のほかにも、いろいろわかったことがありました。藤野を慕う女の子。女将さんの姪っ子、イネさんというんですが、つまりすなわち梅の曾祖母!?

いやもう大正12年の女将さんが曾祖母なのかなって思ってたのが思いっきり間違っていて、あれまあ! ほんと! まだまだ自分の予想外のこと、飛び出してきそうな予感がしてきましたよ。

『魔法使いロゼの佐渡ライフ』

ミニ茅の輪づくりを依頼された紗菜とロゼ。ところが材料の茅がなくなっていて大ピンチ! というところをロゼの魔法でなんとか解決したわけですが、この茅がなくなったの、月渚の仕業だったりするのかい!? とか思ったら違ったみたい。

心が汚れていたのは私だったようです。

さて、茅の輪祭りの功績にお礼の品が届きました。ひとつはだんご。もうひとつは佐渡金山の入場券! 金山に興味があったロゼにとってはこの上ない贈り物ですよ。実際テンションめちゃ上がりしていて、紗菜と美乃梨の3人で佐渡金山見学コースをエンジョイ。美乃梨はちょっと人形なんかが怖かったみたいですが、ロゼにいたっては感情移入のあまり泣いてしまうときましたよ。

今回は佐渡金山の見学コースと、そして金山の割れ目、道遊の割戸を望む景観がメインといったエピソード。物語としてはあんまりなんも進んでいないんですが、佐渡を知る、佐渡をアピールするという点では抜群の流れですよね。

そしてラストには、次のミッション、涼香から仕事の依頼が。はたしてそれはどんな仕事なのか。なにかしら物語を動かしうる、そんなきっかけであるかも知れませんね。

『追風のジン』

サイガ村で医者として働いている氷室イオリ。しかし研究のため血を集めていたり、また風魔結晶を探しているなど、その行動はどうにもうさんくさく、また倒れたココロを介抱したまではいいものの、ココロがグレンの娘であることを知っているときました。

これ、ピンチでは? 過去一ピンチでは?

そう思ったのだけど、なんとまあ、イオリの口から語られた自身の身の上。本当の名は影成フブキ。ココロの父グレン、ジンの母フウカとともに天叢雲を結成したひとりなのだそう。

そんなイオリいやさフブキの語る悲しい過去。それはまだ長い話の冒頭にすぎず、ではここから語られるものとはいかに。

天叢雲結成に至るいろいろ、またグレンやフウカの過去にも関わるキーパーソンが現れて、さらにはグレン存命が明言されるなど、ジンたちの今後を左右すること間違いない重大な局面。さて問題は本当にこの男を信じていいものなのかどうなのか。ここにきて、実はその裏に隠された目的が! みたいになったりもするかも知れないなんて思ったりして、いやはやなかなか安心はできない状況が続きます。

2023年2月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号、昨日の続きです。

『ちょっといっぱい!』

定休日のこはる屋に集まる人たち。すずめ亭を継ぐと決めた紅葉にいろいろ教えてくれるというのですが、そのためにリンまで駆けつけてくれて、ああ万全の指導体制ではありませんか。店には皐月と真澄が待っていて、かくして揃ったこはる屋の中核メンバー。ここで振る舞われたのが、今月号表紙に描かれた梅酒だったのですね。

とっておきの梅酒。あ、未成年には梅シロップね。そのおいしさに驚く紅葉に、この梅酒のいわれがリンの口から語られたのです。

こはる屋開店に向けて動き出した彼女らが、つらい時、あきらめそうになった時に、これを飲んで乗り越えよう。その思いで作った本気のお酒。大切な大切なとっておき。そしてこの話を聞いて、紅葉、いずれ自分もすずめ亭開店に、そして店を軌道にのせるために、歯をくいしばる思いをすることになるかも知れない、そこまで悟って、この梅酒の意味を大切に受け取るのですね。

皐月たちは、紅葉にかつての自分たちを見ているのでしょうね。すずめ亭で働いて、こはる屋を開店するに至った自分たち。そのこはる屋が、次代のすずめ亭店主、紅葉を育んだその縁。こうして引き継がれる思いの確かな様、ぐっとくるものありました。

次回、最終回! マジかよ! 今号で表紙を飾ったの、てっきりアニメ化発表とかかと思ったのに! いやほんと、泣いても笑ってもあと一回。来月には紅葉たちの頑張りがどうかたちを成すのか、それを知ることもできるのかも知れませんね。

『スローループ』

船でアナゴを釣った小春たち。二葉に招かれて、アナゴにキスを調理して食べる機会を得るのですが、二葉の家に大切に飾られていたひよりたちが船釣りした時の写真。それを見て、もう一年がたったんだと感慨にふける皆の胸中。とりわけ二葉のそれが切々として、素晴しかった。ええ、この船釣りでのひよりとの出会いをきっかけに、ずっと怖れていた気持ちに決別できたのでしたね。それは、それは、人生の一大転機であったわけですね。

そんな二葉の重大発言! 私…、ずるい女なんですっ! 吹き出す小春に恋ですよ。というか、恋がこんなになるの珍しいな。そんな言葉どこで覚えたの、恋だな! 恋だろうと小春に濡れ衣着せられる恋がおかしい。そして続く二葉の言葉。どこか子供っぽい、あるいはだめなところがあるひより、それを放っておけない、放っておきたくない、というかずっとそのままでいてほしい。そんな欲をかいちゃうんだって告白に、小春も恋も共感してしもうとるがな!

愛されひよりさんだなあ。

と思ったら、口元にアナゴのタレをつけて帰ってきたひよりの世話をかいがいしく焼く恋先生ですよ! 悪いのは恋ちゃんでした! 小春に続いて、二葉もいうんですよ。ずるい人だったんですね!

いやもう、今回は破壊力大きかったです。コメディとしても面白いし、皆の心情もよくよく伝わるし、もう、最高だったのでは? というか、ひよりさん、愛されまくりだな。いやもう、素晴しいエピソードでした。

ところで、キスのてんぷら食べてふわふわ…! っていってる恋先生、めちゃくちゃ可愛いですよね。このコマ引き伸ばして、額装したいほどでした。

『球詠』

合宿に突入した新越谷野球部の面々。朝の5時に叩き起こされたかと思えば、さっそく早朝ランニングです。ここで皆がなんかおかしくなってる。半分寝ぼけてる息吹が日本一はやい始発動画とか見てるんですが、なんだそれ! 謎の行動出ちゃってますよ。

合宿のエッセンスがこの一回にぎゅーっと凝縮されて充実でした。体力おばけのヨミと意地で張りあう主将のプライドが見られたかと思えば、体幹トレーニングをして朝食すませば、午前に練習、午後も練習。内野ノックで捕球に失敗したら全員でバーピー10回という過酷メニューに、部員からの怨嗟も溜まる! で、ここで芳乃を守るため? いや、自分も同じく責めを負わんとして先生が自分の発案と噂を流させたりしていまして、この、誰かをひとりにしない、同じ重荷を背負おうとする姿勢、今回を通じて語られた重要なこと、それがここにも顔を出していたのかも知れませんね。

午前の練習でヘバった状態での午後練。疲れ果ててるのにめちゃめちゃ打てる白菊にも笑ったんだけど、さらにテンションまでおかしくなってるという追撃がはいって、なんだ今回ウルトラ面白いな。かくして暮れる5日間の合宿。最後のメニューは外周20周のマラソンだ!

走って走って精魂尽き果てて、ようやく終わった、走り終えたと思ったその時、ひとり1周を残した息吹を見て、黙っていられなかった主将に泣かされました。

本当ならもう走りたくなんてない。そうした気持ちを飲み込んで、苦しい息吹を放っておかない。ひとり駆け出して、息吹を助ける主将に泣かされたかと思ったら、主将に続き追い掛けてくる皆の姿! って、ヨミは本当に体力おばけだな! この、全員がヘバって、もう動けない、その状況から、互いに身を支えあいながら追走してくる。この姿にはたまらないものありました。

合宿の目的は、日本一のキツい合宿、それを乗り越えたという自信を持って強豪に挑もうというものでしたね。いわばその総仕上げとなる最後のメニュー。それがただキツいメニューを越えるばかりか、皆が一丸となり成し遂げた、そうしたチームとしての強さ、自信をも持たせるにいたったこと。これは芳乃にして予想外の結果だったりしたのでしょうか。

正直なところ、合宿前にも触れられていましたが、キツいばかりのメニューは前時代的ではあるんです。そう思いながらも、そうした思いを払拭させる、そんな感情の高まりにすっかりやられてしまいました。

そして芳乃の傷跡に触れられましたね。これは、芳乃にスポットライトがあたるということでしょうか。先を楽しみに待ちたく思います。

2023年2月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2023年4月号、発売されました。表紙は『ちょっといっぱい!』。梅酒の大きなビンを抱えた紅葉です。これ、本編に出てきたこはる屋のスペシャルブレンドですね。自分たちで材料を吟味して漬け込んだ、店には出さない取って置きの梅酒。つらい時、苦しい時に、自分たちを鼓舞するための特別なお酒。それをこうして笑顔で出してくれている紅葉を見るに、つらい時だけじゃない、特別な時、嬉しさをともにお祝いしたい時にも振る舞われるのでしょうね。ええ、本編がまさにそうした時。未来へと向かう若者へのはなむけ、思いを贈るかのような一時でした。

今月は新規ゲストが2本です。

『雨ちゃんは泣き虫』

突然の告白を受けた村雲。名前さえも知らない相手。交流したこともなければ、自分のこともよくわかっていないだろう後輩からの申し出にネガティブな反応返そうものなら、即座に目の前で死んでやるとカッターナイフ取り出す危険なコミュニケーション!

いやほんと、これは怖い。その思考回路が怖い。自分の中で作り上げた虚像に恋し、虚像を相手に一方的な交流を押しつけてくるタイプの人間。かつてこういう人間が身近に存在したものだから、さすがにちょっと受け入れがたいよ!

知りあいでもなかった相手に一方的に死を突きつけて、それが嫌なら自分とつきあえと迫る。脅しだよ! 村雲がしかたなしにオーケーしたら、自宅デートだと相手の了承もなしに家までついてくる。

怖い。怖いよ。この危険な子は天宮司雨。かつて自分の身近にいた人物は、教職員につきまとい数名を病ませた劇物で、男性女性問わず人間関係を破壊された者は数知れなかった。自分は運よくロックオンされる前に逃げおおせたので助かったけど、その数年後に交流関係に介入され、見事破壊されました。

こんな経験したものだから、天宮司雨には頭の中でアラート鳴りっぱなしであります!

けれど雨はだいぶ普通の側の人間だったようですよ。村雲の実際、お嬢様でもないし病がちの母を支えるために苦労している姿を見て、自分の決めつけやわがままについて反省することができた。これまでのやりとりを受けて、それでも雨を受けいれつきあおうという村雲は正直傑物ないしは怖いものなしだと思いますが、それでも自分に足りないもの、求めていたなにかを雨に見出したのでしょうね。

人は誰しも欠けたところがあって、それを誰かと埋めあうことができれば、その人にとってのひとつのしあわせに辿り着いたといえるのかも知れません。村雲にとって、雨はそうした誰かであったのでしょう。まだよく知らぬ村雲を知りはじめた雨にとっては、村雲は望ましい相手であり続けるか、あるいは思いもしない側面に触れることとなるのか。そうした時には、またなにかしらの変化なりあるのかも知れませんね。そしてそれは雨にとっての成長となるのかも知れません。

『コートネームをあなたに』

背の低さを気にしている笹原杏子は、バスケットボール部に入って背を伸ばすのだと意気軒昂。しかし現実は思いどおりにいかないのが常。シュート練習するもボールはリングに到底届かず、対し華麗にゴールを決める長身の高谷望美の躍動に見惚れるばかり。

そこまではよかったんだけど、杏子ったら自分にはバスケは向いてないんじゃないかって落ち込んじゃって、いやいや、はやいよ! まだ初日じゃん!

