『まんがタイムきらら』2023年3月号、昨日の続きです。
『星屑テレパス』
ラジオを通じて呼びかけられるアキカズという名。それは遥乃の祖父の名前。まさか祖父明一を知るものなのか。問うてみるも、直接の面識はなく、かつて交信したという記録にもとづいての呼びかけだったというのですね。
彼らのホームで親しまれている歌、ユウの歌を受信したことをきっかけにはじまったこの交信。海果の宇宙人なのかという問への答は「はい」。ここにきて、ユウの宇宙人という話が明確なものと確定しましたよ。
いえね、ずっと海果のイマジナリーフレンドなんじゃないか説も捨てきれずにいたものですから、ここにきてひとつ確実なことが増えた、ユウへの理解が深まったおかげで、少しでも事態が前進した、そんな思いがしています。
しかし長くは続けられなかった交信。自分のことがわかるのではないかとうユウの期待は満たされなかったものの、切れる直前に伝えられた謎の数列。これがなにを意味するのか。今はまだわからないものの、瞬がかなりやる気を見せてくれているじゃありませんか。
ずっとユウの正体について疑い続けてきた瞬が、落ち込む皆をひとりひとり励ますように声をかけていくところ。謎の数列に取り組むことを明言したところ、これは本当にかっこよかった。ええ、瞬、いい仲間になりました。頼れる仲間になったんだって改めて実感させられた瞬間でした。
『けいおん!Shuffle』
合宿が無事に終了! 参加期間がやたら短かったしなのが一番やりきった感出してるのがおかしいんですが、反対に物思いにとらわれているのが楓。ひとりずっと気もそぞろに、音楽とはなにか考え続けている。しなのたちの演奏と自分たちのとの違いにはじまり、音楽そのものに対する問にまで考えは深まっていって、気づいたら皆からはぐれて、知らない街を歩いていたっていうんですから、こりゃもう重症です。
そんな楓が出会ったのが、謎の女子高生! 楽器屋でベースの試奏をしていたこの人の演奏に触れて、楓、感じるものがあったみたいです。音楽を感じた。その音に憧れを覚えた。唐突に話しかけられた澪の、いやさベースを弾いてたこの人の、戸惑いながらも楓に返した答、それが合宿を終えてからずっと煩悶していたことに決着をつけてくれたようで、この出会いは刺激といっていいのか、少なくとも楓にとっては得がたいものとなったようですよ。
で、この楓のその後なんですが、紫に電話をしたと思ったら、唐突に謎のメッセージ残してひとり納得して切っちゃうんだ! リサから楓の様子がおかしかったって聞かされてた紫だけど、この奇行を受けて、いつもどおりだって戸惑いながらも納得してるの、なんだろう、このふたりの関係性! ほんとしみじみじわじわくるおかしさあってたまりませんでした。
『しあわせ鳥見んぐ』
わあ、扉の燕尾服ひなさん、めちゃくちゃ可愛いな! ということで、今回はひなのお家でツバメについて話します。
まずは聞きなし。ツバメの声が「土食って虫食って口渋い」って聞こえるみたいなやつ。ウグイスは「法、法華経」。センダイムシクイは「焼酎一杯ぐいー」。ホオジロは「札幌ラーメン味噌ラーメン」。聞いたことありますね。ほかに有名なところだと、ホトトギスの「テッペンカケタカ」とかでしょうか。
でも実際に聞いてみても、そうは聞こえんよな? みたいな、それこそ今回のすずみたいな反応になっちゃいますよね。
そして続いて、人と共存する鳥としてのツバメについて話されて、家の軒先に巣をかけるのはカラスやヘビを避けるのに人の存在が都合いいからなどなど。また人からしたら、虫はとっても作物は害しないツバメがありがたいといった、互いに利のある関係を築いてきた身近な存在であることが重ねて語られて、よりツバメを親しく感じさせるところ、大変よかったのでした。
ツバメが巣をかけると家が栄えるという言い伝え。けれど最近は環境や家のつくりの変化により、エサの獲得が難しくなったり巣をかけられる場所がなくなったりしたために、ツバメ自体が数を減らしているというショッキングな話もあって、さらにはフン害を嫌い、巣が取り壊されるなどなども。
でも、こうしたフンの害を、フン受けを作ることで対策するすずです。楽しそうに工作して、さらにイラストまで描いてと、すずの活躍する姿、いきいきとしてすごく素敵でありました。
どれもこれもちょっとした工夫ですけど、そこにツバメと暮らせる環境がこれからも続いてほしいと望む人の思いが感じられて、これから街でフン受けもろもろ見掛けるたびに、今日のこの感想を思い出すことになりそうです。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第3号(2022年3月号)
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