そんな杏子のことはげましてくれた望美。ふたりはこうして知りあって、そして近しくなっていったんですね。

背の低いことがコンプレックスの杏子。望美はといえば、声が小さくコミュニケーションが苦手。猫背もコンプレックスだっていうんですが、これはきっと背が高いからだろうなあ。自分より低い子たちにずっとあわせてくれてたんですね。内気で細やかな気配りのできる子なのでしょう。この子とはまた違った個性の杏子。小さくとも明るく元気なその性格は、多分望美にとっての理想だったりしたんだろうなあ。

ふたりで買い物にいった時の望美見てると、なんかわかるんですよ。服も見たいという杏子を、可愛くドレスアップさせる望美。その可愛さにテンションあがってるんですが、ああ、きっとこういう可愛い格好をしたいんだな、この子。大人っぽさ求めてる杏子は対極。ふたりそれぞれに、自分にないものを求め、その理想を互いに相手に見出しているっぽいんですね。

さて、新入生による交流試合に向けての練習がはじまります。ポイントガードの役割について指導を受ける杏子。試合まで一週間しかないことに不安を隠せないでいたら、望美が自分がいるからと頼もしいこといってくれて、そして試合当日も、杏子が失敗しても望美がカバー。そして最後には、杏子からのパスを繋いだ望美が決勝点を決めるにいたるというんですね。

今はまだ望美に助けられている杏子ですが、いつかこの子もうまくなって、望美を支えられる、そんな選手になっていけたら素晴しいなと思います。ふたりのともに伸びゆく様、そして深まる仲こそがきっと見どころになる、そう思わせてくれる一本でした。

2023年2月23日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、昨日の続きです。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

大きなイベントが片づき、今回はちょっとした小休止といった雰囲気がありますね。皆と別れて、リルー、アヤ、ジジにペロの基本メンバーのみでの行動に戻って、当初ののんびりとした感じを取り戻したみたいといってもいいのかな? 大学、研究所で確保した食料も充実。いい感じの木陰でちょっと贅沢な食事を楽しむ様子など、ちょっとしたピクニック気分でした。

大学に出没した強化ゾンビの話題なども出まして、レサナで倒しきれなかった理由を考察。リルーの魔力の問題か、アヤと強化ゾンビ2体同時にレサナをかけたためなのか。前者ならリルーのレベルアップで改善されるかも。しかし、たとえ強化されたレサナを強化ゾンビ一体に集中させたとしても倒しきれるかどうかは未知数。今後同様の強敵を相手にする時は、また苦戦する可能性があるってわけですね。

さて、強化ゾンビを振り回したアヤの謎にも触れられて、アヤがいうにはおしりのところがムゥーンとなってパワーアップしたというのですが、それって温泉の時の三日月のかたちをした痣が関係してる!? こうしたアヤの謎、やはりこのゾンビクライシスを解決に導く鍵だったりするのでしょうか。

『ハードコア★マジック』

後半はなお一層に面白いですね。魔法少女の秘密が友人いとめにバレていたレメ。本来なら、淫獣いやさ使い魔イーちゃんの情報操作や記憶操作で消し去られているはずの秘密が、いとめにだけは効果が及んでいなかった?

このいとめの存在も、またなにか謎があったりするのでしょうか。

身バレを心配するその理由がせちがらい。公共財に与えた損害を請求されてはたまらないとかね、なるほどこの世界は敵を倒したら自動で被害が修復されるようにはなっていないのですね。そもそもこの問題は、レメがうまく加減できなくて、あちらこちらに被害というかたちで痕跡を残してしまうのが原因。じゃあ、敵と戦う前に無駄に力を消費しておけばどうだろう。

ここからのくだりが本当に面白かったんですよ。

全力疾走すると音速を超えてしまう。じゃあ可視光にしてみたらどうか? それで室内が3万ルクスの閃光につつまれるところね、もう絵面だけでおかしかった。屋内で38,500ルーメンの照明をつけた記事を思い出したりなんかしてしまって、いやもうこの試行錯誤、めちゃくちゃ面白くって、そして辿り着いた最適解? ハートを放出するというのなんか可愛い感じに決着してよかったのかなと思ったら、これまた絵面がものすごくって、思ってたのと違うなっていういとめの感想がさらに面白さに拍車をかけて最高でした。

で、これで解決かと思ったら、まさかの日照被害とか! ほんと、これめちゃくちゃ面白い。予想外の展開に、すっかり持っていかれてしまいました。

『てくてくっ!秘密リサーチ』

航路すかいと日出ひぐれ、ふたりの街中リサーチ。今回は日常に潜む謎の痕跡遺物。超芸術トマソンがテーマ。豊洲駅にある無用ホームドアを見つけたすかいが、ひぐれに写真を送ったんですね。そうしたら返ってきたのが超芸術トマソン。それは「トマソン」に違いない!!!からその説明のくだりがすごい情熱! まるでなにかの本から引用したかのような長文が圧巻。で、その情熱がすかいに全然刺さらないのがまたおかしかったんですね。

すかいに合流したひぐれ。ここからワトソン、ならぬトマソンについて説明していくことになるんですが、実例を細かく図解してくれるのは親切! そしてホームドアの痕跡。さらには秋葉原万世橋を訪れ、謎の空間、謎の階段にも言及。いいですね、街中リサーチを満喫していますよね!

街中の痕跡器官ともいえるトマソン。これは、かつてそれが意味を成したであろう時代を語り継ぐメッセージなのかも知れませんね。それを読み解くよすがが残されていれば歴史の証言ともなり、残されていなければトマソンとしかいいようのない不思議オブジェとなる。その境目もまたあやふやであろうところに、トマソンの面白みもあるのかも知れません。

そうそう、冒頭のセルフィーを撮るすかい。めちゃくちゃ可愛いですよね。漫画のテーマ、内容ともども、想像以上に刺さっておりますよ。

『リリカお嬢様に振り回される!』

永野! 犬のシャルロッテに張りあうんじゃない!

リリカお嬢様がお困りあそばされてるその場に居合わせなかったせいで、役立たずの汚名を着せられてしまった永野です。実際シャルロッテがかしこくて、いろいろリリカの役に立ってくれてることは間違いないんですが、だからといって犬に張りあうこたあないんですよ。必死に犬より有能であること見せようと頑張るもんだから、リリカに面白がられて、犬以下だ犬以下だっていわれることになった永野。ちょっとしたシャルロッテブームがきちゃったわけなんですが、それでトイレのしつけで対抗心見せるの、永野さん、リリカお嬢様じゃないですが、何言ってんだお前? でしたよ。

永野、お嬢様のこと好きすぎなのか、あるいはお嬢様に認めてもらいたい気持ちが強すぎるのか、シャルロッテ以下だっていわれすぎて、すっかりやさぐれちゃって、それで自分がいないことで痛い目見ても知りませんからねなんていっちゃってるの。あ、これ悪いフラグでは!?

植え込みに落ちたフリスビーを取ろうとして車イスから転げ落ちそうになってるリリカお嬢様! 痛い目見たら私のありがたみもわかるんじゃないかとか永野いってましたけど、お嬢様が痛い目見たら後悔するの永野の方だよ!

ほんと、これ、ふたりして後悔するようなことになったらどうしよう! そう思ったら、ああ、よかった、永野、お嬢様を抱き留めることができましたよ。

この時のリリカの反応。助けられてバツが悪いのか、あるいはちょっとやりすぎちゃったなって反省してるのか、いずれにしてもふたりの関係はこれで元通りになって、いやほんとよかった。永野のためにもよかったし、リリカのためにもよかった。

でもね、永野はシャルロッテと協調してともにリリカお嬢様をお支えあそばしたらよろしいのですよ? お嬢様が転びそうになった時にシャルロッテの見せた焦りの表情。ふたり、いやひとりと一匹ともリリカのことが大切なんですから、ここは同僚、同志として、それぞれ違う役割を担うチームになったら素敵だなって思いました。それこそ冒頭、扉絵に描かれたように、ひとつのフレームに3者がともに収まって仲よい。それは素晴しいことだなって思ったんですね。

引用

  • さいにゃん「てくてくっ!秘密リサーチ」,『まんがタイムきららMAX』第20巻第4号(2023年4月号),157頁。

2023年2月22日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、昨日の続きです。

『ニブンノハチジュウハチ』

奏、相当に愉快なお嬢さんですよ。ピアノの音を聞きつけてお隣さんがやってきた。そのうちのひとりが奏のことを知っていて……、というのですが、必死でしらばっくれようとする奏がもうおかしくておかしくて。だらだら冷や汗かきながら、知らぬ存ぜぬを貫こうとするのだけど、いやもう無理、絶対無理。ついには諦めて小林奏と白状するにいたりました。

この4人がメインとなるキャラクターなのでしょうか。リビングを共用する2部屋の住人。こちらはかつてピアノのコンクールで競いあった(?)ふたり。そして隣室はというと、ピアノをはじめ複数の楽器に熟達(?)する清花ゆずと、そしてピアノは未経験、松永来夢。

ゆずはお嬢様なのかな? ふわふわとした雰囲気の可愛い人。やわらかな物腰に、どこか世俗を超越したようにも感じさせるキャラクターなのだけれど、この人、えらい特徴持たされてしまってるんですね! 名前がすごい。ゆずは通称。本名は茜音凛蘭柚香蓮というのだそうで、なんだその寿限無みたいな名付け!

もう本当に個性のかたまりみたいな4人がぎっしり詰め込まれてきましたよ。

ひとりピアノを弾けない来夢。初心者のこの子に教えるところから含めて、皆で連弾の楽しみに触れていく、そんな物語になるのでしょうか。だとしたら絶対面白い。弾けるからこその悩みを抱えるものあれば、まるで弾けないからこそ楽しめるものもある。そうした多彩な音楽への向きあい方が描かれたら嬉しいなと思いました。

『ご注文はうさぎですか?』

リゼに呼び出されたフユ。なにごとかと思ったら、腹話術を教えてほしいとのこと。ああ、ティッピーがしゃべらなくなったこと、それを受けてのことだったのですね。

チノは、リゼにスランプだと説明していたんですね。これまでちょくちょく話していたティッピーがしゃべらなくなって、それを楽しみにしていたお客さんも寂しがっている。そうした状況をなんとかしたいと、腹話術得意のフユに教えを乞うたリゼ。そこには、どこかこれまでとは違うチノを元気づけたい、そうした気持ちもあるのかも知れませんね。

そしてチノですよ。おじいちゃんとの別れを受けて、きっとショックもあったろうこの子が、そうした気持ちを表に出さず気丈に振る舞っている。今回も、しゃべらなくなったティッピー問題を自分なりの腹話術で解決して、こうしてティッピーをとりまく変化を受け入れ変わっていこうとしているチノの心情、それはおじいちゃんとの別れを乗り越えて心身ともに成長していく様そのものなのだろうと思わされたのでした。

おじいちゃんとの別れに対する反応を直接に描くことなく、けれどチノがどのように受け止めていこうとしているのか、それが周辺状況からわかるように描かれているここ数回のエピソード。その細やかで丁寧な筆致に、むしろより一層にチノの気持ちも伝わってくるように感じています。

『瑠東さんには敵いません!』

夏休みが終わり、気になるのはやり残した宿題? いや、耳に飛び込んできた席替えというワードですよ。

席替えがあれば、瑠東と和村、ふたりは離れ離れになってしまう! 授業中のいけない秘密のやり取りももうできなくなってしまう!? 瑠東のそばにいられる時間が減ってしまうとショックを受ける和村がいれば、和村との距離が離れてしまうことを予測し水分補給をはかる瑠東。ちょっと瑠東は奇行まじりなんですが、いやね、アメリカンドッグを買ったからってどうもこうもならんでしょうよ! でもそれくらい瑠東にとってはショックが大きすぎて、混乱、情熱、またひとりだったんでしょうね。

でもなにがおかしかったって、ふたりで近くの席になれるよう小細工願掛けまじないに頼ろうとしてみたり、そして一緒にいられる時間を惜しむように、ふたりの秘密の遊び、絵しりとりに興じようとしてみたりと、このいじらしい関係よ! ああ、こんなにも思いあっているふたりが引き裂かれるなんて、この世はどれほどに残酷なの!?

と思わせてからの、席替えしない宣言、そしてキリン決着!

いやもう、見事にから騒ぎに終わって、虚脱に陥る和村、瑠東のその表情もまたすさまじい。ええ、最高に大空振りしたその様子、実に面白かったです。

2023年2月21日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、一昨日の続きです。

『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』

弱って座り込んでいたユーリを拾ったつくし。男か女か、性別すらもわからない。わかっているのはユーリという名前とその職業、殺し屋であるということだけという、ちょっと困った状況だったのが、さらに困った状況に!?

ユーリをを追ってきた元仲間という殺し屋に軽く命を狙われて、けれどつくしはくじけない!? むしろ積極的に殺されようとするところなど、どれだけこの世に対する絶望が深いというのですか! 職がない、恋人もいない、貯金も危ういと、ないないづくしだというのですが、あまりに打たれ続けて自尊心もボッコボコである模様。だというのに、困ってそうな人を見たら助けないではおられなかった。

ある意味、生きることへの強さがある人なのかもなあって思いました。

つくしに迷惑がかかってはなるまいと、ここを去ることにきめたユーリ。しかしそれでもユーリを引き止め、一緒に暮らすことを望むつくし、これは行き場のなさそうなユーリのことを思ってのことか、あるいは情にほだされてのことなのか。いずれにしても、ふたりの生活がこれから本格的にはじまろうというのですが、それにしてもユーリの性別に対するこだわりはいったい!?

ユーリのキャラづけなのか、あるいはその向こうに深い理由などあったりするのか。ちょっとした注目ポイントですね。って、注目したら命狙われてしまうんでした。

『ななどなどなど』

高校進学にあたり、思いきって髪型を変えたるる。そうか、るるの今の髪型、高校での心機一転を狙ってのイメチェン戦略あってのことだったんだ。けれど髪型変われど性格までは変わらない。いやまあ、そりゃそうなんだけどさ、実際買い物でレジに並んでいた時も、割り込みされたのにそれをとがめることもできなくて、からのここで萌の介入!

なんとまあ! 萌とるるの関係は入学前からすでに始まっていたんだ。涙目るるの愛らしさに一発心を射貫かれてしまった萌のあの様子。二度と会えないと思っていたのに、学校で遭遇したあのレジで助けたあの子! 運命感じている萌ですよ。いやもう、よっぽどだったんでしょうなあ。けど、今となっても偲ぶ恋、秘めた恋を貫いている萌。一途にして切ない、その心情。鳴かぬ蛍が身を焦がす、であるのですね。

でも、なんでここにきてふたりの出会いのエピソードが回想されたのだろう。と思ったら、ないと思っていた2年次進級にかかるクラス替え! ないと思っていたるるに大ダメージ。そして運命の再会を果たし寄り添う関係への発展を願っていた萌にも大ダメージ。なんとかるるとは離れたくない。その一心で必死度上げていくるるですが、その結果や果たして!

2年1組、高山萌、玉村小町。吉岡るるは2年5組! って、遠いな! そして7D-Oは記載なし。いや、ななどは小町ちゃんの所持品扱いだから、小町ちゃんについて1組に入るんじゃないの? ということはるるひとりが5組、皆と離れてしまうというんですか!?

これ、萌とるるにとっての愛の試練となるのでしょうか。あるいはどこかにるる救済の可能性があるのでしょうか。ほら、あれだ、小町ちゃんの友達、このみがいるではありませんか!

といった大きく状況変わる局面描かれたところで、休載のお知らせです! 病気ではないとわかっていますが、おからだ大切になさってください!

『ギャルとネクラの吸血関係』

バンパイア・ハンターの出現を警告していた姉の言葉をまるで聞いていなかったまくる。さっそくそのバンパイア・ハンター、アクアと遭遇したいよねのこと誤解して、自分は見限られるのではないかとパニックに陥り、自ら近づいていってしまう!

というか、アパートのお隣さんだったというところからして問題で、存在を察知されていたわけではないものの、危機的状況には変わりなし。なのに警戒心もなく部屋の前にべったり貼りつくものだから、アクアに察知されてしまってもう大変。なんとか逃がそうといよねがそれとなく促すものの、まあ、あれじゃわからんよね。結局、捨てられると勘違いしたまくるが部屋に突入してきて、あー、まくる、お別れだ。悲しいなあ……。

とはなりませんでした!

アクアの鞭に縛りあげられて観念したまくる。涙こぼしながら反省するその様子、可憐でとても魅力的でした。というか、風前の灯みたいな状況に陥って、心底反省して殊勝になってはじめてこの可憐さが発揮されるのか。それこそ普段はまるで落ち着きのない、奇行ばかりが目立つまくるだものなあ。このしおれて弱って、けれどそこでいよねのストレートな言葉を受けてはっと気持ちを持ちなおすまくるもまた素敵でありました。おっちょこちょいでひとりよがりだった彼女が、身の危険を前にして自らを省み、そしていよねとの仲を、関係を再確認していくこの流れ。一方的な関係でない、互いに相手を思い、いつくしみあう、そうした深まりを見ることになるのでしょうか。

だとしたらシリアス可憐なまくるの出現頻度あがりそうで、願ったり叶ったりってやつでありますね。

2023年2月20日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年2月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、昨日の続きです。

『ラスボスは逃げ出した▽』

城のリフォームを提案する魔王。なにごとかと思ったら、リフォーム番組見てその気になったんですね。リフォームの主目的は、より自堕落に過ごせる空間を作りあげ、かつ危機的状況に対する逃走路の整備などなど。

どうしても逃げたい気持ちが強い魔王ですが、城の防備が万全であれば魔王も安心して住み続けられるのではないか。ここまではいいんだけど、魔王城の施設がですよ、攻めこまれること前提というか、攻めこんでくる勇者一行に便利なものばかりというの、ゲーム的には確かにないと困るけど、現実的にはなんでそんなもんあるねん、魔王にとって不利な施設ばっかやん! つっこみのひとつもいれたくなるというか、魔王もより逃げだしたくなること必至な状況なの、すごくマズいのではないかと思いましたよ。

けれど、この城のポンコツ施設、あのレバーを引かないと発動する罠とかね、駄目な匂いがするよなあとか思ってたら、ちゃんと役立ってたからたいしたものです。魔王を狙う魔物が罠にかかって瀕死。ちゃんと危機を阻止できてる! その魔物もその後、魔王直々の手当てを受けて、ああ、ころっとまいっちゃった? すっかり親魔王派になってしまったようで、この温情というか温厚な魔王像も部下をまとめるにはよいのかも知れませんね。

と思ったところで、スライムの危惧が。魔王の争いを避けたがる気質が魔物に広がれば、抵抗勢力に抗えなくなってしまうかも知れない。対する死神の、魔王とともにその重責などを担うことができればという考えも提示されて、この様々な意見がすりあわされて次にすべきことを見出していくという流れ、悪くないなあ! って思いました。

とはいえ、その魔王は城内の危険を率先して排除して、住環境の整備としては正しいけど、城の防備としてはそれどうなん!? ほんと、魔王に危機感はあるのかどうなのか。微妙にわからんところがありますよね。

『マグロちゃんは食べられたい!』

まぐろと一緒に暮らしていることを、海外にいる父母に伝えたみさき。一緒に住んでる友達と聞いて、なにか意味深な関係と思われた? さっそく送られてきたのが、夫婦箸やらラブラブストローといったグッズいろいろ。その友達というの、女子と思われてない? あるいは、女子であろうとそうした関係育んでいくこと、応援されている?

でもまあ、一緒に暮らす仲良しの女子ふたり、揃いのカップやパジャマ使っててもおかしくはなかったりするかも知れませんよね。いや、しますか? そのへんの機微、よくわからない。多分、リアル女子だと、ないない、ってなりそうではありますな!

今回のエピソード、遠くで盛り上がる両親との温度差みたいなのが主眼なのかと思ったら、その流れで、お揃いのパジャマに喜ぶまぐろの気持ちが語られて、そうか、この漫画はまぐろの感性のエキセントリックさが目立っているけれど、あまりにも異なりすぎる文化背景をもったふたりの、それでも気持ちをよりそわせ、理解し仲を深めていく様をこそ描いているのだなあと強く感じさせられたのでした。

みさきに食べられることを望んでいるまぐろではあるけれど、それがまぐろにとっての親愛のありかたであるわけですけれど、みさきの望んでいる関係を理解する日がくれば、その望みを取り下げるのか。あるいは、みさきがまぐろの望みを理解しそれを叶えることとなるのか。

おそらくは後者はないでしょう。けれど、どちらかが一方的に歩みよるのではない、双方の望みが満足しうる、そんな未来があってほしいと思ってしまったのです。だとしたらそれはどんなかたちであるのだろう。ふたりはどんな未来に向かっていくのだろうと、見越せぬこの先に思いを馳せてしまうのでした。

『コンビニ夜勤のあくまちゃん』

天使にバレたくないから、飛んで通勤するのはやめておこう。そう考えたアルール。歩くのがめんどくさい、歩いた方が運動になる、みたいなことイレイナと話していますが、ということは飛ぶ方が歩くより楽なんだ! 距離的に直線で移動できるからとかじゃなく、労力的にもコストが低いのだとしたら、それは羽ばたきではなく魔力で飛んでるからなんだろうな。魔力の効率性、かなりいいのかも知れませんね。

というのは余談! 徒歩でバイト先に向かうアルールですが、いまいち道が不案内。さらに悪いことに、今日はハロウィン、街に溢れる大量の人人人。さらには道頓堀川に飛び込む者の姿まで! って、待って? 待って? ハロウィンって10月末でしょう? 寒いって! 死ぬって! いやほんと、無茶しちゃあいけませんって。

ところで、野球のリーグ優勝、日本シリーズの決着っていつごろだっけ? と思ったら、同じくらいの時期ですね。ああー、ほんと、無茶しよるなあ。マジ、命にかかわるやつですよ。

今回は人混み、仮装、大騒ぎ、喧騒、喧嘩に困惑しまくるアルールですが、これ、ちゃんとバイト先まで辿り着けるんかいな。心配になってくるのですが、途中エリエルの介入であわや大惨事、からのエリエル不注意からの接触ダメージと、ほんと散々な目にあってるアルール。

でも、そのアルールのおかげで助かった命はあるし、ちゃんとバイトにも間にあったしと、混乱したり当惑したり疲労困憊したり稼ぎをふいにしたり弱り目に祟り目ながらも、やるべきことを普通以上にちゃんとやってるんですから、アルールはたいしたものですよ。でもタクシーじゃなく地下鉄とかでなんとか帰れんかったものか、あるいはこっそり飛んで帰るわけにはいかなかったのか。

いやほんと、稼ぎがふいになるのはちょっとさすがにかわいそう! でした。

2023年2月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』

最終回、もしかしてすごく時間がたったりするのかと思ったら、前回から約半年後。ちょっとだけ時間がたって、皆あいかわらずの毎日を送っている、のだけど、寮を去る人あり、一人暮らしを考えるものありと、いつまでも同じではいられないという現実、時間の過ぎ去っていくということを実感させる描写などもある、ちょっとした切なさ含む最終回でありました。

けれどメインの4人は変わらず一緒に翼の原稿手伝ったりして、この子たちは変わらない、そう思わせてからの、いつかこの寮を去る日のくることを話したりしましてね、ええ、やっぱりちょっとの切なさのにじむ、けれど同時に皆のとても仲良しで離れがたい関係を築いていることも実感させられる、そんな描写にうっと泣かされる思いでありました。

この最後の情景は、第1回のリフレイン。そしてこの漫画に描かれてきたことは、いつか寮での日々を懐古し描かれた漫画であるのかも知れない、そうした含みがあったことで、より想像や思い入れも膨らむ、そんな読後感となりました。

もしいつかこの寮での日々を懐かしく思いながら描く誰かがいたとしたら、それはきっとかおすちゃんなんだろうな。そんな思いもすれば、この『こみっくがーるず』という漫画からは、もっと大人になってずっと成長したかおすちゃんの姿が思い浮かばれて、ええ、なんだかじんときますね。まだ前途有望な若い子たち。この子たちの大人になって、ずっと力をつけたそんな未来の日々にもまた思いを馳せてしまいました。

『ぼっち・ざ・ろっく!』

波乱のStarry店長バースデー記念ライブ。その準備の様子からえらいこと渾沌を極めつつあるのですが、いやだいたいぼっちを野放しにしたのがいけない。とはいえ、主催の虹夏もいっぱいいっぱい。こうなることもいたしかたなし。まあ、これはこれで結束バンドらしさも出ていようものです。

しかし一番面白いのが店長ですよ。そんなに祝われるのが嬉しいのか! ルンルンでスキップしてる姿を目撃されてるとか、しかも複数人から! ほんと、渾沌もいよいよ極まっています。

ぼっちと大槻、必死のアピールが効果あってよかったですよね。おかげでしっかり枠も埋まった。ぼっち父まで出ちゃうのか! からの店長の昔のバンド仲間もきてくれて、そしてこれがいいんだよ、エレ&ネネ、後輩バイトズが圧倒的な熱意とともに参戦! このふたりの自分たちもなにかやりたい感、すごくいい。なんかわくわくさせられるよな。実力こそはまだまだだけど、こうした思い切りのいいの大好きですよ。で、ふたりに教えたリョウが、なんというの? 親心? 練習だともっとできてたとかいってるのがね、ほんとめちゃよかったんですよ。

エレ&ネネの出番も終わり、演奏は続きます。それで店長はというと、この序盤から滂沱の涙!? これ、トリは結束バンド、妹のバンドなんだろうけど、そん時に店長はどんななってるのか、あるいはどんなになるのか。ほんと、命にかかわるほど泣いちゃうのでは!? いやもう、思わぬところに期待のポイントができてしまいました。

『ばーがー・ふぉー・ゆー!』

新人歓迎会をやります! というんだけど、こむぎ、こういうのよっぽど苦手なのか。かけめぐる走馬灯、ハレの場に馴染めなかった過去がこむぎの心をさいなんで、いやもうほんとに大丈夫!? でもこういうバイト先みたいなのは、多分学校のそういう会とは違うから……、といいたいけど、職場のなんたら会、嫌いだったな……。ええ、こむぎよ、その苦しみはよくわかる。

でも、こむぎにはもいさんという頼れる味方がいるからいいじゃありませんか。さらには零も、こむぎがくるならいくといってくれてるという。零の言葉を知らされたこむぎが、一気に気持ちを引っくり返すところね、素晴しかったと思う。実に鮮やか。自分を求める誰かがいるというのは、こんなにも心を強くするものなのですね!

この歓迎会、こむぎにとっては初居酒屋になるんでしょうか。店長ともいふたりが成人、残るふたりの新人は未成年。というのに居酒屋になるの、大人の力学って感じがしますよね。まあ居酒屋にもノンアルコールはあるし大丈夫、といいたいけど、飲みまくる大人とその失態が全然大丈夫じゃないなあ!

というかもいがヤバい。20杯くらいまでは水みたいなものっていってますが、それ以降はちゃんと酔うんじゃん! からのキス魔に豹変。さらに悪いことに、これが原因で何人もバイトがやめてるんだ! ヤバい。店長、余裕かましてる場合じゃない。今回はこむぎが耐性どころか親和性あったからセーフだったけど、そうでなかったらあやうく酔っぱらいの奇行のせいでこの漫画終わるところだった!

なんかいろいろヤバい展開もあったけど、こむぎにとって、それから多分零にとっても、このバーガーショップはいい職場になりそうですね。陽の場には馴染めなかったこむぎにもちゃんと居場所ができそうで、こうしていろんな場を知って、自分の世界を広げていけるのはよかったなあって思えました。またこむぎと零、ふたりの関係、親密の度合いもあがっています。そこもまたよかったポイントでした。

2023年2月17日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年4月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年4月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』。メインの4人が可愛い格好で勢揃い。やたら翼が凛々しい表情なのが面白いのですが、その皆がそれぞれに一文字ずつ書いた文字。それが「ありがと」というメッセージになっていて、ええ、今月をもって最終回、グランド・フィナーレを迎えた、そのお礼の言葉が記されているというのですね。表紙はほがらかに明るく、笑顔で、この暖かで素直な感じは本当に彼女たちらしいと思いました。

今月は新規ゲストが2本です。

『ももいろ*てぃーぱーてぃ』

全寮制のお嬢様学校に入学した犬山三鈴。浮かれてしまってまるで入学式の挨拶も耳には入っていないのですが、あ、これ、もしかしたら学校についていろいろ勘違いしてるとかそういうやつかな?

違いました! けど勘違いというか、思い違いというか、憧れのあまりその存在を追って進学先をこの学校に決めさせることとなった見影うらら、この人の本質を思いっきり見誤っていたようですよ!

見影うららの声と残り香を頼りに辿り着いた一室。きっとここで秘密のお茶会が! と思いきや、思いっきり和室だ! 湯呑みに日本茶、煎餅と気さくな感じと、それ以前の問題として、憧れのうらら先輩の奇行。なんでパンツを被ってるんですか!? しかもそれ、自分がはいとったやつなんか!

理解が追いつかないと絶望する三鈴。それはいいんだけど、これ、ついていけるのか!? 混乱する読者、すなわち私! いやもうどうしたものかと思ったんですが、なるほどうらら先輩はそうした奇行を嗜まれるタイプというわけでなく、漫画に描かれていた行為、それを実地で試してみていたというのですか。

そもそもこのお茶会というのが、うららにとっての地を出せる大切な場所だというのです。皆から慕われる完璧な人物像を演じることに疲れてしまった。そうしたうららにとって、気兼ねなく過ごせるこの時間は代え難いもの。かくしてうららは奔放に、猥談に下ネタにと思いを馳せるのでした。

この地がわりと下世話というの、結構現実的な描写なんかも! みたいにも思われて、今後の展開、その下世話な話題や言動がどこまで振れるのか、なかなかに楽しみと感じます。それに、うららにしても三鈴にしても、そしてもうひとりの登場人物、小廻周にしても、それぞれに常識があるのがよいと思いました。皆がちょっとずつ非常識? 常軌を逸した言動見せるかと思えば、反面それらをおかしいと判断できる正常さも持ちあわせていて、この常識と非常識の互いに引き合う力関係、あっちに傾きこっちに揺らぐ、そうしたバランス? アンバランス? の塩梅にこそ面白みが出てくるのではないかなんて感想持たせてくれる第1話でありました。

『六波羅探題におまかせだいっ!』

鎌倉時代の京都を舞台に繰り広げられる、ええとオカルトもの? いや、あるいは探偵もの? どちらだろうと読み進めていけば、おお、これは事件の真相を見抜き解決していく探偵ものであるようですよ。

登場人物は、女性の姿で描かれた六波羅探題執権の北条義宗。彼女が鎌倉から京都にやってきた矢先に関わることとなった、東国出身者が次々惨殺されるという非常事態。洛中の噂によると、人魂を背負った亡霊の仕業。いずれ自分達も標的となるのでは、そう思い落ち込むものも多数、となればなんとかせねばなるまい。

かくして義宗は、同じく女性として描かれた前執権である北条時輔の知恵を借り、この事件解決に乗り出すこととなるのでした。

といいたいけれど、義宗は狂言回しの役割担って、解決するのは時輔の役目の模様。新たに発生した事件を検分し目撃情報を集めてみるも、義宗は見当をつけることかなわず、解決は時輔の推理に委ねられることとなりました。

さて、その真相やいかに! 解決編は次号でありますが、つまり読者には今回提示された情報をもとにして、時輔の見出した解決の糸口、それがなにか、誰がこの事件を引き起こしたのか、自ら推理する楽しみが残されたわけで、期限はあと一ヶ月! ちょっとした宿題気分で、挑戦してみるのも面白そうでありますよ。

2023年2月16日木曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年2月15日水曜日

アズールレーン FIGURE ARCHIVE

 意外と出てない『アズールレーン』関連本。漫画や周年記念本とかは結構出てますけど、この手のムックのようなのはあんまり出ていない気がしていたから、#アズールレーンタグに流れてきたこの情報には意表を突かれた思いがしました。タイトルがもうわかりやすいですよね。フィギュアアーカイブ。このところ、なにがどうしたのか困惑するほどに大量にリリースされるアズレン関連フィギュア。それを一冊にまとめて紹介してくれるというのですから大助かりです。しかも関係者インタビューも収録予定ときたら、むしろそっちがメインでは? ええ、インタビューで名言が飛び出すことでも定評あるアズールレーン。なにかしら耳目を集めるような話題が紹介されるのではと期待してしまいます。

とはいえ、アズレン関連フィギュア、どれくらい紹介されるのかが気になります。

アズールレーンは中国発のゲームで、日本のメーカーがリリースするだけでなく、中国のメーカーによるフィギュア化も結構あったりするのですよ。例えばAPEXのJUUsタイム ちびキャラシリーズとか、RIBOSEU-110 潜水鮫のカワイイ夢なんかがそうですね。

アズレンの公式生放送ではフィギュアを紹介するコーナーなんかもあって、どんなフィギュアがこれから出るかなど、わりと詳細に(それこそ舐めるように)紹介してくれたりするのですが、基本的にそこで扱われるのは日本国内メーカーのものだけで、JUUs時間やU-110、さらにはねんどろいど(上海グッスマ企画だから海外品扱いらしい)の紹介はありませんでした。なので、気づいてない海外フィギュアも結構あったりするんじゃないかなあ。

このムックでは、それら海外メーカーによるフィギュアもフォローされてたら嬉しいなと思います。

しかしそもそもアズレンフィギュアは多すぎて、国内メーカーのものだけでも把握できないくらい出ています。つい先日開催されたワンダーフェスティバル2023[冬]でも大量に新情報がリリースされて、ざっと30オーバーの新作が押し寄せるように発売される予定なのだそうですよ!

マジか、嘘だろ、アズレンフィギュアコレクター、死んでしまわない? というか、アズレンフィギュアってそんなに売れてるのか!? もしかしたら日本国内だけじゃなく世界市場を見越してるとかそんなんなのでしょうか。

昔からフィギュアは高級品でしたけど、今はさらに高値をつけるようになって、2万円オーバー当たり前、1万円台ならお手頃みたいな感覚になってきています。正直、そんなのばんばん買えるなんてことはなく、これいいなあとか思いながらも見送るのが常の私です。

そんな私にとっては、フィギュア情報をこうして一冊にまとめてくれるムックは本当にありがたい。立体を好きな角度から、みたいにはいかないけれど、きっと現物とはまた違う、写真ならではの魅せる一冊になってくれることと期待しています。

2023年2月14日火曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、一昨日の続きです。

My Private D☆V

『またぞろ。』の幌田です。

D☆Vポイントは「街が好きです」からはじまる短い文章が情緒感じさせて印象的。例えば、ひとけのない夜のニュータウン。日中には人の姿もあり、賑わいもざわめきもしているだろうその街が、今この時だけは自分だけ、自分たちだけの場所になっている。

そうしたギャップとでもいうのでしょうか、街のいつもは見せない側面に触れられる時間。その特別な感触、あるいは当たり前の街が当たり前でなくなる非日常感。そうしたところに駆り立てられる感情がD☆Vのポイントとして語られているのだと感じました。

そう考えれば、『またぞろ。』という漫画も、日常系として括られそうなシチュエーションでありながら、それぞれに異なる理由でもって留年した女子たちの集まっているという、ちょっと不思議な世界観を持っていましたね。これもまた異化された日常にスポットライトを当てようという試みで、当たり前の日常に見えて、どこか揺らぐ非日常。そうした日常から一枚隔てたところに隠されている異なる側面、そこにぐっとくる、という仕掛けであるのかも知れませんね。

2023年2月13日月曜日

今日は休みます

今日は休みます。

2023年2月12日日曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、昨日の続きです。

『蜂も刺さずばうたれまい』

文化祭が楽しみな人、憂鬱な人、その明暗がくっきり出てしまっていますね。自分はどちらかというと蛍側の人間で、部活メインということもあったのですが、クラスの活動には一切関わりを持たずじまいで終わってしまいました。なのでこうして張り切るすずめを見ると、ああ、なんだかんだクラスの皆とうまく交流できてるんだなって、まあそれがすずめの望みでしょうから、よかったなあって思わないではおられないのです。

文化祭が楽しみなすずめ、苦手な蛍。その中間に位置するのが咲姫。咲姫は裏方志望なんですね。目立ったことはしたくない。この最初に話されたことが、まさか今回の文化祭編におけるメインルートに繋がってくるとは、冒頭時点ではまるで予想もしていませんでした。

すずめのクラスはコスプレ喫茶をやることになりました。目立つのは嫌だななんていってるけど、楽しそうに準備に取り組んでるすずめの姿は実際とても微笑ましい。そしてここでさらに気になる話題。ファッション部が催すファッションショー。学内でモデルをスカウトして、ショーに出てもらうなんてことやってる部活があるというんですね。

なるほどなあ、つまりこのモデルにすずめが抜擢されるわけだ。そう思っていたらさにあらず、まさか、まさかの咲姫ですかーっ! 驚きました、意外でした、けれどそうか冒頭のあの振りはここに繋がる布石であったと思わされて、ああ文化祭こそは咲姫の正念場!? ここからの彼女の選択、どう動くのか、そこにドラマなど期待できそうな流れであります。

『ヒミツ結社りとる・ばたふらい』

あいかわらずろくなことしてないヒミツ結社りとる・ばたふらい。ジャングルジムを占拠して、秘密基地に仕立てあげたというんですね。もちろん見つかればただではすまない。給食のプリンか秘密基地かという選択を突きつけられて、プリンの誘惑に抗えずあわてて片づけるところなど、この子たちの年相応というか、悪だなんて到底いえない無垢さみたいなの感じさせて面白かったです。

さて、いつも結社の活動を邪魔するあすか先生をなんとかしないといけない。物騒な話になるのかと思いきや、先生のこと好きとかね、この子たちも嫌ってるわけじゃないのが即明かされて、いや本当に罪がありません。けど先生対策にレーザーガンの入手を画策してみたり、けれど現実にはまだそんな武器は存在しないなどなど。なかなかにうまく事は運ばないものなんですね。

とはいえ先生に一泡吹かせたい。こちらから先生の領域に侵入してやろう。いろいろ実現可能な線、あんまり悪辣にならないラインを確認したところ、仕事に使っているタブレットがターゲットとなったんですが、いや、それ、許されるラインを超えてない? ほんと、実際パスワードのクラックに成功したりしたら犯罪の要件満たしちゃうよ?

といいたいけれど、そうしたことにはならないから一安心。タブレットにはなにが入ってるんだろう、その想像にそれぞれの興味がうかがえたり、そして結局パスワードがわからなくて作戦失敗。でもパスワードを推測するくだりで先生にダメージ与えることには成功してたりして、この地味に目論見成功してるんだかしてないんだかという塩梅がとてもよかったと思いました。

そして肝心のパスワード。なるほど、そうきたんだ! ええ、この先生の仕掛けには、うまいなあって思わされました。

『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』

エルヴィーラを作ったという衣良の言葉、そのいきさつを詳しく聞くこととなった今回。ノートに描いていた絵を見られたのをきっかけに、大学で知りあった子と一緒にゲームを作ることとなった思い出が語られて、その子、真夜との創作の日々。学校にこられずヒマだからと、ゲームを作っていたこの子が、自分の生み出したキャラクターに魅力的な姿を与えたいと、絵心ある衣良に手伝ってくれるよう求めてきたのですね。

この時の真夜と衣良との会話に、すでに不穏な空気はあったんです。ずっと明るく振る舞っている真夜だけど、そんな子がなぜ大学に出てきていなかったのか。創作を、自分の生きた証といったその真意。ふたりからはじまったゲームづくりは、仲間を増やし、同好会となり、どんどんかたちとなっていくのですが、そこに生き急ぐかのような真夜の姿を見てしまったんですね。

真夜、病気かなにかだったんでしょうか。衣良と一緒に話していた真夜の突然の沈黙? まさか、ここでこの子の命が尽きたとか!? エルヴィーラを主役とするゲームは、完成を見たのか、あるいはここで未完となったのか。ともあれ衣良にとっては、真夜と一緒に作ってきた、その思い出がつらいものとなってしまったがゆえに、手元に置いておくことができなくなってしまったんですね。

こうして手放されることとなったエルヴィーラの冒険。その後はもう見てきたとおりであるわけですが、不穏な動きを見せる世界、そしてなんとかしてくれるという魔女の正体。そこに希望があってくれれば! そう願わされた今回。ええ、きっとしあわせな結末が待っていることを期待してしまうのです。

2023年2月11日土曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、昨日の続きです。

『スロウスタート』

皆、額にお題の書かれた札をかざして、いったい何事!? ああ、その言葉を口にしたら負けってゲームですね。といいたいけれど、その文言が物騒すぎる! ブチ殺ス、皆殺し、呪殺、って、君らそんなキャラだったっけ!? と思ったら、次から次に禁止ワードを口にして、それもすんごい笑顔で!

ああ、これ、花名の悪夢だったんですね。でも今どきの女子高生なら、これくらいの酷いワード、普通に笑顔で使いそうな気がする。偏見ですかね? でも、スロスタの面々には口にして欲しくない。ええ、花名が後にひくくらいダメージ負ってしまった、その気持ち、よくわかります。

そして夢の話から、NGワードゲームを実際にやってみようということに。紆余曲折あって高橋奈々さんが禁止ワードを考えてくれたのですが、この人、すごくよく皆のことわかってるんだ! 次から次に撃沈していって、残すは栄依子と花名のふたり。一騎討ちですよ。

ここで栄依子のしかける罠。それがあやしいとわかりながらも、あえて禁止ワードを口にした花名の気持ちがとても愛らしかった。みんなで旅行をという話、それをそらしたくないという気持ち。たとえ自分が負けるとしても、皆と一緒の楽しい話題を大切にしたいと思う、その心根に打たれて、ええ、とてもいいお話でした。

そして、それは実現する!? 悪夢ではなく、よい夢になって返ってきた、この顛末もまたいいお話でありました。

『キミはあくまでも。』

学校を休んでいる坊ちゃんのために、家庭教師になりましょう。エクールカの申し出に戸惑い覚えるヴェネルですが、エクールカはとにかく乗り気。意味深発言が飛び出すのはいつものことだけど、いざ勉強となるとちゃんと教えてくれるのは意外といったら失礼、立派な先生ぶりでした。

でもね、まさか坊ちゃんが興味を持ったメンダコ、こいつに変身するとは予想もしませんでしたよ。ゆるキャラみたいになっとる! 人間体からすでに可愛かったのが、違うベクトルの可愛さ手に入れて、でもこのなんでもかんでも変身できるの危ういのでは? 坊ちゃんが、まさかさすがのエクールカも饅頭には変身できないだろう。できますよ、大変身ですわ〜☆ からのぱくっと捕食とか、そんなことになったら目もあてられません!

人間の世界の知識にも詳しいエクールカさん。長く生きているがために身につけたものがあれば、自ら学び知っていったこともある。その学ぼうと思った動機ってなんだったんだろう。エクールカという存在についての謎、なにを思い生きているのか、なぜヴェネルをこんなに大切にしてくれるのか。その背景についての謎。

坊ちゃんも気にしながらも聞けなかったこの謎。今は謎でも、いずれは明らかになっていくのでしょうか。その時に、坊ちゃんはなにを思うのか。坊ちゃんに、そしてエクールカにしあわせは訪れるのか。そうした未来についての謎もまた深まったと思えたエピソードでした。

それはそれとして、坊ちゃん視点のエクールカ、あの「?」浮かべてるエクールカ、べらぼうに可愛かったですね。もう、どうしたらいいかわからんほど可愛い。いや、なにもせんでいいのはわかってます。

『ほぐして、癒衣さん。』

夏鈴、発熱! それでもなんとか会社にいこうとする夏鈴。すぐに思ってる以上の調子の悪さに気づくんだけど、それでも午前休ですませようとするの、真面目といっていいのかあるいは社畜的発想が染みついてしまっているというべきか。

後者よね。実際、社会の発熱に対するスタンダードは変わってしまいました。といいたいけど、社会全般ではまだ夏鈴みたいな考えの人も多いのかも。でも癒衣がちゃんと止めてくれました。

かくして会社を休むこととなった夏鈴。なんと、これが初! あ、そうか、この人、新入社員だったな。あらすじによると入社半年。すっかり忘れてました。

ゴミ出しにも苦労する夏鈴。自宅に帰ろうとするも、間違えて違う階で扉をガチャガチャやって住人をビビらせてしまう。無事帰りついてからも、ひとり眠っている時のさみしさに、どんどん気弱になってしまう。

そんな夏鈴の見る夢が、優しく寄り添う癒衣だよ! 玄関カギをピッキングで開けたの!? ってのを示唆するコマがあるから、あ、これ夏鈴の夢だ! って気づけるんですけど、こんな夢を見てしまうくらい夏鈴は癒衣を求めてしまってるんですね。もはや精神の支柱とさえいえる。

夢では癒衣がきてくれたけど、現実には癒衣に依頼された富美子がきてくれました。夏鈴のおでこ触って、私と同じくらいって、そうだった、富美子は体温がやたら高かったですよね。でもって、夏鈴のパジャマ脱がせはじめる富美子。焦る夏鈴がちょっと可愛かったです。

たまご粥作ってくれた富美子。ちゃんと看病してくれて、面倒見のいい優しい人だなあ! 見直したんですけど、電話で癒衣と会話してる夏鈴に嫉妬して荒れちゃうの! いやはや困った姉さんなんだけど、けどちょっとこういう感情見せてくれるところも可愛いなって思うようになってきました。なんだかんだ、この不憫なお姉さんのこと気にいっちゃってるんだなって実感させられちゃいましたよ。

2023年2月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、昨日の続きです。

『星屑テレパス』

ラジオを通じて呼びかけられるアキカズという名。それは遥乃の祖父の名前。まさか祖父明一を知るものなのか。問うてみるも、直接の面識はなく、かつて交信したという記録にもとづいての呼びかけだったというのですね。

彼らのホームで親しまれている歌、ユウの歌を受信したことをきっかけにはじまったこの交信。海果の宇宙人なのかという問への答は「はい」。ここにきて、ユウの宇宙人という話が明確なものと確定しましたよ。

いえね、ずっと海果のイマジナリーフレンドなんじゃないか説も捨てきれずにいたものですから、ここにきてひとつ確実なことが増えた、ユウへの理解が深まったおかげで、少しでも事態が前進した、そんな思いがしています。

しかし長くは続けられなかった交信。自分のことがわかるのではないかとうユウの期待は満たされなかったものの、切れる直前に伝えられた謎の数列。これがなにを意味するのか。今はまだわからないものの、瞬がかなりやる気を見せてくれているじゃありませんか。

ずっとユウの正体について疑い続けてきた瞬が、落ち込む皆をひとりひとり励ますように声をかけていくところ。謎の数列に取り組むことを明言したところ、これは本当にかっこよかった。ええ、瞬、いい仲間になりました。頼れる仲間になったんだって改めて実感させられた瞬間でした。

『けいおん!Shuffle』

合宿が無事に終了! 参加期間がやたら短かったしなのが一番やりきった感出してるのがおかしいんですが、反対に物思いにとらわれているのが楓。ひとりずっと気もそぞろに、音楽とはなにか考え続けている。しなのたちの演奏と自分たちのとの違いにはじまり、音楽そのものに対する問にまで考えは深まっていって、気づいたら皆からはぐれて、知らない街を歩いていたっていうんですから、こりゃもう重症です。

そんな楓が出会ったのが、謎の女子高生! 楽器屋でベースの試奏をしていたこの人の演奏に触れて、楓、感じるものがあったみたいです。音楽を感じた。その音に憧れを覚えた。唐突に話しかけられた澪の、いやさベースを弾いてたこの人の、戸惑いながらも楓に返した答、それが合宿を終えてからずっと煩悶していたことに決着をつけてくれたようで、この出会いは刺激といっていいのか、少なくとも楓にとっては得がたいものとなったようですよ。

で、この楓のその後なんですが、紫に電話をしたと思ったら、唐突に謎のメッセージ残してひとり納得して切っちゃうんだ! リサから楓の様子がおかしかったって聞かされてた紫だけど、この奇行を受けて、いつもどおりだって戸惑いながらも納得してるの、なんだろう、このふたりの関係性! ほんとしみじみじわじわくるおかしさあってたまりませんでした。

『しあわせ鳥見んぐ』

わあ、扉の燕尾服ひなさん、めちゃくちゃ可愛いな! ということで、今回はひなのお家でツバメについて話します。

まずは聞きなし。ツバメの声が「土食って虫食って口渋い」って聞こえるみたいなやつ。ウグイスは「法、法華経」。センダイムシクイは「焼酎一杯ぐいー」。ホオジロは「札幌ラーメン味噌ラーメン」。聞いたことありますね。ほかに有名なところだと、ホトトギスの「テッペンカケタカ」とかでしょうか。

でも実際に聞いてみても、そうは聞こえんよな? みたいな、それこそ今回のすずみたいな反応になっちゃいますよね。

そして続いて、人と共存する鳥としてのツバメについて話されて、家の軒先に巣をかけるのはカラスやヘビを避けるのに人の存在が都合いいからなどなど。また人からしたら、虫はとっても作物は害しないツバメがありがたいといった、互いに利のある関係を築いてきた身近な存在であることが重ねて語られて、よりツバメを親しく感じさせるところ、大変よかったのでした。

ツバメが巣をかけると家が栄えるという言い伝え。けれど最近は環境や家のつくりの変化により、エサの獲得が難しくなったり巣をかけられる場所がなくなったりしたために、ツバメ自体が数を減らしているというショッキングな話もあって、さらにはフン害を嫌い、巣が取り壊されるなどなども。

でも、こうしたフンの害を、フン受けを作ることで対策するすずです。楽しそうに工作して、さらにイラストまで描いてと、すずの活躍する姿、いきいきとしてすごく素敵でありました。

どれもこれもちょっとした工夫ですけど、そこにツバメと暮らせる環境がこれからも続いてほしいと望む人の思いが感じられて、これから街でフン受けもろもろ見掛けるたびに、今日のこの感想を思い出すことになりそうです。

2023年2月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2023年3月号

 『まんがタイムきらら』2023年3月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。バレンタインのチョコレートをこちらに差し出している海果、なのですが! あの緊張に、プレッシャーに弱いこの子が、これほどに柔和な表情でチョコレートを贈れるだなんて、これは、つまりは、表紙のこちらにはユウがいるのでしょうね。喜びをともに気持ちを伝える、その思いの暖かさもいっぱいに広がる、素晴しいイラストです。

今月は新規ゲストが4本です。

『1979年地球の危機』

扉絵がピンクレディーの『UFO』だ! ということは、タイトルの1979年というのは『UFO』発表年? と思ったら、1977年末にリリースされ1978年に大ヒットした、ということで、扉でふたりがこの曲の振りつけしてるのはタイミング的にはばっちりでありますね。

1970年代はオカルトが大ブーム。UFO、超能力、ツチノコなどUMAも話題になって、それで高校大学にオカルト同好会とかがたくさん作られたんだ。オカルトブームはその後も何度もきてるから、自分が知ってるのはその後のブームなのだと思うのですが、最初の70年代のものは社会にも強烈なインパクトを与えたらしいですよね。五島勉の『ノストラダムスの大予言』が73年。そして、そのブームのどんづまりが、この漫画の主人公、森田静芽の経験するおかしなできごとである模様です。

人の集まらないオカルト部にただひとり所属している静芽。彼女のもとに現れた謎の人物は、人の姿に擬態した惑星探査ロボット。アヴァンギャルド星人によって作られただなんだと、やたらおかしな言動振り撒いているこの人、実際やること見てみれば、普通の人間ではありえない。サンプル採取と称して、本から椅子から猫からパトカーから、なんでも飲み込んでしまう。しかし、このサンプル採取、なんのためかと思ったら、いずれ滅びる地球の文明を記録するためだという。

この滅亡というの、ノストラダムスの予言の成就かといえばさにあらず、アヴァンギャルド星人が滅ぼすのだという。その期日が翌々日! って、急だな! 神社でであったドジモリさん、この人が神かなんかで、アヴァンギャルド星人に対抗したりするのかどうなのか。いずれにしても、あまりなんかの役にはたたなさそうな静芽。この子が果たす役割とはなんなのか、期待して読み進めたいと思います。

『好都合セミフレンド』

今日から寮生活をはじめることとなった久留真珠海。不安をともに自室の扉を開いたら、そこにはいかがわしい行為にふける女性がふたり! 珠海、のっけから逆境ですよ。影が薄い、押しも弱い。内気で気弱でなにかと不安が先に立つこの子の暮らしにかかわる一大事。自室に恋人なのかなんなのか、引き込んだりするのがルームメイト! しかもさらに悪いことに、取っ替え引っ替えときましたよ。

ただでさえ人見知りなのに、知らない人は苦手なのに、次から次から知らない人を部屋に引き込まれたらたまったもんじゃない。かくして暮らしの平穏を守るべく、同室の浜薔薇輝子相手に、誰か連れ込むのはやめてほしいと交渉しはじめるんですね。

ただ、その過程にいろいろ問題があって、輝子の相手はいわゆるセフレ。しかし珠海はその言葉を、意味を知らず、そこで咄嗟に輝子がセミフレンドの略だとごまかしたものだから、状況の本質に踏み込まないまま、珠海の誤解が先走る。輝子が誰も連れ込まなくてよいように、私がそのせふれとやらになりましょう。

受け身で消極的と思われた珠海が、こうと決めたら有無をいわさずぐいぐいいく。攻守交代、下剋上的雰囲気をさえ感じさせたこの展開。これは今後も、誤解なのかなんなのか、そのへん曖昧にしながらも、珠海の暴走が輝子を圧倒してくれたら面白いぞ。なんて思わされたりしたのでした。

『プリカのヒミツ』

花里プリカには秘密がある。それは、人口減少の危機に対策すべく作り出された人型ミジンコであるということ。見た目には小柄で可愛い女の子なれど、その実態はミジンコ。完璧に見える擬態にもほころびがあって、食事の際には腹に隠した多数の胸脚があらわになってしまう!

って、わりと致命的な欠陥では!? ここまで完璧に人の姿に似せたんだから、もうちょっとがんばろうよ、政府!

存在そのものが国家機密であるプリカ。その正体は誰も知らない知られちゃいけない、隠し通さないといけないのですが、転校初日にさっそくのバレ。

いや、やっぱり胸脚露出は大欠陥ですって。普通にお昼に食事しないといけないのに、その度に胸脚バレのリスクがあるんでしょう? 今回バレたのはわりと理解のある? 牧野千波だったからよかったものの、そうでなければ即みんなに知られかねない危機でした。

と思ったら、胸脚、全然隠しきれてない! たびたびポロリしそうになる胸脚。千波がフォローしてくれてるからなんとかなってるだけど、プリカひとりだったら駄目だった! いやほんと、バレたのが千波でよかったですよね。そうでなかったら、世界ミジンコ化計画は公然になってしまうところでした。

『めいどきゃんのっと!』

かつてメイドに助けられたことをきっかけとして、メイドに憧れを持つようになった市子こころ。メイド募集の求人に、夢が叶うと思い応募してみたところ、なんと家政婦ではなくコンセプトカフェのメイドでありました。

って、まあ、今どきメイドでバイトとなるとこっちになるよね。むしろ家政婦募集の方がレアな気がします。

面接には浮かったものの、誤解してたとわかってからは憂鬱なこころ。断らなくては、ちゃんとお店の人に間違いでしたと伝えなくては。そう思いはするものの、店の装飾にテンションあがっちゃって、流されるまま制服も着用。研修もところどころしくじりながらも、なんとか乗り切ってしまってる!

こころにはコンカフェのメイドとしての素養があるのでは? まだ緊張が拭えない、いろいろつたないところはあるけれど、リーダーメイドしゃるの可愛さ、萌えに対する感受性を見せたところなど、こちらのメイドへの適性の高さ感じさせられましたよね。

あくまでも目標とするのは使用人としてのメイドではあったけれど、断りきれず、というかわりとその気になってコンセプトメイドとしての道を歩みはじめたこころ。そのゆきつく先はどのような地平なのか。少なくとも、しゃるとの相性はよさそう。実際、結構向いてるように思うんですよね。

2023年2月8日水曜日

『まんがタイム』2023年3月号

 『まんがタイム』2023年3月号、昨日の続きです。

『お天気おねえさんの晴れ舞台』

今回は浅井真由メイン回! 真由好きなので嬉しい! 内容はというと、大学生タレント森涼くんへの告白イベント! バレンタインデー、季節のイベントでありますね。

甘いものが苦手という涼に、食べてもらえるチョコを作ろう! いつにも増して前向きな琴音が眩しい! はいいんですが、真由さん、甘くないチョコ、普通にあるじゃないですか! ビターとか普通にあるじゃないですか!

留莉のアドバイスを受けて琴音と作る豆腐ベースのチョコレート。面白そうなのがあるんですね。お菓子作っている真由ですが、この人、調理関係の資格も当たり前に持ってそう。きっとばっちりおいしく作り上げてくれそうです。

でも残念なことに、出待ちの女の子たちを抑えようと奮闘してたら、せっかくのチョコレートが潰れちゃって、ああ、バレンタイン失敗か!? と思ったところが大逆転するところ、ほんとよかったなあと思います。

今回は泣いたり迷ったり不安になったり必死になったり、いろんな表情見せてくれた真由でしたが、最後の笑顔、素晴しかった。ええ、告白の瞬間こそは描かれなかったけれど、続くこの笑顔ですべてがわかる。いい見せ方、これもまたよかったです。

『午前0時のおねだりごはん』

牛喰さん、これでもかと有頂天だ! 米沢の母にあうことになった。それはさぞやプレッシャー!? と思いきや、嬉しくて、楽しみで、しかたないんだ牛喰さん。その浮かれぶりは、漫画のジャンルが変わってしまった!? と思いかねないほど描写にまで影響与えて、けどこんだけ浮かれてたら仕事でいっぱいミス出しそう! と思いきや、調子にのると一緒に仕事の調子も上がるタイプなのか!

うん、牛喰の社内での評価のために、米沢さん、ずっと彼女の有頂天を維持してさしあげて!

母と牛喰をあわせるのに、若干の不安がある米沢。対して牛喰はやる気満々で、漬物が好きなら浅漬けを手作りして持っていこう。好みこそはわからないながらも、細やかに彩り含め工夫して、こうした頑張り、評価されたらいいなあ!

しかし今回ちょっと驚いたの、お母様に見初められて米沢と結婚! というの、牛喰の妄想だけかと思ったら、松阪から後押し得られそうな雰囲気なんですか!? 松阪と米沢の会話を聞くに、彼女らの社会では同性婚も普通なんだな!

素晴しい! 進んでる! ええ、こっちじゃ全然ありよ、牛喰の願望の実現すること、願ってしまいますよ。

『瀬戸際女優!白石さん』

爽太くん、ぐいぐいきますね! 白石の出演する濡れ場多めの作品の、練習相手に自ら名乗り出た爽太です。アイドルにこんな役させられないと渋る白石ですが、爽太、引き下がらないですね! というか、25時から収録、30時には終わるから忙しくないとか、時間の感覚、めちゃくちゃになってない!? ほんと、今をときめくアイドル。多忙で当たり前って感じですね。

役の雰囲気を理解するため、まずは原作小説を読ませる白石。ところが爽太、漢字が読めなくて、問われた白石はというと次々普通に読めちゃって、さすがというか、漢字に強いな! 族あがりだから画数多い漢字は得意なのかも知れません。

ちょっと強引な大学生役。そのキャラクターを受けて演じて見せた爽太の破壊力! 白石をちょっと動揺させるほどで、その俺様キャラから本音の真摯な爽太に戻るところなんかも圧巻。ああ、爽太、本当に白石にまいっちゃってるんですね。

しかし、白石、爽太の告白にどう答えるのか。気持ちは揺らぐ、真島の気持ちはわからない、といったところで唐突な真島からの連絡。短編映画を爽太主演で撮ろうという、その真島の思惑が彼、彼女らの関係にどういった影響を及ぼすのか。緊迫の展開、まだまだ続きそうですよ。

『良倉先生の承認欲求』

卒業式。この日を過ぎるともうあえないかも知れない。生徒の中には思い切って告白したりするのが出たりするんですが、見回りをしていた良倉、上枝が遭遇したのが、なんとまあ告白される星畑ですよ。

最初はそろりと立ち去るつもりだったけど、星畑となると話は別。古岩からの恋愛相談受けてる立場もあるからと良倉はいってますけど、どこまでが教師としての義務感なのだろう。とはいえ、星畑のことを心配してることは間違いなさそうですよね。

星畑に告白している男子、誰かと思ったら当の星畑さえも知らぬ相手だっていうんですか。SNSをきっかけに星畑のこと興味を持った。SNSがアタシの全部じゃない、それでわかったと思われても困る、星畑の言葉が地味に良倉に刺さってるのがおかしい。

最初はやんわり断わろうとしていた星畑の言葉が、食い下がる相手に対しだんだんシビアになっていくところ、この子のらしさがよく現れていたと思いました。優しく気遣いのできる子。それでいて、折り目のしっかりつけられる子。そういうものごとをいいかげんにしたくない星畑のよさが出てるんだけど、相手はそれでも折れず、ここらで良倉介入? と思ったら、古岩が助けに入ったーっ!

ここで良倉、上枝が大量のいいねポイントを発行するんですが、読者である私も同じ思いでしたよ。ワッと盛り上がるふたりに同じく、共感をともにテンションあがる名場面きましたよ!

今回の、さりげない? 古岩の救援、どこまで星畑に通じるかなと思ったけれど、星畑の気持ちの古畑に傾きはじめたその瞬間がここにこうして描かれて、ええ、古岩、よく頑張りました! また、恋を自覚しはじめる星畑の美しさ。素晴しいものありました。

2023年2月7日火曜日

『まんがタイム』2023年3月号

 『まんがタイム』2023年3月号、発売されました。表紙は『大家さんは思春期!』。バレンタインデー表紙ですね。大きなバレンタインチョコレートをメッセージカードとともに差し出すチエちゃんメインに、様々なバレンタイン情景が描かれていますよ。『冷めないふたりのひとりご飯』武蔵が手にしているチョコレートは、妻レイカが用意してくれたものでしょう。『花丸町の花むすび』彗が持ってるのは、これからオーブンで焼くチョコ菓子のようですよ。『百合のあいだは悩ましい』は、黒崎、白野のふたりがひとつのチョコをシェア!? と思ったら、チョコに藍田が描かれてますね。ここでも百合に挟まれている藍田です。

今月は新規ゲスト? が2本です。

『スーパー恋愛タイム~現場でドSな彼女は自宅でデレる~』

スーパー恋愛タイムとはいかなる恋愛であるのか? と思ったら、なるほど役者カップルがともに出演することとなった特撮ヒーローもの。スーパーヒーロータイムからの名づけであるわけですね。

男性アツシはまだまだ新人、この主演をきっかけに羽ばたきたいと願っている彼女一途の真面目もの。女性リナはというと、雑誌の表紙を飾るなど結構知名度もある先輩女優。

リナへの愛と想像力が後押しした気迫が買われて主演に抜擢されたアツシと、出演者がNGとなったため急遽、敵の女幹部役がまわってきたリナ。まさかの共演が叶ったのはいいけれど、この手の子供向けヒーロー番組では、出演者間の恋愛は禁止という噂が!

かくして、ふたり、同棲までしている関係ながら、その恋愛を隠し通さなければならない一年がはじまってしまった!? とはいえ、自宅ではこんなにも仲のいいふたり。うっかり表で、その仲のよさが露呈してしまったり!? なんてハプニングなどあるのかも知れませんね。いや、そこは演技力でカバーされるのでしょうか。

『幼なじみが会社の同僚になりました。』

銀行で働く原田祐。今年入ってきた新人が幼なじみの女の子、いや今やもうすっかり大人になった根井彩衣。彼女に対しできる男であるところを見せたいと張り切っている原田なのですが、はたしてそううまくいくものでしょうか。

根井は、新人ながらも仕事にそつがなく、優秀と評判。さらに原田に対しては、より一層にしっかりした振る舞い見せて、というのも子供の頃からしっかり者、4つ年上の原田のこと世話して面倒見て、祐は弟みたいな存在だっていってきた。それで根井のことをお姉ちゃんと呼んでた原田もなかなかなものだな!

でも、今となっては恥ずかしい過去となってしまって、なんとかして立派に成長した自分を認めさせたいという動機になっているんですね。

いろいろ雑と根井に叱られている原田ですけど、まだまだ新人の根井が仕事を教わり、またいろいろな人に接することで、原田の頑張り、出してきた結果を知ることになるんですね。それで原田を見直すことになった? いや、確かに見直したんだけど、それでも抜けないお姉ちゃん目線! 加えて、ライバル的な感情もわいてきてる!?

この関係、なかなかに前途多難、というか、より一層に根井の成長への期待が高まる導入でした。

『秘密のお姉さん養成ノート』

お疲れ気味の蛍。くたくたの帰り道、目にしたのはテキパキ働く疲れ知らずのお姉さん。スポーツ用品店の店員さんですね。聞けば、下半身に筋肉つけるといいとアドバイスくれて、しっかりヒップアップしたそのスタイルのよさにひと目で落ちる蛍ですよ!

チョロい! チョロすぎる!

で、すぐ感化されて真似しようというんですが、いやトレーニングやるのはいいことだよ。用品店のお姉さんも無理な売り込みはせず、下半身トレーニングなら道具はいらない、筋トレメニューも無料の冊子に動画配信と、ほんとに儲ける気がないのかな!? でも、こうしてお客さんとの信頼関係築いていくのは大切ですよね。損して得とるってやつなんだと思います。

蛍が振り撒く下半身トレーニングへの誘い。主任も反省? むっちり元気な紀ノ川さんにも聞き取って、一緒にウォーキングすることに? などなど、一緒にエクササイズする仲間が増えるのもまたいいことだと思いましたよ。

でもね、蛍、無理しちゃいけないよ。親子筋トレ、たかいたかいスクワットをすずらんちゃんで試してみる。っていうんですが、自重だけでも結構膝痛めるのに、いきなり子供抱いてスクワットなんかしたら一発だよ!? でもって一駅歩くチャレンジがまさかの早朝ダッシュに。

いや、ほんと、無理しちゃいけないよ。運動はできることからはじめて、だんだんその範囲を広げていくんだ!

『この契約は恋まで届きますか?』

これまで考えたこともなかったのですが、この漫画、山形舞台だったんだ! 会社主催の芋煮会! ということは東北か! からの、終盤野田がデザインしたいもーにくん。そこに書かれたしょうゆ味という設定は、つまりここが山形であることを示唆している!?

いや、別にどこが舞台でもかまわないのですが、なんかよりこの世界が具体的になった感じがして、ちょっと色めきたってしまいました。

さて、芋煮の準備に駆り出された野田。最初は文句いってたんですが、八千代も一緒と知ると俄然やる気が出てくる。秘密の関係がバレてはいけないと、普段は距離を置いてるふたりが、今回ばかりはいつも以上に接近して、といいたいけれど野田がまったくのギクシャクだーっ!

でもこのふたり、一緒に芋煮の準備をする中で、思わぬ接近イベント発生させたり、いや、それで特になにか進展した風でもなかったのですが、と思ったら、してるよ!? してるね!? クールに振る舞ってる八千代だけど、実は結構意識なさってたー!

この契約は恋まで届いてしまうかも知れない!

社内で人気の八千代。可愛いと、料理が上手と話題になるごとに警戒心強める野田がおかしくて、一方八千代はというと、もくもくと芋煮を食べている! あの無心の八千代、素晴しいよな。よっぽど芋が好きなんだ。

そんな八千代の周辺の人間関係も描かれて、と思ったら、美浜が野田の視線を自分に向けたものと勘違いしちゃったりと、いろいろ混線しそうですよ。

これまでは秘密だったふたりの関係。いわばふたりだけの閉じた関係が描かれてきたわけですが、秘密は秘密として隠したまま、社内の人間関係の広がりなど、さらなる面白さが期待されるエピソードだったと思います。八千代に言い寄りそうなものあり、野田に好意持つものありと、なかなかに複雑にもなりそうでもありますが、そんな中、秘密とともにふたりの関係が育まれるの、面白くなりそうだと思います。

2023年2月6日月曜日

ニコリのパズルS ぬりかべ

ニコリのパズルS へやわけ』に続いて『ニコリのパズルS ぬりかべ』も買いました。さらにいうと、スリザーリンク、美術館、数独も買っていて、とりあえずNintendo Switch向けに出ている『ニコリのパズル』シリーズはひととおり揃えたということになります。買ったということは当然遊んでいるわけですが、ぬりかべ、難しい……。なにが難しいって、確信を持って埋めていけないので、仮に無事クリアできたとなってもどうも釈然としなさが残って、これは自分がぬりかべの解き筋というのを理解できていないのが原因なんだろうなあ。

へやわけを遊んでいた時に、最初はわからなかった確定パターンに気づくことができると、初級の問題はより楽になり、また手も足も出ないと思っていた上級の問題にも歯が立つようになるという体験をしていました。この、わからないながらも遊んでいるうちに気づけるパターン。試行錯誤する中で、この部屋形状にこの数字だとどこが黒マスかまでは判明しないものの、隣接する白マスは確定するなどといった、ルール上必ずそうなるという状況がわかるようになってきます。

ニコリでは、ルール上こういう必ずそうなるパターンのことを定理と呼んでいるそうですね。へやわけについては、すべての定理がわかってるかというと疑問ですが、とりあえずSwitch版、3DS版ともに、全問クリアできるくらいには理解することができたと思っています。

対してぬりかべはというと、らくらくレベルの問題はらくらくクリアできても、おてごろレベルで詰まる程度にしかわかっていない! いや、いろいろ考えながらやってるんですよ? 試行錯誤しながら、確定するパターンはないものか、探してはいるんです。でも、どうしてもクリアできなくてリタイアすることが多く、やめて寝てやめて寝て3度くらい挑戦すると解けたりするから不思議なんですが、はじめにいったように、解けたとしても確信があったわけじゃないから釈然としない。

ええ、まだまだ道の途上なのであります。

ぬりかべだけでなく、数独やったりスリザーリンクやったり、いろんなルールに触れながら、それぞれのゲームの持ち味というか方向性の違いを楽しんでいます。スリザーリンクとぬりかべは、まだまだうまくは解けないけれど、いずれはスムーズに進めていけるようになればいいなと思っています。しかし、それにしても難しい。まだはじめていない美術館もきっと同じように詰まって苦しむのだろうなと思うと、はじめるその日が楽しみです。

2023年2月5日日曜日

『まんがタウン』2023年3月号

 『まんがタウン』2023年3月号、一昨日の続きです。

『あの世で猫になる』

タマ、存在の危機ですか? 生前の記憶を持たないタマ。このままだと、自分がなにものかわからなくなって、自我を持たない黒いもやもやになってしまう。なんとかして思い出さないと、着衣を手掛かりに死亡時期を割り出そうとしたり、またなにが自分の心残りであったか探ろうとしたり、いろいろ手を尽くすけれどなんら結果に繋がるようなもの見つけられなかったんですね。

落ち込んでいるタマに声をかけてくれた朝倉さん。その時にふっと思い出された言葉、あるいは感情もともに? これは誰かを看取る姿なのか、あるいは看取られる時の情景であったのか。いずれにせよ今のところ詳細まではわからない。でも、タマの記憶に繋がる要素、その断片といえるものが見つかった感じがしますよね。

タマの悩みには大島が回答を与えてくれました。生前の記憶こそないけれど、今は朝倉さんのタマとして暮らしているではないか。その自分のありたい姿こそが、タマがタマとしてここに居続ける理由になるというのです。ここにきて明確にされたふたりの絆、これはほっとさせてくれるとともに、じんと胸を暖かくさせるものありました。

『ルナナナ』

ああ、なんだろう、くやしいな。アイドルリコ、可愛いじゃないですか。元気はつらつ、ちんまり快活、屈託ないその様子にはぐっと引かれるものありまして、あかんわ、中身知ってるのに抗えないの、危険だわ。と思ったら、MCが壊滅的? いや、その飾らなさ、裏表のなさは逆に評価されるのでは? ヤバいわ。リコのアイドル活動、これからもずっと続いてほしい、発展してほしい。このエピソードの続編を求めます。

さて、アイドルといえばアキ、そしてのぞみですよ。アキがのぞみと対等に話せるまでに気持ちが安定した、というのでついにアイドル活動開始ですよ。アキプロデュースでのぞみを再デビューさせる。というのはいいのだけど、アイドルがひとりしかいない現状況ではのぞみがやる気を出さない!

かくしてリコもアイドルとしてデビューさせて、ふたりを競わせよう。負けたら引退! 唐突に状況が緊迫してきたわけですが、だってリコだもの、知りあい使って組織票とかやるよ? って、あかんって、そこまでわかっててよく勝負受けたなアキさんよ。

ふたりそれぞれに異なるアイドル活動の目的とかね、アキはアイドルに夢見てるけど、リコの方はえらいこと不純! やつらに吠え面かかせてやる、みたいなのが動機になってるアイドルって嫌だな。いや、実際のところはこんなもんかも知れんけど。で、勝負本番、MCが暴言になってるリコ vs アイドルとして擦れまくってるのぞみ。

これ、どうなるかわからんぞ、下手したらのぞみ負けるかも知らん。だって、変に集金に必死すぎなんだもの!

いや、順当にのぞみが勝ったんですけどね、でもここでアイドルに未練の出てるリコとか最高だったじゃありませんか。そしてこのまま活動継続!

ええ、このテーマ、面白いので、ちょくちょくやりましょう。思い出した頃にやる定番ものみたいになると嬉しいです。

『猫またはごはんを。』

このところ動物病院におとずれないサチ、いやタコ焼き屋のおばあさん! おばあちゃんに高齢猫。心配してお店を訪ねる獣医の先生は本当にいい人ですね。

そして出会うは日々野サチさん! 老猫ロクはというと、ネコマタになっていましたー、っていうんですが、ここでフクについて語られるの、あ、サチの顔、悲しみなのかい、そこに浮かぶ感情は? と思ったら、困惑だったかーっ!

いや、わからん、わからんですよ。前回、あのヒキでフク成仏と思わなかった人ってどれだけいる? みんな、フク成仏、残されたサチはフクとの思い出を胸に元気に生きていきますって最終回だと思うじゃない! ところが、ところがですよ、フク健在! どころか、シッポがさらに増えている! なにごと? ほんとになにごと? いやもう、見事に当惑。いや、フクが生存してくれてたのは本当に嬉しい!

なにより、獣医先生も感じたように、フクとロクとともに生き生きと生活しているサチの姿、これがよかった。ええ、見事なハッピーエンドだったと思います。

しかしこうして一緒に過ごしてくれる誰かがいて、やりがいある仕事もあってと、サチはしあわせものですよ。自分もかくありたい。羨むほどの、サチの逆転人生でした。

2023年2月4日土曜日

『まんがホーム』2023年3月号

 『まんがホーム』2023年3月号、一昨日の続きです。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

さくらば動物病院に加わった頼もしい仲間、熊倉花さん。経験者、ベテラン、知識も豊富ということで、さっそくキョウスケをビシビシ指導してくれているんですが、めておを相手に保定の練習、もしめておが獰猛な3メートルの猫だったらどうなってたかと厳しく指摘していくんですが、それはもはやヒョウとかジャガーとかの類いなのでは? 微妙に謎の前提盛り込んできちゃったりするんですが、指導自体はありがたいですよね。いつでも危機感持って取り組もう。そうした意識がひしひしと伝わってきます。

今回は、動物看護師としての基本である診察補助、保定を徹底的に叩き込まれます。熊倉の熱意にほだされてキョウスケもいつも以上にやる気出してるんですが、それでもなかなか結果に繋がらないというの、大変ですよ。どうすればいいか、動物に安心感を与えるための方法を実演しつつ説明していく熊倉の姿勢は、教えられる側にとってはありがたいですよね。頭ごなしに見えたけど、全然そんなことない。動物の気持ちになって接するように、教わる側の気持ちにも立ってくれているのかも知れませんね。

しかしこうしていろいろ教わるも、めておがキョウスケに対してだけはスパルタ指導!? 熊倉には従順、先生のいうこともよく聞く、けれどキョウスケのことはなめている!? いやほんと、動物が人をシビアに見るところ。信頼される人間になるにはどうしたらいいのか、話してわかってくれる相手じゃないからなお大変! といいたいけど、めておは人の言葉わかってるんじゃないかっていわれてますよね。ということは、あえて厳しい態度をとってる!? 

実にスパルタです。

『歌詠みもみじ』

歌詠みもみじは2月恒例のイベント! そう、節分ですよ。恵方に詳しい宇賀神ちゃん。いや、恵方に詳しいことってそうそうある!? あるいはイベントとなると盛り上がっちゃって、情報がんがん仕入れちゃうタイプなのかも知れませんね。

恵方巻きもすっかり定着しましたね。でもいきなり切られてる恵方巻き、それじゃただの巻き寿司だってツッコミ入れられてます。ということは自分が今年食べたのは、恵方巻きじゃなくて巻き寿司だったわけですな。ええ、案外このへんはゆるくてもよさそうですよ。

そしてちゃんとバレンタインのエピソードもありましたよ! ママさんからパパさんに! いや、もみじたちは盛り上がっとらんのか。ママさんからのチョコレート、結構奮発してるようで、意外! だったのですが、そうか、これは自分の分でもあるんだ。こうしてシェアしあうチョコレートっていうのも、家族のイベントって感じで悪くないですよね。なんだかんだで仲のいいふたりです。

『うちの秘書さま』

うちの秘書さまも2月恒例のイベント! そう、節分ですよ。恵方巻きにはじまり、鬼役決めての豆まき。はいいんだけど、高倉さん、速攻で腰をいわして鬼役をはじめと交代ですよ。いやいや、そんなに張り切って飛ばすから! 大人の節分なんですから、もっとこう儀礼的に静かにやったらいいんですよ。といいたいけど、きっとはじめを前にして手を抜きたくなかったんだろうなあ。ぼっちゃんのためには誠心誠意、本気で取り組む屋敷のみんなです。

鬼役になったはじめに豆を投げられないメイドたちと、対照的にまるで容赦のない七瀬の対比が素晴しい。ぼっちゃんに豆を投げられないのは、ぶつけるなんてとんでもない! からなのか、あるいはたとえ鬼役とはいえぼっちゃんを外に追い出すような真似はできない! からなのか。おそらくは両方なんじゃないかなって思ったりしましたよ。

そして豆まきを終えてからの食事、恵方巻きに庭師の田中さんを招こうと思ったら、庭が豆だらけ! 田中さんの仕事を増やしちゃった!? からのこれを片づけるはじめ七瀬のコンビネーション。これが鮮やかすぎて笑ってしまいました。

2023年2月3日金曜日

『まんがタウン』2023年3月号

 『まんがタウン』2023年3月号、発売されました。表紙は『新婚のいろはさん』。舞台は猫カフェ。ねこじゃらし手にしたいろはが、猫にたかられて、頬をぐいーっとやられたりなんかしていますよ。背後には、ソファーでくつろいで読書しているはじめくん。それを静かに覗き込んでいる黒猫、おりこうさんですね。かまってもらえて嬉しい猫と、静かにどっかり落ち着いている猫。猫にもみえる様々な個性、イラストからも感じられて、この多彩さ、実に魅力です。

今月は新連載が1本です。

『ホントはダシたい山車さん』

社内でも無類のクール女子、山車香織は佐藤類とつきあっている? あるいは結婚してるのかな? そんな彼らの出会い、なれそめとともに語られるダシの話。

なるほど、タイトルにあるダシっていうのは、鰹や昆布からとるダシのことでしたか。

誰に対しても厳しく、表情も崩さない山車。そんな彼女の皆は知らない一面を知ることとなった佐藤。給湯室で軽くなにか小腹におさめようと思ったところ、たまたま居あわせた山車に簡単な味噌仕立てのスープを作ってもらえた。沖縄でかちゅー湯と呼ばれるものだそう。かちゅーというのが鰹のことなんでしょうね。

山車が作ってくれたかちゅー湯があまりにおいしかったので、自分でも作ってみた佐藤の感想。味が違う。からの山車にその理由を聞いてからのくだりが面白かった。山車の鰹節について説明。種類が違うと味も香りも違うというのを、佐藤に食べさせて確認させて、そのダシへの愛情がふたりを結びつけていくんですね。

クールと思われてた山車の、しかし本当はほがらかで感情豊かな様子。それを知るのは今は佐藤だけ? この意外な表情、ふるまい、これがまた魅力的でした。

『押しかけギャルの中村さん』

海の次はお祭り。夏を満喫していますね、中村さん。秋山は海の疲れから不参加だったというのですが、中村が持ち帰ってきたたこ焼き、焼きそばを食べて、それなりにお祭り気分を味わってはいたものの、お祭りの、というかわたあめの実際を知っている中村は不満足。

かくして急遽浴衣を調達して、ふたたびお祭りにいくというんですね。なんというアクティブ。

持ち帰りとは違う、できたて焼きそばを食べて味の差を知る秋山ですよ。で、このままふたりでまわるのかと思ったら、いつぞやのウテナさんと遭遇! リア友の眼鏡さん、可愛いなあ。はいいとして、秋山と中村の関係に興味津々の彼女、表立たないようこっそり後をつけて、ふたりの接近イベントなどを堪能しとるってわけですよ。

で、この人のゲーマーとしての本気度合い。倒れない射的のマトに翻弄されている子供を見て、急遽参戦、からの連続ヒットさせるその腕前。いやいや、なんでコルク銃の威力まで上がるのよ! というのも謎ですが、この騒ぎで秋山、中村に発見されてしまったウテナ。ふたりには干渉しないと誓ったはずのこの人が、中村のスーパーボールすくい超得意発言に触発されて、本気出して圧倒するわ、罰を申し出る中村に秋山へのキスを命令するわで、誓いが誓いになっとらん!

でもほんと、ここからの展開! うまくアウトなラインを避けたつもりの中村だけど、秋山撃沈! ウテナも撃沈の撃沈女王になってしまってさあ大変。ほんと、そのあたりの機微に疎い分、破壊力も相当だったようですよ。

イカ焼きで口元汚してる中村が可愛かったというの、書く余地がありませんでした。

『新婚のいろはさん』

軒並ライジのサイン会! これ面白かったなあ。軒並ライジ、いやさはじめの言動もそうなんですけど、いろはにサイン会代行させようとしたり、編集氏のいうことまるで聞いちゃいねえ! ってとこも、本当に面白かったんですけど、それ以上にサイン会の内幕みたいなのが実によかった。

定員100名が無事満杯。もし集まらなかったら身内を呼んでサクラで埋めるとかね、そんなことあるんだ! からの、作者のプライベートを隠してみたり、時間制限の中、ひとりあたりの1分ちょっとみたいな計算とかね、こういうのが本当に面白かった。

思えば自分も、単行本買って整理券もらってサイン会に参加したこと何度かありました。そのうちのおひとりがたかの宗美さんだったのですが、その時も裏側では出版社の方や書店員さんが、こういう話をなさってたんだろうなあ。なんて思うと、懐かしいなかに新鮮さもまた感じられる。思い出がアップデートされたみたいな感覚あったんですね。

サイン会は作家とのちょっとしたコミュニケーションも嬉しかったりしますよね。そんなのも描かれた今回。作家側からはわりと必死で、記憶もなにもてんやわんやだったりするのかな!? みたいなところもまた楽しく読みました。

『兎なりのウサギさん』

ウサギも序列を作るんだ! そうか、考えてみたら群で暮らす生き物。当然序列もあるわけですね。

みたらしの中では紅詩が1番、自分が2番。そして青枝は3番だから、当然青枝のいうことは聞きません。いたずらをとめようとしても、相手にさえしてくれなくて、しかたないから身をていして電源ケーブルかばったら敷物みたいにされちゃった。

でもまあ、これはこれで楽しそうではありますよね。

そんなみたらし内の序列が上がったり下がったりしちゃうというのが今回の本題でした。青枝が連れてきたいとこの菜々花ちゃん。ちっちゃい子。ウサギが好き。青枝の親族だけあって、顔がしっかりしてるのが逆に可愛いな! 恥ずかしがり屋で、ちょっと気も弱いのかな? みたらしの急な動きに驚いちゃって、青枝によじのぼって逃げちゃったりするのね。ああ、涙目だ。ウサギは怖くないよ! 青枝にかばわれながらみたらしに触れていくところ、気を使ってくれるお兄さんお姉さんもチャーミング、全然気を使わないみたらしも面白い、ええ、すごく可愛い回でした。

菜々花の怖がりなところ、リンゴにテンションあがったみたらしにおびえちゃってまたも涙目! 飛びかかるみたいにしてリンゴを奪いにきたみたらしには震えがとまらない。でもウサギは好きというこの子の揺らぎなさ。いやほんと、こういう菜々花の性格、行動? なんかも、本当に可愛かった。

こういうの、作者さんのお身内とかで実際にあったりした反応だったりするんでしょうか。

で、みたらしの中で菜々花の順位が上がったり下がったり下がりまくったりと、困惑の一日? で、最後に青枝がトップランクに!? いや、みたらしにとってはおそらく不動の3位なんでしょうけど、みたらしにはわからぬ人の気持ちの機微なんてのも垣間見えて、楽しかったです。

ところで、紅詩の母、この人の序列はどのへんなんでしょうね。多分、紅詩より下、みたらしよりは上、あるいは紅詩超えもあるかも知れないですね。

2023年2月2日木曜日

『まんがホーム』2023年3月号

 『まんがホーム』2023年3月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、らいかがメキシカンロック、マラカス両手に愉快に踊っております。『先輩に推されて仕事になりません!』は瀬谷と花村ふたり一緒に、これはサンバかな? 今回のテーマは世界の踊りと衣装みたいですよ。『魔界の愛されCEOは元勇者』魔王とソヴァンは、ふたり手をとってダンス? ソヴァンがめっちゃ生き生きしてますね。『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻は、中国伝統の衣装? 京劇かなにかなのでしょうか。実に鮮やか、素敵です。

『孔明のヨメ。』

孔明の兄、諸葛瑾が孫権の使者としてやってきました。そこで聞かされる弟孔明の「十万本の矢」作戦の顛末。これ一発で心労がピークに達したようですね! 周瑜と魯粛の無言の背中が、またおかしみを強めていました。

諸葛瑾の用は、孫権の出陣について知らせるためだったんですね。合肥に打って出る。しかし目的は戦にあらず、曹操にプレッシャーをかけ、赤壁の兵力を削ぐための陽動だという。この策について聞かされた周瑜が感じた違和感。さすがですよね。孫権ではない誰かが考えた。しかしそれが誰かというの、いやまあ、孔明ですよね……。ええ、確かに孔明でした。

今回は派手な動きのないエピソード、これからの見せ場を前に状況を作っていく、そんな段取りの場面であったのですが、各人の意図が見えるところが面白く、そしてそこに裏で糸を引いている孔明の存在がやっぱり大きいというの、静かだけど動きやうねりがないわけでないというのが魅力となる回でした。そして最後に現れた龐統。彼の出番とはいったいなんなのか!

曹操軍攻略のための動き、あちらからこちらから一癖二癖ある人物が現れて、それがいずれひとつの方向性に向かっていく。その提示されることごとにわくわくさせられっぱなしです。

『天国のススメ!』

学校に現れる黒い影の手。あまりの怖さに太一さえビビりたおす! 未知の怪異。しかしこうして話題になるほどあちこちで目撃されて怖れられているの、なんとかせねばならんとちゃんと動くのが太一のいいところですね。で、頼るのがシャドーピープル影野くん。って、怪異じゃん! 怪異のことは怪異に聞けってことですか? というか、普通に怪異と交流してる太一がやっぱり規格外としか思えんのですよ。

新たな怪異への接触。たいていこういうのって、うかつに接触しようとしたものが祟られたり酷い目にあったりするわけですが、太一がいるから安心してられるっていうの、ちょっと特殊ですよね。で、呼び出す方法が皆で楽しくババ抜きなの!? で、それでまんまと釣られる影の人、からの太一、影の人を心底ビビらせる!

太一が驚かす側なのか、怪異の方が悲鳴あげるのか。意外な展開についつい笑ってしまいました。

その影の人、女の子だったんですね。知らぬこととはいえ、女の子に抱きついてしまった太一。ふー、十子がいなくてよかったぜ。からの、怒られると思ったその子が思わず得られた優しい言葉と思いやり。怪異出没という困りごとへの対処と思わせて、怪異の抱えていた困りごとが解決されたところも面白く、そして微笑ましくも嬉しくもある、そんなあたたかなエピソードでした。

『スナックあけみでしかられて』

今回は節分なのか。この漫画らしいなあ、と思ったら、バレンタインにシフトしましたよ! どきっ! 男たちのバレンタインフェア体験記! 一度いってみたいという相談を受けて、いつになくガチな対応してみせるあけみさんがおかしい。

どんだけなのか、バレンタインフェアとはどれほどに過酷なのか。基本単独行動で、手分け購入もあり。出会うチョコは一期一会、今年の限定品を逃がしたら二度と入手はかなわないかも知れない。

なんかちょっとコミックマーケットみたいだなって思いましたよ。あのフェアに出展するお店の配置図なんかからも、なんかそんな感じさせられました。

そして男3人でのバレンタインフェア。選んだチョコで試食大会しようなんてことになって、実に楽しそう! からの、多種多様のチョコのラインナップに魅せられて大量に買い込んでしまうっていうのが本当におかしくって、こういうところも即売会みたいだ! ええ、目移りして魅了されてテンションあがって歯止めが利かなくなるんだね!

そんな男子メインのバレンタイン情景。本当に楽しそうで面白かった。こういうの見ちゃうと、自分でも経験したくなってしまいますね。

2023年2月1日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2023年3月号

 『まんがタイムきららキャラット』2023年3月号、昨日の続きです。

『うさパン焼いて悪いかよ!』

店の売り上げを伸ばしたいクマの母。それで飛び出たアイデアが、ハチに可愛い衣装を着せての客引き。チラシを配らせようっていうんですが、方向性は正しいと思うんだけど、可愛い衣装、しかもメイドとかチャイナとかナースとか着せようっていうのがおかしい。いや、だってさ、パン屋の宣伝よ? なんのお店かわからなくなるじゃん!

とか思ったらですよ、メイド衣装でやる気出してるヤヤが、ウサギのパン屋だっていってるのに、コンカフェと思い込んだ客を呼び込んじゃって、ちょっとした混乱というか惨事引き起こしちゃったりしたのがおかしくって、案の定と思っていいのか、いやチラシまで受け取っといて勘違いし続ける客も客だなって思ったり、いやもうともかくおかしかったです。

そしてネム! チャイナが可愛いね! と思ったら、なんかすごいことになってるよ!? チラシ配りの演舞とか、それ、普通に出し物として成立するレベルだよね!? からの、ものすごい精度の折り紙作り上げたり、ほんと、この人なにものなんだろう。いやもう、実にいいキャラクター。さらに好きになりました。

今回は、ナースの衣装着たハチが、クマから可愛いといわれて気持ち複雑? 怒っちゃいるけど、まんざらでもない? いや、この子は自分に自信がないのかな。そうしたハチの気持ちの揺れ動き、切実な思いにぐっとくるものありました。

さて、店長の策略、裏目に出ましたか? ナース衣装のハチを見た兄貴が、こんな店で妹を働かせられないと大激怒。ハチ、家ではちーちゃんって呼ばれてるんだ! 結構かわいがられてる模様。ちょっと微笑ましいと思いながらも、この兄の怒り、いかにして収めるのか。店長の手腕の見せどころ? あるいはクマの頑張りに期待すべき局面かも知れませんね。

『紡ぐ乙女と大正の月』

いいじゃありませんか、素直雪佳さん! つい数日前が雪佳の誕生日だったと知った紡が張り切りましてね、お祝いしたいとプリンを作って持ってきてくれました。雪佳のためになにかできるのが嬉しいのか、終始笑顔でテンション高い紡と、反面騒ぎ立てられるのが迷惑なのかツンツンしてる雪佳。

で、そのツンツンがですよ、素直になれずに演技してるってのがバレちゃうんです。雪佳の好みにあわせて、甘さ控えめにしたプリン。自分のこと覚えてもらってるのが嬉しかった? ひと口食べたら、それがまあおいしかったようで、雪佳のさじがとまらない! いい感じじゃん! と思ったら、風味づけに使ったラム酒のせいで酔った!?

酔うと年相応になるんですか、雪佳さん! すっかりおとなしく素直になっちゃって、紡ちゃんのこと大好きですって!? いやもう、ここで紡が調子にのらなかったらボコボコにされる未来は回避できた? いや、自分の本心知られた時点でボコるの確定してるか。

ともあれ、素直雪佳の破壊力よ。実に素晴しかったです。